ZENSHIN 2006/01/01(No2229
p16)
|
週刊『前進』(2229号6面1)(2006/01/01)
青年労働者座談会
未来切り開く青年の闘いが始まった
熱気と自信のマル青労同2回大会
職場からマル青労同の労働運動を
05年、マルクス主義青年労働者同盟は第2回大会をかちとりました。日本帝国主義の〈戦争と民営化、労組破壊〉攻撃と全面対決して、青年労働者がいよいよ日本階級闘争の最前線に躍り出ようとしています。青年労働者の闘いの前進こそ、未来を獲得する力です。青年労働者を先頭に、決戦の06年を闘おう。マル青労同のみなさんに、第2回大会の中身や感想、05年の闘いの教訓や総括、06年の闘いの抱負などを語ってもらいました。(司会・本紙編集局)
出席者
川瀬英明 自治体労働者
須藤悠生 自治体労働者
杉崎香織 教育労働者
松本拓海 教育労働者
三宅一樹 全逓労働者
関口雄太 都労連労働者
黒岩達郎 金属労働者
藤野真紀 医療労働者
亀山卓也 民間労働者
新倉俊介 民間労働者
第1章 新しい仲間迎え新体制を確立
新倉 2年の実践で熱い討論に
松本 皆、一緒に闘っているんだ
革命につながる運動
――マル青労同第2回大会の感想を聞かせて下さい。
三宅 本当に「大会をかちとった」という実感がある。俺自身は、9月後半ぐらいから第2回大会が頭の中にあって、11・6集会の時にはすでに第2回大会で頭の中もいっぱいだった。ソウルの労働者大会に参加した時もすごい感動したけど、その時より大会の方が感動した。
新倉 非常に活気あふれる熱い大会だった。議案書の内容も含めて、それぞれの発言がクロスして、すごくかみ合った。人の発言を聞きながら、自分の現場の闘いに置き換えて考えるから、実感を持って「なるほど」と思う。ある人の「なぜ仲間を必要としているのか」という発言が、マル青労同に加盟したばかりの人にとっても「だから自分は誘われたのか。なんのために入ったのかはっきりした」と共感できる。みんなが実践してきたから、かみ合う討論になった。
黒岩 発言した人自身が、この2年間やってきた実績をベースにして語っている。それが大会全体を決めた。みんながそういう実践を持ち寄って大会に集まった時点で大会は成功したと感じた。すごいエネルギーをもらった感じ。
新倉 印象的だったのが、周りの労働者は自分をよく見ているという話。最近加盟した人が「職場のマル青労同の人をずっと見ていて、彼なら信用できると思って入った」と。労働者は僕らが真剣にやっていることをよく見ているんですよね。
関口 みんな元気がある。仲間を自信を持って呼べる雰囲気だったし、将来の展望が見える大会だった。
亀山 議長が指名してではなく、次々と手をあげて発言する。そういうのがすごくよかったな。それだけ高い意識で闘っていることが伝わってきたよね。
川瀬 組合や地域でいろいろやっても、すぐには前進が見えずに悩んだりする。でも、確実に「労働者の力で社会を変えよう、革命をやろう」とマル青労同に加盟する仲間が出てきている。いろんな闘いの現場で重要な役割を担っている人がマル青労同を選択して、新たな仲間を迎えて大会ができた。本当に世の中を変える勢力として登場する闘いをやってきたと実感できましたね。
杉崎 それから、大会の討論が「自分は職場でこう闘ってきた」という発言だけでなく、それをとおして「マル青労同は何をしていくのか」という方向性が鮮明になったことがすごくよかった。
亀山 マル青労同の運動が確実に広がっているのが見えた。人も増えている。これだけ熱い思いで、みんなやっている。マル青労同で闘うことが本当に革命につながることがはっきり見えてきた。マル青労同に結集して闘っていくことが労働者の自己解放につながっていくんだ、と胸を張ってオルグできる。
松本 「僕はこの大会に参加したんだよ」ってことを自慢したい。「あの人と一緒にやってるんだよ」と言いたい。
先頭で闘っていると思っていた人が、実は同じような悩みを抱えていて、それに対して同じような回答を出してきているのを聞いて、もううれしくてしょうがない。みんな一緒に、先頭で闘っているんだって思って。「こんな組織はほかにないぞ」って涙が出てくる。
須藤 自分の職場の仲間が参加してくれたけど、本当に連れてきてよかった。大会のみんなの発言が、新しく来た人に向けられていた。ほかの職場の人の発言や、交流会で一生懸命「一緒にやろう」と語ってくれた人とか、そういうのを職場の仲間が聞いたことが一番うれしい。
藤野 マル青労同の仲間は、闘いを共有しているし、一人ひとりが闘って、それを持ってきている。だから、大会の議案や大会で話される言葉が意味あるものになる。時に痛みを伴ったり、喜びを持ったり。一人の仲間がマル青労同に加盟すると、誘った人がうれしくなるだけじゃなく、みんなが一緒に喜んでくれる。
新倉 同盟員が別々のことをやっていても、やはりみんな共通の闘いをそれぞれの職場でやってきたことを報告している。だから「マル青労同の労働運動が始まった」と実感を持った。連合や全労連の既成の指導部に代わる新しい労働運動が大会をとおして一つの形になった。「これが自分たちの労働運動だ」と打ち出せた。動労千葉に匹敵するような労働運動を自分たちでつくっていくという大会ができたと思います。
――新たな執行部体制を確立したそうですね。
新倉 執行部が一番元気よく、ノリノリにならないと組織全体が活性化しない。突き抜けて常に明るく闘っているマル青労同の中心核に中執がなっていくことが一番大切かな。そのためには、中執が会議で言いたいことを言って、本当に団結していくことだよね。
(写真 普天間飛行場を包囲する「人間の鎖」の後に行われた県民大会。本土から多くの労組青年部・青年労働者が参加【5月15日 宜野湾市】)
労働者がつくる組織
関口 マル青労同は労働者がつくっていくもの。本当に労働者である自分たち自身でつくっていきたいと思ってます。
黒岩 結成大会から丸2年。ホップはした。次はステップ。それでステップして、さらにジャンプに向かう体制が確立できた。そういう新体制をつくる土台、陣容が2年間でできた。新執行部体制の確立自体がすごい成果。
結成大会以来、執行部の中心に座った労働者が一番変わっていくのがすごいわかる。これがマル青労同だと思った。
新倉 結成大会の時は20歳すぎで「とにかく頑張ります」みたいな感じだった仲間が、この2年間ですっかり活動家っぽくなって、自治体労働者などがんがん組織している。同盟員がどんどん成長して指導部になっているのがいいよね。
マルクス主義を実践
関口 大会の討論をとおして「ここなら展望が見える」と感じた。だからみんながやっていることがそのまんまマルクス主義。こうやって運動が盛り上がっていけば、どんどん展望は見えてくる。
藤野 関口君の「現場のことに当局は口を出すな」の発言はよかった。
関口 当局が現場のことをよく知らないくせに仕事を勝手に決めて下ろしてくるのが許せない。しかも、そのとおりにやらないと処分の対象になる。そんなものは、安全にはまったくつながらない。
現場では、決められたとおりにやることが正しいように思う人がいる。組合をやっている人でもそう。現場労働者が労働組合の主体になっていない。
松本 今の組合は、上意下達の組織になってる。だから組合員がやる気がなくなる。現場の声を聞けばいいんだよ。みんな、闘いたくてしょうがないのに。
新倉 自治労連の仲間の発言もよかった。共産党系の労働組合で組合運動の中身がおもしろくないから、動員力も低下している。厳しい職場の攻防から目をそらして、現場の闘いをやらない。だから彼は、本当に組合員が主人公の労働組合をつくっていく、労働組合がおもしろくなったら増える、と言っていた。
川瀬 自治労連は、本当に課題になっていることから逃れて「反戦平和」なんて掲げている。自治労も反戦運動で活動家をつくるけれど、現場の闘いはやらない。そこで彼は「現場の攻防で勝負したい」と。あの発言はみんなが共感した。
新倉 それで川瀬君が「自分が組合の委員長だったらどういう方針を出せるんだろう」と実践的に総括して発言したのがすごいよかった。そういう視点で物を見ていくことが大事だよね。
第2章 親組合の弾圧つき破って闘う
関口 連名のビラを作り11・6へ
亀山 民主労総の闘い、日本でも
藤野 「過激派」宣伝破り組織化
――11・6全国労働者総決起集会の感想を聞かせてください。
杉崎 AMFA(航空整備士労働組合)のジョセフ・プリスコさんが「ピケラインをけっして越えないこと」と3回繰り返したのが、私は一番印象に残った。彼が訴えたのは”労働組合が労働者を裏切るな”ってこと。そして、団結を崩されなければ労働者は必ず勝利できるってことだと思った。
松本 東京の「日の丸・君が代」被処分者の「教員である限り、不服従を貫くことに決めました」という発言が一番心に響いた。こういう先輩の闘いがあるから、僕らも頑張ることができる。
杉崎 日米韓の労働者がそれぞれ自国政府や資本と闘っているからこそ、「国境を越えて共通の敵と闘って、労働者の新しい世界をつくろう」とすごく鮮明に打ち出されていて、印象的でしたね。
11・6組織化を牽引
――11・6集会へ向けて、どのような活動をしてきたんですか?
三宅 自分でビラを書いて呼びかけたことで自分の集会になった。最初は郵政民営化攻撃の激しさを書いたけど、攻撃の激しさだけ言えば「闘ってもダメだ」となる。だから「11・6は郵政民営化反対の集会。1万人の労働者の前で『郵政民営化反対』を訴えられるぞ」と書き直して職場の仲間に見せたら、すぐに「そうか、1万人の前で訴えられるのはすごいな。よし行こう」となった。
関口 僕は、まず組合の青年に学習会を呼びかけた。そうしたら10人以上集まってくれた。その場でビラの原案を見せて「一緒に呼びかけて欲しい」と話したら、次々「いいっすよ」と了解してくれて、連名のビラをつくることができた。すごいうれしかった。そのビラで呼びかけて、青年の参加が増えました。闘わない労組執行部に不満を持っている青年労働者は多い。その思いを、闘う組合をつくり出す力にしていきたい。
藤野 職場で学習会をやりました。動労千葉の安全運転行動やILWU(国際港湾倉庫労組)の港を止めた闘い、ソウル大学病院の闘いなどを勉強して、みんなすごい影響を受けた。「正しいから弾圧されるなら、過激派呼ばわりされてもいいや」と確信を持った人が11・6集会に参加してくれた。それが職場で一緒に立ち上がっていく起爆剤になりました。
川瀬 僕は「9・11総選挙は郵政民営化と自治労つぶしの攻撃だ。自治労つぶし・民営化と対決するために、11・6集会に行こう」と訴え、職場の仲間に参加してもらった。自治体も民間委託、指定管理者制度などの攻撃がすごい。日本経団連は「9割を非正規雇用化する」と言って、そのために正規職の「牙城」である官公労をつぶそうとしている。労働組合の存在をめぐる決戦の中で、11・6集会が小泉=奥田との対決の場だった。
韓国の闘いに触れて
――ソウルでの民主労総の11・13全国労働者大会に参加した感想は。
亀山 韓国のような運動を日本でやりたいと本当に思った。道をふさいで会場をつくり、そこにデモで結集する、あれは感動的だった。11月集会もどこかの道路をバシッと封鎖してやりたいな。
黒岩 「これこそ労働者の闘いだ」と、理屈ぬきに感動した。民主労総自身が大変困難な状況の中で、ソウル本部長のコジョンファン氏ら非常対策委員会が必死で闘っている姿がすごかった。日本の労働運動をつくり変えていく闘い、アメリカのランク・アンド・ファイル運動、民主労総の闘いは、本当に通じている。国際連帯の意義が心底わかった。
亀山 自分は非正規雇用なんで、この問題を最大テーマに民主労総が闘っているのがうれしかった。労働者の権利として当然のことを主張するのは、とても大事なことなんだよね。それをどうほかの労働者に投げかけていけるのか。そうすれば、あっちこっちで火の手が上がることは間違いない。韓国のように正規・非正規を越えてつながっていきたいよね。
黒岩 12月1日からのゼネストでは「非正規職撤廃」を要求している。労働者大会の発言も「正規も非正規もない。全体で闘う」と訴えた。あれはすごい。
川瀬 正規職の労働組合が非正規職の問題に取り組むのは、道義的な問題ではなくて、自分たちの権利や労組を守ることなんだよね。
新倉 国鉄分割・民営化に唯一ストライキで闘い、今なお団結を維持している動労千葉の闘いが、海を越えて国際連帯をつくり出した。民主労総に連帯できる闘いをやっているのは、日本では動労千葉以外ない。田中委員長は「発言する時には『解雇者だ』と言ってくれ」と言われたんだって。組合員に依拠して今も闘っている動労千葉だから、被解雇者も胸を張って闘える。こういう闘いに民主労総の活動家たちが共感している。
労働者の誇りを持ち
――昨年1年間、職場や組合の中でどのような活動をしてきたんですか?
川瀬 公務員バッシングの中で、自治労も自治労連も「市民のための公共サービスが必要」という反論しかしない。そんなんでは、小泉に「官尊民卑」と非難されてクシャッとつぶされるだけ。それに対して、闘わない執行部を批判するだけでなく、労働者のあきらめムードを突き破って闘って勝てる内容をつくることがテーマだった。「労働者が世の中を動かしている」という誇りを持って初めて、「公務員は悪だ」の宣伝に「悪いのはお前たちだ」と言い返せるんだよね。
松本 僕の組合も、スト権投票でほとんどの人が○をつけるけど、みんな「どうせやらないだろう」と思っている。結局ストはやらないし、なおさらいいようにやられる。だから現場から「ストをやろう。闘おう」と声をあげてきた。
須藤 組合運営の一つひとつが大事ですよね。学習会に参加してもらうためにも、組合員と向き合って「こういう問題だから来てほしい」と、みんなと同じ目線で話していく必要がある。例えば確定交渉時とか、節目節目できちんと現場に入って訴えていくことが必要だし、現場の要求をきっちり上げていかないと。
亀山 職場に組合の分会をつくって間もないけど、僕以外は40歳以上で一番上は60歳代です。その最年長の組合員に「若いあんたが頑張っているから、わしらもついていける。組合すら認めない当局は絶対に許せん。わしは最後まであんたと一緒に闘っていくよ」と、本当に熱い言葉をもらった。青年労働者の闘いが全体の刺激になり、労働運動全体に広がっていく力を持っていると、組合運動をとおして思いました。
関口 尼崎事故を見て、「こんな大事故に対して労働組合が何もしなくていいのか」って思った。その時に動労千葉が安全運転行動に入った。ああいう原則的な労働運動を自分の職場の中でつくり出さなければならないと痛感しています。
「事故があれば、それがきっかけで労働者は立ち上がる」なんて言う人がいる。でも次に事故で死ぬのは自分かもしれない。そこで発想がガラッと変わった。淡々とやってるんじゃ間に合わないと思った。その第一歩が11・6集会への取り組みでした。土台はつくったので、06年は現場の闘いに生かしていきたい。
青年交流集会が威力
黒岩 青年労働者交流集会運動はものすごい力を発揮した。04年秋から公務員バッシングが始まり、05年に入って「日の丸・君が代」があった。仲間の青年が解雇されて争議に入ったし、イラク派兵をめぐる闘いもあった。そういう中で、民間、官公労、いろんな闘いを抱える当該が一堂に会する集会ができた。9・11情勢で、今まで動かなかったものが動き始めた。”こんな集会ができる勢力はほかにいないぞ”と自慢できる集会です。
川瀬 職場から参加した仲間は、そこで「非正規雇用で権利を奪われている人も労働者だし、公務員の自分たちも労働者なんだ」という当たり前のことに気づいたって。青年の運動は自立した力強さが大切。スローガンも「つながろう! 団結しよう」。青年労働者はそのために集まっているし、それを求めている。
三宅 青年労働者交流集会で「郵政民営化に反対して闘う」と訴えたら、いろんな職種の青年が激励や「私も一緒に頑張る」というメッセージを書いてくれた。それをビラにして職場の仲間に渡したら、「仲間がいるんだな。泣けてきちゃう」と。すごい貴重な体験だった。
連合・全労連と闘う
杉崎 この1年で親組合と青年部が大激突に入りました。青年部員が「日の丸・君が代」不起立闘争を闘いぬいたことで、親組合は、もう青年部そのものをつぶしても構わないと踏み込んできた。
松本 不起立で闘うことに対して、「自分たちの運動が攻撃される材料をつくってしまうから、やめろ」と言う。
杉崎 だけどその中で、不起立した人が中心になって闘いぬいてきた。なぜかと考えたんだけど、「日の丸・君が代」に対する態度は結局、帝国主義というものを見据えているかどうかなんです。今の攻撃は「頭を伏せていたら過ぎ去る」ようなものじゃない。帝国主義は戦争にまで行き着かざるをえないってことをはっきりつかんで、確信を持って不起立闘争を闘った人が、今も闘い続けている。
連合傘下でランク・アンド・ファイル運動で闘おうとしたら、必ず「過激派」キャンペーンで攻撃される。だから連合路線の中身や日教組本部が今どうなっているのかを伝え、「この現実を変えよう」と訴えていくことが重要でした。
藤野 全国に「過激派」キャンペーンをやられた人は何人もいる。みんな、そこから同じように立ち上がっていった。私は動労千葉の組合員が現場でどう闘ってきたのかを聞いたんです。「同じ労働者だ」と仲間を獲得し始めて、当局はさらにビビッたと。「ああそうか」と思った。今は共産党の宣伝を信じ込んでいる人も、これから私とスクラムを組んで闘う労働者になるんだと思ったんです。
しかも、私と一緒に立ち上がる人たちが次々「過激派」呼ばわりされて、今度はその人がどんどん強くなっていく。弾圧は許せないけど、今は、柔道みたいに相手の力を利用して自分たちの力にする闘い方があることが分かった。だから「弾圧、ありがとう」です。
新倉 大会でも”自分に自信を持てた時に相手も信頼できた”と言っていた人がいた。マル青労同は「労働者こそ自己解放の闘いの主体」と闘ってきた。自分は社会を動かしている主人公だ、相手もそういう仲間だ、と確信を持つことって、マルクス主義の立場で闘うマル青労同だからこそできる闘いなんだよね。
第3章 いよいよ勝負だ!06年決戦へ
杉崎 不起立を貫いて展望開く
三宅 現場に団結取り戻したい
須藤 連合の改憲勢力化を阻む
教基法改悪とめよう
――教育基本法改悪が迫る中、春の「日の丸・君が代」闘争が重要ですね。
杉崎 教育基本法の改悪で「教育行政への不当な介入を許さない」と盛り込まれようとしている。国民投票法案でも「公務員の反対運動を許さない」と定めようとしている。日教組や自治労をつぶす弾圧法であり、今年の国会は組合の存亡をかけた闘いです。それに対して展望を切り開くのは春の「日の丸・君が代」闘争だと思っています。
松本 教基法改悪の問題を周りの人に話すと、教育労働者ですら関心が薄い。多くの人が今はバッシングを恐れて活動しないけど、それはやっぱり知らないから。あまりにのんびり構えている。
杉崎 日教組本部は04年は教基法改悪反対全国集会を3回やったけど、05年はゼロ。改悪が目の前に迫ったらやめた。
三宅 全逓も同じだ。郵政民営化法案が国会を通ったら、反対をやめた。
杉崎 「日の丸・君が代」に対する組合の方針は「処分を出さない。処分を受けても支援はしない」。もう不起立はあり得ないという感じ。そういう中で、不起立で断固闘いぬくと同時に、不起立できない組合員も同じ気持ちだとまとめながら闘っていきたいと思っています。
昨年不起立した仲間は「思想・信条の自由を守れ」ではなかった。この時代を見抜く視点を持っていたから闘えた。だから、今がどういう時代かを訴えて、不起立を呼びかけていきます。東京の闘いや地域の労働者の闘いに触れたら、展望が見える。「戦争協力拒否」の闘いだからこそ、不退転の立場に立って闘える。
川瀬 去年、地元の高校で「日の丸・君が代」のビラをまいたら、組合役員が出てきて「すごいありがたい」と。そういう取り組みは誰でもできるよね。
松本 青年労働者のつながりができたら、他産別の労働者が教育問題を自分のテーマとして取り組んでくれた。「つくる会」教科書のことでも「今日、○○市役所に行ってきたよ」とかメールをもらって、すごい勇気づけられた。
川瀬 教職員組合が教育問題を自分たちだけの問題としてしまっている気がする。でも不起立している人を始め、闘っている人こそ、もっともほかの労働者と団結できるし、全国の労働者とも、全世界の労働者ともつながっていけるよね。
(写真 民主労総の全国労働者大会前夜祭で、田中康宏委員長の発言に続いて、律動「鉄の労働者」を演ずる動労千葉の訪韓団【11月12日 ソウル・ヨイド】)
2月JPU臨大粉砕
――郵政民営化との闘いについて。
三宅 目前に迫っているのは2月のJPU臨時大会。JPU本部は前回の全国大会ではまがりなりにも「民営化反対」を決定した。その「民営化反対」の旗を降ろし、”民営化にふさわしい労使協調路線”を決めようとしている。今までJPU本部は「民営化をさせないため」という名目で、俺たち現場労働者に当局以上の合理化を強制してきた。労働組合が自ら現場の団結をぶっ壊して回っている。現場に労働組合を本当に取り戻したいというのが、俺の一番の気持ちです。
亀山 JPUでも、腐った幹部たちが民営化に屈服して、そのしわ寄せは全部現場の労働者にいく。そんなやつらに勝手な決定をさせるわけにはいかない。
三宅 職場で学習会に集まっている仲間とともに、行動する活動家集団に飛躍していきたい。俺は今、仲間に「2月の臨時大会を絶対に許すな」と提起している。自分の支部ではこれまで、本部案に「総論賛成・各論反対」の立場で臨んできたけど、「今回は『本部案を否決しよう。本部の役員を全員下ろせ』という立場で臨時大会に臨もう」と。現場から声を上げて、「本部案を否決させろ」の声をまとめていきたい。臨大をめぐる闘いもきっかけにして、職場に団結を取り戻して郵政民営化と対決していく。
藤野 JPUの大会はどこでやるの?
三宅 まだ「東京都内」としか発表していない。自分の職場を固めてその勢いで包囲すれば、おもしろいよね。
藤野 「郵便局を民営化して労働者の首を切ることには反対です。郵便局の労働者を支援しよう」というビラをつくって職場に呼びかけたりして、郵政で働く仲間たちと一緒に闘いたい。そういう闘いを、自分の職場の結束をつくるのにも活用したいな。
亀山 郵政で働く仲間がやられるのが一番許せない。国労の5・27臨大闘争みたいに、体を張ってでも裏切り指導部に怒りをたたきつける闘いをやりたい。
場から闘い起こす
――06年は改憲攻撃が焦点ですね。
須藤 連合の改憲勢力化を許さないためには、自治労の改憲勢力化を許さないことだと思う。昨年8月の定期大会では、平和基本法制定方針に対して、現場の怒りが本部を追いつめた。この闘いを継続して、自治労の改憲勢力化を許さない闘いを自分の職場でも頑張ります。
自治労は、現場組合員が改憲阻止闘争や反戦闘争に立ち上がれば圧倒的にすごい産別。でも今は、反戦闘争はやっても職場では闘わなくなっている。改憲勢力化との闘いのカギも職場にある。中央本部の批判に終始するだけじゃなくて、人が足りないから人員要求するとか、現業をめぐる攻防とか、若い人を中心にしっかり現場から闘いを起こしていきたい。
黒岩 06年版経労委報告が出て、マスコミには「賃上げ容認」なんて出たけど大うそ。一律賃上げ要求は絶対に認めない。資本家階級は「経営者よ、正しく強かれ」と、ものすごい危機意識で労働者に襲いかかろうとしている。この現実に怒りを燃やして、06春闘を闘いたい。
連帯労組関生支部への弾圧は本当に許せない。闘う労働組合の絶滅攻撃をうち破るために、一緒に闘っていく。
――青年部運動について。
松本 親組合の幹部はみんなあきらめムード。それを変えるために、青年が横でつながって突き上げていきたい。
青年部が労組変える
杉崎 青年部はどんどん若い世代に入れ替わるから、次々活動家をつくり出していかないと、行事をこなすだけとか、動員を下ろすだけになる。青年部の会議で丁寧に議論して一致していくことがとても大切なんですよね。時間はかかっても、一人ひとりを丁寧にオルグするところから始める。会議でもちゃんと議論して、「自分たちの組合活動」をつくることで青年部運動も活性化していきたい。
松本 親組合は「組織が大事だから、嵐が過ぎ去るまで闘わない」と言う。日教組は昔、勤評導入や学力テストに反対してストまでやったんだけど、それで権力は愛媛などであらゆる手段を使って日教組をつぶした。それを持ち出して「闘うとつぶされる」と言うんですよ。
杉崎 それを突き破って闘う活動家がいないと、闘う労働組合はできない。でも今の時代、私たち以外は活動家をつくることもできない。だから、親組合はすごい弾圧するけど、本当はお礼を言ってほしいぐらいよ。連合は若い人から「缶拾いばっかりでイヤ」って言われている。
攻めに転じていきたいですね。日教組中央や親組合の屈服路線にしっかり批判を持てば、青年部の闘いの意義も見える。私もこれまでは「帝国主義はこのままでは戦争するから、とめなくちゃ」と訴えてきたけど、2回大会に参加して、消去法ではなく「こういう展望があるんだ」と訴えていきたいとすごく思った。
関口 最近、仲間たちに「階級闘争」ということを意識して話しています。「階級的労働運動を実践していこう」とちゃんと意識して、当局との力関係を逆転することを目標に闘っていきたい。
職場では今、組合と当局が勝手に仕事を決めている。現場と組合が話して要求をまとめて、それを当局に要求していくべきなのに、組合が現場と離れている。実際、労働者が無理してやっている仕事も多い。動労千葉の安全運転行動みたいに、仕事を遅らせてもきっちり規定どおりにやらないと、安全は守れない。現場から闘って、組合に組合員の要求をまとめさせて当局にぶつけさせていくということを、次の目標にしたい。
藤野 昨年の闘いをとおして、職場の多くの労働者にとって敵・味方がはっきりした。医療現場は今、どこでも要員不足で大変な状況です。現場から突き上げて、組合にそういう取り組みをきっちりさせていきたい。今年が本番ですね。
川瀬 動労千葉に学んだ闘いを自分の職場でどう実践するのか、本当に考えぬく必要がある。同じことを言えばいいわけでもない。民間委託の問題や賃下げ、公務員制度改革に対して闘う組合にするためには、闘う勢力を形成することが必要。組合の方針議案書で闘う方針が採択されても、それだけで闘う組合になるわけじゃない。「そうだ、こうやって闘おう」と思う人をたくさんつくって、職場からの闘いを起こしていきたい。
新倉 腹を固められるかどうかが大きい。僕の組合の解雇争議の当事者も、いったん腹を固めたら、動揺せず闘い続けている。本気で「勝てる」と思ったら、労働者は動じないんだよね。既成勢力は勝てると思っていないから、そういう闘いができない。一度腹を固めると、ここが勝負という時にやっぱり固められる。
三宅 郵政民営化は「いったん全員解雇・選別再雇用」の攻撃だから、本当に腹を固めなければ立ち向かえない。でも考えてみれば郵政事業を動かしているのは、みんな労働者だ。「生き残れるのは誰か」と競わされようとしているけど、動労千葉のように、組合員がみんな団結して闘ってこそ活路が開ける。
第4章 1000人の組織建設へ邁進 黒岩 職場支部づくりが土台だ 川瀬 階級的な立場で闘う核に
退路を断って闘う!
――06年をどう闘っていきますか?
新倉 マル青労同は、基本任務の2本柱に「闘う労働運動・労働組合運動をつくり出すために闘う」「労働者階級自己解放の思想=マルクス主義を学び、実践する」を掲げてきた。それから2年、各地で仲間が格闘して前進してきたから、第2回大会で「これこそマル青労同の闘いだ」という中身を鮮明にできた。
三宅 俺自身、郵政民営化に対して職場でどう闘うのかというテーマがあり、他方でマル青労同としてどう闘うのかというテーマがある。悪戦苦闘してきた。しかし2年間の闘いをとおして、自分の職場から全逓決戦を闘い、闘う労働組合を取り戻していくことこそが自分のマル青労同としての闘いだとはっきりした。全逓決戦を退路を断って闘いぬきます。
新倉 職場で全力で闘いながら、外へ出てどんどん行動したい。昔の反戦青年委員会も、街頭で機動隊と連日ぶつかる闘いをやりながら、職場でダラ幹と激突して闘う労働組合をつくった。俺も含めて今の青年の世代はストを見たこともない。動労千葉が春闘ストをやるとなったらストライキ支援闘争もやりたい。
藤野 辺野古で海上実力阻止行動に参加したことは、貴重な経験だった。そういう闘いをとおして団結をかちとることにこそ一番意味がある。行動をとおして「この闘いこそ本物だ」と思ったから「この人たちと団結して闘っていきたい」と思うし、「この闘いで労働者の勝利をかちとることができる」という希望が見えてくる。「マル青労同に加盟する」という言葉は、世間一般の「入会してください」とは違う。「私たちと団結して闘おう」ってことなんだよね。
新倉 沖縄では、民主労総の闘いに触れた仲間が「ゼネストやろう」と言ったら共感を集めたそうです。労働者の怒りが沸点に達しようとしている。僕らが発想をもっと大きくする必要がある。本当に「ゼネストやって、誰が社会を動かしているのか、白黒つけたい」と思った。
藤野 仲間に解雇攻撃がかけられたら、いろんなところから駆けつけて「仲間に何するんだ!」とがんがん抗議する、なんてこともやっていきたい。
臆せず「革命」を語る
――マル青労同1000人建設に向けた今後の抱負を聞かせてください。
須藤 つい最近マル青労同に加盟した女性労働者は「『社会を動かしているのは労働者だ』という単純なことがなぜ今までわからなかったんだろう。気づいた今は不思議でたまりません」と言っていた。こういうことがつかめれば、マル青労同の加盟は一挙に増えると確信した。
松本 僕も結成後、マル青労同の人に知り合った。いろんなことを考える時に物事の背景を知り、考えることがすごく大切だと思っていたので、マルクス主義を学んだ時に、まったくそのとおりだと思って、すんなり入った。
亀山 僕が入ったきっかけは、初めて参加した集会で青年労働者が先頭で引っ張っている姿を見て「すごいな」と思ったこと。一緒にやっていきたいと思ったんですよね。それでレーニンの『国家と革命』とかマルクス主義も勉強して、マルクス主義に共感して、加盟しました。
松本 「革命」ってドキドキする言葉だけど、勇気を出して「革命しよう」と言ったら吹っ切れて照れずに言えるようになった。仲間とそういう話をすると、革命後の社会のこととか、いろんなことが話になる。その時に照れてたら「こいつは確信を持っていない」と思われるから、はっきり言う。
須藤 やはり組合の仲間にマル青労同に入って欲しい。職場の労働者全員を「11・6集会に行こう」とオルグした女性労働者がいる。彼女にマル青労同に加盟してもらって一緒にやっていきたい。
藤野 職場の仲間にマル青労同こそ本物の仲間だと知ってほしい。職場の闘いに勝つためにも、職場の枠を越えて、仲間が私たちの闘いに結集してくるし、私たちも駆けつける、そういう関係が必要です。だから「あなたにも一緒にそういうつながりをつくってほしい」と思う。私たちの闘いは、労働者の力でこの世の中を変え、自分たちを解放していく闘い。仲間に、こういう闘いに責任をとって一緒に闘ってほしいと思っています。
杉崎 昨年、産別を越えて青年が集まってマルクスの『賃労働と資本』の学習会をやった時に、革命の話を付け加えて提起したんです。すると『賃労働と資本』の内容はすんなり入って、「労働者はこんなに搾取されているんだ」と盛り上がった。だけど革命という話には「資本主義にもいいところがあるのでは」という意見が出て、議論になった。そういう議論が大事ですね。これからも小泉の民営化路線なども取り上げながら、マルクス主義の勉強を続けていきます。
動労千葉の闘い実践
川瀬 僕らの地区でも『俺たちは鉄路に生きる2』(動労千葉前委員長・中野洋著)の学習会をやることを決めました。自分の職場にマル青労同を建設するために必要だから。
黒岩 06年は地方委員会建設が大きなテーマ。ただし「器をつくればいい」ということではない。やはり職場支部が土台だし、それぞれの同盟員が自分の職場に支部をつくることが最大テーマです。
杉崎 マル青労同は「動労千葉のような労働運動をやろう」と掲げてきたけど、心の片隅には「あんな闘いは動労千葉だからできてる」みたいな感覚があった。でもこの2年間で、自分の組合でも、自分の周りにいる労働者がああいう闘いをできるんだと思うようになった。
川瀬 「動労千葉労働運動」という言葉はスローガン化するものじゃない。連合全体が改憲勢力化しようとしている中で、産別や組合の枠を越えて全国で闘っているマル青労同の仲間が核となって、階級的な立場で闘っていく。現場の労働者の利害、全国、全世界の労働者の利害から闘っていく労働運動をつくっていく。そこで学ぶのが動労千葉の闘いなんだよね。青年部から闘う組合につくり変えていった経験を持つ動労千葉の闘いから学んで、職場で実践していきます。
――どうもありがとうございました。
(写真 動労千葉が呼びかけた4・29 労組集会のデモ、「尼崎事故の原因は民営化だ」と訴えた【東京】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面1)(2006/01/01)
ベア拒否し「攻めの改革」叫ぶ経労委報告と全面対決しよう
動労千葉を先頭に春闘勝利へ
12月13日、日本経団連(奥田碩会長)は06年版経営労働政策委員会報告を公表した。そこで日本経団連は、あらためて「春闘終焉(しゅうえん)」を叫び立て、労働者が階級的に団結して賃金闘争を闘うことそのものを押しつぶそうとしている。06春闘は、労働者の階級的団結と生存をかけた決戦となった。小泉=奥田の戦争・改憲と民営化の攻撃に真正面から対決し、階級的労働運動の再生をかけ春闘を闘おう。
戦後期と同じ「経営者よ、正しく強かれ」
今次の経労委報告は「経営者よ 正しく強かれ」をサブタイトルに掲げている。これは、1948年に日経連が創立された時のスローガンだ。労働組合が続々と結成され、幾多のストライキがたたきつけられた戦後革命を最後的に圧殺するために日経連は誕生した。その時のスローガンを再び引き出してきた奥田・日本経団連は、今また開始された労働者階級の反乱におびえている。
報告は序文で、「世界の各地で、格差と貧困にその原因の一端を有する紛争が多発しており……先進国もその例外ではない」「まさに現代は歴史上の激変期にある」と述べている。資本が全世界につくり出したすさまじい貧困と戦争の惨禍は、その必然的帰結としてプロレタリア世界革命に向かう世界の労働者階級と被抑圧民族人民の決起を生み出している。11・6全国労働者集会は、その胎動をはっきりと告げ知らせた。日帝資本は、これに身構えているのである。
だから報告は「安心・安全な国づくり」を強調し、かつてない危機感をむき出しにして治安対策の強化を叫んでいる。
95年、日経連はプロジェクト報告「新時代の日本的経営」で労働者の9割を時間給の不安定雇用に突き落とすと宣言した。01年の小泉政権の登場と02年の日経連・経団連の統合を画期に、日経連報告路線を現実のものにする攻撃は一挙に激化した。だが、小泉=奥田のもくろみはけっして貫徹されてはいない。
9・11総選挙における小泉・自民党の圧勝は、逆に労働者の総決起の引き金を引いている。そのただ中で小泉=奥田は改憲を軸とする戦争国家形成へと突き進もうとしているのだ。
12月14日の東アジアサミットは、日帝の危機をまざまざと突き出した。日帝の延命にとってアジア勢力圏化は絶対的課題だが、それは今や根底的に行き詰まった。だからこそ今次報告は、至る所で「攻めの構造改革」「攻めの経営戦略」「攻めの経営改革」と階級戦争の論理をむき出しにし、これまで以上に徹底したリストラと賃下げを貫けと経営者に号令をかけている。「公のために働こうとする経営者の志」なるものを強烈に押し出し、戦争・改憲と民営化の攻撃を、一切の動揺を排して資本家こそが先頭に立って貫徹せよと叫んでいるのだ。
マスコミは今次報告を「賃金抑制方針を緩和した」ものと描いている。だが、06年の経労委報告は、断じて賃上げを認めたものではない。
「春闘終焉」を叫び定昇制度全面解体狙う
報告は、「横並びで賃金水準を底上げする市場横断的なベースアップは、もはやありえない」「横並びの『春闘』はすでに終焉した」と言い切っている。労働組合との賃金交渉そのものの否定に、踏み込んでいるのである。
報告が「賃金などの労働条件の改定についても、企業の競争力を損ねることなく働く人の意欲を高める適切な舵(かじ)取りが望まれる」と述べているのは、徹底的な成果主義・能力主義を貫けということだ。事実、報告は、「定期昇給制度の見直しが引き続き重要」「だれもが自動的に昇給するという従来の運用ではなく、能力・役割・業績を中心とした制度への抜本的な改革を急ぐべき」と断言している。ここ数年来の定昇解体攻撃を、一切緩めてはならないというのだ。
経労委報告を受け、連合は12月15日の中央闘争委員会で「賃金カーブ維持分+賃金改善分2000円以上」を基本とする要求基準を決めた。また連合傘下の基幹労連は3000円、電機連合は2000円の「賃金改善」を掲げている。だが連合幹部は「ベースアップ」は絶対に要求しない。これは、成果主義・能力主義による賃金配分を初めから認めるものでしかない。5年連続でベア要求を放棄した連合幹部は、資本に屈し労働者の団結を解体する大裏切りに走っている。
全労連指導部も、経労委報告を「業績向上の企業に労働条件改善を促す」ものと賛美し、資本に「人間尊重」を求める屈服姿勢をあらわにした。
賃下げ許さずベア要求貫いて闘いぬこう
だが、労働者の怒りは今や沸点に達している。労働者の平均給与は6年連続で減少する一方、大銀行や大企業は史上空前の利益を上げている。首切り・リストラと賃下げ、不払い残業の強制こそが、資本に膨大な利益をもたらしたのだ。
ところが経労委報告は、昨年に続いて「工場法時代の遺制を引きずる労働時間規制のあり方を抜本的に見直すべき」と言い放ち、ホワイトカラー労働者を労働時間規制の枠外におく「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を声高に叫んでいる。その根底には、戦後労働法制を根底的に転覆し、労働3権を否定しさろうとする攻撃がある。
社会保障をめぐっても、「消費税率の引き上げを前提として、税制・財政、および年金・医療・介護の一体改革に取り組むべきである」としてその全面解体を宣言した。
もはや、資本主義・帝国主義のもとでは労働者人民は生きていけない。実際、JR尼崎事故を始めとした大事故の続発や、耐震強度データ偽造問題に示される腐り切った資本主義のありさまは、その末期的危機を示して余りある。安全をどこまでも破壊し、労働者の生存・生活を食い物にしなければ生き残れない資本主義など、労働者の力で打ち倒すほかにない。
報告が「近年、きわめて残念な不祥事が相次いでいる」とか「その原因は管理監督者を含めた現場力の低下による」などと嘆こうが、こうした事態をはびこらせたのは、民営化・規制緩和を最先頭で強行してきた奥田・日本経団連自身ではないか。
にもかかわらず報告は、「規制改革、行財政改革による民間への一層の機会拡大(市場化テストなど)や、公務員制度の改革を急がなければならない」と言ってはばからない。どれだけの人命が奪われ、労働者の生存が脅かされようと、あくまでも民営化を押し貫くというのである。
日本経団連は、一切の攻撃の軸に、郵政民営化を軸とする公務員労働者への大リストラを据えている。4大産別をめぐる攻防は本格的な決戦を迎えた。
資本は、06春闘を一層の低賃金の強要と成果主義・能力主義賃金による労働者の分断を押し貫く場にしようとしている。だが、団結して闘えば資本の思惑はついえ去る。
動労千葉の闘いと教育労働者の「日の丸・君が代」拒否の闘いを結集軸に、一律大幅賃上げを掲げて06春闘を闘おう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面2)(2006/01/01)
部落解放東日本共闘が総会
狭山第3次再審闘争へ “石川さんと連帯し闘う”
12月18日、東京都内で部落解放東日本共闘会議が第14回総会を開き、労働者、部落大衆、学生ら52人の結集のもと、狭山第3次再審闘争を中心とする06年の方針を採択、闘う決意を共同で打ち固めた。
動労千葉の田中康宏委員長が東日本解放共闘会議・中野洋議長の代理として主催者あいさつを行った。「06年は階級闘争を塗り変える闘いを実現しよう。狭山闘争は石川一雄さんの無実、無罪を力でもぎとる段階にきた。労働組合、労組交流センターは、部落解放を労働者階級の課題としてきちんと位置づけ、部落解放同盟全国連合会と連帯して闘おう」と訴えた。
次に部落解放理論センターの沼田芳知さんが「第3次狭山再審闘争」と題して講演した。沼田さんは、狭山事件の当初の捜査、取り調べにおける警察・検察権力の差別犯罪、権力犯罪の事実を徹底的に暴き、それを弾劾・糾弾する怒りの決起を呼び起こすことが再審決定をかちとる最大の水路であると強調した。控訴審で警察官を糾問した石川さんに続こうと訴えた。
また沼田さんは「『自白と客観的事実の矛盾』の解明に終始し、けっして権力と闘わず、差別犯罪を糾弾しない本部派では再審闘争は勝てない。名張事件(三重県)と布川事件(茨城県)で再審決定をかちとれたのは、被告・弁護団が強い意志で警察の証拠・自白ねつ造、権力犯罪を暴き弾劾したからだ」と明らかにした。さらに「狭山紙芝居ビデオを見た部落青年が自ら警察官に怒りの糾弾を浴びせている」と報告、紙芝居の意義と活用を訴えた。
そして、まったく闘わない解同本部派指導部に怒った兵庫県の1支部が全国連に加盟したことを明らかにし、3月全国連第15回大会への参加を呼びかけた。
05年2月に結成された狭山支部の井田一郎書記長が特別報告を行い、狭山現地が先頭に立って第3次再審闘争を切り開くと語った。
東日本共闘会議の山川博康事務局長が総会議案を提起した。05年を総括した上で06年に向けて、@石川一雄さんと連帯し狭山第3次再審闘争に勝利しようA差別糾弾闘争を闘おうB東日本解放共闘の飛躍をかちとろう――を基調に、@来春第3次狭山再審闘争への総決起A第5回東京部落解放研究集会の成功B組織強化C狭山基金運動――を具体的方針として打ち出した。 山川事務局長は「解放共闘は今のままでは通用しない。本部派を解体し地域権力をとることをめざす全国連に見合った解放共闘、労組交流センターへと大きく飛躍しよう」と提起、圧倒的な拍手で支持された。
総会議案採択を受けて東京労組交流センター、動労千葉、婦人民主クラブ全国協議会、都政を革新する会・結柴誠一杉並区議、法政大部落解放研究会、全国連の茨城県連・江戸川支部・杉並支部・狭山支部が闘う決意を明らかにした。
部落解放は労働者の闘いにかかっているという自覚を促し、狭山第3次再審闘争への機運を高めた総会となった。
(写真 東日本解放共闘の講演で「差別糾弾貫き狭山再審をかちとろう」と提起された【12月18日 東京】)
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面3)(2006/01/01)
天神峰本部裁判
“建物を検証せよ”「地上権」の存在を論証
12月15日、千葉地裁において天神峰現闘本部裁判の第9回口頭弁論が開かれ、原告である成田空港会社(NAA)の認否(11月付の準備書面)への求釈明と、現闘本部建物の検証申し立てなどが行われた。
NAA側の「木造建物は吸収され独立性を失った」というデタラメな主張に対し、反対同盟と弁護団は今回の弁論で建物が独立性を保って存在している構造を具体的に提示した。登記の事実を明らかにした前回の弁論と併せ、地上権の存在は完全に論証された。
さらに、本部建物の裁判所による検証の実施を申し立てた。現在不当にも現闘本部は成田治安法によって鉄板と有刺鉄線で封鎖されているが、封鎖を解いて実際に検証すれば旧本部建物の存在状態は一目瞭然(りょうぜん)だ。だがNAAはこの検証要求に難色を示し「保留」とした。自らの主張の誤りが確定してしまうことを恐れているのだ。
また、反対同盟が現闘本部の地代を地権者に支払ってきた事実に対し、NAA側は「単に形だけのもの」「使用貸借にすぎない」などと言い出した。領収証の存在と金銭授受の事実を認めながら「形だけ」とはあまりにもデタラメな言いがかりだ。弁護団の追及に原告側は沈黙し、求釈明への回答文書を年内に出すことをしぶしぶ約束した。
閉廷後の記者会見で、顧問弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士が、NAA側の主張の矛盾を一つひとつ批判し、集まったマスコミから質問が集中した。次回弁論は2月23日である。
支援する会開く
その後の支援する会例会では、反対同盟の萩原進事務局次長が、東峰地区に「騒音事前調査」と称して侵入してきたNAAをたたき出した事実を報告し、闘いの強化を訴えた。
代表世話人の戸村義弘さんは「矛盾が吹き出したこの社会を変え、革命を起こす時」と訴えた。全関西実行委から傍聴に駆けつけた世話人の永井満さんは「06年は三里塚の重大決戦の年であり、今の取り組みはあまりに不十分だ。北延伸攻撃を阻止するため全力で立ち上がろう」と奮起を促した。さらに群馬で世話人を務める青柳晃玄さんが「三里塚への支持は私の地元でも確実に広がっている。06年をプラス思考で闘おう」とあいさつした。最後に発言した全学連の新宅公志書記長は「全国の大学で改憲阻止闘争を爆発させ、その力を三里塚に総結集させる」と決意を表明した。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面4)(2006/01/01)
免状不実で不当逮捕
12・14前進社関西支社も捜索
12月14日、大阪府警は「虚偽の住所を登録して運転免許証を取得した」として、A同志に対するデタラメな「免状不実記載」容疑をデッチあげ、不当逮捕した。併せてA同志の自宅と前進社関西支社への不当な家宅捜索を行い、翌15日には勾留を決定した。
今回の弾圧の直接の「容疑事実」なるものはまったくデタラメで、ブルジョア法的な意味でも一片の整合性もない。事実は、同志が現に居住している住所を登録し、正規の手続きに従って運転免許証を取得したということであり、なんら罪とされ逮捕されなければらない理由はない。反戦闘争に決起しているA同志を狙い撃ちにした政治弾圧であり、転向強要を狙う攻撃にほかならない。
この弾圧は、日本階級闘争が05年、11月の偉大な闘いに上りつめた勝利の地平に対する攻撃であり、06−07年決戦への予防反革命である。11・6労働者集会以降、全国で凶暴な治安弾圧が連続的に襲いかかっている。日帝は11・6労働者集会にプロレタリア革命の現実性と労働者階級の壮大な決起を見てとり、階級闘争の高揚を芽のうちにたたきつぶそうと乗り出してきた。そして、11・6集会を呼びかけ3組合の訴えにこたえ、新指導路線のもとに全力で闘った革共同に対して、弾圧の矛先を向けてきたのである。
われわれの回答は、弾圧を粉砕し、11・6集会の地平を固めて06年階級決戦の爆発をかちとることだ。
A同志は、転向強要を狙う国家権力の攻撃に対し、完全黙秘で闘いぬいている。組織破壊を意図する大阪府警の弾圧をわれわれは満腔(まんこう)の怒りを込めて弾劾する。A同志を守りぬき一刻も早く奪還するために総力で闘いぬく。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面5)(2006/01/01)
12・17集会
“共謀罪を永久に葬ろう”統一街宣や署名運動を提起
会話や会議の内容自体を犯罪と見なし処罰する「共謀罪」に反対して、12月17日、「共謀罪を永久に葬り去る総決起集会」が東京・渋谷の勤労福祉会館で開かれた。破防法・組対法に反対する共同行動が主催し、会場をあふれる210人が結集した。
共謀罪は秋の特別国会で継続審議となった。法務省は次期通常国会での成立を狙っている。集会はこれと対決し、06年通常国会決戦への突入を宣言した。
第1部では、関東学院大学の学生たちが裁判劇を演じた。産業廃棄物処分場の建設に反対する住民グループが、反対運動の戦術会議を行っただけで「組織的威力業務妨害罪の共謀罪」で訴追され、有罪とされるものである。リアルに治安弾圧立法としての共謀罪の危険性を突き出した。
反対運動の先頭で闘っている足立昌勝さん(関東学院大教授)は、「現行法では予備・未遂が処罰されない罪も、共謀罪がつくられれば処罰できるようになる」ことを指摘し、「組対法の改悪という形をとって、実は刑法の全体が改悪される」と断罪した。
第2部の基調報告では、共同行動事務局が秋の反対闘争の総括を踏まえ、「来春こそ待ったなしの決戦」と提起した。自民党と法務省は、民主党を修正協議に引き込み、通常国会の早い段階での成立を狙っている。基調報告者は、各界での反対の声の広がりを運動の成果として確認しつつ、なお来春の勝利のためには決定的に不十分であることを指摘した。そして「反戦運動も、自らの足元を襲う思想処罰・団結禁止の大攻撃に、わがこととして立ち上がろう」と訴えた。
そして、通常国会が始まる1月下旬と、審議再開が予想される3月中旬の2回、全国一斉統一街宣を行うこと、また126人の呼びかけによる共謀罪反対国際共同署名運動に全力で取り組むことを提起した。
(写真 「一切の修正成立策動を許さず、共謀罪を絶対廃案へ」と誓った総決起集会【12月17日 東京・渋谷)
反対の声あげ全国で運動を
これを受けて、全国労組交流センターや争議団連絡会議、全金本山労組など闘う団体がアピールし、全力で闘う決意を表明した。立川自衛隊監視テント村の大西章寛さんは、自衛隊宿舎ビラまき弾圧での東京高裁の12・9逆転有罪判決を怒りを込めて弾劾した。
秋の衆院法務委員会の審議では、共謀罪のあまりのむちゃくちゃさに法務省もまともに答弁できず、自民・公明の委員も動揺をさらけ出した。だが、審議の中で「労組・市民団体には適用しない」という法務省の答弁はうそで、いくらでも拡張解釈が可能な法案であり、労働組合や学生自治会・市民運動などもすべて適用対象となりうることがはっきりした。
また、グループ内に暗黙の了解があれば「黙示の共謀が成り立つ」とされ、「目くばせでも十分共謀が成立する場合はある」(法務省の答弁)ことも突き出された。これほどまでに共謀罪は悪法である。
12・17集会の成功をバネに、全国各地で集会・学習会、デモ、街頭宣伝、署名運動に取り組もう。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面6)(2006/01/01)
開戦64年の12月8日反戦の思いこめ集会 兵庫 伊豆誠
初めて投稿します。私は百万人署名運動兵庫で反戦運動をしています。
太平洋戦争開戦日、12月8日。64年たったこの日に神戸メリケンパークで、イラク特措法再延長反対・自衛隊の即時撤退を求める兵庫県集会が、平和憲法を守る兵庫県連絡会の主催で行われました。この連絡会には私たち百万人署名運動も参加し、労働組合の呼びかけで900名が結集し、集会とデモで街の人びとに訴えかけました。
集会では、弁護士9条の会の訴えに、今、日本の憲法がゆがめられ、64年前の戦争の悲惨をくり返す方向に向かいつつあることに危機感を感じ、耐え難く思いました。
私自身は、太平洋戦争を父や母や当時を過ごした方の話でしか知らない年代ですが、人間として決して犯してはならないこと、戦争の悲惨さは十分に理解しているつもりです。小泉がアメリカのブッシュと手を組み、自衛隊を自衛軍に変貌(へんぼう)させ、戦争をする国にしようとしていることは、決してあってはならないことです。
その訴えを胸に、この日も寒空の下に闘う労働者が集まり、皆同じ思いを持ち、闘いました。「イラク特措法再延長反対」「自衛隊はイラクから撤退しろ」「イラク占領反対」「政府は平和憲法を守れ」「憲法改悪反対」「再び戦争への道を歩まないぞ」のシュプレヒコールとともに。まさに政府こそ平和憲法を守るべきであり、軍事力で平和はつくれない。再び戦争への道を歩んではならないのです。イラクに行っている自衛隊は即時に撤退すべきであり、平和憲法も変えてはならない。この集会に参加し、反戦の思いがより一層強まりました。
これからも反戦平和獲得、戦争へと向かう憲法改悪に立ち向かい、闘っていく決意です。
11・6への参加を訴え団結の必要性を実感 栃木 前川徹
私が11・6集会への参加を呼びかけた人たちは、「これだけの人が結集するのはすごいですね。昨年より増えていますね」と感想を述べる人が多かった。
結集を呼びかけた組合の中で、今年リストラがあって組合員が半分になってしまい、動員できそうにないというところもあった。他の組合でも、「役員になる人がいない。組合活動が苦になっているなど組合活動そのものが何のためなのか、必要性がわかっていない」など、役員の方から話を聞くことができた。
組合に呼びかけに回れば回るほど、今こそ労働者の総結集・総団結の必要性が感じられた。今年リストラを受けた職場では、海外に移転した工場が本稼働となり、国内生産ラインを廃止するということだ。国内職場の労働者と国外職場の労働者の連携した闘いをつくらなければならない。国際連帯の必要性を感じた。
---------------------------------------------------
週刊『前進』(2229号8面7)(2006/01/01)
12月14日〜20日
沖縄県議会全会一致で反対
ブッシュ演説「開戦に責任」
●ブッシュ「開戦に責任」 ブッシュ米大統領がイラク情勢について演説し、フセイン政権の大量破壊兵器(WMD)に関する機密情報が間違っていたことを認めた上で「フセイン政権を打倒したのは正しい決断だった」とイラク戦争をあらためて正当化した。小泉首相はこれに関連し、「日本は国連決議に沿って判断した」「イラクが大量破壊兵器はないと証明すれば戦争は起こらなかった」と述べ、イラク侵略戦争を支持したことの正当性をあらためて強調した。(14日)
●小泉「靖国は心の問題」と中韓に反論 小泉首相は東アジアサミット閉幕を受けてクアラルンプール市内で記者会見し、自身の靖国神社参拝について「精神の自由というか、心の問題で、これを批判することは私はいまだに理解できない」と述べ、中韓両国などの批判に反論した。(14日)
●ミサイル防衛、開発段階へ移行 政府は安全保障会議を開き、ミサイル防衛(MD)システム導入の一環として米国と共同技術研究を進めている次世代型のイージス艦配備迎撃ミサイル(SM3将来型)を06年度から開発段階へ移行することを決めた。(15日)
●イラク議会選 イラクの「正式」な政府の枠組みを決める国民議会選挙(定数275、任期4年)の投票が、戒厳態勢の中で実施された。(15日)
●沖縄県議会が沿岸案反対可決 沖縄県議会が米軍再編協議で日米政府が合意した普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設案に反対する意見書を全会一致で可決した。米軍再編をめぐって県議会が超党派で意見書を可決するのは初めて。(16日)
●前原発言開き直り 民主党の前原代表は、定期党大会で、訪米中に集団的自衛権の行使容認に言及したことについて「現実的な戦略論から、尊厳ある国家のあり方を考えて述べた」と持論を展開した。先の訪中で表明した「対中脅威論」に関しては「率直に脅威だと感じるからそう発言した」と開き直った。(16日)
●令状なし傍受認める ブッシュ大統領がラジオ演説で、国家安全保障局(NSA)が大統領令により令状なしで通信傍受を行っていたとされる問題で、「きわめて重要な手段だ」などと述べ、事実関係を認めた。米国の国際電話や電子メールが傍受の対象になっていた。(17日)
●普天間、県外移設検討されず 大野前防衛庁長官が那覇市内で、米軍普天間飛行場の移設先見直しの日米交渉で、県外移設は検討されなかったことを明らかにした。(17日)
●自衛隊の米軍支援、3倍に 自衛隊から米軍への燃料補給など「日米物品役務相互提供協定(ACSA)」に基づく支援件数が04年度、前年度の3倍以上に達していたことが分かった。同協定の改定で04年7月以降、米軍の日常の訓練に対する自衛隊の支援が可能になり、米軍機の自衛隊施設の利用が急増したため。(18日)
●WTOでデモの900人を逮捕 WTO(世界貿易機関)閣僚会議をめぐって警官隊と激しい衝突を繰り広げた韓国の農業団体メンバーを中心とするデモ隊約900人が一斉に逮捕された。逮捕者のうち韓国人は少なくとも600人に上った。(18日)
●名護市長「受け入れには大幅修正を」 名護市の岸本市長が普天間飛行場の名護市キャンプ・シュワブ沿岸部への移設案について、「少々いじっただけでは合意できるものではない」と述べ、受け入れには大幅な修正が必要との認識を明らかにした。(19日)
●国民投票法案成立へ自公民が一致 自民、民主、公明3党の衆院憲法調査特別委員会理事らが会合を開き、憲法改正手続きを定める国民投票法案について、来年通常国会で成立を目指すことで一致した。(20日)
---------------------------------------------------