ZENSHIN 2003/02/17(No2089 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(2089号1面1)

 石油のための虐殺戦争反対

 2・16横須賀−2・23日比谷野音大デモへ

 石波発言(「燃料注入なら先制攻撃可能」)徹底弾劾し 有事立法絶対阻止へ総決起を

 2・15国労中央委決戦に立とう

 5日、米国務長官パウエルは国連安保理事会で演説し、「イラクの査察妨害、兵器隠しの証拠」なるものを提出し、「イラクは武装解除していない。重大な国連決議違反を行っている」と決めつけた。パウエルは、どんなに探しても「大量破壊兵器」が見つからないのは「イラクが隠しているからだ」と開き直り、「査察はいくら長期間やっても無駄だ」と言って、2月中下旬〜3月上旬にも武力攻撃に踏み切ろうとしている。今こそ「石油のための虐殺戦争反対!」と声を大にして叫び、体を張ってイラク開戦阻止に立ち上がろう。日本で、全世界で反戦闘争を巻き起こし、帝国主義を根底から揺るがす大闘争を爆発させよう。

 第1章 2・14明治公園大集会 文化人・20労組などが呼びかけ

 91年湾岸戦争以降、90年代をとおしてイラクは米帝による空爆と破壊、経済制裁でライフラインを破壊され工業生産力をそがれてきた。さらに、繰り返し国連の査察を受けてきた。「大量破壊兵器をイラクが隠し持っている」という米帝の主張はまったくのデッチあげであり、口実だ。このことは、元国連査察官スコット・リッター氏らの証言によっても完全に明らかだ。にもかかわらず、米帝はイラクの石油資源の略奪のために、なりふり構わず開戦を強行しようとしている。
 米帝はイギリス軍4万を加え、18万〜25万人の兵力でイラク攻撃を開始しようとしている。最初の48時間で、湾岸戦争時の10倍に当たる3千発の精密誘導爆弾・ミサイルを撃ち込み、地上軍を侵攻させて、フセイン政権を短期間で打倒すると公言している。
 独立国家を、このようなデッチあげの一方的なへ理屈で攻撃し、政権を暴力的に転覆するなどということが許されていいのか! 米軍が攻撃を始めた途端に数万、数十万人ものイラクの兵士と人民が、無数の子どもたちや高齢者が虐殺されるのだ。
 こんな帝国主義の暴虐がまかりとおっていいのか! 断じて否だ! イラクの人民は「人類に挑戦するようなアメリカに、私たちはけっして屈服しない」と叫んで必死の抵抗闘争に立ち上がっている。
 開戦前の闘いが決定的に重要だ。欧州、アメリカで大規模な2・15国際反戦行動が計画され、ANSWERは13〜21日の国際反戦連帯行動を呼びかけている。この闘いの一環として、全国で2月開戦阻止の闘いに立ち上がろう。

 第2章 大量破壊兵器を口実に石油強奪狙う米帝

 これは一体、なんのための戦争なのか。戦争の真の原因は、イラクの「大量破壊兵器」なのではない。それは、まったくの口実だ。アメリカ帝国主義は、埋蔵量世界第2位のイラクの石油資源を略奪し、再分割・再支配するために、侵略戦争を強行しようとしているのだ。「米主導によるフセイン政権転覆は、ロシア、フランス、その他の国とイラクとの石油取引を断ち切り、アメリカの石油会社の幸運を開くだろう」とワシントン・ポスト(昨年9月15日付)は報じているではないか。
 石油は帝国主義の世界支配にとって最重要の戦略的物資である。イラクの石油資源をめぐってフランスやロシア、さらに中国も加わって、すさまじい略奪戦、争闘戦が展開され、米帝は軍事力でイラク石油を略奪、再支配しようとしているのである。中東石油に圧倒的に依存する日帝もまた、イラク―中東の石油利権の確保のために必死に参戦しようとしている。まさに石油の再分割・再支配のための人民大虐殺が、この戦争の本質なのだ。
 米帝が抱える矛盾と危機は大変なものだ。世界支配の危機と、国内階級支配の破綻(はたん)が同時的・一体的に進行している。一昨年の9・11反米ゲリラ戦は米帝の崩壊と打倒の引き金を引いたのだ。
 だからこそ、米帝は、今持っている軍事的・経済的・政治的優位性をむき出しに行使して侵略戦争を強行し、石油支配、中東支配の拠点を侵略し占領しようとしているのだ。
 米帝は果てしない世界戦争計画の泥沼にのめり込んでいる。「イラクの次は北朝鮮」と狙いを定めて、「核開発」問題などを口実に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)侵略戦争の策動を強めている。
 国防長官ラムズフェルドは5日、「北朝鮮はすでに1〜2発の核爆弾を持っている。さらに短期間に6〜8発を製造するおそれがある」と議会でデッチあげ証言を行った。そして、「極東地域でのアメリカ軍の備えを固める」「抑止と防衛の力を北朝鮮に示す」と述べ、極東に展開する米軍事力の増強方針を表明した。
 また国務副長官アーミテージは、「イラク・極東での2正面作戦を可能とする」ための兵力増強を検討していると述べた。B1、B52爆撃機24機のグアム島配備、空母機動部隊の極東展開、韓国・日本の米空軍の増強を狙っている。
 イラク攻撃と連動した北朝鮮侵略戦争の策動を絶対に許さず、粉砕しよう!

 第3章 北朝鮮へ先制攻撃を加えるための有事法

 日帝・小泉は、世界戦争と大恐慌の時代、帝国主義間争闘戦の激化の中で、米帝ブッシュの世界戦争戦略、イラク・北朝鮮侵略戦争に全面協力し、積極的に参戦しようとしている。
 パウエルが国連安保理で発言するや、小泉は直ちに国会で「イラクの疑惑は一層深まった」と言い放った。そして、「アメリカの同盟国として責任ある対応をしていく」と言い、国連決議なしに米帝が攻撃に踏み切る場合にも全面協力する立場をはっきりさせた。
 すでに日帝は12月にイージス艦を派兵し、イラク侵略戦争参戦に踏み切った。イラク空爆作戦には沖縄の米空軍部隊も参加する。「日本は米英に次ぐ3番目の敵国だ」とイラクの副大統領から糾弾されようとも、日帝は参戦の道を突っ走っている。
 このイラク開戦情勢のもとで、日帝は有事立法の成立を全力で狙っている。小泉は施政方針演説で「今国会での成立を期す」と明言し、国会会期を延長してでも、また強行採決をしてでも成立させる反動的決意を述べている。
 1月24日衆院予算委で防衛庁長官・石破は、「北朝鮮がミサイルに燃料を注入し始めたら、日本は北朝鮮のミサイル基地を攻撃できる」と公言した。
 これこそ有事立法の本質である。有事立法の「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」規定とは、日帝が北朝鮮・中国への先制攻撃、侵略戦争に突入していくものであり、そのための国家総動員体制づくりである。石破は、北朝鮮の基地を先制攻撃することは「自衛の範囲」だとも述べた。帝国主義者は、歴史的にいつでも、このような「自衛」の口実をもって侵略戦争に突入していったではないか。
 さらに自民党は、「武器輸出制限を緩和して国際競争力のある軍事産業を育成する」「9条を改憲して自衛隊を軍隊と位置づけ、PKOや米軍事行動に積極的に参加する」などの提言をまとめた(5日、党国防部会)。今や日帝の対イラク参戦、北朝鮮侵略戦争突入へ、戦後史が大転換しつつあるのだ。
 イラク反戦闘争の爆発のまっただ中で、有事立法阻止決戦の大闘争化をかちとろう。署名運動、学習会、集会・デモを繰り広げよう。陸・海・空・港湾労組20団体を始めとする労働者階級の統一戦線を巨大に、広範に発展させ、有事立法を絶対に阻止しよう。
 今、全世界の労働者階級人民は、9・11の衝撃のもとで、侵略戦争に反対する闘いと、一大資本攻勢と対決する闘いとを一個二重の闘いとして決起しつつある。帝国主義打倒を核心に据えた国際的内乱の炎が、全世界に燃え広がっている。この闘いをとことん推し進めよう。
 2・14明治公園集会(3面参照)に総結集しよう。さらに2・16横須賀闘争(反戦共同行動委主催)に決起しよう。米軍兵士、自衛隊兵士に「出兵拒否」を呼びかけよう。そして全国から2・23首都に総結集し、「イラク開戦絶対阻止」の怒りのデモにうって出よう。東京の街をイラク反戦一色で塗りつぶせ。

 第4章 国労臨大弾圧粉砕し03春闘爆発かちとれ

 さらに、生活破壊・戦争動員・治安弾圧と闘う03春闘の爆発をかちとろう。
 春闘を前にして日本経団連が打ち出した「経労委報告」や「奥田ビジョン」は、春闘の破壊、労働運動解体をとおして、労働者階級に対する搾取・収奪を極限的に強めようとする攻撃である。アメリカ型の企業経営をモデルとし、それに転換することで、大恐慌時代にも莫大な利益をあげようとしている。
 そもそもアメリカでは極端な所得格差が進行し(上位1%の資産が下位95%の人民の資産を合わせたものに等しい)、4千万人以上が医療保険にも入れず、貧困にあえいでいる(国連および政府統計)。激しいリストラ=雇用破壊と賃下げ攻撃の中で、アメリカの労働者階級は「闘わなければ生きられない」と、反転攻勢に立ち上がっている。
 日帝ブルジョアジーがめざしている奥田ビジョンなどは、大失業の圧力で労働者階級の賃金を半減させ、奴隷的労働による搾取を強化し、労働者階級を絶対的貧困にたたき込む攻撃だ。日帝は、搾取の激しさを米帝や他帝国主義と競うことによってしか、延命することができないのだ。それが「国際競争力」の正体だ。
 電機大手8社の昨年10―12月期の決算を見よ。前年同期と比べて売上高は横ばいなのに、全社が「業績改善」した。日立は1000億円の赤字から13億円の黒字に劇的に転換した。この大部分は「リストラ・賃下げ、部品の調達コスト下げ」によって搾り出したものである。要するに、これまで賃金として労働者に回していた分から、新たに1000億円以上を奪い取ったということだ。
 このように日帝・資本家階級は、世界大恐慌―大不況のもとで、利潤の低下にあえぎ、労働者階級に対する搾取・収奪を極限まで強めることで生き延びていこうとしている。
 連合中央は、労働者の敵だ。日帝・資本の先兵だ。連合・笹森らの言うことに従っていたら、どんどん搾取が強められ、首を切られ、賃金は半減し、挙げ句の果てには侵略戦争に動員されてしまうのだ。
 ベア要求放棄、有事立法賛成の連合中央を弾劾・打倒し、03春闘の戦闘的爆発をかちとろう。
 国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の運動を全国・全産別に押し広げよう。この運動は、春闘破壊と対決し、国鉄1047名闘争の勝利と、労働運動の戦闘的再生をかちとるきわめて重要な運動だ。そして、春闘攻防や資本との日常的対決を、動労千葉の闘いに学び、指針として闘いぬこう。

 第5章 統一地方選の勝利へ全党全人民の決起を

 4月統一地方選は、イラク開戦と有事立法攻撃、大失業、大増税、福祉破壊と対決し、労働者・住民の生活と権利の防衛をかけた最大の決戦である。〈反戦と介護〉を2本柱に労働者と住民の中に分け入り、オルグし、自己解放的な大衆決起をともにつくりだそう。選挙戦になんとしても勝利し、社・共に代わる、闘う労働者党への前進をかちとろう。
 杉並3候補を始めとする闘う候補の全員当選のために、この2〜3月、全党・全人民の根底的決起を実現しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2089号1面2)

 国労弾圧初公判 被告が堂々と意見陳述

 労働運動再生へ闘いの火ぶた

 2・13第2回公判に大結集を

 「真実をねじ曲げて私たちの正当な組合活動に介入し、不当な弾圧を行ってきた国家権力・警察を徹底的に弾劾します」。闘争団員の被告の力強い声が法廷に響いた。
 2月3日、東京地裁で開かれた国労5・27臨大闘争弾圧の第1回公判は、労働運動の根底的再生に向けて、歴史的な一歩を踏み出す場となった。(2面に関連記事)
 開廷後、裁判長が人定質問をした。職業を尋ねられた闘争団員の被告は、「国鉄分割・民営化で不採用となり争っている」ときっぱりと返答した。「要するに定職はないということか」と聞き返す裁判長に、被告は「物販活動は定職だ」とすかさず反論、強権的に審理を進めようとしていた裁判長の気勢をそいだ。
 検察官に起訴状朗読を促す裁判長を制し、弁護団が大法廷の使用を求める意見を述べた。続いて被告も発言。「九州や関西から多くの人が身銭を切って来ているのに、法廷に入れないのはどういうことか」「それが公正な裁判か」
 弁護団は、被告を威圧する重戒護体制を改めるよう要求した。被告も「無実を主張し立証する立場で裁判に臨んでいる私たちが逃亡したり暴行を振るうわけがない。この戒護がどうして必要なのか」と弾劾した。
 検察官が起訴状を読み上げた。これに対して、弁護団が鋭い求釈明を繰り出した。返答に窮した検察官は「立証段階で明らかにする」と居直った。
 休廷をはさんで、3人の被告が意見陳述に立った。
 法廷には、組合員を権力に売り渡した国労東京地本の役員4人が潜り込んでいた。最初に意見陳述に立った九州闘争団の被告は、怒りを抑えて「傍聴に本部役員も見えているようなので、しっかり意見を述べたい」と皮肉を込めて切り出した。反動役員は身をすくめた。弾圧に屈せず正義の闘いを貫く者と、権力の手先に成り下がった裏切り者との鮮明な対比が浮き彫りになった。

 私たちは無実 人生かけ闘う

 闘争団員の被告は、国鉄分割・民営化以来、4党合意以来の攻防を全面的に総括しつつ、次のように語った。「首切り以来16年間、私はただただ『自分は何も悪いことはしていない。国家による不当労働行為を認めさせ、絶対に原職復帰をかちとるぞ』という一念で頑張ってきたのです」「国労本部が5月27日に臨時大会を開いて、闘争団やこれに同調する者の除名処分を決めることを知った時、黙っていることなど絶対にできませんでした。闘いの一切をかけて説得とビラまきに行ったのです」「私は無実です。また他の7名の被告も無実です。私たちが暴行を加えた事実はまったくありません」
 逮捕以来4カ月ぶりに被告と顔を合わせた家族たちは、陳述に胸を打たれ、流れ落ちる涙をぬぐった。
 続いて近畿地本組合員の被告が意見陳述した。彼は不当配属と闘いぬいてきた自己史を語り、不当逮捕を次のように弾劾した。「警視庁公安部は、第70回定期大会の代議員選挙の告示日である10月7日に全国一斉の逮捕を強行してきました。ここに今回の弾圧の狙いが示されています。私はこの全国大会の代議員に立候補しようと決意していましたが、獄中から立候補届を出すことを余儀なくされました」「必ずこの不当きわまりない刑事弾圧を粉砕し、無罪判決をかちとって勝利します」
 もう一人の近畿地本組合員の被告は、鉄産労の組織分裂との闘い、不当配属攻撃との激しい闘いを振り返りながら、「今回不当な弾圧を受け、仲間を権力に売り渡すという国労中央の裏切りに直面しましたが、闘う路線を持ち、仲間を売らないという国労の原則にますます確信を持ち、誇りを持つものです。私は、闘う国鉄労働運動の再生と闘う国労の再生のために、今回の不当な刑事弾圧と人生をかけて闘います」ときっぱりと宣言した。
 被告の意見陳述は裁判官・検察官を圧倒した。正義が誰にあるのかは明らかだ。不屈に闘う被告を支え無罪戦取へ闘おう。2・13第2回公判に結集しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2089号2面1)

 反弾圧陣形を広げ2・15国労中央委へ

 権力に依存して延命図る本部執行部を打倒しよう

 政治解決=国労解体路線粉砕を

 2・15国労第173回拡大中央委員会は、国労の存亡をかけた決戦となった。国労本部は、4党合意破綻(はたん)にもかかわらず、完全に国家権力の懐に飛び込み、機動隊の重包囲下で中央委を開催しようとしている。「ILO勧告に基づく公正な解決」という方針を掲げながら、あくまでも「政治解決路線」にしがみつき、闘争団を切り捨て、国労解体−JR連合への合流に突き進もうとしているのだ。国労5・27臨大闘争弾圧の2・3初公判闘争は、被告の組合員を先頭に大衆的高揚をかちとった。この闘いは、組合員を売り渡した国労本部、東京地本執行部らの不正義を暴く闘いでもある。2・13第2回公判から2・15中央委闘争に攻め上ろう。

 裁判闘争破壊狙う国労本部

 2・15国労中央委は、国労5・27臨大闘争弾圧を粉砕する闘いと一体の大決戦である。
 国家権力は、5・27臨大闘争弾圧によって国労解体攻撃を押し貫こうとしている。国労本部もまた、この国家権力に依存し、弾圧に加担して延命しようとしている。そのことをはっきりと示したのが、2・3初公判に東京地本の執行部や地本内の専従役員ら20人余が傍聴に現れたことだ。
 国労本部は昨年11月11日に出した「指示」で、「この事件の核心は、中核派の活動家が国労組合員に暴力をふるったという事実にある」と、権力の筋書きどおりの言辞を吐いて、「国鉄労働組合の運動とは無関係」と言い放った。
 「国労とは無関係」と言う裁判にのこのこと現れたのは、明らかに国家権力の指示による。傍聴席を奪い、裁判闘争を破壊するためだ。また、検察側の「証人」は、「被害届」を提出した国労の機関役員らのみだ。彼らはこのことにおののきながらも、権力の側に立って、被告の組合員たちを有罪にしようとしているのだ。断じて許せない。
 だが、これは権力と国労本部・東京地本執行部などの墓穴を掘るものとなる。毎回の公判の場が、国家権力の弾圧の不当性を暴くとともに、裏切り者どもと不屈に闘う国労組合員らのどちらに正義があるのかを大衆的に明らかにする場になるからだ。
 闘う国労組合員は、次回2月13日の公判に総決起し、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の呼びかけにこたえて、賛同人を国労組合員の中に圧倒的に拡大しよう。これが2・15中央委に向けての第一の課題である。

 闘争終結・JR連合合流阻め

 第二の課題は、今次中央委で国労本部、チャレンジ一派、反動革同、酒田一派らによる闘争団切り捨て、国労解体策動と徹底対決し、高嶋−寺内執行部打倒へ総決起することである。
 国労本部は中央委の前日に、「ILO連絡会」主催の集会を開催し、「ILO勧告に基づく公正な解決を求める」なる方針で組合員と支援をあざむきながら、4党合意破綻の責任を隠ぺいし、延命を図ろうとしている(最近では、“社民党ではなく民主党を窓口にしてやる”と言っているらしい)。この方針を主導しているのが反動革同であり、これと結託して推進しているのが酒田一派である。
 その上で彼らが中央委で狙っていることは、闘争団員の除名に向かって、彼らが「中心人物」とみなした闘争団員の権利停止を強行することだ。「政治解決路線」をとる限り、それ以外にないのだ。
 他方で、チャレンジ一派は、昨年11月の定期大会で突如提案され「次期大会まで職場討議に付す」とされた「ストライキ基金の取り崩し」=エリア基金などへの運用の方針に基づいて、国労の財産をぶんどり、国労の単一体の解体―解散、JR連合合流に向かって突き進んでいる。
 こうした中で四国エリア本部のチャレンジは、1月12日の全分会長会議で許しがたい方針を打ち出した。
 それは、「16年前の『感情』を払拭(ふっしょく)し、新しい出発をしていこう」と、国鉄闘争と国労の全面的清算をたくらむものだ。
 @「JR各社の経営基盤・労務施策の上に立って、各エリアごとにJR各社との対応を図る」
 A「組織形態について、『単一体でなければ団結が保てない』とか『連合体にしなければJR各社に対応できない』などの形式論は意味がない。……問題はどのような運動を目指すか」
 B「採用問題は、主要な闘争課題から『支援』の形に切り替え、主要な闘争課題を『JRの労働条件改善』とし、残された闘争団員は、本部直結・直轄組合員とし、600名については組織が責任をもって収拾を図る」
 C「全労協の運動と決別し脱退する」
 D「組織体系・名称変更等の議論を国労全体のものとすべき」
 これらは明らかに、国鉄闘争を終結させ、すべての闘争団員の「収拾」=切り捨てを図るものだ。そして、会社=エリアごとの要求の名のもとに、それぞれの合理化攻撃を全面的に受け入れる、そのために組織体系・名称変更=国労解体を図るというものだ。
 このようなチャレンジの方針を、エリア本部という機関が正式に打ち出したことの重大性を断じて軽視してはならない。
 今や国労は危急存亡の危機にある。自壊過程に入っていると言って過言ではない。この認識を、とりわけ反対派がとことんはっきりさせ、なんとしても国労の旗を守るために立ち上がらなければならない。

 資本・カクマル結託と闘おう

 そのためには、この間、繰り返し訴えてきたように、反対派の中にある「政治解決」の幻想を完全に断ち切り、特に東日本のJR資本・カクマル結託体制との闘いを軸に解雇撤回闘争を闘いぬく路線を確立することが求められている。
 JR資本の攻撃は、メンテナンス合理化に始まり、駅・営業の外注化など、国労組織を壊滅させることをも狙いとしている。「早期退職制度の見直し」で50歳以上を追い出そうとしている。国労東日本エリア本部は、これらをすべてのもうとしている。
 確かに攻撃は厳しいが、敵の側にも矛盾はある。JR東労組カクマルが松崎グループと新潟グループに分裂し、東労組カクマル支配が崩壊過程に入った。
 チャレンジ一派らは、この時に、カクマルより自分たちの方が資本にとって役に立つから、労務政策を転換してくれという路線だ。
 そうではなくて、今こそJR本体と闘争団が一体となってJR資本・カクマル結託体制と徹底的に闘うことを軸に解雇撤回闘争を闘うべきなのだ。その決定的なチャンスが訪れている。
 2・15中央委闘争に総決起し、今こそ国労再生をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2089号2面2)

 “政治弾圧の追認許さず”

 公判闘争報告集会 無罪戦取へ大きな確信

 2月3日午後6時半、シニアワーク東京で「国労5・27臨大闘争弾圧を許すな! 2・3公判闘争報告集会」が開かれた。この日の公判闘争を闘いぬいた被告の家族を始め、国労組合員や支援の労働者などが続々と結集した。その数は250人を超えた。
 会場には、この弾圧をなんとしても粉砕するという熱い思いがみなぎった。集会は参加者の決意をさらに強め、闘いへの確信を深めさせるものだった。
 主催者の「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」を代表して、呼びかけ発起人の宮島尚史弁護士があいさつした。宮島さんは、「3人の被告の意見陳述は見事だった」と公判を傍聴した感想を述べ、「暴力行為等処罰法を徹底的に打ち破って無罪獲得を」と訴えた。
 同じく呼びかけ発起人の山口孝明治大学名誉教授が、この日行われた国鉄闘争に連帯する会の呼びかけ人会議で、「弾圧は国労とは関係ない」と言い放つ寺内国労本部書記長を追及したと報告。「私は国労本部中執を辞めさせたいが、なかなか辞めない。皆さんが頑張らねばならない」と呼びかけた。

 ゛陳述聞き今後も頑張れる゛

 大きな拍手の中、被告の家族が登壇した。法廷で意気高く闘いぬく夫や父親たちの姿を目にした家族たちは皆、弾圧を必ず打ち破ることができるという確信に満ちていた。「3人があれだけすばらしい陳述をした。法廷で心に響く言葉を聞いて、これからも頑張れると感じています」という家族の言葉は、すべての参加者に闘いへの自信と展望を与えた。
 許さない会の呼びかけ発起人で弁護団長の佐藤昭夫さんがあいさつした。佐藤さんは、「この裁判は政治弾圧だ。組合内部の問題になぜ警察が介入するのか。大勢の人が傍聴を希望しているのに、裁判所はそれを締め出して実質的な密室裁判をする。裁判所も予断と偏見を抱いて政治弾圧を追認している。団結権、思想信条の自由、法のもとの平等をことごとく踏みにじる弾圧を許さない」と権力を弾劾した。
 さらに、「弾圧を起こさせたのは国労本部。警察に証拠を提出したのは東京地本の鈴木勉と本部の田中浅雄だ。これは開示証拠ではっきりしている。本部は闘争を投げ捨てたいから4党合意に乗っかった。方針の誤りがはっきりしているのに、なぜ彼らは反省しないのか」と語気を強めた。
 弁護団が紹介され、一瀬敬一郎主任弁護人が、「外部の勢力が国労大会をつぶしに来たという検察の論拠は、事実と証拠で粉砕できる。この裁判は労働運動の正義性が争われる。力を持った正義を実現できれば、無罪をかちとれる」と力強く宣言した。

 春闘の突破口を開く闘いに

 中野洋動労千葉前委員長が問題提起をし、「日本の労働運動の命運を決する歴史的闘いが、今日をもって始まった。今日は、これからのわれわれの闘い方次第では歴史に刻印される日になる」と話を切りだした。
 そして、国鉄闘争が日本の労働者の行く末を決する位置にあることを強調して、「弾圧粉砕と鉄建公団訴訟の二つに国鉄闘争の未来がある。弾圧にひるんだりセクト的に対応するのではなく、権力と本当に対決しようと国労闘争団の仲間に訴えかけることが重要だ」「国鉄闘争はJR復帰を求める闘い。ならばJR資本と闘わなければならない。闘う闘争団の中にもある政治解決路線を徹底的に総括すべき」と力説した。
 また、理不尽な弾圧が吹き荒れる今日の時代をきちんと認識し、戦後的な労働者支配のあり方を根底から覆そうとする敵の攻撃をしっかりと見据え、戦争と生活破壊の攻撃が激しく労働者を襲っている中で、許さない会を拡大して03春闘を全力で闘おうと訴えた。
 続いて、闘う国労組合員が、公判闘争破壊のために裁判所に現れた東京地本一部役員を語気鋭く弾劾した。「『外部勢力の破壊行為だから国労とは関係ない』と言い放っていた役員が、なぜ傍聴に来たのか。権力の指示どおりに動く連中が、どの面(つら)を下げて被告の前に現れたのか。公判闘争に引きずり出されてきた彼らに、徹底的に反撃する」と言い切った。
 東京の闘う労働者が、2−3月の春闘過程で許さない会の各地域組織を必ず立ち上げるという固い決意を表明した。
 許さない会の事務局を代表して、山川博康さんが会の発足以来の経過を報告し、「闘いは始まったばかり。ここから継続して闘っていく。許さない会の賛同人が毎回の公判で増えていく形にしたい」と参加者の奮起を促した。

 200人余が傍聴求め並ぶ

 午前8時20分、国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会の呼びかけにこたえ、東京地裁前に50人の労働者が結集した。被告の即時釈放を訴えるビラが道行く人に手渡される。遠く九州から上京した闘争団被告の家族・友人は、国労本部にほど近い新橋駅駅頭でのビラまき行動に決起した。
 午前10時、許さない会は弁護士会館で公判に向けての集会をもった。本州と九州の2人の闘争団員が「私たちの闘いに対する弾圧だと受け止めている。今の本部は自民党に乗っ取られた敵の手先だ。腐敗した本部は打倒されなければならない」「獄中の仲間は、私たちを排除することに反対して立ち上がった。全国に運動を広げよう」と訴えた。
 被告の家族は、夫や父親の釈放を求めて東京地裁への要請行動に立ち、地裁所長にあてた申入書を手渡した。
 正午から、日比谷公園霞門から東京地裁前を通り日比谷公園に戻る地裁包囲デモが180人で闘われた。弾圧を弾劾し、被告を激励するシュプレヒコールが東京地裁を直撃した。

 権力の手先に無言の怒り

 デモを終え、地裁の傍聴券配布所に駆けつけた人びとは、そこで断じて許せない光景に出くわした。組合員を権力に売り渡した国労東京地本の阿部、鈴木勉、東日本エリアの山根ら二十数人が、すでにそこに並んでいるではないか!
 反弾圧闘争のうなりを上げた発展におびえる反動派は、警察にそそのかされて公判闘争破壊のために現れたのだ。権力は、弾圧を押し貫くために、反動革同やチャレンジを深々とその懐に引き込んだ。彼らは、権力の手先としての正体を白日のもとにさらけ出した。
 集まった人びとは、怒りに燃えて彼らをにらんだ。裁判所職員があわてて割り込み、彼らを防衛した。
 傍聴希望者は202人に膨れ上がった。にもかかわらず地裁は大法廷の使用をかたくなに認めない。傍聴席はわずか38。午後1時、集まった人びとは入廷する家族を拍手で送り出した。
 公判の成り行きを気にかける人びとは、傍聴から締め出されてもその場を立ち去り難く、公判廷のある4階の廊下に向かった。傍聴者控え室から廊下にかけて120人以上の人が抗議の意志を込めて座り込んだ。無言の怒りにおされ、裁判所も手出しができない。
 傍聴者控え室にも東京地本の反動派が潜り込んでいた。闘う国労組合員が「組合員を売るのは労働組合のすることなのか」と、こみ上げる怒りを抑えつつ懇々と説得した。彼らは、いたたまれずにうなだれた。
 公判が休廷に入った。法廷から出てきた弁護団が裁判の進行状況を報告した。廊下いっぱいに広がった人びとの意識が、一点に集中する。静かでありながら異様な熱気だ。
 公判が終了にさしかかると、集まった人びとは静かに退去した。地裁の入り口に陣取って、東京拘置所に押送される被告たちへの激励行動を貫いた。
 その後、傍聴を終えた被告家族や仲間たちと地裁前で合流し、東京地裁を揺るがしたこの日の闘いの大きな勝利をかみしめあった。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2089号5面1)

 松尾純一全学連副委員長の訪米レポート

 アメリカ労働者と連帯して学んだ

 〈反戦〉と資本攻勢への怒りが一体

ホワイトハウスへ進撃する青年・学生のデモ隊。後方は米議会(1月19日)−拡大写真

 1月18日〜19日、私たち全学連代表団は全米反戦大集会への合流をかちとった。具体的には、ANSWER主催のワシントンDCでの50万人大集会・デモ、ANSWERに集う青年・学生が主催する屋内集会(18日)と、ホワイトハウスへ向けての集会・デモ(19日)へと合流した。約1週間の訪米ではあったが、アメリカ労働者階級の闘いから学んだものは非常に大きい。全学連は今回の訪米でつかんできたものを教訓化し、今こそ日本でのイラク反戦・有事立法阻止の闘いの爆発をかちとっていく。とりわけ、青年・学生の決起を全力で実現したい。

 階級の力で戦争阻む

 1月18日ワシントンの大行動には50万人、サンフランシスコでは20万人が結集し、集会とデモを行った。そのほかにも全米各都市で統一行動がもたれ、全米で500万の労働者がイラク反戦行動に立ち上がった。中でも青年労働者・学生の占める割合は高く、集会の運営は多くの青年・学生のボランティアによって担われていた。
 多くのアメリカ人民がイラク侵略戦争反対だということを強く感じた。街を歩いても、家の中から反戦のステッカーを張っている家や店が普通に目に入る。デモをしていても、沿道沿いのアパートや家から反戦のたれ幕が出されており、文字どおり街全体で戦争反対の意志を表していた。
デモ先頭のトラックの荷台からデモ中もずっとアジテーションが続く(19日)−拡大写真
 われわれが反戦集会に参加するために日本から来たことを知ったアメリカ人民は、ほぼ全員が「すばらしい、よく来てくれた。ありがとう」と声をかけてくれた。派遣団は、アメリカに到着した時から日本へ帰るまで、少なくないアメリカ人民と接したが、本当にほぼ全員が戦争反対だと口々に語った。けっしてこれは誇張でも何でもない。
 同時にわれわれは、アメリカ人民が労働者階級の力と団結でこそ戦争を止められるのだという確信を強く持っていることを知った。彼らは「戦争を止めるのはわれわれだ。われわれの大きな行動によって戦争を止めることはできる」と口々に語っていた。
 私もまた、50万人の大結集を目の当たりにし、アメリカの反戦大行動は本当にイラク侵略戦争を止めることをめざして、労働者階級の全人民的な決起によってかちとられていることをつかむことができた。そして、日本でも労働者階級の決起で自国帝国主義を打倒することによってこそ、侵略戦争を止めることができるし、そこで勝負していかねばならないとあらためて痛感した。
 アメリカ労働者人民の決起の論理に非常に学ぶべき点があることについて、以下三点述べたい。

 大衆的なスローガン

 ブッシュ・ドクトリンと対決

 一つ目は、アメリカ人民はブッシュ・ドクトリンのもとで開始した世界戦争計画に対して、その階級的本質をつかみ取り、非常に大衆的なスローガンを掲げて対決し闘っている点だ。
 「石油のための戦争反対」「ペンタゴンこそ武装解除せよ」「アメリカ支配を変えよう」などの誰が見てもわかるスローガンを練り上げ、ブッシュ・ドクトリンとの対決を大衆的に闘っている。
 戦争の階級的本質を大衆的に明らかにし、大衆的一致をつくり出しているからこそ、多くのアメリカ人民が「われわれはそのような戦争を必要としていない。われわれの回答は反戦闘争だ」と共通して語り、アメリカ人民は階級として帝国主義世界戦争を拒否し、階級の決起として闘いを展開している。

 

全学連の横断幕を持ってデモするアメリカの労働者(18日 ワシントン)

 国内階級矛盾に対する怒り

 二つ目は、資本攻勢に対して真っ向から立ち上がっている点だ。
 アメリカ人民の資本攻勢に対する怒りはすさまじい。多くの労働者が不安定雇用のもと無権利にさらされ、さらに二つの仕事を持たないと生きていけないという現実を強いられている。物価は上昇しているにもかかわらず賃金は20年前の水準だという。
 医療問題はすさまじく深刻だ。不安定雇用労働者は保険にも加入できない。民間の保険は月に千jもするからそう簡単に加入できない。救急車を呼ぶだけで120〜200jも取られる。一回、医者に行くだけで数百j取られる。1週間程度の入院も保険がなければ1万j近くかかることもあるという。病気ひとつできない現実がある。
 住宅問題も深刻だ。バブル経済の影響により、家賃が高騰している。1ベッドルームを借りるのに1カ月千j前後かかると聞いた。そのため、多くの労働者が一つのアパートを数人で借り、共同生活している。街中でも「部屋をシェアしませんか」という手作りのステッカーを多数見かけた。

「石油のために血を流すな!」「殺さないで!」思い思いのプラカードを持ってデモ行進(18日) −拡大写真

 このような現実が強制されている中で、ブッシュがイラク侵略戦争に600億jもの戦費を投入しようとしていることに、文字どおり「ふざけるな」という労働者の怒りが爆発している。だから、世代を超えて「戦争ではなく雇用に!」
「戦争ではなく住宅に!」
「戦争ではなく福祉に!」というスローガンが掲げられるのだ。
 ある労働者が「私が戦争に反対して闘っているのは、私が生きるため、イラクや北朝鮮の人が生きるためです。私もイラクの人もブッシュは必要ありません」と語ってくれた。まさに、アメリカ人民の自国帝国主義に対する闘いは生きていくための闘いそのものとしてあり、その決起は階級的な決起そのものであるし、被抑圧民族人民との連帯を貫くものとしてある。

 民族排外主義との闘い貫く

 三つ目に、戦争阻止の闘いと一体のものとして民族排外主義との闘いに立ち上がっている点だ。戦争の問題と一体で、民族排外主義との闘いが重要なテーマになっている。
 9・11以降、ムスリム系の人民が拘束されたり、送還されたりという事態が多発している。ブッシュが「対テロ戦争」を言えば言うほど、国内に敵をつくり出す構図になっている。そう簡単には労働者・学生の分断をつくり出せてはいない。職場や学園はさまざまな民族で構成されているが、仲間に対する排外主義攻撃に対して、多くの労働者・学生が闘いに立ち上がっている。
 ある大学では、留学生の名簿をFBIに提出したことに対し、学内闘争が爆発している。労働組合の中でも排外主義との闘いが大きな軸になっている。そして多くの民族が一個の階級としての団結を形成し大行動を闘っているのだ。
 「戦争反対の闘いについて聞かせてほしい」とアメリカ人民に質問をすると、ほぼ例外なく「われわれは戦争とだけ闘っているわけではない。排外主義とも闘っている」との答えが返ってきた。
 民族排外主義攻撃を帝国主義による労働者階級への団結破壊の攻撃としてとらえ、労働者階級の決起によって排外主義攻撃をはね返す闘いを大衆的なものにしている点は非常に重要であり、そのあり方を学ばなければならない。
 以上、三点にわたりアメリカ労働者人民の決起の論理について述べてきたが、これらはすべてアメリカ人民との討論の中でつかんできたことである。
 ブッシュ・ドクトリンとの闘いを軸とし、資本攻勢との闘い、排外主義との闘いを労働者・学生の力で闘いぬいている点が非常に重要だ。そのすべてに貫かれているのが、労働者人民の階級的決起で闘っていることだ。その闘いをつくり出すために、スローガンの一つひとつにもこだわり、一人ひとりのものになるまで練り上げていることは、もっともっと学ばなければならない。組織化についても非常にていねいにこだわり、常にどうしたら人は集まるかを大衆的な場で議論していた。
 そして、アメリカ労働者階級の中で、今回の戦争がアメリカ帝国主義の世界支配のために行われる世界戦争であること、その戦争は自分たち人民の存在とは相入れないものであるということ、その戦争は自分たちの闘いでこそ止めるのだということが大衆的なスローガンになっている。だからこそ、その闘いは自己解放的なものとして展開されているし、500万もの人数が結集しているのである。

 ゛横須賀゛に熱い注目

 今回の派遣でアメリカ労働者階級との連帯の重要性をつかんだ。具体的に多くのアメリカ人民と交流したこと自体が意義のあるものであるし、また日本での闘いをアメリカ人民に知らせることができたのは非常に重要だった。
 多くのアメリカ人民が自国の侵略戦争阻止の闘いに立ち上がっている一方、自分たちとともにイラク侵略戦争を止めるために闘う存在として日本階級闘争に注目している。
50万人集会の前日、ボランティアは数千本のプラカードを作った。全学連も協力した(17日)
 今回の派遣で特に感じたのが、横須賀闘争での勝利が国際連帯の道を切り開いたということである。
 あるアメリカ人活動家は「日本でいろいろな闘いがあることは知っていたが、正直なにをやっているのかがよく見えなかった。横須賀での闘いは非常にわかりやすいし、具体的に戦争を止める闘いだ。学生がデモをして労働者が合流しているのがすばらしい」と語り、横須賀闘争の勝利を圧倒的共感をもって受けとめてくれた。
 イラク侵略戦争を遂行するにあたって、日本は非常に重要な位置を占めている。沖縄を始めとした在日米軍基地がイラク侵略戦争の出撃基地となっていることや、何よりも自衛隊が参戦していることである。アメリカ労働者階級から見ても、日本での闘いは自国での闘いと同様に重要な位置をもっている。
 驚くほど多くのアメリカ人民が、沖縄や日本各地での米軍基地の実態を知っていたし、イージス艦派兵の事実なども知っていた。だからこそ、われわれを囲んで横須賀闘争の話を熱心に聞き、食い入るようにビラを読んでいた。
 世界戦争情勢の中、帝国主義足下の労働者階級がそれぞれ手を結び、自国帝国主義の侵略戦争参戦に対して立ち上がっていくことは決定的だ。今回の派遣で日米両方の労働者がお互いの闘いと存在を知るきっかけをつくることができたのは非常に大きい。

 日本の闘いが決定的

 今、求められていることは日本での闘いの爆発である。日本で労働者階級の階級的決起をどうつくるかに徹底的にこだわることだ。核心は学生運動の爆発であると思う。
 日本でも横須賀闘争の爆発が労働者の合流を生み出した。アメリカでも19日、150人で始まった学生のデモに街頭の労働者が合流し1500人のデモになった。大行動でも学生が重要な位置を占めている。
 数に徹底的にこだわり、学生を一人でも多くいかに組織できるかに徹底的にこだわることが重要だ。そのためにもブッシュ・ドクトリンとの対決をはっきりさせ、扇動を、スローガンを練り上げ、一人でも多くの学生が自分のものにできるようなものをつくり上げることが重要だ。そのようなスローガンを大衆的に練り上げ、それでまとまったとき自己解放的な大結集がかちとれる。
 アメリカの集会やデモが明るいのは、一人ひとりが帝国主義の侵略戦争に対して階級的に怒り、階級的団結によって阻止するのだと確信し、心の底から立ち上がっているからだ。「自分たちで変えることができる」という展望があるからこそ明るいのだ。この自己解放的決起をつくり出すためにはどうすればよいのかということに徹底的にこだわろう。
 学生運動の爆発をかちとる上でも資本攻勢との対決が決定的だ。学生も資本攻勢のまっただ中にいる。試験や単位、資格にしばられ、競争を強制されているのも資本攻勢ゆえである。これらの現実や、労働者が強制されている現実の一つひとつと対決し、労働者・学生の団結で跳ね返していく闘いをつくり出そう。資本攻勢の本質をはっきりさせればさせるほど、学生や労働者人民、被抑圧民族人民の敵は帝国主義だということがはっきりする。
 さらに帝国主義の侵略戦争のための排外主義攻撃を階級的団結で跳ね返していくことが重要だ。排外主義攻撃は、帝国主義が労働者に分断を持ち込み、戦争に突入するために行っている攻撃だ。しかし、労働者・学生が団結して闘った時、絶対に排外主義攻撃を跳ね返すことができる。
 最後に全学連は、学生運動の爆発のために全力で闘う決意である。イラク反戦と有事立法阻止へ、いよいよ決戦の時だ。アメリカの階級闘争に学び、日本での闘いの爆発をわれわれの手で実現しよう。とりわけ派遣団はその先頭で闘うことを決意する!

ホワイトハウスに突入し、13人の逮捕者を出した19日の青年・学生の闘い

一斉に走り出したデモ隊
すぐ目の前にホワイトハウスが
ホワイトハウス前の公園にフェンスを乗り越え突入

不当にも13人が逮捕された

 

家族連れも多く参加した。子どもたちも手作りのプラカードを持って参加。プラカードには、キング牧師の言葉「われわれには夢がある」や、「戦争反対!平和と愛を」「銃でなく、キャンディーを」などと書かれている(1月19日 ワシントンDC) 

18日の闘い

パレスチナ国旗を持った青年(ワシントンDC)
サンフランシスコ市役所前は20万のデモ隊で埋まった(1月18日)−拡大写真
「米軍は韓国とフィリピンから出て行け」と書かれた横断幕を掲げ、在米朝鮮人民やフィリピン人民がデモ(ワシントンDC)

 

------------------------TOPへ---------------------------