ZENSHIN 2005/07/25(No2207 p06)

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週刊『前進』(2207号1面1)(2005/07/25)

 つくる会教科書 杉並で採択絶対阻止を

 「靖国に参拝し今度戦争する時は負けないと誓う」と叫ぶ西村真悟

 労働運動弾圧の共謀罪廃案へ

 「都議選決戦の歴史的地平を発展させ、11月労働者総決起へ前進しよう」。これが05年後半戦に向けたこの7〜8月闘争の基本的な大方針である。このスローガンのもと、危機を深める日帝権力が戦時下で都議選後も一層強めてきている治安弾圧と対決しつつ、何よりも7月杉並大行動に総決起し、杉並を先頭に全国・全地域で「つくる会」教科書採択を絶対に阻止するために闘おう。同時に被爆60年の8月広島・長崎反戦反核行動に全国から総力結集しよう。そして戦後60年の8・15集会を小泉の靖国参拝攻撃と対決する闘いとしてかちとろう。新指導路線のもと、都議選決戦が切り開いたものは実に感動的、画期的であった。それを組織的に打ち固め、発展させ、11月へ進もう。夏期一時金カンパと機関紙拡大の闘いに全力で取り組もう。7・31東西革共同政治集会を圧倒的に成功させよう。

 第1章 区民の闘いと大衆運動創造した都議選

 91年のソ連スターリン主義崩壊以降の帝国主義は、今やその基本矛盾を全面的に爆発させ、世界戦争・世界大恐慌の奈落の底へ坂道を転げ落ちつつある。イラク侵略戦争の泥沼化と継続・激化の上に、米・日帝国主義による北朝鮮・中国侵略戦争が、現実的に切迫してきている。
 この中でイラクでの民族解放・革命戦争の不屈の激化・発展を始め、全世界で労働者階級、被抑圧民族人民の帝国主義に対する根底からの怒りと闘いが爆発し、革命的情勢が急接近してきている。7月7日にはロンドンで帝国主義へのムスリム人民・被抑圧民族人民の積もり積もった極限的な怒りが同時爆破ゲリラとして炸裂(さくれつ)し、サミットを直撃した。
 革共同はこうした大情勢の中で、4月以降、新指導路線のもと新たな革命的議会主義の闘いに挑戦した。長谷川英憲氏を押し立て、「つくる会」教科書採択絶対阻止を訴え、全党・全人民が総蜂起して、今次都議選決戦を闘ったのである。それは労働者党を建設し、プロレタリア革命の勝利を現実的にたぐり寄せるための路線である新指導路線の実践そのものであった。
 革共同は今次都議選を、階級的労働運動の前進を必死に切り開き、労働者階級の組織的獲得を目指しつつ、大衆運動と階級的激動をつくり出し、そのただ中で選挙戦に勝利していくという、革命党としての本来的な新たな闘いに挑戦し、持てる力を投入して全力で闘いぬいた。
 確かに得票結果は大変厳しいものだった。しかしこの闘いは画期的な地平を創造した。宣伝・扇動の革命を基礎として、「つくる会」教科書採択阻止の大衆運動においても、階級的労働運動の前進への踏み込みにおいても、区民の自主的・自己解放的決起という点でも、われわれは貴重で、かけがえのない経験と地平を獲得した。この道を進み、都議選決戦が切り開いた地平を発展させれば、新指導路線も、11月労働者総決起への闘いも、爆発的に前進するという確信を手にしたのだ。
 革共同と日本の闘う労働者は、この地平に立ち、直ちに05年11月労働者総決起を、階級的労働運動と日米韓国際連帯の飛躍的発展の大舞台としてかちとるために、勇躍進撃を開始しなければならない。

 戦争と階級闘争絶滅の攻撃

 課題の第一は、何よりも杉並を最先頭に「つくる会」教科書の採択を絶対阻止することである。
 「つくる会」教科書は戦争攻撃である。北朝鮮・中国―アジア侵略戦争への突入と国民総動員の攻撃である。革命党と労働者階級に突きつけられた反革命の刃(やいば)であり、労働運動・労働組合を始め、一切の階級闘争、階級的組織を絶滅する攻撃である。この教科書が採択され、来年から使われるなら、実際の改憲攻撃を飛び越えて、一気に「改憲後」の情勢に突入し、アジアへの侵略戦争が本当に始まる。今この時に闘って阻止しなかったら、決定的に遅いのだ。
 「つくる会」のファシストどもは、今や日帝ブルジョアジーと政府・文科省の全面的バックアップを受け、都知事・石原や杉並区長・山田を最先兵として東京・杉並を始め全国各地でこの戦争教科書を採択するために躍起となっている。都道府県レベルでも05年に入って全国15県議会で自民・公明(一部は民主)の賛成により請願が採択されている。7月13日には栃木県大田原市で「つくる会」教科書が市町村教委では初めて採択された。容易ならざる情勢だ。
 「つくる会」勢力は戦後の教科書を「コミンテルン史観」「東京裁判史観」「自虐史観」の「反日」「亡国」の教科書だなどと攻撃し、日清・日露以来の侵略戦争・帝国主義戦争を全面的に美化し肯定する。歴史観としても科学的・階級的・マルクス主義的な正しい歴史観を憎悪・否定し、70年三島反革命や教基法改悪の「天皇を中心とした日本の歴史・文化・伝統」という主張に沿って、「万世一系」の事実上の皇国史観と弱肉強食の戦争肯定イデオロギーに、教科書内容を塗り替えている。
 これは単に過去の侵略戦争の美化・肯定ではない。新たな戦争、明日の北朝鮮・中国―アジア侵略戦争への国民総動員攻撃なのだ。小泉や石原の盟友・ファシスト西村真悟(民主党衆院議員)は、7月7日の小泉靖国参拝を支持する集会で「靖国に参拝することによって、今度戦争をする時は断じて負けないという誓いを新たにしないといけない」「近い将来、わが国は戦争を受けて立たねばならないことも大いにありうる」、その場所は「東シナ海(ママ)と台湾海峡」だ、「ここがわが国の生命線であります」と公言している。
 これは西村個人の「暴言」にとどまらない。まさに「近い将来」、日帝は日米枢軸のもとで北朝鮮・中国―アジアに、とりわけ中国に本格的侵略戦争を開始しようとしているのだ。ファシスト石原が「尖閣諸島に自衛隊を派兵せよ」「アメリカを巻き込んで三峡ダムも北京も破壊せよ」「中国を分裂国家にし、支配せよ」と叫んでいるのも、米日帝の北朝鮮・中国侵略戦争の扇動なのだ。

 第2章 「死ねば靖国の神になる」の戦争動員装置

 小泉が今年、8・15靖国参拝を強行しようとしていることは「つくる会」教科書と一対の攻撃である。靖国神社は「天皇の忠臣」と「国家のための戦いで死んだ人」「賊軍と戦って死んだ人」「外国と戦って死んだ人」をまつる神社であり、「死ねば靖国の神になる」と称して、天皇と日帝国家のために喜んで命をささげることを要求する、侵略戦争への国民動員の装置なのだ。小泉が中国や韓国との外交関係を壊してまで靖国参拝にこだわるのは、まさに「近い将来」、北朝鮮・中国への侵略戦争を構えているからである。
 「つくる会」教科書や靖国問題に示される日帝の異様な凶暴性は、帝国主義の絶望的な体制的危機と破産にその根拠がある。日帝はもはや労働者階級を食わせていくことができなくなった。国家と地方自治体の財政赤字も1000兆円に達し、破局寸前だ。福祉も介護も保障できない。この帝国主義が延命するために、労働者人民に賃下げ・大失業と民営化(労組破壊)と社会保障制度解体を強制し、外に向かっては北朝鮮・中国侵略戦争とアジア勢力圏化に突進している。
 われわれはこれに対し、帝国主義打倒とプロレタリア世界革命の立場を一層鮮明にし、階級的労働運動と国際連帯の前進をかちとり、自国帝国主義の侵略戦争を内乱に転化する闘いの発展をもって対決する。「つくる会」教科書採択絶対阻止はそのための階級的死活がかかった闘い、教基法改悪粉砕・改憲阻止への突破口をなす闘いである。
 都議選決戦が創出した大衆運動と杉並区民の決起をさらに発展させ、日本共産党の敵対を許さず、「つくる会」絶対阻止の7月杉並大行動に総決起しよう。杉並・親の会などが呼びかける7・24大集会、7・27と8・4の区教委包囲の「人間の鎖」行動、そして署名運動の拡大の力をもって、絶対に勝利しよう。全国で採択を阻止しよう。

 第3章 11月労働者総決起へ4大産別軸に前進を

 課題の第二は、都議選決戦に現場労働者の主体的で力強い決起がかちとられた地平に立ち、国鉄を先頭に4大産別と全産別で、階級的労働運動の前進を切り開くことだ。
 4大産別は7・18〜20日教組大会を始め7〜8月は大決戦となる。産別の枠を越えて「つくる会」教科書攻撃と闘い、日教組・自治労の改憲勢力化を阻むために総決起しよう。特に1047名闘争の不抜の陣形を打ち固める7・15全国集会を突破口に、国鉄決戦がいよいよ重大化する。動労千葉は安全運転行動と組織拡大に突入している。
 小泉が反革命的な改革路線の目玉として、自民党内の分裂をも辞さず強行突破しようとしている郵政民営化は、郵政労働者27万人余(非常勤を含め40万人)を非公務員化し、リストラと大量首切りを推進し、全逓労働運動を解体する攻撃だ。郵貯・簡保の350兆円を金融独占ブルジョアジーが私物化する攻撃でもある。闘う全逓労働者を先頭に物ダメとストライキで決定的反撃に立とう。

 8月ヒロシマ−ナガサキへ

 課題の第三は、被爆60年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦反核大行動に、青年労働者を先頭として全国から総結集することだ。これは既成原水禁運動をのりこえ、帝国主義の侵略戦争・世界戦争と対決する闘いである。さらに戦後60年の8・15国際連帯集会を小泉の靖国参拝攻撃と対決し大成功させよう。これらは11月労働者総決起に向けて大きな橋頭保をなす重要闘争だ。 
 課題の第四は、7月12日に衆院法務委員会で本格審議入りした共謀罪新設攻撃を絶対に粉砕することだ。共謀罪は03年5月に国会が批准した「国際組織犯罪防止条約」を根拠に、615種の「犯罪」について実行行為がなくても相談や協議をしただけで最高5年の懲役(または禁固)にできる極悪の治安弾圧立法だ。しかも実行前に自首すれば減刑・免訴される。これは密告やスパイの奨励だ。
 また自民党が出した修正案には「準備のためにする行為」が構成要件にあり、戦前の改悪治安維持法の「結社の目的遂行の為にする行為」(目的遂行罪)と同じく、弾圧が無制限に拡大される。戦時下で革命党はもとより労働運動・市民運動を根こそぎ弾圧する、この現代の治安維持法を必ず廃案に追い込もう。
 三里塚闘争も「北延伸」攻撃が切迫し、決戦である。断固、反撃しよう。
 課題の第五は、都議選決戦の成果を労働者党の組織建設へと打ち固めていくために、夏期一時金カンパ決戦に全力で決起することだ。同時に職場・大学・街頭で機関紙拡大闘争に進攻的に取り組もう。
 7・31東西革共同政治集会に総結集し、05年後半決戦へ全党・全人民の怒濤(どとう)の進撃をかちとろう。

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週刊『前進』(2207号1面2)(2005/07/25)

 保護者先頭に区教委抗議 8月4日が採択阻止の決戦

 7月13日の杉並区教育委員会で中学校教科書採択の臨時教育委員会が8月4日に決まった。この日が、子どもたちを戦場に送る「つくる会」教科書の採択を阻むかどうかの大決戦だ。
 13日正午前から、杉並区役所前には「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並・親の会」を中心に多くの人びとが詰めかけた。都政を革新する会も長谷川英憲代表を先頭に、「つくる会」教科書採択阻止の宣伝活動を行い、大きな注目を集め、多くの支援者との交流の場となった。「栃木県の大田原市で『つくる会』教科書採択がきょう決められようとしている」というニュースに危機感と怒りが高まった。しかも教育委員の1人が外国に視察に行っているのにわざわざこの日を選んで決めるという。
 昼休みのビラまき・署名活動では、子どもを抱いた母親、戦争体験者の男性、若い女性、サラリーマン、親子3人連れなど、署名する人がひっきりなしに続いた。署名を集める人を囲んで討論の輪もできた。戦争賛美の教科書を絶対許さないという熱気があふれた。
 ハンドマイクで訴える女性は、「つくる会」教科書が戦争賛美そのものであることを暴き、「この教科書を絶対に子どもたちに渡すことはできない」と決意を語った。さらに改憲攻撃を弾劾し、「学校では先生は自由に授業ができない。内心の自由を話しただけで厳重注意され、『日の丸・君が代』で座っていたら処分される。そんな恐ろしい世の中になっている」と戦争攻撃の激しさを訴えた。「『つくる会』教科書はどうしても阻みたい。署名をお願いします。採択日には区役所に集まってください」と呼びかけた。
 「障害者」の男性など集まった人びとが次々とマイクを握って「つくる会」教科書採択阻止のために署名を訴えた。元教育労働者は学校現場での攻撃を明らかにし、「戦後教育を壊し、戦争に持っていこうとする教科書を許すわけにはいかない」と訴えた。元マスコミ労働者は、「つくる会」教科書を杉並区を突破口に全国で10%採択させようと狙っていることに対して、「杉並区で止めれば全国で止められます」とさらに闘うことを呼びかけた。
 午後2時からの教育委員会は、議題の最後に教育委員会の日程を決め、教科書採択の臨時教育委員会を8月4日に行うことを決めた。しかし、採択にかかわる経過の説明もまったくなされず、反対署名や申し入れなどが多数行われていることも触れられないままだ。教育委員会の会議は、まともな検討や討論がまったく行われていないことをさらけ出すものだった。特に「杉並区中学レスキュー隊」を8月5日に発足させ、生徒に戦時動員訓練を強制しようとしていることに傍聴後、怒りの声があがった。
 これに先立って午後1時過ぎ、親の会は杉並区教委の委員長と教育長に対して申し入れを行った。親の会は「改悪された採択要綱の撤回」などを求めた申入書を読み上げ、手渡した。
 杉並での闘いは東京・全国を決する焦点となった。アジアを始め世界の労働者も注目している。8月4日の採択阻止へ、全力で闘おう。7月24日(日)午後2時・セシオン杉並大ホール(杉並区梅里)で開かれる「絶対使わせない!『つくる会』教科書7・24杉並集会」(同実行委主催)に集まろう。
 (本紙・柿坂信二)

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週刊『前進』(2207号1面3)(2005/07/25)

 共謀罪粉砕 ハンスト決行

「会話やメールが罪にされる/現代の治安維持法=共謀罪は廃案に!」などと呼びかけた国会前ハンスト闘争は、3日間・54時間にわたり闘いぬかれ、見事に貫徹された。国会内外に大きなインパクトを与え、廃案の現実性も見えてきた。今からが“強行採決か廃案か”の最後の力勝負となる。拡大する労働者人民の危機感と怒りを共謀罪廃案の一点にしぼりあげ、全力で廃案に追い込もう!(写真は7月14日)=関連記事2面

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週刊『前進』(2207号2面1)(2005/07/25)

 「つくる会」教科書 採択阻止へ最大の正念場 「戦争への罪悪感」一掃図る

 財界・政府・自民が共同で推進

 「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書は、日本帝国主義が再び侵略戦争に労働者人民を総動員していくための攻撃である。13日、栃木県大田原市で、市町村教育委員会では全国で初めて、「つくる会」の歴史・公民教科書が採択された。攻防はいよいよ激化している。杉並区を先頭に全国で「つくる会」教科書採択絶対阻止に立ち上がろう。

  経団連提言や自民改憲案と全く同じ

 「つくる会」教科書攻撃の背景にあるものは、世界史的激動のもとでの日本帝国主義の激しい危機感、焦燥感である。帝国主義の戦後的延命・発展が完全に行き詰まり、日帝は帝国主義間の激しい争闘戦、つぶし合いの中で、生き残れるか否かという巨大な壁にぶつかっている。このために、なりふり構わず戦後的な制約を突破し、自国民を政治的・イデオロギー的に再組織し、再び対外(侵略)戦争ができる国家に転換しようと必死なのである。
 「つくる会」教科書は、そのための大攻撃であり、日帝が国家総力戦体制を築き、国民を戦争に総動員していくための大攻撃である。「有事立法攻撃の学校版」だ。それゆえ、これは「日の丸・君が代」強制と一体であり、教育基本法改悪・憲法改悪の先取りである。また、天皇制テロルのすさまじい暴力性をもって学校と地域から、闘う労働者を一掃する言論・思想弾圧と一体である。教育労働者に対する不当処分、卒業式ビラまきでの逮捕、「共謀罪」制定など、それはすでに始まっている。
 左の表は、「つくる会」教科書攻撃が、ひとにぎりの民間ファシスト勢力の部分的な攻撃などではなく、日本帝国主義の総力を挙げた攻撃であることを示すものだ。
 「つくる会」教科書の内容は、日本経団連の1・18提言「わが国の基本問題を考える」や、7月7日に発表された自民党の改憲要綱案と完全に一致している。改憲(9条)や「国民の権利と義務」、「天皇制」の問題など、日帝が今、戦争国家に転換するために突破しようとしている重大テーマにおいて、「つくる会」教科書は日帝支配階級の意図を体現して、教育・学校の場で正面突破の大攻撃をかけてきているのだ。
 実際、日本の財界は資金その他で「つくる会」の活動を全面的にバックアップし、政府・自民党は安倍幹事長代理や中山文科相や町村外相が「バランスのとれた教科書」などと「つくる会」教科書を露骨にもちあげ、自民党地方議員の総決起集会などを開いて「つくる会」を全面的に支援している。また文部科学省や各地の教育委員会が、採択制度や教科書選定基準を「つくる会」教科書が有利になるように改悪している。
 このように、「つくる会」教科書攻撃は、今や日帝支配階級の総力を挙げた、労働者階級に対する戦争動員と階級闘争圧殺の攻撃なのである。日帝支配階級は、「つくる会」教科書を全国で大量に採択させることで戦前・戦中の「国定教科書」のような位置に押し上げ、他社の教科書を駆逐・一掃し、さらには小学校から高校まで「つくる会」教科書攻撃を拡大することを狙っている。「つくる会」はすでに小学校社会、中学地理・国語・英語の教科書づくりもプラン化している。絶対に許してはならない。

  労働者人民の闘いは一切抹殺された

  日帝は、戦争に対する「国民」的価値観を転倒させようとしている。その核心は、帝国主義の侵略戦争、帝国主義強盗どもの国家間戦争を「国家防衛のための正義の戦争」と全面的に美化し、戦争への罪悪感を一掃することである。「戦争は国家間の生存競争であり、未来永劫(えいごう)なくならないもの。日本国家の繁栄のために戦争をしなければならないし、お国のために命をささげ、靖国神社にまつられることは日本人として名誉なことだ」という価値観に転換させようとしているのだ。
 そのことを端的に示しているのが、「つくる会」歴史教科書のコラムの次の記述である。
 「●戦争への罪悪感/GHQは、占領直後から……言論に対するきびしい検閲を行った。また、日本の戦争がいかに不当なものであったかを、マスメディアを通じて宣伝した。こうした宣伝は、東京裁判と並んで、日本人の自国の戦争に対する罪悪感をつちかい、戦後の日本人の歴史に対する見方に影響をあたえた」
 ここでは、アジア太平洋戦争において、日本帝国主義とその軍隊が、2000万人ものアジア人民を虐殺し、アジアの資源・物資・食料を略奪するなど、侵略戦争と植民地支配を行ったこと、日本労働者人民も戦争に駆り出され、悲惨な体験を強制されたことを完全に抹殺し、「戦争への罪悪感はGHQが植え付けたものだ」などと完全に開き直っている。人民の中にある「戦争への罪悪感」の一掃を図っているのだ。
 また、「つくる会」教科書には支配権力の不正・暴虐と闘ってきた労働者人民・被抑圧民衆の闘いの歴史が、まったく記されていない。歴史の主体は日本の国家と、それを担う天皇・支配階級であるとして、階級支配や階級対立、階級闘争の存在そのものが抹殺されている。戦後革命期の労働者階級の闘いや、アジア・世界の民族解放闘争の歴史的高揚など、まったく書かれていない。
 このように「つくる会」教科書は、日本帝国主義支配階級の戦争と階級闘争圧殺の意図を露骨に体現した極悪の政治文書であり、全面的粉砕あるのみだ。
 「つくる会」教科書採択阻止を闘い、闘うアジア・ムスリム人民と連帯して、戦争に突き進む日本帝国主義を打倒しよう。

 (表)財界・自民党と「つくる会」教科書は一体 その狙いは、人民の侵略戦争動員だ!

  日本経団連提言(今年1月) 自民憲法改正要綱案(今年7月) 「つくる会」教科書(05年版)
憲法改悪(軍隊保持と海外派兵の明記) 「戦力の不保持」(9条2項)は現実から乖離。自衛隊の保持を明確にし、国際平和に寄与する活動に貢献できることを明示すべき。集団的自衛権を行使できる旨を明記すべき。 自衛のために自衛軍を保持する。自衛軍は国際の平和と安定に寄与することができる。
(集団的自衛権を認める)
自衛権は国際法上、主権国家に認められた権利であり、自衛隊の位置づけが不明瞭ならば、憲法の規定自体を変えるべきという意見もある。
 集団的自衛権を行使できると解釈を変えるべきだという主張もある。(公民)
国民の義務 無責任な利己主義が蔓延しつつある。「公(おおやけ)」を担う気概が失われている。権利と義務は表裏一体であることを教育の中でも強調すべき。 個人の権利には義務が伴い、自由には責任が伴う。「公共の福祉」概念はあいまいなのでこれをやめ、国家の安全と社会秩序を維持する概念として明確に記述する。 【教育勅語の礼賛】非常時には国のために尽くす姿勢など、近代日本人の人格の背骨をなす。(歴史)
【「国防の義務」】
憲法で国民に国を守る義務を課している国は多い。(公民)
愛国心・天皇制 自国の伝統・文化・歴史を学ぶことを通じて国を愛しむ心を持つことは、国際人として不可欠の要件であるが、戦後、これらの教育は遠ざけられてきた。
 教基法を見直し、戦後の教育に不十分だった日本の伝統・文化・歴史にかかわる教育を充実させること。
【宗教教育】自然や生命に対する畏敬の念を育むこと。
現行憲法に欠けている日本の国土、自然、歴史、文化など、国の生成発展についての記述を加え、国民が誇りうる前文とする。
 日本国民は和の精神をもって国の繁栄を図り、国民統合の象徴たる天皇とともに歴史を刻んできた。
 一定の宗教的活動に国や地方自治体が参加することは許容される。
【大日本帝国憲法を称賛】
 私たちの先祖の、たゆまぬ努力の上に、世界で最も安全で豊かな今日の日本がある(歴史)
 天皇の権威は、国家が危機を迎えたときには、国民の気持ちをまとめ上げる大きなよりどころともなってきた。(公民)
深く自国の歴史と伝統を学んでほしい。(歴史)

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週刊『前進』(2207号2面2)(2005/07/25)

 共謀罪 国会前、危機感広がる “現代の治維法に反対”

 共謀罪を新設する法案が衆議院法務委員会で本格審議に突入した7月12日、「破防法・組対法に反対する共同行動」は国会前で14日までの3日間のハンスト闘争に入った。
 共謀罪の即時廃案を要求する「ハンスト決行中!」のビラを国会前で配布、「何もしなくても『会話だけでタイホ』という共謀罪の法案が、いよいよこの7月にも衆院強行採決かという、まさに決戦のただ中にあります」などと書かれたビラを国会議員を始めほぼ全員が受け取っていく。共謀罪に対する警戒感、反対運動に対する共感は確実に広がっている。
 昼に開かれたハンスト突入集会は、6人のハンスト者を囲み、約70人が集まった。まず共同行動の事務局が共謀罪をめぐる現状と展望について提起した。共同行動による国会前ハンストが破防法団体適用を阻んだ95年以来4回目だと語り、「共謀罪絶対阻止を訴え続ける拠点として翼賛国会に切り込もう。共謀罪を絶対に廃案にしよう」と闘いの意義を訴えた。
 午前中の法務委員会を傍聴した人が与党の質問について、「労組と市民団体、一般の国民には適用されないんですよね」と聞いて、南野法相が「そうだ」と肯定する茶番であったことを報告、「怒りをもって弾劾」した。
 憲法と人権の日弁連をめざす会の武内更一弁護士は「条約が通ったから共謀罪をつくるというが、この国には憲法がある。違憲の共謀罪は認められない。政府の行為に逆らう者、抵抗する者を排除しようとするのが共謀罪だ。現代の治安維持法である共謀罪は絶対に認められない」と訴えた。
 初日からハンストに入った5人が決意を表明。全国精神病者集団の山本さんは、「悔しいが医療観察法が15日施行になる。今国会で審議されている障害者自立支援法案で障害者は地域で生きることができなくなる」と指摘した。ハンスト座り込みの両わきには「障害者自立支援法案」に反対する「障害者」たちが続々と集まっていた。
 翌13日の2日目、7人がハンストを闘った。この日、日本基督教団の小田原紀雄牧師もハンストに合流した。午後4時すぎ、衆院厚生労働委員会で「障害者自立支援法案」が強行採決された。国会前に詰めかけた1000人の「障害者」とともに弾劾のシュプレヒコールをあげた。
 14日午後5時、3日間にわたり54時間のハンストを貫徹したハンスト者を先頭に総括集会が行われた。ハンスト者が次々と発言に立ち、共謀罪法案廃案に向けた国会議員とマスコミへの呼びかけで大きな成果を上げたことを報告した。7月13日の朝日新聞には「共謀罪に異論反論」の見出しで共謀罪法案の国会論議が紹介された。社会的関心が一気に高まってきたのだ。
 ハンストを貫徹した共同行動の事務局から、衆院法務委員会での強行採決を阻止し、延長国会の会期末で廃案に追い込むための行動方針が提起され、その中で「共謀罪に反対する超党派国会議員と市民の集い(別掲)」への参加が呼びかけられた。この呼びかけにこたえ全力で参加しよう。

@院内集会
 7月21日(木)12時から13時
 衆議院第2議員会館 第1会議室
A市民集会
 7月26日(火)18時半から20時半
 星陵会館(永田町駅6番出口徒歩3分)
 発言 超党派国会議員・表現者・法律家ほか
呼びかけ人(50音順)
稲見哲男(衆議院議員)、井上哲士(参議院議員)
糸数慶子(参議院議員)、喜納昌吉(参議院議員)
近藤正道(参議院議員)、佐々木秀典(衆議院議員)
辻恵(衆議院議員)、仁比聡平(参議院議員)
福島みずほ(参議院議員)、松岡徹(参議院議員)
松野信夫(衆議院議員)、円より子(参議院議員)
 (2005年7月13日現在)

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週刊『前進』(2207号3面2)(2005/07/25)

 7・7ロンドンで同時爆破ゲリラ

 帝国主義の侵略戦争と虐殺に被抑圧民族人民の怒りが爆発

  帝国主義サミットを直撃

 7月7日、英ロンドンで起こった地下鉄・バス同時爆破ゲリラ(自爆戦闘)はスコットランド・グレンイーグルズで開かれていた帝国主義首脳会議(G8サミット)を直撃し、事実上これを粉砕した。
 この7・7ゲリラ戦は、イラク―アフガニスタン侵略戦争の当事国でありサミット議長国であるイギリスとその首都中心部を標的に定め、サミット開会の時刻に合わせたきわめて意識的な自爆テロ形式の戦闘として行われた。それによって52人以上の死者、数百人の負傷者が出て、ロンドン全域の交通機関が止まった。
 サミット議長のブレア英首相は、サミットの会議を中座し、ロンドンに急行した。サミットの議事は「テロ対策」に終始した。当初の目標として掲げたアフリカ貧困問題と地球温暖化問題のまともな討論すらなしえず(帝国主義による「貧困救済」「環境保持」など不可能である)、サミットは完全に破産した。
 7・7ゲリラ戦は帝国主義のイラク―アフガニスタン−中東侵略戦争、無差別的人民虐殺に対する被抑圧民族人民の積もりに積もったすさまじい怒りを全世界に突きつけた。7・7ゲリラ戦は、米・欧・日帝国主義のイラク―アフガニスタン(中東)侵略戦争・軍事占領がいまだ継続中であり、それとの民族解放・革命戦争が戦われており、イラク―アフガニスタン(中東)にはなんら平和は到来していないことを帝国主義はもちろん、帝国主義国プロレタリアート人民に対しても突きつけた。
 イラクにおいては、今年1月の「選挙」と4月末の「移行政府」成立後も、イラクの首都バグダッドや諸都市で、占領軍である米軍・イラクかいらい軍がゲリラ部隊に対する掃討作戦を展開している。04年のファルージャ包囲・せん滅戦のような苛烈(かれつ)な地上戦が各地で展開されているのである。アフガニスタンでも同様に首都カブールでも山岳地帯でも国際治安部隊とゲリラ部隊との戦争が継続している。
 このような時、米英占領軍と命懸けで戦っているムスリム人民が侵略と虐殺の当事者である帝国主義本土・国内においても必死の反撃戦に立ち上がることは彼らの当然の権利だと言わなければならない。
 7・7ゲリラ戦はサミットを標的とすることによって、英米だけでなく、すべての帝国主義、とりわけ日帝がムスリム人民の攻撃対象であることを示した。日帝もイラクに自衛隊を派兵・駐留させ、アフガニスタン侵略戦争に協力するためにインド洋に艦船を送っている。いつムスリム人民が日本を攻撃しても不思議ではない。アルカイダは米英の次は日本が標的だと警告を発している。

  厳しい糾弾のアピール

 「ヨーロッパにおけるアルカイダ聖戦機構秘密組織集団」を名乗るグループがインターネットで7・7ロンドン同時爆破ゲリラの実行声明を発表した。声明は、英帝のアフガニスタン―イラク侵略戦争への報復として7・7同時爆破戦闘を行ったことを明らかにすると同時に英軍のイラクからの即時撤兵を要求している。
 このムスリム武装集団、あるいは英治安当局が特定した4人の英リーズ在住者(死亡)が7・7ゲリラ戦を実行したとは即断できない。しかし7・7ゲリラ戦は、米英日など帝国主義によるイラク、アフガニスタン、パレスチナへの侵略戦争・軍事占領・植民地支配・人民虐殺への被抑圧民族人民・ムスリム人民の積年のやむにやまれぬ怒りの爆発であることは確実だ。
 7・7ゲリラ戦闘は、01年9・11反米ゲリラ戦(国防総省と国際貿易センターへの同時自爆攻撃)、04年3・11スペイン・マドリード同時列車爆破ゲリラ戦闘などに続く特殊的極限的な形態をとった民族解放・革命戦争である。それは、同時に帝国主義国とりわけ侵略戦争当事国プロレタリアート人民への命懸けの糾弾のアピールでもある。
 イラク―アフガニスタン侵略戦争で親・兄弟姉妹・子どもを殺された被抑圧民族人民・ムスリム人民が米・英・日帝国主義にどのような激しい反撃を加えたとしても米英日帝の側に非難する資格はない。
 十数万人のイラク軍民を虐殺した91年湾岸戦争。その後の十数年にわたる対イラク制裁による数十万人のイラクの子どもたちの死。01年10月に始められた米英のアフガニスタン空爆。03年3月に始められた米英のイラク空爆。その後の米英日などによるイラク軍事占領と地上戦。イラクのナジャフ、ファルージャ、カイムなどの都市への米軍の総攻撃と無差別大量虐殺。米帝の支持と援助を背景にしたイスラエルによる02年パレスチナ・ジェニン大虐殺。04年3月のハマスの最高指導者ヤシン師暗殺。
 まさに中東の被抑圧民族人民・ムスリム人民には、20世紀初頭以来の帝国主義の侵略戦争、分割支配、植民地支配、人民虐殺、人間の尊厳の蹂躙(じゅうりん)、資源略奪に対してあらゆる手段で反撃する権利があると言えるのだ。
 したがって、7・7ゲリラのような帝国主義への反撃を日本共産党スターリン主義のように帝国主義と一緒になって単なる「無差別テロ」として非難して済ませることはできない。もしそうした態度を取るならば、労働者階級は帝国主義の侵略と民族抑圧の手先に成り下がってしまう。
 52人の犠牲の責任の一切は米英日を始めとする帝国主義の側にある。帝国主義こそが一切の元凶であり、打倒されなければならない対象なのだ。だが、その上で帝国主義国プロレタリアートは、7・7ゲリラ戦にこめられている帝国主義国プロレタリアートへの糾弾を受け止め、民族解放の決死の反撃にこたえ連帯し、52人の犠牲を自らの問題として引き受け、階級的自己批判と自己解放をかけて自国帝国主義を打倒する闘いに立ち上がらなければならない。
 7月6日、英エディンバラとその近郊では、サミット粉砕を掲げて国際プロレタリアート人民の大規模なデモが闘われた。1万人近いデモ隊がサミット会場周辺を包囲し、阻止線突破を試み、警察機動隊との激突を繰り返した。サミット粉砕闘争は約200人の逮捕をのりこえて闘われた。
 英・戦争阻止連合(SWC)は、7・7ゲリラ戦直後の声明で、「反テロ」を口実にしたムスリム人民への弾圧と排外主義と対決し、ムスリム人民との団結を固め、反戦闘争を闘うことを宣言した。地下鉄やバスの運転士の労組RMTは、日常的に侵略にさらされているイラク人民との団結を強めて闘うことを宣言した。「反テロ」の排外主義をはねのけて階級闘争は貫かれようとしている。

  イラク反戦への総決起を

 英帝ブレアはサミット議事終了後の議長総括で「テロとの戦い」を絶叫した。帝国主義は「テロとの戦い」で「結束」を示した。
 帝国主義(中ロも)は、粉砕されたサミットを逆てこに、全世界で巻き起こるプロレタリアート人民の階級闘争、被抑圧民族人民の民族解放・革命戦争に反革命的に襲いかかり、力ずくで鎮圧することを宣言した。「対テロ戦争」の名でイラク―アフガニスタン侵略戦争・軍事占領とパレスチナ人民虐殺を継続・強化し、世界戦争に突き進むことを決めたのである。
 実際、帝国主義は国内治安弾圧を一層強化しようとしている。米帝ブッシュは「愛国者法」(01年10月制定)で、英帝ブレアは「反テロ法」(00年制定、01年と今年3月に改悪)で、とりわけ01年9・11以後、ムスリム人民を「テロ」容疑で大量・無差別に拘束してきた。日帝・小泉は度重なる入管法・外登法改悪で排外主義攻撃を強め、共謀罪や戦時下の治安弾圧を一気に強めている。
 帝国主義国プロレタリアートは、7・7ゲリラ戦が示したムスリム人民―被抑圧民族人民の怒りと糾弾を階級としての矜持(きょうじ)をもって真っ向から受け止め、米英日帝のイラク―アフガニスタン侵略戦争、朝鮮・中国侵略戦争策動、世界戦争を内乱に転化するために闘わなければならない。

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週刊『前進』(2207号3面3)(2005/07/25)

 「日の丸・君が代」不起立・伴奏拒否

 7・21に“再発防止研修” 被処分者と共に反撃を

 今春卒・入学式で「日の丸・君が代」強制に抗して不起立・伴奏拒否などの行動を貫いた東京の教育労働者51人に対して、東京都教育委員会は7月21日、「服務事故再発防止研修」を強行しようとしている。
 「服務事故再発防止研修」とは、飲酒運転やわいせつ行為などを起こした教育労働者に対する「再発防止」のためとして設置された研修制度である。それを「日の丸・君が代」強制に抗議して起立や伴奏を拒否した教育労働者に適用すること自体、不当である。
 昨年8月の再発防止研修に対して被処分者が執行停止を申し立てた裁判では、東京地裁ですら「何度も繰り返し研修を受けさせるなど……著しい精神的苦痛を与えれば、違憲違法の可能性がある」との判断を示した。その時点ではいわば“実際に研修をやってみないとわからない”として執行停止命令は出さなかったが、すでに昨年来、再発防止研修や校内研修が繰り返され、「何度も繰り返し研修を受けさせる」ことが現実になっている。こんな不当な研修はただちに撤回されるべきものである。
 しかも21日は、昨年の「再発防止研修」の取り消しを求めた請求訴訟の公判日である。都教委はわざわざこの日に研修をぶつけ、抗議行動と裁判闘争をつぶそうと狙っているのだ。
 昨年8月に行われた再発防止研修では、自らの行動に不動の確信を持つ被処分者の迫力が都教委を圧倒し、被処分者が都教委職員を徹底追及する“大衆団交”の場と化した。被処分者の切り崩しを狙った都教委の思惑は完全に破産したのである。昨年の闘いを引き継ぎ、再発防止研修に大反撃をたたきつけよう。
 21日の研修は午前・午後の2回に分かれ、それぞれ9時30分・13時30分から受付を始め、2時間の「基本研修」を実施する。会場は東京都総合技術教育センター(都研。JR水道橋駅すぐ、都立工芸高校隣)。また減給処分以上の処分を受けた者には後日、さらに「専門研修」を実施する。「日の丸・君が代」強制反対・被処分者の会は21日終日、被処分者支援・再発防止研修抗議総決起集会、記者会見、報告集会を設定し参加を呼びかけている。
 7月21日、都研前に駆けつけ抗議の声をたたきつけよう。「再発防止研修」取消請求訴訟第5回公判(14時30分東京地裁集合/15時開廷)にも結集しよう。

  被処分者の会 執行停止申立

 7月7日、都教委ならびに区市教委によって再度発令された不当な研修命令に対し、都立校、小・中学校合わせて30人の教育労働者が執行停止を求めて申し立てを行った。
 被処分者の会は声明を発表し、「(昨年の)『基本研修』は、民間警備員までを導入し、異常な監視下にある空間に被処分者を閉じ込め、無意味な講義の受講と報告書の作成を命じたもので、およそ『研修』の名に値しない実質的な懲罰行為、すなわち被処分者に対する二重の処分行為であったことが明らかになっています。また、減給処分者を対象とする『専門研修』は、密室において1名の被処分者を5名の都教委職員および校長が取り囲んで、繰り返し指導する、JR西日本の『日勤教育』と比すべき不当な内容のものでした」と弾劾し、執行停止命令を下すよう強く求めた。
 また6月27日には、今春入学式の被処分者7人が東京都人事委員会に不服審査請求を行った。被処分者の会の請求人は、合計してのべ203人になった。

  停職に連日の「出勤」で反撃

 都教委は5月27日、都内の中学校で働く教育労働者に対して、「日の丸・君が代」闘争で最も重処分である1カ月の停職処分を発した。しかしこの教育労働者は処分に屈せず、停職とされた5月末から1カ月、連日朝の通学時から夕方の下校時まで学校の正門前に立って、処分の不当性を訴え続けた。門前は生徒や地域住民との討論や交流の場となり、多くの人びとが激励に訪れた。
 6月22日には研究者122人が連名で「2005年4月の入学式における不起立者に対する処分に抗議する研究者声明」を発し、「『停職』を含む厳しい処分を行うことによって、日本国憲法と教育基本法に違反し、あるべき教育から逸脱を続ける東京都教育委員会の行為に強く抗議し、10・23通達に基づくすべての処分を撤回することを要求します」と訴えた。
 処分に屈せず意気軒高と闘いぬく被処分者と連帯して闘おう。

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週刊『前進』(2207号6面3)(2005/07/25)

 区役所ビラまきなどで 3同志を不当逮捕 戦時下の弾圧激化許すな

 7月13日、東京と静岡でまたしても警察による大弾圧が行われた。
 東京では同日午前8時20分ごろ、江戸川区役所にビラまきに行った前進社本社の2人の同志に対し、警視庁公安1課の星隆夫を先頭とする8人前後の私服刑事が襲いかかり、「公務執行妨害」をデッチあげて不当逮捕した。1人は区役所職員に暴行したとデッチあげられ、もう1人は警察官に暴行したとデッチあげられたが、そんな事実は一切ない。ビラまきをやめさせるための弾圧だ。
 2同志はこの10年間、定期的に発行してきた地域ビラ『東松かわら版』の最新号を、いつものように区の職員や来庁者に配布していただけである。どうして、これで逮捕されなければならないのか。まったく逮捕権の乱用そのものであり、言語道断の戦時下の言論・思想弾圧、ビラまき弾圧である。
 また静岡でも同日朝7時ごろ、静岡県党の同志が居住しているアパートに、静岡県警の私服刑事5〜6人が合いカギを使い、チェーンロックを破壊して襲撃さながらに押し入ってきた。そして1人の同志を住民登録にかかわる「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」をデッチあげて逮捕・連行した。さらに、この部屋を朝7時から午後5時まで10時間にわたって13人もの刑事が手当たり次第に不当捜索と現場検証を行い、パソコンや携帯電話、預金通帳、機関紙、ビデオテープ、他党派のビラを含むビラ・文書類など合計226点を押収していった。
 同じ日に強行された二つの大弾圧は、日帝・警察権力の弾圧が戦時下において、革命党の言論や思想、活動を一切許さないとする新たな段階に入ったことを示すものだ。弾圧の根底にあるのは日帝のすさまじい体制的危機と戦争突入情勢である。不当逮捕・捜索を徹底的に弾劾し、3人の同志を直ちに奪還しよう。

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