ZENSHIN 2007/02/26(No2284 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2284号1面1)(2007/02/26 )

 動労千葉のストに連帯し戦争・改憲-民営化粉砕へ

 3・18大集会に全国から総結集しよう

 改憲投票法案をめぐる攻防が本格的に始まる中、07春闘は労働組合の存立をかけた一大決戦となった。日帝・安倍政権は、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別労組の解体に攻撃の焦点を据え、9条改憲への突破口を暴力的に押し開こうと狙っている。こうした攻防の最先端で、動労千葉は館山運転区・木更津支区廃止絶対反対の決戦に立っている。組合の拠点破壊攻撃を許さず、真っ向からJRに立ち向かい、労働組合の団結を堅持し闘っているのである。この動労千葉と連帯し、ともに闘い、イラク開戦4周年の3・18全世界一斉デモに全国の職場から総結集しよう。

 拠点職場破壊を絶対許さない

 JR東日本は、3・18ダイヤ改定を機に館山運転区と千葉運転区木更津支区の廃止を強行しようと策している。その狙いは、動労千葉の拠点をなす二つの職場を廃止し、組合員をばらばらに配転して、動労千葉の団結を破壊することにある。
 これに対し動労千葉は、2月18日の定期委員会で07春闘決戦段階の方針を確定した。運転区廃止絶対反対を掲げ、組合員の強固な団結を打ち固めることがこの闘いの核心だ。動労千葉は、二つの運転区に所属する組合員に対して不当な配転通知がなされた場合、ストライキを含む反撃に即座に入る体制を構えている。最大の山場は、3月18日のダイヤ改定時だ。
 すでに館山支部は、休日勤務を拒否する非協力闘争に入っている。動労千葉は、団交での当局の回答いかんでは、この闘いをさらに拡大・強化する方針だ。
 昨春闘で動労千葉は、全線区を対象に最高速度を10`ダウンする安全運転闘争を貫徹した。これに対しJR当局は、運転席に2人の管理者を乗り込ませ、動労千葉の運転士を監視・恫喝する闘争破壊に乗り出してきた。その中で安全運転闘争を貫くためには、組合員一人ひとりが腹の底から決意を固めて当局と対峙しぬくことが求められた。
 今春闘での非協力闘争は、これをも超える闘いだ。極限的に人員が削減されたJR職場では、ささいなトラブルや事故であっても勤務変更は頻繁に生じる。この中での非協力闘争は、組合員一人ひとりが根底的に当局と対決しなければ貫徹できない。動労千葉は、2運転区での徹底した当局追及行動を重ねつつ、こうした闘いを貫くことで、組合員の不抜の団結を固めようとしているのだ。

 分割・民営化体制は大破綻

 国鉄分割・民営化体制は今や完全に破産をあらわにした。107人の労働者の命を奪った尼崎事故を始め、続発する重大事故は、その極限的な現れだ。
 これに加えてJRは、第2の分割・民営化攻撃の新段階と言うべき大合理化に乗り出してきた。その柱は、駅業務の外注化と、「ライフサイクル深度化」と称する40歳以下の運転士の駅への強制異動計画だ。その背後には、JRが分割・民営化以来強行してきた極限的な人員削減の結果、人員構成がゆがみ、首都圏での駅要員が大幅に不足しているという事態がある。これを強行突破するために打ち出されたのが、これらのプランだ。
 だが、昨年強行されたグリーン車車掌の外注化は、車掌業務担当の契約社員が次々と仕事を見限って退職する状況に陥っている。駅業務の外注化も、外注先会社に要員が確保できず、4月実施とされた当初計画は実現の見通しが立っていない。
 資本の都合で運転士をたらい回しにする「ライフサイクル深度化」に対しても、平成採の運転士の怒りが噴出し始めた。
 資本によるすさまじい大合理化が、逆に資本の危機を生みだしているということだ。これらの攻撃は、労働者が抵抗しないことを前提に成り立っているものにすぎない。そこには必ず破綻(はたん)点がある。
 このことを実証したのが、01年以来の動労千葉の闘いだ。設備部門の外注化が始まった01年、JR東日本は、外注化・合理化の推進を認めることと引き換えに、定年後の組合員を関連会社に再雇用するというシニア協定の締結を動労千葉に迫った。しかし動労千葉は合理化絶対反対を貫き、シニア協定を拒否しぬいた。それは、定年を迎えた組合員が雇用の場を奪われることになる困難な選択だった。だが、その結果、JRは外注先会社に人員を確保できなくなり、JR千葉支社管内での検修部門の外注化は阻止された。
 今やJRは、輸送業務の根幹をなす駅や運転士に対しても大合理化攻撃の手を伸ばしている。それは、国鉄分割・民営化から20年を経て、ついにJR体制が脇腹のあまさをさらけ出したということだ。労働者が闘えば勝てる時代が訪れたのだ。
 だからこそJR資本は、分割・民営化体制を護持するために動労千葉の組織破壊を狙う凶暴な攻撃を仕掛けている。また、国労本部を手先として、1047名闘争解体の攻撃を強めている。
 だが、労働者が不抜の団結を固めてこれと対決すれば、敵の攻撃はその墓穴に転化する。1047名の解雇撤回闘争勝利の展望も、こうした闘いの中にある。
 同時に動労千葉は、07春闘を組織拡大春闘として闘いぬいている。JR資本とJR総連の結託体制を打破し、JR労働運動を根底から塗り替える時が来ているのだ。
 動労千葉が呼びかける3・4春闘総決起集会は、館山運転区・木更津支区廃止絶対阻止の闘いであり、国鉄闘争勝利を軸に全労働者階級の勝利を切り開く闘いだ。

 階級的労働運動の再生今こそ

 全逓4・28被免職者は27年の闘いを経て解雇撤回の勝利を手にした。全金本山労組は34年の闘いを貫いて職場復帰を実現した。労働者は、原則を曲げず、敵階級に屈することなく闘えば、必ず勝利することができる。
 まして今日、帝国主義は出口のない危機にある。日本経団連の御手洗が「イノベーション」「成長重視」を叫んで労働者を一層の貧困にたたき落とそうとしているのも、改憲と愛国心を唱えて戦争の道に突き進もうとしているのも、資本の支配がもはやこれまでの形では成り立たなくなっているからだ。
 膨大な労働者が年収200万円にも満たない低賃金でこき使われ、細切れの雇用契約を強いられて、絶えず失業の不安にさいなまれている。派遣、偽装請負、偽装出向が横行する中で、自分の雇用主さえ定かでないまま、一方的に権利を奪い取られている。こんな現実がまかり通って、社会が社会として成り立つはずがない。資本主義、帝国主義は体制として完全に破産している。
 労働者がこんな状態を強いられているのは、ひとえに既存の体制内労働運動が労働者の怒りと闘いを抑圧しているからだ。労働者が生存を確保し、誇りを持って生きるためには、階級的労働運動を再生する以外にない。帝国主義を打倒し、革命をやる以外にない。
 資本の圧制に怒りを持つ一人の労働者が職場で仲間を組織し、団結を固め、既成の労働運動指導部を吹き飛ばして闘いを開始した時、資本の支配は崩壊を始める。
 敵階級は労働者の力を恐れている。だから安倍・御手洗は、とりわけ4大産別の労働組合に攻撃の的を絞り、その絶滅に躍起となっている。たとえ今日それらの労組が連合の支配下にあろうとも、現場の労働者には本来、資本や国家権力と闘う力がある。
 教育基本法改悪をめぐる昨年の国会闘争は、そのただ中から森越体制打倒の闘う潮流を形成し、日教組再生の展望を指し示した。改悪教基法下で「日の丸・君が代」不起立闘争を不屈に貫徹すれば、この情勢はさらに大きく押し開かれる。
 こうした4大産別決戦の最先端で、動労千葉は07春闘を闘いぬいている。それは、現場組合員に徹底的に依拠した闘いだからこそ、時代を切り開く力を持っている。

 3労組共闘の一層の発展を

 この動労千葉の闘いは、民営化・規制緩和、労組破壊の攻撃に立ち向かう全世界の労働者に指針と展望を与えている。動労千葉、関西生コン支部、港合同という闘う3労組が呼びかけた昨年の11・5労働者集会は、日韓米労働者の国際連帯を圧倒的に発展させた。
 韓国でもアメリカでも、動労千葉と連帯した階級的労働運動の潮流が、体制内労働運動と激しくぶつかりながら台頭を始めている。全世界で労働者は反撃の火の手を上げている。その流れが、イラク開戦4周年の3月17〜18日、全世界で反戦デモの先頭に立つ。
 日本でこれに呼応する闘いは、3・18だ。動労千葉は、07春闘を貫徹することによってこれを力強く牽引(けんいん)しつつある。
 この春の階級的労働運動潮流の結集点は3・18日比谷野音だ。11月労働者集会をともに闘ったすべての人びとが、その組織者となって闘おう。
 青年・学生の清新な力を切っ先に、全労働者が団結し、戦争を止め、世界を変えるために、3・18日比谷野音に全国から総結集しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2284号2面1)(2007/02/26 )

 動労千葉定期委

 “職場闘争強化とストで闘う”

 基地廃止に徹底抗戦

 全支部非協力闘争体制へ

 動労千葉は2月18日、DC会館で第56回定期委員会を開催した。反合・運転保安闘争路線のもとに団結を打ち固め、ストライキと職場闘争強化を軸にした春闘山場の決戦方針を確立した。組織の存亡をかけた一大闘争に入った動労千葉と連帯し、07春闘―3月大行動に立とう。
 定期委員会で決定された07春闘決戦段階での方針は以下の通りだ。
 @最大の山場を3月18日のダイ改時に設定し、ストライキを配置して要求の解決を求める。Aとくに最大の攻防点となっている館山運転区・木更津支区廃止をめぐる配転の事前通知の段階(3月上旬が予想される)に第1波ストを配置する。不当配転を絶対に許さないために、いついかなる時でもストライキ、非協力闘争に全支部が入れる闘争体制を確立する。BJR貨物の新賃金回答時に大幅賃上げ獲得、ベアゼロ打破、欠員補充などの要求実現に向けて貨物を中心とした第3波ストを配置する。
 また、1047名闘争の危機を原則的立場に立って打開する闘い、「ライフサイクル」提案を基地統廃合問題と並ぶ最重要課題と位置づけて白紙撤回を求めていく闘いもあわせて確認された。
 とりわけ重要なのは、職場での非協力闘争の徹底強化の方針だ。
 館山支部はこの1カ月余り、日常的に強制されてきた休日勤務を拒否するなどの非協力闘争を展開してきた。極限的な人員削減でJR職場はどこもギリギリの状態だ。定期委員会では、当局との団交の結果次第でこの非協力闘争をさらに強化し、状況によっては全支部に拡大して闘うことを決定したのだ。
(写真 各支部から多くの傍聴者も集まり、07春闘の山場を目前に控えた緊張感の中集中した討議が行われた。提起者は長田敏行書記長【2月18日 DC会館】)

 卑劣きわまりない組織破壊

 田中康宏委員長は冒頭あいさつで、「館山には他労組が13人いる。この中には、千葉運転区や蘇我運輸区への異動を希望した人もいたが、当局は全部『木更津希望』に書き換えさせた。どんなことをしても、動労千葉の団結を破壊するということだ」と、当局の卑劣な組織破壊攻撃を激しく弾劾した。そして「半年間の闘いは、確実に当局を追いつめている。内房線沿線には、動労千葉の主張が染みわたっている。残り1カ月が一切を決める。団交の結果によっては、非協力闘争を全支部に拡大する。全支部がまなじりを決して決意を固めてほしい」と訴えた。
 4月に4期目の勝浦市議選に挑戦する水野正美元副委員長、佐藤正子家族会会長のあいさつに続いて、繁沢敬一副委員長が10月の定期大会以降の闘いの経過を、長田敏之書記長が情勢と当面する闘いの方針を提起した。
 本部からの議案提起を受けて討議が始まった。どの発言にも”いよいよ決戦”という緊張感と、半年間の闘いで当局を追いつめてきた確かな手応えが感じられる。館山支部の堀江秀明支部長は「先月から休日勤務拒否に入ったが、思ったより効果があった。区長がまいってるようだ。あと1カ月、全力で闘っていく」と力強く宣言。木更津支部の佐野正幸支部長は「館山支部と連携しながら、闘いの先頭に立つ」と決意表明した。また、基地統廃合にともなう諸矛盾、車両故障や安全問題をめぐっても真剣な質疑が交わされた。
 質問が出された非協力闘争の戦術拡大について答弁に立った長田書記長は「まず戦術拡大ありきではなく過程が重要だ。支部での徹底した討論をとおして一糸乱れぬ行動ができる体制づくりを」「組合差別との闘いや組織拡大も、職場での力関係が勝負を決める」と方針の核心点を強調した。
 総括答弁に立った田中委員長は「非協力闘争の拡大は、所定以外の業務は一切行わないという闘いになる。この間、しょっちゅう電車が乱れている。こうした中で、所定以外の仕事に一切入らない、業務命令が出された場合も各組合員の現場判断で『私はここからストライキに入ります』と拒否を貫く闘いになる。だから万全の意思統一を行ってほしい」と力を込めて提起した。さらに「基地廃止は、われわれの大切な団結の砦(とりで)である職場をめぐる攻防だ。だから職場にこだわって闘う。連日の抗議闘争を展開し、当局が現場に居られなくなるくらい闘おう」「これは、これからの時代に立ち向かえる動労千葉をつくり、これからの当局との力関係をつくっていく闘いだ」と訴えた。
 動労千葉は、館山運転区・木更津支区廃止攻撃絶対反対をとことん貫き、反合・運転保安闘争路線のもとに固く団結して1カ月の大決戦に入った。スト支援の沿線ビラまき、激励行動などに職場の仲間を組織しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2284号2面2)(2007/02/26 )

 労組破壊-改憲攻撃うち破れ

 3・4春闘集会に総結集を

 動労千葉主催の3・4春闘総決起集会に総結集しよう。動労千葉は次のスローガンを掲げ、ストライキを中心に連日職場からの闘いに決起している。
 (1)07春闘勝利! 賃金制度改悪阻止、大幅賃上げ獲得! (2)館山運転区・木更津支区廃止絶対反対! 一切の組織破壊攻撃粉砕! (3)「ライフサイクル」提案白紙撤回! 業務の全面外注化粉砕! (4)闘いなくして安全なし! 二度と尼崎・羽越線事故許すな! 反合・運転保安闘争を発展させ、JR体制を打ち砕こう! (5)1047名解雇撤回! 「政治解決路線」を打破し、原則を守って闘い抜こう! (6)士職登用差別・強制配転、昇進差別粉砕! 一切の不当労働行為を職場から根絶しよう! (7)憲法改悪反対! 労働基本権の解体許すな! 安倍―御手洗体制による改憲と民営化・労組破壊粉砕! (8)全組合員の総行動で、勝浦市議選に勝利しよう! (9)一人ひとりが活動家となって、動労千葉の未来をかけて組織拡大を実現しよう!

 動労千葉への支援・連帯を

 3・4集会の第一の課題は、国鉄分割・民営化以来の最大の組織破壊攻撃である館山運転区―木更津支区廃止を粉砕し、一層の団結強化と組織拡大へ立ち上がっている動労千葉への支援・連帯の闘いに総決起することである。同時に動労千葉の闘いを先頭に日教組・自治労・全逓・国鉄などの4大産別解体―労組破壊攻撃粉砕の職場からの闘いをつくり出す大きな出発点にしよう。
 3月18日の「ダイヤ改正」で強行しようとしている館山運転区―木更津支区廃止、木更津運輸区新設攻撃は、二つの支部(館山・木更津)の団結を破壊―解体し、四つの職場にバラバラに配転する攻撃である。この組織破壊攻撃を粉砕するためには、廃止攻撃絶対反対路線で全組合員が強固に団結することが求められている。職場集会、総決起集会、千葉支社抗議行動、駅頭宣伝、当局追及行動を連日くり返し、それでも強行する場合、白紙撤回を要求してストライキに立ち上がる。この絶対反対路線を組合員との討論をとおしてねり上げ、確立し、そのもとに団結して闘いぬく。正しい路線―思想のもとでの団結が階級的労働運動の核心である。
 正しい路線―思想とは@労働者階級と資本家階級の非和解性―すべては力関係で決まる、A労働者は社会の主人公であることに誇りをもつ、労働者が団結すれば革命ができる、B労働者には国境はない、この3点を貫くことである。動労千葉は反合・運転保安闘争路線、1047名解雇撤回路線のもとで強固に団結して闘いぬいている。
 4大産別を中心とする労組破壊攻撃は、合理化―規制緩和・民営化、終身雇用制・年功序列賃金体系の破壊、戦後労働法制の解体―労働ビッグバン攻撃、低賃金・長時間労働として襲いかかってきている。
 さし迫る革命的情勢のなかで、プロレタリア革命に向かって労働者階級の党として、労働者細胞を先頭にこの労働組合をめぐる攻防に勝利しなければならない。それは党派闘争をとおして絶対反対路線を確立し、そのもとで組合的団結をかちとることである。

 改憲阻止闘争と一体で闘う

 3・4春闘総決起集会の第二の課題は、動労千葉を先頭とした労組破壊との闘いの前進をかちとり、それを土台に改憲と戦争攻撃に対して総決起することである。
 世界の帝国主義体制の危機がかつてなく激しく進行し、世界情勢は歴史的な大変動期に突入した。その核心は基軸帝国主義である米帝の、イラク侵略戦争の泥沼化による危機と没落である。それは、帝国主義間の争闘戦の激化―世界戦争への突入という情勢であり、米帝による朝鮮侵略戦争の切迫である。この中で日本帝国主義は「最弱の環」として絶望的な破綻(はたん)と危機に追いこまれている。安倍政権と御手洗・日本経団連はこのような国際情勢の重圧の下で絶体絶命的危機に追いこまれながら、戦争と改憲、労組破壊攻撃にうって出てきている。
 このような時代認識を明確にさせるならば、改憲と労組破壊攻撃は一体であり労組破壊との闘いに勝利することなしに改憲阻止闘争はありえないこと、その闘い自体が改憲阻止闘争としての決定的意義をもっていることが明白となる。改憲阻止闘争の出発点は、動労千葉を先頭とした20年前の国鉄分割・民営化反対闘争にあったのである。
 今春の改憲阻止闘争の最大の闘いとして3・18日比谷野音に総決起しよう。動労千葉を先頭に職場から労組破壊攻撃をうち破り、3・4春闘集会を成功させよう。日教組組合員―教育労働者を先頭とした教基法改悪反対闘争の高揚を引き継ぎ、卒業式の「日の丸・君が代」強制反対、不起立闘争に立ち上がろう。その成功のカギは労働者細胞の生き生きとした建設である。
--------------------------------
 館山運転区・木更津支区廃止反対!国鉄1047名解雇撤回!「日の丸・君が代」強制反対!改憲-労働基本権解体攻撃粉砕!
 3・4春闘総決起集会
 3月4日(日)午後1時半〜
 千葉県労働者福祉センター(千葉市中央区千葉港4-4)
 主催/国鉄千葉動力車労働組合

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2284号3面1)(2007/02/26 )

 改悪教基法に不起立で反撃を

 広島の教育労働者は闘う

 現場の力で日教組再生へ

 自らが核となり団結つくる

 

(写真 不起立で改悪教基法うち破ろう 日教組全国教研で訴え 2月10〜12日、日教組教育研究全国集会が大分県別府市で開催された。全国労組交流センター教育労働者部会は参加者にビラをまき、「『日の丸・君が代』不起立で改悪教基法を打ち破ろう」と訴えた。ともに国会闘争を闘いぬいた全国の日教組組合員から多くの共感の声が寄せられた。分科会などでは、教基法国会闘争や「日の丸・君が代」闘争の息吹が報告され、大きな反響を呼んだ。)

 今春「日の丸・君が代」不起立闘争で教育基本法闘争の第2ラウンドに突入しよう。改憲投票法案と教員免許更新制を柱とする教育3法改悪案を絶対に阻止し、改悪教育基本法をうち破る日常的な職場闘争に立ち上がろう。
 われわれ広島の教育労働者は、昨秋、教育基本法の改悪をなんとしても阻止したいと本気の闘いをやった。安倍内閣が発足した9月26日の臨時国会開会日には国会前に登場して挑戦状をたたきつけた。それは、その後の数次にわたる国会前集会の先駆けとなった。原爆ドーム前でハンストを闘い、10・26日教組緊急集会では壇上に駆け上がって森越委員長の不在を弾劾した。
 教育基本法改悪阻止闘争の高まりの中で決定的に明らかになったことは、日教組本部の体制内労働運動と根底的に決別し、闘う組合員の手に日教組を取り戻さない限り、闘いの前進は一歩もありえないということだ。職場の団結を基礎に、11月労働者集会に1万人の階級的労働運動派を結集させる力をつくりあげ、その力で組合権力をとる。この闘いを必ずやりきることをわれわれは決意した。
 教育労働者の誇りと魂をかけた現場組合員の怒りと決起は、右翼・八木秀次らに土下座した森越執行部とは断じて相いれない。12・8日教組緊急集会で組合員が掲げた「森越はクビだ!」の横断幕は30万組合員の声であり、執行部は事実上打倒されたのも同然だ。
 今こそ現場労働者の怒りで、闘う日教組を再生させよう。われわれはこれまであった日教組を再生させるのではない。体制内労働運動をのりこえ、階級的労働運動を闘う日教組を再生させるのだ。そのために自らが核となり指導部となって労働者の団結をつくり出そう。「帝国主義に歯向かっても労働者はかなわない」「闘っても無駄」――そんな奴隷の思想を吹き込む奴隷頭、労働代官たちを、労働組合からたたき出そう。

 「愛国心」に対置するのは革命だ

 安倍がいくら「美しい国へ」と連呼したところで、1000兆円もの借金を抱え、夕張市どころではない国家的大破たんにあえいでいるのが日本帝国主義だ。日本経団連・御手洗が「日本の衰亡を語り、ことさらに欠点をあげつらい、世を憂うことに何の意味があるだろうか」と言っているように、権力を持って好き勝手にしているように見えるやつらこそ、実は支配の危機に脅え、「残された時間は10年程度」と苦悶(くもん)にあえいでいる。だからこそ教育で愛国心を植えつけ、労働者と資本家の階級対立を覆い隠し、労働者が立ち上がるのを抑え込もうと必死になっているのだ。
 今の現実に目を向ければ、まさに問われているのは革命だ。
 われわれ労働者の生き血を吸っているのは誰だ! 派遣会社に10円単位で人件費切り下げを迫りながら、「いざなぎ景気を超える戦後最長の景気回復」などと言っているのは誰だ! もはや暴動が起こらないほうが不思議だ。安倍自身が「貧しい労働者が増えればやがて革命につながる」と言っているように、最もリアルに今にも革命が起きかねないと恐れ、枕を高くして寝ることもできないのは支配者の側だ! もはや労働者が生きていくにはこの社会を根本的にひっくり返すしかない。「愛国心」に対置するのは「革命」だ。
 安倍や御手洗は自らが生き延びるために戦後労働法制を一掃し、改憲で戦後社会を一変させようと熾烈(しれつ)な攻撃をかけている。
 その攻撃と対決する主戦場はどこか。それは労働組合をめぐる攻防だ。国鉄分割・民営化、郵政民営化、教育基本法改悪、そして今度は「労働契約法」をつくり労働組合を有名無実なものにし、労働組合の存在を解体一掃しようとしている。しかし、彼らが最も恐れているものが、この労働者の団結だ。
 通常国会で安倍が最重要と位置づけている教員免許更新制は、中川昭一が「デモで騒音をまき散らす教師は免許はく奪」と言うように、日教組の活動家を排除して日教組を解体することが最大の狙いだ。教育再生会議の第1次報告は、「中教審が講習を受けるだけで更新されると答申したのは生ぬるい」と言って、「講習受講のみだけで更新するのでなく、厳格な修了認定を」「改善が図られない指導力不足教員は教員免許状を取り上げる」とした。
 国鉄分割・民営化の手法と同じ、いったん全員解雇・選別再雇用ということだ。しかも1回だけでなく数年おきに首切りがやってくる非正規雇用化であり、「踏み絵」による分断攻撃だ。
 「国鉄分割・民営化を忘れるな!」――これこそ今教育労働者が胸に刻まなければならない言葉だ。
 国鉄分割・民営化で学ぶべき教訓はなんだったのか。200人もの自殺者が出る中で、民営化に断固反対してストライキを打ち抜いた動労千葉だけが唯一団結を守り抜き、現在も国鉄1047名闘争の軸となって民営化の国家意思を粉砕している。動労千葉の道を進むことこそ、闘う日教組再生の道だ。日教組30万組合員が「戦争教育を拒否する」組織的抵抗闘争に立ち上がれば、改悪教育基本法を紙切れにし、教育という国家機構の末端から巨大な反乱を起こすことができる。

 一切を決める職場での闘い

 一切を決めるのは職場での闘いと団結である。われわれの諸権利はこれまで、憲法や教育基本法があるから守られてきたのか。そうではない。すべて現場労働者が実力で闘いとってきたのだ。
 勤評闘争、全国学力テスト闘争、主任制闘争など、いずれもストライキをやり、何万人もの処分を出し、裁判をやりながら現場労働者が徹底的に闘って初めて法律がそれなりに生き、労働者の権利が後追い的に承認されてきたに過ぎない。
 「『日の丸・君が代』の強制は違憲・違法」と断じた東京地裁の9・21判決もしかり。憲法が自動的に石原の「10・23通達」を止めたのか? いや、3年間で345人もの戒告・減給・停職を出しながら現場労働者がクビをもかけて闘ったからこそ、「10・23通達」を紙切れにすることができたのだ。3年間にわたる現場の不起立闘争こそ、9・21判決を導き出し、安倍の教育基本法改悪攻撃を核心部で粉砕する闘いとなっているのだ。
 「日の丸・君が代」不起立闘争は個人的な価値観や信念といった「思想・信条の自由」だけの問題ではない。それは、帝国主義を打倒する教育労働者の階級的団結による組織的抵抗闘争となった時に勝利の展望を開くことができる。
 こうした不起立闘争こそ職場支配権を教育労働者の手に奪い返す決定的闘いであり、現場から改悪教基法を葬り去る闘いだ。それは戦争協力を拒否する全労働者に開かれた階級的な闘いだ。そういう戦略的展望の広がりをもった教育労働者の自己解放闘争として、今春の不起立闘争を闘おう。

 闘って労働者の誇り取り戻そう

 広教組本部は、文科省―県教委による「是正指導」に完全に屈服し、「着席だけが闘いではない」「職務命令が出たら従え」「勝てない争いはしない」と現場の不起立決起を徹底的に抑圧してきた。しかしその結果どうなったのか。職場支配権は校長・管理職に奪われ、意味のない報告書づくり、深夜までの残業に追われ、過労死も続出している。
 これ以上仲間たちの、われわれの命を奪われてたまるか! 現場には「もういい加減にしろ」という怒りが渦巻いている。この怒りを40秒間のストライキ―不起立闘争でとことん解き放とうではないか。
 われわれは国家・資本の奴隷ではない。「国のために死ね」という教育は絶対にしない。教え子を再び戦場に送らない。この日教組組合員としての、教育労働者としての誇りを取り戻し、不起立闘争に決起しよう。ここから闘う広教組、闘う日教組を再生させよう。
 闘う広島の教育労働者は、階級的労働運動の先頭に立つ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2284号4面1)(2007/02/26 )

 農地法で土地収用 市東さんの農地守れ

 攻撃の背景は何か

 松岡・農林水産大臣による市東孝雄さんへの1・29農地強奪決定(行政不服審査請求への棄却裁決)は、国家権力による法のねじまげという次元を超えた「法の転覆」である。理屈を超えて「三里塚闘争をつぶす」というむきだしの国家意志だ。われわれは、反対同盟との血盟にかけて、この1・29決定に示された三里塚闘争破壊攻撃に反撃するため、全力で立ち上がる。3・25全国集会を何がなんでも成功させなくてはならない。3・18イラク反戦・全世界一斉デモと一体で軍事空港粉砕・改憲阻止の闘いとして爆発させよう。本稿は、三里塚闘争つぶしの背後にある日本帝国主義の農業政策の大転換を明らかにする。日本農業の解体へ暴走し始めた安倍・御手洗路線の現実を暴き、プロレタリア革命の同盟軍としての農民闘争の重要性と労農同盟の意義について提起したい。
(写真 無農薬・有機野菜が栽培されている市東孝雄さんの畑【成田市天神峰】)

 農業・農民切り捨ての新農政

 市東さんの農地は、現憲法下で私有財産を剥奪(はくだつ)する法律の最高位に位置する土地収用法で40年かかっても奪えなかった農地である。収用法が失効に追い込まれ、ほかのどのような法律をもってしても強制的には奪えないことが確定した農地だ。それを法目的が180度逆の農地法で、しかも申請からわずか6カ月で、国の名において「収用」すると決定したのである。
 市東さんへの「農地法による農地取り上げ」という、法律的にはありえない攻撃がなぜまかり通るのか? この攻撃の背後には、日帝ブルジョアジーの延命をかけた戦争・民営化路線と一体の新農業政策=農民切り捨ての決断がある。
 新農政の柱は「農地法の廃止」であり、小規模農家からの半強制的な農地の取り上げ政策だ。戦後民主主義の土台を形成してきた戦後農地改革の理念と実体(自作農主義と耕作者主義)を転覆させようとしている。
 新農政の骨格は、財界(日本経団連、日本商工会議所、経済同友会、日本貿易会)のシンクタンクである日本経済調査協議会(日経調)が昨年5月29日に出した「農業最終提言」として打ち出された。1980年代の中曽根臨調(臨時行政調査会=国鉄分割・民営化の推進母体)以来、20年以上にわたる規制緩和・民営化路線と一体のものとして積み上げてきた農業政策提言を最終的に結論づけたものだ。
 日帝ブルジョアジーは昨年6月、「担い手新法」(品目横断的経営安定対策法)を成立させ、「農地の集約化」(300万農家を40万にリストラ)に向けて補助金全廃の措置に踏み出している。日経調の最終提言は、この担い手新法による農業切り捨てを一層ドラスティックに断行しようとするものだ。これらを称して「農業ビッグバン」と言い出している。
 具体的には次の5点である。
 (1)2015年までに300万戸の農家を14万の経営体に減らす。農家ではなく「経営体」である。現在の家族農業は完全に解体
 (2)14万の経営体が全耕地面積の8〜9割を経営
 (3)戦後農地法を廃止
 (4)食料安全保障は有事法制に組み込む
 (5)食料自給率の達成目標は放棄
 向こう7年で95%の農民をリストラするというすさまじい内容だ。担い手新法は「通過点に過ぎない」と明言した。
 中でも重大なのは、戦後農地制度そのものの抜本的変更に踏み切ったことだ。土地制度の抜本的改変は、歴史的に革命やクーデターが問題になるようなテーマである。
 1960年の農業基本法農政以来、農業政策の柱は低賃金労働力を大量に生み出すことと農地の集約化だったが、後者は40年以上ことごとく失敗してきた。その理由は、農村を保守政権の権力基盤にしたため、戦後農地改革の地平を転覆させることができず、農民から農地を引きはがすことなど不可能だったからだ。
 ところが最終答申は、この問題を強制的に進めるテコとして農地の優遇税制廃止に踏み込んだ。優良経営体以外には、固定資産税や相続税の優遇措置を撤廃して、強制的に農地を手放させる政策である。特に都市に近い農地は、莫大(ばくだい)な固定資産税、相続税が課され、家族農家の多数が農地を手放さざるをえなくなる。
 まさに現代のエンクロージャー(土地囲い込み)=農民追放政策である。「労働ビッグバン」で19世紀の工場法以前に歴史を逆戻りさせ、農業ビッグバンでは16世紀にまで歴史を逆回転させようというのだ。これは、戦後革命の獲得物としてあった「農地改革」の完全な転覆だ。農地法の廃止とは、そういう次元の攻撃なのだ。
 これが安倍政権の「戦後レジームからの脱却」の一方の柱なのだ。このようにして、戦後日本農業を土台から破壊し切り捨てる政策が一気に動き出した。改憲攻撃の実体そのものである。

 自給政策放棄しアジア侵略へ

 さらに重大なのは、食料自給政策自体を放棄し、有事体制としての食料安保を提言していることだ。
 前述の「300万農家を14万経営体に」という方針自体が破産必至だ。「世界を舞台にした攻めの農業」と称して、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の全面展開に対応した競争力のある国内農業を想定しているが、空論に近い。オーストラリアの農家1戸平均面積は日本の2千倍以上=約3千fに及ぶ。「輸出で勝負する攻めの農業」という想定自体成り立たないのだ。
 日経調自身も、成功するとは考えていない。答申の趣旨は「食料は輸入でまかなう」なのだ。さらには、「食料問題は安保問題であり、有事法制の中に明文化すべき」とまで言い切った。
 日帝ブルジョアジーは「国内で作っていては割高になる品目を安定的に輸入できるようにする。それが食料の安全保障政策の基本だ」(06年12月7日付朝日新聞社説)という立場に転換したのだ。本気で日本の農業撲滅を主張しているのだ。そこまでドラスティックに産業構造の変革を決断しないと、「グローバリズム」=帝国主義間争闘戦に立ち遅れ、生き残れない、とすさまじい危機感にかられている。
 これは、東アジア共同体構想と一体となったアジアの食料基地化構想である。すべてを海外に依存する「食料政策」は、自民党の内部に動揺を引き起こしているが、日経調は、日帝支配階級の意志として「アジア食料基地化」の路線を決断したのだ。
 アジアを食料基地にするという以上、いついかなる場合にも食料は絶対確実に確保されなければならず、これはアジア勢力圏化とそれを保障する軍事的飛躍と完全に一体である。
 これは完全に戦前への回帰である。70年前は植民地の朝鮮と台湾が日本の食料基地であった。これと同じ政策を強行しようということなのだ。
 日帝支配階級が決断した新農政=農業切り捨て政策は、まさに憲法を改悪し戦争体制づくりを急ぐ安倍・御手洗路線の一方の柱なのである。
(写真 日豪FTAに反対する農民【北海道 06年12月】)

 三里塚闘争は改憲阻止の闘い

 日帝支配階級が農業政策を放棄する政策に踏み出したことは、階級支配の危機が極点に達していることの表明だ。それは帝国主義の「城内平和」政策の放棄なのである。
 農業政策とは、自然条件や生産条件の特殊性から、工業と比べて必然的に生産性が低くなる農業部門を保護することで、階級支配の動揺を抑え込むための社会政策だ。資本主義のもとでは農業問題の自立的解決ができないことは歴史的にも証明されている。
 日帝支配階級は、その農業分野を切り捨てることを決断した。危機の深さは尋常ではない。農業政策の放棄とは、統治の放棄に等しい。日帝支配階級は現実的な統治能力を喪失したのである。
 市東さんへの耕作権取り上げ―農地法の転覆は、以上のような農業破壊・農民抹殺攻撃を背景に強行されている。だからこそ「農地法による農地取り上げ」という、常識では考えられない攻撃がまかり通っているのである。
 戦後農地法の廃止は、教育基本法改悪、労働法改悪攻撃と並ぶ改憲攻撃の柱のひとつだ。市東さんの農地を守る闘いは、改憲阻止闘争の大きな柱なのだ。

 労働者と農民は革命の同盟軍だ

 日帝支配階級は、本気で日本から農業を抹殺しようと考えている。グローバリズムという名の帝国主義間争闘戦で絶望的に立ち遅れている日帝支配階級は、ただ資本の延命のために、労働者に対する民営化・低賃金の資本攻勢をかつてない規模でかける一方、それと表裏一体の攻撃として農民切り捨て・農業破壊の新農政を決断した。
 「農業のない社会はありえない」「農業のない社会は成り立たない」――これは人類の歴史の真実だが、瀬戸際に追いつめられた日帝ブルジョアジーは、いわば「農業のない社会」という理不尽なことを本気で考えている。
 300万戸の農家―1千万農民は、このような農業切り捨ての中では生きていけなくなる。1千万農民の反乱は不可避である。農業分野=土地制度問題において、革命が現実に問題となるような攻撃が具体的に動き出したのである。
 帝国主義を倒さなければ300万農家の未来はないという問題が突きつけられているのだ。帝国主義との関係で、6千万労働者と完全に同じ境遇に置かれているのだ。労働者と農民が手を携えてプロレタリア革命の同盟軍として闘うことが死活的なのである。
 日本とオーストラリアのFTA、EPAの本格交渉が始まっている。すでに豪州産品に対する関税は農産物を除けばゼロになっており、日本が自動車や電気・電子製品を売る見返りに差し出す生けにえは農産物しかないのが現状だ。
 こうして、乳製品、牛肉、砂糖、小麦など重要品目の関税を撤廃すれば、北海道経済は1兆4千億円もの打撃をこうむり、壊滅すると言われている。ここまであからさまな抹殺宣言を下されて、黙っている農民はいない。総反乱に立ち上がる機運が本格的にみなぎっている。
 北海道では昨年12月12日と1月19日、農民たちが大規模なデモに立ち上がった。ほかの県や市町村でも「農業切り捨て反対決議」が続々と上がっている。まさに日本全国で農民反乱が開始されている。
 重要なのは、労働者と農民の分断を打ち破って団結して闘うことだ。農産物輸入=農業切り捨ての結果、食料品の値段は安くなっているが、それは労働者の賃金を抑えるための政策である。
 「労賃を抑えるための農産物輸入」――まさに農業切り捨てが労働者窮乏化の土台を形づくっている。労働者と農民の利害はひとつ、帝国主義の打倒である。
 〔斉田猛〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2284号5面1)(2007/02/26 )

 米軍再編粉砕・朝鮮侵略戦争阻止を

 V字案・振興策への屈服許さず辺野古新基地建設阻止しよう

 4・28-5・15安保・沖縄闘争の課題

 革共同沖縄県委員会

(写真 「これ以上基地を沖縄につくらせるな!」県民大会に3万5千人が結集し「辺野古沿岸案反対」の総意を日米政府に突きつけた【06年3月5日 宜野湾市海浜公園】) )

 動労千葉ストライキを先頭とした07春闘、イラク反戦、改憲投票法案・改憲阻止、三里塚闘争勝利を軸に、3・18を頂点とする3月大行動が闘われようとしている。これは日帝・安倍の戦争・改憲と民営化(労組破壊)攻撃への大反撃の闘いだ。この闘いの中で今春の4・28−5・15安保・沖縄闘争は、日帝にとっての致命的弱点、労働者階級にとっての帝国主義打倒に向かって強力な武器としての位置をもっている。階級的労働運動路線の成否をかけ、沖縄−本土の労働者が一つの階級として総団結していくために、米軍再編粉砕、安保・沖縄闘争を全力で闘おう。

 侵略戦争へ動き激化

 日米帝の米軍再編攻撃は、労働者階級人民との鋭角的対立を深めながら、見切り発車、強行突破として推し進められ、それに伴って急激に、沖縄に戦場さながらのキナ臭さがただよってきている。
 その最大の要因は、米帝のイラク敗北情勢、そこからの絶望的巻き返しとしての対北朝鮮(中国)侵略戦争への衝動が異様に強まっていることにある。昨年末から07年新年にかけて、米軍基地の強化、演習の激化、それに伴う事故などが次々と起こり、労働者人民の怒りが高まっている。この間の沖縄の米軍(自衛隊)、基地動向をあげてみると、表のようにすさまじい状況だ。
 これらに先立つ昨年11月に、硫黄島近海で中国領・釣魚台(「尖閣列島」)への中国軍の侵攻を想定し、これを奪還するというきわめて大規模な日米共同演習が行われていたことが明らかとなっている。沖ノ鳥島を釣魚台に、硫黄島を沖縄本島に見立て、海自がイージス艦など90隻、P3C対潜哨戒機など航空機170機などを動員した海自の(別の)演習とセットという、カムフラージュのもとに行われた。これには米空母キティホークなど十数隻も加わっている。このほかにもSACOで合意された自衛隊と米軍の共同演習・訓練が次々と行われている。
 これらは「与那国、八重山、宮古など先島地方に中国軍が上陸してきたらひとたまりもない」という排外主義の大々的なキャンペーンを伴っている。
 このように日米帝は朝鮮侵略戦争の発動へむけた軍事行動を激化させている。同時にそれは「占領軍による傍若無人の振る舞い」以外の何ものでもなく、沖縄の労働者人民の怒りをかきたてている。

 辺野古第2ラウンド

 米軍再編攻撃との闘い、安保・沖縄闘争は、いよいよその大きさを増している。イラク戦争下の在沖米軍の行動に見られるように、今日の沖縄の現実は、「改憲を待たずにすでに戦争を始めようとしている」と言っても過言ではない。
 一方、日(米)帝の必死の反動攻撃に大きく立ちはだかっているのは、改憲を阻止している日本労働者階級の底力である。その中で沖縄の労働者人民の怒りと闘いの存在は大きい。重要なことは、依然として主導権を持っているのは労働者階級人民の側だということだ。その闘いの最基軸は普天間基地の名護・辺野古への移設を阻止する闘いである。辺野古新基地建設阻止の攻防はいよいよ重大局面を迎えた。闘いの大爆発の過程に入る。
 2月9日、安倍政権は米軍再編特別措置法案を閣議決定、国会に提出し、今国会での成立をめざしている。これは日帝・安倍による「戦争のできる国となり戦争へ突入する」ための改憲攻撃の重要な一環である。防衛庁の「省」昇格とともに、日帝・安倍の諸攻撃の中での米軍再編問題の大きさをあらためて確認する必要がある。
 米軍再編全体に総額で1兆円にも達する膨大な予算をつけ、執行に踏み切ることになる。その特徴は、膨大な額であることとともに、米軍再編への自治体の協力(屈服)に対して出される各種振興策(買収費)において「出来高払い」をうたっていることである。基地や部隊の受け入れ度合い、進行に応じて金を段階的に小出しにするというものである。
 今や日帝の手先と化している島袋名護市長や仲井真県知事は、基本的には米軍再編の軸をなす普天間基地の名護・辺野古への移設(政府「半分埋め立て・V字型滑走路」案)に屈服し合意している。しかし「政府案丸のみ」が人民の怒りに火をつけることを恐れ、ペテン的な「修正案」(V字型2本の滑走路を含む政府提案の形状のまま100b〜300b沖合に移動させるというもの)を出した。沖縄人民に差別的、抑圧的に米軍再編、侵略基地要塞化を押し付ける政府に対して、沖縄の人民の気持ちを代弁するかのようなフリをしている。人民の怒りに火がつくこと、全面激突になることをかわそうとしているのだ。(特に現在的には4月統一地方選挙−参議院沖縄補欠選挙、宜野湾市長選挙が仲井真をしばっている)
 これに対しても政府は「米国と正式に合意したものであり、修正はあり得ない」と拒否している。
 このようにして現在、辺野古新基地建設の手続きとしては環境アセスメントに入る段階でストップしている。ペテン、茶番とはいえ沖縄県、名護市との「対立」に対し、政府は、この米軍再編特別措置法をもって「百パーセント政府案をのまなければ振興策は一円も出せない。出せば法律違反である」と言い放ち、まさに札束で島袋や仲井真のほおをたたいている。
 要するに彼らにはまったく余裕はないのだ。何より一片の正義性もない。ここが肝心なところだ。辺野古新基地建設阻止の闘いは、SACOに基づく新基地建設−ボーリング調査阻止海上戦の
完全勝利の上に第2ラウンドに入った。

 巨万労働者の決起で

  政府は、地元沖縄に対して恫喝一辺倒で辺野古新基地建設、環境アセスへの着手を急いでいる。政府は新基地の完成が8年かかるとし、環境アセスに関しても大幅に短縮して1年、サンゴの調査に関しては本年6月までに終えたいとしている。環境アセスは、本質的にはこの基地建設に法的な大義名分の一つを与えるものとはいえ、あまりにもデタラメなやり方で進められようとしている。
 また政府は、仲井真知事がどんなに拒否しても、法的には環境アセスを拒否できないと脅している。また「環境アセスではない予備調査」として実質的な調査を始め、収集したデータは、環境アセスが正式に着手・完成すればそれに使うとも言っている。まさに法律も何もあったものではない。古今東西、「法」を破る為政者は必ず打倒されるのだ。
 今春、辺野古現地の闘いは完全に激突過程に入る。三里塚の闘いがそうであったように、体を張った実力闘争、ここにこそ一つの重要な勝利の原点がある。なぜか。この命がけの闘いは、人民の心を奥底から揺さぶり、一切の幻想と、日本共産党やカクマルのような労働者人民の味方面をした「まがい物」「抑圧・規制装置」を一瞬にして吹き飛ばし、圧倒的な労働者人民の決起を可能にするからだ。いま一つ重要な勝利の原点は、この現地実力闘争と結びついてこの社会の一切を動かす労働者の決起である。労働者(ゼネスト)は戦争を止める力を持っている。逆説的に言えば、基地を建設する(賃金のために、させられる)のも労働者なのだ。
 命を守る会を先頭に、現地での体を張った闘い、これを十重二十重に包み込む巨万の労働者の決起(現地結集)を実現しよう。それはまた、安倍・御手洗路線と対決し労働組合を階級的に再生する闘いと一体の闘い、相互・相乗発展の関係にある闘いでもある。
 4・28には辺野古新基地建設阻止の第2ラウンドの開始、辺野古現地大結集が呼びかけられている。大挙結集しよう。
 さらに米軍再編特措法は基地労働者の首切りを迫る。沖縄の労働運動の帰趨(きすう)を握る基地労働者がいや応なく決起する。
 米軍再編との闘い、その最先端、辺野古新基地建設阻止闘争は、安保・沖縄闘争の根幹、すなわち日帝打倒の「火薬庫」に火をつける導火線だ。
 3・18を頂点とする3月大行動の爆発を全力でかちとり、4・28辺野古現地闘争から5・15(5・13嘉手納基地包囲闘争)に総決起し、安倍・御手洗の戦争と民営化、改憲攻撃を木っ端みじんに粉砕しよう。

-----------------------------------------------------------

 最近の沖縄米軍・自衛隊動向

06年12月末 06年10月に反対を押し切って嘉手納基地に搬入されていた米軍の迎撃ミサイルPAC3が稼動開始

07年1月26日 米軍が嘉手納基地で8年ぶりにパラシュート降下訓練。降下訓練は伊江島で行うとのSACO合意に違反と怒りが高まるが、政府は訓練を容認。うるま市津堅島沖でも海上パラシュート降下訓練を実施

1月29日から 在沖陸自第1混成団と米海兵隊が初めての共同訓練。米軍が路肩爆弾への対処などを伝授

1月から2月 米海兵隊普天間基地のヘリ部隊がブッシュの増派方針でイラクへ。フィリピンへの演習派遣も含めヘリのほぼ全機が普天間から出動

2月1日 米軍が伊江島でのパラシュート降下訓練で演習場外(民家から40b)に降下

2月初め 沖縄北部ダム貯水池に米軍が弾薬などを大量投棄

2月10日 米軍の最新鋭戦闘機F22Aの嘉手納基地配備に反対して平和運動センターなど5団体主催で第1ゲート前(封鎖)集会。10、11日は配備見送り

2月13日 米軍がキャンプ・シュワブ―辺野古沖海域で8年ぶりにパラシュート降下訓練。反対派は海上阻止闘争

2月13日 辺野古に隣接する宜野座村の民間地域で武装米兵が銃口を住宅や国道329号線に向けて訓練

2月14日 米軍ヘリ2機が金武町民間地域の駐車場へ不時着

2月17日 嘉手納基地に米軍F22A12機のうち2機が到着。海外初配備、続く18日に8機到着。

------------------------TOPへ---------------------------