ZENSHIN 2005/03/14(No2189
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週刊『前進』(2189号1面1)(2005/03/14)
革共同の3月アピール
3・20日比谷 イラク反戦・改憲阻止へ
05春闘で戦争協力拒否を
都高教の決起を先頭に全国で卒業式闘争を大爆発させよう
第1章 世界戦争への道に立ちはだかる最先端の闘い
この2005年、戦後60年の歴史の中で最大の階級決戦期が到来している。07年までのおよそ3年間は、1917年ロシア革命に始まったが20世紀中に実現できなかった世界史的大課題、すなわち帝国主義の打倒とプロレタリア世界革命の達成という人類史的事業の実現に向かっての決定的な革命的激動期である。
この階級決戦で、19世紀以来の資本主義の搾取と抑圧に対するプロレタリア自己解放闘争の連綿とした不屈の歴史が、今こそ革命の勝利として本当に成就されなければならない。今やマルクス主義の再創成と再確立による労働運動の普遍的発展と共産主義革命運動の世界史的発展が、スターリン主義による反革命的変質と歪曲を突き破り、ついに究極的勝利へと力強く踏み出す過程が始まった。
03年3・20イラク侵略戦争開始は、かつて歴史が経験しなかった恐るべき規模の世界戦争過程への突入であった。この帝国主義世界戦争の始まりと、さらに世界的な民営化と大失業の攻撃の激化は、労働者階級と被抑圧民族人民に耐えがたい苦しみと犠牲を強制している。この戦時下の現実に労働者階級がそのまま従うことは断じてありえない。必ず国際的、国内的な必死の、根底的な反撃を引き起こしていく。その結果、階級対階級の非和解的激突が広大に発展してくる。
この全世界的な革命的情勢の成熟を、現実の革命へと前進・転化させるため、プロレタリア自己解放と国際連帯を掲げて、労働運動の階級的防衛=再生と戦闘的発展を切り開く〈新指導路線〉をさらに徹底的に推進しよう。また、この情勢が不可避とする労働運動の分岐・流動から再編・高揚へのドラスティックな進行を促進し、闘う労働運動・労働組合運動の新潮流を国際的・国内的に大きくつくりだした昨年の11・7集会の地平を、全力をあげ堅持・発展させよう。
3月決戦の重大任務
革共同は、〈戦時下の階級闘争への突入〉を鮮烈に自覚し、今こそ自らを断崖(だんがい)に立たせ、05年の空前の階級決戦に対して、血と汗を流して全党の自己変革=革命をかちとる決意だ。マルクス主義的な革命的実践が、階級決戦の鉄火の中で、今こそ問われている。
この05年階級決戦を真に革命的に押し開く闘いこそが、3月卒業式での「日の丸・君が代」強制拒否の闘いである。とりわけ都高教労働者の昨年を上回る不起立闘争の爆発である。またこの教労戦線を先端とする全逓、自治体、国鉄の4大産別の攻防に階級的心棒を入れる動労千葉ストライキである。さらにはこれらが大合流する3・20イラク反戦国際統一行動の大高揚である。不起立闘争が切り開く3・20の巨万の決起は、全産別労働者の戦争協力拒否と教基法改悪・改憲阻止のうねりをつくりだし、都議選決戦勝利への革命的展望を切り開くのである。
05年1〜2月攻防を経た3月決戦、とりわけ「日の丸・君が代」強制拒否の闘いは、昨年12月から1〜2月の内外情勢の大変動―大反動と真っ向から切り結ぶものとして、巨大な世界史的、革命論的意義をもっている。
まずこの05年、世界史は早くも巨大な分岐点に立った。1・20ブッシュ就任演説と1・30イラク選挙の結果をもって、米帝はいよいよ激しくイラク侵略戦争を継続・激化させ、それをイランや北朝鮮への侵略戦争に拡大し、世界戦争へとまっしぐらに突き進みつつある。
米帝は、財政赤字と貿易赤字の1兆jという天文学的激増、ドル暴落の危機など収拾不可能な泥沼的な経済的破局に陥り、唯一の基軸帝国主義でありながら、その力は明らかに没落の一途をたどっている。それゆえイラク侵略戦争から世界戦争への戦争政策だけを求心力として内外を統治する以外にない。帝国主義間の争闘戦、再分割戦、その軍事化=戦争化をいとわず、イラク侵略戦争をどこまでも絶望的に続行する以外に、延命の方途がなくなっているのだ。
だが大量破壊兵器のデッチあげなど、その戦争目的が虚偽であることが満天下に暴かれる中で、米帝ブッシュは、イラク侵略戦争を継続させる新たな「口実」づくりに躍起となり、昨年の「アメリカの大分裂」を「国益、愛国主義こそ正義だ」という強弁で突破し、再選を果たした。この再選を最大限の武器に、ブッシュ就任演説から1・30イラク選挙を経て、「圧制の打破」「自由の拡大」を叫び、「正義の戦争」というとんでもない居直りをもって、イラクから侵略戦争を全世界に拡大しようとしている。
この「圧制の打破」「自由の拡大」を掲げて侵略戦争―世界戦争を推し進めるものこそが、全世界的な米軍再編(トランスフォーメーション)である。これは、「不安定の弧」へ向けてイラク侵略戦争のような戦争を次々と拡大し、世界戦争へと突進するものである。それは結局、北朝鮮侵略戦争に行き着く。そして米帝は、長期的には、残存スターリン主義中国の転覆に向かっていこうとしている。ライス国務長官の言う「圧制の拠点」(6カ国)の原文は「アウトポスト・オブ・ティラニー」で、「拠点」とは「前哨」という意味である。つまり、本拠である中国の「前哨」拠点が北朝鮮やミャンマーだということなのだ。
「日米同盟の変革」
日帝・小泉は、この1〜2月に、米帝のイラク侵略戦争や世界戦争政策に徹底的に参加・参戦していくことを強力に打ち出し、米軍再編のもとで、日米安保を世界戦争を遂行できる「日米枢軸」として、決定的に再編しようとしている。2月19日、日米安保協議委員会(2プラス2)が開かれ、そこでラムズフェルド国防長官は「平和協力活動に自衛隊は血を流せ」と、「日米同盟の変革」と日米の「一体化」を要求した。そして日米の「共通戦略目標」として北朝鮮と中国を攻撃対象にすえた。これは「圧制の打破」という米帝ブッシュの世界戦争路線の承認であり、日帝自身が米帝と一体化しつつどこまでも世界戦争の道に突き進むということである。実に恐るべきことではないか。
さらに、今後、米軍と自衛隊が、具体的に陸海空で統合運用し、基地や施設、演習や訓練においても一体化して、自衛隊が米軍とともに北朝鮮侵略戦争から世界戦争へすべてを実戦的に「血を流して」担うということである。そのために、沖縄米軍基地と在日米軍基地の再編・強化を図るということである。まさに世界戦争が今、すさまじい現実性をもって具体的に切迫しているのだ。
第2章 日帝・小泉と経団連の先兵がファシスト石原
このように帝国主義世界戦争へと情勢が分水嶺(ぶんすいれい)を越えたまさにその時、日本経団連(奥田会長)の「国の基本問題検討委員会」は1月18日に「わが国の基本問題を考える」と題する提言を発表し、そこで、戦争を実際に行うという階級意志を打ち出した。日帝ブルジョアジーの主流が、日本帝国主義のなりふり構わぬ生き残りをかけ、戦争に向かって改憲を含む「政治革命」を要求したのだ。これは日本階級闘争にとって空前の歴史的転換であり、「堤防決壊」の反動的大濁流という事態である。「基本問題」提言では〈改憲〉と同じ重量で〈教育基本法改悪〉を扱い、同日に「教育提言」をも出してきた。
ついに日帝ブルジョアジー本体が、政治委員会と完全に一体化し、戦争と民営化(労組破壊)の基軸的な攻撃として、教基法改悪と改憲に具体的実効的に踏み出してきたのだ。今回の提言はこれまでの改憲論とは意味が違う。最も本格的な改憲論が初めて登場した。「世界の平和と安全」すなわち世界戦争に日米枢軸をもって深く参戦していくことが「国益」であり、改憲はそうした国益のために必要である、そうでなければ他帝国主義との争闘戦や再分割戦に日帝は勝てないという、具体的現実的で激しい危機感をもった論理を振りかざしてきたのだ。そうした国益を貫く力が自衛隊であり、自衛隊は国際的安全保障を任務とし、米軍再編に対応して全世界的に集団的自衛権を行使しなければならない、そのためにはもはや「現憲法は足かせだ」と言ってきているのである。
世界の分割・再分割のために帝国主義軍隊が絶対に必要であるとし、資本はその政策を駆使して国家と限りなく一体化し、帝国主義軍隊を実戦的に自由に動かして国益を追求するという、まさに現代帝国主義論そのものの大攻撃である。
日本経団連は、このように日本の戦後政治と戦後的価値観を、自らいったんたたきつぶした上で、戦争、しかも世界戦争への突入を構えて戦後体制を根底的に転換させようとしているのだ。
したがって日本経団連の「教育提言」は、単なる「戦前回帰」を唱えているだけではない。今日、戦争に突き進む日帝が、戦後教育のあり方を反動的に転覆し、教育は国家が国家のために行い、教員は国家が必要な教育を子どもや青年に教えるというあり方に転換せよ、と言ってきているのだ。戦争のための教育を行え、そうした教育を行わない教員は放逐しろと、「不適格教員の措置」「教員免許更新制」などを叫んでいるのだ。これこそ03年10・23通達による「日の丸・君が代」強制攻撃の本質である。
「戦争は学校から」!!
このような日本経団連の「堤防決壊」的な大攻撃の最先兵に、東京都知事のファシスト石原がいる。そして杉並区長・山田がそれに付き従っている。石原は、「東京から日本を変える」と公言し、「日の丸・君が代」攻撃と同時に、教基法改悪の先取りを石原「教育改革」としてすでに実行してきているのだ。
ファシスト石原は、今すぐにも本気で戦争をやろうとしている。ここに石原のファシストとしてのすべての言動、行動の原理がある。戦争をするために教育を支配し、そしてなりふり構わず学校を支配しじゅうりんしようとしている。「戦争は学校から始まる」のだ。石原はこの忌まわしい歴史の現実を、現代に貫こうとしている。石原は教育と学校を支配することで、地域社会の支配に向かっている。戦争への最短の道を突き進んでいるのだ。石原は都庁=都教委、そして警視庁を一体化させて、その力で首都・東京を根こそぎ支配しようとしている。
戦前は、まさに学校と役所と警察が地域を支配することで、戦争への総動員は可能となった。すでに都教委と警視庁は、各地域に「学校警察連絡会議」をつくり、さらに石原は警察官僚の竹花副知事を本部長とする「緊急治安対策本部」と「青少年育成総合対策本部」を統括する治安対策推進理事(副知事格)を警察庁から招こうとしている。石原を頂点に副知事・竹花、さらに現役警察官僚と通称「ヒトラー」の横山教育長を加えたファシストと警察の連合が、都庁に君臨しているのだ。
石原は「教育改革」を武器に、神奈川県知事・松沢、横浜市長・中田、埼玉県知事・上田、杉並区長・山田らを率い、千葉県知事選に森田健作を出馬させ、この「首都圏連合」をもって、東京から全国へとファシスト支配を広げようとしている。さらに石原一派は、現在の北朝鮮「拉致」キャンペーンの異様な排外主義の大洪水をテコに、「つくる会」教科書の採択を東京全体に拡大することを目的としながら、教育から報道へと攻撃を強めている。衛星放送テレビに「桜チャンネル」なる右翼ファシスト放送局をつくり、報道メディアの一角に食い入り、首都・東京でのファシスト支配をテコに戦争総動員体制へと突進しているのだ。
石原に残されているのは労働組合の支配である。労働者を獲得しないかぎり、戦争へのファシスト政治は貫徹できない。だがここにファシストの最大の弱点があり、その支配を突き崩す火点がある。そもそも石原の「教育改革」やあらゆるファシスト的言動と行動の理不尽さ、おぞましさ、非人間性は、労働組合が解体され、労働者がバラバラに分断されてこそ「通用」するものである。逆に、労働者が団結して立ち上がるならば、攻撃は破産し打ち破られるのだ。
ファシストの求心力は、分断された労働者人民を警察力などの暴力支配でじゅうりんすることによって初めて成り立つ。労働組合・労働運動が団結すれば、ファシスト暴力は無力となり、崩壊させることができる。今春の「日の丸・君が代」強制拒否の教育労働者の団結と決起は、必ず石原のファシスト支配を打ち破る号砲となるのだ。
「民営化」と労組破壊
今日の大反動の嵐の中心には、規制改革と民営化攻撃による労働組合の解体、労働運動の団結破壊がある。日帝・小泉=奥田は、昨年の「骨太方針W」から、昨年12月には「05年経労委報告」を打ち出し、さらに12月以来の「規制改革・民間開放推進会議」答申、新行革大綱などの一連の大攻撃の上に、1・18の日本経団連「提言」を出してきた。
すでに「骨太方針W」で郵政民営化攻撃と社会保障制度解体をぶちあげ、05年経労委報告では、「労使はいまこそさらなる改革をすすめよう」「攻めのリストラを」と叫び、戦争攻撃と一体のものとして、民営化による労働組合解体を攻撃的、全面的に打ち出してきている。また戦後社会のあらゆる規制を撤廃し、労働法制解体、行革による大民営化(市場化テストなど)、さらに徹底した雇用・賃金破壊と社会保障制度解体、教育基本法改悪などを打ち出してきている。
ここでの最大の核心は、戦後階級支配を、戦争を現実に行うことが可能なように全面的に転換させようとしているということだ。そのためには何よりも日教組、全逓(JPU)、自治労、そして国鉄という4大産別の労働組合の解体が不可欠であり、それを狙っている。1・18日本経団連「提言」はその極致である。実にその最大の狙いは、労働者階級を改憲・教育基本法改悪をとおして戦争に総動員しようとするところにある。
すでに連合は、昨年の笹森発言で事実上「憲法9条2項改正」に言及し、1・18経団連「提言」に瞬く間に飲み込まれるところまできている。自治労もすでに「国の基本政策検討委員会」で、改憲受け入れの素地をつくっている。後は日教組ということである。
日本経団連の「教育提言」は、「多様性、競争、評価」をキーワードとする規制緩和―民営化攻撃である。それは教育労働者を、肉体をむしばむ「強労働」と分断、団結破壊にたたき込む。そこに従来の教育基本法を百パーセント廃止・解体する改悪が襲いかかる。教基法10条改正への言及では「国家が教育内容を決める」のは当然であり、「教員は労働者として教育活動をしてはならない」と決めつけ、そこから「教職員組合の本来のあり方への回帰」と称して、「教え子を再び戦場に送るな」を下ろせと、日教組に迫っている。まさに「教育提言」は、労働者への戦争動員と民営化=労組破壊攻撃そのものなのである。
第3章 不起立闘争の拡大から05春闘-3・20総決起へ
以上に見たような情勢は、3月決戦に死活的な任務を突きつけている。
第一に何よりも、東京の都高教労働者を先頭として、今春3〜4月「日の丸・君が代」強制拒否―不起立闘争の大爆発をかちとることである。この闘いは、米帝ブッシュと日帝・小泉=奥田、ファシスト石原の世界戦争への道を最前線で阻む闘いであり、全労働者の戦争協力拒否の最先端に位置する闘いである。
今、都高教労働者を始め全労働者に最も大切なことは、世界戦争に向かう帝国主義と対決する労働者の団結と、それをつくりだす鮮明な時代認識をもつことではないだろうか。都高教労働者は、内部からのあらゆる反動と立ち向かっている。ファシスト・カクマルの「告訴・告発運動」による不起立闘争への敵対、日本共産党の制動、何よりも連合・都高教執行部の屈服は、いずれもこの「戦時下」という時代認識の否定と、労働者の団結と決起への不信と絶望が、そうさせている。この対極で立ち上がることが唯一の勝利の道ではないだろうか。そしてこの闘いをぜひとも日教組再生の闘いへと発展させよう。不起立闘争と日教組再生の闘いが両輪となって、教育基本法改悪―改憲阻止の巨大なうねりがつくられていくのである。
第二に、動労千葉ストライキと4大産別の決起を先頭に05春闘の爆発を切り開くことだ。動労千葉は2・20定期委員会で、「05春闘の新賃金及び労働条件改善、反合・運転保安要求」の12項目を掲げ、05春闘を戦後60年の歴史の分岐点として、戦争と民営化と対決し、「国鉄分割・民営化の総決算」攻撃とりわけ1047名闘争解体と立ち向かい、3月中〜下旬にストを配置する方針を決定した。その上で、@大幅賃上げ、貨物を焦点とする賃金制度改悪阻止、A反合・運転保安春闘、B強制配転阻止、予科生の士職登用、C組織拡大闘争の闘いと、さらに「日の丸・君が代」強制拒否を闘う教育労働者と連帯して闘うことを確認した。これは、全労働者の共通の課題であり、全労働者の春闘スローガンである。
特に今日、国鉄決戦は「分割・民営化の総決算」のための1047名闘争解体攻撃との闘いの正念場にある。和解路線をのりこえ、鉄建公団訴訟に勝ちぬき、1047名の団結をあくまでも守りぬくことが、唯一の勝利の道である。
この国鉄決戦を土台にして、全逓の郵政民営化阻止の大決戦を全階級的課題として勝ちぬき、また自治体の大民営化攻撃と対決し、4大産別の決戦に勝ちぬこう。全金本山闘争の勝利を謳歌(おうか)し、その教訓を徹底的に学ぶことが、05春闘の推進力である。また05春闘のただ中で、〈労働組合の革命論的確立>を実践的に深化し、労働組合権力を駆使していく現実的な主体的能力をかちとり、そのための自己変革と実践的飛躍をなし遂げることが重要である。
第三に、3・20イラク反戦国際統一行動を、昨年を上回る闘いとして実現することである。3・20は「イラク即時撤兵」を国際的な共同のスローガンに、帝国主義の世界戦争と対決する国際連帯闘争であり全世界的な階級決戦である。あらゆる反動を打ち破り、11・7の日米韓連帯をさらに強固に打ち固めよう。ILWU(国際港湾倉庫労働組合)―MWM(百万人労働者行進)運動に続いて、ランク・アンド・ファイル(現場労働者の)運動を広大につくりだそう。
これらの国際的な労働組合の統一行動のもとで、戦時下の労働運動では、「日の丸・君が代」―教労決戦が新たに創造しつつある労働組合の戦闘的統一行動、共同行動を、地域から発展させることが必須の課題である。教労を先頭とする全労働者の戦争拒否の闘いを、教基法改悪阻止の巨大な統一戦線として発展させ、さらに陸・海・空・港湾労組20団体を先頭に改憲阻止の巨大な陣形を育んでいかなければならない。改憲勢力に転落する連合を内部から分岐させ、流動を促進しよう。さらに、石原のファシスト支配を打ち破る闘いは、「日の丸・君が代」―教労決戦と都議選決戦を固く結合させ、労働運動と選挙闘争を一体的に推進させていく闘いだ。また戦時下において、労働組合の反ファシズム統一戦線を広大につくりだす闘いである。さらに3・20は、郵政民営化法案、改憲のための国民投票法案、共謀罪法案などの大反動法案を阻止する闘いへの総決起となる。
そして3月決戦のただ中でこそ、労働者党建設の闘いをひたむきに実践していこう。財政闘争、機関紙拡大闘争、党勢拡大闘争の飛躍をかちとろう。05年決戦の最大の課題こそ、マル青労同の強大な建設である。今こそ革命家魂を発揮し、全力で3月決戦に挑んでいこう。
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週刊『前進』(2189号1面2)(2005/03/14)
都立高卒業式 “石原の強制を拒否しよう” 不起立訴えビラまき
3月1日から都立高校の卒業式が始まった。2日、杉並区にある都立荻窪高校の卒業式に対して、石原都知事・都教委による「日の丸・君が代」強制拒否を呼びかけるビラまきが闘いぬかれた。
「石原・横山都教委暴走をとめよう!都教委包囲首都圏ネットワーク」を始め都政を革新する会、全学連、西部労組交流センター、部落解放同盟全国連杉並支部、さらに「とめよう戦争への道!百万人署名運動杉並連絡会」や高校生など20人余が集まり、それぞれが持参した6種類のビラを教職員や高校生、保護者などに手渡した。
午前8時前から登校して来る教職員へのビラまきが始まった。都革新は長谷川ひでのり代表とともに結柴、新城両杉並区議もビラまきを行った。杉並は山田区長が「特攻隊」を賛美し、「大東亜戦争は自衛戦争」と公言する反動区政だ。この中での卒業式闘争はファシスト石原と山田を串刺しにして打倒する闘いでもある。
全学連が出した「石原による『日の丸・君が代』強制反対」のオレンジ色ののぼりがよく目立つ。ビラを受け取った教職員から「若い人が一緒で力強い」の声がかかる。
杉並では2月11日に実行委員会主催で「『日の丸・君が代』強制と処分を許さない集会」が開かれ、その後、実行委員会による区内全都立高校への申し入れ行動が取り組まれた。全国連杉並支部は1日、江戸川支部とともに都教委に対して強制反対を申し入れた。
荻窪高校には都革新が申し入れを行い、長谷川代表が「日の丸・君が代」を強制する職務命令を出さないようにと校長に直談判した。その校長がこの日、午前8時に正門から出てきて「東京都の教育方針と違うビラをまかれるのは困ります」と繰り返す。
一人の高校生が「私は東京の高校生です」というビラを作ってきて「『日の丸・君が代』の強制に反対します!」「皆さん、全員起立と言われても立たないで下さい。国歌斉唱と言われても歌わないで下さい。きょうは黙って座っていましょう」と元気よくビラをまいた。一人で120枚も配り切った。
ビラを受け取った女子高校生は「私立たないからね!」ときっぱりと意志表示。通りかかった杉並区民も石原がどんなに差別者か怒りを込めて語り、「がんばれよ」と激励した。
全都立高校で卒業式へのビラまきが連日、取り組まれている。“東京を孤立させるな”と不起立闘争は全国に拡大している。3月下旬までの卒業式闘争を大高揚させ、石原・都教委の横暴にとどめを刺そう。
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週刊『前進』(2189号2面1)(2005/03/14)
「日の丸・君が代」強制に大反撃始まる
不起立の闘いさらに押し広げファシスト石原を打倒しよう
戦争協力拒否の不退転の行動を
「10・23都教委通達」との再度の激突となる東京の闘いを最大の焦点に、05年卒・入学式闘争がその火ぶたを切った。全都・全国で昨年を上回る「日の丸・君が代」不起立闘争を爆発させよう。教育労働者の戦争協力拒否闘争への壮大な決起をかちとろう。
被処分者を先頭に卒業式の闘争態勢
大阪の被処分者が呼びかけた「不起立宣言」は300人に達し、全国の先陣を切った府立高校卒業式では、大阪高教組が「日の丸・君が代」強制反対の統一ビラや看板をつくり、式当日は時間休をとって組合員がビラまきを行い、教育労働者と生徒の広範な不起立がかちとられている。
都教委包囲ネット主催の2・6総決起集会の高揚を受けて、2月19日に被処分者の会、被解雇者の会、予防訴訟をすすめる会の3者が総決起集会をかちとり、「『強制』に対しては『不服従』を貫いて闘いましょう」という「全都の教職員へのアピール」を発した。「卒・入学式対策本部」が設置され、新たな不起立者の支援体制もつくられた。
都高教の方針をめぐっては、「職務命令には従う」という屈服方針の撤回を求める共同修正案が明らかに過半の支持を得ながら、執行部により強引に「少数否決」とされた。しかし05年卒・入学式闘争は、被処分者を中心に執行部をのりこえる闘争態勢をつくり出して闘われようとしている。
都教委は、被処分者を強制異動し、嘱託選考で不合格にするなど、違法・無法の限りを尽くしている。昨年の卒・入学式に向けて都教委は「教職員全員に職務命令を必ず出せ」と校長に命令したにもかかわらず、予防訴訟では「職務命令は校長の裁量権」と答弁し責任を逃れようとしている。この点を突いて、職場では校長交渉が激しく闘われ、3月1日を皮切りとする卒業式になだれ込んだ。
保護者、卒業生など各団体の校長・都教委への申し入れがかつてない規模で取り組まれ、式当日は全校で労働者市民のビラまきが計画されている。弁護士も式場内の人権侵害と警察の弾圧監視行動に立ち上がった。05年卒・入学式闘争は、教育労働者の職場抵抗闘争を軸に、全労働者が石原・都教委を包囲する大運動に発展しつつある。
校門での教育労働者や生徒へのビラ入れについて、都教委は校長に「即座に警察に通報せよ」と指示し、警察が拘束する事態まで起きた。処分の脅しだけで闘いをつぶせないと見た都教委は、警視庁と一体で刑事弾圧を画策しているのだ。
にもかかわらず都高教本部は、こともあろうに「ビラまきに来たら管理職に知らせよ」と指示し、組合員に弾圧を招き入れる役割を担わせようとしている。
しかし弾圧策動は教育労働者や市民の憤激を呼び、通報した校長は職場での徹底追及と市民からの抗議の殺到にさらされている。「日の丸・君が代」闘争は国家権力と真っ向から対決する闘いに発展している。
こうした中で、石原・都教委、国家権力と一体となって不起立闘争の拡大を妨害しようとしているのがカクマルである。2月11日のカクマル「春闘」集会では、教育労働者が「『フキリツ運動』なるものは、まさに挑発者のそれでしかない」と述べ、不起立闘争への敵対をあらわにした。カクマル「告訴」運動の狙いが「日の丸・君が代」闘争の破壊にあることは明らかだ。カクマルの敵対を打ち破って断固闘いぬこう。
「日の丸・君が代」は天皇制下の侵略戦争と暗黒支配のシンボルであった。今「日の丸・君が代」攻撃が激しく襲いかかっているのは、新たな世界戦争の時代が到来し、日米枢軸のもとに侵略戦争にのり出した日本帝国主義国家が「日の丸・君が代」をそのシンボルにしようとしているからである。
イラクでは、「暫定選挙」の大ペテンが暴かれ、イラク人民の民族解放戦争が激発している。ブッシュは米軍大再編(トランスフォーメーション)により日米安保を世界安保へと転換させ、全世界に侵略戦争を拡大しようとしている。大野防衛庁長官は、2月19日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)のキーワードを「グローバル・リスポンシビリティ(地球規模の責任)」と語った。“専守防衛”の建前をかなぐり捨て、米軍と一体で世界戦争をやる自衛隊に大転換させようとしているのだ。
戦争と戦争教育には一歩も譲れない
こうした中で、日本経団連が憲法改悪へ動き出したことは、歴史を画する重大な事態である。1月18日、『わが国の基本問題を考える』と『これからの教育の方向性に関する提言』の二つの提言を発表し、憲法改悪と教育基本法改悪を政府・自民党に迫ったのだ。
経団連が『これからの教育の方向性に関する提言』で、今後最も重視すべき教育内容は「わが国の伝統・文化・歴史に関する教育」だとし、「国旗・国歌」に言及して「国への誇りを育てよ」と叫んでいることを見よ。自民党改憲草案が「天皇は日本の歴史、伝統、文化の象徴」とし、天皇制こそ「我が国の国柄」としていることを見よ。日帝にとって集団的自衛権の解禁とともに「お国のために命を投げ出す日本人」づくりが体制の死活のかかった課題となっているのだ。
教育労働者を「戦争と死の教育」の先兵とする攻撃が始まっている。「日の丸・君が代」強制との闘いは、何よりも教育労働者の戦争協力拒否闘争である。
「10・23通達」に基づく「日の丸・君が代」攻撃は〈国家のために命をささげさせる教育>への転換である。教育労働者を〈国家意思の伝道者>とする攻撃である。まさに改悪教育基本法の先取りであり、これを許してしまっては教基法改悪阻止も空語に等しい。
「日の丸・君が代」攻撃はとどまるところを知らずエスカレートしている。不起立処分の次は斉唱チェックに、教育労働者への起立・斉唱の職務命令の次は生徒への斉唱指導の強制、さらに声量調査になる。
もう一歩も引くことはできない。教育労働者のぎりぎりの抗議の意思表示である不起立闘争を譲るわけにはいかない。
同時にこの攻撃は、「日の丸・君が代」を踏み絵に、国家に忠誠を誓わぬ教員を排除する首切り攻撃であり、日教組解体攻撃である。都教委は「『君が代』を歌わせられない教員は指導力不足教員、歌わない教員は不適格教員だ」と公言している。06年にも導入されようとしている教員免許更新制は、郵政民営化、自治体業務の民間委託に伴う〈いったん解雇・選別再雇用>と軌を一にした大攻撃だ。首切りの恫喝で日教組本部に「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを引き下ろさせ、「一定の範囲で職場環境、労働条件の改善に取り組む」(経団連提言)職能団体へと変質させようとする攻撃だ。
今国会に提出が狙われている国民投票法案には「教員の地位を利用した反対運動の禁止」が盛り込まれようとしている。改憲反対を叫ぶことも、憲法を教えることも禁圧される状況がもうそこまできているのだ。
純然たるファシストが首長に座り、教育委員を入れ替えて教育行政を牛耳る動きは、東京から神奈川、埼玉へと拡大している。これまで“異端”とされてきた極右勢力が権力中枢に座るという恐るべき現実である。そして石原が「東京から日本を変える」という核心は、教育現場のファシスト的制圧にある。教基法改悪・改憲を待たずに、改憲クーデターとも言うべき事態が始まっているのだ。
石原・都教委との倒すか倒されるかの闘いに踏み出した東京の闘いを孤立させてはならない。日教組本部が闘争を放棄する中で、教育労働者一人ひとりの決断が求められている。不起立・不服従闘争を全都・全国で巻き起こし、現場組合員による全国統一闘争として大爆発させ、都立高校の攻防を支えよう。
教基法・憲法改悪阻止の階級決戦へ
以下、勝利の展望と方針を提起したい。
第一に、「日の丸・君が代」強制拒否の卒・入学式闘争に総決起しよう。それを水路に、教育基本法改悪・改憲阻止の闘いを巻き起こそう。処分覚悟の不起立闘争こそ教育のファシスト支配への最大の告発となり、教基法を闘いの武器としてよみがえらせた。教育労働者の体を張った闘いへの共感が、教基法改悪阻止を全労働者の課題へと押し上げてきた。違憲・違法の職務命令への不服従は、職場生産点の戦争協力拒否闘争の先駆である。この闘いが全産別に広がった時、改憲阻止闘争の巨大な爆発が切り開かれていく。
第二に、小泉=奥田の構造改革・民営化攻撃を打ち破る4大産別決戦の爆発を切り開こう。今、公務員にかけられているのは、労働組合を破壊し、改憲翼賛勢力に取り込み戦争に駆り出そうとする共通の攻撃である。そして国鉄分割・民営化反対闘争の継続として闘われてきた1047名闘争と国労をめぐる攻防が最大の正念場を迎えている。労働運動の分岐・流動・再編はいよいよ不可避である。
いかに闘えば勝利できるのか。それは動労千葉の闘いの生きた教訓に学び、闘って団結を守りぬくことである。小泉=奥田路線と真っ向から闘う新潮流運動の前進をかちとろう。
第三に、日教組運動の階級的再生をかちとろう。「職務命令には従う」という都高教本部の屈服方針のもとで、現場組合員によって闘われた不起立闘争は、被処分者を中心とする新たな闘う団結を生み出し、都高教の支援決定を力ずくでかちとった。被処分者集団が不服従闘争を呼びかけ、闘争本部の役割を担っている。自ら不起立を決断し呼びかける「ランク・アンド・ファイル運動」こそ闘う日教組再生の道である。
そして第四に、何よりも「日の丸・君が代」不起立闘争の大高揚で3・20イラク開戦2カ年・国際反戦闘争の爆発を切り開こう。イラク戦争を全面支持して自衛隊派兵を継続する小泉政権に、巨大な反戦決起をたたきつけよう。
3月下旬まで続く卒業式闘争にすべての労働者人民が総決起し、ファシスト石原を打倒しよう。05年決戦の扉を押し開こう。
〔革共同教育労働者委員会〕
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週刊『前進』(2189号2面2)(2005/03/14)
大阪 万を超える規模で抵抗
府立高卒業式 生徒も着席、入場拒否
全国に先駆けて2月24日から大阪府立高校の卒業式が始まった。2・5不起立宣言集会に集まった教育労働者や支援の人びとが不起立宣言のオルグを行い、教職員や高校生に朝ビラをまく取り組みが続けられ、不起立宣言は300人(保護者らの支援連帯表明分を含む)に達している。
23日からの予行の日から、各地で教職員自身が組合名や有志名でビラをまき、不起立宣言運動に共鳴した支援による全域でのビラ入れと併せ、広範な闘いが始まった。おそらく万を超える規模で教育労働者と生徒たちによる例年どおりの不起立が貫かれている。
ある高校では、大阪高教組のほぼ全分会員が時間休でビラ入れを行っていた。卒業生はほとんどが受け取り、その後は支援がビラをまき続け、全体で400枚以上のビラが入った。それまでにも1週間に3回の職員向けビラが配布され、特に不起立宣言の「私の一言」集が職場全体の雰囲気を変えていったという。
卒業式はフロアーでの対面式で行われた。校長が「証書の授与は正面でやる」と横やりを入れてきたが、教職員全体で突っぱねて例年どおりの対面式が守りぬかれた。校長は組合員に「ビラまきはやめてくれないかな」とソフトに言い、一部の教職員には「出席して起立せよ」と言って回ったという。しかし、例年は式場に入る教職員は3年担任団など少数だったのに、今年は「座ろう」と意識的に入場した教職員が増え、その半数以上が着席した。生徒たちも20%ほどが着席して自分たちの意志を表明したという。
別の高校では複数の組合が連名で次のようなビラを配っていた。無断ながら一部を紹介させていただく。
「こんなすてきな巣立ちの日に/『日の丸』があげられていることに/気づいていますか?/おまけに式に際して/『君が代』を流すと校長は言うのです。/『日の丸・君が代』で、あなたに/『日本人としての自覚』を持たせるんですって。あなたが日本に『愛国心』を持って、天皇には『敬愛』の気持ちを持たなければならないと言うのです。/けれどあなたの心の中は、/あなた自身のものです。/ただ一つの考えに全員を従わせることなど/どんな国にも学校にも許されません。/国歌斉唱と言われたら/私たちは、座ります。/歌う必要はありません。」
府教委は冬休み中に、不起立の多い20校の校長に個別指導をしたというが、そこでも粘り強い抵抗が貫かれ、3分の2の教職員が着席し、生徒たちの過半数が着席した学校などもある。各地で「日の丸・君が代」強制反対の看板や横断幕が教職員の手で出されている。卒業生や保護者たちの不起立・退席の権利を守りぬく教育労働者の闘いが続けられ、生徒たちの「君が代」斉唱中の入場拒否という断固とした抵抗も報告されている。
大阪の闘う教育労働者は、3月中旬からの小中学校の卒業式へ、さらに抵抗と団結の輪を広げていく。
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週刊『前進』(2189号2面3)(2005/03/14)
「特攻隊」賛美の区長を追及 けしば誠一杉並区議の報告
2月18日から05年第1回杉並区議会定例会が始まり、都政を革新する会は21日と23日に一般質問を行いました。今回の一般質問は、石原都政と一体となり戦争教育を推進する山田区長を徹底追及し、山田「教育改革」の反動的な正体を暴き出す場となりました。
21日午後、一般質問に立った私は、この日の朝の都革新事務局員の不当逮捕と都革新事務所への不当捜索を弾劾し、石原警察都政を断罪しました。続いて、卒業式で不起立の抵抗を拡大して闘う教育労働者と手をつないで子どもたちの未来を守り抜くと宣言し、「特攻隊」発言に示される山田「教育改革」の反動性を全面的に追及する17項目の質問を行いました。
具体的事実を突きつけて戦争教育を弾劾する私の質問に、自民・民主など与党会派は静まりかえってヤジひとつ飛ばせません。不当捜索に怒りを燃やして急きょ駆けつけてくれた実方後援会長を始め、傍聴席の支持者からは力強い拍手を送られました。いつも都革新の質問から逃げ回り、区長室長に代弁させてきた山田区長も、いたたまれなくなり自ら答弁に立ちました。
区長は成人式での発言について「新成人に特攻隊を含め多くの人びとの尊い犠牲があって今の日本の繁栄があることを心に刻んでほしかった」と居直りました。私は再質問で、区長が「大東亜戦争」という言葉を使っていることも追及しました。すると区長は「太平洋戦争というのはあちら(アメリカ)側の呼び方。日本は大東亜戦争と呼ぶ」と発言。都革新の議員席と傍聴席から激しい非難の声が上がると、区長は声を張り上げ「この戦争は日本の自衛戦争だった。一方的に『侵略』と規定するのはどうか」と開き直りました。「つくる会」教科書とまったく同じ見解です。
山田区長はこの日の議会終了後、「つくる会」グループのメンバーらが設立した極右の衛星テレビ局「チャンネル桜」(昨年8月開局)の杉並支部が主催する集会(区と区教委が後援!)に参加し、議会答弁と同じ発言を繰り返しました。
23日には新城せつこ議員が一般質問を行い、山田区長を追撃しました。新城議員は冒頭、区長の「自衛戦争」発言について「アジアの植民地支配をめぐり争った国同士が、互いに『自衛戦争』と言い合っているのは、強盗同士の論理にすぎない」と批判。山田区長は沈黙するしかありませんでした。
新城議員は山田「教育改革」の中心となっている「杉並師範塾」について、「なぜ『師範』という戦前に使われた表現を使うのか」「戦前の師範が果たした役割を知っているのか」と問いつめました。
「師範塾」という名の団体は山田区長の出身母体の松下政経塾メンバーや「つくる会」の高橋史朗らによってすでにつくられており、「杉並師範塾」がこの系列下に入ることは明白です。新城議員がこの点を問いただすと、区長は自分の席で「知らん、知らん」とあわてて手を振り狼狽(ろうばい)した様子。「教育改革」の正体が暴き出され大動揺しているのです。
都政を革新する会は、3月卒業式闘争に立つ教育労働者に連帯し、連日駅頭で石原=山田「教育改革」の正体を暴き、これと闘うことをすべての労働者、地域住民に呼びかけています。石原と山田をくし刺しにして打倒し、7月都議選の勝利を切り開きましょう。
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週刊『前進』(2189号2面4)(2005/03/14)
東京南部 産別こえ卒・入学式闘争へ 地域共闘陣形築く
2月20日、「全労働者の共同の力で『日の丸・君が代』強制を許さない!南部労働者決起集会」が品川区内でかちとられ、地域の労働者・市民、保護者など46人が参加しました。(写真)
品川区職労の組合員による開会宣言、呼びかけ人あいさつの後、大田教組の大先輩で80歳の今もエネルギッシュに運動を続ける北村小夜さんを進行役にパネルディスカッションがもたれました。
北村さんは、自身が「軍国少女」とされた戦前教育への痛切な反省を踏まえた教育労働者としての闘いを語り、「日の丸・君が代」強制と教基法・ 憲法改悪への危機感と、闘いの意義を強調しました。
昨春の卒業式で不起立を貫いた被処分者、被解雇者や、長く地元の都高教第一支部で活躍してきた教育労働者が「学校がファシストに乗っ取られる」昨年卒業式闘争から今春までの現場の闘いや解雇撤回の裁判闘争などの報告をしました。
会場から国労や全逓の組合員が発言し、都教委の攻撃は民営化・労組破壊とひとつであり、労働者の戦争動員をめぐる攻防であること、団結して闘うことの重要性が鮮明になりました。
東京大学の小森陽一さんがまとめを行い、「10・ 23通達は闘う組合をつぶすもの。それと闘うには原点に戻って労働者の団結をつくっていくことだ」と訴え、今春卒・入学式闘争、教基法・憲法改悪との闘いに向けて「本来、労働組合の課題としてあるこの闘いを地域の共闘として闘いとろう」と提起しました。
各都立校校長への申し入れや卒業式当日の行動について全体で確認しました。
地域の労働者の団結を固め、3月卒業式闘争を貫き、05春闘を「日の丸・君が代」春闘として闘いましょう。(投稿/東京南部・市川寛士)
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週刊『前進』(2189号2面5)(2005/03/14)
三多摩 “被処分者孤立させるな” 不屈の闘いに共感
2月17日、三多摩労組交流センター主催の「『日の丸・君が代』強制と処分を許さない/05春闘勝利/三多摩集会」に参加しました。(写真)
集会に先立ち、ビデオ「『日の丸・君が代』強制やめよ/2004たたかいの記録」が上映されました。一昨年の「10・23通達」以降の教育労働者の不屈の闘いが、会場の共感を呼びました。
地域の医療労働者が司会を務め、昨年「日の丸・君が代」の強制に対して不起立で闘った被処分者がアピールし、「教職員の徹底服従を狙った『10・23通達』に対して、都教委の横暴に対する反発や怒りは大きいものがありましたが、一方で処分に対する危機意識も重く、式での行動選択はそれほど容易なことではありませんでした」と、不起立に至る切実な思いを訴えました。「私たちは誰の指示を受けたわけでもなく、まったく個人の判断で行動した。闘いの中で『被処分者の会』が結成され、特に再発防止研修では都教委を問いつめる反撃に立ち上がったことが被処分者に勇気を与えた」と、闘いの展望を力強く語りました。
自治体労働者が教育労働者と連帯する職場の取り組みを報告し、動労千葉の労働者が「反合・運転保安をかけ、教育労働者の『日の丸・君が代』強制拒否と連帯して春闘をストライキで闘う」と決意を述べました。金属労働者は「05春闘を『日の丸・君が代』春闘として闘い、直ちに都立学校校長に『職務命令を出すな』という申し入れ行動を行い、卒・入学式闘争に立とう」と行動提起をしました。
東京の被処分者を孤立させない闘いに、直ちに立ち上がろうと決意を固めました。(投稿/三多摩・S)
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週刊『前進』(2189号3面2)(2005/03/14)
国労弾圧公判 駅前ホテルで刑事と密会 チャレンジ平山証人が白状
2月23日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第36回公判が東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で開かれた。前回に続き、国労長野地本副委員長の平山芳夫証人への弁護側の反対尋問が行われた。平山証人は02年5月27日の国労臨時大会当日、長野地本の警備係の副責任者だった人物だ。
冒頭、国鉄闘争に連帯する会の呼びかけ人でもある佐藤昭夫弁護団長が意見を述べ、連帯する会呼びかけ人会議での吉田進書記長の不誠実な態度を弾劾した。会議では、新たに鉄建公団訴訟を起こした闘争団員への査問の問題や、「国労に人権と民主主義を取り戻す会」に国労本部が恫喝文書を送り付けた問題について質問が出されたが、吉田書記長は「組織内部の問題。答えは控える」と答弁を拒んだという。佐藤弁護団長は「警察力で批判を抑え込むのが執行部の態度。本件もそれによって引き起こされた」と声を強めた。
弁護団は、平山証人に対し警察に被害届を出すまでの経緯を問いただした。「あなたが警察に行くきっかけは何だったのか」という一瀬敬一郎主任弁護人の質問に、証人は「吉田書記長から行ってくれと言われた」と返答した。吉田書記長こそ、酒田充・現本部委員長とともに弾圧を仕組んだ中心人物だったのだ。
“鈴木ビデオはサンルートで見た”
一瀬弁護人はさらに、「被害届を出す時も吉田書記長と相談したのか」とたたみかけた。ところが証人は「その後は指導は仰ぎません。被害届に吉田さんは関与していない」と言い張った。あくまで吉田書記長をかばおうというのだ。だが、以前の公判で、臨大当時、長野地本東北信支部委員長だった池田久幸証人が、「いよいよ裁判になりそうなので、一人ひとり証人に立つ心構えができているかと吉田書記長から言われた」と述べている。吉田書記長が一貫して弾圧を指揮していたことは、すでに明らかなのである。
弁護団の尋問で、さらに決定的な事実が明るみに出た。平山証人は02年6月中旬、長野駅前のホテル「サンルート」で警視庁の公安刑事と会い、そこで東京地本の鈴木勉法対部長が撮影したビデオを見たと白状した。そこには池田証人も呼び出されたという。
東京地本では喫茶店「ルノアール」で酒田委員長・笹原助雄財政部長(当時)らが公安刑事と密会し、長野地本では「サンルート」が密会の場になった。驚くべき警察との癒着である。
検察側の「共謀」主張またも破産
弁護団の尋問は5・27臨大当日のことに移った。前回公判で、平山証人は検察側の主尋問に答え、当日朝、大会に出発するためホテルのロビーに降りたのは「6時50分ころだった」と述べていた。だが、02年夏に作られた彼の供述調書には、その時刻は「6時55分」と記されている。
この食い違いを河村健夫弁護人が追及した。検察側は、6時57分ころに起きたとされる池田証人への一部の被告の「暴行」により、全被告の間に「暴行」の「共謀」が成立したと主張している。一方、平山証人は、ロビーに降りてすぐにトイレに駆け込み、そこで池田から携帯電話で連絡を受けたと述べている。平山がロビーに降りた時刻が6時55分ならば、池田が被告から暴行を受けたとされる時刻と、池田が平山に電話をかけた時刻が重なり、検察側の主張は矛盾に陥る。
河村弁護人は「池田事件と矛盾するから、検事に言われてロビーに降りた時刻を50分に変えたのでは」と語気鋭く証人に迫った。図星を指された溝内克信検事が、血相を変えて異議を乱発した。検察側の言う「共謀」がデッチあげであることは、もはや明らかだ。
平山証人への尋問は次回も続く。傍聴闘争に結集しよう。許さない会の運動を広げ、8被告の無罪獲得と国労再生へ闘おう。
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国労5・27臨大闘争弾圧公判日程
第37回 3月16日(水)
第38回 3月29日(火)
第39回 4月20日(水)
第40回 5月11日(水)
*いずれも午後1時15分から、東京地裁
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週刊『前進』(2189号4面1)(2005/03/14)
2005年3・14アピール
カクマル打倒し4大産別決戦の勝利と改憲阻止へ総決起しよう
3・14から30年、復讐戦貫徹を誓う
団藤清
第1章 70年決戦と戦闘的労働者の決起へのカクマルの反革命
1975年3月14日。この日、本多延嘉前書記長は、反革命カクマルによって暗殺された。それはマサカリと斧による目的意識的な虐殺のための虐殺として行われた。以来30年、われわれはこの虐殺を一時も忘れたことはない。暗殺者カクマルへの怒りと復讐の念は日々増大するばかりである。われわれはこの虐殺を永久に絶対に許さない。
本多前書記長は、わが同盟の創設者であり、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の綱領的基(もとい)をつくった革共同の最高指導者であった。3・14反革命は、反革命カクマルによる本多書記長への暗殺という形で行われた革命の絞殺そのものであった。われわれは自ら一度は死んだという立場に身をおいて、そこから白熱的に総蜂起した。生を求めて無に帰することを恐れないオール・オア・ナッシングの革命的精神をわが党全員が爆発させて闘った。
わが労働者同志は反戦派労働運動を体現し職場産別で堂々と闘いぬき地区党建設の先頭で闘った。それゆえ反革命との攻防を、職場における命懸けの激しいやり合いとして闘い、ファシストの悪らつな襲撃を何ものをも恐れぬ精神で跳ね返し、労働運動を死守して闘いぬいた。
燃え上がる怒りと革命への情熱をたぎらせた全党・全軍のフェーズT(PT、先制的内戦戦略の第1段階)における決起をもって、復讐戦の連続的な赤色テロルの嵐をカクマルへ浴びせ続けた。そしてついに80年10・30には、本多書記長虐殺下手人JAC(学生カクマル部隊)5人を一挙完全せん滅する闘いをもってカクマルとの力関係の全面的転換をかちとり、フェーズU(PU)へと歩武を進め、90年決戦−91年5月テーゼ、2001年第6回大会、新指導路線へと前進し、対カクマル戦勝利を確定した。
反革命への復讐と反撃なしに革命に勝利することはできない。二重対峙・対カクマル戦の猛烈な復讐戦は、一個の内戦として貫かれた。それは革命の現実性が訪れている戦時下の今こそ強烈に進める時だ。われわれは70年代、80年代の非合法・非公然体制を強固に確立して闘いぬいた日々は無駄なことは何もなかったことを高らかに確認した。
虐殺30年の今年、みぞうの反革命に手を染めた3頭目黒田・松崎・土門への革命的処刑をあらためてきっぱりと誓い、3・14復讐戦貫徹・総反攻完遂、カクマル完全打倒へ突撃することを宣言する。
3・14反革命とは何か
カクマルが本多前書記長虐殺という、かくも不正義きわまりない反革命行為に出たのは何ゆえか。それは日本革命の現実性と70年安保・沖縄闘争の爆発に対する反革命戦争の敗北と破産の結果である。カクマルは70年決戦が切り開いた階級闘争の革命的・内乱的・武装的発展による革共同の新たな労働者党建設という大飛躍に対する反革命的襲撃−大反動を71年12・4に加えてきた。
69年と71年の二つの11月決戦は、沖縄の闘いと結合して、米軍支配下の「基地の島」沖縄を労働者人民の手に奪還する決意をもって労働者学生による初歩的武装をもって闘われた。日本階級闘争史上初めての階級的総蜂起であった。
それは日本の階級闘争と労働運動の革命的転換をかけた、少数派から多数派への飛躍をかけた大決戦だった。つまり革共同は、労働運動の戦闘的潮流として本物の労働者党創成への現実的展望をもって二つの11月に総決起した。11月決戦に決起した労働者への処分反対、解雇撤回、就労闘争という闘いを全産別・全労働組合の中で展開しようとしていた。われわれは、労働組合全体の中で信認を受け、本物の労働者党創成へ爆発的に前進しようとしていたのだ。この時、権力の破防法弾圧と一体となって暴力的に敵対してきたのがカクマルだったのである。
60年安保闘争を闘った革共同は、日本階級闘争の全体に責任をとる本格的な革命党への飛躍を62年の3全総でかちとった。この飛躍ができずに脱落・逃亡したのが黒田・カクマルである。3全総をもってわれわれは、66年第3回大会を実現し、70年闘争を準備していった。67年10・8羽田闘争から激動の7カ月〜大学闘争〜二つの11月へと突進した。67年10・8から70年6月までの逮捕者のべ2万6373人(『清水丈夫選集』第2巻序文14n)がその闘いの激しさを示している。カクマルはこの70年決戦の革命の現実性に震え上がり、同時にそれが労働運動での革共同の主流派への飛躍と大勢力化、新たな労働者党建設に発展すること、自らの脱落と逃亡の現実化に恐怖したのである。12・4反革命は権力と結託した武装襲撃であり、権力と最も闘った党派への反革命襲撃としてあったのだ。
だがこの12・4で始まった反革命に対し、われわれは本多書記長の指導によって反撃を開始した。当初劣勢だった革共同が防御、対峙、反攻と戦局を転換させて総反攻へと突き進み、カクマル黒田の武装反革命を大敗北に追いつめた。この時、虐殺のための虐殺として加えられた暗殺襲撃が3・14反革命であった。労働者党創出に対する武装反革命として、革命への敵対そのものとして行われたのである。この反労働者的、目的意識的反革命行為を労働者階級は絶対に許しておいてはならない。
第2章 新指導路線が切り開いたカクマル完全打倒への道
(1)戦時下で日米韓国際連帯をうたい上げた労働者集会
闘う3労組の共催によってかちとられた昨秋の11・7労働者集会は、国際階級闘争の新たな到来を告げ知らせる世界史的な出来事である。米英日枢軸によるイラク侵略戦争−軍事占領というブッシュの世界戦争計画が開始されている中で、これに反対する日米韓3カ国の労働組合、しかも自国政府に対して階級的原則を堅持して戦闘的に闘っている米ILWU(国際港湾倉庫労組)、韓国民主労総の労働組合が、ともに帝国主義のイラク侵略戦争に反対し、闘うイラク・ムスリム人民と連帯した集会であった。と同時に民営化、非正規職化をもってする労組破壊攻撃と対決し、帝国主義支配の打倒を掲げた集会であった。これは闘うイラク人民への最大の激励であり、被抑圧民族人民と連帯した国際プロレタリアートによる「帝国主義の侵略戦争を内乱へ」「帝国主義打倒」の戦時下での国際主義的連帯集会としてかちとられた。
資本による労働者支配に組み込まれた既存の労組のナショナルセンターに代わる階級的労働組合による闘う新潮流の国際的結集であった。それはランク・アンド・ファイル(現場労働者)による労働運動の国際的な反転攻勢を意味した。
戦時下で帝国主義の戦争政策に反対することは、本質的には「帝国主義の侵略戦争を内乱へ」という質をもった闘いであり、アメリカ国内、日本国内での内乱の開始を意味するものである。そしてこの集会に日本の闘う教育労働者が、ファシスト都知事・石原の「日の丸・君が代」強制に不起立の実力決起をもって合流したのである。
現実に闘っている労組が結集した、この11・7集会は、カクマル両派のペテンを粉砕してしまった。JR総連の金にあかせた「世界社会フォーラム」への押しかけ参加、中央派によるスターリン主義者まで呼んでの「国際反戦集会」などのエセ「国際主義」の化けの皮は完全にはがれてしまった。JR総連は、松崎派と嶋田派の対立・分裂をますます深め、資本への屈服を競い合い、JR労働者からますます見放され、組織解体の危機に入りつつある。
圧倒されたカクマル
11・7集会が実現した国際連帯の大きさ、そして闘う教育労働者の登場は、カクマルにとって恐怖する事態であった。彼らは11月集会が階級的労働運動の発展を推進し、カクマルの反革命労働運動の破産を示すがゆえに毎年妨害活動を続けてきた。国際的労働者の固いきずなや「日の丸・君が代」闘争を闘う教育労働者の集会合流は、カクマルを戦慄(せんりつ)させた。JR総連との分裂とその後の腐った妥協以降、衰滅に向かうカクマル中央派組織にあって、組織として体をなしている産別は教労だけである。このカクマル最後の産別に、カクマルを圧倒し、その破産を突きつける情勢がついにきたことを告げ知らせたからだ。
それはカクマルの全戦線での敗北と逃亡が近づいたことを意味する。カクマルは、自らを代表するような労働組合を一切もっていない。JR総連との分裂以降、労働組合のカクマル組織は解体状況である。教労産別は、分裂後のカクマル内での「最大」産別であったが、「日の丸・君が代」決戦の爆発でJR総連に続いて分裂の危機に瀕(ひん)していた。そのためにその存続をかけて「日の丸・君が代」決戦への反革命的介入をしてきているのである。
革共同の新指導路線による労働運動への踏み込みは、ファシスト労働運動の存在を許さず、カクマルを追いつめている。動労千葉の階級的存在と闘い、不屈の1047名闘争を闘う国鉄闘争は、国鉄の分割・民営化でのカクマルの大裏切りを弾劾している。「21世紀宣言」を一度は否決した自治労で、79年4・28闘争勝利をかちとり今、郵政民営化阻止を闘っている全逓で、そして「日の丸・君が代」強制と闘う教労を始め全産別でカクマルを一掃する情勢を迎えている。
また首都圏で頼みとしていた学生戦線も、早稲田における最後の自治会であった社会学部のデッチあげもうまくいかず、維持すら難しい状態である。わが学生戦線が、法政大、東北大、京大などの拠点をしっかり固め、機関誌『中核』を発行し、学生運動の爆発的な大躍進へ突撃しているのとは正反対に、カクマル学生は衰滅を深めている。カクマル超過疎支配の状況に攻め込んでいくチャンスが到来した。首都でのカクマル完全打倒の大決戦に入っている。
(2)第6回大会での「黒田哲学批判」に打ちのめされ沈黙
われわれは、2001年革共同第6回大会で対カクマル戦における基本的勝利を確認した。そのメルクマールは次の四つである。
@カクマルの「反帝・反スターリン主義」の綱領的破産と深化
Aカクマルの謀略論の基本路線化とその破産
BJR総連路線の破産とカクマルの大分裂
C黒田「哲学」の完全打倒とその腐乱と残骸化の徹底的あばきだし
特に創成初期に一定の役割を果たした黒田哲学と全面対決し、その完全打倒をなしとげカクマル最後の逃げ場を粉砕しつくしたことは決定的勝利である。
われわれは、カクマルに対してこうした点について組織的総括なり、反論をしてみよと数年間突き付けているが、カクマルはいまだ一言の反論もできず沈黙し完全敗北を自認している。饒舌(じょうぜつ)なカクマルが、これ程沈黙し続けていること自体が完敗の証しだ。
「反帝・反スタ」(綱領)、JR総連との分裂(組織)、「神戸謀略論」デマ運動の破産(運動)、黒田哲学の死(理論)での全面的敗北とその破産を自認しているにもかかわらず、いまだ一言も総括できていない。政治組織としての死を意味している。
ファシスト組織カクマルは、ウソと白色暴力で自己を成り立たせてきた。長年のうそ八百はもはや闘う戦線の誰にも通用しない。またその白色軍事組織も権力へのあいつぐ投降で自己解体している。いよいよわれわれは、イラク反戦闘争や、労働運動の爆発によって学園、職場、街頭でカクマルの打倒・一掃をなし遂げよう! そしておびき出されたカクマルを最後的に軍事戦で打ち砕き完全打倒しよう!
(3)党建設論における革共同の前進とカクマルの破産
革命的情勢への突入
米帝ブッシュが世界戦争へ向かって突き進み、日帝・小泉−奥田がこれと全面的に一体化して戦争政策を進め、安保・沖縄政策の世界戦争的拡大−米軍再編(トランスフォーメーション)、民営化−労組破壊攻撃、教基法改悪−改憲攻撃を加えている。だが実はその攻撃自身は、帝国主義支配の崩壊と危機に起因していることをわれわれはしっかり見抜いてきた。帝国主義支配者はこれまでどおりにやっていけない自己破滅的凶暴化に入るほかない歴史的破産を迎えているということである。
だからわれわれは、プロレタリア自己解放論(マルクス主義)に基づく帝国主義支配からの解放の闘いが今こそ現実化したこと、その闘いを全面的に推し進める時が来たことを確認しているのである。この事業は、プロレタリア階級だけができる。プロレタリア階級こそ、資本主義社会(帝国主義)を打倒し、自らの社会を作る解放能力をもった歴史的階級主体である。資本主義社会が生み出した墓掘り人として存在している。
革共同の組織論
われわれは新指導路線のもとで、プロレタリア革命は、労働者階級自身による自己解放闘争であり、革命党は、その闘いを先頭で闘い、階級意識の最高の結集体として勝利するための前衛として存在していることを確認している。
革共同の前衛党組織論の基礎には、「党としての闘い」と「党のための闘い」の革命的・有機的結合ということがある。それは階級形成と前衛党組織建設を一体的に進める組織建設論であり、カクマル黒田のファシスト組織論の対極にある、革命党・階級組織論である。
「闘争においては、党だけではなくむしろ大衆自体が一定の変革を経験し、変化していくのである。そして、党自体の強化(変革)とともに労働者階級自体の強化(変革)と前進もあるのである。そして、党と階級の関係自体が変革され、歴史をつみかさねていくのである。
党が真に党的に勝利していくためには、とりわけ革命そのものにおいて勝利していくためには、党の党的確立が同時に労働者階級の階級的成熟として進み、党と階級があうんの関係を形成することが不可欠なのだ。だから、党が推進する大衆運動はたんなる大衆運動でしかないなどというものではなく、いわばそれは党の党的建設とともに革命運動の今日的推進の一形態でもあるのである」(『清水丈夫選集』第1巻序文30n)
労働者大衆の自然発生的決起それ自身が革命党を作っていくいま一つの重要な契機である。労働者自身が自己解放のために党を求め自ら作っていくのである。労働者階級は、階級的武器として獲得した労働組合を基礎として労働者自己解放を推進して行く。労働組合は、現実に権力奪取の時のソビエトの中心をなし、権力奪取後のプロレタリア独裁における労働者権力の核心を形成し、反革命との戦争での赤軍の創出の拠点となることがロシア革命の経験から明らかにされている。そしてソビエトによるプロレタリア独裁の初めから、国家の死滅のために闘う、つまり政治権力の自己目的的保持ではなく政治権力そのものを廃絶していく原基を労働組合が歴史的・階級的に担うのである。労働組合のとらえ返しにおい
て、権力奪取の過程だけでなく、権力奪取後のプロ独とその後の社会主義社会建
設全体をとおした労働組合の革命的役割を確認したのである。
ここにわが党の労働者階級自己解放における党組織論、党と階級、党と労働組合、党とソビエトの組織関係が示されている。
カクマル組織現実論
これに対してカクマル・黒田の組織論は、プロレタリア階級なき前衛党建設の自己目的化であり、ファシスト的組織建設論である。運動を組織(カクマル的党)建設の手段と化しているのが黒田組織論である。「のりこえの論理」を展開した「組織現実論」は、いわばカクマルとしての組織作りの技術的方法論であり、そこでは大衆運動を手段とした組織建設の自己目的化された技術的方法が展開されている。「のりこえの論理」と称する既成政党(かつての社会党、共産党)勢力へのイデオロギー批判と運動批判の手練手管をとおした組織作りの一面的強調である。彼らには大衆闘争を「カクマル作りにどういうふうに使うか」という問題意識しかない。
その根底には、カクマルがスターリン主義哲学(客観主義哲学)をのりこえることができず、スターリン主義に屈服してしまっているということがある。
カクマル組織論は、黒田の権威主義的自己絶対化に基づく黒田帰依者の同心円的拡大ということに尽きる。党(黒田の権威)を絶対的優位におき、その帰依度に応じてカクマル組織員にプチブル的優越感をもたせ、大衆を一番蔑視(べっし)した構造となっている。いわば「選民としてのカクマル」作りを自己目的化したものである。カクマルにとって労働者人民の怒りの決起は、即自的なもので低級なものとされて否定される。それだけではない。転倒されてカクマル作りという「革命運動」にとっての妨害行為・反動的行為とされるのである。
そこでは決起した労働者階級自身が、闘争をとおして自らをマルクス主義者へと変革し、高めていく階級形成過程が完全に否定されている。大衆闘争を敵視する組織論なのである。結局誰のための何のための革命運動か、党作りなのかという問題が欠落しているのだ。
カクマルは闘争の発展をとおした大衆と党の自己変革を本質的に否定している。だから闘いの爆発はカクマル組織建設への敵対・妨害となり、解体しなければならないとなる。まさに労働運動、大衆運動への襲撃・解体の論理であり理論であって、革命闘争を破壊するファシスト理論そのものである。
今日、戦時下の治安弾圧として大衆的な反戦闘争や戦闘的労働運動への弾圧が強められている。戦時下では大衆闘争や労働組合運動の発展は、街頭宣伝ひとつ、ビラまきひとつとっても権力との激突へと発展する。実際に今、ビラまきすら許さないという攻撃が加えられている。立川テント村の自衛隊官舎ビラ入れ、板橋高校卒業式での週刊誌コピーの配布、共産党員の戸別ビラ入れを理由とした逮捕・起訴弾圧をみてもわかる。
革命運動は、結局権力と実際的に闘う気概を前提としている。黒田・カクマルの組織建設論は、労働運動や大衆運動の爆発が、一定の発展によって不可避的に資本・権力との激突となることが回避されている。労働運動や大衆運動の中へとびこみ、そこで党と階級・大衆との生きた交通関係を形成することに対する激しい拒否感、敵視が横たわっている。
カクマルは反労働者的存在であり、プロレタリア革命の敵対者・反革命そのものである。労働者階級の名で完全打倒することが必要だ。われわれは今その時を迎えている。
第3章 「日の丸・君が代」決戦の爆発とカクマルの最後のあがき
(1)人生をかけた不起立決起を「挑発」と呼び敵対
昨春の卒業式、入学式では、300人を超す教育労働者がファシスト都知事・石原の03年10・23通達と対決して不起立闘争を闘いぬいた。彼らは都高教執行部の「職務命令が出たときには引く」(起立する)方針の中でやむにやまれず自己の教育労働者としての誇りと生き方をかけ決起したのである。教育基本法改悪を先取りした石原の「日の丸・君が代」強制への人生をかけた反撃であった。日帝の戦争協力強制に対する教育労働者の拒否の態度を、行動をもって示したのである。
それは不起立という実力決起をもって、憲法と教育基本法を踏み破る石原と教育長・横山を直撃した闘いであった。都の処分攻撃と非妥協的に闘う「被解雇者の会」「被処分者の会」「予防訴訟をすすめる会」の三者の不屈の闘いは、完全に石原と横山教育長の思惑を吹っ飛ばし、天皇をも恐怖させる闘いであった。
この三者の闘いとは完全に無関係なところで、三者の闘いに敵対し、混乱させる目的でカクマルが11月になって開始したのが「『日の丸・君が代』の強制者を告訴・告発する会」の運動である。これは、あたかも石原と横山と闘うかのような形をとってはいるが、まったく逆の運動である。石原と横山への怒りをもった人びとの善意を利用して三者の運動を破壊する運動なのである。
カクマルは、10・23通達に対して不起立を呼びかけることを「挑発」とよぶ党派である。だから闘う教育労働者の決起に驚き、これを打ち消す「告訴・告発」運動を立ち上げたのである。彼らは不退転で不起立を闘い、その後の処分攻撃とも闘っている三者の人びとに諮るでもなく、支援するのでもなく、わざわざそれとは別のものを立ち上げたのだ。
戦後教育闘争は国家権力の刑事弾圧と闘った歴史であり、まさに「日の丸・君が代」闘争が刑事弾圧をもはねのけて闘われている時に、不起立の闘いに敵対した上で、教育闘争の内容をその国家権力に委ね・裁きを求める(判断を要請する)ということは何を意味しているのか。板橋高校元教員への弾圧を見るまでもなく、国家権力・検察が「日の丸・君が代」闘争鎮圧の最先頭に立っていることをカクマルは知っているのである。この権力に、「判断を要請する」運動がどうして国家権力や石原と闘う運動などと言えるのか。しかも自らは起立し、「君が代」を歌うことを方針としているカクマルが、一方で不起立で闘う教育労働者に対して「弾圧・処分引き出しを自己目的化した挑発者」と罵倒(ばとう)しているのだ。「告訴・告発」運動は、不起立闘争自体を破壊し、起立を組織し、教育闘争にわざわざ権力を引き入れるものである。
神戸謀略デマの陣形
この運動が、カクマルの「神戸謀略」デマ運動と同じ陣形で立ち上げられていることを確認しておきたい。このカクマル「CIA謀略論」デマの片棒をかつがされて架空の「冤罪」運動に参加していた人びとが中心となって今また始めた運動が「告訴・告発」運動なのである。
1997年、神戸市須磨区で起きた小学生連続殺傷事件(酒鬼薔薇事件)は、当時中学生A少年の犯行という事実によって社会的衝撃を与えた。全国でこの事件の社会的背景や教育問題としての関心が高まった。ところが何を思い違いをしたか、カクマルはこうした内容を一切すっ飛ばして、この事件をもっぱら「治安」の視点から描き出し、黒田のご託宣に従って「CIAによる謀略」と騒ぎ回った。A少年の逮捕後も、A少年とは無縁なところで「A少年は冤罪であり、無実だ」などとカクマルの主張を維持するためにだけ騒ぎ回り、謀略論を言い続けたのである。
そして組織操作のために教労カクマルを現地調査に行かせて感想文を書かせた。また自らの手で謀略論を仕立て上げるために黒田直属の非公然軍事部隊を動員して、A少年の両親宅への盗聴、侵入、窃盗、両親への尾行を行い、両親が乗った新幹線にまで乗り込んで「自分の息子がやっていないでほしい」と思いたい母親の気持ちをもてあそんだ。
また兵庫県立病院への侵入と検察調書の窃盗(コピー)を行い、カクマルの謀略論として使える部分を報道機関へ送りつけるなどの行為を繰り返した。まさに「CIAの謀略」などではありえないものを、自作自演で「CIAの謀略」にデッチあげる「闘い」を黒田指示のもとで、組織を挙げて行ったのだ。カクマルとは実におぞましい組織である。A少年への報道の過剰さを憂う文化人を引き込んで「A少年の人権」「冤罪」を利用主義的に叫び、A少年とは無縁のところで「人権擁護運動」を起こしたのである。
この運動は、善意で参加した(巻き込まれた)弁護士、文化人の意図を超えて、カクマルの破産した「神戸謀略論」デマ運動を裏から支える延命手段として使われた。カクマルは自分たちが「反権力」の団体であるというアリバイ作りのために、この事件そのものを利用したのである。今A少年は、医療少年院から出て保護監察期間を終え、社会に復帰して被害者の家族に少しでも罪を償いつつ生きていこうとしている。
「神戸謀略論」デマ運動でのカクマルの目的は、当時の新安保ガイドライン攻撃との決戦的闘いの爆発を阻止し、カクマル自身の組織危機をのりきることにあった。今、「日の丸・君が代」への不起立の闘争が爆発し、教労カクマル産別を直撃し、深刻な組織問題を激成している。「暗黒の時代」認識のもと、絶望した教労カクマルの組織維持のために不起立闘争の爆発的展開は絶対に押さえ込まなければならない。そのために、神戸謀略デマ運動の陣形を動員して「告訴・告発」運動を展開しているのである。
(2)文科省と同じ教育観をもつカクマル
日帝の侵略戦争隠す
カクマル中央派の教育闘争論の反動的内容の第一は、カクマルが教育闘争や、「日の丸・君が代」闘争を論じる時に、日帝の侵略戦争突入と戦争動員、戦争協力問題を一切論じないことである。
2月11日のカクマル春闘集会で第二基調報告を行った都高教カクマルは、「これほどまでに石原が『教育改革』に狂奔(ママ)しているのはなぜか。―ネオ国家主義と新自由主義にもとづく教育のネオ・ファシズム的再編成をスムーズにおこなう、そのために教職員を都教委と校長の支配に絶対的に服従させるためである」とし、日帝が「教育改革」を侵略戦争のために強行しようとしている点を一切言わない。「ネオ国家主義」が戦争の問題と完全に切り離されている。カクマル中央労働者組織委員会(WOB)論文(反革命通信『解放』1月17日付)も「まさに教育全般のネオ・ファシズム的再編成がダイナミックかつ急スピードで進められている」というだけである。
@カクマルは「日の丸・君が代」強制問題が、教育労働者の戦争動員攻撃であり、生徒に命を捨てさせる教育をすることであり、戦争協力の強制としてあることをひた隠しにしている。
カクマルが発行している『21世紀の教育と日本的経営』という本は、教育問題を論じた本でありながら、驚くべきことに日帝の侵略戦争が一言も出て来ないという代物である。カクマルが教育改革を単なる国家主義と能力主義に切り縮めているのは、組織としての意識的行為なのである。「教基法改悪」についても日帝自身の北朝鮮(中国)侵略戦争体制構築のための切迫した課題であることを否定している。カクマルが行っていることは、自国帝国主義の侵略戦争突入を隠ぺいし擁護することである。
Aカクマルとしての「日の丸・君が代」強制への方針は結局「立ち、歌う」ことなのだ。最近カクマルは不起立闘争の爆発に完全に追いつめられ動揺している。「一定の諸条件のもとでは国歌斉唱時の起立を拒否するという闘争形態をも駆使してたたかうであろう」。「一定の諸条件のもと」だと!? なんだこれは!? 「被処分者の会」に介入するための手段として不起立するメンバーを出すということで、それ以外は「条件がない」として起立して組合方針に従うということなのだ。不起立闘争は石原・横山と並び完全にカクマルを包囲し、追いつめている。
Bカクマルの教育労働者は、「日の丸・君が代」強制反対の運動として不起立の闘争に言及することなく、「告訴・告発」運動だけに言及している。彼らは革共同を非難して「その職場・分会での血のにじむような闘いとはまったく無縁なところで叫ばれるこうした『フキリツ運動』なるものは、まさに挑発者のそれでしかない」という。だが、「分会で不起立を追求しよう」というビラに対して顔色を変えて出て来て「できないことを言うな」と初めから分会での闘いを激しく否定していたのがカクマルではないか。昨年の教育労働者による不起立闘争が石原を直撃し、今日の闘う展望を切り開いて来たことをすべて抹殺し、不起立闘争に憎悪・敵対していることがここにも現れている。
Cカクマルは「日の丸・君が代」強制問題を単なる教育の「国家主義的かつ能力主義的な再編」にしたいのである。だから先のWOB論文では、なんと石原による「日の丸・君が代」強制の事実すらまったく触れていない。ここにはカクマルの「日の丸・君が代」強制との闘いに対する大裏切りという、国鉄分割・民営化攻撃の先兵となったのと同じ問題がある。国鉄の分割・民営化から今日の民営化攻撃は始まっている。カクマルの反階級的正体はこれを率先したことだけで明白だ。カクマルはこの大裏切りについて一言も言わない(言えない)でひたすら回避しているが、この一事だけでカクマルに労働運動を語る資格などない。
黒田の先祖返り
第二に、カクマルが教育問題を論じる時に戦後教育をやり玉に上げていることである。カクマルは日本の戦後教育がいけなかったとくりかえし語っている。
「アメリカン・デモクラシーにのっとった戦後教育がいわゆる五無人間を大量に生産し、そしてこの五無人間が親になることによって、モラトリアム人間の拡大再生産はいよいよ深刻になっている」
「ヤンキー式民主主義に脆拝(きはい)し、アメリカ式教育法のもとでプラグマチスト的に育てられてきたことからして…」(いずれも黒田『実践と場所』第1巻)
カクマルは今日の「教育の荒廃」の原因を戦後教育で育てられた親や教員に求めている。ここには、教育労働者が闘ってきた文科省の国家主義教育−教育政策を問題とする視点はゼロである。荒れる子どもの原因はしつけを知らない親や教員にあり、その親の教育であったアメリカ型戦後民主教育をプラグマチズム教育とし、それが間違っていた、それが今日の教育問題の元凶だと繰り返し言っている。
黒田・カクマルの教育観は、まさに文科省が日教組を攻撃し、教基法改悪の理由としている内容と同じである。「人格形成」や「人間の尊厳」を掲げた教育基本法のもとで行われた戦後の「平等教育がいけない」とするものである。カクマルが「日の丸・君が代」攻撃や教育基本法改悪−改憲攻撃と真に闘うわけがないことが分かる。
黒田は最近では、「日本民族の解放と復興」「民族の危機と道義の荒廃」などと口にしている。これこそ石原と変わるところなき黒田の極右性の開花である。ここには、帝国主義戦争を賛美した、かつての軍国少年・黒田の先祖返りの問題が横たわっている。黒田カクマルは、戦前の軍国主義教育への回帰を求めているというほかない。
(3)イラク反戦闘争論の破産と黒田・中央派の惨状
カクマルのイラク反戦の内容は、実に腐敗したものである。ファルージャ大虐殺の上で強行された国民議会選挙は、米帝の傀儡(かいらい)政権が、米英日のイラク占領を合理化するための儀式として挙行されたものである。占領軍のもとでの選挙であり、国民議会選挙と言いながら選挙の内実はまったくない。だがブルジョアマスコミは「イラク国民の勝利」などと宣伝している。
それ以上にこの選挙に大興奮しているのがカクマルである。シーア派シスターニ師が米軍に屈服して選挙に参加した(ファルージャ虐殺すらも容認した!)ことを批判的に論じることは一切なく、シスターニ師が「米軍の撤退期日を明確にせよ」と言ったとして、「傀儡どもすでに敗れたり」とか、「シスターニ師の作戦が見事に功を奏した」などと手放しの喜びようである。およそ民族解放・革命戦争を闘いぬいているイラク人民の現実を前に、これほど帝国主義国内で飛び跳ねて喜んでいる自称「左翼」党派もめずらしい。
もうひとつ、カクマルは米軍があたかも撤退でもするかのように論じている。イギリスのブレアがアメリカ外交政策に転換を求めたとか、共和党ベーカーが「撤収を考える時」と言ったことをあげている。だが石油利権の独占をかけて開始したイラク戦争について米軍は撤退などまったく考えていない。カクマルはシスターニ師の内側に入ってその「希望」と一体化してしまった。イラク侵略戦争の帝国主義的な死活性と米帝の危機の深さがまったく分かっていないのである。
さらに、これからはスンニ派とシーア派は「反占領反米」で共同するので、両派間の対立をもくろむ謀略に「とりわけ警戒すべし」などと言っている。今度の選挙の結果としてスンニ派系武装勢力とシーア派との間の内戦的激突が開始されつつある中でカクマルがこのように言明したのは、事実上スンニ派系の武装闘争とりわけアルカイダ系の武装闘争をすべて米帝の謀略と見なしていく宣言である。シスターニ師を信奉し追随するカクマルは、かくも乱調が激しい。綱領的破産がここまで来たということである。
イラク反戦闘争論で、さらに決定的に重大なことは、カクマルが「日本国軍は戦乱のイラクから撤退せよ」というスローガンを掲げていることである。これは自衛隊があたかも「戦乱」に巻き込まれるからまずい、という「反対」論である。カクマルのスローガンは侵略戦争と自国帝国主義軍隊の免罪であり、美化である。
労働運動を放逐
カクマルは今や労働運動をそれとして職場で闘うことをまったく放棄している。戦争突入下での労働運動が直ちに資本との激突、権力との対決にならざるを得ないからである。カクマルの運動は社・共がいて、乗りこえるべき既成労働運動があることが前提であった。今、社・共は力をなさず、まさに自らが闘わなければならなくなった。日帝は運動そのものを粉砕するために全力を挙げ、戦争と革命がまさに問題となっている。
この激動期への突入において、カクマルは職場闘争、労働運動のアリバイすら捨ててしまった。なぜなら職場闘争や労働運動がカクマルの恐れる「資本との対決」の闘いにすぐになってしまうからだ。つまり今やカクマルの運動や理論は実践の場で適用できないほど破産している(それがJR総連との分裂の根拠でもある)。闘う勢力であるかのようなペテン的言辞と裏腹に、カクマルは権力と闘う気持ちなどこれっぽっちもない。
こうした破産の中で、今さかんに行っていることは市民運動主義的な訴訟提起とそれを支援する運動を労働運動であるかのように装うことである。職場闘争を放棄したカクマルは、代表者をたてて「住基ネット差し止め訴訟」(自治労)、「過労死予防訴訟」(全逓)、「告訴・告発」運動(教労)、「監視社会を拒否する会」などを立ち上げ、それぞれの産別カクマルはその裁判を支援する運動に参加することで労働運動に換えている。これがカクマル労働運動の基本路線である。これこそカクマルが罵倒する市民主義そのものではないか。産別カクマルは職場闘争を否定し労働運動を裁判支援闘争だけに切り縮めている。
今や、カクマルは政治党派としての体をなさないほどにボロボロである。ますます反米民族主義に転落し、日本主義に純化する黒田「教祖」の下で、カルト集団化の様相を強めている。カクマル完全打倒の時が来ているということである。
第4章 JR労資結託体制の行き詰まりとJR総連の破産
昨年1年間のわれわれの闘いは、JR総連カクマルを徹底的に追いつめた。JR総連は今や、日本国内の労働者階級の中で国鉄分割・民営化での裏切り組合、会社側組合、ファシスト組合として確認されているだけでなく、国際連帯が進む中で国際的にも民営化賛成のカンパニーユニオン(会社側組合)としてはっきり刻印を押されてしまった。「反グローバリズム労働運動」を名乗ってなんとか日本の外で闘う労働組合の仮象をとろうとしているが、それは膨大な組合費をばらまいて事情を知らない労組の歓心を買おうというものであった。しかし国際的にもJR総連の破産が完全に突き付けられている。
アジア侵略を率先
JR総連は組合員の職場闘争や賃金闘争という労働運動を一切放棄し、やっていることと言えば中国での小学校建設や、アフガニスタン復興支援だとか、スマトラ沖震災援助などという組合費ばらまきである。しかしこれらは中国やアフガニスタンでの鉄道敷設という侵略政策の民間的状況作りであり、日帝の先兵の役割を担ったものである。国内で自ら戦争協力するだけでなく、外の侵略に積極的に走っている実に許せない反階級的行為である。
JR総連が総力を挙げて運動的に取り組んでいるものが、02年の浦和事件裁判闘争である。これはファシスト組合=JR東労組に都合の悪い組合員を組合の集団暴力でやめさせたことを摘発されて逮捕・起訴された7人の組合員の「冤罪」を訴えた運動である。だが組織をあげたこの運動も、JR総連がファシスト組合であり、分割・民営化で労働者を暴力で資本に売り渡した事実ゆえに孤立を深めて破産している。労働者人民は歴史的裏切りをしっかりと見ているのである。
JR東資本の労務政策
JR東資本は、日帝の世界戦争への突入という事態の中で、新たな合理化・首切り攻撃を強めている。これまでの「ニューフロンティア21」の行き詰まりを手直しするものとして「ニューフロンティア2008」計画が出された。JR東資本にとってのこの計画は、「ニューフロンティア21」の破産をとり繕い、さらに全面的な外注化・大合理化・首切り攻撃(さらなる1万人の要員削減)を進めるものとしてある。それは全組合員を対象としたものであり、東労組との癒着・結託体制が足かせとなっている。
動労千葉の階級的な存在と闘い、国労闘争団の不屈の闘いが@安全問題、A要員問題という矛盾をつきだし、「一企業一組合」をめざした資本とカクマルとの結託体制の矛盾(Bカクマル問題)を生み出した。
一人の首切り攻撃に組織的に反撃する動労千葉の闘いに追いつめられた東資本は、要員問題を解決できず、強制配転した動労千葉組合員を職場復帰させる以外になくなっている(これまで9人が復帰している)。また国労が労働委員会提訴で争っている採用差別や昇給差別では和解を提示して「労資正常化」路線の国労をとりこもうとしている。それはもはやカクマル問題がこれまでどおりではいかないことを意味している。そうした中で、JR総連カクマルは、松崎派も嶋田派も、自己の権力維持のために資本への屈服と組合員の利益売り渡しを競い、組合員の怒りの爆発が始まっている。JRにおける労働戦線の大再編的事態、激震的情勢が本格的に始まったのである。動労千葉は組織戦をもってここに切り込んでいる。
動労千葉が18年間の闘いをもって鮮やかに示していることは、階級的に闘いぬくことが労働者の武器であり、闘えば必ず勝てるということである。それは全金本山が、34年間の闘いの末に完全勝利をかちとったことと完全に共通のものだ。
切迫するカクマル・JR体制の総分解を闘う労働運動への結集につなげよう!松崎完全打倒も指呼の間に迫っている。
松崎派のボロボロ化
こうした中でJR東労組権力を握る松崎派にとって、嶋田派との分裂の決着が思いどおり進んでいない。松崎は労組権力を使って、新潟地本と長野地本を東労組から分離させようと図ってきたが、それがうまくいかずに頓挫している。嶋田派は松崎派の攻撃に対して自らが支配する地本を固めることで絶対に屈服しない態勢を維持している。
松崎派は新潟地本と長野地本の組合役員の専従指定をしないこと(専従組合員の役員費用を支払わない)で両地本の兵糧攻めを狙った。しかし中越地震が生起し、専従がいない状態では資本としての復興計画が軌道に乗せられない事情から専従指定をすることとなった。しかしそれは単に中越地震だけが理由とは言えない。明らかなことは、資本の強い意向が働いているということだ。松崎派はそれを拒否できない資本との力関係に入っている。松崎自身が権力の追及を資本をもついたてに守ってもらおうとしている事情があり、そうした松崎派の立場からすると資本の意向は拒否できないのだ。
また新潟地本は新潟新幹線運転所支部があり、ここは嶋田派の拠点である。この事情は長野地本も同じと思われ、新幹線を動かしている地本が独立組合となることは資本にとっていいこととは言えない事情がある。松崎派と嶋田派の分裂・抗争は、松崎の個人権力擁護を優先して始まり、いまだにそれが続いていることに示されているように、組合員の利益などはまったく考慮されていない。腐敗の極致だ。それへの怒りが爆発する情勢がきている。
松崎の戦争協力宣言
松崎の徹底的な戦争協力宣言がまたまた雑誌『創』(つくる)での右翼との対談で示された。松崎はここで、「法律で決まっていることは侵さないということ、労働組合としてははっきりしている」(=労組として業務命令に従い有事法制を侵さない)とし「軍需輸送だから断固拒否してストライキなんてことはひとことも言ったことないし、そんなことはすべきでない」と発言している。帝国主義の戦争遂行にJR総連カクマルは協力すべきであり、戦争協力拒否などもってのほかだと述べているのだ。
すでにJR総連は、第15回大会(99年)で、組合として戦争協力を宣言している。昨年6月のJR総連大会でも、山下書記長はあらためて戦争協力の意志を明確に表現した。
浦和事件でわかるように、東労組カクマルに従わない組合員を白色テロでやめさせている一方で、組合として戦争協力を推進するということは、結局JR総連が戦争協力を拒否する組合員を白色暴力でやめさせていくファシスト戦争協力組合であることを意味している。
われわれは戦争協力組合=JR総連を絶対に許さず、その解体をかちとらなければならない。これは不起立で戦争協力拒否を闘う教育労働者への裏切りであり、また陸・海・空・港湾労組20団体が「有事立法を発動させない、従わない」として闘っているものとの対極にあるものである。
権力に身も心もささげ尽くして労働組合員を戦争へ駆り出すJR総連−松崎、嶋田両派をJR労働運動から一掃しよう!
むすび
05年を迎えわれわれは、3・14虐殺の試練をのりこえて労働者党創成への偉大な実践へ突入している。本格的な革命への展望を切り開き、労働者党建設に向かっている。それは70年決戦を決断した本多前書記長の遺志を引き継ぐプロレタリア日本革命−世界革命を本当に成しとげる闘いそのものである。われわれは、内戦の体験をし、理論的にも組織的にも偉大な闘いの経験と深さを獲得した地平をもって、新指導路線のもとでこの闘いを全力で推進している。
日帝・小泉=奥田路線による「戦争をする国家」への改造攻撃を、今こそ真正面からみすえ、05〜07年階級決戦のただ中で、労働運動、労働組合運動の実践で粉砕しなければならない。動労千葉労働運動に学び連帯し、それを物質化し、闘う労働者党をつくるのだ。自衛隊のイラク占領を弾劾し即時撤兵を求め、日米枢軸−トランスフォーメーションによる安保・沖縄政策のエスカレーションと対決し、三里塚の軍事空港化を許さず闘いぬかなければならない。
何よりも3月卒業式での不起立闘争を爆発させ、教労決戦を先頭に4大産別決戦に勝利することである。不起立闘争の爆発をかちとり「日の丸・君が代」決戦に勝利し、ファシスト都知事石原−横山教育長体制を打倒しよう! 春闘ストライキをかちとり、郵政民営化を阻止しよう! 自衛隊のイラク撤兵−3・20国際反戦闘争へ総決起しよう! こうした力をもって6月都議選決戦での長谷川英憲候補の当選をかちとろう! 05年決戦の勝利を突破口に05〜07年の改憲阻止決戦へ吶喊(とっかん)しよう。
戦時下に突入した今、侵略戦争を擁護するカクマルを一日たりとも許してはおけない。戦時下階級闘争への突入は、カクマル完全打倒の情勢を加速度的に早めている。カクマル完全打倒は、自己解放を求めて労働者党建設をめざす、すべての闘う労働者の課題である。
75年のあの日の煮えたぎる怒りを、衰滅と分裂を深めるカクマル両派に今こそ思い知らせてやる。革命への情熱を込め、必ず3・14復讐戦を貫徹し、黒田、松崎、土門の革命的処刑を本多前書記長の墓前に報告することをあらためてここに誓う! 反革命カクマルを学園、職場、街頭から一掃しよう! ファシストカクマル完全打倒へ総決起しよう!
革共同の歩みとカクマルとの闘い
1957年 |
革命的共産主義者同盟結成 |
1959年9月 |
革共同第2次分裂、『前進』創刊 |
1962年9月 |
革共同第3回全国委員会総会 |
1963年春 |
黒田らが脱落、革共同第3次分裂 |
1966年夏 |
革共同第3回大会、70年決戦論確立 |
1967年10・8 |
羽田闘争に始まる激動の70年安保・沖縄闘争 |
1969年4・27 |
本多書記長が破防法40条で逮捕 |
1971年12・4 |
11月決戦に対する反動として、カクマルが関西大学で2学生を虐殺 |
1973年9・21 |
カクマルに対する報復戦を開始 |
1974年8・3 |
二重対峙・対カクマル戦争の総反攻段階に突入。6月から、カクマルは「権力の謀略」論を唱え、敗北の糊塗にきゅうきゅうとなる |
1975年3・14 |
カクマルが本多書記長を虐殺。猛然たる復讐戦争が始まる |
1977年 |
カクマルが水本デマ運動を開始する。動労松崎一派が推進 |
1980年10・30 |
本多書記長虐殺下手人学生カクマル5人一挙せん滅の勝利 |
1981年秋 |
先制的内戦戦略の第2段階(PU)に突入。対権力の武装闘争を主に |
1985年 |
中曽根の国鉄分割・民営化攻撃に黒田と動労松崎が完全屈服、その先兵となる道を選ぶ |
1985年10、11月 |
三里塚2期着工阻止と国鉄分割・民営化阻止で実力闘争とゲリラ戦争 |
1990年 |
天皇代替わりに対する大決戦 |
1991年5月 |
革共同の5月テーゼ、戦闘的労働運動の発展に重心を移す路線転換 |
1995年秋 |
革共同第19回全国委員会総会 |
1996年 |
第3次安保・沖縄闘争の開始 |
1997年 |
カクマル、「神戸謀略論」デマ運動を展開。JR総連は乗らず |
2000年 |
カクマル、黒田・中央派とJR総連松崎派とに分裂 |
2001年前半 |
革共同第6回大会開催。黒田哲学を批判し、カクマルの死を宣告 |
2003年 |
新指導路線(5月テーゼ路線の発展)の下に闘いを開始 |
本多延嘉書記長
1934年2月6日、東京に生まれる。54年早稲田大学入学。『早稲田大学新聞』編集長。日共早大細胞を指導。56年ハンガリー革命の衝撃を受けスターリン主義の問題を根本的にとらえ返す。トロツキー教条主義との闘いをつうじて(革共同第1次、第2次分裂)、59年革共同全国委員会を創設。以降、革共同書記長。63年黒田一派の卑劣な分裂・逃亡と闘う。69年4月27日、4・28沖縄闘争を前に破防法40条で逮捕、2年間の獄中闘争。二重対峙・対カクマル戦争を最先頭で指導中の75年3月14日、反革命カクマルの卑劣な憎むべき襲撃を受け暗殺される。享年41歳。
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週刊『前進』(2189号6面1)(2005/03/14)
3・19−20全世界一斉決起へ
イラクから即時撤兵を要求 民族解放闘争の支持も鮮明
3・20イラク開戦2周年へ、全世界で反戦闘争が高揚している。アメリカではMWM(百万人労働者行進)やANSWERが中心になって「アウト・ナウ(即時撤兵)」という新たな共闘団体を立ち上げ、19日ニューヨークのセントラルパークで大集会を実現しようとしている。イギリスでは19日、ロンドンに40万人が結集する勢いだ。韓国でも20日にソウルで大集会が行われる。まさに3・19−20は、一昨年、昨年に続き全世界の労働者人民の総決起の日になろうとしている。「日の丸・君が代」反対の卒業式闘争をかちとり、05春闘と一体で、3月20日、陸・海・空・港湾労組20団体が中軸を担う実行委員会主催の日比谷野音集会に総力で決起しよう。
アメリカ MWM呼びかけに応えて大統一戦線
MWM運動は、昨年12月2日に「反撃体制を構築しよう」という総括文書を発表したが、その中で3・19ニューヨーク共同行動への統一呼びかけを実現するための討論を開始することを呼びかけた。
MWM運動の3・19統一行動の呼びかけにこたえて「トゥループス・アウト・ナウ・コアリッション」(軍隊の即時撤兵連合)という共闘団体が立ち上げられた。(ポスター参照)
「アウト・ナウ」と略称されるこの新たな共闘団体には、MWMやANSWER、NYCLAW(ニューヨーク市反戦労組連合)、AFSCME(全米州郡市職員連盟)第37地区協ローカル375など、昨年のワシントンDCでの10・17MWM集会に賛同した勢力を中心に広範な労組・市民団体が賛同している。
アウト・ナウは、その呼びかけ文で、@米占領軍のイラクからの即時・全面・無条件撤退要求、A戦争に反対している米軍兵士の政治的・精神的・組織的支援、B反戦運動は、自国の占領に対するイラク人民の抵抗方法を批判せず、完全な無条件の抵抗権を承認すべき。国連憲章さえ、占領された人民の武器を用いた抵抗権を認めている、Cブッシュ政権の戦費増大による社会保障の切り捨て反対、を訴えている。イラク人民の抵抗権と解放闘争をはっきりと支持しているのだ。即時撤兵要求と民族解放闘争支持は一体である。
全米の集会は、ニューヨークのセントラルパークが中心だ。セントラルパークでの集会は、昨年の共和党大会反対のデモの時にも、ブルンバーグ市長が使用禁止命令を出し、反戦闘争が使用することを妨害し続けてきた。だが、反戦派弁護士の粘り強い闘いによってついに3・19当日の使用許可をもぎとった。
さらにサンフランシスコを始め、全米各地で集会が行われる。今回は、フォートブラッグ陸軍基地がある基地の町、ノースカロライナ州のフェイエットビルでも各地から動員して集会が行われる。このフォートブラッグ基地は、侵略の先兵として悪名高い米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の本拠地として有名だ。
3・19集会に向かって、青年労働者・学生の闘いが高揚している。「全世界抵抗行動ネットワーク」と「ANSWER学生・青年部」が共同で3月14日から18日までの1週間、全米の各高校と大学で、募兵に反対する抗議行動、ティーチイン、学内デモ、教育のためのフォーラム、授業放棄、座り込み(シット・イン)、集会、その他の反戦行動を呼びかけている。この動きは、1・20ブッシュ大統領就任式反対闘争の過程で高揚した全米各地の大学での闘いを引き継ぎ、発展させようという試みだ。
イギリス 03年200万デモ引き継ぐ大結集へ熱気
戦争阻止連合(STWC)と核廃絶運動(CND)、イギリス・ムスリム連盟の主催で、3月19日、午後1時にロンドンのハイドパークに集合してトラファルガー広場までデモを行い、集会を開催する。主要スローガンは「軍隊の即時帰国」だ。
この闘いに向けて、戦争阻止連合は2月12日にロンドンで大会を開き以下の決議をあげた。
「国際法と国連憲章は外国の軍隊による非合法の占領に抵抗する人民の権利を認めている。イラクにおいて継続して行われている暴力の責任は占領にあり、イラク人民は抵抗する権利がある」「イギリスにおけるわれわれの責任は、できる限り早いイラクの非合法な占領の終結、占領軍撤退を実現することで、イラク人民の自決の不可欠の前提条件をつくり出すことである」「われわれは戦争に反対する兵士家族の会の設立を支援し、全国で運動を行う人びととともに集会の成功を援助してきた」
イギリスでも、イラク人民の抵抗権、民族解放闘争支持の立場から3・19闘争が闘われようとしている。
この決議に基づき、3・19大動員体制が着々と築かれている。特筆すべきは、青年の決起だ。学生は小中学生・高校生も含めて反戦運動の討論を行っている。
3月19日のロンドンでの集会は、2月末の時点で、予約されているバス台数から推測して40万人近くが参加し、03年2月15日の反ブッシュ200万人デモ以来の大規模なものになると言われている。
この3・19の高揚を引き継いで、3月23日には年金改悪反対の大ストライキが予定されている。イギリスでも「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃に広範な労働者人民が決起を開始しているのだ。
韓国 労働法改悪反対と結合して反戦闘争
3600人の韓国軍兵士を派兵している南朝鮮・韓国では、イラク派兵反対国民行動の主催で「アメリカはイラクから出ていけ! 派兵韓国軍を撤収せよ!」のスローガンを掲げて「3・20イラク侵略2周年弾劾 国際反戦行動」が開催される。集会は、3月20日の午後3時にソウルの大学路一帯で開かれる。
今回の行動を主催する派兵反対国民行動は、「反戦運動に参加してきた少なからぬ人びとが、ノムヒョン政府の派兵強行、ブッシュの再選などで失意に陥っているが、全世界で3番目の規模の占領軍を派兵している韓国で反戦運動の進むべき道は長く、任務は長大だ」と呼びかけを発した。
昨年、派兵兵力を600人から3600人へ増加する追加派兵法案と、派兵延長同意案の強行をめぐり反戦闘争が爆発している。
派遣労働の全面化を狙う非正規労働法改悪案のゴリ押しなど、激しい資本攻勢に対してストライキで闘う民主労総の労働者を先頭に学生、市民らがこの3・20に大結集してイラク反戦闘争を闘おうとしている。
全世界の労働者人民の闘いにこたえる日本の闘いが問われている。ファシスト石原による「日の丸・君が代」強制を打ち砕く3月卒業式闘争の高揚をかちとり、全世界の闘いに連帯して3月20日、日比谷野音に集まろう。
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