ZENSHIN 2008/01/01(No2325 p12)

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週刊『前進』(2325号9面1)(2008/01/01 )

□革共同政治局1・1アピール□

 金融大恐慌と戦争の危機をプロレタリア世界革命へ!
 革共同破壊に転落した塩川一派打倒し階級的労働運動の白熱的実践かちとれ
 ――4大産別決戦勝利、攻めの改憲阻止闘争へ

 はじめに

 全世界で労働者階級の歴史的な反撃が始まった。最末期帝国主義の体制的崩壊と金融大恐慌・世界戦争の危機も進行している。時代の基調は革命だ。「世界革命」の深紅の大旗が、日本の、韓国の、アメリカの、イギリスやフランスやドイツの階級闘争の大地に翻っている。「革命の現実性」というレーニン主義の核心にある時代認識を裏付ける内外情勢が、全世界で急速に成熟してきている。
 この大情勢を見据え、世界革命勝利への実践を必死に貫こうとする者のみが勝利者となる時代が到来した。資本主義・帝国主義を打倒し、資本の賃労働への支配という重い鉄鎖を打ち砕き、人類の前史と後史を画然と分かつ全人間的解放を実現できるのは、プロレタリア世界革命のみである。闘いの一切の核心は、革命的時代認識とマルクス主義の実践をもって、革共同の全身全霊をかけ、プロレタリア革命実現への唯一無二の道筋である階級的労働運動路線の革命的白熱的貫徹へと、真一文字に突き進むことである。
 スターリン主義の屈服と裏切りによって延命してきた最末期帝国主義は、すでに歴史的命脈が尽き、破産と崩壊の過程に突入している。米帝バブル経済の崩壊は、世界金融大恐慌を現実化させた。帝国主義は分裂化・ブロック化を深め、相互の争闘戦を激化させ、恐るべき侵略戦争−世界戦争の奈落の底へと突進している。国内では体制の延命をかけた労働者階級への階級戦争を極限的に強めている。
 この帝国主義への根源的怒りの反乱が、全世界で嵐のように巻き起こっている。昨07年の国際階級闘争の最大の特徴は、労働者階級の猛然たる反撃の開始である。日韓米3国の国際連帯を先頭に、1930年代や戦後革命期以来の労働者階級の歴史的決起、世界革命勝利への進撃が始まった。勝利の路線と党派性が真っ向から問われる情勢だ。これと一体の闘いとして、イラク・中東人民を先頭とする民族解放・革命戦争の極限的爆発が、国際帝国主義を徹底的に追い詰めている。
 帝国主義の巨大な生産力は、今や戦争と恐慌、貧困と飢餓という災厄しかもたらさない。資本主義・帝国主義のもとでは、労働者はもはや食べることも、住むことも、生きていくこともできない。帝国主義打倒のプロレタリア革命以外に、いかなる解決もない。
 だが、万国の労働者と被抑圧民族プロレタリアート人民が、分断を打ち破り、階級的団結をかちとり、帝国主義を打倒し、ともにプロレタリア独裁を樹立していくなら、労働者階級は今ある巨大な生産手段を奪取して、社会の真の主人公となり、社会主義・共産主義社会を建設する闘いを開始することは、まったく可能である。世界革命のもとで国際的に団結したプロレタリアートのめざましい自己変革的な革命的能力をもってすれば、すぐにでもその闘いを実現できるのである。
 動労千葉を軸とする3労組共闘と日韓米3国連帯のもとに、感動的な勝利をおさめた07年の11・4労働者集会は、世界革命の現実性を生き生きと開示する5700人の階級的団結をつくりだした。それは世界革命が、青年労働者と学生の「労働運動の力で革命をやろう」という闘いによってこそ、引き寄せられることを鮮烈に示した。11月集会は、プロレタリア世界革命を切り開く国際労働運動の「司令塔」の位置をしめ、その偉大な出撃拠点になろうとしているのだ。
 ところが、階級的労働運動路線に反対し、「07年7月テーゼ」=労働者自己解放闘争論に反対して、「分派活動」の自由を要求してきた関西の一部指導部(塩川一派)は、11月労働者集会の爆発と成功を妨害・破壊するために、11・4の直前、ついに党の分裂と解体を目的にした反革命的行動に走った。こともあろうに11・4前夜に、階級的労働運動と国際連帯の発展を妨害・破壊する行動に出たのだ。
 彼らの本質は、革命的情勢の到来と現実の革命への闘いの開始に恐怖する日和見主義(右翼メンシェビズム)である。今や塩川一派は、階級的労働運動の司令塔である動労千葉に敵意と憎しみを集中するばかりか、革共同を破壊することに自らの存在意義を見いだす最悪の反革命的集団に急速に成り果てている。労働者階級と世界革命の名において、断じて許せない。徹底的な粉砕と打倒あるのみだ。このことを革共同は、08年の新年にあたり断固として宣言する。
 階級的労働運動路線を、しゃにむに、真一文字に、がむしゃらに実践し、貫徹しよう――これこそ体制内労働運動を打倒し、のりこえて、「死の苦悶(くもん)」にあえぐ帝国主義を打倒し、プロレタリア世界革命をたぐり寄せていく唯一無二の方針である。
 「世界の労働者は国境を越えて一つ。団結して闘い、必ず勝利しよう」。11・4集会で日韓米の闘う労働者は、こう誓いあった。ここに希望がある。世界革命が胎動している。今こそ階級的労働運動の爆発と発展に向け大攻勢に立とう。

第1章 世界革命に向け進撃が始まった

 (1)11・4集会と訪韓闘争が一体の闘いとして大成功

 全日建運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、国鉄千葉動力車労働組合の闘う3労組が呼びかけた11・4全国労働者総決起集会は、塩川一派の敵対・妨害をものともせず、青年労働者と学生の闘いを先頭に、日比谷野音への前年を超える5700人の結集と戦闘的大デモを実現し、階級性と国際性にあふれる闘いとして勝利した。「改憲・戦争・貧困・格差社会をぶっとばせ!」「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!」のスローガンのもとに、日韓米の闘う労働者の国際的団結が一層強固に打ち固められ、体制的破産を極める帝国主義の打倒と世界革命への決意に満ちあふれた。
 10年目を迎えた11月労働者集会。それは、沖縄県高教組の決起を先頭に12万人の9・29県民大会を実現した「沖縄の怒りに続こう」を合言葉に、過去最大の結集をかちとった。闘う労働運動を今こそ復権させ、闘う労働組合の全国ネットワークをつくり上げるために、体制内労働運動を打破して職場・生産点での闘いに一層猛然と決起し、全国各地に闘う労組の共同センターや労働学校を組織することが確認された。国境を越えた労働者の国際連帯をさらに発展させることが高らかに宣言された。
 そして集会後、都心に繰り出したデモは、デモ隊列に対する警察権力の厳重な規制を打ち破って、銀座・数寄屋橋一帯をさながら解放区と化す片側車線いっぱいの戦闘的大デモに発展した。それは労働者の階級的団結と国際連帯の力でかちとった地平であり、戦闘的アジテーションとしての本来のデモの権利の復権だった。まさに11・4の集会とデモは完全に一体のものであり、その戦闘的な怒りと自己解放性に満ちた闘いは、全世界で開始された労働者階級の反撃の最先端に位置するものとしてあった。

 階級的労働運動路線が切り開いた勝利

 この07年11・4集会は何によってかちとられ、また何を実現したのか。
 第一に、青年労働者と学生の決起を牽引(けんいん)力とした路線の勝利である。革共同は07年1・1アピールで打ち出した階級的労働運動路線を、この1年間、関西の一部指導部との激しい路線論争・党内闘争を展開しつつ、職場・生産点を軸に全力で実践してきた。11・4の組織化の過程は、体制内労働運動との激烈な党派闘争だった。帝国主義の巨大な「超過利潤」によって買収され変質した体制内労働運動と対決し、「賃労働と資本の非和解性」に立脚し「賃金奴隷制の究極的廃止」をめざす階級的労働運動、現実には動労千葉労働運動の実践で打破する闘いを展開してきた。
 現実的具体的には、超勤拒否などの職場闘争、11・4への個人ビラ、労働学校、機関紙拡大闘争と読者フラク、細胞建設などの闘いをもって、階級的労働運動に本格的に挑戦した。それが11・4に結実した。闘いは本格的に始まったのである。
 第二に、革命的な時代認識とそれに対応した闘いの開始が切り開いた勝利だ。最末期帝国主義の体制的危機の爆発と、全世界での労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民の決起。この革命的情勢の急接近という時代認識に立って、さまざまな反動や壁をのりこえて階級的労働運動路線の職場での実践に突入し、また何よりも07年3・18をもって青年労働者・学生を先頭に「労働運動の力で革命をやろう」の闘いが開始された。革命的情勢の急接近に「間に合った」のである。

 日韓米3国労働者の国境を越えた団結

 第三に、そしてこの11・4が実現したものはきわめて巨大であった。何よりも11・4の5700人の階級的団結の中には、体制的に破産し歴史的生命力の尽きた帝国主義の打倒、「労働者こそ社会の主人公だ」「資本家の時代は終わった。労働者に権力をよこせ」という革命の要求が渦巻き、世界革命への進撃のパトスが脈打っている。
 この点で、日韓米の労働者国際連帯がより一層充実した内容で打ち固められ、韓国の民主労総ソウル地域本部、アメリカのUTLA(ロサンゼルス統一教員組合)・CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)、AMFA(航空整備士労組)の闘う労働者と、「国境を越えた労働者の団結こそが世界を変える」と誓い合ったことは決定的だった。さらに100人もの在日・滞日人民が登壇し、連帯のエールが交わされた。まさに11・4は7・7思想の豊かな実践と発展である。
 同時に11・4は、日帝の戦争・改憲の攻撃への政治的階級的な大反撃だった。自民党・福田と民主党・小沢による危機にかられた反動としての「大連立」策動に怒りをたたきつけ、改憲阻止決戦に労働者階級が総決起する闘いそのものとして、11・4はあった。4大産別の労働者の決起を軸とする改憲阻止闘争の火ぶたが切られたのだ。
 さらに、不起立闘争の国際的広がりの中での根津公子さんを始めとする闘う教育労働者の登壇と闘いへの決意、沖縄県高教組・松田寛委員長からの連帯メッセージ、三里塚反対同盟・萩原進事務局次長の発言とプロレタリア革命の階級的基礎をなす労農連帯・労農同盟の前進、そして青年労働者と学生の革命的で生き生きとした発言などが実にすばらしい内容でかちとられた。 
 そしてこの11・4の大勝利に続いて、民主労総の全国労働者大会への11・10〜11訪韓闘争が、100人の動労千葉訪韓団の闘いとして圧倒的に打ちぬかれた。この闘い自身が11・4と完全に一体の巨大な成果であり勝利であったのだ。
 チョンテイル烈士の焼身決起から37年、「労働者の団結で世界を変えよう!」「非正規職撤廃! 韓米FTA(自由貿易協定)国会批准阻止!」を高らかに宣言する労働者大会が、ノムヒョン政権と警察権力の源泉封鎖(集会場や空港・高速道路を封鎖する攻撃)を打ち破って、5万人の大結集と実力デモを実現したのだ。この闘いに動労千葉は大訪韓団を組織して全力で決起し、11・4に続き民主労総と大合流した。田中康宏委員長は「全世界の労働者は一つ」「敵よりも1日長く闘って勝利を」と訴えた。日韓労働者の革命的な国際連帯の内実がさらに深く熱く打ち固められたのである。

 (2)11・4の勝利の原動力となった07年の画期的闘い 

 11・4と訪韓闘争にまで上りつめた07年の闘いは、塩川一派との路線論争・党内闘争を断固として貫く中で前進してきた。そして特に11・4への闘いを牽引した原動力をなしたものは、動労千葉と、青年労働者・学生と、沖縄9・29県民大会の闘いである。
 まず、動労千葉の3月春闘ストライキの勝利的貫徹こそは、11・4の成功と勝利への突破口を開いた闘いだった。01年10月に田中康宏委員長体制を確立して6年目を迎えた動労千葉は、06年7月から07年3月にかけ、館山運転区・木更津支区廃止反対闘争を闘いぬき、激烈な組織攻防戦に勝利した。館山運転区の廃止は動労千葉つぶしを狙った最大の組織破壊の攻撃であると同時に、内房線切り捨ての攻撃であった。動労千葉が団結を崩さず闘いぬけるかどうかが最大の核心問題だった。
 これに対して動労千葉は、館山支部を先頭に区長抗議行動などの職場闘争に猛然と決起し、非協力闘争を闘い、指名ストを構え、さらに地域全体を組織し大反撃した。そして配転・異動の攻撃には全員が一糸乱れぬ団結で第一希望のみの「一本書き」を貫いた。新生木更津支部を立ち上げ、それを動労千葉の最強支部にしていく展望を開いた。そして3月17〜19日の3日間闘われた春闘ストは、基地廃止攻撃への組織攻防戦に、団結を強めて勝利した総決起の行動となった。この闘いは、分割・民営化絶対反対の20年の闘いの勝利、階級的労働運動路線の勝利、3労組共闘と“11月集会派”の共同の勝利であり、11月への号砲となった。
 この動労千葉の決起と同時に、教労戦線における不起立闘争が重要だった。卒業式・入学式での「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争は、改悪教育基本法と改憲攻撃下の戦争協力拒否の闘いであり、連合・日教組本部を打倒し、闘う日教組を再生する闘いだ。都教委の03年10・23通達以来の4年間の不屈の決起は、根津公子さん、河原井純子さんを先頭に、偉大な闘う教育労働者群像を生み出した。この闘う労働者たちは動労千葉に共感してともに闘い、さらにより階級的戦略的に不起立闘争を位置づけ闘おうと檄(げき)を飛ばしている。処分を恐れぬこの決起は、「根津さんを解雇するな」という日米教育労働者の熱い連帯を生み、「海を渡った不起立闘争」に発展し、11・4を準備したのである。

 青年・学生を先頭に3・18の新たな挑戦

 そして、3・18をもって歴史的に開始された「労働運動の力で革命をやろう」「学生は団結しよう。労働者とともに革命をやろう」という青年労働者と学生の闘いである。これは今の階級情勢にかみ合い、「希望は戦争などにではなく革命にこそある」ことを真っ向から提起して、青年・学生の決起を壮大に組織する闘いの開始だった。
 小泉・奥田―安倍・御手洗の「聖域なき構造改革」のもとで、とりわけ「ロストジェネレーション」などと呼ばれる2千万人の青年労働者が「ワーキングプア」(働く貧困層)として、食うこともできず住む家もない、非正規雇用化と貧困のどん底にたたき込まれてきた。この怒りと結びつき、「労働運動の力で革命をやろう」というスローガンがリアリティをもって青年・学生をとらえた。その闘いが3・18日比谷野音集会と銀座デモをもって開始され、さらに5・3(関西)、6・9(代々木公園)、そして9・29のワーカーズ・アクション(池袋)へと引き継がれ、発展していったのだ。
 6・9では団結と革命に未来があることを訴え、「社会の主人公はオレたちだ」と、渋谷の街を解放区とする大デモを展開、9・29では「資本家の時代は終わった」「労働者に権力をよこせ」を合言葉に、沖縄県民大会と連帯した青年・学生の戦闘的デモが池袋の街に繰り出した。
 こうした青年・学生の新たな決起は、5・15沖縄行動、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核闘争、8・15靖国・国際連帯闘争においても、その原動力をなす闘いとして、豊かに自己解放的に展開されていったのだ。

 9・29沖縄県民大会の歴史的な大高揚

 さらに07年の沖縄9・29県民大会において、12万人という労働者人民が決起する歴史的闘いが爆発したことは決定的であった。沖縄戦での日本軍による「集団自決」の強要の史実を歪曲・抹殺する日帝・文科省の教科書検定に対する怒りが、検定意見の撤回を求めて、また日帝への怒りの爆発として9・29にたたきつけられたのだ。しかもそれを組織する最大の原動力となったものこそ、高教組、沖教組、自治労の闘い、とりわけ高教組3千組合員の闘いだった。
 これは07年最大の決起であり、労働運動と日本革命における4大産別決戦の正しさと大きさ、米軍再編粉砕闘争の勝利性と沖縄奪還闘争の現実性・有効性を強烈に実証した。そして「この沖縄の怒りにつづけ!」が、11・4大結集の合言葉となったのである。
 以上の闘いを軸に、統一地方選挙闘争や国会闘争や三里塚闘争を含む07年の闘い全体が、「党の革命」の中から生まれた日和見主義・解党主義との激しい路線論争・党内闘争を貫きつつ、階級的労働運動の発展でプロレタリア世界革命を切り開くという立場から闘いぬかれ、11・4の勝利へと攻勢的に上りつめていったのだ。

 (3)動労千葉の歴史と闘いが体現する階級的労働運動

 87年4月1日に日帝・中曽根によって国鉄分割・民営化が強行されてから、20年以上が経過した。国鉄分割・民営化は、日帝権力が総力で国鉄労働運動をつぶし、総評を解体し、改憲を断行して戦争国家体制を構築しようとした戦後最大の反動であった。この攻撃の根底には、戦後の相対的安定期が終焉(しゅうえん)し体制的危機に突入した帝国主義が、ロシア革命と1929年恐慌―30年代危機以来の国家独占資本主義政策を転換し、レーガン、サッチャー、中曽根の「新自由主義」なるものをもって、民営化・労組破壊と社会保障制度解体と大軍拡を強行して、最末期帝国主義として延命を図ろうとする歴史的攻撃の激化があった。
 これに対し動労千葉は、85年と86年に2波のストライキを敢行し、公労法解雇の28人と清算事業団に送られた12人を合わせ40人の大量解雇を出しながら、団結を今日まで守りぬき、反合・運転保安闘争を連綿と継続し、現実の大きな成果もかちとってきた。97年には公労法解雇28人全員の解雇撤回という重大な勝利を実現した。
 このことは、動労のファシスト・カクマル=松崎が中曽根の先兵となり、総評と国労が「たこつぼ」に入って闘わず、既成の体制内労働運動が結局は総屈服・総破産していった中で、権力・資本と原則的に闘って攻撃を打ち破り、団結を守りぬき、勝利を切り開いてきた動労千葉の階級的労働運動の正しさと有効性を示す歴史的事実として決定的に重要である。
 昨年、国鉄分割・民営化20年に当たって労働者学習センターから『俺たちは鉄路に生きる3』が刊行された。これは中野洋前動労千葉委員長の『俺たちは鉄路に生きる2』に続く動労千葉の闘いの鮮烈な記録であり、階級的労働運動の生きた手本だ。ここには、33人の第一線の活動家・組合役員の座談会、インタビュー、講演をとおして、おかしいことは「おかしい」と当局に言うことから始まる職場闘争、職場支配権を守りぬく日々の闘いや、反合・運転保安闘争の復権をかけた闘い、「第二の分割・民営化」とも言うべき組織破壊攻撃との攻防、1047名闘争と解雇撤回をめざした闘いなどの経験と教訓が感動的に描かれている。
 とりわけ「闘いなくして安全なし」「事故の一切の責任は当局にある。労働者に責任を転嫁するな!」というスローガンで闘われてきた船橋闘争以来の反合・運転保安闘争とその復権の闘いは、動労千葉の路線的基軸をなす闘いであり、全体を貫く圧巻だ。これは体制内労働運動では到底できない、資本との非和解的対決を貫く闘いである。しかもこの動労千葉の闘いの経験と教訓は、産別・職種の違いを越え、すべての労働者に対して団結して闘えば勝利できることを強烈に提起しているのである。
 07年1・1アピールで提起した階級的労働運動路線とは、職場・生産点を決定的戦場とし、団結の強化を総括軸としつつ、資本や体制内労働運動と非和解的に対決して職場闘争を闘い、闘う労働組合をつくり、労働者細胞(革命党拠点)を建設していくという路線だ。それは、帝国主義の体制的危機が爆発し、労働者階級と人民の決起が始まり、革命的情勢が急速に成熟してきている中で、戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃とそれが生み出す情勢をプロレタリア革命に転化していくための綱領的路線であり、革命の戦略的準備という意義をもった闘いである。またその根底には、「賃労働と資本の非和解性」に立脚し、労働組合は「賃金制度の廃止!」という革命的スローガンを掲げ労働者階級の究極的解放のために闘うべきだという、マルクス主義の基本テーゼがある。

 4大産別決戦の戦略的な位置の巨大さ

 その上で、階級的労働運動路線にとって重要な確認は以下の諸点である。
 第一は、4大産別決戦の決定的な戦略的意義ということだ。かつて総評の「御三家」と言われた全逓、日教組(教労)、国労(国鉄)に自治労(自治体)を加えた4大産別は、プロレタリア革命の戦略的拠点となる位置をもっている。何よりもまず歴史的主体的に言って、4大産別は、総評が解体されて以降も組合的な団結を保持し、本部の屈服・転向に抗して闘う労働者が存在し、1047名闘争、不起立闘争、超勤拒否闘争などを闘いぬいている大産別である。しかもその基軸には動労千葉の存在と闘いがある。
 そしてさらに言えば、戦前はここには闘う組合もなく、「天皇の官吏」として国家の先兵とされた。「学校と役所」から戦争が始まった。今日的にこの4大産別が戦争動員の先兵となるのか、革命の拠点となるのかは決定的なことだ。しかも4大産別の労働者は、自治労100万、日教組30万を始め、全国のいかなる地方・地域にも存在する。この労働者が革命的な指導部のもとに決起すれば、ゼネストやソビエトの結成も展望できるのである。
 こうした4大産別の決定的威力を証明したものこそ9・29沖縄県民大会の大結集だ。あの闘いの中軸を担ったのは教組と自治労の労働者だった。とりわけ高教組の3千人の組合員が団結し、連合や既成政党が闘わない中で腹を固めて闘い、あの大決起を実現した。沖縄の労働者がついに階級的労働運動と沖縄奪還闘争(日本革命)の先陣を切った。「学校と役所」が動員拠点となった。9・29沖縄は4大産別決戦論の正しさと有効性を実証した。
 第二は、体制内労働運動と対決し、それと決別・打倒して前進しなければならないということだ。民同、協会派、社民、日本共産党などの体制内労働運動はもはや腐敗し転向しきって、労働者の階級的利益とは無縁な存在になっている。それを支える物質的基礎は帝国主義の寄生性と腐朽化であり、具体的には帝国主義が資本輸出などで得る巨額の「超過利潤」による労働貴族・労組指導部の買収である(レーニン『帝国主義論』)。この体制内労働運動と決別し、処分や弾圧を恐れず闘わなければ、階級的労働運動の前進はおろか、春闘や賃金闘争、さらには全逓の超勤拒否闘争のような「権利の全逓」として当たり前の職場闘争も、もはや闘えなくなっているのだ。
 第三は、労働組合としてのあらゆる闘いをいかに階級的革命的に前進させていくのかということである。労組は労働者の基礎的団結形態ではあるが、それ自体は、そのままでは体制内的存在でもある。それを「賃労働と資本の非和解性」の認識や、労働者こそ社会の主人公であるという誇り、そして革命的な時代認識と路線、さらには賃金奴隷制を廃止しなければ労働者は究極的に解放されないというマルクス主義の思想で武装して、賃金闘争も改良闘争も、最大限に階級的革命的に闘っていくのだ。動労千葉はどこよりもそういう闘いを貫いてきた。
 労働組合と党派(革命党)の関係でも、動労千葉は非常に階級的だ。組合員の階級性と自己解放性をあくまでも信頼し、それに依拠しながら、組合指導部と一般組合員が一体となって闘ってきた。もちろん労組と党は同じではない。しかし党は労働者自己解放の党であり、両者の階級的利害は限りなく一体だ。動労千葉はそういう闘い方を常にしてきた。ところがファシスト・カクマルや日本共産党は、労働者と労働組合を、党派が政治的・セクト的に支配したり徹底的に利用したりする対象としてしか見ていない。
 その帰結としての体制内労働運動は、レーニンが断罪しているように、帝国主義ブルジョアジーの「主要な社会的支柱」であり「労働代官」である。マルクス主義と労働者自己解放闘争論に立脚した動労千葉労働運動を、青年労働者の決起を先頭に、今こそ全産別・全職場で実践しよう。体制内労働運動を打破し、階級的労働運動の爆発的前進を切り開こう。

 (4)労働者自己解放闘争論と7・7思想の革命的再確立

 階級的労働運動路線と「07年7月テーゼ」は完全に一体のものである。革共同は昨07年、「党の革命」の推進と党内闘争の過程をとおして7・7思想の革命的再確立を成し遂げ、7月テーゼを打ち出し、党存立の基礎にあらためてプロレタリア自己解放論とマルクス主義・共産主義を据え直した。
 もともと、70年の在日中国人青年からの糾弾に対する7・7自己批判を踏まえてレーニン主義的なプロレタリア世界革命論を打ち立てた7・7論には、資本主義・帝国主義の社会の中で権力・資本と血みどろ汗みどろに闘う労働者階級とその階級的自己解放闘争としての共産主義(運動)ということが圧倒的に措定されていた。それは、「特殊的解放が即(同時に)普遍的解放になるわけがない」「賃労働―資本関係の廃絶だけでは階級の廃絶はもちろん、差別や民族的抑圧の廃絶にもならない」などと主張し反マルクス主義に変質しきった塩川一派とは対極にあり、『共産党宣言』『賃労働と資本』『賃金・価格および利潤』を始めマルクス主義の全階級的内容が大前提であり土台とされていた。
 資本主義社会において労働者階級は生産手段・生活手段から切り離され、単なる労働力商品(モノ)として扱われ、「疎外された労働」のもとで搾取・抑圧されてきた。マルクス主義はこの現実に対し、賃労働と資本の非和解性に立脚した資本主義を最後の完成された階級社会として把握すると同時に、労働者階級は自らを解放するためには資本制社会を革命的に転覆し、生産手段を奪取し、プロレタリア独裁から共産主義(社会)へ突き進む以外にない階級であり、またプロレタリアートはそれを成し遂げる世界史的使命をおびた階級であることを明確にした。
 したがって労働者階級の解放は資本制的搾取と抑圧からの特殊階級的解放だが、同時にそれは人間による人間の搾取・抑圧・差別からの根底的全面的な普遍的解放としてある。労働者階級は生産手段を奪取し、自ら生産の主人公となり、階級のない社会を建設し、真に人間的な共同性を歴史的全面的に奪還していくのである。
 言うまでもなく、資本主義・帝国主義のもとでは、ましてや最末期帝国主義のもとでは、最も非人間的な形態をとって資本・権力による差別・抑圧が、基本的に労働者階級の戦列の分断支配のために生産・再生産される。
 その現実からして労働者階級は、労働者自己解放闘争の全面的爆発の闘いの中で、労働者階級があらゆる差別・分断をのりこえて、階級的統一を実現することが社会的抑圧からの解放の第一の任務であることを確認する。その上で、最末期帝国主義のもとで展開される社会的諸差別に断固反対し、差別と闘う諸戦線における自己解放闘争と断固連帯して、ともに闘う。そしてこの闘いが労働者階級の解放=プロレタリア革命の前進と勝利をとおして真に実現されることを明確につかみ、資本・権力の差別攻撃を粉砕し、どこまでも前進していくことを訴え、労働者階級の闘いと一体化して進むことを追求していくのだ。
 革共同の7・7論はこうした闘いの推進構造を自己批判的に明確にした。被差別・被抑圧人民の自己解放主体としての措定。学ぶということの重要性。支援・連帯・防衛の闘いの必要性。総じて7・7論は労働者階級の階級意識の鮮明化、階級的団結の形成論としてあること。革共同は階級的労働運動路線の全面的推進の闘いの中で、これらの基本的視点を堅持して進む。
 ここで、この闘いの推進に当たって、こうした帝国主義のもとで強化される社会的差別の攻撃を、それが本質的に労働者階級の隊列の分断にあることを忘却し、資本・権力への糾弾闘争の圧倒的強化の闘いを基本に据えて闘うことから逃亡して、差別・被差別を超階級化し、労働者階級内部に血債主義・糾弾主義を持ち込む傾向が一部に存在し、プロレタリア階級闘争と社会的差別に反対する闘いをともに阻害・妨害するという現実があることに対して、革共同は断固として反対し、粉砕していくことを明らかにする。
 革共同は、糾弾闘争とは本質的に資本・権力への闘いとしてあることをはっきりさせ、その先頭に立つ。もちろん階級社会の中での一定の汚染のもとで、一定発生する労働者階級内部の差別行為に対しては、断固反対し批判する。時には糾弾する。しかしそれは資本・権力への糾弾とは区別され、階級的解放闘争の前進のために隊伍(たいご)を統一し強化・発展させていく立場からの批判と自己批判を推進するものとしてかちとられていくのだ。
 革共同はこうした立場から11・4や訪韓団の闘いも推進した。この闘いが労働者階級の現実的連帯と統一を闘いとり、入管攻撃・民族抑圧・沖縄差別などの攻撃への一大反撃としても実現されていることを圧倒的に確認したい。革共同はこれを基軸・土台に、諸戦線での具体的攻撃に対する闘いと固く連帯して、ともに闘い、労働者階級の統一と勝利に向かって一体的に驀進(ばくしん)していく決意である。
 そもそも歴史的存在である労働者階級の階級性は、どんな弾圧や戦争の暴圧によっても解体されることはない。労働者階級は労働者階級であることによって、まさに本質的に階級意識に目覚め、革命に向かって進む力を内在的にもっている。戦後革命への嵐のような決起はそれを実証した。
 そして現実の階級的労働運動にとって、差別・抑圧や排外主義との闘いは、労働者階級の階級的団結とその強化にとって絶対不可欠の柱である。またプロレタリアートの分断と団結破壊を狙う資本・権力の攻撃と全力で闘い、それを打ち破って進むことなしに、労働者階級の現実の勝利もありえない。実際に動労千葉は、体制内労働運動やファシスト・カクマルの腐敗と対決し、そのように闘ってきたのである。
 7月テーゼとマルクス主義・レーニン主義で一致し、階級的労働運動の爆発へ大攻勢に出よう。

第2章 反マルクス主義に純化した塩川一派

 最末期帝国主義の危機の全面爆発と革命的情勢の急接近に対し、この情勢を本物の革命に転化するために全力を挙げて闘うことが、党と労働者階級の差し迫った課題となっている。ここにおいて、革命的情勢の急速な進展に恐怖し、これをプロレタリア世界革命に転化するという革命党としての当然の任務を拒否し、そこから恥知らずにも脱落・逃亡して、逆に革命に敵対し革共同の破壊を狙う反マルクス主義集団へと転落したのが塩川一派だ。
 塩川一派のこの転落と変質は、実は06年の「党の革命」開始の直後から始まっていた。関西の労働者党員の革命的蜂起として開始された「党の革命」は、党内に反労働者的な腐敗した私党を形成していた一部指導部を打倒し、党を真に労働者階級の党、マルクス主義の党として再確立する出発点を築いた。そのもとで青年労働者・学生を先頭に猛然と開始された階級的労働運動路線の実践は、一切の中間的であいまいなものを吹き飛ばし、革命をやりぬくためには古い党のあり方からの根底的な変革と飛躍が求められていることを突きつけた。だが塩川一派は、この自己変革と飛躍を一貫してかたくなに拒否してきた。そして自らの立場を合理化するために、階級的労働運動路線に反対し、反中央の分派主義・解党主義にのめり込んできた。
 その核心は、革共同を労働者階級の党として打ち立てていくことへの拒否にある。とりわけ自己の小ブル的官僚的地位を守るために、労働者同志が党の指導部となることに憎悪と敵意をむきだしにしている。恐るべき労働者蔑視(べっし)である。
 これに対して「党の革命」の真の主役であった関西の労働者同志が、階級的労働運動路線の実践に敵対する塩川一派の反労働者的本質を見抜き、彼らを打倒し、のりこえて革命への前進を開始した。23全総の開催と関西労働者組織委員会の結成は、その偉大な飛躍のスタートを切った。塩川一派はこのことに追いつめられ、11・4集会の前夜に、ついに公然たる党破壊の反革命的行動に走ったのだ。

 革命への恐怖と敵対

 この根底には、内乱と革命に対する彼らの恐怖がある。プロレタリア革命がもはや単なる言葉や観念ではなく労働者階級の現実の課題となった瞬間に、恐れおののきそこから飛びすさったのが塩川一派だ。帝国主義を打倒する時代がついに来たことに勇躍決起するのではなく、「今はまだ革命情勢ではない」などと言い、体制内勢力の一角に身を置くことで自己保身を図る道を選択したのだ。この典型的な右翼日和見主義こそ彼らの本質だ。
 問題は、帝国主義の危機が全面的に爆発し、これに対するプロレタリアート人民の革命への巨大な決起が始まる中では、日和見主義はもはや単なる日和見主義にとどまらず、正真正銘の反革命に転化するということである。労働者階級の闘いの前進に逆に恐怖し、帝国主義者と一緒になってその圧殺に利益を見いだす存在に転落するのだ。この意味で、11・4の大爆発は、塩川一派の反革命への変質を加速度的に進行させた。その変質と転落の激しさは、まさに今日の時代の革命的激動期としての激しさに規定されている。
 革共同は、塩川一派の党破壊と階級的労働運動への敵対を絶対に許さない。彼らのあらゆる反革命策動を徹底粉砕し、打倒することを宣言する。これは今日の党と革命運動にとってきわめて価値創造的な闘いである。レーニンがカウツキーなどプロレタリア革命への背教者に対する非妥協的闘争を徹底してやりぬく中で、ロシア革命の勝利への道を切り開いたことを思い起こして闘いぬく時だ。
 特に、昨年11月18日に彼らが配布した「党の変質をきわめた23全総批判」と題する椿邦彦署名の文書(塩川執筆)なるものは、彼らの労働者階級への敵対と反マルクス主義への変質の極致を示している。断じて許しがたい。断固粉砕あるのみだ。
 第一に、「労働者階級の特殊的解放が同時に(即)普遍的解放になるわけがない」と言い放ったことである。これはマルクス主義の核心中の核心を公然と否定した決定的言辞である。
 労働者階級は、資本制社会の転覆による賃金奴隷制からの自らの特殊階級的解放をとおして階級社会そのものを廃絶し、そのことによってあらゆる差別・抑圧の発生する物質的根拠を取り除き、真の人間的共同性を奪還するのだ。このプロレタリア自己解放闘争こそ『共産党宣言』の提起の核心だ。塩川一派はこれを否定し、「プロレタリア革命だけでは部落差別や女性差別はなくならない」という反マルクス主義思想をふりまく存在に変質した。
 そもそも彼らは口先では「内乱・内戦―蜂起」などと言うが、それを本当に実現しようとは思ってもいない。彼らが口にする「武装蜂起」には、その主体が誰であり、どうしたらそれを実現できるかがまったく欠落し、プロレタリア革命とは労働者階級自身の事業であることが完全に蒸発している。そして今や、資本主義社会の墓掘り人としてのプロレタリアートの歴史的登場のもつ意味をも公然と否定するところに行き着いたのである。

 権力への屈服・転向問題で許せぬ居直り

 第二に、権力の弾圧に対する屈服・転向問題での許しがたい開き直りだ。略式起訴に応じたことへの釈明に膨大な分量を費やし、「権力との妥協・取引は一切行うべきでないなどと主張する者は本当の革命家ではない」などとうそぶいている。革命党と帝国主義権力とは絶対非和解であり、そこに妥協の余地など存在しない。だからこそ完全黙秘・非転向の原則を貫き、獄内外の団結の力に依拠して闘うことだけが、弾圧を打ち破る唯一の道なのだ。これを真っ向から否定した「椿文書」は、塩川一派の転向声明そのものだ。
 第三に、11・4集会と動労千葉労働運動に対する断じて許しがたい憎悪と悪罵(あくば)と敵対である。国鉄分割・民営化との闘いを頂点に、階級的労働運動の最先端を担い、その司令塔として存在し闘い続ける動労千葉へのあらん限りの非難・悪罵と、動労千葉指導部の「打倒」をさえ叫ぶこの文書に、塩川一派の反労働者的本質が凝縮している。これは動労千葉への襲撃宣言だ。しかも11・4の集会とデモに体現された階級性と国際性、感動と高揚感を1ミリも共有できず、5700人の世界革命への熱気と団結を冷笑している。「もう今年で終わりだ」などと11・4集会を全面否定している。
 この裏にあるのは、彼らの体制内労働運動へのしがみつきだ。動労千葉や11・4への悪罵と表裏一体で、総評による75年のスト権ストを「日本の労働運動の金字塔」などと手放しで賛美している。体制内労働運動の打倒を掲げるのは「社会ファシズム論」だなどと、歴史も論理も欠落した誤った非難を浴びせている。彼ら自身が連合全逓(全郵政と統合、JP労組)本部や自治労・日教組本部などと今や身も心も一体化し、資本や政府・権力に対する現場労働者の怒りの決起を抑えつける側に完全に回ったということだ。
 そして第四に、塩川・椿らは、23全総で革共同は「変質した」と言い、「いまや蜂起の原則にしたがって行動するときが来た」と公言している。これは革共同を破壊し打倒するという宣言だ。しかも「党の革命」に反対して打倒された者にも「共同の闘い」を呼びかけている。文字どおり党を外から破壊する集団に転落したのだ。
 今や彼らは、11月集会と動労千葉への敵対に続いて、三里塚闘争や沖縄闘争の破壊、さらには反戦闘争、学生運動、統一戦線の破壊までをも策動しつつある。絶対に許さない。党と階級の名において徹底的に弾劾し、粉砕し、打倒しつくそう。

第3章 「死の苦悶」にあえぐ末期帝国主義

 (1)世界的な労働者の大反撃

 「死滅しつつある資本主義」でありプロレタリア世界革命の「前夜」でもある帝国主義は、今や最末期の「死の苦悶」(トロツキー『ロシア革命史』)にあえいでいる。サブプライムローン問題の爆発を引き金として始まった米経済・世界経済全体のバブル的延命構造の崩壊は、世界金融大恐慌がついに現実化する過程に突入したことを告げ知らせる事態である。
 それは米帝のイラク侵略戦争での泥沼的な敗北・敗勢と一体の情勢として、相互促進的に米帝の没落と、世界経済の分裂化・ブロック化、帝国主義間(大国間)の争闘戦を激化させている。そしてその世界戦争への転化の情勢がかつてなく切迫している。
 こうした中で、一方では帝国主義の体制的延命をかけた労働者階級に対する国内階級戦争が、他方ではこれと一体の対外侵略戦争の攻撃が極限的に強まっている。今や国際階級闘争の焦点は、国際プロレタリアートと国際ブルジョアジーの間の歴史的決戦へと決定的にしぼり上げられてきた。 
 この情勢下で、現実の国際階級闘争は、イラク・中東を始めとした被抑圧民族プロレタリアート人民の不屈の民族解放・革命戦争が激烈に発展し、帝国主義を追いつめている。同時に07年は、全世界で労働者階級の反撃が始まり、闘いは新たな高揚局面を迎えた。革命への転化をかけた路線と闘いが真っ向から問われる情勢に入っている。
 アメリカでは06年の移民労働者を先頭とする大規模メーデーが歴史的転換点となり、ILWUローカル10や教育労働者などの闘いを先頭に、労働協約改定をめぐる昨年9月のGMの全米ストにも示される30年代以来の労働運動の第2の高揚期を迎えている。韓国ではイーランドの非正規雇用撤廃の籠城(ろうじょう)闘争などが不屈に発展している。イギリスではRMT(鉄道・海運・運輸労組)が闘っている。フランスではサルコジ政権の「新自由主義改革」に反対し、06年の勝利した300万人の決起に続き、昨年10〜11月には交通、エネルギー、公務員関係の労働者を先頭に無期限ゼネストなど大闘争が爆発した。ドイツでも史上最大の鉄道ストが闘われた。
 こうした中で、今や動労千葉を軸とした日韓米3国連帯と11月労働者集会が、この国際労働運動の高揚の「司令塔」の位置を占めつつある。
 この情勢は、レーニンの言う革命的情勢の全世界的な急速な成熟だ。プロレタリア世界革命の勝利に向け、階級的労働運動の道を全力で突き進もう。

 (2)サブプライム危機爆発と世界金融大恐慌の現実化

 低所得層・貧困層をターゲットとした詐欺的な変動高金利型の住宅ローン=サブプライムローンの問題が、昨年8月以来、世界の金融市場を激しく揺さぶり、米帝バブル経済と世界的バブル経済の崩壊が音を立てて進行している。米欧の金融市場は機能停止状態が続き、米連邦準備制度理事会(FRB)など5中央銀行が緊急に大量の資金供給をしなければ、ドル調達など年末・年始の資金繰りができない事態に突入している。
 サブプライムローンの焦げ付き・延滞問題が焦点化し始めるのは06年末からだが、それが07年の2〜3月と7月下旬に、2度の衝撃波となって金融市場を襲った。そして第3波の8月9日が決定的だった。この日、仏最大手銀行・BNPパリバが傘下の3ファンドの凍結を発表すると、仏株式市場が急落し、同時に信用収縮が発生。この「パリバ・ショック」が欧米から日本、アジアなどにも広がり、住宅ローン債権の証券化市場は機能が停止し、株価も連鎖的に暴落した。
 このヨーロッパ発の信用収縮という重大事態に戦慄(せんりつ)した欧州中央銀行(ECB)、FRB、日銀は、40兆円以上もの資金供給を行い、さらにFRBは8月18日には、17日の公定歩合の0・5%引き下げ(5・25%)に続き、インフレ懸念を押し切って、最重要の政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利も0・5%下げて4・75%とした。だが、これで事態は何も鎮静化しなかった。
 第一に、信用収縮の危機が続く一方で、住宅価格の下落や着工件数のマイナス化など住宅市場の縮小と崩壊が止まっていない。住宅ローンの延滞と焦げ付き、差し押さえや競売が激増している。差し押さえは06年は55万件、この07〜08年過程ではさらに200万件と予測されている。
 第二に、こうした中で、昨年夏以降、米欧日の巨大金融機関は、米銀最大手のシティグループや米証券大手のメリルリンチを筆頭に、サブプライム関連で大規模な損失を発生させている。その総額は3千億j(約32兆円)とも4千億j(約43兆円)とも言われる。しかも金融機関本体とは別のSIV(特定目的会社)などが抱える膨大な「隠れ損失」がある。こうした事態を背景に大手金融機関の貸し渋り、貸しはがしも始まった。
 第三に、実体経済への打撃がいよいよ本格化してきた。07年8月の米非農業部門の就業者数が前月比で4千人減となり、マイナスに転じて「雇用ショック」が襲ったが、特に昨秋以降、金融業界や住宅関連を中心にサブプライム関連の大量解雇が「鉄砲水のような勢い」で本格化している。米自動車最大手のGMは、昨年7〜9月期決算で389億j超(4兆4000億円)の過去最悪の赤字を出した。それらは失業者の増大となり、米GDP(国内総生産)の70%を占める個人消費の減退に転化する。
 第四に、インフレ化の危機だ。だぶついた過剰な投資マネーは、米国債に流れたり(「質への逃避」)、いったん株に戻って、激しい乱高下を演出し、金融危機を促進しているが、それは結局は原油や穀物などへの投機に向かい、異常な最高値状態となっている。これにFF金利と公定歩合の引き下げなどが加わり、インフレが現実化してきた。
 第五に、ドル安の進行からドル暴落の危機である。サブプライム問題と米住宅バブルの崩壊が引き起こす事態の最後の結論は、米経済のインフレ化と大不況化であり、ついにはドル暴落だ。今日、ユーロの価値は02年から対ドル比で41%も上昇、外貨準備や決済をユーロにシフトする動きも進む。「基軸通貨」たるドルの信認は決定的に揺らいでいる。

 低所得層から住む家さえも奪う攻撃

 サブプライム危機の歴史的重大性は、米住宅バブルの崩壊、世界経済バブルの崩壊が、ついに世界金融大恐慌の引き金を引いたということにある。
 そもそも現代の末期帝国主義は、74〜75年恐慌で突き出された米帝基軸の特異な戦後発展の終焉以来、過剰資本・過剰生産力の重圧下で本質的停滞にあえいできた。そしてロシア革命―30年代危機以来のケインズ主義・国家独占資本主義政策の破産の中で登場した「新自由主義」と、そのもとでの経済のバブル化・投機化の要素ぬきには、もはや経済成長などあり得ないものとしてあった。86年〜90年の日帝のバブル、98年〜01年の米帝のITバブル、そして03年以降の米住宅バブルこそ、末期帝国主義の典型的なあり方だったのだ。
 米帝はITバブルが崩壊した後、ブッシュ政権のもとで空前の恐慌対策として大規模な企業減税、金持ち優遇の所得税減税と、1%とか1・75%という超低金利政策で個人消費を刺激する景気浮揚策をとり、03年後半以降は住宅建設ブームを演出して住宅バブルに突入した。1人で3軒も4軒も家を建てたり、膨大な借金をして消費したりする異常なバブルが生み出された。だがそれが頂点に達した後、次に金融機関が手掛けたのが、低所得者層に対するサブプライムローンだったのだ。
 サブプライム問題とは、帝国主義の金融独占資本家どもが住宅バブルを極限的に引き延ばし、巨大な利潤を得るために、ラティーノやアフリカン・アメリカン(黒人)を始め低所得層・貧困層の労働者人民に、最初だけ低利で住宅を売りつけ、膨大な借金を背負わせてぼろもうけし、最後は住宅を差し押さえて取り上げるという、とんでもない悪行にその階級的本質がある。ここには、最後の手段として低所得者層・貧困層を食いものにし、ついには「食」も「住」も奪う帝国主義と独占金融資本の反労働者性、末期性がむき出しだ。もはや帝国主義を打倒し、プロレタリア革命をやる以外にいかなる道もない。
 サブプライム危機の歴史的末期性 は、ローン債権を証券化した金融商品が地下茎のように複雑に絡まり、その全容がつかめず、いつどこで「地雷」が炸裂(さくれつ)するかわからないという不安が連鎖し、危機が無限に拡大するという点にある。これは「新自由主義」と「グローバリズム」のもとでの21世紀型の金融危機でもある。
 ここで今ひとつ決定的に重大なことは、残存スターリン主義・中国の経済も米帝バブルとの相互関係の中で異常なバブル状態にあり、早晩その崩壊が必至だということだ。米帝バブルの崩壊と恐慌突入などが引き金となって中国のバブルが破裂し、日帝やEU経済も吹き飛ぶという情勢の到来さえもありうるということである。
 この世界金融大恐慌の現実化というただならぬ情勢に真っ向から対決し、末期帝国主義を打倒し、世界革命の勝利を切り開くために闘いぬこう。

 (3)イラク戦争継続とイラン爆撃を狙う米帝と対決を

 米帝(多国籍軍)のイラク侵略戦争は絶望的な敗北・敗勢の度を深めてきた。米帝ブッシュ政権が昨年1月に開始したイラク「新戦略」そのものが、すでに完全に破綻(はたん)してしまっている。このイラク情勢は住宅バブルの崩壊過程と相互に促進し合いつつ、米帝危機を極限まで激化させていく決定的要素である。 
 結論的に言って、3万人以上の米軍を増派したブッシュ「新戦略」の破産は、まず何よりも昨年4、5、6月には毎月100人以上と急増した米軍死者数(負傷者はその約10倍)に激しく示されている。同時に米帝の侵略戦争が生み出した「内戦」で、06〜07年に毎月2千人〜3千人のイラク民間人の死者が出ていることは、「新戦略」の破産とこの戦争自体の反人民性を示して余りある。さらに「新戦略」の破綻を示すいま一つの重大な指標は、マリキ政権の崩壊寸前的な惨状だ。
 こうした情勢の中で、昨年9月以降、イラクの「治安の安定化」なるものが喧伝(けんでん)されている。だがこれは米帝・米軍が危機を脱したことではまったくない。今日のイラクの戦況は、米帝が08年大統領選を前に、昨年9月に米軍増派を強行し、シーア派への軍事的恫喝と一定の実力行使、また反米ゲリラの有力地域としてあったスンニ派・アンバール州の部族支配層への武器供与(一定の民兵軍としての形成を是認)、さらにはシリアとイランへのすさまじい軍事的脅迫(イスラエルによるシリア空爆)などの危機的政策がもたらした一時的な均衡にすぎない。
 これは逆にイラク人民と解放闘争勢力の立場からみれば、今日の国際情勢や大統領選でのブッシュ共和党の危機をにらみ、次の戦略的攻勢を準備しているとも言える。
 ここで重要なことは、米帝にとって13万5千人もの大量の軍隊を送り続けることはできないが、しかしイラクは絶対に植民地的に支配しなければならないということだ。ここから今日の米帝のイラク政策の基本は、イラクへの長期駐留と、米帝・米軍の軍事力なしでは存立できない分裂的国家として支配していくことに集約されつつある。この点で昨年9月下旬、民主党が多数を占める米上院で「イラク準分割案」が可決されたことは重大事態であり、今や民主党のヒラリー・クリントンを含め、イラクへの長期駐留(占領)を容認する政策が、大統領選が切迫する中で急速に強まっているのだ。
 イラク情勢でもう一つの重大事態は、昨年10月にトルコ軍とPKK(クルド労働者党)の激しい戦闘が2度にわたり展開されたことだ。トルコ国会はイラク領内への越境攻撃を承認する決議を行い、すでに10万のトルコ軍が展開する超緊迫情勢となっている。
 米帝はスンニ派・フセイン政権を転覆するために、帝国主義的目的からイラク北部でのクルド自治政府の樹立を承認してきた。民族解放を求めるクルド人がこれを契機に、対トルコのゲリラ戦争を強化することは当然の権利だ。これに対し米帝は、PKKの「テロ組織」指定を行い、PKKを非難している。だがここには、イラクを分断支配しつつトルコを政治的軍事的に取り込んでおくという、米帝の植民地主義的野望がむき出しである。しかしトルコ軍とPKKが激突し、イラク北部が戦場化する危機をつくり出したことは、米帝にとって大打撃であり、危機はいま一つ深まったのだ。

 イラン侵略戦争切迫

 その上でさらに重大情勢は、米帝ブッシュがイラクでの絶望的危機の中で、大統領選で民主党(ヒラリー)への巻き返しをも狙って、この間、イランとシリアに戦争的威嚇を露骨に強めていることだ。特に米帝のイラン侵略戦争強行策動は、ここにきて決定的に増大している。すでに昨年9月にはイスラエルによるシリアへの空爆が強行された。これは米軍によるイランとシリアへの軍事的脅迫そのものだ。
 さらに昨年10月25日、国務長官ライスと財務長官ポールソンが、「米政府はイラン『革命防衛隊(IRG)』を大量破壊兵器を拡散する組織、そしてIRGの中核・最精鋭部隊『アルクッズ部隊』を『テロ支援組織』に指定する」「イラン革命防衛隊、国防軍需省、国有3銀行に対して……経済制裁を科す」という共同声明を発表した。また米上院は「イラン革命防衛隊をテロ組織に指定すべき」という決議を大差で可決した。しかもヒラリーは民主党大統領候補としてはただ一人、この決議に賛成投票している。
 要するに、今や米帝支配階級の中では、06年中間選挙で民主党が勝利し「イラク撤退ムード」が一時的に高まった状況は一変した。米帝の敗北・敗勢の危機が深まり、大統領選が切迫する中で、いよいよ米帝の帝国主義的な「国益」をむき出しにしたイラク侵略戦争の長期継続、イラン侵略戦争(軍事力行使)の発動準備という、すさまじい戦争拡大路線が固まりつつあるのだ。これにフランスのサルコジ政権などが米帝と一体化する動きを強め、イランへの追加制裁推進の立場をとっていることも重大だ。
 こうした今日のイラク情勢が示していることは、超大国・米帝の「死の苦悶」と没落の中で、帝国主義の侵略戦争―世界戦争への転化の過程が進行しているということだ。この歴史的情勢と対決し、万国の労働者階級と被抑圧民族プロレタリアート人民の団結で、帝国主義打倒とプロレタリア世界革命に向け闘おう。
 以上のようなイラク・イラン情勢の世界的波及・連動として決定的なものとして、アフガニスタン、パキスタン、ガザ(パレスチナ)、そして北朝鮮をめぐる情勢がある。

 アフガニスタンと北朝鮮をめぐる情勢

 特にアフガニスタンでは、一度は帝国主義によってたたきつぶされたかに見えたタリバンとそのゲリラ戦闘が、完全に復活して全土に拡大し、米帝―NATO(北大西洋条約機構)とカイライのカルザイ政権に大反撃をたたきつけている。そもそも米帝は、アフガニスタンで短期決戦的に勝利したとしてイラク侵略戦争に突入した。だがイラクで泥沼的危機に転落する中で、アフガニスタンにISAF(国際治安支援部隊、現在4万1千人)としてNATOを引き込み、動員する政策をとった。これと連携して「不朽の自由作戦」(OEF)と称する米軍主体の8千人が「テロ対策」を口実に侵略戦争を展開している。これを支援して日帝・海上自衛隊がインド洋での給油活動を継続してきた(現在は中断中)。
 アフガニスタンは、今や米帝を先頭に世界の主要国が競って侵略戦争に参戦し、国際帝国主義が再び世界戦争へと突入していく上で決定的な戦場となっているのだ。
 さらに、イラクでの米帝の敗北・敗勢の影響を最も強く受けているのが北朝鮮情勢である。米帝はこの間、対北朝鮮政策で「米朝主導」を強め、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の一定の進展を図るなど(07年2月の「合意文書」調印とそれ以降の動向)、かなり思い切って動いてきた。だが見かけほど本質的な変化はない。イラク・イラン情勢をにらんだ戦争的リアルポリティクスから、当面は徹底的して時間稼ぎをするのがその核心だ。しかもこうしたプロセスは、同時に日米間の矛盾・争闘戦を激化させ、迎撃ミサイルPAC3の配備に始まるミサイル防衛(MD)体制強化など、日帝の独自の軍拡と核武装、9条改憲と戦争国家体制構築の動きを激しく促進する。
 対北朝鮮・中国の侵略戦争という米帝の大戦略は基本的に不変だ。米帝はすでに帝国主義的侵略戦争―世界戦争の過程に突入している。このプロセスは、世界金融大恐慌の危機と相互促進的に進む。歴史的に米日帝の朝鮮侵略戦争は不可避であることを見据え、日韓米の労働者国際連帯の発展と世界革命をもってこの情勢を迎え撃とう。

 (4)「最弱の環」=日帝の参院選惨敗と支配体制の危機

 世界金融大恐慌の現実化とイラク侵略戦争のイランへの拡大情勢は、帝国主義間(大国間)の争闘戦を決定的に激化させ、今や各国の生き残りをかけた相互のつぶし合いへと発展させつつある。この中で日帝はいよいよ絶望的危機にたたき込まれている。
 日帝は、一方での第2次世界大戦の敗戦帝国主義としての歴史的制約性、アジア諸国人民の日帝への激しい怒りの存在、日米同盟下の経済大国化路線とバブル経済の崩壊、90年以降の長期大不況と97〜98年の金融恐慌、国家財政の破綻、他方での労働者階級の反乱と巨大な階級決戦期の切迫という諸現実に規定され、まさに帝国主義の「最弱の環」をなしている。
 こうした中で、特に国債を始め昨年6月末で約837兆円もある国の借金残高(最近5年間で200兆円以上も増加)は、GDPの1・6倍に達し、帝国主義諸国の中で最悪だ。歴史的な超低金利が続く円を借りてドルなどの高金利通貨で運用する「円キャリー取引」を国際的に成立させてきた「円安バブル」も今やはじけ、円高に転じ、円安で対外輸出に依存してきた日帝経済を痛撃している。

 小泉-安倍の構造改革が生んだ貧困・格差

 ここから日帝が反革命的に延命していく道は、外への侵略戦争と内への階級戦争だ。具体的には日帝が、97〜98年金融恐慌の爆発と日帝の最弱環化の絶望的進行の中から、小泉―安倍政権をもって激化させてきた戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃である。これはレーガン、サッチャー、中曽根以来の保守主義と「新自由主義」を日本で本格化させた攻撃であり、労働者への徹底的な民営化・労組破壊と非正規雇用化、そして農民や中小企業の無慈悲な切り捨ての上に、金融独占資本(大企業・大銀行)が延命し、侵略戦争国家へと絶望的に飛躍していこうとする反革命的政策である。
 01年4月に登場した小泉政権は「聖域なき構造改革」「改革なくして成長なし」を叫び、一方で靖国参拝強行や対中国の排外主義を扇動し、戦争・改憲攻撃を激化させ、他方では郵政民営化の強行を頂点に、民営化・労組破壊、終身雇用制の解体、首切り・リストラ・賃下げ、非正規雇用化、労働法制改悪、年金や医療を始め社会保障制度の解体を無慈悲に推し進めてきた。
 小泉を継承した安倍は、構造改革路線の推進と同時に、「美しい国」「戦後レジームからの脱却」なるものを掲げ、改憲・「教育改革」・集団的自衛権見直しや、社会保険庁解体を始めとする「官公労=自治労・日教組つぶし」の攻撃に突き進んだ。そして昨年7月の参院選の大敗で打倒されるまでの1年間に、強行採決を連発し、改悪教育基本法、改憲投票法などの極悪法を次々と強行成立させた。
 この小泉―安倍政権の6年半の間に、日帝が日本経団連の奥田―御手洗と一体で労働者にかけてきた一大資本攻勢は、トヨタやキヤノンなど大ブルジョアジーが史上空前の企業収益をあげる一方で、青年労働者を中心に、戦後史上かつてない非正規雇用化と極限的な貧困化・格差拡大を生み出した。
 実際、01〜07年に正規雇用労働者は247万人減少し、非正規雇用労働者は366万人も増大した。この結果、全労働者の33・7%、3人に1人が非正規雇用労働者になった。特に青年労働者では実に2人に1人が非正規だ。しかも非正規雇用の賃金は正規雇用の2分の1、3分の1であり、パート、派遣、請負など非正規労働者は、まさに日本経団連の「総額人件費削減」の切り札とされた。95年の日経連プロジェクト報告「新時代の日本的経営」が言う、10%の幹部社員以外の90%の労働者を非正規雇用化し、使い捨てにする攻撃が、小泉―安倍政権下で一気に進んだのだ。
 この結果、25〜35歳の2千万人の青年労働者が「ロストジェネレーション」などと呼ばれ、「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」の労働者が激増した。多くの青年労働者の現状は貧困そのもの、生存ギリギリの状態で、自分の労働力の再生産すらできない事態へと追い込まれた。「生きさせろ!」が命の叫びとなったのだ。
 しかし他方で、2兆円の収益をあげるトヨタを始め大資本は、構造改革路線と「骨太方針」のもと、「いざなぎ超え」などと称する空前の収益を謳歌(おうか)してきた。だがこれは、労働者への徹底的な資本攻勢と円安下の対米・対中輸出の結果であり、利益は設備投資、内部留保、増配に回され、成果主義導入とベア拒否(定期昇給のみ)で、労働者は賃金の低下にあえぎ、EU諸国などをはるかに超える長時間労働に縛りつけられてきた。
 小泉政権以降、貧困と格差が爆発的に拡大したことを示すデータとして厚労省の所得再分配調査がある。全世帯を年金給付などを除いた当初所得によって、所得の低い方から最低所得・低所得・中間所得・高所得・最高所得と並べ、各世帯数が同じになるよう等分する。そうすると05年の場合、最高所得グループが全所得の実に51・8%、高所得グループが27・8%を占めるが、最低所得グループは0・015%でしかない。また最高所得グループが最低所得グループの何倍の所得を得ているかの比率は、60〜70年代は10倍以内だが、80年代から10倍を超え、90年代は20〜30倍、そして99年に61倍、02年には168倍となり、05年は実に4千倍超へと爆発的に拡大したのだ。
 昨年7月参院選での安倍・自民党の歴史的惨敗は、こうした小泉―安倍のとてつもない反労働者的な攻撃、さらには年金問題や政治資金問題に対する労働者と農民の階級的怒りの爆発だった。とりわけ小泉に幻想を抱いていた青年層が大規模に拒否をたたきつけた。昨年の3・18をもって「労働運動の力で革命をやろう」と決起した闘いは、その最先端に位置した。まさに3・18決起が波及し参院選情勢を生み出したと言えるのだ。

 福田の「対テロ新特措法」強行策動粉砕を

 安倍は参院選に大敗し、労働者の怒りに打倒され、自滅、敗走した。これは、日帝ブルジョアジーの支配の屋台骨が折れ、改憲攻撃を始めとする敵の攻撃プランがズタズタにされて、本質的に革命が問題となっている歴史的情勢だ。実際に参議院の勢力関係が逆転し、ブルジョアジーや自民党の思うように法案が成立しないことは、日帝にとって空前の危機である。インド洋からの海自給油艦隊の撤退や、守屋前防衛事務次官を軸とした防衛疑獄の爆発が日帝を痛撃しているが、これも参院選惨敗がつくり出した情勢である。
 安倍後継の福田政権は、日帝支配の一角の崩壊という本質的危機の上に立っている。この中で福田がかけてきた大がかりな反革命が、民主党・小沢を引き込んだ「大連立」策動だ。しかしこれは参院選の結果をつくり出した労働者階級の怒りに痛撃され、ひとまず破産した。しかし、福田・小沢の「大連立」策動と小沢の辞任・撤回劇、そのことによる民主党の動揺をついて、今日、福田はきわめて攻撃的な政治行動に出てきている。
 第一に、福田の政策の根幹には「構造改革の方向性は守らないと国家の存立が危うくなる」(07年10・9衆院予算委員会)という小泉―安倍路線の継続があり、4大産別をめぐる民営化・労組破壊との攻防の激化は不可避だ。福田は最近、「成長戦略」と財政再建は両輪と言い、「成長戦略」を提起し始めた。これは「骨太方針Z」の「生産性の伸び率の1・5倍化」の政策化であり、労働者階級への搾取・抑圧の攻撃の激化を意味する。
 さらに日本経団連の08年度の「優先政策事項」10項目では、一方で国際競争力の回復を叫んで一層の規制緩和・民営化と非正規雇用化、社会保障制度解体、増税の攻撃を打ち出し、他方では「公徳心」「教育改革」「道州制の導入」「新憲法制定」など戦争・改憲の攻撃を正面から打ち出している。とくに道州制の導入は、改憲と一体の国家大改造攻撃として強力に推進されようとしている。4大産別決戦と改憲阻止闘争が一体的な闘いの決定的課題となるということだ。
 第二に、対テロ新特措法案の成立強行策動である。これは本質的に戦争・改憲攻撃だ。福田は昨年11月16日の日米首脳会談で「日米同盟の強化」「早期成立に全力」と表明し、「国益」を押し出しながら、法案が参議院で否決されても衆議院で3分の2の多数による「再可決」をする腹を固め、国会を越年再延長した。解散・総選挙の断行をも振りかざした攻撃との重大攻防である。またこうした中で昨年12月から民主党をも巻き込み、衆参両院で「憲法審査会規程」制定の動きが始まった。そもそも「大連立」の根底には改憲がある。
 参院選の結果を生み出した労働者階級の小泉・奥田―安倍・御手洗への怒りを、福田・御手洗に対しても大爆発させ、階級的労働運動の圧倒的前進で日帝打倒―プロレタリア革命の勝利を切り開くために総決起していこう。

第4章 青年・学生を先頭に革命的反乱を

 (1)11・4の地平から大攻勢へ

 世界金融大恐慌が現実化し、帝国主義は体制の延命をかけて、国内階級戦争とそれと一体の対外侵略戦争―世界戦争への攻撃を激化させている。
 階級的労働運動路線は、激化する国際的な階級攻防に勝ちぬくために、職場・生産点での闘いをとおした労働運動拠点、革命拠点の建設を基軸に据えつつ、すべての経済闘争、政治闘争を、プロレタリア世界革命の勝利に向かって単一の階級闘争として闘いぬこうとする路線でもある。
 この08年、わが革共同に課せられた任務の基本は、階級的労働運動の全面的発展のために、しゃにむに、真一文字に、がむしゃらに闘いぬくことだ。日帝・福田政権の危機と反革命性、そしてそれとの対決性も鮮明になっている。08年こそは、すでに参院選で示された労働者階級の怒りと決起、11・4労働者集会の圧倒的地平を全力で発展させ、革命的情勢の急速な到来に勇躍切り込んで、階級的労働運動路線を全力で実践し物質化する大攻勢の年としなければならない。
 昨年は日本においても、11・4と同時に、教労、自治体の労働者を先頭に9・29沖縄で12万人の世界に誇れる決起が闘いとられた。11月には政府の大幅賃下げ攻撃に対決し、全駐労の労働者が米軍足下から2波のストに決起した。闘いの時代、革命の時代が始まっている。青年労働者を先頭に、4大産別を始めあらゆる職場・生産点から、体制内労働運動を打ち破り、「労働運動の力で革命をやろう」の闘いに決起し、労働組合をめぐる攻防に勝ちぬいて、全国で動労千葉のような革命的な労働者拠点をつくり出していこう。
 帝国主義・資本主義は今や体制としてあらゆる意味で破産し、革命以外にいかなる出口も、解決の道もない。このことをすべての労働者に真っ向から訴え、プロレタリア世界革命の路線を提起して闘おう。4大産別決戦の前進と攻めの改憲阻止闘争を軸に、日帝の戦争と改憲、民営化と労組破壊の攻撃をプロレタリア革命へ転化するために闘おう。
 08年1〜3月、「日の丸・君が代」不起立闘争と春闘ストの爆発をかちとろう。3月イラク・イラン反戦闘争に決起しよう。これらの闘いを号砲として08年決戦に驀進しよう。

 (2)第2次国鉄闘争を先頭に4大産別で前進切り開け

 日帝・福田が小泉・安倍の構造改革路線を基本的に継承し、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃のもとで、非正規雇用化、リストラ・賃下げ、長時間労働、無権利化などの一大資本攻勢をますます強めてくる中で、08年は4大産別決戦があらためて重要な大攻防になる。
 すでに総括の章で確認したように、労働者階級がプロレタリア革命に勝利していく闘いにとって、4大産別こそは決定的な戦略的位置をもっている。だからこそ日帝は、中曽根の国鉄分割・民営化攻撃に続き、小泉―安倍政権のもとで郵政民営化を強行して民営化・労組破壊の攻撃を強め、「最大の抵抗勢力は官公労」「自治労、日教組をつぶせ」と叫び、4大産別決戦の破壊に全力を挙げてきた。また年金問題が爆発するや責任をすべて社保庁労働者に転嫁し、労組を「悪の根源」と攻撃してきたのだ。
 4大産別決戦こそは、帝国主義打倒とプロレタリア革命への攻防の最先端だ。ここでこそ11・4の地平に立ち、青年労働者を先頭に、権力・資本と対決し、体制内労働運動との党派闘争を貫き、職場・生産点での分岐をつくり出し、動労千葉に続く職場拠点を形成するために、全力で攻勢をとろう。
 国鉄。4大産別決戦の先頭に再び国鉄決戦がすわり、その新たな爆発をかちとるべき情勢が到来している。
 日帝・中曽根が「戦後政治の総決算」を呼号して強行した国鉄分割・民営化は、「新自由主義」政策をもって最末期の帝国主義がくりだしてきた大攻撃であった。その資本の弱肉強食の論理をふりかざした危機にかられた凶暴な攻撃は、ファシスト・カクマルを先兵として動員することなくして貫徹できないものだった。これに対して動労千葉は2波のストライキで大反撃し、今なお分割・民営化絶対反対を貫き、反合・運転保安闘争を軸に闘い、組織と団結を守り、勝利の展望をもって前進している。この闘いこそが国鉄闘争の基軸性、勝利性を打ち立て、JR総連カクマルの支配を根底から揺さぶり、1047名闘争を営々と発展させるものとなっているのだ。
 中曽根の攻撃から20年、今や分割・民営化体制は音を立てて崩壊している。尼崎事故など安全問題の極限的な破綻と、これと一体の合理化攻撃は、要員問題での深刻な破産を引き起こしている。さらに決定的なのは、分割・民営化体制の要である資本とJR総連カクマルの結託体制が今や完全に崩壊したことだ。権力とJR資本はJR総連の「労働代官」としての地位を取り上げ、「走狗(そうく)煮らる」の切り捨て政策に打って出た。その結果、東労組を始め次々と自壊的分裂が起こっている。現在の激動情勢と動労千葉の不屈の闘いがついにJR総連の分裂と崩壊をつくり出したのだ。
 これは、80年代からの希代の反革命である民営化攻撃が、ついに帝国主義の末期的危機のもとで全面的に破綻したということだ。革命的情勢の急接近のもとで、国鉄闘争が再び階級決戦の軸として労働運動の大地にぶっ立とうとしているのである。
 日帝は民営化攻撃を、どんなに破産的であっても、それ以外にない絶望的攻撃として4大産別全体にかけてこようとしている。いよいよ国鉄決戦を始め4大産別決戦が最末期帝国主義の破綻点を徹底的に暴き、直撃し、プロレタリア革命を引き寄せる闘いとなってきている。昨年9月の動労千葉大会における「勝利宣言」を新たな国鉄決戦の戦闘宣言として全身で受け止め、主体化して闘うべき時がきた。
 だがこうした中で、当面の国鉄闘争の危機的動向として、国労本部などの4者・4団体路線が動労千葉を排除し、「解雇撤回を貫くことは玉砕だ」などと叫び、1047名闘争に敗北主義を持ち込み、闘争を一刻も早く終わらせようとしている現実がある。しかし解雇撤回・JR復帰を投げ捨て、職場闘争もやらず、権力・資本に本質的に全面屈服した組合に、「政治解決」などあるはずもない。裁判闘争にも勝てるはずがない。
 国鉄闘争は今や、一方でカクマル・JR総連が分裂に突入した中で、限りなく屈服へと走る体制内労働運動による闘いの解体か、解雇撤回の原則的・階級的闘いを貫いて勝利を開くのか、この両者の完全な党派闘争となっている。しかしJR本体の職場・生産点での原則的闘いとの結合にこそ1047名闘争の勝利はあるのだ。今こそ動労千葉に徹底的に学んで、国労の階級的再生へと闘い、解雇撤回・JR復帰を不屈にもぎりとろう。その一環として国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利を開こう。08年を第2次国鉄決戦の年として闘い、歴史的勝利へ攻め上ろう。

 卒業式・入学式での不起立闘争の爆発を

 教労。東京都教委の03年10・23通達による「日の丸・君が代」強制に対する拒否の闘いとして爆発した不起立闘争は、都教委の不当処分に抗し、不屈に発展してきた。卒業式・入学式での40秒間の不起立決起は、学校現場における戦争協力拒否の偉大なる決定的闘いだ。それと同時に日教組を戦闘的に再生する闘いとして戦略的意義をもっている。しかもそれは、転向を深める日教組本部や都高教指導部が全面屈服している中で、組合指令がなくてもやれるきわめて有効な戦術である。
 そして東京の根津さんや河原井さんが、たび重なる処分に抗して、解雇攻撃策動にも屈せず不起立を闘っていることは、教育労働者を始め全国の労働者の感動と決起を生み出している。それは海を渡り、アメリカの教育労働者との国際連帯にも発展した。数百、数千、数万の教育労働者がこの決起に続くなら、処分など絶対にはね返せる。日教組の闘う再生もかちとれる。問題は職場での団結の形成であり、処分を恐れず決起する実践だ。08年こそは最大の勝負の年である。
 11・4集会の地平を断固発展させ、東京を先頭に不起立闘争を大爆発させよう。そして組合権力に断固として挑戦しよう。
 全逓。「10・1民営化」に対し超勤拒否闘争に決起したことは決定的であった。これは郵政民営化絶対阻止の闘いであり、社会の主人公は労働者だというマルクス主義的な誇りをかけた決起であり、動労千葉労働運動の実践そのものでもあった。それは4大産別の労働者の先頭で11・4決起の突破口を切り開いた。そもそも「権利の全逓」として、かつては超勤拒否闘争はまったく当たり前だった。しかし連合全逓―JPUのもと、とんでもない合理化と長時間労働が常態化する中で、体制内労働運動ではまったく闘えず、階級的労働運動の立場でしか超勤拒否は貫けない闘いとなっているのだ。
 10・1以降、殺人的なすさまじい超勤攻撃が激化している。さらに郵便事業会社と郵便局会社の労働者を2012年3月末までに2万4千人減らす計画がある。これ自身が郵政民営化の破産と反労働者性の象徴である。
 こんな現実をもたらしているのは体制内労働運動の極致、JPU指導部の屈服の結果だ。彼らは「10・22組織統合」によって新たな綱領に「左右の全体主義を排し」「産業民主主義の原則に立って生産性運動を推進する」とうたい、戦前の産業報国会の道を歩もうとしている。この腐り切った体制内労働運動を打倒し、郵政民営化絶対粉砕の旗を断固として掲げて闘おう。年末・年始の年賀物ダメ闘争から超勤拒否闘争の拡大を切り開こう。
 自治体。北海道夕張市だけでなく、東京・杉並など全国の自治体で今「丸ごと民営化」の攻撃が吹き荒れている。さらに「平成の大合併」の過程で自治体労働者の2分の1、3分の1が首切り攻撃にさらされ、残った労働者にも賃下げ攻撃が激化している。公務員だからとパート労働法さえ適用されない非正規労働者が激増し(05年の調査で約45万人)、「官製ワーキングプア」さえ大きな問題となっている。
 この攻撃の背景にあるのは、「究極の構造改革」(日本経団連提言)であり、「国そのものを民営化する」(道州制ビジョン懇談会座長・江口克彦)道州制導入である。道州制とは「国家」丸ごとの民営化であり、公務員200万人の首切り、公務員労働運動解体による戦争国家への改造攻撃であり、まさに改憲攻撃そのものである。
 年金問題の責任を労働者に転嫁し、「社保庁解体・全員解雇」を叫んだ安倍は打倒された。しかし福田政権の舛添厚労相による社保庁労働者へのファシスト的な攻撃が強まっている。政府と高級官僚の責任は棚に上げ、社保庁労働者を「牢屋にぶち込む」とうそぶく舛添こそ打倒対象だ。敵は危機であり、年金問題や薬害問題などの弱点を抱えている。改憲勢力化を深める自治労本部を打倒し、民営化・労組破壊に階級的大反撃を組織しよう。
 医療、交運、合同労組。以上の4大産別決戦に続き、さらに医療・福祉、交通運輸、金属など民間を始め、全産別において階級的労働運動を前進させよう。動労千葉の実践と教訓はあらゆる産別につうずる階級的普遍性を持っている。それに学んで闘おう。さらに合同労組の運動の発展をかちとろう。

 春闘ストに立とう!

 労働者の非正規雇用化と貧困化、賃下げと物価上昇と大増税の攻撃への怒りは沸騰点に達している。日本経団連は08春闘に対し、「生産性にみあった人件費決定」と称し、「横並び」を拒否し、労組的団結を解体し、他方では非正規雇用化を促進することであくまで総額人件費の削減を狙っている。これと対決し、大幅賃上げ、団結強化、非正規雇用撤廃を一体的に結合して08春闘をストライキで闘いぬこう。今年こそ連合、全労連などの体制内春闘を打ち破り、怒りの3月春闘ストの大爆発をかちとろう。動労千葉と4大産別を先頭にすべての産別で階級的労働運動の躍進をかけて総決起しよう。

 (3)反革命クーデターを改憲阻止=革命で打ち破ろう

 参院選での惨敗と安倍の挫折は日帝の改憲攻撃プランを痛撃した。しかし福田が仕掛けた「大連立」策動は、改憲をにらんだ反革命的突破の攻撃でもある。ここでこそ労働者階級人民は、護憲的対応を超え、改憲阻止=革命勝利の闘いへ転じなければならない。〈攻めの改憲阻止闘争〉に断固として突入しよう。
 「階級的労働運動路線の全面的推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう」――これが革共同の改憲阻止決戦の戦略的スローガンだ。
 われわれは改憲阻止決戦を階級的労働運動路線とは別個に、その外側から位置づけ論じる立場はとらない。改憲はプロレタリア革命への恐怖からくりだす日帝の予防反革命攻撃であり、反革命クーデターである。だから改憲攻撃を粉砕する闘いは、日本革命の勝利をかけて戦後革命とその敗北をのりこえる闘いであり、文字どおりの階級決戦である。反革命クーデターは革命でこそ粉砕でき、それで決着をつけるのだ。
 だからこそ4大産別を軸に、労働者階級の改憲阻止への総決起に向けて、職場・生産点で階級的労働運動を全面的に展開し、改憲と闘う労働組合をつくり出し、そこから改憲阻止の集会やストやデモに決起し、階級的力関係を変えていくために闘うのだ。そしてついには労働者階級のゼネストと国会を包囲する巨大なデモンストレーションをも組織し、改憲攻撃をプロレタリア革命に転化していくために全力をあげるのである。
 また、改憲阻止決戦を訴え、労働者の政治闘争・国会闘争を組織するために、階級的労働運動を実践し、敵の民営化・労組破壊や資本攻勢と闘うことを土台としながら、レーニンの言う「政府に対する宣戦布告」としての全面的な政治暴露も展開していくのだ。
 そしてガイドライン闘争以来、決定的な運動的発展を切り開いてきた百万人署名運動を、労働者の階級的決起に依拠し、それと結合しつつ最大限に取り組んでいく。それは階級的労働運動の発展にとって不可欠の重要な武器でもあるのである。

 改憲の具体的な内容

 日帝にとって戦争・改憲の攻撃は帝国主義として延命していくための絶対的テーマである。だから安倍の挫折で変更できる政策などではない。そもそも現代の戦争とは帝国主義の侵略戦争であり世界戦争だ。日帝にとって現実の決定的な戦争は何よりも米帝と共同して行う朝鮮侵略戦争である。これはイラク情勢が深刻化し、米帝が没落して帝国主義間(大国間)争闘戦が激化すればするほど切迫する。しかもそれは日本の労働者階級、南北朝鮮の労働者人民、また米帝下の労働者階級にとって決定的な一大反革命であり、さらには中国侵略戦争、世界戦争をもはらんだ攻撃としてある。
 現実の改憲攻撃は米日帝の朝鮮侵略戦争の発動とほとんど一体であり、戦争突入=改憲強行のような形態で進む。そして安倍の言う「戦後レジームからの脱却」とは、本質的にナチス・ヒトラーの「ベルサイユ体制打破」に等しい攻撃である。それは直接的にはまず日米同盟の戦争的全面展開に道を開く。しかしこれは本質的には戦前の「大日本帝国」を復活させるような大反動であり、結局は日米矛盾をも爆発させていくのである。
 言うまでもなく、改憲攻撃の柱は何よりも戦争放棄を規定した第9条、とりわけその2項(戦力不保持と交戦権否認)の解体だ。帝国主義国の憲法で他に類を見ないこの規定を撤廃することで、米帝と同じように全世界で軍事力を行使し集団的自衛権を発動して、侵略戦争をやれる「新憲法」をつくろうとしているのである。
 しかし戦後革命を基底にもつ階級関係を根本から転覆する、この改憲という巨大な歴史的攻撃は、労働者階級の団結の決定的解体ぬきには不可能だ。4大産別を先頭に労働者階級が決起すれば、戦争と改憲の攻撃を一挙に吹き飛ばす力がある。それどころか戦争・改憲の攻撃に対して労働者階級が内乱的に決起したら、日帝打倒と革命が問題となる白熱的情勢に突入する。それは侵略と戦争を内乱へと転化する闘いそのものでもある。
 だからこそ日帝は、「日の丸・君が代」強制と教基法・教育4法の改悪で日教組を、郵政民営化で全逓を解体することを狙っているのだ。改憲投票法で「公務員等と教育者」の改憲反対運動を、罰則をもって弾圧しようとしているのだ。また何よりも国鉄闘争を解体し、分割・民営化攻撃と原則的階級的に対決し続ける動労千葉を圧殺するために必死になっているのだ。
 改憲投票法の成立が昨年5月、安倍政権によって強行され、すでに法的には衆参両院に「憲法審査会」が設置され、3年後の改憲発議に向け「一直線」という状況に入っている。しかし改憲という一大階級決戦攻撃は、断じて敵権力の思うがままには進まない。実際、参院選惨敗で日帝の改憲プランはひとまず頓挫した。逆に日帝支配階級自身が混迷し、分裂する危機に陥っている。労働者階級が攻勢的に決起し、敵階級を追いつめて、改憲攻撃を粉砕できる情勢なのである。
 この08年こそ、〈攻めの改憲阻止闘争〉に断固決起しよう。4大産別の労働者こそがこの闘いの先頭に立とう。

 (4)学生運動の躍動かちとれ 

 全学連とマル学同の学生は、07年の闘いをマル青労同の青年労働者とともに牽引してきた。「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンに対応し、「学生は団結しよう。労働者とともに革命をやろう」と訴え、労働者自己解放とプロレタリア革命の隊列に身を置き進撃してきた。
 とりわけ法政大の学生は、全国から結集した闘う学生たちとともに、06年3・14弾圧以来の1年半にわたる国家権力と法大当局による前代未聞の大弾圧を打ち破り、団結を強化・拡大し、革命的情勢と切り結ぶ法大決戦の進撃をかちとってきた。3・14以来、45人の不当逮捕、4人の退学処分、1人の無期停学処分、新井君・友部君の不当起訴と長期勾留、クラス討論をしただけで3人逮捕、1人を起訴という実にすさまじい弾圧。しかしこれに屈せず、「逮捕・処分は敗北ではない。勝利だ」「むしろ闘う仲間がふえ、団結が強化された」「新井君・友部君の闘いに続こう」と言い切って闘い、戦後学生運動史上、類例のない地平を切り開いてきた。
 大学は今や完全に変質し、権力・資本の下僕となり下がっている。そこは学問をやる場ではなく、資本の利潤増大に貢献する労働力商品を養成し、そのための競争を強制する場でしかない。ビラをまき、看板を出し、クラス討論をやっただけで弾圧と処分を受ける「刑務所」「監獄」そのものだ。しかも卒業しても2人に1人は一生フリーターで、「ワーキングプア」を強制させられるのが資本主義の現実だ。今や「生きさせろ」「革命で世の中を変えよう」が、青年労働者とともに学生の心からの叫びとなっている。
 まさに「革命の現実性」は、この青年・学生の置かれている腐り切った社会、それに対する激しい怒りと闘いの中にこそある。帝国主義への憎しみと革命への情熱。扇動があって宣伝がある。宣伝があって扇動もある。同時に行動自身がものすごい扇動になる。闘う学生たちは07年において扇動の圧倒的飛躍をかちとった。演説を聞いてくれる学生は絶対に分かってくれる、獲得できるという信念に燃え、一緒に闘おう、革命をやろうと訴え、オルグし、団結を拡大してきた。そして、革命しかない、マル学同に入ろう、党に加盟しよう、ともに闘おうと呼びかけ、かけがえのない仲間たちを組織してきたのだ。
 こうして学生戦線は11・4総決起の先頭に立って奮闘し、大きく前進した。08年はこの地平から、何よりも「革命の学校」=法政大で平林総長体制を打倒し、二つの法大裁判闘争に勝利し、学友会廃止絶対反対を掲げて、波状的な法大包囲デモとストライキの大衆的爆発をかちとり、大学を3万法大生のもとに奪還しよう。そして法政大から逮捕・処分を恐れず闘う活動家・革命家を陸続と輩出していこう。
 東北大、富山大、京都大、広島大を始め全国の大学で、革命の先頭に立つ学生とリーダーを膨大に生み出そう。改憲阻止の全国学生ゼネストを断固打ち抜こう。この闘いの真っただ中でマル学同1000人建設に勝利しよう。

 (5)沖縄闘争と三里塚闘争の戦略的な発展を開く闘い

(1)沖縄の12万人の労働者人民が教科書検定意見撤回を求めて「島ぐるみ」で総決起した9・29県民大会は、教科書書き換えをとおして新たな沖縄戦と集団自決の強制を再現することを狙う日帝に対する根底的な怒りとして爆発し、沖縄と日本の労働運動・階級闘争に地殻変動を起こした。沖縄全体は一種のゼネスト状態に入り、日帝と福田政権に巨大な衝撃を与えた。
 この決起をつくり出したのは、何よりも沖縄の教職員組合(高教組・沖教組)と自治労である。現実に「役場と学校」が地域の拠点となり、大動員を支えた。9・29実現の過程は「保革を超えた超党派」などではなく、激しい党派闘争と左右の激突だった。自公の仲井真県政はなんとか闘いの爆発を抑えようとした。連合ダラ幹や既成政党がやったことはネグレクトとサボタージュだけだった。沖縄の9・29は、高教組・沖教組と自治労が先頭に立ち、労組が決起すれば、これだけの闘いが爆発することを示した。それは4大産別決戦の巨大な意義を実証した。さらには「基地の島」沖縄という帝国主義と日米安保の矛盾の集中点で、組織された労働者が決起を新たに開始したことは、沖縄奪還論(沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒)の現実性と正しさをあらためて示し、日本革命勝利の展望を衝撃的に照らし出すものとなった。
 沖縄は戦後一貫して「革命の火薬庫」であった。沖縄と本土と全世界の労働者は地下のマグマでつながった一つの軍勢である。沖縄闘争を本土―沖縄関係の差別問題に解消することなく、沖縄と本土を貫く労働者階級の組織的決起で、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒を切り開き、沖縄から日本革命の扉を荒々しく開いていく時である。
 11・4にこの沖縄の労働者が決起し、高教組委員長から熱い連帯のメッセージが送られたことの意義はきわめて大きい。決然と立った沖縄の労働者階級と合流・連帯し、沖縄の要求を拒否して居直る政府・文科省との対決を貫いて、教科書検定意見を撤回させ、沖縄戦の正しい歴史に書き換えさせなければならない。そしてさらに日帝・福田政権を打倒し、米軍再編・辺野古新基地建設を断固阻止しよう。
(2)三里塚闘争は日本革命における労農同盟の先端的な拠点であり、沖縄と並ぶ戦略的な位置をもっている。今日、その三里塚は日帝の「アジア・ゲートウェイ構想」と「航空自由化」政策をもってするアジア勢力圏化攻撃と対決して、暫定滑走路北延伸工事と農業・農民切り捨ての攻撃を粉砕する、闘いの新たな段階に突入している。
 今日の三里塚への攻撃は何よりも、暫定滑走路の北延伸工事で敷地内農民を追放し、三里塚闘争を破壊し、滑走路を3500bに拡張する攻撃だ。そのために「命の森」である東峰の森を伐採し、地形や環境を破壊して法規無視の突貫工事をやっている。これは「アジア・ゲートウェイ構想」の中心と位置づける成田空港をアジア市場争奪戦と勢力圏化の巨大物流拠点にしていく攻撃である。しかもこの成田は、米軍再編下の軍事基地ともなり、米日帝の朝鮮侵略戦争では50万米兵の受け入れ拠点と化すのだ。
 この攻撃を貫くために日帝は今、祖父の代から90年間も耕作してきた敷地内・天神峰の市東孝雄さんの畑を農地法で強奪する攻撃をかけてきている。「自作農主義」「耕作者主義」を基本理念とする農地法は、農地改革の地平を保持するための法律であり、戦後憲法体制の一環をなす。それを土地収用法が失効したからといって農地取り上げの根拠にするなど、ブルジョア法体系をも破壊する暴挙だ。農民圧殺の改憲攻撃そのものである。
 日帝・農水省は今日、2015年までに現在の300万農家を「14万経営体」に再編し、切り捨てていく攻撃を強めている。これは新自由主義の構造改革路線のもと、大ブルジョアジーが生き残るためにアジア諸国とEPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)などを締結し、日本の農業は「国際競争力」を口実に食料自給率を犠牲にしても徹底的に切り捨て、つぶしていくという政策だ。この一環として市東さんへの農地取り上げの攻撃がある。
 今や300万の日本の農民自身が日帝を打倒し、革命をやらなければ生きていけない時代がきた。「生きさせろ」は農民の叫びでもある。三里塚は全国の農民の怒りと決起を結集し、帝国主義にぶつけていく天王山の位置をもつ。労働者の決起と結合し、労農同盟を強化し、三里塚闘争の壮大な爆発の時代を開こう。
 三里塚闘争破壊を許さず、暫定滑走路北延伸を阻止しよう。市東さんの農地を守ろう。市東さんの耕作権裁判、天神峰現闘本部裁判を始め三里塚裁判闘争に勝利しよう。改憲攻撃粉砕、成田の軍事基地化を断固阻止しよう。

 重要な諸闘争テーマ

(3)この節の最後に、さらに以下の諸闘争への決起を訴えたい。
 第一は沖縄、三里塚と連帯し、米軍再編下の攻撃と対決し、北富士闘争、関西新空港闘争、座間・相模原・横須賀・日本原・岩国・佐世保を始めとする反戦・反基地闘争を、労働者の決起を軸に発展させること。また反戦決起と革命への兵士の獲得に向け反軍闘争を強化していくこと。第二は、8月広島・長崎の反戦反核闘争への決起を頂点に、核兵器の廃絶と、大事故を起こした柏崎刈羽原発などすべての原発の廃炉・廃絶に向け闘うこと。第三は、戦時下の治安弾圧の軸をなす共謀罪制定を絶対阻止すること。すでに実施前から破産している裁判員制度を粉砕するための闘いを強めること。
 これらの諸課題を、闘う諸団体や弁護士戦線と連帯してともに闘おう。

 (6)星野同志を奪還しよう!

 革共同と労働者階級の闘いと権威を最深部で支えているのは、超長期の獄中闘争と裁判闘争を闘っている不屈の同志の存在だ。
 徳島刑務所で33年の獄中闘争を闘う星野文昭同志への「殺人罪」デッチあげによる無期懲役の大弾圧は、70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った革共同に対する日帝権力の卑劣な報復であり、人民の革命的決起への恐怖と予防反革命にほかならない。これを打ち破って星野同志を徳島刑務所から奪還することは、革共同にとって絶対的な義務であり、闘うすべての労働者階級と人民の死活的な任務である。
 「星野文昭さんに自由を!」の党派や思想を超えた救援・奪還運動は、北海道から沖縄まで全国に広がり、詩画集の発刊や絵画展の開催、星野同志の友人・知人による面会活動も積極的に行われている。昨年の12・1全国集会も大成功した。08年こそは星野同志奪還を絶対にかちとる年にしよう。
 さらに、17年間も争った迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の上告棄却(地裁差し戻し)という大暴挙を徹底弾劾する。無実・無罪を戦取する新たな闘いに決起しよう。早期結審―3月判決の攻撃を粉砕し、福嶋裁判・控訴審に勝利しよう。88年9・21三里塚戦闘を口実とした水嶋同志へのデッチあげ弾圧裁判に絶対に勝利しよう。富山再審闘争勝利の扉をこじ開けよう。法政大弾圧で起訴・長期勾留されていた新井君・友部君の奪還に続き、内田君を直ちに奪い返そう。さらには超長期のデッチあげ指名手配の攻撃と不屈に闘っている同志と固く連帯し闘おう。
 そしてこの節の最後に革共同は、塩川一派による完黙・非転向原則の解体と「略式起訴」の容認という権力への屈服・転向を断じて許さず、弾圧との闘いの革命的原則を非妥協的に貫いて闘うことを、あらためて宣言する。

 (7)差別・抑圧との闘いの核心

 帝国主義の時代、とりわけその危機の時代には、侵略戦争や搾取・収奪の強化と結びついた差別・抑圧と排外主義の攻撃が激化する。入管闘争、部落解放闘争、「障害者」解放闘争、女性解放闘争、在本土沖縄青年の闘い、被爆者解放闘争など、諸戦線の闘いは、これと対決しプロレタリア革命運動を前進させていく上でいよいよ重要になってきている。
 革共同は、反マルクス主義に変質した塩川一派との党内闘争を貫く中で、07年7月テーゼをもって、7・7論を階級的労働運動路線のもとに本来のマルクス主義の立場から再整理し、7・7思想の革命的再確立を成し遂げた。革共同のこの7・7思想の絶対的土台には、プロレタリア革命こそが帝国主義の一切の階級支配とあらゆる差別・抑圧を究極的に打破し、全人民の普遍的解放を実現すること、だからこそ革命党をプロレタリアートの党、単一の革命党として組織することを原則にして闘うのだということが厳として据えられている。
 もちろん諸戦線にはそれぞれ固有の領域があり、歴史的な経験もある。その上で諸戦線の闘いは、これまでの成果を踏まえつつ、差別・抑圧とは何よりも資本・権力による労働者階級への分断攻撃であり、これを打ち破って、プロレタリア革命の勝利へ向けて階級として一つに団結していく中に勝利の道があることをはっきりさせ、その立場から各戦線での闘いの発展を全力で切り開いていくということである。
 部落解放闘争においてはすでに、住宅闘争をめぐって、闘う労働組合と部落大衆が一体となり、権力・資本・行政の攻撃を団結の力で根底から打ち破る新たな闘いが始まっている。すべての戦線で7・7思想を真に本格的に貫き実践する新たな巨大な闘いをつくりあげていこう。
 動労千葉労働運動と11月労働者集会が切り開いている地平への感動と確信に立って、プロレタリア革命へと決起する労働者階級の自己解放性と自己変革性を圧倒的に信頼し、諸戦線における闘いの新たな前進を切り開こう。

第5章 職場に労働者細胞を建設しよう

 08年の党建設の闘いの核心は、革共同破壊の反革命的徒党に転落した塩川一派の策動を粉砕・打倒して、階級的労働運動路線を爆発的に実践し貫徹していく不抜の労働者党の建設に全力をあげることだ。革共同の基本的組織構成である「中央委員会と細胞」を圧倒的な軸にして、細胞を基礎に労働者階級と密接に結びつき、マルクス主義=労働者自己解放の思想と路線で武装された、民主的中央集権制にもとづく全国単一の革命党を建設することだ。 
 労働者階級の団結と党(細胞)、闘う労働組合・労働運動とそこに根を張った党――これこそプロレタリア革命に勝利するための本質的で決定的な要素である。3・18集会での「団結の究極的拡大が革命だ」という提起の中には、実は労働者階級の団結(=共同性)の対立的極限的表現としての暴力革命という要素を内包した、プロレタリア革命の思想と階級的内容が鮮烈に表現されていたのである。

 ロシア革命の教訓は

 レーニンは『一歩前進、二歩後退』の結論として、「権力獲得のためにたたかうにあたって、プロレタリアートには、組織(党)のほかにどんな武器もない。ブルジョア世界の無政府的競争の支配によって分裂させられ、資本のための強制労働によって押しひしがれ、まったくの貧困と野蛮化と退化の『どん底』に絶えず投げおとされているプロレタリアートは、マルクス主義の諸原則による彼らの思想的統合が、幾百万の勤労者を一つの労働者階級に融合させる組織(党)の物質的統一でうちかためられることによってのみ、不敗の勢力となることができる」のだと述べている。
 ロシア革命はなぜ勝利できたのか。それはツァーリズム下での非合法・非公然の闘いの試練などに耐えて鍛えられ生き残った党が、特に1912年のプラハ協議会以降、メンシェビキ分派と決別し、労働組合・労働運動と結びつき、それと一体的に密着して闘う拠点をつくり、まさに労働組合・労働運動に内在した強固な勢力・潮流として根を張り、革命的情勢の到来の中で正しい指導性を発揮して闘ったことによってである。レーニンも言うように、革命的情勢に「革命的階級の能力」、具体的には闘う労働運動とそこに強固に内在した党の闘いが結びついた場合にのみ、革命は勝利できるのだ。これこそドイツ革命と決定的に違った点である。革共同が推進している階級的労働運動路線こそ、急接近する革命的情勢を現実の革命の勝利に転化していく死活的な路線なのである。

 マル青労同・マル学同の建設に全力を!

 党建設の闘いの核心は、何よりも党勢拡大であり、「組織に入ろう!」という呼びかけとオルグだ。党の周辺には党に加入すべき人が膨大に生まれている。だが党の側の日和見主義によって、まだ声がかけられていない。党は新たな加入者を加え、拡大することでこそ発展し、強化される。また活動家は党に入り、党活動の3原則(会議、機関紙、財政)を貫徹することで共産主義者となり、本当の革命家になる。
 マル青労同やマル学同の同志は、自分の「隣の仲間」がともに帝国主義を打倒し革命をやる仲間だとの信念で、宣伝・扇動とオルグを行い、団結を拡大しようと闘っている。また闘争が終わってからではなく、集会・デモや諸行動の熱気のただ中で機関紙購読を提起し、党に入ろうとオルグしている。ここには党建設の重要な核心がある。
 革共同は「階級の党」であり「労働者階級の先進部隊」である。レーニン主義の党はけっして「職業革命家」だけから成り立っているのではない。『なにをなすべきか?』の第4章「経済主義者の手工業性と革命家の組織」で熱烈に提起されているように、何よりも労働者出身の革命家と指導部を養成すること、党がそれを助けてべーベルのような労働者革命家や扇動家を圧倒的に生み出すことが必要なのだ。レーニンも当時、そのために全力で闘っているが、この点でわれわれはまだ決定的に立ち遅れている。
 全国単一の労働者党を建設する実践的な最大の鍵(かぎ)は、マル青労同1千人、マル学同1千人の組織建設である。革命は青年の特権だ。青年労働者と学生がどんどん党に結集し、生き生きと活動し、党と革命運動の飛躍を牽引していくような組織をつくり出すために、全党がマル青労同・マル学同の強大な建設に全力をあげよう。
 さらに党建設の決定的な武器となるのは、マルクス主義の学習と理論活動の前進である。レーニンも言うように「革命的理論なくして革命的運動もありえない」。しかもマルクス主義の理論は労働者階級の闘いと実践の中でこそ検証される。実践し闘いつつ理論を磨かなければならない。動労千葉の労働学校に学んで、全国で労働学校・労働講座が開かれている。党学校や各種の研究会も重要である。階級的労働運動路線の実践と結合し、マルクス主義基本文献学習シリーズの学習と理論研究を強化しよう。

 機関紙が党建設の環

 そして党建設の環は機関紙だ。新聞こそは集団的宣伝者・集団的扇動者であると同時に集団的組織者でもある。機関紙を手渡して読んでもらうことほど、党の主張と路線・方針を全面的に手っ取り早く伝える有効な手段はない。数万の『前進』読者の拡大とその配布網の形成は今や待ったなしである。08年はそのために総決起しよう。
 階級的労働運動路線を体現し、その実践の武器となる機関紙へのさらなる改革を、共産主義的新聞と労働者新聞の両側面を融合した機関紙として、とりわけ現場労働者からの膨大な通信・投稿で構成された『プラウダ』の経験と教訓に学んでやりぬこう。
 さらに機関紙活動とも結合して、革命運動をその根幹において保障する財政活動の飛躍的強化をかちとろう。最末期帝国主義の危機と革命的情勢の成熟は、この財政活動の無限の可能性を押し開くものである。
 最後に革共同は、革命勝利をかけ、戦時型治安弾圧を打ち破り、党の非合法・非公然体制を堅持し、革命軍の精鋭的強化の闘いを貫き前進することを固く決意する。
 未来は鉄鎖のほかに失う何ものもない労働者階級のものだ。塩川一派による反革命的策動を労働者の根底からの怒りと鉄火をもって徹底的に粉砕し、階級的労働運動を爆発的に発展させよう。世界革命勝利へ大攻勢に立とう。

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