ZENSHIN 2007/01/01(No2277 12頁)
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週刊『前進』(2277号1面1)(2007/01/01)
獲得すべきは全世界
青年労働者からの新年アピール
労働者が歴史をつくり社会を変革する
連合・全労連指導部を打倒し職場から青年労働者の反乱を
(写真 青年は弾圧を恐れず教基法改悪阻止へ先頭で闘う【2006年12月15日 国会前】)
はじめに
「労働者が自らのもつ力と可能性を自覚し、社会のすべてを動かしているのは労働者であるという誇りを取り戻そう。われわれ労働者階級こそ、歴史をつくり、社会を変革する主体であることを真っ向から宣言しよう」――11・5全国労働者総決起集会で私たちはこう宣言しました。
労働運動の本当の目的は金ではありません。資本家が利潤を得るためだけに労働者が生かされ、賃金と引き替えに労働者はますます人間性を奪われていく――こうしたあり方を根本から覆すために闘うのが階級的労働運動です。労働者が資本家にとって代わって権力を握り社会を運営する、その力を自覚し身につけるのが労働組合です。
11・5労働者集会は、この階級的労働運動が全世界を獲得する歴史的な出発点となりました。この陣形と内容が、日本、韓国、アメリカ、世界でもっと広がることでこの社会を変えることができます。目の前に革命の現実がある、これからの私たちの闘いによって革命が実現できる、ここに確信をもとう!
労働者は帝国主義の世界支配を揺るがす
労働運動の力で革命をやろう。今ほどその現実性が明らかな時はありません。
一見強大に見える敵も、組織された労働者の闘いで打ち倒すことができる。世界の労働者の闘いがそのことを示しています。フランスでは、青年を理由なしで解雇できる「初期雇用契約」の制定に対して、300万人の労働者・学生がゼネストとデモに立ち上がり、これを撤回させました。アメリカでは、労組指導部の裏切りをのりこえ、移民法案粉砕の1000万人のメーデー決起が街をストップさせました。韓国では、民主労総が非正規雇用撤廃のゼネストを闘い、ノムヒョン政権退陣の闘いを展開しています。
どんなに悪法を数の力で成立させようが、どんなに既成指導部が屈服しようが、どんなに国家権力が暴力で抑えつけようが、労働者は絶対に立ち上がるし絶対に負けない。
戦争と貧困を労働者に強制する帝国主義社会は永遠ではありません。労働者が団結して立ち上がれば世界を変えることができる。決定的なことは、世界の労働者を金と暴力で支配してきたアメリカ帝国主義が大きく破綻(はたん)を開始しているということです。イラクで、中南米で、アジアで、アメリカ帝国主義の世界支配を成り立たせていた根本が揺らいでいます。
帝国主義と暴力の象徴である傲慢(ごうまん)なブッシュが、イラク侵略戦争で悲鳴をあげています。イラク人民の闘いとアメリカ労働者の怒りは、中間選挙でブッシュの敗北を強制し、ラムズフェルド国防長官を辞任に追い込みました。ブッシュは戦争の失敗を公然と認め、何の展望もないまま増派に踏み切ろうとしています。
ブッシュの中東・石油支配はガタガタです。ブッシュは危機をのりきるためにも世界に戦争を拡大していくしかありません。イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しし、言うことを聞かなければ戦争をやるぞと脅してきました。しかし体制の危機に陥っているのはアメリカ帝国主義自身です。貿易赤字、財政赤字も増え続け、特にイラク―アフガニスタン戦争の膨大な戦費が財政赤字を膨張させています。アメリカ経済の崩壊を引き延ばしてきた「住宅バブル」もついに崩壊過程に突入しています。アメリカの労働者は、住宅価格の上昇分を担保に金を借り、消費に充ててきました。それも限界です。ドル暴落を食い止めてきた世界中からの膨大な資金の流入も、危機に直面しています。日本政府も1000兆円を超える借金を抱え、もはやアメリカ経済を支えるどころではないのです。
それだけではありません。アメリカ帝国主義があらゆる暴力で制圧し、かいらい政権を金で操り事実上植民地としてきた「裏庭」から、ベネズエラを始め反米政権が続々誕生しています。中南米では徹底した規制緩和・民営化で格差が激しく進行し、4人に1人が1日2j以下の生活を強いられてきたのです。「もう我慢ならない!」――何千万という労働者の怒りがブッシュを足元から揺さぶっています。
小泉政権は06年春「東アジアEPA(経済連携協定)構想」を発表し、アメリカを排除した「東アジア共同体」づくりに進もうとしました。ブッシュは全アジア太平洋のFTA(自由貿易協定)を提起しています。同盟を結んでいる日本とアメリカがアジア市場をめぐって激突せざるを得ないのです。ブロック化と世界戦争を回避するために自らがつくったWTO(世界貿易機関)も破産したということです。第2次世界大戦のようなブロック化=市場をめぐる勢力圏争いとして帝国主義の矛盾が進行しています。日米帝国主義は世界戦争に向かって対立を深め激突し合い、日韓米労働者は世界革命に向かって団結を固めているのです。
革命はやって当然!安倍なんかクビだ!
こうした情勢の中で安倍政権が登場しました。教基法改悪強行は重大な戦争攻撃です。安倍は小泉とも一線を画した戦争突撃内閣になろうとしています。しかし、安倍も小泉改革の破産を背負う以外にありません。ここに安倍の危機と凶暴性があります。
安倍政権は国と地方を合わせて1000兆円を超す債務を抱えています。増税も公務員首切りもこの危機を解決することはできません。東アジアを中心とする経済的勢力圏をいまだ形成できていません。そして、帝国主義としての軍事力を持ち、戦争のできる国家に飛躍できていない現実があります。安倍はここからの突破をかけて9条改憲に突進しているのです。
結局、小泉−奥田の「改革」は何ひとつうまくいかなかったのです。日本帝国主義の延命の道は徹底的に格差社会を広げることと戦争以外にありません。資本家、大銀行救済のためには国家財政を投入しろ、企業には大減税、政治献金もガンガンやらせろ、生活保護なんか必要ない、8時間労働制をなくせ、残業代は払わない、好き勝手に解雇をさせろ、これが資本家の要求です。
御手洗日本経団連会長が先頭に立って、愛国心教育と9条改憲をやれ、労働者保護規定をなくせ、と叫んでいます。本来未来をつくり出すべき青年労働者が働くほど貧困になり、子どもを産み育てることもできず、未来が奪われています。何が「美しい国」だ。「企業は減税、労働者は増税」と訴えた本間税調会長は、私欲のために血税を使って辞任した。何が「愛国心」だ。安倍の言う「愛国心」などやらせと金と暴力で強制する以外にないものじゃないか。「美しい国」を掲げる安倍政権こそ腐敗し、人間として最も醜い姿をさらけ出したのです。これが帝国主義の正体だ。
青年労働者の仲間のみなさん! こんな社会はぶっ壊して当然です。革命をやって労働者の手でつくり替えるべきだ。「労働者階級はこの革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得すべきは全世界だ」(『共産党宣言』)。160年前に青年マルクスが発したこの宣言が、いま私たち青年労働者の魂の叫びです。人間が商品としてしか扱われず、カネで支配される資本主義社会は血の通った労働者の人間的団結で打倒する以外ありません。
帝国主義の支配と暴力が人間そのものを奪い尽くすものであるならば、私たち青年労働者はそれを打倒する怒りと暴力を復権し、奪われた人間性の一切を取り戻す以外にないのです。
(写真 “安倍打倒”を掲げ都内をデモ行進【06年9月23日】)
4大産別決戦勝利で労働運動を変えよう
06年は全世界で戦争と抑圧の攻撃に対して労働者が闘い、帝国主義に挫折を強いてきた1年でした。07年は、労働者がつくり出したこの帝国主義の危機と対決し、とてつもなく大きな闘いをやれるところに来ています。
「貧しい労働者が増えると革命が起こる」(安倍首相)、「格差と貧困が原因で紛争が多発している。先進国もその例外ではない」(奥田日本経団連前会長)――資本主義社会が崩壊していく危機を資本家や安倍がひしひしと感じ、労働者の革命にビビっているのです。革命をやる力ある労働運動を私たち青年労働者の手でつくろう。青年労働者、労組青年部こそが社会を根本からつくり変える労働運動の決定的存在なのです。
教育、自治体、郵政、国鉄の4大産別が決戦です。「日教組と自治労を壊滅させる」と安倍政権が言っているのはなぜか。国家機構の内部からの労働者の反乱は権力そのものの崩壊につながるからです。ここに安倍の弱点があり、革命の展望がある。支配階級は、この団結を壊滅しなければ戦争も改憲もできないのです。
中曽根元首相は新憲法を作るために国鉄分割・民営化を強行し、国労・総評を破壊しましたが、動労千葉は二つのストライキで反撃し今日まで組織と団結を守り抜いています。1047名の闘いがJR体制と対決しています。小泉は改革の柱として郵政民営化法を成立させましたが、現場労働者の闘いで民営化は破綻に追い込まれ、安倍政権の支持率は急落しています。いま安倍が背負っているものは労働者支配の一切の破産です。
労働者の側からすれば、4大産別決戦の中に団結を取り戻す闘いがあるということです。民間も未組織も公務員も、分断を越えて一つになる時です。今こそ、労働運動の力で革命をやる闘いを全産別でよみがえらせよう。
にもかかわらず、既成の労働組合幹部はここに対する確信がまったくない。連合中央は安倍に頭(こうべ)を垂れ、連合全体を改憲勢力へと引きずり込もうとしています。ふざけるんじゃない! 労働者には世の中を変える力はないのか。断じて違います。労働者は団結して闘えば勝てる。教育労働者のクビをかけた闘いがそのことを指し示しています。
「君が代」不起立闘争で日教組再生しよう
安倍政権を根底から揺さぶっている教育労働者の闘いを産別を越えた労働者の力で発展させ、革命をやる力ある闘いとして労働運動をつくりだそう。教育基本法改悪の目的は日教組解体であり、教育労働者を格差教育と戦争教育の担い手にすることです。そうする以外に安倍政権は生き残れないところに追い詰められています。
しかし、この攻撃は必ず破産します。どれだけ強制や暴力で弾圧しても、教育労働者は絶対に屈しないからです。弾圧こそ闘いと団結のチャンスです。教育労働者は「日の丸・君が代」不起立闘争をつうじてつながり、団結を固めてきました。教基法改悪の強行は絶対に許せません。しかし敗北感は一切ありません。闘う教育労働者は胸を張り生き生きと輝いています。
いよいよ反撃の時です。教基法決戦と国会闘争の中で教育労働者の団結が拡大しました。昨年12月8日の日教組集会では「森越はクビだ」という横断幕が掲げられ、「現場で闘う私たちが日教組だ」と力強い宣言が発せられました。「座り込み方針を自ら否定し、闘って勝とうという路線も方針も投げ捨てた日教組本部を打ち倒そう」と訴え、職場から森越委員長への解任決議が上がりました。こうして日教組を現場の闘いで再生させるために、自らが指導部となる闘いが始まっています。07年の「日の丸・君が代」不起立闘争こそ教育労働者の誇りと団結を取り戻す決定的チャンスです。
07年、教労を先頭に4大産別で勝負しよう。自治体・教育労働者は戦争協力を拒否し、連合の改憲勢力化を阻止しよう。連合・全労連本部を打倒し、現場から労働運動をつくり変えよう。
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週刊『前進』(2277号1面2)(2007/01/01)
全国300万学生へ
全学連委員長 織田陽介さん
マルクス主義を武器として 全学連のもとで世界革命を
6000万労働者のみなさん。300万学生のみなさん。
3月14日、法政大で29人逮捕という大弾圧で幕を開けた激動の06年は、40人の逮捕をぶち破る40人目の奪還をもって締めくくった。
自分たちの力で歴史動かす
全学連は腹の底からの勝利感に打ち震えています。この1年の苦しかったことも、悔しさをかみしめたことも、すべてがごちゃまぜにあふれ出てくる中で、しかし一つだけはっきりしていることは、われわれは今、自分たちの力で歴史を動かしているということです。06年に立ち上がった一人ひとりの勝利です。
安倍よ、法大総長・平林よ、分かったか。お前らには1ミリも勝ち目はない! 世界史を動かすのは安倍みたいな腐れ政治家じゃない。団結して闘う労働者・学生・農民だ。安倍よ、クビを洗って待ってろ。07年の決戦の渦中で、必ずや全学連1000人の隊列を登場させよう。
二つや三つの職をかけもちしても生活していけない若者たち。年金だけでは生きていけないお年寄り。過労や自殺。資本家連中は、労働者の命を奪うやり方で「空前の利益」をむさぼりながら、「資本主義だから当然」などと抜かしている。そして戦争。上等だ。だったら資本主義そのものを転覆するしかない。革命だ! 労働者階級を絶滅させていくような延命策しか出せていない支配階級には、もはやこの社会を継続させていく能力などない。歴史的役割を終えた連中を支配者の座から引きずり降ろす時が来た!
革命の展望はどこにあるのか。それは私たち一人ひとりがキャンパスや職場で団結し闘う中にある。11月5日、世界革命の現実性がブッシュや安倍に対してたたきつけられた。日米韓の労働者・学生・農民4900人を日比谷に集めた労働者集会だ。呼びかけた動労千葉は訴える。「世の中を動かしているのは労働者だ。労働者が働かなければこの社会は1ミリも動かない。だから団結して闘えば戦争を止めることだってできる」
集まった4900人の一人ひとりが団結を固め、職場やキャンパスから仲間を連れて立ち上がった。そして韓国・アメリカの労働者と結びついた。韓国民主労総ソウル地域本部キムチャンソプ氏の「われわれは国境を廃棄します」との宣言がすべてを語っている。共通の敵と闘う労働者は国境を越えたひとつの存在だ。国際的な団結をつくり、ブッシュだろうが安倍だろうがぶっ倒す、そういう力が労働者にはあるんだ。
全学連は革命の立場から、教育基本法改悪阻止の闘いに完勝したと断言できる。
教育労働者と連帯し闘おう
一つは教育労働者の闘いだ。30万人の日教組がストライキをやれば、改悪教基法だろうが「日の丸・君が代」強制だろうが一発でぶっ飛ばせる。9月21日の「日の丸・君が代強制は違憲」の東京地裁判決は、処分を恐れない教育労働者が極悪裁判長から力ずくで奪い取った勝利だった。こうした労働者の力を信じない日教組本部・森越委員長は、労働者にできるのは民主党に投票するくらいだと高をくくり、政府案よりも右翼的な民主党案を支持、国会闘争を放棄した。「つくる会」元会長の八木秀次にも頭(こうべ)を垂れて謝った。
これに対して現場組合員の怒りが爆発、「闘うわれわれが日教組だ」と森越打倒の闘いに立った。安倍は労働者の力を奪うどころか、逆に、闘う日教組の再生に向けた闘いをつくり出した。
40人の逮捕をぶち破ったぞ
そして何より法大闘争の勝利だ。40人の逮捕をすべてぶち破った闘いは、平林総長体制を崩壊させている。立て看板も出し放題、学生部には撤去する力もない。立て看板規制のルールは紙くずとなり、大学当局の権威は地に落ちた。学生の団結した闘いが唯一の「法」になった。
東北大有朋寮の廃寮阻止闘争も同じだ。国会闘争で寮生のいない間に数百人の私服刑事と機動隊、100人のガードマンによる強制執行! たった数人の寮生の気迫に負けてこそ泥のような姿をさらけ出した東北大当局に、東北大学生運動をつぶせるわけがない。
安倍よ、改悪教基法などすでになんの効力もない! 一人ひとりの労働者がその力に目覚めて団結している。学生は闘いの中でますます自分の持つ力に目覚めている。教基法改悪を会期ギリギリでなんとか通過させても、労働者・学生の団結が強まる結果しか生み出さなかった。悪いことは言わない。あきらめろ。さっさと労働者階級に権力をよこせ。
学生は革命に人生かけよう
300万の学生のみなさん。革命に人生をかけよう。バイトやテストや就職活動、本当に大変な生活がある。しかし資本主義体制にもはや未来はない。資本主義の中で生きることを前提にした人生には希望もなければ喜びもない。革命に向かってともに生きよう。
革命を決意する仲間がキャンパスに一人いれば大学は学生のものだ。それが300万学生ゼネストだ! これを読んでいる一人ひとりが社会を変える主人公だ。ともに立ち上がろう!
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週刊『前進』(2277号1面3)(2007/01/01)
おことわり
本紙は、本号を新年特別号(12n)として1月1日付で発行し、1月8日号は休刊とします。次号は1月15日に発行します。
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週刊『前進』(2277号4面1)(2007/01/01)
労働者階級とともに団結して
07年新年の闘うメッセージ
「憲法制定権力」そのものの解体に向けて とめよう戦争への道!百万人署名運動 小田原紀雄さん
新教育基本法が衆院を通過した。参院での展開が予断を許さない状況の下でこれを書いているのだが、現在の国会の勢力関係では、与党がその気になればこれを押し止(とど)めることは困難であるかもしれない。絶対に阻止するという決意は不動のものであるにしても、冷静に今後を考えなければならない事も事実であろう。
今、はっきりしておかなければならないのは、我々はもちろん「護憲派」でもないし、「護教基法派」でもないということである。「抑圧民族のみなさん!」と呼びかけられたあの衝撃は、現行憲法、現行教基法下であった。いうところの「人権」も「教育権」も現行憲法下で奪ったままに放置していた人々がこの国に存在することを考慮に入れずにいた我々の闘いの根底的質が問われたことを、今こそ想起しなければならない。だからこそ「憲法制定権力」そのものの解体に向けた闘いを鮮明に提起しなければならない。そうでなくて、我々に存在の意味はあるのか。07年からの2・3年でそれが問われ、存在の根基が揺らぐだろう。
新たな時代へ、大胆に一歩踏みだそう。
(06年12月6日記/日本基督教団羽生伝道所牧師)
安倍超反動・戦争内閣の打倒が最大の課題 国労5・27臨大闘争弾圧事件弁護団副団長 葉山岳夫さん
2007年の最大の課題は、安倍超反動、戦争内閣の打倒です。憲法、教育基本法の全面的破壊を公約し、核兵器の保有は憲法の禁ずるところではないと議会で言明し、誘導弾基地を先制的にたたくことも自衛権の範囲内と公言した安倍は、勝共連合、つくる会、日本会議等の右翼組織と密接に結びつき、戦争のできる国をつくり上げようとする元凶です。
密集した反動が襲いかかっています。しかし、これを阻止、粉砕する大きな人民のうねりがわき起こっています。11・5集会に結集した4900名の労働者、これに連帯する農民、学生、市民、韓国、米国の労働者の力に確信を持ちます。成田での農地死守、天神峰現闘本部や一坪共有地収奪阻止、北側延伸阻止の裁判闘争、動労千葉1047名解雇撤回裁判、国労5・27臨大闘争弾圧裁判、富山再審等々の勝利のために皆さんと連帯して今年も闘う決意です。
(三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団事務局長、動労千葉弁護団長、救援連絡センター代表弁護士)
万余の決起を組織化する準備に突入せよ 全国労働組合交流センター事務局長 辻川慎一さん
『韓国の労働者』においてハーゲン・クーは、「世界の歴史で繰り返し示されているように、階級闘争を長期的な観点で見ると、勝利からだけでなく敗北から、驚くべき結果が生み出されている」と総括している。その奇跡を不屈の闘いによって示し続けている韓国民主労総の中軸であるソウル本部の活動家が動労千葉の闘いに真剣に学び、共感したのだ。動労千葉の田中委員長は、これを涙ながらに報告してくれた。
彼らの必死さ、真剣さに引き替え、我々はどうだろうか。いかなる困難にもたじろがず労働者を組織し労働組合を階級の手に奪還しようとしているだろうか。彼らの階級的死闘に、我々こそが真剣に必死で食らいつかなければならないのだ。
私は、彼らの闘いの中に日本労働者階級の今日的課題と突破の展望を見ている。07年決戦の震源地は我々であり、万余の日本労働者階級の決起は不可避である。これを根底から組織化する準備に、退路を断って直ちに突入しなければならない。
(茨城県地域連帯労働組合執行委員長)
全国連は階級的共同闘争どこまでも貫く 部落解放同盟全国連合会委員長 瀬川博さん
あけましておめでとうございます。
安倍政権の北朝鮮、中国への侵略戦争にむけた憲法改悪との攻防がいよいよ正念場です。
全国連は昨年秋、11・5労働者国際連帯集会に決起し、また、闘う教育労働者の教育基本法改悪阻止の国会前ハンスト決起に合流し、ともに闘いぬきました。
全国連は階級的共同闘争をどこまでも貫きます。全国連は三里塚反対同盟との血盟を守り、闘う労働者との変わらぬ共闘のもとに、改憲阻止―安倍政権打倒へ総決起します。
なにより、差別キャンペーンを絶対に粉砕します。解同本部派の利権・腐敗を口実にしつつ、部落解放運動の根絶と自治労・現業労働運動の解体をねらう大攻撃を絶対に許しません。全国連は差別徹底糾弾を貫き、闘いぬきます。
不屈に闘う石川一雄さんと固く連帯し、今年こそ、狭山第3次再審闘争の勝利をきりひらく年とします。
労働者解放、全人民の解放ために闘う、心ある労働者は、全国連とともに闘おう!
世界の反基地闘争と連帯して戦争を阻む 相模原市議会議員 婦民全国協代表 西村綾子さん
新年のごあいさつを申し上げます。
今年は統一地方選挙の年です。
「新憲法制定」を公言して登場した安倍政権との真剣勝負の年でもあります。日米軍事同盟再編の重要拠点とされている相模原で、沖縄・韓国・全国の反基地闘争と固く連帯して世界戦争への道を阻むために、労働者・市民の力を信じて勝利したいと思います。
侵略戦争に打って出ることで生き延びようとする帝国主義は、もはや労働者・市民のいのちなど消耗品としか考えない。増税、福祉切り捨て、賃下げ等々もう我慢の限界です。
市民の叫びを体現してともに闘う議員活動で、国の悪政に抵抗できる地方自治を取り戻したいと思います。
羽仁五郎さんは「言葉が言葉どおりの意味に使われなくなったとき、それはファシズムの時代」と言われました。安倍内閣の目指す「美しい国」、核武装もして戦争する国など私たち民衆の願う未来ではないと、07年、突きつけましょう。
杉並区議選の必勝を期し全力で闘います 都政を革新する会事務局長 北島邦彦さん
都政を革新する会は、安倍―御手洗によって07年さらに激化するであろう改憲攻撃と資本攻勢に対して、組織と運動を根底から生まれ変わらせる決意をもって闘うことを『前進』読者の皆さんに誓い、激動の新年のごあいさつといたします。
過ぐる1年、日本帝国主義から繰り出されて正念場を迎えた改憲攻撃の数々に、都政を革新する会として労働者階級の闘いとともに進み、その階級的要請にこたえられるかが厳しく問われました。
それはまた、動労千葉の実践してきた労働運動を基軸に結実した11月労働者国際連帯集会に明確に示されたように、新潮流運動が大きく国際的な動きとして羽ばたき、青年労働者の新たな闘いが躍進しているからこそ、浮き彫りにされました。
今年は参院選と統一地方選―杉並区議選があります。安倍政権打倒の闘いの先駆けとして、都政を革新する会は必勝を期して全力で闘います。ご支援をお願いします。ともにがんばりましょう!
07(丁亥)新年の日米両帝糾弾アピール 在日台僑元日本兵 林歳徳さん(89歳)
1955年の「保守大合同体制」結成の時、児玉誉士夫が中国から奪取した数千億円相当の「ダイヤと白金」を資金として、吉田茂の自由党と鳩山一郎の民主党及び極右達を結合させて現自由民主党が誕生した。
以来、天皇制新日帝指導者達は、朝鮮と越南(ベトナム)両戦利で肥え過ぎて、世界一の経済大国、世界第二位軍備大国になった。又、一蓮托生(いちれんたくしょう)の日米同盟を盾にアジア再侵略のため、国家総動員法(新大政翼賛会)や全国民の皇軍化法(周辺事態法)と侵略教育法(改憲教育基本法)等、与党単独で簡易に決定した。
これに反対した闘う日本人民(星火団)は反帝罪で長期坐獄(ざごく)された。
しかし星火は燃え続け、天皇制日帝を焼滅して新鮮な「日本人民共和国」の産声が大きく高く響くとともに、私達は一致団結、臨機応変で闘勝を誓いましょう。
2007(丁亥)年元旦
労働者人民の団結の成長が圧制うち砕く 反戦被爆者の会会長 大槻泰生さん
新年を迎え、新たな闘志を燃やしている仲間の皆さんに、新年のあいさつを送ります。
私は、戦前、皇民化教育のために、先の大戦を「聖戦」と信じて担い、アジアの人たちに塗炭の苦しみを強制したばかりか、自分も原爆に灼(や)かれ、今日にいたるまで原爆症に苦しむという、悔やみ切れない体験をもつ被爆者です。戦争は二度と繰り返してはなりません。
ところが、あの安倍新政権によって「北の核の脅威」がまことしやかにキャンペーンされ、愛国心教育が声高に叫ばれ、改憲・核武装が一気に推し進められかねない危険な事態の中で、私たちは新年を迎えています。
そんな中でも私が一番頼もしくうれしく感じられたことは、ヒロシマを原点に沖縄闘争を闘ったために無実のままに獄につながれている星野文昭さんを、獄中から救い出そうと、広島の地でも星野さんを救う会が結成されたことです。これら若者を先頭にした労働者人民の団結の胎動はやがて大きく成長し、安倍新政権の圧制を打ち砕くことでしょう。
そのためにも、革共同が一日も早く労働者階級の本物の前衛党として羽ばたいていかれることを念じてやみません。今年もがんばりましょう!
「改憲と核武装阻止」掲げ安倍打倒の年に 東京反戦共同行動委員会代表 三角忠さん
ついに、帝国主義国日本の安倍政権は公然と核武装を宣言した。
取るに足らない原子炉級の「核実験」を「北朝鮮の脅威」と煽(あお)り立て、「経済制裁、臨検」へと突き進む安倍は、われわれが結成以来抉(えぐ)り出してきた朝鮮侵略戦争に、核武装を具体化して突入することを宣言したのだ。
これと一体となって、在日朝鮮人に対するデッチ上げ弾圧、いじめ、いやがらせも頻発している。
すでに昨年春、青森六ケ所村の再処理工場を実質稼働させ、休止中の福井高速増殖炉もんじゅの再運転も画策されている。
いずれも核兵器を生産するのに必要不可欠な純度の高いプルトニウムを一気に蓄積し、H2Aロケット弾というミサイルを北朝鮮に対する「核の先制攻撃」としてすぐにでも打ち込める段階に入っていることを意味する。
2007年は、核武装を通して改憲・戦争攻撃を一気に推し進めようとする安倍政権を、労働者階級の総力で「改憲と核武装阻止」を正面から掲げ打倒する年にしよう。
自ら立てる所を深く掘り真に近づきたい 沖縄民権の会 座覇光子さん
1903年に「人類館事件」が起きた大阪を訪れた際、その写真、前列左側の二人の沖縄女性が髪風(かんぷう)を結って坐(すわ)っている姿を見て、私の魂は段段とその女性に引き戻されて重なるように悲しくなった。差別の連鎖とは、一刻たりとも絶ゆることなく続く差別を云(い)うのだと、大阪の沖縄人は云った。私は今まで、ヤマトゥンチュ嫌いをどうしても超越したかった。同じ労働者階級なんだからと思って同じに扱い、赦(ゆる)し、近づきたかった。それなのになぜ百年以上も差別の連鎖は続くのか!
闘わぬ沖縄人は、沖縄人たるべく、三線、踊りに熱中し、軍事基地あることを忘れている。「沖縄にある米軍基地を60年余もほうっておいた日本人。その一人である自分は何なのか――を、まず考えて見るべき。『沖縄大好きなあなた、日本が見えますか』と問いたい」と大阪の沖縄人は語った。
愛知からの年賀状、「沖縄の文化を教えて頂きたい」の返事に、「あなたが、いくら沖縄の三線が上手になったとしても、沖縄に軍事基地がある限り、あなたは幸せにはなれません」と書いた。
今年こそ、ヤマトゥンチュも、沖縄人も自ら立てるところを深く掘り、真に近づきたいと思う春である。
安倍政権と関空軍事空港化を許さず闘う 泉佐野市議会議員 泉州住民の会事務局長 国賀祥司さん
全国の闘う仲間のみなさんに新年のあいさつを送ります。
昨年の泉佐野市議会議員選挙には、「党の革命」のただ中、全国から熱いご支援をいただき、本当にありがとうございました。お礼申し上げます。
これまでで最も激しい闘いができました。非常に厳しい選挙戦でしたが、みなさんのお陰で前回より票を増やし、1749票を獲得し、12位で当選しました。この貴重な勝利をバネに、今年も全力で闘いますので、よろしくお願いします。
今年は、戦争と改憲の安倍政権との闘いに全力をあげましょう。「美しい国」などというキャッチフレーズで憲法改悪と教基法改悪、民営化、首切り、賃下げ、社会保障切り捨てを強行する安倍政権の正体を暴露しつくし、絶対に打倒しましょう。
また私は泉佐野市民とともに、新田谷市政の労働者・市民を犠牲にする諸施策に反対して断固闘います。そして関西国際空港の軍事空港化、北朝鮮侵略空港化を絶対に許さず闘います。
全国のみなさん、11月労働者国際連帯闘争の地平を拡大し、帝国主義を打倒する2007年にするためにがんばりましょう。
労働者人民の怒りと結合し壮大な決起を 反戦共同行動委員会事務局長 滝口誠さん
改憲・侵略戦争への道を絶対に止めよう。そのために労働者人民の中に渦巻く怒りと改憲への危機感を結びつけ、壮大な闘いを必ず実現する。このことを07年冒頭にあたり固く決意します。
右翼安倍政権は、タウンミーティングのヤラセに象徴されているように、世論を捏造(ねつぞう)してまでも、教育基本法改悪法案と諸反動法案を強行可決しました。本当に許せません。
しかし、階級的力関係は何ひとつ反動的に転換されていません。
昨秋の11・5労働者集会は日米韓労働者の国際連帯を一層強め、新たな階級決戦に勇躍突入しました。そして、教育労働者を先頭に、連合中央や日教組本部など既成の指導部の裏切りを下から突き破り、連日、数千人の規模で教基法改悪に反対する国会闘争が闘われ、それと呼応して全国各地で反撃が開始されています。
07年はこの地平に立って、改憲阻止・安倍政権打倒の巨大な反転攻勢の年としなければなりません。反戦共同行動委員会は、その真価をかけて、先頭で闘いぬきます。
沖縄に続きPAC3導入阻止闘争勝利へ 反戦自衛官 小多基実夫さん
新年おめでとうございます。
昨年は自衛隊にとってひとつの節目をなす年でした。「統合幕僚監部」の発足に始まり、イラク侵略戦争参戦という点でも、首都圏から陸自部隊のイラク派兵が強行され、全5方面隊一巡をもって7月に終了しました。
しかし、クウェートからイラクに展開する空自のC130輸送機部隊は、逆に活動地域をイラク全土に拡大し、輸送内容も「復興支援」の建前で活動する陸自の物資から、治安・占領作戦を展開する米軍・国連の物資にエスカレートしている。海自のインド洋での補給作戦も5年の長期にわたってなお続けられている。新年早々には、海外派兵の本格任務化を伴う防衛庁の「省」昇格です。総じて敗戦帝国主義としての足かせをはずす決定的な飛躍の年でした。
しかし、事態はそう一方的ではない。初めての侵略出兵、石油という戦略物資の帝国主義的再分割をかけた戦争において、日帝もまた未曽有(みぞう)の危機に直面しています。元自衛官や家族をはじめ労働者階級の数十回に及ぶ基地への抗議の申し入れ行動、デモ、兵士と家族への呼びかけ行動は、出兵兵士の心を大きく揺さぶってきている。
今年はその地平で闘いは始まる。沖縄の闘いを引き継ぎ、まず首都圏での地対空誘導弾パトリオット(PAC3)導入阻止で勝利の進撃を開始しよう。
労働者の生存権奪う格差社会打ち破ろう 阪神被災地・雇用と生活要求者組合代表 長谷川正夫さん
全国の闘う労働者のみなさまに新年のあいさつを送ります。
12年間の全国の支援のおかげで、阪神被災地の労働者の生存権をかけて国と行政と闘い、「自主支援事業」を起こし、「被災地雇用と生活要求者組合」「被災地労働者企業組合」「関西合同労働組合」の団結をつくり出すことが出来ました。ありがとうございました。
今、震災によって生存権が奪われたのとまったく同じ事態が、国と大企業の攻撃によって社会全体を覆いつつあります。
労働者の生存権を奪う「格差社会」を打ち破りましょう。被災地の労働者の生存権をかけた闘いがその先頭に立っていると自覚しています。
被災地の労働者は団結を固め、安倍政権の戦争国家体制づくりと対決し、憲法改悪反対、愛国主義攻撃と闘っていきます。
1月14日(日)に「震災12周年被災地総行動」を、“生存権を奪い返せ”をスローガンに開催します。(午後1時、新長田勤労市民センター)
今後もご支援をよろしくお願いします。
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週刊『前進』(2277号5面1)(2007/01/01)
労農連帯と国際連帯の新たな発展
この力で戦争を阻止する
「北延伸」と闘う三里塚
(写真 1300人が結集し「農地強奪を許さない!」と集会【2006年10月8日 成田市東峰】)
反対同盟新年の決意
成田空港の暫定滑走路「北延伸」攻撃粉砕、市東孝雄さんの農地強奪阻止へ、三里塚反対同盟から寄せられた新年のメッセージを掲載します。(編集局)
06年の偉大な進歩 事務局長 北原鉱治さん
2006年は、韓国の労働者・農民との交流が、動労千葉の力添えにより実現した偉大な進歩の年であった。闘う者同士、意思の疎通に時間はかからなかった。日本の農民とアジアの人びととの、連帯の大きな第一歩が踏み出されたことを確認しあう会合であった。
有事の際には米軍50万人が成田空港を使うと言われる。そのときは米軍基地、自衛隊基地はもとより、日本全国の港湾、空港が米軍の制圧下に置かれるだろう。アメリカが「アジア防衛のため」と口にしようが、アジアを侵略するためであることは明らかではないか。そのような空港の拡張のために「北側延伸」という名で、農地取り上げの攻撃が襲いかかっている。
現在の農政は、日本農業の切り捨ての方向が露骨に出されている。小規模の農家は農地を一カ所にまとめて会社方式で共同経営しろ、いやならやめてしまえと。食糧が足りなければ輸入すればいいと。農民は働く喜びなどなくなってしまう。
成田空港建設は一方的な通告だけで、法的な手段はすべて省略して国家暴力によって強行されてきた。われわれは生きるために、自らが立ち上がって闘わなければならない。こうして三里塚闘争は現在も闘い続けている。一握りの資本家に金をもうけさせるため、あるいは国策のため、農地をつぶしてそれでいいのかと、農業にとって重大な問題を三里塚は提起してきたのである。
マスコミが三里塚の現実を報道しようとしない中で、『前進』は大きな役割を担っていることを自覚し、07年の奮闘を望みます。
同盟が11・5に参加 本部役員 鈴木幸司さん
かつて市東東市さんが「代執行来るなら来い」と言ったけど、今俺も同じ気持ちだ。「北延伸、来るなら来い」と。
ただあのころは自分がどんなすごい闘いをやっているのか、その深さを考える余裕もなかったけど、今は反対同盟に地力がついたというところかな。
われわれ反対同盟の一人ひとりが、市東孝雄さんと同じ気持ちで一致結束して闘わなくてはならない。うちの持っている一坪共有地も解約攻撃がかけられているが、俺も留守のときにうかつにハンコを悪用されたりしないように気をつけないとな(笑)。
今の農林水産省は農産物は輸入すればいいと言うが、とんでもない話だ。農家が自分でつくった作物を価格の暴落でトラクターでつぶさなくてはならない、あの気持ちが分かるか。絶対許せない。
韓国の労働者が大挙して来てくれたが、あれだけ熱心だとは思わなかったよ。まあ彼らも三里塚はすごいなあと思ってたのかもしれないが、来てみたら案外普通の人間だったと分かったんじゃないかな(笑)。とにかくわれわれもやっぱり闘って良かったとはっきり言える。
11月5日の日比谷野音の労働者集会に反対同盟は参加したが、あそこが労働者で満員になったのはたいしたものだ。労働者階級の団結を固めて、あれをもっともっと大きな闘いにしていかないといけない。
農地法違反明らか 本部役員 三浦五郎さん
市東さんの畑の耕作権の解除をNAA(成田空港会社)の言いなりで成田市の農業委員会も県の農業会議も認めて、知事が認可する。こんなことは、農地法違反であることははっきりしている。しかもNAAは後になって、取得した日が違っていたなどと、臆面もなく「訂正」してきた。まったくデタラメだ。
農地の買い受け資格者は市東さん以外にはない。どのように考えても市東さんをおいて他の人に売るなんて本来できないわけだ。市の農業委員会から、県農業会議、千葉県知事、皆がごまかしをしていることは許されることではない。
私は1月6日に94歳になる。何か、かつて私が戦争に駆り出された時と同じような時代が、一歩一歩近づいてくるんじゃないかという状況だ。国会では教育基本法が改悪された。愛国心中心の教育が行われ、国民総動員体制が敷かれる。私にも孫、ひ孫がいるが、戦争に取られかねない。こんな時代の再来を許してはならない。
農地強奪は犯罪だ 事務局員 鈴木謙太郎さん
農地法は農民を守る法律、小作者が権利を主張できる法律だ。工場を作るための農地破壊とかの動きがあって、それに対抗するために農家が農地法を盾に闘うというなら話はわかる。ところが空港のために農地法で農地を奪う? 絶対に成り立たない話だ。成田の農業委員会で出せる結論でもない。「国策」対「一農家」の問題だからこんなことになっている。
農家が作物を売って、まともに生活できる状態ではなくなってしまった。国がそのように誘導してきた。自動車とか工業製品を海外に売るために、代償として農作物を輸入する。これが政府の政策だ。あげくに「日本の農業はいらない」とまで財界は公言している。
農家の上空40bにジャンボ機を飛ばし、今度は市東さんの農地を取り上げようとしている。これは国家による犯罪行為。この現実を多くの人に知ってもらわなければ。
運動を全国に広げることが必要だよ。10月集会が1300人? 07年は倍にしないとな。
原則と団結を守る 事務局員 伊藤信晴さん
民主主義は不断の闘いなしには守れない、そのことが06年の闘いでよく分かった。最後は国益というやつが出てくる。市東さんにかけられた攻撃には、国家としての判断を感じる。
農地法を使って農地を取り上げるという攻撃に国が手を染めてきたことで、農業を根本的に考え直す契機にもなった。財界が農業提言を出して米の値段を下げている。農家をつぶして食べ物を輸入にして、労働者の賃金を下げる。その先に何があるか? 社会を切り盛りしているのは労働者と農民だ。自分たちの覚悟がまじめに問われた。
三里塚のお百姓は億の金を積まれてもうんと言わないと聞いて「信じられない」という人もいる。だがそれが三里塚だ。原則と団結という二つの言葉が心に響く時代になってきた。
韓国民主労総の人たちとの交流は感激した。闘う者同士の交流は一瞬にして理解できるんだね。侵略戦争は彼らに銃を向けること。絶対に連帯しなければと思った。
新たな陣形を育て 婦人行動隊 宮本麻子さん
市東さん始め反対同盟は成田市農業委員会での闘い、県農業会議に対する闘い、県知事への要求など一つひとつ必死でがんばった。
NAAは11月22日になって「買収時期を訂正したい」なんて言ってきた。知事の決定をだましとった後になって、問題の土台を覆すような「訂正」をやる。本当にずるい。闘いに追いつめられた姿が表れている。
そして、12月10日、広く農民・労働者・市民に訴えた講演集会が成功した。この陣形を大きく育てていきたい。
韓国民主労総の仲間が現地を訪れ、アメリカの航空整備士労組は市東さんの問題で決議を上げてくれた。三里塚の闘いが国境を越えて評価され、合流・連帯の緒についたことを実感する。
福祉切り捨ての動きがひどくなり予算がどんどん削られ、労働者はこき使われている。軍事費が増やされ、防衛庁が防衛省になった。戦争に向かう動きを本当に今とめないと。三里塚は07年もその先頭に立ちます。
韓国民主労総と感動的合流 11月3日、民主労総ソウル地域本部の代表団20人が三里塚を訪れ、反対同盟と固い握手を交わした。反対同盟からは米軍基地拡張に反対する平澤(ピョンテク)農民への激布が手渡された
市東さんの農地を守れ
敵追いつめた40年 事務局次長・東峰 萩原進さん
06年冒頭からの暫定滑走路「北延伸」は、関西新空港、中部国際空港、そして羽田の拡張計画が進展し、成田の完成計画が絶望的に遅れる中で、追いつめられたあがきとして進められてきた。
しかし、「北延伸」で成田空港建設の仕上げになるかと言えば全然違う。2500bへの延伸と言っても、それでも短くて使い物にならない滑走路であることは明らかだ。それを示すのがNAA黒野社長の「3000bをめざす」という発言だ。着工の直後に口にしたところに「北延伸」計画のデタラメさがある。
しかし「3000b」発言は、南側に延伸して天神峰・東峰の住民全部をたたき出す、という凶暴な内容を含んでいる。
07年はこういう政府・国交省、空港会社の攻撃がさらに強まることを見抜き、闘争態勢を強化しなければならない。
それにしても、空港会社の攻撃は何から何まで成算のないデタラメの連続だった。農地法で市東さんの農地を取り上げるなんて、誰一人納得させることはできない。
現闘本部裁判も、東峰の森、クリーンパークもそうだ。一事が万事この調子。40年闘ってきて、敵を追い詰めた手ごたえを感じられるところまで来た。
自民・公明の政府は数の力にまかせて戦争への攻撃に突っ走ってきている。憲法も改悪する動きだ。孝雄さんも言ってるように、労働者や農民は「法律が守ってくれないんだったら自らの闘いで守るほかはない」という状況に入っている。
教育基本法が改悪されれば、労働者農民の側からこれを再びひっくり返す、そういう現場の闘いが重要だと思う。
11月に交流した韓国やアメリカの労働者の抱えている問題も一緒だと思う。06年に切り開いた国際連帯・労農連帯の道を07年、さらに本格的なものにしていきたい。
これからが反撃だ 事務局員・天神峰 市東孝雄さん
農地法で私の畑を取り上げるという、通常ありえないことが始まった。法律は曲者(くせもの)で、こちらが何も言わなければ全部「合法」になる。法律に基づいてやってるんだからお前らが悪いんだと。
家族的な農家をつぶす。これが今の国策だ。小さくやってるところは効率悪いからやめろと。補助金もなくす。値段も下げる。展望はなくなって農地をだんだん手放す以外になくなる。減反減反で苦しめて、あげくに米の値段が半値になった。15年前は2万4千円(60キロ・生産者買上米価)、それが今は1万2千円だ。今年は1万円に迫っている。これで農家をやっていけるわけがない。トヨタ自動車のトップが日本経団連会長の時に露骨に打ち出したそうだ。トヨタは2兆円の営業利益を上げたが、あの利益は農家を犠牲にして生まれている。
への字に曲がった誘導路をまっすぐにするには、うちの畑だけじゃなくて現闘本部の建物も一坪共有地もある。これを全部片付けるなんて常識では不可能なんだよ。土地収用法が失効して、取れる法律がない。それでもやってくるのが今の攻撃の特徴だ。脅して脅しまくる。それで屈服させるということでしょ。
農業を何年もやってきて、自分がやるべき事が少し分かってきた。百姓やめてお金もらった方が楽じゃないかという人もいる。でも毎日何を食べているかを考えて欲しいね。米も野菜もわれわれ百姓が作っている。
農地取り上げ問題でこれからリベンジマッチ(反撃)だね。結局、農民と労働者が手を組んで大勢の人が運動に参加することが勝敗を決めると思う。運動の幅を広げ、何としても攻撃を跳ね返す年にしたい。
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週刊『前進』(2277号5面2)(2007/01/01)
裁判支援広げよう
天神峰現闘本部裁判を支援する会代表世話人 戸村義弘さん
天神峰現闘本部裁判は、2004年から始まり、06年5月に裁判長が代わって、政府・空港会社側に加担する露骨な姿が目立つようになってきた。
反対同盟は現闘本部の実地検証をやるべきだと強く要求しているが、裁判長は理由も示さず要求を拒否している。現場も調べないということは「もうこの裁判の判決は決まっているんだよ。現場なんか見なくたって判決は下せるよ」と言っているようなものだ。法廷の傍聴闘争と外の運動の盛り上げが大切だよね。私からも支援運動の拡大を訴えたい。
食糧自給率がこんなに低い国はなくて、その中で農業を維持・発展させなければいけない。そこで、農業をやりたいと叫んでいる市東さんの農地をつぶすなんてもってのほかだよ。
教育基本法の問題では、私はかつて教師をやっていたので他人事ではいられない。日教組の指導部が堕落している。現場からの組合員の怒りをまとめ上げることが必要だろうね。
2007年も06年の勝利の勢いを堅持してがんばります。
(三里塚教会員)
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週刊『前進』(2277号5面3)(2007/01/01)
新年の決意
北富士忍草母の会 命の山を奪い返す 事務局長 天野美恵さん
サマワ模擬施設跡で集会を開き母の会を先頭に米軍演習阻止を誓う(06年9月24日 北富士)
全国の闘う皆さん。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
北富士演習場は忍草(しぼくさ)農民の苦労の汗がしみこんだ先祖伝来の入会地です。私たちはそこに桑を植え、草を刈り、粗朶(そだ)をとって生活の8割を依存してきました。北富士演習場・梨ケ原は忍草農民にとってかけがえのない命の山です。
私たちは、「富士を朝鮮・中東につなぐな」を掲げ、演習場に突入し、ゲリラとなって演習を阻止してきました。その中で、「北富士演習場に忍草農民の入会権あり」 の判決を2回にわたって勝ちとっています。闘いの発展に恐れをなした政府・権力の金と弾圧による闘争破壊と対決し闘いぬいてきました。
私たちは安倍政権の戦争と権利破壊の改憲攻撃と対決し、米軍再編を許さず、北富士演習場撤去まで闘います。三里塚、動労千葉の皆さんとともに今年も断固闘います。
全関西実行委員会
「関空の米軍・自衛隊の軍事使用絶対反対!」を訴えデモ(2006年7月4日 泉佐野市)
三里塚と決意共に 代表世話人 淡路町空港反対同盟代表 永井満さん
昨2006年は極反動の安倍内閣が誕生し、教育基本法改悪を強行し、改憲への地ならしをした年として記憶されるだろう。その目指すところはアメリカに追随し、朝鮮・アジアへの侵略戦争に乗り出すことにあるのは明らかだ。今や核兵器の保有さえ公然と言い始めている。その行き着く先は破滅的な第3次世界戦争である。
これを許すのか否かは、今の時代を生きるわれわれの闘いにかかっている。
私たち関西の住民は関空の建設に強く反対して三十有余年闘って来た。その最初から一貫して三里塚反対同盟と共に闘ってきた。非妥協・不屈に闘い抜く三里塚の闘いは40年を超えた。闘いは今、暫定滑走路北延伸を巡って激しく闘われている。われわれ関西の住民は反対同盟と共に今年も全力で闘い抜くことを決意している。全国の心ある労働者・市民・学生と共に、三里塚闘争勝利、改憲攻撃粉砕へ闘いぬく決意を新たにし、年頭の決意とする。
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