ZENSHIN 2005/02/07(No2184
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週刊『前進』(2184号1面1)(2005/02/07)
全労働者の戦争協力拒否を
郵政民営化、労組破壊、教基法改悪・改憲 小泉=奥田の大攻撃粉砕しよう
今春「日の丸・君が代」闘争高揚へ
第1章 ブッシュと小泉の「世界戦争宣言」に怒りの全面対決を
1月20日、米帝ブッシュは就任演説で世界戦争宣言を行った。そして翌21日、日帝・小泉は施政方針演説で、米日枢軸の形成を柱に戦争と民営化攻撃を全面的に展開することを明らかにした。そして日本経団連・奥田も18日、小泉の施政方針と一体の「わが国の基本問題を考える」と「これからの教育の方向性に関する提言」を発表した。米帝ブッシュと日帝・小泉=奥田のこの世界戦争と民営化=労組破壊の大反革命に全面対決して闘うべき時が来た。「日の丸・君が代」の強制は、日教組、都高教という教育労働者の階級的団結の砦(とりで)である労働組合を破壊することに向けられている。その上に「教え子を再び戦場に送り出す」攻撃がある。2〜3月「日の丸・君が代」攻防が完全に階級決戦の最先端だ。この教労決戦を突破口に4大産別決戦と05年決戦の勝利へ進撃しよう。
ブッシュと小泉の「世界戦争宣言」に怒りの全面対決を
1月20日の米帝ブッシュの就任演説で世界情勢はただならぬ局面に入った。
ブッシュの就任演説は、イラク侵略戦争の世界戦争への拡大宣言だ。1月18日、ライス新国務長官は上院公聴会発言で「圧政の拠点」としてイラン、北朝鮮、キューバ、ミャンマー(ビルマ)、ベラルーシ、ジンバブエの6カ国を名指しした。これらの諸国はアジア−アフリカの「不安定の弧」を中心に、北東アジア、中米、ヨーロッパ(旧ソ連)、アフリカにある。
ライス発言を受けてブッシュは、就任演説でなんと、「平和のための最善の希望は全世界で自由を発展させることだ」「世界で圧政に終止符を打つという究極の目標を実現するのが米国の政策だ」と述べた。
米帝ブッシュ(とライス)は誰にも分かるあいまいさのない表現で世界戦争を宣言している。それも「神意による民主化」だという。自由は神からの授かり物であり、米国の「召命」は、自由を世界に広め、諸国を民主化することである、というのだ。
ブッシュは大統領選挙で、キリスト教右派のエネルギーを徹底的に利用・動員して重大な政治的勝利を収めた。キリスト教右派のファシスト的なイデオロギーを、米帝の側からの現状破壊的な世界再編=世界戦争を正当化するイデオロギーにしようとしている。
しかもブッシュの就任演説は、イラク有志連合諸国への呼びかけであって、それ以外の独仏などは基本的に対象になっていない。
米英日枢軸とEU(独仏)との分裂と対立を促進し、世界戦争過程を激烈に促進する内容である。
このブッシュ就任演説の会場は1万人のデモ隊に包囲された。昨年10・17MWM(百万人労働者行進)が衝撃的に示したようにアメリカの労働者階級人民は、ブッシュの戦争と民営化に反対し階級的に決起している。さらにイラク人民の民族解放・革命戦争とそれに連動する闘いが全世界で爆発することは不可避だ。11・7労働者集会の日米韓国際連帯の地平を決定的に発展させ、米帝ブッシュと米英日枢軸による世界戦争への攻撃に、巨大な反戦闘争の爆発をたたきつけていかなければならない。
ブッシュの就任演説と小泉の施政方針演説は深く結びついている。ブッシュの新たな世界戦争宣言を受けて、小泉は米帝・米軍と全面的に連携していく米日枢軸化の政策を根底において演説している。
小泉は郵政民営化を本丸とする「改革の断行」を「私の本懐」と強弁し、戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃を激化させることを宣言した。これを怒りを込め徹底弾劾して闘わなければならない。
第一に、「国民の安全の確保」と称して、さらなる治安弾圧政策と同時に、「テロ」や「弾道ミサイル」などの新たな「脅威」に対応する、「国際平和協力活動」に積極的に取り組む、と宣言した。これはイラクへの自衛隊の多国籍軍派兵を継続・拡大し、日米枢軸化と米軍再編(トランスフォーメーション)のもとで自衛隊法も改悪し、すでに開始している帝国主義侵略戦争をよりエスカレートしていくという宣言だ。
第二に、全面的な資本攻勢と労働運動解体の攻撃だ。具体的には郵政民営化に全体の一割をさき、郵政の4分社化と職員の非公務員化を吹き上げ、07年4月に民営化する法案の今国会での成立を期すと宣言した。教育基本法改悪についても、国民的な議論を踏まえて積極的に取り組むと表明したことは、きわめて重大な攻撃である。
第三に、介護保険制度の見直しを含め、社会保障制度の一元的一体的見直しを行うと表明した。これは戦後的な社会保障制度の解体と消費税を軸とした大増税の攻撃である。
以上が小泉演説の核心部分である。それは、米日枢軸形成のもとで、外への侵略戦争、内への階級戦争を全面的に宣言するとんでもない大反革命である。
日本経団連の反革命的提言
この小泉施政方針演説と日本経団連の2つの文書、「わが国の基本問題を考える」と「これからの教育の方向性に関する提言」はまさに一体のものだ。
「わが国の基本問題を考える」は、経団連が、内外のすさまじい危機の進行の中で、資本主義体制の延命をかけて、政治・経済の全面にわたって振りかざしてきた戦争と民営化(労組破壊)の大攻撃であり、「第2の奥田ビジョン」とも言うべきものである。
その最大の内容は改憲への方向性を提示したことだ。すなわち日米安保体制の堅持・強化、国連安保理常任理事国入り、東アジアとの連携をとなえた上で、憲法9条破棄、自衛隊の保持と集団的自衛権行使を明示し、さらに憲法解釈が制約になっているときや、新たな立法措置ができるなら、憲法改正を待つことなくやれることをどんどんやるべきだと主張している。また立法・司法・行政の3権分立の解体と首相権限の独裁的強化、それらの突破口として教育内容の見直し、さらに東アジア経済圏の確立を宣言している。
「教育提言」は、改憲に向かっての最大の環として教育基本法解体を最大に位置づけている。特に第10条に階級的憎悪を集中している。これは国家による教育内容の全面支配と日教組解体の要求そのものだ。
第2章 「日の丸・君が代」強制拒否は戦争協力拒否の闘いだ
日帝・小泉は世界戦争過程に米日枢軸を形成して突進している。小泉=奥田のあらゆる攻撃はここから発している。その最大の核心は戦争と民営化であり、労働組合・労働運動の破壊にある。戦時下で労働者の基礎的団結形態である労働組合など認めないという攻撃だ。「日の丸・君が代」強制の狙いは、まさに日教組破壊と教え子を再び戦場に送り出す戦争教育にある。
それに対して昨年3月、東京から感動的な決起が起きた。都高教本部の裏切り方針をのりこえたランク・アンド・ファイルの闘いである。ここに「日の丸・君が代」決戦の展望が開かれた。東京都の教育労働者は、小泉や奥田やファシスト石原の攻撃に対して、自己の階級的良心をかけて決起し、さらに労働者の階級的団結を求めて闘いを積み重ね、この1年で大きな地歩を切り開いている。これを大々的に拡大し発展させることが勝利の道だ。
この都高教の教育労働者の決起という情勢が、NHK番組の事前検閲の問題を内部告発する決起をも生み出した。「戦争協力拒否」の闘いが陸・海・空・港湾労組20団体、特に航空労働者から始まり、都高教へ、さらにNHKに波及したのだ。「国民保護法制」などの具体化の中で、国鉄、自治体、医療、マスコミなどの労働者にこの闘いが広まることは不可避な情勢が生み出されている。
「日の丸・君が代」強制拒否の決戦とは何か。
@まず「03年10・23通達」との闘いである。通達は教育現場に「戦争協力」の強制を持ち込むものであり、戦後教育を全面的に否定するものである。戦後教育の柱である「人格の形成」を否定し、「愛国心」を強制するものである。
A全労働者階級が必死で闘っている資本攻勢との闘いの一翼であり、闘って団結を取り戻す行動だ。
B組合活動・職場闘争復権の闘いだ。それは日教組本部と文部科学省とのパートナー路線との対決であり、日教組再生の闘いだ。
C戦争協力拒否の闘いである。日帝が自衛隊のイラク派兵を無限に延長し、さらに自衛隊の主任務を国際展開におこうとしているとき、「再び子どもたちを戦場に送らない」闘い、天皇賛美と愛国心を教え込むことを拒否する闘いだ。
D教育基本法改悪・9条改憲攻撃との闘いである。ファシスト石原と小泉=奥田の戦争体制づくりを阻止する闘いである。
ブッシュの世界戦争宣言と小泉の米日枢軸形成宣言に対決する日本の労働者階級の最先端の闘いが、今春「日の丸・君が代」強制拒否の決戦である。しかもこれは全労働者階級の課題である。都高教の教育労働者、全都の教育労働者はすでに決起を開始しているのだ。全力でこれと連帯し、支援しよう。職場で支援決議を上げ、都高教の職場に届けよう。地域で支援しよう。全産別で教基法改悪反対の闘いに取り組もう。
この闘いを軸に全逓、国鉄を始めとする4大産別決戦に総決起しよう。郵政民営化阻止の血路を開こう。さらに国鉄闘争では1・29国労中央委をへて、1047名闘争の前進か解体かをかけた決戦に完全に突入している。動労千葉を先頭に05春闘を闘おう。3・20国際反戦統一行動の大高揚を闘い取ろう。
法政大学では、学生会館解体・サークル部室ゼロの攻撃に、一文連、二文連、学団連を先頭に学生の大反撃が闘われている。全国の全大学で大学解体攻撃との闘いが闘われている。05年決戦への全学連の荒々しい登場をかちとろう。
共謀罪先取りする労組弾圧
闘いは日帝国家権力との全面的な激突になっている。1月13日の全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧は共謀罪攻撃の先取りであり、11・7地平への大反動だ。これに対して関生支部は組合的団結の底力を発揮して反撃に立ち上がっている。治安弾圧との闘いはきわめて重要だ。全力で粉砕しよう。
歴史的な勝利がかちとられた。1月19日、34年10カ月にわたる全金本山闘争は勝利的に合意が成立した。「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則をひたすら守り闘い抜いた全金本山労働組合が勝利をかちとった。不屈に闘い抜いてきた全金本山の労働者・家族とともにこの勝利を心から喜びたい。「闘えば必ず勝つ」ということだ。この勝利は全国で労働運動を闘い、あるいは労働組合の革命的再生のために闘う労働者階級人民へのこれ以上ない檄(げき)である。この勝利に学び、力を得て05年決戦を前進しよう。
05年決戦の勝利を切り開くために、本紙新年号論文の学習と討論をさらに推し進め、意気高く前進しよう。そして従来の壁を大胆に突き破り、機関紙拡大と党勢拡大の闘いを熱烈に推進していこう。
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週刊『前進』(2184号1面2)(2005/02/07)
安倍、中川が番組改変強要 NHKへの事前検閲弾劾
職かけた内部告発 「大本営放送」阻む闘い
女性国際戦犯法廷を歪曲
2001年1月にNHK教育テレビのシリーズ「戦争をどう裁くか」の第2回「問われる戦時性暴力」に対して安倍晋三自民党幹事長代理(当時官房副長官)と中川昭一経済産業相が、「偏向報道」だとして事前に介入し、内容を著しくゆがめる改変を強制していた事実が発覚した。これは恐るべき事前検閲であり、決定的に重大な事態である。
この問題をめぐる攻防は日帝の自衛隊イラク派兵、侵略戦争への参戦という戦時下において、NHKが大本営放送局に完全に変えられてしまうのか、それを阻止するのかの、ぎりぎりの攻防になっている。NHKの労働者が職をかけてこの事実を告発したことは、教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いに続く闘いであり、今春「日の丸・君が代」強制拒否の闘いに大きな激励を与えている。
今日、朝日新聞対NHKの争いであるかのように扱われ、朝日の報道が「虚偽」であるとキャンペーンされているが、逆転したとんでもない話である。自民党・安倍、中川とNHKが口裏を合わせてデマをねつ造し、政治介入がなかったと強弁しているが、ことの本質は権力による報道への事前検閲である。
また、朝日攻撃をとおしてマスコミ全体を屈服させ全労働者階級人民を戦争協力に動員しようとしているのである。
朝日新聞の報道およびNHKチーフプロデューサーの長井暁(さとる)氏の記者会見、そして「女性国際戦犯法廷」の当事者である「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NET〔バウネット〕ジャパン)の声明などから明らかになったことは何か。
2000年12月に開かれた女性国際戦犯法廷を取材したNHKのドキュメンタリー番組が、01年1月30日の放送前に、安倍や中川ら自民党議員の介入によって改ざんされた。番組の内容がねじ曲げられたことに対して、バウネットジャパンがNHKなどを相手取り提訴し争ってきた。
放送前日の29日と当日に、松尾放送総局長らの指示で大幅に改変された。まず29日に1分短縮された。「天皇有罪」の判決、カリフォルニア大学準教授の米山リサさんの国際戦犯法廷の意義に関するコメントなどが削られ、急きょ28日に追加取材された秦郁彦のコメント(「売春は当時合法行為であり、慰安婦は商行為を行っていた」と侮辱する発言)が挿入された。
当日30日の放送3時間前にさらに3分カットし、40分版に改変された。そこでは、中国人被害者の紹介と証言、東チモールの慰安所の紹介と、被害者の証言、元日本軍兵士の証言がカットされた。すでに編集作業が終わった完成品を無理やり改ざんしたのだ。
当時、右翼が1月20日ころからNHKに対して「抗議」申し入れを始め、NHK幹部はタイトルを「日本軍の戦時性暴力」から「問われる戦時性暴力」に変更させた。その後、右翼が街宣車と数十人の部隊をもって27、28日と2日間にわたってNHKを襲撃した。この右翼の暴力的攻撃と呼応しあって安倍、中川の介入があったことは明らかだ。
安倍は1月29日に、NHKに対して「公平公正に頼む」と言ったと認めているが、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長として歴史教科書に軍隊慰安婦問題を記述することに反対してきた安倍が「公平公正」と言えば、それは「改変」を指示するものであることは誰にも明らかだ。事実、その会見後に、改変が行われた。
仮にドイツでアウシュビッツを美化する言動や報道をしたらどうなるか。日帝の侵略と加害の歴史に対する国際的な弾劾の報道がねじ曲げられたことの重大性は明らかだ。しかもそれが時の権力を握る自民党によって行われたのだ。これは、周辺事態法から有事法制に至る北朝鮮・中国侵略戦争体制づくりの一環として、過去の歴史の隠ぺいを強制したという意味を持っている。
権力に癒着した海老沢体制
時の政権と癒着し、迎合するNHK海老沢体制に対する昨年来の怒りの声の高まり、NHK受信料拒否者の激増と収入減などの事態がNHKを追いつめてきた。これまで海老沢体制と闘えなかった日放労も昨年11月に会長辞任要求を決定するなど、対決姿勢を打ち出すに至った。
こうした中で長井氏は、昨年12月に「コンプライアンス推進委員会」に01年の「問われる戦時性犯罪」改変の問題について真相究明を求める通報を行った。同委員会は、NHK内の反乱を抑えるためのインチキな機関であるが、長井氏はその手続きに従った。だが、これが1カ月以上も放置されたため、勇気ある内部告発に踏み切ったのである。
海老沢体制のもとで、局内の管理・統制強化が進められてきた。そして海老沢は、有事法制、国民保護法制でNHKが指定公共機関に指定されることをやすやすと受け入れてきた。この有事放送局化の流れを許すのかどうかが今、すべてのマスコミ労働者、とりわけNHK労働者の最大の課題となっているのだ。
NHKは昨秋、「倫理・行動憲章」を決定した。これは「不祥事」をテコに、有事放送体制にNHK労働者を動員しようとするものだ。同憲章は「国民の生命・財産を守ることに資する」ことをうたい、自らを戦争のための機関として位置づけている。この「憲章」に全職員の署名を強制し、「指定公共機関」として戦争協力に労働者を動員しようとしている。つまり、戦前の大本営放送の復活をもくろんでいるのだ。
昨年11月7日に、日放労が主催してNHK問題についてのシンポジウムを開催しようとした時、NHKは、「新潟中越地震24時間キャンペーン」を急きょ設定して対抗、シンポ当日、全職員に事実上の禁足令を出した。日放労の海老沢辞任要求に対する対抗策であると同時に、災害放送をもって有事報道の訓練をしようとしたのだ。海老沢体制防衛とNHKの有事放送局化の攻撃は一つのものだ。
全労働者が反転攻勢の時
このような決定的な局面での海老沢退陣や長井氏の告発は労働者の反転攻勢の好機の到来を告げている。 長井氏の決起は、昨春の「日の丸・君が代」強制の職務命令に対して、300人を超える教育労働者が不起立で闘ったこと、また、有事立法の攻撃に対して、陸・海・空・港湾労組20団体が「有事法制を完成させない、発動させない、協力しない」を掲げて闘ってきたことに通じる闘いである。
今度の問題は、日本軍軍隊慰安婦とされた人びとの告発に日本の労働者としてどう答えるか、ということを問う問題である。その放送がずたずたに切り裂かれ、ねじ曲げられたことに対して、放送労働者として沈黙を続けるのか。これを許すことは、「大本営放送局」だったNHKの労働者として、かつての道を許すことではないのか、と。
日放労を闘う組合として再生させ、有事放送局化をなんとしても阻止しなければならない。この闘いは、「日の丸・君が代」強制拒否を闘う教育労働者への援軍である。また、すべての労働者に戦争動員との闘いに決起していく道筋を示している。戦争協力拒否へ職場の団結をつくり、職場の力関係を変えるならば、戦争協力の強制との闘いに勝利することができる。
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週刊『前進』(2184号2面1)(2005/02/07)
東京の仲間の決起は“援軍”
広島の教育労働者は訴える
「日の丸・君が代」強制に全国で不起立を貫こう 労働者の誇りと良心にかけて
全国の教育労働者のみなさん! 今春卒・入学式をめぐる「日の丸・君が代」強制拒否の闘いを、全労働者階級の未来をかけた闘いとして大爆発させよう。イラク侵略戦争の泥沼にのめりこんだ日帝・支配階級は、小泉=奥田による戦争と民営化(労組破壊)の攻撃を強め、今春「日の丸・君が代」強制と教基法改悪をその突破口にしようとしている。すべての教育労働者は、戦時下の階級闘争の最先端に躍り出た「日の丸・君が代」決戦に、まなじりを決して突き進もう。04年春、都高教の仲間が教育労働者の誇りと良心にかけてなしとげた大量不起立闘争の地平を継承・拡大し、東京―広島―全国で地軸を揺るがす不起立・不服従闘争に立ち上がろう。
石原・都教委追いつめた闘いに続こう
04年3月、東京の「日の丸・君が代」不起立・不服従闘争は、卒・入学式の国家忠誠儀式化を狙うファシスト・石原の「10・23通達」を根底からうち砕いた。それは、日教組の階級的再生の突破口を開く歴史的な闘いであった。
東京の教育労働者の闘いは、その圧倒的正義と団結の力によって石原・都教委を着実に追い詰めている。その力が、11・6教基法改悪反対全国集会と11・7全国労働者総決起集会の大成功を牽引(けんいん)し、05年決戦の勝利の展望を押し開いたのである。
その渾身(こんしん)の決起は、教育労働者の階級的良心と人間的尊厳を守り貫いた実践だった。そして戦争協力・戦争教育を許さない「職場反戦闘争」であった。これを目の当たりにして「おれもやるぞ」「わたしも続こう」と多くの労働者が奮い立っている。
「日の丸・君が代」強制―教基法改悪攻撃は、帝国主義侵略戦争への「国民の精神的総動員」と、そのための日教組の解体攻撃である。教基法改悪の狙いは、とりわけ10条の改悪に凝縮している。教基法は戦前・戦中の「教育勅語」体制下の天皇制国家主義教育を否定し、10条で国家権力の教育支配を明文禁止した。もし教基法の改悪を許せば、改悪教基法はまさに現代版『教育勅語』として猛威をふるうことになる。「教基法改悪は『教育勅語』の道」「『日の丸・君が代』強制は『教育勅語』の道」なのである。
そして石原・都教委の「10・23通達」は、教基法10条の改悪を先取りした攻撃であり、“もし教基法の改悪を許せば学校現場はこうなる”ということを示したものだった。
この大攻撃に対してやむにやまれぬ思いで立ち向かった東京の教育労働者の闘いによって、「日の丸・君が代」闘争は、侵略戦争と教基法改悪・改憲攻撃に怒りと危機感を持つすべての労働者階級の共同のテーマへと押し上げられた。
かつて日教組の先輩たちは、勤務評定導入に対して「勤評は戦争への一里塚」のスローガンを掲げて立ちあがり、労働運動史上に不滅の金字塔をうち立てた。戦時下の新たな「日の丸・君が代」闘争を、勤評闘争をも超える壮大な闘いに発展させようではないか。
極限的労働強化への反撃の開始
さらに東京の「日の丸・君が代」闘争は、職場に立ち込めていた暗雲を吹き飛ばした闘いであった。多忙化と管理強化、人事考課(評価)、差別・選別教育の強制などの非人間的な「教育改革」に対する現場労働者の怒り・危機感と結びつき、そのすべてを一点「日の丸・君が代」闘争に集中して職場闘争をつくりだしたのである。
95年、日教組中央が政府・文部省との「パートナー路線」(職場闘争5項目の放棄)に走って以来、教育現場に対する行政権力の支配介入は一挙に強まり、職場は労働地獄の様相を呈している。多くの教育労働者が、連日夜9時・10時まで休憩時間もなく労働した上に、常時の自宅労働(仕事の持ち帰り)を余儀なくされている。極限的な労働強化により、長期病休者・長期通院者が激増し、現職死亡も続出している。現場労働者はもはや忍耐の限度を超えた状態に置かれている。
04年の都高教の仲間の決起は、こうした全国の教育労働者の共通の苦悩と怒りを代表し体現した、いわば自主的に決行された“指名スト”であった。また「日の丸・君が代」強制という権力の違法・不法・暴虐に対して打撃を与える“順法闘争”でもある。
日教組を再生させる壮大な「ランク・アンド・ファイル」運動が始まった。この道を進もう!
処分や配転攻撃をのりこえ前進する
私たち広島の教育労働者は、「日の丸・君が代」強制拒否の闘いを、沖縄・福岡―各地の闘いと連帯して、権力の介入と分断をのりこえて継承してきた。
広島の教育労働者にとって、04年春の東京の仲間の大量決起は、まさに「奇跡の援軍」の登場だった。広教組(広島県教職員組合)の被処分者の会の仲間は、東京の被処分者の会の人びととの握手を求め、東西連携し呼応して闘いぬくことを誓いあった。広高教組(広島県高等学校教職員組合)の仲間もこの団結の輪に連なっている。
05年3月、今度は東京―広島の力をひとつに結び、全国の教育労働者の団結・総決起によって、必ず「日の丸・君が代」強制拒否闘争を爆発させることを決意している。その立場から、この間の広島の「日の丸・君が代」闘争の経緯を報告したい。
文部省のヒロシマつぶしと対決
広島では、「日の丸・君が代」をめぐる激突が全国に先駆けて開始された。ヒロシマ教育つぶし=広教組・広高教組の解体を狙って、1998年に文部省が「調査・是正指導」を開始したためである。教育長は文部省から出向してきた辰野裕一にすげ替えられ、辰野教育長の矛先は、まず「日の丸・君が代」完全実施へと向かったのである。
それに対して広教組は、99年2月の臨時大会で「『日の丸・君が代』強制反対」特別決議を柱とする運動方針を決定し、辰野教育長による問答無用の反動行政との全面対決を宣言した。広教組委員長は「広島の平和教育・広島の解放教育をつぶそうと執拗(しつよう)に繰り広げられる右翼反動勢力の攻撃に対する闘いは、教育の場である学校において、国家主義の代名詞たる『日の丸・君が代』強制を許すのか、許さないのかの歴史的岐路に立つ重要な闘いである」と檄(げき)を発した。
辰野教育長の罷免を求める団結署名がたちまち1万2563筆(全教職員の7割に迫る)に達した。広高教組も3月臨時大会で「日の丸・君が代」強制阻止の闘争方針を決定し、両教組あげた闘いに突入した。
同年2月、卒業式に「日の丸・君が代」を強制する辰野教育長の職務命令にあくまで抵抗した世羅高校の石川校長が、卒業式前日に自死に追い込まれた。辰野教育長はこれをも組合攻撃に利用しようとしたが、全県の教育労働者が不起立闘争を闘いぬいたことにより、両教組に処分を出すことはできなかった。
その結果、日教組本部も95年以来抹殺していた「『日の丸・君が代』強制反対」のスローガンを、再び掲げざるを得なくなった。広島を先頭とする闘いの力によるものだ。
99年8月に「国旗・国歌法」が成立。翌2000年の卒・入学式は、「国旗・国歌法」制定下の闘いとなった。さらに01年の卒・入学式でも広島の教育労働者は「日の丸・君が代」強制を拒否して闘いぬいた。辰野は戒告と文書訓告を合わせて300人を超える大量処分を加え、大量不当配転を始めとする不当労働行為の限りを尽くした。しかし、被処分者を始め現場労働者は屈せず、ただちに人事委員会闘争に立ち上がった。両教組はそれを支援し、闘いの地平と陣形を懸命に死守したのである。
日教組本部の裏切りうち破り
ところがここに、日教組本部の「パートナー路線」による反動が襲いかかってきた。日教組本部は「職務命令が出たら従え」とする方針を各単組に強制した。表向きは単組の自主的決定にゆだねるというかたちで、現実には「処分を避けるため」「職務命令に従っても内心の自由が侵されるわけではない」などの奇弁で、「職務命令に従え」と脅迫してきたのである。
各単組の既成指導部の多くはこれに飛びついた。広教組・広高教組は孤立した。逆流に耐えて踏ん張ることが求められた。02年以降、広島の「日の丸・君が代」闘争は、日教組本部の抑圧とそれと気脈を通じた日和見主義と対決しつつ、かさにかかった敵の攻撃と対峙する持久戦を余儀なくされた。現場組合員は「それでも良心は売らない」「今に見ておれ」という思いで闘い続けた。この間、戒告処分は一人あたり4〜5回にも上り、不当配転が繰り返された。
しかし、こうした悪戦苦闘のさなかにも、水面下で「革命のマグマ」は燃え続けていた。03年、ついにその炎が地上に現れた。8月自治労大会での「21世紀宣言」否決の快挙、11・9日米韓国際連帯労働者集会の感動的成功に続いて、12・23教基法改悪反対全国集会が5000人の労働者・市民の参加で大成功した。
そして04年3月、3・20イラク反戦行動と呼応して、東京の「日の丸・君が代」不起立闘争が闘いぬかれたのである。その闘いは広島と全国の教育労働者に勇気と展望を与え、「東京とともに闘おう」という決意を呼び覚ました。
04年の8・6ヒロシマ大行動のかつてない高揚を牽引したのは、広島―東京―全国の教育労働者の大合流だった。広教組・広高教組の現場からも闘う力が大きくわき上がり、11・6―11・7日比谷野音には、東京の被処分者の仲間たちとともに、広島の教育労働者も全力で結集した。広島の教育労働者は、教基法改悪阻止と「日の丸・君が代」強制阻止のスローガンを一本の旗印にして、新たな前進を開始したのである。
今春闘争の力で教基法改悪阻止へ
いよいよ05年3月が決戦である。「日の丸・君が代」不起立闘争の断固たる継続と拡大、団結した大衆的決起こそ、労働者の前進を切り開く道である。職場・生産点の抵抗闘争こそ労働者の最強の武器であり、労働者の必勝の道である。それはかつての勤評闘争の教訓でもある。
そして、都高教執行部のような「日の丸・君が代」強制反対の闘いを放棄した指導部のもとでも、そうした闘いは圧倒的に可能であることを、東京の労働者は身をもって示してくれた。
そこには、動労千葉の魂と通い合うものが生き生きと息づいている。動労千葉の闘いは、敵の攻撃の凶暴性が実は敵の危機の深さと脆弱(ぜいじゃく)性に根ざしていることを見抜き、その敵の矛盾をとらえて離さずに闘いぬいている。動労千葉のように闘えば必ず勝てるのである。
これに対して、ファシスト・カクマルや日本共産党は敵の攻撃にすくみあがり、屈服して、「不起立闘争は処分や弾圧を受けるからやめろ」と露骨な闘争破壊に走っている。このような反動をはね返して、3月の決戦に突き進もう。
今春をおいて決戦の時はない。今春の決戦を避けて次のチャンスはない。今春「日の丸・君が代」闘争を突破口に、教基法改悪阻止へ職場・生産点から闘いを巻き起こそう。
3月「日の丸・君が代」闘争の爆発こそ、すべてのカギを握っている。広島・全国の教育労働者は、「東京とともに闘おう」「動労千葉のように闘おう」を合言葉に、現場労働者の団結した闘いで、職場ぐるみ・分会ぐるみの不起立・不服従闘争を大きく実現しよう。すべての教育労働者は労働者階級の先頭に立って、「教え子を再び戦場に送らない」ために闘おう。
勝利はわれわれ労働者のものである。ここに広島の教育労働者の断固たる戦闘宣言を発する。
〔川口 梓〕
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週刊『前進』(2184号2面2)(2005/02/07)
「君が代」解雇裁判 “都教委許せない” 「墨塗り」議事録に怒り
1月26日、東京地裁において、「君が代」解雇裁判の第4回口頭弁論が行われた。昨年3月の都立高卒業式で「君が代」斉唱時に不起立したことを理由に嘱託職員の再雇用を取り消された教育労働者9人が、東京都を相手に解雇撤回を求めている裁判である。
口頭弁論では冒頭、都教委が原告の解雇を決定した昨年3月30日の都教委議事録が全面開示されていないことについて、原告側があらためて全面開示を求めた。東京都が開示した議事録はなんと、「墨塗り」でかなりの部分を隠したものなのだ。都側は「関係ない個所なので開示する必要がない」と主張するが、都側に都合の悪い個所を消し去ったことは間違いない。
再度の全面開示要求に対して、都側代理人は「ほかの部の裁判で開示するかどうかを係争中なので、開示できない」と開き直る。解雇を決定した際の都教委の議論すら明らかにしないという都教委の暗黒支配ぶりに怒りが広がり、重ねて開示を求めた。
また原告の合格取り消しについて、都が「特別職であっても公務員なので、労働契約ではない。したがって解雇ではない」と居直り続けている点について、意見書を提出して争っていくことを確認した。
さらに「日の丸・君が代」不起立という思想・信条を理由とした解雇は認められないという点も、全面的に主張を展開して争っていくことを確認した。
口頭弁論終了後、会場を移して報告集会が行われた。弁護団が口頭弁論について報告した後、原告である「『日の丸・君が代』不当解雇撤回を求める被解雇者の会」の9人が、それぞれ発言した。
「黒塗りの議事録しか公開できないような都教委の場で、私たちの合格取り消しが決められた。はらわたが煮えくりかえる思いです。これは、教育委員によるクーデターです。この裁判は憲法を守る闘いでもある」「この裁判は憲法の問題や、戦争のできる国をどうつくりだしていくのか、ということに直結した裁判です。裁判に勝って、早く職場に戻りたい」
さらに重大な報告があった。今年3月の卒業式を前に、昨春の被処分者が再雇用で不合格にされているというのだ。「10・23通達により昨春処分をされた人のうち、この3月に定年を迎えるため再雇用に応募した6人が、昨日の合格発表で不合格にされた。大変けしからんことです。この裁判は自分の闘いではあるが、自分だけの闘いではない、みんなの闘いだという思いで、これからも闘っていく」。後輩の未来もかけて闘う被解雇者の発言に、大きな拍手が寄せられた。
「『君が代』解雇裁判を共にすすめる会」は「『君が代』解雇裁判の公正な判決を求める要請署名」が約2万筆集まっていることを報告し、都高教組合員を始め多くの署名を集め、3月に提出しようと提起した。
次回・第5回口頭弁論は3月9日午後1時半から。傍聴に集まろう。
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週刊『前進』(2184号2面3)(2005/02/07)
日教組解体と「愛国心」教育への転換をむき出しで要求
経団連「教育提言」弾劾する
日本経団連は1月18日、「これからの教育の方向性に関する提言」と題する教育基本法改悪提言を出した。これは同日出された改憲提言(「わが国の基本問題を考える」)と一体のものであり、教基法改悪を柱とする「抜本的な教育改革についての提言」である。
日教組解体攻撃としての教基法改悪の狙いをここまであけすけに打ち出した文書は、かつてなかった。財界の文書で日教組運動への憎悪をむき出しにしていることも異例である。文科省―日教組本部のパートナー関係をも踏み越えた、支配階級による日教組解体、新たな教員レッドパージ宣言である。
この提言によって、「愛国心」や「伝統・文化・歴史」といった言葉が、ブルジョアジーの強盗戦争に子どもたちを駆り出すためのものであることがはっきりした。愛国心攻撃の階級性が暴露されたのである。
日帝は日米枢軸のもとでイラク侵略戦争から北朝鮮―中国侵略戦争に踏み込む戦争体制づくりに全力を挙げている。そのために教育を戦争の道具にしようとしている。「個人の尊厳」を掲げた教育から、「愛国心」「国家への忠誠」を教える戦争教育への大転換を狙っている。
このために「提言」は、戦後教育について「郷土や国を誇りに思う気持ち(国を愛しむ心)を自然に育んでこなかった」「権利には責任と義務が伴うという点を教育現場で教えることは徹底されず、公共の精神の涵養(かんよう)は不十分」と批判し、「こうした状況を放置したままでは……国際競争を勝ち抜くことはできない」と述べる。そして、「抜本的な教育改革」を主張している。
支配階級は、戦後教育を生み出した「元凶」は日教組であり、これをつぶさなければいけないというのだ。昨春の「日の丸・君が代」不起立闘争に驚愕(きょうがく)し、それを水路とする日教組再生の展望に危機感を持って、教育労働者と教育労働運動への攻撃を宣言したのだ。
愛国心、天皇制への屈服強制
経団連「提言」は、「わが国の伝統・文化・歴史に関する教育」こそ今後最も重視すべき教育内容であり、「国旗や国歌に対する理解を深めることは……最低限必要な知識」だとして、教育理念の中に「国への誇りを育てる」を盛り込めとしている。
さらに「宗教に関する教育」の重要性を強調している。「自然や生命に対する畏敬(いけい)の念や宗教的情操心を養うためにも、また日本の伝統・文化・歴史を伝える意味でも」宗教に関する教育が必要と言っている。これは「日の丸・君が代」強制攻撃に示されるように天皇制・天皇制イデオロギーの暴力的押しつけ以外の何ものでもない。これによって、教育労働者と生徒・子どもたちの反戦の思想や闘いを粉砕し、国家的統制のもとに屈服させようとしているのだ。
教基法6条にかかわって「教員の自己研鑽(けんさん)の努力義務」を規定せよと言い、04年4月提言で提起し中教審に諮問中の「教員免許更新制」について、研修を重ねても改善が見られない教員は、これで首を切れと主張している。
日教組を憎悪して解体宣言
さらに「(教基法10条の)『不当な支配に服することなく』の表現が、一部教員による教科書や学習指導要領の無視や、校長など管理職の管理を拒む根拠となったことにかんがみ、国が教育内容の方向を示すことについての正当性を明らかにすることが必要」と、10条の解体を求めている。国家の示す教育内容とはどこに行き着くのか。“「10・23都教委通達」に従って子どもたちに「日の丸・君が代」と愛国心をたたき込め”“「つくる会」教科書を教えろ”ということではないか。
さらに重大なことは、日教組の完全解体を宣言したことだ。「(教員の)一部には自らの政治的思想や信条を教え込もうとする事例が見られ、これらが長年、教育現場を混乱させ、教育内容をゆがめてきた」と述べている。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを投げ捨てろということであり、戦時下で教員が労働組合をつくっていることそのものを根絶の対象としたということだ。
この提言は、今春「日の丸・君が代」闘争の発展に対する支配階級の恐怖の表明である。今春闘争の大高揚をかちとり、教基法改悪絶対阻止へ闘い進もう。
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週刊『前進』(2184号3面2)(2005/02/07)
都革新 都議選勝利へ盛況
長谷川英憲氏、熱い決意
都政を革新する会の05年新春のつどいが1月23日に杉並区内で開かれ、6月の都議選に向かって全力で闘いぬく決意を打ち固めた。
最初に都革新代表の長谷川英憲さんが11・7集会をレポートするビデオが上映され歌と演奏が行われた。
後援会の実方精一会長があいさつし、長谷川さんを都議会に送り出すために後援会の会員が全力をあげるよう呼びかけた。
長谷川代表が都議選への決意を表明した。「今年の都議選は絶対に勝ちたい」と勝利にかけた燃える意気込みを語った。そして、ブッシュの2期目の就任演説で、アメリカ式自由と民主主義の拡張のためには「軍事力行使もためらわない」と侵略戦争の拡大を宣言していること、小泉首相が施政方針演説で日米安保体制を強化すると言っていることは、世界中で戦争ができるようにすることだと弾劾した。東京から国を変えると宣言する石原のファシストの本性を暴き、「しかし、石原都知事が無敵なのかと言えばけっしてそうではない」と労働者や民衆が決起して闘えば石原を打倒できることを力説した。
長谷川代表は、「3月の卒業式が最大の焦点」として、「日の丸・君が代」強制拒否の闘いが広がることで石原を倒す道が開ける、これこそ都議選勝利の道だ、石原を倒せるのは私しかいない、と提起した。また、介護保険制度の改悪で介護が必要な高齢者から介護を奪うことに対し、「『奪うな介護』を掲げて闘うことで世の中を変える。これを都議選勝利につなげたい」と熱い決意を語った。
乾杯の後、支持者による日本舞踊が新春らしい華やかさを添えた。
その後、「激励の言葉」を受けた。介護と福祉を要求する杉並住民の会代表の八木ケ谷妙子さんが、「政府は何もわかっちゃいない。武力行使とは何事ですか。私たちは人間としてわが道を進めなければいけない」と呼びかけた。
動労千葉特別執行委員の滝口誠さんは、動労千葉が春闘でストライキを配置して闘うことを明らかにした。三里塚芝山連合空港反対同盟からは萩原進事務局次長と市東孝雄さん、鈴木謙太郎さん、萩原富雄さんが駆けつけ、萩原進さんが「私たちは戦争に反対する立場で闘っている。杉並から日本を変えていただきたい。私たちも成田から日本を変える闘いを展開します」と決意を語った。
革共同の天田三紀夫書記長は、世界が戦争の時代に突入し、労働者人民が生活できない状況になっているからこそ「今年はなんとしても長谷川さんを都議会に送り出したい」と決意を語った。そして石原都政が社会保障を切り捨て、学校教育を変えて戦争協力を強制しようとしていることを暴き、それに対して戦争協力拒否の闘いが激しく闘われていることを提起した。「その最大の到達点として教育労働者の『日の丸・君が代』強制拒否の闘いがある」と語り、都議選で「介護を奪うな、『日の丸・君が代』強制反対を掲げて闘うことで石原都政を打倒することができる」と確信も固く訴えた。「石原都政を打倒できるのは都革新以外にない」と訴え、「05年こそ新しい時代を開くために闘う」と表明した。
都立高校元校長の区民は「『君が代』は天皇をたたえた歌。こんな歌を生徒に歌わせることができますか。『日の丸』は戦前に生きてきたものにとって『死に装束』」と弾劾した。
最後に結柴誠一区議、新城節子区議、北島邦彦都革新事務局長が登壇し、結柴区議が、「今日集まった皆さんと力を合わせてこの夏、輝かしい勝利をかちとりたい」とまとめた。
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週刊『前進』(2184号3面3)(2005/02/07)
関西生コン支部1・13不当弾圧 緊急抗議集会に1100人 大阪府警本部に大デモ
武建一委員長など4人が不当逮捕された、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部への1・13不当弾圧に対する緊急抗議決起集会が1月23日、エル大阪大ホールで開催された。会場を埋め尽くす1100人以上が大結集し、集会後に武委員長が勾留されている大阪府警本部までの抗議デモを闘った。(全日本建設運輸連帯労働組合中央本部、近畿地方本部、関西地区生コン支部の〈緊急声明〉を別掲)
この集会は、関西生コン支部など生コン政策協議会加盟3労組と、全日建運輸連帯労組近畿地方本部で構成する集会実行委員会の主催で行われた。関生太鼓の勇壮な演奏から始まり、生コン政策協議会から生コン産労の主催者あいさつ、関西生コン支部の基調報告、全港湾大阪支部からの決意表明が行われた。会場は“不当弾圧と闘うぞ”という熱気にあふれた。
いずれの発言も、生コン産業を支配するセメント独占資本とゼネコン資本に対抗する闘いとして、中小の生コン企業が協同組合へ結集し、生コン産業労働者の雇用と労働条件を守り抜いてきたことを明らかにした。そして、この正当な組合活動に対して「資本主義の根幹を侵すもの」と国家権力が弾圧してきたことに怒りをたたきつけた。さらに、生コン産業労働者の営々たる闘いへの確信と、団結によって必ずや弾圧を打ち破る決意が明らかにされた。
基調報告を行った関西生コン支部の武洋一副委員長は、関生支部が過去のいくたの弾圧をのりこえ今日まで闘ってきたこと、今回の弾圧も、さらなる弾圧が襲いかかってこようとも必ず打ち破る強い決意を表明した。そして、この弾圧は、一部特権階級が支配する体制が崩壊しつつあるからかけられたとして、「資本主義を打倒し、労働者が主人公になる社会をつくりだすために闘う」と語った。
続いて、大阪労働者弁護団、各政党代表、労働組合など、共闘団体の代表が次々と連帯発言を行った。
反戦福祉議員ネットを代表して発言した国賀祥司・泉佐野市議は、関西合同労組顧問の立場から、イラク侵略戦争を始めた日本帝国主義が、階級的原則的に闘う労働組合へ破壊攻撃を行うことは断じて許せないと話した。不屈に国鉄闘争を闘う国労熊本闘争団の代表は「私たちにかけられた国家的不当労働行為の攻撃と、今回の弾圧は根っこはひとつ。連帯してともに勝利するまで闘う」と決意表明した。
地域でともに闘う労働組合として連帯あいさつを行った全国金属機械労組・港合同の代表は、戦闘的に闘い、自立した労働運動を確保し拡大することへの弾圧だとして、「この弾圧はすべての労働組合への弾圧だ。力を合わせ、スクラムを組んで闘おう」と呼びかけた。
関東から駆けつけた動労千葉の田中康宏委員長は、「はらわたが煮えくり返る思いだ」と激しい怒りを表明した。労働者を食い殺して戦争に向かっていく日本帝国主義による弾圧であり、40人の不当解雇と闘い国鉄分割・民営化と闘い抜いてきた動労千葉は、関西生コン支部とともに勝利まで闘うと決意表明した。
最後に、全日建運輸連帯労組近畿地本の戸田ひさよし委員長が閉会あいさつを行った。関西生コン支部の闘いの歴史を振り返りながら、「ピンチと見えるところにチャンスあり。弾圧を受ければ受けるほど、支援が広がっている」と弾圧を粉砕する固い決意を示した。会場全体が大きな拍手と団結ガンバロー三唱でわき上がり、集会後は大隊列で大阪府警本部へのデモに出発した。
不屈に闘う関西生コン支部と連帯して、弾圧を粉砕し、戦闘的階級的労働運動の発展へともに闘おう。
〈緊急声明〉 関西地区生コン支部に対する1・13不当弾圧に抗議する
全日本建設運輸連帯労働組合中央執行委員長 長谷川武久
全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部執行委員長 戸田ひさよし
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長 武 建一
本日1月13日早朝、大阪府警は連帯労組(全日本建設運輸連帯労働組合)関西地区生コン支部に権力弾圧を加え、武建一委員長をはじめ、片山好史、武谷新吾、福島聡の各支部執行委員の計4人を不当逮捕したほか、支部事務所や自宅など30カ所余りを家宅捜索した。
警察が被疑事実にあげているのは、第1に、関西地区生コン支部が生コン産業再建闘争の一環としてとりくんできたアウトサイダー業者の協同組合加盟促進活動が、強要未遂および威力業務妨害罪にあたるというものである。第2に、武委員長が機関決定を経ずに組合資金を知人の生コン会社に貸し付けたことが背任にあたる、というもののようである。
これらはいずれも、連帯労組関西地区生コン支部が、労働者の雇用安定と中小企業の経営安定の実現を目的としてとりくんできた正当な組合活動のイメージダウンをねらう、卑劣なでっちあげというほかない。
連帯労組関西地区生コン支部は1994年以降、交通労連生コン産業労働組合や全港湾大阪支部とともに生コン産業政策協議会を結成。建設工事の激減下に、慢性的な業界の過当競争状態が原因となって進行する生コン販売価格の値崩れ=業界共倒れの危機を打開し、大多数が中小企業で構成される生コン産業再建と労働者の雇用安定をめざす業界再建政策を立案、推進してきた。
具体的には、経済的弱者である中小企業=生コン業者が法律で認められた協同組合の下に団結することで、生コン産業を支配するセメントメーカーとゼネコンに対抗して、採算のとれる適正価格や適正取引条件を実現すること、これによって、倒産寸前に追い込まれた中小企業の経営を安定させると同時に、そこではたらく労働者の雇用と労働条件を守ること、併せて、過当競争が温床となって後を絶たない欠陥生コンを追放して、消費者の安全と安心を保障できる高品質な生コンを提供する社会的役割をはたすこと、などをめざして活動をすすめてきたのである。
この政策活動は、大阪、兵庫をはじめ近畿一円の生コン業者・業者団体の強い支持の下で大きな成果と実績をあげたにとどまらず、いまや全国的規模で生コン業界再建のモデルとして中小企業と労働者の共感を集めるに至っている。
しかしながら、労働者と中小企業の大同団結で健全な業界に作り直そうという、この大きな流れに背を向けて、いぜんとして個別企業の私的利益を優先するアウト業者(協同組合未加盟業者)が存在しており、セメントメーカーやゼネコンは、これらアウト業者を不当な利益追求の手段として利用してきたのである。こうしたアウト業者に対して協同組合への結集をよびかけ、同調を求める活動は、労働者と中小企業の利益にかなった大義ある正当な労働組合活動以外の何者でもない。
他方、この正当な活動が威力業務妨害事件に仕立て上げられたことで、大きな成果をあげつつある業界再建活動が停滞、そして後退するのを誰よりも望んでいるのは、この間、中小企業と労働者が団結して大企業支配に対抗する新たな産業秩序づくりがすすむのを快く思わず、すきあらばこれを妨害、破壊しようと画策してきたセメントメーカーであり、ゼネコンである。
正当な組合活動を強要未遂や威力業務妨害にでっちあげた今回の大阪府警の弾圧は、まさに労働者と中小企業が10数年間にわたって血みどろで進めてきた業界再建活動を国家権力の手で破壊する一方で、大企業であるセメントやゼネコンの利害を代弁する暴挙にほかならない。
さらに大阪府警は、今回の権力弾圧を最大限効果的にするために、関西地区生コン支部を代表する武建一委員長が、あたかも組織の利益に反するやり方で組合費を私的目的のために流用しているかのように描く背任容疑があるとして、意のままになるマスコミと一部の堕落した労組幹部を利用して、武委員長と関西地区生コン支部の社会的信用を貶(おとし)めようとしている。
しかし、いうまでもなく、連帯労組関西地区生コン支部の財政活動は、毎年の定期大会をはじめとする機関会議に公認会計士の厳格な監査を経て会計報告がなされているうえ、税務調査も都度受けて適正とされてきたものであり、何ら問題があるはずはない。それにもかかわらず、大阪府警が背任などと主張すること自体、今回の弾圧の本質が、国家権力による前代未聞の組合つぶし攻撃にほかならないことを示している。
以上みたとおり、今回の弾圧は、中小企業と労働者の団結にくさびを打ち込み、大企業支配に代わる新たな産業秩序をつくる大義ある政策活動を破壊することを本質的な目的としている。
「嵐は樹を鍛え育てる」とのたとえのとおり、40年にわたる闘いの歴史をもつわれわれは、過去にも幾度かの権力弾圧を受ける都度、それを反面教師として受け止め、より一層団結を強化して運動を発展させてきた。われわれは、これまですすめてきた我々の政策活動こそが、未来を失った大企業中心の経済・産業秩序に代わって、労働者と中小企業のあるべき未来を切り開く道であり、これ以外に現在の危機を打開する方法はないとあらためて確信する。
そうした確信を全組合員、そして、中小企業家と分かち合いながら、われわれは、不当な権力弾圧をはね返し、不当に拘束された仲間を早期に奪還する闘い、そして組織に加えられた言われなき汚名を見事に晴らす闘いに立ち上がることを表明するものである。
さらに、われわれは、これまでにもまして政策活動を強化し、05春闘期間中により大きな成果を達成する決意であることをも表明するものである。
以上
2005年1月13日
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週刊『前進』(2184号5面2)(2005/02/07)
スマトラ沖地震と大災害
帝国主義と新植民地体制こそがこの大惨事の元凶
年末年始以来、本格的な帝国主義の大攻撃や大事件が連続して生起している。プロレタリア自己解放闘争を闘うわれわれが真っ向から闘わなければならないものの一つに、スマトラ沖地震・インド洋大津波と未曽有(みぞう)の大災害の発生の問題がある。階級社会に生きるわれわれは、どんな自然災害も階級的規定性を与え、階級的災害として内外情勢に組み込んでいかなければならない。
次々と地震・大津波のビデオ映像が報道されている。数十万もの死亡者・行方不明者が出たのだ(1月25日時点で29万7千人という死亡者数が発表されている)。この事態は、単なる自然災害の結果ではなく、階級的大災害、人為的災害と言えるものだ。
帝国主義とその新植民地主義体制こそが、被災諸国人民の貧困、劣悪な住居、災害に対する無防備状態をつくりだし、放置していたことによって、数十万の人びとを死亡させたのだ。
昨年9月、国連の教育科学文化機関(ユネスコ)が地震が発生した場合にインド洋で大津波が発生する脅威があると警告し、早期警報システムの導入が検討されたにもかかわらず、米日を始めとする帝国主義諸国が資金援助をしようとせず導入が見送られた。
しかも、今回ハワイにある米国海洋大気管理局(NOAA)が地震発生をキャッチしてから数分以内に「壊滅的な波がインド洋に広がっている」とみていたにもかかわらず、ディエゴガルシア島の米軍基地に津波警戒情報を伝えただけでインド洋周辺諸国には通報も警告もしなかった。まさに今回の津波災害は帝国主義による人災そのものだ。
帝国主義諸国は、見え透いた姿で「人道的」であるかのごとく振る舞っている。しかし、「救援・支援」活動のあり方をみればそのペテンは一目瞭然(りょうぜん)である。帝国主義の真の狙いは、新植民地体制諸国の再編的掌握そのものだ。さらに言えば、再侵略と再分割だ。
そのためにムスリム人民の民族解放闘争を圧殺しようとしている。パウエル米国務長官(当時)は、イスラム人口が世界最多のインドネシアへの支援は「テロとの戦い」だと言明した。
インドネシアのアチェは天然ガスを産出する地域であり、米石油資本のエクソンモービルが操業している。01年のアチェ人民の武装決起では、この天然ガス採掘が一時操業停止に追い込まれ、同年12月にはエクソンモービルの現地法人従業員を乗せたバスが銃撃を受け、インドネシア人従業員1人が死亡するという事件も起こっている。米帝は混乱状態につけ込んで米軍派兵によってこの地域を直接軍事制圧することさえ狙っているのである。
また、米帝は当初、支援グループの「コア」=「有志連合」の結成を提唱したことにみられるように、EU=独仏帝との露骨な争闘戦を展開しているのである。そして実際にやっていることは、米軍1万4000人の大動員であり、それと完全に連携した日帝・自衛隊の千人を超える大派兵である。それは「救援」を口実とした軍事行動そのものだ。さらに言えば、「不安定の弧」地域への軍事介入、足がかりであり、また軍事的共同行動の大演習である。トランスフォーメーション戦略の発動だ。
帝国主義には本当に被災人民を「救援」しようという気持ちなどまったくない。米帝は、世界保健機構(WHO)がこのまま放置すれば多くの人が疾病で命を奪われる恐れがあると警告した後にようやく救援資金の拠出を表明したが、その額はわずか1500万jに過ぎなかった。それはイラクでの米軍経費の1日分に過ぎず、国内と世界から非難の声がまき起こった後に増額されたが、ライス新国務長官の「津波はアメリカにとってすばらしい機会だ。大きな見返りの利益がある」という言葉にその本質が示されている。
この帝国主義の本質を示しているのが、とりわけ日帝の動きである。日帝は、「災害支援」を絶好の口実として、陸・海・空自衛隊を侵略出兵させた。さらに自衛隊の海外活動(その基本は軍事侵略)を「正面任務」とするために全力で今回の事態を利用した。そのための自衛隊法改悪案を通常国会に提出することを決めた。まさにこうした帝国主義のあり方こそが、今回の膨大な死亡者を生み出した根本原因なのだ。
そして日本共産党は今回の自衛隊の「災害救援」派兵に全面的に賛成している! 「テロ根絶」論に続く歴史的裏切りだ。
われわれは以上のような「災害」のもつ階級性・階級的人災性を暴露しつつ、自国帝国主義の全面的階級攻撃と対決し、「日の丸・君が代」決戦を軸に4大産別決戦を爆発させる闘いに、この2〜3月総決起していかなければならない。
さらには、直接の「災害」との闘いで被災地の労働者階級、また在日・滞日アジア人民がいかにこの事態に向かって闘おうとしているのかを最大限対象化し、その闘いと連帯していく道を模索していくことが求められる。
結論的には、「津波災害」がわれわれに突きつけるものは、プロレタリア世界革命による帝国主義の打倒と新植民地主義的支配体制の根本的転換が、本当に待ったなしに迫られているということだ。6月都議選勝利へ、05年新年号の大学習運動を継続し、さらに基本方針の全面的本格的な物質化のために、2〜3月の「日の丸・君が代」強制攻撃に階級的大反撃をたたきつけていくことが当面の最大の課題だ。
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