ZENSHIN 2004/09/20(No2166 p06)

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週刊『前進』(2166号1面1)(2004/09/20)

プーチンとブッシュの民族抑圧の侵略戦争許すな 国際労働運動の団結で反撃を
 郵政民営化を絶対阻止しよう 連合・笹森の改憲発言に怒りを
 青年労働者先頭に11月大行動へ

 9月9日、日帝・小泉・那覇防衛施設局は、ついに辺野古の海上新基地建設に向けたボーリング調査に着手した。8月13日の米軍ヘリ墜落・爆発・炎上事故と日帝・小泉の沖縄差別丸出しの対応に沖縄全島で怒りが爆発しているさなか、この沖縄の怒りに真っ向から挑戦するかのように、力ずくで襲いかかってきたのである。普天間の大事故で沖縄人民の命を危険にさらし、今度はそれを口実に新基地建設を一気に強行する! こんな暴挙がどうして許せるか! 辺野古現地では実力阻止の大衆的反撃がたたきつけられている。この沖縄の闘いに連帯する道は、階級的労働運動の新たな潮流をつくり出し、日帝・小泉を打倒する労働者階級の根底的決起を本当につくり出すことだ。9・12宜野湾市民大会―9・26沖縄県民大会の先頭に立つ沖縄の労働者とともに11月へ進撃しよう。

 第1章 現代世界の根本的変革が問われている

 04年秋から05年にかけての「1年間決戦」は、世界的な革命的情勢の急接近・突入の中で闘いぬかれる。21世紀革命の成否がこの1年にかかっていると言っても過言ではない。01年9・11―03年3・20イラク侵略戦争開戦以来の帝国主義の根底的な危機、その世界支配の決定的な破綻(はたん)の進行の中で、帝国主義による労働者階級と被抑圧民族に対する攻撃は内外において極限的に凶暴化している。そしてこの帝国主義に対する労働者階級と被抑圧民族人民の反撃もますます根源的なものとなっている。
 ロシア・北オセチア共和国における「学校占拠」という9・11型の極限的決起とその凄惨(せいさん)な結末は、ロシアの労働者人民を始め全世界の労働者階級に深刻な衝撃を与えた。労働者階級は、プーチンからブッシュ、小泉にいたる全世界の帝国主義者およびスターリン主義者とブルジョア報道機関による「反テロ」宣伝に同調などしていない。労働者階級は、どうしてあんなことが起きたのか、どうして彼らはあのような非常手段をとらざるをえなかったのかということを真剣に考えている。
 この世界はあまりにも激しくゆがみきっており、とてつもない矛盾を爆発させていること、最も非人間的で残酷な殺戮(さつりく)と破壊をイラクで、アフガニスタンで、チェチェンで日々繰り広げているのは帝国主義権力者たちであること、彼らを打ち倒さなければ自分たちの生活も命も守れないこと、根本的な世界の変革が必要になっていること――9・11以来、労働者階級が日々感じ取り、確信を深めてきたのはこのことである。これが全世界の労働運動を根底から揺さぶり、分岐と流動を引き起こし、再編を促進し、新たな革命的高揚情勢を生み出しつつあるのだ。
 今や問われていることは、帝国主義体制の全世界的・根源的な打倒である。そしてこの根源的革命をやりぬく能力をもった唯一の階級はプロレタリアート、労働者階級だけである。帝国主義打倒の革命に向けての労働者階級の根底的な組織化、全世界の労働者と被抑圧民族人民の国際的団結と連帯の形成、これだけが、極限的に激化する帝国主義の搾取と収奪、戦争と抑圧を終わらせ、世界を根本的に変えうるのだ。
 イラクではファルージャ、ナジャフの蜂起を始め全土で反米・反占領の民族解放闘争が発展し、解放勢力が次々と主要都市から米軍をたたき出し、米帝を敗勢に追い込み始めている。この不屈の闘いの先頭に立っているのは武装した労働者たちだ。米軍の戦死者は公式発表でもついに1000人を突破し、米軍および米社会全体に動揺と衝撃を与えている。

 第2章 米国労働者の百万人大行進と連帯しよう

 泥沼化したイラク侵略戦争のただ中で、アメリカ労働者階級は戦時下の排外主義と治安弾圧の嵐を突き破り、米階級闘争史上空前の政権打倒闘争に立ち上がった。8月30日からニューヨークで開かれた共和党大会に対して50万人が反ブッシュを掲げてデモをし、逮捕者計約2000人という大闘争を闘ったのだ。この闘いの中軸を担ったのはニューヨーク市反戦労組連合を構成する諸労組である。そしてこの闘いは10・17百万人労働者行進(MWM)の組織化の大前進によって支えられた。AFL―CIOの反動的既成指導部をのりこえたアメリカ労働運動の新潮流の歴史的登場を告げるMWM成功へ決定的突破口が開かれた。韓国では民主労総がますます熾烈(しれつ)化する資本攻勢と闘い、イラク撤兵闘争を闘い、そして日帝の東アジア勢力圏化・新植民地主義的介入の攻撃である韓日FTA(自由貿易協定)阻止へ不屈の闘争を展開している。
 日本の労働運動もこのアメリカ、韓国を始めとする国際的な労働運動の地殻変動的な分岐・流動・再編・高揚情勢と無縁ではない。無縁でないどころか、一気にその最先端に躍り出る限りない可能性を秘めている。3・20では動労千葉や陸・海・空・港湾労組20団体の闘いによって従来の壁をのりこえる大統一戦線が実現された。教育基本法改悪・憲法改悪に向けたファシスト石原・都教委の「日の丸・君が代」強制に対して数百人の都の教育労働者が、処分を恐れず断固拒否の闘いに立ち上がった。この教労と自治体、全逓、国鉄の4大産別を先頭に、日帝・小泉=奥田体制と対決する労働者の怒りのエネルギーが充満している。沖縄では米・日帝国主義の侵略戦争政策と世界支配のかなめを根底から揺るがし、粉砕する闘いが燃え上がっている。いま階級的労働運動の新潮流の旗が打ち立てられるならば、日本の労働運動は必ず革命的に一変する。
 ここで日本労働運動の新潮流の最先頭に立つ動労千葉が、MWMの先頭に立つ米ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10(第10支部)、韓国・民主労総との連帯の絆を打ち固めてきたことは決定的意義をもっている。10・17MWMの高揚と民主労総の戦闘的闘いが、日本の労働運動に直接的に波及して革命的化学変化を起こし、次は日本の労働運動が韓国、アメリカの労働運動に影響を与えていくという国際労働運動のダイナミックな発展構造が生み出されようとしているのだ。そこから「諸国の労働者が、きょうだいとしての感情をいだくだけでなく、解放軍の統合された諸部分として行動する」(マルクス)インターナショナルも必ずやよみがえるであろう。このような壮大なプロレタリア世界革命の展望のもとに、大胆に労働組合の権力の獲得に挑戦しよう。「憲法9条破棄」を叫ぶ連合・笹森らは帝国主義と完全に一体となった。この労働運動内の帝国主義の手先たちから、労働組合の権力を奪い取ろう。11月労働者大行動への万余の結集を何としても実現しよう。

 第3章 労働組合権力の獲得に大胆に挑戦しよう

 11月労働者大行動へ、全国の産別・地域で全力の取り組みが始まった。労働組合の支部・分会の賛同、丸ごとの決起をめざして、大結集運動を推進しよう。
 11月労働者大行動に万余の結集をかちとる闘いは、日帝・小泉=奥田の攻撃との最大の戦場である4大産別を軸に、労働運動・労働組合権力をめぐる攻防に勝利することなしにはない。
 7月参院選の歴史的大敗に直面した日帝・小泉は、戦争と改憲の攻撃を全面的に遂行するとともに、「骨太方針W」による徹底的な「構造改革」推進へ突き進んでいる。9月7日の経済財政諮問会議で自民党内の抵抗を押し切り、郵政民営化(4事業分社化)方針を決めた小泉は、10日に閣議決定を強行した。
 国家公務員80万人の3分の1以上を占める郵政28万公務員を一気に非公務員化し、「官から民へ」を掲げた「骨太方針W」による大民営化攻撃の完遂へ中央突破をかけてきたのである。その狙いは、戦後労働運動の中軸となってきた官公労働運動を最後的に解体し、公務員の身分保障と年功賃金を一掃し終身雇用制を解体して、日本の戦後的な経済社会のあり方をアメリカ型の弱肉強食の競争原理社会へ完全に転換することである。
 まさに郵政民営化とは95年日経連プロジェクト報告路線の全面的貫徹であり、小泉=奥田による日帝の体制的存亡をかけた政治的=階級的大攻撃である。だからこそどんなに郵政民営化が破綻的で矛盾的だろうと、自民党の大半が反対しようと強引に突き進んでいるのである。郵政民営化粉砕の闘いは、国鉄分割・民営化阻止決戦以来の一大階級決戦である。
 日帝・小泉=奥田の攻撃の加速化・凶暴化の根底にあるのは、日帝の経済的=体制的危機の極限的な深化である。
 「日本経済の景気回復」が続いていると宣伝されているが、労働者階級の状態はかつてなく過酷な状態になっている。厚生労働省による各世帯の家計状況調査(03年)によっても「大変苦しい」は20%を超え、「やや苦しい」を含めると「苦しい」は過半数を超えている。「ゆとりがある」などは1割にも満たない。「豊かな時代」―こんな言葉はもはや死語だ。帝国主義は本当に労働者を食わせられなくなっている。こうした現実が年3万4000人もの自殺者を生み出しているのだ。しかも、恐慌の本格化はこれからなのだ。
 日帝経済のこの間の「回復」なるものは、労働者階級への徹底した搾取と収奪、第2次大戦末期に匹敵する膨大な国債発行(地方債を合わせて残高700兆円)による独占救済の下支えの上に、バブル下の中国、アメリカへの輸出が増加してきたからである。とりわけ空前の規模の建設・投資ブームにわく中国への鉄鋼などの素材輸出は膨大なものになった。
 だが米帝と中国のバブルが崩壊し、輸出の拡大ができなくなった時、日帝はもはや国家破産的な財政状況下にあって「内需拡大策」などとりようもなく、「軍需と戦争」のほかにいかなる延命策もなくなるのだ。日帝はこの時までに一切の労働組合的団結と闘争を根絶やしにできていなければ、革命的内乱の爆発を避けることはできない。ここから奥田ら日帝ブルジョアジーは小泉とともに自ら政治経済攻勢の先頭に立ち、「攻めのリストラ」を叫び、大民営化攻撃と労組破壊をしゃにむに進め、武器輸出解禁を要求し、教基法改悪・改憲へ、沖縄圧殺へと突き進んでいるのだ。
 まさにこの1年こそが日帝にとっても労働者階級にとっても生きるか死ぬかの決戦である。日帝・小泉=奥田の攻撃をうち破る道は、労働組合の多数派を動労千葉派、マルクス主義派が獲得することをもって、労働者階級の根底的組織化を実現していく以外にない。そしてこれこそがプロレタリア革命を実現する唯一の道である。青年労働者を先頭に、4大産別における労働組合権力の獲得のために闘い、11月労働者大行動に万余の結集を実現しよう。ここで1年間決戦勝利の突破口をこじあけよう。

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週刊『前進』(2166号1面2)(2004/09/20)

プーチンの大虐殺徹底弾劾し闘うチェチェン人民と連帯を
 ロシア軍はチェチェンから撤退せよ

 民族独立求め極限的な決起

 チェチェン独立を求めるムスリム人民のロシア・北オセチア共和国ベスラン第一学校武装占拠は、1200人以上の人質のうち326人が死亡し、727人が負傷する(あくまでロシア検事総長発表による数字)という大惨劇となった。この戦闘は、ロシアの侵略によってあらゆる暴虐を受けてきたムスリム人民による民族解放を求め自爆をも覚悟した特殊的・極限的戦闘であった。チェチェン人民の民族独立を求める血叫びを真っ向から受け止め、支持しなければならない。
 チェチェン武装組織は、ロシア軍のチェチェンからの即時撤退を要求して、これまでも大規模な占拠・人質作戦を実行してきた。
 @95年6月に70人の部隊がロシア南部のスタブロボリ地方ブジョンノフスクの病院を占拠、約千人を人質にした。A96年1月にダゲスタン共和国キズリャルの病院を250人の部隊が占拠、約2千人を人質にした。B02年10月に40人の部隊がモスクワの劇場を占拠、800人の人質をとった。人質130人とチェチェン部隊全員が死亡した。
 過去の3事件に比べても北オセチア事件の犠牲者が圧倒的に多くなったのは、プーチンがモスクワ劇場占拠事件と同様まともな交渉を行わず、武装組織のせん滅を狙いロシア特殊部隊を強行突入させたからだ。この時、武装組織は「子どもを殺すのか。突入を中止させてくれ」と交渉役に電話で頼んでいた。ロシア特殊部隊の突入で余りに多くの犠牲者が出たことでプーチン自身が内外から批判を浴び、窮地に陥っている。
 チェチェン民族は、帝政ロシア、ソ連スターリン主義、エリツィン―プーチン政権と、300年にわたってロシアに侵略・抑圧されてきた。チェチェンの民族解放戦争には大ロシア主義への積年の怒りが込められている。他方、ロシア・プーチン政権にとって北カフカス地域はソ連崩壊後のロシアの最終国境線であり、これ以上領土は譲れない。ロシアを帝国として統合し、強国であることを示さなければ国際的地位を保てない。だからチェチェンの分離・独立を絶対に認めようとしないのだ。
 根本的には、ロシア・プーチンが発動したチェチェン民族抹殺の侵略戦争が武装組織の学校占拠闘争を引き出したのであり、起こった結果の全責任はプーチンにある。プーチンこそ最悪の「テロリスト」だ。

 10年間に25万人もの大虐殺

 エリツィンとそれを引き継いだプーチンは、10年間のチェチェン侵略戦争で全人口100万人のチェチェン人のうち4万2千人の子どもを含む25万人もの命を奪った(kavkazcenter.com9・5)。ベスラン事件の人質数百人の何百倍何千倍も殺されている。
 チェチェン全土は2度にわたる大空爆を受け、首都ジョハル(グロズヌイ)は焼け野原になった。数十万人のチェチェン人がイングーシ共和国などに避難した。いまだに首都は瓦礫(がれき)の原である。その上に、ロシアの連邦軍・内務省軍とカイライ政権の武装組織・警察による白色テロル支配が行われている。このため、数十万人のチェチェン避難民が帰国できない状態にある。
 このチェチェン侵略戦争・軍事占領の中で夫や兄弟をロシア軍に奪われた女性たちが、8月29日のカイライのチェチェン大統領選前後に起こったロシア旅客機2機の爆破・墜落やモスクワ地下鉄駅付近の爆発、ベスラン学校占拠に関与・参加している。モスクワ劇場占拠事件にも女性戦士が加わっていた。彼女たちは、自爆戦闘でチェチェン民族の怒りの深さを示し、プーチンに決定的な打撃と恐怖を与えたのだ。

 プーチン擁護する帝国主義

 米帝ブッシュを先頭に英帝ブレア、日帝・小泉らは「文明への脅威」(ブッシュ)などと言って「反テロ」を大合唱し、プーチン政権支持を表明している。1日、国連安保理はロシアの要請で学校占拠非難決議を採択した。7日にはNATOとロシアが「反テロ」協力強化の声明を出した。
 プーチン政権のチェチェン侵略戦争・民族抹殺政策こそが北オセチア事件の真の元凶であるにもかかわらず、このことを問題にせず、みなプーチンを擁護している。帝国主義もスターリン主義も、被抑圧民族人民の全世界的な民族解放闘争、帝国主義国プロレタリアート人民の反戦闘争の高揚に震え上がり、「反テロ」の排外主義的大合唱で民族抑圧と侵略戦争を正当化しようとしているのだ。
 7日にモスクワとペテルブルクで「反テロ」を掲げた十数万人の官製デモが行われた。プーチンは、自らの責任を棚に上げて、言論弾圧で反対派を封じ込め、治安強化策を強調すると同時に排外主義を扇動し、イングーシ人・チェチェン人への報復をそそのかしているのだ。
 ロシア軍のバルエフスキー参謀総長は、許しがたいことに「世界各地のテロ拠点に先制攻撃を行う用意がある」とブッシュと同じ「対テロ戦争」の拡大を叫んでいる。
 しかし、軍事制圧と治安強化でチェチェンの民族的抵抗を圧殺することはできない。このことは10年間のチェチェン侵略戦争と北オセチア学校占拠事件で明らかだ。プーチンの路線は破産しているのだ。
 チェチェン人民の不屈の民族解放闘争は、有形無形にイラク人民、パレスチナ人民、ムスリム人民の民族解放闘争の高揚につながり、ロシアと帝国主義を追い詰めている。ロシアのプロレタリアート人民は、チェチェン人民の必死の闘いにこたえ、ロシア軍のチェチェンからの即時撤退を要求し、プーチン打倒の闘いに決起すべき時を迎えている。世界革命の一環としてロシアにおける第二プロレタリア革命を実現しよう。
 国際労働運動の団結と連帯の発展で「対テロ戦争」に大反撃せよ。11月労働者大行動へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2166号1面3)(2004/09/20)

ボーリング着工に反撃 “新基地建設絶対阻止するぞ”
 名護 陸と海で施設局と闘う

 那覇防衛施設局は9月9日、名護新基地建設のための辺野古沖でのボーリング地質調査着工に踏み出した。座り込み以来144日目、追いつめられた施設局の暴挙だ。命を守る会を始め闘う人びとはこれを迎え撃って終日闘いぬいた。
 この日早朝、座り込みテントには労働者、学生、市民が続々と集まった。沖縄選出国会議員5氏も駆けつけた。午前8時前、350人が7張りのテントにぎっしり座り、ボーリング調査阻止の緊急集会が開かれた。命を守る会の金城祐治代表は、「この闘いは日本の歴史を変える闘い」ときっぱり決意表明した。
 同時にキャンプ・シュワブの第1ゲート前に60人、第2ゲート前に15人が陣取った。基地内からの調査船の出航を阻止しようと「説得活動」を展開した。さらに海上阻止部隊のカヌー隊もスタンバイ。午前11時、佐敷の馬天港から3隻の調査船が出港、午後1時には辺野古沖に着くとNHKニュースが報じた。
 2隻の抗議船、8艇のカヌーが海上に出動した。辺野古の岸からは「ボーリング調査を許さんぞ」「調査船は帰れ!」とシュプレヒコールが続いた。調査船はダミー船も含めて6隻。またも施設局は情報操作までしてだましたのだ。だが、やったことは標識ブイ1個を落としただけだ。カヌー隊は全員無事帰還し、緒戦は大勝利した。
 午後4時すぎからテント村で1日の報告集会が開かれ、カヌー隊を始め海上阻止行動を闘った全員が発言、卑劣な施設局のやり方に怒りが噴出した。「あすも早朝から座り込み、基地建設を阻止しよう!」――辺野古は新たな闘いに踏み出した。(関連記事4面

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週刊『前進』(2166号4面1)(2004/09/20)

名護・久志支所前 ボーリング調査着工の前段
 住民説明会を包囲弾劾 守る会先頭に300人立つ

 普天間基地所属ヘリ墜落に対する怒りもさめやらぬ中、防衛施設局は突如「9月3日に住民説明会を行い、翌週からボーリング調査に着工する」「機動隊導入による反対派の実力排除も辞さず」とうちだした。しかし、ボーリング調査(事実上の新基地建設着工だ!)に関する「住民説明会」とは名ばかりでわずか200人の人数制限に加えて、久志13区住民(行政委員のみ)に限定するという代物だ。まさに「地元住民への説明は終わった」という新基地建設着工に向けたアリバイそのものだ。130日間にもわたって防衛施設局に説明を求めてきた座り込み参加者はもちろん、大部分の名護市民が無視される「説明会」など許されるはずもない。米軍ヘリ墜落については沈黙を決め込みながらの機動隊導入策動は沖縄人民の怒りの火に油
を注いでいる。
 会場となった久志支所前には辺野古漁港前での座り込みを終えた人びとを始め、労組・団体約300人が続々とつめかけ、陣取った。会場前で「警備」する防衛施設局職員40人や公安刑事と対峙しながら徹底的に弾劾した。
 最初に「県内移設に反対する県民会議」の山内徳信さんは「圧倒的多数の県民がボーリング調査はまかりならんと意思表示している。何があっても調査はさせない。何か事故が起こったらすべては国の責任だ」と断言した。
 名護ヘリ基地反対協共同代表・安次富浩さんは「普天間ヘリ墜落、金武町伊芸区への都市型訓練施設建設強行、そして辺野古への基地建設強行は何を意味しているのか? 陸も海も空も米軍の勝手し放題。これを防衛施設局が、国が支えている。ボーリング調査の強行を一人ひとりの怒りの力で阻止しよう」と訴えた。
 辺野古・命を守る会代表の金城裕治さんも「私は今日『説明会』を拒否して頑張っています。140日もボーリングはダメだと暑い中を座り込んで国を説得してきました。まだわかってくれないのか。過酷な闘いはまだ続くだろうが、今へこたれたら沖縄に後はない。厳しい現状は最大のチャンスでもあるという言葉を信じましょう。苦しくとも胸をはって道理を説き続けよう」と絞り出すような決意を述べ感動を呼んだ。
 次に前日、米軍基地キャンプ・シュワブからの調査船の出航を認めないよう要請行動に基地を訪問した際に不当拘束されかかり、自家用車を名護署に押収された平和市民連絡会の平良夏芽牧師がマイクを握った。「要請文を出しに基地のゲートで警備員と交渉していたら米軍憲兵が飛んできて『不法侵入』だと逮捕通告された。いったいここは誰の土地なんだと言いたい。いつから沖縄では米軍に対しては要請すら許されなくなったのか。ヘリが墜落して米軍になんら手出しできなくて何が『防衛』だ! 笑わせるんじゃない。防衛施設局がやっていることは人殺しの手伝いでしかない。辺野古のおばあは8年間座り続けてきた。給料もらって海つぶしにくるあなたたちとは違う。来週は覚悟して来なさい!」と日帝・防衛施設局への「戦闘宣言」を行った。
 「説明会」は2時間半続き、その後も間断なく弾劾の発言やシュプレヒコールが容赦なく会場にたたきつけられた。
 会場内で施設局弾劾の先頭に立ったジュゴン・アセス監視団長・東恩納琢磨さんは「地元住民の参加者は定数200にまったく満たず100人を切った。賛成の意見は最後までなかった。結局誘致派住民からもソッポを向かれてしまったということ。説明会不成立は明らかです!」と高らかに「住民説明会」粉砕・勝利を確認した。
 日帝・防衛施設局は米軍ヘリ墜落で沸騰する沖縄人民の普天間基地に対する怒りを「辺野古移設の早期促進」にすり替えようとしている。今や普天間基地の辺野古移設反対が県民の93%にも上っている。「普天間基地の無条件閉鎖・撤去」「辺野古移設案の白紙撤回」の声が沖縄全体にあふれているのだ。
 4月以来、座り込み実力闘争によって完全に破産したボーリング調査を機動隊導入によって9月前半にも暴力的に強行しようと策動している。全国の力で阻止しよう。

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週刊『前進』(2166号4面2)(2004/09/20)

都市型訓練施設建設阻止へ 金武町民が集会・デモ ゲート前抗議100日に

 9月3日、沖縄タイムス、琉球新報は1面で工事が進む「レンジ4」の航空写真とともに「都市型訓練施設/着々と本体工事」と報じた。
 翌4日早朝、キャンプ・ハンセン第2ゲート前には「建設阻止」「命どぅ宝」などと染め抜かれた真っ赤なのぼりやプラカードを手に持った140人の町民が集まった。9月2日にゲート前抗議行動100日目を迎えた。5月26日から始まった伊芸区民の抗議行動は、町職労の参加、波里区の取り組みへと拡大し、参加者のべ9000人という金武町挙げた闘いとなった。「昨日テレビでロシアの人質救出を見た。ああいう訓練をここでしようとしている。子どもを殺された母親が泣いていた。人ごとじゃない」と危機感を募らせる女性参加者。
 儀武剛金武町長は本体工事着工の報道に対策会議を開き、町のすべての実行委員会に動員を呼びかけ、有線放送などで町民に呼びかけた。「皆さん、結集する時は今です。今結集してこの怒りを訴え、われわれ金武町のパワーを見せつけようじゃありませんか!」と訴えた。沖縄平和運動センターの崎山嗣幸議長が連帯のあいさつをし、施設工事中止署名11339筆を池原政文実行委員長に手渡した。
 この日午前9時、伊芸区の「レンジ4」前の闘争小屋前でキャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設建設反対100日集会が伊芸区実行委員会の主催で開かれた。子どもたち、家族ぐるみの参加が多く老若男女400人近くが集まった。
 伊芸区実行委員長の池原区長は、「50年以上危険にさらされて来た年輩の皆さんの危険な施設を絶対造らせないという意気込み」と区民の100日間の粘り強い闘いをたたえ、「日米政府を動かすのは日々の行動だ」と断言。陸軍の訓練施設とされる都市型戦闘訓練施設について、「陸軍は海兵隊よりたちが悪い。徹底的に訓練をやるということは、戦場さながらの訓練をやるということ。必ず過去に伊芸で起こった被弾が起こる。しかも北部への動脈である沖縄自動車道からわずか100b。地域のみならず沖縄県全体の問題だ。必ずや危険な悪魔の都市型訓練施設を撤回させよう」と訴えた。
 5月25日以来の経過報告の後、儀武町長が「昨日の新聞を見た時、震えが来た。われわれの行動を無視する日米両政府はなんなのか! 抗議をし、直訴もした。しかしながら急ピッチで工事をしている。われわれ伊芸区民、金武町民は日本国民ではないのか! 恩納村は完成状態になっているのを中止に追い込んだ。今の安全だけでなく100年後の安全をかちとるために闘っているのだ。最後の最後までがんばっていきましょう!」と呼びかけた。
 続いていち早く伊芸区民とともに抗議行動に取り組んだ波里区長が、沖縄自動車道の横に立つ沖縄電力の鉄塔を指して、「鉄塔の下にヘリパッドができあがっている。これは金武町も伊芸区民も知らされなかった」と、米軍のやり方に怒りを表明した。
 金武区長が「米軍施設に50年以上土地を提供してきたが、こんな危険なものを造らせるためではない。米軍は勘違いしている」と発言し、「建設中止までともにガンバロー!」と団結ガンバローの音頭をとった。
 「訓練施設建設を即時中止せよ」の横断幕を先頭にデモ行進に出た。レンジ4ゲート前でシュプレヒコール、さらに農道を進むと谷地を隔てて工事中のレンジ4が見える。怒りのシュプレヒコール。「長崎大石建設撤退せよ! 生コン業者は協力するな! 沖縄下請け業者は帰れ!」「町民は本気で怒ってるぞ! 町民は最後まで反対するぞ!」
 工事現場が見渡せる第2監視小屋では、上まで町民が昇って全体でシュプレヒコール! 無残な赤茶色の山肌、かつて104号線越えの実弾演習の的となっていたブート岳が正面に見える。工事の進行を目の当たりにした伊芸区の女性は、「どうあっても認められない。辺野古にも一度だけだけど行った。きれいな海だった。辺野古や普天間も頑張ってる。沖縄はもう我慢の限界。最後までやるだけさ」と語った。

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週刊『前進』(2166号6面4)(2004/09/20)

米軍ヘリ墜落 沖縄の怒りの声 一刻もはやく行動起こせ 「沖縄は捨て駒」実感した

 米軍ヘリ沖国大墜落事件について、沖縄の地元紙(沖縄タイムズ、琉球新報)に連日掲載されている沖縄県民の声を転載して紹介します。(編集局)
◆数万人で抗議を 事故に対する抗議は今に始まったことじゃない。国が真剣にやらないのは分かってる。基地の性格を分かっていながら認めている人たちは、事故が起きても甘受しないといけない。1995年の県民総決起大会みたいに数万人で抗議するような意気込みがないと、何十年たっても基地は動かない。(那覇市 60代男性)
◆県民差別を許すな 基地があって当たり前、事故が起きても仕方ないと慣らされてしまっては日米両政府の思うつぼ。今後もこの種の事故は起きる。こんな危険な環境を子々孫々に引き継ぐことや、両政府による県民差別をこれ以上許していいのか。県民1人ひとりが問われていると思う。(宜野座村 自営業 50代男性)
◆一刻も早く行動 単なる偶然でなく、起こるべくして起きた事故だ。戦争で苦しめられ、基地があるゆえの被害に悩まされ続けた県民はいつまで我慢すればいいのか。一刻もはやく県民大会で行動を起こすべきだ。(宜野湾市 自営業 60代)
◆ギャップに衝撃 事故の知らせを京都で聞いたが、周りの反応は鈍く、本土と沖縄のギャップに強い衝撃を受けた。新聞報道もとても小さな扱いで、よほど意識を持っている人しか読まないだろう。沖縄は日本ではないのか? 米国はもちろん、政府の対応をみて激しい憤りを感じる。(那覇市 学生 女性)
◆県民よ立ち上がれ 普天間基地は有無を言わさず閉鎖・返還すべきだ。小泉首相が沖縄県民を自国民と考えていないのは事故後の対応を見ていて明白だ。沖縄県民よ、もっと怒ろう。意地を持て。人間としての誇りをもって立ち上がろう。(那覇市 自営業 男性)
◆知事はどっち? 稲嶺知事はこの期に及んでも辺野古移設を受け入れるつもりだろうか。県民の命を守る気持ちが少しでもあるなら普天間の無条件全面返還を強く迫るべきではなかろうか。土建業界や日米両政府の利益を優先するのか。県民を優先するのか。県民の多くが注目していることを忘れないでほしい。(宜野座村 主婦 30代女性)
◆若者立ち上がれ 沖国大を受験しようと準備している。基地問題が初めて私にかかわることになった。沖縄の未来を担う私たち若者が今立ち上がらなければ、今回以上の事故を招き、大惨事になるかも。県民一体で立ち上がろう。(10代女性)
◆今こそ本気で 県民のあとどのくらいの犠牲者が出れば、基地の重圧から解放されるのか。今の政治の仕組みを根本から変えない限り、県民が安心して暮らせる日は永久に来ない。今こそ県民は本気で怒り続けるべきだ。(20代女性)
◆沖縄は捨て駒に 県外の関心は薄い。実家の母が事故を知り慌てて電話をしてきたのは、4時間後。県外の新聞には小さくしか載らなかった。政府は事の重大さをまったく分かっていない。第2次世界大戦同様、沖縄が捨て駒とされているのを実感した。(宜野湾市 20代女性)

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週刊『前進』(2166号2面1)(2004/09/20)

鉄建公団訴訟が1047名の団結の道だ 対立構造を鮮明にした国労大会
 解雇撤回・JR復帰を掲げて11月労働者大行動に結集を
 革共同国鉄委員会

 国鉄闘争は、国労第72回定期全国大会を経て、一大流動過程に突入した。国労本部=酒田・革同執行部は今大会で、国鉄1047名闘争の早期収拾=解体と国労の連合合流へと突き進もうとたくらんだ。だが、闘う国労組合員は、2本の修正動議を提出してこの大反動と徹底的に対決した。これにより、「総団結」の名のもとに全国労組合員を組み伏せようとした酒田執行部の思惑は完全に打ち破られ、対立構造は鮮明になった。だが、酒田・革同執行部は、大会後も連合合流路線へののめり込みを深めている。この酒田執行部を打ち倒して、勝利の路線を打ち立てなければならない。その中心環は、1047名が団結を固め鉄建公団訴訟に立つことにある。このことをめぐる攻防は、労働運動全体の分岐・流動・再編・高揚情勢を一層促進する決定的な位置を持っている。そして、動労千葉とともに11月労働者大行動に国鉄労働者の大隊列を登場させることが、国鉄1047名闘争勝利への大きなステップになる。

 酒田体制を揺さぶり修正動議で対決貫く

 国労本部=酒田・革同執行部は、「総団結・総決起の歴史的な大会に」と叫んで、今大会を徹底した翼賛大会として強行しようと画策した。
 昨年12月の最高裁反動判決に飛びついて、酒田・革同執行部は「解雇撤回・JR復帰」を完全に放棄し、国鉄1047名闘争の最後的解体に向けてかじを切った。その帰結こそ、国労の自己解体と連合合流の路線だ。連合合流は、闘争団を丸ごと切り捨てなければ貫徹できない。鉄建公団を相手とした「新たな訴訟」の圧殺はもとより、これまでの全裁判も取り下げなければ成り立たない。だから酒田執行部には、反対意見も修正動議も出させない総翼賛体制を形成し、国家権力、JRと連合に総屈服のあかしを立てることが突き付けられていたのである。
 大会の焦点は、@闘争団員22人への統制処分と鉄建公団訴訟原告らへの生活援助金支給凍結の解除、A旧鉄建公団に対する訴訟提起、の問題に絞られた。
 大会初日の委員長あいさつで酒田は、「訴訟は万策つきた時の最後の手段。現時点で万策は尽きていません。政治・行政対策等まだまだなすべきことは多くあります。従って政治解決に全力を上げる」と言い放ち、金輪際、訴訟はやらせないと息巻いた。そして、酒田が行った8月18日の笹森連合会長への要請と25日の藤井民主党幹事長への要請をことさら強調し、あたかもそれで「政治解決」に進展があったかのような虚構にしがみついた。
 だが、まさに連合・民主党にひざを屈した酒田の醜態こそ、彼らが連合合流を決断したことのあかしにほかならない。この間、酒田・革同執行部は、『国労文化』8月号に現職の日教組委員長、自治労副委員長の投稿文を掲載するなど、異様な連合すり寄りを強めてきた。そして、この路線のもとに全組合員を屈服させようと、「違いを強調して対立構造を作り出す旧態依然の大会にするのか、一致点を強調して文字通り歴史的な総団結・総決起の大会にするのかが一人ひとりに問われている」と大会参加者を恫喝したのである。
 酒田が言う「政治解決」は、ただただ訴訟を圧殺し国鉄闘争に幕を引くためだけに持ち出されているにすぎない。事実、酒田による国土交通省、旧鉄建公団、厚生労働省、内閣府への「要請」なるものは、なんの成果も上げず、体よくあしらわれただけだった。まさにそれは、形ばかりのパフォーマンスである。
 ところが大会では、チャレンジや革同がこれらを「政治解決に向けての到達点」と言い立てた。自分自身が信じてもいない空疎な言葉を並べ立て、ひたすら訴訟を否定して、国鉄1047名闘争を解体しようとしたのである。
 こうした反動は、ひとたびは国労大会をのみつくすかに見えた。だが、暗雲は切り裂かれた。大会2日目、闘う代議員20人は「闘争団員22人への組合員権停止の処分を今大会で解除する」「鉄建公団に対する訴訟を大会後、速やかに提訴する」という2本の修正動議を提出した。こうして酒田・革同執行部がこの大会にかけた狙いは、根本から打ち破られたのだ。国労の存在は、ぎりぎりのところで守り抜かれた。
 「統制処分解除」の修正動議は、出席代議員95人中26票、「鉄建公団に対する訴訟提起」の修正動議は23票の賛成を得た。修正動議は否決されたが、総翼賛を突き破って対立を鮮明にさせたことの意義はきわめて大きい。
 大会を経て、酒田・革同執行部に鉄建公団を相手とした訴訟をやるつもりなどまったくないことははっきりした。闘争団22人への統制処分も生活援助金の支給停止も絶対に解除しない彼らの姿勢はむき出しになった。酒田・革同執行部への幻想を今こそ最後的に断ち切らなければならない。

 建交労大会は訴訟の準備へ

 酒田・革同執行部が唱える「建交労との共同」もまた、とんでもない茶番だった。酒田らは、動労千葉を排除して1047名陣形を解体したいという一点で、国労・建交労共催の8・23集会を強行した。それが、全動労争議団の切実な思いをも真っ向から踏みにじるものだったことは、今や全面的に明らかである。
 国労大会後の8月28〜29日に開かれた建交労の大会で、坂田晋作委員長は次のようにあいさつした。「鉄建公団訴訟を重要な選択肢として協議し、10月中には提訴できるよう準備を進める。訴訟内容については、争議団・闘争団の要求にもとづき、地位確認と損害賠償を柱とする」「鉄建公団訴訟では、先行訴訟との連携が重要」「当事者である1047人の大同団結と当事者組合の共同なくして、事態は打開できない。……1047人が要求で団結し一致点で行動するのであれば、誰も排除しないこと」
 全動労争議団はすでに鉄建公団訴訟に取り組むことを決めている。これに対して日共中央や全労連指導部は、訴訟圧殺に必死となり全体重をかけている。だが、1047名闘争の当該である全動労争議団が訴訟への決意を固めたことの持つ意味は重い。
 この事態は、「建交労との共同」を唱えつつ訴訟圧殺に全精力を費やしている国労本部=酒田・革同執行部の裏切りとペテンを鋭く暴き出している。鉄建公団訴訟に立つことを心から望む全動労争議団に公然と敵対しているのが、酒田や革同なのである。

 「イラク復興支援」へ闘争団追放策す革同

 とりわけ、革同の矛盾と破産は深刻だ。国労大会を前にして彼らは、「鉄道復興支援」と称して闘争団員をイラクに追放しようと画策した。西日本エリアの上村委員長ら革同は、JR連合・西労組の森委員長から「一〇四七名の人達が、日本の国内では全く出番がないけれども、イラクにおいては出番があるのではないか」(『労働レーダー』)と言われ、なんの反論もせず、あろうことか西労組とともに駐日イラク大使館におもむき「復興支援」を申し出たのだ。

 JR連合と共に準備会設置

 さらに、9月4〜5日の西日本エリア本部大会では、「JR西労組との間で『イラク鉄道復興・人道支援会議(仮称)』準備会を設置し、今後の取り組みを図る」という驚くべき方針を強行決定した。断じて許しがたい暴挙である。
 革同指導部は、「1047名は国内に出番がない」とわめくJR連合の言い分を認め、1047名の追放を丸ごと承認したのである。そして、権力やJR資本の手先となって1047名に「イラクに行け」と迫っている。共産党排除を一貫して組織方針としてきたJR連合と合流するために、革同は他の誰にもまして全面屈服のあかしを立てようと必死なのだ。この背後に日共中央の指示があることは、まず間違いない。
 だがそれは、日共=革同の矛盾と内部分岐をさらに激しく促進する。9月7日、小泉政権は有事法制に基づく「指定公共機関」にJR各社を指定し、国鉄労働者を侵略戦争へと動員する攻撃に具体的に踏み出した。この攻撃との徹底対決が求められているその時に、革同は「人道復興支援」と称する帝国主義のイラク侵略のお先棒を担ぐことを公式に表明したのだ。
 口先では「改憲攻撃との対決を」「陸・海・空・港湾20単産との共闘を」などと空叫びする革同が、こうした露骨な裏切りに走ったことを見逃すほどに労働者階級は甘くはない。連合合流の手先となった革同の振る舞いは、革同自身の分裂を生み出すだけでなく、全労連全体を巻き込んだ分岐・流動・再編を必ず促進するものとなる。
 酒田が日教組や自治労の連合指導部にすり寄ったことも、総翼賛体制の形成に失敗した今となっては、逆に連合内部の分岐を促進する要因に転化する。国労大会を経て、闘う者と闘いを圧殺する者との対立は再び明らかになった。闘う者と連帯するのか、裏切り執行部に手を貸すのか。1047名の団結か、国鉄闘争の収束か。国鉄闘争支援陣形の全体が、この問いに再び真正面から向き合うことになったのだ。
 これは、日本労働運動の階級的再生に直結する課題だ。国鉄闘争が日本の労働運動の命運を決する基軸的位置にあることは、いよいよ鮮明になったのだ。

 不当労働行為を追及する鉄建公団訴訟を

 「1047名の統一した闘いとして鉄建公団訴訟に取り組もう」は、今や国鉄闘争の勝利を願うすべての国鉄労働者、支援者の共通のスローガンである。
 鉄建公団訴訟は、国鉄分割・民営化以来の一切の不当労働行為を暴き、断罪し、その責任を追及する闘いだ。解雇撤回・JR復帰を不屈に貫き、訴訟という形をとおして全労働者階級を結集し、国鉄闘争の大衆的再建を図る闘いなのだ。
 JRの使用者責任を否定した不当きわまる最高裁判決も、不当労働行為があったという事実までをも否定することはできなかった。国鉄分割・民営化に際して、国鉄は国労・全動労・動労千葉組合員を排除した採用候補者名簿を作成した。その結果、7628人の国鉄労働者がJRへの採用を拒否され、国鉄清算事業団に送り込まれた。このこと自体が巨大な国家的不当労働行為であった。さらに、清算事業団における「再就職あっせん」の実態は、組合員としての誇りを奪い、3年間の「雇用対策期間」の終了を待つことなく早期に路頭にたたき出すことを目的とするものだった。そして、90年4月には1047名が清算事業団から整理解雇されたのだ。
 鉄建公団訴訟は、JR不採用から90年解雇に至る一切の不当労働行為の責任を、清算事業団を受け継ぐ鉄建公団(現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構)にとらせるための闘いだ。地位確認と損害賠償を求め、それをステップに、最高裁が傲慢(ごうまん)にも否定したJR復帰へと再び攻め上る闘いなのだ。
 この訴訟は今日、国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の1047名が具体的な課題で統一し、団結を固めることのできるただひとつの重要な闘いとなっている。その正義性と必要性は明白だ。
 この闘いを1047名全体のものにできるか否かに、国鉄闘争の存亡がかかっている。最高裁判決をのりこえ、闘いを不屈に貫き通す道はここにある。

 動労千葉と連帯し闘おう

 1047名の解雇撤回・JR復帰の闘いと同時に、JR本体の闘いも重大局面を迎えた。国鉄闘争の勝利を決するのは、つまるところはJR資本との力関係だ。動労千葉と連帯し、JR本体の国労組合員が職場からJR資本を攻める闘いに立つことが必要なのだ。
 ところが、連合合流に突き進む酒田・革同執行部は、JR本体の闘いをも全面的に圧殺しようと企てている。東日本エリアにおける配属差別事件の全面一括和解策動はその典型だ。酒田執行部は、連合合流のために一切の訴訟を押しつぶし、JR資本とのすべての紛争案件を敗北のうちに清算しようとしているのだ。
 すでに国労本部は、東京7電車区事件を始め多数の配属差別事件の屈服的和解を強行している。その結果は、JR資本に不当労働行為を居直らせただけだった。いや、酒田と革同は、4党合意反対派を狙っての配属差別を容認し、けしかけさえしてきたのだ。
 この裏切りを断じて許してはならない。職場からの闘いを復権し、合理化・外注化や賃金制度改悪への怒りを解き放って不屈に闘い抜くことがJRとの力関係を変えるのである。
 闘えば勝てる情勢は訪れている。JR体制の矛盾はますます深まっている。現に、動労千葉は資本=カクマル結託体制の崩壊的危機、安全問題の爆発というJR資本の矛盾を突き、3波の春闘ストを貫いた。そして現在、分割・民営化以来18年、強制配転を強いられてきた組合員の原職復帰を確定させる闘いに入っている。動労千葉と連帯し、JRを内部から攻める闘いに立とう。このことが、1047名闘争の勝利の条件をもつくり出すのだ。

 弾圧の首謀者=酒田を倒そう

 酒田・革同執行部を打倒し、国労の階級的再生をかちとる闘いを断じてあきらめてはならない。国労大会を経て、彼らは明らかに守勢に回った。この秋から冬にかけて、酒田・革同体制が巨大な矛盾をさらけ出すことは避けられない。
 国労5・27臨大闘争弾圧との闘いは、酒田体制打倒・国労再生に向けての決定的な闘いだ。鉄建公団訴訟に立った闘争団員を査問にかけることを決定した5・27臨大の当日、これに反対して本部役員らへのビラまき・説得活動に立った国労組合員を、警察権力に売り渡した張本人は酒田と吉田だ。革同はこれに全面的に加担した。
 今もなお酒田・吉田、革同は、被告とされた国労組合員を有罪に陥れようと、警察・検察権力と一体となって陰謀をめぐらせている。これこそ最悪の形での国労の団結破壊である。この反階級的大罪の責任を絶対にあいまいにせず、今なお執行部に居座る酒田・吉田、革同に引導を渡さなければならない。
 5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを、今こそ国労組合員と国鉄闘争支援陣形の共同の闘いに発展させよう。そこに国労再生・国鉄闘争勝利への突撃路がある。

 国際連帯貫き国労の再生へ

 労働運動は世界的に高揚情勢に入っている。
 アメリカの労働者階級は、ブッシュ打倒へ、10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)の戦取へと突き進んでいる。それは、労働組合を御用幹部の手から取り戻す闘いと一体のものとして進行している。
 韓国の民主労総は、民営化や非正規雇用化のすさまじい攻撃に対し、渾身(こんしん)の決起をたたきつけている。
 日本においても、労働運動の分岐・流動・再編・高揚情勢が始まった。3月卒・入学式以来の教育労働者の決起はその典型だ。小泉=奥田の郵政民営化を頂点とする大資本攻勢は、労働者階級の根底的な怒りと決起を必ず引き起こすものになる。この中で、国際連帯を掲げた11月労働者大行動は、日本の労働運動を戦闘的に塗り替える決定的な闘いになっている。
 11月に向かう決戦は、国鉄闘争をめぐる一大分岐が鋭く進行していく過程と完全に重なった。ここでの勝敗が、労働運動全体を左右する。国鉄闘争勝利・国労再生への路線を鮮明に掲げ、分岐を促進し、11月大行動への国鉄労働者の大きな決起をつくり出そう。

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週刊『前進』(2166号2面2)(2004/09/20)

国労弾圧裁判 証人出廷も吉田書記長の指示
 池田証人 弾圧謀議の内幕を白状

 9月6日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第28回公判が開かれた。前回に続き、5・27臨大当日、長野地本東北信支部委員長で同地本の警備責任者だった池田久幸証人への弁護側尋問が行われた。
 冒頭、葉山岳夫副弁護団長が、本件との関連で先日の国労全国大会について意見を述べ、「2本の修正動議が出され、総団結を装って闘いを裏切る本部のもくろみは打ち破られた」と勝利の地平を説き、被告も会場内外で大会決戦を闘い抜いたことを明らかにした。
 池田証人が入廷した。青柳裁判長が池田証人への尋問を次回も続行するとの決定を告げた。彼に対する尋問は今回で終了する予定だったが、弁護団の要求で裁判所は続行を決めたのだ。溝内克信検事が異議を出したが、裁判長は却下した。
 前回公判で、池田証人は「覚えていない」「忘れた」という回答を57回も繰り返した。彼は「現場で被告の間の共謀が成立した」とする検察側の主張の真偽をめぐる重要証人だ。その証人がこうした証言態度では事件の解明は進まない。これを見た裁判長も、尋問時間を延長する必要を認めざるをえなくなったのだ。
 河村健夫弁護人が尋問に立った。これまでの公判で、池田証人は松崎博己被告と羽廣憲被告からそれぞれひざ蹴りされるなどの暴行を受けたと述べていた。だが、捜査段階での供述と公判廷での証言には、暴行を受けた場所やその前後の出来事など、重大な点で食い違いがある。供述の変遷の理由を聞かれた証人は、決定的な事実を白状した。
 一昨年10月、被告に対する起訴が確実になった段階で、彼は吉田進書記長に呼ばれ、「証人になることもある」と説得されたという。その場には、「被害者」として検察側が証人に立てている長野地本の黒執(くろとり)光久組合員や浅川初幸組合員も同席した。そこで事件のことを話すうちに「記憶が鮮明になった」というのである。
 こうした会合は2回ほどもたれたらしい。この弾圧で「被害者」とされる証人の過半は長野地本の組合員だ。吉田書記長こそ、組合員をなだめすかして「被害届」を出させ、証人に仕立てた張本人だったのだ。前回公判で池田証人は、「吉田書記長の指示で被害届を出した」と述べていた。それにとどまらず、彼は検察側「共謀立証」のかなめを握る最重要証人の役割を買って出たということだ。
 しかも、吉田書記長が「被害者」を集めて事件について話し合わせたという事実は、池田が言う「暴行」なるものは後から刷り込まれた「記憶」によるものでしかないことを示している。実際、検察側が証拠提出した2本のビデオテープには、彼の言う「暴行」はまったく映っていない。
 河村弁護人が、池田証人の映っているビデオテープの時刻と本部派がホテルから出発した時刻に照らし、その間、最大でも2分足らずの間に羽廣被告の暴行と笹原助雄東京地本執行委員による救出などがあったという主張は、時間的にとうてい成り立たないのではないかと問いつめた。
 一瀬敬一郎主任弁護人も、証人の供述の変遷を逐一指摘して追及した。
 これに対し、池田証人は「暴行があったのは事実。それははっきりと覚えている」とムキになって答えることしかできない。だが、それを裏付ける客観的証拠は何もないのだ。
 池田に対する尋問は次回(9月27日)も続く。裁判闘争は検察側「共謀立証」を打ち砕くきわめて重要な攻防の渦中にある。

 許さない会の本格的発展を

 9月5〜6日、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」は東京都内で全国代表者会議を開き、会員拡大と無罪要求10万人署名の本格的展開に向けた方針を確立した。運動の発展は、流動過程に入った国鉄闘争に切り込み、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いが国労再生の中心軸を担い抜くことによってこそ実現できることが確認された。
 6日の公判に先立ち、許さない会は東京地裁刑事第10部に無罪判決を求める署名5538筆を提出した。
 許さない会運動を大きく広げ、8被告の無罪獲得と国労再生へ、さらに闘いを強めよう。

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週刊『前進』(2166号3面1)(2004/09/20)

11・7全国労働者集会へ 闘う3労組が団結を訴え

 9月3日、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組が呼びかける11・7全国労働者総決起集会の第1回実行委員会が東京都内で開かれた。主催を11・7集会実行委員会とし、集会事務局を3労組とすること、集会名称、日程、スローガンなどを決定した。3労組が8月に全国の労組に向けて発した「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 11・7全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い」と集会要項、スローガンを紹介する。これらを断固支持し、呼びかけにこたえ、日比谷野音を満杯にする大結集をかちとろう。(編集局)


11・7全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い

 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
 全国金属機械労働組合港合同
 国鉄千葉動力車労働組合

 全国のたたかう労働組合・労働者のみなさん! 歴史は大きな曲がり角にたち、大失業と戦争の時代が到来しようとしています。日本の労働者はいま暴風雨のなかにいます。いま何よりも求められているのは、労働運動の現状を変革することです。団結をとり戻し、労働組合を甦らせることです。
 この1年余りの間にも、イラクへの自衛隊派兵、有事立法の制定、多国籍軍への参加、そして矢継ぎ早に進む治安弾圧立法の制定など、事態は次々とエスカレートし、日本は再び「戦争をする国」として世界に凶暴な牙を剥こうとしています。そしてついに教育基本法の改悪、憲法改悪に向けた動きが、05年に向けて具体的な政治日程に上ろうとしています。
 これと一体で、労働法制の全面的な改悪−不安定雇用化攻撃がおし進められ、労働者の生きる権利が奪い尽くされようとしています。日本経団連・奥田は、「既得権益を擁護する活動の是正を求める」と、労働組合のさらなる屈服と変質を迫り、「攻めのリストラ」を叫びたてています。これに追い打ちをかけるように、年金・社会保障制度の解体攻撃が激しく進められています。小泉政権の3年間で260万人の正規雇用が失われ、倒産・解雇が激増し、年収150万円以下の世帯が1割をこえました。さらに小泉政権は、公務員制度改革、郵政民営化をはじめとした大規模な民営化攻撃等により、「1千万人の労働力移動を行なう」としています。
 攻撃の矛先は労働者の団結権の破壊・抹殺に向けられています。団結権が危機に瀕し、ついに労働組合法に手がかけられようとしています。相次ぐ刑事弾圧や民事仮処分、損害賠償請求など、団結権・争議権の行使そのものを犯罪視する攻撃がエスカレートし、共謀罪や強制執行妨害罪の新設など新たな治安弾圧立法が制定されようとしています。
 私たちはこうした現実に対して、職場の諸課題とイラク反戦を結合して渾身の力を込めて04春闘ストライキに起ちあがり、団結権を根幹にすえてひるむことなく相次ぐ倒産攻撃にたち向かい、幾多の争議を闘いぬいて、地域・産別での組織化を進めてきました。とくに関西では、春闘時の争議団交流や「イラク派兵費用差止訴訟」(通称ゼニカネ訴訟)の提訴をとおしてそれぞれの闘う戦線の拡大を図ってきました。
 何よりも私たちは、国際連帯集会として開催された昨年11月集会で、不一致点は留保し、一致点を拡大して真の闘う統一戦線を創りだそう、闘う労働組合の全国ネットワークを創りあげようと訴えて奮闘してきました。ここに結集した多くの仲間たちがこの1年間、全国に散って様々な闘いの先頭にたったのです。
 そして今、政治反動と平和の危機−生活の全てをのみ尽くすような攻撃への怒りの声は満ち、労働運動の再生を求める声は、いたるところで響き始めています。
 イラク開戦1周年の3・20国際反戦行動では、陸・海・空・港湾20労組を中心として、総評解散以来初めてのナショナルセンターの違いをこえた画期的な労働者の統一行動が実現し、さらに教育労働者は、「厳重処分」を通達した石原都知事の恫喝や組合本部の制動をはね返し、「日の丸・君が代」不起立・不斉唱の闘いに起ちあがりました。闘いは今、480名の大原告団が結成され、都労連や都高教も動かし、また日教組、全教の枠をこえた統一行動を実現して、教育基本法改悪阻止、労働運動再生に向けた大きな拠点となろうとしています。さらに国鉄1047名の解雇撤回闘争でも、4月13日、国労闘争団・動労千葉争議団・全動労争議団が演壇に並ぶもとに、首都圏の労働組合が総結集する画期的な統一行動が実現しました。これまでの枠組みをのりこえて、労働者の新たな闘いが生まれでようとしています。
 いま労働者は全世界で、団結し、連帯して新しい時代を見いだす力をとり戻そうとしています。
 韓国・民主労総の仲間たちは、軍事独裁時代をはるかに凌駕するというノムヒョン政権による労働運動弾圧に抗して、イラク派兵撤回、非正規雇用差別撤廃、最低賃金要求戦取、韓日自由貿易協定交渉中止等の要求をかかげて、自らの存在をかけた闘いに起ちあがっています。
 ILWUを先頭としたアメリカの仲間たちも、やはり組織の存亡をかけてタフト・ハートレイ法の発動や「愛国者法」による弾圧に抗し、AFL―CIOの制動と対決して、「ブッシュ打倒、ケリーもNO」のスローガンを掲げて、ワシントンでの「100万人労働者行進」を組織しています。
 私たちも、表記集会に全国の職場・地域で奮闘する多くの仲間たちのご参加をいただき、怒りの声をたぎらせて、支配の厚い壁を突き破る、闘う労働組合の全国ネットワークをつくりあげたいと考えております。 志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
 二〇〇四年八月


たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!
大失業と戦争にたち向かう労働者の国際的団結を!

11・7全国労働者総決起集会

【日時】11月7日(日)正午開会
【場所】東京・日比谷野外音楽堂
【主催】11・7集会実行委貝会

《スローガン》
◎全労働者の団結で、小泉−日本経団連・奥田体制と対決し、倒産・解雇・賃下げ・民営化−非正規雇用化と、労働法制・社会保障制度の解体攻撃をはね返そう!
◎全労働者の団結で、「日の丸・君が代」闘争を発展させ、教育基本法−憲法改憲攻撃を阻止しよう!
◎全労働者の団結で、有事立法粉砕−“発動させない、従わない”戦争協力拒否の闘いをつくりあげよう! 沖縄をはじめとした全ての基地撤去、自衛隊をイラクから撤兵させよう! 日本の戦争政策の根幹をなす日米安保体制を打ち砕こう!
◎全労働者の団結で、国労臨大闘争弾圧を粉砕し、国鉄1047名解雇撤回闘争に勝利しよう!
◎全労働者の団結で、団結権破壊を目的とした労組法改悪、労働運動への治安弾圧を粉砕し、共謀罪新設を阻止しよう!
◎日・米・韓労働者の国境を越えた連帯と共同闘争を発展させよう!
◎全労働者の団結で、小泉反動内閣を打倒しよう!

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週刊『前進』(2166号5面1)(2004/09/20)

全学連大会に結集しよう
階級的労働運動と連帯する全国学生の総決起かちとれ
 教基法、安保沖縄=改憲決戦へ
 革共同中央学生組織委員会

 時代が大きな転換点に差し掛かっている。向こう10年がプロレタリア革命の成否を決する世界史的な激動となろうとしている。その決定的な分岐点が04−05年なのだ。そしてこのときに全国の大学で多くの学生が新たに闘いを開始している。彼ら・彼女らこそ闘う青年労働者とともにこの世界史的な激動を決する世代にほかならない。すべての闘う学友諸君。労働者階級が開始している革命的な事業をともに担おう。04−05年の時代の大転換をつかんで階級的労働運動と連帯する学生運動を爆発的に登場させよう。全学連中央執行委員会より呼びかけられている全学連第64回定期全国大会(9月17日〜19日、要項1面)への参加を熱烈に訴える。

 帝国主義の体制危機と階級闘争の大流動

 第一に訴えたいことは、04−05年が時代の大転換点であり、向こう10年がプロレタリア革命の成否を決する世界史的な激動となっていることだ。
 その第一は、帝国主義の基本矛盾が世界大恐慌と帝国主義世界戦争という破壊的な形で大爆発していくことである。
 世界大恐慌への本格的な突入が切迫している。「景気は回復軌道」という吹聴が急速に「景気減速懸念」に変わっている。すさまじい規模の財政投入と超低金利政策によってかろうじてデフレ・スパイラルに落ち込むことを阻んできたが、それも限界に達している。帝国主義的生産力が、世界的な過剰資本・過剰生産力状態の中で、世界大恐慌という巨大な破壊力となって爆発しようとしている。労働者階級の怒りの爆発と階級闘争の激化が、その最後的な転落の引き金を引こうとしている。
 イラク侵略戦争の泥沼化が激動の震源地となっている。追い詰められた米帝が、中東全域を巻き込む大規模な侵略戦争に突き進もうとしている。イラク侵略戦争は、かろうじて米帝的統一性を形成してきた帝国主義が、激しい停滞と分裂化の中で、基軸帝国主義=米帝自ら先制的に世界の再分割戦争に突入したものだ。それはイラク・中東−全世界の労働者人民の闘いを呼び起こすとともに、帝国主義同士の分裂と抗争をますます激化させている。
 だから米帝は、大統領選の結果にかかわらず、世界大戦的な大規模侵略戦争に突き進むしかない。04−05年を分岐点として、イラクから中東全域へと侵略戦争を拡大し、さらに、北朝鮮攻撃から中国侵略戦争へと突き進んでいくのだ。
 その第二は、国際階級闘争が大流動と大高揚の過程に突入し、労働者階級が既成政治の枠組みを越えて1930年代的な大流動に突入していることだ。
 イスラム諸国人民の闘い、アメリカや南朝鮮・韓国を始めとする世界の労働者階級の闘いが、つい数年前には想像もつかなかった規模で高揚している。日本も例外ではない。教育労働者の「日の丸・君が代」闘争の高揚、全逓、自治体、国鉄の闘い、そして、沖縄闘争の爆発である。
 先の参院選では、労働者階級が小泉政権に対して激しい怒りをたたきつけた。しかも、既成政党・既成政治の総体に対して激しい絶望・不信任を突きつけている。それは、労働者階級が既成政治の枠組みを越えて真の労働者党を求めて30年代的な大流動に突入しているということだ。
 このような大流動に対して反革命の側ではファシスト石原が「日の丸・君が代」攻撃をもって敏感に対応してきている。他方で、労働者階級の側では、「日の丸・君が代」闘争を攻防環にファシスト石原との対決の中から階級的労働運動を創出しようとしている。
 第三に、このような30年代的な流動に対して革命的な決着をつけられるのは、革命的な階級としての労働者階級であり、プロレタリア自己解放の思想としてのマルクス主義以外にないことである。
 「『お前ら資本家の時代は終わったんだ。俺たちがやってやる』……『労働者が革命を起こして、お前たちに引導を渡してやる。労働者に権力をよこせ』という立場を持たなければ労働運動はひとつも前進しない時代が来た」(中野洋動労千葉顧問『教育労働者の戦争協力拒否宣言』より)―これが労働者階級の要求であり、労働者階級がこの立場で闘ったとき帝国主義を打倒できるのだ。
 資本家階級が搾取の対象とする労働者階級を食わせていけなくなってしまっている。そして、戦争という破壊と虐殺を労働者階級に強制しなければ体制を維持できなくなっている。
 資本家階級という一握りの富者が政治を独占し生産を支配し、大多数の労働者階級を低賃金と強労働にたたき込み、資本家階級だけが利益を独占し、異様な発展を遂げてきた―このような社会のあり方がもはや歴史的な限界に突き当たっているのだ。
 しかし同時に現代社会の危機を突破できる革命的な階級が急成長している。労働者階級は、資本主義のもとでは本来は生産の主体でありながら現実には賃金奴隷を強いられている。しかしこの労働者階級こそ、資本家階級が破産したやり方を打ち倒し、生産の主体である自分たちが主人公となった社会を建設していく存在なのである。
 そして、労働者階級をまさにこのような革命的な階級としてつかんだマルクス主義こそが現代社会の危機を突き破る唯一の革命的な思想なのだ。
 第四に、このような世界史的激動に対して、われわれがプロレタリア革命を具体的に引き寄せていく革命的な路線としての新指導路線をつかみ取ってきたことである。
 革共同の新指導路線は、30年代的な大流動の中で、帝国主義的労働運動・ファシスト運動か、階級的労働運動かという革命的な分岐を鮮明にさせ、労働者階級が主人公となる社会の実現へ、階級的労働運動と革命的な労働者党を創出していこうという路線である。
 それは、動労千葉をアルキメデスのテコとして、国際的連帯と統一戦線戦術を駆使しながら、日本と世界の労働運動の革命的な分岐と再編をダイナミックに推し進めていく闘いである。
 そして、帝国主義の労働組合解体攻撃と対決し、労働組合運動の防衛・強化・発展に全力を挙げ、労働者階級が労働組合を基礎として団結を回復し国家権力を取りにいく路線である。
 この新指導路線のもとでの学生戦線の位置は決定的に重要である。学生は時代を鋭敏につかんで決起する存在である。学生が労働者階級の闘いと連帯して決起するとき、階級的労働運動と革命的労働者党の創出の闘いに大いに寄与することができるのだ。

 11月労働者大行動−1年間決戦に全力を

 第二に訴えたいことは、学生戦線は、「日の丸・君が代」闘争・教基法改悪阻止闘争と安保・沖縄闘争、大学闘争を環に04−05年の一年間決戦に突入しようということである。
 日帝は、泥沼化するイラク侵略戦争への自衛隊派兵を拡大・激化させながら、年末の新防衛大綱をもってイラク型の侵略派兵を自衛隊の「本来任務」として基軸化、恒常化するという反動的な飛躍を行い、米帝の世界戦争計画にどこまでも全面的に参戦していこうとしている。
 日帝はそれを日米安保体制の大エスカレーションとして強行しようとしている。米帝は、世界戦争遂行のための米軍の大再編を推進する中で日米安保体制を飛躍的に強化し、それをテコとして世界戦争を遂行しようとしている。日帝は、それをただ要求されるままに受け入れるのではない。アジアをめぐる米日の再分割戦をにらみ、日帝自身が世界戦争を遂行する意志と計画をもって積極的に日米安保体制の大エスカレーションを推し進めているのだ。米軍のトランスフォーメーションと弾道ミサイル防衛システム(BMD)の配備、日米共同作戦の強化と集団的自衛権行使への踏み込み、沖縄基地を始めとする在日米軍基地機能の再編・強化、96年に続く05年第二次安保共同宣言の締結が行われようとしている。
 こうした中で、日帝はついに明文改憲を07年に向かって政治日程にのぼらせている。日帝が、敗戦帝国主義としての制約を蹴り破って、戦争国家へ大転換しようとしているのだ。
 この改憲攻撃を先取りして、教育基本法改悪案が05年通常国会に提出されようとしている。戦後憲法と一体であった教基法を全面的に改定する攻撃は、有事体制と一体の戦時型教育体制の完成を意味し、実質上の改憲となるのだ。教基法改悪攻撃は、侵略戦争・戦争国家に魂を入れる「国民精神の総動員」の攻撃である。そして、「日の丸・君が代」攻撃は、教育労働者の抵抗をたたきつぶし、教育労働者を戦争に動員しようという攻撃にほかならない。このような日帝の大攻撃に対して教育労働者の大反乱がたたきつけられたのだ。「日の丸・君が代」強制をめぐる攻防が、日帝の侵略戦争の拡大と教基法改悪・改憲をめぐる決戦の環となっているのだ。
 また、沖縄に対する矛盾の集中がさらに激しく行われている。米帝は沖縄基地をイラク侵略戦争の出撃基地として徹底的に使い、米軍のトランスフォーメーションをもって沖縄基地をさらに強化しようとしている。日帝は改憲と戦争国家化が沖縄圧殺なしにはありえないとして、あくまでも名護新基地建設を強行しようとしている。米軍ヘリ墜落事故とその後のやり方は、こうした沖縄に対する米日帝の態度をはっきりと示した。これに対して沖縄人民の積もりに積もった怒りが爆発を開始した。沖縄闘争は、05年安保共同宣言を頂点とする米日帝の双方の世界戦争計画と安保の大エスカレーションを粉砕する決定的な環である。
 日帝は「聖域なき構造改革」「骨太方針」の名のもと、むき出しの資本の論理をもって賃下げ・解雇・労働強化と戦後的な権利のはく奪を強行し、国家の論理で人権を公然と抑圧する攻撃に踏み出している。こうした中で、4大産別をめぐって決戦が火を噴いている。その最大の焦点が労働組合をめぐる攻防なのだ。
 04年、05年から07年の政治過程が、世界大恐慌の爆発と侵略戦争の激化・拡大、階級闘争の歴史的高揚という中で、教基法改悪・改憲、安保・沖縄を最大の焦点に日帝の侵略戦争と階級戦争をめぐって60年とも70年とも比較にならない大決戦となり、その後の10年を大きく決するのだ。われわれは、これに対して04−05年の一年間決戦の方針を確立し総力で決起する。

 10・17国際反戦闘争に立とう

 方針の第一は、日米韓の国際連帯を掲げ、10・17全米百万人労働者大行進(MWM)と連帯し、動労千葉などの三労組陣形や「日の丸・君が代」闘争に決起した教育労働者を始めとする日本の労働者階級と連帯して、学生も11月労働者大行動に大結集することだ。
 労働運動は今、帝国主義的労働運動・ファシスト労働運動への転落か、階級的労働運動の創出かという30年代的な選択が全世界的に問われている。その中で、11月労働者大行動こそ、労働者が権力を握り社会の主人公となる立場で階級的労働運動の前進のために闘う日韓米の労働組合が一堂に会する集会である。
 その核心は、労働組合をめぐる攻防に勝利し、労働組合の防衛・強化・発展をかちとる闘いである。アメリカやイギリスで50万、100万人規模の集会やデモが次々と実現されているが、それはその中心に闘う労働組合が座っているからにほかならない。イラク反戦闘争も「日の丸・君が代」闘争や安保・沖縄闘争も、結局、動労千葉のような階級的労働組合がいくつ存在するかで勝負は決まる。11月労働者大行動は、日本の反戦闘争の大爆発のための決定的な闘いだ。
 方針の第二は、10・17国際反戦闘争を始めとするイラク侵略戦争阻止、北朝鮮・中国侵略戦争阻止の反戦闘争の爆発をかちとることである。
 イラク侵略戦争は完全に泥沼化し、米帝は出口の見えない敗勢にたたき込まれている。イラク人民の闘いがさらに激しく爆発していく中で、米帝の侵略戦争を支える多国籍軍として参戦した日帝・小泉と自衛隊に対してもイラク人民の怒りがたたきつけられていくことは不可避だ。日本の労働者階級としての責任をとって、闘うイラク人民と連帯し、自衛隊即時撤退・小泉政権打倒へ全力で闘い抜かなければならない。
 10・17MWMは米帝ブッシュ打倒へ向けたアメリカ労働者階級の歴史的な闘いになろうとしている。また10・17は昨年3月イラク開戦時の2千万人決起を超える世界的大闘争になろうとしている。10・17MWMと連帯し、日本でも10・17闘争をブッシュ打倒・小泉打倒のイラク国際反戦闘争として大爆発させよう。
 在日朝鮮人民と連帯し、戦争協力拒否を闘う労働組合と連帯して、10月中旬に行われる北朝鮮侵略戦争発動に向けた東京湾での海上封鎖訓練を阻止しよう。
 方針の第三は、処分を恐れず「日の丸・君が代」闘争に決起した教育労働者と固く連帯して、「日の丸・君が代」攻撃粉砕・教基法改悪阻止の一年間決戦に決起することだ。
 何よりまず、東京都教育委員会の03年「10・23通達」のもっている暴力性に激しい怒りと危機感を爆発させよう。
 日帝は、国家暴力をもって、教育労働者に襲いかかり、戦後の教育労働運動がかちとってきた職場支配権を破壊し、教育を国家の手に奪い返そうとしている。ここで教育労働者が屈服させられたら、教育労働者自身が、生徒に向かって、国のために命を捧げるという思想をたたき込むことになる。そういう教育が数年でも続けば、親も驚くような軍国少年・少女が大量に作り出されていく。
 この大攻撃に対して闘う教育労働者が反乱に立ち上がっているのだ。これを教育労働者だけの問題にしてはならない。この問題を見過ごしたら、労働者階級全体が取り返しのつかない敗北を繰り返してしまう。
 「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。これに尽きる」(民主党・西村真悟)というように、教基法改悪は、教育の目的、教育の目標を反動的に大転換するとともに、教育内容への国家権力の不介入を定めた10条を破棄することをとおして、「国家のための、国家戦略のための、国家権力による教育」に教育を180度転換することであり、そのために教育労働者を弾圧する攻撃にほかならない。そしてこの教基法改悪の核心が「日の丸・君が代」攻防として闘われているのだ。
 この秋から来春が決戦だ。『教育労働者の戦争協力拒否宣言』(労働者学習センター)の学習会を何百回とやり、闘う教育労働者と連帯する学生の総決起をつくりだそう。「教基法の改悪を止めよう!11・6全国集会」に大結集しよう。

 辺野古現地に駆けつけよう

 方針の第四は、米軍のトランスフォーメーションと結合した日米安保の大エスカレーションと対決し、普天間基地即時無条件撤去、名護新基地建設阻止闘争の大爆発をかちとることだ。9・26沖縄県民大会の大結集と本土における沖縄闘争の高揚を実現しよう。
 米軍基地と沖縄人民とはもはや一時たりとも共存することはできない。米帝に蹂躙(じゅうりん)され、日帝に差別的に踏みにじられ、犠牲の集中を受けてきた沖縄人民の怒りの深さを徹底的にはっきりさせよう。沖縄の現実を知らず関心も持たずにきた本土のわれわれが、この問題に対してどういう態度を取るのかが今問われているのだ。
 イラク侵略戦争下の沖縄闘争は、95年の闘いをはるかに超えて、日米安保とその強化の攻撃を激しく揺さぶり、米日帝の世界戦争政策と真っ向から対決して、闘うイスラム諸国人民と連帯する内乱になろうとしている。基地労働者も闘いに立ち上がろうとしている。
 防衛施設局が辺野古へのボーリング調査を強行しようとしている。それに対して沖縄人民が体を張った阻止行動に立ち上がっている。この闘いが、戦争と安保を止めているといって過言ではない。日本の未来を決する大闘争なのだ。全国の闘う学生は直ちに行動隊に志願し、沖縄人民と連帯して闘おう。
 横須賀を始めとする本土の反基地闘争が、沖縄人民と連帯する本土の労働者階級の闘いとして、労働組合運動を基礎として大きく発展しようとしていることは決定的だ。階級的労働運動を作り出すことこそ沖縄闘争に真に勝利する道だ。

 マルクス主義武器に学生運動の大爆発を

 大学改革攻撃を粉砕しよう

 方針の第五は、教基法改悪阻止闘争と一体で、国公立大学法人化攻撃を始めとする大学改革攻撃と対決し、大学をめぐる決戦を爆発させることである。
 一つは、教基法改悪攻撃と大学改革攻撃が完全に一体であることを明確にし、教基法改悪阻止闘争の中に大学闘争をしっかりと位置付けて闘うことである。
 日帝は、教基法改悪によって、「国策遂行のための教育」へと教育全体を大転換しようとしているが、大学については、戦後の大学の国策に対する相対的なあり方を抜本的に改め、国策遂行のための手段として徹底的に位置づけている。
 学生にとって、法人化や大学改革とは、帝国主義の国策へのストレートな動員である。それは、入学と同時に激しい就職活動に駆り立てられ、身も心も帝国主義と資本にとって有用な人間になるために人間性を捨てさせられ、大卒者の5人に1人は就職も進学できないという状況の中で、「死のイス取りゲーム」を強制されるものでしかない。
 このような攻撃に学生は強い憤りを蓄積している。その原因が帝国主義にあり、教基法改悪攻撃と大学改革攻撃によってもたらされていることが見えたとき、怒りは大爆発する。
 二つは、「自立した人材の育成」という小泉=奥田路線のスローガンと対決して、「人間としての自主性・主体性」というスローガンをわれわれの側から対置して闘うことである。
 「自立した人材」とは、労働者的団結から「自立」して、分断と競争の中で他人を蹴落とし、侵略の先兵となることもいとわない反労働者的な人間ということだ。多くの学生は、このような生き方に対して疑問を持ち、人間として自主的主体的に生きたいと考えて、大学で学び、あるいは、仲間を作ってさまざまな自主的な活動に取り組んでいる。
 「人間としての自主性・主体性」というスローガンは、小泉=奥田路線に対して学生の怒りを解き放つスローガンである。
 三つに、実践的には、学生の自主的活動であるサークル活動の圧殺攻撃と対決し、サークル活動を守り発展させることである。
 サークル活動に情熱を燃やす学生は、上述したように「自立型人材」となることに抵抗感を持ち、自主的で主体的な生き方を志向している。帝国主義が、教基法改悪攻撃と大学改革攻撃をもって大学を制圧しようとしたときに、サークル活動に取り組む学生がそれを拒否して反撃を始めたのである。だから、帝国主義は、これを目の敵にして、サークル活動を一掃する攻撃に出てきているのだ。

 法大生は学館閉鎖許さない

 法大の学生会館閉鎖攻撃をめぐる決戦は、まさに日帝のこのような教基法改悪攻撃と大学改革攻撃との鋭い対決点にほかならない。
 われわれは、法大の学生会館閉鎖とサークル活動の圧殺を絶対に許さない。法大生の怒りの爆発は始まった。決定的なことは、この決戦が04−05年の大決戦と結合して闘われることだ。法大当局が学館閉鎖−新施設建設を強行していくならば、3万法大生の激しい怒りの爆発に転化する。法大当局は深刻に後悔することになるだろう。

 自治会運動を発展させよう

 第三に訴えたいことは、04−05年決戦の中で、自治会運動を守り発展させ、全学連運動の新たな発展を作り出そうということである。
 第一に、今こそ全国大学で、自治会を守り発展させる闘いに全力を挙げよう。
 帝国主義は、労働者階級を支配するために、労働組合への解体攻撃をかけ、職場をめぐる支配権を奪い取ろうとしている。大学でも学生を支配するために、自治会を圧殺しキャンパス支配に全力を挙げている。
 われわれは、歴史的な激動と大学をめぐる決戦の中で、自治会運動を発展させ学生によるキャンパス支配を打ち立てるのだ。そして、自治会を媒介としてキャンパス丸ごとの大衆決起を実現するのだ。全学連運動の真骨頂はここにある。
 第二に、サークル活動圧殺攻撃との対決を自治会活動の当面の決戦的な課題として闘おう。
 第三に、敵の大反動を跳ね返す一点で柔軟な統一戦線戦術を駆使して、大衆運動の発展を作り出そう。

 マル学同2倍化実現しよう

 第四に訴えたいことは、マルクス主義を武器に、04−05年決戦の中で、向こう10年を決する新世代を一挙に獲得することである。MWL(マルクス主義青年労働者同盟)1000人建設と一体でMSLの倍増をかちとろう。
 ひとつに、そのような情勢の到来に対して、われわれが、マルクスのマルクス主義で党を作るという方針で勝負したことが勝利の最大の教訓である。この道を徹底的に推し進めるならば必ず倍増方針は貫徹されるという確信をつかんだ。
 いまひとつは、党勢拡大闘争を常に会議の第一義的な議題として扱い、数値目標を具体的に掲げ、そこから逆規定した計画と政策を立て、オルグ方針を組織全体の力で練り上げ、勝利と敗北を教訓化していったことである。
 時代の大転換と労働者階級の歴史的決起の開始に恐怖と混乱を深めるだけのカクマルを全大学から最後的に一掃し、マル学同倍増の一年間決戦に勝利しよう。
 すべての闘う学生はマル学同中核派に結集しよう。

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