ZENSHIN 2002/12/09(No2081
p08)
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週刊『前進』(2081号1面1)
革共同の12月アピール
12・8全国から首都総結集を
闘うムスリム人民と連帯して開戦阻止へ12月総決起しよう
国鉄闘争の永続的発展かちとれ
反戦共同行動委員会の12・8全国総決起闘争(日比谷野外音楽堂)に、労働者・市民・学生の大結集を熱烈に呼びかける。米帝ブッシュのイラク侵略戦争を絶対阻止せよ。日帝・小泉政権の対イラク参戦を許すな。最大の参戦国日本の労働者階級の国際主義的決起をつくりだそう。革共同はこの歴史的瞬間に新たな「激動の7カ月」への突入を宣言した。1967年10・8羽田を突破口とする「激動の7カ月」こそ、70年安保・沖縄闘争の大爆発に道を切り開き、革命的左翼を日本階級闘争の主流派に押し上げた蜂起的決戦であった。今日のわれわれには、それを何十倍もする国際主義的責任が問われている。今こそ世界戦争を世界革命に転化する闘いに全力で決起する時だ。前号の天田書記長のアピールにこたえ、勇躍して12月―03年の闘いに突入しよう。
第1章 イラクへの査察強行弾劾! 12・8が決戦
今求められているのは、わが反スターリン主義・革命的共産主義運動が、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民に向かって、革共同の世界革命戦略、戦略的総路線、基本路線を発信することだ。国際主義的連帯を実現し、戦争によってしか生きられない帝国主義の打倒に向かって躍進することだ。新たな「激動の7カ月」の提起は、自己を世界革命に向かって飛躍させる闘いである。
帝国主義の危機が爆発し、大恐慌と世界戦争に突入する時代、闘う労働者人民と革共同にとって、根底的決起が求められる。とりわけ昨年の9・11反米ゲリラ戦以後の情勢の中では、中間的、客観主義的なものは容赦なく階級闘争からはじき飛ばされるのだ。
「激動の7カ月」の精神とは何か。
第一は、党が党の力で帝国主義と闘って激動をこじ開ける精神、実践である。67年10・8羽田闘争からの激闘は、まさにその革命的精神で闘われた。侵略戦争への突入に対して、革命党は一歩も退かずに決起するのだ。「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義の世界戦争突入を国際的内乱に転化せよ」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「戦争国家化阻止、改憲粉砕・日帝打倒」の戦略的総路線を掲げて打って一丸となって闘うことである。
第二は、国家権力のどんな弾圧にもひるまず、逮捕・投獄を恐れず、血と汗を流して闘うことである。長期獄中闘争の同志の闘いに続こう。完黙・非転向で弾圧をはね返して闘う国労の仲間たちに続こう。
「9・11」以後の帝国主義は、最大の危機に直面している。帝国主義は大恐慌に突入し侵略戦争以外に出口がない。これは、21世紀の早期の世界革命の現実性を示すものだ。闘うムスリム人民と連帯し、反スターリン主義・革命的共産主義運動の力で、21世紀革命をこじ開けよう。
第三は、「激動の7カ月」は、革共同が主流派に躍り出る闘いである。社会民主主義、スターリン主義の崩壊と解体の中で、この階級的激動のヘゲモニーを握るのは革共同以外にない。また、他方で柔軟で大胆な闘う統一戦線を形成して闘うことができるのもわれわれである。革命的大衆行動、戦闘的労働運動、革命的議会主義の闘いを発展させよう。
第四は、現在の全世界的な階級闘争の発展の中で、マルクス主義、レーニン主義の革命的立場で闘っているのは革共同だけである。その核心は、労働者階級の自己解放性、その階級的力の大きさを確信するところにある。世界革命の勝利を保障するかぎは、革命党としての高い思想性、政治性、組織性である。
第五は、最凶悪のファシスト反革命カクマルの襲撃と、国家権力の破防法攻撃に対して先制的内戦戦略をもって対峙し、打ち破ってきた革命党としての底力である。帝国主義とファシストを真っ向から見据え、これと闘って勝利する中で、前衛党は建設することができる。
これらの革命的精神が「激動の7カ月」の核心である。いざ、進撃しよう。
残虐な民族抹殺戦争
今日の情勢の第一の核心は、まず何よりも次の点にある。
アメリカ帝国主義(国際帝国主義)のイラク侵略戦争は、11月8日の国連安保理決議と査察団の27日からの査察開始をもって、事実上の戦争突入となった。米帝ブッシュは、アフガニスタン侵略戦争に続き、その世界戦争計画を実行する過程に突入した。これによって、国際・国内情勢、階級情勢は完全に新段階へと移行したのだ。
米帝のイラク侵略戦争は、超反動的でかつ絶望的な帝国主義的侵略戦争であり、残虐きわまる民族抹殺戦争である。
国連安保理決議の内容は、イラクを軍事占領し、イラクの国家主権そのものを否定している。しかもフセインがどれほど屈服しようともアメリカが一方的にあげつらう「罪状」で戦争裁判で裁くとしている。米帝は、フセイン政権の転覆を狙っている。
国連決議は12月8日を期限として、「大量破壊兵器開発計画」の「正確かつ完全な申告」を義務づけている。この要求は、時間的にも実行困難なものであり、しかも「正確かつ完全」という規定は、どのようにも「違反」の口実が作れるようになっている。要するに、国連査察の一切は、戦争を仕掛けるための口実づくりにすぎない。「12・8」に一大反撃をたたきつけよう。
情勢の第二の核心は、米日帝の朝鮮侵略戦争攻撃が同時に激化していることである。
米帝ブッシュは、北朝鮮の核開発を口実にKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の重油提供の中止を決定した。日帝の国交正常化交渉は、この米帝のイラク攻撃作戦陣形づくりの中で、北朝鮮侵略戦争へのレールを敷くための反動的な軍事外交として展開されている。
拉致問題をテコとした日帝の連日の排外主義キャンペーンは、侵略戦争を準備するものだ。北朝鮮・金正日政権による日本人拉致は、帝国主義の包囲下にある北朝鮮スターリン主義の反階級的軍事作戦である。われわれはこれを真っ向から断罪する。だが、日帝・小泉は拉致問題を戦争の道具にしているのだ。だから拉致問題は解決しない。戦争の恫喝で5人を踏みにじり、犠牲にして、不幸にしている。拉致問題を利用した日帝の北朝鮮侵略戦争と徹底的に対決しよう。拉致問題の真の解決の道はここにある。
全世界覆う人民決起
情勢の第三の核心は、全世界の人民の闘いが国際的内乱の火ぶたを切ったということである。何よりも、インドネシアで、イエメンで、チェチェンで、ムスリム人民の決死的なゲリラ戦争が巻き起こり、パレスチナ人民は不屈に決起している。ヨーロッパ、アジアで人民が奔流のように立ち上がっている。
イギリスで、10・31ハロウィーンに150以上の直接行動で大学占拠、交通ストップ、ウェールズ議会の占拠・停止が闘われた。さらに12月27日に集会、来年2月中旬にロンドンで大規模なデモが計画されている。アメリカでは、10月26日、ワシントン大行進に20万人が決起、サンフランシスコでも10万人が決起した。この闘いを呼びかけたANSWERは、次の行動を03年1月18日と打ち出している。1・18は、巨大な国際的な闘いになろうとしている。国際的連帯行動に思いきって飛び込んでいこう。
イラク参戦絶対阻め
米帝のイラク侵略戦争が日本の労働者人民に突きつけていることは、日本が最大の参戦国であるという厳然たる事実である。日本人民の、そして革共同の国際主義的責任は限りなく重い。
何よりも、イギリス・ブレア政権とともにブッシュの侵略戦争計画を熱烈に支持しているのが日帝・小泉政権である。イラク侵略戦争に加担・協力するために対テロ特措法に基づく自衛隊のアフガニスタン派遣期間を来年5月まで半年間延長した。しかも派遣部隊を増強し、支援任務の内容も拡大した。
日本は米軍の重要な出撃拠点である。三沢、嘉手納の米空軍部隊がイラク空爆を繰り返している。中東派遣の第7艦隊は横須賀を母港としている。米海兵隊は沖縄基地を拠点としており、これを抜きにアフガニスタン、イラクでの米軍の作戦は成り立たない。
沖縄は戦場と化している。米軍の演習が嘉手納、普天間などで昼夜の別なく行われ、夜間の対地攻撃を想定した訓練が行われている。弾道ミサイル追跡機が嘉手納基地に配置され、戦域ミサイル追跡艦が那覇軍港に配置された。北朝鮮への監視体制の強化である。米軍による事故の続出は、戦争の被害を沖縄県民に日々もたらしている。有事法制が何をもたらすかは、沖縄ではすでに事実をもって突きつけられている。
この情勢のもとで、新たな沖縄闘争が巨大な噴火に向かって動き出している。闘う沖縄人民と連帯して、沖縄―本土を貫いてイラク侵略戦争絶対阻止、有事立法粉砕の闘いを大爆発させよう。
北富士では、イラク侵略戦争のための米軍実弾演習に対して、忍草国有入会地守る会の天野重知会長が決死の着弾地座り込み闘争を闘った。
改憲阻止、教育基本法改悪阻止へ闘いの陣形をつくろう。
まったく許しがたいことに日本共産党は、米帝のイラク侵略戦争への道を開いた国連安保理決議を「問題を平和的に解決する可能性を開いた」と積極的に賛美し、支持した(志位委員長の11・13記者会見)。日共は、米帝のイラク侵略戦争と日帝の参戦の最悪の先兵として登場したのだ。日共スターリン主義による反戦闘争への敵対を粉砕し、米帝と日帝への怒りを大爆発させよう。
第2章 国労大会決戦爆発の力で03春闘を闘おう
このようなイラク侵略戦争突入情勢のもとで、労働運動がまったく新たな質をもった闘いの段階に入った。
11月24、25日に行われた国労第70回定期大会は、労働運動をめぐる決戦の焦点として闘われ、国鉄1047人闘争勝利への永続的発展の道を開いた。国家権力は、国労5・27臨大弾圧をもって、闘いを封じ込めようとした。国労本部執行部は、この国家権力の弾圧態勢をバックに、4党合意の破産を開き直り、闘争団を切り捨て、自らの延命を策しつつ、国労の解散へと踏み切ろうとしたのだ。
だが、闘う国労組合員は、これを打ち破り、国労の誇りと伝統を貫く闘いに断固として決起した。大会会場の社会文化会館前で2日間にわたる戦闘的な集会がかちとられた。JR本体の組合員と闘う闘争団、国鉄闘争共闘会議、5・27弾圧家族会、鉄建公団訴訟弁護団などが、国家権力と国労本部に対する激しい怒りを表明し、会場内の闘いを激励し続けた。
チャレンジと反動革同の執行部は、スト基金を取り崩しストライキを放棄する事実上の「労使共同宣言」方針を打ち出した。これはまた、エリア本部に資金を持ち逃げし、国労の単一体の解体、エリアごとの組織の連合体への移行、JR連合合流を狙うものである。国労本部は、ペテン的に「1年間の職場討議」という形に修正し、これを押し通した。さらに、卑劣にもあの裏切り者、新井、今井に対する除名処分提案と、闘う闘争団の査問委員会継続を一括して提案した。闘争団員の除名処分は強行できなかったが、査問委員会の継続設置を決めたのだ。
反対派は激しい怒りをたたきつけ、徹底対決した。とりわけ財政問題をめぐる本部の不正・腐敗を徹底的に暴いた。
こうした中で、反動革同は、スト基金取り崩しの1年間の職場討議にも査問委員会継続にも賛成した。
今や、本部執行部や反動派と、闘争団を始めとする闘う国労組合員の関係は、絶対的に非和解的になった。国労再生のためには、現執行部を打倒し、新しい執行部を打ち立てなければならない。
〔29日、与党3党は4党合意から離脱することを決定した。4党合意は完全に破綻した。いよいよ本部執行部を総退陣させ、政府・JRを徹底的に攻め抜く新たな闘いの方針を打ち立てる時が来た。〕
5・27臨大弾圧は戦慄(せんりつ)すべき暗黒の大弾圧である。しかし、これは必ず敵の大失敗に転化し、幅広い統一戦線のもとで広範な決起がかちとられ、大勝利をかちとる可能性があることを大会の全経過は示した。弾圧粉砕の大運動を巻き起こそう。
日本階級闘争は、国鉄労働運動を軸に勝利に向かって、永続的に闘う橋頭保をつくりだすことについに成功した。
このことは、JR総連の現実を見ればはっきりする。今やカクマルは、黒田・中央派とJR総連カクマルに分裂しただけでなく、JR総連そのものが分裂を開始し、従来のJR労資結託体制が日帝にとって桎梏(しっこく)となる事態となった。この中で松崎のおぞましい本性も明らかになってきた。今やJR総連に対する積年の労働者の怒りを爆発させ、JR総連解体、傘下の労働者の大量の獲得が問題になる、JR労働運動の「戦国時代」が到来した。
この国鉄決戦をめぐる攻防をとおして03春闘に向けて総決起すべき時が来た。
戦争と一大資本攻勢は一体の攻撃である。賃下げ、首切り、終身雇用制解体、労働災害と過労死に追いやる労働強化、介護保険、年金制度の改悪、医療制度の改悪など社会保障制度の全面解体、生活破壊の攻撃が労働者階級に襲いかかっている。労働組合の解体攻撃が激化し、「解雇ルールの法制化」など労基法の改悪、派遣法の改悪が狙われている。
さらに治安弾圧攻撃が質的に転換し激化している。個人情報保護法案、人権擁護法案、保安処分新設、司法改革関連法案、さらに国際的組織犯罪条約の批准に伴う国内法の整備として共謀罪の新設が意図されている。労働者の団結権を奪い、あらゆる反政府的な闘いを圧殺し、戦争への道を掃き清めようとしている。
それを鋭く突き出すものとして国家権力の5・27国労臨大弾圧がある。
こうした大攻撃の根底にあるものは、米帝を始めとする帝国主義経済の危機である。日本経済は恐慌の全面化に突っ込みつつある。7〜9月期のGDPが、前期比0・7%成長となったことで、小泉首相は軽薄にも「意外といい」と喜んでいる。お笑い草だ。物価動向を示すGDPデフレーターは前年同期比1・6%の下落、4年半も連続マイナス。輸出は前期比1・6%減となり、3四半期ぶりにマイナス転落。景況感は急速に悪化し、名目設備投資は前期比1・7%減と7期連続のマイナスだ。しかも米経済が本格的な恐慌に向かいつつある。さらにイラク侵略戦争への突入は、帝国主義の破局への引き金となろうとしている。
そうした中で打ち出された「不良債権処理の加速」策は、企業倒産と失業の嵐を労働者階級にもたらす。企業倒産ラッシュで、失業者が計700万人にもなる可能性すらある。そもそも「不良債権処理」のために「産業再生機構」なるものを創設し、再建できる企業を国家が選別するというのは、資本主義の完全な破産宣言だ。しかも、再建できないから「不良債権」化しているのだ。
こうした倒産・首切り攻撃と対決し、連合指導部の屈服を打ち破り、03春闘に総決起しよう。
第3章 4月統一地方選勝利 杉並区3候補必勝を
03年4月統一地方選挙まであと5カ月を切った。全国で闘う議員の当選をかちとろう。杉並区で都政を革新する会から立候補する北島邦彦、新城せつこ、けしば誠一の3氏の当選へ総決起しよう。
この選挙は、かつてない激動期、歴史的転換点で闘われる。米日帝のイラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争情勢のただ中で闘われる。有事立法と改憲、教育基本法改悪が選挙で争われる。
その中で、闘うムスリム人民、被抑圧民族人民の決起を支持し、連帯する区議を生み出す闘いである。イラク反戦闘争を杉並の地で大爆発させよう。イラク人民虐殺の侵略戦争に絶対反対して闘うのは誰か。有事立法・戦争国家化に身を挺して闘うのは誰か。都革新の3候補しかいない。イラク開戦の最後通告でしかない国連決議を賛美する日本共産党は戦争翼賛勢力だ。イラク人民へのウラン弾攻撃に対する怒りを爆発させ、民族抹殺攻撃と闘うムスリム人民と連帯し、国際的反戦闘争を爆発させるのだ。杉並をイラク反戦闘争の一大拠点にしよう。
この闘いはまた、杉並から介護保険制度に対する偉大な反撃ののろしを発する闘いである。介護保険制度が導入されて2年がたつ中で、いったいどれほど多くの高齢者が介護を奪われ、命を奪われてきたのか。これは国家による殺人行為である。さらに医療制度改悪、年金制度改悪の攻撃が襲いかかっている。都革新以外の陣営は、介護保険に賛成し、高齢者を始め住民に犠牲を押しつける側に立っているのだ。
杉並区民が、闘いの中心になり主人公になるような新たな大衆闘争を必ず発展させよう。その中から、真の人民の代表を区議会に送り出すのだ。この勝利は、時代の閉塞(へいそく)感を突き破る赤い火柱となって全日本に波及するだろう。その勝利のために全党は、闘う人民の先頭に立って、持てるすべての力を出しきって総決起しよう。
『前進』広めカンパを
世界戦争の危機、日帝の参戦という情勢の中で、危機感をみなぎらせて闘いに立ち上がった労働者・学生・すべての人民に、勝利のために革共同に結集することを熱烈に呼びかける。
この世界史的な重大情勢に対する労働者階級の勝利のかぎは、革命党の強大な建設である。全事態を左右する核心に、革命党の問題が厳然と提起されている。「〈党としての闘い>と〈党のための闘い>の統一」という革共同立党の精神とは、°時代が党に求める歴史的任務を敢然と果たす闘いの中でこそ、党は建設される″ということである。党が階級的任務を断固担いぬくただ中で、党建設の闘いをも独自的・計画的にしっかりと遂行すること、その統一として党は建設されるのである。
第一に、機関紙『前進』を読み、拡大し、『前進』を軸にした党活動、党建設を強力に推し進めよう。『前進』は労働者人民の党への結集の最大の水路である。また『前進』を軸に据えることで、労働者階級の階級としての形成が進み、党は最も強力に建設されて行く。毎週の『前進』で学習し武装することが、階級闘争を牽引(けんいん)する力だ。
この間の先進的闘いの経験が示しているように、労働運動、政治闘争に立ち上がった労働者、学生、市民は、『前進』を本当に求めているのである。われわれの働きかけがすべてを決するのである。
『前進』の拡大と『前進』フラクの形成が、革命勝利の絶対的基礎をなす職場細胞建設のかぎである。また『前進』の街頭販売・宣伝は、第一級の意義をもつ党活動である。街頭で、職場で、あらゆる所で『前進』のバラ売りを積極的に行おう。労働者が、学生が、あらゆる運動家が『前進』を一度手にして読むことで一つの壁をのりこえるのであり、定期購読の道であり、党への結集の道である。
第二に、年末一時金カンパ闘争に全力を挙げよう。新たな「激動の7カ月」決戦に勝利するために、労働者人民に広くカンパを呼び掛けよう。カンパは党と大衆の結合の重要な水路である。だから、権力はこれを憎悪し、カンパ禁止法まで制定して党と人民の分断を図るのだ。
年末一時金カンパを自ら身銭を切って出すとともに、周囲の多くの人びとに訴え、集め、集中しよう。
超長期獄中同志奪還の闘いは今が正念場だ。年内4同志保釈をかちとるために、闘いを強めよう。
12月8日、全国から首都に総結集してイラク反戦、有事立法粉砕デモを闘いぬこう。
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週刊『前進』(2081号2面1)
国労70回定期大会 4党合意は破綻、執行部総退陣迫る
権力と対峙し会場内外で決起
「スト基金取り崩し」に怒り 闘争団への査問委継続を弾劾
11月24、25日の国労第70回定期全国大会は、5・27臨大弾圧を頂点とするすさまじい国労解体攻撃のただ中で開かれた。日帝はイラク侵略戦争・有事立法情勢のもとで暴力的な労組解体攻撃を進めている。その切っ先に今国労大会をめぐる攻防があったのだ。4党合意の破産と1047人闘争の新たな発展、JR総連カクマルを使った労働者支配の崩壊に追いつめられた日帝は、むき出しの暴力で国鉄闘争の解体をたくらんだ。国鉄闘争をめぐる情勢は今や激変した。権力は大会会場前での闘争団・国労組合員による行動をことごとく封殺し、社文前には誰一人近寄れない状況をつくり出そうと企てた。それをもって議場内の闘いを圧殺し、国労本部の極反動方針をなんの波風もなく押し通すことを狙っていた。国労本部は、こうした権力の態勢を前提に、この大会で闘争団切り捨てと国労の自己解体になりふり構わず突進した。だが、その策動は完全に打ち破られた。闘争団と闘う国労組合員は、権力やそれに屈した本部と真っ向から激突して2日間の大会を闘った。会場外では機動隊と対峙しての集会が圧倒的に打ち抜かれ、会場内ではこれに呼応して代議員・傍聴者が国労本部を弾劾し抜いた。本部の不正・腐敗は暴き出され、「本部総退陣」は闘う組合員の確固たるスローガンになったのだ。闘う者の結束はより強まり、反動派との対立は一切の和解の余地を失った。本部打倒以外に勝利はないことが、これほど鮮明になったことはない。2日間の闘いは、国労の階級的再生に向け、不抜の橋頭保を築いたのである。
責任を転嫁する本部
大会は冒頭から激突の場となった。
高嶋委員長のあいさつは激しいやじに包まれた。高嶋は、「一部闘争団員や一部組合員は……本部方針を真っ向から否定し4党合意は既に破綻(はたん)したとする分裂支援共闘会議との共闘など、組織人にあるまじき行動がある」「組織指導を受け入れない組合員に対しては、毅然(きぜん)かつ適切な措置を取らざるを得ません」と言い放った。4党合意破産の責任を闘争団になすりつけ、闘争団の除名を叫ぶ許しがたい発言だ。
大会延期承認を求める本部に、高崎地本の代議員がすかさず反論した。「こんな全国大会は前代未聞だ」「本部責任を明確にせよ」
議長団は大会延期の承認を拍手で求めた。千葉地本の代議員が議事運営に抗議して発言を求めたが、議長に収まった東京地本の阿部書記長はそれを無視した。
組織検討委員会が闘争団への生活援助金を減額するとの方針を提案した。水戸地本、千葉地本の代議員がこれに反対意見を述べた。
寺内書記長の運動方針提案は、ごうごうたるやじでかき消された。
経過に関する討論では、東京地本・新橋支部、東京闘争団、仙台地本の各代議員が「4党合意はもう終わっている」「闘う方針を確立すれば団結できる」「いつまでストもできない状況が続くのか」と論陣を張った。チャレンジは「一部闘争団には査問委で毅然と対応を」(東京地本・宇都宮支部)と応酬した。
経過に関する答弁で、寺内書記長は「鉄建公団訴訟の原告がせめて2ケタになれば、間違いなく解決案が示される」と暴言を吐いた。鉄建公団訴訟原告を何がなんでも除名するという反動的意志をむき出しにしたのだ。
議長団は拍手による経過の承認を求めた。抗議の声が会場を覆った。議長はやむなく投票による採決に付し、本部案は可決された。
運動方針討論では、1日目に5人が発言した。全員が賛成派だ。チャレンジは「首を切られた苦しみを分かるかと言われれば黙るしかない。だから本務の組合員はカンパしている。1回目は面白がるが、2回目はまたかとなり、3回目はもうたくさんとなる」「本当に今の国労は単一組織なのか。こんなに意見が違うなら、分かれて連合体にすればいい」(東京地本・宇都宮支部)と吐き捨てるように言ってのけた。反動革同は、「国労が自ら4党合意を破棄する道をとらないことが重要だ」(東京地本・新橋支部)と、4党合意にあくまでしがみつく態度を示した。
2日目の討論に先立ち、反対派代議員は4党合意の破棄などを求め、6本の修正動議を提出した。議事運営委員会は、そのうち2つの動議の中に「本部総辞職」の言葉があることをあげつらい、不信任案の提出に必要な署名数を満たしていないとして却下した。
この日の方針討論では15人が発言したが、反対派は1人だけ。午後からの代表討論も、3人の発言者全員を賛成派が独占した。まさに強権的な議事運営だ。
チャレンジは「4党合意はおかしいというのがいつまで続くのか。いつまで頑張っているのかという組合員の声もある。頑張れば勝利できるというのは幻想だ」(仙台地本)と放言した。反動革同は「闘争団の一部の独自行動は団結を否定する利敵行為」(東京地本)、「ILO勧告は4党合意での解決を求めている。国労方針に一部闘争団が従わないのは解決の大きな阻害要因」(北海道本部)と言いつのった。
不正・腐敗を徹底追及
議長団が運動方針の採決を強行した。反対派の修正動議は否決され、本部原案が押し通された。
だが、反対派はひるむことなく大会最終局面での徹底抗戦を貫いた。暗雲を切り裂いたのは、財政小委員会報告をめぐる攻防だった。本部は、闘争団への生活援助金の削減や、アルバ(本部統一物販)のでたらめな欠損処理を強引に認めさせようとした。高崎地本の代議員が質問を求めたが、議長団は発言を圧殺した。これが反対派の怒りに火をつけた。
続いて田中副委員長が査問委員会答申を報告した。その一つは、新井前中執ら国労分裂の首謀者15人の除名処分だ。議長団は拍手承認を求めたが、規約に反することを指摘され、あわてて投票を実施した。分裂首謀者の除名は承認された。
もう一つは、闘争団への処分のために査問委を「継続設置」するというものだ。だが、規約の上では査問委の設置は「その大会のみ効力がある」とされている。今大会で結論を報告できなければ、直ちに解散しなければならないのだ。
高崎地本の代議員が「査問委員会の自動的解散を確認する動議」を提案した。これに対して寺内は、「今大会ではなく、査問委が結論を出した後の直近の大会に報告すればいいことになっている」と居直った。規約を踏みにじるでたらめな解釈だ。反対派代議員が総立ちになって抗議する中、議事はいったん中断した。
再開後、革同の田中副委員長が「継続設置は規約に基づく扱い」と述べ、寺内答弁を追認した。
反対派の動議は否決され、本部原案が可決された。反動革同はこれに全面加担した。彼らは、闘争団除名を意味する査問委「継続設置」に賛成したのだ。日本共産党の「国鉄闘争再構築路線」のペテンと反革命性はむき出しになった。
続いて寺内書記長が「スト基金の運用について」なる議案を提案した。スト基金13億円のうち8億5千万円を取り崩し、専従者・書記の退職金やエリアの資金に充てるというものだ。スト基金の取り崩しは、スト放棄の労使共同宣言路線への転落を意味する。さらに、エリアに3億円もの金をばらまいて、単一体としての国労を解体し、JR連合になだれ込もうというのである。まさに国労財産の持ち逃げだ。しかも、スト基金はストによる賃金カットの補償以外に使用しないと規約に明記されている。本部は、こんな議案を大会当日に突如として提案した。その提案の仕方自体も議事規則に反している。
寺内は、このでたらめな提案を採決に付せば否決されかねないことを恐れ、「1年間の職場討議にかけて、次期大会で決定する」と述べた。だが、それが国労の自己解体をさらに加速させることは明らかだ。
東京地本・新橋支部の代議員が修正動議を提案し、使途不明の金をエリアにばらまく不正・腐敗を批判した。北海道本部・旭川地区本部の代議員も平然と規約を踏みにじる本部を徹底的に弾劾した。他方、チャレンジの代議員は「エリアへの金の配分が少ない」と本部を反動的に突き上げた。
激しい怒りが代議員・傍聴者からわき起こった。傍聴者が本部に詰め寄ったが、分厚い警備の壁に阻まれた。反対派の修正動議は否決された。抗議の声はさらに高まった。
こうした攻防の中で、大会は終了予定の午後3時を大幅に上回る午後6時まで続けられた。
国家権力に大打撃 甘利が「4党合意離脱」表明
今や、チャレンジと反動革同は国労解体への最後の留め金を外した。
だが、それは本部の不正義と腐敗が全組合員に赤裸々に暴かれ、組合員と本部との対立はいよいよ非和解化したということだ。2日間の攻防を貫いた代議員や組合員の闘いは必ず国労の階級的再生に結実する。
大会後、自民党の甘利は今大会で闘争団への処分を決められなかったことにいらだち、「国労側の誠意ある対応がなければ、わが党は4党合意離脱を含め厳しい対応をせざるをえない」と本部を恫喝した。あくまで闘争団を除名せよというのだ。国労解体をどこまでも押し貫くという日帝権力の意思表示だ。
闘争団除名の臨大を許すな
本部はこれにあわてふためき、26日の中執で鉄建公団訴訟原告の中心メンバーに対する処分を先行するとの方針を決めた。査問委の結論を早急に出し、除名処分のためだけの臨大さえ策動しているのだ。
さらなる激突情勢が訪れた。5・27臨大弾圧への大反撃を軸として、これに真正面から立ち向かおう。
エリア・地本の大会を闘い抜き、1047人闘争陣形をさらに発展させよう。国労組合員自らの力でJR総連解体を推し進め、JR資本と職場から対決して、03春闘をストライキで闘おう。イラク反戦・有事立法阻止の闘いを国労の中から巻き起こそう。
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週刊『前進』(2081号2面2)
国労70回定期大会 4党合意は破綻、執行部総退陣迫る
社文前集会 “闘う執行部をつくれ” 弾圧粉砕へ闘志あふれ
国労大会は4たび機動隊の重包囲下に置かれた。だが、闘争団や国労組合員、支援は、権力の恫喝をはねのけて続々と結集した。その数は、大会両日をとおして延べ700人に達した。参加者は固く団結して機動隊と対峙し、国家権力と国労本部を弾劾し抜いた。
5・27臨大弾圧に総反撃する決意を固めた国労組合員は、両日とも代議員宿舎前と傍聴者集合場所での説得・ビラまき行動を貫いて集会に合流した。
大会初日の午前9時半、司会の国労組合員が、「本部は新井、今井らと裏でつながりながら国労を各エリアに解体しようとしている。スト基金も取り崩す。怒りをもって糾弾する。新たな闘いへ、私たちが主体的に闘う。機動隊に守られた大会に抗議する」と集会開始を宣言した。
国鉄闘争共闘会議が、「破産した国労本部を踏み越え、追放して、われわれが主人公であることを明らかにする」と断言した。闘う闘争団の原田亘代表は、「れわれの闘いが間違っていたことにする大会にしてはならない」と訴えた。
5・27臨大弾圧家族らが訴え
5・27臨大弾圧被逮捕者の家族がマイクを握った。家族たちは、集会に先立って「釈放を求める署名に協力するな」とした本部指示の撤回を求め、本部役員との面会を要請した。だが、警備の東京地本役員は、「組合とは関係ない」と家族たちを追い払った。被弾圧者の家族は、こうした本部の対応を弾劾し、「私たちの夫はれっきとした組合員。腹立たしくて仕方ない。完全黙秘で頑張っている夫たちとともに家族も闘う」と決意を述べた。
これに続いて佐藤昭夫弁護士が発言し、弾圧に加担する国労本部を弾劾した。鉄建公団訴訟弁護団の各弁護士が、闘争団とともに闘い抜く決意を表明した。
全国から結集した闘争団員は、「警察と癒着した本部は総退陣しかない」「本部は朽ち果てている。闘う指導部を立てよう」「4党合意以来、誰が本当に闘っているのか、誰が言葉だけを飾っていたのか分かりやすくなった。踏みにじられても闘う」「頑張っている組合員を大切にしない国労ではなく、手を取り合える国労にしたい」とそれぞれに訴えた。また、00年7・1臨大で不当逮捕された国労組合員が、地労委闘争の勝利を報告した。
動労千葉の田中康宏委員長が、1047人闘争の当該として国労闘争団・全動労争議団とともに最後まで闘う決意を表明し、JR総連解体を訴えた。関西合同労組が、弾圧粉砕へともに闘う決意を表明した。
2日目は雨の中での集会となった。だが、参加者の怒りと決意は強まるばかりだ。「国労の流れ解散を許さない」「本部は総退陣・総辞職すべきだ」「高嶋委員長、寺内書記長が方針提案していること自体許せない」との発言が続いた。
弾圧の機会をうかがっていた権力が参加者を挑発した。全参加者が激しい怒りで公安警官を弾劾した。
闘争団員が、本部や東京地本の不正会計を暴いて弾劾した。「スト基金取り崩しを許さないぞ。不正な金の流れを追及するぞ」とシュプレヒコールが上がった。国労に人権と民主主義を取り戻す会の組合員は、「スト基金取り崩しには仮処分も辞さない。機動隊や公安が守っている国労本部は裏金づくりの犯罪者だ」と怒りの声を高めた。
大会終了直後、高崎地本の代表が、2日間の闘いを総括して、「こうした本部を許してきたのは自分たちの責任だ。本当の闘う執行部を立てるために行動する」と宣言した。闘う闘争団の内田泰博代表が、「闘う部隊があれば展望は開ける。われこそ国労組合員という気持ちの強さが、これからの闘いに反映する」と訴えた。
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週刊『前進』(2081号2面3)
“事業団は無責任” 鉄建公団訴訟開く 第2回口頭弁論
11月21日午前、鉄建公団訴訟の第2回口頭弁論が開かれ、100人以上が集まった。法廷では国労大分闘争団の赤峰正俊さんが「私は事業団3年間で就職あっせんを直接当局から受けたことは一度もありません。その私をしても1人平均20〜30回もの就職あっせんをしたと言われているのですから、その無責任さに驚くばかりです」と訴え、清算事業団の実態を暴露した。
同日夜、シニアワーク東京で「第2回鉄建公団訴訟報告集会」(主催/鉄建公団訴訟原告団、国鉄闘争共闘会議)が開催され、約220人が参加した。集会の最後に、多数の闘争団員が登壇し、原告団の酒井直昭団長が決意を表明。「私たちはこの問題を原告団だけで解決しようとは思っていない。最後は必ず国鉄労働組合として解決する。そういう方向に向かう国労大会にしたい」と訴えた。
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週刊『前進』(2081号4面1)
イラク人民虐殺やめろ 日帝のイラク侵略参戦許すな 12・8大デモで戦争とめよう
イラク攻撃は世界戦争突入だ 日帝・小泉こそ最大の支援者
11月27日に国連のイラク査察が始まった。イラクが「大量破壊兵器の開発計画」を申告する期限の12月8日前後には、カタールの前線司令部が立ち上がる。いつでもイラクを総攻撃できる体制が整うのだ。米帝のイラク侵略戦争が事実上始まり、全面攻撃が間近に迫っている。これは歴史上に比類のないほど残虐な、被抑圧民族人民への一大虐殺戦争である。米帝ブッシュはこれを突破口に全世界を暴力的に戦争過程にたたき込もうとしているのだ。日帝・小泉政権こそ英帝ブレアとともに、米帝ブッシュの最大の同盟者である。在日米軍基地こそ最大の出撃拠点なのだ。すでに欧米では数十万人、百万人の労働者人民が立ち上がっている。日本人民の態度こそが問われているのだ。イラク侵略戦争を絶対に止めるために、12・8全国総決起闘争の大爆発をなんとしても実現しよう。
被抑圧民族への大虐殺戦争全世界の暴力的再編を狙う
戦後世界体制の崩壊と29年型世界恐慌過程が現実となる中で、世界戦争か世界革命かを問う巨大な情勢が到来している。米帝のイラク侵略戦争は、歴史的没落にあえぐ米帝が基軸帝国主義としての延命をかけて行う世界戦争計画の全面的発動である。米帝は基軸帝国主義であることを自ら放棄しない限り、イスラム諸国人民の民族解放闘争を圧殺し、中東支配−世界支配を再編する戦争に打って出るしかない。今や米帝の世界戦争戦略を軸に、戦後世界体制の崩壊と帝国主義の基本矛盾が世界戦争として爆発し始めたのだ。
これに対し、昨年9・11反米ゲリラ戦争を被抑圧民族人民からの糾弾として受けとめた帝国主義国の労働者人民が、イラク反戦闘争に膨大に決起し始めている。それは被抑圧民族人民と連帯し、世界戦争に突き進む米帝(帝国主義)を打倒する国際的内乱の始まりである。
9・11に震撼し絶望的凶暴化
米帝はイラクの体制転覆を突破口にして、中東の新植民地主義支配の全面的崩壊の危機を暴力的に突破しようとしている。
2月7日、PNAC(新アメリカの世紀プロジェクト)のクリストル議長は上院外交委員会で「イラクでの親米政権の樹立がもたらす政治的、戦略的報酬は巨大である」「親米的で自由な産油国イラクが誕生すればイランを孤立させ、シリアをおびえさせ、パレスチナ人はイスラエルとの交渉により誠実となり、サウジアラビアは中東と欧州の政治家に対する影響力を弱めることになるだろう」とブッシュ政権の意図を語った。ラムズフェルド国防長官の諮問機関、国防政策委員会は「全中東民主化・市場経済化計画」という構想を議論している。
9・11反米ゲリラ戦争は、戦後50数年にわたり全世界で侵略戦争を行い、500万人もの被抑圧民族を虐殺し、言語に絶する民族抑圧を行ってきた米帝に対し、被抑圧民族人民の反撃戦をアメリカ国内に初めて持ち込んだ。米帝は震撼(しんかん)し、それがアメリカの労働者人民の闘いと結合することを恐れた。イスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)の米帝に対する怒りが極限まで高まり、民族解放・革命戦争のエネルギーが爆発し始めている。米帝はなんとしてもこれをたたきつぶそうとしているのだ。
こうした中で、91年の湾岸戦争から10年以上たっても、イラクがいまだに反米国家として中東のど真ん中に存在し続けていること自体が、米帝にとっては危険きわまりないことなのだ。それどころかイラクがアメリカの不正義を告発する存在として自己をアピールし、国際社会に復帰しつつある。しかも、ロシアや他帝国主義がイラクやイランに利権を拡大している。
米帝はもはやこうした状態を放っておけない。パレスチナ人民のすさまじい自爆決起は米帝の中東支配のための軍事基地国家=イスラエルの国家的危機を生み出している。このままではサウジアラビアを始めとした湾岸産油国がいつ崩壊するかもわからない。だから米帝は、イスラエルがパレスチナでやっている民族虐殺戦争を、中東−全世界でやろうとしているのだ。
だが米帝のイラク侵略戦争は、2400万イラク人民、13億ムスリム人民全体の民族解放闘争への総決起を生みだし、必ず泥沼化する。米帝は第2次大戦後の日本占領政策のようなものを構想している。だがこれはあまりにもイラク人民、イスラム諸国人民の米帝への怒りを軽視している。二度も軍事侵略され、何十万人も、何百万人も虐殺され、永久に消えない放射能をまき散らされたイラク人民が、米帝の軍事支配やかいらい政権に従うとでも考えているのか。すでにヨルダン、クウェート、レバノンなど中東各地で、米国人を狙った銃撃や米系店舗への放火事件が頻発している。米帝の「対テロ戦争」は、無数の反米ゲリラ戦士を生みだすのだ。
何よりも、こうした被抑圧民族人民の闘いと連帯する、帝国主義国の労働者人民の闘いが大爆発していくことは不可避だ。欧米の労働者階級人民のイラク反戦闘争への決起はそのことをはっきりと示している。イラク侵略戦争の開戦は世界戦争過程への本格的な突入であり、それはすなわち世界革命の時代が始まったということなのである。
石油強奪狙い親米国家建設
同時に、これは石油強奪のための戦争だ。米帝はサウジアラビアに次ぐ原油埋蔵量をもつイラクに親米国家をつくり、石油支配における独占的地位を再び奪おうとしているのだ。
石油争奪戦は単なる巨大利権をめぐる争いではない。現代の帝国主義にとって石油は全産業を支える血液である。しかも世界の石油の大部分が中東湾岸地域に偏在する。中東の石油支配権を英仏帝から奪ったことが、核軍事力や基軸通貨ドルによる支配と並び、米帝に基軸帝国主義としての絶対的な地位を与えたのだ。OPEC(石油輸出国機構)による二度の石油戦略が世界経済に大打撃を与えたように、石油支配権の確保は帝国主義の世界支配の問題であり、帝国主義間争闘戦にとって死活的な位置を持っているのだ。
リンゼー大統領補佐官(経済担当)は、「イラクで政権交代があれば日量300万〜500万バーレルの原油が新たに市場に放出され、イラク攻撃の成功は経済にプラスだ」と語っている。すでに米帝はアフガニスタン侵略戦争で石油をめぐる最終係争地と言われるカスピ海沿岸の石油を手に入れた。米帝はイラクを親米国家につくりかえ、イラクの原油採掘権を獲得し、原油生産量を増やすことで、OPECの影響力を低下、あるいは崩壊させ、米帝が独占的な石油支配を再び奪い取ろうとしているのだ。
79年のイラン革命とOPECによる第2次石油戦略の発動以降、産油国主導による石油の世界流通秩序の全面的な再編が起こった。メジャーの利害を擁護してきたサウジアラビアまでが直接販売を拡大し、メジャー依存からの脱却はOPECの大勢となった。「米国を除く原油生産のうち、産油国国営会社のシェアは1970年から79年に10%から70%に増加し、メジャーのシェアは同じく72%から17%に減退した。製品販売でもメジャーのシェアは71年の54%から81年の40%強に低下した。石油市場でのメジャーの位置は根本的に変化した」(83年、ロイヤル・ダッチ・シェルのバクセンデル会長)。米帝はこうした歴史を大逆転させようと狙っているのだ。
将来の脅威口実に先制攻撃 大量破壊兵器は米帝の方だ
最も重大なことは、ブッシュ・ドクトリン(9月20日、米国家安全保障戦略)が示すように、米帝がこのイラク侵略戦争をもって世界戦争計画を全面的に発動しようとしていることだ。
ブッシュ・ドクトリンは、すでに国防報告などで発表した米帝の世界戦争戦略を「対テロ戦争」として推進する原理をうち出した。ここで米帝は、イラク侵略戦争を始めとする「対テロ戦争」を合理化するイデオロギー的粉飾を試みている。だがそれはあまりに手前勝手で破産的である。
(1)ブッシュ・ドクトリンは、「地球規模でテロリストを撲滅する」「当面の焦点は、大量破壊兵器(WMD)の入手、使用を試みるテロ組織、テロ国家だ」と叫んでいる。
だが、そもそも誰が「テロリスト」なのか。
米帝は、米帝の侵略や虐殺、民族抑圧に抗して闘う民族解放闘争を「テロ」と決めつけている。だが、なぜ被抑圧民族人民が強大な米帝(帝国主義)に命をかけて立ち向かうのか。命をかけて彼らが守ろうとしているのは何か。彼らは何か不当な要求を突きつけているのか。ただ自分たちの家族や仲間を帝国主義の軍隊で虐殺しないでほしい、民族自決権を認めてほしいと言っているだけだ。米帝のように資源を強奪し、収奪・抑圧を自由にやらせろと言うのとは違う。どう考えても、米帝こそが「最強の軍事力」を武器に、侵略と略奪を行い、全世界の富の約6割を独占する「テロ国家」なのだ。
またWMDを問題にするなら、真っ先に米帝を問題にすべきだ。1万発もの戦略核兵器を始め、大量のWMDを保有している。NPR(核戦力態勢の見直し)では核兵器と通常兵器を組み合わせて、核兵器を実戦で使うと主張している。実際にも米帝は広島、長崎に原爆を落とし、ベトナム戦争で枯れ葉剤などの化学兵器を使い、湾岸戦争、ユーゴ侵略戦争、アフガニスタン侵略戦争でウラン弾を撃ち込んで、人民を大虐殺した。そしていまだに虐殺し続けている。米帝のWMDこそ最も使われる恐れの高い、緊急に廃棄されるべき兵器なのだ。ところが、国連はこれを問題にしない。なのにイラクの主権をはく奪し、国家解体を認めるデタラメな決議を上げているのだ。
(2)ブッシュ・ドクトリンは、「必要とあれば、単独行動をためらわず、先制する形で軍事力を行使する」と、「対テロ戦争」では「先制攻撃も自衛権」だと主張している。しかもドクトリンは「脅威が現実となる前に抑止し、防御しなければならない」としている。要するに、現実の脅威ですらなく、将来の脅威となるかもしれないと米帝が考えれば、いくらでも先制攻撃できるというのだ!
米帝は「自衛のための先制攻撃」の正当性を、°テロリストには守るべき領土がなく、従来の『抑止』『封じ込め』戦略が利かないからだ″と主張する。ところが、イラクや北朝鮮は主権国家であり、守るべき領土がある。国際的な常識としても、イラクや北朝鮮の側から米帝を攻撃する可能性はないと考えられている。だから米帝は、°こうした国の政府自体はWMDを使わないかもしれない。だがテロリストにWMDを渡すかもしれない″と言うのだ。
イラン・イラク戦争の中でイラクが化学兵器を使用したことは断じて許せない。だが、イラクは米帝の協力と支持があったからこそ化学兵器を手に入れ、使うこともできたのだ。米帝こそが他にWMDを渡して使用させた唯一の「テロ国家」なのだ。
(3)ブッシュ・ドクトリンは、従来の「国家主権」「自衛権」などの国際的ルールを一方的に破棄するものだ。国連は1974年の29回総会で、「侵略とは、一国による他国の主権、領土保全もしくは政治的独立に対する武力の行使」である、と決議を上げた。国連憲章を始め、現在の国際的ルールに従えば、米帝のイラク攻撃こそ典型的な侵略戦争なのであり、イラクがあらゆる手段を使って反撃するのは自衛権の行使なのだ。むしろ国連は対アメリカ制裁を決議すべきなのだ。
かつて81年にイスラエルの戦闘機がイラクのオシラク原子炉を攻撃した時、イスラエルはそれを自衛的行動と呼んだが、世界はこれを侵略行為と非難した。当時のサッチャー英首相もイスラエルの行動を批判した。当のアメリカも国連の対イスラエル非難決議に加わったのだ。
米帝は1648年のウエストファリア条約で確立された「武力行使は実際の脅威への自衛行為によってのみ正当化され、内政干渉は許されない」とする「国際法の原則」「戦争のルール」をも根底から覆そうとしている。米帝は「テロ撲滅」を理由にすれば、他国の「国家主権」を侵害してもかまわないとさえ主張している。°(WMDの開発やテロリストとの関係についての)説明責任を果たさない国は、主権国家としての責任を果たしていないことになるから内政不干渉などの国家主権を奪われてもしょうがない″°非友好的で専制的な国家は、存在そのものが脅威であり、先制攻撃で政権を転覆してもかまわない″というのだ。
では米帝は説明責任を果たしているのか。米帝こそ包括的核実験禁止条約の批准や生物兵器禁止条約議定書の調印を拒否し、説明責任を放棄しているではないか。米帝は中南米など世界各地で極右テロ組織に武器を支援し、ジョージア州にある国防総省の「アメリカ学校」ではテロ訓練までやっているではないか。
どう考えても、イラクや北朝鮮に対する攻撃を「対テロ戦争」と位置づけるのは無理があるのだ。米帝はイラク攻撃を根拠づける証拠さえ何ひとつ示せていないのだ。ラムズフェルド米国防長官は「WMDを持っている証拠がないからといって、それが持っていないという証拠とはならない」などと言っている。
要するに、ブッシュ・ドクトリンは、°従来の国際的ルールをすべて変更し、これからはアメリカが、何が「テロ」「脅威」かを認定し、どの国家を武力攻撃して政権を転覆するかを決めるすべての権限を持つ″と主張しているのだ。こんなデタラメなことが許されるのか。
世界戦争推進正当化の原理
ブッシュ・ドクトリンは、こうした原理に基づき、米帝の「最強の軍事力」をもって、「対テロ戦争」をどんどん進め、他帝国主義やロシア、中国なども従わせ、世界を米帝の新秩序のもとに再編すると言っている。イラクと北朝鮮を具体的な標的として名指しし、中国の体制も転覆することを明らかにしている。さらに、イスラム主義国家を西欧型の制度や文化に従属した新植民地主義国家に変えるとする。また日帝を「対テロ戦争」の協力者であり続けるべきだという。こうして米帝は、これからもずっと唯一の超大国であり続け、「米国と同等かそれ以上の軍事力を築こうとする潜在的な敵を思いとどまらせるのに十分な、強力な軍事力を持つ」というのだ。ブッシュ・ドクトリンは、米帝の「対テロ戦争」が民族解放闘争を圧殺し、全世界を暴力的に再編する侵略戦争、世界戦争にほかならないことを明らかにしているのだ。
すなわち、米帝は中東支配・世界支配の破綻(はたん)に対し、従来の「抑止」「封じ込め」戦略を超えて、中東・全世界を先制的・予防反革命的に戦争過程にたたき込み、全面的崩壊へと突入した戦後世界体制を新たな米帝体制として現状破壊的に再編しようとしているのだ。そして世界恐慌、長期大不況の時代における帝国主義間の市場・石油資源・勢力圏の奪い合いにうち勝とうとしているのだ。こうした世界戦争戦略を正当化し、推進する軍事外交の原理が、「対テロ」なのである。
また虐殺の手助けするのか-−日本人民の責任は重大
日本人民の責任の重大性をはっきりさせよう。日帝は91年湾岸戦争で、対イラクの国連制裁決議や武力行使容認決議に率先して賛成し、米帝に130億jの戦費を拠出した。われわれの税金がイラク人民虐殺を支えたのだ。それは今なおウラン弾によるガンや白血病で苦しむ子どもたちを殺し続けているのだ。われわれはイラクの子どもたちを助ける義務を負っているというのに、またも虐殺の手助けをするのか。
11月20日、米政府は日本政府に対して、米帝のイラク攻撃への支持と協力を要請した。小泉政権はこれに全面的に応じ、難民支援などを行う方針を固めた。
11月19日にはテロ対策特措法による米軍支援の基本計画を半年延長し、輸送艦と護衛艦各1隻の追加派兵を決めた。今回の延長は過去1年とはまったく性質を異にする。米艦隊がイラク攻撃のためアラビア海からペルシャ湾に移動した場合に生じる「空白」を海上自衛隊が埋めることが予定されているのだ。小泉政権はイージス艦派兵さえ行うつもりだ。何よりも、沖縄、横須賀、佐世保などの在日米軍基地が、イラク攻撃の出撃基地となっている。
米帝のイラク全面攻撃はすぐそこに迫っている。イラク人民は°頭の上に爆弾をぶら下げられて、毎日を過ごしている″のだ。戦争が始まったら反撃する、ではいけない。なんとしても戦争が始まる前に止めなくてはならない。世界の労働者人民の闘いだけが戦争を止められるのだ。
イラク人民の大虐殺をさらにこれ以上許していいのか。日本人民はまたも虐殺に加担するのか。「ブッシュも悪いが、フセインも悪い」とか「テロはよくないんじゃないか」などの議論をぶっ飛ばそう。今まさに、世界最大級の国家テロが何の罪もないイラクの子どもたちの命を奪おうとしているではないか! 米帝(帝国主義)が、これまで全世界人民を抑圧し、収奪し、虐殺してきた上に、大恐慌と歴史的没落にあえぎ、どうにもならなくなって、「対テロ」を掲げて侵略戦争、世界戦争に突っ込んでいるのだ。これに対してイスラム諸国人民が必死で闘い、欧米の労働者人民も連帯して決起し始めた。
われわれ日本人民も断固決起しよう。最後まで死力を尽くして12・8の大爆発のために闘おう。21世紀を反帝国主義・反スターリン主義世界革命の時代にしようではないか。
〔早乙女 優〕
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週刊『前進』(2081号5面1)
イラク人民虐殺やめろ 日帝のイラク侵略参戦許すな
DON'T ATTACK IRAQ 闘うムスリム人民 世界の人民と連帯して
湾岸戦争は核戦争だった 数百トンのウラン弾で爆撃
米帝ブッシュのイラク侵略戦争は、国連査察の実施によって一歩一歩強行への道を進んでいる。91年イラク・中東侵略戦争(湾岸戦争)、さらにはその後の経済制裁によるイラク人民大虐殺をも上回る人民大虐殺が行われようとしているのだ。帝国主義がイラクの石油を強奪するために暴力的に戦争を強行し、何百万人ものイラク人民を虐殺することをどうして許すことができるだろうか。イラク反戦闘争の爆発を切り開くために、イラクの現状を直視しなければならない。
ガンが242%増加 放射能の被害の現実
91年湾岸戦争は、今もイラク人民に深刻な被害を与えている。ウランによる放射線と重金属としての化学的な毒性でガンや白血病、新生児の先天性「障害」などが、時がたつとともに激増している。先天性「障害」の場合、神経系統が損傷しているケースが多く、はなはだしい場合、脳の大半が欠損している「無脳症」もみられる。さらに白内障などの目の異状や骨の異状もみられる。
バグダッドのマンスール小児病院関係者の話によれば、新生児の先天性「障害」は湾岸戦争前の20倍にものぼっているという。
放射線による被害は年が若いほど発症しやすく、イラク南部地方では子どもの悪性腫瘍(しゅよう)や白血病が著しく増加している。バスラ大学医学部の統計調査によれば、イラク南部の15歳以下の子どもの白血病の発生率は、1990年に比較して97年は60%の増加、99年には100%もの増加になっている。さらに悪性腫瘍の発生率は99年には242%の増加である。悪性腫瘍の発生率の高い地域がイラク南部から北へ広がっている。
こうした白血病やガンになった子どもたちが、経済制裁によって薬が不足しているために途中で治療をあきらめなければならない状況を強いられている。
新生児の先天性「障害」はとりわけ湾岸戦争に従軍していた元兵士の子どもに多い。これは、湾岸戦争に従軍したアメリカ軍兵士や旧ユーゴスラビアのコソボやボスニアに派兵されたイギリス、イタリア、ギリシャなどの兵士の子どもにも多発している。
湾岸戦争に従軍した米軍兵士57万9000人のうち25万1000人が退役軍人担当局に治療を求めている。そのうち18万2000人が白血病や肺ガンなどの補償を求めている。そして9600人の退役軍人がすでに死亡している。
こうした「湾岸戦争症候群」と同様にヨーロッパ各国の兵士にも「バルカン症候群」と呼ばれる症状が発生しており、彼らも自国政府に対して補償を要求して闘いに立ち上がっている。
米英軍は91年湾岸戦争で大量のウラン弾を使用した。その総量は300dとも800dとも言われている。米政府当局自身も340dのウランを使用したことを認めている。
「劣化ウラン弾」と言われているが、この表現には核兵器よりレベルが低いものというニュアンスが込められている。しかしウランはウランなのだ。
主要には30_銃弾94万発以上、120_砲弾1万4000発以上が使われた。その他にも970発の精密誘導弾とミサイルが使われたと言われている。30_銃弾にはウランが300c使われており、120_砲弾には4・75`のウランが使われている。この二つをざっと計算しただけで350d近くのウランが使われたことになる。広島型原爆の1万4千倍から3万6千倍の放射能原子が環境の中にまき散らされたのだ。
ウラン弾はけっして通常兵器ではない。核兵器そのものだ。湾岸戦争は実際上の核を使った人民大虐殺の戦争だったのである。
11年間で25万回空爆 民族抹殺を狙う戦争
湾岸戦争で投下された高性能爆弾の量8万8000dは、第2次世界大戦全体の空爆で使われた爆弾の量を超えている。湾岸戦争による一般民衆の死者は15万人を超えている。
しかも米帝のイラク侵略戦争は91年に終わったのではない。その後も11年間、一方的な人民虐殺戦争を継続してきたのである。
湾岸戦争後今年の9月までの米英軍の出撃回数は25万回にも及ぶ。これは91年湾岸戦争での航空機の出撃回数11万回の2倍以上だ。
この11年間の空爆は、イラクの軍事施設に対してだけ行われたのではない。むしろ上下水道や電気関係など住民生活の基盤となる施設を意図的に破壊してきたのである。米帝は、経済制裁の上にこうした生活関連施設を破壊することによってイラク人民丸ごとの民族的抹殺を狙ってきたのだ。
今年に入って6月までは空爆が月5回以下だったのが、8月8回、9月10回、10月8回と急激に増えている。特に8月末から9月にかけての連続空爆では100機が動員され、98年の「砂漠のキツネ」作戦以来の作戦として強行された。
直接の爆撃での死者に限っても99年1月から00年4月の間だけで175人に上っており、500人以上が負傷している。
空爆での精密誘導爆弾の比率が湾岸戦争では8%で、ユーゴ空爆では35%、アフガニスタン空爆では56%に増えたと言われている。だがその一方で、一般民衆が被害を受ける比率は高まっているのである。結婚式を空爆したり、難民の車列を空爆したり、米帝は市民への犠牲をまったく省みることなく、無差別虐殺を続けてきた。
オルブライト米前国務長官は、イラク人民の大虐殺を、「これは私たちが進んでつくっている意味のある犠牲です」と完全に開き直っている。すでに経済制裁などで150万人ものイラク人民を殺し、さらに被害の拡大を狙って経済制裁や爆撃を続けてきたのだ。
イラクでは今経済の崩壊に苦しみ、100万人の子どもたちが栄養不足にある。6歳から11歳までの子どもの22%が学校に行けないでいる。学校に行っている子どもも放課後や休日には家計を助けるために労働している。中にはこの年齢には過酷な重労働についている子どももいる。親たちは、昼の仕事だけでは生活できず、さらにアルバイトで働いている。子どもが病気になれば薬代を払うために家財道具を売っている。すべてが経済制裁と爆撃の結果なのだ。
このイラク人民の頭上に再び爆弾の雨を降らせるのか。イラク人民大虐殺の侵略戦争を黙って見過ごすことが許されるのか。米軍はすでに大量のウラン弾を湾岸地域に運び込んでいる。しかも湾岸戦争で130億jを提供して戦争に加担した日帝が、今度は直接参戦しようとしているのだ。イラク侵略戦争を絶対に阻止しなければならない。12・8闘争に大結集しよう。
(秋原義明)
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