ZENSHIN 2006/06/12(No2249
p08)
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週刊『前進』(2249号1面1)(2006/06/12)
革共同の6月アピール
共謀罪絶対廃案 国会包囲へ
教基法改悪阻止・9条改憲粉砕 労働者は職場から総決起しよう
全国一斉家宅捜索を弾劾する
“舌先三寸のペテンは許さん!” 「民主党案丸のみ」−採決強行という与党の許しがたい策動に全国から集った労働者・学生は激しい怒りをたたきつけた(6月2日 国会前)
国会闘争が最大の山場を迎えている中で、日帝権力・警視庁公安部は5月25日、「電磁的公正証書原本不実記録・同供用、免状不実記載」容疑をデッチあげ、A同志をまったく不当にも逮捕した。しかもそれを口実に29日から6月2日にかけ、東京の前進社本社を始め、杉並、大阪、福岡、仙台、沖縄、神奈川、広島、京都などで次々と全国一斉の家宅捜索を強行した(8面記事参照)。これは戦時下、改憲情勢下で、革共同の前進に恐怖する小泉と日帝権力の不当極まる政治弾圧である。権力の攻撃を打ち破り、国会闘争に総決起し、共謀罪廃案、教育基本法改悪阻止をかちとろう!
第1章 改憲阻止決戦の火ぶたはすでに切られている
今国会決戦は、戦後階級闘争史上かつてない階級的激突となっている。
6月こそ、共謀罪新設、教育基本法改悪、国民投票法案の強行採決か廃案かをめぐる、改憲攻撃の粉砕をかけた正念場だ。6月国会決戦は、会期延長を断じて許さず、既成政党や連合・全労連などの反動的制動をうち破り、日本プロレタリアートの戦闘的階級的底力を発揮して、プロレタリア革命に向けた歴史的前進をかけて総決起する闘いだ。
世界は新たな革命的激動期に突入している。フランス・イギリス・アメリカなど帝国主義の心臓部から労働者階級のゼネスト・巨大デモが陸続として起こり、被抑圧民族人民の帝国主義打倒の不屈の武装解放闘争が世界を席巻している。
5月の国会闘争に続いて、6月こそ、絶望的危機にあえぐ日本帝国主義と小泉政権を痛撃し打倒する時だ。60年・70年を超える大闘争に立とう。とりわけ学生と青年労働者の巨大な決起を訴える。
6月国会決戦を闘うために確認すべきことは何か。第一は、9条改憲阻止の未曽有(みぞう)の階級決戦の火ぶたがすでに切られているということである。
小泉政権のイラク侵略戦争参戦と在日米軍再編、沖縄圧殺と基地強化、公務員労働者の大量首切りや社会保障制度の全面解体、労働者人民の生活の極限的破壊、治安弾圧激化などは、そのすべてが現憲法の実質的な破壊・解体の攻撃として展開されている。
そして今や、教育基本法改悪と国民投票法案を巨大な突破口にして、直接の改憲攻撃が本格的に始まった。自民党は「6月18日の会期末までは難しい。次の内閣でやればいいと言うなら、小泉首相の改革の政治家としての存在意義がなくなる」(5・27森発言)と、あくまでこれらの超悪法の成立を狙っている。
教基法改悪は連日、特別委員会が開催され、国民投票法案は6月1日から衆院審議に入り、共謀罪は強行採決の緊迫情勢がエスカレートしている。こうした大攻撃の根っこにある9条改憲=新憲法制定攻撃は、戦後体制を丸ごと転覆させ、戦争に直結する巨大な反革命だ。
現憲法の背後にある戦後革命情勢の原点に立ち返り、6月国会決戦を闘おう。
1945年の敗戦から、47年2・1ゼネストにいたる2年間は、朝鮮・中国の革命情勢と連動して、日本の労働者階級がプロレタリア革命を実現する可能性をつかんだ時代だった。
あの戦後革命期の嵐の激闘の中に、プロレタリア革命の条件と情勢は完全に存在し、成熟していた。しかし、労働者階級が権力を握るという意識性と指導性がスターリン主義のもとで歪曲され裏切られた結果として、46年「10月闘争」の直後の11月に憲法が公布され、47年の2・1ゼネスト敗北の直後の5月3日に憲法が施行されたのである。
今度こそ、労働者階級の団結の力で帝国主義を打倒し、権力を握る時代に入ったのである。戦後革命期の生産管理闘争やストライキなどの労働運動の戦闘的伝統は、戦後60年を貫いて、日本の階級情勢を大きく規定してきた。日本のプロレタリアートの革命的精神の炎は、断固として燃え続けてきた。特に60年・70年・90年を結節環とする戦後階級闘争の連綿たる歴史は、9条に命を吹き込み、労働者階級の深部に根を張ってきた。
連合の改憲勢力化は、結成以来、常に労働運動の最火点の問題であるが、現場組合員の闘いによって阻まれている。改憲阻止の6月国会決戦を、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別決戦、全国学生300万ゼネスト、沖縄・神奈川−全国の米軍再編最終報告の閣議決定に対する怒りの爆発など、すべての闘いを糾合して、歴史的大闘争に転じよう。
帝国主義の行き詰まりは、全世界的に極限まで深まっている。米帝ブッシュ政権は、国内・国外統治の絶望的な矛盾に直面し、その突破口を戦争政策に求めている。ブッシュは実際に、国際緊張を挑発的に高め、イラクからイラン、北朝鮮への戦争政策を激化させている。
イラクでは、新政権発足をめぐり民族解放・革命戦争が新たな爆発をとげている。イラン、パレスチナ、アフガニスタンなど、米帝の中東支配を崩壊させる大反乱が始まっている。
世界情勢、米帝情勢に規定されて、国際帝国主義の「最弱の環」である日本帝国主義の破綻(はたん)と崩壊はより根源的である。小泉の後継へ向かう過程で日帝の政治危機は決定的に深まる。蓄積された膿(うみ)と矛盾が一挙に吹き出し、日帝階級支配の「ガラス細工」的性格が完全に明らかになる。
とりわけ、財政危機の激化は、帝国主義の存立を吹き飛ばすものである。政治危機と支配階級の分裂・瓦解(がかい)に直結する。戦後史上かつてない政治危機の渦中に突入しつつある。
日帝・小泉は、経済財政諮問会議と二頭立てで、5月22日に「財政・経済一体改革会議」を政府・与党で発足させ、公務員人件費削減、リストラ・人員削減、消費税増税、社会保障削減などの「歳出・歳入一体改革」を具体的に強行していく体制をつくりだしている。また5月30日に、在日米軍再編の取り組みを閣議決定し、日米枢軸のもとで、これまでと次元を画する戦争体制を強化している。
これらの諸攻撃は、労働者階級の決起と革命的激動を必ず引き起こす。だからこそ日帝は改憲に突き進むのだ。
第2章 「愛国心」教育と日教組解体攻撃を打ち破ろう
第二は、教育基本法改悪を阻むために死力を尽くして闘うということである。
教基法は46年11月の憲法公布を受けて、47年3月に公布・施行された。憲法理念との一体性をうたっている。
改憲=新憲法草案の核心は、一つは9条の撤廃であり、いま一つは基本的人権の全面解体と天皇制攻撃の前面化を柱とする憲法原理の反動的大転換である。
新憲法草案と教基法改悪は完全に対応している。教育の目標を「愛国心」強要=戦争教育に据え、「国を愛する態度を養う」と教育評価の対象にした。そして第10条の「教育は、不当な支配に服することなく」を空文化させた。
ここに貫かれているのは、日本を再び戦争のできる国にすることである。それも世界大戦級の大戦争を1945年以前をも上回る国家総力戦として戦いぬける国に根本から変えようとしているのだ。
すでに東京都教育委員会は01年に、教育目標と基本方針から憲法、教育基本法などを削除した。それは、03年10・23通達=「日の丸・君が代」の職務命令による強制から、06年4・13「職員会議の挙手・採決を禁止する通知」に至る、恐るべき諸攻撃の嵐となった。
しかし、日帝がいかに職務命令や処分を乱発し、強権的に教育と学校のファシスト的支配を策動しても、「日の丸・君が代」不起立闘争を軸とする教育労働者の団結を破壊し、職場支配権を奪回できていない。杉並での「つくる会」教科書の導入も、教育労働者の団結を固め地域の労働者人民と結びつき、第二の勤評闘争の先駆けをつくり出している。
そもそも教基法を最高法規とする(76年学テ最高裁判決)戦後教育は、教育労働者が「教え子を再び戦場に送るな」の固い決意のもとに、さまざまな限界をかかえつつも、勤評・学テ闘争・主任制闘争から、現在の「日の丸・君が代」闘争まで、あらゆる弾圧・処分に抗して不屈に闘い、守りぬいてきたのである。
教基法改悪の最深の狙いは、日教組の解体にある。5月国会闘争と5・27全国闘争の地平を踏まえて、今こそ「10割年休闘争」の日教組の輝かしい闘いの伝統を継承し、連合と日教組本部の裏切りをのりこえ、打倒して、30万教育労働者が国会闘争に総決起することを訴える。
4大産別の労働者が改憲阻止を闘う主力
第三は、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別こそが、改憲阻止決戦の主力として、闘いの組織化を今こそ圧倒的に強化しようということだ。同時に、4大産別決戦のすべての力を、11月1万人決起へと目的意識性をもって発展させよう。
5月25〜26日の自治労中央委員会で自治労本部は、「質の高い公共サービス」論などの闘争放棄と転向・変質方針で、昨年の鹿児島大会以来の自治労の戦闘的流れを断ち切り、平和基本法制定=改憲勢力化の条件をつくろうとした。
だが今日まで自治労の改憲勢力化が阻まれていることは決定的に重大である。今中央委で本部は、改憲勢力化の策動を、来年の参院選に向けて自治労の民主党支持の一本化で推し進めようとした。
この危機的情勢に対して、労組交流センター自治労部会が国会闘争への決起を呼びかけたことは、決定的インパクトを与えた。自治労の底からの戦闘的流れと反転攻勢への拠点は必死に守り抜かれた。8月大会へ自治労の新潮流運動の飛躍と力ある台頭が決定的に求められる。
さらに6月14〜16日のJPU(全逓)定期大会(神奈川県民ホール)へ総決起をかちとろう。JPU本部の民営化への全面屈服と居直りを許さず、JPU本部打倒に総決起しよう。日帝・小泉−竹中は、1047名闘争が永続的に発展している国鉄分割・民営化の二の舞いを恐れ、郵政民営化の確たる展望を見いだせないでいる。他方で、民営化による集配拠点の再編に対して、労働者の怒りが急速に拡大している。全逓労働者は、物ダメ闘争の戦略的展望を握りしめ、職場の反撃によって自らの運命を切り開こう。
民営化と改憲攻撃は一体だ。中曽根は国鉄分割・民営化攻撃による労働組合解体をもって、改憲攻撃に決定的に踏み込もうとした。全逓労働者は、郵政民営化絶対阻止、改憲粉砕の先頭に立とう。
動労千葉への処分攻撃に反撃する「安全確立に向けた闘いへの処分・弾圧の中止を求める署名」は、物販闘争と一体になって全国的に圧倒的に拡大している。JR資本と一体になって、闘う動労千葉を排除して1047名闘争を解体する策動が決定的に強まっている。それは国労本部を引き込み、政治解決−和解路線を再び全面的に導入しようとするものである。これは4党合意路線の復活策動だ。
1047名闘争解体の危機に対して、5・27臨大闘争弾圧裁判の闘いが国労再生をかちとる決定的推進軸として飛躍しなければならない。同時に、JR本体でJR資本と原則的、戦闘的に闘う動労千葉の反合・運転保安闘争を国鉄戦線全体の柱としてうち立てよう。
4大産別決戦を推し進める集約的基軸として教労決戦がある。教育労働者が主体となった教基法改悪阻止闘争は、国会前が闘いの現場となって、大きな闘いの気運とうねりを日教組30万の中につくりだしている。1〜4月「日の丸・君が代」の不起立闘争は、教基法改悪・改憲阻止の国会闘争として、継続、激化、発展をかちとっている。
さらに教育基本法改悪の民主党案と、これに同調する日教組指導部を弾劾するランク&ファイル運動が大きく爆発している。これは教育基本法改悪の最大の目的である日教組解体を根底的にうちやぶり、破綻させるものとなる。
6・2集会の成功をテコに6・22日教組中央委員会へ進撃しよう。闘う日教組の再生に向けて、労働者細胞建設の先頭に立ち、11月へ攻め上ろう。
第3章 法大先頭に6・15国会デモ−全国ゼネストへ
第四は、改憲阻止全国300万学生ゼネストへの橋頭保を築く闘いとして、6・15全国学生国会デモの爆発をかちとることだ。
21世紀初頭情勢で、法政大学を先頭にして全国学生1千人の国会デモを実現することは、60年にいたる59年11・27国会突入闘争、70年にいたる67年10・8羽田闘争に匹敵する位置を持っている。
大学の独立行政法人化を始めとする「大学の構造改革」攻撃は、教基法改悪・改憲を先取りし、大学と学生を侵略と戦争に総動員する大攻撃だ。
法政大学における3・14弾圧から3人の学生の退学処分攻撃は、自治会活動、サークル活動、学生運動を暴力的に禁圧するだけでなく、「学問の自由」「思想・表現の自由」「大学の自治」のすべてを圧殺し、ブルジョアジー、国家、そして天皇のために生き、かつ死ぬことを唯一のイデオロギーと行動原理にする大学の根底的変質を示している。まさしく徴兵制、学徒出陣、特攻隊の道だ。
しかし、今や法政大キャンパスは平林・安東体制に対する怒りのルツボと化し、数千人の学生が全学連とともに決起している。4月新歓、4・28−5・26全国統一行動、5・15沖縄闘争への新入生を先頭にした決起、2度にわたる強制執行を阻止した東北大有朋寮の闘いなど、全国300万学生が日帝との一大激突へと向かう情勢はたぎっている。
「プロレタリアートのたたかいの前進のなかで、革命党によって正しく指導されれば、学生運動は巨大な役割を演じうる。反スターリン主義・革命的共産主義運動とその党づくりの圧倒的なテコに転化しうる」(革共同第6回大会報告)
これは、戦後日本階級闘争の金字塔としてあった70年闘争における学生運動の歴史的爆発が示している。こうした日本学生運動の歴史がフランスを始め全世界の学生に受け継がれている。70年闘争の先頭に立ち31年の獄中闘争を闘う星野文昭同志に対する日帝国家権力の恐怖と憎悪にそれが象徴されている。
日帝権力の学生運動圧殺体制をうち破り、学生共産主義者としての自己の全存在をかけて、大学キャンパスで火の出るようなアジテーション、クラス討論、ビラまきを不撓(ふとう)不屈に実践すれば、1千人の学生隊列の登場は可能だ。大学を改憲粉砕=戦争国家化阻止・日帝打倒の砦(とりで)にしよう。21世紀のプロレタリア革命の先端に、青年労働者とともに学生が躍り出よう。
6月国会決戦を教基法改悪・改憲阻止の大闘争として闘い、同時に国民投票法案を絶対に廃案にしよう。それは公務員と「教育者」に対して、運動規制と罰則、そして「地位利用威迫罪」(自民党船田元の私案)を設けるという恐るべき大攻撃である。こんな法案が成立したら、9条改憲へと堤防は決壊する。
共謀罪新設絶対阻止のために、もっともっと労働者と労働組合の総力を結集し、6・10「1億2千万、共謀の日」を全国大行動として闘いとろう。
米軍再編で日米同盟は「新段階」へと突入
日帝・小泉は5月30日、米軍再編の基本計画を閣議決定した。全世界的な米軍再編によって日米同盟は「新たな段階」に入る。これは日米枢軸のもと北朝鮮・中国侵略戦争−世界戦争に突き進み、沖縄と本土を米日帝の前線司令部、出撃基地とする大攻撃だ。沖縄を先頭に新たな安保・沖縄闘争を全力で闘おう。
6月国会決戦を、マル青労同1千人建設、機関紙活動の圧倒的強化、夏期一時金大カンパ闘争の巨大なテコとして、歴史的飛躍をかけてかちとろう。
『ソリダリティ』(マル青労同機関誌)は、マル青労同1千人建設の最良の武器だ。青年労働者の団結と決起が階級情勢を決する。プロレタリア自己解放闘争としてのマルクス主義の復権は、労働運動・労働組合運動・階級闘争の現実の闘いをとおして実現されていく。4大産別の青年労働者こそ国会決戦に総決起しよう。革命の現実性をつかみとり、革命を現実に遂行する労働者党の主人公として青年労働者が立とうではないか。
6月国会決戦を巨大な突破口に新指導路線の飛躍的全面的発展をかちとろう。
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週刊『前進』(2249号1面2)(2006/06/12)
“教基法改悪案、今国会で廃案に”
6・2全国集会&国会デモに3000人
「教育基本法の改悪をとめよう!6・2全国集会&国会デモ」(主催・教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会)に教育労働者を先頭に3000人が参加、会期末まで2週間の闘いで、継続審議を許さず廃案にと誓い合った。@改悪案の問題点を周りの人に訴えよう、A国会闘争で政府・与党の横暴をうち砕こう、B職場と国会を結びつけて闘おう、と行動提起された(6月2日 日比谷野音)
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週刊『前進』(2249号1面3)(2006/06/12)
共謀罪採決強行阻む 6・2衆院法務委員会
自民・公明の与党は6月1日、共謀罪法案について民主党案を「丸飲み」し、2日の衆院法務委員会採決、今国会での成立を狙うという奇手に出てきた。しかも、「まとまればなんでもいい。次の国会で改正すればいい」(自民党幹部)などと実に許しがたい言辞まで吐いていたのだ。
翌2日の国会前には、前夜のニュースで急を聞き、怒りを燃やした仲間が続々と結集した。そして、早朝からビラまき、傍聴闘争、議員会館前での座り込みと集会を終日闘い抜いた。夕方まで法務委員会理事会が続き、与党側の法務委員は委員会室に待機していつでも採決できる体制を崩さないまま、緊迫した攻防が続いた。しかし、爆発的に広がる世論と大衆運動の力に押され、午後6時半、ついに与党は採決強行を断念した。5月19日に続く決定的勝利だ。
国会前で断続的に開かれた集会では、「採決など絶対に許せない」「愚弄(ぐろう)するのもいいかげんにしろ」とすべての発言者が与党の恥知らずな策動に怒りを爆発させた。関東学院大学教授・足立昌勝さんは「もはや継続審議の価値もない。こんな悪法は廃案にするしかない」と檄を飛ばした。集会には全国各地から230人が集まった。
自民・公明は、あくまで会期末までの成立を狙っている。まったく予断を許さない情勢が続いている。しかし、もはや与党・法務省の破産は明らかだ。民主党案によっても共謀罪の危険性はなくならない。今週が、最後の、そして最大の山場だ。総力で決起し、共謀罪を永久に廃案に追い込もう!
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週刊『前進』(2249号2面1)(2006/06/12)
“幕張構内事故への不当処分粉砕” 動労千葉が緊急決起集会
6月1日、動労千葉は「幕張車両センター構内事故への不当処分粉砕!反合・運転保安確立!6・1緊急総決起集会」をDC会館で開催した。
(写真 仲間への重処分は絶対に許さない! 反合・運転保安闘争の真価をかけた闘へ、動労千葉組合員は新たな決意を固めあった【6月1日 DC会館】)
JR東日本は、4月6日に幕張車両センターで起きた脱線事故を口実に、動労千葉組合員に重処分を下そうと策している。この攻撃を断じて許さない決意を固め、まなじりを決した表情で組合員が大挙結集した。
開会のあいさつに立った君塚正治副委員長は、「現時点でまだ処分は出されていないが、この集会を機にさらに当局を追いつめよう」と訴えた。
田中康宏委員長が発言し、「この闘いは最後まで息を抜いてはいけない。処分を下したら絶対に黙っていないという雰囲気を各職場でつくってほしい。いつでもストに立ち上がれる態勢を堅持しよう」「3月10日の安全運転闘争突入から今日で83日になる。100日になっても200日になっても、この闘争は最後まで続ける」「365日、職場で日常的に闘ってこそ仲間を守ることができる」と檄を発した。
そして、「船橋事故闘争以来の反合・運転保安闘争の原点が問われている。事故が起きた時、その責任の一切は当局にあると言い切って闘いに立つことは、今でも労働組合の常識になっているとは言えない。むしろ分割・民営化の結果、安全にどの組合もまったく声を上げなくなっている。だが、事故は労働者にとって切実な問題だ。この問題を取り上げないで労働組合の団結がどうしてつくれるのか」と強調した。
基調報告に立った長田敏之書記長は、「気を引き締め、ストも辞さない方針で闘っていくことが重要だ。不当な重処分を許さない闘いを各職場で展開しよう」と呼びかけるとともに、「一人の仲間を全力で守る動労千葉の姿勢を徹底的に訴えて、組織拡大の闘いに立とう」と声を強めた。
幕張支部の代表が当該の組合員とともに登壇し、「どんなに厳しい闘いになろうが最後まで闘う」と決然とした意思を表明した。
また、動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長が「一切の処分を許さないため最後まで闘う」と連帯の意思を示し、ス労自主も動労千葉との共闘を誓った。
動労千葉は72年の船橋事故闘争以来の反合・運転保安闘争の一切をかけて処分粉砕の闘いに立っている。
事故を起こしたくて起こす労働者など一人もいない。だが、鉄道労働者は誰しもが事故と隣り合わせの労働を強いられている。一人の組合員への処分攻撃はすべての労働者への攻撃だ。動労千葉の全組合員が、この処分策動をわがことと受け止め、怒りをたぎらせて闘いに立っている。
幕張車両センターの事故は、かねてから危険が指摘されていた個所で発生した。そもそも電車基地構内は、入れ換え作業や出入区が輻輳(ふくそう)し、本線にも増して事故の起こりやすい職場だ。だがJRは、労働者の切実な要求を無視し、「費用がかかる」と言って構内にATS(列車自動停止装置)を設置することも拒んできたのだ。
動労千葉が3月に展開した安全運転闘争に対しても、JR東日本は戒告、厳重注意の不当処分を強行した。重大事故への反省もなく労組破壊に躍起となるJRに対し、真っ向から闘わなければ労働者の命は守れない。このJRへの怒りは至る所に広がっている。ニューヨーク市中央労働者評議会やイギリスRMT(鉄道海運労組)、韓国鉄道労組も動労千葉への連帯メッセージを寄せている。
動労千葉が呼びかける「安全確立に向けた闘いへの処分・弾圧の中止を求める署名」を職場に持ち込み、支援の輪を広げ、動労千葉組合員への重処分策動を打ち破ろう。
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週刊『前進』(2249号2面3)(2006/06/12)
「愛国心」の強制狙う教基法改悪案阻止を
国会闘争は今週が最大の山場
日教組本部の屈服許さず 〈戦争協力拒否〉を貫こう
教育基本法改悪案の法案審議が衆院特別委員会で連日のように強行されている。30日には早くも参考人質疑が行われた。政府・与党はあくまでも今通常国会での衆院通過、さらには会期延長による今国会成立すら狙っている。一切の制定策動を許すな。廃案に追い込むために全力で闘おう。
反動を競い合う国会審議
民主党が提出した「日本国教育基本法案」は、政府案以上にストレートに愛国心や宗教的情操教育を盛り込んだものだ。国会審議は、与党と民主党が愛国主義、排外主義を競い合う超反動的議論となっている。同時に、政府答弁で改悪案の狙いも明らかとなってきている。
小坂文相は、愛国心通知表にかかわって「『我が国の歴史や伝統を大切にし国を愛する心情』を意欲や態度で評価することは、内心についての評価ではない」という奇弁を繰り返し、評価をテコに子どもたちに愛国心を植えつける意図を隠そうともしていない。
現行教基法第10条の「国民に直接責任を負って」を削除し「この法律及び他の法律の定めるところにより」に置き換えたのは、「法律に基づく教育行政は、不当な支配ではないことを明確にした」ものだと言い放った。学力テスト事件最高裁判決をテコに10条を葬り去ろうというのだ。
すでに現行学習指導要領にも「愛国心」は盛り込まれているが、政府案はこれを公教育全体の目標に祭り上げている。改悪教基法が成立すれば、学校教育法の教育目標も改悪され、愛国心育成が学習指導要領の総則に盛り込まれ、全教科の教科書に愛国教材が満載されていくだろう。文科省は教育基本法改正推進本部に「ポスト教基法改正チーム」を設置し、関連法改悪の準備に入っている。
中央教育審議会のワーキンググループは、教員免許更新制を現職教員にも適用することで合意した。7月にも答申が出され、来年の通常国会で法改正するという。「国を愛し国際平和に寄与する国民の育成」を教員の「崇高な使命」とする改悪教基法は、愛国心強制を拒否する教員の大量首切り攻撃となって襲いかかることは明らかだ。
被処分者の闘いに続こう
今や日教組の危急存亡の時が到来した。翼賛国会に教育の未来をゆだねる〈調査会設置要求〉といい、政党間の駆け引きにげたを預ける〈民主党案支持〉といい、日教組本部の転向はここに極まった。しかし、教育労働者の怒りと危機感は、日教組本部の思惑をのりこえて巨大な爆発を開始している。
国会前座り込みは、民主党案撤回を求め2波の自主動員で決起した北海道教組の闘いによって日々戦闘化し、「日の丸・君が代」被処分者との合流もかちとられている。5月26日には、北教組と日教組九州ブロック、さらに全教・日高教も加わり、300人の座り込み闘争へと発展した。
教育基本法改悪ストップ実行委の5・27集会には、動員割り当てを超える5千人の組合員が結集した。森越日教組委員長発言に怒りのやじが飛び、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会の大内裕和、三宅晶子両氏の熱烈なアピールが集会の基調となった。
日教組本部の協調路線のもとで眠りこまされてきた「教え子を再び戦場に送らない」教育労働者魂がふつふつとわきあがってきている。団結と抵抗こそが子どもたちを守るのだという労働者としての誇りが、よみがえりつつある。
利権と腐敗にまみれた特権政治家どもに、愛国心や公共心を語る資格があるのか。愛国心教育、差別選別教育で戦場に送られるのは労働者階級の子どもたちではないか。今こそ改憲と戦争に突き進む帝国主義への階級的怒りを解き放とう。教育労働者の戦争協力拒否闘争として位置づけてこそ教基法改悪阻止闘争の巨大な爆発は切り開かれる。
「国に先駆けて教育基本法を改正した」と豪語してきた石原・都教委の攻撃は、教育現場を制圧できたのか。断じて否だ。処分を辞さない不屈の抵抗闘争が3年にわたって継続され、新たな不起立者が続々と決起しているではないか。累積加重処分にも屈せず〈クビをかけても不服従を貫く〉ことを宣言する被処分者の登場によって、「10・23通達」も本質的に打ち砕かれているのだ。
教基法改悪攻撃を打ち破る道を指し示し、闘う日教組再生の拠点をつくりだしている被処分者の闘いに、全国の教育労働者は学び、続こう。「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者こそ、教育基本法改悪阻止の先頭に立とう。
教基法改悪の先取り攻撃に対する拒否・抵抗闘争を職場からつくりだし、職場攻防と結びつけて国会闘争に決起しよう。翼賛国会を包囲する教育労働者の隊列を日々拡大し、政府案・民主党案を必ず葬り去ろう。
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週刊『前進』(2249号2面5)(2006/06/12)
日教組解体が狙い
国会答弁 小泉・町村らが本音
衆院教基法特別委では、最大野党・民主党が政府・与党と同じ改悪推進の立場に立っているため、労働者人民の怒りや危機感とはまったく無縁な議論が進められている。本当に怒りに堪えない。
この中で政府・自民党は、教基法改悪に込めた戦争教育と日教組解体の狙いをあけすけに語っている。5月24日の審議では、次のような発言が飛び出した。
元文科相で自民党の町村信孝は、「基本法の改正の議論……の大切なポイント」として、▽「敗戦後遺症」的発想を教育界から取り除くこと、▽組合からマルクス主義、レーニン主義の影響を一掃すること――などを挙げ、こう言ってのけた。
「一部の組合幹部は依然としてマルクス・レーニン主義から脱しきれない。そういう人たちがまだまだリーダーにいるということは、教育改革論議を建設的に前向きに進める際にまことにまずい」
これはまさに日教組と教育労働運動の解体宣言そのものだ。日教組の原点は「教え子を再び戦場に送るな」の誓いにある。小泉が戦争と改憲に突進している今この時、その誓いを貫く闘いは教育労働者の階級性をかけたものになる。町村は、日教組が階級的労働運動として再生し発展することは絶対に許さないとわめき立てているのである。
町村はまた、「教職員組合が道徳教育粉砕運動というのをずっとやってきた。このとがめは私は非常に大きいと思っております」と日教組運動を憎しみを込めて非難している。
そもそも、自民党ら権力者が組合の思想や路線を問題にし、その排除を叫ぶこと自体、労働組合への不当な介入だ。
日教組中央の文科省との協調路線にもかかわらず、教基法改悪に怒りを燃やして多くの日教組組合員が改悪阻止の闘いに立っている。これに恐怖した自民党は、日教組に対しても国鉄分割・民営化型の労組破壊攻撃に踏み込もうとしているのだ。日教組の存亡をかけた決戦の時が来た。
政府案は「愛国心」について、「我が国と郷土を愛する態度を養う」と明記した。「心」ではなく「態度」としたことは重大だ。
「国旗・国歌の尊重は当然」
それは公明党議員が強調しているように、「ただ心の中で思っているだけでは駄目だ。態度に示すこと、よいことは行動しなければ駄目」ということだ。
だから、「国を愛する態度を養う」指導・教育とは、教員が国旗・国歌を敬う態度を「率先垂範」し、国のために尽くすことを子どもたちに行動で示せ、ということになる。これは戦前、教員が「日の丸」の旗を振って若者を戦場に送り出した犯罪的な役割を再び繰り返せということだ。
「愛国心」は、すでに学習指導要領に入れられているが、教育労働者が現場で抵抗し続けてきたことにより、日帝の狙いは阻まれてきた。それを今度は基本法に明記して、「愛国心」指導を「職務」として教育労働者に義務づけようとしているのだ。小坂文科相は「各学校において改正の趣旨を踏まえた指導の一層の充実を期することとした」と答弁している。
小泉首相は、「普通、日本に生まれ、日本に育って、日本の教育を受けていくことによって、……愛国心というものを持ってくるのが私は自然な姿だったと思います」「国旗・国歌を尊重するなんていうのはもう当然のことなんですよ」「国旗・国歌なんてばか(ママ)にしてもいいよという教師がもしいたら、その方が問題だ」「どういうふうに指導するかは教師の質にもかかってくる」と言い放っている。だが、そこには不屈に貫徹される「日の丸・君が代」不起立闘争への恐怖がある。闘いは小泉を追いつめているのだ。
9条改憲と一体で、子どもたちを侵略戦争に動員するための教基法改悪を絶対に阻止しよう。
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許せない! 反動発言(5・24衆院特別委から)
●小泉首相「国旗・国歌を尊重するなんていうのはもう当然のことなんですよ」「国旗・国歌なんてばかにしてもいいよという教師がもしいたら、その方が問題だ」
●町村信孝・元文科相(自民党)「一部の組合幹部は依然としてマルクス・レーニン主義から脱しきれない。そういう人たちがまだまだリーダーにいるということは、教育改革論議を建設的に前向きに進める際にまことにまずい」
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週刊『前進』(2249号2面6)(2006/06/12)
「教え子を再び戦場に送るな」を誓い貫く時
国会前 改悪阻止の声
◆「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
都教委は本日、入学式で「君が代」斉唱時に不起立を貫いた教員5人に懲戒処分を発令しました。03年「10・23通達」以来、なんと350人の教員が都教委によって懲戒処分されているという異常な事態です。
都教委は4月13日には、職員会議で採決を禁止するという通知を出しました。職場は今、がんじがらめに縛られています。しかし私たち被処分者は、都教委の暴走にストップをかけ、教育現場に自由を取り戻すために闘い続けています。
教育基本法が改悪されれば、東京の状況が全国各地に広がる。今、日本の民主主義は危機に瀕しています。教育基本法の改悪と国民投票法による憲法改悪、愛国心の強制は、教職員を大量処分し、愛国心を生徒に強制しロボットにして、この国を再び戦争に引きずり込む戦争国家づくり以外の何物でもありません。
「教え子を再び戦場に送るな」という固い誓いを今こそ貫き通す時代が来ました。なんとしても憲法・教育基本法の改悪をとめましょう。
◆沖縄高教組の労働者
5月23日には三宅晶子さんを呼んで「教育基本法改悪ストップ!沖縄集会」を600人で行い、昨日25日は名護市辺野古への新基地に反対する緊急県民大会と国際通りデモを行って、今日は国会前にやってきました。
今立ち上がって教育基本法改悪をストップしなければ、子や孫たちに笑われます。今行動しなければなりません。全国のみなさん、ともに頑張りましょう。
(教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会が主催した「5・26緊急国会前集会」の発言より)
(写真 怒りの発言が続いた5・26緊急国会前集会)
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週刊『前進』(2249号4面1)(2006/06/12)
集配局の再編合理化絶対反対 増員と深夜勤廃止かちとれ
首切りと9条改憲容認する連合全逓中央を打倒しよう
全逓62回大会に向け訴える
革共同全逓委員会
6月14〜16日、横浜で開催される第62回全逓(JPU=日本郵政公社労働組合)全国大会に向けた闘う全逓労働者の任務と方針は明らかである。日帝・小泉の改憲、民営化・規制緩和=労組破壊攻撃に、職場生産点から12万全逓労働者の怒りを束ね、78年反マル生越年闘争を上回る反撃を開始することだ。郵政民営化攻撃に屈服し、集配拠点局再編大合理化を始めアクションプラン2合理化による首切りを推進する連合全逓中央=菰田(こもだ)―難波執行部を打倒し、階級的労働運動を切り開くことだ。郵政民営化絶対反対、超勤拒否・物ダメ・ストライキ方針を掲げ、現場から増員増区など具体的要求を
まとめ、闘いを組織しよう。その力で改憲決戦を現場から組織しよう。
(写真 「郵政民営化絶対反対」を臨大の参加者に訴える全国の闘う全逓労働者【2月9日 東京・日本青年館前】)
労働者の生存権かけ全世界の労組が決起
全世界で、戦争と民営化・規制緩和の攻撃に対して、巨大な反撃が始まっている。闘う労働者、労働組合の存在と闘いが決定的であり、それが時代を決する情勢が到来している。
フランスのCPE(初期雇用契約)を粉砕した全国デモと二波にわたるゼネストを始め、いずれの国でも「雇用」「年金」「労働法制」「戦争」などを焦点に労働者階級は闘っている。全世界共通して直面しているのが、戦争と民営化・労組破壊攻撃だ。80年代以降、後退を強いられてきた全世界の労働運動が、根源的力をふりしぼって、新たな指導部を生みだし、国際的連帯行動を開始し始めた。
小泉政権は、1千兆円を超える破局的な財政危機にあえぎながら、国益をかけて米帝ブッシュの米軍再編(トランスフォーメーション)とともに世界戦争を推進する決断をした。戦後階級関係を一掃するために、今通常国会で改憲と一体の反動諸法案の成立を前倒しで行おうとしている。
その最大のターゲットに全逓、日教組、自治労そして国鉄労働運動の4大産別の解体と、連合の産業報国会化を据えている。国鉄分割・民営化に続く郵政民営化の核心的狙いもここにある。前首相の森は郵政民営化について「民主党を支えている連合傘下の全逓、自治労、教労などの組合をつぶすこと」が狙いであると公言している。
世界の労働者の闘いを日本で実現するためには、連合支配を打ち破る新たな闘う労働運動の潮流を職場生産点を基礎につくりあげる以外にない。その手本は、国鉄分割・民営化にストライキで闘い、今なお国鉄1047名闘争と組合の団結を堅持し、鉄路を武器に闘いぬいている国鉄千葉動力車労働組合である。学ぶべき核心は、天下国家を論じとことん現場の労働者に依拠し信頼し、原則的な路線の確立と練り上げられた実践的方針を打ち出せる指導部と組合員の団結にある。
全国の闘う全逓労働者に訴えたい。企業防衛主義と愛国主義は同根であり、それを路線とする連合労働運動に展望はない。民営化に反対できない労働運動は、戦争にも改憲にも反対できない。
連合全逓中央・菰田―難波は、労働者の生命と生活を破壊する帝国主義を支える労働運動の推進者である。国鉄労働運動とともに戦後労働運動を牽引(けんいん)してきた全逓労働者の誇りにかけて、郵政民営化攻撃のただ中で、本部派の支配を打ち破る闘いをともにつくりあげよう。
全逓を解体・変質する策動を断じて許すな
今回の大会で連合全逓中央は、小泉=奥田の戦争と民営化―労組破壊、改憲攻撃に全面屈服し、全逓労働運動を解体し企業防衛―翼賛労働運動に変質させようとしている。
第一に、集配拠点局の再編大合理化を受け入れ、強制配転、自主退職=首切りを推進しようとしていることである。郵政株式会社が定員も明らかにせず、各新会社の体制も決まっていない中で、雇用の確保などウソっぱちである。北海道・東北・中四国・九州などの地方の組合員の不安と怒りは日増しに大きくなっている。その怒りを共有して、民営化絶対反対の路線と連合全逓本部打倒、超勤拒否・物ダメ・ストライキの闘う方針を全国に広げていこう。
第二に、憲法改悪に賛成していることである。「連合方針に沿って慎重に」というのは、憲法9条改悪を認めるということだ。菰田委員長が参加し賛成した連合中央執行委員会(1月19日)の国民投票法案推進の立場こそ、全逓を改憲勢力にしようとするまぎれもない証拠である。憲法9条改悪反対の大会決定を断固かちとらなければならない。改憲反対闘争の力が、階級的全逓労働運動を再生する力となる。
第三に、全郵政との組織統一問題だが、これも全逓の全郵政化―全逓労働運動の解体攻撃に狙いがある。とりわけ現場の全逓労働運動を一掃しようということである。まさに、戦後階級関係の解体と改憲・戦争国家づくりと一体の攻撃だ。
その上で全面的な民営化攻撃は、所属組合を越えて職場に襲いかかっており、全逓労働者が全郵政組合員を獲得して、ともに反撃することが正しい道である。あわせて非常勤・短時間などの不安定雇用労働者14万人の要求をまとめあげ、組織化に取り組もう。
第四に、民主党支持問題である。2月臨大での代議員の発言でも、「民営化に賛成する民主党は支持できない」という現場の全逓労働者の怒りの声が出されている。民主党は第二自民党であり、労働者の政党などではない。愛国主義を前面に出した民主党の教育基本法の主張は自民党を上回るものだ。民主党支持見直しをかちとろう。
民営化絶対反対貫く職場闘争の復権を!
6月全国大会から9月1日帰属決定のこの過程が重大な決戦としてある。集配拠点局再編合理化は、郵政民営化攻撃の軸をなす大合理化攻撃である。小泉とこれに屈服した連合全逓中央が進める民営化の矛盾のすべてが明らかとなり、全国の職場で怒りが爆発し、全逓中央・地本、支部の役員そして公社・現場管理者にたたきつけられる状況になることは間違いない。
郵政分割・民営化の狙いは、公務員身分の剥奪(はくだつ)、活動家パージ、大量首切りと全逓労働運動の解体にある。国鉄分割・民営化と同じ攻撃がかけられ、地方や過疎地の郵便局を始め局の統廃合は不可避だ。雇用継続が保証されているように言っているが、実際には、いったん全員解雇・選別再採用である。
成立した郵政民営化法は雇用問題の条項について、次のように書いている。
@首相および総務省は、民営化推進本部の決定をへて「公社業務等の継承に関する基本計画」を定める。
A基本計画の中では承継会社に引き継がせる職員など、基本的な事項について決める。公社は、法施行時に解散するものとして、承継会社はその時、認可を受けた実施計画に定めるところに従い、業務等を公社から引き継ぐ。
B公社が解散する時に公社職員であるものは、法施行時に承継会社のいずれかの職員となる。
C公社は公社職員に施行日の2週間前までに、どの承継会社の職員となるかを通知しなければならない。
D労働条件を定める時は公社の条件に配慮する。
Bでいう公社解散時の職員が承継会社の職員ということが、「帰属問題を法的に担保」と本部は雇用継続のように言うが、それは大きなペテンだ。Aを見れば分かるように、基本計画をへて、公社が承継会社に引き渡されるまでの間に、ありとあらゆる形で攻撃が行われる。新会社の「定員」を決めないまま、徹底的な事前の人員削減の嵐が吹き荒れるのだ。
Cを見ると、職員がどの会社にいくかの正式通知(雇用の確定)は、07年4月「実施計画認可申請」を提出し、9月に認可を受けて新会社が発足する2週間前となっているのである。つまり、ぎりぎりまで選別とふりわけの暴力的プロセスに労働者をたたき込み、新会社から排除することが画策されているのだ。
集配拠点局の再編大合理化は、首切り推進と全逓労働運動破壊そのものだ。
集配再編は首切り・合理化計画だ
本部議案では「民営化対応を最優先課題」として、「職員の帰属等に関する準備企画会社の考え方と本部判断」なるものを示している。すなわち「各会社の制度設計に関する検討状況」「職員の帰属」「集配拠点の再編と貯保外務員の集約化」「効率化施策と要員協議の取り扱い」などについて「概ね了解できる」などと言って、今後ともすべて「本部一任」方針で労使交渉を進めるとしている。ふざけるな!
集配拠点の再編とは、郵便事業の分割・民営化に向けて、郵便事業会社と郵便局会社に切り分け、強制配転を前提に就業場所を特定することをとおして全面的な効率化・要員削減を強行するものである。集配拠点の再編が、実は帰属=雇用方針そのものなのだ。
その中身は、全国4700局のうち普通局1100局を統括センターとする新たな集配エリアを形成し、全国集配特定3600局の郵便内務はすべて統括センターに配転・集中し、郵便外務もその所属とし段階的にすべて統括センターに配転・集中するというものだ。単独局の内務・外務と総合局あわせて12万6千人を対象にした大規模な強制配転と首切り合理化計画である。
さらに「貯金保険外務の集約」は、集配拠点の再編にあわせて貯金保険外務を窓口会社に配属することなどをとおして、全面的な要員削減を強行するものだ。
重大なことは、普通局1100局を統括センターとする集配エリアの再編は、これまでの郵便区調整のエリアをはるかに超える再編であり、これまでの生活圏や通勤圏を前提にしない。新会社への帰属方針とは、集配再編にともなう配転を前提としており、本人同意を必要としていない。帰属方針をめぐる苦情については帰属会社のみを受け付け、就業場所については一切受け付けない。最終決定権は新会社にあるとされている。
さらに帰属会社について異議のある者に配布される「帰属会社希望調書」には
▽全国どこでもかまわない
▽支社エリア内ならどこでもかまわない
▽連絡会近隣ならどこでもかまわない
▽連絡会内ならどこでもかまわない
という選択肢が記載されている。異議があるなら広域配転に応じろ、嫌なら辞めろ、ということだ。
統括センターや配達センターという形で、労働者が配転され集められることで全国に大・中・小の国鉄分割・民営化の際の「人材活用センター」のようなものが出現することになる。
本部は「承継計画には全員の名簿が記載される」つまり「全員の雇用が確保される」と言っているが、大うそである。公社は「承継計画策定時には、どの職員がいつ退職するか不明であるため、承継計画には全職員を記載」と露骨に言っている。形式上は全員の名簿を記載するが、実際は集配拠点の再編によって自主退職を強制するということである。
要するに来年3月までに徹底的に退職に追い込むということだ。集配拠点再編や2ネット、JPS(郵政版トヨタ方式)の強行の過程で、どしどし退職に追い込むぞと言っているのだ。そういうものとして広域配転の強制や早朝5時始業、郵便内務・外務の一体化などがあるのだ。
集配拠点局の再編合理化は、5万人の強制配転で自主退職=首切りを狙うものであることがはっきりした。集配拠点の再編=帰属方針の大会決定を絶対許してはならない。
輸送部門の労働協約改悪に反対
さらに許せないのは、輸送部門の労働者に関して、事故に伴う損害賠償を「5万円を上限に社員に請求できる」権利と一方的な懲戒処分を会社に認める労働協約を「本部一任」で締結しようとしていることだ。
どこの職場でも、人減らしと悪化する労働条件の中で一切の余裕が奪われ、誤配や誤送が多発していることは、だれもが日々実感している。労働強化と低賃金のあげく事故の責任を押しつけられ、損害賠償金まで取られ、懲戒処分まで強化されるというのか。もともと「民間会社」である日本郵便逓送など郵送部門の仲間に対する攻撃は、郵政民営化による新会社の姿を示している。輸送部門の組合員を裏切り、切り捨てる本部方針は、まさに自ら全逓を分断・破壊するものだ。
第1節 全逓労働者は階級的反撃の先頭に立とう
労働組合運動にとって、どういう時代認識を持つかが決定的に重要だ。小泉政権は、郵政民営化を突破口に、労働運動破壊の上に、改憲を行い、戦争に突き進もうとしている。だが、全逓労働者12万の怒りが、同じ攻撃を受けている4大産別労働者全体の怒りと結合するならば、小泉政権もろとも郵政分割・民営化攻撃を打ち破ることができる。
郵政民営化攻撃との闘いは、ひとり全逓労働者の闘いではなく、日本の労働者階級の命運をかけた位置にあることを、あらためて確認しよう。
日帝支配階級が最も恐れているのは、国鉄労働者とともに全逓労働者なのだ。戦後革命期以来、労働運動を牽引し、78年反マル生越年闘争を闘い抜いた全逓労働者が支配階級に強制した階級的力関係はいまだ転覆されていない。日本郵政公社労働組合(JPU)に名称変更しても、現場には全逓労働者魂を堅持している数千数万の活動家・組合員がいる。だから小泉政権は、分割・民営化をもって、全国単一組織である全逓労働運動を分断・解体しようとしているのだ。
だが、日本の労働者階級は圧倒的に改憲に反対している。憲法9条改悪反対の署名や改憲問題の学習会を職場・地域で組織し、その政治的・階級的怒りと郵政民営化攻撃との具体的闘いを結合しよう。とりわけ増員と深夜勤廃止の要求を現場から闘いに組織しよう。職場闘争を徹底的に重視しよう。その力が改憲阻止闘争の爆発のエネルギーとなる。
改憲決戦の先取りとして、今通常国会で共謀罪新設と教育基本法の改悪が重大な局面を迎えている。闘う労働者、労働組合が国会前座り込みなどを闘っている。全逓労働者も職場から仲間を組織して、国会闘争を全力で闘おう。これらを改憲阻止と郵政民営化阻止の全逓決戦の闘いにまとめあげ、日帝・小泉の戦争国家化攻撃を粉砕しよう。とりわけ未来を担う青年労働者の決起をかちとろう。闘う全逓労働者は、革共同に結集しともに闘おう。
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週刊『前進』(2249号4面2)(2006/06/12)
公務員・教員の反対運動を禁止
国民投票法案は廃案に
5月26日、政府・与党は国民投票法案(日本国憲法の改正手続に関する法律案)を国会に提出した。民主党も同日、独自の対案を提出。6月1日には衆院本会議で法案の趣旨説明が強行された。憲法改悪攻撃がついに、国会での正面対決の課題に浮上した。
「修正」の後も本質変わらず
国民投票法案は、憲法改正に必要な手続きを定めるものだと言われているが、単なる手続き法では断じてない。その狙いは、改憲反対の声と運動をあらゆる口実を使って弾圧し、事前に封じ込めることにある。改憲反対運動圧殺法案――これがこの法案の、隠された本当の名前だ。
当初の与党案には、メディアへのきわめて厳しい規制や、外国人の運動の全面禁止が盛り込まれていた。これに「言論の自由を奪うのか」と批判が起き、修正して出されたのが今回の法案である。しかし本質は何も変わっていない。最大の問題は、公務員・教員の運動禁止規定が罰則付きで残り、しかも一層強められていることだ。さらに、「国民投票の自由妨害罪」などを設けて、改憲阻止闘争への警察権力によるあらゆる形の干渉や弾圧を可能にすることを狙っている。
労組のビラも弾圧の対象に
与党案はその第104条と第105条で、公務員労働者と教育労働者が改憲反対の運動を行うことを「地位利用」の名で禁止している。違反者には、公務員は禁固2年、教員は同1年というきわめて重い罰則を設けている。
自民党憲法調査会会長の船田元は、法案提出に先立って行われた与野党の論点整理の中で、この公務員・教員への規制について、他人を威迫することも禁止せよと主張した。「威迫」とは「相手に不安の念を抱かせるに足る行為」を指し、「威力」のように相手の意思を制圧する力さえも持たないものであるという。これでは、労働組合が職場の仲間をオルグすることや、改憲反対の街頭宣伝やビラまきもすべて、国民投票法による禁止と弾圧の対象になってしまう。要するに、公務員労働者や教育労働者には改憲反対の発言もさせない、闘争への参加も一切認めないということだ。
この点では民主党も実際には同じだ。民主党案には与党案のような規制条項はない。しかしそれは、すでにある国家公務員法などの公務員・教員への政治活動禁止条項を適用して弾圧すればよいという立場に立っているからだ。
04年には、社会保険庁の職員が休日に職場外の、自分の住んでいる地域で行った政治活動を理由に国公法違反で逮捕されるというとんでもない事件が起きている。国民投票法の制定は、そうした弾圧をすべての公務員労働者・教育労働者の上に拡大し、労働者の政治的権利を完全に奪うものだ。絶対に許すことはできない。
4大産別決戦で勝利しよう
このことは、小泉政権がその改憲攻撃を貫く上で、自治労や日教組を始めとした4大産別の労働運動の破壊と解体なしには、一歩も進めない壁に突き当たっていることを示している。
与党案の第104条はその対象に、国と地方の公務員だけでなく独立行政法人や公庫の職員、さらに今回新たに「日本郵政公社の職員」を明示している。郵政民営化を強行して労働者を首切り自由の地獄にたたき込みながら、全逓労働者が改憲阻止の闘争に立ち上がることは公務員と同様に禁止するというのだ! 日帝が労働者階級の闘いの爆発を心底から恐れ、それを未然に抑え込むことに一切をかけているのは明白だ。
全逓や教労、自治体、国鉄といった4大産別の労働者は、戦後の反戦平和運動の中心的な担い手であり、9条改憲を今日まで阻止し続けてきた最大の力だ。逆にここで自治労100万、日教組30万を先頭に、すべての労働者が戦争と改憲に反対して立ち上がるならば敵の攻撃などふっとんでしまう。そのことを恐れるからこそ、こんな禁止規定が盛り込まれたのだ。
国民投票法案粉砕・改憲阻止の最先頭に今こそ4大産別が立とう。現場からの決起が情勢を変える。民主党案も含めて絶対阻止、廃案にたたき込もう。
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国会に提出された与党案(一部省略)
▼第104条(公務員等の地位利用による国民投票運動の禁止)
次に掲げる者は、その地位を利用して国民投票運動をすることができない。
@国もしくは地方公共団体の公務員または特定独立行政法人、特定地方独立行政法人もしくは日本郵政公社の役員もしくは職員
A公庫の役職員
▼第105条(教育者の地位利用による国民投票運動の禁止)
教育者は、学校の児童、生徒および学生に対する教育上の地位を利用して国民投票運動をすることができない。
▼罰則
(第104条違反)2年以下の禁固または30万円以下の罰金
(第105条違反)1年以下の禁固または30万円以下の罰金
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週刊『前進』(2249号5面1)(2006/06/12)
法大生500人が安東追及 “答えないなら学生部長失格”
退学処分撤回へ包囲デモ
5月26日、不当逮捕で退学処分を受けた学生を先頭にして、500人の法大生が退学処分粉砕の法大包囲デモと安東学生部長に対する追及行動を闘った。
(写真 文学部生3人の退学処分の真相究明に集まった法大生500人【5月26日 法政大学】)
昼休み前からキャンパスには学生が大勢集まった。退学処分を受けた学生が登場し、「不当処分を許さない。撤回まで闘う」とアジテーションを始めると、直ちに聴衆の輪ができる。安東学生部長ら弾圧のために動員された教職員は、法大生の反撃を恐れて排除できず、突っ立っている。
「安東学生部長、こっちに来て質問に答えてほしい。なぜフジテレビが逮捕映像を撮影できたのか。なぜ110番通報の直後に200人の警察官が学内に突入したのか。なぜ学生が登校する8時前に立て看板の撤去作業を行わなかったのか。なぜデモ行進の最中に立て看板を撤去をしなかったのか」
答えられず、立ち尽くす安東。「そっちが来ないならこっちが行くぞ」と宣言すると、学生の間から「おー」と歓声が上がった。被処分者が安東へ詰め寄ると遠巻きに眺めていた学生も安東を取り囲み、一瞬にして大衆団交の場となった。
「なぜ3月14日当日、200人もの警察官が待機していたのか」……沈黙。
「デモ隊の入構が12時28分、110番通報が29分。33分には全員が逮捕されている。なぜたった4分間で全員を逮捕することが可能になったのか」……沈黙。
「何か言えよ」とヤジが飛ぶ。「安東、安東」とコールが起こる。「私を退学処分にするなら、理由を述べてみよ。学生の前で、私の『罪状』をあげてみるがいい」。安東は何も言うことができない。
1人の学生が前に出てマイクをとった。「安東教授のゼミの学生です。これだけは言いたい。ビラや立て看板が禁止されることは、表現の自由がなくなるということ。表現の自由がなくなるということは、みんなが好きな服を着て学校に来ることもできなくなるということだ」。学生から大きな拍手が起こった。安東はみるみる青ざめていく。
「答えられないのなら学生部長失格だ。二度と学生の前に現れないでいただきたい」と通告し、「安東はクビであります」と描かれたプラカードが胸元に掲げられた。大爆笑がわき起こる。「写真を撮って、みんなに伝えて下さい」と訴えると、一斉に携帯電話のカメラで写真を撮る。逮捕や処分を後ろ盾にした彼らの「凶暴さ」は脆弱(ぜいじゃく)なものでしかない。笑い飛ばしてやれ。
こうして、安東は法大生500人によって大衆的に包囲され、打倒された。学生部長の「権威」は地に落ちた。キャンパスは解放空間となった。
「次は平林総長に問いただそう。処分撤回まで闘うぞ」と宣言、キャンパスが高揚感に包まれる中、法大包囲デモに出発した。500人の学生が正門前に移動する。「おれはデモに行ってから講義に行く」という会話が交わされる。55年館の各階の窓が開き、学友が手を挙げてこたえる。キャンパス内外が一体で戦闘的デモをやり抜いた。
国会前の座り込みから駆けつけた60歳代の市民も参加した。「国会前でビラを受け取り、居ても立ってもいられなくなった。ビラや看板を禁止するのみならず、大学自身が警官を入れて逮捕させるなど絶対に許されないことだ」と語る。
この日の500人の行動は、4月28日の第1波法大包囲デモや5月19日の退学処分者の学内からの排除を阻止した闘いを上回る。5・26の大高揚で攻守は逆転した。卑劣な弾圧に手を染めれば染めるほど、弾圧と闘う法大生のキャンパスぐるみの決起が促進されるのだ。
次は平林総長をキャンパスに引きずり出し、打倒する。6・12法学部教授会での処分決定を阻止し、文学部生への退学処分を撤回させよう。6・15闘争を平林総長に裁きを下す1千人大集会としてかちとり、国会に攻め上ろう。(H・K)
京都大 時計台前で集会とデモ
京大では5月26日、小泉反動国会に対する怒りの反撃を開始した。昼休み、本部時計台前に立て看板を出し、アピールした。マイクを持った学生が教基法改悪と改憲を弾劾し、学生の未来を戦争に引きずりこむ国会をぶっつぶそうと訴えた。雨の中、行動を呼びかけるビラを配り、署名を集めた。ビラを読んだ1回生も時計台前に集まった。
多くの学生、教職員、市民が注目する中でデモに出発した。「教基法改悪阻止」などと書かれたプラカードと「法大生への処分弾劾」と書かれた横断幕を広げた。飛び入りの1回生もデモに加わり、登校中の1回生も授業をとばしてデモに合流した。法大弾圧に関する再三の申し入れに対して何もしない京大当局に対して「当局は大学自治の破壊に抗議せよ」とシュプレヒコールをたたきつけた。京大周辺を通って出町柳駅までデモした後、駅前で街頭宣伝を行った。
京大では、学生内で改憲をめぐる論議が始まっている。5月23日と30日に開かれた改憲問題全学大討論会にはビラを見て1回生が何人も参加した。討論会では「9条2項を変えて軍隊を持つことで他国と対等になれるのではないか」「国益のために自衛軍が海外で活動することが必要ではないか」などの意見について議論になった。これに対して、現実に始まっている戦争と米軍再編や改憲が一体であること、戦争をやろうとしているのはブッシュや小泉、一握りの資本家ではないか、と提起した。
参加していた1回生からは「改憲は許せない」「次のデモには自分も行く」という声も上がっている。1回生が自分でビラを書き、400人を超える学友に渡してまわるという決起も始まった。(U・A)
(写真 雨の中、「改憲反対」などを訴え本部時計台前からデモに出発する京大生【5月26日 京都大学】)
東北大 退学と停学処分に怒り
東北大では5月26日、改憲と教育基本法改悪反対、法大生3人の「退学」処分と有朋寮の古郡陸君への「無期停学」処分撤回を掲げて、昼休みにキャンパスで集会を行いました。1年生も十数人参加し、処分撤回をかちとって、6月15日に法大→国会デモへ駆けつける決意を固めました。
集会でさまざまな人が発言。有朋寮の寮生は、東北大「無期停学」処分と法大「退学」処分は改憲攻撃そのものだと訴えました。処分に怒りを燃やし、撤回を誓いました。最後は元気よくシュプレヒコール。1年生が特に盛り上がり、「退学処分撤回」「6・15法大・国会デモへ」の掛け声に威勢よくこたえていました。(G・Y)
(写真 キャンパス集会の場で処分撤回と6・15法政大→国会デモを訴える学生【5月26日 東北大学】)
山形大 東北大生と法大生訴え
山形大学では5月30日、「改憲問題と大学生」というテーマで、「退学処分」と闘う法大生と東北大学有朋寮の古郡陸委員長を招いて交流会を行った。
まず山大生の1人が改憲について問題点を提起し、法大生が3・14法政大弾圧とこれへの反撃を報告、3・14法大弾圧を許さない法大生の会が呼びかける6月15日の法政大→国会デモへの参加を訴えた。
古郡委員長は「有朋寮問題は改憲・戦争と直結している。大学は、学生を人格をもった人間としてみていない。国や大学に有益な『資源』かどうかでみている。だから弾圧してくる。これこそ改憲そのもの。教基法改悪阻止・改憲阻止のため6・15法政大→国会デモへ行こう」と訴えた。
2人の訴えに「行動すれば勝てる」「屈せず闘うことに感服」「すごいエネルギーを感じた」と新入生が感想を語った。(N・I)
広島大 教育労働者招き講演会
広島大学では、新入生の改憲阻止・教育基本法改悪阻止の決起が始まっている。1年生だけで話し合ってビラを作り、自主的に学習会を組織し、ゼミで教基法改悪を暴露するなどの行動が開始されている。
5月26日、広島県内の青年教育労働者を招いて教育基本法改悪についての学習講演会を行った。多くの新入生が参加した。
講演では、スライドを使って教育現場への「日の丸・君が代」の強制の実態と教基法改悪の与党案を分かりやすく暴露。積極的な討論をつうじて広大から教基法改悪阻止・改憲阻止の大きな運動をつくろうと確認した。教基法改悪阻止6・2全国集会への参加を呼びかけ、新入生を始め多くの参加が決まった。
広大ではクラス討論が活発に行われている。法大の素晴らしい闘いに触れ、6・15への参加も次々と決まっている。(Y・K)
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退学処分粉砕! 憲法改悪・教育基本法改悪阻止!
6・15法政大→国会デモ
6月15日(木)法政大学
◎市ケ谷キャンパス正門前集会(12時40分)
◎法政大→国会デモ(13時20分)
呼びかけ/3・14法大弾圧を許さない法大生の会
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週刊『前進』(2249号8面3)(2006/06/12)
「住民異動」で不当逮捕
デッチあげ口実に全国捜索
5月25日、警視庁公安部はA同志を「電磁的公正証書原本不実記録・同供用、免状不実記載」容疑で不当逮捕した。A同志が04年12月、杉並区から江戸川区に引っ越し、区役所に住民異動届けを出したことが「犯罪」だと言うのだ! あまりのこじつけに逮捕手続きまでが違法だったため権力は27日にA同志をいったん釈放、その場で再び「緊急逮捕」した。「犯罪事実」もないのに恐るべき人権侵害が繰り返され、しかも勾留決定が行われた。
さらに、この「容疑」を口実に、29日に前進社本社、30日杉並の都革新事務所、31日福岡、大阪の前進社支社など、6月1日仙台、沖縄、2日神奈川、広島、京都などと違法な家宅捜索を強行した。
警視庁の捜索差押令状請求に対して、その違法性が明白であるにもかかわらず令状を発布した裁判所の責任も重大だ。
これは革共同に対する戦時下の政治弾圧そのものだ。絶対に許せない。A同志をただちに釈放せよ!
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