ZENSHIN 2002/12/02(No2080
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週刊『前進』(2080号1面1)
国連安保理決議−査察団派遣を弾劾せよ イラク侵略戦争開戦阻止へ
闘うムスリム人民と連帯し国際的反戦闘争の大爆発を
12・8日比谷野音に結集せよ
11・8国連決議と11・18査察団先遣隊のイラク入りによって米帝のイラク侵略戦争は事実上始まった。重大事態だ。これに対応して日帝はテロ特措法を再延長した。これは日帝のイラク参戦国化である。全世界でベトナム戦争時を上回る反戦闘争が爆発している。9・11反米ゲリラ戦闘という極限的な闘いが全世界に波及し膨大な大衆決起が生みだされている。国際的内乱が始まっている。日本でも闘うイスラム人民との連帯が生まれ、イラク反戦闘争の新たな渦が巻き起こりつつある。新たな「激動の7カ月」に突入し、闘いぬくことを訴えたい。反戦共同行動委員会が呼びかける12・8全国総結集闘争を日本におけるイラク反戦闘争の本格的爆発の時としよう。有事3法案・個人情報保護法案を断固阻止しよう。5・27臨大弾圧を粉砕し、松川裁判を超える一大裁判闘争に発展させ、国労再生、日本の労働運動の階級的再生をなしとげる決定的な転換点にしよう。来春、統一地方選挙闘争に飛躍的な勝利をかちとろう。
第1章 闘うムスリムとの連帯行動に決起しよう
11月18日、国連査察団の先遣隊24人がイラクのバグダッドに入った。当初の予定を早め、11月27日から査察活動を開始し、1月27日までに国連安保理に結果を報告する方針とされる。
査察団の行動の一つひとつがイラクの国家主権の侵害であり、とんでもない民族抑圧そのものだ。そうしておいて、「査察拒否・妨害」などを引き出し戦争の口実にしようとしている。
91年湾岸戦争以来、イラクは米英軍の軍事管理下にあった。その監視をくぐりぬけて「大量破壊兵器の生産」などまったくできない状態に置かれていた。
米帝は、フセイン政権が米帝に反抗的な態度をとっているという一点で、9・11型ゲリラ戦争を支援したり、将来に米帝に脅威を与える可能性があるとみなし、ただそれだけのことで侵略戦争をしかけ、フセイン政権を軍事的に転覆しようとしている。これだけの理由で数十万、数百万人のイラク人民を虐殺しようとしている。こんなことが許されていいはずがない。
ブッシュ・ドクトリンは、イラク・フセイン政権だけではなく「イスラムがテロの温床である」と言い切り、イスラムを一掃するとまで言っているのだ。
こんな戦争をイスラム諸国人民が黙って認めるわけがない。そして帝国主義諸国の人民も、イスラム人民の存在と闘いによって、9・11ゲリラ戦闘が当然の闘いであったこと、帝国主義諸国人民への決起と連帯のアピールであったことを自覚してきているのだ。
国際反戦闘争の爆発はそのことを示している。アメリカはもとより、ヨーロッパにはムスリム人民が膨大に存在し、米帝のイラク侵略戦争反対を呼びかけている。それに労働者階級人民がこたえて決起している。ムスリム人民との連帯行動が実現している。
12・8全国総結集闘争は日本でそうした闘いの本格的な爆発を切り開く闘いである。新たな「激動の7カ月」に突入しよう。国際反戦闘争と連帯し、日本でも世界に向けてイラク反戦闘争を発信しよう。9・11ゲリラ戦闘を支持し、イスラム諸国人民の決起と熱く連帯してイラク反戦闘争を闘う労働者・人民が存在することを伝え、巨大な国際連帯の輪を広げていこう。
日共は11・8国連決議に賛成した。米帝ブッシュのイラク侵略戦争賛成の立場をあからさまにしたのだ。徹底的に弾劾しよう。
第2章 日帝のイラク参戦攻撃を絶対に許すな
日帝はテロ対策特措法を再延長し、英帝ブレアに次いでイラク侵略戦争に積極的に参戦しようとしている。11月19日、テロ特措法で定めた米軍支援の基本計画に、新たな輸送任務を追加した上で期間を来年5月19日まで半年延長することを閣議決定したのだ。
10月初め、アメリカでアフガニスタンでの軍事作戦に参加する諸国会議が開かれ、米中央軍司令官が作戦の重点を「地上作戦」から「海上阻止行動」に移すとした。翌日の日米協議で、米側は@P3C哨戒機の派遣、Aイージス艦の派遣、B米英艦艇以外への燃料補給、C基地整備用重機をタイからアフガン周辺諸国へ海上輸送する輸送艦の派遣を日帝に求めた。
米軍がイラク攻撃を開始した場合、対アフガニスタン作戦に従事している米軍艦艇がペルシャ湾に集中する。アフガニスタン作戦に巨大な軍事空白が生まれるが、そこを海上自衛隊で補完せよという要求だ。
輸送艦派遣はこれにこたえるものであり、P3Cやイージス艦派遣、補給対象の拡大は基本計画の変更なしにできるとしている。イラク侵略戦争が始まれば日帝は完全に参戦するのだ。
イラク問題は日本問題である。イラク侵略戦争の巨大な出撃基地である沖縄、横須賀、佐世保などの在日米軍基地闘争を闘いぬこう。テロ特措法の再延長を許さず、海上自衛隊艦艇の派兵を阻止しよう。
イラク−北朝鮮侵略戦争法案である有事3法案と個人情報保護法案の廃案に向け闘おう。
日帝・小泉の日朝交渉は、ブッシュ・ドクトリンのもとで、拉致問題と核開発問題を口実とし、テコとして、北朝鮮に侵略戦争を仕掛ける戦争外交そのものになっている。
日帝と小泉によっては拉致問題は絶対に解決しない。小泉は戦争の恫喝をもって5人の拉致被害者を日本に帰国させながら、拉致問題を対北朝鮮戦争外交の道具にしている。拉致被害者家族を日帝自身が引き裂き、踏みにじり、犠牲にし、一層不幸にしている。
拉致事件は、北朝鮮スターリン主義=金正日政権の反革命的反人民的犯罪行為である。これは弾劾しなければならない。そして北朝鮮人民は決起して金正日スターリン主義体制を打倒するべきである。それと連帯した闘いと日本のプロレタリア革命の勝利、その結合にこそ真の解決がある。
今回の拉致問題は、そもそもブッシュの世界戦争計画があり、北朝鮮への戦争恫喝が加えられ、この情勢の中で、小泉が日朝交渉を北朝鮮への侵略戦争外交として開始したことがその根底にある。現に11月11日から22日まで日本各地と周辺海域で日米共同演習が大々的に展開されている。これはイラク−北朝鮮侵略戦争を想定した軍事演習であり、巨大な軍事重圧を北朝鮮に加えるものだ。
「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱へ」の立場に立って、排外主義、北朝鮮侵略戦争の策動と闘い、日朝人民の連帯をかちとり、日帝を打倒していくことが一切の問題を解決していく道だ。
第3章 国労臨大弾圧に大反撃する陣形を固めよ
11月19日、権力は5・27臨大弾圧の第2次弾圧で逮捕した2人の国労組合員を不当にも起訴した。絶対に許すことはできない。
国鉄分割・民営化、4党合意、5・27臨大、5・27臨大弾圧とは一つのことがらであり、権力とそれに全面屈服した国労本部は労働組合のあり方を完全に否定したのだ。国労本部は警察とJR資本の手先に転向した。そのあかしとして闘う仲間を権力に売り渡したのだ。これが労働組合指導者のすることか。この弾圧の不正義と暗黒性に怒りを爆発させよう。
資本・権力と日々苦闘する労働者の広範な怒りが日本中をかけめぐっている。必死の反撃を貫けば、それらの怒りはこの弾圧粉砕の裁判闘争に大河のように結集してくる。5・27臨大弾圧は権力にとって取り返しのつかない大失点に必ずなる。5・27臨大弾圧が国労の戦闘的再生をなしとげる大転換点となり、同時に日本労働運動の爆発の出発点になったことを、必ず敵・日帝国家権力や国労本部の裏切り者どもに思い知らせてやるのだ。
8人の起訴を徹底的に弾劾し、即時釈放をかちとろう。弾圧を恐れず、彼らの闘いに続こう。弾圧粉砕の広大な戦線をつくりあげ、一大労働裁判を闘おう。
11月14日、中教審は「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興計画の在り方について」の中間報告」を発表し、教育基本法の改悪を打ち出した。
報告は、現在の社会と教育の危機を叫びたて、「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人」を育成するという反動的な教育目標を新たに設定した。
「日本人としてのアイデンティティー(伝統、文化の尊重、郷土や国を愛する心)」「社会の形成に主体的に参画する『公共』の精神」などを盛り込み、愛国主義と能力主義を前面に押し出し、戦後教育を解体して、戦前の教育勅語型の侵略と戦争と差別・選別の教育に転換しようとしている。これは改憲への決定的な攻撃である。
各地での「一日中教審(公聴会)」への闘いに取り組み、来年通常国会への教育基本法改悪案の提出を絶対阻止しよう。
11月17日投票の沖縄県知事選は、稲嶺の「圧勝」という結果となった。だが今回の知事選の特徴は、史上最低の投票率という点にある(57・57%)。これは、革新共闘分裂や無力な既成指導部に対する意識的な「抗議としての棄権」がなされたということだ。しかも、選挙と同時に行われた調査では、66%の有権者が名護新基地建設と基地の県内移設反対の意思表示をしている。
そして決定的なことは、沖縄人民の日帝や米帝、基地と戦争に対する怒りはますます高まっているということだ。稲嶺の当選後の談話は、「解決なしに着工はありえない」である。しかし米帝ブッシュが使用期限15年に応じることはありえない。日帝にこの問題の「解決」は不可能だ。
稲嶺の再選は、名護の着工をめぐる力と力の激突の始まりを意味している。沖縄闘争を強化しよう。
第4章 機関紙・一時金・党建設へ全力で闘おう
03年統一地方選挙闘争が始まる。杉並にイラク反戦の大きなうねりをつくり反戦と介護保険闘争を両輪に絶対に勝利をかちとろう。
長期獄中同志奪還のために全党が奮闘しよう。1億円保釈金カンパをさらに全力で集めよう。
年末一時金カンパに全力を集中しよう。イラク反戦闘争の大高揚をかちとりつつ党勢倍増を実現しよう。機関紙を大胆に持ち込むことがカギである。労働者人民は『前進』の主張を闘いの武器として求めている。機関紙を拡大し、今こそ社共をのりこえる労働者党を建設しよう。
11〜12月イラク反戦・有事立法阻止に総決起せよ!
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週刊『前進』(2080号1面2)
国労2次弾圧 2組合員起訴を弾劾する 完黙・非転向の闘いに連帯を
5・27国労臨大・闘争団弾圧との攻防は、新たな段階を迎えた。11月19日、権力は第2次弾圧(10月29日)で逮捕された国労組合員2人を起訴するという、断じて許すことのできない攻撃を加えてきた。
われわれは、この暴挙に煮えたぎる怒りを抑えることができない。不当きわまる起訴を徹底的に弾劾し、日本労働運動総体を巻き込む大衆運動を実現して、早期奪還・無罪戦取の一大反撃戦に打って出ることを宣言する。
労働運動の歴史ぬりかえる勝利
第2次弾圧の2人の国労組合員は、先に起訴された6人の国労組合員・支援者の闘いに続き、完全黙秘・非転向を貫いた。逮捕・投獄を初めて経験した国労組合員が、権力のあらゆる恫喝に屈せず黙秘を貫いたことは、巨大な勝利である。
不当逮捕された一人ひとりの労働者が、国鉄分割・民営化に際してクビを覚悟して国労にとどまり闘いぬくことを決意した原点に立ち返り、人生をかけた必死の闘いとしてこの弾圧に立ち向かった。また、被弾圧者家族の怒りの決起が、獄中の仲間をしっかりと支えぬいた。それが、権力のもくろみをその核心部において粉砕したのだ。
労働組合運動への弾圧に対して、ここまで根底的な反撃を貫いた闘いはまれである。8人の仲間は、日本労働運動の歴史を塗り替える偉大な地平を切り開いたのだ。8人に続いて、弾圧にひるまず闘いぬこう。
日帝は、この弾圧によって国労内に形成された階級的・原則的労働運動をめざす潮流を分断・解体し、国鉄闘争の1047人闘争としての新たな発展を押しとどめ、国労そのものを壊滅に追いやって、日本労働運動を最後的に崩壊させようとたくらんでいた。それをもって、イラク−北朝鮮侵略戦争情勢下・有事立法情勢下での団結権否認−労組解体の攻撃を一挙に激化させ、侵略戦争への労働者の動員体制を暴力的につくり出すことを狙っていた。
だが、8人の仲間はこれに敢然と立ち向かい、日々の獄中闘争でこの攻撃を打ち破っている。それは、労働者階級そのものの中から、世界戦争情勢と真っ向から対決する闘いが始まったことを示している。労働者の根底的な怒りに根ざすこの決起は、階級総体を巻き込む壮大な闘いへと必ず発展を遂げるのだ。
8人の仲間は、完黙を貫き、権力を圧倒した。勝利の闘いを貫いた確信をもって、仲間たちはこれからの裁判闘争に臨もうとしている。この裁判は、労働者階級が日帝・国家権力の戦争と大失業の攻撃を裁き返す場へと転化する。国鉄分割・民営化以来、4党合意以来の国家権力による凶悪きわまる国労解体攻撃と、その手先となって組合員を権力に売り渡した一部国労幹部の恥ずべき所業は、ここに峻厳な審判を突きつけられるだろう。
一大裁判闘争を実現し総反撃へ
今回の起訴攻撃は、完黙を貫いた仲間たちに対する卑劣きわまる報復だ。
5・27臨大における国労組合員の説得活動は正義の行動であり、組合自治に属することとして、およそ権力が介入する事柄ではない。暴力行為等処罰法という戦前の治安維持法と一体の争議禁圧法を適用し、組合活動では日常茶飯の出来事を「多衆暴行」にデッチあげての起訴攻撃は、権力の弾圧がこれまでとは質を異にする段階に踏み込んだことを意味している。日帝は、国鉄闘争の発展が自らの死に直結しかねないとして、やみくもな弾圧をかけてきた。だが、墓穴を掘ったのは彼らの側だ。
国労組合員や支援の労働者・良心的文化人の間に、弾圧に対する怒りは深く広がっている。この怒りをどこまでも解き放ち、労働者階級総体を巻き込む一大労働運動裁判を実現しよう。国鉄闘争に勝利し、イラク−北朝鮮侵略戦争阻止の反戦闘争を巻き起こす決定的な水路がここにある。弾圧粉砕の怒りの決起で、総反撃ののろしを上げよう。
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週刊『前進』(2080号1面3)
社共に代わる労働者党の建設へ年末カンパを
同志の皆さん、読者の皆さん。革共同は年末一時金カンパを訴えます。
革共同は21世紀への突入にあたり、21世紀のできるだけ早い時期にプロレタリア世界革命に勝利し、共産主義への世界史的移行を実現することを宣言しました。そのために、今こそ革共同を社・共に代わる労働者党として建設することを誓いました。この1年余の国際階級闘争―日本階級闘争の前進は革共同にそのことを要求しています。
国際帝国主義は、その歴史的生命力を完全に失っています。1929年世界大恐慌を上回る世界大恐慌の始まりです。同時に、9・11反米ゲリラ戦争に示される歴史的に蓄積したムスリム人民の民族解放・革命戦争の高揚の始まりです。米帝を始めとする国際帝国主義の打倒なくしては、けっして勝利することのない闘いの開始なのです。そして、それに連帯する帝国主義国の労働者階級の決起も始まりました。今こそ、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の連帯した力で、国際帝国主義とそれに屈服するスターリン主義を打倒して、プロレタリア世界革命に勝利しなければなりません。
世界革命の主客の情勢の成熟に追いつめられ存亡の危機にたたき込まれているのは米帝を始めとする国際帝国主義です。帝国主義は自らの延命をかけて、凶暴な世界戦争を開始しました。米帝ブッシュ政権は「テロ根絶」を叫んで、イラク侵略戦争を突破口に、中国・北朝鮮への侵略戦争を強行することを国家戦略として打ち出したのです。それが「ブッシュ・ドクトリン」です。
イラク侵略戦争は、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民への攻撃です。全世界の労働者人民の団結でこの攻撃を打ち破らなければなりません。革共同はその持てる力のすべてを出し切り、イラク反戦闘争の先頭に立って闘います。
帝国主義の蓄積した全矛盾の爆発、世界大恐慌と戦争、労働者階級と被抑圧民族人民の帝国主義打倒の闘いの高まりに最も追いつめられているのは日帝です。日帝はどんづまりの危機を突破するために戦争と反動、凶暴な資本攻勢に打って出てきています。小泉政権は、この反革命的強行突破のための政権です。有事法制3法案の制定を始めとする戦争法案の策動。「不良債権処理―産業再生」を掲げた、大倒産―大失業の強制。日帝が生き延びるために、犠牲を労働者階級人民に押しつけようとしています。小泉政権を労働者人民の実力で倒さなければなりません。
革共同はその先頭で闘い、必ず勝利します。そのためには革共同の飛躍的強化こそ唯一の勝利の道です。とりわけ、財政力が重要です。革共同はまだまだ限られた力しか持ち合わせていません。労働者階級人民の力を今こそ、社・共を超える労働者党=革共同の建設に注いで下さい。年末一時金の支給期にあたって可能な限りのカンパを革共同に寄せていただくことを訴えます。
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週刊『前進』(2080号2面1)
JR資本・カクマル結託体制が歴史的な崩壊へ
国鉄分割・民営化との闘いが切り開いた大激動情勢
イラク侵略戦争突入と大失業攻撃の激化の中で、国鉄労働運動と日本階級闘争をめぐる重大情勢が到来した。日帝国家権力は11月1日にJR東労組カクマルら7人を逮捕し、東労組本部や松崎明(元東労組会長)への捜索などを繰り返している。日帝国家権力は、松崎・カクマルを最凶悪の先兵として国鉄分割・民営化を強行し、JR東日本の資本・カクマル結託体制を軸にした労働者支配を行ってきたが、ついに分割・民営化以降のあり方が大破綻(はたん)したのである。それは、一方で1047人闘争と国労・動労千葉の解体に全力を挙げる日帝権力が、他方でJR資本とカクマルの結託体制を清算しようとするものだ。そうして第2の分割・民営化攻撃として、国鉄労働運動破壊攻撃を貫徹しようとしているのだ。国家権力がそこに踏み込んできたのは、積年の国鉄労働者の怒りが権力・資本とカクマルの結託体制を追いつめ、破綻のふちに追い込んでいるからである。ついに労働運動は大激動情勢に突入し、闘う国鉄労働者が自らの力でJR総連カクマルを打倒し、権力・資本と闘う国鉄労働運動を再生するときが到来したのである。
ファシストとの関係「清算」へと動く権力
JR東労組カクマルらに対する逮捕・捜索の直接の「容疑」は、浦和電車区の組合員が東労組の指示に従わなかったとして、その組合員に退職を強要したというものだ。11月1日に大宮地本副委員長の梁次邦夫を始め7人(元組合員1人を含む)を逮捕し、東労組本部(JR新宿ビル内)や同大宮地本、浦和支部などを家宅捜索。捜索は12日までに東労組本部の幹部や松崎の自宅を含め八十数カ所に上った。14日には松崎に対する身体捜索、車両捜索が行われた。また東労組だけではなく、浦和電車区など関係個所の捜索や現場検証、管理者からの事情聴取を行うなど、JR東日本会社にまで踏み込んでいる。
JR東労組カクマルによる「退職強要」などは、今回の件に限らず、日常茶飯に行われてきた。東労組に反発する組合員を「組織破壊者」に仕立て上げ、白昼公然と脅したり、拉致・監禁したりして、東労組の暴力支配を維持してきた。これらは、すべて管理者の容認のもとで行われてきたものだ。また、「他労組解体」と称して、国労組合員らに対する攻撃を繰り返してきた。高崎では公然と「他労組への威圧や嫌がらせ的行動」を指示し、千葉地本委員長の小林克也は「動労千葉を絶対つぶす」と公言している。
JR総連・東労組は、労働者の団結を基礎にした労働組合とはまったく相いれないファシスト的支配によって成り立ってきたのである。
さらに重大なことは、分割・民営化以来の癒着・結託体制のもとで、松崎カクマルが関連会社の利権を握ってきたことだ。松崎の息子が社長になっている「さつき企画」や、缶入り飲料「大清水」を販売する「高崎商事」などが松崎カクマルの資金源となってきた。この間、黒田・カクマル中央派との分裂が決定的になるまでは、膨大なカネが黒田カクマルに流れていた。
今ひとつ重大なことは、松崎カクマルが、JR東日本経営陣の人事に介入していることである。
「JR総連=カクマル」ということが全労働者の弾劾の的になる中で、日帝権力は、98年にカクマルの白色軍事拠点であった「豊玉アジト」を摘発して以来、JR総連カクマルに対する一定の制動にのりだしてきた。そうした中で、99年末から松崎カクマルと黒田カクマルの抗争・対立が激化し、ついには松崎・カクマルJR総連派が黒田・カクマル中央派から分裂する事態が起きた。だが、権力は、国労・動労千葉を解体するためにJR総連カクマルを使い切ろうとして、彼らの白色テロル的な組合支配を容認してきた。
この過程で、00年6月にJR東日本の大塚新体制が発足し、01年8月には東労組との間で「第4次労使共同宣言」を締結する。それは東労組があらゆる合理化攻撃に全面協力することを誓うことで、「一段と質の高い労使関係を構築する」ことを宣言するものだった。ただし大塚新体制は、JR東労組を軸にした労務政策を続けるが、それまでの松田体制が松崎と一心同体であったのとは違った相対的関係を保とうとした。
しかし、松崎カクマルにとっては、それは自らのファシスト支配の瓦解(がかい)を意味する。なぜなら、JR総連とは、労働者の闘いによって団結を守る労働組合ではなく、資本の人事に介入し、カクマルらを昇進や昇職で優遇させ、他労組への差別・選別、不当労働行為をけしかけ、資本の利権の一部をかすめとることで組織を維持してきた集団だからだ。
今年の春闘過程で、東労組東京地本の石川委員長が突然辞任した。その理由は、95年に東労組から分裂した「グリーンユニオン」の結成にからんで開かれた秘密会議である。そこに参加していた当時の東京地本執行委員が今年2月に東京支社の営業部業務担当課長に昇格する人事が行われた。これに松崎が激怒し、当時それを不問に付した石川を更迭し、7月の東労組大会で松崎は東労組顧問を退任することまでして、資本に対して、この人事の撤回を要求した。続く東労組東京地本の大会で、大川東京支社長が謝罪し、その人事を撤回し、関連会社への出向を発令したのだ。
8月には大塚社長と夏目常務(人事担当)と松崎の会談が行われ、大塚が松崎にわびた。松崎は、9月10日の講演で、そのことについて自慢し「何か文句ありますか。何でこれが『気違い』(ママ)なんですか。何で『乱心』なんですか」とうそぶいた。
国家権力は、こうした資本とファシストとの関係を容認することはできず、その清算に踏み出した。
大リストラと03春闘での賃下げと権利破壊の大攻撃を狙う日帝にとって、JR東日本という大企業で、しかも軍事輸送のかなめとなる鉄道会社において、松崎カクマルのようなファシスト的に独自運動をするような集団がのさばっていることは、資本のあり方としても容認できなくなった。とりわけイラク侵略戦争の切迫、北朝鮮・中国侵略戦争策動、有事立法攻撃のもとで、JR総連のファシスト労働運動と戦闘的労働運動が激突する事態を放置するわけにはいかなくなったのである。
東労組8中執が辞任松崎路線は全面破産
さらに、この事態と連動して、東労組の組織分裂的事態が進行している。
10月末に東労組の嶋田副委員長以下8人の中執が辞表を提出し、11月3日の緊急執行委員会で受理された。また、JR総連の新妻企画部長が執行権停止になった。前述した会社の人事への介入の問題をめぐって、会社と一定の「対立」を主張する松崎と、会社へのべったり路線をとる嶋田らのいわゆる「新潟グループ」の対立が背景にあるといわれている。また、ポスト松崎の「後継者争い」があるともいわれる。
大塚体制下においていかに結託体制を維持し、東労組カクマルが生き残るのかをめぐる泥仕合である。だが、そのレベルの問題にとどまらない。JR総連カクマルの分裂の始まりである。結託体制の危機の中で、東労組そのものが崩壊の危機に陥っているのだ。
これは、国鉄分割・民営化以来の、いや動労時代を含めて松崎カクマルのやってきたことのすべて、その路線が破産し、ついに松崎の命脈が断たれる時を迎えたということだ。
国家権力は、松崎カクマルのファシスト的あり方の一切を認めないで全面的な屈服を迫ってきている。松崎は結局は、ますます日帝に屈服し、資本の忠実な番犬として生きる以外にない。だが、それはもはや「走狗(そうく)煮らる」の使い捨ての道である。松崎には恥多き死が待っているだけである。
分割・民営化過程での大裏切りにより、自民党や勝共連合の機関紙に登場したり、元警視総監・秦野と対談したりして権力に取り入り、安保や自衛隊や「日の丸」を認め、ストの撲滅を誓い、労働者の権利や利益を次々と売り渡してきたのが松崎である。
闘う国鉄労働者は、松崎カクマルの悪行の数々に積年の怒りをたたきつけ、あらゆる延命策を粉砕し、打倒しなければならない。
国労弾圧を打ち破り松崎JR総連打倒へ
JR資本とJR総連カクマルが結託した国鉄労働者支配の破産は、5・27臨大弾圧と軌を一にして起こっている。すなわち、国鉄闘争・国労解体攻撃と一体のものとして一連の事態があるということだ。
日帝国家権力は、4党合意によって国鉄1047人闘争を解体し、国労を解体する攻撃をかけてきた。それに対して闘争団を先頭とする組合員の2年余の激闘がついに4党合意を完全に破産させた。このことは、JR総連カクマルを使った国鉄分割・民営化攻撃そのものの破産を意味する。JR総連カクマルの存在自体が、闘争団やJR本体の国労組合員の怒りの原動力となり、闘いをより戦闘的に発展させてしまう。
だから日帝権力は、一方で、分割・民営化攻撃の破綻が1047人闘争の新たな発展に結びつくことに恐怖して国労5・27臨大弾圧を行い、他方で分割・民営化攻撃の反革命的核心にある資本・カクマル結託体制による労働者支配をも清算せざるを得なくなったということである。
この時、国鉄労働者に求められていることは、権力・資本およびJR総連カクマルと徹底的に闘う路線と方針を確立することである。国労本部のチャレンジ・反動革同のように、国家権力に全面的にすがった路線では、JR総連と闘うこともできない。彼らは、5・27臨大弾圧を「中核派による暴力行為の結果」と言い放ち、そしてこれとJR総連カクマルを同列に扱うところまで転落したのだ。
戦闘的労働運動をめぐる攻防は、国鉄労働運動を最先端として大流動・大再編の新たな段階に突入した。だからこそ動労千葉の存在と闘いが決定的である。動労千葉は、分離・独立以来20年余にわたってカクマルと闘い、分割・民営化攻撃と徹底対決し、そして今、JR総連カクマルを先兵としたJR東日本の「ニューフロンティア21」による業務の全面的な外注化攻撃を打ち破って闘っている。この闘いこそ最先端を行く闘いである。
この闘いを国鉄労働運動と日本労働運動全体に拡大しなければならない。とりわけ、国労5・27臨大弾圧を粉砕し、国労を動労千葉のように闘う労働組合として再生させることが死活的に求められているのだ。
革共同は01年に開催した6回大会で、「労働者人民のファシスト集団への怒りが爆発していき、権力・資本とファシスト集団の反革命的連合関係が階級支配の戦略的弱点に転化していく」ことをつかみ取り、「JR総連の本格的な分解・崩壊を左からつくりだし、JR総連のもとで呻吟(しんぎん)するJR総連労働組合員大衆を、松崎・JR総連から革命的に決別させ、闘う労働組合(動労千葉や国労)のもとに大きく結集させる」と確認した。
今こそ、この方針を全面的に貫徹する時だ。
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週刊『前進』(2080号2面2)
都労連 スト背景に賃闘妥結 ダブル削減は押し返す
都労連の02秋季賃金闘争は、11月19日に構えた2時間ストライキを背景に石原都政と対決したが、19日未明に妥結した。妥結の概要は以下のとおりである。
@賃金については、都人事委員会勧告どおり1・64%のベースダウンを実施するが、今年4月までは遡及(そきゅう)せず、03年1月から実施。A03年7月まで基本給4%の削減を実施しているが、これを2%削減に圧縮し、04年3月まで8カ月間延長。B人事給与制度については、定期昇給制度の改悪(業績評価が低い場合は昇給が遅れる)は04年4月(教育職は05年4月)に実施し、特別昇給制度の見直しは03年まで引き続き協議する。さらに級格付け(わたり)制度の厳格化、教育職の主幹の新給与制度の導入など、従来の秋闘の枠を大きく越える妥結内容となった。
公務員賃金確定闘争の最大の争点であった「ベースダウンの4月までの遡及とそのための減額調整措置」を阻止し、東京都が独自に行政措置として実施している給与の4%削減と、制度的な人事委員会のマイナス勧告という「ダブル削減」を阻止したことなど、石原都政下での賃下げ攻撃と鋭角的に激突する重々しい雰囲気の中で、一部とはいえ風穴をあけた。
しかし、結果として「2%+1・64%」のベースダウンになり、従前の4%とほぼ同額の賃下げとなる。さらに、すでに東京都は今年8月以降に4%削減を実施しているため、人勧によるマイナスを遡及しなかった面もあり、削減を実施していない自治体と同列に扱うことはできない。石原都政下の給与削減がいかに制度的矛盾であったかを浮き彫りにした。
さらに今後の交渉にかかるが、人事給与制度の見直しに組合が同意したことは、7月提案の石原「人事白書」路線に屈服した結果となった。交渉中に都側は「定期昇給制度そのものを廃止したい」との意向を示したが、これは公務員制度改革大綱の先取りであり、成績・業績主義人事給与体系への転換攻撃である。
また、14日未明に都と都庁職が妥結した「時間内組合活動の見直し」は、組合活動を厳しく規制する内容となった。組合の機関運営の「適法な交渉およびその準備行為」(「ながら条例」)のうち「およびその準備行為」を削除し、組合運営の総量時間を厳しく規制した。特に分会や現業評議会・青年部・女性部などの機関の時間内組合活動を一切認めなかった。これらは組合活動の「生命線」を制する攻防であった。
石原は圧倒的与党を制する都議会の介入をも駆使して、諸権利を全面的にはく奪しようとしている。12月定例議会での労使合意への介入は必至である。「9・11」―イラク侵略戦争情勢下での賃金闘争に突入した。一切のあいまいさを残すことなく、反動石原都政と全面的に対決しよう。
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週刊『前進』(2080号2面3)
賃下げ承認許すな 全逓臨中に弾劾行動
11月9日、全逓中央本部が、中央労働委員会の仲裁委員会による賃金引き下げの裁定を承認しようと臨時中央委員会を開催したことに対し、闘う全逓労働者は怒りの弾劾闘争に立ちあがった。
中労委裁定の中身とは、今年度の年間賃金を「基準内賃金の1・36%相当額に1620円を加えた額5717円の12カ月分に相当する額」引き下げるというものだ。
労組交流センター全逓労働者部会を先頭に、臨中会場の全水道会館前で参加者にビラを配り、弾劾行動を展開した。「賃金引き下げをやすやすとのんでしまう労働組合など、労働組合と言えるのか」と怒りをたたきつけた。
金額から言っても労働者の家計を直撃する、まさに生活破壊の賃下げだ。賃下げになれば、当然、それは退職金や年金にも影響してくる。さらに全逓中央は、年末年始の特別繁忙手当の30日間から20日間への短縮をも認めようとしている。こんなことは絶対に受け入れられない。これが現場組合員の切実な声だ。
そもそも、こんな重大な賃下げ提案について、現場組合員の怒りの声を恐れて、まともな職場討議を一度もしていない。こんな重大問題を、ちゃんとした職場討議もなしに、いきなり中央委員会で決めてしまうとは、組合民主主義の根幹にかかわる大問題だ。
公務員はスト権を不当に奪われ、民間のようには労働争議を闘うことができない。そのため、最低限の保障として、人事院勧告や労働委員会の仲裁裁定などがあったはずだ。それが、マイナス裁定を出してきたという重大事態なのだ。これに対し全逓中央は、まったく闘わずして屈服しようとしている。ストライキはおろか、何の抵抗闘争もなしに、ただただ丸のみするだけだ。これでは労働組合としては死んだも同然だ。
今回、賃下げ仲裁裁定を認めたら、これから来年4月郵政公社化=民営化へ向けた賃下げと人減らし合理化を、次々と認めていくことになる。こうした全面屈服への道を断じて許してはならない。この現場労働者の怒りを、連合全逓中央にたたきつけ、郵政公社化=民営化阻止を訴えて、闘いぬいた。
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週刊『前進』(2080号2面4)
(11) ●インタビュー 国労闘争団
あきらめない限り必ず勝つ
弾圧に屈せず、いかに粘り強く闘っていくか
本州K闘争団 Hさん
逮捕は最終手段
――組合員・闘争団員が逮捕・起訴されました。
H それだけ国家権力も、今の情勢や闘う闘争団の存在を甘く見てないことの証だよね。そうじゃなければ「放置しておけばいい」ってなるわけだから。
権力はいざとなれば最終手段として逮捕という手を出してくる。そういう局面は闘っている中ではいつでもある。そこで弾圧があるから闘いをやめるのか、そうはいかない。弾圧に屈せず、いかにこれから粘り強く闘っていくかってことを考えなきゃいけない。
ただ今回は、組合員が被害届を出したから逮捕にいたったわけで、そこが今の国労の一番嘆かわしいところだよね。傷害事件も何もあったわけじゃないし、組合員が被害届を出さなければ逮捕できなかった。今から60〜70年前、日本が戦争に入っていく時は、まさにこういう状態だったんじゃないかと思うよね。
――分割・民営化の過程でも横浜人活センターで86年、5人の組合員がデッチあげ逮捕されましたよね。
H 当時、全国の人活に活動家を押し込んで、「抵抗しよう」って気持ちをなくそうと、意識的に暗い、汚い、意気消沈するような場所に入れたんだよね。それでも闘いがつぶせないってことで、結局権力が弾圧に入った。今回の逮捕もある意味で同じだよ。そこで退くかどうか、そこが指導者の判断で、だから本当に今が重要な時だと思う。
――闘いの前進に対する権力の恐怖の現れですね。
H 国労本部も国家権力も、「本部が決めれば闘争団も従うだろう」と読み間違えたんだろうね。大会も、あんなに何回も開くことになるとは思っていなかったんだろうと思う。
4党合意採決を強行した01年1・27大会の日は、おれも雪の中に半日立ってたよ。あれを見て「ここまで来たか」って思ったよね。そもそも国労の綱領には「政府・資本の側の不当な弾圧、干渉を排して、労働基本権の確立を図るために闘う」と書いてある。その国労が自ら、機動隊の導入を要請したんだから。
――今の国労本部をどう思いますか。
H 現場組合員ががんがん本部を突き上げていく力があってこそ組合は活性化するし、以前の国労には、そういう力があった。現場組合員が本部の委員長や三役のところに押し掛けていって、言いたいことをばんばん言っていた。職場の方が力を持っていたから。
そういう闘いを実現するためには、組合員全員と徹底的に議論したよね。「お前がどう思っているか、自分の言葉でしゃべれ」ってところから始めてね。
生産点こそ勝負
権力が一番怖いのは本部や機関じゃなくて、生産点なんだよ。労働者が電車を運転したり、線路を直したり、キップを切ったりしている、その生産点が止まるのが一番怖いわけだから。
――国労全体をどう変えていけるかが課題ですね。
H いまだに学校政治から抜けきれない。そして国労が少数派になっているから逆に、起きている具体的な事実を見るよりも「修善寺大会をのりこえてきた国労なんだから、二度と過ちはおかさない」という期待が本体の中にあると思う。
今、ある面では闘争団以上に本体に残っている組合員の方が大変だと思う。会社からも抑えつけられ、組合の変な幹部からも抑えつけられている。しかも、今は昔と違って職場に行ってもオルグができない。勤務体系が改悪されているからね。その中で、職場で会えなければ明け番の時にオルグするとか家に行って話をするとか、結局、一人ひとりがオルガナイザー、組織者になって、コツコツ運動をつくっていくしかない。
階級的に一つに
――今、国鉄闘争が1047名闘争陣形で発展していく局面に入っています。
H 団結まつりも各地の連鎖集会も、国労だけじゃなく動労千葉も全動労も一緒にやっている。主義主張はあっても、一つの問題に向かって闘う時には、階級的に一つになることが必要です。今、有事法制反対でも、ナショナルセンターを超えた労組の闘いが全国でも地域でも出てきた。やはり一つの目標に向かっては一つになるべきだと思う。
――首切りが吹き荒れる今の時代だから、なおさら国鉄闘争の位置は大きい。
H そういうところから考えると、闘争団の闘いには歴史的な意義がある。ここでの勝敗がこれからの日本を左右する。だから国労だけじゃなく、動労千葉も全動労も、民間もみんな一緒になって、どれだけ多くの力を結集できるかです。
国鉄闘争が完全につぶされた時にはもう終わりだよね。国労にはそういう責任がある。闘争団一人ひとりが、自分の生活とともに周りの人たちの将来も見つめて、「自分だけの問題じゃない。社会の問題だ。みんなの問題だ」という責任感をもつ必要があるし、そこで無我夢中で闘う姿が本当に周りの人に届いたら、必ず仲間は集まってくる。
今はくすぶっているおき火みたいなものでも、火を消さない限り、運動は必ず勝利に向かっている。本人があきらめた時に初めて闘いはつぶれる。われわれがあきらめずに闘い続けていけば「やつらの言ってたことは正しかったな」ってものが出てくるし、その時、必ずおき火がばぁっと広がっていくと確信してます。
(聞き手/本紙・上原祐希)
(連載おわり)
●本州における首切り
87年4月1日、JR不採用になった7628人が国鉄清算事業団に送られた。北海道・九州は地元JR採用希望者が新会社の定員をオーバーしたのに対し、本州・四国は定員割れであったにもかかわらず約80人が不採用になった。過去の処分歴などを理由とし、しかも期間を限定するなど基準を巧妙に操作して動労組合員は採用するという、露骨な組合差別が行われた。
◎取材メモ
今連載にあたり、お話を聞かせていただいた多くの団員のみなさん、ご協力ありがとうございました。また、お話をうかがったにもかかわらず掲載できなかった団員の方、申し訳ありません。次回またお願いします。
組合員・共闘8人の起訴という大弾圧をうち破って、勝利の日までともに闘いぬきましょう。
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週刊『前進』(2080号3面1)
国連決議は事実上の開戦だ
査察自体が侵略と民族抑圧 「違反」口実に戦争発動狙う
11月18日には先遣隊が突入
11・8国連安全保障理事会の決議は米帝のイラク侵略戦争の大きな第一歩となった。米帝はこれで「イラクが国連決議に違反したから攻撃する」と、イラク侵略戦争を正当化する国連のお墨付きを得た。18日にはすでに先遣隊がイラクに入った。
重大なことは、この11・8決議自体が、査察と称してイラクを軍事占領し、イラクの国家主権を奪い、米英帝がフセイン体制の打倒に直ちに取りかかる内容となっていることだ。決議が実践されればイラク・フセイン体制は解体され、転覆される以外にない。また、米帝がイラクの「重大な違反」をあげつらい、都合のいい時期を選んで総攻撃を開始できるようになっている。国連決議と査察強行に怒りを爆発させ、12・8の大結集をかちとろう。
査察チームの構成はUNMOVIC(国連監視検証査察委員会)とIAEAが決定し、どのような人物であってもイラクは拒否できない。ブリクス委員長は査察団は約280人で、うち米国籍者が最も多く30人だと説明したが、査察団にCIAなどのスパイがいるかという質問に「いないとは保証できない」と述べた。
この査察団は「十分な国連の警備隊」に守られ、イラクに無制限に出入国でき、大統領関連施設を含めて希望するすべての場所への自由で無条件かつ迅速に出入りする権利を持つ。また、イラク当局者を含めたすべての人物について、好きな方法や場所で、イラク政府の立ち会いなしに尋問できる。国外に連れ出すこともできる。
さらに査察団は、査察対象施設だけでなく周辺地域と移動経路を含めて、イラクの立入禁止区域を設定できる。イラクはこの区域の地上・上空での移動をすべて禁止される。
勝手な裁量で封鎖や押収も
査察団は独自の裁量で、禁止兵器とその構成部分、部品、記録、資材やその他の関連品目(と見なしたもの)を除去、破壊し、それらを製造する施設を閉鎖できる。それどころか査察中に入手したどんな装備や資材、文書類も押収し、海外に持ち出す権限を持つ。しかも、その際、査察団の人員や荷物は調べられない!
米英帝は、大統領権力の最高機密を含めてフセイン政権を完全に丸裸にし、行政権力を機能停止に追い込める。反フセイン工作もやりたい放題だ。フセインの拘束や暗殺すら可能だ。そのデタラメさは前代未聞だ。そもそも国連に正式加盟する主権国家を、他国が勝手に解体することが許されるのか。
仮に日本をイメージすれば、査察団と国連軍が霞が関一帯を封鎖して、首相官邸や防衛庁などの全官庁を軍事制圧し、国家機密や統治に必要な資料、資材を持ち出せるということだ。
いったい、これが「査察」と言えるのか。否。これは米英帝によるイラクの軍事占領であり、国家主権のはく奪だ。査察は手段であり、フセイン体制の転覆が唯一の目的なのだ。こんなデタラメな決議が最後まで順守されることはあり得ない。必ず抵抗や反撃が発生し、イラク侵略戦争の全面発動となっていく。査察は戦争のための口実づくりであり、イラク総攻撃のための下調べだ。イラク侵略戦争の開始なのだ。民族圧殺そのものだ。
侵略戦争阻止 今こそ行動へ
決議は、イラクに「重大な違反」があった場合、安保理が再協議するとしているが、米政府は「新たな決議の必要を認めない」と独自の判断で軍事行動をとるとしている。また、査察に協力してもフセイン大統領は戦争犯罪で裁かれる(米政府高官)とされ、やはりフセイン体制は転覆されるのだ。
決議は、イラク政府が武装解除の義務を履行するにあたって30日以内に化学・生物・核兵器、弾道ミサイルなどの開発計画を申告することを義務づけた。しかもイラクが兵器開発と無関係としている民生品を含めて、「正確かつ十分で完全な申告」を行わなければならない。また、兵器の調査、開発、生産施設に関与したすべての人物の名簿を提供しなければならない。
決議は、虚偽や申告漏れがあった場合は「重大な違反」と見なすとしているが、そもそも完全な申告は難しいことをUNMOVICのブリクス委員長自身が認めている。米帝がイラクの義務違反をいくらでも指摘し、戦争に持ち込めるようになっているのだ。
11月27日から査察が開始され、イラクは12月8日までに大量破壊兵器の開発計画を申告しなければならない。査察団は1月27日を期限として調査結果を安保理に報告する。こうした性急なスケジュールは、イラクの気候に照らした米英軍の総攻撃時期に適合するよう逆算して設定された。イラク攻撃は1月だと言われるが、事態の進展次第では12月ということもある。ベトナム反戦闘争を超える闘いを早急に実現しよう。
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週刊『前進』(2080号3面2)
国連決議賛成の日共弾劾 イラクに無条件受諾を要求
日本共産党の志位和夫委員長は、11月13日、記者会見で11・8国連安保理決議について、「自動的な武力行使を米国に許すものではない」と評価し、これを支持する態度表明を行った。そしてイラクに対して「この決議を受諾して、大量破壊兵器の査察の無条件受け入れという義務を果たすこと」として、米帝および国際帝国主義のイラクに対する攻撃を全面支持する立場を打ち出した。これは、帝国主義のイラク人民大虐殺戦争に対する屈服と協力であり、世界の労働者階級と被抑圧民族人民の連帯闘争に対する敵対である。断じて許すことはできない。
志位は、「米国のイラク攻撃計画を中止することを強くもとめる」と言い、「国連の枠組みの中で平和的解決を」と言って、あたかも戦争に反対する立場であるかのように振る舞っているが、まったくのペテンである。国連決議の内容をみれば、それがイラクに全面屈服を迫り、少しでもイラク側が拒否したら、ただちに軍事的攻撃に転ずるものであることは明らかだ。国連安保理決議は、イラク侵略戦争の全面攻撃への一本道だ。
日共は、1991年の湾岸戦争(多国籍軍のイラク・中東侵略戦争)に対して、「イラク領内への爆撃その他がおこなわれたことをもって……この戦争を『多国籍軍』の側の帝国主義戦争、侵略戦争などと定義づけるのは誤りである」と断言した。「不正義を制裁する戦争は正しい」と擁護し、「イラク領内への爆撃」を承認すると明言したのだ。
だが、これがいかに暴論であるかは今日あまりにも明白だ。湾岸戦争で20万人とも30万人とも言われる人民が虐殺された。劣化ウラン弾はますますイラク人民を苦しめている。米英軍によるイラク爆撃はずっと続けられている。これらは、国連安保理決議に基づいて行われているのだ。日共は「国連憲章を守れを合言葉に」などと言っているが、米帝は国連決議のあるなしにかかわらず、イラク攻撃を強行する意思を隠していないし、国連は侵略戦争を正当化するための隠れみのなのだ。
まさに今、労働者人民の命がけの闘いこそ侵略戦争を阻止する最大の力であるのに、日共はこの闘いに真っ向から敵対しているのだ。日共を打倒しのりこえて、イラク侵略戦争阻止へ決起しよう。
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週刊『前進』(2080号3面3)
革命軍軍報 千葉県幹部宅に火炎攻撃 11・15
堂本の収用委再建策動に断 成田を侵略戦争基地にさせぬ
革命軍は三里塚闘争勝利へ戦略的価値絶大な戦闘を貫徹し、以下の軍報を発表した。
11月15日、わが革命軍は、千葉県市原市喜多にある千葉県総合企画部交通企画課主幹・宮奥直輝宅に対する火炎攻撃を敢行した。
この戦闘は、千葉県知事・堂本による県収用委員会再建策動に対する鉄槌であり、また成田空港の暫定開港による農民たたき出し攻撃に対する怒りを込めた実力反撃である。理不尽きわまる千葉県当局に対するわれわれの怒りがいかに大きいか、思い知るがよい。
この日、革命軍戦士は、宮奥宅に狙いを定め、玄関と自宅前に駐車した軽乗用車の2カ所に対する時限発火装置をセットした。午前3時30分、予定どおり装置は作動し、音を立てて燃え上がった。軽乗用車は真っ黒に焼け焦げて大破した。すでにこの時、革命軍戦士は、完全に撤収を完了しており、権力にどんなデッチあげの口実も与えない完璧な勝利をかちとった。
宮奥は、千葉県職員として1991年から2年間、成田空港に乗り入れる「成田空港高速鉄道」に出向した経歴を持ち、現在は、芝山鉄道や成田新高速鉄道を管轄する千葉県交通企画課の主幹を務めている。堂本のもとで成田空港建設の重要な一端を担う幹部なのである。
11・15戦闘は第一に、千葉県知事・堂本が進めてきた県収用委員会再建策動を絶対に許さない闘いである。千葉県収用委員会は、わが革命軍が1988年9・21収用委員会会長せん滅戦闘を頂点とする闘いで解体に追い込んで以降、14年間にわたって空白を続けてきた。それは農民の土地を強権をもって強奪することがいかに罪深いものであるかを示しているのである。ところが、堂本は全国で千葉県だけ収用委員会がない状態は耐えられないとして、その再建を昨年の就任以降一貫して追求してきた。堂本は、「このままにしておくつもりはない」と発言し、常磐新線(秋葉原―つくば間)の建設のための土地取得を口実に収用委を再建しようと画策しているのである。
しかし、成田空港に関してはすでに事業認定が失効し、今のままでは収用委を再建しても、成田で土地を強制収用することはできない。それが分かっていながら、堂本はなんとしても収用委を再建するというのである。
革命軍は、すでに堂本のこの策動を絶対に粉砕する意志を明確にさせてきた。昨年来、01年4・18企画部理事・石塚碩孝、10・2企画部交通計画課・生田昌司、02年1・9企画部空港地域振興課(成田空港地域共生財団事務局長に出向)・七五三(しめ)敏信、4・22県職員(前企画部空港地域振興課主査)嶋野栄治、8・6「成田高速鉄道アクセス」監査役(元県幹部)・佐藤厳、と県幹部に対する計5弾に及ぶゲリラ戦闘を次々とたたきつけてきた。
堂本の収用委再建の反人民的暴挙などが成り立つと思ったら大間違いなのだ。それでも収用委再建策動を改めようとしない堂本に対して、わが革命軍は11・15戦闘のさらなる追撃を加えたのだ。堂本は自らの大罪を省みて、収用委再建策動からただちに手を引け。
11・15戦闘は第二に、暫定開港による敷地内地権者たたき出しの国家的犯罪に対する怒りの反撃である。敷地内切り崩しの先頭に千葉県が立っているのだ。空港公団新総裁の黒野は、「暫定滑走路の北側延伸」を叫び、画策したが、これは完全に行き詰まり、破産は明白となった。北側延伸を打ち上げ、「飛行機を飛ばしてしまえば、地権者は必ず落ちる」(用地部)などと実に暴力的・テロル的で傲慢なやり方に出てきたのである。
農家の頭上40bのジェット飛行とジェット排ガスの直撃という殺人的な攻撃で地権者をたたき出す攻撃を絶対に許すことはできない。千葉県知事・堂本は、その共犯者だ。彼らは暫定開港すれば敷地内農民は屈服するとあさはかにも読んでいた。ところが、不屈の三里塚農民は、この攻撃を怒りを込めてはね返し、敢然と立っている。三里塚農民の存在と闘いは、日帝・公団と千葉県当局を激しく糾弾し続けているのだ。わが革命軍は、不屈の三里塚農民と固く連帯し、その闘いに応え、暫定滑走路粉砕、北側あるいは南側延長粉砕の闘いを徹底的に貫徹する。
11・15戦闘は第三に、成田空港を、切迫するイラク侵略戦争、それに続く北朝鮮侵略戦争のための出撃基地とする攻撃に対する断固たる戦闘であり、闘うムスリム人民、全世界人民と連帯したイラク反戦闘争の一環である。
イラク侵略戦争の切迫の中で、成田の軍事的重要性は一層高まっている。9・11反米ゲリラ戦以降、成田空港警備はきわめて厳重化している。米帝は、ブッシュ・ドクトリンのもとで世界戦争計画を発動しており、イラク侵略戦争をすぐにも開始しようとしている。それは、世界最大の軍事力を持つ超大国・アメリカ帝国主義が、核使用も辞さない先制攻撃で世界戦争を開始する、とてつもない世界史的事態である。しかも日本帝国主義は、それに共同的・競合的に参戦する。加えて、米帝は「イラクの次は北朝鮮」と公言し、北朝鮮・金正日政権を転覆するために、侵略戦争を策動している。日帝はこれを自らの戦争と位置づけ、主体的・能動的に北朝鮮(中国)侵略戦争を遂行するための有事立法を急いでいる。米帝の対北朝鮮侵略戦争の作戦計画によれば、米軍の50万人の派兵が成田空港を経由して行われるのだ。北朝鮮侵略戦争にとって、成田空港は不可欠の軍事的かなめである。
この事態に対して、日本の労働者階級人民が黙っているはずがないのだ。今こそ、命をかけてこれを阻止し国際的内乱に転化するために立ち上がる時である。11・15戦闘こそイラク反戦闘争・有事立法粉砕闘争の号砲なのだ。
暫定滑走路粉砕・成田空港を廃港に追い込め。成田の軍事空港化を絶対に許すな。この闘いを、わが革命軍はどこまでも貫くであろう。三里塚を砦に、日本の地からイラク・北朝鮮侵略戦争阻止、有事立法粉砕の嵐を巻き起こそう。
2002年11月15日
革命軍
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週刊『前進』(2080号3面4)
イラク人民殺すな 岩国基地 米兵と対峙し申し入れ
広島大学の学生を先頭とする中四国反戦共同行動委員会は、11月14日午前11時30分、岩国基地正面ゲート前で武装した20人ほどの米兵と対峙し、「米海兵隊は岩国より撤退せよ」「イラク侵略戦争を許さないぞ」「ムスリム人民を殺すな」とシュプレヒコールを上げた。そして申入書を海上自衛隊当直司令の紺谷三佐に受け取らせた。
自衛隊と在日米軍は11月11日から約3万人規模の演習に突入している。イラク攻撃緊迫下での実戦訓練であり、「朝鮮有事」を想定した大規模な演習である。
13日からは日本沿岸での後方地域捜索救助活動訓練として、海上自衛隊岩国基地のUS1A救難飛行艇で模擬遭難者を岩国基地まで搬送する訓練が行われた。14日には、米軍厚木基地から岩国基地へ、米空軍のC130輸送機で米兵や海上自衛隊員を輸送する非戦闘員退避訓練が強行された。
さらに、米軍による島根県・隠岐諸島西方沖での水中爆破訓練が、地元漁民の激しい抗議を押し切って強行された。
岩国基地のイラク侵略戦争、北朝鮮侵略戦争の出撃基地化を許さず闘おう。
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週刊『前進』(2080号3面5)
ヒロシマは侵略戦争許さぬ 繁華街貫きデモ
11月16日、広島反戦共同行動委員会は11・19全国統一行動の一環として、広島市街でのデモに決起した。原爆ドーム前から本通り・金座街と、広島の繁華街をスポット演説を繰り返しながら練り歩いた(写真)。
「ヒロシマはイラク侵略戦争を許さないぞ」「DON’T ATTACKIRAQ」のメッセージボードを大量に掲げ、買い物客でにぎわうアーケードを進んだ。途中、外国の若者がデモに合流し、「自分の国でも同じようなデモをやりました。ヒロシマは世界が注目しています。一緒に頑張りましょう」と、ビラをまきながら訴えた。
広島大学の学生、婦人民主クラブ全国協広島支部、部落解放同盟全国連、広島労組交流センターの仲間が次々とマイクを握り、「イラクへの国連決議はアメリカの宣戦布告だ。石油強奪や民族圧殺のこの侵略戦争を絶対に阻止しよう。日本の参戦を許すな。侵略戦争突入法案である有事法案の成立を阻止しよう」と訴えた。
反戦共同行動委員会はこの闘いを突破口に、17日から19日にかけて中四国の全県で街頭宣伝に決起した。
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週刊『前進』(2080号3面6)
11・19関西 イラク反戦に450人が立つ 怒りにあふれ都心をデモ
関西反戦共同行動委員会は、イラクに対する査察団先遣隊のバグダッド入りが報道され、侵略戦争情勢がいよいよ切迫してきた11月19日、全国統一行動に立ち上がった。450人の労働者・学生が大阪の中之島・剣先公園に結集し、アメリカ総領事館と自民党府連本部に弾劾をたたきつけ、70年安保・沖縄闘争以来という梅田都心部繁華街のデモを闘いぬいた。
この19日、小泉内閣が「テロ対策特措法」の半年延長と、輸送艦と護衛艦2隻のインド洋増派を閣議決定したと夕刊で報道され、職場を終えた労働者が危機感と怒りをみなぎらせて続々と会場の剣先公園に集まった。婦人民主クラブ関西協は、闘いに先立ってアメリカ総領事館前で抗議と宣伝活動を行って集会場に結集した。
この日、10月29日に不当逮捕された関西の国労組合員2人に対して、東京地検は許しがたい起訴攻撃を行った。この事実が、結集してくる労働者に口々に伝えられると、参加者の怒りと闘志はさらに高まった。
集会は、北大阪労組交流センターの労働者の司会で始まり、主催者として入江史郎関西反戦共同行動委員会代表があいさつに立った。入江さんは、関西を中心とした闘う国鉄労働者にかけられた10・7以降の不当弾圧について、「われわれの闘いが、4党合意を破綻(はたん)させるところまで敵を追いつめてきたことを示している。これをはねのけて、労働運動の前進と侵略戦争阻止の闘いを推し進めよう」と訴えた。
米英から国際連帯の熱いメッセージ届く
この闘いに寄せられたメッセージが紹介された。10月26日にワシントンやサンフランシスコなどで30万人を超える全米行動を闘ったインターナショナルANSWERと、9月28日にロンドンで40万人デモを実現したSTOP・THE・WAR・COALITION(戦争阻止連合)からのメッセージが読み上げられ、10・21闘争に参加したアメリカ人のメッセージも紹介された。
国際反戦闘争をともに担う熱い連帯のこもった呼びかけに、すべての参加者はイラク侵略戦争絶対阻止を誓いあった。
労組交流センターを代表して南大阪労組交流センターの労働者が決意を表明し、全国連を代表して荒本支部長と青年からの決意表明が行われた。
国労組合員・家族が弾圧粉砕訴え
次に国鉄労働者と被逮捕者の家族が登壇した。国労組合員は、10・7弾圧、10・29弾圧で不当逮捕された関西の5人と九州闘争団2人の仲間の完黙・非転向の闘いを紹介し、この日行われた2人の仲間への起訴攻撃を徹底弾劾した。この弾圧を絶対に打ち破り、仲間を権力に売り渡した本部を国労定期大会で打倒し、闘う闘争団とともに国鉄闘争の勝利まで闘う決意を表明した。全参加者が熱烈な拍手と圧倒的なカンパを寄せた。
集会の基調提起は全学連の女性が行った。イラクへの国連査察それ自体がとんでもない侵略行為であることを暴露し、フセイン政権の転覆を公言するブッシュを徹底弾劾するとともに、帝国主義の軍事支配策動が完全に失敗してムスリム人民が不屈に闘い続けていること、そして、その闘いにわれわれ日本の労働者階級人民が今こそ連帯して立ち上がらなければならないことを訴えた。さらに、全学連に新たに結集した学生が決意を表明し、国賀祥司事務局長の行動提起でデモに出発した。
この日の闘いの最大のハイライトは、梅田繁華街へのデモだ。
関西反戦共同行動委員会は、10・21闘争以来、街頭の労働者にアピールするデモにしようと、マイクと隊列が呼応する簡潔なシュプレヒコールとし、手に手にプラカード・横幕・旗・のぼりを持ち、宣伝カーも増やしてきた。今回は、アフリカの戦士を送り出すリズミカルな太鼓が終始シュプレヒコールを牽引(けんいん)した。参加者の多くがメガホンをもちより、「イラク攻撃を―やめろ」「ブッシュを―倒せ」と息を合わせた。
デモコースも、大阪府警警備の妨害を許さず、米領事館前から自民党府連前へ、神山交差点から新御堂、堂山交差点から梅田へと、都心繁華街を突き抜けるコースをかちとった。領事館前では450人の隊列が英語のスローガンも織り交ぜた弾劾の嵐を浴びせ、阪急東通商店街付近では沿道から「頑張れー」と声援が上がり、飛び入り参加の市民が次々に合流した。
相次ぐ弾圧にもかかわらず、戦時下の反戦闘争を怒りと解放感あふれるデモで闘いぬいた関西反戦共同行動委員会は、12・8全国総決起闘争に総力で結集する。侵略戦争絶対阻止へ、時代の閉塞(へいそく)感を突き破る戦闘的で解放的な大衆デモで、全国の闘いを牽引する意気込みだ。
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週刊『前進』(2080号3面7)
米大使館を徹底弾劾
全学連先頭に “イラク攻撃中止せよ”
反戦共同行動委員会は11月19日、東京・有楽町での街宣活動と米大使館抗議行動を行った。
午後2時40分、反戦共同行動委は11・8安保理決議と査察が米帝のイラク侵略戦争の始まりであることに危機感を燃やし、全学連を先頭に米大使館に怒りをたたきつけた。2枚の横断幕と多くのプラカードを手に、40分間にわたって「イラク攻撃を中止せよ」と強く訴えた。全学連、法政大学署名実行委員会、反戦共同行動委の代表が、それぞれイラク侵略戦争をやめよと申し入れた。
これに先立ち、午前10時半から有楽町で街頭宣伝を行った。全学連の大山尚行委員長が「11・8国連決議と査察強行はイラク侵略戦争の始まりだ。直ちにイラク反戦闘争の爆発を」と呼びかけた。青年が仲間同士で署名するなど、大きな反響があった。
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週刊『前進』(2080号4面1)
新たな「激動の7カ月」へ突入せよ
イラク反戦と国鉄決戦を闘いぬき03年統一地方選勝利へ驀進しよう
革共同書記長 天田 三紀夫
第1章 世界戦争過程への突入に対しイラク反戦闘争の大爆発を
昨年9月11日の反米ゲリラ戦闘は、ムスリム人民による米帝への特殊的・極限的決起であり、米帝を先頭とする帝国主義に巨大な打撃を与えた。そして、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の闘いを鼓舞し激励した。われわれは9・11戦闘を断固として支持し連帯する階級的立場を表明したが、同時にこの戦闘がほかならぬわれわれ帝国主義足下の労働者階級と革命党に対する厳しい糾弾・弾劾として闘いぬかれていることをも、真正面からしっかりと受けとめた。そして、世界革命の勝利に向かって根底的決起をかちとることを宣言したのである。
支配階級は9・11に震撼(しんかん)した。闘う人民はこれを国際的内乱の開始と受けとめた。帝国主義は、テロ絶滅戦争を絶叫し、米帝を先頭にしてトマホーク、バンカーバスター、デージーカッター、クラスター爆弾など大量無差別虐殺のための爆弾を雨あられのごとくアフガニスタンに撃ち込んだ。しかし、1年間を経過してなお、ムスリム人民・被抑圧民族人民の民族の尊厳と解放をかけた闘いは、激烈に継続している。アルカイダとビンラディン氏は米帝に屈することなく闘い続けている。
スターリン主義者は、帝国主義のテロ撲滅戦争に屈服した。「テロにも報復戦争にも反対する」運動は、支配階級と被支配階級の非和解的激突性を隠蔽(いんぺい)し、国家暴力に対して労働者階級が立ち上がることを否定し、奴隷の隷属を強いる反動的イデオロギーである。労働者階級と被抑圧民族の解放闘争のイデオロギーでは断じてない。
日本共産党・志位は、11・8国連安保理決議を絶賛し、「国連の枠組みの中での平和的解決を」などと言っている。米帝のイラク侵略戦争の開始である国連安保理決議を支持することで、日共は米帝の共犯者になったのだ。
われわれは、三たび訪れた世界革命の現実性に胸躍らせて闘いに決起する。帝国主義は死の苦悶(くもん)にのたうち回り、支配階級は今までのやり方ではやっていけなくなり、労働者階級と人民は圧倒的に現状の変革を求めて立ち上がっている。全世界の労働者階級と被抑圧民族は団結して、帝国主義の侵略戦争と闘おう。帝国主義打倒−内乱・内戦・蜂起の戦略のもと、具体的な連帯の直接行動が求められている。命をかけ、弾圧を恐れず、の精神で断固としてこの道を進もうではないか。
超反動的で絶望的な侵略戦争が始まった
米帝(国際帝国主義)のイラク侵略戦争は、11月8日の国連安保理決議と18日の国連査察団先遣隊の派遣をもって、事実上の戦争突入となった。史上未曽有(みぞう)の超反動的で、かつ絶望的な帝国主義侵略戦争がついに始まったのである。米帝は、米上下両院決議と11月中間選挙と国連安保理決議をもって、昨年「9・11」以来最大の反革命的踏み切りを行い、その世界戦争計画を実行する過程に突入した。これによって、国際情勢、国内情勢、階級情勢は完全に新段階に移行した。
一方では、米帝のこの新帝国主義政策の実行は、全世界の帝国主義をすべて一連の侵略戦争過程にたたき込んでいく。ロシア・プーチン政権も完全にこれにまき込まれて、侵略者としての牙(きば)をむき出しにしている。中国スターリニスト政権は米帝の対中国戦略との対決をつきつけられている中で、これを権謀術数外交をもってのりきるために、米英提案の11・8国連安保理決議を支持した。
他方では、米帝(国際帝)の世界的侵略戦争に対して、反侵略・反戦の闘いの爆発から、国際的内乱に向かって、国際・国内階級情勢は大きく動き始めた。とりわけ、イラク侵略戦争は何よりもイラク人民大虐殺であり、パレスチナにおけるこの間のシャロン政権の凶行とも重なって、中東を始めとする全ムスリム人民の怒りは抑えがたいものとなっている。昨年の9・11反米大ゲリラ戦争の爆発は、こうした全ムスリム人民の怒りを歴史的に解き放つ歴史的な突破口となった。米帝ブッシュは、9月20日発表のブッシュ・ドクトリン(「米国の国家安全保障戦略」)において「とりわけイスラム諸国」は「テロの温床」になっていると決めつけ、真っ向から闘うムスリム人民への侵略戦争を宣言したのだ。
ムスリム人民の怒りと闘いは、広く見れば全世界の新植民地主義体制諸国人民の民族解放・革命戦争の最先端を基軸的に切り開くものである。それだけではない。こうしたムスリム人民の決起は、帝国主義諸国労働者階級人民への糾弾であり、かつ、闘争決起へのアピールであり、心からの連帯の宣言なのである。
そして、今や全世界で大恐慌・大不況の深刻化の中で資本攻勢と激突する労働者階級人民は、9・11を受けとめ、イラク侵略戦争に反対して、帝国主義諸国内に内在しかつ働いている膨大なムスリム人民と肩を組んで、何万、何十万という規模で街頭に進出しつつある。イラク侵略戦争の進行はこうした趨勢(すうせい)の爆発的な促進過程となるだろう。そして、帝国主義者どもはこうした労働者人民の決起の中に内乱のヒドラを見てとり、さまざまな治安政策と弾圧の牙をむいてきている。しかし、「イラク侵略戦争反対! 侵略戦争は直ちに中止せよ!」という、闘うムスリム人民と連帯する全世界の労働者・人民の動きは、もはや何ものによっても押しとどめることはできないだろう。
革共同は、全世界(在日本を含め)のムスリム人民、イスラム諸国人民との連帯を真っ向から表明し、それを行動で表す闘いの先頭に立つ決意だ。反戦共同行動委主催の12・8全国結集闘争は、その最初の出発点である。
もはや、世界史の大転換点をなすことが確実である米帝(と国際帝国主義)のイラク侵略戦争は、11・8(国連安保理決議)と11・18(査察団イラク入り)をもって開始されたのだ。米軍の「91・1・17(湾岸戦争の開戦)」のような攻撃の日がいつか、などと言って待機することは許されない。すぐに全面的に圧倒的に行動を起こさなければならない。巨大なイラク反戦の闘いを、あのベトナム反戦闘争の数十倍、数百倍の規模で巻き起こす決意を固めなければならない。
小なりといえども、わが革共同の歴史で言えば、67年10・8羽田闘争から始まった「激動の7カ月」(羽田−佐世保−三里塚−王子闘争)を、ひと回りもふた回りも大きくした闘いに突入していかなければならない。巨大な蜂起的決起への道を準備する、巨大な革命的大衆行動の渦とうねりをつくり出していかなければならない。
11月から来年5月が、イラク侵略戦争という意味でも決定的な期間だ。また、それは国鉄決戦・03春闘決戦、あるいは5・27国労臨大弾圧という未曽有の治安弾圧をはじき返し、1047人を守りぬき、闘う国労の防衛=再生をかちとる闘いにおいても、そしてまた、全国の住民・市民の決起と革共同の党的成長の決戦的環となっている来年4月統一地方選挙闘争においても、決定的な期間である。われわれは「激動の7カ月」に、今こそ突入しなければならない。
党として今、勝負に出なければならない
イラク侵略反対闘争―イラク反戦の闘いは、今や革共同にとって決定的なものとなってきている。革共同は今ここで、党として勝負に出なければならない。実際、60年、70年と比べても、党の路線・情勢認識・階級的直感や°読み″、分析といった点ですべて、現在の情勢展開はわが革共同の確認とぴったりと合って進展している。
革共同は、今や勝負に出なければならない。その具体的環を実際の闘いの中から鋭くつかみとり、一点突破したら一気呵成(かせい)に幾何級数的に情勢を拡大する方向で、徹底的に突進しなければならない。弾圧・逮捕を恐れず、帝国主義と真っ向から勝負に出るのだ。
この間のことで、きわめて衝撃的な重大事態であり、かつこれこそ革共同の真骨頂というべき闘いが二つある。
ひとつは、10月7日、29日に逮捕が強行された国労組合員へのウルトラな戦前治安警察的な大弾圧であり、それへの猛然たる反撃が闘われていることである。まず何よりも、この弾圧の恐るべき暗黒性を衝撃をもって受けとめ、同時に階級性むき出しの敵のやり方に対してこみあげる怒り、体から噴き上げる怒りを大爆発させなくてはならない。
そして、この怒りは必ずや全国鉄労働者、全日本の労働者の怒りと共鳴しあい、合流するはずだという階級的感性をみなぎらせなければならない。この反弾圧闘争をとことんやりぬくことは、闘う国鉄労働者、すべての闘う労働者にとって、圧倒的な前進と幅広い共鳴の渦をつくり出すことができるのである。
もうひとつは、全国の大学、地域でほとばしるように開始されたイラク写真展をめぐる動きである。
°イラク写真展″は、91年以来の米帝のイラク爆撃における劣化ウラン弾の放射能が、いかにイラクの子どもたちをむしばみ、白血病やがんによる苦しみをつくり出しているか、また国連による経済制裁が、いかにイラクの子どもたちに飢えと栄養失調と、それによる病弱死をもたらす残酷な結果を引き起こしているかを示す写真展である。これに、多くの市民が反応し、参加して運動が広がっている。ここにはイラクの子どもたちへのストレートな感覚がまずある。そしてそれは米帝の大爆撃による人民の大虐殺という現実をストレートに受けとめていく契機となる。帝国主義への怒りをかきたて、この帝国主義の攻撃と闘うことが人間として生きる道だと教えてくれる。労働者階級の解放は被抑圧民族人民の解放とひとつのものであることを示してくれているのだ。
さらに、米帝の世界戦争突入下で、在日米軍基地、とりわけ、基地の島=沖縄をめぐる闘いの戦略的重要性をはっきりさせなければならない。沖縄は帝国主義の凶暴な戦争の拠点である。しかし、同時に「のびすぎた爪」であり、破綻(はたん)点である。日帝の沖縄政策は歴史的に破綻しきっている。米帝ブッシュは、沖縄を「北東アジアのハブ(中枢拠点)基地」として世界戦争戦略を発動しようとしているのだ。沖縄はこの攻撃のもとで半永久的に基地の島とされ、また「戦場の島」にされようとしている。沖縄の怒りと危機感はマグマとなって爆発しようとしている。そうであればあるほど、本土=沖縄の連帯と結合をしっかりと形成していくことが切実に求められる。日本階級闘争が沖縄闘争を正しく包摂することが、勝利の展望を開く。
9・11以降の情勢、米帝のイラク侵略戦争情勢、日帝の有事立法・改憲攻撃の中で沖縄闘争は新しい段階に突入した。イラク反戦、有事立法決戦と一体のものとして、名護新基地建設を阻止する闘いは、「闘うアジア人民、闘うムスリム人民と連帯し、日帝(帝国主義)の侵略戦争を内乱へ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の路線のもとでこそ、勝利することができるのである。沖縄県知事選の結果は、名護基地建設をめぐる着工阻止の4年間決戦への突入を告げ知らせている。人民は闘う路線と闘う指導部を求めているのだ。沖縄革新共闘の崩壊の中で、復帰30年目の沖縄をとりまき、沖縄の現実を規定している米帝ブッシュの世界戦争計画、イラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争の攻撃と対決して闘っていこう!
さらに、闘う全人民の砦(とりで)、三里塚闘争、北富士闘争を全力で発展させよう!
革共同は、9・11反米ゲリラ戦争のみならず、この間10月のチェチェン人民のモスクワ決起に対して、°極限的・特殊的形態″論に基づいて、帝国主義国人民としての自己批判的精神を基底にすえつつ、断固支持を表明した。これも実に重要なことであった。それをムスリム人民(イスラム世界)に向かって、はっきりと知らせる方法を追求していこうではないか。
われわれは、革共同6回大会路線に基づくスローガンを押し出して闘おう!
◆全世界の労働者階級と被抑圧民族人民は団結せよ!
◆全世界の労働者人民は闘うムスリム人民と連帯して、米帝(国際帝国主義)のイラク侵略戦争に反対しよう!
◆イラク反戦に立ち上がる全世界の労働者人民の決起と連帯しよう!
こうしたスローガンをもっとくり返し、強烈にゴリゴリと押し出して闘おうではないか。今求められていることは、闘うムスリム人民、抑圧に苦しむムスリム人民への連帯をストレートな行動で示すことなのだ。はっきりした言葉で発信し、知らせることだ。われわれが実践し教訓化した、あらゆる創造的な闘いを断固開始しようではないか。
第2章 緊迫する有事立法情勢に構え 最大の戦闘態勢を固め闘おう
有事立法情勢も緊迫化している。イラク反戦・有事立法決戦の一環として、有事立法決戦の強化と爆発に全力をあげよう。
日本人拉致問題に対するわれわれの態度
日本人拉致問題は、帝国主義の包囲下にある北朝鮮スターリン主義が、帝国主義に対する対抗策の一環として強行した反人民的軍事作戦である。われわれは真っ向からこれを断罪する。それは、北朝鮮スターリン主義が世界革命の立場、南北分断打破=革命的統一の立場、朝鮮民族解放=自己解放の立場、被抑圧民族と帝国主義国労働者階級の団結の立場に立っていないからである。
米帝ブッシュは、北朝鮮の核開発を口実にKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の重油提供を中止することを決定した。ついに体制転覆へ手をかけたのである。
そして日帝の日朝国交正常化交渉は、米帝のイラク侵略戦争と対北朝鮮・対中国戦略の枠組みづくりの中で進行している。すなわち北朝鮮侵略戦争へのレールを敷くものとして展開されている。彼らは拉致問題を帝国主義外交の道具としてあくどく使いぬこうとしている。だから拉致問題は解決しない。すでに泥沼化している。小泉は戦争の圧力で脅して「解決」したと言っているが、それはしょせん擬似的解決でしかない。戦争の恫喝で5人の拉致被害者を一層踏みにじり、犠牲にし、不幸にしている。拉致問題を戦争の道具に利用しているのである。
拉致問題の正しい解決は、拉致問題を利用した帝国主義の北朝鮮侵略戦争と闘うことである。革共同の、「日朝関係の新展開について」のスローガン(本紙2076号)を断固確認し、実践しよう!
武力攻撃事態法と自衛隊法改悪案
この間、9〜11月の過程で有事立法情勢には大きな動きがある。確実に中央突破への動きが進んでいる。最大の警戒心を持って闘いを強めないといけない。
まず、武力攻撃事態法・自衛隊法改正案をめぐる動きがほぼはっきりしてきた。武力攻撃事態法案においては、すでに提出されている法案では、「武力攻撃事態」について、
(イ) 武力攻撃の発生した場合
(ロ) 武力攻撃のおそれのある場合
(ハ) 武力攻撃の予測される場合
〜〜の3つをあげてきたが、
修正案ではこれを、
(a)「武力攻撃事態」=武力攻撃の発生時+「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態」
(b)「武力攻撃予測事態」=武力攻撃に至っていないが、事態が緊迫して武力攻撃が予測されるに至った事態
〜〜の二つにわけ、この(a)(b)に対して、自衛隊法第第76条(防衛出動命令)と、第77条(防衛出動待機命令)を対応させ、その方向で自衛隊法を改正する―――と報道されている(政府・自民党は修正案全体を発表していない)。
これはなんら元の案文を後退させるものでも、野党と妥協するためにちょっと譲っているものでもない。
第一の決定的問題は、「武力攻撃予測事態」なるものが新設され、それに対応して防衛出動待機命令が出せるだけではなく、すでに陣地構築とか「予定地域内への展開」の準備ができるようにするということになんら変更が加えられていないからである。
かりに「予測事態」には単に「待機命令」だけが対応するとしても、「予測される事態」ですでに待機命令が出せるというのは、恐るべき前倒しのエスカレーションである。なぜなら、これまでの自衛隊法第77条の「待機命令」は、「防衛出動命令が予測されるに至った事態」であって、ほとんど「防衛出動命令」に接近していたからである。ところが、今回の「予測される事態」というのは、「武力攻撃が予測されるに至った事態」であって、時間的には限りなく前倒しであるからだ。これはむしろ相手国にはこちらからの先制攻撃の準備と受け取られて当然の、先制攻撃的なものである。
第二の問題は、修正案で「武力攻撃事態」の定義において、これまで(現行自衛隊法第76条および武力攻撃事態法原案)の「外部からの武力攻撃のおそれのある場合」を「武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる事態」に変えるのは、改悪そのものだということである。
これまでの「おそれ」というのは、「武力攻撃の発生」寸前的なニュアンスのものだったのに、今回の修正案では「明白な危険が切迫していると認められる事態」となっており、「おそれ」のもつひびきに比べてはるかに、それ以前の情勢をも含みうる表現である。これだと武力攻撃が発生するずっと以前に先制的に防衛出動命令そのものを出せることとなり、大変なエスカレーションである。
結局、両者を合わせると「防衛出動命令」は武力攻撃の実際の発生時よりどんどん前倒しされ、「防衛出動待機命令」はもっと圧倒的に前倒しされる。しかもそれは事実上「防衛出動」の第一段階というべきものとなっているのである。
今ひとつ、修正案では武力攻撃事態法第24条の問題がある。これについても、テロや工作船的な事態でも、武力攻撃事態法が発動でき、武力行使できることや、「対策本部」も作動させられるようにすることを狙っているのである。
「国民保護法制」とは国家総動員法だ
武力攻撃事態法案の条文で2年以内に整備するとされている「国民保護法制」なるものの輪郭が10月29日に明らかになった。しかし、この内容は、当然だが何ひとつ国民を保護するものではない。
帝国主義の戦争の論理からすれば「国民保護」などということはありえない。戦争をするということは、国内が戦場化することを当然想定する。国内を戦場化して、帝国主義が追求することは、「国民保護」どころか、もっとガンガン戦争をして、敵に勝つことだ。激戦化すれば当然、国民のあいだから犠牲者がどんどん出る。どこをどう押しても「国民保護」などないのである。
実際に出てきた法制の内容はすべて戦争遂行のために国民を動かすものである。例えば、大きな柱のひとつは避難処理である。このために一定の避難区域を国が設定し、住民を追い出す、強制疎開させる、反対する者は公務執行妨害で逮捕する、土地も取り上げるというものである。
今ひとつは、医療品や食糧の確保といって、国は物品の保管命令を出せる、違反すれば罰則を課せられる。これも国民からの「取り上げ」法である。
また、救援や避難において、県・自治体レベルにも諸権限を与えると言っているが、結局は首相の「調整権」が上位にすわっていて、国の命令をタテ系列で地方・県・自治体は実行するということである。
要するに、「国民保護法制」などというのは、そもそもペテン的な名称なのである。戦争遂行のための銃後体制をつくるために、国家は必要なことはすべて命令し強制できる。県、自治体、隣組はそれに全面的に協力しろ――これが一切の内容なのである。戦争への国民の総動員法の一部そのものである。
11月11日に衆院有事法制特別委員会の審議が再開された。質疑の中で、石破防衛庁長官は最初から「国家そのものが危急のとき、正当な補償のもとで憲法の範囲内で個人の権利が制限されることはある」と、国民保護法制とは労働者人民の権利を剥奪(はくだつ)し、義務を強制する内容であることを認めている。
「国民保護法制」とは、労働者人民を強制的に戦争に動員する国家総動員法である。
第一に〔国の責任の明確化〕では、@国による主導的対処、A国の方針に基づく対処、B国による対処措置、C地方公共団体等への支援、D内閣総理大臣の是正措置、として、一切を「対処基本方針」「対策本部」の指示のもとで行うことを明示している。このことは「対策本部」(大本営)に集中された権限を全面的に発動し労働者人民を戦争へ動員し国家総力戦体制へ向かうためのものである。
第二に、この骨格の中心に〔社会秩序の維持〕をあげている。▽都道府県公安委員会による緊急輸送確保などのための交通規制、▽警察官の通行禁止区域などにおける車両運転手らへの指示、措置、▽生活関連施設の安全確保の強化(管理者への支援、立入制限区域の設定など)である。このことは交通の大幅規制、緊急輸送の確保と合わせて、集会・デモの禁止、労働争議の禁止、外出禁止、治安弾圧法の発動などを含むものである。恐るべき内容なのである。
第三に、〔国民の役割〕はさらに重大である。
@国民の協力
▼協力を求める措置の範囲は、避難住民などの救援の援助、消火活動や負傷者搬送、被災者救助の援助、保健衛生確保の援助、避難訓練参加。
▼住民の自主的防災組織やボランティアに対する国、地方公共団体の支援
A国民の権利・義務に関する措置
▼事業者に対し、都道府県知事による医薬品、食品その他救援のための緊急物資の保管命令、売り渡し要請または正当な理由がなく応じない場合の収用。都道府県知事による医療関係者らへの医療提供の要請または正当な理由がなく要請に応じない場合の指示。
▼土地所有者や施設管理者に対し、都道府県知事による収容施設の確保および医療施設の臨時開設のための土地、家屋などの所有者への要請、または正当な理由なく要請に応じない場合の使用。市町村長による武力攻撃災害時の応急措置としての土地、建物などの一時使用または物件の使用、収用。
▼国民一般に対し、武力攻撃災害発生のおそれがある異常な現象を発見した者による市町村長らへの通報。市町村長の応急措置についての現場にいる者への協力要請。
〔国民の役割〕の基軸は、「自主的防災組織」すなわち°民間防衛組織″の組織化である。民間防衛組織を担うのは自治会・町内会とされている。これは戦前の°隣組制度″の復活である。さらに、「消火活動や負傷者運送」「避難訓練参加」は、公然たる軍事訓練が地域や学校で行われることなのである。「自主的防災組織」の名のもとに平時から地域で訓練が行われ、そこに自衛隊が参加する、直接指揮をとることになる。「国旗・国歌法」のもとに「日の丸・君が代」が強制され、抗議する者、抵抗する者は「非国民」のレッテルがはられ、選別・排除されるのである。
さらに国民に「通報の義務」を課している。国民は全部国家のスパイになれという攻撃である。
教基法改悪・改憲攻撃と闘う体制を築こう
今や、すべてははっきりしてきた。日帝・権力が狙っていることは、今秋臨時国会では他の重要法案の審議の間に、民主党の屈服の引き出しや連合の取り込みに全力をあげ、それをにらみつつ、なるべく早く国会通過を図ることである。どんなに遅くとも来年の通常国会では必ず通すということである。来年の通常国会といっても、すぐそこである。われわれ人民には時間はない。また、この秋に法案審議はどんどん進められる。この情勢を見据え、イラク反戦・有事立法闘争の一環として有事立法決戦論を確立し、全力で闘おう!
個人情報保護法案の全容もはっきりしてきた。人権擁護法案は今秋臨時国会で通すとして急ピッチで審議が始まっている。これは、大反革命である。この法律は言論・出版・表現の自由を圧殺する超悪法である。反動分子に対する労働者・住民の当然の抗議行動、部落大衆の差別糾弾闘争を圧殺する超悪法である。断固阻止あるのみである。
さらに、教育基本法改悪攻撃が中間答申から法案化へと進み、来年通常国会の一大争点になろうとしている。また衆院憲法調査会は中間報告書を提出し、9条改憲への正面突破攻撃に出てきた。改憲阻止決戦が本格化してきた。03年決戦へ本格的に闘う体制を構築しよう!
第3章 5・27国労臨大弾圧を粉砕し 国労の戦闘的再生へ前進を
国労弾圧情勢は、イラク情勢と「国際的内乱」情勢の一環である。われわれは自己の闘いの大きな価値にめざめて、強力に闘いぬこう。
労働組合運動への治安警察の介入に対して、その暗黒性に腹の底から怒りを爆発させよう。そして、すべての労働者に向かって”これを許したら戦前の侵略と暗黒の時代への完全な回帰となる。絶対に許すな″と、心の底から訴えよう。大弾圧をはじき返す闘う大統一戦線をつくりあげて闘おう。1047人闘争、闘う国労の防衛と再生の闘いと完全に一体化して全力で闘おう。
この弾圧は考えれば考えるほど理不尽である。しかも、ウルトラに治安警察的な弾圧である。敵階級は闘う国労の再生の闘いの中に、反戦そして革命と内乱のヒドラを見て、恐怖にかられているのだ。腐りきった帝国主義の犬どもに痛烈な反撃をたたきつけよう。
5・27国労臨時大会とは何だったのか。労働運動に4党合意という形で政治介入し、警察機動隊を導入して、闘う組合員の当然の闘いを暴力で圧殺しようとしたのは国家権力と裏切り者たちではなかったか。労働運動では当然の権利として認められているビラまきやアピール、説得活動をした者を、暴力行為等処罰法などという戦前の治安維持法と兄弟だった法律で弾圧するとはなんということか。それも、10月7日の組合大会の代議員選挙告示日に逮捕するとは、実に許し難いことである。
やはりこれは異常であり、暴挙である。これは労働運動の帝国主義的労働運動化に反対すること、つまり普通の労働組合運動をすることに権力が政治的に介入することであり、まさに治安攻撃そのものである。しかも、弾圧対象とされているのは国労なのだ。こんなことがまかり通ったら、日本の労働運動はどうなるのか。
5・27臨大弾圧こそ、国労労働者の怒りと闘いが4党合意路線=国労解体・闘争団切り捨て攻撃を粉砕したこと、さらに1047人闘争陣形を生み出し、戦闘的労働運動が奔流となって前進し始めたこと対する日帝支配階級の追いつめられた凶暴な攻撃であった。この弾圧の真の狙いは、「中核派」への弾圧という政治的構図を使って、実際は4党合意の破綻による敗勢を反革命的に逆転すること、つまり日本労働運動の戦闘的再生の胎動を粉砕することにあった。
さらに、戦争と恐慌の時代の階級闘争として、階級内部の分裂が内戦化しているということにこの攻防の本質がある。しかし、この労働運動をめぐる内戦化というのは、革共同にとって決定的に重大な地平なのである。91年5月テーゼ−95年19全総路線の前進との激突として生み出されている事態だからである。
獄中の国労の労働者は、完黙(完全黙秘)・非転向で闘っている。このことは、この攻防が労働者階級の怒りを引き出し、闘う陣形を形成・強化し、逆転へ転じることができることを示している。組合員を権力に売り渡したチャレンジ・反動革同打倒の力へと転化しなければならない。
敵は階級的労働運動前進に恐怖している
日帝・権力は、今や大恐慌情勢とイラク情勢の中でおびえきっているのだ。革共同が5月テーゼ路線のもとで、しっかりと着実に前進している姿の中に、彼らは革命党が大きく成長する芽を感じたのである。
大恐慌情勢下の資本攻勢と闘う階級的労働運動は、同時に必ず巨大な反戦−反体制の大運動の中核になる。権力はイラク侵略戦争情勢の中で、あらゆる闘いの中に内乱の芽を見ているのだ。われわれは、この大弾圧の中に日帝の体制的危機と権力の恐怖があることを見ぬき、断固として意気軒高と一大反撃戦を闘いぬこう。
階級的労働運動の再生、闘う国労の再生のために、今こそ1047人闘争、闘争団の闘い、国労、JRのすべての労働者や全階級の決起をかちとるために決起しよう。大弾圧をはねのけ、一大資本攻勢と対決し、イラク反戦の闘いに断固決起しよう!
3労組呼びかけによる11・10労働者集会は、世界史が9・11情勢と大恐慌に突入する中で戦闘的にかちとられた。5・27国労臨大弾圧に対して、抗議の共同声明が上げられた。韓国・民主労総傘下の被解雇者、アメリカ港湾労働者連帯委員会からメッセージが寄せられ、国際連帯の前進がかちとられた。
連合の5・16有事立法賛成見解−9・12「共闘禁止」通達は、日本の労働者階級が、闘う統一戦線のもとに反戦運動、労働運動に決起していくことに対する恐怖と敵対である。しかし、労働者階級の闘いは、本質的にブルジョアジーと非和解的であり、その存在は国際的である。また全世界的な階級的団結を求める存在である。闘う統一戦線を求める声は、連合・全労連中央の締めつけを超えて、下から動き出している。こうした中で「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と呼びかける3労組の闘いが大きくかちとられたことはきわめて意義のあることである。ここに示された労働者階級の力を、国鉄闘争勝利、イラク反戦・有事立法粉砕、03春闘の戦闘的爆発へつなげていこう。
JR総連カクマルをめぐる事態について
日帝国家権力は、JR総連・東労組に対する逮捕と家宅捜索を行った。
この事態は何を示しているのか。第一は、米帝・日帝がイラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争へ突入するために、松崎・JR総連のような反革命的ファシスト的存在であっても、国家権力にたてつくことを一切許さないと踏み込んできたということである。ファシスト的な独自運動を容認しないということである。国家権力の階級意志が9・11以降の帝国主義の危機の中で転換したのである。
松崎は、ファシストとして今までの延長線上にすべてを考えてきた。他労組解体の白色テロル、JR東日本の人事権への介入、東労組内の嶋田グループの追い出し、カクマル中央派とJR総連カクマルの分裂とそれ以降の「休戦」などで、なんとかのりきれると思っていた。しかし、日帝国家権力の危機は、こうしたこれまでの松崎・カクマル的なあり方も一切認めないとして、全面的な屈服を迫ってきているのである。
松崎は、どう生きるのか。ますます日帝への全面的屈服、資本の忠実な番犬として生きる以外にない。しかし、もう使い捨てにされるだけである。松崎・JR総連カクマルには、恥多き死が待っているのである。
第二は、この事態は、JR総連・カクマルを使った労働者支配、分割・民営化攻撃が完全に破綻したことを敵の側からはっきりさせたということである。日帝は松崎を手先に使い、資本の忠実な先兵として使いまくってきた。松崎は、労資結託体制をもって、他労組解体を叫び、動労千葉・国労に対して執拗(しつよう)に攻撃をかけ、労働組合の権利を全部投げ捨てた。そして、ニューフロンティア21、シニア協定締結などJR資本のリストラ・大合理化攻撃の先兵として振る舞ってきた。
しかし、国鉄闘争はチャレンジ・反動革同の屈服路線に対して、逆に4党合意を粉砕し、1047人闘争陣形をつくりあげるなど闘いが前進している。動労千葉は不屈に闘いぬいている。動労千葉など3労組共闘は、大資本攻勢と対決し戦闘的労働運動の防衛と創造の闘いを前進させている。JR総連・東労組をめぐる今回の事態は、こうした国鉄労働運動をめぐる不屈の前進、JR総連カクマルを使った労働者支配の破綻に規定されているのである。
第三は、したがって戦闘的労働運動をめぐる攻防は、ついに決定的な新しい段階へ突入したということである。国鉄労働運動総体が、掛け値なしの大流動、大再編の時代に突入したのである。いわば革命的戦国時代に突入したのである。誰が、階級的原則で労働者階級の利害を守っているのか。誰が、労働者の現在と未来の生活に責任をとってくれているのか。この労働者が生きる根本問題が争われているのである。まさに、松崎路線の完全な破綻とは、全国鉄労働者を対象にして労働運動をめぐる内戦的な激突が激しく火を噴いていることと同義語なのである。
日帝のイラク・北朝鮮侵略戦争突入と有事立法・改憲攻撃、治安弾圧・労働運動解体攻撃の中で、国鉄労働運動の闘う中核部隊の建設が求められている。そこには動労千葉の存在と闘いがある。闘う動労千葉と連帯し、国鉄労働運動の中に戦闘的潮流を強固につくりあげ、5・27国労臨大弾圧を粉々に粉砕して前進しよう。JR総連傘下の労働者に向かっても、松崎カクマルの支配を覆して闘うよう、強力に働きかけよう。闘う部隊をつくりあげるために全力で呼びかけ組織化しよう。
第4章 03年統一地方選挙闘争勝利へ全党は非常態勢に突入しよう
来年4月の統一地方選挙まであと5カ月となった。統一地方選決戦がもっている党的死活性を真っ向から見据えなければならない。今日の内外情勢、全階級情勢が革共同の党的確立=台頭を求めている。この情勢に対して革共同が党的役割を果たせず、ただ現状の困難の前にたたずんでいるだけなら、もはや党的死、党的腐敗にほかならない。
われわれは02−03年、02−05年の階級的激動をしっかり見据える。今秋から来年4月に至る数カ月が、とてつもない激動期、決定的歴史的転換点であることは間違いない。
主体的に言えば、反スターリン主義・革命的共産主義運動は、世界戦争と世界革命の時代の到来の中で、革命的大衆行動、労働組合運動、革命的議会主義の闘いの発展と勝利を本格的にかちとる時を迎えたのだ。5月テーゼ−6回大会路線のもと、労働運動での党建設の闘いを不屈に実践し前進していくことが基本路線であることは明白である。しかし同時に、革命的大衆行動、労働組合運動の闘いにとって革命的議会主義の闘いのもっている重要性を厳格に確認しなければならない。革命党の選挙闘争での勝利、すなわち議会の一角への食い込みは、革命党の政党的認知にかかわることであり、階級闘争の革命的流動化への大きな突破口を開くことになる。したがって、国家権力、スターリン主義者、カクマル反革命、既成の中間諸潮流の激しい対抗と阻止行動を起こすのである。この意味で国政選挙、都議会議員選挙級の選挙闘争は疑似蜂起戦なのである。
3人の革命的議員団の誕生をかちとろう
このことをきっぱりと確認した上で、われわれは来年統一地方選挙闘争を、杉並区で都政を革新する会が北島邦彦、新城せつこ、けしば誠一3氏の立候補を決断したことにこたえ、全員の当選のために全力で闘うことを表明する。3候補必勝の基本的諸問題について提起したい。
第一は、03年統一地方選挙方針、3人区議方針はこれまでの区議2人の延長では断じてないことである。03年方針は、01年都議選の敗北をはじき返し、03年区議選の勝利をその突破口にすえようとするものである。そして、区議選自身の勝利をかちとるためには、けしば誠一氏が再度区議選に挑戦して杉並区議会の中に区議団を形成していく闘いが必要なのである。党として都議選級の構えと体制で闘いぬき勝利をもぎとることを決定したのである。
第二は、積極的に表現するならば、革共同が9・11以後的な情勢、01年〜05年の大激動情勢の中で、01年都議選の敗北を真にのりこえ、党の党的確立へと踏み出すために、03年統一地方選挙闘争で3人の当選を実現し強力な杉並区議団を形成し、その力を革命的議会主義の立場から正しく強力に発揮して、その成果を大いに結実させていくということである。
この3人の革命的議員団の形成は、区政はもとより、都政を揺るがす力をもつことにつながり、都の労働運動の前進にとって決定的なテコとなるものである。労働戦線での基盤的前進なしに国政選挙、都議選級の勝利はありえないが、逆に議員団の活動を媒介として労働戦線での党勢の拡大が飛躍的に前進することもまた明らかなのである。以上の意味で、03年の3人の必勝という巨大な獲得目標に向かって、戦闘的確信を打ち固めることを訴えたい。
侵略戦争のただ中で選挙闘争を闘う意義
実際問題、03年統一地方選挙闘争は、昨年の9・11で開始された被抑圧民族人民の特殊的・極限的決起と連帯して進む道なのである。9・11を支持し、9・11と連帯する区議をつくり出す闘いである。世界危機と世界戦争への突入の中で、杉並区において〈3人の区議>をもった新しい勢力として登場していくのだ。この首都・杉並での3人の区議の登場は、区民・支持者の期待であるばかりでなく、東京全体・全国の政治を一変させる力をもつ。また、03年選挙は、米帝・日帝のイラク侵略戦争、北朝鮮・中国侵略戦争の真っただ中の選挙闘争である。有事立法・改憲攻撃、教育基本法改悪・改憲攻撃そのものが選挙で争われる。他方で労働運動と革命党の存在をめぐって治安弾圧、労働運動解体攻撃と真っ向から闘う選挙闘争である。そして決定的なのは、戦後社会保障制度への解体攻撃が激化し、労働者階級人民が生きるためのギリギリの叫びをあげている中での選挙闘争だということである。この戦後最大の政治決戦が到来している時に、われわれは杉並区で3人の区議を革命的に誕生させることをもってこたえる。それがこの階級決戦に革命党として現在最大に責任をとるあり方である。03年統一地方選挙闘争は、こうした高度な政治闘争として存在しているのである。
反戦闘争と介護保険闘争を2本柱にして
反戦闘争を基軸に、反戦闘争と介護保険闘争を2本柱にして闘おう。
ひとつは、イラク反戦闘争を全国で、杉並の地で爆発させることである。劣化ウラン弾に対する怒りを爆発させ、民族抹殺攻撃と闘うムスリム人民と連帯し、国際的反戦闘争を爆発させる先頭に杉並が立たなければならない。この強大な反戦闘争の爆発こそ区議選勝利の力である。開始されているさまざまな闘いをさらに発展させよう!
あとひとつは、介護保険闘争を柱に闘うことである。介護保険制度が導入されてすでに2年がたつ中でいったいどれほどの高齢者が介護を奪われ、命を奪われてきたのか。いやそればかりではない。公的介護が奪われ、介護に疲れた家族がいかなる残酷な結末を強いられてきたのか。介護保険によって介護問題は解決されない。ますます高齢者の生きる希望を奪うものになっている。これは国家による殺人行為と同じである。
介護保険は、日帝の戦後福祉政策、社会保障制度を解体する攻撃の中心であり、この攻撃と対決する中で、日帝国家のあり方を問う闘いであり、「国家と革命」をめぐる闘いそのものである。
反戦闘争を基軸に、反戦闘争と介護保険闘争を2本柱に、反戦闘争、介護保険闘争、教育闘争、労働運動の四つの政策を掲げて全力で闘い、勝利しよう!
杉並区民が、闘いの中心になり主人公になるような新たな大衆闘争を必ず発展させよう。何よりも、宣伝・扇動戦の圧倒的な変革をもって、世界戦争突入情勢に対して躍り込んでいこう。
選挙闘争を通年決戦として闘う中央指導部建設、地区党建設、党建設そのものとして断固勝利しよう! 全党が心をひとつにして、断固としてこの蜂起戦に決起することを訴える。
第5章 「社共に代わる労働者党」建設こそ国際的連帯を切り開く道
ムスリム人民との真の連帯は「社・共に代わる労働者党」建設をなしとげることである。
4同志実力奪還の闘いは、戦時治安弾圧粉砕への突破口である。われわれは昨年12月、超長期獄中同志を絶対にわが手に奪還するために獄中同志とともに進む党として全面的な総括を行い、獄中同志と固い血盟を誓い合った。あれから1年、われわれは必死の闘いを開始した。未決勾留16年の壁をなんとしても打ち破らなければならない。裁判に名をかりた無実の政治犯への虐待、拷問、報復弾圧は、革共同への組織破壊攻撃そのものだ。4同志の獄中闘争は、日帝権力を追い詰めている。それは16年の超長期勾留そのものが彼らの弱点に転化しているからだ。階級的力関係を転換する強大な大衆闘争の爆発を実現し、今こそ総力をあげて4同志の奪還をかちとろう。
星野同志の闘いをわが闘いとして星野同志奪還へ、デッチあげ指名手配攻撃と闘う同志、下獄して闘う同志、国労の闘う仲間、全同志を奪還するために党は総決起しよう!
米帝を先頭に帝国主義がついに世界戦争に突入する中で、反スターリン主義・革命的共産主義運動、「社・共をのりこえた革命的労働者党建設を!」の闘いは正念場を迎えている。
まさに革命的情勢の到来は、強力な革命政党の存在とヘゲモニーとイニシアチブなしに階級的勝利として結実することはできない。階級的解放を基軸に、階級的解放と民族的解放を統一する単一の世界革命の党の建設、これが「社・共をのりこえる労働者党」である。
労働者階級人民の革命戦略は反帝・反スターリン主義世界革命戦略である。第3次世界大戦への道を許さず、反帝・反スターリン主義世界革命の勝利へ驀進(ばくしん)しなければならない。「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義の世界戦争突入を国際的内乱に転化せよ」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒」の戦略的総路線を掲げて闘おう。社・共に代わる労働者党建設を総括軸に21世紀革命へ向かおう。
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週刊『前進』(2080号5面1)
北島邦彦(きたじま くにひこ)・新城せつこ(しんじょう節子)・けしば誠一(結柴せいいち)
闘う住民の代表を杉並区議会へ 3人の区議団を
都政を革新する会は、来年4月の杉並区議会議員選挙に北島邦彦氏(新人)、新城せつこ区議(当選2回)、けしば誠一氏(前区議・当選3回)の3候補を擁立し、闘いぬくことを決めた。
革共同はこの闘う方針を全面的に支持する。都政を革新する会とともに、広範な杉並の区民の皆さんとともに、3人全員の当選のために死力を尽くして闘うことを心の底から決意している。大失業と戦争の時代に全面的に突入した今、3氏は帝国主義と闘う労働者人民を真に代表できる政治家である。3氏全員の当選をかちとり、闘う住民の代表、3人の議員団を杉並区議会に登場させよう。
以下、3氏のプロフィールを紹介します。全国の同志、友人、支持者の皆さん、『前進』読者の皆さんに心より絶大な支援をお願いします。
北島 邦彦氏 新人
1959年山口県岩国市に生まれる。県立岩国高校から中央大学法学部に進む。在学中、世田谷で反戦、反核、反入管などをテーマにしてミニコミ誌を出版するなど反戦平和の市民運動にかかわる。
「基地の町、岩国で育ったことはその後の人生を決めた」と言う。
82年、大学卒業後、広告会社に就職し、まもなく労組執行委員(青年・婦人担当)として労働運動を担い始めた。組合は春闘期には必ず24時間ストを構える戦闘的組合だった。
85年に都政を革新する会の運動に出会い、社会変革への強い意欲をかき立てられる。思い切って会社を辞め、運動に飛び込む。国鉄分割・民営化に反対し、85年11・29浅草橋戦闘に決起、7年に及ぶ獄中闘争を闘いぬいた。以来、都革新事務局員として杉並での選挙運動を始めとするさまざまな活動に取り組んできた。
現在、都革新事務局長の重責を担いながら、次期区議選への挑戦のため東奔西走している。とりわけ、イラク反戦運動をもって杉並から新たな反戦運動のうねりをつくり出す闘い、さらに介護保険廃止、公的介護を求める運動で住民とともに闘っている。
新城せつこ氏 現区議・当選2回
1962年沖縄県久米島で生まれ、県立糸満高校を卒業した。夜間は労働者として電機会社で働きながら関東短期大学に学び卒業後、保育園、弁護士事務所などで働いてきた。
87年、沖縄国体での「日の丸」掲揚に反対する沖縄県民の闘いを機に杉並で「日の丸」焼き捨て裁判の支援に取り組み、89年、都政を革新する会の事務局員となる。
91年に杉並区議選に初挑戦したが、28票差で惜敗した。この敗北をバネに、地域の活動や戦争反対の運動を地道に重ね、95年に初当選をかちとる。99年に2期目の当選を果たし、今回は3期目の挑戦である。
基地の島・沖縄出身者として何よりも戦争を憎み反戦に情熱を注いできた。
新城議員は議会での活動をいつも現場の労働者の立場で、住民の目線で、あるいは差別されている人びとの立場に立ちきって貫いてきた。「介護と福祉を要求する杉並住民の会」とともに介護保険、高齢者医療費値上げなどに対する闘いの先頭に立つ。
委託非常勤の労働者の雇用問題、「つくる会」教科書や「日の丸・君が代」問題などでの鋭い論戦は対立する党派も一目置く。
けしば誠一氏 前区議・当選3回
1947年横浜市に生まれる。横浜国立大学経済学部入学、全学連に参加。横国大全共闘議長、全学連委員長代行としてベトナム反戦闘争、全共闘運動などで活躍した。
78年以来、杉並に住み杉並革新連盟(都政を革新する会の前身)事務局長、杉並共同購入の会事務局長を務める。92年から東京反戦共同行動委員会事務局長。
91年に区議に初当選してから3期連続当選、10年間を区議として活躍。区議会で委員会を公開制にさせ、公費の宴会をやめさせる。一貫して平和・くらし・福祉・教育・いのちの要求の先頭に立ち、地域住民とともに歩んできた。
杉並区に働く委託労働者の首切りを契機に自治体の委託非常勤問題に取り組む。介護保険法の準備段階から反対運動に取り組み、自治体から反対の声をあげる先頭に立ってきた。
01年春、区議3期半ばで大決断し、都議選に敢然と挑戦。石原都政と小泉登場という大反動と真っ向から対決し奮闘したが、無念にも敗北した。今回、支持者の強い要望もあって区議選への再度の挑戦を決意した。3人のかなめとして、来春の杉並区議選への闘いを引っ張っている。
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週刊『前進』(2080号5面2)
医療観察法案 衆院採決阻止を 阻止共闘が連続行動闘う
11・4渋谷デモ
11月4日、「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は、臨時国会の衆院法務委員会で継続審議となっている「心神喪失等医療観察法案」の制定に反対する集会・デモ、渋谷駅頭街宣を「病者」先頭に70人で闘いぬいた。
「犯罪を犯した精神障害者(触法精神障害者)」対策と銘打った政府提案の法案は、戦時治安管理強行のための悪法である。それは、新たに裁判官と精神科医の合議による地裁審判制度を創設し、「再犯のおそれ」を判定すると称して「精神障害者」を始め広く労働者人民を予防的な長期隔離拘禁施設収容に導くものである。現下の司法改悪攻撃と一体のものであり、刑法改悪・憲法破壊に直結する保安処分制定攻撃である。絶対に粉砕しなければならない。
正午、渋谷駅頭には各地から「病者」「障害者」が結集。1時間で1500枚のビラをまき、歌とアジテーションで道行く人に差別反対、法案阻止を訴えた。
午後1時半、宮下公園で集会を開催した。都内各地の「病者」・患者会を始め兵庫、京都、大阪、仙台、栃木などから「障害者」団体がそれぞれアピール。駆けつけた精神科医も長年の保安処分粉砕闘争を引き継ぎ、政府案加担に反対して闘うと表明した。「刑法改悪・保安処分反対に起つ全都労働者実行委員会」もともに闘う決意を述べた。闘う「病者」は一切の対案、修正論議を粉砕しようと口々にアピールし、法案絶対阻止へ全体の決意を呼びさましていった。
2時半には渋谷駅一周のデモに出発。宣伝カーを先頭に保安処分粉砕の力強いシュプレヒコールが繁華街を席巻した。
11・5国会行動
翌5日、40人が午前11時半から午後3時まで国会前に座り込んでビラまき、議員回りを行った。そこで議員から聞いた話では、厚労省役人が医療関連予算計上と引き替えに法案承認を迫り、野党との妥協案づくりを探っているとのこと。阻止共闘は「精神医療を治安の道具にするな! 保安処分で一切の対案や修正案を拒否せよ!」と訴え、法務・厚労委員への申し入れと国会前情宣を貫徹した。
医療観察法案をめぐる法案攻防は風雲急を告げている。11月5日、法務・厚労両省は民主党に対し「論点整理」と称した新たな修正案づくりを提案。民主党プロジェクトチームはそれを受け12日に「修正案づくり容認」へと舵(かじ)を切った。15日には自民党が正式に法務委理事会に修正案を提出。また精神科医の団体では、精神医学講座担当者会議と国立精神療養所院長協議会が、日精協に続きそれぞれ法案賛成へと転換を表明した。
こうした一連の動きを契機に、衆院法務委は今臨時国会での採決強行を公言し始めた。民主党、自由党など野党の取り込みによって修正案づくりの見通しさえつけば一気に法務委員会で採決を強行する構えだ。絶対に認めることはできない。
しかもその「修正案」とは「社会復帰の目的をはっきりさせる」とか「精神医療全般の水準向上に努める」「5年後の見直しを盛り込む」とか、まったくの小手先の代物だ。これで法案の骨格である「再犯のおそれ判定」や裁判官決定の導入、無期限の保安処分施設収容、保護観察の実施などすべての承認を迫るという破廉恥さだ。
闘う「病者」、「障害者」、労働者人民は、法案採決強行のための「修正案」づくりや意見交換の策動を徹底弾劾し、法案廃案へ全力で闘いぬこう。
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週刊『前進』(2080号6面1)
反戦運動・労働運動を弾圧 報道・言論規制と社会の治安管理
個人情報保護法案を葬れ
マスコミなど侵略翼賛狙う
日帝小泉政権は、イラク、北朝鮮・中国侵略戦争参戦のために、有事3法案の成立を強行しようとしている。また同時に、個人情報保護法案を何としても成立させようとしている。
小泉政権が個人情報保護法案の成立にかけている狙いとは、何であろうか。
第一に、個人情報の保護を口実に、言論・報道・出版活動を規制することである。憲法21条の「言論・出版その他の一切の表現の自由」という権利を労働者人民から奪い取り破壊することである。
戦後民主主義のもとでのメディアは、侵略戦争に全面的に翼賛したことへの反省から、国家権力の支配・統制からある程度「独立」したものとして存在した。そして国家権力の腐敗と反動性を暴露する役割を果たす場面もあった。その根拠が憲法21条であった。
小泉政権は、メディアを完全に管理・統制し、労働者人民による国家権力や資本家の腐敗の暴露・追及を一切許さない社会を作ろうとしているのだ。
第二に、国家が、労働者人民の個人情報を一元的・集中的に管理することを実現するためである。
個人情報保護法案では、国・地方公共団体などの公的機関は、あらかじめ規制の対象から除かれている。国家にとって個人情報は、保護の対象ではなく支配の対象なのだ。
小泉政権は、新たな侵略戦争の時代への本格的突入という現実を前にして、人民全体の侵略翼賛化が絶対に必要なことを痛感している。そのためには、国内治安体制を網の目のように張りめぐらすことが必要だ。その手段として、個人情報保護法案とすでに稼働している住基ネットを活用しようとしているのだ。
第三に、反戦・反権力・反体制を掲げたあらゆる運動を破壊することである。
官許の運動と団体のみ存在
今回は、この第三の狙いについて、個人情報保護法案による反戦運動と労働運動への具体的弾圧の想定例をとおして暴露する。
有事法制反対の反戦運動団体(A)を結成し、10万人を目標に国会請願署名運動を呼びかけ、すでに2万人の署名を集めた。
署名(簿)は、個人情報である。したがって、Aは2万人分の個人情報を取り扱う「個人情報保護取扱事業者」となる。この瞬間から、Aの活動に対して、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者の義務」などの国家権力による管理・統制の網が掛けられる。
@署名者に、Aが主催する「有事立法粉砕5万人集会」の案内を郵送し、賛同カンパの要請を行った場合は、第21条「利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない」の違反とされる。
署名(個人情報)の「利用目的」は国会に請願として提出するためと特定される。集会案内の郵送や賛同カンパの要請は「利用目的」と認められる範囲を超える行為となる。
AAと連帯する反戦運動団体(B)が、Aの依頼で街頭や大学や職場での署名運動に取り組み、署名した人にBの出版物を紹介・販売したり、Bが主催する集会の案内を行った場合は、第28条「個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第3者に提供してはならない」の違反とされる。
相手が署名した瞬間からその署名は、Aの管理する「個人情報」となる。BがA主催の署名(個人情報)をB自身の運動のために利用することは、「Aが、本人の同意を得ないで、第3者(B)へ個人情報を提供した」ことになる。
◆違反者には懲役6月
義務規定に違反すると主務大臣は、Aに対し、個人情報の取り扱いについて「報告」(第37条)を求めたり、「必要な助言」(第38条)をしたり、「勧告及び命令」を行うことができる。この「勧告及び命令」に従わない場合は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金」を科せられる。
一方で、法案の第55条には「個人情報保護取扱事業者の義務等」の適用を除外する規定があり、その4に「政治団体 政治活動の用に供する目的」と記されている。政治団体は「規制の対象外」であるかのように思われるがとんでもない。「政治活動の用に供する目的」のみに限定されて適用除外となっているだけだ。
この「政治活動の用に供する目的」の範囲は極めてあいまいで、国家権力の恣意的判断に委ねられているのだ。国家権力が治安弾圧の観点から範囲を厳しく規制してくるのは明白だ。
つまり、個人情報保護法のもとでは、国家権力の管理・統制に従う政治活動・政治団体のみが存在できるということなのだ。街頭、地域、職場、学園で今までのような署名運動は、まったくできなくなる。まさに、とんでもない悪法=治安立法である。
労働者は弾圧資本家は防衛
建設会社を不当解雇された労働者(C)が、経営者(D)を相手に解雇撤回闘争を開始した。
@Cが、自分の不当解雇を同僚に訴えようと、社員名簿(個人情報)をもとに支援を呼びかける文書を郵送した場合、基本原則である「利用目的による制限」(第4条)違反とされる。
社員名簿はDの管理する個人情報である。「不当解雇撤回を訴える」という利用目的で社員名簿を利用することをDは認めない。
ACが、抗議先としてDの名前と住所(個人情報)を記載したビラを作成し、会社の門前やメインバンクの銀行店舗前でまいた場合は、第4条違反とされる。
Dは、自分の個人情報を「ビラへ記載する」という利用目的を認めない。
BCは、元同僚からDによる不当労働行為の実態の情報を入手した。そこでCが、社員(匿名)からの内部告発として、Dの悪行を暴露するビラを作成し配布した場合は、第5条と基本原則である第8条の「透明性の確保」違反とされる。
この場合、Dの悪行の内容は「個人情報」となる。Dは、第5条と8条を盾にとって、Cに対して「不正な情報の取得だ。情報源を開示せよ」と要求する。Cは、同僚を守るために拒否するが、その段階で第5条と8条違反となる。
◆巨悪はとことん守られる
基本原則に違反しても、罰則規定は設けられていない。しかし、「基本原則違反」の事実は、DがCを相手に裁判に訴えた場合には、「名誉棄損」による損害賠償などが認められる根拠になる。
Dの損害賠償が認められた場合には、Cが同じ闘いをくり返すことは容易ではない。そうなれば、解雇撤回闘争自体が行えなくなるのだ。まさに、恐るべき労働運動弾圧法である。
ここにとりあげた2つのケースは、ほんの氷山の一角でしかない。法案が成立すれば、国家権力の弾圧の網は、私たちの日常生活に縦横無尽にはりめぐらされることになる。対象は、革命運動、反戦運動、反体制運動、市民運動、学生運動などすべての運動だ。
しかし、闘えば勝てる展望が切り開かれている。すでにメディア関係者を始めとしてさまざまな立場の人びとが、個人情報保護法案を廃案にする運動に決起している。労働者人民が決起し、自治体に住基ネットの接続をストップさせるという事態も生まれている。
この法案の恐るべき実態を職場、地域、学園で暴露し、廃案を求める署名を集めよう。あらゆる組織や団体で廃案の声を上げよう。集会やデモを組織して闘おう。
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週刊『前進』(2080号6面2)
米日帝の核犯罪を弾劾せよ 劣化ウラン弾で大量の被曝者
六ヶ所再処理工場稼働阻止へ
イラクへの核使用許すな
世界戦争計画のもとで先制攻撃と核兵器使用をドクトリン化したブッシュ政権は、11・8国連安保理決議―11・18国連査察団先遣隊のイラク入りをもってついに事実上の侵略戦争を開始した。米軍のイラク攻撃で50万人の死亡、飢餓・伝染病のまん延、難民の発生など深刻な事態が予測され、核使用の場合には360万人ものイラク人民が殺され、健康や環境に壊滅的被害がもたらされる(国際的な医療専門家組織、メドアクトのレポート)。
1991年、米帝はイラク・中東侵略戦争で最新破壊兵器を無数に撃ち込み、20万人以上のイラク人民を虐殺した。放射能で人体を殺傷する核兵器である劣化ウラン弾が初めてイラクで実戦使用された(総数95万発)。鉛の1・7倍の比重と最高の貫通力を持つ劣化ウラン弾は、戦車の分厚い装甲をぶち抜き、激しい燃焼で内部の兵士を瞬時に焼き殺し、燃焼した劣化ウランは酸化ウランの微粒子となって大気中に拡散した。また、大量の不発弾が地中にもぐりこんでいる。
永久的な半減期をもつ、広島原爆の3万6千倍もの放射能が米軍によってまき散らされたのだ。空気・土地・水・食物などがこの劣化ウランに汚染され、数百万人の人びとが被曝の危機にさらされている。イラク南部を中心に白血病、がんなどが以前の十数倍も急増しているという。100万人以上の子どもたちが、米帝の経済封鎖による医薬品不足のため十分な治療も受けられず、苦しみながら生命を奪われていっている。
91年のイラク・中東侵略戦争は、一握りの米帝支配階級のための石油強奪・中東支配維持を目的とした帝国主義侵略戦争であり、劣化ウランという新たな核兵器を大量に使用した核戦争、被抑圧民族の大虐殺戦争である。今もなお続いているこうした侵略戦争犯罪に加え、米帝は再びイラクを侵略し、アフガニスタン侵略戦争で本格的に使用され始めたという劣化ウラン利用の地下施設破壊用新型誘導弾(「きれいな戦争という汚い嘘」ロバート・ジェイムズ・パーソンズ)や各種劣化ウラン銃砲弾などを使ってイラク人民を大量に殺戮(さつりく)しようとしている。絶対に許してはならない。
日帝は91年イラク侵略戦争で130億jもの戦費を米帝に供与した。アフガニスタン侵略戦争では最前線のインド洋に自衛艦隊を出兵=参戦させ、爆撃する米軍に燃料などの補給・輸送を行っている。沖縄をはじめ横須賀・佐世保などの在日米軍基地は、これら侵略戦争の出撃基地としてフル稼働している。劣化ウラン弾を始め気化爆弾、クラスター爆弾、ナパーム弾などの大量破壊・虐殺兵器の米軍による使用を手助けしてきた日帝こそ、イスラム諸国人民虐殺のまぎれもない共犯者である。
劣化ウランは、核兵器や原発用核燃料の材料である濃縮ウランを生産する過程で生じる核廃棄物だ。米帝は、合衆国濃縮公社(USEC)のバデューカ、ポーツマスの濃縮工場の劣化ウランから劣化ウラン弾を製造してきた。
日本の電力資本は、原発で使用する核燃料の濃縮ウランの濃縮役務を同社に委託してきたが、そこで発生した劣化ウランの所有権を関西電力などが無償でUSECに移転していたという重大な事実を指摘しておかなければならない。
今、イラク侵略戦争参戦、有事立法強行攻撃に出てきている日帝・小泉政権は、「拉致(らち)問題・核開発問題」を口実に対北朝鮮の排外主義を激しくあおり立てながら、独自の核武装化の動きを強めてきている。その最大の焦点が、核燃サイクル、とくに青森県の六ケ所核燃施設の3工場にほかならない。
日帝の核武装を阻止しよう
@ウラン濃縮工場(稼働中)。原発の核燃料の濃縮ウランを生産し、原爆材料としての高濃縮ウランの製造能力を持つ。同工場には6700dもの大量の劣化ウランが貯蔵されている。人形峠濃縮パイロットプラント(中規模の実験施設)の2400dと合わせれば、約9000dの劣化ウラン弾材料をすでに日帝は確保しているのだ。同時にこの劣化ウランは高速増殖炉で最高級の核兵器用プルトニウムに転換される材料でもある。
A再処理工場(建設中、進行90%)。全国の原発の使用済核燃料からプルトニウムが取り出され貯蔵される。現在、海外での委託再処理分を含め約40dのプルトニウムを保有している。同工場が稼働すれば毎年8dが抽出されることになる(原発でできるプルトニウムは純度が低いが、現在では核兵器製造が可能である。また高速増殖炉の燃料にも使われる。日帝は「もんじゅ」運転再開、東海村再処理工場の稼働をあくまで追求している)。
B国際核融合炉(ITER)(計画中)。エネルギー問題解決の切り札の名目のもとで六ケ所村がITERの候補地に決定された。同計画をとおして水爆材料としてトリチウムの入手がたくらまれている。
日帝は六ケ所核燃施設を原水爆、劣化ウラン弾製造の巨大核軍事工場として完成しようとしているのだ。
死の灰を生む核燃施設解体
六ケ所再処理工場で、日本原燃は通水試験に続いて化学試験を11月1日開始した。そして03年6月に劣化ウラン、04年7月に使用済核燃料を使った試験が開始されようとしている。05年7月の稼働予定に向かって、反核燃闘争はいよいよ決定的な情勢を迎えた。
再処理工場は、煙突や海中放水管から原発1年分の膨大な放射能をたった1日で放出する。日常的にたれ流される放射能は、「やませ」(季節風)に乗って広大な周辺一帯にばらまかれ、また海流によって三陸海岸、遠くは房総半島にまで運ばれ、太平洋沿岸は一大核汚染地帯となる。さらに臨界事故などの壊滅的核事故の危険に恒常的にさらされていく。悪質きわまる原発検査改ざんを居直り、ひび割れ原発運転容認の「維持基準法案」強行成立を狙い、原発・核燃推進、核武装化攻撃に突っ走る日帝・小泉政権を打倒せよ。闘う六ケ所村住民・現地労働者人民と連帯し、再処理工場稼働阻止、核燃白紙撤回、日帝の核武装阻止の闘いをイラク反戦と一体となって闘い抜こう。
〔河東耕二〕
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週刊『前進』(2080号6面3)
(5)
日本共産党の犯罪性 教師が学校で差別を扇動
西村豊行
“同和のことで労働強化” 矢田
労働者階級による部落解放闘争への決起は、日本共産党との闘いをとおして推進されてきた。日本共産党は、三百万部落大衆の自己解放をかけた差別糾弾闘争、部落解放闘争に一貫して敵対してきた。戦後部落解放運動史上における空前の差別事件といわれる、矢田教育差別事件や八鹿(ようか)高校差別教育事件をとおして、日本共産党の差別性と、これとの闘いがどのように展開されたかを具体的にみていきたい。
矢田教育差別事件は、1969年3月、大阪市教職員組合東南支部の役員選挙にあたり、阪南中学分会の木下浄の、書記次長の立候補あいさつのハガキ配布に端を発した差別事件である。木下は前年の落選につづく立候補である。あいさつ状には書記次長のほか、支部長、書記長の候補者名をあげ、13人の推薦人が署名していた。あいさつ文には、「同和のことで労働強化になっている」と、露骨な差別表現を使用していたのである。「職場はますます苦しくなる」と解放教育を敵視して余りある、部落の子どもたちの学習権への卑劣な破壊策動であった。
部落解放同盟の矢田支部は3月18日、矢田市民館で、出席した木下と2名の推薦人を交えて、「差別者、木下一派を糾弾する」の糾弾文書を提出して話しあった。そして差別表現の事実、自己批判書の提出、ハガキの回収―など合意のもとに確認しあったうえ、24日の支部糾弾集会には推薦人全員の出席を確約した。しかし、約束は一方的に反故(ほご)にされてしまったのである。
「木下あいさつ状は、労働組合の役員選挙に際して、教員の労働時間、権利の問題について訴えているものであって、未解放部落住民をべっ視するものではなく…」と、日本共産党は、「大阪民主新報」や「赤旗」で差別表現であることを認めず、部落差別を居直ったのだ。
矢田支部は4月9日、推薦人で矢田中学の共産党員の3教師を、市民館に同行して糾弾した。午前から始められ、やがて大衆的な糾弾集会にきりかえられ、参加者は教育労働者を含み250人にもなった。進展はみられず、日を越えて、10日の午前2時ごろ閉会したという。ところが3教師は4月19日になって、糾弾集会をとらえて、解放同盟の幹部4人を、「逮捕監禁罪・強要未遂罪」で告訴したのである。さらに翌年の70年6月17日、大阪地検が弾圧に乗りだして矢田支部長・書記長を起訴した。一審は無罪であったが、二審は逆転有罪で懲役3月・執行猶予1年。82年3月2日、最高裁は上告棄却して有罪が確定した。
「矢田にはたくさんの子どもがいるから、学校を建てて、だれでも進学できるようにしてほしい。私は死ぬまでそのことを実現させるために闘います」と、ある支部員は述べている。部落の親たちは、子どもの教育・学習権の奪還を掲げて、必死に立ちあがっていた。学校から排除された痛苦な体験に根ざし、切っぱつまった要求である。教育労働者は、親たちの悲痛な心の叫びを、階級的感性と子どもへの愛情をもって深く抱きとめるべきであった。
生徒の糾弾に告訴で対応 八鹿
また、八鹿高校差別教育事件は、74年11月に発生した。事件の背景には、日本共産党員が兵庫高教組八鹿高分会を牛耳っていたことがあった。解放奨学生たちは、学内の改革すべき課題と真っ正面から格闘していた。農業科は解放奨学生たちが多く学んでいたが、普通科の生徒ばかりか、教師からさえもべっ視されていた。農業科は普通科に対して、極めて差別的に分けられていたのである。
校内には特設同和教育の問題があった。月に1〜2回の授業は、差別暴言が飛びかう場であったという。「1年生のとき『同和教育』の時間がきたら、『Cさんの時間がきた』というふうに言われたり、『エッタの子や』と友だちに言われたこともある。先生はそれでもなんにも言わんかった」と、解放奨学生たちはいつもさらしものにされていたのだ。
いま一つの問題は部落問題研究会の存在である。「部落研のなかでは解放同盟のことを『解同朝田一派の暴力集団』と、公然と言われています。顧問の先生は5人。現在の部員は8人で部落出身生徒は1人もいない。『赤旗』が部室にも職員室にもあって、部落研として『赤旗』を読んでいた」と証言する。
解放奨学生たちは、部落解放研究会の設立を独自に要求して立ちあがった。やむにやまれぬ決起である。そして7月30日、校長・教頭は解放研の設立を許可したにもかかわらず、教師たちは頑強に拒否しつづけた。
解放奨学生21人は、教師たちとの話し合いを求めたが、職員会議で否決され、11月18日、抗議の座り込みに突入。21日からはハンストにきりかえ、命がけの糾弾闘争を敢行した。
教師たちは、城崎温泉に投宿して集団で登・下校し、22日もハンストの解放奨学生たちを黙殺し下校してしまう。それを知った部落大衆や労働者が、教師たちを連れ戻して糾弾した。日本共産党は「赤旗」で、この糾弾闘争をねじ曲げて差別キャンペーンを張ったうえ、「逮捕監禁、傷害・強要罪」で解放同盟員らを告訴した。90年11月28日、最高裁で有罪が確定した。
階級性奪還の道閉ざす差別
日本共産党は、糾弾をめぐる裁判の過程で、全国部落解放運動連合会という名の分裂組織を結成したが、部落差別は封建的遺制の問題でしかない、と部落解消論の反動的立場を党是としている。そして「法務省見解」に依拠して糾弾権を否定するだけではなく、狭山差別裁判は部落差別ではなく「一般刑事事件」であるという説を唱えて狭山闘争から逃亡し、同対事業の早期終結運動まで推進した。改正綱領では国民融合論を中心に据え、日本帝国主義の先兵として融和主義路線を強化したのであるが、今日では理論的にも実践的にも完全に破産し、大衆的基盤をもたず、孤立を深めている。
部落大衆と労働者は連帯し、日本共産党・差別主義集団との闘いを、差別糾弾闘争として闘ったのであった。それは一方で、労働者が、自ら糾弾を受けることを意味していたであろう。だが、労働者は糾弾によって自己の階級性を奪還し、部落差別の現実を真に学んだのである。そして、労働者自己解放の普遍的な課題として、部落大衆と連帯し部落解放のために闘う立場を獲得したのではないだろうか。
(部落解放理論センター所長)
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週刊『前進』(2080号6面4)
富山大 侵略演習許さぬ 小松基地に申し入れ
11月11日、富山大学学生自治会は、北陸・小松基地で強行された航空自衛隊の航空総隊総合演習を弾劾し、中止を申し入れる抗議行動を行った(写真)。
今回の演習は、同日から行われる「日米共同統合演習の一環」と位置づけられており、小松基地の隊員1600人、F15イーグル戦闘機約40機に加え、沖縄・那覇基地からF4ファントム戦闘機6機、青森・三沢基地からはE2Cが4機参加している。
航空総隊総合演習自体は、11月22日まで全国各地で行われており、総員3万4000人、参加航空機約430機という非常に大規模なものである。今回の日米共同統合演習は、「日本海」西部で米艦船が沈没し、それを米軍と協力して自衛隊が「捜索救助活動」を行うという内容で、北朝鮮侵略戦争を具体的に想定した実戦演習である。
弾劾行動を開始するや、基地側はゲートを半分閉じ始め、約20人ほどの基地の兵士がピケをはるという警戒態勢をとった。「基地の防衛」も今回の演習のひとつとなっている。学生自治会が申入書を基地渉外に手渡し、演習中止を要求した。「演習の具体的内容、場所等は答えられない」の対応であった。参加者は、小松基地の侵略出撃基地化阻止、演習弾劾のシュプレヒコールを行い、隊内からの反戦決起を訴えた。
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週刊『前進』(2080号6面5)
11月13日〜19日
イージス艦「必要なら派遣」 査察団先遣隊がイラク入り
●イラクが安保理決議を受諾 イラクのドゥーリ国連大使が、アナン国連事務総長あてにサブリ・イラク外相の書簡を提出し、11月8日の国連安全保障理事会決議を無条件で受け入れると伝えた。(13日)
●「戦闘は最長5カ月」 ラムズフェルド米国防長官は、米ラジオで、イラク攻撃に踏み切った場合、短期間で作戦が終了するとの見方を示した。「5日で終わるか、5週間、5カ月かかるかは断言できないが、それ以上にならないことは間違いない」。(14日)
●KEDOが重油凍結 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)理事会は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する12月以降の重油供給を凍結することを決めた。(14日)
●教基法見直しの中間報告 文科省の諮問機関「中央教育審議会」(中教審、鳥居泰彦会長)が教育基本法の全面見直しを求める中間報告を、遠山敦子文科相に提出した。「郷土や国を愛する心」「公共に主体的に参画する意識」を基本理念に盛り込んだ。(14日)
●米軍が水中爆破訓練 米海軍は島根県隠岐諸島沖の日本海で、模擬機雷を爆破させる水中爆破訓練を実施した。同海域ではズワイガニの底引き網漁が最盛期のため、水産庁が外務省を通じて中止を要請していた。米海軍は翌15日にも種子島南方の太平洋と桜島西方の東中国海で水中爆破訓練を行った。(14日)
●イラク査察再開は27日 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は国連本部で記者会見し、イラクの大量破壊兵器に対する査察開始日を早めて27日から再開することを明らかにした。これによって査察結果の報告書提出期限も来年1月27日に前倒しされた。この時期は気象状況から軍事攻撃の開始には最適とされる。(15日)
●スパイいないと保証せず UNMOVICのブリクス委員長は、パリで記者会見し、査察団にスパイがいるかとの質問に「いないとは保証できない」と語った。(16日)
●稲嶺恵一知事が再選 任期満了に伴う第9回沖縄県知事選で、現職の稲嶺恵一氏(自民、公明、保守推薦)が35万9604票を獲得し再選した。元副知事の吉元政矩氏(社民、社大、自由連合推薦)は14万8401票、新垣繁信氏(共産推薦)は4万6230票。投票率は57・22%で過去最低。(17日)
●米英軍がイラク空爆 米英軍は北部飛行禁止区域にあるニネバ州のイラク防空関連施設と南部飛行禁止区域にあるアルクート、タリルの防空・通信施設を爆撃した。マクレラン米大統領府副報道官は、その際イラクが行った対空砲火に対し、「国連決議への重大な違反」にあたると非難した。(18日)
●警察と自衛隊が合同訓練 治安出動を想定した警察と自衛隊による初の合同訓練(図上演習)が北海道警本部で始まった。(18日)
●先遣隊がイラクに 国連決議に基づいてイラクの大量破壊兵器開発を検証する査察団の先遣隊30人がバクダッド入りした。(18日)
●米国土安保省設立へ 米上院は米政府の国土安全保障部門を統合する国土安全保障省法案を、下院に続いて可決した。(19日)
●対米支援半年延長 政府はテロ対策特別措置法に基づく基本計画を来年5月19日まで再延長し、新たに輸送艦、護衛艦各1隻を追加派遣することを閣議決定した。政府・与党はイージス艦が基本計画の装備に盛り込まれた「護衛艦」にあたるとしており、同艦派遣の検討を排除していない。(19日)
●イージス艦「必要なら派遣」 福田康夫官房長官は記者会見で、イージス艦派遣について「その必要性が生じたときは当然ある」と述べた。石破茂防衛庁長官も記者団に「法律上の問題はない。必要であれば出すし、必要でないならば出さないことになる」と語った。(19日)
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週刊『前進』(2080号6面6)
公判日程
☆迎賓館・横田裁判
須賀・十亀・板垣同志裁判
12月17日(火)午前10時
福嶋同志裁判
12月20日(金)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
11月29日(金)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
12月10日(火)午後1時15分
※いずれも東京地裁
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