ZENSHIN 2004/12/27(No2180 p06)

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週刊『前進』(2180号1面1)(2004/12/27)

教労を先頭に05年決戦へ
11・7国際連帯の地平を発展させ勝利開こう
 ブッシュ=小泉枢軸を粉砕し世界戦争の道を阻止しよう
 「経労委報告」と徹底対決せよ

 小泉政権と日本経団連・奥田による戦争と大失業の攻撃は、ますます野放図なまでに激化している。12月9日のイラク派兵延長に続き、10日には新「防衛計画の大綱」が決定された。小泉と奥田はついに、米帝ブッシュ政権と結託して果てしない侵略戦争―世界戦争の道にのめり込む決断をした。そしてこの戦争・改憲の攻撃と一体のものとして、労働者階級への大失業と民営化・労組破壊、社会保障解体、大増税の攻撃をしかけている。労働者階級の戦争と生活破壊への怒りを根底から解き放つことこそが、この全攻撃を打ち砕く唯一の道だ。11・7集会に結実したランク・アンド・ファイル(現場労働者)の決起をさらに拡大し、4大産別決戦勝利へ進撃しよう。闘いの爆発に恐怖する日本共産党中央やファシスト・カクマルの敵対を打ち破り、05年決戦の勝利を切り開こう。

 第1章 安保政策を根本的に転換する新防衛大綱

 12月9日のイラク派兵延長ならびに、10日の新防衛大綱と中期防という二つの閣議決定は、日本が再び国を挙げての戦争に本格的に突き進むことを宣言した歴史的大攻撃である。闘う労働者階級はこれを断じて許さず、戦争と改憲を実力で阻止し、社会を根本から変革するために猛然と立ち上がらなければならない。
 小泉政権は、米帝ブッシュと一体となってイラク侵略戦争にどこまでものめり込むとともに、この戦争を全中東へ拡大し、さらに北朝鮮・中国侵略戦争へと突き進んでいくことを決断した。これは、日本帝国主義が米帝ブッシュの世界戦争政策のもとに米英日枢軸を形成し、むきだしの軍事力による世界の再分割戦にうって出るという決断だ。
 帝国主義が二つの陣営に分裂して世界の資源・市場・勢力圏の強奪戦を展開し、ついには世界戦争へと突き進む。それは同時に帝国主義国による侵略と虐殺と征服のための戦争がいたるところで強行され、これに対する被抑圧民族人民の命がけの民族解放・革命戦争が噴出していく過程である。まさに今、イラクで起きていることはその始まりだ。日帝・小泉はブッシュとともに、世界戦争の過程に突入したのだ。
 そのことを示すのが新防衛大綱である。そこでは「我が国の安全保障の目標」として、「日本防衛」と並び「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に危害が及ばないようにする」ことが初めて掲げられた。「中東から東アジアに至る地域」が特に重要として、その「安定化」に努めるとしている。そして海外派兵を「国土防衛」と並ぶ自衛隊の主任務とし、どんな事態にも即応できる「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」の整備を打ち出した。そこにはミサイル防衛(MD)の推進や、陸上自衛隊を再編して「中央即応集団」という名の5千人規模の日本版特殊部隊を創設する方針が含まれている。
 この新大綱とともに出された中期防衛力整備計画(05〜09年度)では、長距離・大量輸送能力の確保とともに、敵基地攻撃能力の保有へ向けた重大な踏み込みが行われた。また細田官房長官は、新大綱の発表とあわせて、武器輸出を禁じた武器輸出3原則の事実上の撤廃を打ち出した。
 これは米帝ブッシュがやっているように「世界の安定」と称して他国に先制的にどしどし戦争をしかけるということだ。そのために一層の大軍拡をやり、自衛隊を完全な帝国主義侵略軍隊にしていくということである。その突破口が自衛隊イラク派兵の延長だ。
 小泉政権のもとで日本は今や、戦争と改憲への決定的な曲がり角をついに回った。このことは極右勢力の登場を導き、排外主義・好戦主義の大洪水を呼び起こすのだ。すでに北朝鮮の反人民的な拉致問題を口実に制裁発動をという排外主義が吹き荒れている。これに対し、野党は全面的に唱和し総屈服を深めている。
 11・7に結集した日米韓労働者階級の国際的に団結した力だけが、この状況を打ち破ることができるのだ。世界を変え、日本を変える力はここにある。

 第2章 「攻めのリストラ」を経労委報告で再宣言

 こうした〈外への侵略戦争〉と同時に〈内への階級戦争〉の攻撃もますます激しくなっている。
 12月14日、日本経団連は05年版経営労働政策委員会報告を発表し、「攻めのリストラ」推進をあらためてむきだしに宣言した。首切り・賃下げと全労働者の不安定雇用化をさらに徹底的に推し進めるということである。春闘は「すでに終焉(しゅうえん)した」と言い切り、定期昇給の廃止を宣言。また、教基法改悪を推し進めることを公然とうたった。さらに「労働条件決定は労使自治が基本」と言い、労組幹部を抱き込んで合意すればどんな劣悪な労働条件も押し付けられるとし、労働法制の全面解体を主張している。
 加えて、大増税攻撃がついに本格的に始まった。12月15日、自民・公明両党は、所得税の20%、個人住民税の15%を一律に税額から差し引くとしてきた定率減税を05年度にはそれぞれ10%、7・5%に半減すると決定した。06年度には減税自体を廃止する。年収125万円以下の低所得高齢者に対する非課税措置をも撤廃し、フリーターへの徴税も強化する。そして07年度には消費税率の大幅アップへ踏み込むのだ。
 金融資本・巨大独占資本の救済のために巨額の国家財政を湯水のように注ぎ込む一方で、膨れ上がる財政赤字のツケをすべて労働者人民に露骨に押し付けようというのだ。これは結局、戦費調達のための増税につぐ増税に行き着く。
 だがこんな攻撃に労働者階級がこのまま黙っていると思ったら大間違いだ。怒りは全社会に充満し、闘いの芽はあらゆるところに噴き出している。だからこそ日帝は、治安弾圧の強化や労組破壊に必死で突き進んでいるのだ。
 必要なのは、労働者階級の団結した闘いだ。労働運動の現状を変革し、労働組合の闘う力をよみがえらせることだ。この中にこそ、全社会を変革するアルキメデスのテコがある。11・7労働者集会は、そのことを決定的に示したのだ。
 東京のある教育労働者は、集会で得た確信を次のように語っている。
 「今、本当に分岐が始まっています。誰が本当に闘う者なのか、誰にとってもすぐにわかる時代が来ています。『何を言うか』ではなく『何をするか』が問われている。そして本気で闘おうとしている人たちは、今までの枠組みを越えて一つになりつつある」(前号4面)
 まさに「労働者の団結した闘いこそが生活と権利を守り、戦争を止める力」(11・7集会アピール)だ。そのためには、11・7で誓い合ったランク・アンド・ファイル運動を、4大産別を先頭に本気で全国の職場で大々的に巻き起こして闘っていくことだ。そして戦争と闘い、資本の攻撃と闘う労働者階級の歴史的な大統一行動を、国際的にも国内的にも一層巨大につくりだして闘うことだ。
 「日の丸・君が代」被処分者・被解雇者の不屈の闘いと国鉄1047名闘争はその最先頭に立つものだ。全労働者の力でこれを守り、支え、連合支配を揺るがす大闘争へと発展させていこう。教労を先頭に、4大産別を軸として05年決戦へ突き進もう。

 第3章 カクマル「告訴」運動を絶対に粉砕しよう

 カクマルと日本共産党中央は、11・7が切り開いた闘いの前進に恐怖し敵対して、実に卑劣な闘争破壊に出てきている。とりわけカクマルが開始した「告訴・告発」運動は、都の教育労働者が闘いとってきた「日の丸・君が代」不起立闘争の地平を破壊し、来春の卒・入学式闘争つぶしを狙った大反動だ。
 カクマルは、不起立闘争を呼びかけることは「弾圧・処分引き出しを自己目的化した挑発者の扇動」であるなどと、機関紙やビラでわめいている。その本音は、“不起立闘争はハミダシだ”“職務命令には従い起立・斉唱せよ”ということだ。「不起立をすれば処分するぞ」という10・23通達の脅しに屈服し、不起立闘争を二度と爆発させないためにのみ「告訴」運動で闘い全体をねじまげ、破壊しようとしているのだ。
 そこにあるのは、闘っても権力には勝てないという権力万能神話であり、労働者階級の自己解放闘争への徹底した蔑視(べっし)と否定である。権力と闘わず、逆にその先兵となってカクマルだけが生き残るという腐敗しきった反労働者的思想である。国鉄分割・民営化に際し、カクマル組織の温存のために当局の先兵となって国労・動労千葉つぶしに全力を挙げた大罪を断じて忘れるな。
 カクマルによる「告訴」運動の反革命的な狙いを暴き、粉砕して、被処分者の団結を軸に来春卒・入学式闘争の04年を上回る大爆発を闘いとろう。東京を先頭に全国の教育労働者の大決起、全労働者階級の総力を挙げた決起で「日の丸・君が代」攻撃をズタズタにし、教育基本法改悪阻止・改憲阻止への巨大な展望を切り開こう。
 沖縄・辺野古では、名護新基地建設を実力で阻止する命がけの海上攻防が続いている。これは、日米帝の世界戦争政策とその最先端で真っ向から激突し、粉砕していく闘いだ。沖縄現地の不屈の闘いを全力で支え、ともに闘おう。

 圧倒的な年末カンパ達成を

 05年決戦の勝利をかちとるために、革共同は、すべての労働者に圧倒的な年末一時金カンパを訴える。今こそ革共同の旗のもとに結集しよう。青年労働者はマルクス主義青年労働者同盟に結集し、ともにプロレタリア革命へ闘おう。

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週刊『前進』(2180号1面2)(2004/12/27)

ワールドアクション 派兵延長を弾劾 沖縄・辺野古と連動し “自衛隊撤兵”の渋谷デモ

 12月11日夕、STOP WAR!WORLD ACTIONが、「ファルージャ大虐殺弾劾! 自衛隊は撤退しろ!」を訴えて渋谷・宮下公園でリレートークを行い、渋谷をピースウオークで一周した。自衛隊イラク派兵延長の閣議決定に怒り、どこに行けばデモをやっているか調べて来た渋谷在住の高齢者を始め、250人が集まった。
 実行委の代表は、「小泉政権は『テロに屈しない』という言葉でこの国を侵略戦争に突入させている。『自爆テロ』はイラク人民の抵抗闘争であり、イスラムのパルチザンだ。失業や沖縄への基地押しつけに反対しよう。イラク人民と連帯し、辺野古で新たな基地建設と闘っている人びととともに侵略戦争を打ち砕こう」と力強く提起した。
 リレートークではさまざまな課題がさまざまな立場から提起された。埼玉の女性は、「新しい歴史教科書をつくる会」の高橋史朗を埼玉県教育委員に任命しようとする動きを阻止したいと、集会、県庁前座り込みへの結集を呼びかけた。法政大学の学生は自治活動、サークル活動を破壊する学生会館の閉鎖・解体を弾劾し「学生の力で教育と大学を変えていこう」とアピール。神奈川県藤沢市の青年は「戦争非協力を貫くための武器として“無防備地域宣言”を進めています。ぜひ協力を」。
 「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の青年は、「腹わたが煮えくり返っている。だからといって私たちはあきらめない。たとえ延長が決められても即時撤退をかちとるぞ!」と叫んだ。そうだ! 参加者は渋谷の街に繰り出した。
 会社員など飛び入りが続出した。「私たちイスラムは皆デモに出たいと思っているが、日本の入管は怖い。でもきょうはがまんできずにデモしました。また来ます」とバングラデシュの男性が語った。
 ピースウオークは再び宮下公園へ、「戦争と大失業を生み出しているのは小泉政権だ。団結して闘い、戦争とめよう!」とこぶしを突き上げた。

 12・9国会行動

 自衛隊のイラク派兵延長閣議決定が行われた9日、ワールドアクションの呼びかけで閣議決定反対の国会前行動が行われた。
 ファルージャ大虐殺を物資輸送で支援し、イラク民衆の自衛隊撤退の声を踏みにじる小泉政権を絶対に許さないという思いで多くの人が集まった。「テレビで知り、国会前に行けば誰かいると思って来ました」と、静岡から駆けつけた女性もいた。ビラの受け取りも良い。労働者は派兵延長に反対なのだ。名護新基地建設阻止の国会座り込み参加者と一緒にシュプレヒコールを国会にたたきつけた。
 その場に、辺野古にいる学生から「今ヤグラの上にいます」という連絡が入った。ファルージャ虐殺の主力部隊は沖縄から出撃した5千人の海兵隊だ。派兵延長は沖縄の基地強化であり、自衛隊撤退と米軍基地撤去は一体の闘いだ。
 午後、内閣府に派兵延長中止を申し入れた。ワールドアクション、隊員家族と元自衛官連絡会が申入書を読み上げ、「復興支援は大ウソだ! 派兵延長はさらなる侵略だ!」と徹底的に弾劾した。

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週刊『前進』(2180号2面1)(2004/12/27)

不起立闘争つぶしに走るカクマル
権力への「告訴・告発」運動は“職務命令には従え”の大反動
 これは党派間の争いではない

 カクマルの「告訴・告発」運動は、日に日に反労働者的本質が暴かれ、大衆的批判が高まっている。追いつめられたカクマルは凶暴な正体をむき出しにして、被処分者や闘う人びとにまとわりつき、脅しと嫌がらせを強めている。12月12日には教労カクマルが、被処分者の会など3者の事務局会議に押しかけたことが明らかになり、怒りと批判が高まっている。カクマルの攻撃の矛先は、都知事・石原や横山教育長ではなく、不起立闘争を闘う労働者に向けられている。闘う教育労働者の皆さん! 告発人や賛同人に名を連ねる弁護士、各界の皆さん! カクマルの「告訴」運動が不起立闘争を敵視し、被処分者の闘いと団結を破壊する運動であることをはっきりと見抜き、「告訴・告発」運動からきっぱりと手を引こう。これは党派間の争いではない。労働者にとって何が正義で、何が正しい運動・路線であるかの闘いだ。カクマルの敵対・妨害を粉砕し、来春の卒・入学式闘争の大爆発で石原・都教委を打倒しよう。

 「ハミダシ、挑発者」と不起立者を攻撃

 カクマルは被処分者の会を始めとする3者の団結と闘いに恐怖し、それを破壊しようとしているのだ。とりわけ11・7労働者集会に被処分者が多数結集し、日米韓労働者との階級的団結が強くうち固められたことを憎悪し、この闘いを押しつぶそうとしている。絶対に許せない。
 そもそもこの告訴運動を進めている都高教カクマルは、今春の「日の丸・君が代」不起立闘争に敵対し、卒業式では1人も不起立しなかった。ところが数百人の教育労働者が都高教執行部の屈服方針をはねのけて“山猫スト”的に不起立闘争に決起したことに驚き、あわてて4月入学式でたった1人を座らせて被処分者の陣形に潜り込んだ。
 こんな連中が口にしている「『日の丸・君が代』強制反対」など、絶対に「にせもの」だ。カクマルは都教委の03年10・23通達に屈服し、不起立闘争に敵対しているのだ。自ら率先して10・23通達に従いながら、「本部指示に従って起立し屈辱に耐えた」などと、自分たちの裏切りを都高教執行部になすりつけて開き直っている(『解放』8月16日号)。そして逆に、不起立闘争を闘った教育労働者を「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向」と非難し、その「克服」=破壊を呼びかけているのだ。さらに、今や不起立闘争を「挑発者の扇動」と非難し、憎悪をあらわにしている。(別掲)
 表向きは中核派を「批判」する形式をとっているが、カクマルの憎悪は不起立闘争そのものに向けられている。「挑発者」という規定は、何か一般的に考え方や方針が違うということではない。「挑発者」と決めつけた瞬間に、それは力ずくでたたきつぶすべき対象であることを意味するのだ。被処分者に対するカクマルのこの間の脅しや嫌がらせ、まとわりつきは、明白にそうした性格をもっている。
 カクマルは、不起立闘争が全国の教労のみならず、産別をこえて多くの労働者に勇気を与え、力を与え、勝利の確信と展望を与えてくれたこと、それが大きな炎となって燃え広がることを予感し、何とか押しとどめようと、凶暴なきばをむきだしにしてきたのだ。

 「日の丸」労働運動がカクマルの正体

 もともとカクマルは、「日の丸・君が代」に賛成している連中である。別掲の写真と発言はJR総連カクマルの頭目、カクマル副議長・松崎明のものだ。松崎と動労カクマルは1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に全面屈服し、20万人首切り合理化、国労・動労千葉破壊の手先となった。
 松崎は、87年の国鉄分割・民営化強行の直後に、「組合委員長室に国旗=日の丸がないのはおかしい」と言い、「日の丸」をJR東会社社旗と東労組組合旗との3本セットで自分の机の上に掲げて、日帝権力・資本への忠誠のあかしとした。「日の丸」労働運動――これがカクマルがやっている労働運動の正体だ。
 カクマルの「日の丸」労働運動の帰結は侵略戦争協力であり、階級的労働運動の圧殺だ。松崎は、雑誌『創(つくる)』12月号で、新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男と対談し、次のように言っている。
 「戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……はっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしているわけですよ」
「ここまで世の中が変わってきて、軍需輸送だから断固拒否してストライキなんてことは一言も言ったことないし、そんなことはすべきじゃない……。現段階では労働組合がやるべきこととは違う」
 国が侵略戦争をする時は、労働組合は協力するのが当たり前と言っている。ストライキなどやってはならないと言っているのだ。これは陸・海・空・港湾労組20団体の戦争協力拒否の闘いの否定である。 
 この論理からすれば、教育労働者の戦争協力拒否運動である「日の丸・君が代」不起立闘争は、「労働組合がやるべきことではない」ということになる。「10・23通達には従う」という都高教執行部の屈服方針そのものであり、その全面的擁護である。だから、これをのりこえて闘われた「君が代」不起立は「ハミダシ」であり、「処分・弾圧を引き出すための挑発者の運動」であり、粉砕の対象だというのである。
 都高教執行部を批判しているかのポーズをとって、実はカクマルの攻撃の矛先は現場組合員の実力決起、ランク・アンド・ファイル運動に向けられている。
 「組合執行部の闘争放棄をのりこえつつ……」などと、さもさものことを言いながら、実際にやることは「本部指示に従って起立し(屈辱に耐え)ろ」(前掲『解放』)ということなのだ。その代わりに、闘っているふりをしながら不起立闘争をつぶすために「告訴・告発」運動をやろうということなのだ。
 そもそも脅迫、強要罪とは、脅しに屈せず不起立するのではなく、「強要された」すなわち「脅されたから立って歌った」ことが前提となって、初めて成り立つものだ。それは、教育労働者の人間としての誇りと人生をかけた不起立決起と、まったく相いれないものである。
 「告訴・告発」運動は、教育労働者を「被害者からの事情聴取=取り調べ」と称して、ばらばらにして警察・検察の事情聴取の前にさらす。警察・検察がこれを絶好のチャンスとして教育労働者を脅迫して、闘いへの決起を抑えつけるために利用することは火を見るよりも明らかだ。板橋高校の元教員・藤田さんを起訴したのは、立川反戦ビラ入れ弾圧と同じ検事である。出てくるのはこうした治安検事なのだ。彼らに向かって、いったい何を「堂々と意見を述べる」(告訴・告発事務局の文書)というのか。

 全労働者の決起で来春不起立闘争へ

 日帝のイラク侵略戦争へののめり込み、北朝鮮・中国侵略戦争策動の強まり(戦争遂行体制づくり)の中で、労働運動の存亡をめぐる階級決戦が到来している。教育労働者の「日の丸・君が代」不起立闘争は、その最先端で、労働運動全体の命運をかけて爆発している白熱的攻防点である。今春の教育労働者の決起こそが、今年の日本の労働運動を力強く牽引(けんいん)した。全国の労働者は、この決起に勇気百倍となって、あらゆる反動をのりこえて闘った。それが11・6教基法改悪反対大集会―11・7全国労働者総決起集会=国際連帯闘争の日比谷野音を埋め尽くす大闘争に結実した。
 この闘いこそ、教育基本法改悪・改憲攻撃を打ち砕き、日帝の戦争への道を阻み、労働者階級の未来を切り開くのである。
 再び訴える。これは党派間の抗争ではない。カクマルの攻撃の矛先は「君が代」不起立闘争と被処分者に向けられているのだ。「告訴・告発」運動を完膚無きまでに粉砕し、来春卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争の大爆発を実現しよう。

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 組合委員長室に「日の丸」得意げなカクマル松崎明

 「ヨーロッパとかアメリカに行くと、組合の委員長室に必ず国旗があるが、なぜ日本にはないんだ。おかしいじゃないか。…国旗を掲げないのが革新なのか」(1987年7月、勝共連合の新聞『世界日報』で)
写真は1994年8月、JR東労組委員長室のカクマル松崎明。机の上には「日の丸」とJR東労組とJR東日本の3本の小旗が並ぶ。(『宝島』94年8月24日号)
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 「戦争協力」を誓い、不起立闘争を「ハミダシ」「挑発者」と避難するカクマル

 戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……はっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしているわけですよ」(松崎明、『創』12月号)
 「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向をも克服するために努力しよう」(『解放』8月16日号)
 (『不起立宣言』なるものを強要しているのだ。これはまさに弾圧・処分引き出しを自己目的化した挑発者の扇動以外のなんであるのか!」「『不起立闘争』方針なるものは……組合員たちに“派手な”闘争形態だけをおしつけるものでしかない」(同12月6日号)

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週刊『前進』(2180号2面2)(2004/12/27)

神奈川県教委の「通知」弾劾
処分への踏み込み許さず 不起立・不服従で闘おう

 東京に続いて「不起立処分」狙う神奈川県

 首都圏で、東京の「日の丸・君が代」大量処分に続く動きが始まっている。
 神奈川県教育委員会は11月30日、早々に来春へ向けて「入学式及び卒業式における国旗の掲揚及び国歌の斉唱ご指導の徹底について(通知)」を各県立学校長あてに発した。
 それは、@教職員全員の業務分担を明確に定め、A「斉唱時に教職員は起立」と明記し、B「これまで一部の教職員による式に対する反対行動が見受けられた」から「各学校においては、このようなことのないよう指導の徹底を」として、「教職員が校長の指示に従わない場合や、式を混乱させる等の妨害行動を行った場合には、県教育委員会としては、服務上の責任を問い、厳正に対処していく」と、教職員への懲戒処分に踏み込むことを宣言した。従来、12月に発していたものを11月へと前倒しし、教職員に対する「不起立処分」へと大きく踏み込んだ重大攻撃である。
 これに先立つ9月28日、神奈川県の曽根教育長は、自民党の小島県議の質問に答えて、「一部少数の教職員が(国歌斉唱時に)起立しなかったとの報告があった。教職員は、儀式にふさわしい態度や行動を生徒に理解させる立場。起立は当然」と述べ、来春卒・入学式では、起立指導に反した教育労働者に対しては懲戒処分を含めた対応をとると答弁した。
 また、「新しい歴史教科書」の採択運動などを行っている神奈川教育正常化連絡協議会が提出した「入学式・卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の指導の徹底」を求める請願が県議会で採択された。極右勢力と県議、そして教育委員が連携して「日の丸・君が代」を暴力的に強制しようという、東京とまったく同様の攻撃が始まったのだ。
 神奈川を「第2の東京」にする反動攻勢を、絶対に許してはならない。
 問われているのは、高教組・神教組・地区教組の総反撃である。組織の総力を結集して、通知に対する抗議・撤回闘争に取り組み、不起立・不服従闘争に決起しよう。これまで予定調和的に成り立っていた、県教委との交渉のみに依拠する「神奈川方式」に、今や神通力はない。戦時下での教育基本法改悪攻撃を前にして、「神奈川方式」に幻想を持ち、これに依拠し続けようとすることは、神奈川の教育労働運動を戦争翼賛運動へと変質させることにほかならない。東京の闘いと連帯し、「拒否・不服従・不起立」闘争の組織化を図ることが大切である。
 一方、埼玉では県教育委員任命をめぐって、教育労働者を先頭にかつてない広範な労働者階級人民の怒りの決起が始まっている。

 「日の丸・君が代」攻撃の核心は日教組破壊

 「国家戦略」としての「教育改革」攻撃の核心は、日教組運動の根絶にある。教育労働者を分断・排除(団結破壊)し、管理統制(命令服従システム)の強化を図り、「上からの教育改革」を貫徹しようとしてきた。都教育委員会は、「国旗・国歌の問題は、学校経営上の最大の核心であり、教育改革の成否が問われるものである」と、その本音をあからさまにしている。「教え子を戦場に送るな」の原点と一体のものである「日の丸・君が代」闘争は、日教組運動の第一級の課題である。
 ところが、文部省とのパートナー路線を突き進んでいた日教組中央は、95年に「日の丸・君が代」闘争を始めとした「闘争課題5項目」を放棄した。それ以後の10年間、「日の丸・君が代」が大手を振り始め、教育現場の閉塞(へいそく)感は強まり、組織力・団結力は後退を強いられてきた。そして日教組・各教組の「日の丸・君が代」に対する位置づけと方針は歪曲され、「闘わない」論理を正当化するものへと変質を強めている。
 それは第一に、教基法改悪反対を言いながらも、具体的な改悪阻止闘争を組織せず、教基法を「読み活(い)かす」運動に切り縮め、一方で文科省に対して「教育振興計画」策定を要求するといった、本末転倒の方針を採っていることである。
 すでに改悪教基法の先取り実施が「教育改革」の名で進められ、今や学校現場は多忙化と閉塞感が混在する「荒廃状態」と化している。本当の意味で「読み活かす」ならば、闘争課題5項目を復権させ、職場闘争を強化しなければならない。とりわけ、「日の丸・君が代」強制との闘いは、教基法第10条をめぐる具体的かつ現実的な攻防点だ。
 しかし、この間の日教組関連の集会を見るまでもなく、「日の丸・君が代」は一貫して後景化されている。「日の丸・君が代」・教基法闘争をわがものとし得ない日教組中央に、未来を託すわけにはいかない。
 第二に、「日の丸・君が代」攻撃の本質が組織破壊攻撃であるにもかかわらず、「個人の思想・良心の自由」にすり替えていることである。ブルジョア民主主義的な「個人の意志」に重点を置いた時、階級的団結と組織的抵抗闘争は成り立たなくなる。現に新自由主義は、「団結形態の解体」と「個への分断」を一体のものとして攻撃を仕掛けてきている。闘うことでしか自由や権利は守れないし、獲得もできない。
 第三に、「生徒の思想・良心」問題に論点をすり替えていることである。問われているのは、生徒の前に立ち、生徒を直接指導する教育労働者一人ひとりである。
 すでに都教委は、生徒に対する「君が代」斉唱の指導徹底を職務命令をもって実践させようとしている。不起立・不斉唱の生徒がいれば、指導力不足・不適格教師として「処分」され排除されるところにまで、教育労働者は追い込まれてきているのである。
 自らが自己解放をかけて拒否・抵抗闘争に立ち上がってこそ、「生徒の思想・良心の自由」も守られるのである。
 第四に、「闘わない論」を正当化する論法として、教育実践主義への埋没が、急速に進んでいることだ。
 教育労働者(教師)にとって、「教える」とは、「学び考える」とはなんなのか。そういう自問自答や人間的自己解放への契機も持ち得ずに「教える運動」に傾斜していった時、教育労働者は誇りも奪い取られ、階級意識も解体される。教えることは自ら学ぶことであり、不当・不条理なものに対する抵抗闘争なしには成り立たない。

 東京の決起と共に戦争協力拒否を貫こう

 11・7全国労働者集会に迫力を添えたのは、不起立闘争を闘った東京の教育労働者の登壇とアピールであった。東京で数百人の教育労働者が意気軒高と闘いぬいている。この闘いこそ、教基法改悪・改憲阻止の核心であり、教育労働者の自己解放をかけた戦争協力拒否の闘いである。さらに、日教組を闘う教育労働者の手に取り戻す、ランク・アンド・ファイル運動(現場労働者の手による組合運動)そのものである。
 この不起立闘争を「挑発」「ハミダシ」と罵倒(ばとう)し、警察・検察権力を介入させるカクマルの「告訴・告発」運動を粉砕しよう。
 すでに非和解的局面に達した今日、これまでの「日の丸・君が代」強制反対運動を徹底的に総括し、不起立・不服従の闘いをつくり出していくことが問われている。東京の闘いに続き、来年春の「日の丸・君が代」闘争を大爆発させよう。この闘いこそが、教基法改悪阻止・改憲阻止の勝利への道筋である。「教え子を戦場に送るな」の原点こそ、教育労働者の自己解放の道であることを誇り高く確認しよう。

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週刊『前進』(2180号2面3)(2004/12/27)

埼玉 教委人事で闘い爆発 「つくる会・高橋」許すな

 教科書採択狙い上田知事が策動

 埼玉県知事・上田清司が、埼玉県教育委員に「新しい歴史教科書をつくる会」元副会長・高橋史朗(明星大学教授)を任命する意向であることが12月6日の新聞報道で明らかになったことから、埼玉県内で、東京に続く教育闘争の激突が始まった。
 上田知事は、「市民派」「無党派」を演出しながら当選したが、民主党に在籍した当時から高橋を招いて講演会を開くなど「つくる会」と深い関係にあった。また、西村真悟衆院議員とともに拉致議連の中心メンバーを務め、排外主義・国家主義的扇動、改憲論の先頭に立ってきた。
 県知事当選後も、04年10月には、「つくる会」教科書について「修正要求は内政干渉」とか「評価できる」と述べ、県議会与党と一体になって教育基本法改悪促進決議をあげている。
 この上田がその本性をむき出しにして、県教育委員に高橋を任命しようとしているのだ。高橋は就任を要請されて退会したというが、それまでは「つくる会」の副会長だった。
 高橋はまた、「つくる会」が、日本会議、教科書改善連絡協議会とともに00年4月に設立した「新しい教育基本法を求める会」の事務局長でもある。「市販・新しい歴史教科書」の監修者で、西尾幹二、藤岡信勝と並ぶ扶桑社版歴史教科書採択運動の中心的メンバーである。『私たちの美しい日の丸・君が代』などの著書もあり、勝共連合の『世界日報』などで、性教育・ジェンダーフリーへの攻撃の急先鋒(せんぽう)に立ってきた。
 この経歴からも、高橋を埼玉県教育委員に任命する狙いは明白だ。東京に続き、埼玉県で突破することによって、全国的に「日の丸・君が代」強制を強め、教育基本法のない状態をつくり出し、扶桑社版教科書の採択を推し進め、戦後教育を一掃しようということだ。上田知事が、自治体の民営化攻撃、小泉構造改革の先頭に立ち、公務員労働運動解体の先頭に立っているのも同じ目的からだ。
 設立総会で上田が祝辞を述べ、高橋がコーディネーターを務めた03年1月発足の「『日本の教育改革』有識者懇談会」(略称・民間教育臨調)は、「趣意書」で次のように言う。
 「改めて我が国の光輝ある歴史と伝統に基づく教育理念の再構築と、それに伴う教育政策の改正に鋭意取り組まなければなりません。……教育界における戦後は、遺憾ながら未だに清算されておらず、その歪みが無気力を蔓延(まんえん)させています。米国の占領行政の一環として制定された教育基本法を基盤とする戦後教育の諸慣行が、さまざまな破綻(はたん)をもたらしていることに、国民の多数が憂慮を募らせています」
 こんなやつらに教育をじゅうりんさせるわけにはいかない。
 しかし、それは彼らの強さの現れではない。「つくる会」が推進してきた運動の危機がある。愛媛、和歌山、東京などの一部学校で扶桑社版教科書が採択されたとはいえ、圧倒的少数でしかない。だから、扶桑社は教科書分野では採算割れの状態が続いており、もし05年の教科書採択で採択率の決定的増加がなければ撤退を余儀なくされる。
 この危機ゆえに、教科書採択を控えたこの時期に、上田が「古くからの友人」と呼んではばからない高橋を、中立性を求められる教育委員に任命するという、とんでもない露骨な地位利用、利益誘導をたくらんだのだ。教育基本法10条や地方教育行政の組織および運営に関する法律(4条、11条、13条)を真っ向から否定するものだ。

 抗議電話が殺到、6百人が大集会

 この策動は、労働者市民の激しい危機感と闘いの意欲を生み出すものとなっている。新聞が報道した6日直後から県庁には抗議の電話、ファックスが殺到し、反対が賛成を圧倒した。埼玉高教組、埼玉教組(日教組)、埼高教、埼玉県教組(全教)も直ちに抗議の申し入れを行い、市民団体も、百万人署名運動の賛同者などが母体になって前回の教科書採択闘争を闘った「あぶない教科書をやめて市民の会」などが緊急に抗議声明を発し、9日には「任命阻止ネット」という共同行動が発足した。10日から県庁前座り込み、連日の県庁ビラまき、駅頭ビラまき、集会企画も始まった。知事への直接面談を求め、20日県議会最終日の人事提案に対して県庁包囲デモが計画されている。
 12日にさいたま市内で行われた「教育基本法の改悪をゆるさない埼玉の集い」には主催者の予想を超える600人余りが結集し会場をあふれた。昨年12・23教基法改悪阻止集会から11・6―7闘争を経て、教組の違いを超えた広範な統一戦線の発展を誰もが実感した。「闘える」という活気と自信が生まれた。高橋任命問題は逆に、闘いに火をつけてしまったのだ。
 社・共既成指導部が事実上崩壊している中で、明確な司令塔がなく、経験ある労組役員、活動家も少ないが、この激しい流動の中から県内の教育労働者の新しい闘いとその指導部が生み出されてくるに違いない。
 任命権が知事にある中で予断は許されない。しかし、はじかれたように闘いが始まった中で、結果がどうであれ、この闘いは、05年卒・入学式の攻防から教基法改悪案国会提出、そして教科書採択の攻防に発展していくことは不可避だ。
 パートナー路線に抑えこまれてきた教育労働者も、「国のために死ねと教えるのか」というギリギリの問いかけの中から、勤評闘争に匹敵するような闘いへと必ずや立ち上がる。東京に続いて、埼玉からも闘いは始まった。勝利しよう。
 〔16日、批判に押されて上田知事は特別秘書をつうじて、「監修者である高橋氏は教科書の採定には関与しない。外れる」と回答してきた。しかし、県議会内の「つくる会」知事派議員からの巻き返しのせいか、その4時間後に特別秘書は前言を全面撤回。20日、県議会最終日に人事案件を出すことも決定になった〕
 (投稿・埼玉県A)

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週刊『前進』(2180号4面3)(2004/12/27)

派兵延長に各地で反撃

 関西

 12月11日、大阪で「派兵期間延長弾劾!第3師団派兵阻止 12・11全関西集会」とデモを行いました。この闘争は、9日の自衛隊イラク派兵1年延長の閣議決定を弾劾する緊急行動として、百万人署名運動・関西連絡会が呼びかけたものです。150人が結集し、土曜の夜の大阪・梅田の繁華街で、自衛隊即時撤退・イラク戦争反対を市民にアピールしました。
 集会では、米軍のファルージャ大虐殺への怒り、そして自衛隊がその米軍とともにイラク人民虐殺に手を染め、また自らも死を強制されていく、そのための派兵延長を絶対に許せない思いがあふれました。
 「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の方は、仲間である自衛官を戦場に送るな、と強く訴えました。「反戦・福祉議員ネット」の国賀祥司泉佐野市議は、10月のアメリカMWMに参加し世界中の労働者の思いはひとつであることを実感した、国際連帯を求めて闘うことが小泉・ブッシュを打倒していく道であると訴えました。昨年3月の開戦時に米領事館前で座り込みを続けた在日朝鮮人からは、「イラクから撤退を!」と力強い訴えがありました。
 「辺野古に基地を絶対つくらせない会」は、海上ヤグラをめぐる実力攻防の現状を報告し、「沖縄を孤立させてはならない、すべての職場や地域に辺野古の闘いを持ち込んでほしい」と訴えました。
 集会後、梅田の繁華街をデモ行進、沿道の注目は圧倒的でした。
 (投稿/R・T)

 中四国

 小泉政権によるイラクへの自衛隊派兵延長閣議決定にたいして、中四国では、11日広島、12日岡山と連続デモが行われた。
 12月11日、止めよう戦争への道!百万人署名運動広島県連絡会が主催して、自衛隊のイラク占領1年延長の閣議決定を弾劾し、陸上自衛隊第13旅団の広島・海田基地からのイラク出兵阻止を訴える集会とデモが行われた。
 午後3時半、広島県内各地から「被爆地ヒロシマから占領軍を派兵させるな」と怒りに燃える闘う仲間が続々原爆ドーム前に結集して来た。
 広大生の司会で集会は開かれ、冒頭、闘う教育労働者は「東京―広島の闘いを結合し、3〜4月『日の丸・君が代』強制との闘いで教育基本法の改悪を阻止する。これが戦争を止める力です」と訴えた。全国被爆者青年同盟の中島委員長をはじめすべての発言者が、自衛隊派兵延長と新防衛大綱は日帝のアジア侵略への道であり絶対に許してはならない、自衛隊を一日も早く撤退させようと訴えた。
 市内デモはドラムでリズムを取り、「自衛隊を撤退させよう」「小泉、おまえはもういらない」と軽快だが怒りにあふれたコールでアーケード街を進んだ。
 翌12日には岡山で、百万人署名運動岡山県連絡会が主催するデモが岡山市の目貫き通り表町で行われた。雨天をついて参加した労働者・学生は「派兵延長反対!日本原、三軒屋駐屯地からの自衛隊派兵を止めよう!」と訴えた。(写真)
 また、四国・松山でも百万人署名運動による街頭宣伝と、自衛隊松山駐屯地への申し入れが行われた。
 (投稿/M・D)

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週刊『前進』(2180号5面1)(2004/12/27)

米軍と一体化し海外派兵が主任務に
「新防衛大綱」で日本版先制攻撃戦略に踏み切った小泉
 ブッシュ・小泉枢軸への総反撃を
 05年決戦へ マル学同中核派の決意

 12月9日、日本帝国主義・小泉政権は、自衛隊イラク派兵基本計画の1年間延長を閣議決定した。続く10日には、新「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」の閣議決定を強行した。日帝・小泉は、米帝ブッシュと軍事的にも一体化し、日米枢軸を形成して、第3次世界大戦の過程に本格的に突入していくことを宣言したのだ。この日帝の危機と絶望的凶暴化の重大性をすべての労働者・学生に暴露し、05年決戦の大爆発へ猛然と総決起しよう。

 イラク派兵の延長で無期限の侵略戦争へ

 まず、12・9自衛隊イラク派兵基本計画の閣議決定を徹底的に弾劾する。
 第一に、「日本の国益」を前面に押し出し、イラク人民の民族解放・革命戦争圧殺と石油資源略奪のイラク侵略戦争への参戦を正当化していることを絶対に許してはならない。
 小泉は、12・9閣議決定後の記者会見で、「大量破壊兵器」の大ウソと10万人を超えるイラク人民の大虐殺を完全に居直り、帝国主義の軍事占領とカイライ政権に対するイラク人民の怒りの大爆発を圧殺することが「わが国の国益にかなう」などと表明した。
 しかしイラクに対して米英日帝国主義が行っていることが「民主化」とか「復興支援」などというのはまったくの大ウソだ。その実態は古典的な帝国主義侵略戦争、被抑圧民族抹殺戦争以外の何ものでもない。しかもそれを「ビジネスチャンス」と称して、資本家階級が強盗的に巨額の利益を得ている。労働者階級は、戦争と民営化に突き進む帝国主義を打倒し、労働者を主人とする社会体制の樹立に向けて闘う以外にない。
 第二に、イラク派兵延長の決定は、第2期ブッシュ政権の世界戦争戦略に対応した、日帝の側からの日米枢軸形成への決定的踏み切りである。小泉は、12・9記者会見で「アメリカを孤立させてはならない」「日米同盟、国際協調、これが日本の発展、繁栄を確保する道」と言い放った。
 11月選挙で再選されたブッシュは、イラク侵略戦争の継続を宣言している。だが、ファルージャの住民を先頭にイラク全土で猛然たる反撃が米軍・占領軍にたたきつけられ、来年1月のイラク総選挙の大破産は確実だ。しかも来年3月のオランダ軍撤退を始めハンガリー、ルーマニア、ポーランドの各政府が次々と撤退を表明し、「有志連合」からの脱落が始まっている。
 何より米帝のイラク侵略戦争は、中東石油の独占的支配と全中東地域の勢力圏化をめぐる国際帝国主義の大分裂を引き起こし、米英と独仏の二大陣営間の戦争的対立と抗争を果てしなく激化させている。
 こうした中で日帝は、自衛隊イラク派兵の継続を決定した。それは、一応の建前としてきた「国連中心主義」「専守防衛」を最後的に清算し、米英日枢軸によるむき出しの帝国主義戦争への突進を国家意思として決断したということだ。
 第三にそれは、自衛隊が米英軍と完全に一体化し、事実上無期限の派兵と侵略戦争に突っ込んでいくことを意味している。
 サマワでは、陸上自衛隊が宿営施設の対弾工事や自動小銃の改造を始めている。イラク人民に直接銃口を向け、第2、第3のファルージャ大虐殺に突き進もうとしているのだ。また政府内では、自衛隊員の「戦死」を想定したマスコミ対策のシミュレーションが検討されている。小泉は、自衛隊の帝国主義侵略軍隊化と国内の戦時統制を一気に進めようとしているのだ。
 第四に、イラク派兵閣議決定と一体の自民党幹事長・武部の大暴言を粉砕することだ。
 武部は、12月9日の都内での講演で「憲法や教育基本法を改正しても簡単に(青少年の状況は)変わらない」「一度自衛隊に入って、サマワみたいなところに行って、緊張感をもって地元に感謝されながら活動したら3カ月で瞬く間に(人間性が)変わるという考え方もある」と言い放った。教育基本法改悪と憲法改悪を強行し、侵略兵士を育成するためにも、青年労働者・学生をイラク侵略戦争に動員しろと言うのだ。
 第五に、しかしイラク侵略戦争への全面参戦の先には何の展望もない。米帝を基軸とする戦後世界体制、帝国主義世界体制の全体としての危機と破産は、イラク侵略戦争の泥沼化の中でいよいよ深まっていく。

 新基地建設阻止 辺野古に行こう

 第六に、これへの労働者階級の回答は、闘うイラク人民との連帯、米帝ブッシュ打倒、日帝・小泉=奥田打倒を真っ向から掲げて05年決戦に立つことだ。
 米英日帝のイラク侵略戦争の激化と泥沼化に対するイラク人民・ムスリム人民の民族解放・革命戦争の激化・爆発、これと連帯した日米韓を始めとする全世界の労働者階級の闘いは、世界史の行方を規定する。
 何より沖縄・辺野古現地で、イラク侵略戦争と真っ向から対決し、新基地建設のボーリング工事を実力阻止する決死の闘いが闘われている。全国学生は直ちに辺野古現地に駆けつけよう。ヘリ基地反対協が主催する12・21「名護市民投票7周年集会」に結集しよう。闘うイラク人民との連帯を貫いて、日米韓労働者階級の国際連帯闘争を大発展させよう。05年決戦の大爆発で米帝ブッシュと日帝・小泉を打倒しよう。

 世界戦争と帝国主義の分裂加速する米帝

 12月10日に閣議決定された新「防衛大綱」(「新大綱」)と「中期防衛力整備計画」(「中期防」)は、自衛隊イラク派兵の継続・延長と一体であり、日米枢軸を柱とするむき出しの帝国主義的軍事外交政策への決定的踏み切りだ。
 11月第1節 米大統領選の結果とファルージャ総攻撃での米帝の敗北の意味は重大だ。
 それは第一に、米帝がイラク侵略戦争の死の泥沼にはまり込み、さらに「中東民主化」=中東諸国での政権転覆政策の絶望的展開にのめり込むしかないということだ。一つにはイラン、サウジアラビア、シリアなどの政権の「民主化」=米帝支配がストレートに貫徹する体制への暴力的転覆である。二つにはイスラエルによるパレスチナの軍事的圧殺だ。
 第二に、第2期ブッシュ政権は、対北朝鮮・対中国侵略戦争の方向を強める。
 第三に、全世界的な米軍再編(トランスフォーメーション)の遂行が最後的に確定されたことである。
 第四に、米英日枢軸化が一挙に強められる。
 米帝の世界戦争計画において、現在進められている米軍トランスフォーメーションはきわめて重大な位置を持っている。
 それは第一に、イラク・中東・中央アジアという一大石油資源地帯をめぐって対独仏の争闘戦をはらむ帝国主義的侵略戦争の体制を構築するものである。
 第二に、在日・在沖米軍の司令部機能、最前線基地機能を強化し、北朝鮮・中国侵略戦争の体制をより実戦的で機動性・縦深性に満ちたものとして形成することである。
 第三は、そのために日米安保の世界安保化と全面的再編を行うことだ。それは、米帝による対イラク・中東(アフリカを含む)、対東アジア、対世界の世界戦争計画の遂行に向けての米英日の帝国主義的枢軸の形成である。とりわけ日帝をこの米英日枢軸にがっちりと組み込むことである。

 日米安保を世界安保へ全面再編

 この日米安保体制の全面的再編の第一は、米太平洋軍の全司令部の日本への集中である。沖縄−日本全土を出撃拠点に、東アジアから中東・アフリカに至る世界大的な侵略戦争を遂行するための「前線司令部」の構築が狙われている。
 具体的には、@米陸軍第1軍団司令部(ワシントン州)の米軍座間基地(神奈川)への移転、A米軍横田基地(東京)の第5空軍司令部をグアムの第13空軍司令部と統合。司令官は横田基地に配属、さらに太平洋軍司令官を現在の海軍大将から空軍大将に変更、Bキャンプ・コートニー(沖縄県具志川市)の第3海兵師団司令部の米軍座間基地への移動である。これらにC太平洋海軍の指揮を執る第7艦隊(司令部=神奈川・横須賀)が加わる。米太平洋軍の陸・海・空・海兵隊の全司令部が東京−神奈川に集中することになる。
 第二は、侵略戦争の実動部隊である在日米軍・在韓米軍・太平洋軍の再編・強化だ。とりわけ重大なのは、@「先制攻撃の実行部隊」として、米海軍佐世保基地配備の強襲揚陸艦、トマホークミサイル搭載のイージス艦、攻撃型原子力潜水艦など戦闘艦艇4隻からなる「遠征攻撃群(ESG)」を創設し、A06年までにイージス艦15隻を太平洋と日本海に配備することだ。後者に関してはすでに5隻のイージス艦が配備され、第7艦隊の指揮下に置かれている。また、Bグアムの米軍基地へのB52戦略爆撃機、B2ステルス爆撃機、F22ステルス戦闘機、攻撃型原潜の常駐配備などである。
 第三は、米軍と自衛隊の基地共同使用=日米共同作戦体制の強化である。@航空自衛隊が米空軍嘉手納基地(沖縄)を使用する、A空自航空総隊司令部(東京・府中)を米空軍横田基地に移設する、B沖縄・下地島を日米共同訓練場として使用する――ことなどが検討されている。
 また、こうした動向と一体的に在韓米軍の戦力増強、態勢強化が急速に進められている。すでに今年3月には米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」と戦時増援演習「RSOI」が同時に行われ、8月の米韓合同指揮所演習「ウルチ・フォーカスレンズ」には韓国政府と各自治体も参加している。米本土の部隊による韓国での慣地訓練も実施されている。
 これらを受けて米帝は、戦力増強、態勢強化と作戦計画「5027」の再改訂を進めている。「米韓の戦力強化策が計画通り進めば、2007年ごろにはミサイル・砲撃に対する防空態勢と敵陣地を至短時間に制圧できる攻撃能力が整うことになる。また、先制攻撃戦略が成り立ち得る状態になる」(「在韓米軍問題と韓国の自主国防」大串康夫元空将・石川島播磨重工業顧問)。第2期ブッシュ政権下で、米日帝の北朝鮮侵略戦争策動は重大な段階に突入しているのだ。

 日帝は朝鮮・中国侵略戦争に全面参戦狙う

 日帝はすでにイラク侵略戦争に全面参戦し、新しい「15年戦争」と第3次世界大戦の道に突入している。
 日帝は、米帝による米帝主導の枢軸に補完物として取り込まれることにたじろいでいるが、小泉政権は11月の日米審議官級協議で、米軍再編戦略に基本的に同意することを確認した。日帝は世界帝国主義の大分裂の一方の側にくみし、そのことでとてつもない世界戦争に再び突入していくことを事実上決定したのだ。
 第一に、「新大綱」をもって、日帝の側から、日米安保の世界安保化と全面的再編、日米枢軸による世界戦争計画を真正面から打ち出したことである。
 「新大綱」は、「日米安全保障体制を基調とする日米両国間の緊密な協力関係は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定のために重要な役割を果たしている」「テロや弾道ミサイル等の新たな脅威や多様な事態の予防や対応のための国際的取組を効果的に進める上でも重要」と打ち出した。これに関して防衛庁長官大野は「新『防衛大綱』のもとでは、世界の平和がわが国の平和に直結するとの認識のもと、単なる『貢献』ではなく、紛争の予防から復興支援に至るまで主体的・積極的に取り組む」と言っている。
 「新大綱」は、もはや「憲法の枠内」「専守防衛」を投げ捨て、「日米安保条約の適用範囲」を踏み破っている。日帝による全世界の被抑圧民族と労働者階級への宣戦布告、日帝版先制攻撃戦略そのものだ。
 「新大綱」が日帝の教育基本法改悪・憲法改悪への衝動をさらに激化させていくことは必至だ。陸自幕僚の幹部の二等陸佐が「憲法草案」なる改憲案を作成し、自民党憲法調査会の中谷に提出したことは、そのことを鋭く示している。
 第二に、「新大綱」はその世界戦争計画の発動対象として「イラク」「中東」「北朝鮮」「中国」を挙げている。対米支援のレベルを超えた日米帝国主義の共通の戦略目標として、これらの残存スターリン主義国家と新植民地主義体制諸国の戦争的転覆と再支配を明確に据えたのである。
 そのために、「新大綱」に先立つ小泉の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・荒木浩東京電力顧問、以下「懇談会」)の報告書(10月4日)は、「積極的に日米の戦略的な対話を深め」「両国の役割分担を明確にし」「より効果的な日米協力の枠組みを形成すべき」と提唱している。その具体化として新たな「日米安保共同宣言」や「日米防衛協力の指針」策定の必要性にまで踏み込んでいる。
 第三に、「新大綱」は「安全保障の目標」として一つに「我が国に直接脅威が及ぶことを防止し、脅威が及んだ場合にはこれを排除するとともに、その被害を最小化すること」、二つに「国際的な安全保障環境を改善し、我が国に脅威が及ばないようにすること」を掲げている。
 特に「脅威の防止」は、米帝が01年9・11を契機にアフガニスタン、イラクへの侵略戦争に踏み切った論理とまったく同じだ。それは日帝版先制攻撃戦略を意味している。
 つまり、「国土防衛」と「国際安保環境の改善」(=海外派兵)の名で、帝国主義的侵略戦争を日米安保の世界安保化をとおして全世界的に展開しようとしているのだ。
 そこで、海外派兵を自衛隊の「主要な任務」へ格上げするために、自衛隊関連法の改悪案を来年の通常国会に提出するとしている。
 しかも、「懇談会」報告は、さらに踏み込んで「その典型的な活動は、内戦や地域紛争状態にある国々で平和を回復し、その平和を維持し、さらには復興から国づくりに至る平和構築を行うこと」「その実現には、自衛隊、文民警察、行政官、ODA関連組織、民間企業、NGOなどさまざまな人材が密接に連携した人的貢献が必要」と言い切った。日帝資本家階級総体の意志として、古典的な帝国主義侵略戦争の遂行とそのための国家総動員を真っ向から打ち出したのだ。

 「敵地攻撃能力」保有策す中期防

 第四に、弾道ミサイル防衛(MD)システムの構築を方針化したことである。
 MDシステムの構築は、対中国侵略戦争の具体的準備であり、本質的にも実体的にも核戦争態勢への重大な踏み切りだ。「新大綱」は、「弾道ミサイル防衛システムの整備を含む必要な体制を確立」「核兵器の脅威については、米国の核抑止力と相まって、このような取組により適切に対応」と明言している。そして、閣議を開かなくてもMDシステムを発動できる法整備を来年の通常国会で進めることを打ち出した。
 第五に、MDシステムの日米共同開発・生産を皮切りに「武器輸出3原則」の撤廃に踏み切った。
 これは「新大綱」「中期防」と完全に一体のものだ。MD以外の日米共同開発・生産などについても「個別の案件ごとに検討」と事実上の全面解禁に道を開いている。日本経団連の意向を百パーセント方針化し、「3原則撤廃」で軍需産業を中心とする「経済の軍事化」と「産官学の優れた技術の積極的導入」(「中期防」)を急速に進めようとしているのだ。
 第六に、「新大綱」は世界大的侵略戦争に向けて「多機能で弾力的な実効性のある防衛力」の構築を掲げ、陸・海・空自衛隊の統合運用と部隊の再編・強化を打ち出したことである。
 その一つは、日帝自身の戦争遂行司令部の構築、すなわち@「安全保障会議の機能強化」「真に国家の安全保障政策の中枢となる組織への発展」(「懇談会」報告)、A防衛庁長官直轄の「統合幕僚組織」と「情報本部」の新設だ。
 二つは、自衛隊統合運用の具体化として、@「新たな脅威や多様な事態に実効的に対応する体制」A「国際活動に主体的・積極的に対応する体制」B「本格的な侵略事態に備える体制」(「防衛力の在り方検討会議のまとめ」)――に部隊再編を行うとした。
 三つは、これらを具体化して、@防衛庁長官直轄の「中央即応集団」(約4800人)を編成し、このもとに「緊急即応連隊」「国際活動教育隊」などを新設、「国際平和協力活動」の計画・訓練・指揮は中央即応集団司令部が一元的に担当する、Aイージス艦4隻と航空管制部隊、地対空誘導弾部隊による「弾道ミサイル防衛部隊」を新設する、B陸自普通科の組織編成を対人戦闘型に改編する、C北部方面隊を中心に「国際任務待機部隊」を創設する、D海上自衛隊は「機動運用部隊」と「地域派出部隊」に再編する、E航空自衛隊は航続距離の長いC−X輸送機24機とKC−767空中給油機8機を導入し輸送力を強化する、F朝鮮半島や中台情勢をにらみ、沖縄の第1混成団と四国の第2混成団を旅団に格上げし、那覇基地のF4要撃戦闘機の1個飛行隊をより戦闘能力に優れた百里基地(茨城)のF15戦闘機部隊と入れ替える、GF15戦闘機を偵察機に転用する、H無人偵察機を導入する――などを挙げている。
 第七に、「国と地方公共団体が相互に緊密に連携し、万全の態勢を整える」(「新大綱」)、「日頃から……国民の参加を得て訓練しておくことが必要」(「懇談会」報告)と、労働者階級人民の総動員を打ち出している。

 小泉=ブッシュ打倒の05年決戦

 05年決戦は、戦争と民営化攻撃のブッシュ・小泉反動枢軸の打倒をかけた決戦である。危機に追いつめられた日帝の絶望的凶暴化と真っ向から対決し、日米韓労働者階級の国際連帯闘争、帝国主義打倒の体制変革闘争の強力な前進をかちとろう。
 「日の丸・君が代」強制粉砕と教育基本法改悪阻止の決戦を突破口に、05年1〜3月決戦をイラク侵略戦争阻止・自衛隊撤退、沖縄・名護新基地建設阻止、民営化攻撃粉砕を掲げた日本版MWM=百万人労働者大行動をめざす闘いとして大爆発させよう。法大を先頭に全国学生は05年決戦の最先頭で闘おう。

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週刊『前進』(2180号5面2)(2004/12/27)

抗議船団が作業を阻止 辺野古 “わったー(われわれの)海守ろう”

 台風後に再開された沖縄・名護市辺野古での新基地建設阻止の海上攻防は、那覇防衛施設局が雇った業者が暴力をエスカレートさせ、連日、負傷者が出る中で果敢に闘われている。
 12月7日、やぐらに登っていた女性が作業船の上に頭から落下して病院に運ばれた。単管(鉄パイプ)の上に不安定な姿勢で立っていた女性の両手を作業員が同時に引きはがしたのだ。
 9日、ヘリ基地反対協議会、基地の県内移設に反対する県民会議、辺野古海上基地建設反対弁護団ら15人が那覇防衛施設局に抗議に行った。だが施設局は、「そのような事実はないと聞いている」などと、不誠実な回答に終始した。
 この日も早朝から作業員が、作業を阻止しようと単管やぐらに張りついた反対派を襲撃した。4人の作業員に襲いかかられ20分も暴行を受けた男性が腰を痛めて立てなくなり、病院に。
 10日には、一度海中に突き落とされた男性がやぐらに登ったところを背後から引っ張られて再度落下、単管に後頭部を打ちつけて意識不明となり、救急車で病院に運ばれた。連日の殺人的暴行に座り込み参加者は激怒し、負けるものかと気迫をみなぎらせている。
 週明けの13日、事態は一挙に好転した。午前6時半、宜野座村、国頭村、金武町の漁民たちが漁船9隻で駆けつけ「わったー(われわれの)海を守ろう」などのむしろ旗を掲げて阻止行動に加わった。総勢14隻の抗議船が4カ所の単管やぐらに3隻ずつ張りつき、作業を完全に阻止した。
 翌14日、石川市からも2隻の漁船が参加。リーフ内も2bの荒波だったが、早朝から16隻の抗議船でポイントを押さえ、海上座り込みが始まった。午前7時50分、辺野古漁港より作業船が出港、キャンプシュワブの浜でダイバーを乗せて作業再開を狙ったが、抗議船に封鎖されたポイントには近づけなかった。さらに15日も16日も抗議船団は完全阻止態勢で臨み、リーフ内の作業はストップしたままだ。12月のボーリングを止めれば、施設局の年度内計画を完全に吹っ飛ばせる。
 闘いは海上だけではない。12月17日現在、辺野古漁港前での座り込みは「2369日(8年)プラス243日」となった。
 座り込みテントには、沖縄はもとより全国各地から途切れることなくやってくる。沖縄大学で辺野古の闘いを支援するサークルができたことを新聞が大きく取り上げた。国会前の座り込みで辺野古のことを知り、居ても立ってもいられず駆けつけた青年たちもいる。
 集会で集めたカンパでカヌーを寄贈し、乗り手を派遣している市民団体もある。とめよう戦争への道!百万人署名運動も辺野古派遣のための基金を設けて人を送り出している。テント村が本丸として存在してこそ、海上阻止行動を闘うことができる。
 名護市民投票7周年の12・21海上デモ・テント村集会に参加しよう。全国から辺野古に駆けつけよう。

 基地建設阻止訴え渋谷デモ

 12月11日午後、東京・渋谷の宮下公園で名護新基地建設に反対する集会が、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックなどでつくる実行委員会主催で開かれ、250人が集まった。
 激闘が続く名護市辺野古から、命を守る会の金城祐治代表、平和市民連絡会の当山栄事務局長の電話でのアピールが会場に届いた。金城さんは、凶暴化した業者による反対派への暴行について怒りを語り、「厳しいけれど、皆さんの支えによってこれまで勝利している」と断言した。
 前日まで辺野古で闘った男性や国会前で座り込みを続ける女性らも発言。
 辺野古現地の闘いと連帯し、意気高く渋谷一周のデモに出た。沿道から若い女性が「私もダイバーです。きれいな海を守りたい」と激励し、沖縄出身の青年たちも「おれも沖縄、沖縄!」とデモ隊にピースサインを送った。
 国会前座り込みを始め、全国で支援の取り組みを強化しよう。

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