ZENSHIN 2003/12/22(No2131 p06)

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週刊『前進』(2131号1面1)(2003/12/22)

自衛隊イラク派兵阻止 国労弾圧8被告年内奪還し国労本部打倒へ突き進もう
 動労千葉スト−国鉄決戦勝利へ

 日帝・小泉政権は9日、自衛隊イラク派兵の「基本計画」を閣議決定した。ついに日帝・自衛隊が文字どおり侵略戦争の戦場に戦後初めて乗りこみ、イラク人民虐殺の侵略戦争に踏み出すのだ。満腔(まんこう)の怒りを込めて弾劾する。12月から04年1〜3月、派兵阻止闘争を猛然と闘いぬき、04春闘のただ中で迎える3・20イラク開戦1周年の国際反戦闘争を全世界の労働者階級・被抑圧民族人民と連帯して闘おう。11・9全国労働者集会が発した国際連帯と日本労働運動再生の宣言を支持し、発展させよう。そのかなめをなすのが国鉄労働運動―1047名闘争だ。国労5・27臨大闘争弾圧の8被告を年内に奪還し、国労の階級的再生をかちとろう。12・15習志野電車区廃止阻止、反合・運転保安確立へ闘われようとしている動労千葉のストライキ決起は、その突破口だ。断固支援しよう。ともに04春闘の爆発をかちとろう。

 第1章 米英軍と一体で軍事占領の中軸担う日帝

 12・9派兵計画決定は、日本帝国主義の侵略戦争開始宣言だ。戦後史を画する超重大事態だ。小泉は、閣議後の記者会見で憲法前文を正反対に歪曲しつつ、「戦争に行くのではない」と繰り返した。だが、日帝・自衛隊は明白に侵略軍隊として、米英軍と一体となって侵略戦争―軍事占領の中軸を担うのだ。
 「基本計画」は、派兵期間を12月15日から1年間とし、陸上自衛隊が600人で、装輪装甲車、軽装甲機動車など車両200両以内、拳銃、小銃、機関銃、無反動砲、個人携帯対戦車弾などの武器を持っていく。航空自衛隊はC130輸送機など8機以内、海上自衛隊は輸送艦2隻以内、護衛艦2隻以内としている。総勢1000人規模の派兵となる。小泉は派兵時期を明らかにしていないが、今月25日にも空自の先遣隊を派兵し、1月中旬に空自のC130輸送機、1月末に陸自先遣隊、2月中旬〜3月中旬に陸自本隊を派兵すると言われている。
 陸自の携行する無反動砲などは、戦車も破壊することができ、射程は1`に達する殺人兵器だ。イラク南部に「人道復興支援」と称して乗り込む陸自がこのような重火器を持っていくのだ。日帝は、イラク人民に対して銃口を向け虐殺することを宣言したに等しい。
 自衛隊派兵予定地のサマワでは9日、職を求める1千人の労働者が米英の暫定占領当局(CPA)事務所前でデモを行った。「治安維持活動」にあたるオランダ軍が出動し、デモ隊に威嚇射撃し2人を負傷させた。自衛隊もこうしたことをどんどんやるのだ。
 また「基本計画」では、「人道復興支援活動」に加えて「安全確保支援活動」を実施するとしている。これは米軍などの行う「治安維持活動」の後方支援を意味する。C130輸送機が米軍の輸送を担うのだ。
 現在イラクに軍隊を常駐させている国は38カ国で、G8(主要8カ国)では米英以外ではイタリアのみだ。独仏ロは派兵していない。日帝の派兵は、世界の帝国主義国における位置から言っても、他国とは比較にならない重大な意味を持つ。日帝は、イラク人民にとっては米英に次ぐ「第3の敵国」となったのだ。

 第2章 労働者は“侵略を内乱へ”の闘いに総決起を

 日帝ブルジョアジーは「必ず出さなければならない」(奥田日本経団連会長)、「エネルギー面で依存度の高い中東地域の平和と安定的発展は重要」(北城経済同友会代表幹事)などと、直ちに自衛隊派兵に支持を表明した。奥田は8日の記者会見では「派遣する以上は、出す方も出される方も犠牲者が出るかも知れないという覚悟を決めた方がいい。そういう腹構えがないと変なことになる」と述べている。
 小泉や奥田らは、自衛隊がイラク人民を虐殺し、あるいは自衛隊がイラク人民の反撃にあって死ぬことを、敢えて言えば積極的に望んでいるのだ。自衛隊が、そうした「殺し殺される」帝国主義の侵略軍隊になることを狙っている。
 小泉は、それが「国際社会において名誉ある地位を占める」ことだとうそぶいている。閣議決定をもって日帝は戦後的制約をついに突破し、帝国主義の分裂と抗争が激化する中で、米帝と共同・競合しながら侵略戦争に本格参戦する道に踏み込んだのである。
 日帝・小泉らは、11・29のイラクでのゲリラ戦で2人の外交官が死亡したことに、激しい衝撃を受けている。だからこそ、逆に何がなんでも武装した自衛隊をイラクに送り込むことが必要と決断したのである。
 考えても見よ。2人の外交官は、イラクのORHA(米復興人道支援機構)に派遣され、CPA(米英暫定占領当局)の占領行政を担っていた。奥参事官は、イギリスの日本大使館から派遣され、米軍が占領したサダム・フセイン宮殿に住み込み、ORHAで国際支援担当の英陸軍将校の代理を務めていたという。完全に米英軍の一員としてイラクに乗り込んでいたのだ。日本帝国主義の文字どおりの先兵であり、きわめて自覚的に、米英軍のもとでイラク侵略戦争にかかわっていた。イラク人民の怒りのゲリラ戦はまったく正当であり、正義である。
 空自が派兵される小牧で、陸自の旭川で、海自の呉で、“自衛隊員はイラク人民虐殺の侵略戦争に行くな。派兵を拒否しよう。敵は小泉や資本家だ”と激しく訴え、反戦・反軍闘争を闘わなければならない。
 「国連決議があれば自衛隊派遣に賛成」という民主党・連合などを断じて許さず、連合内外から派兵絶対阻止の労働組合の決起を巻き起こそう。
 12・20ワールドアクションに学生・青年労働者を先頭に総決起しよう。
 04年3・20に向け、イラク派兵阻止闘争を日帝の侵略戦争を内乱に転化する闘いとして大爆発させよう。

 第3章 小泉=奥田の賃下げ・年金破壊・大増税攻撃粉砕を

 日帝の外への侵略戦争はは、同時に、国内での資本攻勢も激化させる。とりわけ、04春闘は重大な情勢を迎えている。
 日帝ブルジョアジー・日本経団連は04春闘に向けた経営労働政策委員会報告の原案で、成果主義型賃金制度への全面的な転換を初めて求め、「一律的なベアは論外。賃金制度の見直しにより定期昇給の廃止、さらにはベースダウンも労使の話し合いの対象」と言っている。日本経団連は昨年末の経労委報告で「春闘終焉(しゅうえん)」を宣言したが、あらためて、そのことを確認し、賃下げを労資交渉の課題にしろとまで迫っているのだ。
 さらに日帝は、04年の年金制度改悪に向けて、厚生年金の保険料率を現在の13・58%(労資折半)から18〜20%への引き上げを打ち出している。厚生労働省の20%案に対して、経団連らブルジョアジーが資本の負担を問題にしているが、こうした中で経団連などが主張する消費税率の大幅引き上げが現実化してきている。自民党も06年には引き上げを決定するとの方向を打ち出している。
 だがこれに対して、連合の「04春季生活闘争方針」は、ベア要求を放棄しただけでなく、賃金闘争そのものを一層後景化させている。「社会的合意形成の促進」や「通年的な取り組みを通じた総合生活改善」の名のもとに、「春闘終焉」を主張する経団連に全面屈服し、昨年の「雇用問題に関する政労使合意」以来の、国家・資本と一体化した路線を進めている。
 賃金闘争についても「賃金カーブの確保」と言っているが、「定期昇給相当分」という言葉を削除し、賃下げ・定昇解体攻撃に屈服している。また、「賃金制度の整備」は「労使の共通課題」として、「『成績・業績』と『賃金』の適正バランスを実現する」と言い、成績主義・業績主義賃金の全面的導入を連合自ら提案し、ベアゼロ・定昇解体、年功制解体を率先して行おうとしているのだ。
 さらに連合が「最優先」とする年金改革については、「安心と信頼の年金改革の実現を」と述べて、負担増・給付削減の「年金改革」を容認した上で、経団連などと歩調を合わせて負担の抑制は主張するが、「持続可能な年金制度」の名のもとで、財源を消費税にすべきとうたっているのだ。それは先の総選挙での民主党のマニフェストを見れば明らかである。
 連合は、日帝資本の危機を自ら叫び、「総額人件費削減」を主張する資本と同じ立場からの年金改革を主張しているのだ。
 こうした賃下げ・年金改悪攻撃に対して「労働者を食わせられなくなった帝国主義は打倒するべきだ」という立場で、労働者に対する一切の犠牲転嫁に反対して闘うことが重要である。
 戦争と労働者への首切り・賃下げ・生活破壊の攻撃、すなわち「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃は完全に一体のものである。それは、資本主義・帝国主義という体制が今までのようなあり方では生きていくことができず、外に向かっては石油を始めとした資源や勢力圏の確保、民族解放闘争の圧殺のための侵略戦争を行い、内に向かっては労働者階級を徹底して搾取・収奪して資本の利潤を確保しようという攻撃である。そのために労働者の権利を奪い、治安弾圧を加え、労働組合の団結を破壊しようとしているのだ。
 これらの攻撃を一体のものとしてとらえ、その両方と闘う階級的労働運動こそが求められている。資本攻勢と闘う労働組合こそが戦争を止める力を持っており、同時に戦争と闘う労働組合こそが労働者の生活と権利を守ることができるのである。11・9集会の3労組共闘と日韓米3国の国際連帯の闘いを発展させることこそ、日本の労働者階級の勝利の道なのだ。
 特に、年末から来春にかけて国鉄分割・民営化以来最大の決戦を迎えようとしている国鉄労働運動―1047名の解雇撤回闘争を強めることを訴える。9月国労大会で闘争団員に対する統制処分を強行した国労中央は、年末から来年1月31日の中央委、または2月臨大に向けて、闘争団を最後的に切り捨て国労の自己解体に突き進もうとしている。
 国労5・27臨大闘争弾圧を警察権力と結託して強行した酒田―吉田―芝崎ら、警察労働運動の張本人どもを絶対に許さず、1年を超えて獄にとらわれ続けている8人の被告たちの年内保釈奪還をかちとろう。それこそ国労解体攻撃をうち砕き、1047名闘争を発展させ、国労の革命的再生をかちとる最大の突撃路である。
 そして、動労千葉の12月ストライキ闘争は04春闘爆発の合図となる闘いだ。国鉄労働運動を基軸に、04春闘に向け、動労千葉のように闘う労働運動をともにつくり上げよう。
 12月全逓臨大での名称変更、殺人的深夜勤導入を弾劾し、都労連解体攻撃との闘いを最先端とする自治体労働運動、教育労働運動など、全産別の闘いを発展させよう。

 第4章 年末大カンパ闘争に全力で立ち上がろう

 その上で、現下の最大の課題は、この階級決戦を先頭で闘い、世界革命―日本革命に向けて労働者階級自己解放闘争の最高の団結体である労働者党として、革共同を強大に建設することである。そのために機関紙拡大闘争に取り組もう。
 11日には水嶋秀樹同志を保釈奪還した。すべての獄中同志を奪還しよう。
 そして最後に、この壮大な革命的事業を担うために、革共同への絶大な年末一時金カンパを心から訴えます。

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週刊『前進』(2131号1面2)(2003/12/22)

12・9国会前 “閣議決定絶対許すな” 首相官邸へ怒りのこぶし

 小泉首相が自衛隊派兵基本計画の閣議決定を強行した9日、国会前には朝早くから大勢の労働者人民が詰めかけ、「許せない!」と抗議行動を続けた。全学連やワールドアクションの青年たちは午前9時過ぎから、閣議が行われる首相官邸そばの衆院議員会館前に集まり抗議の声を上げた。
 昼近くになると、婦人民主クラブ全国協議会や百万人署名運動を各地で闘う人びとも続々と集まり、70人近くがプラカードを掲げて、「閣議決定をするな」と抗議行動を続けた。
 リレートークが行われ、青年、労働者、高校生、高齢者らさまざまな人びとがマイクを握り、小泉政権の侵略派兵の暴挙への怒りを語った。
 バグダッドの高校生とメールで交流しているという2人の女子高校生は、「いても立ってもいられなくて、学校を休んでここに来た」「イラクの人たちへの戦争は絶対に許せない。このまま小泉さんの思うとおりにしていいのでしょうか」「これからの日本のことを考えよう」と訴えた。
 ワールドアクションの女性は、「イラクの人たちがやっていることは、テロではない。ブッシュやブレアによって家が壊され人が殺されているんです。これに抵抗するのは当たり前ではないですか」と、イラク人民との連帯を呼びかけた。
 別の用件で国会近くに来たという栃木の年輩の男性も抗議行動に加わり、「このままでは帰れない」「外交官の死を反省するなら、派兵をやめるべきだ。外交官の葬儀の時の小泉の涙は、偽りの涙だ」と怒りをあらわにした。
 この抗議行動の間、義務教育費国庫負担の削減反対で国会行動に来ていた全国の多くの日教組組合員がリレートークに聞き入り、ビラを受け取り、イラク派兵反対の署名に応じた。
 午後4時過ぎから、警察官の数が増え警備が厳しくなった。閣議が強行されようとしている。4時半過ぎ、基本計画が閣議決定されたことが伝えられると、一斉に怒りの声がわき上がった。首相官邸に向かって、怒りのシュプレヒコールがたたきつけられた。
 多くの人民の声を踏みにじって日帝・小泉はイラク侵略戦争参戦を決めた。本当に許せない! 反対運動をさらに大きくして派兵を止めようと、国会前の人びとは悔しさをかみしめ誓い合った。

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週刊『前進』(2131号2面1)(2003/12/22)

国鉄闘争の危機に際して訴える
1047名闘争を守りぬき国労酒田執行部を打ち倒せ
第2の分割・民営化粉砕しよう
 革共同中央労働者組織委員会

 11・9労働者集会は、イラク侵略戦争に始まる世界戦争と全世界で吹き荒れる資本攻勢に対し、日韓米の労働者が国際的に団結して総反撃する闘いの歴史的出発点となった。われわれは、11・9集会を呼びかけた動労千葉、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯関西生コン支部の3労組の闘いを支持し、11・9集会の歴史的勝利の地平をさらに発展させるために奮闘しなければならない。12月9日、日本帝国主義は自衛隊イラク派兵の「基本計画」を閣議決定した。この「外への侵略戦争」と一対をなして、04春闘をめぐり「内への階級戦争」、大資本攻勢が吹き荒れようとしている。ついに新たな階級的激突の時代が到来した。日本階級闘争は戦後最大の転換点を迎えている。この中で、日本労働運動の命運を握り続けてきた国鉄闘争は、国鉄分割・民営化以来の最大の決戦に入ったのである。

 国労解体への最後的攻撃に怒りの反撃を

 11・9労働者集会は国際連帯の金字塔を打ち立てた。この歴史的成功を切り開いたものは、日帝・小泉政権と奥田・日本経団連による「外への侵略戦争と内への階級戦争」の攻撃、とりわけリストラ・首切り、賃下げ、団結破壊、社会保障制度解体の一大攻撃と真っ向から対決する動労千葉、全国金属機械港合同、全日建運輸連帯関西生コン支部の、24時間365日の地をはうような闘いの実践であり、それをつうじて鍛えられた団結であった。
 さらに、日本労働運動の中軸にあって、動と反動の激突の中で不屈に闘い抜かれる1047名国鉄闘争の発展であった。
 帝国主義が延命をかけて戦争と大失業の攻撃へとのめり込む中で、労働者階級が国際的に連帯し、これに立ち向かう壮大な闘いの時代が到来したのである。
 11月29日、イラク北部で2人の日本人外交官がイラク人民の怒りの鉄槌を浴びて死亡した。小泉はこうした事態の中で激しい危機に陥りながらも、帝国主義としての存亡をかけて、自衛隊のイラク派兵に突進している。日帝・小泉は、自衛隊をイラクに送り、米英占領軍の中枢的一角を担うことによってイラク人民虐殺に手を染めようとしているのだ。それは、自衛隊員に死を強いるものでもある。日帝のイラク侵略戦争への突入に対し、日本の労働者階級は世界の労働者と連帯し、総反乱に立ち上がらなければならない。
 他方、日本経団連は04春闘に向けての経営労働政策委員会報告で、あらためて「春闘終焉(しゅうえん)」を宣言した。彼らは今や、定期昇給廃止はもとより、むき出しの賃下げ強行を叫んでいる。
 小泉・奥田らによる「内への階級戦争」とは、どういうものか。奥田ビジョンは、国を森にたとえて、森が崩壊の危機にひんしているから「枝打ちや下草刈りなどの手入れ」を徹底的にやれ、と唱えている。“国=企業の危機を救うために切り捨てるものは切り捨てろ、それが改革だ”と叫んでいるのだ。
 これこそが危機にのたうつ日帝の階級意志である。米帝は、没落の危機の中で戦争を仕掛ける以外に延命の道を失った。奥田ビジョンは、この米帝による対日争闘戦の激化におののきながら、いまだ敗戦帝国主義としての制約を脱却できない日帝の現実に激しい危機感を表明している。そこには、米帝以上の危機にたたき込まれた日帝の姿がまざまざと映し出されている。それは、体制的に成り立たなくなり、「労働者を食わせていけない」ところに陥った日帝ブルジョアジーの断末魔の叫びである。

 イラク参戦と階級情勢一変

 自衛隊のイラク派兵は、階級情勢を一変させずにはおかない。他方、11・9を闘い取った日本の労働者階級は、国際連帯をもってイラク侵略と対決する新たな闘いに踏み出している。
 だからこそ日帝は、この情勢下で国鉄闘争が今も存続していることに耐えきれず、ついに1047名闘争解体、国労・動労千葉解体に向けての最後的とも言うべき決戦を仕掛けてきたのである。それは、全労協、全労連、連合を巻き込んだ労働運動の分岐と再編を激しく促進するものとなる。
 日帝権力は、12月中にもJR採用差別事件の最高裁判決を下そうと策動している。こうした形で国労本部の酒田・吉田やチャレンジ一派、革同一派を恫喝し、他方で第2の国鉄分割・民営化攻撃−JR職場の全面外注化を始めとする大リストラ攻撃を強行して国鉄闘争の絶滅と国労解体に突き進もうとしているのだ。
 国労・酒田執行部は、9月大会で被解雇者である闘争団への統制処分を強行し、さらに書記の配転・首切りを行い、労働組合の死ともいうべき暴挙に手を染めた。そして、目前に迫った最高裁判決の直後には「国鉄闘争終結宣言」を出し、1月31日の国労中央委員会、あるいは2月にも強行されようとしている臨時大会で全闘争団の組合員資格剥奪(はくだつ)などの1047名闘争解体方針を決定し、あわよくば国労を一挙に丸ごと連合に合流させようとしているのだ。
 また、これらの策動がどのように推移しようとも、北海道における脱退に続き、盛岡を先頭にチャレンジ一派の雪崩をうつ国労脱退は不可避である。
 警鐘乱打しなければならないのは、こうした国労自己解体動向の急速な進展は、4党合意反対派も含む国労全体の総崩れに直結しかねない主体の危機としても進行しているということだ。だが、こうした主体の危機が真剣に総括され克服されるならば、国鉄決戦が一直線に絶望と敗北に向かうことには絶対にならない。国鉄闘争の現在の危機の中には、ついに到来したチャンスがまぎれもなくはらまれているからである。

 勝利の突破口開いた動労千葉のスト決起

 その根拠の第一は、11・9を闘い抜いた動労千葉が、習志野電車区廃止阻止、反合・運転保安確立を掲げた12月15日のストライキ決起によって、断固たる戦闘宣言を発したことである。それは、第2の分割・民営化攻撃と真っ向から立ち向かう闘いだ。
 JRが仕掛けている第2の分割・民営化攻撃は、日本経団連・奥田路線をJRにおいて貫徹するものだ。JR東日本の「メンテナンス近代化(第V期)計画」は、基地統廃合や工場機能廃止を始め、すさまじいリストラ・合理化を強行し、鉄道事業のほとんどを外注化する大攻撃である。
 だが、国鉄分割・民営化は、続出する事故、爆発する安全問題に示されるように、すでに完全に破綻(はたん)している。資本にとって、保安設備への投資は利潤を生まない。だから資本は設備や要員の切り捨てを進める。外注化、合理化の結果、下請け労働者に過酷な長時間労働が押しつけられ、技術や安全管理さえもが丸投げにされている。これが民営化が生み出した恐るべき実態なのだ。
 民営化されたイギリス国鉄の破滅的な現実は、その典型だ。鉄道に限らず、安全問題には資本主義・帝国主義の矛盾が集約的に現れる。それは全世界の民営化攻撃の中で暴かれている。
 こうしたどうしようもない危機を抱え、さらにそれを押し広げるだけの第2の分割・民営化攻撃が成り立つのか。労働組合にとって、資本と闘う以外にないことは明らかだ。それは全世界の労働者にとって共通の課題であり、この闘いには国際連帯の洋々たる展望が開かれている。
 動労千葉は、合理化闘争と運転保安闘争を結合して闘ってきた輝かしい伝統を踏まえ、この12月、勝利への展望をもって渾身(こんしん)のストライキに決起したのである。

 国労弾圧粉砕し反転攻勢へ

 第二は、こうした第2の分割・民営化攻撃はあまりにも破綻的だからこそ、資本と権力は国鉄闘争の存在を絶対に容認できず、国鉄1047名闘争の解体に乗り出してきたということだ。だが、ここには敵の矛盾と危機が隠しようもなく露呈している。
 日帝が国策として打ち出した国鉄分割・民営化は、けっして完成してはいない。国鉄闘争は、そもそも分割・民営化反対闘争である。採用差別され90年4月1日に清算事業団から解雇された1047名は、十数年間不屈に闘い続けている。国鉄分割・民営化攻撃は、国鉄労働運動を完膚なきまでに解体しつくす攻撃だった。だが、修善寺大会を経て、国労が4万であっても組織を残し、1047名の解雇撤回闘争として闘いが継続し、動労千葉は確固として生き残った。国鉄分割・民営化の完成は阻まれたのだ。
 国鉄分割・民営化攻撃は日本の全労働者への資本攻勢の先駆けであり、戦後最大の労働運動破壊攻撃だった。1047名闘争の不屈の展開は、国鉄分割・民営化攻撃のとてつもない反動性を暴いている。国鉄闘争を突破口に、資本攻勢への激しい反乱が燃え広がろうとしている。だからこそ国家権力はこれに恐怖して、その中心組合である国労を破壊するために、あらゆる攻撃を仕掛けてきた。
 4党合意は、その頂点をなす攻撃だった。だが闘争団を先頭にした怒りの決起は4党合意を破産させた。
 重要なのは、4党合意を破産に追い込んだ闘いの中で、1047名闘争の本来の方向が確立されつつあることだ。「1047名不当解雇撤回」を掲げた国鉄闘争共闘会議が生まれ、国労闘争団と全動労争議団、動労千葉争議団が加わり、名実ともに1047名陣形の闘いが開始された。このことは、国鉄分割・民営化に決着がつけられるどころか、闘いがますます発展していくことを意味している。これは、日帝権力に対する決定的打撃になった。
 そこから国労5・27臨大闘争弾圧が発動された。国労東京地本のSSコンビ(酒田、芝崎)がその先兵となった。戦前から労働運動・大衆運動弾圧の武器として使われた暴力行為等処罰法が、国労組合員の正当なビラまき活動に適用され、闘争団員を始めとする国労組合員と支援者を逮捕・起訴する大弾圧が加えられたのである。日帝権力は、こうした弾圧による以外、国労を解体する手段を失ったのだ。
 この弾圧との闘いを全労働者の課題として闘うとともに、弾圧の張本人である現執行部の酒田・吉田・芝崎を打倒することこそ、国労の革命的再生を実現する最短コースである。そして、開始された1047名闘争陣形を全力で防衛することだ。国労、全動労、動労千葉が連帯して解雇撤回闘争を闘えば、それは最も強固で最も広大な闘いの基盤になるのである。
 5・27臨大闘争弾圧を打ち砕き、1047名闘争にかちぬくことによってこそ、日帝権力とJR資本の国鉄闘争解体攻撃を根幹で粉砕し、勝利を実現することができるのだ。

 大分裂のJR総連解体せよ

 第三は、国鉄分割・民営化攻撃の破綻は、JR総連カクマルの分裂と崩壊の危機として爆発していることである。
 分割・民営化は、動労カクマルを先兵として強行された。この論功行賞で、JR総連カクマル支配が形成された。だが、ファシストを使ってようやく強行できた分割・民営化は絶対に不正義である。動労千葉を始め国鉄労働者の怒りは激しく深く拡大した。その怒りをテコに、分割・民営化反対闘争としての1047名解雇撤回闘争が継続し続けたと言ってもよい。だからこそ、分割・民営化攻撃の破綻はJR総連カクマルとJR資本の結託体制の破綻として噴出したのである。
 国鉄分割・民営化は、日帝の支配構造の一角にファシストを抱え込むという負の遺産を、権力と資本に負わせた。彼らにとっても、その決着が迫られている。
 日帝権力は、松崎カクマルの切り捨てに乗り出している。それは、JR総連カクマルとカクマル中央派の分裂を生み、さらにJR総連カクマルの内部における松崎派と嶋田派への非和解的分裂を引き起こしている。JR総連カクマルのファシスト労働運動はついに行き詰まり、破産し、崩壊を開始した。国鉄・JR労働運動は、分割・民営化攻撃以来の大流動・大再編情勢に入ったのだ。国鉄闘争は今や、決定的な勝利の条件を手にしている。
 JR総連傘下の心ある組合員は、大分裂し組合員の利害とは無関係な抗争に明け暮れるJR総連から今こそ離反すべきである。

 政治解決路線と決別し国労の真の再生を

 こうして見るならば、日帝権力・JR資本による国鉄闘争解体攻撃、国労・動労千葉解体攻撃との一大決戦は、その客観的条件の中に敗北の要素は存在せず、勝利の条件に満ちていると言いうるのである。
 だからこそ好機をみすみす逃してはならないのだ。求められているのは、国労と闘争団、国鉄闘争支援勢力が確信も固く国労本部打倒に立ち、国労の執行権力を奪取することである。
 そのためには、89年の国労臨時大会で決定された「全面一括解決要求」路線、そこに根ざす「政治解決・和解路線」から脱却し、それに代わる闘う路線を打ち立てることがなんとしても必要なのである。
 国鉄分割・民営化は、国家が総力を挙げて不当労働行為を推進する攻撃だった。JR体制は、この国家的不当労働行為を貫徹するものとして形成された。だから、1047名の解雇撤回・JR復帰の闘いは、JR資本、とりわけJR東日本と闘わなければ勝利できない。この闘いはまた、JR総連カクマルを解体する闘いと一体のものである。
 だが、国労本部の方針は、権力・資本と徹底的に闘って団結を強化し、解雇を撤回させるものではなかった。89年段階で、国労本部は中労委命令すら求めず、JR資本との和解解決を追求した。しかしその思惑が外れ、98年に東京地裁で5・28反動判決が出た後は、彼らは政治解決路線を全面化させた。これはJR本体の闘いと闘争団の闘いを切り離す結果となった。
 とりわけ00年の4党合意以降は、4党合意=政治解決のためと称してJRの大合理化・リストラ攻撃との闘いは一切放棄され、JR本体の闘いはまったく否定されるに至ったのである。
 4党合意の破綻は、政治解決・和解路線の末路を示している。政治解決路線から自らを解き放ち、JR資本と縦横に対決することが必要なのである。
 ところが、こうした時に反対派の一部の諸君は、闘争団闘争をJR資本との闘い・JR本体の闘いから切り離された争議団闘争に一般化しようとしている。それは、国労のみの争議解決を求めて1047名闘争の核心をあいまいにし後景化させ、結果として解決も実現できず、勝利に近づくことさえできないものだ。
 鉄建公団訴訟についても、この闘いが持つ本来の意義は、鉄建公団を相手に90年4月1日の解雇撤回を求める形をとって、実はJR資本との闘いを貫くことにある。それは、1047名闘争をJR本体の闘いと結びつけ、JR内の力関係を変える闘いなのである。そこには政治解決・和解路線が入り込む余地はない。むしろ、鉄建公団訴訟を闘うことをとおして、闘争団が国労を担い、執行部をとる腹構えが必要なのだ。
 自衛隊イラク派兵と有事法制の制定、北朝鮮侵略戦争の切迫という情勢下で、国労に求められていることは、陸・海・空・港湾労組20団体の闘いの中軸に座り、日帝の侵略戦争と対決することだ。反戦闘争の先頭に立ってこそ、国労の真の再生は実現される。
 そして、動労千葉と連帯し、共闘して闘うことである。動労千葉は、闘うことによってしか団結は守れないことを日々の実践で証明してきた。「労働組合は、二者択一を迫られる時があります。分割・民営化の時もそうです。これに賛成するのか、反対するのか。中間の道はありません」(中野洋著『俺たちは鉄路に生きる2』)。こうした中で、動労千葉は断固として闘う道を選択し、それを貫いてきたのである。
 国労組合員とすべての労働者は、今こそ国鉄決戦の勝利へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2131号3面2)(2003/12/22)

東峰神社裁判 東峰部落が全面勝利
 “神社は創建以来、部落の総有”
 空港公団、全主張を認める

 三里塚の東峰神社の立ち木を空港公団が伐採したことの違法性と神社敷地の所有権確認を求めた東峰神社裁判は12月5日、千葉地裁で和解協議が行われ、被告の空港公団が原告の東峰部落の主張をすべて受け入れ、原告側の全面勝利で決着した。
 空港公団は、神社敷地が1953年の神社創建の時から東峰部落の総有的所有関係にあることを認めた。また立ち木が東峰部落のものであることも認め、神社林伐採の非を謝罪した。伐採前日にひそかに表見上の土地所有名義人から公団名義に書き換えた登記簿についても、東峰部落の住民の名義にあらためること(真正な登記名義の回復)を承認した。
 こうして東峰神社裁判は02年4月9日の提訴から1年8カ月で原告・東峰部落の全面勝利をかちとった。
 空港公団は01年6月16日、暫定滑走路の飛行のじゃまになるとして、東峰神社の立ち木を住民の抗議中に伐採し、東峰住民で三里塚反対同盟事務局次長の萩原進さん逮捕の暴挙にまでおよんだ。公団総裁は「神社の土地は公団所有だから伐採は正当」と開き直った。しかし、東峰神社は、東峰部落の産土(うぶすな)神社であり、土地も立ち木も氏子である東峰住民の総有財産である。裁判ではこの事実を法社会学者の現地調査や芝山町の実態調査、各種文献によって明らかにして立証が進められてきた。
 こうした地道な立証によって裁判は終始、原告・東峰部落の全面勝訴の方向で進行してきた。空港公団は、長期にわたる裁判で敗訴が確定するよりも和解決着の方がましだと判断して、和解を申し入れてきたのである。

 黒野の虚偽報告と無償譲渡デマ

 しかし空港公団は全面敗北の事実を隠す虚偽報告やデマ宣伝を展開している。3日付けの読売新聞夕刊は、「空港公団が土地を無償譲渡」とするデマ記事を掲載した。
 また黒野総裁は記者会見で、53年の神社創建時点で総有関係が発生していたことや、今回の名義書き換えは「真正な登記名義の回復」であることなどの和解条項の核心部分を隠して報告している。その一方で「公団が譲歩したから住民も譲歩しろ」などと卑劣なデマ宣伝を企てているのだ。絶対に許せない。
 東峰神社裁判の全面勝利を突破口に、暫定滑走路閉鎖へ突き進もう。

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週刊『前進』(2131号4面1)(2003/12/22)

北海道からの自衛隊イラク派兵阻止せよ 反戦闘争の歴史的正念場だ
 革共同北海道地方委員会から訴える

 12月9日、日帝・小泉政権は自衛隊イラク派兵の基本計画の閣議決定を強行した。ついに日帝が本格的な侵略戦争に突入しようとしているのだ。この重大事態に対して革共同北海道地方委員会は、自衛隊イラク派兵阻止の最先頭に立って闘う重大な決意をもって、すべての労働者人民に訴える。

 基本計画決定許すな

 自衛隊イラク派兵の基本計画閣議決定は戦後史を画する重大攻撃である。政府は、実施計画も年内に策定し、陸海空自衛隊1千人規模の派兵を年明け以降に本格化する方針だ。日帝・小泉政権は、自衛隊派兵反対の労働者人民の圧倒的な声を真っ向から踏みにじって、ついに本格的な侵略戦争に出兵しようとしているのだ。今こそ労働者階級人民の総決起で自衛隊イラク派兵を阻止しなければならない。
 11月29日、イラク北部のティクリットで外務省幹部2人が銃撃を受けて死亡した。これは自衛隊派兵を根本的に揺るがす重大事態となった。一時は政権与党内も動揺した。だが、日帝・小泉は、2人の死を逆に利用し、「犠牲を無駄にするな」と基本計画閣議決定を強行したのだ。
 死亡した2人は、バグダッド陥落直後に米復興人道支援室(ORHA、後の暫定占領当局=CPA)に派遣され、CPAと日本政府のパイプ役を務めていた侵略の先兵だ。奥参事官は「テロリストの好きなままにさせるわけにはいかない」と公言していた。
 事件の翌日、イラク中部のサマラで米軍が住民を攻撃し、イラン人巡礼の高齢者2人を含む8人が虐殺された。米軍は「武装勢力サダム・フェダインとの大規模衝突で46人を殺した」と発表したが、後日これを否定した。戦車の砲撃で幼稚園が被弾し、無差別攻撃で住民が殺され、怒った住民が米軍に反撃したのだ。占領軍への怒りが大衆的に噴出し始めたのだ。侵略軍である米軍は、日々イラクで残虐なイラク人民虐殺を繰り返しているのだ。
 これに対し12月5日、石破防衛庁長官は「自衛隊が行くところ、活動するところが非戦闘地域」と言い、小泉も「自衛隊でも活躍できる分野はある」「派遣は可能だ」と居直った。
 日帝は完全に踏み切っているのだ。侵略帝国主義として登場し、他国の人民を虐殺し、死んだ自衛隊兵士を「英雄」として祭り上げる戦争国家へと転換するために歴史的攻撃に出てきているのだ。労働者人民の怒りの総決起で派兵阻止闘争の巨大な爆発を実現し、日帝・小泉を打倒しよう。

 「侵略戦争を内乱へ」

 米帝のイラク侵略戦争は、イラク・中東の石油や勢力圏を独占的に再編成しようとするものだ。9・11ゲリラ戦闘に示されたイラク・中東人民の侵略と再植民地化に対する闘いを暴力的にたたきつぶし、米帝支配の下に中東を再編しようとするものでもある。しかも、米帝支配の危機を突いて中東への影響力拡大を狙う仏独に対する帝国主義間争闘戦としてこの侵略戦争を強行しているのだ。
 日帝は、派兵の強行によってイラク・中東の石油・勢力圏の再編成に参入するとともに、北朝鮮侵略戦争に向けて戦争のできる帝国主義に飛躍しようとしている。帝国主義としての利益を貫徹するためだけの派兵だ。日帝・小泉はイラク人民を「テロリスト」と呼び、「テロに屈してはならない」とイラク人民大虐殺を叫びたてているのだ。この強盗の論理を絶対に許してはならない。
 陸自は3カ月交替で2年半に10個の部隊を送る。殺し殺されることで実戦部隊化された自衛隊をもって、北朝鮮侵略戦争にも臨もうというのだ。また、派兵に伴い日本国内もその報復の対象になるとして超厳戒体制を敷き、労働者人民への大攻撃を狙っている。
 イラク人民は、軍事占領と植民地化を拒否し、民族解放・革命戦争を発展させている。イラク人民の抵抗の激化によって占領体制は危機に直面している。ブッシュの電撃的な現地訪問もそれを示した。米軍は11月、日に50回という激しい空爆を繰り返す掃討作戦を展開、600人を「容疑者」として拘束した。だが、イラク人民はこうした攻撃に屈することなく、さらに戦闘を激化させている。11月の米軍の死者は、侵攻後最も多い81人に達した。
 今、自衛隊派兵を目前にしてイラク人民の闘いにこたえる日本人民の「連帯し侵略戦争を内乱へ」の闘いが問われている。日本人民の総力をあげた決起で自衛隊イラク派兵をなんとしても阻止しよう。

 侵略の銃をとるな!

 防衛庁は、陸自部隊の現地指揮官を万匠(ばんしょう)第3普通科連隊長(兼名寄駐屯地司令、一等陸佐)に内定した。北部方面隊や陸幕から予備隊員を含めて700人以上を選抜、派遣候補部隊を編成し、射撃などの対テロ訓練を重点に、派遣に備えているという。万匠一佐は「世界の平和と安定のために陸上自衛隊の力が求められる時代に入っている」(同駐屯地報)と豪語している。
 一方で、派兵国の中では人民の反対の声がさらに高まっている。初の戦死者が出たポーランドでは、11月の世論調査で「駐留反対」が前月を10ポイント上回る67%に達した。スペインでは、死亡した情報機関員の死体を踏んで歓声を上げる現地住民の姿が放映されて議論が沸騰、世論調査では8割以上が派兵に反対している。タイ政府は撤退の検討に入り、国防相は駐留軍の規模を縮小する考えを表明した。ドミニカは派兵国で初めて撤退を決めた。
 こうした中で米帝ブッシュは「来年6月予定のイラク暫定政権樹立以前に自衛隊が派遣されることを確信する」と述べ、日帝に早期派兵を迫っているのだ。
 派兵が迫る中で、自衛隊幹部の発言はエスカレートしている。「実戦経験のない隊員が、例えば妊婦姿のテロリストをためらいなく射殺するのは難しい(覚悟が迫られる)」という幹部の発言(北海道新聞)。これは隊員に、妊婦姿でもテロリストに見えれば即射殺する覚悟を迫るものだ。
 だが、別の空自幹部は「国民の理解と支持がないまま、武器使用で相手を死傷させた場合、自衛隊が悪者になる」と発言、北部方面隊の幹部は「イラクの危険性よりも、国民の賛同を得られないことが怖い、脅威だ。仮に現地で死んだら『勝手に行って、勝手に死んだんだろう』と言われるかもしれない」と発言している。ここに自衛隊の弱点がある。日帝は、こうした自衛隊をイラク侵略戦争に派兵し、平然と人民を虐殺できる軍隊・兵士へと転換させようとしているのだ。
 第2混成団(香川県善通寺市)が取材対応用の想定問答集を作成し、「不安はないか」には「特にありません」などと答えるように指導していた。北海道でも「死者が出たと言ってもわれわれは命令に従い、任務をこなすだけ」「思うところはあるが、隊の見解と食い違うことは話せない」という答が多いが、「国民の総意のない中で派遣され、万一何かあれば両親は悲しむだけ」(第2師団の隊員)という声も出ている。
 政府は現地調査団を10回以上派遣したが、報告の詳細は未公表だ。11月25日の衆院予算委員会を隊員とその家族が注目していたが、小泉は「どこが非戦闘地域か、調査団の報告を見極め最終判断する」と答弁した。ペテンを使ってあくまで派兵を強行しようとしている小泉に、隊員・家族の不信感が深まっている。「派遣時期をはっきり言うと思った」「自衛官・家族の不安を分かってほしかった」という家族の怒りは大きい。自衛隊兵士も、今、派兵を拒否しなければ侵略戦争の泥沼の中で自らも死ぬことになるのだ。
 自衛隊兵士諸君! 派兵を拒否せよ。侵略の銃をとるな。銃を向けて倒すべきはイラク人民ではない。自衛隊イラク派兵を強行し、諸君に死を強制しようとしている小泉であり、日帝ブルジョアジーだ。

 労働者の決起を軸に

 今、日本人民、全世界人民の未来がかかった重大局面に直面している。自衛隊派兵を許し、国内に対しては労働者への首切りや福祉切り捨てで人民に死を強制する攻撃を許すのか。それとも派兵阻止闘争の大爆発で小泉政権打倒、日帝打倒への展望を切り開くのか。命運をかけた闘いである。
 労働者階級人民の圧倒的多数が反対していることを闘いで示さなければならない。隊員が2部に通学する大学では、教官や学生が「ひとごとではない」と反対の声を上げ始めた。「バブル崩壊」以降に入隊した隊員は「地元では数少ない公務員の就職口」と勧誘されて入った。派兵命令を拒みたい隊員は、「国民的支持のない戦死」か失職かで揺れている。巨万の人民の決起で自衛隊を包囲し、その闘いの中で派兵命令を拒もうとする隊員を、「軍服を着た労働者」として反戦闘争に獲得し守りぬこう。派兵を拒否する隊員同士の団結で退職強要を拒み、派兵拒否を隊内の大衆的な動きにすることを訴えよう。
 そのためには地域ぐるみの日常的な闘いが求められる。隊員とその家族を隣人に持つ住民は派兵を阻止するための行動方針を求めている。大失業、年金問題や生活保護費の削減など社会保障の切り捨てや増税、ふるさと銀河線廃止など地方の切り捨ては、侵略戦争にのめり込む日帝の人民への犠牲の転嫁である。闘うイラク人民と連帯し、出兵を拒否する隊員とともに、自衛隊派兵を阻止することが人民の生きる道だ。
 派兵第1陣は北部方面隊しかも第2師団(旭川、名寄、留萌など)である。これは国鉄闘争への襲撃にも似た事態だ。国労闘争団はこの地域で階級的労働運動の結集軸を担っている。国鉄分割・民営化攻撃が示すように、侵略戦争と大失業攻撃の根は一つだ。鉄路は戦争遂行の動脈である。だから日帝は国鉄労働運動を解体しなければならなかった。それを打ち破ってきた国鉄闘争の営々たる蓄積が派兵阻止に向かって解き放たれる時、本当に階級的で大衆的な闘いとなりうる。
 11・9労働者集会は、日韓米の労働者の国際連帯で大失業攻撃と闘い、イラク侵略戦争と闘うことを確認した。自衛隊イラク派兵阻止闘争は、世界の労働者階級人民と被抑圧民族人民が注目している。全国の闘う労働者・学生・市民の皆さんに、出兵時、小牧と並ぶ出兵拠点=北海道での現地闘争に総結集することを訴える。北海道地方委員会は、残存カクマルの敵対を粉砕し、全国の最先頭で決起することを決意する。

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週刊『前進』(2131号4面2)(2003/12/22)

東京 教基法改悪阻止へ 反戦共同行動が学習会

 12月7日、東京・中央区の月島区民館で、「止めようイラク派兵/許すな教育基本法改悪/12・7反戦学習集会」が、反戦共同行動委員会の主催で、125人が参加して開かれた。戦争国家への大転換の攻撃に、労働者階級の一大反撃を組織しようという熱気と気迫に満ちて集会はかちとられた。
 午前中、三多摩の労働者は自衛隊の立川基地にイラク派兵中止の申し入れ行動を行った。また多くの労働者学生が有楽町マリオン前で街頭宣伝を行ってから集会に参加した。
 集会は冒頭、主催者を代表して東京反戦共同行動委員会の三角忠代表があいさつし、本日の集会を力にして12月闘争に総決起することを呼びかけた。
 これに続き、労組交流センターの教育労働者が「今なぜ、教基法の改悪か」と題して提起を行った。講師は教基法改悪の狙いを、イラク出兵と北朝鮮侵略戦争のために、他国の人民を殺すことを正義と思える人間を大量につくり出すことにあると指摘した。そして教基法改悪阻止闘争と反戦闘争を一体的に闘う中で、文科省とのパートナー路線を走る日教組中央を大きく揺り動かし、“闘う日教組”の階級的再生をかちとろうと訴えた。さらに「教基法改悪反対12・23全国集会」(12時半開演、東京・日比谷公会堂、主催・実行委)への参加を呼びかけた。
 質疑の中で、石原の大反動攻撃と闘う東京都の教育労働者から闘いの報告があり、問題の分析と理解が一層深まった。
 この後、コソボ、イラクでの米軍の劣化ウラン弾使用の実態を描いたビデオ「見えざる戦争」が上映された。イラクの子どもたちに広がるガンや白血病などの放射能被害の映像を見て誰もが、この残虐な帝国主義への怒りを新たにした。
 反戦自衛官・小多基実夫さんが「動揺している自衛隊兵士に積極的に働きかけよう」と呼びかけた。さらに、多くの団体が決意表明し、集会をかちとった。

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週刊『前進』(2131号4面3)(2003/12/22)

京都 自民党に弾劾行動 反戦団体の学生ら

 11月29日、小泉政権がイラク人民・ムスリム人民の占領軍に対するゲリラ戦への憎しみをむきだしにして自衛隊のイラク出兵を強行しようとする中、京都では学生を中心とする反戦団体アクト・アンド・ユナイトが自民党京都府連に対して派兵反対の声明を要求する行動を行った。
 自民党京都府連局長・吉本は「自民党・公明党に自衛隊のイラク出兵即時中止を求めます!」と書かれた大横断幕を見て、いきなり「横断幕を下げろ」「全員外に出ろ」「来ても対応しないと電話で言ったはずだ」と怒鳴り始めた。学生が「派兵は重大問題なのに話も聞かずに強行するのはおかしい」と抗議する。吉本はこう言った。「イラクに行くのは戦争ではない、人道支援や」。これに対し学生は口々に「『人道支援』などと言いながらイラク民衆の声を聞かないのはおかしい」と問い詰めた。
 さらに学生が「自衛官がイラク民衆を殺したり、自衛官がイラクで死んだ場合、自民党はどう責任をとるのか」と質問した。それに対して吉本が「そんなもん、あとでうまいことやりよるわ」と返答した。これに対して参加した学生はあきれかえると同時に怒り爆発。「ふざけるな」「なんで声を聞かない。僕らには意見を言う権利がないのか」と弾劾。そして自民党が連絡した京都府警が乱入、吉本が学生を無理やり排除しようとし、もみあいになる。最後、ドア越しに要請文とアピール文を受け取るようやりあう。吉本は「受け取るも受け取らないもこっちの勝手や」と一度受け取ったアピール文を目の前で地面に落としたが、学生に激しく弾劾され、結局受け取った。
 行動後の総括集会では、すべての参加者から「あんなやつらによって勝手に出兵が強行されることがどうして許せるか」「話を聞こうともせず警察で排除する対応が許せない」と怒りにあふれた感想が出された。
 ただちに12月出兵絶対阻止の大決戦に立とう。

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週刊『前進』(2131号4面4)(2003/12/22)

福岡 切々と戦争体験者 築城基地に申し入れ

 12月2日、アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会(青柳行信代表)、とめよう戦争への道!百万人署名運動福岡県連絡会、地元築城の平和といのちをみつめる会など10団体で、航空自衛隊西部方面隊築城基地に対して自衛隊のイラク派兵の中止を求める申し入れ行動を行った。
 築城基地に対して京築住民の会、平和といのちをみつめる会は、毎月2日には基地ゲート前で座り込み行動を続けている。1989年4月2日、築城基地へのF15戦闘機配備反対の人間の鎖行動以来、雨の日も、風の日も、正月も座り込んでいる。地元の人だけでなく、周辺の町、北九州、大分、筑豊などからも座り込みに来る。国労日豊班の松崎さんや羽広さん、北九州労組交流センターの仲間も参加してきた。
 この日12月2日も、福岡から申し入れ行動に来た仲間とともに朝10時から座り込んだ。住民の会事務局長の「イラクでついに日本人が殺されるという情勢の中、絶対自衛隊をイラクに行かせてはならない」というあいさつから座り込みは開始され、次々とアピールがされる。申し入れの時間、11時半になった。
 あらかじめ申し込んだ12人が基地内に入って、申し入れをした。基地内の小部屋に入り、若い係官が対応した。最初に、百万人署名運動が「行くな。殺すな。死ぬな」と訴え、7631筆の署名を手渡した。そして次から次へと訴えた。戦争体験者の切々たる訴えに係官は神妙な顔でうなだれた。最後に、仏教徒非戦の会・福岡を代表して郡島恒昭さん、10団体連名の申し入れ文を平和といのちをみつめる会の渡辺ひろ子さんが読み上げ手渡した。
 ゲート前で待機していた仲間たちと合流。中での様子を報告し、「ありったけの思いをぜーんぶしっかり言ってきた。さすがにこれまでの申し入れと違って真剣に聞いていた。すっきりした」という感想が出された。(投稿/沢野佳代)

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週刊『前進』(2131号5面2)(2003/12/22)

水嶋同志を奪還

 88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘デッチあげ裁判被告、無実の水嶋秀樹同志がついに保釈をかちとり、闘う人民のもとに奪還された。11日夕刻、水嶋同志は3年ぶりに東京拘置所を元気に出獄した。重大な勝利だ。12月19日(金)の最終弁論に大結集し、懲役15年求刑攻撃を粉砕し、無罪戦取へ闘おう。

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