ZENSHIN 2002/01/07(NoG001 p01)

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週刊『前進』号外(G001号1面1)

『前進』号外 国鉄闘争の決戦局面にあたって訴える

新井・今井らチャレンジ一派による国労分裂組織を解体せよ

 闘争団への統制処分を阻め 分裂を擁護する本部を許すな
 4党合意撤回し闘う態勢築け 団結固め国労の階級的再生へ

 2002年、大失業と戦争の時代の本格的な幕開けの中で、国労はかつてない歴史的な岐路に立たされている。12月24日、前本部中執の新井修一、前秋田地本書記長の今井伸らは、「ジェイアール東日本ユニオン」なる分裂組織の結成大会を強行した。この新井・今井らの脱退・分裂組織結成の暴挙は、最も卑劣で憎むべき手段による国労への組織破壊攻撃にほかならない。だが、この分裂は、彼らがたくらんだ国労丸ごとの変質・解体の策動が、闘争団を先頭とする組合員の渾身(こんしん)の決起で根底から打ち破られたことの結果でもある。他方、国労本部・高嶋−寺内執行部は、分裂問題をできる限りあいまいにし、分裂主義者の策動を許容し続けてきた自らの責任を覆い隠すことに必死になっている。あろうことか本部は、ことここに至っても「分裂を引き起こしたのは闘う闘争団の『独自の行動』だ」などという転倒した論理に執着し、2月3日の中央委員会で、闘争団に対する統制処分を発動しようとさらに悪らつな策動を続けている。国労は、分裂に走った新井・今井らと、なお本部執行部に居座る残存チャレンジや反動革同の手によって、瀕死の危機に追い込まれようとしている。権力と資本、JR総連カクマルは、新井らの分裂と、それを容認し闘争団に分裂の責任を転嫁する本部執行部の動向を、「国労の自壊の始まり」と見て、ほくそ笑んでいる。闘う国労の誇りある歴史と伝統を、こんな形で終わりにさせてはならない。国労組合員は、分裂と闘い抜く態勢を打ち固めるための臨時大会開催を要求し、新井・今井らを徹底弾劾するとともに、4党合意破棄、高嶋−寺内執行部打倒へと総決起しなければならない。今こそ、国労の階級的再生をかちとろう。

 分裂の首謀者どもにいかなる未来もない

 新井・今井らは12月24日、警察権力に守られて東京・池之端文化センターで「ジェイアール東日本ユニオン」の結成大会を強行した。委員長に新井、事務局長に今井が納まり、翌日JR連合への加盟を申請した。
 分裂組織には、秋田地本委員長の菅や同書記長の後藤、東日本エリア本部財政部長の西沢ら、現役の機関役員も加わった。「分裂を許さず、組織の強化に全力を挙げる取り組みを」などという地本指示を出していた当人たちが、そそくさと分裂組織に走ったのだ。チャレンジどもは、自らが掌握していた機関をも放り出して、一目散に国労から脱走した。
 この分裂の暴挙を徹底的に弾劾し、全国労組合員の怒りの決起で分裂組織を全面解体に追い込まなければならない。新井・今井らが卑劣な恫喝とペテンを用いて分裂組織に囲い込んだ組合員は、秋田地本を中心に5百数十人に上る。新井・今井らの薄汚い陰謀の道具とされた仲間たちを解放し、国労組織に再び迎え入れるための組織奪還闘争を展開しよう。一握りの分裂の首謀者たちを孤立化させ、彼らの行く末にはいかなる未来もないことを、身に染みて思い知らせなければならないのだ。
 事実、新井の地元の長野地本や仙台地本、東京地本では脱退者は極少数であり、秋田地本でも国労にとどまった多数の組合員が地本再建に向けた闘いを開始しつつある。
 分裂組織「ジェイアール東日本ユニオン」は、いかなる意味でも労働組合と呼べる代物ではない。それは、権力と資本の意を受けて、国労解体のみを使命としてデッチあげられた、徹頭徹尾、反労働者的な組織である。
 分裂組織の結成にあたって今井が書きなぐった「JR労働組合回生への創道−JR東日本における新しい労働組合『JR東日本ユニオン』の創設構想」なる文書は、そのことをものの見事に自己暴露している。
 今井はそこで、「JR会社法改正法が、6月15日第151回通常国会において成立した。完全民営化は、自由経済社会において、自立した経済活動を展開することが出来、自立した論理展開が可能となる。社会の基礎単位である企業群の一員として、社会的権利を完全に得たことを意味する」と、「JR完全民営化」を手放しで賛美するとともに、「問題は、もう一方の社会の基礎単位を成す労働組合が未成熟なことにある」と嘆いている。
 では、今井らの言う「成熟した労働組合」とは、どういうものか? 今井は、次のような驚くべき暴論を展開する。
 「世界観(革命論)からコメントを発し、イデオロギーを重視し、セクトフラクションの利益を優先するという三極構造の労働組合を消失させ、経済活動の現実からスタートする労働組合主義(利益の配分を、一に株主配当、二に設備投資、三に内部留保、四に社員の賃金・労働条件の優先順位とする)に徹するJR労働組合の再編が求められている」
 まさに、これこそが分裂組織の正体だ。
 「完全民営化」とは、国労解体攻撃として遂行された国鉄分割・民営化の集大成をなすものだ。それを全面的に賛美する今井の立場は、過去・現在・将来の一切の国労解体攻撃を肯定し、自らその先頭に立つということだ。同時に今井は、極悪の労働代官となって、すさまじい搾取を労働者に強制することをも宣言した。それが今井の言う「利益の配分」論である。賃金を企業利益の一部としてしまうこと自体がでたらめきわまる反階級的論理だが、今井はその上さらに、゛賃金の優先順位は一番最後でいい″と言っているのだ。こんなことは、資本家でさえ、あからさまには口にしない。そんなものが労働組合であるはずがない。
 今井らは、この理屈にのっとって、JR東日本のニューフロンティア21を率先して推進し、「メンテナンス体制再構築」の名による出向・転籍や、地域間異動にも積極的に応じると資本に誓約しているのだ。
 「成熟した労働組合」などという陳腐な言い回しで今井が唱える奴隷的屈従の論理は、すべてが資本と権力に向けて語られている。今井は、分裂組織を結成し、国労解体の最先兵の役割を引き受けたにもかかわらず、資本や権力から相手にもされないみじめな現実に突き当たった。そこで、第4次労使共同宣言を結んで東労組カクマルとの結託を続けるJR東日本に、なんとか自分たちも顧みてくれと、なりふり構わぬ売り込みを開始した。今井は、自己保身のためにはいくらでも労働者を売り渡す、根っからの裏切り者だ。
 今井はこうして、JR総連のしっぽにくっつき、その陰に隠れて、けちくさい反国労陰謀を続けようという魂胆なのだ。
 そんな連中がいくら「革マル東労組政権の幕引きまでドラマとして考えている」などと大言壮語しようが、そんな夢が無残にたたき壊されることは分かりきっている。彼らに残されているのは権力・資本に使い捨てられる運命だけだ。
 だが、彼らが国労解体に突進しようとしている限り、彼らへの引導は、国労組合員こそが渡してやらなければならないのだ。

 機動隊導入の張本人=新井の大罪に断下せ

 新井は、昨年10月の定期大会で「ゼロ解決」を丸のみし、闘争団を最終的に切り捨てることを狙っていた。新井が10月大会を前にして出した「全国の仲間に訴える」なる文書は、「不満があろうとなかろうと、国労が四党合意に基づき示された解決内容を丸呑(の)みするしか方法がない」と述べていた。新井らにとって、10月大会は文字どおり、国労自己解体に向けての「最後の機会」だったのだ。
 だが、そうした策動は、4党合意反対派の会場内外を貫く闘いによってついえ去った。対案の提出と対抗人事という形で示された反対派の結束力と強い意志は、新井らを操って国労を崩壊に導こうとたくらんだ権力と資本の思惑を根底から打ち砕いた。
 そもそも新井は、4党合意強行のために昨年1月の大会に機動隊を導入した張本人である。この脱退劇こそ、機動隊導入が行き着いた帰結だったのだ。
 その新井が、「『四党合意』実現に向けた具体化作業の見通しは一層厳しくなっています」「唯一残された解決の道を、国労自身の手によって失してしまった」(分裂組織結成趣意書)などと叫び、゛4党合意による解決″なるものの破産を、今やあけすけに自認している。そして、「第68回定期大会では、抜本的な路線刷新と自己改革が求められながら本部は及び腰に終わりました」と、非難の矛先を高嶋−寺内ら残存チャレンジにさえ向けるに至った。
 新井は、「闘いによって解決水準を上げる」などというペテンに執着するあまり、10月大会で最終的かつ暴力的に闘争団を切り捨てるという反動的決断を下せなかった残存チャレンジの中途半端さにいらだっているのである。
 だが、新井のこうした言動こそ、4党合意とは「ゼロ解決」の強制で闘争団をたたき伏せ、国労を壊滅に追い込むための権力・資本の攻撃であったことを明確に暴き出している。「4党合意は闘いの到達点」などというチャレンジのデマゴギーは、ほかならぬ新井自身の手によって否定された。新井にとって国鉄闘争は始めから展望のない闘いでしかなく、闘争団は憎悪を込めて解体する対象でしかなかったのだ。
 だが、新井らが絶対に見ようとしないのは、分割・民営化以来の一切の攻撃に対する闘争団と国労組合員の根底的な怒りと不屈の闘志こそが、4党合意を破産に追い込みつつあるという事実である。機動隊導入下の1・27続開大会での4党合意受諾決定にもかかわらず、闘争団・家族と国労組合員、そして多くの支援が、これに抗して粘り強い闘いを展開した。それが、「ゼロ回答」を提示できないところに権力を追いつめたのだ。
 権力・資本の手先と化した新井らが、みじめな敗残者として国労から飛び出さざるを得なくなった直接の原因はそこにある。
 裏切り者の策動を根底において挫折させた国労組合員の力こそ、国労を無限に発展させる可能性を秘めている。国労「ジリ貧」を叫び立てた新井や今井は、組合員の底力をあまりにも見くびっていたのである。

 臨大を開き裏切り者を除名処分にしよう

 2・3中央委での闘争団への査問委阻止を

 新井らの分裂組織結成を受けて、国労本部は12月25日の中央執行委員会で秋田地本の執行権停止などの措置を決めた。だが、本部はそれと同時に、採用差別裁判への訴訟参加を申し立てた212人の闘争団員に対して、申し立ての取り下げを再度求め、従わなければ2月3日の中央委員会で統制処分を発動するとの許しがたい方針も確認した。
 これこそ、新井・今井らが試みて破産した、国労の内側からの解体をさらに凶暴な形で押し貫こうとする攻撃だ。本部は、新井らの分裂に促されて、闘争団の最終的な切り捨てへと完全にかじを切った。この策動を粉砕することなしに、国労は国労たりえない。
 高嶋−寺内ら残存チャレンジは、国労丸ごとの転向・変質を画策し続けてきた「共同戦線」から新井・今井が脱落し、自らが「守旧派」呼ばわりされていることに直接的反発を深めている。だが、彼らはその実際の行動において、新井らの意図を忠実に体現しているのである。先に引用した文書の中で、今井は゛分裂には第2段がある″として、「第二段G(グループ)は、『名称変更・連合体・会社ごとの労使関係・紛争和解・JR連合との共闘』というグランドデザインを明確に示して本部に迫り、大義とタイミングをはかる」などとうそぶいている。本部に巣くう残存チャレンジの行動は、どう言い逃れをしようとも、今井の言う「第二段G」の役割を果たすものでしかない。
 そもそも、新井らの分裂を引き起こした責任は本部執行部、残存チャレンジ、反動革同、東京地本・酒田一派にある。1月大会に続いて再び10月大会に機動隊を導入し、秋田地本での分裂策動に対する調査委員会設置の動議を握りつぶしたのはどういうことか。分裂の動きが発覚したら即座に現地に飛び込み、分裂策動を摘発し、組合員の指導にあたることが本部の本来の任務ではないのか。だが、反動どもはそれを放棄し、むしろ分裂を促進させたのだ。その大罪は、絶対に消し去ることはできない。
 12月25日の全国代表者会議で、本部は、分裂と闘う態勢を確立するための臨時大会開催をあくまでネグレクトする姿勢を示した。つい数日前まで、「ゼロ回答」受諾のための臨大開催を狙っていた本部執行部は、新井らの分裂が現実のものとなった途端、一転して臨大開催を拒否するに至った。臨大を開けば、4党合意の締結以来、国労の団結をずたずたに引き裂き、闘争団をかつてない苦境に突き落とし、分裂主義者の跳梁(ちょうりょう)を容認し続けてきた本部の責任が大衆的に問われることになるからだ。高嶋−寺内らはそれに恐怖し、責任を回避して、卑劣な居直りを決め込もうとしているのだ。
 反階級的な分裂行為に対して、死力を尽くして闘わなければ、労働組合の団結は腐食する。組織の命運をかけて分裂と対決できなければ、国労は権力や資本、JR総連カクマルのえじきにされてしまうのだ。
 本部には、直ちに臨大を招集し、全組合員を大衆的に結集して、組織防衛の総力戦を訴える義務がある。そして、分裂の首謀者への除名処分を決定し、このような事態を招いた責任を明らかにして、自らの出処進退を全組合員にゆだねるべき責務がある。
 だが、本部は今や、本来組合員自身のものであるはずの大会の開催を頭ごなしに否定し、自己保身のみに汲々(きゅうきゅう)としているありさまだ。いやむしろ、分裂という重大な組織破壊攻撃への組合員の怒りを抑えつけ、あきらめを強制し、あろうことか分裂の責任を闘争団に押しつけようとしているのだ。分裂の首謀者には形ばかりの統制処分で問題を隠ぺいし、闘争団に対してはその命脈を断つにも等しい決定を中央委員会で強行しようとしているのだ。
 これこそ、本部が国労の団結をいかに軽視し、破壊してきたかを自己暴露するものにほかならない。
 4党合意締結以来、闘争団を始めとする国労組合員の闘いによってぎりぎりのところで守られてきた国労組織とその団結が、分裂と闘えない本部のもとで無残に崩壊させられていいはずがない。本部執行部の全面刷新は、もはや猶予のない課題になった。
 時代は、労働者階級の根源的な決起を求めている。自衛隊はアフガニスタン・中東侵略戦争に参戦し、海上保安庁は外国船に対する銃撃・沈没の暴挙に手を染めた。日帝は、急速に戦争国家化を深めている。失業率は5・5%に達し、金融機関の破たんが相次ぐ中、資本は春闘解体の攻撃をこれまで以上に強めている。
 労働者階級は、今こそ「帝国主義を打倒する労働運動」をつくり上げなければならない。すべての労働者は、その先頭に国労の旗がひるがえることを望んでいる。だが、そのためにも国家権力・資本にすがりついて階級的労働運動の根絶を画策するチャレンジら帝国主義的労働運動との激突は避けられない。この攻防に勝利した時、全労働者を取り巻く情勢は一変する。
 闘争団への統制処分を断じて許すな。闘争団と全国労組合員の怒りの総決起で、高嶋−寺内執行部を打ち倒し、国労の階級的再生をかちとろう。国労の団結の力で分裂策動を粉々に打ち砕こう。

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