ZENSHIN 2004/11/29(No2176 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2176号1面1)(2004/11/29)

韓国ゼネストに連帯を
11・7労働者集会の躍動を全世界へ
 イラク人民の不屈の蜂起に応え派兵延長阻止・小泉政権打倒へ
 12月国鉄決戦に決起しよう

 米軍によるファルージャ大虐殺に対するイラク全土での民族解放・革命戦争が発展している。韓国では11・14全国労働者大会が7万人の大結集で闘われ、15日には公務員ゼネストに突入した。沖縄では16日から、名護・辺野古沖で新基地建設のボーリング調査のための海底掘削作業に対して、決死の阻止行動が闘われている。05年に向けて、このように全世界の労働者階級、被抑圧民族人民が団結し、社会の根本的変革=プロレタリア革命を希求しつつ闘い進む大激動の時代が到来しているのだ。11・7全国労働者総決起集会の躍動を全世界に広げ、今こそ日帝・小泉政権の〈外への侵略戦争と内への階級戦争>を打ち破る隊列を強固につくり出そう。

 第1章 米軍ファルージャ大虐殺への怒りを

 まず、イラクで日々起きている現実を直視し、闘うイラク人民と連帯し、米軍によるファルージャ大虐殺弾劾、自衛隊イラク即時撤兵・派兵延長阻止へ立ち上がることを訴えたい。
 米軍が11月8日から強行したファルージャ総攻撃は、まさにイラク人民への大虐殺そのものだ。米軍は「イラクの武装勢力の12 00人以上を殺害、100 0人以上を拘束した」と発表しているが、それにとどまるものではない。イラク軍と合わせて約1万500 0人もの兵力を投入し、30 万人の住民がいる街に爆弾の雨を降らせ、住民もろともファルージャを破壊し尽くしたのだ。ファルージャの医師は「何百もの遺体が街に横たわっているが、だれも手を出せない。水も食料も電気もなく治療もできない。助けを求めたい」と訴えている。13日には、イラク赤新月(赤十字)社が緊急援助隊をファルージャに派遣したが、米軍は市街地での活動を阻んだ。
 米テレビなどで、モスク(イスラム礼拝堂)で非武装の負傷したイラク人を米兵が射殺する映像が衝撃的に暴露された。第2のアブグレイブ刑務所事件だ。断じて許せない。だが、これは従軍取材でたまたま明らかにされた事実の一端に過ぎない。無差別虐殺の全容は明らかにされていないが、市内の被害状況を調査している海兵隊の軍曹自身が「なんてこった。とんでもない破壊だ」と言っている。クラスター爆弾などの残虐な兵器、化学兵器である白燐榴弾(はくりんりゅうだん=体を焼け焦がす)までも使われた。かつて日帝が行った南京大虐殺やナチス・ドイツのスペイン・ゲルニカ大虐殺と同じ大虐殺が凶行されているのだ。すさまじい戦争犯罪を腹の底からの怒りをもって弾劾しなければならない。
 米軍はファルージャを16 日までに100%制圧したとしているが、ファルージャ南部での抵抗は続いている。イラク人民の民族解放・革命戦争を根絶することなど断じてできない。イラク人民は、北部の主要都市・モスルで警察署を攻撃するなど同時多発的に武装蜂起し、行政庁舎の一部も占拠するなどの反撃に立っている。「イラク・アルカイダ機構」など三つの武装組織が13日、共同で「ファルージャの大量虐殺への報復として、イラク全土に戦闘を拡大する」という声明を発表した。
 ファルージャ大虐殺は、イラクの抵抗拠点をたたきつぶすという目的とは逆に、一層の泥沼化を深めている。イラク全土での怒りの戦闘を拡大し、かいらい暫定政権のアラウィ首相らへの怒りを高めている。スンニ派地域の8割を傘下におさめる「イスラム宗教者委員会」は、選挙ボイコットを呼びかけ、スンニ派政党の一部も暫定政権からの離脱を宣言した。イラク人民は、しかばねをのりこえて、全世界の人民の決起を呼びかけているのだ。
 自衛隊が展開するサマワでは12日、「占領軍の自衛隊は出て行け」「もし出て行かないなら、われわれは行動を起こす」と叫ぶデモが闘われた。シーア派のデモ指導者は「自衛隊の活動で利益を享受しているのは州政府高官と雇用を請け負う契約者だけだ。聖地ナジャフの事務所とも意見交換したが、米・英軍同様、占領者であるとの結論に達した」と述べている。
 ファルージャ大虐殺を凶行した部隊は在沖縄の米海兵隊であり、航空自衛隊の空輸がこれを支えているのだ。サマワの陸自部隊も、いつでも武力行使できる態勢をとっているのだ。

 第2章 自衛軍、天皇元首化の自民改憲案粉砕

 米軍のファルージャ大虐殺を「成功させなきゃいけない」と真っ先に支持した小泉は、まさにブッシュと同罪の戦争犯罪人だ。このファルージャ大虐殺のさなかの13日、陸上自衛隊の第4次イラク派兵部隊(山形県に司令部を置く陸自第6師団500人で編成)の第1陣約200人を出発させた。部隊は、12月14日の派兵期限の延長を前提に、来年2月までの活動準備をしているという。イラク全土が戦闘地域と化す中で、小泉は、なおも「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域だ」と強弁し、派兵を延長しようとしている。ハンガリーが年末までに撤退、オランダが来年3月、ルーマニアも6月に撤退の方針を決める中で、小泉は今や米帝ブッシュの最悪の同盟者なのだ。
 2期目のブッシュ政権は、パウエル国務長官が辞表を提出し、米帝の利害むきだしの「ユニラテラリズム(単独行動主義)」がますます強まる。世界最大最強の軍事力にものを言わせ、イランや北朝鮮の核開発問題などをも口実に、全世界に侵略戦争を拡大しようとしている。パレスチナ自治政府とPLO(パレスチナ解放機構)の議長であるアラファトの死を契機に流動・激動化するパレスチナ解放闘争に対しても、イスラエルを手先にして、その圧殺を図ろうとしているのだ。米帝は、そのためにトランスフォーメーション(米軍再編)によって沖縄基地の強化を図ろうとしている。
 小泉は、この米帝との日米安保体制を「世界安保」へと拡大し、日米枢軸を強化し、米帝と共同・競合しながら、戦争を拡大しようとしている。
 新防衛計画大綱の骨子案は、そのことを明らかにしている。「テロへの対応」や「国際協力」など「多機能」「弾力的」な防衛力を整備するとして、米帝との協力や、自衛隊の海外派兵をつうじて「国際的な安全保障を改善」することをうたっている。海外活動を主要な任務と位置づけ、日米安保体制は日本の安全やアジア太平洋の平和と安定に「不可欠」と強調している。

 海外での武力行使を認める

 また、17日に自民党憲法調査会がまとめた憲法改正草案大綱の素案では、第9条を全面的に解体し、「国家緊急事態及び自衛軍」という章を設け、「自衛軍」を設置し、「集団的自衛権の行使」や「国際貢献活動における武力行使」を認めるとしている。また、天皇を「日本国の元首」と明記し、「国旗は日章旗、国歌は君が代とする」ことも盛り込み、「国民の責務」として「国家の独立と安全を守る義務」を挙げている。天皇制のもとで侵略戦争国家へと転換するために、まったく別の憲法を制定しようというのである。
 来年通常国会で狙われている教育基本法改悪から07 年改憲に向けた過程は、まさに戦後史の決定的な分岐点となろうとしている。

 第3章 教育労働者先頭に4大産別の勝利へ

 こうした情勢下で、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3組合の呼びかけで、11・7全国労働者総決起集会が36 00人を超える労働者人民の大結集でかちとられたことは実に素晴らしい画期的な意義がある。
 この集会で発せられた日米韓の国際連帯の宣言を受けて、その地平を全面的に発展させて闘うことの中に、この歴史の分岐点での勝利の展望があるのだ。
 11・7集会は、戦争をする以外に生きられない帝国主義、労働者を食わせていくこともできなくなった帝国主義を、国際連帯闘争で打ち倒そうという比類のない熱気と戦闘性、躍動感をもってかちとられた。
 〈外への侵略戦争と内への階級戦争>、戦争と大失業、民営化の攻撃を打ち破るためには、それぞれの国の既成の労働運動指導部を下から覆すランク・アンド・ファイル(現場労働者)の運動が求められている。そしてそれらが国際的に結合して新しいインターナショナルの創成をも展望した連帯闘争を発展させることが必要である。このことが、11・7集会をとおしてますます鮮明になった。この感動的な11・7集会の地平と内容を全労働者階級に広めよう。すべての闘いは、ここから始まるのだ。
 11・7集会は、アメリカ社会を分裂させる米大統領選のただ中で、「ブッシュ打倒、ケリーもノー」という労働者階級自己解放の要求を掲げて350万人を擁する労組の賛同でかちとられたアメリカの10・17MWM(百万人労働者大行進)を引き継いで闘われた。
 韓国では民主労総が史上最大の7万人を集めた11・14全国労働者大会を闘いとった。大会には、11・7集会参加者の代表が動労千葉を先頭に参加し、熱い連帯の絆(きずな)を誓い合った。民主労総は、11・26ゼネストに向かって闘いぬいている。日本の闘う3労組が3カ国の労働者の連帯闘争の架け橋となったと言っても過言ではないのだ。
 民主労総が反対している派遣法など非正規職労働法改悪案や韓日FTA(自由貿易協定)などは、日本の労働者階級がともに闘うべき課題である。韓国のゼネストに向かって、日韓連帯闘争を強めよう。
 さらに、沖縄・名護新基地建設阻止へ、海底掘削工事に体を張って闘う辺野古住民を先頭とした沖縄県民に連帯して闘おう。沖縄を始めとする日本とアメリカの労働者階級が連帯して日米安保同盟を打ち破る第3次安保・沖縄闘争へと発展させよう。
 11・7集会はまた、東京の「日の丸・君が代」被処分者、被解雇者を先頭とした教育労働者、郵政分割・民営化攻撃と闘う全逓労働者、民営化や賃金制度改悪と闘う自治体労働者、1047名闘争と国労5・27臨大闘争弾圧粉砕を闘う国鉄労働者の4大産別の労働者が団結して、総反撃を誓い合った。関西生コンと港合同など中小民間で果敢に闘う労働者、争議完全勝利に向けて闘う全金本山労組などが一堂に会し、闘う労働組合の全国ネットワークの前進をかちとった。
 これらすべての産別の闘いが、小泉=奥田・日本経団連の資本攻勢のもとで一大決戦期を迎えている。労働組合解体攻撃を打ち破り〈分岐・流動・再編・高揚〉情勢を促進しよう。

 教育闘争破壊策すカクマル

 東京の「日の丸・君が代」不起立闘争の破壊を狙うカクマルによる「告訴・告発運動」のファシスト的狙いを暴き粉砕し、05年卒・入学式闘争に向かう闘いの陣形をつくり出し、日教組運動を再生しよう。
 そして、国鉄1047名闘争を守り発展させることである。国労本部―酒田・革同執行部、全労連中央による鉄建公団訴訟に対する妨害、闘争解体策動を打ち破り、12・1日比谷野音の全国集会を成功させよう。12・19国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の集会に結集しよう。
 小泉政権は、臨時国会で改悪労組法の成立を強行した。徹底弾劾する。共謀罪新設攻撃を粉砕しよう。
 11〜12月、機関紙拡大、年末一時金カンパ闘争など、党建設の闘いを強めよう。国家権力の弾圧をはね返し、革共同をプロレタリア革命を実現する党へと打ち鍛えよう。青年労働者とともにマル青労同建設を進めよう。法大闘争を先頭に12・4全国学生総決起集会から学生運動の大爆発へ進撃しよう。
 福嶋昌男同志の保釈を絶対に実現し、星野文昭同志の奪還へ11・24集会の大成功をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号1面2)(2004/11/29)

福嶋同志 地裁が保釈決定 検事抗告粉砕せよ

 東京地裁刑事第3部(服部悟裁判長)は11月16日、ついに無実の福嶋昌男同志の保釈を決定した。これは12年間に及ぶ福嶋同志の不屈の獄中・裁判闘争と、広範な救援運動がかちとった偉大な勝利である。これに対し東京地検が不当にも東京高裁に抗告を行った。絶対に許せない。全人民の怒りで検事抗告を粉砕し、福嶋同志を奪還しよう。
 福嶋同志は86年迎賓館・横田基地ロケット弾戦闘の「共謀共同正犯」にデッチあげられ、今日まで12年間も東京拘置所に勾留され続けてきた。同じ事件で須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志がデッチあげ弾圧で逮捕・起訴されたが、3同志は3月に東京地裁で無罪判決をかちとった。ところが検察と裁判所は、この無罪判決以後も福嶋同志の勾留を続けてきたのだ。
 検事は「勾留による拘禁は……いかに長期に及ぼうとも違法・不当となることはない」などと、刑訴法の規定すら平然と踏みにじって抗告を行った。この暴挙を弾劾し、福嶋同志を全力で奪還しよう。東京高裁は直ちに検事抗告を棄却し、保釈を実現せよ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号1面3)(2004/11/29)

辺野古 掘削作業を実力阻止 新基地建設粉砕の決戦に

 名護新基地建設のためのボーリング着工に対する座り込みは、4月19日以来200日を超え、ついに掘削工事に対する阻止闘争に突入した。辺野古では連日の海上での実力阻止闘争が展開されている。
 那覇防衛施設局は9月9日から11月10日までの約2カ月の事前調査で、63カ所の観測予定地点のうち、位置確認や海底状況確認、磁気探査などをやり、掘削する環境が整ったと強弁して、15日以後、掘削作業に入る準備を行っていた。
 命を守る会の不屈の座り込み闘争と連帯して、ヘリ基地反対協など闘う人びとが続々と現地に結集し、15日午後、金城祐治代表らが怒りの記者会見を行い阻止行動への支援を訴えた。
 16日午後、ついに巨大な台船が姿を現した。抗議船がこれに肉薄して、激しく弾劾した。平和市民連絡会の平良夏芽共同代表ら2人が海に飛び込んで果敢に阻止行動を展開した。高い波の中での決死の闘いに敵も圧倒され、この日の作業は中止に追い込まれた。
 翌17日は、朝から足場の資材を積載した船舶が辺野古沖に登場、ダイバーらが海中で設置作業を始めた。カヌー隊が十数艇、作業船に接近してダイバーに対する闘いを貫徹した。「くいを打たせないぞ」「戦争のための基地をつくらせないぞ」と必死の思いで海上の闘いが展開された。海に飛び込んで単管パイプをつかんで作業を阻止する。それに対して施設局側の業者が潜水器具を外すなどの殺人的な攻撃を加えてきた。まさに命がけの闘いが展開されているのだ。
 18日も朝から単管足場の設置作業に対し、抗議船、カヌーで阻止行動を展開、海に入り足場の中に入り込んで闘うなど戦闘的に対決し抜いた。雨の中、1日中海につかりながら足場にしがみついて阻止行動を展開することに敵は追いつめられ、作業はまったくはかどらない。
 施設局側は足場を1カ所だけ作ったが、依然として掘削作業そのものには入ることはできていない。
 連日、辺野古漁港のテントでは座り込みが継続され、おじい、おばあたちがかたずをのんで海上の闘いに声援を送りつつ、防衛施設局の暴虐な攻撃と対決している。みな勝利感にあふれ、この闘いが全沖縄、全国の人民の心を動かし、続々と現地に結集するなら必ず勝てると確信している。名護新基地建設を許すかどうかの本番の決戦だ。全力で駆けつけよう。カンパを集中しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号2面1)(2004/11/29)

カクマルの「告訴」運動粉砕を
「君が代」反処分闘争の団結を 権力呼び込んで破壊する策動

 11・7全国労働者総決起集会は、参加した労働者に限りない感動とエネルギーを与え、04年末〜05年の闘いの勝利の道筋を示した。集会には東京の「日の丸・君が代」被処分者を先頭に全国の教育労働者が大挙結集し、被処分者・被解雇者約20人が登壇、特別報告を行った。その熱烈なアピールは参加者の胸を強く打ち、来春「日の丸・君が代」闘争をすべての労働者人民のテーマに押し上げた。教育労働者は今、来春へ向けて石原・都教委と全面激突して「日の丸・君が代」闘争を発展させようと全力をあげて闘いぬいている。まさにこの時、「日の丸・君が代」闘争を破壊しようとする断じて許せない策動をカクマルが進めていることが明らかとなった。都知事・石原らを脅迫罪などで告訴・告発し、「日の丸・君が代」闘争に国家権力を引き込もうとしているのである。革共同は、この告訴・告発運動を絶対に許さない。「日の丸・君が代」闘争の階級的発展をともにかちとる立場から、被処分者を始め石原・都教委と闘うすべてのみなさんが、この運動の正体を見抜き、カクマルの策動を粉砕するためにともに立ち上がることを訴える。

 カクマル内部文書で「告訴・告発を支援する会」を画策

 われわれが入手したカクマルの内部文書によれば、カクマルはこの「告訴・告発」運動に「テキーラ」という暗号名をつけ、「東京の教育破壊を考える会」と並ぶカクマルの教育労働者工作の重大な水路として位置づけている。そこに記された「告訴・告発」運動の骨格と組織化の計画は、以下のようなものである。
 告訴・告発対象は石原都知事、横山教育長、全教育委員。容疑は脅迫罪、強要罪、公務員職権乱用罪。告訴人は現場教師、解雇者などの当事者。告発人には組合員、法学者、弁護士、市民などを集める。11月中にも告訴・告発に踏み切り、賛同人を集めて「告訴・告発を支援する会」などを結成する。
 告訴・告発人に「オルグしたい文人(ママ)・市民」として、槙枝(元日教組委員長)、坂牛(元都高教委員長)、内田(元都教組墨田支部委員長)、尾山(予防訴訟弁護団長)の各氏らの名前があげられ、「『被処分者の会』の中心メンバーからも組織化することが重要」としている。
 「日の丸・君が代」闘争に分断を持ち込み破壊することを狙うこのカクマルの策動を、絶対に許すことはできない。
 9人の解雇、248人の戒告・減給という大量処分をのりこえて打ち抜かれた今春「君が代」不起立闘争は、石原・都教委に大打撃を与え、巨大な反撃の広がりを生み出している。この闘いは、戦時下の「日の丸・君が代」闘争の新たな発展を切り開き、それを教基法改悪粉砕・改憲阻止の一大焦点に押し上げた。さらに戦争協力拒否の先駆として、現場組合員の自主的決起をとおして労働組合の階級的再生をかちとる闘いとして、労働運動全体に大きなインパクトを与えた。
 この闘いにおいて、弁護団は被処分者、被解雇者、原告団と一体となって闘い、法廷闘争においても重要な地平を切り開いている。予防訴訟は不起立闘争を生み出す母体となり、卒業式処分に対する即座の不服審査請求は入学式での不起立闘争の檄(げき)となった。予防訴訟では都教委「10・23通達」の違憲違法性、闘いの正義性を全面的に主張し、教育労働者を鼓舞している。8月の被処分者を対象とした再発防止研修に対して執行停止を求めた提訴では、司法からの警告とも言える決定がかちとられ、研修当日は会場内外で抗議闘争が爆発した。
 言うまでもなく、労働争議における法的手段とは、職場の闘いを軸とした大衆運動の強化に資するものでなければならない。「日の丸・君が代」強制に対する法的措置も、それが職場闘争や大衆闘争にもたらす影響を十分に吟味し検討しなければならない。現在闘われている法廷闘争は、広範な支援・連帯運動の結集軸となるとともに、現場の闘いを励まし、その主体を強化するものとなっていることが重要なのである。

 教育労働者に捜査協力強制

 ところが、カクマルが策動している「告訴・告発」運動は、つくりだされてきた闘いの地平を傷つけ、国家権力を反処分闘争に引き込み、被処分者・被解雇者をその攻撃にさらすものである。
 刑訴法では、検察官は捜査権(191条)、警察官に対する指示・指揮権(193条)を有し、検察官と警察官は、捜査上の協力が義務付けられている(192条)。被疑者以外の者に対する任意出頭・取り調べもできる(223条)。
 石原の意を受けた教員弾圧の下手人である検察が、石原や横山を起訴することなどあるはずもない。しかし、検察が「日の丸・君が代」闘争の破壊だけを目的として捜査に乗り出すことは大いにありうることである。「石原や都教委の犯罪の捜査」「起訴するかどうかを判断するため」と称して、告訴人・告発人はもちろん、職場の同僚の教職員なども含めて、事情聴取の対象とできるのである。
 「あなたは脅迫されたのか」「なぜ強要されたと感じたのか」「『国旗・国歌法』が制定されたにもかかわらず、なぜ国旗掲揚・国歌斉唱に反対するのか」「公務員としての職務をなぜまっとうしないのか」――「事情聴取」の名で被処分者・被解雇者と現場教職員を取り調べ、被処分者の会や予防訴訟をすすめる会に対する情報収集を繰り広げる。検察・警察にとっては、「日の丸・君が代」闘争の主体を切り崩すために告訴・告発を徹底的に使った上で、「起訴しない」という結論を出せばいいのである。
 そもそも告訴・告発とは、検察に刑事公訴の提起を要求する、すなわち国家権力の発動を要求することである。国家権力以外の第三者を告訴・告発することは、大衆運動の階級的原則から言って許されない。この手段が例外的に許容されるのは、警察権力による弾圧に対する反撃として、警官による暴行を特別公務員暴行陵虐罪で告訴する場合などに限られる。
 「告訴・告発」運動が「日の丸・君が代」闘争にもたらすものは、被処分者・被解雇者の闘いに国家権力の介入を招き入れ、その団結をずたずたに破壊することだけである。

 石原に闘争破壊の口実提供

 今春「日の丸・君が代」闘争の大爆発は、石原・都教委、さらには小泉政権をも震え上がらせた巨大な闘いである。日帝が自衛隊のイラク派兵を強行し、いよいよ戦争国家へ大飛躍をなし遂げようとしている今、「日の丸・君が代」が教育現場と階級闘争の一大焦点となっている現実など、日帝支配階級にとっては絶対に容認することができない重大事態なのである。
 そのことは、10月28日の園遊会で、都教育委員・米長邦雄を前に天皇が「強制になるということではないことが望ましい」と述べたことにも示されている。天皇にとっては、「日の丸・君が代」と天皇制に対する不屈の抵抗闘争が爆発することなど、絶対に認められないことだ。だから“強制しなくても全員が心の底から天皇を敬愛し、斉唱するようにせよ”と命じたのである。こうして「日の丸・君が代」闘争が天皇にも大打撃を与えたという現実に、政府中枢も石原と都教委も震え上がり、被処分者に憎悪を燃やして、来春「日の丸・君が代」闘争をなんとしてもたたきつぶそうと躍起になっている。
 しかし、石原と都教委は、教育労働者の不屈の抵抗闘争をつぶす手段を失っているのも現実だ。被処分者を屈服させることを狙った8月の再発防止研修は、まったく逆に被処分者が攻勢に打って出る転回点となった。石原・都教委は今や、来春の闘いを抑え込む有効な手段を何も持ち合わせていないのだ。
 こうした中で、カクマルが「告訴・告発」運動を開始したらどうなるのか。石原・都教委、それと一体化した検察・警察権力に対して、闘争破壊のための国家権力の介入を公然と容認し、弾圧の絶好の手段を提供するものになる。それこそ警視庁の公安刑事が喜び勇んで被処分者らの「事情聴取」に殺到する事態にもなりかねない。

 検察は労働者弾圧の張本人

 特に、二つの問題を指摘したい。
 ひとつには、告訴・告発運動は、予防訴訟、処分撤回闘争、解雇撤回闘争と結合して、板橋高校の刑事弾圧と闘う運動が形成されてきた地平を解体するものであるという点である。
 板橋高校事件とは、卒業式に来賓として招かれた元教諭が、式開始前に週刊誌のコピーを保護者に配布したことが「威力業務妨害」「建造物侵入」とされた刑事弾圧である。校長と都教委は警察に被害届を出し、警察は同校の教員に対する事情聴取、元教諭宅の家宅捜索を行った。
 警視庁公安部は10月7日に元教諭を書類送検し、東京地検が起訴を策動している状況にある。警察・検察が都教委と結託した教員弾圧の張本人であることは、闘うすべての人びとの共通認識となっている。
 カクマルの「告訴・告発」運動は、実践の中で形成されてきた刑事弾圧との闘いを切り崩し、「日の丸・君が代」強制攻撃の一角を担う検察権力を被処分者・被解雇者の闘いに招き入れようとする、とんでもない代物である。
 いまひとつは、教育委員の告訴・告発とその運動化は、戦後教育闘争と教育権論の地平を反動的に清算し解体するという点である。
 国家権力こそ教育労働運動の最大の主敵であった。勤評裁判も学テ裁判も、ストライキやピケットに加えられた国家権力の刑事弾圧に対する法廷闘争が軸であった。国民教育権論は、法廷において実力闘争の正当性を主張し、国家権力を断罪するために発展してきた理論であった。
 それに対して、教育委員を告訴・告発する運動とは、教育労働者が自ら国家権力の教育介入を要求する運動である。ここまであからさまに国家権力に依存し、その教育介入を容認する発想は、教育労働運動において類例がない。
 東京の不起立闘争は、教育労働者が教基法10条の意義を、体を張って権力の教育支配と闘う武器として復権させた闘いでもある。まさにその時、カクマルは告訴・告発運動によって国家権力に依拠して都教委を制動しようと主張するのだ。国家権力の教育介入を容認して、どうして教育の自由や自治が主張できるのか。

 現場攻防を「ハミダシ」と罵倒

 東京の教労カクマルは昨年「10・23通達」以降、予防訴訟に参加しようともせず、卒業式では処分覚悟の不起立闘争にも立ち上がらなかった。卒業式での大量不起立決起を目の当たりにして、「介入しないと、闘いが燃え広がってしまう」とうごめき始め、にわかに処分撤回闘争を語り始めたものの、「日の丸・君が代」闘争を発展させようという立場などさらさら持ち合わせていない。
 カクマルは本音では、今なお「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向」(『解放』8・16付・大地論文)などと現場組合員の自主的決起に悪罵(あくば)を投げかけている。今春の不起立決起が教育労働者の中に共感と確信を広げ、組合を突き動かしていることに、カクマルが大きな打撃を受け、この闘いを押しつぶそうとしていることは明白だ。
 それゆえカクマルは、「日の丸・君が代」闘争に介入し、その闘いをねじ曲げることを狙って、「告訴・告発」運動なるものを提唱し始めたのだ。
 「告訴・告発」運動について、カクマル内部文書は「すでに『被処分者の会』・『被解雇者の会』・『予防訴訟の会』などがやっている法的闘争にたいして別のものを『外からぶつける』という印象にならないように工夫する必要がある」とその本音を記している。
 東京の教育労働者は現在、10・23通達による「日の丸・君が代」強制に対して、予防訴訟、処分取消人事委闘争、解雇撤回裁判、再発防止研修取消訴訟の四つの法廷闘争を統一弁護団のもとに進めている。カクマルは、自らの運動が処分・解雇撤回闘争と予防訴訟の統一と団結を外部から破壊するものであることを十分に自覚しているのだ。
 にもかかわらず告訴・告発に踏み切る目的は、これらに対抗したカクマルが主導する独自運動づくりにある。内部文書では「そのため(『外からぶつける』という印象にならないため)には彼らの中心メンバーも加え、あくまでも内部の闘いと連帯し支援するための闘争だ、ということをはっきりとおしだす」とまで記している。“被処分者・被解雇者を告訴・告発者として引っ張り込めば文句をつけられないだろう”と。
 処分撤回闘争・解雇撤回闘争への介入・破壊の宣言以外の何ものでもない。

 カクマルの敵対を打ち破り来春の不起立闘争の拡大を

 すべての教育労働者は、カクマルの闘争破壊策動を打ち破って、階級闘争の原則を貫いて「日の丸・君が代」闘争の勝利を切り開こう。
 その核心は、教育労働者の階級的な団結の強化と拡大である。被処分者を中心に、分会・職場を基礎にした強固な団結を築き、「日の丸・君が代」闘争に立ち上がることである。
 さらに「日の丸・君が代」闘争を教育労働者だけのテーマとせず、すべての労働者人民のテーマに押し上げて闘おう。11・7集会に結集した他産別の労働者こそ、闘う教育労働者の最大の援軍である。
 そして当面する都教委との闘いの最大の勝負は、05年卒・入学式闘争における不起立・不服従闘争の断固とした継続と拡大にある。05年卒業式の焦点を、生徒指導の職務命令の問題だけにずらしこんだり、教育労働者としての体を張った不起立闘争を放棄して教育実践のみに退却しようとする傾向と闘おう。
 闘いの拡大こそが「君が代」不起立処分に対する回答であり、処分攻撃を無力と化す道である。都教委包囲ネットワークは「来年も3ケタの不起立を貫徹しよう」と打ち出し、闘いを全国に呼びかけている。
 まさにこうした階級的立場に立った闘いの強化が求められている今、カクマルは「告訴・告発」運動によって闘いをねじ曲げ、「君が代」不起立闘争の発展を抑え込もうとしているのだ。
 カクマルが労働運動においてなしてきた悪行を直視し、階級的労働運動と「日の丸・君が代」闘争の破壊者としての正体をはっきりと見抜こう。カクマルの闘争破壊策動を打ち破って、来春「日の丸・君が代」闘争を全都・全国に大きく広げよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号2面2)(2004/11/29)

国鉄分割・民営化に加担 警察使い闘う組合を攻撃 カクマルの反労働者的正体

 教育労働者運動に「告訴・告発」路線を持ち込もうとしているカクマルとは、どういう党派なのか。運動に国家権力を引き入れようとする策動は今度が初めてではない。
●権力と連合して襲撃
 もともとカクマルは、70年安保・沖縄闘争が大高揚し、権力が破壊活動防止法を発動して闘う党派に弾圧を加えてきた時に、「対立党派が弾圧されることはいいことだ」と喜び、「権力が(中核派の)首根っこを押さえている時に、われわれ(カクマル)は下の急所を蹴り上げる」という「首根っこ・急所」論を振りかざして、中核派を背後から暴力的に襲撃した。公然たるK=K連合(警察=カクマル連合)である。
 「敵の敵は味方」論、「権力の革命的利用」論、「統一戦線とは他党派解体の手段」論、このような反階級的な行動原理をもって、労働運動を破壊してきたのがカクマルである。
●分割・民営化に率先協力
 カクマルは80年代の中曽根の国鉄分割・民営化の大攻撃に加担し、国鉄労働者の闘いに敵対してきた。国労と並ぶ戦闘的伝統のある動労を牛耳っていたカクマル・松崎明は、自らの組織の温存のため、国労を権力にたたきつぶさせて自らが国鉄労働運動の主導権を握ろうとしたのだ。中曽根と当局に率先協力し、20万人首切りと国労破壊攻撃の先兵になったのである。その結果、200人もの国鉄労働者が死に追いやられ、カクマルはJR資本にJR総連の権力を与えられた。自分たちの延命のためには権力と手を組むことも、労働者の首を切ることもいとわないのがカクマルだ。
●告訴路線はお家芸
 カクマルと言えば「謀略論」である。神戸の連続児童殺傷事件も、オウム真理教事件も、カクマルによれば「CIAの謀略」ということになっている。これはCIAや日本の警察が万能の力を持っており、刃向かっても無駄だという「権力万能論」である。
 「権力の謀略」だと言いながら、権力を告訴したことは一度もない。逆に松崎が率いる動労カクマルは、動労千葉の戦闘的労働運動を破壊するために、延べ5万人も動員して動労千葉破壊の暴力襲撃を加え、多くの組合員に重軽傷を負わせた。そして、81年6月には津田沼電車区で「暴行事件」をデッチあげ動労千葉組合員10人を告訴、それに基づいて権力が7人を逮捕、3人起訴という弾圧を加えた。このように闘う労働者を権力にすがって攻撃する手段として、カクマルは告訴戦術を使ってきたのである。
●「日の丸・君が代」に賛成
 カクマル松崎は、JR東労組委員長時代、委員長室の机の上に「日の丸」を飾り、「ヨーロッパやアメリカの労働組合の委員長室には必ず国旗があるのに、なぜ日本(の組合)にはないんだ」とうそぶいていた。昭和天皇が死亡した際には、当時の鉄道労連(JR総連の前身)は、組合事務所に半旗を掲げて弔意を表し、旗開きも中止して「服喪」した。カクマルは天皇制も「日の丸・君が代」もまったく違和感なく受け入れているのだ。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号3面1)(2004/11/29)

民主労総が労働者大会 7万人結集、ゼネスト宣言
非正規職法改悪阻止へ 「闘争(トゥジェン)!」の叫び一斉に
 動労千葉が訪韓し連帯行動

「行こう!ゼネストへ」――7万人が非正規労働法改悪阻止へゼネストを決意して大挙結集した(11月14日 ソウル・光化門)=写真提供・動労千葉
 11月14日に韓国・ソウルの光化門で開かれた民主労総(全国民主労働組合総連盟)の「チョンテイル烈士精神継承2004年全国労働者大会」には、史上最大規模の7万人が参加、非正規職労働法改悪阻止へ、「11・26ゼネスト突入」が宣言された。
 この歴史的な民主労総大会に、日比谷野音で開かれた11・7労働者集会での民主労総ソウル本部・パクサンユン事務処長の呼びかけにこたえて、11・7集会参加者の代表が動労千葉を先頭に田中康宏動労千葉委員長のメッセージを持って参加した。
 メッセージの冒頭、民主労総のゼネスト闘争への熱い連帯を表明した田中委員長は、全国公務員労組のスト賛否投票に対する弾圧を弾劾、「闘いの前進に対する反動も渦巻いています。しかし、労働運動の再生に向けた胎動は、その激しいルツボの中からこそ生まれることを私たちは知っています。非正規職関連法案絶対阻止! 日韓自由貿易協定締結阻止! そして私たちは何よりも、かつて日本が歩んだ侵略戦争の過ちを絶対に繰り返させないために、全力を尽くして闘いぬく決意です」と、限りない連帯を表明した。
 ソウル本部のパクサンユン事務処長、ムンムンジュ組織部長を始め、昨年来日したキムチャンソプ副本部長らが動労千葉訪韓団を歓待した。大会の会場では、動労千葉を「日本で一番闘っている組合です」と次々に民主労総や民主労働党などの闘う人士に紹介、連帯の輪が大きく広がった。

 4大要求掲げ

動労千葉派遣団がソウル本部のキムチャンソプ副本部長(右)とともに労働者大会に参加
 今秋、民主労総は@派遣法など非正規職法改悪反対AFTA(自由貿易協定)、DDA(ドーハ開発アジェンダ)交渉中止Bイラク派兵反対C国家保安法廃止――の4大要求をかちとるため、「ゼネストに立とう」と呼びかけ、闘ってきた。すでに民主労総は、10月25日から11月6日の期間に18連盟・15地域本部傘下の1700組合で一斉にスト賛否投票を実施し、投票率58%、賛成率68%でゼネストを決定。さらに、全国公務員労組は「公務員も労働者だ」と労働3権を要求してゼネストを準備、盧武鉉(ノムヒョン)政権の大弾圧に抗して15日ゼネスト突入を宣言している。
 2万人余が集まった前夜祭の高揚から明けた14日、市内各地で開かれた産別ごとの集会から組合旗を翻した労組隊列がデモ行進で光化門に続々と結集した。光化門十字路に設置された舞台から地下鉄チョンガク駅に至る広い道路一帯がぎっしりと人波で埋まった。
 本大会は午後3時から開かれた。イスホ民主労総委員長は、「私たちは皆がチョンテイルになってゼネスト闘争を決意するためにこの場に集まった。ゼネストは非正規職労働法改悪阻止と権利保障立法のための闘争、公務員の労働基本権を完全にかちとるための闘いだ」と力説。さらに、国家保安法完全廃止、韓日FTA締結阻止など今大会の闘争課題を列挙し強調した。

 ゼネスト指令

 委員長は、@すべての組織は11月26日からゼネストに突入するAゼネストによるすべての政治的、法律的責任は委員長が負うBすべての指針は委員長指針に一元化し、どんな妨害や弾圧にも屈しないで一糸乱れず行動する――というゼネスト闘争指針1号を発し、参加者は一斉に「トゥジェン(闘争)!」と応じた。
 大会は連帯あいさつから始まった。民衆連帯、民主労働党、大会初参加の韓国労総のイヨンドク委員長が発言。文化公演に続き登壇した非正規連帯会議のパクテギュ議長は、「非正規職労働者は今この時間にも現場で働いている。すべての正規職労働者を非正規職化しようとする労働法改悪を阻むために、非正規職労働者が先頭に立つ」と宣言し、「この闘いは改悪阻止を超えて非正規職の正規職化を貫徹する闘いに発展させなければならない。そのためには無期限ゼネストに進もう」と訴えた。
 運輸労働者を代表して民主タクシー連盟のクスヨン委員長が「私たちが止めれば、世の中が止まる」とゼネストへ檄を飛ばした。
 イスホ委員長のゼネスト指針1号の発表を受けて、公務員労組のキムヨンギル委員長が立った。弾圧を受けて手配中のキム委員長は盧武鉉政権を強く弾劾し、「あす11月15日午前9時、公務員労組の全組合員はゼネストに突入する」と宣言した。
 チョンテイル烈士の母、イソソンさんは、全参加者に亡き息子を重ねて「生きて動いている労働者の皆さん」と語りかけ、ゼネストの勝利を呼びかけた。
 翌15日、過酷な弾圧を跳ね返し公務員労組は203支部中77支部4万5000人余がゼネストに入った。
 派遣法改悪阻止の11・26ゼネストへ! 日韓米労働者の国際連帯闘争を発展させよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号4面1)(2004/11/29)

12・4法大から文科省デモへ
教基法改悪阻止=大学改革攻撃粉砕の大闘争かちとれ
 革共同中央学生組織委員会

 11・7全国労働者総決起集会が、帝国主義打倒の体制変革に向けた日米韓労働者の国際連帯闘争として巨大な成功をかちとった。全国学生も大結集し、労働者階級とともに闘いぬく決意を新たにうち固めた。この地平から、さらなる攻勢にうって出よう。教育基本法改悪阻止=大学改革攻撃粉砕、法大決戦の大爆発へ、12・4全国学生総決起闘争(法政大市ケ谷キャンパス、12時半)に大結集しよう。日帝・小泉=奥田(日本経団連会長)の打倒を掲げ、文科省−国会への大デモに立ちあがろう。

 労働者階級と連帯し帝国主義倒そう

 12・4大結集のために第一に訴えたいことは、11・7全国労働者総決起集会の歴史的成功と高揚を大学キャンパスで大宣伝し、日米韓の労働者階級と連帯して、今こそ帝国主義打倒の体制変革の闘いに総決起することを熱烈に呼びかけようということである。
 第一に、11・7労働者集会が、プロレタリア世界革命の始まりという世界史的意義をもって、圧倒的内容でかちとられたことだ。
 日米韓の闘う労働者を先頭に3600人余が日本帝国主義の首都・東京に大結集し、アメリカの首都ワシントンで行われた10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)の高揚を引き継いで、帝国主義打倒の体制変革に向けた本格的な第一歩を踏み出した。イラク侵略戦争の激化と労働者階級への階級戦争に突き進む帝国主義に対して、帝国主義と労働者階級の非和解性を鮮明にうちだし、「支配階級を歴史のくずかごへ」「労働者に権力をよこせ」を掲げた労働者階級の革命的大運動が始まったのだ。
 第二に、帝国主義の反動とまったく闘わない連合・全労連指導部の制動・抑圧をうち破って、全国の闘う労働者・労働組合の大結集がかちとられたことだ。
 それは、動労千葉・港合同・関西生コンの3組合とともに、日帝・小泉=奥田との全面対決に立ちあがる日本のランク・アンド・ファイル(現場労働者)の巨大な決起だ。日本版MWMを実現し、小泉=奥田を打倒するまでやむことのない労働者階級の一大反転攻勢がついに始まったのだ。
 第三に、闘う教育労働者を先頭に、教労・全逓・自治体・国鉄の4大産別決戦の勝利の展望が鮮明に示されたことだ。とりわけ05年教育基本法改悪阻止に向けたアピールとして、被処分者の会と被解雇者の会の闘う教育労働者が登壇し、「抑圧と処罰で私たちの反撃を止めることはできない」「海外の労働者と連帯して政府の戦争政策に断固として反対する」という戦闘宣言が発せられたことは実に決定的だ。
 第四に、名護新基地建設絶対阻止、沖縄米軍基地全面撤去・日米安保同盟粉砕の闘いが日米労働者階級の共同の課題として鮮明にうちだされ、第3次安保・沖縄闘争の本格的爆発に向けた新地平がかちとられたことだ。
 第五に、社・共に代わる新たな闘う労働者党の創成が、11・7の階級的労働運動の新潮流の発展の中で本格的にかちとられようとしていることだ。何より革共同が新指導路線のもとで、労働者階級自己解放というマルクス主義の原理を全活動の根幹に据え、動労千葉の歴史的闘いに学んで、労働組合の戦闘的階級的強化と防衛、創成の闘いとマル青労同の建設を全力で推進し、革命的労働者党としての自己変革を闘いとってきたことである。
 第六に、11・7集会への全国学生の大結集を実現し、階級的労働運動と連帯する戦闘的学生運動への飛躍をかちとったことである。それは10・17−11・7の革命論的意義をキャンパスに真っ向から持ち込む中でつくられた、まったく新しい学生運動の隊列だ。
 「詐欺罪」のデッチあげなどで3人を不当逮捕した11・2弾圧は、重大な試練をわれわれに突きつけた。だが、3人の完黙・非転向の闘いを先頭に猛然と大衆的反撃を組織し、逆に11・7への大衆的結集の拡大をかちとった。そして弾圧を完全に粉砕して3人を奪還した。これは、今年9月の全学連大会で開始した新たな挑戦のひとつの到達地平であり、労働者階級と連帯して帝国主義打倒の体制変革をめざす学生運動の本格的な出発点をかちとったということである。

 ブッシュ・小泉打倒の05年決戦に立て

 12・4大結集のために第二に訴えたいことは、11・7の地平から直ちに、05年階級決戦の大爆発に向かって、猛然と総決起することである。
 その第一の柱は、第3次安保・沖縄闘争の本格的爆発をかちとることだ。米帝のファルージャ大虐殺−イラク侵略戦争の凶暴なエスカレーションに対して、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の大闘争をたたきつけていくのだ。
 何より、イラク侵略戦争の激化と真っ向から対決して、11月16日以降連日、名護・辺野古現地において新基地建設のボーリング工事を実力阻止する激突が闘われている。直ちに全国学生は辺野古現地に駆け付けよ! 沖縄人民と連帯し、階級的労働運動と連帯して、全国キャンパスで第3次安保・沖縄闘争の本格的発展をかちとろう!
 第二の柱は、「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者と連帯して、教育基本法改悪阻止・改憲阻止決戦を大爆発させることだ。
 「日の丸・君が代」強制粉砕、教育基本法改悪阻止の大決戦は、日帝の戦争国家化攻撃と真っ向から対決する一大反戦闘争そのものである。何より「日の丸・君が代」強制粉砕、教基法改悪阻止決戦は、大学の戦争動員を粉砕し新たな「学徒動員」の道を全国学生の丸ごとの決起でうち砕いていく決戦である。
 すでに戦時下の教育反動攻撃に対する教育労働者の反撃の闘いが巨大な規模で始まり、闘う新潮流運動との合流をかちとり、05年3月の全国総決起に向かって発展している。今こそ闘う教育労働者と連帯して、「日の丸・君が代」粉砕、教基法改悪阻止の大決戦へ全国学生の総決起をかちとるのだ。
 第三の柱は、法政決戦を先頭に全国大学闘争の大爆発をかちとることだ。この闘いは、大資本家どもによる大学の直接支配と再編の攻撃との闘いであり、巨大な階級決戦情勢のただ中で、大学と学生を帝国主義の側が獲得するのか、それとも労働者階級の側が獲得するのかをめぐる大決戦なのだ。その中でわれわれは、学生自治会破壊・自治寮破壊と学生の自主的・主体的活動の全面的圧殺に対して、法大生を先頭とする全国学生の総決起を実現し、労働者階級と連帯して闘う学生によるキャンパス支配をかちとっていくのである。
 この学生戦線の闘いの三つの柱は、三つにしてひとつの闘いであり、帝国主義を打倒する体制変革に向けた闘いそのものである。この3つの闘いの目的意識性をはっきりさせて激動する情勢と真っ向から対決し、労働者階級と連帯する新しい本格的な学生運動をかちとっていくのだ。
 まず何より、米帝ブッシュのファルージャ大虐殺を始めとするイラク・中東侵略戦争の凶暴なエスカレーションとの対決をがっちりと据えて闘おう。このイラク侵略戦争のエスカレーションは、イラク人民の民族解放・革命戦争によって戦略的敗勢へと追いつめられた米帝の断末魔のあがきであり、イラク・中東支配の大崩壊を一層促進する以外にない。しかもイラクは中東・中央アジアの石油権益をめぐる独仏帝国主義との帝国主義間争闘戦の決戦場となっている以上、米帝にとって撤退という選択はありえない。さらに、このイラク侵略戦争の泥沼化は、ドル暴落と原油価格の高騰を媒介に、米帝経済=世界経済の29年型大恐慌への突入を決定的なものとしていく。
 だからこそ米帝ブッシュは、日米同盟の強化をテコに、イラク・中東さらには中国を射程に入れた世界戦争政策の推進と「オーナーシップ(所有者優先)社会の実現」を掲げた労働者階級に対する階級戦争をますます激化させていくしかないのだ。
 そして日本帝国主義もまた、日米安保の大エスカレーションをテコに、イラク侵略戦争の泥沼と北朝鮮・中国侵略戦争の発動に突っ込んでいくしかない。日帝は、米帝との競合・共同による侵略戦争政策のエスカレーションをもって、「東アジア自由経済圏」構築に向けた絶望的な飛躍をなしとげようとしているのだ。
 すでに小泉=奥田ら日帝支配階級は、05年教育基本法改悪=改憲攻撃をうちだし、イラク侵略派兵の継続・拡大と日米安保の大エスカレーション、沖縄・名護への新基地建設の強行、「日の丸・君が代」強制に反対する教育労働者への攻撃、郵政民営化を頂点とする大民営化攻撃=労働組合解体の攻撃、社会保障制度解体の全面的攻撃をかけてきている。しかも、労働者階級の闘いを抑圧してきた社・共、連合、カクマルが破産し没落する中で、東京都の行政権力を牛耳るファシスト石原が、国家主義と排外主義・差別主義をむき出しに、闘う教育労働者を先頭とする階級的闘いへの暴力的圧殺攻撃をかけてきている。
 こうした階級情勢の中で、法政大を始め全国大学で、戦後的な自治や民主主義を一掃し、大学と学生を帝国主義の国策に動員する攻撃もまた一気に激化しているのである。
 これは、厳しい試練であるとともに、決定的な情勢の到来である。ついに30年代階級闘争の敗北、戦後革命の敗北を乗りこえる世界史的決戦の時代がやってきたということだ。
 何より帝国主義の凶暴化に対して、イラク人民・ムスリム人民の民族解放・革命戦争と本質的に一体の闘いとして、アメリカ労働者階級が10・17MWMで「自らの名をもってアメリカを変える運動を始める」ことを宣言し、プロレタリア革命への不退転の闘いに立ちあがっている。
 そして日本の労働者階級が、11・7全国労働者総決起集会をもって、帝国主義という共通の敵に対する国際連帯闘争の決定的一翼として登場し、闘う教育労働者を先頭に連合・全労連の制動と抑圧を突き破るランク・アンド・ファイルの闘いが力強く開始されている。何より動労千葉の闘いが、階級的団結を固め、原則的に闘うならば、必ず勝利できることを鮮やかに指し示している。
 重要なことは、戦争と民営化は帝国主義・資本主義の終わりの始まりを突き出すものであり、今や政治・経済・社会生活の全面において帝国主義と労働者階級は非和解であり、労働者階級による帝国主義打倒の体制変革の闘いと連帯する学生運動の大爆発をかちとることにこそ、展望があることを鮮明に訴えていくことだ。

 法大決戦に勝利し学生運動の爆発へ

 12・4大結集のために第三に訴えたいことは、教育基本法改悪阻止=大学改革攻撃粉砕、法大決戦勝利を掲げる12・4全国学生総決起闘争の決定的意義だ。
 一つに、12・4闘争は、闘う教育労働者と連帯し、帝国主義打倒の体制変革に向かって「日の丸・君が代」強制−教育基本法改悪攻撃と真っ向から対決する一大政治闘争だ。
 教育基本法改悪案の05年通常国会への提出を絶対に阻止するのだ。教基法改悪は、有事立法と一体の侵略戦争体制づくりであり、労働者の戦争動員の大反動攻撃だ。「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。これに尽きる」という民主党・西村真悟の発言こそ、教基法改悪攻撃の核心だ。
 与党教育基本法改正協議会の中間報告は、全11条からなる現行教基法を18条に再編し前文も書き換える全面改定であり、個人の尊厳を否定して「愛国心の育成」「国際貢献の態度」を教育の目標に据えた。そして国家権力・行政権力の教育への支配・介入を禁じた現行第10条を転覆・解体しようとしている。これはもはや改悪でもない。教基法を廃止して戦争教育法、日教組弾圧法を制定するということだ。
 ファシスト石原の「日の丸・君が代」強制攻撃は、この教基法改悪の全内容を先取りするものだ。「職務命令」による強制−処分を乱発し、闘う教育労働運動を暴力で抹殺し、国策としての戦争を支持する国民づくり、国益のためには命を惜しまない少年少女をつくり出そうとしているのだ。この教基法改悪攻撃の重大性を今こそ全学生に訴え、闘う教育労働者と連帯して、教基法改悪を阻止し、帝国主義打倒の体制変革へと向かう闘いとして、12・4に怒りの総決起をかちとろう。
 そして、教基法改悪の今ひとつの重大な核心は、帝国主義間争闘戦に勝ちぬくためのエリート育成と、雇用の多様化に対応した労働力の育成であり、国策への大学・学生の動員攻撃である。日本経団連は「教育を国家戦略の柱として位置づける」といい、「全体の底上げより、トップ層の強化を」と「多様性」「競争」「評価」をキーワードにエリート育成のための差別・選別教育を進めるとしている。これと真っ向から対決していくことだ。
 重要なことは、この核心に、大学改革攻撃がはっきりと位置づけられていることだ。すでに大学の中枢に大資本家どもが乗り込み、資本の利益、国家の利益の役に立たない研究・学問や、サークル活動を始めとする学生の自主的主体的活動を大学から一掃しようとしている。この大学改革攻撃との闘いは、学生が主体となって大学から教育基本法改悪を阻止し、労働者階級と連帯して帝国主義打倒の体制変革へとのぼりつめていく歴史的決戦だ。そして、法大学生運動をめぐる決戦こそ、この教基法改悪阻止=大学改革粉砕闘争の天王山だ。この革命的意義を鮮明にさせて、12・4に大結集をかちとろう。
 二つに、12・4闘争は、法大生の怒りの総決起で、学生会館ホール棟の解体工事強行を阻止し、サークル活動の全面的保障をかちとる大決戦だ。
 法大当局は、清成総長を先頭に「自立型人材の育成」を掲げ、小火(ぼや)を口実にした学生会館の解体をテコに、学生の自主性・主体性に貫かれたサークル活動を一掃しようとしている。それは、小泉=奥田らの労働者階級に対する階級戦争の一環をなす大攻撃である。
 だが、清成の掲げる「自立型人材の育成」とは、学生にとって自らを「よりよい商品」として資本の搾取に捧げること以上のものではない。しかし「帝国主義・資本主義が永遠のもの」などというのは完全な幻想であり、もはや労働者階級によって打倒され、労働者を主人公にした新しい社会体制への移行をかちとる以外にないところに来ているのだ。いまや帝国主義・資本主義と法大生の関係もまた非和解なのだということを唯物論的現実として清成総長にたたきつけていくことが求められているのだ。
 何より決定的なことは、この間1千筆をこえる署名がかちとられ、「新施設に部室をつくれ」「学生と話し合って新施設をつくれ」という法大生の怒りの決起が11・17学生部長会見でたたきつけられたことだ。これは法大における体制変革の闘いの始まりだ。いまこそすべての法大生は、大学改革攻撃粉砕の最先頭に立とう。全サークル、全クラスから12・4に大結集し、力関係の決定的転換をかちとろう。
 三つに、12・4闘争は、大学改革攻撃と対決する全国大学闘争の一大反転攻勢を切り開く闘いだ。階級的労働運動と連帯して体制変革をめざす学生運動の登場こそ、東北大有朋寮廃寮化攻撃、都立大改廃−首都大学新設攻撃を打ち破る決定的力だ。12・4を突破口に資本家どもの大学支配を打ち破り、体制変革派の学生運動のキャンパス支配を全国大学に打ち立てよう。
 最後に、12・4に向けた闘いのただ中で、拠点大学における組織建設の拡大を実現しよう。さらに新たな大学に進攻し、没落と破産にあえぐ日共・民青とファシスト・カクマルを打倒して、労働者階級と連帯する戦闘的学生運動の大拠点をつくりだそう。党活動の3原則を根幹にすえ、機関紙拡大闘争と一時金カンパ闘争、マルクス主義の学習の圧倒的拡大をかちとろう。
 闘う全国学生は、今こそマルクス主義学生同盟中核派に結集し、05年決戦の大爆発へともに進撃しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2176号5面1)(2004/11/29)

11・7の熱気と感動を全労働者へ
日米韓の国際連帯一層強まる 闘う労働運動の巨大なうねり
 革共同中央労働者組織委員会

 11月7日、日比谷野音を満杯にする3600人を超える労働者の隊列が登場した。戦争と民営化に果敢に立ち向かい、プロレタリア解放を希求する国際連帯を固めた隊列は、149労組・団体の集会賛同に示されるように、数十万、数百万の日本労働者の怒りと闘いを体現した。10・17MWM(百万人労働者行進)を引き継ぐ11・7集会は、韓国・民主労総60万の闘いと合流し、全世界の数千万労働者の巨大な奔流をつくり出しつつある。11・7は、全世界の変革に向け、階級的労働運動の歴史的闘争宣言を発した。集会の密集性、戦闘性、自己解放の息吹、熱気、躍動は比類なきものだった。民主労総ソウル本部とILWUローカル10・19・34、「日の丸・君が代」闘争の被処分者・被解雇者を始め、沖縄派遣団、全金本山労働組合、国労5・27臨大闘争弾圧被告などの登壇とその発言は全参加者の魂を揺さぶり、その団結をつくり出した。革共同は、こうした感動的な歴史的集会を呼びかけ準備した全日建運輸連帯関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3労組に心より感謝し、闘いをともにできたことを糧として一層の血盟を誓い、04年から05年決戦の激闘に立ち向かうことを決意します。

 プロレタリア解放へあふれる息吹、躍動感

 集会の比類ない求心力と戦闘的躍動感、自己解放性は、結集した3600人全員の変革と飛躍、その固い団結をつくり出した。3600人の参加者すべてに「革命」が起きている。一人ひとりの世界観、価値観、人生観が一変しているのである。革共同は、この集会の成功と感動の中から、党の革命的変革を真にかちとらなくてはならない。党を変革し、党と階級の関係を変革し、階級情勢の転換をかちとっていくのである。
 「11・7で何が起きたのか」。革共同の絶対的使命は、これを一刻も早く幾千万の労働者階級に伝えることである。
 この歴史的大集会を打ち抜いたこと、その感動を労働者階級に伝えることが、革命的情勢への突入のもとで階級的力関係の大転換をつくり出していく。11・7集会はまさに「プロレタリア革命がここから始まった」と言える歴史的一日となろうとしている。プロレタリア自己解放の躍動的うねりに全身を置く立場から、11・7をともに総括しようではないか。

 米MWMと韓国ゼネストを結ぶ架け橋に

 第一に、11・7労働者集会は、呼びかけ3労組と3カ国の労働者が固いきずなを深め、10・17米MWMと呼応し、さらに韓国民主労総の11・14労働者大会−ゼネストの闘いと合流して、全世界のプロレタリア解放闘争の巨大な革命的胎動を生み出した。
 MWMは「ブッシュ打倒、ケリーもノー」を貫き、アメリカ階級闘争を根底的に分岐させる偉大な闘いだった。この決起こそが、米大統領選挙でのブッシュ当選にもかかわらず、アメリカ社会の大分裂をつくり出している。
 ブッシュは、イラク・ファルージャで、ナチス・ドイツのスペイン・ゲルニカや日帝の南京大虐殺と同様の無差別虐殺を凶行した。人民の皆殺しにより抵抗の砦(とりで)のファルージャを廃虚と化す最悪のジェノサイドである。
 この大虐殺は、自衛隊の空輸なしにはありえなかった。まさに日帝・小泉は、ブッシュと同罪の虐殺下手人なのだ。ファルージャに侵攻したのは沖縄駐留の米海兵隊だ。今や帝国主義は、13億ムスリム人民を根絶し尽くすほかに終わりのない、破局的な侵略戦争にのめり込んでいる。日米帝国主義は、この凶悪きわまる世界戦争の枢軸なのである。
 だが、ファルージャ大虐殺こそ、米帝を敗勢の泥沼にますます追い込み、1月総選挙を自ら吹き飛ばす自滅行為である。それは、イラク・中東・全ムスリム人民の蜂起を促し、この民族解放闘争と連帯した全世界の労働者階級の帝国主義打倒・プロレタリア世界革命へのやむことのないうねりを引き起こしている。
 こうした情勢下に闘いとられたMWMは、国際的に連帯した労働運動の軍勢を世界史に登場させた。MWMを引き継いだ日本の11・7は、日米韓の労働者の連帯を具体的に実現し、ブッシュと小泉を枢軸とする帝国主義の侵略戦争への総反撃の突破口を押し開き、MWMを全世界に拡大していく出発点となったのだ。
 10・17アメリカ、11・7日本に続き、韓国・民主労総は11・14労働者大会を7万人の結集でかちとり、翌15日から全国公務員労組がゼネストに突入、11月26日から非正規職の一層の拡大をもくろむ労働法制の改悪を阻止するゼネストに突入することを決定した。
 国際連帯は、労働者に襲いかかる共通の攻撃に立ち向かうことによって発展していく。その共通の攻撃とは、帝国主義の「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃、戦争と民営化の攻撃である。これに対する反撃もまた、共通している。それはストライキ闘争であり、今、みずみずしく登場したランク・アンド・ファイル(現場労働者)運動である。それは、体制を変革し労働者が社会の主人公となることを共通のスローガンにしている。これこそ、戦時下において資本・権力に抗し、労働者の団結を守り抜く最も有効な闘い方なのである。
 11・7の翌日には、ILWUと動労千葉を先頭に争議組合が、米ホテル労働者抑圧の元凶である国際興業への闘争に決起した。ひとつの敵に対して日米の労働者が共同して闘う、生きた国際連帯闘争が闘われたのだ。
 こうした国際連帯は、戦闘的・原則的に闘う者同士が、互いに学び合い、勇気と激励を与えあうことによって生み出され深められた。実際、韓国・民主労総の代表は、11・7の躍動と高揚をとおして、これまで疎遠であったアメリカ労働者との連帯を具体的に深めている。アメリカ労働運動と韓国労働運動が、日本労働運動の動労千葉を架け橋として、「こんなに戦闘的な労働運動が存在していたのだ」と強固に認識しあい、信頼と同志的きずなを深めているのである。

 小泉=奥田の民営化と立ち向かう陣形築く

 第二に、11・7集会は、「日の丸・君が代」闘争を闘う教育労働者を始め、4大産別・全産別の総決起によって、大資本攻勢に対し真っ向から立ち向かう3600人の陣形をつくり出した。
 今日、すさまじい労働組合解体攻撃が4大産別にかけられている。小泉=奥田の「骨太方針W」は、労働組合解体と社会保障制度解体を軸に、その両者を民営化を頂点として押し貫く攻撃だ。教労、自治体、全逓など国家権力・国家機構内の労働組合を根絶することによって戦争のできる国家をつくり、他方で全労働者を対象に95年の日経連プロジェクト報告路線を全面的に貫徹し、終身雇用制を最終的に解体する攻撃なのである。
 11・7集会は二つの点でこれを跳ね返す反撃の力と団結をつくり出した。
 一つは、動労千葉を始めとする3組合の闘いに学び、そのもとで多くの労働者が団結し、反転攻勢への不抜の力をつくり出したことである。国鉄分割・民営化攻撃と闘った動労千葉の実践と教訓に学び、それに基づく団結と力がつくり出されつつある。さらに、資本・権力の労働組合解体攻撃に戦闘的に対決して団結権を死守する全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部と全国金属機械港合同の実践と教訓に学んだ団結と力である。
 特に、動労千葉の闘いの軌跡を著した『俺たちは鉄路に生きる2』は、今まさに民営化という労働組合解体攻撃の嵐にさらされる全逓、自治体、教労にとって生きた教訓であり、団結の指針である。
 今ひとつは、4大産別を先頭とした全産別が、ILWUのランク・アンド・ファイル運動を階級的労働運動の欠かすことのできない要素として学び、実践的な団結と力にすることである。
 今や労働運動は、戦争と民営化攻撃に屈服し、底なしの裏切りを深める既成労働組合指導部を、闘う新潮流が打ち破らなければ、一歩も前進できない。
 4大産別において、このことは次のように実践的に突き出されている。
 都高教の被処分者・被解雇者の闘いは、本質的にはファシスト石原から労働組合を守る闘いであり、そこには動労千葉の闘いと共通する精神が脈々と生きている。03年10・23通達に屈服した都高教本部に抗して、被処分者・被解雇者は不起立を貫いた。そして、11・6教育基本法改悪反対集会、11・7集会を、都高教・日教組本部の抑制を跳ね返して闘い抜いた。11・7に登壇した被処分者・被解雇者の闘いは、まさにランク・アンド・ファイル運動そのものである。
 郵政民営化攻撃に立ち向かう全逓労働者にとって、国鉄分割・民営化とストライキで闘った動労千葉の教訓は、この上もない生きた指針をなしている。郵政民営化阻止へ、職場からの物ダメ闘争に決起するためには、連合全逓中央を下から転覆するランク・アンド・ファイル運動を巻き起こすことが必要なのである。
 自治体でも、民営化の嵐が労組解体攻撃として吹き荒れている。自治労の21世紀宣言反対派は、国鉄闘争の教訓をわがものとし、反撃の闘いを全国的な新潮流運動として組織しなければならない。
 国鉄闘争は、1047名闘争と5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争を両軸に闘いを発展させることである。両者はまさに、国労解体、動労千葉解体攻撃に反撃する闘いである。国鉄闘争全体に動労千葉労働運動を拡大し、鉄建公団訴訟を軸に1047名共闘を確立し、5・27臨大闘争弾圧粉砕を最も鋭いランク・アンド・ファイル運動として闘い、国労再生を不屈にかちとらなければならない。
 連合・全労連中央の屈服を打ち破る新潮流運動は、動労千葉労働運動を土台に、11・7で国際連帯の新たな魂を注がれて、今まさに本格的・全面的に発展しようとしているのである。

 労組権力の獲得こそ4大産別決戦の核心

 第三に、11・7集会は、4大産別を先頭に労働運動・労働組合運動全体の分岐・流動を引き起こし、05年決戦の革命的展望を押し開いている。
 教労戦線における3月卒業式闘争での約300人の決起は、04年の階級情勢全体の分岐・流動・再編・高揚を切り開いた。8月の再発防止研修粉砕闘争、8・6広島への決起、8・30都教委包囲闘争は、「日の丸・君が代」闘争が教基法改悪阻止・改憲阻止をかちとる水路であることを示し、そこに向けての巨大な空間を獲得していった。
 だからこそこの闘いは、11・6〜7行動をめぐり、さらには「日の丸・君が代」に対する職場からの実力決起の発展をめぐって、動と反動が激突し、連合派、日本共産党、カクマルの反動が入り乱れ、重大な分岐・流動が激突的に生み出されたのである。日本共産党とカクマルは、「日の丸・君が代」闘争解体の策動を強め、連合・都高教本部は11・6〜7への反動的制動に乗り出してきた。
 この分岐・流動は、闘う勢力が労働組合権力の獲得に挑戦し、飛躍を実現する以外に、真に再編・高揚へと転化することはできない。「日の丸・君が代」闘争は、教育基本法改悪阻止・改憲阻止への基軸的水路であるとともに、それを日教組再生に発展させることによってこそ、力強く前進することができる。「日の丸・君が代」闘争は、侵略戦争と民営化・大失業攻撃を仕掛ける以外に延命できない帝国主義を打倒し、プロレタリア革命を押し開く中に、その勝利がある。
 教労におけるこの闘いに象徴されるように、分岐・流動をつくり出す闘いは、4大産別を先頭に全産別で闘われた。
 11・7で端緒的に切り開かれた分岐・流動を、4大産別を始め全産別で労働組合権力を獲得する闘いとして発展させなければならない。これが、05年階級決戦の最も核心的な闘いとなるのである。
 これはまさに、新指導路線における労働組合論の革命論的確立の実践であり、プロレタリア革命を具体的に引き寄せる闘いとなっていくのである。
 第四に、11・7は、国際連帯の闘いの発展をとおして、安保・沖縄闘争の新たな発展への突破口を押し開いた。

 安保・沖縄闘争の爆発へ圧倒的な展望開く

 8・13沖縄・宜野湾市の米軍ヘリ墜落・炎上事故は、沖縄が基地の島、戦争の島であることを突きつけ、沖縄が米帝のイラク侵略戦争において世界最大の軍事拠点となっていることを暴いた。これに対して9・12宜野湾市民大会には3万人が結集し、米軍ヘリ墜落を徹底弾劾するとともに、名護新基地建設阻止への巨大なうねりが開始された。
 米帝は、イラク侵略戦争に始まる世界戦争計画に沿い、世界規模での米軍再編を「トランスフォーメーション」として推し進めている。それは在日米軍基地、何よりも沖縄米軍基地の再編・強化であり、北朝鮮・中国侵略戦争に向けた臨戦態勢を築くものだ。それは日米安保=軍事同盟の飛躍的強化を意味している。
 こうした事態は、安保・沖縄闘争の新たな爆発を歴史的に迫っている。
 11・7集会は、名護新基地建設を実力で阻止する辺野古現地の不屈の闘いに連帯して開かれた。沖縄米軍基地撤去のためには日米労働者の固い連帯が必要であり、安保・沖縄闘争の発展は本土・沖縄を結ぶ階級的労働運動の再生によってかちとられることを確認したのである。

 闘う新たな労働者党の建設へ飛躍しよう

 第五に、11・7に結集した全労働者が闘う新たな労働者党を心の底から求めていることを、革共同は痛切に自覚し、命懸けの飛躍を実現しなければならない。
 現今の分岐・流動情勢は、闘う労働組合、闘う労働者党のもとでこそ再編され、真に高揚局面へと向かうのだ。革命的情勢はますます成熟しているが、それは動と反動の激突にかちぬく党的主体がなければ現実の革命には転化しない。分岐と流動を意識的・主体的に推し進める労働者党が確固として建設されなくては、プロレタリア革命の勝利はない。
 プロレタリア革命の勝利のためには、広範な労働組合と強固な労働者党の両者が、ともに絶対に必要なのである。革共同は、11・7の全参加者が心から希求し、11・7によって新たに生み出されたとも言うべき労働者党へと自己を変革し、自らを打ち鍛えなければならない。
 11・7には、多くの青年労働者が結集した。そこから直ちに闘う労組活動家が生まれつつある。この青年労働者を、マルクス主義の学習と労働運動の実践のための青年労働者の闘う団結体・政治組織であるマル青労同に大きく組織しよう。青年労働者の階級的組織化がなければ、教労を先頭とした4大産別の発展も、階級的労働運動の前進もない。プロレタリア革命の道もありえないのだ。

 3月「日の丸・君が代」闘争軸に改憲阻止へ

 11・7集会によって、闘う労働運動の新潮流は05年決戦の挑戦権をかちとった。国際連帯の旗を掲げて、4大産別決戦とイラク反戦闘争の爆発をかちとり、小泉打倒情勢を押し開かなければならない。特に来年3・20の百万人大結集へ総力を挙げなければならない。
 そのためには引き続き教労戦線に全力を投入し、05年3月の「日の丸・君が代」闘争への総決起をかちとり、教育基本法改悪阻止・改憲阻止決戦、小泉・石原打倒の血路を切り開くことである。
 重大なことは、ファシスト・カクマルが「日の丸・君が代」闘争の土台を根底的に破壊しようとする反革命策動に全面的に乗り出していることである。「日の丸・君が代」闘争に告訴・告発路線を持ち込み、被処分者・被解雇者を国家権力の蹂躙(じゅうりん)にまかせるというのである。このすさまじい反革命を打ち破らなければ、3月闘争の爆発はない。
 国家権力は、11・7に革命の炎を見て、あらゆる反動や弾圧に乗り出してくるだろう。だが、11・7をめぐる権力との死闘は、敵の反動がどんなに激しくとも、労働者階級はそれを革命的魂でのりこえることができることを示している。11・7のような闘いこそ、激しい敵の反動を打ち破り、階級情勢をひと回りもふた回りも転回させることができるのだ。

 日本労働運動の命運握る国鉄決戦勝利へ

 国鉄闘争はこの12月、大決戦を迎えている。国鉄1047名闘争を年内にも終結させ、解体する策動が激化している。日帝権力は、国労・酒田執行部を操り、05年階級決戦を前に4大産別決戦の土台にある国鉄闘争を解体しようと躍起になっている。郵政民営化攻撃も公務員制度改革・民営化攻撃も、国鉄分割・民営化に敵の側から決着をつけなければ強行できないのだ。
 こうした危機に駆られた日帝・小泉に全面屈服し、その先兵の役割を買って出たのが日本共産党と国労革同幹部どもだ。彼らは鉄建公団訴訟への1047名の参加を徹底的に妨害し、他方でイラク復興支援へ1047名を動員するという、おぞましくも恐るべき裏切りにのめり込んでいる。こうした国鉄闘争の動向をめぐり、全労連の大分岐と大流動がさらに進むことは不可避である。
 今再び国鉄決戦が、郵政民営化を始めとする4大産別決戦、日本の労働運動の命運を決する決戦にせり上がってきたのである。12・1集会(日比谷野音)と12・19国鉄集会へ全力決起しよう。
 11・7集会の偉大な地平を打ち固め、05年決戦へ勇躍と打って出よう。

------------------------TOPへ---------------------------