ZENSHIN 2008/02/25(No2332 p06)

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週刊『前進』(2332号1面1)(2008/02/25 )

 3・16全世界大デモへ

 イージス艦の漁民虐殺弾劾する

 労働者の団結で戦争を阻もう

 動労千葉が呼びかけた2・17労働者集会は400人を超える熱気あふれる大結集でかちとられた。階級的労働運動の白熱的実践と塩川一派打倒の闘いが、労働者の自己解放的な決起を呼び起こしている。時代の基調は革命だ。08春闘をストライキで闘い、3・16全世界一斉デモの首都圏5000人―全国1万人結集をかちとろう!
(写真 熱気あふれる2・17労働者集会を終えて動労千葉を先頭にデモ。「解雇撤回! 春闘勝利!」の声が響き渡った【2月17日 水道橋】=記事2面

 米兵の少女暴行事件を許すな

 3・16全世界一斉デモで、米・日帝国主義によるアフガニスタン・イラク侵略戦争に怒りを爆発させよう。「核開発」とか「テロ支援」を口実とした米帝のイラン空爆策動を断固阻止しよう。
 アフガニスタンではタリバンが完全に復活し、米帝・NATO軍を追いつめている。アフガニスタン侵略戦争をめぐる米欧帝国主義の分裂・抗争も激しく進行している。
 米帝のイラク軍事占領も完全に危機だ。アルカイダを始め、ムスリム人民の米軍や治安部隊へのゲリラ戦争が、不屈に爆発し続けている。その一方で、イラクの石油労働者組合は、油田・採掘施設、パイプライン、精製所などの生産点を握ってストライキで闘い、外国資本をたたき出し、民営化を阻止してきた。それが米帝のイラク軍事占領を根底から破産させている。米帝は、このストライキやデモに立ち上がったイラク労働者を攻撃し労働組合指導者を暗殺するなど、闘う労働運動を圧殺しようとしてきた。
 この米軍と一体で日帝は、航空自衛隊が米兵や武器・弾薬をバグダッドに輸送し、海上自衛隊が米艦船に燃料を補給して、米帝・多国籍軍のイラク侵略戦争を支えている。断じて許せない!
 闘うイラクの労働者と人民への空爆を絶対に許すな! 帝国主義の侵略戦争を止められるのは労働者の団結した力だ。全世界の労働者が連帯し、3・16のストとデモに決起して、帝国主義の強盗戦争をぶっ止めよう!
3・16大デモの爆発で、沖縄の米兵による少女暴行事件と海自イージス艦「あたご」による漁船・清徳丸への衝突、漁民虐殺に怒りをたたきつけよう。戦争のための日米安保体制を労働者の団結と決起で粉砕しよう。

 軍事が最優先

 基地があるから、イラク・アフガニスタン侵略戦争が激化しているから、事件・事故が起きるのだ。沖縄を始めすべての米軍基地を撤去せよ!
 「綱紀粛正」などの問題ではない。少女暴行事件後も米兵による飲酒運転や住居侵入、女性暴行など本当に許せない事件が起きている。もう我慢がならない。辺野古基地建設など絶対阻止だ。労働者が団結して闘えば戦争も基地も止められる。沖縄の怒り、全駐労ストに続こう。
 2月19日未明、海自の最新鋭イージス艦「あたご」が漁船に激突して転覆させ漁民父子を虐殺する大事件が起きた。「あたご」はハワイでの対空ミサイル戦闘訓練から帰る途中で軍事行動をしていた。だから漁船を30分前に発見しながら自動操舵(そうだ)を続け、回避行動をとらずに直進して激突した。軍事優先で、漁船など無視し沈没させて当然というのか。これこそ帝国主義軍隊の正体だ(6面参照)。
 福田政権は「自爆テロだったらどうするのか」「危機管理がなっていない」などと言っている。漁民の命より軍隊と戦争体制の方が大事だと言うのだ。しかも、今や日帝・福田政権は、自衛隊海外派兵恒久法の制定や戦争体制の構築、そして改憲攻撃にますます突き進もうとしている。
 帝国主義軍隊は労働者人民を守らない。これが沖縄戦の教訓だ。すべての基地を撤去せよ。米軍再編攻撃を許すな。自衛隊はイラクとインド洋から撤退せよ。3・16大デモで戦争・改憲に突き進む福田政権に怒りをたたきつけ、打倒しよう!
(写真 “すべての基地を撤去せよ!”米兵による少女暴行事件を糾弾し、沖縄民権の会、沖縄−本土をむすぶ労組連絡会の呼びかけでアメリカ大使館、防衛省への抗議行動が闘われた【2月19日 アメリカ大使館前】=記事5面

 国際連帯闘争

 3・16全世界一斉デモは、全世界の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民が団結し、最末期帝国主義を打倒するために、一斉蜂起に立ち上がる国際連帯闘争だ。
 イラク戦争の5年間で最末期帝国主義の破局的危機は深まり、世界の労働者階級は革命によってしか生きられない現実にたたき込まれてきた。
 サブプライムローンの破綻(はたん)を引き金にして、世界金融大恐慌が爆発し始めている。年初以来の世界的な株暴落で、時価総額で650兆円が吹き飛んだ。証券も国債も紙幣も紙くずになる時代が来ているのだ。
 帝国主義には、世界金融大恐慌を回避する手段などない。帝国主義は、底なしの危機を爆発させながら、帝国主義間(大国間)の相互絶滅戦的な死闘を繰り広げ、世界戦争に突き進んでいる。そして、その一切の犠牲と矛盾を労働者階級に強制する国内階級戦争を激化させてきている。

 貧困化と戦争

 イラク戦争のこの5年間、米帝は軍事費を増大させ、教育と医療を切り捨ててきた。貧しくて大学に行けない青年、卒業しても学資ローンの返済で圧迫される青年、健康保険がないために医者にかかれない人びと、失業し生活苦から消費者金融に頼らざるを得ない多重債務者、生活が破壊されアメリカで働かざるを得ない移民労働者などを膨大に生み出してきた。米農務省でさえ「アメリカで『飢餓状態』を経験した人は3510万人、全人口の12%」などと言っている。イラク戦争を続けるアメリカ社会は大崩壊している!
 しかもブッシュ政権は、「学費を国防総省が負担する」「職業訓練を受けられ、退役後は自由に仕事を選べる」「医療保険に入れる」「市民権を取得できる」などと言って、青年労働者や学生を軍隊に入れ、次々とイラクに派兵してきた。
 だが、貧困から抜け出すために軍隊に入り、イラクに行った青年労働者や学生を待っていたのは「戦争での死か、より一層の貧困か」だった。入隊しても学費は一部しか保証されず、大学を卒業しても仕事がない。軍の給料も年間200万円以下の貧困ラインだ。医療保険を得るどころか、イラクで負傷し、病気になり、膨大な治療費を要求される。仕事や家も失い、米国内のホームレス350万人の3分の1はイラク帰還兵だ。

 希望は革命!

 「希望は戦争」などではなかった! 帝国主義者どもは、青年労働者や学生を貧困にたたき込み、戦争に引きずり込んで使い捨てにしてきた。もはや青年労働者や学生にとっては、革命以外に生きる道がないのだ。
 このアメリカ社会の現実は、全世界の労働者階級が直面していることとまったく同じだ。「新自由主義」の攻撃は、世界の労働者を貧困と戦争にたたき込んできたのだ。
 だが他方で、イラク戦争5年間で、世界の労働者は一つに団結しようと闘ってきた。アメリカではストライキが激発し、1930年代以来の労働運動の第2の高揚期に突入した。ドイツ、フランス、イギリスでも、ゼネストが闘われている。国鉄分割・民営化という新自由主義攻撃に勝利してきた動労千葉が、アメリカや韓国の闘う労働組合と結合して、世界の労働運動を力強く牽引(けんいん)している。
 3・16全世界一斉デモこそ、昨年の11・4労働者集会で始まった「世界革命への5700人の団結」を、全世界に拡大していく闘いだ。団結した労働者の力と闘いこそが社会を変革し、歴史をつくる。3・16大デモから世界革命に突き進もう!

 08春闘は<ストライキ春闘〉だ

 さらに3・16全世界一斉デモは、08春闘の最大の決戦場だ。労働者が団結して闘ったら勝てる時代が来た。資本や体制内労働運動と激突し、闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう。ストライキを闘って3・16に職場から大結集しよう。
 08春闘はストライキ春闘であり組織拡大春闘だ。動労千葉や、北海道教職員組合、全駐労の偉大なストライキに続こう。賃下げ、首切り、労働強化、年金破壊への怒りを爆発させよう! 国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別の労働者は、労働者階級の最先頭で08春闘を闘い、3・16大結集運動の先頭に立とう!

 平成採獲得を

 08年は分割・民営化以来のJR体制が全面崩壊する年になる。動労千葉の勝利性が、すべての国鉄労働者を獲得する時代が来た。平成採の青年労働者は、JR資本とJR総連に怒りを爆発させて立ち上がろう!
 08年の「日の丸・君が代」不起立闘争は、根津公子さんの不当解雇を狙う都教委に対する実力闘争として開始された。日教組30万組合員は、不起立闘争で団結し、日教組本部を打倒しよう!
 郵政民営化による合理化・長時間労働を職場の団結でぶっ飛ばせ! 今でも人員が足りないのに2万4千人の削減など論外だ。生産性向上を掲げ屈服・転向するJP労組中央を打倒しよう!
 財政難を口実とした民営化攻撃と自治体労働者の大量首切り、社会保障の切り捨てなど断じて許さない。財政赤字は自治体労働者の責任ではない。労働者の命と生活を保障しない国家など倒して当然だ。北教組のように断固ストで闘おう。
 青年労働者はマルクス主義青年労働者同盟に、学生はマルクス主義学生同盟に結集し、3・16全世界一斉デモにともに立ち上がろう。法大決戦の大爆発をかちとり、そこから3・16大結集へ!

 3・30三里塚へ

 3・16全世界一斉デモの巨大な爆発から、労農同盟―プロレタリア革命勝利への決意も固く3・30三里塚全国闘争に総決起しよう。革命運動から脱落・逃亡して革共同と労働者階級に敵対する塩川一派を打倒しよう!

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週刊『前進』(2332号1面3)(2008/02/25 )

 日程 3月16日(日)全国各地の方針

【仙台】
 ワーカーズアクションin仙台
午後1時から
仙台市勾当台公園・グリーンハウス前
集会後、仙台市内を大デモ
【東海】
 3・16 春闘勝利! 東海総決起集会
午後1時半〜 名古屋市教育館
(地下鉄東山線、名城線「栄」駅下車)
集会終了後、栄中心街をデモ
呼びかけ/東海合同労組
【富山】
 ワーカーズアクションin富山
正午から 富山市民プラザ前
集会後、デモ
【関西】 
 ワーカーズアクション・カンサイ
午後2時集合 4時からデモ
大阪・扇町公園
(地下鉄堺筋線・扇町・JR環状線・天満) 
【岡山】 
 ワーカーズアクションin岡山
正午から 石山公園(岡山市民会館北側)
【広島】 
 ワーカーズアクションin広島
午後1時 原爆ドーム前 2時半からデモ
【福岡】
 福岡レジスタンス3・16行動
12時半〜午後2時 学習会
「イラク戦争はどこにいくのか?」
午後2時〜3時半 天神一斉街頭宣伝
主催/福岡レジスタンス

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週刊『前進』(2332号2面1)(2008/02/25 )

 “1047名闘争を原点で再構築”

 国鉄・春闘集会400人の熱気

 田中動労千葉委員長が勝利へ展望

 激動の08春闘、第2次国鉄決戦が音を立てて始まった! 動労千葉が主催した2・17労働者集会は、そのことを力強く実感させる熱気あふれる集会になった。1047名を始めとする国鉄労働者にJR不採用が宣告された87年2月16日から21年。あらゆるところから噴出を始めた労働者の怒りのマグマと結びつき、1047名闘争はいよいよ勝利への反転攻勢の時を迎えた。
 東京・水道橋の全水道会館には「会場の床が抜けるほど」(発言者)の労働者・学生が集まった。演壇のまわりや通路という通路にぎっしりと参加者が座り込み、それでも入りきれない人が廊下にあふれ出し、参加者は400人を超えた。
 基調を提起した田中康宏委員長は、まず集会開催の経過について、「動労千葉として『2・16』に独自に集会を呼びかけたのは初めて。この日だけは解雇撤回の一点で1047名全体が団結して一緒に運動を進めたいという思いで、独自集会は呼びかけてこなかった。しかし今、4者・4団体のもとで1047名の団結が踏みにじられ1047名闘争は重大な岐路にある。動労千葉は当事者として、絶対に負けられないという決意を込めて今日の集会を呼びかけた」と述べた。
 そして田中委員長は、“資本主義体制の終わりの始まり”とも言える時代の巨大な変化、08年がJR体制の大転換の年になることを明らかにした上で、「国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃であり、日本における新自由主義攻撃の出発点をなしている。われわれ自身が一から日本の労働運動をつくりかえる努力なしに1047名闘争の勝利はない。動労千葉がここまで来れたのは、労働者の団結というただ一点に依拠して闘ってきたからだ。今こそ1047名闘争を原点に返って再構築しよう。1047名闘争を先頭に4大産別の労働者が結集し、非正規職で苦闘する労働者が結集する。こうやって闘う労働運動の再生をつくり出す中で1047名の解雇撤回を絶対に実現しよう」と訴え、1047名闘争が本来持っている無限の可能性、勝利の展望を明らかにした。
(写真 「闘う労働運動の再生に1047名闘争の勝利がある」と田中委員長が基調提起。演壇うめた青年ら参加者は熱心に聞き入った【2月17日 東京・水道橋】)

 不起立闘争の拡大で団結を

 続いて、教労・全逓・自治体の労働者が特別報告に立った。東京教組の労働者は「『日の丸・君が代』拒否は、内心の自由じゃなく戦争の問題そのもの。“不起立の拡大で団結”の一点で闘う」と卒業式・入学式闘争を目前にした固い決意を表明。神奈川の教育労働者は「日教組本部は、教研集会の会場が借りられなかったとしか言ってないが、社文会館を押さえていたそうだ。やる気がなかったんだ! 日教組中央打倒のために組合権力を取る」と宣言した。
 全逓労働者は「当局はさらに2万4千人を削減すると現場をなめたことを言っている。都市部でも郵便局の統廃合、首切り攻撃が始まっている。3・16を統廃合絶対反対の総決起集会として闘う」と述べた。
 関西の自治体労働者は「本部ダラ幹と自分たちはどこが違うのか、公然とやりあって仲間に見せていく。そこから職場闘争、職場からの改憲阻止闘争をつくっていく」と語った。
 いよいよ当該である動労千葉争議団の高石正博さん、秋田闘争団の小玉忠憲さん、さらに動労水戸の石井真一委員長、国労5・27臨大闘争弾圧被告の富田益行さんが登壇。国鉄分割・民営化以来20年余の万感の思いと勝利への決意を込めた感動的な発言が続いた(要旨別掲)。高石さんは「1047名闘争は国家的不当労働行為を問う闘い」と述べ、小玉さんは「勝てるチャンスが来ている」と訴えた。
 集会の最後に、体制内指導部と激突しながら職場での闘いを開始した5人の青年労働者が決意を表明(要旨別掲)。職場闘争報告と3・16デモへの大結集を呼びかけた。
 連帯のあいさつでは、動労千葉鉄道運輸機構訴訟弁護団の佐藤昭夫弁護士、三里塚反対同盟の伊藤信晴さん、憲法と人権の日弁連をめざす会の西村正治弁護士、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が次々と登壇し連帯と決意を表明した。
 また、全日建運輸連帯労組関生支部の武谷新吾執行委員が関西から駆けつけ、武建一委員長のメッセージを読み上げた。
 集会後、参加者はデモに出発。「解雇撤回! 春闘勝利!」のコールが都心に響き渡った。
(写真 熱気の集会をかちとり、1047名解雇撤回、08春闘勝利、3・16大結集へむけて“団結ガンバロー!”)

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週刊『前進』(2332号2面5)(2008/02/25 )

 “首切りに加担するのか!”

 根津さん先頭に都教委追及

 「トレーナー処分」再び阻止

 「君が代」強制に不起立で闘う根津公子さん(南大沢学園養護学校)に対する「トレーナー処分」策動を再び阻止したぞ! 2月21日夕、都庁前に集まった労働者・市民には勝利感があふれた。
 根津さんが学校で作業衣として着ているトレーナーに「OBJECTION HINOMARU KIMIGAYO(日の丸・君が代に異議あり)」との文字プリントがあることを口実に、校長は職務専念義務違反、職務命令違反をデッチあげて都教委に報告した。「卒業式前の首切りなど絶対に許さない」と、2月20、21日の両日、根津さんを先頭に怒りに燃えた人びとが、抗議行動を行った。
 20日午後、先週に続いて根津さんが公開質問状への誠意ある回答を求めて都庁・教育庁を訪れたことに対し、都教委はまたしても職員を多数動員して廊下に阻止線を張った。根津さんと支援の人びと50人をエレベーター前から一歩も中に入れない構えだ。抗議に対し職員は「管理上問題がある」「ケースバイケースで対応する」などと言い放った。「私を中に入れない理由を言ってみなさい!」。根津さんの弾劾に直面し、職員は押し黙って時間を稼いだ末に、退庁時間を口実に、警備員を前面に立ててその場から逃亡してしまった。なんという無責任! 根津さんと支援者は廊下が消灯になっても徹底抗戦の構えを崩さず、夜の8時まで座り込んで闘いぬいた。
 翌21日は朝8時から多くの人びとが都庁前に集まり、ビラを配りマイクを握り「トレーナー処分阻止」を全力で訴えた。9時半からは都教委の定例会が開かれ、根津さん始め20人が傍聴に入ったが、「懲戒処分」問題に入るところで非公開になり前回同様に退出を強制された。
 当事者である根津さんに一言の反論の機会も与えず処分を審議するというのか。絶対に認められない。根津さんを先頭に50人もの人びとが前日に続いて詰めかけた。職員は最初から大勢で威圧的に立ちふさがり、かたくなに「中に入れさせない、聞く耳持たない」という態度だ。
 だが根津さんの怒りの叫びと理を尽くした訴えは、個々の職員の心臓を射抜く鋭さだ。
 「ここに立ってじゃましているということは私の首切りに積極的に加担するというのか。それが自分の仕事だと、誇りを持って言えるのか。“こんなことに手を貸すことはできない”と上司に向かって今こそ言うべきではないか。答えてごらんなさい!」
 押し黙り自信喪失し、うつむく職員たち。どちらに正義があるかは明らかだ。
 この日、根津さんは、自分への懲戒処分・停職処分に対する取り消し訴訟の原告として、裁判所と都庁を2往復して終日闘いぬいた。そして「トレーナー処分」問題を都教委定例会の審議に乗せることを再び阻止した。
 支援に駆けつけた人はのべ150人に上った。その背後には全国・全世界の支援の声がある。根津さんとともに卒業式「君が代」不起立を貫こう。根津さんへの解雇攻撃を粉砕しよう。
(写真 「こんな首切り許したら次はあなた方がやられるのよ!」と迫る根津さんに職員はうつむくのみ【2月21日 都庁】)

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週刊『前進』(2332号3面1)(2008/02/25 )

 不起立闘争で職場に団結を 全国からのアピール

 戦争協力拒否!40秒間のストへ

 不起立闘争爆発かちとり団結と職場闘争再構築を

 神奈川の教育労働者が訴え

 職場で怒りを組織する

 私は、今春の卒業式・入学式における「日の丸・君が代」攻撃に対し、不起立を自分一人で闘うのではなく、職場の仲間に呼びかけて闘うことを断固として宣言する!
 なぜ、仲間に呼びかけての不起立なのか。それは、戦争協力拒否を貫くというだけでなく、不起立をとおして労働者の本来的共同体(仲間と場所)である組合の団結を奪い返さなくてはならないからです。団結の力こそが、私たち教育労働者を取り巻く状況に対する怒りの反撃の闘いのみならず、労働者が主人公となる社会を実現する自己解放の闘いを勝利させる源だからです。
 そもそも不起立は、私を取り巻く現実に対する怒りの決起です。隣の同僚とゆっくり話をする時間どころか休憩時間も満足に取れず、しかも部活動などで土、日もない無限定の超過勤務に追いやられ、精神的にも肉体的にもボロボロになりながらも生徒たちと向き合っている――これが私であり、仲間の置かれている状況です。
 しかも、資本主義社会の諸矛盾から学校で起こるさまざまな問題の一切は現場の責任とされ、それを口実とする上からの相次ぐ「教育改革」攻撃――2学期制や入試改革など――への対応に振り回され、私たちは一層疲弊させられています。
 その上、人事評価、総括教諭、査定昇給、揚げ句の果ては免許更新制と、私たちを競争に追い立て、職場の団結を破壊し、差別と分断をもたらす攻撃が矢継ぎ早にかけられています。
 また、改悪教基法体制下で「日の丸・君が代」愛国心教育をとおして、子どもたちを国家のために死ねる人間に育てる「死の手配師」の役割を負わされようとしています。
 冗談じゃない! こんなことを許せるか! 闘わなければ、私たちや子どもたちの未来は奪われ、文字どおり「殺されて」しまいます。だから怒りの不起立なんだ!
 不起立の闘いは戦争を拒否する、改憲を阻止する闘いであり、また、最大の団結破壊攻撃でもある「日の丸・君が代」強制攻撃と徹底的に対峙・対決する闘いです。私は仲間とともに「40秒間のストライキ」を闘い抜くぞ!

 闘う日教組を取り戻せ

 もちろん、職場では様々な不満が渦巻き、もうやっていられない!という思いを皆が持っています。しかし、それが闘いとして組織されることはありません。なぜなら、組合指導部は、この間の攻撃に対して、「情勢が厳しい」「絶対反対は白紙委任を与えることになる」などと口実を設けて職場の怒りを抑え込む立場=体制内労働運動を推進しているからです。その結果、職場の団結はバラバラに解体され、労働者が獲得してきた陣地を次々に奪われています。
 ふざけるな! 労働者には何の責任もない! 労働者は職場の主人公だ! 既成指導部がやらなければ、私が仲間を組織する! だから不起立なんだ! この立場をはっきりさせて闘いぬけば、必ず職場の怒りに火がつき、闘いは爆発します。闘いをとおして団結は守られ、強まります。強化された団結は、既成指導部を打倒する闘い=組合権力奪取の基盤となります。
 また、こうした闘いは、右翼・国家権力に屈して全国教研の全体会を中止し、根津さんらの教研分科会レポートに修正・削除・取り下げを強制して組合員を権力に売り渡すばかりでなく、戦争への道を掃き清める最悪の反革命となった日教組本部を打倒し、闘う日教組を私たちの手に取り戻すことにもつながります。私たちが日教組なんだ! だから、怒りの不起立なんだ!
 また不起立闘争は、400人近い被処分者を出しながら不屈に闘い続けている東京の教育労働者との連帯をかけた闘いです。何よりも職場への屈服攻撃としてある「日の丸・君が代」強制に対して最先端で闘っている根津さん、河原井さんの解雇を阻止することにつながります。だから、個人の「良心」からの不起立なんかでなく、労働者の階級的団結をかけた不起立なんだ!

 国境越えて広がる闘い

 さらに、不起立闘争は国境を越えた反戦闘争としての普遍性を持っています。そのことは、昨年不起立を闘った神奈川の教育労働者が訪米した際、戦時下のアメリカで学校から募兵官を追い出す運動を展開しているCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の闘いと瞬間的に連帯できたことでもはっきりしています。不起立の闘いは、全世界で戦争反対を闘う教育労働者の国際連帯をつくり出しています。だから、不起立なんだ!
 最後に確認したい。私たち労働者を「生きられない」状況に追いやっているのは誰なのか。その張本人は、投機化・バブル化した資本主義です。トヨタを始めとする大企業が史上最高の利益を上げる一方、労働者は非正規雇用や「ワーキングプア」と呼ばれる人びとの拡大に見られるように、低賃金・長時間労働のもと、生活はもちろん、身体そのものが破壊される状況にたたき込まれています。この現実を変えるには、労働者の組織された力で資本主義を打倒する以外にありません。そのためにはまず、知らず知らずのうちに眠り込まされている自分の怒りと労働者の誇りに火をつける!管理職や当局とやり合う!だから、職場の支配権を取り戻すための不起立なんだ!
 全国の教育労働者の皆さん! 学校現場の主人公は、私たち一人ひとりの教育労働者です。日教組は私たち組合員のものです。そのことをはっきりさせるために、黙っていない! 不起立から始めよう! 不起立を宣言しよう! 仲間に訴えよう。職場の団結を強化し、職場闘争を再建しよう! 闘う組合を、職場の団結で取り戻そう!
 〔高畑義郎〕

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週刊『前進』(2332号4面1)(2008/02/25 )

 08〈団結・ストライキ春闘〉へ

 職場闘争で団結をうち固め3・16ワーカーズアクションに結集を

 革共同中央労働者組織委員会

 全国の仲間の皆さん! 闘う労働者の皆さん! 動労千葉が主催する「1047名の解雇撤回、08春闘勝利、2・17労働者集会」は、圧倒的な結集と高揚、熱い団結感と闘う気運がみなぎる中でかちとられた。国鉄を始めとする闘う労働者から、ストライキの報告や決意が次々となされた。08春闘の火ぶたはすでに切られた。動労千葉は『日刊動労千葉』2月19日付号で「3月ダイ改阻止へストライキで闘いぬこう!」と号令を発した。動労千葉を先頭に4大産別決戦を推し進め、08春闘を<団結・ストライキ春闘〉として断固闘いぬこう。職場闘争を爆発させ、資本・当局・体制内労組指導部への怒りを解き放ち、職場の仲間と団結を固め、ストライキに立ちあがろう。職場からの闘いで生み出された怒りと団結、闘う気運をもって3・16イラク開戦5周年ワーカーズ・アクションに大結集しよう。
(写真 2・17労働者集会の大結集・大成功をかちとり、動労千葉を先頭に熱気あふれるデモを打ちぬいた【東京】)

 不起立・イラク反戦と一体で

 資本家階級が心底恐れているものこそ、われわれ労働者階級の団結とストライキだ。だからこそやつらは、春闘を逆手にとって、われわれの中に分断のくさびを打ち込もうとしている。職場での団結さえバラバラにすればストライキなどできないからだ。だったらわれわれの回答はただひとつ。とことん団結・ストライキ春闘として08春闘を闘いぬこうではないか。
 考えてもみてほしい。全国の労働者が同じ時期に、労働者階級の怒りの要求を掲げて一斉に立ちあがることの意味とその威力を。資本家階級は、われわれが思っている以上にこのことを強烈に恐れている。だからこそ「春闘ではなく春討を」などと言って丸め込もうとしているのだ。
 しかし資本家どもよ。われわれにはおまえたちと話し合って一致点が見いだせることなどひとつもない。今春闘におけるわれわれの獲得目標は、大幅一律賃上げ、民営化絶対反対、労組破壊粉砕―労働者階級の団結拡大である。そのために、断固「闘う春闘」として、ストライキ春闘として08春闘を闘いぬくのだ。
 08春闘は卒・入学式の「君が代」不起立闘争のまっただ中で闘われる。不起立闘争は、教育労働者の誇りをかけて、戦争につながる労働を断固拒否する闘いであり、40秒間のストライキだ。この不起立闘争が毎年不屈に闘われていることはすごいことだ。
 そしてこの闘いは、北教組の1万5千人1・30終業前1時間ストを生み出した。北教組は一昨年の教育基本法改悪阻止闘争の先頭に立った組合であり、今回のストは、労働組合として団結した力で打ち抜いた巨大な不起立闘争と言っても過言ではない。査定昇給制度の導入に反対して闘われた今回のストは、賃金をとおした分断攻撃に対する怒りの決起であり、24年ぶりの1時間ストである。スト経験のない若い組合員も多数加わった。
 今やストライキは、労働者の切実かつ現実的な方針である。「ストライキをやっても何もとれない」などと言って労働者の怒りを押しとどめようとする体制内指導部の屈服したあり方は、ストを打ち抜くことで実現した団結と解放感という事実でもってたちどころに粉砕された。昨年11月の全駐労のストを見よ。沖縄では11年ぶり、全国では16年ぶりのストであるにもかかわらず、青年労働者が、先輩の経験を受け継ぎ、ピケの先頭に立った。ストライキをとおして短時日のうちに労働者階級としての成長と自己変革をとげた。赤旗を振りスクラムを組む青年労働者の誇り高き顔を見よ。この一点でストは勝利しているのだ。また、昨年の9・29沖縄県民決起は、沖縄高教組・自治労が牽引(けんいん)した怒りの全島ゼネストとも言えるのだ。
 さらに08春闘を、全世界の労働者階級との団結を固める春闘として実現しよう。最末期帝国主義のあがきである新自由主義攻撃により、生きていくことすらできなくなっている全世界の労働者が、怒りの反撃を開始している。新自由主義との闘い、民営化・規制緩和による生活破壊、団結破壊、戦争との闘いが全世界の労働者の共通の課題となっている。
 重要なことは、日本における新自由主義攻撃の突破口である国鉄分割・民営化攻撃に対し、85〜86年の2波のストライキで闘って団結を固め、今も断固意気軒高と闘っている動労千葉を軸に、国際連帯が急速に拡大していることだ。ここに世界革命の現実性がある。3・16イラク開戦5周年ワーカーズ・アクションへの全国1万人決起を、全世界の労働者と団結した春闘闘争として実現しよう。
 「団結した労働者は絶対負けない」「団結こそ労働者の生きる道」「団結の究極の拡大が革命だ」(それぞれ米・韓・日労働者のスローガン)。世界の労働者が真に欲しているものこそ、階級としての団結だ。

 大幅一律賃上げをかちとれ

 さらに、春闘において賃上げ闘争を徹底的に重視する必要がある。われわれはこれを、労働者が生きてゆくための命の要求として闘うとともに、団結を固める武器として闘うのだ。
 資本家階級の賃金攻撃の核心は、労働者の中に徹底的に分断を持ち込む攻撃だ。
 日本経団連の08年版「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)は「生産性を基軸とした人件費管理と賃金・評価制度の再構築」を掲げている。「生産性」を基準にした成果給賃金制度の強行によって労働者をバラバラに分断することを狙っているのだ。
 資本家階級は同時に、こうした分断をとおして総額人件費を徹底的に削減しようとしている。資本が生き延びるためなら労働者の暮らしや命などどうなってもいいという攻撃だ。
 経労委報告に対し、マスコミは「賃上げを容認した」などと評しているが、そんなことはどこにも書いていない。書かれているのは「生産性に応じた総額人件費管理」である。さらに「賃金決定の視点」として「グローバル競争の視点」を掲げている。世界的な資本主義経済の崩壊の中、「国際競争」に打ち勝つために賃金を際限なく切り下げるということだ。資本の本性をむき出しにした新自由主義の徹底的貫徹ということである。
 現実問題として総額人件費の削減は進行している。厚生労働省の07年の統計調査によると、パートも含めた労働者全体の月間給与総額は前年より0・7%減っている。総額が減少するのは3年ぶりという。その一方で残業代は増えている。また、正社員の所定内賃金が前年比0・1%増えているのに対し、パート労働者は0・7%減っている。労働者同士を競わせ、また、正規雇用労働者と非正規雇用労働者を分断することをとおして総額人件費の徹底削減を貫徹しようとしているのである。
 したがって、賃金闘争におけるわれわれの方針は鮮明だ。われわれは、カネをえさにした資本家どもの卑劣な分断攻撃の前にひれ伏すことを拒否する。自分のわずかばかりの賃上げのために仲間を蹴落とすような卑屈なあり方を断固拒否する。「世の中を動かしているのは私たちだ」という労働者の誇りをもって、堂々と「生きるための賃金をよこせ」と大幅賃上げを要求する。労働者の団結をあくまでも守り、固めるために、一律賃上げを掲げて闘う。ここには微塵(みじん)の例外もない。例外を設けた時点で団結にヒビが入ってしまう。われわれの要求は<絶対大幅一律賃上げ〉あるのみだ。

 体制内労働運動を打ち破り

 昨年12月、特区連(特別区職員労働組合連合会。東京23特別区の各区職労の連合)執行部は、07賃金確定闘争の中で区長会が提案してきた「現業職給料表平均9%削減」を、現場の闘いを一切組織することなくのんでしまった。現業職と一般職の同一給料表という、これまでの闘いの成果が踏みにじられるという歴史的な分断・団結破壊攻撃だ。
 現業職を先頭に現場は怒りに燃え、闘う気運に満ちていた。自分たちの問題であるにもかかわらず交渉当事者から外されている現業労働者たちは、「区長室に押しかけよう」「座り込みはできないか」と闘いを訴えた。しかし特区連執行部は「今後の交渉に悪影響を与える」と現場の闘いを抑え込んだ揚げ句、屈服し、「断腸の思い」だが「ギリギリの到達点」だとして組合員に屈服を強制した。しかし特区連執行部による闘いの圧殺を打ち破って各区で創造的な闘いがくりひろげられた。
 冗談ではない。われわれの怒りをこんな言い訳で抑えられると思ったら大間違いだ。いや、これは言い訳どころではなく、資本・当局と一体となってわれわれに屈服を迫る攻撃だ。
 東京都の現業労働者は今、「妥結」という既成事実に屈服することなく、怒りの反撃を開始している。体制内指導部のもとにいる全国の労働者は、同様の怒りを今ふつふつとたぎらせている。今春闘は、全労働者のこの怒りを一挙に解き放つ闘いの場だ。
 さらに今春闘において体制内指導部は、全国の労働者が団結し、資本に立ち向かって総決起してゆく闘いを解体し、「賃上げによる内需拡大」などと称して生産性向上運動に労働者を動員しようとしている。ここには労働者の怒りや誇りはまったくない。現場労働者自身の闘いでもって賃労働と資本のくびきを打ち砕き、労働者階級の解放をかちとっていく立場は微塵もない。あるのはただただ資本の延命を請い願い、そのために消費の場においても労働者から徹底的に搾り取るという腐りきった姿だ。労働者を永遠に資本のくびきに縛りつけておこうとしているのだ。これでは経労委報告が叫びたてる「企業の盛衰と従業員の生活は表裏一体の関係」「企業は、労使の運命共同体」という主張となんら変わらない。実際、連合中央は「連合もこうした認識を否定するつもりはない」と唱和している。
 しかし考えてもみよ。体制の安定のために賃上げをしようにも、それができないところに資本主義は追いつめられているのだ。だからこそなりふり構わず新自由主義攻撃に突き進み、労働者の生活保障やあらゆる社会的連帯を解体の対象にして襲いかかってきているのだ。
 アメリカ帝国主義の最後の延命策であったサブプライムローンがついに破綻(はたん)し、ドル暴落、株価暴落が全世界の資本を震え上がらせている。この中で闘われるわれわれの08春闘の賃闘スローガンは、「絶対大幅一律賃上げ」であり、この「絶対」をとことん貫くならば、それは資本主義と根本において対立する、革命に向けた団結のスローガンとなるのだ。

 動労千葉「組織拡大春闘」へ

 最後に訴える。08春闘に勝利する一切の土台は職場闘争の白熱的実践だ。重要なことは、われわれが階級的労働運動路線の白熱的実践に踏み切ったのと軌を一にして一挙に情勢が切り開かれていることだ。動労千葉の闘いが切り開いた「絶対反対」の闘いを軸とする「階級的団結」の力こそが、革命情勢を一挙にたぐり寄せているのだ。
 全逓労働者は、郵政民営化の既成事実に屈することなく、「民営化絶対反対」の旗を掲げて、超勤拒否など職場闘争で大合理化攻撃と闘い抜いている。
 動労千葉は、今春闘を「組織拡大春闘」と位置づけ、平成採獲得の闘いを推進している。JR資本―JR総連結託体制が崩壊しつつある中、第2次国鉄決戦勝利の鍵は動労千葉の組織拡大だ。
 全国の仲間の皆さん! 職場の仲間との団結にとことんこだわり、その力をもってストライキに立ちあがろう。資本による分断攻撃の中、隣の同僚との団結をつくりだすことは容易なことではない。しかし、だからこそそこにプロレタリア自己解放の無限の力が秘められているのだ。動労千葉の、そして全駐労、北教組の組合員の顔がそのことを生き生きと物語っている。
 われわれがめざすものは、単なる総評時代の春闘の復活などではなく、革命情勢の接近における新たな春闘の開始だ。08春闘を「日本のプロレタリア革命はここから始まった」と言えるような闘いにしよう。全国各地で闘われる3・16ワーカーズアクションへの1万人決起をかちとろう!

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週刊『前進』(2332号5面2)(2008/02/25 )

 “基地撤去しかない”

 米大使館・防衛省に抗議

 沖縄民権の会と沖縄―本土をむすぶ労組連絡会の呼びかけで2月19日、2・16集会の緊急決議を持ってアメリカ大使館と防衛省への抗議行動が行われた。
 労組連絡会、反戦共同行動委員会、婦民全国協など抗議団は「米兵による少女暴行弾劾/米軍基地をすべてなくせ!」の横断幕を持って米大使館正門前に向かった。米大使館を警備していると称する警察官らがその行く手を阻んだ。「ふざけるな! 抗議行動を妨害するな!」「なんでお前らが阻止するんだ!」――怒りが爆発。道行く人びとが注目する中、「どけ! 米軍基地を全部なくせ! 今すぐ撤去せよ!」と叫んだ。
 攻防の末、代表3人が大使館前まで進み、抗議申し入れを行った。労組連絡会の宮里勝博さんは、@沖縄米軍による少女拉致・暴行事件の元凶である米軍基地を沖縄から撤去せよ、A米軍再編による辺野古・高江などへの新基地建設を撤回せよ、B少女及び家族に対するケアと完全補償をせよ、などの要求を突きつけ、「米軍基地を撤去するまで闘うことを宣言する」と結んだ。
 続いて全国沖縄青年委員会が「われわれは米軍や防衛省などにこの事件が解決できるとは思っていない。われわれの回答は沖縄−本土を貫いた労働者階級の団結の力で、侵略の軍隊を包囲し解体することだ」と、3・16イラク反戦世界一斉デモを闘い、団結の力で米軍基地撤去を実現することを力強く宣言した。
 続いて防衛省に移動、部落解放同盟全国連合会杉並支部もかけつけ、1時間におよぶ抗議申し入れを行った。「事件事故をなくすには基地撤去しかない。辺野古の新基地建設も今すぐ白紙撤回すべきだ」と突きつけ、労働者の団結で基地を撤去することを宣言。この日早朝に起こったイージス艦による漁船への衝突に対して厳重に抗議した。
(写真 「辺野古の新基地建設を白紙撤回しろ」と突きつけた【2月19日 防衛省前】)

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週刊『前進』(2332号5面3)(2008/02/25 )

 沖縄で緊急女性集会

 行動する女たちの会など30団体

 「今度は20万人の県民大会」

 沖縄・北谷町のちゃたんニライセンターで2月19日、「『危険な隣人はいらない』緊急女性集会」が30団体の主催で開かれ、320人が参加した。会場を20代から60代までの女性が埋め尽くし、発言に目頭を押さえながらうなずき、繰り返される米軍犯罪への怒りが語られ、行動への決意が会場に充満した。
 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の桑江テル子さんが司会。主催団体を代表し、沖縄市婦人連合会の比嘉洋子会長が「子どもは家から一歩も外に出るなというのか。子どもになんの罪もない。私たちは基地には入れないが、米軍人は自由に民間地に出入りできる。沖縄戦で苦しめられ、戦後63年間、米軍の事件に苦しめられ、やっと復帰したかと思うとまた軍隊の事件に苦しめられる。基地ある限り不幸と不安は続く。基地撤去を要求する」と時折涙声でこぶしを握り締めながら発言。
 集会開催地の北谷町の野国昌春町長は「根本的には基地をどけてもらうこと」と訴えた。参院議員の糸数慶子さんは抗議要請行動への日本政府の対応に怒りを表明した。
 「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表が、これまでの米軍犯罪の経過報告と年表に載らない多くの事件があることを語った。「軍の性犯罪が起こると『被害者の女性が悪い』。女性の年齢が低いと『母親が悪い』。米兵が民家に上がりこむと『家のドアが開いていたのが悪い』と非難が起こるが、元凶をなくさねば」と語気を強めて訴え、少女に向かうバッシングを弾劾した。
 地域からは、北谷町砂辺区自治会長の松田正二さんが民間住宅より米軍住宅が多くなる現状を語り、金網の中だけが基地ではない状況を告発。今回の事件も基地外に住む米兵が起こした犯罪だ。沖縄市の東門美津子市長、沖教組中頭支部女性部長の発言が続いた。
 参加者の1分間スピーチは希望者が前にずらりと並びマイクを握る。
 「今回の日本政府の対応は早かったが、それは昨年の県民大会への恐怖。今度は20万人の県民大会を」「辺野古に新基地ができたら事件事故はもっと起こる。辺野古の座り込みに来てください」など、十数人がほとばしる思いを語った。
 アピール文採択後、桑江さんの力強い音頭でシュプレヒコールが行われた。
(写真 繰り返される米軍犯罪に会場の320人の怒りが充満した【2月19日 沖縄・北谷】)

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週刊『前進』(2332号6面2)(2008/02/25 )

 “30分前に気づいていた”

 漁船撃沈に3・16で反撃を

 軍事行動を最優先させ直進続けたイージス艦

 2月19日未明、千葉県・房総半島の野島崎沖の太平洋上で、海上自衛隊の最新鋭イージス護衛艦「あたご」が、漁場に向かう新勝浦市漁協(千葉県勝浦市)のマグロはえ縄漁船・清徳丸に激突し、船体を真っ二つにして撃沈するという重大事態が発生した。漁船に乗っていた吉清治夫さん(58)、哲大さん(23)親子は、仲間の漁船などの懸命な捜索にもかかわらず、現在も行方不明のままだ。
 この事件は断じて単なる海難・衝突事故ではない。ミサイル防衛(MD)という日米帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争と核先制攻撃のための最先端の兵器であるイージス艦による、「漁船撃沈事件」であり、軍隊による断じて許せない人民虐殺そのものである。腹の底からの怒りを日帝と防衛省・海上自衛隊にたたきつけなければならない。
 当初、石破防衛相は「あたごは2分前に右前方に清徳丸の灯火とみられる緑色の光に気づいた。1分前に漁船だと気づいて回避行動をとったが間に合わなかった」と釈明した。だがこれは真っ赤なウソだった。防衛省自身が、あたごは事故の「12分前」には清徳丸に気づいていたと訂正した。しかも「緑色の光」というのもありえない。二つの船の位置関係から言って、あたごから見えるのは「赤い光」で、これもあたごに回避義務があったことをごまかすための明白なウソだ。
 さらにその後の調査と、仲間の漁船の全地球測位システム(GPS装置)に残った記録や漁協組合長の記者会見などで、一層決定的な事実も判明した。すなわち、あたごは事故の30分も前に漁船団に気づいていたはずであり、にもかかわらず当然の回避措置をとらず、警笛も鳴らさず、多数の船舶が航行するこの海域では普通は考えられない自動操舵(そうだ)を続けたまま直進し、7750dの巨体を7dの清徳丸にぶつけたのだ。
 このことから事態の核心問題は明白だ。最新鋭イージス艦あたごは、昨年11月初旬から今年1月下旬にかけて、ハワイでミサイル発射訓練などを行っており、事故当時はその帰りの軍事行動中であった。だから多数の漁船の存在を認めながら、それを無視し、軍事優先で、自動操舵による直進を傲然(ごうぜん)と強行したのだ。漁船に激突して沈没させ、漁民など死んでもかまわない――それが帝国主義軍隊である自衛隊の基本思想であり、行動方針だということである。かつて住民に「集団自決」を強制した沖縄戦こそは、反人民的な帝国主義軍隊の本当の姿なのだ。
 だから、最新鋭艦であるのに「見張りが不十分だった」とか、「怠慢だ」「たるんでいる」といったマスコミの論評は、問題の本質を何も突いていない。「通報の遅れ」やウソの発表も、まさに軍事行動を秘匿するためのことだったのだ。情報の隠蔽(いんぺい)や操作は、帝国主義軍隊の常套(じょうとう)手段だ。
 日帝はすでにアフガニスタン・イラク侵略戦争に参戦し、さらには米帝と一体で朝鮮・中国侵略戦争をも策動している。そのために米帝に次ぐ5隻ものイージス艦を保持し、ミサイル防衛の強化に全力をあげている。今回の事件は、こうした情勢の中で起こるべくして起こったのだ。沖縄米海兵隊員による少女暴行事件への怒りと結合し、イージス艦による漁民虐殺を徹底弾劾し、労働者階級人民の怒りを爆発させよう。3・16イラク反戦大デモの爆発を日帝にたたきつけよう!

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週刊『前進』(2332号6面3)(2008/02/25 )

 “ラッセンは帰れ”

 長崎港の軍事使用に怒り

米イージス艦に向かって「被爆地長崎に来るな!」(2月15日 長崎)

2月15日、長崎港に米海軍のイージス艦ラッセンが入港した。当初、16日にイージス艦シャイロが入港の予定だったが、それをラッセンに変更、1日に繰り上げて長崎港に入港したのだ。長崎港にはここ3年、毎年米軍艦船が入港している。
 ラッセンは、イージスミサイル防衛システムを備えており、核兵器の搭載も可能である。米軍は一貫して核兵器の搭載の有無については明らかにしておらず、実際に搭載されている可能性さえある。長崎が被爆地であることを百も承知で、核への長崎の怒りを踏みにじり、「核に慣れさせる」ために艦船まで変更して入港を強行したのだ。佐世保に米原子力空母ニミッツが入港したのが2月11日であり、これと一体の暴挙を絶対に許すことはできない。
 ラッセンは、米日帝が今進めているMD(ミサイル防衛)システムの強化のために横須賀に配備された艦船だ。今回の長崎港入港は、今年の佐世保でのSM3(海上発射型迎撃ミサイル)の配備、そして2010年の福岡県の三つの基地へのPAC3(パトリオット迎撃ミサイル)配備と一体の攻撃だ。この点からも徹底弾劾あるのみだ。
 約200人の労働者は、目の前に近づいてくるラッセンに対して「ラッセンは帰れ!」「被爆地長崎に来るな!」とシュプレヒコールを徹底的にたたきつけた。英語のシュプレヒコールも飛んだ。米日によって被爆地長崎は、今や朝鮮・中国・中東への侵略戦争出撃基地として強化されようとしている。許すわけにはいかない!
 MDシステムと「米軍再編」を、全国・全世界の労働者の団結した力によって粉砕しよう! 青年労働者を先頭に、イラク反戦5周年3・16行動に立とう! 

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週刊『前進』(2332号6面4)(2008/02/25 )

 法大クラス討論弾圧 “革命を訴えて何が悪い!”

 2・18初公判 内田君が怒りの陳述

 2月18日、東京地裁で開かれた内田晶理君の初公判(半田靖史裁判長)は、全国の学生と青年労働者が結集し、獄内外一体の闘いとしてかちとられた。
 10・17法大クラス討論弾圧の核心点は何か?
 それは、革命思想を持った学生がキャンパスに入って、11・4労働者集会への結集を呼びかけたら逮捕・起訴するという「現代の治安維持法」のような弾圧だ。大学の中で学生と討論する権利さえ認めない、ブルジョア法的「表現の自由」「思想の自由」すら法政大学キャンパスでは認めないという弾圧だ。そして、「建造物侵入」だけで4カ月も長期勾留するという大弾圧だ。10・17クラス討論弾圧裁判は、「この戦争と大失業の時代に、大学キャンパスで革命を訴えて何が悪い!」と叫び闘う階級裁判だ。ここに「革命」に向けた新たな裁判闘争が始まった!
 内田君は、4カ月ぶりに闘う仲間と法廷の場で合流し、堂々と意見陳述を行った。内田君の意見陳述は、実に怒りに満ちあふれ、なおかつ簡潔明瞭(めいりょう)で、仲間へ向けた熱い団結の思いがこめられたアジテーションであった。
 内田君は冒頭、「今回の建造物侵入事件はデッチあげだ!」と怒りをこめて弾劾した。「11・4集会を呼びかけたことがなぜ犯罪なのだ!」「クラス討論を妨害したのは、安東や学生部職員ではないか!」。そして11・4労働者集会の正義性を展開した。しかし、許しがたいのは検察官だ。「本件と関連性がない」と言って意見陳述をさえぎる検察官。そもそも起訴状に「11・4労働者集会」と書いたのは、検察官お前たちではないか! 内田君は「ふざけるな!」と証言台をたたき、検察官を一喝した。
 最後に内田君は「自分の闘いは、沖縄の怒りとひとつ。そして、無期懲役と闘う星野文昭さんを取り戻す闘いだ」「3・16、11月集会へ向けて闘おう!」と、大アジテーションで締めくくった。傍聴席からは拍手の嵐!
 続いて森川文人弁護士が弁護人意見陳述を始める。「本件被告事件とは何か。それは、一言で言えば政治弾圧であり、革命思想の弾圧である」「本件は、単に、一市民が大学に足を入れたが故に逮捕・起訴されたのではなく、公訴事実及び検察官の釈明でも明らかなとおり、いかに平和的に足を踏み入れようと、大学内に政治的目的を持った人間が、政治的目的を内心に持ち、かつ、政治的な表現行為を行うが故に、足を踏み入れる行為自体を犯罪と断定しているのである」。森川文人弁護士は、革命思想そのものを裁こうとする本件弾圧の本質を徹底的に暴いて怒り、断罪した。
 公判終了後、内田君とエール交換する学生に廷吏が襲いかかり、裁判長が傍聴者全員に「構外退去命令」を発した。裁判所中の警備員が動員され、学生1人につき3人がかりで羽交い締めにして、裁判所の裏口から外へたたき出した。国家とは完全に非和解。この戒厳体制こそ、弾圧のすべてを象徴している。まさに「革命」を掲げて闘う裁判闘争が音を立てて始まった! 仲間たちは、東京地裁に徹底的にシュプレヒコールをたたきつけた。同日夕から内田君奪還総決起集会をかちとった。
(写真 公判後、傍聴に集まった法大生らが弁護団を囲んで内田君奪還の総決起集会を開いた【2月18日】)

 3・16の大爆発へ!

 内田君は何をもって逮捕されたのか? 昨年9・29沖縄で12万人の沖縄人民が決起した。この「沖縄に続こう!」と11・4労働者集会を呼びかけた。沖縄と法大闘争が一体となり、11・4へと合流しようとしていた。ゆえに今回の弾圧があったのだ。この労働者階級の根底的決起に対する「見せしめ」のための弾圧なのである。だから、“獄中の内田君と心をひとつにして、内田君のやったことを今ドンドンやろうじゃないか!”ということだ。内田君奪還の闘いとは、内田君のように闘おうということだ。
 今沖縄で2・10少女暴行事件に対する怒りの決起が始まっている。この怒りで本土−沖縄がひとつになろうとしている。この闘いが3・16だ。キャンパス、職場、街頭で3・16に向けて闘おう!
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 日程
 4・27法大弾圧裁判
第13回公判 2月27日(水)午後1時半開廷
第14回公判 3月28日(金)午後1時半開廷 

 10・17クラス討論弾圧裁判
第2回公判 3月6日(木)午後1時半開廷
  第3回公判 3月25日(火)午後1時半開廷  
◎ともに東京地裁。傍聴は1時間前に集合

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週刊『前進』(2332号6面5)(2008/02/25 )

 日程 3・11東京高裁に集まろう!

 ■福嶋同志控訴審・最終弁論
 3月11日(火)午前10時結集/11時開廷

 ■水嶋同志控訴審・判決公判
 3月11日(火)午後0時半結集/1時開廷

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