ZENSHIN 2007/01/01(No2277 12頁)
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週刊『前進』(2277号9面1)(2007/01/01)
□革共同政治局1・1アピール□
階級的労働運動の発展かちとり9条改憲阻止・安倍政権打倒へ
青年労働者・学生を先頭に革命を
日韓米3国労働者の国境を越えた団結で米日帝の朝鮮侵略戦争を阻止しよう
写真 (上)動労千葉など闘う3労組が呼びかけ、4900人が参加して圧倒的にかちとられた昨年の11・5全国労働者集会(東京・日比谷野外音楽堂)
(下)韓国・アメリカの労働者を先頭に銀座をデモする参加者
はじめに
すべての同志諸君! 闘うすべての労働者、学生、人民のみなさん!
革命的共産主義者同盟政治局は、2007年の初めにあたり、この年を21世紀のプロレタリア世界革命実現に向けた決定的な転換の年とするために、一切の退路を断った闘いに猛然と突入する。この闘いに、青年労働者を先頭に、すべての労働者階級人民がともに総決起することを熱烈に訴える。
2007年は、米日帝国主義による北朝鮮への侵略戦争(実際には朝鮮半島全体への侵略戦争であり、第2次朝鮮戦争とも言える)が、決定的に切迫する。これと並んで日本帝国主義の改憲攻撃がいよいよ本格化する。日本経団連会長・御手洗は07年冒頭、新ビジョンを発表し、日米枢軸のもとで新たな世界戦争と改憲に踏み込むことに日本ブルジョアジーの命運をかけると宣言した。
安倍政権とは、この戦争と改憲への反革命的突撃を最大の使命として登場した政権だ。この大攻撃を、日帝・安倍政権打倒を突破口とした帝国主義打倒の国際的内乱、世界革命へと転じる歴史的な闘いの時を迎えたのだ。
危機と腐敗を限りなく深める資本主義・帝国主義の現体制は、もはや労働者階級への無制限の搾取と新たな侵略戦争・世界戦争へ突き進むしかなくなっている。こんな帝国主義はもはや打ち倒すしかない。そして労働者階級の中には、その力が完全にある。社会の真の主人公である労働者階級が職場生産点から立ち上がり、国境をこえてひとつに団結し、帝国主義を打倒して自らの手に全権力を握る革命をやりぬくならば、戦争を阻止し、現在の社会を根底から変革することは必ずできる。そのためにまず何が必要か。労働組合と労働運動の階級的再生だ。安倍・御手洗路線と正面から激突して闘う、階級的労働運動の新潮流を巨大な規模でつくり出すことだ。
帝国主義ブルジョアジーが「労組絶滅」を叫んで襲いかかっているのは、労働者階級の怒りの爆発に恐怖しているからだ。だが既成労組幹部はその前に次々と全面降伏し、戦争前夜の果てしない裏切りの道を歩んでいる。この労働運動の現状を現場労働者の職場からの大決起で革命的にぬりかえ、教労・国鉄・全逓・自治体の4大産別を先頭に、労働組合を6千万労働者の手に奪い返す闘いに立とう。闘う3労組が呼びかける昨秋11・5集会は、その檄(げき)を全国・全世界に発した。この道を断固として突き進む中にプロレタリア革命勝利への道がある。
労働者階級はこの革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。獲得すべきは全世界だ。このことを確信し、07年の決戦に猛然と突撃していこう。
世界革命勝利へ扉を開いた06年
(1)国際連帯と3労組共闘の本格的な発展が始まった
06年の闘いは第一に、11・5労働者集会4900の大結集を頂点に、日本と世界の階級闘争が新たな前進局面に入ったことを示した。
特筆したいのは、米日帝国主義による朝鮮侵略戦争発動―世界戦争突入前夜の緊迫した情勢下で、日韓米3国の最も戦闘的な労働組合が、帝国主義打倒、労働者階級の解放を真っ向から掲げて11・5に結集し、国境をこえた不抜の団結を闘いとったことである。
この団結は、もはや一般的なエールの交換にとどまるものではない。21世紀のプロレタリア世界革命をやりぬくための、労働者階級を国際的に組織された一個の軍勢へときたえあげていくための団結だ。そこへ向かって、階級的労働運動の再生と発展を各国において全力をあげて切り開いていくための団結であり、これまでとは次元の異なる新たな国際連帯を創出するものだ。「われわれ労働者は国境を廃止します」という韓国・民主労総ソウル地域本部のキムチャンソプさんの発言は、この決意を高らかに宣言した。
民主労総ソウル地域本部の労働者は、集会の前々日に三里塚現地を訪れ、反対同盟農民の40年間の不屈の闘いに直に接した。前日には動労千葉の闘いの歴史を学ぶ学習会を開いた。そして11・5で得た確信と力をバネに、11月中旬から労働法制改悪阻止、非正規職撤廃など4大要求を掲げてノムヒョン政権に対する無期限ゼネストに突入し、あらゆる困難と格闘しつつ、ますます不屈に闘いぬいている。
アメリカからは、ILWU(国際港湾倉庫労組)やAMFA(航空整備士労組)など、ブッシュ政権との対決をその最先端で闘う、今日のアメリカ労働運動の最も戦闘的な潮流が結集した。1年をこえる長期ストを闘ってきたAMFAの労働者は、資本の組合破壊を打ち砕くために世界中の労働者が一つの握りこぶしとなって立ち上がろうと訴えた。
11・5集会はまさに、世界の労働運動の中でも最も激しい闘いを担いぬいている韓国とアメリカの労働者が、動労千葉を始めとする3労組共闘に体現された、日本の闘う労働運動との同志的団結を圧倒的に誓い合う場となったのだ。
動労千葉労働運動の国際的位置の大きさ
この国際的団結の深まりは、同時に、11月労働者集会を呼びかけ、先頭に立って組織してきた動労千葉労働運動と3労組共闘の、今日の国際労働運動における決定的位置をあかあかと照らし出すものとなった。
韓国とアメリカの闘う労働者を、11・5集会に強力にひきつけたものは何だったか。何よりも動労千葉が体現してきた闘いのもつ、資本・権力と対決する思想的路線的な高さと階級的団結の勝利性だ。動労千葉が、反合・運転保安闘争を軸とする職場闘争を徹底的に貫き、カクマルのファシスト労働運動との激烈な組織攻防戦にかちぬいて組合としての団結を打ち固めてきたこと。三里塚農民との労農連帯をとおしてその階級性を確立し、発展させてきたこと。そして日帝の全体重をかけた国鉄分割・民営化攻撃と真っ向からストライキで闘い、その後の組織破壊攻撃をも実力で打ち破ってますます意気軒高と闘い続けていることだ。
それは一言で言えば、真のマルクス主義、労働者自己解放の思想と実践そのものだ。この動労千葉労働運動が、ソ連スターリン主義崩壊後の現代世界において、既成の労働運動が投げ捨ててきた労働者の階級的団結とその無限の力を奪い返すものとして、国際労働運動への大きな影響力を獲得し始めているのである。
この動労千葉労働運動は今日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部と全国金属機械港合同の2労組とともに3労組共闘を形成し、11月集会を主催してきた。この2労組もまた、動労千葉と同じく、階級的労働運動の原則を不屈に貫いて闘ってきた労働組合である。関西生コンは、産業政策闘争という独特の団結形態でゼネコン大資本との闘いを貫き、共謀罪攻撃の先取りとしてしかけられた武委員長始め執行部への度重なる大弾圧を打ち破って決起している。港合同は、団結権の死守を掲げて倒産攻撃に立ち向かい、さらに地域において急増する非正規雇用労働者の組織化に正面から取り組んで、多くの経験を蓄積してきた。
この3労組共闘は、今日、34年にわたる解雇撤回闘争を貫き勝利をかちとった全金本山労組を始め、多くの闘う労組をも結集し、日本労働運動の再生に向けた新潮流運動としてますます力強く発展している。11・5は、これらの闘う労組が米韓の労働者とともに一堂に会し、日本と世界の労働運動を下から革命的に変革し、ぬりかえ、帝国主義打倒の革命に勝利していく歴史的な戦闘宣言を発する場となった。
11・5に引き続き、11・12には韓国で、動労千葉と米ILWUなど100余人の訪韓団が民主労総全国労働者大会に参加し、ゼネスト突入闘争をともに闘いぬいた。とりわけ青年労働者がその最先頭で決起したこと、また日韓学生の交流と連帯がかちとられたことは決定的である。動労千葉はさらに11月16日サンフランシスコで開催された運輸労働者の国際連帯会議に代表を送り、米英の闘う労働者とともに、11・5で獲得した地平をさらに国際的に広げていこうと誓い合った。
「労働者階級こそ、歴史をつくり、社会を変革する主体である」という06年11・5アピールの言葉が文字どおり国境をこえて、すべての闘う労働者の魂をとらえ、燎原(りょうげん)の火のように広がっていく時代がついに始まった。かつて1917年ロシア革命勝利の直後、国際プロレタリアートは、世界革命達成に向けて闘うためにコミンテルン(第3インターナショナル)という国際組織を生み出したが、現代のコミンテルンの巨大な出発点が、今ここに築かれたと言っていい。
この日韓米3国労働者の連帯こそ、米日帝国主義による朝鮮侵略戦争の発動がすぐそばに迫る中で、その前に真っ向から立ちはだかり、これを帝国主義打倒の国際的内乱に転化できる具体的で現実的な力である。革共同が70年闘争の激動の中でつかみとり、うちたててきた7・7路線、「闘うアジア人民と連帯し、日本帝国主義のアジア侵略を内乱へ」の戦略的総路線を、実際に貫く道がこの中にこそあることを確認しよう。この闘いに真に責任をとりきるための、日本の闘う労働運動、何よりもわが革共同のすさまじい飛躍が今や待ったなしに問われている。
(2)4大産別決戦を軸とした改憲阻止決戦への突入
11・5を頂点とする06年の闘いは第二に、闘う労働者の必死の格闘をとおして、教労と国鉄を先頭とする4大産別決戦の本格的爆発への扉を大きく押し開くものとなった。そしてそのことを基礎として、改憲阻止決戦への全人民的な出発点を築くものとなった。
その第一は、11・5集会4900の大結集が、教育基本法改悪阻止・共謀罪導入阻止を最大の焦点とする06年の国会決戦と完全に一体となって、その大爆発を決定的に促進するものとして闘いとられたことである。
06年の国会は、9条改憲への道を必死にこじあけようとする小泉―安倍政権と、これへの危機感に燃えて続々と行動に立ち上がった労働者人民との一大激突の場となった。政府・自民党は共謀罪の成立を目指すとともに、教育基本法改悪案、国民投票法案、防衛省法案など改憲に直結する諸法案を一挙に提出して強行突破を狙ってきた。とりわけ安倍政権は、教基法改悪に政権の命運をかけて突進した。これに対して日教組30万組合員の、日教組本部の裏切りをのりこえた怒りの決起がついに爆発的に開始され、階級情勢全体が大流動の過程に深々と突入した。
第二は、国鉄と教労を先頭とする4大産別決戦の飛躍的前進である。
11・5に至る過程を切り開き、国会決戦の爆発を根底で支えてきたのは、ひとつはやはり動労千葉の闘いだ。動労千葉は、06春闘で組合としての死活をかけて新たな闘いにうって出た。4・6幕張構内事故を口実に動労千葉の組織破壊を狙った攻撃を、運転士への責任転嫁を絶対に許さず、全組合員の総力をあげた反合・運転保安闘争の強化によって打ち破り、職場に一層、不抜の団結を築き上げたのだ。
「闘いなくして安全なし」という動労千葉のスローガンとその実践は、JRの新たな大合理化と国鉄1047名闘争解体攻撃として06年にしかけられてきた大反動を、その根幹ではね返すものとなっていった。
いまひとつは、教労決戦の大爆発である。
教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の不起立闘争の継続と、その職場生産点での不屈の闘いを基礎にした組合権力奪取への果敢な挑戦は、今や動労千葉労働運動に続く質を本質的に持つものになっている。9・21判決の大勝利は、まさにこの闘いが力でもぎとったものであった。これに驚がくした安倍政権は、教基法改悪=教育労働運動つぶしにいよいよ一切をかけて襲いかかった。
だがそれは、逆に全国の教育労働者の腹の底からの怒りに火をつけた。最も重要なことは、日教組内の各単組や支部・分会から、森越委員長の裏切りを弾劾し、本部の制動を突き破った決起が続々とわきおこったことだ。本部を打倒し、闘う執行部を確立して日教組を再生しようという声が、30万組合員の共通の声となったのだ。
この国鉄、教労を先頭に、全逓、自治体を含めた4大産別決戦は、日帝・安倍政権による民営化・労組破壊攻撃との大激突として全面的に火を噴く情勢に入った。全逓では、郵政民営化絶対反対をあくまで掲げた職場闘争への踏み込みが断固として開始された。闘う自治体労働者は、自治労の改憲勢力化阻止を掲げて8月自治労大会に総決起し、激化する公務員制度改革攻撃との対決に突き進んだ。
民間・中小・合同労組での闘いも、4大産別での闘いと結合しつつ前進した。また全産別をとおして、職場闘争の復活・再生への本格的挑戦が始まったことは決定的である。
第三は、青年労働者と学生が帝国主義との対決の最前線に躍り出て、闘いの主役として圧倒的な登場を開始したことだ。
11・5集会での青年労働者と学生の決意あふれるアピールは、日本の階級闘争がこれまでとは画然と異なる時代に入りつつあることをはっきりと示した。95年日経連報告以来の10年をこえる一大資本攻勢のもとで進展した労働者階級の果てしない窮乏化と無権利化は、青年労働者を最も激しく集中的に襲っている。文字どおり明日をも知れない生活を強いられてきたその中から、「この社会の本当の主人公はわれわれだ」「労働者が生きるためには革命をやる以外ない」という、一人ひとりの人間的尊厳をかけた決起がついに始まったのである。
これと並んで重要なことは、学生戦線での闘いの大躍進である。法政大学での不当弾圧・処分との激突として始まった闘いは、帝国主義の弱肉強食原理のもとですさまじい差別・分断にさらされてきた膨大な学生の怒りに火をつけた。闘う青年労働者との交流と国際連帯が戦闘的学生運動に新たな活力をもたらし、全学連の大飛躍、全国学生ゼネストへの猛進撃が始まった。
第四は、米日帝による朝鮮侵略戦争切迫情勢と対決する新たな安保・沖縄闘争の大爆発が開始され、これと11・5が合流したことだ。とりわけその最前線で米軍再編阻止の実力闘争に立ち上がった沖縄の労働者と、本土の労働者が階級として一つに団結していく出発点が11・5で築かれた。沖縄の労働者階級が既成野党と連合の屈服を突き破り、沖縄の労働運動を階級的に再生して闘うならば、基地の島を日本革命の巨大な火薬庫に転化することは必ずできる。その現実性がはっきりと示された。
第五は、三里塚反対同盟農民の不屈の決起と、労農連帯の再確立である。日帝は、戦争・改憲攻撃の一環として4大産別や沖縄への攻撃とともに、三里塚闘争の圧殺に再び全体重をかけて踏み込んできた。反対同盟農民はこれと真っ向から対決すると同時に、労働者階級と農民が団結して日帝との闘いに立ち上がることを呼びかけ、11・5に合流した。この労農同盟の確立と強化こそ、国際連帯と並んで、日帝打倒への戦略的要(かなめ)を形成するものだ。
第六は、入管体制下の過酷な抑圧と格闘を続ける滞日・在日の労働者、部落解放同盟全国連合会に結集する戦闘的部落大衆、闘う「障害者」や被爆者、婦人民主クラブ全国協議会の闘う女性たちなど、すべての闘う人民が、階級的労働運動との結合の中に帝国主義の差別・抑圧からの真の解放を求めて11・5への大合流をかちとったことである。
第七は、改憲阻止の大統一戦線の発展である。百万人署名運動を始めとして、日帝の改憲攻撃に怒りと危機感を燃やすきわめて広範な人びとが、11・5を結集軸として、闘う労働組合とともに安倍政権打倒への総決起を開始した。
(3)革命をめざす労働運動へ向けて突破すべき課題
06年の闘いで第三に確認したいことは、11・5への1万人結集方針を掲げて闘いぬいたことの巨大な戦略的意義である。同時に、それが実現できなかったことについて主体的総括を深めつつ、突破すべき再挑戦の課題が何であるかを鮮明にさせなければならない。
11・5の1万人結集方針は、3労組が労働運動の根底的再生をかけて、3労組のような労働運動の団結を無数につくりだすことを訴えたものである。革共同は、この呼びかけを支持し、応えるために、階級的労働運動とその団結を全力で発展させるために闘いぬいた。4900人の団結は、11・5に結集した全労働者が共同して闘いとった偉大な地平だ。また「党の革命」による全党の同志の、自己の階級性回復をかけた必死の格闘によって切り開かれた到達点でもある。
とくに強力に確認したいのは、11・5集会は革共同にとって、03年以来の階級的労働運動路線(新指導路線)を党の不断の革命的自己変革として徹底的に推進する闘いであったということである。
階級的労働運動路線とは何か。それは帝国主義の危機がもたらす革命的情勢への突入の中で、帝国主義打倒のプロレタリア革命を全力でたぐりよせる唯一無二の道として、階級的労働運動と階級的団結の前進・拡大をかちとり、同時に階級に深々と根を張った労働者細胞建設に、党的組織的精力の一切を注ぎこむ闘いである。
それは動労千葉労働運動の地平の高さ、大きさ、波及力、階級的な獲得力を実践的指標として学び、それを防衛・発展させつつ6000万労働者の中に広げ、根づかせていくことを呼びかけるものであった。11月労働者集会とはこの階級的労働運動路線を生み育てるものだ。逆にこの路線のもとでこそ、11月集会は爆発的に発展して全階級的な結実を導くものとなるのだ。
だからこそ、1万人結集を実現しえなかったことは、この階級的労働運動路線を前進させ、実践的レベルまで一致して闘いぬくことにおいて、まだまだ出発点にすぎないことを厳格に確認しなければならない。今こそその前進と一致をかけて、階級的労働運動を、労働組合論を基軸にして革命論的に発展させていかなければならない。
1万人結集方針のもとでかちとった日韓米3カ国連帯の革命的発展、3組合共闘の不抜の前進、そして青年労働者のみずみずしい決起の3つの偉大な地平は、まさにそのままプロレタリア革命へと発展していく闘いである。ここに11月集会の巨大な意義をはっきりと見いだすことができる。
問題は、3つの偉大な地平が切り開かれながら、それがまだ1万人結集に結実していない壁を見すえ、なんとしてもプロレタリア革命を切り開こうという情熱と戦闘的意欲をふつふつとたぎらせ、この点での再挑戦に敢然とうってでることである。
階級的労働運動路線の核心問題は何か
第一に明確にしたいのは、帝国主義打倒のプロレタリア革命は何を軸に達成されるのかということだ。その唯一かつ普遍的な推進軸は、プロレタリア自己解放とその発露としての階級的労働運動、労働組合の階級的団結強化の発展にある。これとは別個に政治決戦一般を対置したり、並列的に位置づけることはできない。『共産党宣言』で言うように、共産主義者はプロレタリア階級全体の利益から離れた利益は持っていない。プロレタリア自己解放闘争と階級的労働運動の強化を基軸に、その普遍性のもとですべての闘いを一体化していくのだ。
さらにまた、このようなプロレタリア自己解放闘争の共産主義的普遍性の内部に、民族解放闘争など被抑圧民族人民の闘いとの連帯・結合・一体化の論理を内包していくのである。
階級的労働運動とは、こうした立場から労働組合を革命論的に位置づけ、プロレタリア独裁の樹立へ向けて、労働組合の階級的団結を拡大していく闘いなのである。動労千葉は、そうした労働運動を実際に実践してきたのだ。
第二に、このような階級的労働運動は、その具体的発展として、4大産別を先頭に、職場闘争を推進し、労働組合権力の獲得を目的意識的に推進することを必要としている。ここでの課題に関して、動労千葉労働運動から実践的に学ぶものがある。
ひとつは、4大産別の闘いこそ、帝国主義足下の組織されたプロレタリアートの最も先端的な攻防であり、労働者階級全体の命運を決する位置を持っている。4大産別は帝国主義国家権力の基幹部を制する位置にあり、だからこそ敵の攻撃が最も激しく襲いかかっているのだ。ここでの闘いとその勝利を離れて断じてプロレタリア革命はありえない。この4大産別決戦の革命論的意義に確信を持ち、これを先頭として全産別や未組織・合同労組の闘いをかちとることである。
いまひとつは、職場闘争や職場支配権の確立、経済闘争とは、それだけで自立的に存在するものではない。一般的な「下からの運動」でもない。プロレタリア自己解放とプロレタリア独裁をめざす労働運動と労働組合運動の指導のもとで、職場生産点の闘いが行われることに意義がある。職場生産点こそ、賃労働と資本の階級対立が再生産される場所だ。職場闘争や経済闘争とは、そこにプロレタリア自己解放とプロレタリア独裁が内包され、階級的団結を強化していく闘いとしてかちとられてこそ前進する。この立場がなければ、それは必ず民同労働運動(体制内労働運動)の枠内に収められてしまうのだ。
さらにいまひとつ。「党は階級そのものである」という視点は、断じて一般的認識の問題ではない。激しい資本攻勢に職場闘争で立ち向かい、資本・権力に屈服する反動諸潮流との党派闘争に勝ちぬき、労働組合権力をかちとることをとおして、党は階級そのものであることを獲得するのである。特に労働組合権力の獲得は、明確にプロレタリア革命をめざす階級的労働運動の目的意識的闘いであり、鉄火の試練であって、尋常一様の闘いではかちとれない。このプロセスには、自らの身を絶えず断崖(だんがい)絶壁に置いた、不断の自己変革が求められる。ここにこそ階級的労働運動路線の神髄があり、党の革命の真骨頂があるのだ。
第三に、階級的労働運動路線の根底的な確立とその路線的発展をかちとる上であらためて、動労千葉労働運動の歴史的普遍的今日的意義を党として真に学んでいくことだ。
動労千葉労働運動とは、単にひとつの優れた個別の闘いにとどまらない。それは、戦後の日本の労働者階級の闘いが、権力・資本とのすさまじい激突をくぐりぬけて今日に至った歴史を現実に背負ったものである。とりわけ戦後の総評・民同労働運動の破産を革命的にのりこえ、戦後革命期以来の日本労働運動の階級的潮流を真に継承し発展させてきたものとして存在している。11・5の3組合共闘は、その結実であり、その歴史的登場でもある。
それは反スターリン主義・革命的共産主義運動の誕生と形成に分かちがたく結びついている。革共同創立の源泉は、1956年のハンガリア革命と57年国鉄新潟闘争、さらに日本共産党の55年六全協である。それは戦後革命期における労働者階級の闘いの復権・継承と同時に、スターリン主義や社会民主主義と完全に決別した党と革命運動の創造を目指す闘いであった。革共同は62年3全総(第3回拡大全国委員総会)において、労働組合運動の戦闘性の防衛と発展をそのための最重要の闘いと位置づけ、その実践に全力を挙げてきた。動労千葉労働運動は、そうした闘いとの結合の中で誕生し、それをさらに創造的に発展させてきたのである。
そこには、重要なことが二つある。ひとつは、スターリン主義、社会民主主義との徹底した思想的路線的決別であり、さらにファシスト・カクマルという希代の反革命との死闘であり、これらとの激しい党派闘争である。この党派闘争を非妥協的に貫く中でこそ、階級的労働運動は前進してきたのだ。
いまひとつは、動労千葉労働運動には、労働者階級の時代認識(帝国主義認識といってもよい)が決定的に内在化されていることだ。
階級的労働運動を革命論的に発展させようとするとき、その基礎となるのは時代認識である。今日の帝国主義の末期的危機のもとでの戦争の切迫や6000万労働者の置かれた現実への、鋭い階級的時代認識と洞察から離れて労働運動が成り立つはずもない。だが現実の既成労働運動指導部は、そうした認識を持たないばかりか、今や雪崩をうって戦争推進勢力、改憲勢力、資本攻勢の先兵に転落している。帝国主義の側への階級移行が進行し、労働運動の指導をめぐって「帝国主義と社会主義の分裂」が起こっている。これと全面対決し、連合・全労連などの既成労働運動指導部を打倒していくことなしに、労働運動の前進はありえない。
まさに動労千葉労働運動とは、この継承性と時代認識という、労働運動の普遍的あり方を根底的に確立して闘いぬかれているのである。
U 米帝の没落と「最弱の環」=日帝
(1)基軸帝国主義・米帝の世界支配の崩壊が進んだ
アメリカの中間選挙におけるブッシュの敗北は、第2次大戦後の帝国主義世界体制の基軸中の基軸であるアメリカ帝国主義が、ついに未曽有の破局的な危機爆発と没落の過程に突入したことを示した。このことは国際情勢を一変させ、巨大な世界史的激動を引き寄せるものとなっている。
起きたことの核心は何か。米帝のイラク侵略戦争の敗北と泥沼化が、米国内の労働者人民の巨大な反戦・厭戦(えんせん)意識とブッシュの内外政策への怒りの爆発を呼び起こす中で、アメリカ帝国主義の支配階級自身が混迷をきわめ、分裂するに至った。それは、01年9・11以来の米帝の戦争政策全体が、総破産に直面したことを示している。このことが、米帝・ブッシュ政権、ひいては米帝のブルジョア国家権力そのものに対して歴史的な一大ダメージを与えるものとなったのだ。
この中間選挙の結果はイラク情勢に逆流し、イラクは米帝の侵略戦争下で内戦の果てしない激化に突入している。だが米帝には、この泥沼から抜け出す道などどこにもない。
米帝は中東石油の独占的支配・再分割を狙ってイラク侵略戦争に突入したのであり、それを強引に推進するために、シーア派とクルド人勢力を巻き込んでスンニ派に打撃を集中する戦略をとってきた。米帝の軍事行動の大半は、ファルージャへの二度の総攻撃に見るように、シーア派などの「支持」を背景にした、スンニ派系の反米・反帝国主義のゲリラ勢力に対する徹底した大虐殺、せん滅戦争として行われた。
また米帝はイラクの「民主化」と称してかいらい政権の樹立を焦り、シーア派主導の新政権をデッチあげたが、それはシーア派民兵組織をイラク治安部隊の中心に組み込むものとなり、米軍と一体化しつつスンニ派系武装勢力への絶滅攻撃をしかけるものとなっていった。この構造の集積の結果が今日の「イラク内戦」と呼ばれる状況をつくり出したのだ。
米帝がイラクで陥ったこのぬきさしならない状況は、ブッシュに代わって民主党政権が誕生すれば解決できるようなものでは断じてない。イラクだけではない。アフガニスタンでも戦闘が再燃し、多国籍軍による軍事占領体制が崩壊のふちに立たされている。パレスチナ、レバノン、イラン情勢もすべて、米帝が抑え込めるような状況ではまったくない。
さらに、米帝が自らの裏庭と位置づけてきた中南米で反米左派政権が相次いで誕生し、「中南米失陥」とも言うべき事態が起きている。米帝の世界支配があらゆる面で破綻(はたん)し、崩れ落ちていくプロセスが始まっている。これらは今や、国際政治における米国の超大国としての制圧力、指導力の後退を生み出すまでに至っている。
中間選挙の結果はさらに、80年代レーガン反革命以来の米帝の国内労働者支配が歴史的な破産に直面し、労働者階級の怒りの爆発と大決起が始まったことを示した。
米の金融資本・巨大独占資本は、80年代の民営化・規制緩和に始まる大資本攻勢のもとで、大弾圧による労働組合破壊を繰り広げつつ、リストラに次ぐリストラをとおしてすさまじい低賃金・強労働を労働者階級に押しつけてきた。労働者階級の貧困化は恐るべき規模と勢いで進行し、今や日々の食事にも事欠く飢餓人口が3千数百万人にも上っている。そして今、アメリカ帝国主義全体の危機の中で、工場丸ごとの大量解雇や賃金の50%カット、医療や年金の全面カットといった、これまでをもはるかに上回る大攻撃が激しく襲いかかっている。
これに対して、移民労働者の大決起に見るように、闘って生きる以外にないというぎりぎりの決起がせきを切って始まっている。その最先端に、ILWUローカル10やAMFAを始めとした、アメリカ労働運動の最左派の闘いがある。それは、イラク反戦闘争の継続・強化・発展と結びつき、今や、レーガン以来の反労働者政治への積もりに積もった怒りの大爆発として、米帝の足元を大きく揺るがすものに発展してきている。
こうした中で、アメリカ資本主義・帝国主義を成り立たせてきた根幹である「ドルの威信」が、ついに決定的に揺らぎ始める時が来た。すでに世界経済の分裂化・ブロック化はどんどん進行しているが、この間バブル的な延命に次ぐ延命によって繰り延べられてきたアメリカ経済そのものの危機がもはや限界状況に達し、ドルの大暴落がじわじわと迫ってきているのだ。
米経済は、06年に入って住宅バブルが本格的に崩壊した。4〜6月期の住宅関連投資は前期比9・8%減、95年以来の下落。7〜9月期には17・4%減と、15年半ぶりの落ち込みを記録した。この間の米経済のバブル的膨張を唯一支えてきた住宅バブルの崩壊は、極めて深刻な影響を呼び起こす。米貿易赤字の空前の巨大化もさらに進行中である。
この現実にもかかわらず、ニューヨーク株式市場は史上最高値を更新しているが、これは実は極端な貿易不均衡の中で、国外から過剰流動性をもった膨大な資金が流れ込むことを背景に、ヘッジファンドが投機的な資金を商品市場から株式市場にふりむけてきている状況のもとで生じていることだ。これこそ最も危険なバブル的投機の姿とみて間違いない。劇的な大崩壊を生む可能性はきわめて強くなっている。
いったんドル暴落へと転げ落ちれば、世界経済は一挙に奈落へ向かって突き進むことになる。世界大恐慌の全面爆発と、階級闘争の全世界的規模での内乱的激化は不可避な情勢に完全に入ったのだ。
(2)朝鮮侵略戦争・世界戦争へ突き進む米日帝国主義
今や、米帝の世界支配の崩壊過程が現実に始まり、その動揺と凶暴化が深まる中で、帝国主義間争闘戦はまったく新たな段階に入った。それは中国やロシアをも含めた世界の強国間の、それぞれの生き残りをかけた世界再分割のための対立と争闘へと発展し始めた。帝国主義が帝国主義である限り、究極的には新たな世界戦争による軍事的決着を求める以外にないプロセスが始まったのである。このことが、今日のあらゆる内外情勢の根底にある。
したがって、米帝によるイラク戦争の「戦略的転換」が叫ばれているが、米帝にとってイラクの泥沼から抜け出す方策などどこにもない。ますます深みにはまり、逆に中東全域に戦乱を拡大するしかない。他方でそれは、北朝鮮への制裁を掲げた朝鮮侵略戦争の発動へと不可避に突き進んでいく。諸勢力間の錯綜(さくそう)する力関係や国際関係の中で一定の妥協が成立したとしても、本質的には時間稼ぎでしかない。帝国主義がその利害を貫こうとする限り、侵略戦争とその拡大に果てしなくのめり込んでいく以外ないのだ。すでにさいは投げられている。
国連安保理の北朝鮮制裁決議が国連憲章第7章に基づく決議として強行されたことは、この意味で決定的である。これは米日帝による北朝鮮への侵略戦争の強行を、国際法的に「合法化」するとんでもない決議である。しかもそれは、現実の国際情勢の推移などおかまいなく、いつなんどきでも適用し、発動できる構造になっている。
今日進行する米軍再編、憲法9条の全面解体を含む日米安保の大改変は、まさにこの朝鮮侵略戦争を実際にやりぬく体制をつくり出すものだ。北朝鮮による核実験は、この重圧に追いつめられた金正日政権が絶望的な軍事的対抗政策に走ったものだ。それは労働者階級の国際的な反戦反核・反帝国主義の闘いを否定し、それに敵対するものでしかない。米日帝はこれを絶好の口実として、侵略戦争準備に今や決定的に拍車をかけている。
そもそも、米帝がイラク・中東に続いて朝鮮半島への侵略戦争に本格的に動き出した背景には、北朝鮮の国内危機が体制崩壊の寸前まで来ているという現実がある。長期にわたる帝国主義の重圧、とりわけ米帝による金融制裁の発動が、金正日政権を存亡の危機に追いこんでいるのだ。北朝鮮スターリン主義体制の崩壊は、南朝鮮・韓国における危機の爆発、さらには中国スターリン主義の大動揺に直結する。それは朝鮮半島と東アジア全域を一挙に、巨大な革命的情勢にたたきこむ。
このことは、帝国主義にとっても容易ならない情勢である。そもそもプロレタリア世界革命への裏切りの上に成立したスターリン主義は、帝国主義と対抗しつつも実際には、労働者階級や被抑圧民族の帝国主義打倒の決起を抑圧し続けることをとおして、帝国主義の世界支配を裏から支える役割を果たしてきた。したがってソ連の崩壊は、帝国主義の蓄積された諸矛盾が大爆発していく扉を開いた。崩壊した旧スターリン主義圏(その資源・市場)の争奪や、危機に立つ残存スターリン主義の体制転覆と再支配を狙う帝国主義間の争闘戦は一気に激化した。そして同時に、労働者階級人民の革命的反乱への弁を決定的に開け放つものとなったのである。
北朝鮮・中国という東アジアの残存スターリン主義の崩壊は、ソ連・東欧の崩壊時を上回る巨大な世界史的激動のふたを開けるものとなる。ひとつ間違えば帝国主義の世界支配全体の総崩壊につながる。これに恐怖した米帝と日帝は、金正日政権転覆の侵略戦争を先制的に発動し、帝国主義による朝鮮半島の直接的な再支配(再植民地化)に動こうとしている。それは究極的には、中国の国家体制転覆を目指す戦争をもにらんだものである。
いわゆる6カ国協議とは、この米・日と中国、ロシアという4大国が、それぞれの利害をかけて朝鮮情勢に介入し、朝鮮半島の支配権を互いに争う激突と駆け引きの場だ。新たな朝鮮戦争突入は不可避であり、事態はきわめて切迫してきている。
(3)安倍・御手洗路線粉砕し日帝打倒の突破口ひらけ
大恐慌と戦争の時代への突入は、日本帝国主義を、国際帝国主義の中で最も弱い存在へと一気にたたき落とすものとなっている。アメリカに次ぐ「世界第2位の経済大国」を誇ってきた日本の資本家階級は、ブロック化が進む世界経済の中でいまだに独自の円経済圏を形成できず、独力で侵略戦争にのりだす力も体制も持たない現実への激しい焦りにかられている。
日帝の「経済大国」的地位は、実際にはドルの世界支配の力に依拠したものでしかなく、そのドルが暴落すれば日本経済は破滅に向かうしかない。しかも日本の国家財政はすでに完全に破産を宣告された状態にある。さらに国内階級支配の危機は、95年以来の大資本攻勢と小泉政治の5年間でもはや臨界点に達している。そこに朝鮮危機の爆発と東アジア情勢の激動が大波となって押し寄せようとしているのだ。
いわば出口のない袋小路に追いつめられた中で、1930年代と同様に、凶暴な衝動が日帝ブルジョアジーの体内から噴き出している。新たな朝鮮・アジアへの侵略戦争(新たな15年戦争の開始だ)に一切の延命の道を求める衝動だ。小泉政権に続く安倍政権の登場は、日帝がこの方向へ決定的に踏み出したことを示している。
安倍は、都知事・石原などと同じく日帝の極右勢力を代表する政治家である。ブルジョアジーがこの安倍を政権の座につけた狙いはただ一つ、改憲攻撃を全面的に実行に移すことにある。改憲とは、第2次大戦で敗北した日帝が、戦後革命の嵐をのりきり延命したその代償として課せられてきた国際的・国内的制約を公然とかなぐり捨てるものである。その最大の柱が、戦争の放棄を規定した憲法9条の破棄である。
そしてこの9条破棄は、自衛隊を正式に軍隊としてその武力行使を可能にするにとどまらない。9条の存在を前提に形成された戦後日本の国家体制、統治形態、社会のあり方を根底からひっくり返す、一種の反革命クーデターだ。つまり1945年以前のような侵略戦争・世界戦争への徹底した国家総動員体制を再びつくり出し、それを可能にする軍事独裁国家の形成に必ず行きつくものである。
日帝は05年1月、日本経団連の改憲提言をもって9条改憲攻撃に総力を挙げてうって出た。05年秋には自民党新憲法草案を発表し、06年通常国会に改憲への外堀を埋める諸法案を次々と提出した。他方でイラク派兵をテコに日米同盟の枢軸的一体化を全力で進め、9条の実質的解体と自衛隊の侵略軍隊化、米軍再編と結合した基地強化に全力を挙げた。さらに規制緩和・民営化と労組破壊の攻撃を小泉構造改革攻撃として大々的に展開し、戦後労働運動が獲得した諸権利を奪いつくすことを狙うとともに、それを同時に戦争への国家大改造攻撃として推進した。
だが小泉政権下で一挙に進行し始めたこれらの攻撃は、労働者階級の抵抗の前に行きづまり、逆に日帝の政治支配の危機に転化し始めた。90年代以来の大資本攻勢のもとで積もりに積もった労働者人民の怒りが、ついにせきを切ってあふれ出す情勢に入ったのだ。
また日帝は、米帝の世界戦争戦略に自己を限りなく一体化させることで今日の世界危機と帝国主義間争闘戦の激化に対応しようとしているが、他方で日米枢軸に依拠すればするほど、日帝自身の敗戦帝国主義としての弱点をいやというほどつきつけられるジレンマに直面している。その中から、日帝独自で戦争をやれる国家体制をつくり出したいという極反動的な衝動が、支配階級の分裂を伴って猛然と噴き出してくる過程に入っている。
安倍政権は、まさにこれらの危機を暴力的に突破するための改憲突撃内閣として登場したのである。
安倍が「戦後体制からの脱却」を第一のスローガンに掲げたことは、その意味で実に重大だ。これはかつて、1930年代のナチス・ドイツが掲げた「ベルサイユ体制打破」のスローガンをほうふつとさせる。最も恐るべきことは、北朝鮮核実験への対抗を口実に、安倍政権の中心部から日本の核武装を求める声が飛び出してきたことだ。中川昭一自民党政調会長などの一連の発言は、単なる個人の主張では断じてない。安倍自身が容認し、けしかける中で生じている。
安倍はすでに、「自分の任期中(2期・6年以内)に改憲をやる」と米英のメディアに公言している。そして、安倍の側近である首相補佐官と内閣官房のもとに「教育再生会議」や日本版NSC(国家安全保障会議)の準備会議を設置し、「官邸主導」の政治ですべてを動かそうとしている。大統領型独裁体制への移行を狙うものである。その背後で攻撃の最大の推進役になっているのは、「新しい歴史教科書をつくる会」元会長の八木秀次ら、札つきのファシスト連中だ。彼らは、これまでの日帝支配体制を支えてきた霞が関の行政官僚や自民党内の他のグループとも激しい対立を演じながら、戦後の国家・社会とその価値観を破壊して戦争第一の国家体制をつくり出すことに一切をかけて臨んでいる。
(4)労組絶滅攻撃を打ち破り日本労働運動の再生を
安倍の改憲攻撃の突破口に位置づけられているのが、集団的自衛権の解禁と、教育基本法の改悪に始まる「教育改革」である。そしてその核心中の核心は、自治労や日教組など4大産別の労働組合の破壊を最大の柱とする全労働運動の絶滅にある。元首相の森喜朗は、「日教組、自治労を壊滅できるかどうかが次の参院選の争点」と言い放った。改憲をやるためにはそれが一切の出発点だということである。
実際に、安倍の掲げる「教育改革」の最大の狙いが日教組つぶしであることは、昨秋の国会審議で明白になった。政府・自民党は、教基法改悪の狙いは9・21判決を二度と出させないことだと明言した。中川昭一は「デモをする教員は免許剥奪(はくだつ)」の暴言を吐き、教育再生会議は「不適格教員の排除」を「学校再生」の最重要課題と位置づけた。
これは、かつての国鉄分割・民営化時に国鉄労働者に対して行われたいわゆる「血の入れ替え」とほとんど同じではないか。当時の中曽根首相は、分割・民営化で国労をつぶして総評をつぶすと言い、JR移行時の徹底した採用差別によって国労組合員を大量に職場から追放した。同じように、日教組30万組合員を始め戦争教育に批判的な教員は一人残らず学校からたたき出し、あるいは奴隷的な服従を誓わせるということだ。
同様の攻撃は、自治体労働者にも激しく襲いかかっている。安倍政権は「最大の抵抗勢力は官公労」と言い、公務員労働者の闘いと組織を圧殺することが現政権の最大課題であると宣言してきた。その焦点は100万自治労の解体である。
教労や自治体、全逓、国鉄の4大産別の労働者は、80年代の国鉄分割・民営化によって総評労働運動が解体されて以降も、指導部の屈服にもかかわらず労働組合としての団結を基本的なところで維持してきた。それは、連合の改憲勢力化をぎりぎりのところで阻止する歯止めとなってきた。だからこそ日帝は今日、この4大産別の労働組合に憎悪と敵意を集中し、その「壊滅」を絶対課題としているのだ。
そもそも80年代のサッチャー、レーガンに始まる規制緩和・民営化などの「新自由主義」攻撃は、帝国主義が内乱と革命防止のためにとってきた1930年代以来の国家独占資本主義的政策をもはや続けられなくなり、それを暴力的に破棄する一個の反革命として展開されてきたものだ。それは、労働者階級が2世紀をかけて闘いとった血と汗の獲得物をすべて奪い、時代を一挙に逆行させ、文字どおり「工場法以前」に戻すことで資本の無制限の搾取を野放しにする攻撃だ。その核心が労働組合の破壊と労働運動の絶滅だ。ここに、95年日経連報告や小泉構造改革にみる日帝の路線の本質がある。
しかもそれは、帝国主義の階級支配がすでに破綻に直面し、労働者階級の反乱への恐怖に駆り立てられている中での絶望的な反革命である。その未曽有の凶暴さ、激しさはここに起因するのだ。したがって、体制内改良主義を掲げるものや労資協調型の組合であったとしても、「労働組合」としての基礎的団結形態を残すものである限り、その存在自体を日帝はもはや認めることができない。なぜなら、たとえあらゆる闘いを圧殺しても労働者の団結が残っていれば、そこから必ず資本の支配を打ち倒す新たな革命の火が燃え上がることを知っているからだ。一切を根絶・一掃する以外にないのである。
また、15年戦争時を上回る新たな侵略戦争・世界戦争に突き進む上でも、労働組合的なもの、その思想や運動や組織を残したままでは国家総動員体制が成り立たない。この恐るべき階級絶滅攻撃との攻防の最先端が今、4大産別決戦として爆発しているのだ。
組合権力の奪還を
問題は、帝国主義とその攻撃に屈服してきた総評・民同以来の既成の労働運動指導部によって、労働組合の闘う力が奪われ、労働者階級の団結がその内部から形骸化されて解体され、労働運動への絶望が組織されてきたことだ。この突破に一切のかぎがある。
国会での巨大与党のほしいままな政治を許しているのは、労働者階級の怒りが弱いからでも、闘う力がないからでも断じてない。一切は民主党を軸とした全野党と連合・全労連中央の、帝国主義にあらかじめ屈服し、腐敗し堕落したあり方にある。
昨秋国会決戦の過程をみても、安倍が北朝鮮への排外主義を猛然とあおって日米軍事同盟強化と侵略戦争発動に動いたことに、野党は日本共産党や社民党を含めて北朝鮮核実験糾弾・国連制裁決議支持の大合唱を繰り広げた。この面では完全に安倍の応援団となったのだ。まさに、戦争突入前夜において、かつて第1次大戦時にドイツ社会民主党など当時の第2インターナショナル指導部が行った大裏切りの歴史を再現するに等しい。
こんな体たらくで、9条改憲や戦争国家化攻撃と正面から対決できるわけがない。まして日帝のかさにかかった資本攻勢や、労働組合破壊攻撃と闘えるわけがないのだ。そのことを典型的に示したのが昨秋11月、教基法改悪阻止決戦のさなかに日教組の森越委員長がとった行動だ。
11月25日、「朝まで生テレビ」に出演した森越はなんと、日教組組合員の国会前での座り込みへの八木秀次らの誹謗(ひぼう)中傷に対して「すみません」と謝り、「先週でやめました」と二度とやらないことを誓約したのである。これは、安倍政権や八木ら極右ファシスト分子の突撃と脅迫にたじろぎ、もう闘えないとして、その前に土下座して命乞いをするものだ。
現場労働者が今こそ総決起し、こういう腐敗し転向した既成幹部から組合権力を奪い取り、たたき出して、真に闘う執行部を打ち立てることがもはや待ったなしに求められている。日教組だけのことではない。自治労でも全逓(JPU)や国労でも、完全に同じ問題が突きつけられている。
連合中央はそもそも、一昨年の7・14見解で9条改憲と海外派兵容認に転換し、今日では高木体制のもとで小沢・民主党との一体化の動きを強めている。民主党が本年7月の参院選に向けて発表した基本政策は、集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の見直しを要求し、自衛隊の武力行使を積極的に支持するものとなっている。この民主党を連合が支持すること自体が、連合の改憲推進派への完全な転落だ。労働組合を変質させて日帝ブルジョアジーの手先に変え、労働者を侵略戦争に駆り立てる役割を担うものである。
日本共産党と全労連は、昨年1月の第24回党大会で不破に代わる志位体制を確立して以降、「資本主義の枠内での民主的改革」という、帝国主義打倒の立場を完全に放棄した路線をますます突っ走っている。「民主的ルールのもとでの大企業との共存」をうたい、日本の資本家階級が対米従属をやめて「アジア諸国とともに生きる」道を選択すれば、平和で豊かな日本が築けるなどという話をふりまいている。
だがこれは、帝国主義の現実の危機と戦争の切迫をおよそ無視した空論であるだけではない。現に今、多数の労働者が恐るべき低賃金・無権利の労働地獄に投げ込まれている時に、その元凶である日帝の大資本と闘うのではなく逆に「共存」を呼びかけているのだ! さらに、日帝が目指すアジアの勢力圏化を全面賛美し、そのお先棒をかつぐ役割をかって出るものだ。
しかも志位ら日本共産党中央は、9条改憲阻止の大統一戦線に対し、動労千葉などの排除を叫んでその発展に敵対している。階級闘争の勝利よりも自らのセクト的利害を優先し、大衆運動を選挙の票として利用するにすぎないというスターリン主義の本質は、何も変わってはいない。
こうした民主党・連合、日本共産党・全労連、社民党その他一切の闘わない既成野党や労組幹部をはねとばし、現場労働者の下からの決起で労働運動の現状を革命的にぬりかえよう。そこにこそ勝利のかぎがある。4大産別決戦の大爆発を先頭に、日本労働運動の再生をここで絶対にかちとろう。
(5)朝鮮・日本革命を拠点に21世紀世界革命へ進もう
今や、プロレタリア世界革命が完全に日程に上っている。世界の労働者階級と被抑圧民族人民の決起はすでに陸続と開始されている。その先頭に日本の労働者階級が立つ展望と現実性を、ついにつかみとることのできる情勢に突入した。
今始まっているのは、帝国主義が20世紀初頭以来、1世紀をこえて蓄積してきた諸矛盾の歴史的大爆発である。
帝国主義とは、資本主義の最高の発展段階であり、同時にその没落期の、死滅しつつある資本主義である。だがこの帝国主義は、プロレタリア革命によって打倒されない限り、生き続け、最後はその矛盾を世界戦争として爆発させ、全世界の労働者人民を地獄の底に引きずりこむ。1917年のロシア革命は帝国主義戦争を内乱に転化し、史上初の労働者国家を打ち立てることで世界革命の出発点を切り開いた。しかし革命を変質させたスターリン主義の裏切りによって帝国主義は基本的に延命し、第2次大戦へと突き進んだ。そして戦後革命の敗北によって再度生き延びた。だが今日、その命脈は尽きはて、最末期の腐敗した姿をさらけだしている。
現に今、帝国主義のもとで世界はどんな状態にたたき込まれているか。貧富の差のすさまじい拡大、労働者階級の恐るべき貧困化がいたるところで進行している。失業、飢餓、過労死が日常化し、社会の崩壊が日に日に深まっている。差別があおられ、他民族への抑圧が激化し、金権腐敗と強権の政治が横行し、世界各地で帝国主義の侵略と戦争による殺りくと破壊が繰り広げられている。
今日の帝国主義は、この現実を生み出しただけでなく、それを継続し拡大し続けることなしにはもはや一日も成り立たない。一刻も早く打ち倒す以外にないのだ。必要なのは、労働者階級の国境をこえた団結と、プロレタリア世界革命に向けての目的意識的な闘いの開始である。
米日帝の朝鮮侵略戦争切迫下で日韓米労働者の不抜の国際的団結を闘いとった今、日帝打倒、米帝打倒、さらに北朝鮮・中国スターリン主義打倒、朝鮮半島における労働者革命を基礎にした南北の革命的統一、それらを軸とする全アジアの解放に向けて、新たな挑戦を直ちに開始しなくてはならない。
とりわけ日本革命と朝鮮革命は、労働者階級の闘いとして、本質的にも現実的にも一体だ。戦後革命期の闘いが両者の分断とスターリン主義の裏切りによって敗北した痛苦な歴史をのりこえて、今度こそ勝利をかちとろう。民主労総ソウル地域本部を先頭とした闘う韓国労働者との同志的連帯を打ち固め、東アジアを新たな世界革命の根拠地とするために闘おう。
V 「闘う労働組合」を取りもどそう
(1)階級的団結よみがえらせ職場支配権の獲得へ
07年は、朝鮮侵略戦争攻撃、改憲攻撃、民営化・労組破壊攻撃との一大階級決戦の年になる。日帝の全面的な政治経済攻撃との激突になる。
日本経団連の御手洗会長は、「希望の国、日本」と題する1・1新ビジョンを発表し、その貫徹に07年の冒頭から突き進むことを宣言している。そこで御手洗は、今後の5年・10年の間に達成すべき課題として、「2010年代初頭までに憲法改正」「愛国心に根ざす公徳心の涵養(かんよう)」を挙げた。9条改憲を強行して対外侵略戦争に全面突入することを中心目標に掲げたのだ。
そしてそれと一体で、日帝が「労働ビッグバン」と呼ぶ労働市場の規制緩和=戦後労働法制の全面解体を叫んでいる。御手洗は「非正規雇用は格差社会の原因ではなく、もっと拡大すべきだ」と主張して回っている。さらに法人税率の10%引き下げなど企業への大規模減税を要求する一方、消費税率を2011年度までにまず7%にせよと打ち出した。道州制の導入、東アジアのブロック化促進も掲げている。
まさに〈外への侵略戦争と内への階級戦争〉を日帝の全体重をかけて一気に推し進めようというのである。安倍政権は、反動の極致が出そろったこの御手洗ビジョンを、強権をもって押し通すことを使命としている。07年は、この安倍=御手洗との一大激突の決戦の年となる。
07春闘はしたがって、それ自身が一個の巨大な階級決戦である。安倍政権の掲げる「成長戦略」とは、労働者階級への一層極限的な搾取と収奪の強化によって、日帝の大資本に世界市場を制覇できる国際競争力をつけさせようというものだ。それが「労働ビッグバン」であり、その柱が労働契約法の制定である。
労働契約法は、労働組合との団体交渉を排除して、労働者の労働条件を資本が一方的に決めることを可能にする。団結権の存在そのものを否定し、憲法28条に規定された労働基本権の完全解体を狙うものである。労働基準法の労働時間規制を全面撤廃する「エグゼンプション」制度の導入や、労働者派遣法の大改悪が、これとセットで狙われている。資本による解雇、出向・配転、不払い残業などをやりたい放題にし、休憩時間すらない恐るべき労働強化と過労死の地獄に労働者を追い込むものとなるのは間違いない。
こんなことを許したら、労働者の生命と生活は完全に破壊され、ボロボロにされる。エンゲルスが19世紀に『イギリスにおける労働者階級の状態』で描き出したのとまったく同じ情景が、現代の日本社会を覆うことになる。
さらに、07年の通常国会は、再び教育決戦国会となる。共謀罪を始めとする治安立法、改憲国民投票法案もますます焦点化する。米軍再編関連法、自衛隊派兵恒久法なども次々と決戦課題に上ってくるのは間違いない。
すでに多くの労働者階級人民は、民主党・連合の裏切りや日本共産党・社民党などの動揺と屈服をのりこえ、続々と決起を開始している。6000万労働者とその家族の「このままでは殺される」という叫びが、もはや押しとどめることのできない勢いで爆発し始めている。必要なのは階級的団結の回復とその強化であり、この道を進めば勝てるという行動方針だ。
(写真 教基法改悪案の参院特別委採択を弾劾【12月14日】)
労働者自己解放の道
革共同は、すべての労働者に、とりわけ日帝ブルジョアジーの凶暴な攻撃に最も激しくさらされている青年労働者に、心の底から訴える。
第一に、労働組合こそ資本・権力と対決する労働者階級の最も基礎的な団結形態であり、帝国主義による差別・抑圧の分断支配と闘う砦(とりで)だ。今こそ6000万労働者の手に本来の労働組合を取り戻そう。
この社会を実際に成り立たせ、動かしているのは労働者階級である。だが資本主義のもとでは労働者は、社会の真の主人公でありながら、資本を増殖し一握りの支配階級の利益を増大し続ける限りにおいてその生存が許されるという存在に転落している。資本の搾取は、労働者が団結して闘わなければ無制限に拡大し、最後は労働者とその家族を丸ごと死に追いやるところまで行きつく。だが労働者は、階級として一つに団結することで、この資本の支配を根底から覆す力を自分自身の中に持っている。労働者階級の解放は、同時に階級社会のもとで抑圧されてきた他のすべての人びとの究極的・人間的解放につながるものとなる。
労働組合とは、労働者階級が職場生産点での団結形成をテコに、資本との日常的なゲリラ戦を闘うと同時に、自らの究極的な解放へ向けて闘うための組織である。だがこの労働組合本来の姿は今日、資本に買収された労働貴族や体制内改良主義に転落した多くの組合幹部のもとで、大きくゆがめられてしまっている。青年労働者を先頭とする現場労働者の総決起でこの現状を断固として打ち破り、闘わない組合を闘う組合によみがえらせよう。さらに、労働組合のないところには新たに組合を組織して闘おう。
第二に、動労千葉を始めとして、関西生コン、港合同、全金本山など、日帝資本との非和解的な対決を貫いてきた労組の闘いから学ぶことだ。とりわけ、動労千葉労働運動の歴史と実践から貪欲(どんよく)に学ぶことを訴えたい。
動労千葉は、国鉄分割・民営化による国鉄労働運動絶滅攻撃と唯一、真っ向から2波のストライキで闘って勝利し、生き残った組合である。当時、40万人いた国鉄労働者が大量首切りによって21万5千人に減らされる中、国鉄最大の労働組合だった国労は一発のストも打てないまま、わずか5年間に23万人の組合員が4万4千人に激減した。なぜ動労千葉だけがこの嵐をくぐりぬけて生き残り、その団結を一層強化して闘い続けることができたのか。
それは何よりも、当局・資本と職場で日常的に闘い、かつ労働組合の原則をどんな時にも絶対に曲げず、貫き通して闘ってきたからだ。二つ目にマルクス主義で武装し、体制内労働運動と決別して、帝国主義に屈服するあらゆる思想・運動との非妥協的な党派闘争を貫いて闘ってきた。三つ目に、プロレタリア国際主義と労農連帯を正面から掲げ、それを徹底的に実践する中で組合を強化して闘ってきたことだ。
動労千葉とともに闘う関西生コン、港合同の2労組や全金本山もそれぞれ、資本・権力の激しい攻撃の前に労働運動の原則をねじ曲げようとする潮流と非妥協的に闘って、組合の団結を守り強化してきた。これらの闘いからとことん学び、実践していこう。
第三に、職場闘争の実践と現場労働者の団結形成を土台に、職場支配権の獲得、組合権力奪取への挑戦に断固として踏み出すことである。
労働組合に階級性を取り戻すこと。労働運動の階級的再生をかちとること。その一切は、ランク・アンド・ファイル(一般組合員)の決起にかかっている。組合は資本のおこぼれにあずかろうとする一部幹部の利益のためにあるのではない。一人ひとりの労働者のかけがえのない団結の場であり、資本の職場支配を実力で打ち破るためにあるのだ。腐敗した幹部を打倒し、組合を現場労働者の手に取り戻そう。その先頭に青年労働者が立とう。
闘う労働組合の全国ネットワークを拡大強化し、階級的労働運動の大発展をつくり出そう。全国労組交流センターはその中心となって職場生産点からこの闘いを担い、発展させよう。
(2)教労・国鉄軸に4大産別決戦の勝利へ攻め上ろう
4大産別をめぐる決戦は、07年に最大の正念場を迎える。4大産別の労働組合が生きるか死ぬかは、今年1年の闘いで決まる。絶対に勝利し、この決戦を日本労働運動再生の巨大なのろしとしていこう。
(1)安倍政権は教基法改悪に続いて07年、教員免許更新制導入を始めとする教育改革関連法案を山のように国会に提出しようとしている。免許更新や教員評価制で全教員をふるいにかけ、学習指導要領に法的拘束力を持たせて愛国心教育を徹底し、全国学力テスト実施と学校選択制で公教育を解体して、学校を一握りのエリートを除く大多数の子どもたちに国家への忠誠心だけをたたき込む場に変えようというのだ。07年はこれとの大決戦になる。
しかし、教育労働者が学校現場で職場支配権を握って不屈に闘いぬくならば、法案が通ろうと、そんなものは一片の紙切れにすぎない。何よりも、教基法決戦での日教組本部の大裏切りを徹底弾劾し、日教組本部打倒、闘う日教組の再生へ突き進むことだ。森越の裏切りは文科省とのパートナー路線が行き着いた最後の帰結だ。このことをはっきりさせ、日教組運動を“闘う労働運動”として全組合員の手に取り戻すために、全国の単組・支部・分会から猛然と闘いを進めよう。
とりわけ「日の丸・君が代」不起立闘争の爆発は決定的だ。安倍政権は、この闘いが全教育労働者の中に広がることに心底恐怖している。この3月、不起立・不服従がどこまで広がるかが核心的課題だ。07年の卒・入学式闘争を、東京の教育労働者を先頭に、過去3年間を上回る職務命令拒否の一大闘争として爆発させていこう。
これら職場での闘いを基礎に、通常国会で昨年を上回る巨大な国会闘争をたたきつけよう。教員免許更新制導入を絶対阻止しよう。
(2)国鉄労働運動は、4大産別全体の死活を決する最大の決戦局面を迎えた。動労千葉の闘いと1047名闘争の継続は、分割・民営化以来20年にわたる一個の階級戦争として、日帝の労働者支配をその根幹で切り崩す役割を果たしてきた。日帝は今、その反革命的決着をかけた攻撃に日帝自身の存亡をかけてのりだしている。
それを示すのが館山運転区廃止などの動労千葉破壊を狙う基地統廃合攻撃である。いまひとつはJR東日本による駅業務の外注化や契約社員の大量導入、さらに首都圏7支社で07年10月から運転士を全員「40歳までに駅業務に異動させる」という攻撃だ。その狙いは「平成採」の青年労働者の反乱の未然圧殺にある。この間の合理化に次ぐ合理化によってJRの安全の崩壊が進み、運転職場に矛盾が集中する中で、青年労働者の怒りの爆発は必至だ。敵に余裕は一切なく、追いつめられた中での凶暴な賭けに出ているのだ。
この重大情勢下で、国労本部は組合員を丸ごとJR資本に売り渡す「労使共同宣言」締結とも言うべき決定的な裏切りに走った。JR東日本と出向協定を締結し、これまでの数々の不当労働行為について、謝罪も実損の回復もないまま「包括和解」に調印したのだ。さらに日帝と一体となり、「政治解決」の名で1047名闘争を内部から解体しようと全力をあげている。この国労本部に国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利をたたきつけ、1047名闘争死守・国労再生へ闘おう。
さらに、動労千葉を先頭に、JR体制解体の第2次国鉄決戦へ断固突入することだ。基地統廃合攻撃を粉砕し、反合・運転保安闘争の一層の強化・発展をかちとろう。
JR体制を支える最大の柱であったJR総連のファシスト労働運動は、分割・民営化の破産が大爆発し、他方でカクマル松崎による組合資金横領などの犯罪行為が暴かれる中で、腐敗と分裂を極限的に深めている。今こそJR総連を解体し、動労千葉に続く全国鉄労働者の総決起を切り開こう。
(3)郵政民営化をめぐる攻防は、まだ何の決着もついていない。本年10月の民営化スタートを前に、逆に分割・民営化のもつあらゆる矛盾が支配階級の分裂も含めて一斉に噴き出し、攻撃は完全に行き詰まっている。合理化による人員削減が進行する中、深夜勤などの強労働に耐えかねて勧奨退職に応じる労働者があいつぎ、要員不足はすでに限界をこえた。民営化のためのアクションプラン2、JPS(郵政版トヨタ方式)は次々と破綻し、集配拠点の再編には全国の自治体からも反対があがり延期や縮小に追い込まれている。
当局の攻撃が破産に直面している中で、なおかつJPS推進の旗を振り続け、現場に犠牲を強要する最先兵の役割を果たしているのがJPU(連合全逓)幹部である。現場労働者の怒り、とりわけ矛盾が最もしわ寄せされるゆうメイトの青年労働者の怒りは爆発寸前だ。07年こそ、全逓労働運動再生の絶好のチャンスだ。正規職と非正規職の分断をのりこえ、職場に労働者の団結をつくりだし、要求を行動に移すことがかぎである。職場闘争を徹底的に闘い、腐敗したJPU幹部から組合権力を奪い返す闘いにうって出よう。
(4)自治体では、「小さな政府」「官から民へ」をスローガンに、徹底した行革=歳出削減による大量首切りと大幅賃下げ、市場化テスト導入・民営化攻撃、地方分権や道州制導入を旗印にした一大リストラ攻撃が、今や音を立てて進行している。それらは北海道夕張市の例にみるように、自治体丸ごとおしつぶすにも等しい攻撃だ。そのことをとおして戦後の地方自治を全面解体し、戦争国家化への国と地方の大改造を推し進めようと狙っている。
その中心に、「公務員制度改革」の名による官公労の労働組合の解体がすえられている。公務員労働運動の抵抗力を打ち砕くことがその最大の狙いである。関西では戦後の部落解放運動が闘いとってきた同和行政の一環である現業公務員職場への部落民採用をやり玉にあげ、部落差別をあおって自治体労働運動つぶしと解放運動つぶしを一挙に進めるという、恐るべき攻撃が始まっている。
ところが連合・自治労も全労連・自治労連も闘わずしてこれに屈服し、逆に現場労働者の決起を抑圧するのに必死になっている。自治労本部は、日教組と並んで「自治労壊滅」が叫ばれているにもかかわらず政労協議にうつつをぬかし、参院選での民主党支持を組合員に強制することを唯一最大の方針にしている。自治労連本部は、日本共産党の「資本主義の枠内の民主的改良」路線に基づいてこの連合や地方6団体にすり寄り、現場の怒りや階級的立場とは無縁な存在となっている。これら既成幹部を打倒して、100万自治労の再生を柱に、自治体労働運動を4大産別決戦の最大の戦闘主力へと押し上げよう。
(5)4大産別決戦との結合のもとで、民間、中小、非正規職労働者の闘いをさらに強力に拡大・発展させていこう。労働契約法制定を絶対阻止し、労働争議の禁圧を狙う共謀罪など、団結破壊の攻撃と徹底的に闘おう。
95年日経連報告後の10年間に、民間では終身雇用制が解体され、派遣・パート・臨時・請負その他、非正規・無権利の労働者が膨大に生み出されている。今や職場の圧倒的多数がこれら非正規職の労働者によって占められ、幾重にもわたる差別と分断が持ち込まれ、団結が破壊されている。
この資本による無数の分断支配と徹底的に闘い、正規雇用と非正規雇用、組織労働者と未組織労働者の分断を打ち破って、労働者階級として一つに団結すること、その力を回復することが重要である。NTTや医療・福祉職場で始まっている闘いを先頭に、電機、鉄鋼、造船、自動車、金属、化学、私鉄など民間大単産での闘いを粘り強く推進しよう。マスコミ・出版、民間中小での戦闘的闘いをさらに進めよう。
とりわけ地域合同労組の闘いは、この点で決定的な意義をもっている。また青年労働者の決起とともに、非正規職の大半を占める女性労働者の決起がきわめて重要である。
(6)小泉構造改革を引き継ぐ安倍政権のもとで、社会保障解体、大増税、労働者家族の破壊と生存権剥奪の攻撃がこれからますます吹き荒れようとしている。この嵐と立ち向かい、全階級的・全人民的反撃をたたきつけよう。07春闘をその突破口として闘おう。
(3)米軍再編粉砕、安保・沖縄-三里塚決戦の爆発を
米日帝の朝鮮侵略戦争は超切迫している。日帝は現実の戦争発動をとおして、憲法9条解体と戦争国家化を、改憲を待たずにどんどん進行させようとしている。これに対して、朝鮮侵略戦争阻止、米軍再編粉砕・基地全面撤去・日米安保解体、一切の戦争協力拒否・国家総動員体制粉砕の新たな安保・沖縄闘争に総決起していかなくてはならない。これは改憲阻止決戦の大爆発を闘いとる上で、4大産別決戦と並んで最重要の柱となる闘いである。
日米両政府は一方でイラク・中東をにらみつつ、朝鮮・中国情勢の激動的な展開に焦点をすえて、新たな朝鮮侵略戦争突入への準備に拍車をかけている。米軍再編とは、この戦争を実際に発動することを目的に、朝鮮38度線に固定されてきた在韓米軍をより機動力あるものに再編成し、司令部機能を韓国から日本に移し、沖縄の軍事要塞(ようさい)化を最大の拠点として、日本全体を巨大な出撃基地・作戦基地につくり変えるものである。日帝・安倍政権はこの戦争に集団的自衛権を発動し、自衛隊を米軍と一体化させて戦闘行動に突入させることをとおして、9条改憲への壁を一気に突破しようとたくらんでいる。
沖縄を先頭とする米軍再編粉砕の全国基地闘争の発展は、これに真っ向から立ちはだかるものとなっている。とりわけ沖縄では、昨年5月の米軍再編最終報告でその目的が沖縄基地の縮小どころか一層巨大な軍事要塞化にあることが明らかになって以降、島ぐるみの闘いが新たに始まっている。日帝支配階級がその延命のために沖縄に再び差別的に犠牲を集中し、「第二の沖縄戦」を強いようとしていることに、根源的な怒りが広がっている。
県知事選での敗北は、日帝の「内乱を起こす気か」という脅しに既成野党がひるんだ結果だ。既成野党の動揺と連合の屈服をのりこえて進むことが沖縄の労働者階級の必須の課題である。11・5集会で打ち立てられた、連合打倒・階級的労働運動再生へ向けた沖縄と本土の労働者の団結のきずなを強め、沖縄米軍基地全面撤去の闘いを朝鮮侵略戦争阻止、安保粉砕・日帝打倒の戦略的柱として闘おう。
辺野古崎新基地建設絶対阻止の闘いはその突破口だ。海上ヘリ基地を実際に実力阻止した偉大な闘いを引き継ぎ、昨秋パトリオットミサイル導入阻止闘争の爆発を引き継いで、新たな安保・沖縄闘争の発展を切り開こう。
これと並んで、横須賀、座間・相模原、厚木、岩国、佐世保など、全国で米軍再編・基地強化粉砕の闘いに立とう。北富士闘争を先頭に、日本原など全国各地での侵略戦争演習阻止の闘いに立ち上がろう。沖縄に続き、全国でパトリオット導入阻止を闘おう。
三里塚闘争は、朝鮮侵略戦争切迫情勢の中で、沖縄と並んで新たな一大決戦の渦中に突入した。
反対同盟農民の40年間にわたる農地死守の不屈の闘いは、帝国主義に対する革命的内乱の本質をもち、その勝利性をさし示している。この三里塚闘争が、全国の基地闘争を闘う住民を始め多くの人民に巨大な影響を与えることを、日帝は心底から恐れている。
暫定滑走路北延伸に始まる攻撃は、反戦・反権力の闘いの砦(とりで)である三里塚をつぶし、成田空港を朝鮮侵略戦争の一大軍事輸送拠点としていくことを狙うものである。断じて許さず、粉砕しつくさなくてはならない。
この攻撃は同時に、市東孝雄さんへの農地法を使った土地取り上げに見られるように、戦後体制を反革命的に転覆する改憲攻撃そのものだ。戦後の農地改革で確立した農民の耕作権を否定し、農業・農民を圧殺する大攻撃だ。反対同盟は全国に檄を発し、日帝の農業切り捨て政策のもとで苦闘する農民にともに闘いに立ち上がることを呼びかけた。さらに労働者階級に対して、労農同盟の力で全攻撃を粉砕し、安倍政権打倒へ攻めのぼろうと訴えている。これに応え、闘う労働者と学生は三里塚現地にかけつけ、農地強奪を絶対に阻む闘いに立とう。全国に三里塚への大衆的結集運動を巻き起こそう。
米軍再編の進展と防衛庁の防衛省への転換は、自衛隊の全活動に激変をもたらす。すでに海外派兵から帰国した隊員の自殺が続出し、隊内での動揺は著しく深まっている。憲法9条下の自衛隊から殺し殺される帝国主義軍隊への変貌(へんぼう)は、本質的に軍服を着た労働者である自衛隊兵士に、「誰に銃を向けるのか」という根本的な問いを突きつける。反軍闘争はきわめて重大な段階に突入した。
小牧闘争を軸とするイラク反戦闘争の継続と、朝鮮侵略戦争阻止の闘いの大衆的発展がますます重要だ。さらに自治体労働者や教育労働者、空港・港湾・鉄道・運輸・放送通信部門などで働く労働者の、戦争協力拒否の職場闘争の断固とした展開が求められている。ここでの大前進をかちとろう。
改憲攻撃の本格化は、戦争に反対してきた広範な労働者人民の中に非常な危機感と怒りを呼び起こしている。闘う労働組合が中心となって、9条改憲阻止の大統一戦線を今こそ発展させよう。百万人署名運動が呼びかける「9条を変えるな!」の署名をともに集め、巨大な全国運動にしていこう。
共謀罪絶対阻止を
日帝の危機と階級的激動が深まる中で、治安弾圧体制の全面的再編が支配階級にとって死活の課題となっている。帝国主義戦争遂行のためにも、その内乱と革命への転化を未然に防ぐためにも、政治警察・秘密警察が強大な権力を握る警察国家への移行が不可欠として狙われている。共謀罪の新設や裁判員制度の導入をテコとした戦後司法制度の全面解体は、その攻撃の一端だ。これに対して弁護士戦線を先頭に、闘いが大きく沸き起こっている。
とりわけ共謀罪の導入は、実行行為以前の「話し合い」だけで重罰を科すものであり、思想・表現の自由をも奪い、労働者の団結権を破壊するものだ。共謀罪阻止の闘う統一戦線をさらに強化し、通常国会での成立を狙う策動を絶対阻止しよう。
(4)階級的労働運動を実践し差別・排外主義と闘おう
帝国主義の危機が最末期を迎えている中で、排外主義・差別主義との闘いはますます重大な位置をもっている。世界大恐慌と世界戦争突入情勢は、帝国主義の世界支配のもとで展開される民族抑圧とあらゆる形態の社会的差別を極限まで拡大する。
だが同時に、この危機を帝国主義打倒の革命的内乱に転化しプロレタリア世界革命の勝利を実現するならば、そのことをとおして、階級社会のもとで奪われてきた人間社会の真の共同性を奪還していく道が切り開かれるのだ。すなわち一切の差別・抑圧からの根底的な解放の道が、労働者階級の自己解放闘争の貫徹とそこへの全人民の大合流(プロレタリア独裁の形成)をとおして、初めて切り開かれていくのである。
革共同は、70年闘争を闘う中で在日中国人青年の糾弾から学ぶことをとおして、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」を日本革命への戦略的総路線として確立した。それは、在日朝鮮・中国人民の存在と闘いを全階級闘争の中にはっきりと位置づけ、そこに学び、連帯・支援・防衛する闘いを日本労働者階級自身の階級形成の重要な柱としていくという7・7路線を、日本革命とアジア(世界)革命の統一という立場から整理し、路線化したものである。
すなわち、労働者階級が本質的に国境をこえた存在であり、世界史的存在であること。しかしその本質が帝国主義支配のもとで曇らされている現実に対し、そこを打ち破って自らの本質を自覚した時、階級のもつ無限の力が真に解き放たれること。それが7・7路線の核心であり、まさに今日の階級的労働運動路線のもとでこそ、この7・7路線は真に力をもち、豊かに発展していくのだ。
部落解放闘争、「障害者」解放闘争、女性解放闘争、在本土沖縄青年の闘い、被爆者解放闘争など、帝国主義による差別・抑圧と闘うあらゆる戦線での闘いの前進も、この路線を実践的に貫く中でこそ切り開かれる。06年の闘いは、すでにその一端を示している。
11・5の歴史的な団結を闘いとった地平の上に、階級的労働運動の前進と固く結合し、諸戦線での闘いを飛躍的に発展させていこう。
(5)法大決戦勝利、改憲阻止全国学生ゼネストへ
日本階級闘争を革命的にぬりかえる上で決定的な役割を負っているのは、青年労働者とともに、学生の闘いだ。
今日、日帝・安倍政権の掲げる「教育改革」のもとで、大学と学生をとりまく状況は激変し始めている。大学はもはや真理・学問探求の場でも文化創造の場でもなく、帝国主義の求めに応じた軍事研究と資本に従順な労働力育成の場に変えられる。そこでは、学生は人間としてではなく、資本の利潤を生み出す歯車の一部品か、当局や権力の意のままになる忠実な奴隷のような存在としかみなされない。政治活動はもちろん、自由な研究も討論も一切奪われる。国家権力への服従の精神だけがたたき込まれ、行きつく先は再度の学徒動員だ。
それを象徴的に示すのが、法政大学で起きている事態だ。立て看板・ビラを一方的に規制し、抗議した学生への不当逮捕や退学・停学処分を乱発し、ついには公安警察とガードマンが学内を四六時中徘徊(はいかい)して全学生への監視の目を光らせるという、異様な光景が生まれている。さらに教職員組合や教授会自治をも解体し、戦争に反対する教授を教壇から追放して極右ファシスト分子を呼び込もうとしている。法大だけではない。東北大や富山大を始め全国で学生の自治寮や自治会の破壊、サークル活動への弾圧が強まっている。
このことはしかし、日帝・安倍政権に対する全国300万学生の怒りに必ず火をつける。すでに、法大当局の卑劣な弾圧と処分に対する法大生の大衆的反撃が始まっている。300万学生がその怒りと思いを行動に移し、1960年、70年をもこえるような大闘争に立ち上がることを、日帝権力は死ぬほど恐怖している。この敵権力に、彼らの恐怖を本物にしてやる巨大な闘いをたたきつけよう!
米日帝の朝鮮侵略戦争阻止、改憲阻止、安倍政権打倒の全国300万学生ゼネストの実現に向けて総決起しよう。自治会を再建し、闘う全学連の旗を全国の大学に打ち立てよう。
その突破口として、法大決戦に絶対勝利しよう。大学キャンパスは資本家階級とその手先である国家権力がほしいままに支配する場では断じてない。大学の主人公は学生だ。全学生の大衆的実力決起でキャンパスから公安警察とガードマンをたたき出し、大学の支配権を学生の手に取り戻そう。
(6)安倍・石原打倒をかけて4月統一地方選必勝を
07年の4月統一地方選挙と7月参院選は、安倍政権との対決にとって重要な位置を占めている。とりわけ首都東京における4月統一地方選は、「東京から日本を変える」と公言し、安倍政権の改憲への突撃を先頭に立って牽引(けんいん)している都知事・ファシスト石原を打倒する決戦である。
その主力は、教育労働者の「日の丸・君が代」不起立決起を先頭とする、首都圏の労働者の職場生産点における闘いの爆発だ。これと連動した都労連の春闘ストへの決起がかちとられれば、決定的だ。同時に、そうした闘いと結合して、選挙闘争そのものにおいても労働者階級の真の代表を推し立てて闘い、ブルジョア議会の中に革命的斥候として送り込むことがきわめて重要になっている。
この決戦を闘うにあたって、革共同は、これまでの選挙闘争の中で長期にわたってわれわれ自身の中に積み重ねられてきた、革命的議会主義についてのゆがんだ理解とその変質という痛苦な現実を克服し、原点に戻って再出発することを固く固く決意する。そして杉並区民を始めとするすべての闘う労働者人民に、革共同とともに新たな挑戦に立つことを心の底から訴えたい。
労働者階級にとってブルジョア議会とは何か。それは表向きは「人民の意志」を代表する機関であるかのように装っている。だがその本質は、支配階級である資本家階級が国家権力を握って他の全階級を支配し抑圧するための機関である。いわゆるブルジョア民主主義はこの本質を覆い隠すものに過ぎず、今日の帝国主義のもとではそれ自身が金権腐敗と警察の選挙介入による暴力にまみれている。労働者階級は、このブルジョア議会にひとかけらの幻想も持つことはできない。
その上に立って、ロシア革命勝利後の1920年春に開催されたコミンテルン第2回大会は、選挙と議会に対してプロレタリアートがとるべき原則的立場を次のように打ち出した。
「この機関(ブルジョア議会)を支配階級の手からもぎとり、それを破壊し、全廃し、そのあとに新しいプロレタリアートの権力機関を置き換えることが、労働者階級の当面の歴史的任務である。同時に、しかしながら労働者階級の革命的参謀本部は、この破壊事業を容易にするために、ブルジョアジーの議会諸機関の内部に偵察部隊を持つことに強い関心をもつものである。ここから、革命的目的で議会に入っていく共産主義者の戦術と、社会主義的議会主義者のそれとの根本的な相違が生まれる」
「共産党がこの制度の中にはいるのは、議会の中でその一部としての機能を果たすためではなくて、議会内の行動によって、国家機関と議会そのものを打ち砕くために大衆を援助するためである」「議会内活動は、全体として、かつ完全に、議会外の大衆闘争の目的と任務に従属さるべきである」
この革命的議会主義の原則に今こそ徹底して立ち返り、新たな決意で07年統一地方選をめぐる一大決戦に打って出よう。杉並と全国で、労働者階級の歴史的任務を貫くために闘う候補を断固として推し立て、その当選を絶対にもぎとろう。
W革命に勝利する労働者党建設を
反スタ・革命的共産主義運動の到達地平
革共同は、1950年代末にスターリン主義と決別した革命的労働者党として自己を確立した。そしてスターリン主義のもとで歪曲され変質させられていたマルクス主義・レーニン主義の思想と実践を闘いの中でよみがえらせ、その格闘の中から現代革命の綱領と路線を打ち立て、発展させてきた。
それは、プロレタリア革命に恐怖する日帝権力の破防法弾圧、「過激派」絶滅攻撃を打ち破り、60年安保、70年安保・沖縄、80年代の三里塚・国鉄、90年天皇決戦を経て今日に至る、帝国主義との内乱的闘いを貫き通してきた歴史である。したがって同時に、日本共産党や旧社会党系勢力を始め、帝国主義にあらかじめ屈服した他の政治潮流との激しい党派闘争を貫くものであった。とりわけ「新左翼」の仮面をつけながら警察権力の手先に転落し、70年闘争を闘った労働者・学生への反革命襲撃に走ったファシスト・カクマルとの、20年にわたる激烈な内戦の試練をくぐりぬけてきた歴史であった。
そしてついにわれわれは、わが革共同が掲げてきた「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の綱領的立場とその総路線が、1917年ロシア革命を引き継いで闘おうとする国際労働者階級の最も先進的な部隊の魂をとらえる地点に到達した。2001年の革共同第6回全国大会と03年の新指導路線の確立は、その歴史的飛躍をなしとげる新たな出発点となった。
何よりも、ファシスト・カクマルとの戦争に完全に勝利の決着をつけたことである。6回大会は、70〜80年代の権力・カクマルとの二重の内戦に勝利し、91年5月テーゼ以降の大衆闘争現場におけるカクマル追放・一掃の闘いに勝利してきた土台の上に、カクマルの最後の理論的砦であった黒田哲学を完全粉砕し、その死を宣告した。反革命頭目・黒田はこれに一言の反論もできないまま、昨年6月、ついにその恥多き死を迎えた。
黒田哲学と並ぶカクマルのいまひとつのよりどころであったJR総連・カクマル松崎もまた、JR資本との結託体制の崩壊と松崎自身の腐敗の暴露の中で、はてしない内部分裂・抗争を深めている。松崎のあがきに、闘う労働者の手で最後のとどめを刺す時が近づいている。
革共同は、この対カクマル戦の勝利を確認するとともに、半世紀にわたる日本共産党スターリン主義との党派闘争にも、今や歴史的な決着をつける時が来たことを宣言する。
日本共産党はソ連スターリン主義の崩壊後、不破・志位ら党官僚の延命のために、綱領を改定して党の目的はプロレタリア革命の達成にあるのではないと公言した。アリバイ的に掲げてきた「労働者階級の党」という看板をも外し、「国民政党」を名乗っている。「9条を守ろう」と言いながら「自衛のための戦争」は必要と主張し、労働者階級の闘いを最後に裏切る反革命の正体だけは捨てていない。日本共産党にスターリン主義としての最後的破産をつきつけ、21世紀の革命へ向けた革共同の大前進を闘いとっていこう。
労働者細胞建設軸に党勢倍増かちとろう
06年に開始された「党の革命」は、6回大会を経て新指導路線を確立した革共同がプロレタリア革命への本格的前進を開始したその時に、この前進に敵対して党を内部から破壊し、帝国主義と闘わない党に変質させようとした腐敗分子を打倒して、革共同自身を革命の党としていま一度生まれ変わらせる闘いであった。革共同政治局は、自らの内側にこのような腐敗と変質を生み出したことを全同志と労働者階級の前に深刻に自己批判し、第22回拡大全国委員総会を開催して、党の再武装と新たな飛躍への出発点を築いた。
22全総での三つの報告(『共産主義者』第151号掲載)と諸決議は、「党の革命」の第一段階を総括し、労働者同志を先頭に、その第二段階に断固として突入することを宣言したものである。
最大の核心は、「党は階級そのものである」「階級の敗北は党の敗北であり、党の敗北は階級の敗北である」ことを完全に明確にしたことだ。党内の腐敗を生んだ根底にあったのは労働者階級の闘いに対する絶望であり、労働運動の実践に価値を見い出さない思想であった。労働者自己解放というマルクス主義の根幹を否定し、党を階級の上に置く思想だったのだ。「党の革命」はその徹底打破・一掃をとおして、21世紀のプロレタリア革命に向けて革共同を文字どおり「階級の党」として打ち立てたのである。
「党の革命」の第二段階とは、この立場に立って全国の同志の同志的一体化、細胞的・共産主義的共同性の回復をかちとる闘いであり、革共同の路線的一致とともに思想的綱領的な深化と継承性をかちとる闘いである。何よりも、すべての職場・地区・産別に強大な労働者細胞を建設する闘いに全党が一丸となって突入し、その実践の中で真の同志的団結と路線的一致を現実に闘いとることである。
この点で重要なことは第一に、大量の青年労働者の党への結集をかちとることである。青年のもつみずみずしい階級的感性と自己解放的エネルギーこそ、革命運動を発展させる原動力だ。1000人のマルクス主義青年労働者同盟建設を、全党の同志の07年の最大課題に位置づけて闘おう。
第二に、労働者細胞は資本との日常的な職場闘争を土台として、そこでの体制内労働運動との激しい党派闘争をとおしてつくられる。そして今や、労働者階級自らが資本の鉄鎖を打ち破るべき革命的労働者党建設を希求しているのである。
第三に、中央委員会と細胞の建設を軸とした、全国単一の革命的労働者党の建設である。単一の党とは、労働者階級が帝国主義を打倒しプロレタリア独裁権力を樹立していく闘いの中で新社会を建設する能力を自ら獲得していくという、プロレタリア革命の根幹に関わるものである。各地方(地区)や産別・戦線の諸組織が単に集まって党を形成するという、いわゆる連合党的なあり方では本物の党はつくれない。
その土台は地区党建設にある。地区党は、中央委員会と一体化し、労働者基本細胞と密着し、プロレタリア独裁の全体性を場所的今日的に貫徹していくものである。地区党建設は階級的労働運動の推進と一体であり、反スターリン主義・革命的共産主義運動の本格的発展を切り開いた3全総路線の核心である。とりわけ今日、プロレタリア革命の帰趨(きすう)を握る青年労働者は、地区党として結集することでその力を全面的に発揮していくのだ。
第四に、プロレタリア民主主義を基礎とした党内民主主義のより意識的な確立である。プロレタリア民主主義とは、ブルジョア民主主義の「おしゃべり小屋」とは根本的に異なる。それは、労働者階級が階級として一つに団結していく中で獲得される共産主義的な全体性、共同性の上に花開いていくものである。スターリン主義はこの階級的全体性・共同性そのものを破壊し、そのことによって官僚制的疎外物に転落した。階級的労働運動路線の実践の中でこそ、真の同志的信頼に基づく党内民主主義を闘いとっていこう。
第五に、常任活動家と労働者同志との正しい関係を回復することである。労働者階級は革命に勝利するために、労働組合に結集して闘うだけでなく、自分たち自身の政治組織としての党をつくり出して闘う。そしてこの党を権力から防衛し、かつ24時間支える活動を献身的に担う職業革命家の集団を、やはり自らの手でつくり出す。党の常任はそうした自らの立場と責任を自覚し、労働者同志の現場での闘いに学びつつ、党と階級全体の闘いの前進を率先して切り開くために、労働者同志と一体となって日夜闘いぬくのである。
第六に、宣伝・扇動の革命と機関紙活動の大飛躍をさらに推進することだ。06年の闘いは、この領域で決定的変革を開始した。
帝国主義の危機と革命的情勢の急速な成熟を前にして、第1次大戦の発生に際してレーニンが提起した「革命的情勢における革命党の三つの義務」を今こそ全面的に実践する時だ。すなわち、「革命的情勢が存在することを大衆の前にあきらかにし、それの広さと深さを説明し、プロレタリアートの革命的自覚と革命的行動をよびさまし、プロレタリアートを助けて革命的行動にうつらせ、この方向で活動するために革命的情勢に応じた組織をつくりだすという義務」(『第2インターナショナルの崩壊』レーニン全集第21巻)である。機関紙活動の一層の改革こそその中心環である。07年、さらに画然とした前進を切り開こう。
「党の革命」の第二段階を徹底的に推進し、機関紙の拡大と労働者細胞建設の飛躍的前進を実現し、財政闘争の絶対勝利を闘いとろう。理論戦線の新たな前進をかちとろう。
獄中32年の星野文昭同志奪還へ総決起を
党と労働者階級の闘いをその最深部で支えているのは、超長期獄中同志の不屈の存在と闘いである。革共同の星野文昭同志は、1971年11・14渋谷暴動闘争で機動隊員がせん滅されたのを口実に、警察権力によって「殺人罪」をデッチあげられ、無実を訴えながら今日まで32年の獄中闘争を闘いぬいている。星野同志へのデッチあげと無期懲役の大弾圧は、70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った革共同への日帝権力による卑劣な報復であると同時に、全人民への見せしめにほかならない。これを打ち破り、星野同志を獄中から奪い返すことは全党の同志の絶対的義務であり、闘うすべての労働者階級人民の死活のかかった課題である。
獄中闘争は、階級闘争の本質が日帝支配階級とその国家権力との生きるか死ぬかの死闘であることが、一切のあいまいさなく突きつけられてくる闘いである。星野同志への無期攻撃は、革共同への絶滅攻撃そのものである。星野同志とその家族はこれとの闘いを一身に引き受け、日々いのちを削る死闘を全人生をかけて闘いぬいてきた。この星野同志を奪還できないとすれば、それはわが革共同の革命党としての死である。逆に獄に奪われた同志を実力で取り戻す闘いの中でこそ、どんな弾圧をもはね返す力が、どんな困難にも屈しない不敗の党が形成されてくるのである。
「星野文昭さんに自由を!」を訴え、きわめて広範な大衆的陣形のもとにかちとられた昨秋11・25集会は、この闘いの大きな発展への突破口を開いた。獄壁を打ち破るために思想や党派的立場をこえて星野救援運動に結集した多くの人びとの献身的な闘いに学び、07年こそ全党の総決起で星野同志奪還への道をこじあけよう。
迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判、水嶋同志への88年9・21三里塚戦闘を口実としたデッチあげ弾圧裁判を、被告同志とともに全力で闘い、必ず勝利しよう。富山再審闘争に勝利しよう。長期にわたるデッチあげ指名手配の攻撃と不屈に闘いぬいている同志と連帯しよう。あらゆる弾圧に即座の怒りの反撃をたたきつけ、大衆闘争の爆発と党の強化に転化して闘おう。
さらに、戦時下階級闘争の中で党の非合法・非公然体制を堅持し、一層強化していこう。革命軍の精鋭的強化をかちとろう。
最後に、革共同はあらためて、青年労働者と学生の皆さんに訴える。未来は青年のものだ。すべての闘う青年労働者と学生は、わが革共同とマルクス主義青年労働者同盟、マルクス主義学生同盟のもとに結集し、21世紀のプロレタリア革命に勝利する党の建設をともに担おうではありませんか。
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