ZENSHIN 2004/04/05(No2144 p06)

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週刊『前進』(2144号1面1)(2004/04/05)

3・20大高揚から4月決戦へ
 イラク撤兵・有事関連法案粉砕4・9日比谷野音に結集しよう
 動労千葉スト先頭に国鉄闘争勝利を

 3・20イラク開戦1周年の国際反戦共同行動は、世界で1000万人、日本で50万人が決起した。全世界の労働者人民が米英日帝国主義のイラク侵略戦争に反対して同時決起したことの意味は大きい。日本でも日比谷公園の6万人を先頭に全国でかつてない人びとが立ち上がった。日帝・小泉=奥田路線と対決し、「労働者人民の新しい大統一運動」への第一歩を切り開いた。闘いはこれからだ。さらに東京で50万−100万の決起へ向けて前進しよう。3・20の地平の上に4月決戦を打ち抜こう。有事関連法案粉砕が4月決戦最大の闘争になる。3・30〜4・1の陸・海・空・港湾労組20団体の国会前行動、4・9日比谷野音集会を闘おう。4・13国鉄闘争支援大集会(日比谷公会堂)を支持し成功させよう。改憲阻止闘争の展望を切り開こう。この中で機関紙倍増、党勢倍増の闘いを貫こう。

 第1章 冷雨をついて膨大な人々が日比谷に集う

 日本では、東京・日比谷公園の6万人を先頭に、北は北海道・旭川から南は沖縄・那覇まで、約50万人がイラク反戦、自衛隊撤兵、有事法案粉砕を訴えて闘いに決起した。
 東京は、主催者団体である陸・海・空・港湾労組20団体が日比谷公園全体で5、6万人と発表した。陸・海・空・港湾労組20団体の小音楽堂−大噴水前を始め、ワールド・ピース・ナウが主催した野外音楽堂、平和フォーラムが結集した「かもめの広場(郷土の森)」、図書館前、花壇内、その他の公園内各所の集会。そして芝公園から出発しデモの解散地として日比谷公園に入ってきた膨大な全労連の部隊。さらに冷雨をついて数えきれない膨大な労働者、学生、市民が日比谷公園に結集し、集会に参加したのである。
 この中で百万人署名運動が大きな隊列で参加した。その隊列は一部は小音楽堂に入り、さらに憤水前を埋めつくした。集会後、霞門から出発したデモ隊数千が迫力に満ちた十数てい団をつくり、延々と長蛇の列となった。陸・海・空・港湾労組20団体と連帯して全国から駆けつけた百万人署名運動の迫力が集会をひっぱった。
 さらに、20労組とともに動労千葉が総決起した。動労千葉は、昨年11・9に日韓米の国際連帯集会をかちとり、その成果の上に、民主労総ソウル地域本部、「タフト・ハートレー、抑圧と民営化反対キャンペーン」、動労千葉の3者で2月21日、「3・20国際労働者行動日への共同声明−戦争・抑圧・民営化に反対しよう」との国際共同声明を発した。

 動労千葉ストの階級的衝撃

 動労千葉は04春闘において、2月指名ストライキと長期非協力闘争、3・12−14の48時間ストライキを反合・運転保安確立を掲げて打ち抜き、247本の列車を運休させた。労働者階級が「社会の主人公である」ことを示すストライキであった。これが3・20の大きな起爆剤となり、同時に6万人決起を牽引(けんいん)した。
 さらに学生運動の爆発の展望が大きく開かれた。自衛隊のイラク派兵阻止の1月小牧闘争、2月北海道・旭川闘争、呉闘争、3月北海道闘争を学生戦線が先頭で切り開いた。これらの現地闘争では自衛官とその家族に「出兵を拒否しよう」「侵略戦争の銃をとるな」と訴えて闘った。この闘いを貫徹して、3・20に300人の学生を結集したことは決定的だ。激動期における学生運動の新しい可能性を生み出したのだ。
 日帝は「外への侵略戦争、内への階級戦争」を仕掛け、労働者人民を生活もできない苦しみのどん底に突き落としている。小泉は年金改悪法案を出し、負担大幅増と給付大幅減を強制し、生活保障の切り捨てに走っている。奥田は、リストラ、非正規雇用化、定昇解体・ベースダウンによる大幅賃下げ、成果主義など生きていけない賃金体系を労働者に押しつけている。
 ところが連合や全労連は、小泉=奥田路線のもとに完全に屈服している。これに抗して労働者の怒りは根底から噴き出そうとしている。無数の闘いが始まり、既成の連合支配を突き破る闘いが燃え広がりつつある。まさに階級的な地殻変動が起きている。
 こうして開始された階級的流動情勢を大きく揺り動かし、小泉=奥田との階級的力関係を変革する闘いとして、3・20日比谷公園10万人決起方針があった。この方針は労働組合などの闘う労働者人民の気持ちに結びつき、大きな求心力を持って発展した。
 そして、真冬並みの寒気と雨をついての日比谷公園6万人決起となり「労働者人民の新しい大統一運動の第一歩」を開いたのだ。
 これこそが激動情勢に最も革命的に対応した方針であった。この中で日本共産党は露骨な分裂と裏切りに走り、カクマルは全面的に敵対した。
 日本共産党は、日比谷公園10万人結集に対置する形での芝公園方針を出して、集会の統一を求める闘う人民の怒りと批判を買った。
 カクマルに至っては3・2イラクと3・11スペインでのゲリラ戦闘に対して「CIAの謀略」というデマゴギーを流し、さらに「タフト・ハートレー、抑圧と民営化反対キャンペーン」代表のスティーブ・ゼルツァー氏をも「CIAのスパイ」呼ばわりし、反革命としての墓穴を掘った。カクマルの敵対は広範な人びとの怒りを買った。そして日比谷公園にわずかな数で登場し、破産したみじめな姿をさらした。JR総連カクマルも、資本に全面協力するファシストとしての破産をあらわにした。
 日本共産党の「資本主義の枠内」論、カクマルの「暗黒の21世紀」論の綱領的破産と反労働者性はあまりにも明らかだ。しかし労働者階級人民は、もはや彼らの敵対・制動を粉砕して決起しつつある。

 世界の大激動と革命的情勢

 世界は完全に大激動している。米帝とイスラエル・シャロン政権はハマスの最高指導者であるヤシン師を虐殺した。これは米帝のイラク侵略戦争の泥沼的危機への凶暴な対応である。民族抹殺の攻撃である。パレスチナ人民は、イスラエルに対して怒りと憎悪に震え、報復の全面戦争を宣言した。イスラエルと米帝を打倒するまで終わらない闘いに突入した。
 スペインでは3・11列車同時爆破ゲリラを契機にアスナール政権は打倒され、イラク撤兵を掲げる社会労働党が次期政権を担当する大激変が起きた。「有志連合」の一角が崩れ米英日帝は大打撃を受けている。3・11の衝撃は、参戦国であるポーランド、オランダなどに波及している。イラク撤兵の国際的大運動を爆発させなければならない。
 韓国での盧武鉉(ノムヒョン)大統領への弾劾政局や台湾の大統領選挙での大混乱などの大激動も、根底にはイラク侵略戦争の泥沼的危機と米帝の北朝鮮・中国侵略戦争の緊迫、帝国主義間争闘戦の激化がある。
 米帝対独仏帝を軸とする石油資源分割、市場分割、勢力圏分割の争闘戦の非和解的激化があり、アジアをめぐる日米の帝国主義間争闘戦が深刻化している。世界はイラク侵略戦争を突破口に世界戦争―第3次世界大戦へと戻ることのない道を進み始めているのだ。
 こうした中で革命的情勢が急接近し、数十年に一度あるかないかの世界革命のチャンスが到来しつつある。革共同は時間との勝負で〈党の革命>を推進し、日本階級闘争に責任をとる真の主流派として登場しなければならない。

 第2章 日帝・小泉=奥田路線への階級的総反撃を

 革命的情勢への端緒的突入とは、1カ月がこれまでの1年、1年がこれまでの10年に匹敵するような激動情勢を意味する。3・20を引き継ぐ4月決戦はこの渦中の闘いだ。
 4月決戦を日帝・小泉=奥田路線との全面対決を真正面に掲げて闘おう。
 日帝・小泉は、3月9日に有事関連法案(7法案と3条約・協定)を国会に提出し、早期の審議入りを狙っている。そして連休前にも衆院を通過させることを策している。

 北朝鮮侵略戦争法案粉砕へ

 国民保護法案を始めとする有事関連法案とは、小泉が言うような「日本への武力攻撃から国民を保護するためのもの」などでは断じてなく、米帝と日帝が北朝鮮(中国)に対し先制攻撃をかけ、侵略戦争を強行するための法案だ。先制的に侵略戦争を発動した時、相手国から当然にも反撃が起こることを想定し、自衛隊と米軍への「国民の協力」と動員を無制限に強制する法律である。結局のところ「保護」どころか労働者人民のあらゆる権利と自由を剥奪(はくだつ)するものである。
 さらに米軍活動円滑化法案、交通・通信利用法案やACSA(日米物品役務相互提供協定)改定案などは米軍に弾薬や物資を提供し、米軍と自衛隊が自由に共同作戦できるようにする攻撃だ。特に成田を始めとした空港、港湾、道路などを自衛隊・米軍が優先利用し、航空・港湾・運輸労働者を戦争動員することが目指されている。4月決戦として有事関連法案粉砕闘争を必死に闘い抜こう。
 そして北朝鮮船の入港を禁止する特定船舶入港禁止法案も国会に提出されようとしている。これは北朝鮮への侵略戦争法案そのものである。
 こうした緊迫情勢を受けて陸・海・空・港湾労組20団体は3月30〜4月1日の国会連続行動を提起した。さらに4月9日日比谷野音集会、5月21日明治公園集会を呼びかけている。これと連帯し、ともに総決起して闘おう。

 国労の再生へ今こそ闘おう

 3・20と動労千葉春闘ストライキの勝利によって、階級的労働運動の全面的発展の展望が開かれた。しかも、さらに動労千葉はベアゼロ・新賃金制度粉砕へ、3・29ストを配置して闘おうとしている。
 この地平に立って4月決戦では、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕し、国労を再生させる闘いを発展させることが重要だ。1047名闘争の発展に向けて4・13国鉄闘争支援大集会(日比谷公会堂)を支持し、その成功のために全力を挙げて闘おう。
 そして、@「日の丸・君が代」攻防を闘い、教育基本法改悪反対を闘う教育労働運動、とりわけ高揚する都高教をめぐる闘い、A殺人的な深夜勤の強行実施と闘う全逓労働運動、B有事法制による戦争協力を拒否し、大行革・民営化と闘う自治体労働運動を始め、全産別で階級的労働運動を前進させるために闘おう。特に4・13集会への総結集を訴えよう。
 同時に労組法改悪阻止−団結権防衛の闘い、年金改悪関連法案阻止の闘いを強めよう。治安弾圧の激化と対決し、裁判員制度導入−司法制度改悪、共謀罪新設を阻止しよう。
 3・17水嶋秀樹同志無罪判決に続く、3・25迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判における須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志無罪判決は決定的な勝利であり、日帝国家権力の治安弾圧への大反撃を加えた感動的地平だ。
 こうした闘いの中から今こそ04−05年改憲阻止闘争の展望を切り開いていこう。小泉は05年に憲法改悪案をまとめることを狙い、今国会に「国民投票法案」を提出しようとしている。イラク派兵や有事関連法案の憲法破壊的現実に対応するために、もはや「解釈改憲」ではなく、9条破棄の改憲を強行しようとしているのだ。
 教育基本法改悪、労組法改悪も改憲と一体の攻撃だ。3・20の地平からイラク撤兵、有事法案粉砕、改憲阻止闘争の巨大な展望を開こう。

 第3章 党勢倍増・機関紙拡大の闘いに取り組もう

 03年の3・20イラク開戦と12・9派兵閣議決定以降の「戦時下の階級闘争」に勝ち抜き、激動期に勝利する道は、工場・経営の奥深くに労働者細胞を建設することにある。非合法・非公然体制を堅持しつつ、労働運動の前進をかちとり、労働組合権力を獲得し、合法的拠点と運動をつくりあげていくことである。
 革命的情勢の到来の中で、それは十分に可能だ。日帝のイラク参戦下の今日、膨大な労働者人民が信頼できる革命党派、闘う労働者党を真剣に選択しようとしている。3・20に参加した労働者人民を始め、全労働者人民の中に党派選択における分岐、流動化が地殻変動的に起きている。
 今こそ労働者人民に向かって積極的に党派選択を求め、革命運動への決起を訴え、機関紙の購読を積極的に提起し、機関紙倍増を図り、さらに党への結集をかちとり、党勢倍増を実現するチャンスである。
 このことはまた、職場で、労働組合で、大学で、地域で、党派闘争を激化させている。〈外への侵略戦争、内への階級戦争〉に対し、原則的に階級的=国際的に闘う者が、労働者階級を獲得できるし、信頼されるのである。動労千葉の労働運動こそ、そのような手本を示しているのだ。
 こうした階級情勢認識に立って、4〜5月闘争の中で機関紙拡大と党勢倍増計画を数値化して決定し、その貫徹のために闘おう。この実践を地区党の指導の勝利、地区党建設の前進としてかちとっていこう。

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週刊『前進』(2144号1面2)(2004/04/05)

迎賓館・横田爆取弾圧裁判 3同志に無罪判決
 デッチあげ粉砕、不屈の16年

 1986年4・15米軍横田基地、同年5・4迎賓館に対する革命軍のロケット弾戦闘を理由に、無実の須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志に加えられた爆発物取締罰則デッチあげ弾圧の判決公判が、3月25日午後、東京地裁刑事第11部であり、木口信之裁判長は、3被告に無罪を言い渡した。87年10月のデッチあげ逮捕以来16年半、88年9月の初公判以来15年半、ついにかちとった歴史的な勝利だ。
 3被告は無実であり、裁判は当初から事件との直接の関与を示す証拠など一切なかったのだ。関係のない証拠調べを延々と繰り返してきた、そのデッチあげが最終的に破産したのだ。判決は、86年8月に設置された「岩手借家」と、それ以前の4、5月の本件事件とを直接に結びつけるものはない、3被告を本件両事件の共謀共同正犯とする証明がないとして、検察側の主張の核心を退けた。
 公判の冒頭で「被告人3名は無罪」と裁判長が主文を読み上げると、法廷には歓呼の声が沸き上がった。主文を聞いた3同志は、傍聴席に向かって手を挙げ満面の笑顔で喜びを表した。すぐさま、法廷外に無罪の報が告げられた。法廷に入りきれず4階廊下に待機していた約100人の支援者から、大きな拍手と歓声と万歳の声が起こった。長い闘いを不屈に闘いぬいた末の勝利をかみしめた。
 判決後の記者会見で、3同志が無罪判決の喜びとともに、奪われた16年間に対する怒りを述べた。
 板垣同志は、「私たちは迎賓館、横田にまったく関与していない。完全に無実・無罪だ。検察官自ら第1回公判から証拠がないと自認した。16年間遅れた判決だ。検察官と裁判官は謝罪せよ」と弾劾した。
 十亀同志は、「判決の内容は各論には疑問があるが総論と結論は正しい。第1回から公訴棄却を主張してきた。16年間は無期禁固と同じ。この長さを未決のまま独房生活を強いられた」と述べて、「検察は控訴するな」とくぎを刺した。
 須賀同志は、「事実審理の過程で中谷裁判官は雑誌『ジュリスト』で『証拠がないのは被告人が隠しているから』と公言した。こういう人がいま司法改革の先頭に立っている」と重大性を強調した。
 3同志の発言は、無実と知りながら16年間もデッチあげを維持しようとしてきた検察官と裁判官の権力犯罪を痛烈に弾劾するものだった。
 続いて弁護団長が、「当初から直接的な証拠がないことを裁判官も検察官も認めていた。それがきょうの無罪判決の骨子になっていた。それを考えると16年間の裁判での証拠調べは無意味だった」と述べ、きわめて政治的な事件としてデッチあげられたものであることを弾劾した。
 午後6時前、弁護士会館で勝利報告集会が行われ、「十万人保釈署名運動」を支えてきた多くの人びとが3被告と家族と弁護団を囲んで勝利を祝福し、同じ事件で獄中12年の福嶋昌男同志の即時保釈と、星野文昭同志奪還に向かって闘うことを誓いあった。

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週刊『前進』(2144号2面1)(2004/04/05)

全世界で1000万人デモ イラク反戦。有事法阻止の叫び全国で
 3・20 日比谷6万人を先頭に50万人 東京・日比谷 “きょうは歴史的な日”
   陸海空港湾20労組がけん引

 「きょう3月20日は、この雨と寒さとともに私たちの記憶に残る歴史的な日となるだろう」。航空安全会議副議長の中川香さんはこう語った。イラク戦争開戦から1年目、自衛隊の派兵が進む中で迎えた3・20世界同時反戦行動は、冷雨をはね飛ばす熱い闘いを実現した。6万人が参加した東京・日比谷公園の闘いは、新しい労働者・市民の大統一戦線をつくる第一歩を印した。日比谷小音楽堂を中心に噴水周辺の広場から日比谷公会堂方向まで広がった陸・海・空・港湾労組20団体主催の集会が、牽引(けんいん)した(前号既報)。これを頂点に、北海道から沖縄まで全都道府県の数百カ所で計約50万人が決起し、イラク反戦で最大規模の闘いとなった。
 全国から、「3・20日比谷へ」を合言葉に、この闘いで歴史を大転換するのだという意気込みをもって、続々と労働者・学生・市民が大結集した。あまりの寒さと雨のため、早く帰った人びとも相当数いた。晴れた春の日だったら、完全に公園中が埋め尽くされていただろう。
 小音楽堂で開かれた「世界の人々とともに 3・20平和コンサートinHIBIYA」で、航空労組連絡会議長の内田妙子さんは、自衛隊のイラク派遣と有事法制に対して闘い続けることを訴えた(要旨別掲)。
 この集会には、ナショナルセンターの枠を越えて、多くの労組が結集した。
 20労組とともに闘いの先頭に立ったのは、3・12〜14ストを闘って意気軒高と結集した動労千葉の隊列だ。田中康宏委員長を始め約100人が小音楽堂の前方の一角を占めた。昨年のイラク開戦に対してストで闘い、11・9労働者国際連帯集会を実現した動労千葉の闘いは、その階級的=国際的闘いをもって、3・20行動の推進力となった。
 小音楽堂と噴水周辺には、午前中から全国の労働者人民が集まった。百万人署名運動の各地の連絡会ののぼりが林立した。
 東京・杉並からは、結柴誠一、新城節子両区議を先頭に、介護と福祉を要求する杉並住民の会、「戦争体験者杉並百人の声の会」の高齢者が集まった。
 「憲法と人権の日弁連をめざす会」の弁護士は、高山俊吉弁護士を先頭に大挙して参加し、主催者と一体となって、会場内に入り込んだ公安刑事の弾圧を監視する闘いに決起した。
 関西からは、関西合同労組や高槻の医療労働者、国賀祥司泉佐野市議を先頭に泉州住民の会、阪神被災地の労働者らが参加した。第13回全国大会をかちとったばかりの部落解放同盟全国連合会が大結集した。
 国立大学の独法化に危機感をもった全国学生300人も集まり、「4月からが勝負」と集会を開いた。
 また、在日朝鮮人・中国人や多数の外国人が集まった。オーストラリア人男性は「日本が国際連帯の闘いに参加するのはいいことだ」と語った。ベトナム人女性は「ベトナムでも戦争反対の集会をやっている。日本人が戦争についてどう考えているか知りたくて来た」。アメリカ人男性は「米国政府の戦争に反対するために来た。人種差別的で資源を支配する政策だ。大多数のアメリカ人も戦争反対だ」と語った。

 平和フォーラム労組も集会

 東京では、さらに日比谷野外音楽堂のワールド・ピース・ナウの集会、その西側のかもめの広場(郷土の森)での平和フォーラムの集会、芝公園での安保破棄中央実行委員会主催の集会などが行われた。
 平和フォーラムの集会には、自治労、日教組を始め全国一般、国公総連、東交、私鉄総連、全水道、中小労組ネットワークなどの労組、各県の平和運動センターなどが広場からあふれるほど参加し、銀座デモを行った。反戦の強い意志を表すと同時に、階級的労働運動の再生が可能であることを示した。
 中央本部の動員指令の人数枠を超える決起で参加した単組も多かった。全逓や国労、全労協の労働者も集まった。20労組のデモに合流した労組も多い。
 平和フォーラム集会で米「発言する軍人家族の会」のロバート・スミスさんはベトナム帰還兵の兄を自殺で失い、自らも湾岸戦争に派兵された経験を踏まえ、米国の誤った戦争に加わってはならないと述べた。

 熱烈な訴えに続々日比谷へ

 一方、芝公園での集会の正当性を説明できない日本共産党は、『赤旗』の「主張」欄で「ヨーロッパでは『極左』を排除して共同行動を発展させている」などとデマを並べて、苦しい言い訳をしている。日共の党員と支持者からも、「なぜ日比谷で一緒にやらないのか」という抗議の声が沸き起こった。
 こういう中で、20労組は統一の実現のために最後まで奮闘した。芝公園の集会には、航空安全会議副議長の中川香さんがあいさつに行き、「これまで三つの集会実行委員会は、努力を重ねながら、連帯して運動をつくってきました。日比谷公園を人で埋め尽くすのが、この三つの集会の本当の成功だと思っています。雨にも負けず、風にも負けず、日比谷公園に足を運んでください」と熱烈に訴えた。この訴えに心を動かされて、多くの労働者が日比谷に大合流したのだった。

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週刊『前進』(2144号2面2)(2004/04/05)

平和の誓いを行動で示そう
 航空労組連絡会 内田妙子議長のあいさつ

 きょう全国各地でイラク戦争に反対し、自衛隊を撤退せよとの行動が展開されています。東京では芝公園と野外大音楽堂でも集会をもっています。場所は異なっても気持ちは共通です。
 スペインの総選挙ではイラクからの撤兵を主張して社会労働党が勝利しました。ポーランドの大統領も大量破壊兵器問題で米英にだまされたと発言しています。韓国も派兵の見直し検討と報道されています。しかし小泉政権は戦争支持をいち早く表明し、アメリカの要請にひたすら応じ、危険な道を進んでいます。
 戦争でイラクの民間人は1万人以上が犠牲になり、米英軍の多くの兵士も犠牲になっています。
 日本もテロの標的とすると声明が出されました。その対処は危機管理官を配置して警備を強化するというもので、陸・海・空・港湾が対象となっています。私たちは断固抗議します。
 この1年、クラスター爆弾、劣化ウラン弾でイラクにもたらされた犠牲は想像を絶します。戦争の手助けをしている日本、事実を覆い隠すマスコミ、改憲まで策動する国家権力。
 憲法前文は、平和な社会をめざして努力する、「日本国民は、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とうたっています。私たちはこの誓いを、あきらめず、粘り強く、黙さず、行動で示し続けたいと思います。

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週刊『前進』(2144号2面3)(2004/04/05)

沖縄など各地で大統一行動

 沖縄

 「イラク派兵反対 沖縄うまんちゅ大集会」が午後3時から7時まで那覇市県庁前広場で行われ、参加者は500人を超えた。この集会は平良修、桑江テル子、知花昌一の3氏を代表呼びかけ人に、国会議員、県議、自治体の長、市町村議会議員、各界の人士ら100人を超える人たちの呼びかけで開催された。
 集会はミュージシャン・まよなかしんや、沖縄市議で元アナウンサーの玉城デニー、県議の糸数慶子の3氏の司会で4時間にわたるコンサートとトークの大ロングラン。喜納昌吉、海勢頭豊、まよなかしんや、名護新基地建設反対運動を続ける沖縄民謡家・金城繁の各氏が反戦平和の思いをこめて演奏しアピールした。
 知花昌一氏、沖縄1フィートの会の中村文子氏、平和市民連絡会の平良夏芽氏、桑江テル子氏らがイラク戦争と自衛隊イラク派兵を弾劾し、沖縄の闘いの再構築を訴えた。新基地建設と闘う名護の住民約20人も参加し、辺野古・命を守る会の金城佑治代表、嘉陽宗儀さんが発言に立った。
 アメリカの反戦団体・ANSWERからの連帯メッセージが読み上げられた。
 大集会には多くの市民や観光客も聞きいり、多くの労働組合が組織参加した。
 圧巻は集会後の国際通りデモだ。若者のラップ、喜納昌吉氏のエイサー隊の太鼓のジョイントは、沖縄ならではの明るい雰囲気とエネルギッシュな覇気を生みだし、随所で沿道の人びとと熱烈な交歓が見られた。
 解散地の牧志公園では平良修氏がまとめの発言を行い「私自身、今日の行動で10年若返った」と訴えた。
 沖縄人民は闘う総団結、帝国主義との徹底対決を待ち望んでいる。95年の沖縄の「新たな人民反乱」の第2ラウンドが始まった。

 福岡

 「みんなの思いをひとつに!/みんなの声をひとつに!/自衛隊のイラク派兵に反対します」と天神地区4会場で集会が行われ、午後3〜4時には1万人余のデモが天神のメインストリートを埋めた。
 午後2時、警固公園には、福岡市議団18人の呼びかけにこたえた「3・20自衛隊のイラク派兵反対福岡共同行動実行委員会」主催の集会に200人の市民が参加した。元福岡県評事務局長の岩崎隆次郎さんが司会を務めた。市議団各派代表があいさつに立ち、共同アピールを読み上げた。
 市民団体の集会が続いた。宮崎の高校生のメッセージや立川テント村の弾圧への救援の訴え、アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会の訴え、若者たちの歌、九大学生自治会のアピールが行われた。
 3時からデモに出発した。天神のメインストリートでは、労働組合のデモ隊とお互いに手を振りながらエールを交換した。歩道から市民が次々とデモに参加してくる。Vサインや手拍子でこたえる若者があちこちで見受けられた。
 集会に先立って、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」はアメリカ領事館に申し入れ行動を行った。
 (投稿 Y・N)

 広島 

 原爆ドーム前で行われた「3・20イラク戦争1周年世界同時行動inヒロシマ」に3600人が参加した。
 午後1時からピースソング・リレーが行われ、2時15分から集会。主催者あいさつを岡本三夫さん(広島修道大学名誉教授)が行った。被爆者を代表して空辰男さん(被爆教職員の会)がアピールし、ブッシュの一国主義を批判した。
 スペインの平和団体から「国民の大多数の気持ちに反して戦争を支持した政府が政権を去った」というメッセージが寄せられ、イラクで働く2人の医師が劣化ウラン弾被害とイラクの現状を報告した。集会アピールを採択し、「世界の命=広島の心」を合唱した。
 3時からピースウオークに出発。繁華街を「イラク戦争反対! 自衛隊派兵を許すな!」とメッセージボードを掲げて行進した。
 大動員で参加者の半数を占めた広島県教職員組合の組合員は、カラーボードをもって座り込み、「NO WAR」の人文字をつくった。
 動労西日本は国労広島、建交労(全動労)広島支部の仲間と隊列を組んでデモ行進した。広島連帯ユニオンは3悪人=ブッシュ、ブレア、小泉のデコレーションをつくり参加した。
 広島県下では福山、三次、東広島などで3・20の行動が行われた。

 中四国各県

 中四国各県でも、既成の枠組みを越えた大統一実行委員会が結成された。
 岡山市では「イラク戦争1周年国際共同行動3・20inおかやま」が行われ、千人が参加した。愛媛県松山市では「自衛隊のイラク派遣に反対する3・20愛媛集会」を行い、400人が参加した。山口県岩国市では、岩国基地包囲の人間の鎖が千人で闘われた。

 京都

 「STOP! イラク派兵 京都」行動に、百万人署名運動・京都連絡会、ユニオン自立の労働者や京都大学の学生などと参加しました。会場の三条河川敷から四条河原町を埋めるすごい人数が集まりました。
 米ANSWER連合のターニー・ステアさんのメッセージが紹介され、宗教者、弁護士、青年、女性団体、在日団体、市民運動が反戦の決意を述べました。
 ターニー・ステアさんが「私たちはきょう、アメリカがイラクから撤退することを求めてデモ行進を行います。それはイラクの人びとの自己決定権を無条件に支持し、中東を再植民地化しようとするアメリカの計画に抵抗するすべての中東民衆の自己決定権を支持するものです。すべての軍隊が今すぐ撤退すること、日本が憲法違反の自衛隊のイラク派兵を中止することを求めます」と、闘う立場を正確に訴えていることに驚きました。
 (投稿 H・K)

 仙台

 「3・20イラク派兵反対/平和憲法擁護 宮城集会」は、会場の勾当台公園・市民広場を4000人の労働者・市民が埋めつくし、仙台の集会では近年最大となりました。
 22人の呼びかけ人、12の呼びかけ団体を代表して、写真家の後藤東陽さんがあいさつし、後藤さんのかけ声に合わせて全員が「派兵反対!」とこぶしを突きあげました。教員や宗教者らが「派兵をやめろ」「占領は許せない」とアピールしました。途中で司会が「用意した3500部のプログラムを全部配りきりました。参加者は4000人を超えています」と発言し、歓声があがりました。
 会場は労働組合や団体の旗が林立し、色とりどりの横断幕やのぼり、風船が掲げられました。生協連が15万枚のチラシをつくって配布するなど、様々な地域・職場から参加しました。
 集会後のピースウオークではアーケード通りがぎっしり埋まり、通行人とエールを交換。元気な行進となりました。
 (投稿 T)

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週刊『前進』(2144号3面1)(2004/04/05)

全世界で1000万人デモ イラク反戦・有事法阻止の叫び全国で

 全米300ヵ所で“占領終結を” ローマ200万人を最高に反戦の波

 3・20イラク反戦世界同時行動は、地球を一周した1000万人決起として大爆発した。イタリア・ローマの200万人デモを筆頭に、アメリカではニューヨーク10万人、サンフランシスコ5万人など数十万人が決起した。韓国では、昼に韓国軍のイラク派兵反対1万人デモに続き、夜には「盧武鉉(ノムヒョン)大統領弾劾撤回」などを求め20万人が決起。イギリスやスペインなど参戦国で10万人以上のデモが爆発し、ムスリム諸国でも闘いが高揚した。昨年2月の2000万人決起を引き継ぐ画期的な事態である。

 ニューヨーク

 
  ニューヨークの中心部、マンハッタンの大通りをデモ隊が完全に埋め尽くし、イラク反戦の声を上げた

 ニューヨークの集会は、ANSWER連合とユナイテッド・フォー・ピース・アンド・ジャスティスによるアメリカ東海岸の統一集会として持たれ、主催者の予想を超える10万人以上が参加した。
 デモ参加者がマンハッタン1周のデモから帰ってきても、まだ集会場にはデモに出発できない人びとがいるほどだった。デモ参加者は、「米軍をただちに帰還させろ」「戦争と占領にではなく、雇用と教育に予算を回せ」というプラカードを掲げて行進した。
 この日の勝利は、パレスチナ人を始めとするアラブ系アメリカ人とムスリムのコミュニティーから発せられた公開質問状に対して、アメリカ反戦運動諸組織が真剣にとらえ返しをすることで、また戦闘的な潮流を含めた大統一戦線を形成したことによってかちとられた。さらに、イラクに派兵され死亡した米兵家族の勇気ある決起が「米軍を直ちに帰還させろ」というスローガンに説得力を与え、反軍闘争の巨大な発展の展望を示した。

 サンフランシスコ

「テロへの戦争」は「労働者への戦争」という横断幕を掲げて、デモの先頭に立つILWUのデモ行進部隊(サンフランシスコ)

 ILWU(国際港湾倉庫労働組合)の労働者を先頭に、5万人の労働者市民が市中心部のドロレス広場に集まり、戦闘的デモを行った。デモ参加者は大通りを埋め尽くし、通りいっぱいに広がってドラムをたたき、スローガンを叫び、踊りをおどった。このデモに権力が襲いかかり81人の参加者を大量不当逮捕した。
 このほか、ロサンゼルス2万人など全米300の各都市で百万人が決起した。米帝ブッシュ政権の愛国者法などを使った治安弾圧に抗してイラク派兵反対、ムスリム人民との連帯を真正面から主張し、イラクの労働者階級との連帯を掲げたアメリカの労働者階級人民の反戦決起の意義は巨大である。戦時に突入した帝国主義の愛国主義・排外主義を粉砕し、戦時下で被抑圧民族との連帯・合流をかちとるという内乱的質を持った世界革命にも通じる根底的な決起が実現されつつある。

 韓国

昼のイラク撤兵要求1万人デモに続き、夜には「大統領弾劾撤回」を求めて決起した20万人の集会参加者で光化門十字路一帯はあふれた(ソウル)

 韓国では、ソウルの大学路で午後3時から3・20全世界反戦行動韓国組織委員会が呼びかけた「アメリカのイラク占領反対、韓国軍派兵反対」を要求する集会が開かれ約1万人が参加した。集会参加者は、「占領を中断しろ」「派兵を中断しろ」というスローガンを叫びながら、光化門までデモ行進を行った。
 さらに、その日の夜には盧武鉉大統領への弾劾撤回を求めて光化門十字路に20万人の労働者市民が結集、大通りを埋め尽くした。韓国全土では総計50万人以上が決起した。この昼と夜の闘いは、根底的には韓国の労働者人民の「外への侵略戦争と内への階級戦争」に対する怒りの爆発だ。

 ロンドン

ロンドンに「うそつきブレア糾弾」の声が響いた

 イギリスでも最初は雨と強風が吹き荒れた。それをついてロンドンで10万人が反戦デモに決起した。ハイドパークに正午に集まったデモ隊は集会場であるトラファルガー広場をめざして大デモを行った。人々は口々に「うそつきブレアを許すな」「占領をやめろ」と叫び、イギリス軍のイラク撤兵を要求した。

 ローマ

ローマにイラク撤兵要求のにじの旗が舞った
 この日、ローマではイタリア軍2600人のイラクからの撤退を要求して実に200万人がデモを行った。行動に賛同した団体は2000以上にのぼり、デモ隊は7色のにじの旗を掲げてローマ市内を埋め尽くした。

 スペイン

 3・11マドリードで起きた列車同時爆破ゲリラによってイラク派兵を強行してきたアスナール政権が選挙で敗北し打倒される中、スペインではマドリード10万人、バルセロナ15万人の大規模デモが巻き起こり、スペイン軍のイラクからの撤兵を求めてデモを行った。
 さらに、フランス、ドイツ、ベルギー、ギリシャなどヨーロッパ各地でもイラク反戦闘争が闘われた。
 アジアでも、オーストララリアで1万人以上、フィリピンで千人以上がデモに決起した。さらに中東でもエジプトのカイロで3千人が決起し、中南米各地でも闘いが行われた。

 参戦国で撤兵求め闘い爆発

 以上を見てみると、イラクに軍隊を派兵している国での反戦闘争が爆発していることが鮮明だ。米・英帝国主義が昨年の3・20に開始したイラク侵略戦争がまったくの不正義の戦争であること、「大量破壊兵器の存在」が百パーセントのデマであり、石油争奪のための戦争でしかないことが暴露され、この不正義の戦争への怒りが巻き起こっている。イラク派兵がイラク人民を虐殺するだけでなく、不正義の侵略戦争に加担することで自国の兵士の死と動揺、崩壊すら招きつつあることに、多くの労働者階級人民が気づき、帝国主義軍隊を内外から解体する反軍闘争の展望をもって、撤兵のスローガンを掲げた闘いに決起しつつある。
 この日の全世界同時反戦決起は、29年の世界大恐慌をも上回る世界恐慌過程に突入した帝国主義が労働者階級を食わせることができなくなったことへの労働者階級の根底的な怒りの反撃でもある。イラク侵略戦争を突破口に世界戦争過程にのめり込んだアメリカ帝国主義を先頭にした帝国主義による「外への侵略戦争と内への階級戦争」への文字どおりの反撃である。
 3・20全世界1000万人決起の意義を確認し、4月決戦に攻め上ろう。

 表 主要都市のデモ参加者数

アメリカ
・ニューヨーク10万人
・サンフランシスコ5万人
・ロサンゼルス2万人
・シカゴ1万人
・ポートランド2万人
・シアトル1万5000人
・総計100万人
韓国
・ソウル20万人
・総計50万人
イギリス ・ロンドン10万人
イタリア ・ローマ200万人
スペイン
・マドリード10万人
・バルセロナ15万人
フランス ・パリ1万人
ドイツ ・ベルリン5000人
ロシア ・モスクワ5000人
ベルギー ・ブリュッセル1万人
ギリシャ ・アテネ1万人
ポルトガル ・リスボン5000人
オーストラリア
・メルボルン5000人
・シドニー6000人
フィリピン ・マニラ1000人
エジプト ・カイロ3000人
コロンビア ・ボゴタ1万人

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週刊『前進』(2144号2面4)(2004/04/05)

ベアゼロ、新賃金制度粉砕へ 動労千葉が3・29スト配置

 動労千葉は、3月29日に春闘第3波のストライキに決起しようとしている。JR東日本のベアゼロ回答を弾劾し、29日に予定されているJR貨物のベアゼロ回答打破、新賃金制度導入粉砕を掲げて闘われる。また、2月非協力闘争の画期的成果をさらに拡大することをめざしている。貨物は地上勤務者を対象として正午以降、半日のスト、東日本は検修職場を対象として正午以降、半日のストを配置している。
 JR東日本は3月18日、3年連続のベアゼロ回答を強行した。前日17日の金属大手の集中回答が軒並みベアゼロで、定期昇給制度の廃止も相次いでいる。JR東海、JR西日本もベアゼロ回答で、私鉄大手などもベアゼロだ。日本経団連・奥田の「04年版経営労働政策委員会報告」に基づいて、年功序列賃金制度と終身雇用制を解体する攻撃が襲いかかっているのだ。
 これに対して、連合指導部は、ベアゼロを受け入れ、あらかじめ定昇廃止に同意するなど、賃下げ攻撃に全面的に屈服している。
 JR東労組も、分割・民営化以降最高利益にもかかわらず強行されたベアゼロ回答を即座に妥結したのだ。組織分裂の危機にあえぐ松崎・JR東労組カクマルは、「会社を守れ」と叫び、労働者の生活を資本に売り渡すことで延命を図ろうとしている。断じて許すことはできない。動労千葉・動労総連合は断固として再回答を要求している。
 JR貨物では、4年連続のベアゼロに加えて、「賃金制度の白紙的見直し」が狙われている。旅客との賃金格差が拡大している上に、成果主義賃金で差別を持ち込み、職場の団結を破壊するものだ。これに対して団結を固め、ストではね返そうとしている。
 04春闘を勝利的に闘う動労千葉とともに、3・20国際反戦闘争の地平を発展させ、4〜5月の有事関連法案粉砕などの階級決戦を闘おう。

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週刊『前進』(2144号4面1)(2004/04/05)

民族解放戦争の激発と労働者の政治的な台頭
 泥沼化する米帝イラク占領

 米英帝のイラク侵略戦争突入から1年。3月20日には全世界60カ国1000万人がイラク反戦に決起した。
 米帝は帝国主義超大国としての自己の世界支配の危機を突破するために、本質的に帝国主義間争闘戦での他帝国主義、特にEU・独仏帝国主義(さらには日帝)の打倒を狙ってイラク侵略戦争を開始した。それは同時に、イラク人民・ムスリム人民の民族解放闘争の圧殺、中東地域の軍事的制圧、石油資源の略奪と独占的支配のための侵略戦争であった。
 だが、イラク人民の占領軍に対する解放闘争が激しく闘いぬかれ、米帝のイラク侵略戦争は完全な泥沼に陥っている。連日、手製爆破装置による米軍車両の爆破やロケット弾による攻撃が戦われている。米軍12万、全体で14万という軍隊を投入しながらイラク人民の闘いをまったく抑えられず、米英軍は、ただただイラク人民の無差別虐殺と破壊を繰り返している。

 死傷者続出で米軍「壊滅」へ

 この1年間で死亡した米兵の数は586人に上っている(3月23日現在)。ブッシュが戦闘終結を宣言した5月1日以降でも415人である。1日平均1・5人の米兵が死んでいるのだ。またこの1年間の米兵の負傷者は3343人に上っており、さらに病気も含めて米本国に送還された米兵の数は3万人近くに上っている。まさに「壊滅」といえるような事態なのだ。
 これに対して米軍は、今年に入って第2次世界大戦以来といわれる前線部隊の大規模な入れ替えを行っている。沖縄の海兵隊やストライカー部隊と呼ばれる最新鋭部隊を投入し、イラク人民の闘いを鎮圧しようとしている。しかし、闘うイラク人民についての情報がまったく得られない中で、有効な手段もなく、逆に米軍の拠点の数を縮小し、イラク人を警察や保安部隊として配置することで米軍の被害を少なくしようとしているのだ。
 こうした中で米軍の先兵となったイラク人警察や政治勢力に対しても自爆を含むゲリラ攻撃が加えられている。3月2日にはバグダッドとカルバラでシーア派最大の祭典「アシュラ」に自爆攻撃がかけられ、171人が死亡した。また3月18日にはバグダッドのホテル前で爆弾を積んだ車が爆発し、約20人が死亡した。これはイラク復興に群がって利益を得ようとする民間人を狙った攻撃である。
 とりわけ3月11日のムスリム人民によるスペイン・マドリードでの列車同時爆破は、総選挙での国民党の敗北、アスナール政権の崩壊をもたらし、イラク開戦を強行した3国首脳の一角が崩れた点で米英帝に決定的な打撃を与えている。
 米帝はイラク占領の危機をのりきるために、6月30日のカイライ政権デッチあげと7月1日「政権移譲」のペテンを成功させようと全力を挙げているが、それも完全に破産している。
 3月8日にイラク統治評議会はイラク基本法に署名した。統治評議会に参加しているシーア派のイラク・イスラム革命最高評議会はこの基本法に署名したが、シーア派の圧倒的多数はこれを認めていない。シーア派住民に最も影響力があるシスタニ師が3月中旬に国連のブラヒミ特別顧問に「基本法を認めるな」という手紙を送ったことで基本法の効力は完全になくなったと言っていい。もともと米帝は7月1日の政権移譲を、18の州から15人の代表を選んで投票させる方式で進めようとしていたが、シスタニ師が直接選挙を要求して代表方式に反対したことでつぶれた。
 結局、米帝が選んだ亡命イラク人を中心として統治評議会を若干拡大することによって「暫定政府」とする以外にない。これこそ見え見えのカイライ政権だ。
 この中で、イラク労働者の闘いが解放闘争の重要な一翼として登場していることが重要だ。

 禁圧を破って労組を再組織

 フセイン政権下では1987年の労働法で国営企業労働者の労働組合権が否定され、多くの組合活動家が外国に亡命し、労働組合が解体された。だがバース党政権崩壊後、イラク労働者共産党の指導のもとに失業者組合が結成されたのを始め、各職場で労働組合が再組織された。これに対して米英占領当局は、以前の労働法が有効であることを宣言して労働組合を禁圧しようとしてきた。だが労働者は労働組合を結成し、バース党の会社幹部の追放や賃上げ、差別賃金の撤廃などを要求して闘いに立ち上がっている。(3面参照)
 とりわけ南部石油労働者の闘いは、占領軍が昨年9月8日に出した公共企業労働者の賃下げの占領軍命令30号を撤回させた。
 イラク労働者の闘いは、実質的に職場支配権を労働者が握るところまで来ている。もともとイラクでは石油収入をもとにした国営企業による近代化政策が進められており、国営企業の幅が広く、そこに働く労働者も多い。その一方で会社幹部はバース党につながる者たちで大半を占められていたのであり、バース党政権が崩壊した今、ブルジョア支配政党と呼べるようなものもない。統治評議会のメンバーであるチャラビを中心としたイラク国民議会は、基本的に亡命者の組織であり、イラク人民の中にはなんの影響力も支持もない。米帝が力ずくで労働者の闘いを制圧する以外にない状態なのだ。米帝が進めるイラク公共企業、機関の民営化は、こうした労働者の闘いとの直接的な激突となることは不可避なのだ。
 イラク産業の中軸を担う労働者階級の政治的台頭は、帝国主義の軍事占領からの解放が世界プロレタリア革命の中で実現されていく展望を示している。
 米英日帝のもとでの労働者人民の闘いが決定的に重要だ。闘うイラク人民、ムスリム人民と連帯し、有事関連法案阻止闘争を全力で闘いぬき、イラク反戦闘争をさらに大爆発させよう。
(秋原義明)

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週刊『前進』(2144号4面2)(2004/04/05)

米帝とシャロン政権による ハマス=ヤシン師暗殺弾劾

 3月22日、パレスチナのガザ地区でパレスチナ抵抗運動ハマスの創設者で精神的指導者であるアハメド・ヤシン師がイスラエル・シャロン政権によって暗殺された。イスラエル軍は、ヤシン師の朝のモスクでの礼拝からの帰途を狙い、ヘリコプター3機からミサイルで攻撃し、ヤシン師を虐殺したのだ。
 ヤシン師暗殺は、パレスチナ人民の解放闘争の全面圧殺、パレスチナ人民の民族抹殺を狙った断じて許せない歴史的犯罪である。満腔(まんこう)の怒りを込めてこの反革命大罪を弾劾する。闘うパレスチナ人民と連帯して闘いぬく。
 今回のヤシン師暗殺は、イスラエル首相シャロンが直接指揮して行われた。シャロン政権はこの間、ヨルダン川西岸地区で「アパルトヘイトの壁」と呼ばれる巨大な分離壁の建設を進める一方、ガザ地区南部の町ラファでは「静かなジェニン」と呼ばれる住民虐殺と家屋の破壊を繰り返してきた。その他の町に対しても侵攻を繰り返し、住民虐殺を繰り返している。まさにパレスチナ人民の民族抹殺を狙った攻撃として行われているのである。ヤシン師暗殺後もガザ地区に侵攻し、抗議デモに発砲して4人を虐殺し、ハンユニスではユダヤ人入植地を見下ろせる家をブルドーザーで破壊している。イスラエル国防相モファズは23日、ハマス幹部の暗殺をさらに進めると宣言した。イスラエルはさらにアラファト議長やレバノンのヒズボラを率いるナスララ師の暗殺も宣言している。ヤシン師暗殺がシャロン政権のパレスチナ人民虐殺の新たな段階への突入宣言であることは明らかだ。
 イスラエルのヤシン師虐殺に対して米帝ブッシュは、「イスラエルはテロから身を守る権利がある」と発言した。この発言は、ヤシン師暗殺がイラク侵略戦争の泥沼化にあえぐ米帝の承認のもとに行われたことを示している。日帝・小泉は「暴力の連鎖を断ち切らないとね。お互いに自制心を持って」などとイスラエル非難を避け、虐殺を容認した。
 ヤシン師暗殺に対してパレスチナ人民を始め、中東諸国で労働者人民の怒りが爆発している。パレスチナではヤシン師の葬儀に40万人が結集し「シャロンによって戦争が開始された」と宣言し、大規模な報復を誓った。パレスチナ解放勢力は、ハマスだけでなく、PFLPやファタハ、イスラム聖戦など各組織がヤシン師暗殺に報復を誓った。中東各国でも各地でイスラエル抗議のデモが闘われ、報復を呼びかけた。
 ヤシン師暗殺は、イラク侵略戦争を一環とする米帝のパレスチナ解放闘争圧殺―中東全面制圧・支配策動である。だが、米帝とイスラエルがどんなに凶暴な攻撃を加えようとも、パレスチナ人民の民族解放の闘いを圧殺することはできない。絶望的危機に追いつめられているのは彼らの側だ。闘うパレスチナ人民、イラク人民、ムスリム人民と連帯し、帝国主義を打倒しよう。

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週刊『前進』(2144号4面3)(2004/04/05)

スペインがイラク撤兵へ 「3・11」の一切の責任はアスナールと米帝にある

 有志連合に痛撃

 3月11日のスペイン・マドリードでの列車同時爆破ゲリラは、14日のスペイン総選挙で与党の敗北を引き起こした。しかも、次期社会労働党政権がイラク撤兵を公約していることは世界に大衝撃を与えている。イラク侵略戦争を強行する帝国主義有志連合の一角が崩れたからだ。
 帝国主義超大国・米帝の凶暴なイラク侵略戦争・軍事占領と、それに最も積極的に参戦してきたスペインのアスナール政権。3・11は、それに対するムスリム人民の特殊的・極限的な反撃だった。直後に出された声明文にあるように、スペインがこの侵略戦争に参戦していることがこの結果を招いたことは明白だ。
 だが、アスナール政権は列車爆破の直後、ETA(バスク祖国と自由)の戦闘だと「断言」した。
 しかし、すでにアルカイダは、スペインや日本の国内での大規模な反撃を予告していた。そして3・11は、従来のETAの戦闘とは、攻撃目標も、方法も、規模も違っていた。
 すでにアスナール政権は、「大量破壊兵器」なる戦争理由がウソだったことをスペイン人民に追及され続けて、不正義の戦争を正面から居直るエネルギーを粉砕されていた。だから、3・11がイラク戦争の結果であるという自明のことを隠し、ETA問題にすり替えようとしたのだ。
 スペインの労働者人民は、確かに通勤電車の爆破という事態に衝撃を受けた。社会労働党や旧共産党系の諸派、労組の既成指導部ばかりでなく、トロツキスト諸派などからも「テロ弾劾」論が大きく噴出した。しかし、労働者階級は、そこにとどまらなかった。早くも11日当日、アスナール政権のETA説を「情報操作、ウソであり、イラク戦争の責任逃れだ」「イラク人民虐殺の責任を取れ」という声明がCNT(全国労働連盟)マドリード支部やマドリード・インディメディア(左翼系インターネット報道機関)などから出された。翌日からは、学生自治会やTVE(スペインテレビ)労働者などもこれに続き、街頭で官製デモをはねのけて「これ以上血を流すな! 情報操作反対! ウソを許すな!」の3つのスローガンを掲げてデモ。これを阻止しようとする警官隊と激突した。日本で報道された1000万人の「反テロのデモ」の実態は、こうした流動と激突だったのだ。
 アルカイダの声明文は、イラク戦争の残虐性をあらためて弾劾し、アメリカに協力する限りはスペイン、日本、イタリアなどを攻撃すると明言していた。
 スペイン人民は、昨年来、ロンドン200万人の反戦デモを実現したイギリスよりさらに大規模な空前の反戦デモを貫徹してきた。だが、今回は、そのデモ参加者よりもさらに広範な層が「殺さず、殺されない」という戦争反対の原点の実感をもって決起したのだ。
 こうした層が大きく動いたことが14日の投票の結果に現れたのだ。3・11前の世論調査などでは、2期8年続いたアスナール与党の国民党の勝利が確実とされていた。これには、スペイン経済のそれなりの浮揚(独仏などが経済危機・リストラを激化させ、賃金水準の低いスペインなどの諸国へ生産拠点を移転させていることなどによる)という要因が大きい。
 他方で、80―90年代前半に社会労働党政権が労働者の権利、生活に激しい攻撃をかけてきたことに対する労働者人民の幻滅と怒りも大きい。社会労働党とソ連崩壊後に四分五裂した旧共産党に取って代わる労働者階級の党が登場していない中で、労働者人民には積極的に選挙に行く意欲は失われていた。
 こうした関係が3・11〜14に急激に変化する。
 社会労働党は、労働者階級のアスナール政権への怒りによって第一党の座に押し上げられたが、新政権は、かつての社会労働党政権と同じく、本質的に反労働者的な政権だ。
 例えば、すでに昨年から、北部大西洋岸のヒホン港の港湾局長、フェルナンド・パラオは、ヒホン港のエビサ埠頭(ふとう)の一方的な民営化を強行し、そこの労働者のほぼ半数(41人)を解雇した。パラオはれっきとした社会労働党員であり、党中央サパテロ書記長の指示のもとにこの民営化・首切りを強行しているのだ。これは、昨年の欧州統一港湾ストの先頭に立ち、EU港湾指令(海員に港湾荷役もさせる規制緩和・リストラ・民営化推進など)を撤回させる大勝利をかちとったスペインの港湾労働運動への攻撃だ。

 「欧州志向」宣言

 だが、次期政権がイラク撤兵と「欧州志向」を表明していることは、米帝を痛撃している。もともと社会労働党は、80年代のゴンサレス政権の登場過程から、ドイツ社民党との物心両面の関係が非常に深い。スペイン資本とドイツ資本(スペインに1100以上の子会社がある)の関係の深さを体現している。そして、イラク復興事業からは、独仏ばかりか、スペイン資本まで事実上排除されている。また01年末のアルゼンチン金融危機の際に、かなりの投資額(スペインはEU全体の対アルゼンチン投資の半分以上を占めた)が、米帝の政策によって回収不能とされている。こうした物質的な基礎がサパテロ次期首相の「欧州志向」宣言にはある。
 もともと、米帝のイラク侵略戦争は、独仏帝国主義との中東支配をめぐる争闘戦、EUの分断を決定的な動力として行われてきた。イギリス・スペインを軸とし、東欧諸国を巻き込んで「有志連合」を形成したことは、その柱だった。ここで、そのスペインが米英から離反し、独仏と同盟することは、さらにポーランドなどにも影響を及ぼす。米帝とEUの力関係は地殻変動を開始した。
 スペインに続き、日本、イギリス、イタリアなど凶悪な参戦帝国主義のもとでの特殊的・極限的なゲリラ戦の爆発も不可避となっている。
 イラク人民、ムスリム人民と連帯し、イラク反戦、帝国主義軍隊の撤兵へと全力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(2144号5面2)(2004/04/05)

陸海空港湾労組20団体がアピール 有事法阻止へ奮闘を

 陸・海・空・港湾労組20団体の有事法制完成阻止のアピールを紹介します。(編集局)

有事関連法案閣議決定に強く抗議するとともに、有事法制完成阻止にむけていっそう奮闘します

1.政府は3月9日有事関連法案を閣議決定し、今通常国会での成立を図りたいとしています。私たちは有事法制反対の立場から閣議決定に強く抗議するとともに、有事法制完成の阻止にむけていっそうの奮闘を表明するものです。
2.有事法制は、日本が武力攻撃を受けた場合に備えるためとの口実で進められてきました。しかし閣議決定された法案は、民間を含めて、日本が総力をあげて米軍を支援するためのものであることを鮮明にしています。とりわけ、交通運輸産業に携わる私たちに直接関係する特定公共施設等利用法案は、「アメリカ合衆国の軍隊が実施する……行動」で「必要であると認められるときは……(港湾・飛行場・道路・海域など)施設の全部又は一部を……優先的に利用させるよう要請することができる」としていますし、「内閣総理大臣は……利用が確保されない場合において……利用を確保すべきことを指示することができる」と、強権をもって米軍利用を優先確保する姿勢があからさまになっています。
3.私たち陸・海・空・港湾労組20団体は、新ガイドライン関連法成立が現実味を増してきた1999年3月19日、「私たち交通運輸関係に働く労働者を知らないうちに戦争への協力者としてしまう危険性が、日を増すごとに明らかになってき(た)」ことに対して、「『自らが絶対に加害者にならない』という決意を込めて」アピールを発信しました。そのおり私たちは、新ガイドライン関連法の危険性を、「アメリカが始める戦争に自動的に巻き込まれる」「後方地域支援だから安全は欺瞞」「経済活動と国民生活に計り知れない影響を与える」などを指摘しました。閣議決定された有事関連法案は私たちの指摘を、まさに、現実のものにしようとしています。
4.私たちは「有事法制を完成させない、発動させない」立場から、労働組合・市民・宗教者の方々と連携を強化し廃案を強く求めていくとともに、イラク戦争1周年の3月20日に予定している日比谷公園小音楽堂での平和コンサート、さらには4月・5月に計画している集会や国会前行動などの諸取り組みの成功に向けて奮闘するものです。
 以上
 2004年3月11日
 陸・海・空・港湾労組20団体

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