ZENSHIN 2004/01/01(No2132 p16)

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週刊『前進』(2132号6面1)(2004/01/01)

労働運動の主流派へ マル青労同を結成! 全国の仲間と結成大会をかちとった
 青年労働者座談会
 11・9の地平から派兵阻止・04春闘へ
 世の中を変えたい! 連合・全労連の既成指導部ぶっ飛ばせ

 出席者
 全逓労働者 坂井 学
 自治体労働者 伊勢 治
 金属労働者 山田 勇太
 金属労働者 三田 洸
 医療労働者 宇佐見 寛子
 電機労働者 南 一心
 民間労働者 有村 真子
 合同労組労働者 河久保 佳助
 マル青労同書記局 高川 光司

 この感動、共有して欲しい 三田
 労働者の団結はすごい力 有村
 自分の組合の権力とる 坂井
 動労千葉の職場闘争学ぶ 伊勢
 共通の敵と闘う国際連帯 山田
 春闘解体する連合指導部 南
 上部団体の枠越え闘おう 宇佐見
 「もう一人の自分」つくる 川久保
 ともに闘える労働者党に 高川

 03年、マルクス主義青年労働者同盟がついに結成大会をかちとりました。日韓米労働者の国際的団結を宣言した03年11・9全国労働者集会の地平の上に、労働者階級の自己解放の思想=マルクス主義を学び、闘う労働組合運動をつくり出すために闘う、新しい青年労働者組織が誕生したのです。日本労働運動の未来を切り開くエネルギーに満ちたマル青労同の闘いに学び、04年をともに闘おう。マル青労同のみなさんに、大会の中身や感想、イラク派兵阻止、04春闘、そして1000人組織建設に向けた抱負などを語り合ってもらいました。(司会・本紙編集局)
司会 マル青労同の結成、おめでとうございます。結成大会の感想から聞かせてください。

 未来が見えた!

坂井 全国の仲間とともに、ついにマル青労同の結成をかちとることができました。結成へ向けて討論を始めた当初は、「再建」というイメージで、全国にどれくらい闘う青年労働者がいるのかも疑問だったけど、大会には自分が知らない人もたくさん集まってくれて、新たな青年労働者の自主的・自立的組織として結成できた。集まった青年労働者はみな、「この世の中を変えたい」という気持ちを強烈に持っています。
 大会では、現場での苦闘も多く話されました。自分も結成を準備する過程で、胃が痛くなる思いでした。
 「マルクス主義」と言うのは簡単です。でもそうではなく、自分の言葉で伝えた上で、最後に「マルクスもこう言っているんだよ」と言えるものじゃないと、本物にならない。職場の仲間に本当に「一緒にやろう」と伝えたいです。
川久保 みんな現場で苦闘しているけど、明るく元気に闘っているし、マル青労同に展望を感じている。未来が見えてきたという気がしてます。同世代の仲間たちに展望を示すことができる組織ができたと思う。
 大会で印象に残ったのは、ある組合の青年部役員の発言です。厳しい状況の中だけど、労働者に依拠して闘っていて、「親組織をハラハラ・ドキドキさせる青年部運動をつくろう」という生きた教訓です。「運動の基本原則を一致させれば、組織戦術は柔軟に」という提起もあった。いったん始まったら行け行けドンドンでワーッとなる青年労働者らしさがいいな、と。
山田 結成にいたる議論で、どんなマル青労同をつくるのかということを2本柱に整理した。@マルクス主義を学び、A労働運動を徹底的にやるということです。僕の地元でも「何をやる組織なのかがはっきりしたから、あとは自由に柔軟にやっていこう」と、具体的な実践の話になった。基本任務だけはきちんと一致させて、あとは青年労働者の自由な発想でばんばんやっていこうと思ってます。
高川 発言や議論をとおして、自分がもう1回、マルクス主義というものに確信を深めた過程でした。
 大会が成功したからこそ、責任の重さも感じています。僕らの力量、運営能力・指導力はまだまだこれからです。同盟員のみんなの期待にこたえて、必死で格闘していきたい。
三田 大会の感動を全国の青年に共有してもらいたいなと思いました。みんなが新たに自分たち自身の組織をつくるために、真剣に討論し、徹底討論で一致していくのが、マル青労同の作風になった。自分は「これで1000人建設は可能だ」と確信を持ちました。

 夢を持っている

宇佐見 それぞれの現場での具体的な闘いや苦悩が聞けた。例えばパートの人はほとんどが「労働者とは正社員のこと」と思わされていて、自分は労働者だと思ってないので、労働者に配るビラに「パートの人たちも労働者ですよ」と書いて説明しているという話がすごく力になった。
 現場の苦悩を分かち合えるのは心強い。でも「つらいね」だけで終わるのは嫌です。落ち込むということは、私たちが夢を持っているからなんです。
 全国にいるそういう人たちと怒りを共有してつながった時に、私たちは強いんだなって実感できました。
伊勢 僕たち自身が、自己変革的に強くなったと実感してます。職場に組合がない20歳ちょっとの青年が、大会冒頭には「反戦運動を街頭でやろう」と言っていたのが、最後は「自分の職場で組合をつくって労働運動をやる」と決意して帰った。そういう変革と決意が彼自身の中でなされたことに感動しました。戦争を止める力は労働組合とその団結にあるわけだから、「戦争が永遠にない世界を自分たち自身でつくろう」と一致できたと思います。
有村 未組織の労働者も含めて青年が集まって、昔のマル青労同でなく、新しく一緒につくろうという話を聞いて、自分も加わりたいと思って加盟しました。
 未組織の労働者は、ある意味で一番力を持っていると思うんです。青年のパート、アルバイター、零細企業の労働者には、世の中の矛盾の一切が押しつけられ、よりどころがない。
 職場に組合もないから仲間うちでのグチで終わる。本来なら資本に向かうべき怒りが、労働者同士の競争に向かわされている。職場の仲間がクビを切られたり、残業のしすぎで倒れそうになっていたら、一緒に抗議するのが当たり前の職場だと思うけど、それがなかなかできない。
 「自分たちは労働者だ」と自覚したら、未組織の労働者の怒りは必ず資本に向かうと思うんです。そうすれば分断された労働者同士の壁はなくなるし、逆にきずなが深まる。「労働者は団結しなければダメだ」ってわかれば、すごい力を発揮すると思う。
南 大失業と戦争の時代の中で、本当にマル青労同結成が必要だったんです。現実に労働者が賃下げやリストラ、滅茶苦茶な攻撃にあっている。労働者はこのままでは生きていけない。立ち上がるしかない。
 既成の組合では、組合幹部が労働者に敵対してくるわけです。労働者の声を代弁するはずの労働組合が資本と一体となって労働者を押さえつける役目を果たしている。そのことが、労働者の闘いにより困難を強いているんです。そういう状況をうち破るには、若い労働者が立ち上がるしかない。そのスタート地点に立てたことがうれしい。
山田 結成大会で、全国の仲間からいろんな苦労話が出ましたよね。動労千葉を見ると「すごい組合だ」と思うし、頑張っている組合はみんな「すごい」って話ばかりになって、そこにある苦闘とかが飛んでしまうケースはありがちだと思うんですよ。運動の成果はどんどん共有すべきだけど、そこにある苦労とか、こういうところで失敗したとか、そんなことも率直に出し合って共有していくことも、これまたエネルギーのもとになるんです。大会でそういう話ができたことが、すごくよかった。
高川 結成大会に参加した青年労働者たちは、心から燃えています。「本当に自分たちが組織の主体だという思いがあったからこそ、すばらしい討論、すばらしい大会になった」「すごい!! 本当にすごい! 若者の力強さ、皆の本当に真剣な論議、必ず成功すると確信」などの感想が寄せられています。「次の大会までに自分の職場に組合をつくる」「職場の仲間とマルクスの学習会を始める」という決意も寄せられた。
 結成後、全国に飛び散って、ただちに実践は始まっています。この青年労働者たちのパワーが解き放たれた時に、ものすごい力を発揮することは間違いない。1000人のマル青労同建設はまったく可能だと、心から確信しています。
司会 基本任務に2本の柱を掲げたそうですね。

 基本任務鮮明に

坂井 マル青労同は、結成大会で基本任務として2本の柱を掲げました。一つは、闘う労働運動をつくりだすために労働運動・労働組合運動を徹底的にやること。もう一つは、マルクス主義を学び、その実践を労働運動の中によみがえらせようということです。
三田 なぜ労働運動をやるのか。資本主義体制をひっくり返すのは労働者階級であり、労働者の闘いの現場は労働組合運動だからです。そして、労働者階級を徹底的に信頼して闘っていくという思想がマルクス主義です。非常にシンプルでわかりやすい任務を掲げたことで、マル青労同の展望が大きく開けました。
川久保 マル青労同は、連合・全労連の既成指導部による労働者支配をぶっ飛ばして、闘う労働運動をつくりだすために闘います。労働者階級の解放は、労働運動の再生なくして空語です。闘う青年労働者1000人の隊列が登場したら、労働運動の地図を大きく塗り替えて、階級的労働運動が一挙に主流派に躍り出ることができる。
 今の労働組合はほとんど50歳代が担っていて、若い活動家がいない。委員長や書記長の引き受け手もいない。闘わない中で、活動家ができるわけないんです。これは決定的なチャンスです。マル青労同が労組の権力をとっていくのも、「やがていつか」って話じゃない、リアルな話です。
 日本のブルジョアジーは連合をいったん手中に収めたけれど、労働者は「お国のために命を差し出す」なんて雰囲気にはまったくなっていない。そういう労働者を革命の側が獲得するのか、ブルジョアジーが制圧するのか。歴史を見れば、マルクス主義の旗を掲げた労働者党がいない中で労働者が展望を失うと、ファシスト的に走らざるを得ない。僕らは30年代の歴史を知ってるんだから、それを繰り返させないために、今こそ労働者に夢と展望を示して闘っていきたい。

 未組織の組織化

山田 これからはマル青労同に結集した僕らが、組織労働者は組合権力を取り、未組織労働者は組合をつくる。そのことで11月労働者集会を呼びかけている3労組共闘を30労組にし、300労組運動とかに広げ、闘うナショナルセンターの創成をめざしたい。
 そのためには自治労や電機、全逓のような大きい組合で組合権力を取っていくことと並んで、僕みたいな民間の中小零細のところが、自分の組合を強化しながら未組織労働者を組織化していくことが課題です。労働相談などの実践に取り組み、地域合同労組をつくっていく必要がある。
坂井 マル青労同は、革命の勝利をめざして闘う政治組織です。しかし、僕の職場の現実は、それとはまったくかけ離れている。それは、職場の権力を取ってないからです。やはり核心は、自分の職場で組合の権力を取るために闘うということです。闘う労働運動をつくり出すために、自分の隣の労働者と一緒に闘う、その実践がテーマです。
南 自分の組合では、「今、ストなんかやったら笑われるよ」なんて平気で言われて、本当に腹が立ちます。しかし僕らには、まず11月労働者集会がある。資本と闘う労働運動をやろうとしている人たちが集まっている。だから去年の11・9集会も、自分の単組から仲間と一緒に参加しました。ここを起点に闘う労働運動をつくり出していこうと考えています。
有村 職場の雇い主、資本との関係で、自分の意志を曲げずに対決する姿勢を貫くことも大事だと思います。私も職場で上司と大げんかしながら、「おかしいことはおかしい」って言い続けてきました。職場の同僚にも「言いたいことは言おう」って言ったら、「そんなふうに考えたことなかったけど、そのとおりだ。頑張ります」と言ってくれて、すごくうれしかった。
 職場では孤独かもしれないけれど、マル青労同の集まりに来れば多くの仲間がいるってことが、私にはすごい励みになっています。みんなの力が集まれば世の中を変えることもできる、本当にそう思います。

 誇りを取り戻す

司会 「マルクス主義を学び、よみがえらせよう」と掲げていますね。
高川 今、階級社会の現実がますますむき出しになっているのに、「自分は労働者だ」っていう自覚が奪われている。「自分たちが社会の主人公なんだ」という労働者の誇りを取り戻すことが大切で、その武器がマルクス主義です。60年代や70年代は労働組合が当たり前にマルクスを勉強していたと聞くけど、連合のもとでは「資本家階級と労働者階級は絶対に相いれない存在だ」という意識も形成されない。だから、マルクスを学びながら、労働運動を実践し、マルクス主義を青年労働者にとって光輝くものによみがえらせたい。
 動労千葉の労働運動を学ぶと、動労千葉の闘い方や労働者観の中にマルクス主義がある。マルクス主義は階級闘争の実践の中で鍛えられるものです。
宇佐見 私は「スターリン主義だからダメ」というような批判をするのは嫌いです。それでは中身が伝わらないし、全然わかってもらえない。「共産党の考えだと、こういうふうに裏切ることになるんだよね」と、中身を語ろうと思う。
 人と話す時は、その人の怒りとつながることが大事ですよね。怒りにコミットして、怒りの原因を突き詰めて、どうしたら変えられるか、その3段階を一緒に踏むことが大切だと思う。
 例えば病院の食事介護で、1時間で18人の食事を終えなければならなくて、えさをやるみたいにしないと間に合わない。すると患者さんは食べ物を肺に詰まらせて肺炎を起こす。「こんなの看護じゃない」と怒っている人の怒りに私が気がついて初めて、その人とつながることができる。
 そこから看護師定数や厚労省の医療予算の削減の話をすると、構造が見えてくる。そして「昔の人はストライキで抵抗して夜勤を減らしたんだよ」と話すと、労働者の持つ力に気づく。そこで「闘いたい」と思うんです。「マルクス主義」と言うことが問題ではなくて、中身を話すことが大事です。マルクスもそうしてきたと思うし、動労千葉もそうやってきたと思う。
坂井 中野洋さんの著書『俺たちは鉄路に生きる2』がとても勉強になった。僕らは、第2・第3の動労千葉をつくることをめざして闘うわけだけど、核心は、まず自分が立つことです。そして職場の中でどれだけ「自分派」を獲得できるか。組合の現実に打ちのめされることも多い。しかしその現実を変えるためには、職場に「自分派」をつくるしかない。職場の全体に影響力を持っていく闘いをやろうと思います。
伊勢 あの本を読んで、あらためて「動労千葉の団結はすごい」と思いましたよね。動労千葉も最初から闘う組合だったわけじゃなくて、職場闘争の積み重ねでつくり変えていった。動労千葉の組合員は、解雇者のためにクビを切られてない労働者が一丸となって闘っている。その根底にあるのはマルクス主義の思想だと実感しました。

 労組青年部運動

司会 労組青年部運動も大切ですね。
三田 青年は社会の矛盾を一番背負ってるし、職場でも一番矛盾が集中してるから、みな怒りを持っています。21世紀を担うのは青年だし、青年部の闘いで連合支配をぶっ飛ばす。青年部運動とマル青労同が融合したら、日本の労働運動は絶対に変わります。
 宇佐見 組合はダメだと思っている青年に「ダメだと言うだけじゃ変わらないから、行動で示そう」と訴えて闘っていきたい。
伊勢 「あいつらダラ幹はダメだ」ってことと同時に、「俺らに任せろ」と言っていくのが青年部だね。
有村 若いから怖いもの知らずだし、おじさんたちみたいに「これやったらこうなる」とあらかじめ考えちゃうっていうのがない。思いついたらやるって発想は、青年しか持ってないと思うんですよ。後先考えずに何でもやる、ぶつかっていくパワーはすごいから。
 組合にもっと10代、20代の労働者を獲得したい。そのために、おじさんたちとは全然違う発想を出していきます。きちんと闘ってこそ、青年にとって魅力ある組合になるんですから。
 司会 11・9集会の感想を聞かせてください。

 闘争で返す連帯

 山田 一番感じたのは、労働者の国際主義とは言葉だけではないということ。アメリカも韓国も労働者にかけられている攻撃は同じで、労働者が掲げているスローガンも一緒です。韓国の11月労働者大会の3大要求は、日本の僕らの要求と一緒です。アメリカは民営化攻撃との闘いが動労千葉と結びついた。共通する敵に対して労働者の国際連帯が必要だとアメリカも韓国も感じているからこそ、国際連帯を求めている。
 国際連帯を本物にするためにも、マル青労同が徹底的に労働運動を闘い日本の労働運動を再生させたい。
 宇佐見 集会で、民主労総ソウル本部のキムチャンソプ副本部長が「韓国では闘争の呼びかけに闘争で返します。トゥジェン(闘争)!」と言って、会場のみんなで「トゥジェン!」と返したでしょ。言葉を言うだけじゃなくて、実際に闘争で返さないといけないと思いました。
 労働者の持つ力を感じました。警察が会場の外にいて、一緒に参加した友だちもビビっていたんだけど、「警察権力を投入してきたのは、世界の労働者が団結して強大な力を持つ時代が来たから、それにビビっているからなんだよ」と話したんです。すると「勇気が出た」と言われてすごくうれしかった。労働者は「団結はすごい」と言われただけじゃわからない。立ち上がって初めて、自分たちの強さを知る。それがまさにあの集会の場でした。
 川久保 この国際連帯は、3月の動労千葉のストが闘いとったものですよね。アメリカからも見える闘いを動労千葉がやったから実現した。それが相互に交流して連帯した。同じ闘う者同士の連帯ですよね。
 有村 目の前に「国境を越えて」というのがあって、すごいオーラみたいのを感じた。労働者に国境はない、資本は共通の敵なんだ、それを倒していく道は世界の労働運動の連帯だ、と実感しました。
 韓国の11・9全国労働者大会のビデオを見て、本気で闘っている姿に、悲しい場面でなくても涙が出てきた。大会後の警察の弾圧の映像もあったけど、労働者は警察の周りを取り囲んで抗議していた。見習わないといけないな、日本でもこれくらいの気持ちを持って闘いたいと思いました。

 連合・全労連下で

 司会 連合や全労連の傘下で、それぞれどんな闘いをしていますか。
 川久保 04春闘で、連合は賃金制度の大幅改悪を丸飲みするどころか積極的に推進しようとしている。でも他方で連合支配それ自体がほころび始め、求心力を失いつつある。自衛隊がイラクに行ったら、自衛官がイラクの人びとを殺すことになるし、自衛官が死ぬ場合もある、ムスリム人民のゲリラも考えられる。そうなると04年、日本階級闘争は大激変せざるをえない。連合には、それを押しとどめることはできません。
 南 電機連合は「春闘改革」を掲げているけど、やってることは春闘解体です。闘う労働運動とはおよそ対極の、資本と一体、資本にすり寄る御用組合に変質しています。労働組合役員が、労働者にまったく依拠していない。執行部の反動的な方針に組合員を従わせようとしています。
 高川 電機連合は「強い日本をつくろう」ってスローガンを掲げてるよね。
 南 お恥ずかしいことで。国益主義ですよ。連合になって14年、団結がどんどん破壊されてきた。そして「春闘改革」でますます執行部が、一番わかりやすい運動である春闘を自ら解体しようとしている。
 伊勢 連合が02年5・16見解で「有事法制は必要」と言ったことが民主党を修正協議に動かし、成立に行き着かせた。許せません。こんなことを許さないために、去年の自治労大会に続いて、連合路線を突き破る闘いを、なんとしても職場からつくりだしたい。
 坂井 全逓では12月に臨大がありました。大会前に職場で組合名称変更や組合費値下げのことを説明したんです。すると現場組合員には、僕の話がだんだん本部執行部が言っているものと映ってきちゃって、「お前は何やってるんだ」と怒りをぶつけてくる。それで「本当に闘うんだったら、組合費が2倍になっても俺は払う」と言われました。
 今問題になっているのは深夜勤です。仮眠時間のない夜間勤務が4日間連続、権利として獲得していた特例休息もなくなる。夜10時出勤で翌朝9時まで10時間勤務が基本パターンです。
 考え方はトヨタ方式の郵政版です。トヨタが在庫を抱えないというのを郵便局にあてはめて、郵便物の流れをどこかの郵便局で止めずに、常に流せということなんです。ずっと動かせば要員配置が少なくて済む。人減らしが目的です。
 連合全逓はそれをほとんどそのまま丸飲みして、今年2月から導入される。現場からは「ふざけんな」という声が噴出しています。
 有村 私は全労連傘下の組合なんですが、最近特に、日本共産党の方針を露骨に押しつけてくる。重大なのは、労働基準法改悪に対する態度です。労基法に「解雇権」を明記して、労働者が長年の闘いでかちとった権利を根底からひっくり返してしまった。しかも民主党修正案に野党が一致して賛成したんです。
 私の組合でも「民主党案に変えられたのは、野党が共闘した成果だ」と言ってきました。私が「なぜこれが成果なのか。資本の使い方次第でいくらでもクビにできる」と言ったら、「民主党案には『解雇権は濫用(らんよう)してはならない』と明記されているから、裁判で労働者の有利になる」と言うんです。
 でも今、裁判所は完全に資本よりですよね。しかも不安定雇用の労働者は、裁判を起こせるお金なんて持っていません。こんな大改悪を「成果」と言うなんて、絶対に許せません。
 でも私は、自分の組合はダメだとあきらめないで、マル青労同でみんなと学んだものを生かして、自分の組合も変えたい。
 日本共産党に疑問の声を上げる人は、全労連幹部でも青年労働者でも生まれています。全労連傘下の労働者でも、真剣に運動している人も多い。彼らに呼びかけて、共産党中央による支配をうち破りたいです。
 宇佐見 私の職場もゴリの共産党員がいるけど、いつも具体的な話をしています。国労5・27臨大闘争弾圧の話などもしています。具体的に話をすれば「自分が考えてきたことは間違いかもしれない」と思う人も出てくる。「過激だ」なんていう偏見や決めつけだけの言葉は、偏見を持っていない人には通用しない。
 全逓の深夜勤の話を聞いて思ったことがあるんです。昔、看護師の夜勤をめぐる闘争で、産別を越えていろんな労働者が応援に駆けつけ、勝利したことがあるそうです。産別や上部団体の枠を越えた闘いをぜひやりたい。夜勤に対して医療や全逓が単独で闘うだけでなく、産別も上部団体も越えた闘いをつくれたら、資本はすごくビビりますよ。真剣に生活と権利を守ろうとしている労働者同士の連帯をつくりたい。

 3・20共同行動へ

 司会 自衛隊のイラク派兵が迫っていますが。
 山田 イラク侵略戦争開戦1カ年の3月20日、共同行動が呼びかけられています。これにこたえる闘いを全国各地でつくりたい。
 11・9集会で航空労組連絡会の村中哲也副議長が「平和のために闘わない労働組合には、労働者の権利も生活も守れない」と発言していた。反戦春闘としてストを闘った動労千葉のような闘いや、陸・海・空・港湾労組20団体の運動を各地で闘い、運動を広げることが求められています。
 百万人署名運動の行事にも、必ず組合旗を持って参加しているので、組合員にもどんどん参加させたい。
 有村 なんとしてもイラク派兵を止めたい。メディアも反戦運動を取り上げ始め、投稿欄も毎日のように「戦争に行くために息子を自衛官にしたんじゃない」「恋人が自衛官です」と出ている。自衛隊員は人事発令が出て、出兵命令を待つだけの状態です。私たちの行動で自衛隊員が出兵命令を拒めるような状況をつくりだしたい。街頭でも「私たちからもぎ取った金を戦争に使う小泉を引きずり下ろそう」と訴えています。
 坂井 自衛隊はイラクの人たちから見れば侵略軍隊です。9・11で突っ込んだ彼らは俺たちと同年代だった。あれしかやりようがないと突きつけられた。俺たちも「平和が好き」と言っているだけでは済まされない。行動で示すしかない。
 宇佐見 20労組は有事法制反対の一点共闘だからこそ、ナショナルセンターの枠を越えて大きな力を持ちましたよね。ワールドアクションにも、学生だけでなく青年労働者が多く集まっています。親組合は「ナショナルセンターがどうのこうの」とうるさいけど、そんなものを突き破って闘う青年部同士のつながりをつくりたい。私たちが起爆剤となって、上部団体に関係なく、あらゆる労組が旗を持ち寄って参加できるような反戦運動をつくりたい。
 高川 3・20が重要です。世論や街頭、そして自衛隊の反応もすごい流動している。この情勢で多くの労働組合が参加できる統一戦線をつくることは決定的です。3月の闘いに、11・9集会を上回る青年労働者の結集を実現したい。青年労働者を一挙にマル青労同に獲得するチャンスです。

 賃下げ打ち破る

 司会 04春闘が重要な闘いになりますね。
 三田 04春闘はいよいよ「賃下げ春闘」になる。日本経団連は04年版「経営労働政策委員会報告」で、初めて「定期昇給の廃止・縮小、さらにはベースダウンも」と打ち出しました。連合支配をうち破って闘う春闘を復権することが切実に求められています。
 山田 同時に04春闘は、国際連帯を本当に実のあるものにしていく春闘です。統一した要求で共通の敵と闘うということが大切です。国際連帯の呼びかけに対する僕らの回答は、資本や小泉の賃下げ、労働法制改悪、年金改悪の攻撃と敢然と闘うことです。
 また年明け早々にも労組法改悪案が出てくる。団結権をなきものにする労組法改悪は、絶対許せません。
 04春闘は組織拡大春闘にしたい。大幅賃上げを要求して闘いますが、要求が通せるかと言えば結構厳しい。だけどそれで「今年もダメだった」で終わってはいけないわけで、組織拡大をこの時期だからこそやろうと思っています。また、自分の組合の春闘をとおして社会や地域に影響力を与えることが、未組織の組織化のためにも重要です。
 司会 1000人組織建設に向けてオルグの教訓や課題を聞かせてください。

 次々と新規加盟

 高川 最近マル青労同に加盟した人は、11・9集会に参加してつかんだものがあるから、革命やマルクス主義、労働組合の現状をひっくり返そうということがスッと一致できるんです。あの集会は司会や基調提起も青年労働者がけん引したから、「青年労働者がもっと先頭に立ったら、もっと変わる」と話したら、加盟にすぐOKしてくれた。
 山田 大会に向けて僕がオルグをした労働者は、結婚して子どもがいるけど、手取りは13万円ぐらいで、とても生活できないから平日は連日残業して、土日もほかの人の仕事の応援に行って、それで稼いでようやく生活している。
 その人にマル青労同の話をして、「青年だけでやる運動なんだ」って話をして、大会に参加してくれました。そのことをとおしてあらためて「マル青労同を僕らの運動としてやる」と実感をすごく持てた。しかも、マル青労同を労働運動とマルクス主義をちゃんとすえた青年労働者の組織としてつくることが、彼が求めていたものと完全に合致したんだよね。
 彼の職場も組合はあるけど、まったく何もしないし、事務所はいつも誰もいない。でも11・9集会に参加して「闘う労働組合をつくりたい」と思ってたんだよね。「本当は俺、組合をやりたい」と言ってきた。マルクス主義の学習会も、すごくやりたがってます。
 坂井 今、労働者4人で集まって『賃労働と資本』の学習会をやっています。一方的に教える・教えられるんじゃなくて、「俺はこう思った」「いや、それは違うんじゃないの」と話して、学習会をとおして労働者とは何なのかがわかる。
 先日は、その学習会の参加者の1人にマル青労同の加盟申請書を見せて話をしたんです。すると「2本柱で活動するんですか。今、マルクス主義の勉強会もやってますもんね。じゃあ俺もマル青労同で活動できるんですね」という対応で、すぐ加盟してくれました。
 結成大会には、「動労千葉のような組合にしたい。中野洋のようになりたい」という決意を書いた加盟申請書を持ってきてくれた青年労働者もいました。
 高川 大会がものすごいエネルギッシュだったから、ある同盟員はすごく空気が入って、大会の直後に1人の青年労働者をオルグして、加盟してもらったんです。全国各地でそういう闘いが始まっています。
 司会 今年の抱負や、革共同に望むことを聞かせてください。
 南 何よりも自分の職場と地域で同盟員を増やしたい。11・9集会にも組合の青年労働者と一緒に参加したんで、まず彼らを獲得したい。ゆくゆくは組合の青年層の大半を獲得して、組合の権力を取りたい。
 三田 大会の中で、1000人建設の現実性をみんなが確信していますから、職場・地域の中で実践的に始めることが問われている。イラク派兵阻止を闘い、そこで多くの青年とつながり、獲得していく。イラク派兵阻止闘争、春闘、そして1000人建設を、一体で闘っていきます。
 川久保 1000人くらい集めなきゃいけない情勢だし、また1000人の組織ができる情勢でもあります。マルクス主義と労働運動の2本柱を軸に闘って、「もう一人の自分」をつくっていきたい。

 革共同への要望

 伊勢 自分の言葉で職場の仲間の心をつかみ、明るい展望を指し示して、獲得していきたい。上から押さえつけるギチギチの組織ではなく、青年労働者一人ひとりの自己解放の欲求を受け止め、方向づけ、展望していきたい。革共同の人たちにも暖かく見守って欲しいし、青年の力を信じて欲しい。
 宇佐見 これは私の決心と重なるんですけど、革共同のみなさんに言いたい。
 みんなに「やっぱり革共同が正しかったじゃないか」と思ってもらうのが、私たちの運動の目的ではない。労働者の闘いが大きく広がっていって、そして本当に労働者が勝利することが目的ですよね。
 どんな妨害や弾圧にも屈服せずに、あくまで原則を貫いて闘うということと、団結の力を信じて、一人ひとりの労働者とつながりをどんどんつくりだし、労働者の闘いを大きく広げていくということが「両輪」にならないと、労働運動は爆発しないと思う。
 大きな組織をつくることだけが目的ではないけれど、やはり労働者は闘うことで、初めて自分たちの持つ団結の力を実感するんです。一人ひとりの労働者が行動に立ち上がり、運動が大きくなっていくことそれ自身が、とても大切なことです。だから私は、「両輪だ」と思います。
 確信と原則があれば、あとは人を集めることに精一杯になればいいと思う。その両輪というイメージを持てるかどうかで、今後の拡大の青写真が変わってくる。そのことを、革共同の人たちに言いたいです。
 有村 とりあえず身近な人と組合や職場、地域で、仕事や職場の話、世の中の情勢についての対話から始めたい。そこから「ぜひ一緒に頑張ろう」と誘おうと思う。
 私が今勉強している『共産党宣言』の学習会を、職場の仲間とやってみたい。すごい難しそうなイメージがあるけど、失敗してもいいからどんどんぶつかっていくのが大事だと思ってます。できないと自分で思いこんだら本当にできなくなる。無理だと思うけどやってみよう、そういう気持ちが大事だなと、中野さんの『俺たちは鉄路に生きる2』を読んで思いました。
 革共同の人たちにも、現場で働いている青年労働者が集まっている場があるんだから、労働現場の実情や労働者の気持ちをくみ取って欲しいと思います。
 坂井 まずは何よりも自分の職場で格闘することに専念しようと思う。同時に、マル青労同を1000人が入れる魅力のある組織にするよう頑張りたい。
 山田 職場を自分の組合の中心を担えるような力を持ったものにするために頑張る。今、組合の活動家がどんどん高齢化しています。若い世代の労働者を組合運動の中心を担う活動家にしていきたい。まずは、自分の職場にマル青労同の支部をつくることがテーマです。
 高川 大会に参加した青年労働者はみな、1000人の新しい組織を自分たちの力でつくろうと、自分の言葉で語っています。あらためて襟を正す思いです。
 だからこそ革共同に、マル青労同とともに闘える党、マル青労同に結集した青年労働者を全力で支援し結合できる党になって欲しい。それが真の労働者党になることだと思います。
 一方で党派性が本当に必要です。党派性こそが大衆性ですから。だけど党派性とは、硬直的な統制とか教条ではない。労働者階級としての党派性です。
 オルグした人がさらに新しい人をオルグする。ねずみ算じゃないけど、新たに集まってきた青年労働者たちが本当に燃え立って組織者となれば、1000人は絶対に可能な数です。
 全国の青年労働者のみなさん。マル青労同に加盟してください。労働者階級の解放をかちとる日まで、ともにマル青労同の旗を掲げて力強く前進しましょう!
 司会 どうもありがとうございました。前進編集局もみなさんに全力で学び、ともに闘っていきます。

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週刊『前進』(2132号8面1)(2004/01/01)

自衛隊をイラクに行かすな 北海道と小牧で基地行動

 小泉政権は12月9日、自衛隊イラク派兵の基本計画を閣議決定した。緊迫する情勢下、派兵部隊が駐屯する北海道、小牧で派兵阻止闘争が取り組まれた。仙台、福岡などでも行動が展開された(詳報次号)。闘うイラク人民と連帯し、12〜1月、全国の人民の決起で自衛隊イラク派兵を阻止しよう。

 札幌・旭川で連続デモ 人民の怒りが自衛隊包む

 12月9日の自衛隊イラク派兵基本計画の閣議決定に反対し、私は百万人署名運動・北海道の仲間とともに12月13日から15日までの闘いを貫徹した。空の小牧、海の呉と並び陸の北海道での闘いが始まった。
 13日は、200人が参加した札幌ピースウオーク(主催/同実行委員会)に合流した。「STOP WAR! 自衛隊のイラク派兵を止めよう実行委」の学生や東京労組交流センターも参加した。学生の隊列には沿道から大勢の市民が加わり、どんどん膨れ上がった。その後、派兵第2陣に予定されている第11師団司令部のある真駒内駐屯地に近い地下鉄駅で街頭署名を行った。
 翌14日は旭川駅前で街頭署名。通行人の2人に1人は署名した。その後、全国の百万人署名運動の仲間とともに平和運動フォーラムの集会に参加した。国労を始め労組を中心に2200人が結集し、旭川駐屯地までのデモを行った。
 デモの途中、カクマルが敵対を試みたが、自治労や北教組の組合員から「お前ら何しに来てるんだ」と怒鳴られ、うなだれた。地元の組合員はすべて国鉄闘争勢力であり、カクマルが取り入る余地などない。
 学生たちは旭川市中心部でピースウオークを行った。市民も加わり、ミニプラカードを受け取っていく青年も多数いた。出発前の集会で、地元の女性が「身近な人が死ぬことを考えると黙っていられない。一緒に行動を」と訴えた。
 15日は、百万人署名運動・北海道主催の集会が札幌で行われ、30人が参加した。東京から駆けつけた西川重則さんが「なんとしても派兵阻止を」と訴えた。
 その後、陸上自衛隊北部方面総監部への署名提出行動に向かった。自衛隊が居留守を決め込もうとし、警察権力が弾圧を狙う緊迫した状態だった。出てきた担当者は、1本目の請願の直後、請願書をひったくるようにして敷地内に逃げ戻り、5万筆の署名を路上に放置した。全参加者がこれに抗議し、周辺は騒然たる雰囲気に包まれた。音を上げた自衛隊当局は「皆さんが引き揚げれば署名は運び込む」と電話で回答した。
 直後、自衛隊はマスコミに対し「威圧感を感じたための対処。適切だった」と説明したそうだ。人民の声に脅威を感じているのだ。
 その後、札幌市中心部に戻って街頭署名を行った。
 「絶対に派兵を阻止したい」という一人ひとりの思いを実現する場として、百万人署名運動が北海道で広がっている。3日間の街頭署名で何百筆もの署名が寄せられ、自発的に署名を集める人も現れた。学生たちの闘いで、旭川にも青年や市民の運動が育ち始めた。
 小泉政権は、年末の空自先遣隊から派兵を始めようとしている。陸自派兵部隊は北海道大演習場(東千歳地区)で訓練を繰り返し、深夜も激しい銃声が聞こえると周辺住民は語っている。闘うイラク人民と連帯し、自衛隊のイラク派兵を阻止しよう。北海道の闘う労働者・学生・市民は全国の最先頭で決起する。
 (投稿/北海道 T・S)

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週刊『前進』(2132号8面2)(2004/01/01)

小牧基地に230人が抗議

 航空自衛隊小牧基地からは、C130輸送機がイラクに派遣されようとしている。12月13日、「とめよう戦争への道・愛知県連絡会」など20団体・230人は、愛知県春日市内の公園で集会を開いた後、小牧基地までのデモに立った。デモ隊には基地周辺の住民も飛び入り参加、ともに派兵反対の声を上げた。基地前では自衛隊員に出兵拒否を呼びかけ、派兵中止を求める署名6500筆を手渡した。写真は小牧基地前

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週刊『前進』(2132号8面3)(2004/01/01)

習志野電車区廃止強行弾劾 動労千葉が全日スト 組織破壊攻撃うち破り

 職場奪われた怒り思い知れ

 「職場を奪われた労働者の怒りの声を聞け! ストライキの力を思い知れ!」
 動労千葉は12月15日、習志野電車区廃止強行を弾劾し、全日ストライキを決行した。配転された8人を始めとして検修職場4支部の約50人が、午前8時半から午後6時まで意気高く打ち抜いた。第2の分割・民営化―検修大再編攻撃粉砕、04春闘勝利への突破口を開いた。そして、国鉄分割・民営化以来最大の決戦期を迎えた国鉄闘争の勝利の展望を指し示したのだ。
 午後1時から千葉県労働者福祉センターに190人の組合員が結集し、スト貫徹総決起集会を開催し、JR東日本千葉支社に対して抗議のデモを行った。支社に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 集会で田中康宏委員長は、「こうまで労働者を犠牲にする攻撃に闘う決意を固めたい。私も、分割・民営化により習志野電車区になった津田沼電車区で、ストや順法闘争を理由に首を切られた。最大の拠点をバラバラにし、今日、廃止した。はらわたが煮えくりかえる。新たな闘いの宣戦布告をする。JRのすべての労働者の労働条件と安全を動労千葉が守る決意だ」と声を大にして訴えた。
 今回のストは、@習志野電車区廃止弾劾、幕張電車区の大幅縮小攻撃との対決、A検修・構内業務の全面外注化阻止、B安全の崩壊に対し新しい反合・運転保安闘争をつくり上げる、C強制配転者の原職復帰、賃金差別、不当労働行為粉砕などを掲げた闘いだ。
 田中委員長は、「4カ月の闘いによって当局の組織破壊攻撃を打ち破った」到達点について確認した。廃止に伴う配転は、3人が習志野運輸区への配属変更、5人が幕張電車区への異動であった。これは8日にもストを構えて闘った成果だ。他労組組合員はバラバラに配転された。
 また、強制配転者の原職復帰など分割・民営化以降の未解決の課題についても、「穴が開いた。堤防は必ず決壊するという手ごたえをつかんだ」のだ。
 そして、「そうした到達点が切り開かれているのは、当局とJR東労組カクマルの結託体制が崩れているからだ。団結して闘えば必ず勝利の展望が開ける」と確信を込めて訴えた。

 運転保安確立、04春闘勝利へ

 動労千葉を支援する会が連帯あいさつで、12月6日にアメリカ西海岸の戦闘的労組がイラク戦争・民営化反対の集会を開き、動労千葉と民主労総を支援する国際連帯の決議を上げたことを紹介した。三多摩と千葉の労組交流センターは檄布を持って駆けつけた。
 川崎昌浩執行委員の交渉報告に続き、スト突入支部が決意を表明した。習志野電車区の組合員を組織する津田沼支部の代表は、「小さい支部になるが先頭で闘う」と語り、幕張支部の代表は「早朝からスト破りの追及行動、平成採のオルグをしてきた。幕張からは1人も配転させなかった。電車区縮小を許さない」と訴えた。ストに入らなかった運転区や貨物の組合員も多数結集し、全支部一丸となって闘う決意を固めた。
 動労千葉争議団の高石正博さんは、1047名闘争が最大の危機にあることを訴え、動労千葉、国労、全動労が一緒に闘う運動をつくる決意を語った。
 中村栄一書記長が今後の闘争方針について、「04春闘に向けて、恒常的スト体制で新たな運転保安闘争をつくり上げ、なんとしても組織を拡大しよう」と提起した。

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週刊『前進』(2132号8面4)(2004/01/01)

国労弾圧公判 本部派が被告らを殴打 映ってるのは説得活動 ビデオの再生で鮮明に

 12月16日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第17回公判が開かれた。国労東京地本の鈴木勉法対部長が撮影したビデオと国鉄闘争支援者が撮影したビデオが証拠採用され、法廷でビデオが再生された。検察側の最大の証拠のビデオは、逆に被告の無実を示すものだった。

 東京地裁 被告の保釈を決定

 18日、東京地裁は被告の保釈を決定した。許し難いことに検察側は直ちに抗告し、保釈奪還の闘いは東京高裁における大詰めの攻防に入った。JR採用差別事件の最高裁判決が22日に下されようとしている中で、国鉄決戦の帰趨(きすう)を決めるこの裁判闘争の位置はますます高まっている。
 16日の公判は、保釈を求める佐藤昭夫弁護団長の意見陳述から始まった。検察側は弁護団が提出した保釈請求に対し、「罪証隠滅のおそれ」や「被害者証人を威迫するおそれ」「逃亡のおそれ」という事実無根の口実を並べたてて反対意見を出していた。佐藤弁護団長は、こうした検察の姿勢を「被告・家族への拷問に等しい」「保釈を妨げる検察官の意見は人権侵害の違法行為だ」と怒りを込めて弾劾した。
 松崎博己被告団長が、「われわれは国家的不当労働行為との闘いを全うする。家族とともに、労働者階級とともに無実を争い勝利する。そのわれわれが逃亡などするはずがない」と宣言し、即時保釈を要求した。この意見陳述は裁判長を圧倒した。
 公判は、2本のビデオテープの証拠採否の問題に移った。弁護団が提出した二つの「証拠意見」の要点が法廷で述べられた。
 萱野一樹弁護人が「鈴木ビデオは警視庁公安部と国労本部派の事前謀議に基づき、刑事事件をデッチあげるために計画的に撮影された。憲法第31条の適正手続きと憲法第28条の団結権保障に反する違法収集証拠に証拠能力はない」「ビデオの任意提出・領置の手続きにも、押収品目録が交付されず、被疑者名・罪名が領置調書に後日加筆されるなどの重大な違法があった」と論陣を張った。
 続いて、西村正治弁護人が支援者撮影のビデオについて、「都政を革新する会が報道用に撮影したビデオを刑事事件の証拠とすることは、報道の自由、取材の自由、表現の自由への重大な侵害だ」と声を強めた。
 しかし、青柳裁判長は2本のビデオの証拠採用を決定した。弁護団が次々と異議を述べた。一瀬敬一郎主任弁護人が「労働事件では警察と会社が結託して証拠をねつ造することがある。鈴木ビデオもそれと同じ」と主張し、河村健夫、浅野史生両弁護人も立ち上がった。大口昭彦弁護人が「裁判所の決定には憲法第28条の団結権保障の観点が一つもない」と鋭く批判した。
 追いつめられた裁判長は、「警視庁公安部と本部派の結託の問題は、本体の審理で明らかにする。証拠採否の段階では判断できない」と言い訳をしつつも、「労働基本権の問題は主要な争点。その観点から審理を進めるべきと考える」と言わざるをえなかった。
 2本のビデオテープが再生された。どちらのビデオも、どんなに注意をこらして見ても起訴状に書かれているような「被告の暴行」は分からない。本部派が3列縦隊でホテルを出て、ビラを渡そうとする被告たちに体当たりし、その後一瞬のもみ合いがあったことが分かるだけだ。被告たちが一方的に暴行に及んだという検察側の描く事件像は、デッチあげなのだ。ビデオには、鈴木法対部長や長野地本の池田組合員による首を絞める、殴るなどの被告たちへの暴行の現場が、しっかりと映されている。
 再生された映像は、「こんな大会に防衛隊として行くのか」「労働組合の原点を思い出してくれよ」と、本部派への必死の説得を続ける被告の姿を映し出していた。検察側が最大の証拠として持ち出した2本のビデオは、むしろ被告の無罪・無罪を証明している。

 許さない会が検事抗告粉砕へ連日の決起

 公判に先立ち、全国各地の許さない会は東京地裁に被告の即時保釈を求める申し入れを行った。同日夕、許さない会は第3回発起人・呼びかけ人会議を開き、保釈実現に向けて年末決戦態勢を確立した。翌17日から、許さない会は保釈金カンパ闘争と東京地裁前での連日の宣伝・座り込み行動に入った。
 8被告を取り戻し、最大の決戦を迎えた国鉄闘争に勝利しよう。

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週刊『前進』(2132号8面5)(2004/01/01)

鉄建公団訴訟 被告の虚偽暴き 闘争団が意見陳述

 12月15日、鉄建公団訴訟の第11回口頭弁論が東京地裁で行われた。鉄建公団は「再就職あっせんに誠心誠意努力したが、原告は地元JRに固執し再就職の意思がなかった」とする当時の管理者の陳述書を提出していた。これへの怒りが法廷にあふれた。
 国労本部による統制処分をはねのけ、原告には新たに16人が加わった。その一人である熊本闘争団の西嶋弘明さんが意見陳述し、「清算事業団は一人あたり40回から49回の再就職あっせんをしたと言うが、私に具体的に示されたものは一件もない」と鉄建公団の虚偽の主張を弾劾した。
 その後、原告団らはJR東日本本社前での抗議行動、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧鉄建公団)への要請行動を展開した。
 同日夕、「鉄建公団訴訟勝利をめざす総決起集会」が千代田公会堂で行われ450人が結集した。国鉄闘争共闘会議の二瓶久勝議長が「国労闘争団と全動労争議団、動労千葉争議団の共闘態勢を強化し、来年は政府・JRに解決を迫る年に」と訴えた。酒井直昭原告団長が決意を表明、名寄闘争団家族の橋本真弓さんがこの闘いにかけた思いを語り、参加した闘争団員一人ひとりが抱負を述べた。

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週刊『前進』(2132号8面6)(2004/01/01)

狭山を闘い飛躍を 東日本解放共闘が総会 2月研究集会へ

 12月14日、部落解放東日本共闘会議の第12回総会が東京・日本橋公会堂で開かれ、東京・関東から部落解放同盟全国連の支部員、解放共闘の労働者、学生ら60人が集まった。
 主催者の東日本共闘会議の山川博康事務局長が「日本のイラク侵略戦争突入と立ち向かいつつ部落解放闘争―狭山闘争を闘おう。年末年始の特別抗告棄却もあり得る。気を引き締めて闘おう。動労千葉の15日のストと連帯し総会をかちとろう」とあいさつした。
 次に部落解放理論センターの沼田芳知さんが東大阪市議選の教訓について講演した。「東大阪市議選では、住民の要求を掘り起こし、権利意識を促すことから始まり、住民が自ら団結し、組織をつくり、行動した。住民が政治の主体となり、阪口克己さんを代表に押し出した。ゼロからの組織化だったが、3カ月で勝利した。寝屋川弾圧は、勾留されている滝口支部長らが部落大衆の要求をまとめ、大衆行動を起こし、支部建設を進めてきた中でのことだった。部落解放の一点でゼロから部落大衆を組織化することは可能。この実践を全国で」と語った。
 特別報告として、新潟労組交流センターの労働者が新潟日報に対する部落差別糾弾闘争を職場闘争として闘い、73年に3人が暴処法違反などで逮捕・起訴され、以降13年、闘いぬいたことの意義を語った。
 基調報告を東京・西部労組交流センターの労働者が行った。狭山特別抗告審闘争、寝屋川弾圧粉砕の課題に取り組み、東日本解放共闘の飛躍をかちとろうと訴えた。特に2月8日の第3回東京部落解放研究集会への結集を呼びかけた。テーマは、現在部落大衆の多くが働いている公務員現業の合理化・民間委託化との闘いを部落解放運動と労働運動の共同闘争として闘うことについて。
 各参加組織が決意表明し、茨城県連の原口孝一副委員長が閉会あいさつを述べ、団結ガンバローで締めくくった。

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週刊『前進』(2132号8面7)(2004/01/01)

3人奪還 11・24不当弾圧

 11月24日に自動車登録に関する「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」デッチあげで警視庁に不当逮捕されたB同志ら3人を、12月15日についに奪還した。
 なんとしても起訴に持ち込もうとした警視庁の絶対に許せない策動を被逮捕者、弁護団、全党の一体となった闘いで打ち破り、人民のもとに奪還した。

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週刊『前進』(2132号8面8)(2004/01/01)

日誌'03 12月9日〜17日
 「武装兵士の輸送可能」(福田 小泉) 武器輸出3原則見直し策す

●イラク復興事業、米協力国企業に限定 米国防総省は自国が負担する186億j(約2兆円)のイラク復興事業について、受注の元請けとなる先を、米国とイラクのほか、日本や韓国などイラク侵略戦争や復興に協力している61カ国に限定する方針を決めた。戦争に反対したドイツ、フランス、ロシアなどは含まれていない。(9日)
●「武装兵士の輸送可能」 福田官房長官が記者会見で、イラクに派兵した自衛隊が米英軍など他国の武器・弾薬の輸送はしないと小泉首相が表明したことに関連して、武装した兵員の輸送は可能との考えを明らかにした。小泉も15日、「(武装した他国の)兵員を1人も輸送してはいけないことにはならない」と武器・弾薬輸送は行わないとした従来の説明を修正した。(10日)
●派兵時期明示は命令時 福田官房長官がイラクへの自衛隊の具体的な派兵時期を明示するのは「実際に派遣を指示する段階の話だ」と述べた。自衛隊の活動の詳細を示す実施要項では明示せず、防衛庁長官が陸海空3自衛隊にそれぞれ派兵命令を出す際に明らかにする方針を示したもの。(10日)
●子どもら8人死亡 アフガニスタン駐留米軍が同国東南部パクティア州で12月5日の掃討作戦で攻撃した現場から「子ども6人の遺体を発見した」と発表した。(10日)
●内閣支持低下41% イラクへの自衛隊派兵に関する基本計画の閣議決定を受けて朝日新聞社が全国世論調査を実施。小泉内閣の支持率は41%で、前回11月の47%から下落した。不支持率も41%(前回37%)で並んだ。自衛隊派兵については「反対」が55%で、「賛成」の34%を上回った。(10、11日)
●新生イラク軍3分の1退職 発足したばかりの新生イラク軍部隊の兵士700人のうち200人以上が退職していることをイラク駐留米軍高官が明らかに。武装勢力の攻撃が続く中、危険に見合う給与が支給されないなど待遇の悪さが理由だという。(11日)
●日本・ASEAN特別首脳会議 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国10カ国の特別首脳会議が東京で開かれ、「東アジア共同体の構築」をうたった「東京宣言」を採択した。(12日)
●EU、独自の軍事行動強化 欧州連合(EU)首脳会議で、「民族紛争」などの危機へ対処するEU独自の能力を強化する共通安保防衛政策に合意した。主に「平和維持」や「人道救援活動」を想定し、EU単独で作戦をつくり、実行する機能を築く(新司令部は「部署」と表現)。「紛争」対応については北大西洋条約機構(NATO)軍の行動を優先させるとしつつも、EU独自の判断による軍事行動の幅を広げるものとなる。(12日)
●フセイン大統領、拘束 イラクの米英暫定占領当局(CPA)は同国北部ティクリート近郊で13日、サダム・フセイン大統領を拘束したと発表した。(14日)
●輸送兵「銃含む」 参院外交防衛委員会で、自衛隊が輸送する他国兵の携行武器について、石破防衛庁長官は、「自らの身を守るものならば、拳銃、ライフル、小銃まで含むのが軍事的常識の範囲内だ」と説明した。(16日)
●韓国、追加派兵案を承認 韓国政府は、統一外交安保関係閣僚会議を開き、「3千人以内」とするイラク追加派兵案を承認した。23日にも正式に閣議決定し、国会に提出する方針。(17日)
●武器輸出3原則見直しへ 政府は、武器の輸出を禁止した武器輸出3原則などの基準を部分的に見直す方向で検討に入る方針を固めた。ミサイル防衛に関する日米共同技術研究が将来、生産段階に移行する際に、米国向けの武器部品などの輸出を禁輸の対象外とする方向で調整するという。(17日)

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