ZENSHIN 2007/03/05(No2285 p08)

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週刊『前進』(2285号1面1)(2007/03/05 )

 労働者の団結で安倍倒せ

 3・18日比谷 イラク反戦・改憲投票法案粉砕を

(写真 運転区廃止絶対阻止へ闘い進む 館山運転区・木更津支区廃止反対を訴え、動労千葉の組合員は千葉駅前での宣伝行動に立った【2月27日】)

 帝国主義の侵略戦争、失業・貧困・搾取と抑圧に対し、3月18日、「労働運動の力で革命をやろう」と訴えて首都を揺るがすデモをやろう。世界の労働者を鼓舞激励する闘いを日本でやろう。動労千葉は、労働者の団結を命がけで守り抜くストに立ちます。全国の教育労働者が「日の丸・君が代」不起立の40秒のストを闘います。石原都政による朝鮮総連への日比谷野音使用許可取り消し策動に対する怒りと闘いは、朝鮮侵略戦争を阻止し、共通の敵=安倍・石原を打倒するまで終わることはありません。労働者階級の団結は闘いの中でこそ強化されるのです。処分を恐れず、クビをかけ、労働者の誇りを取り戻して資本・国家権力と激突して闘う姿は、必ず全世界の労働者の魂を揺り動かします。03年3月の帝国主義のイラク侵略戦争開始から4年を迎える3月18日、アメリカ、イギリス、イタリア、韓国など全世界でイラク反戦の一斉デモが闘われます。いま日本の労働者が立ち上がれば世界が変わります。3・18に向かう私たちはそういう決定的位置にいるのです。

全世界が連帯して大デモ

 労働運動の力で革命やろう

 既成の労組指導部打倒して

 昨年の11・5労働者集会で私たちは、労働者に世の中を変える力があることをつかみました。
 参加した米国の代表団は「労働者が権力をとる時代がきた。11・5のような集会をアメリカでもやろう」と言い、韓国の民主労総ソウル本部は「参加した労働者がみんな元気になった」とゼネストに突入しました。
 米国の労働者は50万人のイラク反戦集会をやる力を持っています。民主労総は80万人の組合員を擁し、ストライキで社会をストップさせる世界最強の労働組合です。その彼らも11・5集会に参加して価値観が変わったのです。「日本にすごい労働運動がある」と。
 それは「団結して闘えば労働者は絶対に勝てる」という原則をどんな困難な状況でも曲げずに貫いているからです。労働者の本当の勝利は、闘うことによって職場に団結をつくり、資本との力関係を変えていくことにあるのです。
 労働組合が闘わなければ、私たち労働者は「自分だけは生き残りたい」と資本家や国家権力にすがって競争させられ、バラバラにされてしまいます。労働者がバラバラにされたら最後は戦争です。しかし、逆に職場で団結すれば革命です。労働者の団結の拡大こそが社会を変え、革命を起こす根本的な力なのです。
 日本にはこうした闘いを実践し、世界の労働組合が注目する動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同の闘いがあります。全金本山があり、教育労働者の闘いがあります。しかし、彼らはけっして特別ではないのです。私たち労働者一人ひとりにこうした力があるのです。
 国鉄、教労、全逓、自治体の4大産別を先頭に、既成の体制内労働運動の屈服と裏切りを打破し、自分と隣の仲間の力に確信を持って闘えば絶対に労働者は勝てます。

 革命的な情勢

 私たち労働者にとって革命的な情勢が訪れています。イラク侵略戦争の泥沼化がブッシュと安倍を危機にたたきこんでいます。これに対してブッシュも安倍も世界戦争以外に「回答」がないのです。
 敵の危機と攻撃の激しさこそが世界中の労働者の階級意識を呼び覚まし、階級としてひとつにさせるのです。とりわけ日本に革命の展望があります。世界の帝国主義の中で、日本の支配者こそ最も追いつめられているからです。
 「日本の財政は先進国中最悪の状態になっている」(日本経団連の御手洗会長)。1千兆円の借金がどれほど日本の支配階級を追いつめているか。米欧帝国主義とのアジア勢力圏化をめぐる死闘の中で、日本帝国主義は改憲と戦争、労働者への犠牲転嫁と格差の拡大へ向かう以外ありません。その安倍・御手洗路線に労働者の怒りが爆発しています。
 支配階級は労働者なしにはやっていけません。合理化・民営化・規制緩和、非正規雇用の拡大で、徹底して労働者の怒りを増幅させながら、労働者に生産を行わせる以外にない。一見強大に見える敵も、労働者の反乱が起これば一日たりとも持たないのです。
 非正規雇用の拡大を見るまでもなく、現代の日本資本主義の搾取の最大の対象は青年労働者です。青年労働者こそが資本主義の根本から覆し、歴史を変える決定的存在になるのです。青年労働者が職場で闘うことが革命と直結する決定的位置をもっているのです。
 全国の学校には「教え子を再び戦場に送るな」という教育労働者の組合が存在し、「日の丸・君が代」強制を拒否しています。全国の自治体には改憲反対の組合員が百数十万人も存在する。国鉄1047名闘争の解体なしに改憲はできません。郵政労働者の闘いが民営化を破綻(はたん)に追い込んでいます。この4大産別の労働者の闘いが安倍・御手洗を根底から揺さぶっているのです。

 革命の主体

 これほど支配階級が危機にあるにもかかわらずどうして倒れないのか。
 既成労組指導部が労働者の革命への決起を抑えつけているからです。ここに私たちの飛躍が問われています。こういう腐った幹部を打ち倒して、私たちが指導部になる決意を固め、「革命をやる」労働組合を取り戻さなければなりません。
 私たち労働者は救済の対象ではなく革命の主体です。偽装請負の青年労働者が11・5労働者集会に参加し次のように言いました。「野音を全部占領するぐらい派遣労働者を集めたい。日本の会社を止めたい。私たちの力を認めさせましょう」「闘わなければ派遣労働者は生きてけない。だから革命が必要!」
 革命とは、労働者が人間として解放されることです。いま競争に勝っても次の競争が待っている。労働すればするほど労働者が貧しくなり、賃金と引き替えにどんどん人間性を奪われる。「革命をやろう」とは、私たち自身が賃金奴隷の鎖を引きちぎり、人間性を取り戻すことなのです。
 この鎖を断ち切るために労働者は団結しよう。それは同時に「会社や国家がないと労働者は生きていけない」と言って労働組合の力を低める体制内労働運動と徹底的に闘うことと一体です。
 資本主義社会では、自分だけ成り上がろうとか他人よりよい生活をしたいと考える労働者もいます。しかし「ゼニカネだけで動く人間にはなりたくない」という気持ちも絶対にあります。
 労働者はこの葛藤(かっとう)の中から労働組合のもとに団結し、仲間ととともに闘っていく度合いに応じて「仲間を大事にしよう」という人間らしさを取り戻すのです。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」「一人の首切りも許さない」――資本と非和解的に闘う中で労働者はこうしたことを学び、身につけます。
 労働者は、職種、賃金、雇用形態によって表面上はさまざまに見えます。しかし、「消耗品」のように扱われる現状はどこの職場でも同じです。「労働者と資本は非和解」なのです。闘いの中で「労働者は団結すれば資本の支配なしに生きていくことができる」ことに確信を持ちます。 労働者は、組合に団結して闘うことで資本による分断をのりこえ、職場を越え、国境を越えた団結が大きくなればなるほど全世界を獲得する存在なのです。これが労働者の勝利性なのです。
 だから私たちの手で闘う労働組合をよみがえらせよう。既成労組指導部は、これほど労働者の怒りがあるのに「革命をやろう」とは絶対に呼びかけません。こんなやつらを打倒し、労働組合を現場労働者の手に取り戻そう。体制内労働運動を突き破る青年労働者の反乱が職場で確実に起こり始めています。

 3・18に全国から総結集を

  労働者は戦争を止められる

 私たちが求める労働運動の本当の成果はカネやモノではありません。直接の成果が思うように上がらないこともある。直接の成果よりも、闘いの中で人間的な団結がいかに広がったかが重要です。この労働者の団結が資本主義を転覆して労働者が社会を運営していける基礎になるのです。
 動労千葉の中野洋前委員長は次のように語っています。
 「労働組合運動の中で労働者階級は自分たちが権力を握ったときの能力を身につけることができる。動労千葉でいえば列車を動かす能力です。『これだけの列車を動かすのに何両の電車、何人の運転士が必要か』、すべてを労働組合が分かっている。だからJR当局がいなくても、千葉の電車はすべて動労千葉が動かすことができる」
 これが団結した労働者=労働組合の力です。本来、工場を動かすのも運搬も販売も教育もすべて労働者がやっていることです。この社会は労働者にしか動かせません。資本家は労働者が命令に従っている限りにおいてのみ「支配者」として存在できるのです。
 その上、支配階級は資本主義がつくり出した膨大な生産力をもはや人間社会の発展のために使うことはできません。
 いま動労千葉のストライキがどうして乗客や地域住民に支持されているのか。鉄道を資本のもうけのために使い、安全を切り捨て、もうからない路線を廃止しているJR資本と闘っているからです。労働組合が闘うことによって、資本主義の生み出した巨大な生産力を労働者のために、人間社会の発展のために使うことができるのです。

 革命の現実性

 「貧しい労働者が増えれば革命になる」(安倍首相)「格差をなくすには共産主義しかない」 (奥田前経団連会長)
 いまや敵の側が革命の現実性を感じおびえているのに、私たちが革命を訴えない方が不自然です。資本主義が危機にあり、これほど攻撃が激化する中で、それをかわすことは無理です。労働組合が「資本と一体となって経営を発展させる」などと言っていたら労働者は生きていけません。
 青年労働者はこうした現実をつかみ始めています。戦争も現実の問題として感じています。
 「どうしたら変えられるのか。労働者は勝てるのか」。知りたいのはそのことなのです。イラク反戦4周年を迎え、どこの集会に行っても「労働運動の力で革命をやろう」と訴えるところはありません。「労組の旗を掲げたら人が集まらない」「ブッシュや安倍にイラクからの撤退を求めよう」――どの勢力も戦争と貧困の根本原因から逃げているのです。労働者の力に確信を持っていないのです。
 「労働者には国を停止させる力がある。戦争を即時停止させる力がある」(ILWU=国際港湾倉庫労働組合のクラレンス・トーマス氏)「労働者が団結して頑張れば革命を起こせると言われて感動した」――これが青年労働者の思いです。革命こそが私たち労働者階級の要求であり、実践方針そのものなのです。
 社会を揺り動かす労働者の3月大行動をさらに推し進めよう。安倍政権は5月3日までに改憲投票法案を与党単独でも採決すると言っています。核心は、公務員・教育労働者の改憲反対運動禁止です。改憲投票法案阻止は安倍打倒の闘いそのものです。
 この法案は民主党の支持でようやく成り立っているにすぎない。自治労中央委員会では現場組合員から本部の民主党支持に激しい怒りが噴出しました。自治体労働者、教育労働者を先頭に改憲投票法案、教育免許更新制、共謀罪新設を阻止する国会闘争に立とう。労働法制改悪を阻止しよう。ここに改憲阻止の展望があります。
 三里塚では反対同盟農民の農地取り上げに反撃が始まってます。労働者と農民が立ち上がれば革命です。3・25全国集会に駆けつけよう。全国から3・18日比谷野音に総結集し、歴史の転換点となる集会を実現しよう。

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3・25三里塚現地へ

「東峰の森」伐採策動に反対同盟が怒りのデモ(2月25日 成田市)

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週刊『前進』(2285号2面1)(2007/03/05 )

 改憲投票法案粉砕を

 公務員の反対運動を禁止し 日教組・自治労の壊滅を狙う

 4大産別決戦の力で改憲とめよう

 安倍政権は5月3日の憲法記念日までに改憲投票法案を成立させようとしている。「任期中の改憲を目指す」と公言する安倍政権にとって、今国会での法案成立は絶対的なリミットだ。この間、自民党の中川秀直幹事長や二階俊博国会対策委員長は、「野党が審議に応じなければ与党単独でも採決する」と繰り返し発言している。与党の狙いは3月中にも法案を衆院通過させることにある。
 他方、民主党はここに来て「十分時間をかけて審議していく」と言い始めた。だがそれは、参院選をにらんだ政治的駆け引きでしかない。すでに昨年末、民主党は与党と法案の修正について基本的な合意に達している。
 この法案が、さしたる議論もないまま国会を素通りすることなど、断じて許してはならない。
 3・18全世界一斉デモは、こうした攻撃と労働者階級が総力で対決する決定的な闘いだ。4大産別を先頭とする労働者階級こそ、改憲を阻み、戦争を止める力を有している。全世界の労働者とともに、日本の労働者階級は3・18日比谷野音に結集して、反撃の火の手を上げよう。

 労組の運動に刑罰の適用も

 改憲投票法案の最大の核心は、公務員労働者と教育労働者の改憲反対運動を暴力的に鎮圧することにある。
 与党の改憲投票法案では、公務員は「その地位を利用して国民投票運動をすることができない」ものとされ、教育者については「学校の児童、生徒及び学生に対する教育上の地位を利用して国民投票運動をすることができない」とされている。
 要は、公務員や教員には、改憲反対の演説会、集会、デモ、出版・宣伝活動などが一切禁止されるということだ。教員の場合、授業や講義で改憲反対の学説・意見を述べることもできなくなる。
 そこに貫かれているのは、日教組と自治労を壊滅に追い込むという支配階級の強烈な意志だ。安倍政権は日教組中央や自治労中央の屈服を見透かしつつ、公務員制度改革や教員免許更新制の導入と一体をなすものとして、この法案を押し通そうと策している。
 攻撃の矛先は、公務員や教員にとどまらない。与党案に盛り込まれた「組織的多数人買収罪」や「利益誘導罪」は、組織により多数の投票人に改憲案に反対・賛成の勧誘をし、金銭や物品を提供した場合の罰則を定めている。これが標的にしているのは、まさに労働組合による改憲反対運動だ。労組が改憲反対集会に組合員を動員し、動員費を出せば、それは犯罪になるということだ。
 与党と民主党との修正合意で、民主党は公務員・教員の運動禁止規定と組織的多数人買収罪を受け入れた。これは、もともとの民主党案にはなかったものだ。他方、与党の側は公務員・教員が国民投票運動禁止規定に違反した場合の罰則規定を取り下げた。だが自民党は、「罰則は設けなくても、公務員法制上の懲戒処分で対応することが十分に可能」と国会であけすけに述べている。

 労働者の怒りを恐れる安倍

 この修正合意がなされた12月14日は、改悪教育基本法が成立した前日だ。国会前には教基法改悪に反対する多数の労働者が詰めかけていた。その闘いの中で、日教組の現場組合員は、裏切りを深める森越執行部への憤激を強めていた。
 この状況を前にして、改憲投票法案に罰則を残したままでは労働者の決起がさらに促されることを、安倍は恐れたのだ。他方で、4大産別の労組を解体しなければ改憲への道は開けないから、公務員・教員の改憲反対運動禁止規定を民主党にのませたのだ。
 だがそれは、安倍の改憲プランは日教組中央や自治労中央による現場組合員への抑圧を前提にしたものでしかないということだ。4大産別で現場労働者が既成指導部を打ち倒し、階級的労働運動を再生させれば、改憲攻撃は根底から崩れる。
 安倍は、労働者階級の巨大な怒りにおびえている。改憲案を審議・作成する権限を持つ憲法審査会を衆参両院に設置し、合同審査も可能とした与党案は、7月の参院選結果がどうなろうと、強引に改憲を進めることをも意図したものだ。まさに、改憲投票法案の審議・成立・発効に至るすべての過程が、実質的な改憲そのものとして進行しようとしているのだ。
 だが、それは必ず労働者階級の巨大な決起を引き起こす。3・18全世界一斉デモは、その突破口をこじ開ける闘いだ。

 労組解体攻撃と改憲は一体

 日本経団連は、御手洗ビジョンで「2010年代初頭までに憲法改正を目指す」と公然と打ち出した。それは「経済や社会のシステム、そしてその根底にある教育や国・地方のあり方、憲法などの変革」を「広義のイノベーション」として押し出し、それに「果敢に取り組む」と叫んでいる。
 日本経団連は、05年1月の提言「わが国の基本問題を考える−これからの日本を展望して−」で9条改憲を公然と唱えるに至った。それから2年後に出された御手洗ビジョンで、経団連はその道筋をさらにリアルに設定し、「労働ビッグバン」を柱とした戦後階級関係の根本的な転覆と一体のものとして、9条改憲を貫こうとしているのだ。
 安倍が叫ぶ「戦後レジーム(体制)からの脱却」も、その意味は同じだ。戦争放棄を定めた憲法9条を頂点とする戦後体制の根底には、労働者の階級的団結の承認=団結権の保障がある。9条改憲は、団結権否定と対をなす攻撃だ。
 公務員と教員に対する改憲反対運動禁止規定が、公務員労働者からの争議権はく奪を前提にしたものであることは明らかだ。現在、国家公務員法や地方公務員法、公職選挙法によって公務員労働者の政治活動が禁止されていることも、労働基本権否認の体制と一体をなしている。これ自体が許しがたいことだ。
 官公労の労働者は、朝鮮戦争を前にした1948年、GHQのもとで政令201号によって争議権を奪われた。これに続く国家公務員法の改悪と公労法、地方公務員法の制定で、争議権はく奪とともに政治活動禁止が法制化された。それは同時に、定員法による大量首切りが官公労労働者を襲い、レッドパージのあらしが官民問わず全産別に吹き荒れた時代だった。支配階級が戦争を決断した時、労組破壊の攻撃は極限的に激化する。
 以来、公務員労働者の労働基本権奪還は、戦後労働運動の重大な攻防点の一つになってきた。そうした闘いの中で、政治活動禁止規定の発動は阻まれてきた。安倍は、こうして形づくられてきた戦後の階級関係を、今や支配階級の側から清算しようとしているのだ。
 安倍は、自治労・日教組を壊滅しない限り、改憲と戦争の攻撃を貫けないことを明確に自覚している。その狙いは、国家の統治機構の中に労働組合が存在すること自体を否定し、労組を解体し尽くすことにある。
 改憲が階級攻防の焦点になる時代とは、文字どおり戦争か革命かが問題になる時代だ。現に、米帝は泥沼の危機に陥りながらも、残虐きわまるイラク侵略戦争にのめり込んでいる。安倍は、そのブッシュと手を組み朝鮮侵略戦争に突き進もうと狙っている。
 だが、全世界の労働者は戦争と民営化の攻撃に反撃の火の手を上げ始めた。日本の労働者もまた、安倍・御手洗への怒りをたぎらせている。

 既成指導部は改憲派に転向

 こうした闘いに背を向けて、自治労中央や日教組中央は急速に改憲推進派に転落しつつある。改憲投票法案制定の一方の旗頭となった民主党を支持していることこそ、彼らが改憲派に転じたことの何よりの証拠だ。
 だが、既成指導部の一線を越えた裏切りと転向は、他方で青年労働者を先頭とした階級的労働運動の潮流を力強く台頭させている。現場労働者が体制内労働運動を打倒して階級的労働運動を復権させ、巨大な反撃に転じる時代が訪れている。
 資本が労働者を徹底的に貧困に突き落とし、改憲を強行して侵略戦争に動員しようとするならば、労働者階級の回答はプロレタリア世界革命以外にない。
 3・18全世界一斉デモに立ち、安倍政権もろとも改憲投票法案を粉砕し葬り去ろう。

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週刊『前進』(2285号2面2)(2007/03/05 )

 都立高校卒業式 “みんなで不起立を”

 連帯のビラまきスタート

 3月1日、東京の都立高校の卒業式が始まった。全国労組交流センターは「許さない!改悪教基法/今年こそみんなで不起立を」と題したビラを発行し、各校の門前で配っている。
 今年の卒業式は、何よりも教育基本法の改悪後初の卒業式である。しかも安倍政権は、教育再生会議報告をもとに改悪教基法関連法案を今通常国会に提出しようとしている。攻撃の核心は、教員免許更新制の導入だ。教育労働者を不安定雇用化して、闘う教育労働者を学校現場から締め出そうというのである。
 しかし現場には教育労働者の怒りがあふれている。日教組・森越執行部の裏切りを突き破って闘われた教基法改悪反対運動を引き継いで闘おうという息吹が満ちている。
 「日の丸・君が代」不起立闘争こそ、改悪教基法の実動化を阻む闘いである。職場から「戦争協力絶対拒否」の抵抗闘争を巻き起こし、改悪教基法を無力化しよう。
 また今年の卒業式は、予防訴訟の9・21勝利判決後初の卒業式でもある。9・21判決に追いつめられた都教委は、「昨年と同様に職務命令を出せ」と各校の校長を必死で締め上げているが、校長が職務命令を発した学校では、労働者が「職務命令は違憲だ」「職務命令を出すな」という反撃の声を次々とたたきつけ、職務命令書の受け取り拒否や突き返す闘いなどが取り組まれている。
 またこうした中で、「今年は不起立します」と宣言する教育労働者も登場している。
 今春卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争を拡大しよう。東京・首都圏の労働者は、教育労働者の闘いに連帯して、産別を越えてビラまきに駆けつけよう。
(写真 教育労働者を激励してビラをまく都政を革新する会・北島邦彦さんら【3月2日都立西高校前】)

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週刊『前進』(2285号5面1)(2007/03/05 )

 米帝の虐殺・掃討作戦許すな

 3・18イラク反戦大デモへ

 丹沢 望

 米帝のイラク侵略戦争は、2月中旬からのバグダッドを中心とした「法の執行作戦」と称する大掃討作戦の開始によって、新たな大虐殺戦争へとエスカレートしている。イラク占領支配の絶望的な危機を、新たな大虐殺戦争によって乗り切ろうとする米帝・ブッシュへの怒りを、今こそ解き放とう。3月18日、イラク侵略戦争開戦4カ年の世界一斉反戦デモをたたきつけ、今こそブッシュと安倍を打倒しよう。
(写真 イギリス軍の撤退を求め10万人がデモに立った【2月24日 ロンドン・トラファルガー広場】)

 イラク情勢は新段階

 2月14日から本格的にバグダッドで開始された掃討作戦は、首都とその周辺の米軍1万5000人に、増派された米兵を含む8000人とイラク治安部隊を加えた総兵力9万人の一大掃討作戦だ。それに先だって13日には、武器や武装部隊の移動を阻止するという名目で、イラン、シリアとの国境が72時間の予定で閉鎖された。
 米軍は2月14日に、バグダッドを10区域に分けて、各地区を順番に大量の部隊で包囲して1区域ごとのシラミつぶし的作戦を実施し始めた。戦車・装甲車・戦闘ヘリ・戦闘爆撃機などを総動員した作戦でバグダッドの武装解放勢力を根絶やしにし、占領支配を貫こうとしている。
 2月の掃討作戦は、スンニ派武装解放勢力の拠点である北部アダミヤ地区と、自動車爆弾や自爆戦闘によって米軍やイラク治安部隊への攻撃が頻繁に行われたバグダッド中心部のカラダ地区で行われている。
 それは、バグダッドの住民に対する大虐殺作戦以外のなにものでもない。厳重に包囲・封鎖した掃討作戦地域に突入した米軍は、武装勢力が潜伏していると見なした場所は、住宅密集地でもかまわず戦闘ヘリや戦闘爆撃機で空爆を加え、住宅もろとも住民を吹き飛ばしている。空爆後の家宅捜索は、ムスリム住民が宗教的理由から忌み嫌う警察犬をあえて先頭にして行い、住宅や家具などを破壊し、少しでも抵抗する人は暴行を加えた上で全員拘束し、拷問で自白を強要している。米軍が武装勢力だとして殺害したり、拘束したと発表した人びとは、ほとんど一般住民であった。
 掃討作戦は外出禁止や車両の使用禁止、商店の閉鎖強要などを伴い、住民は食料や生活必需品を確保することも、病院に行くこともできなくなっている。米軍による一地区の水道や電気の遮断、民家の作戦拠点としての接収と住民の追い出しも、住民の生活を破壊している。
 これらの作戦は当面だけでも数カ月にわたって行われるとされており、バグダッドを徹底的に破壊し、全地区の住民の命を奪う大虐殺作戦以外のなにものでもない。
 これまでのイラク侵略戦争と4年間の占領支配の下で、飢餓や病気の蔓延(まんえん)、掃討作戦や無差別的空爆、内戦の激化(1日当たり千数百人の死者)などによって、65万人以上のイラク人民が殺され、人口の15%に相当する370万人もの人びとが国内外で難民化し生死の境をさまよっている。劣化ウラン弾による放射能被曝(ひばく)や、不発のクラスター爆弾による被害の増大、治安の悪化による経済の極端な衰退、電気、上下水道の破壊、食料危機、医療制度の崩壊による様々な病気の蔓延で、イラク人民は悲惨な状況にたたき込まれている。
 この上にさらに掃討作戦という名の大虐殺戦争を仕掛けている米帝ブッシュの非人間的行為を絶対に許してはならない。

 反撃の武装闘争が爆発

 大掃討作戦に対してイラク人民は新たな怒りを爆発させて決起し始めている。武装解放勢力は、米軍の包囲・せん滅作戦に圧倒されることなく、巧妙に正面激突を避け、掃討作戦のほとんどを空振りに終わらせながら、バグダッド市内におけるゲリラ的反撃戦に打って出ている。武装解放勢力は大掃討作戦が準備され始めた2月初旬からバグダッドでの米軍・イラク治安部隊に対する攻撃や爆弾戦闘を強化した。2月中旬以降は、戒厳体制をうち破ってバグダッド市内で米軍やイラク治安部隊に対する大規模な攻撃や自動車爆弾などによる爆弾攻撃を連続的にたたきつけ、掃討作戦がほとんど効果がないことを示した。
 また2月22日までの1カ月間に米軍の掃討作戦の主軸を成す戦闘ヘリや輸送ヘリなど8機を次々と撃墜し、28人もの米兵を戦死させた。武装解放勢力が新型携帯ミサイルやロケット弾などで戦闘ヘリと輸送ヘリを中心とする米軍の攻撃態勢をうち破ったことは、掃討作戦の遂行に重大な打撃を与えた。米軍はこのため、作戦計画の見直しを迫られている。
 さらには、スンニ派住民に対する無差別虐殺攻撃を行っていた一部のサドル派民兵の拠点も、サドル派民兵たちが掃討作戦に屈服して退去し、防衛体制が薄くなったために、スンニ派の武装解放勢力によって攻撃され破壊された。
 米帝自身も、掃討作戦の成功を大々的に発表することができず、「成否判明まで数カ月かかる」という悲観的見通ししか出せていない。イラク治安部隊は依然として戦力として頼りにならない。量的にも27万7000人の軍隊と警察官が任務についていると言われるが、実態はごく一部しか戦闘任務に投入できない状態だ。
 こうした現状のもとで、2月21日にイラク駐留英軍7000人のうち数週間以内に1500人、年末までに3000人を撤退させるという英帝・ブレアの決定とデンマーク政府によるイラク駐留軍460人の8月までの撤退決定が相次いで出されたことはブッシュに大打撃を与えている。最大の同盟軍であり、米軍とともに戦闘任務を担っていた英軍の撤退の開始は、アフガニスタンへの増派のためとはいえ、米帝の孤立化をいっそう促進するであろう。
 すでに2月末までの5カ月間には、03年3月以降のどの5カ月よりも米兵の戦死者数は多くなっているのであるが、こうした傾向はさらに強まるであろう。

 追い詰められる米軍

 こうした状況下で米帝はいまや完全に追いつめられている。2月2日に出された諸情報機関の機密報告をまとめた「イラク安定の見通し/今後の課題」は、内戦激化の現状を認め、「今後12カ月から18カ月にわたり、治安状況は昨年後半と同様のペースで悪化する」という見通しを示した。したがって米軍がイラクから早期撤退すれば、「イラク治安部隊は生き残れず、近隣国が介入し、民間人の被害も相次ぐ」として占領支配の破綻(はたん)を自認した。
 だが、この危機をどう乗り切るかについては何の展望も打ち出せていない。米帝は「イラク新政策」でイラクへの増派を2万2000人としたが、実際には支援部隊を含めて3万5000人程度を増派する。だが、この程度の増派では、米軍の泥沼的敗勢がどうにもならないことは、大掃討作戦のこれまでの結果から明らかである。それどころか、今後もさらに米兵の死傷者が増大するのは不可避の情勢だ。
 米軍のローテーションでの動員体制も限界に達し、新兵の募集も遅々として進んでいない。脱走兵もすでに1万人を超えるまでに急増し、帰国した兵士の15%が心的外傷後ストレス障害で軍務復帰できないという事態も生じている。さらには、アーレン・ワタダ中尉のように断固として派兵を拒否する軍人も出始め、それを支援する運動も大衆的に拡大する勢いを見せている。
 増派体制も、すでに現地にいる部隊の任務期間の延長や派兵の前倒し実施によってかろうじて維持されているにすぎない。長期にわたって増派体制を維持することは不可能な状態だ。
 しかも、軍事予算は急増し、米財政を圧迫するだけでなく、ドル危機促進の巨大な要因に転化している。アフガニスタンも含めた対テロ戦費は01〜06年で4330億jとなり、政府が見込む07年度以降の3年分を加えると7980億j(約96兆円)に達し、約5〜6000億jとされるベトナム戦費を大幅に上回る巨額となる。
 イラク危機乗り切りのために計画されているイラン攻撃についても、米海軍がペルシャ湾に空母戦闘群を追加配備した一方で、米軍の4〜5人の将軍たちが、ブッシュから攻撃を命じられた場合、辞任すると表明したという。
(写真 撃墜された米軍ヘリの残がい

 米帝中東支配の崩壊

 このようなイラク占領支配の危機は、イランのイラク情勢への介入の強化、アフガニスタンでのタリバン春期攻勢の接近、パレスチナ、レバノンを始めとする中東諸国での民族解放闘争の急速な発展情勢などと絡みあい、米帝の中東支配・石油支配の総崩壊情勢を激しく促進している。
 イラク占領支配の破産が、米帝の中東支配を総崩壊させ、帝国主義としての存立さえ脅かしているからこそ、米帝は必死の形相でイラクでの大掃討作戦やイランへの侵略戦争を通じて巻き返しを図ろうとしているのだ。
 したがって、労働者階級は、米帝のイラク・中東侵略戦争政策の破産の危機を突き、それを粉々に粉砕するならば、米帝ブッシュと共に、ブッシュの戦争政策を全面的に支持する安倍を打倒することができるのだ。
 今こそそれが可能な情勢が到来している。新たな大掃討作戦の開始を前後して、アメリカを始めとする全世界のイラク反戦闘争が新たな質的転換をともなって激化し始めている。

 ブッシュと安倍を倒せ

 アメリカでは1月27日にワシントンで50万人、サンフランシスコで1万人の反戦デモが行われた。これはイラク侵略戦争開戦後最大規模の反戦デモだ。しかもそれは、民主党への幻想やAFL−CIOの制動をうち破る質を持った闘いとして発展し始めている。
 さらにイギリスでは2月24日に、10万人のイラク反戦デモが行われた。これもこの数年間で最大の規模である。ブレアが人民から拒否されているにもかかわらず、さらに戦争を継続しようとしていることに人民の怒りが爆発しているのだ。
 帝国主義による不正義きわまりない侵略戦争への怒り、極限化する国内での激烈な資本攻勢―階級戦争への怒りを解き放ち、3月18日には全世界の労働者、イラク・中東諸国人民と連帯して、イラク侵略戦争開戦4周年の世界一斉反戦デモをたたきつけ、ブッシュと安倍を打倒しよう。

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週刊『前進』(2285号6面1)(2007/03/05 )

 9条改憲・朝鮮侵略戦争と対決し

 闘う革共同の建設をかちとろう

「党の革命」1周年にあたって

 革共同書記長 天田 三紀夫

 T 党の根底的再生訴えた革命的蜂起受けとめて

 2006年3月、「全関西の革共同の同志への緊急アピール」が発せられた。それは、「労働者の怒りを爆発させ、与田・遠山ら私党集団を打倒、一掃しよう!」「私党化を打ち破り、労働者党員が生き生きと活動できる、徹底的に中央集権的で、徹底的に民主的なボリシェビキ党再生のために、与田・遠山を打倒しよう!」「日本革命・世界革命を切り開くため、新指導路線を担う党的実体・党的団結を形成するために、与田・遠山を打倒しよう!」「06年・07年改憲阻止決戦と4大産別決戦(民営化・労組破壊)を闘うことができる党への再生をかけて、与田・遠山を打倒しよう!」と訴え、次のように呼びかけていた。
 「全党・全関西の同志諸君、とりわけ労働者党員諸君! わが関西の党は危急存亡の秋にある。労働者の党、革命の党として生きのびることができるかどうかが問われている。しかも権力の弾圧が切迫している。腐敗の極に達した与田・遠山私党集団を打倒・一掃する『党の革命』をやりぬくことが唯一、党を再生し、権力の弾圧を打ち返す道だ。全労働者党員は命がけで起ち上がろう。この闘いは、全党の革命的変革の出発点となるものであり、革命的な価値創造性に満ちたものだ。中央を始め全国の党の変革が問われている。革命的進攻精神をもった蜂起戦として、私党集団打倒、党の革命的再生の闘いを最後までやりぬこう」

 私党化グループ打倒

 関西の労働者同志の革命的蜂起は、与田・遠山らによる不正・腐敗と党組織の私党的再編、「反中央」の扇動、労働者同志への不信と分断の持ち込み、新指導路線への背反の現実を打倒するために、党の根底的な再生を訴えたのである。
 「世界革命への壮大な闘いは、関西での『党の革命』をもって始まる。この闘いの烈火は、蜂起―プロレタリア独裁樹立の労働者革命を担う党への変革を切り開くであろう。その気概に燃えて、全党の同志は革命家魂を発揮して、総決起しよう」(「関西労働者3月蜂起宣言」)
 関西の労働者と常任の蜂起は与田・遠山らを完全に打倒した。それは、関西の指導部のみならず党中央の心臓部を完全に突き刺し射抜いた蜂起としてあった。政治局と全国の組織、全党員へ向けられた決死弾劾の決起であった。この蜂起を受け止めることは、反スターリン主義・革命的共産主義運動50年の歴史と実践を再度全面的な検証の対象にすることを求めた。全党が一度打倒され、根底から生まれ変わることを意味した。それほど階級的で強烈で根底的であった。われわれは断固としてこの労働者同志の蜂起を支持し、連帯し、ともに闘うことを誓った。
 しかし、この3月蜂起をまったく受け止めることができない一部の政治局員が存在した。与田・遠山らにつながるグループである。彼らは、労働者の蜂起に反革命クーデター規定を行い、敵対の言動を繰り返し、分裂行動を開始した。党内の同志的一致をかちとるための路線的激突と討論は、この分裂行動によって打倒闘争に変わった。わが革共同を腐敗させ国家権力と闘えない党に変質させるこの一部政治局員を全面的に打倒しぬく実践こそ、関西の労働者同志との同志的一体感の前提であり、政治局は自らの自己批判の貫徹としてこの闘いをやりぬいた。
 「党の革命」は切り裂かれた現実を止揚し、全国単一の党を建設する第2段階に突入した。しかし、現在も道半ばである。否、この闘いはプロレタリア革命に勝利するまで止むことのない永続した革命である。このことを断固として確認し、「党の革命」1周年に際して革共同の進むべき道、その綱領的路線的深化について、さらに肉薄し鮮明にしていきたい。
 第一は、革共同政治局の中に腐敗・変質した私党化グループの存在を許したことである。このことを全面的に自己批判します。
 私党化グループとは、プロレタリア革命のうえにブルジョア政治をおき、党を私物化し食い物にして国家権力への投降集団、転向集団に変質させようとした目的意識的なグループである。彼らは政治警察のスパイの接近を許し、囲い込み、相互浸透し、関西から始めて革共同全体を国家権力と二度と闘うことができない組織へ変質することを狙っていた。
 しかし、これはあまりにも破廉恥で浅知恵である。世界と日本の階級情勢は圧倒的に前進している。新指導路線の実践は党派的激突となり、動労千葉の闘いを基軸に、3労組共闘を軸点とする日米韓の3カ国国際連帯闘争として一挙に前進した。追いつめられた私党化グループは、彼らを批判する同志の党からの排除を画策し、分派規定、党内権力闘争、暴力的制裁を持ち込んで「粛清・追放」を行おうとした。それは政治局が二分するほどの対立であった。しかし私党化グループは、労働者階級の組織化を絶対に行わず、労働者同志の獲得ができなかった。要するに労働者階級を革命の主体として認めない反マルクス主義グループに純化していたのだ。
 政治局内部の路線論争の発展が私党化グループを追いつめ、動労千葉労働運動(3労組共闘)を軸とする11月労働者集会の国際連帯闘争の発展が彼らの実践への敵対を暴く中で、労働者同志の蜂起がついに彼らを打倒したのである。
 重大な問題は、党中枢の壊滅を狙うまで政治警察の手が伸びてきていたことであった。政治局は全党の同志の力で建設され、維持され、非合法・非公然体制が守られている。この現実にのっかり、私党化グループをとおして党中枢への政治警察の接近を許していたことを、政治局は全党と全労働者階級に心から自己批判します。
 しかし、国家権力のどんな弾圧も党を壊滅させることはできない。それは革命党が労働者階級の献身的で英雄的な闘いを基礎にしているからである。労働者細胞を先頭とする全機関の不断の政治討論と路線討論、党活動の3原則の展開と路線的実践での一致、中央委員会と労働者細胞の日常的結合、これらをかちとることに勝利すれば、政治警察による党のガラス張り化攻撃、スパイ化攻撃は必ず粉砕できる。このことが遮断され私党化を許したことが最大の問題である。革命党が政治警察の攻撃と目的意識的に闘わなければ、中枢から全面的に解体する攻撃にさらされる。この点で、関西の労働者の蜂起は「党と階級を救った」のである。このことをあらためて確認したい。

 綱領的路線的な対立

 第二に、国家権力への投降集団と化していた私党化グループとの闘いは綱領的路線的な対立としてあった。直接的には階級的労働運動路線(新指導路線)の実践の中で、彼らの非実践性、その背後にある労働者階級自己解放闘争への蔑視、絶望が暴き出された。党指導部に絶対あってはならない腐敗した小ブル生活。被差別・被抑圧人民の存在と闘いを労働者階級の闘いと分断し、労働者階級のもとに全国単一党建設を行うことに対する妨害。労働運動から政治闘争を切り離して対置させ、労働運動(労働組合運動)を一段低い活動であるかのように言いなす非マルクス主義の主張。11月労働者集会を最高の政治的経済的決戦として闘うのではなく政治カンパニア動員にすりかえるあり方。労働運動の実践に背反して選挙闘争を異常に強調する体質。
 これらの私党化グループとの闘いは長い年月を要した。この対立は、戦闘的労働運動の発展に対する反革命として登場したファシスト・カクマルとの20年間の内戦を、故本多延嘉書記長の虐殺という75年3・14反革命を断固としてのりこえて闘いぬき、労働運動の荒々しい発展に対応する5月テーゼ路線に踏み出す中で起こったのである。私党化グループの主張と行動は本質的には、5月テーゼ路線のもとでの党と階級の全面的な飛躍に対する拒否と敵対であった。それは、国家権力との死闘からの、階級戦争の大地からの逃亡であり、党破壊行動であった。この路線的不一致と敵対こそが政治警察の介入を許したのだ。
 「党の革命」をさらに徹底的にやりぬき、最末期の帝国主義による侵略と戦争、労働組合破壊攻撃と闘い、日米韓労働者階級の国際連帯を発展させ、日本革命と朝鮮革命・アジア革命を一体的に実現する闘いへと断固として突入することを訴えたい。

 U 「党の革命」1周年迎え突破すべき課題は何か

 (1)帝国主義の破滅的危機の激化と革命的情勢の接近

 階級的労働運動路線(体制内労働運動からの決別)をめぐる路線的一致をかちとる闘いは、きわめて重大な段階に入っている。路線的綱領的高さにおいてなんとしても一致をかちとり、07年階級決戦勝利へ、怒涛(どとう)の進撃をかちとろう! 
 なぜ、これほど激しく路線的一致をめぐる討議がおこっているか。論議が闘わされているのか。それは、党の革命が全同志の一革命家としての生まれ変わりを求めたからであり、現在も求めているからである。その立場から、党の革命の新たな綱領的路線的内容が提示されなければならない。
 重要な問題は、日々刻々、革命的情勢が急接近していることである。米帝を基軸として帝国主義戦後体制が崩壊し、帝国主義間争闘戦が激化し、世界史が侵略戦争・世界戦争過程へ突入していることである。
 帝国主義体制の特異な戦後発展は、1970年代中期を大きな区切りとして基本矛盾の歴史的爆発過程へ突入した。74―75年恐慌は、戦後初の世界同時恐慌であり、主要帝国主義国の戦後発展の行きづまり、過剰資本・過剰生産力状態への突入を意味した。75年の米帝のベトナム侵略戦争敗北は、米帝の没落の決定的開始を意味した。
 80年代の帝国主義は、対スターリン主義対決=帝国主義間争闘戦貫徹政策によって、ベトナム敗北がもたらす体制的危機を軍事的緊張と一大軍拡によって政治的・経済的にのりきろうとした。アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権、日本の中曽根政権の登場である。これらの政権の特徴は、戦後の国家独占資本主義的政策から、資本のむきだしの弱肉強食原理による労働者支配政策への反革命的転換にある。それは、徹底した民営化攻撃をもって労働組合を破壊する全世界的攻撃として展開された。
 90年代には、帝国主義の戦後発展の中でも特異な発展を遂げてきた日本帝国主義が大破綻(はたん)に陥り、帝国主義的没落の道へ突入した。91年のバブル経済の崩壊は、97―98年金融恐慌として火を噴き、「日本発世界大恐慌」が現実化する危機に直面した。
 90年代の帝国主義はまた、米経済の超弩(ど)級のバブルが世界経済をかろうじて支える構造をつくりだした。他方において、EUの単一通貨導入に見られるようにブロック化へ本格的に突入した。EUのブロック化はドイツ帝国主義の主導のもとで行われ、米帝バブルの崩壊、ドル危機の爆発とからんで世界経済の決定的亀裂の拡大へと進むことは不可避であった。
 そして今日、2000年を大きな転換点として、米のバブル経済は大崩壊過程へ突入している。01年のITバブル崩壊に続く06年住宅バブルの崩壊は、歯止めがかからなくなっている。米帝バブルの崩壊は日帝を追いつめている。日帝の国家財政は破綻し、金融政策も破綻している。
 こうしてすべての流れは、帝国主義世界経済の29年型大恐慌への全面的突入と、国際争闘戦のとめどもない激化と世界経済のブロック化へと進んでいる。この帝国主義の危機と矛盾の激化に対し、労働者階級と被抑圧民族人民の積もりに積もった怒りの爆発が始まっている。それはすでに、01年9・11の米帝心臓部に対するムスリム人民の特殊的極限的決起の戦闘として開始された。これに対して米帝は、中東・イラクの石油の独占的支配をかけて、アフガニスタン侵略戦争から03年3月イラク侵略戦争へ全面的に突入した。
 だがイラク侵略戦争の現実は、イラク人民の不屈の武装闘争、アメリカ国内を始め全世界のイラク反戦闘争、南米における反米政権の続出、米軍内部の厭戦(えんせん)意識の拡大と軍隊そのものの危機を生み出し、米帝は今や体制的危機にのたうちまわっている。その政治的表現が06年中間選挙でのブッシュ共和党の大敗北だった。
 基軸帝国主義・米帝の没落が進む中で、中国・ロシアを巻き込みながら国際帝国主義の争闘戦が死闘的に激化し、アフリカ、インド、中央アジア等々での市場分割・再分割戦に突入している。最末期を迎えた帝国主義は、イラク侵略戦争のイランへの拡大を狙い、さらに朝鮮侵略戦争から中国侵略戦争へ突入するための米軍再編を全面的に行っている。
 しかも、この現実を促進している歴史的契機は90年代のスターリン主義の崩壊なのである。スターリン主義の歴史的破産は、本質的に帝国主義対帝国主義の激突として帝国主義の危機と争闘戦を新たな段階に突入させた。それは帝国主義列強による世界の再分割をかけた侵略戦争・世界戦争への歴史的・反動的回帰を意味する。帝国主義は、この世界再分割戦に、崩壊した旧スターリン主義国・ロシアや残存スターリン主義・中国を引き込みながら、争闘戦の死闘化を強めている。帝国主義対帝国主義の死闘化は、基本的に第3次世界大戦へ突き進むしかない。いや、すでに世界史はその過程へ全面的に突入しているのである。

 (2)戦争・改憲・労組破壊の攻撃強める日本帝国主義

 日本帝国主義の改憲攻撃は、憲法を丸ごとつくりかえる攻撃である。9条を解体して「自衛軍」を明記し武力行使を宣言し、「国防の責務」で戦争協力を義務づけ、国家総動員態勢と徴兵制復活、戒厳令の導入、戦前型天皇制の復活をも狙い、基本的人権を全面的に解体する攻撃である。日米帝国主義のイラク侵略戦争突入はこの攻撃を一挙に加速した。安倍政権は昨年の教育基本法改悪に続いて、労働法制を解体し、さらに改憲投票法の制定をもって改憲へと一挙に突き進む反革命クーデターに踏み出そうとしている。
 06年の階級決戦は、これに対して11月労働者集会に結集した動労千葉を始め3労組共闘の闘いを先頭に、教育労働者の不屈の「日の丸・君が代」不起立闘争を土台として、教基法改悪絶対反対の国会闘争の大爆発を実現した。日帝の日教組解体・教育労働運動解体の攻撃に対して、職場から日教組本部の打倒と組合の再生の闘いが開始され、日帝の4大産別解体攻撃との真っ向からの激突が開始されたのである。
 その決着はまだついていないのだ。闘いの拠点、橋頭保を建設し、日教組本部打倒、闘う執行部確立の闘いは日を追って激しく闘われている。改悪教基法の実働化を許すな! 教員免許更新制など教育3法改悪案の成立阻止!「日の丸・君が代」の強制を許すな! 勤務成績による給与・処遇の差別分断反対の闘いが断固として開始されている。
 日本帝国主義の労働者支配の攻撃の激化とその破綻の画期こそ、95年日経連のプロジェクト報告『新時代の日本的経営』であった。年功序列賃金制と終身雇用制の解体政策は、日本労働者階級の中に巨大な革命勢力を生みだした。終身雇用制を解体し、雇用形態を「長期能力活用型」「高度専門能力活用型」「雇用柔軟型」の3つのグループに分ける攻撃は10年後、20代後半から30代後半の世代にまたがる極端な「格差社会」をつくりだした。それは3人に1人の非正規労働者、絶対的貧困層をつくりだし、「ロストジェネレーション」の膨大な労働者層をつくりだした。
 まさに日本帝国主義は自らの墓掘り人を大量につくりだしたのだ。労働条件は工場法以前的状態に叩き込まれ、働く者の権利は帝国主義の分断支配で奪われ、団結を破壊されている膨大な2000万人の青年労働者(労働者階級)をつくりだしたのだ。
 われわれは、ここに日本帝国主義の労働者支配の破綻を見る。そしてこの階級の怒りと結合することである。そのためには、現在の帝国主義の攻撃に対して勝利の方針、団結のあり方を示すことである。この点で戦前、戦後の日本労働者階級の闘い、日本革命運動の歴史を概括してみたい。

 (3)日本労働者階級の戦闘的革命的な闘いの継承へ

 日本労働者階級の戦闘性と革命性を論じる場合に、最も生きた教訓に満ち満ちている闘いは四つあると言える。
 一つは、1917年ロシア10月革命の勝利が突破口となって世界革命の歴史的高揚を迎えた時代の日本階級闘争である。1919年米騒動の爆発から関東大震災にいたる第1次世界大戦後の時期である。
 二つは、第2次帝国主義戦争の終結とともに爆発した戦後革命期における日本、すなわち45年から50年に至る時期の闘いである。この時期は、沖縄の階級闘争史と一体で論じていくことが求められている。
 三つは、戦後世界体制の根底的動揺を基底として、若き革命的共産主義運動が反帝・反スターリン主義の世界革命戦略を綱領的立場として、「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の旗をかかげて内乱的死闘の70年代を身をもって切り開いた闘いである。
 四つは、80年を前後した日本労働運動の戦闘的再編をかけて、現在も激しくしのぎを削って闘われている動労千葉を軸とする4大産別、民間(関西生コン、港合同、本山)を先頭とする日本資本主義との激突の歴史である。
 今回は、戦後革命期に焦点をしぼって、そこにおける労働者階級の闘いの核心問題に肉薄したい。
 戦後革命運動の爆発は、北海道夕張炭鉱と常磐炭鉱での朝鮮人労働者のストライキの烽火として開始された。北海道における労働者階級の蜂起は、文字どおり労働者階級の決起の合図であった。炭鉱労働者の決起に始まる日本労働運動は、金属労働者にうけつがれ、京浜工業地帯は新しい夜明けを迎えつつあった。米占領軍は、戦後革命の爆発を上からの改革で鎮静し、かわそうと必死になった。
 しかし当時は――工場の入り口でビラをまき、組合の結成を呼びかけて、内部から一人でも呼応するものがあればたちまちにして組合が組織され、要求が提出され闘争へ突入していった。闘争形態は初期の場合、デモ、サボ、座り込みなどを主としていたが、動揺しつづける資本家階級は、次々と労働者に譲歩し、組合結成と闘争の爆発は、連鎖反応を生み、青年労働者は当時の共産党の周囲に集まっていった――という状況だった。この激闘の嵐の中で重要なのは、工場代表者会議(工場委員会)と生産管理闘争である。
 工場代表者会議は45年12月、神奈川県下の21工場の代表者を集めて開催された。御用組合絶対排撃、共同闘争展開、政党支持の自由を決議して闘われた。この闘いは、神奈川県労働組合協議会結成、東京の城東、城西、さらに関東工場代表者会議へ発展していった。さらに東北、北海道、関西に波及していった。
 生産管理闘争は、45年10月の読売新聞の業務管理=生産管理闘争を契機に、当時の労働組合の主要な闘争戦術になった。読売の労働者は編集局を占拠し、最高闘争委員会を設置し、業務管理を宣言し、自主的に新聞発行を続けた。経営陣は動揺し、組合の経営参加を認めた。京成電鉄の労働者は、無賃運転の断行、「平常運転による収入管理」という業務管理闘争に移行していった。京成の闘いも労働者の全面勝利に終わった。
 詳しく論じることは別の機会にしたいが、生産管理闘争は2・1ストの挫折後も、48年まで全国的に拡大した。そして占領軍との激突となって闘われたのである。
 生産管理は、賃金も支払うことができない資本家に代わって、労働者が生産と経営を奪取することをとおして自らの生存とともに階級的団結をかちとる闘いである。この闘いは、資本家的労務管理がなくても生産主体である労働者の手によって生産が維持されることを全社会に明らかにする。そのことによって、労働者階級こそが社会の主人公であるという階級意識の急速な変革をもたらすとともに、生産手段と労働過程の管理を階級的団結のもとに取り戻すことをとおして、プロレタリア革命の達成と創造に向かわなければならない。
 しかもこの闘いは、不可避に国家権力との全面的な激突となる。全国的単一党のもとに建設される労働者細胞を軸に、生産管理闘争を労働者階級解放闘争の絶対的課題として研究していくことが求められている。
 農民闘争もまた、都市における労働者階級の爆発的闘いと結合しながら同時期に全国的爆発へ向かった。帝国主義戦争の敗北は、国家が流通過程を直接的に掌握した供出・配給制度の食糧管理制度を崩壊させた。46年2月の食料臨時措置令なる緊急勅令は、農民の怒りの火に油を注いだ。46年12月に公布された自作農創設特別措置法と農地調整法改正(第2次農地改革)は、日本帝国主義再建のための物質的基盤を自作農創設による農村支配の安定化の中に見いだし、労働者と農民の分断をつくりだし、労働運動の高揚を徹底的に弾圧する支配階級の意図に貫かれていた。
 戦後革命と在日朝鮮人運動、戦後革命と部落解放運動の総括も、全国単一の革命党建設の立場から全面的な研究と総括を行っていかなければならない。〈党・労働組合・ソビエト〉の立場、労働組合の革命論的意義を明確にする立場から必死で肉薄していこう。
 そのためには、革共同自身の50年間の歴史的総括を徹底的に全面的に行うことが必要である。あまりにもすさまじく、また豊かな経験を、全同志と階級全体の歴史的営為の所産としてとらえ返すということである。
 @前史。戦後革命と日本労働者階級の嵐のような決起。
 A第1期。革共同結成から3全総―3回大会、70年安保・沖縄決戦、反戦派労働運動。沖縄の全軍労反戦派の闘い。
 B第2期。PT・PUの闘い。反戦派労働運動を軸に切り開いた階級闘争の内乱的発展に対して襲いかかったファシスト反革命との闘い。動労千葉の闘いと動労からの分離独立、80年代の国鉄分割・民営化決戦。その勝利のために闘われた労農連帯の三里塚決戦。日本プロレタリア革命へ向けた本格的武装闘争への挑戦と活動。
 C第3期。91年5月テーゼからの15年間の歴史的総括。19全総−20全総−6回大会−新指導路線の路線的一致と実践的一致をかちとる闘いの前進。 
 D第4期。階級的労働運動路線の全面的実践をもって、国際連帯闘争を発展させ、世界プロレタリア革命へ突き進む革共同の突破すべき課題。
 党の革命1周年に際して、これらの課題をはっきりさせて、さらに全面的に深める闘いをやりぬいていきたい。

 V 階級的労働運動路線の不屈の前進かちとろう

 労働組合めぐる攻防

 今まさに、帝国主義そのものが行きづまり、矛盾が爆発し、労働者階級の労働組合的団結さえ一掃し、労働者階級の生命と生活がおびやかされている。帝国主義・資本主義の打倒、プロレタリア革命によってしか一切の展望が切り開かれなくなっている。今日、労働者階級とその党のなすべきことは、プロレタリア革命(今日的には反帝・反スターリン主義の世界革命と日本革命)に向かって労働者階級の戦闘体制を全力でつくっていくことである。その核心は、さし迫る帝国主義体制の危機をプロレタリア革命に転化していく労働者階級の闘いの先頭に立つこと、労働者細胞(党)を労働者階級の内部に強固にうちたてていくことである。
 しかしその闘いについて考えるとき、危機に立つ帝国主義の攻撃の核心が「戦争・改憲・労組破壊」としてあり、階級闘争論に凝縮していえば、労働者階級の階級的団結の基礎的形態としてプロレタリア革命への前進にとって決定的な戦略的意義をもつ労働組合(運動)をめぐって展開されてくることを、しっかりとおさえることが大切である。いわば階級決戦の核心中の核心が、この労働者階級の基礎的団結形態、革命への出撃の普遍的土台となる存在をめぐるブルジョアジーとプロレタリアートとの死闘として、現実的には存在するということ。このことをしっかりとおさえよう。
 したがって労働者階級がさし迫る革命的情勢の中で、プロレタリア革命に向かって体制をつくりあげていくためには、労働者階級の党としての(生産点に築かれた)労働者基本細胞を先頭に、この労働組合をめぐる攻防において絶対に勝利しなければならない。労働組合を防衛しぬく闘いをとおして、労働者階級とその党は、革命への準備を本格的になしとげていくのだ。
 つまり今日の革共同にとって、革命の切迫情勢に向かってなすべき決定的な任務は、革命に向かって武装されていく動労千葉型労働運動を階級的労働運動としてつくりだし、防衛し、発展させ、全階級化していくことである。新指導路線=階級的労働運動路線とは、まさにこういう現在の階級情勢のなかで、労働者階級とその党がプロレタリア革命に向かって前進していくうえで、この労働組合(運動)をめぐる攻防の階級的意義をおさえた党的=階級的な闘いの戦略的路線だということである。

 党派闘争にかちぬけ

 いまひとつ決定的なエレメントをはっきりさせたい。それはレーニンが『第2インターナショナルの崩壊』等でくり返し論じ、念を押していることである。
 すなわちこの労働組合をめぐる攻防は同時に、帝国主義の時代、ましてやその危機の時代においては、帝国主義体制の存続に自己の党的・組合的・官僚的利害を重ね合わせ、プロレタリア革命に対抗して労働組合(運動)ひいては社会主義の運動そのものを帝国主義的に変質させ、帝国主義の延命の協力者・加担者へとひきずり込む者との闘いになる。一言でいえば、労働者階級とその党は、体制内労働運動ともいうべき者と労働組合(運動)その他をめぐって、激しく徹底的な党派闘争を帝国主義打倒の闘いとの一体的有機的関係の中で闘いぬかなければならない。
 この党派闘争はやはりきわめて厳しいもので、直接的には労働組合の「権力」をめぐって激しく闘われるのである。

 4大産別決戦を軸に

 4大産別決戦は、今や決定的段階に突入している。4大産別への一連の産別的階級的攻撃、あるいは端的に言って経済闘争・権利闘争として闘うべき攻撃に対して、それが労働組合という労働者階級の基礎的団結形態の歴史的一掃の攻撃としてあることをはっきりさせて、まさにプロレタリア革命の命運をかけた闘いとしてこれに反撃していくことは必須の課題である。
 このストレートな生産点での組合の基礎の基礎にかかわる死闘において、動労千葉型、あるいは動労千葉的闘いをめざして階級的死闘をくりひろげることが一切の決定的土台である。このことをはっきりさせることはきわめて重要だ。動労千葉はここで勝つことで強化され、政治的・経済的・イデオロギー的な全面的闘争への力を獲得していっている。
 そしてこの生産点での死闘自体、その土台なしに改憲阻止闘争・反戦闘争も実は発展しえないことをみるとき、それ自体が改憲阻止闘争としての決定的意義をもつことを断固確認することが重要である。と同時に、労働組合自身が階級的激動期の中で、労働者階級にかかわる一切の利害を代表して闘うのは当然である。
 いやそれ以上に、労働者階級は、直接自己を支配する資本への怒りとともに、労働者階級に対する敵階級の階級的反動的な結集体としてのブルジョア国家権力に対して根底から怒り、自己の解放をかけて闘いに決起する力を本来的にもっている(もつことのできる)階級である。したがって敵の戦争・改憲・労働組合破壊の全面的な政治経済攻勢に対して、労働者階級とその党は、プロレタリア革命を目指して、労働組合的団結の強化・発展と労働者細胞建設の闘いを不抜の総括軸としつつ闘っていくことが不可欠であり、必須の義務でさえある。
 この意味では、生産点―労働組合的団結の戦取―労働者党細胞の建設というプロレタリア革命への基本的総括軸をがっちりとすえたうえで、革共同は当面する3・18全世界一斉デモなどの大政治闘争の課題をその先頭で闘うということである。

 W 階級的労働運動を実践し闘う地区党の建設へ

 労働組合が革命の柱

 労働組合は、労働者階級の階級的団結形態であり、労働者階級の組織的中核の砦(とりで)である。このことは、労働運動がマルクス主義で武装されることを必要とし、そのために党が現実の資本との攻防を労働運動の現場で、先頭で、また労働組合と一体で闘うことを要求する。
 階級的労働運動の実践は、プロレタリア革命の基礎なのである。プロレタリアートが本来もっている革命的気迫、革命的階級としての力が存分に発揮され検証され、発展させることができる戦場なのである。
 戦時下の、朝鮮侵略戦争突入前夜情勢のもとでの階級的労働運動をめぐる攻防は、プロレタリア革命を実現する党活動の中心であり、支柱であり、合法的労働組合の陣地を防衛し、〈帝国主義戦争を内乱へ〉の闘いを実現するプロレタリアートの闘いの砦なのである。プロレタリアートがブルジョアジーの専制支配と闘って自らの指導権を確立する闘いは、労働組合に依拠しないでどうして実現できるのか。労働者細胞建設をかちとることで、労働組合はプロレタリア革命の支柱となるのである。
 さらにいえば、階級的労働運動は武装蜂起への基礎である。階級的労働運動が中核となることで、労働者のストライキやデモンストレーションへの決起は、革命党の目的意識性と結合しつつ、プロレタリア革命に向けての絶え間ない発展となる。
 労働組合の権力と、革命党が労働者細胞建設をとおして結びつくことは、新しい型の革命組織、労働者代表ソビエトを結成していく道である。労働者代表ソビエトは、工場労働者の代表から選出され構成される、地域的武装蜂起を闘いとる指導機関である。階級的労働運動の発展は、労働者細胞建設を基礎に徹底的にソビエト建設の展望をもって闘いとられなければならない。
 このように、戦時下階級闘争、侵略戦争突入前夜の階級的労働運動路線は、プロレタリア革命に直結する唯一無二の路線として提起されているのである。

 中央委と細胞の結合

 この階級的労働運動路線を実現することは、闘う地区党建設と一体である。地区党は、拠点労働者細胞を基軸に、当該地域の労働者階級を、労働組合の団結形態に組織化するために闘う。その前進は、激しい党派闘争をとおしてかちとられる。要するに、既成の体制内労働運動と決別したところから、労働者階級を共産主義、マルクス主義の立場で組織することである。
 この点では、反スターリン主義・革命的共産主義運動の半世紀にわたる闘いの到達点をふまえ、戦後階級闘争と戦後労働運動のすべてを総括した実践的立場が重要である。すなわち「党は階級そのものである」という立場から、60年代、PT・PU、90年代の闘いを主体的に総括することが重要なのである。
 この政治過程で最大の歴史的結節環をなすものは、動労千葉労働運動をめぐるファシスト・カクマルとの闘いであり、総評解散・連合結成であり、ソ連スターリン主義の崩壊である。さらには基軸帝国主義・米帝の没落と帝国主義間争闘戦の死闘的激化である。これら一切の帰結は、プロレタリア革命の実現をもはや待ったなしに求めており、その核心として党の革命があるのである。
 朝鮮侵略戦争前夜情勢の中で勝利の情勢を主体的意識的に切り開き、闘いの帰趨(きすう)を決するのは、まず何よりも帝国主義国プロレタリアートの組織された決定的行動以外にありえない。今日の革命情勢の急接近の中であらためてこのことをはっきりさせなければならない。そして、その核心において、党は階級の自己解放の武器としてマルクス主義の思想を貫徹しなければならない。
 組織論的には連合戦線の党ではなく、全国単一の労働者党建設を闘いとらなければならない。
 ここにおいて、地区党の歴史的任務を全党がはっきりさせ、21世紀革命に勝利する地区党建設論として組織論的、革命論的に復権させることが求められている。すなわち、地区党の任務は、労働者階級解放闘争のすべての課題を正面任務とするものに転換しなければならない。また、そうしなければ、労働者階級の自己解放の実現をとおして全人民の解放を実現する共産主義革命を達成することはできない。
 プロレタリア世界革命の勝利をめざし、中央委員会と労働者細胞の結合を基軸に、分断・差別・抑圧のもとにある全労働者階級とプロレタリア家族の解放を主体的に闘いとる地区党、蜂起に勝利する地区党を建設しよう。あらゆる階級的課題を引き受けて立ち、3全総−3回大会路線の地平、PT・PUの前人未踏の経験、5月テーゼから15年間の実践の地平の上で豊富化し、闘いとっていこうではないか。
 地区党の圧倒的建設・強化の方針は、地区党が諸戦線の課題を真っ向から受けとめ学ぶと同時に、諸戦線が階級と結合し、生き生きと発展することによって、プロレタリア革命を実現していくための組織方針である。諸戦線の全指導部は地区党に結集して労働者階級解放闘争の前進のために闘い、そのことが諸戦線の生き生きとした発展と完全に一体であり、国際階級闘争を牽引(けんいん)しつつ全面的に発展させる道であることに、確信をもって闘おう。
 党の革命1周年にあたって、以上のことを訴えたい。 (了)

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