ZENSHIN 2002/09/30(No2071 p06)

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週刊『前進』(2071号1面1)

日朝首脳会談に対する革共同の態度

北朝鮮への排外主義の嵐打ち破れ

日帝の「国交正常化」交渉は戦争の道だ

 米日帝の北朝鮮侵略戦争阻止へ

 有事立法粉砕、日朝人民の連帯を

 第1章 米日帝の北朝鮮侵略戦争計画の一過程

 日帝・小泉は9月17日、日本の首相として初めて北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を訪問し、金正日(キムジョンイル)国防委員会委員長(朝鮮労働党総書記)と日朝首脳会談を行い、国交正常化交渉を始めることをうたった「日朝平壌(ピョンヤン)宣言」に署名した。
 9・17日朝首脳会談は、いわゆる拉致問題の安否確認として、5人の生存と8人の死亡という深刻な事態が北朝鮮側から告げられ、金正日がそれを公式に認め謝罪するという衝撃的な展開となった。この問題は、8人の青年たちがいつどうして死んだか、なぜ死ななければならなかったのかを含め、重い問題である。だがしかし、日本のマスコミがほとんどこれのみをクローズアップし、対北朝鮮の民族排外主義を扇動していることは、まったく許し難いことである。日朝首脳会談の全体像をつかみ、その一環としてこのいわゆる拉致問題を位置づけてとらえることで、拉致問題そのものの核心も実は明らかになるのである。
 以下、米帝のイラク攻撃の切迫、日帝の有事立法攻撃の進展の中で行われた日朝首脳会談に対する革共同の態度を表明したい。
 結論的に言って、日帝は9・17日朝首脳会談・平壌宣言をもって、@米帝ブッシュ政権の世界戦争計画―「イラク・イラン・北朝鮮は悪の枢軸」論による対北朝鮮のすさまじい戦争重圧の破壊力と一体となって、かついわゆる拉致問題や不審船問題などを交渉上の恫喝の道具として使いつつ、A内外の深刻な危機の中で追いつめられた北朝鮮スターリン主義の窮地につけ込んで、B国交正常化交渉の名で北朝鮮スターリン主義のほとんど全面的とも言える屈服を取りつけ、Cあわよくば北朝鮮への新植民地主義的侵略を狙い、Dまた北朝鮮スターリン主義の対応いかんでは有事立法発動による対北朝鮮侵略戦争をいつでも仕掛ける外交的枠組みづくりに大きく踏み出したのである。
 日帝はこの交渉過程全体をとおして、北朝鮮のぎりぎりの現状と弱点に襲いかかって北朝鮮スターリン主義に強圧的に屈服を強いるという、まさしく戦争外交を展開したのである。そこからはどのような平和も友好も出てくるわけがない。
 さらに、そこでは、かつての日帝の朝鮮植民地支配、強制連行・強制労働、数々の虐殺とじゅうりん、そしてそれに連なる戦後の敵対と差別・抑圧の一切の国家的責任およびその賠償・補償の問題をことごとく打ち捨て隠蔽(いんぺい)している。
 日帝はなぜ明々白々たる歴史的な国家的大犯罪をどこまでも開き直ろうとするのか。そこには新たな侵略の野望があるからである。
 またそれは、米帝ブッシュ政権が今、嵐のように推し進めているイラク攻撃(次は北朝鮮とされている!)とそれを新たな突破口とする世界戦争計画の実行の一翼を、日帝がその国家利害から担おうとするものである。したがって9・17日朝首脳会談は、けっして真の日朝友好をつくる道でもなく、真の国交正常化のあり方でもない。むしろまったく逆に日帝が朝鮮半島に戦争をもたらす重大な一過程となったのである。
 9・17日朝首脳会談・平壌宣言は、米帝(米英日帝)による一方的なすさまじいイラク大虐殺戦争が間違いなしに発動されようとしている情勢の一環としてつくり出されたものであり、直接にも米日帝の朝鮮侵略戦争計画の推進の一過程なのである。9・17にもかかわらず、いや9・17のゆえにこそ、米日帝の北朝鮮侵略戦争情勢が今一つ進んだのである。

 日朝平壌宣言の意味は何か

 日朝平壌宣言では日朝の国交正常化の実現をまずうたっている。その中身として4点が確認されている。
 第1点は、「国交正常化を早期に実現させる」こと、そのために「02年10月中に日朝国交正常化交渉を再開すること」、さらに「国交正常化の実現に至る過程においても、日朝間に存在する諸問題に取り組む」ことである。
 ここで言う諸問題とは、いわゆる拉致問題や不審船問題にかかわる謝罪、補償、真相解明などの問題を指している。注目すべきことは、国交正常化交渉といわゆる拉致問題、不審船問題などがリンクされていることである。小泉は「重大な懸念は引き続き存在する」(記者会見)と強調している。日帝は、それらの問題を国際政治上のテーマに押し上げ、それをめぐるやりとりいかんでは、国交正常化交渉をストップさせたり、破棄する余地をつくっているのである。
 第2点は、いわゆる「過去の清算」にかかわる部分であり、いくつかの項目からなっている。
 「日本側は、過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した」として、95年の村山(当時首相)談話を踏襲している。
 そして、双方は、@経済協力の実施、A財産及び請求権を相互に放棄、B在日朝鮮人の地位に関する問題及び文化財の問題を協議する、としている。
 ここで日帝は、過去の植民地支配、その国家的責任、賠償・補償を認めておらず、したがって例えば日本軍軍隊慰安婦問題の解決について拒否する立場を貫き、それを北朝鮮に押しつけている。また北朝鮮スターリン主義は、植民地支配からの解放の原則的立場をすっかり投げ捨てる歴史的大裏切りを行った。
 第3点は、「双方は互いの安全を脅かす行動をとらない」と確認、北朝鮮側は「日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような(日本国民の生命と安全にかかわる)遺憾な問題が今後再び生じることがないよう適切な措置をとる」と確認したとしている。これは、拉致や不審船の問題で北朝鮮にくぎを刺している条項である。
 第4点は、双方は「@北東アジア地域の平和と安定を維持、強化するため、互いに協力していく、A地域の信頼醸成を図るための枠組みを整備していく、B朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守する、C核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進する」と確認し、北朝鮮側は「ミサイル発射のモラトリアムを03年以降も更に延長していく」と表明したとするものである。
 このAの「信頼醸成の枠組み」とは米、日、中、ロと南北朝鮮の6者協議を意味する。Bの「すべての国際的合意」の最も基軸的なものは米朝の94年10・21合意枠組みである。
 これらは、日帝が、米帝の世界戦争計画、その一環としての対北朝鮮戦争政策と一体となって北東アジアの多国間安保協議を進めていくこと、あくまでも米帝と同調しつつ、かつ直接にも米帝の意を受けて、対北朝鮮の政策をまぎれもない戦争政策と位置づけていることを示している。
 さらに、添え書き的項目のようであるが、第5点に「安全保障にかかわる問題について協議を行っていく」ことを確認している。
 国交正常化交渉と並んで、安保協議が設定されていることの意味は大きなものがある。すでに見たように、国交交渉の中に、「日朝間に存在する諸問題」の協議がビルトインされているだけではなく、その国交交渉と並行して安保協議すなわち軍事外交協議が行われる形となっていることは、日帝が国交正常化交渉と銘打ちながら、その実、対北朝鮮の戦争政策を構築していこうとしていることをはっきりと示している。
 この平壌宣言は、日帝の側は、植民地支配についての謝罪や補償を行わない一方、日帝が北朝鮮に要求していることはすべて認めさせ、全面屈服させた文書となっている。北朝鮮スターリン主義は、ただただ政権の護持と保身のために、全朝鮮人民の願いと要求と民族的誇りを踏みにじって、まさに歴史的・民族的な大裏切りを行ったのである。

 拉致問題をどう考えるか

 ここで、いわゆる拉致問題とは何か。
 拉致問題とは、米日帝と北朝鮮との戦争的対峙・敵対関係の中で発生したものである。この点を抜きにして、「北朝鮮=悪のテロ国家」と決めつけることはまったく間違っている。
 そもそも日帝は、36年間に及ぶ植民地支配に引き続いて、戦後、とりわけ50年朝鮮戦争以来一貫して南北分断政策をとり続けてきた。その北朝鮮敵視政策のもとで何が行われてきたのか。65年日韓条約で南朝鮮を「唯一の合法政府」と規定する一方で、北朝鮮を国家(分断国家であれ)として承認せず否定してきたのである。
 そのことで、在日朝鮮人や日本人の自由往来をいまだに制限している。そして、植民地支配についての謝罪も賠償も北朝鮮および北朝鮮人民に対しては一顧だにすることなく、南朝鮮との関係でも一切終了してきたと開き直っている。また北朝鮮を国家として認めないのだから、「朝鮮」は国籍ではないとして、在日朝鮮人への差別・抑圧の入管体制を正当化してきた。
 実際、福田官房長官は「北朝鮮はわが国とまだ国交がないという、言うなれば交戦状態にある」と明言している(9月14日)。そうした戦争的対峙状態の中で、南北分断の戦争重圧を受ける北朝鮮がスターリン主義的反人民的軍事作戦の一環として拉致問題を起こした。日帝の一貫した対北朝鮮敵視政策が拉致問題の今一つの原因なのである。
 加えて、日帝の過去の歴史的な国家的大拉致事件について、日帝が認定することも、謝罪も補償も行ってこなかったことを根本的に問題にしなければならない。数百万人の朝鮮人民を強制連行し、炭坑や鉱山に閉じ込め、強制労働させた。また、20万人とも言われる朝鮮女性を日本軍軍隊慰安婦政策のもとでじゅうりんしたことに対する償いも何ひとつ行っていない。また、1923年の関東大震災の際に6000人を超える朝鮮人・中国人を虐殺した歴史の清算も行っていない。戦後の日本では朝鮮中学・高校生徒への集団的暴行事件が繰り返されてきたのである。
 北朝鮮によるいわゆる拉致問題をもって、日帝の戦前・戦後をとおしての朝鮮人民に対する植民地主義、民族差別・抑圧の国家的大罪をこの際塗り隠してしまえなどということは断じて許されない。日帝の朝鮮人民への国家的大罪を真に謝罪し償うことが、日本と北朝鮮との戦後的な戦争的対峙を終わらせ、拉致問題の解決につながるのである。
 したがってまた、日帝の基本方針である「拉致事件の解決なしに国交正常化なし」論こそが、拉致問題の解決を妨げてきたのである。日帝は拉致問題を人道的に解決しようという態度ではまったくなかった。逆に、拉致問題とその関係者家族の苦しみや悲しみを、帝国主義的に利用して北朝鮮との交渉を有利かつ高圧的に進める道具にしてきたのである。日帝はどうして過去・現在の国家的大罪を速やかに謝罪せず、今に至るも北朝鮮との国交正常化をしてこなかったのか。そうした日帝の態度は、道義性のひとかけらもなく、拉致問題をもてあそぶものである。それなのに北朝鮮を一方的に非難することなどできるのか。そんなことはけっして許されない。
 拉致日本人早期救出議員連盟(拉致議連)は、「食糧支援の中止、朝銀信組へのさらなる公的資金投入の中止」や「朝鮮籍の在日の再入国の禁止」などを要求して排外主義を扇動している。現に朝鮮学校などに対する脅迫や襲撃が始まっている。
 「テロ国家=北朝鮮を制裁しろ」などという扇動と襲撃は、重大な戦争放火である。断じて許してはならない。「制裁しろ」とは、石原慎太郎が「私が総理だったら、北朝鮮と戦争してでも(拉致された日本人を)取り戻す」(ニューズウイーク6・19号)と言ったのと同じ論理である。8人の死と引き換えに朝鮮人民を何千何万人と殺せと言うのかということである。

 第2章 植民地支配への謝罪と賠償の立場が根幹

 以上のような小泉訪朝―日朝首脳会談の核心問題を階級的視点からしっかりととらえ返しておきたい。
(1)第一に、今日の米帝の対イラク攻撃戦計画や「悪の枢軸」論に基づく諸政策、さらには究極的には対中国戦争を基軸とした世界戦争計画といった動きとの関連でこの問題を考えるということである。
 第二に、(より直接的な事柄だが)日帝の対朝鮮・アジア・太平洋的な侵略政策、戦争政策にとって今回の訪朝がどのような意味をもっているのかということである。
 第三に、これらの動きに対応して帝国主義のおそるべき重圧にさらされる中で、北朝鮮の金正日スターリニスト政権がどのような現実にあり、かつ、その「打開」をどのように図ろうとしているのかということである。
 第四に、前記の一切を含めて、われわれは米日帝の朝鮮侵略戦争政策に反対し、朝鮮の民族解放と南北の統一という朝鮮人民の闘いと連帯して断固として闘いぬくということ、そういう立場に立って考えていくということである。
(2)こうした観点に立ってみる時、今回の小泉訪朝―日朝首脳会談の動きを規定している最大の要因は、米帝ブッシュ政権の世界戦争計画の推進、とりわけイラク戦争から対北朝鮮・中国侵略戦争への大きな動きであり、これが北朝鮮への決定的重圧となり、その政治的、経済的、軍事的危機を極点にまで強めているということである。
 米帝は北朝鮮・金正日スターリニスト政権に対して「悪の枢軸」論で攻撃をしかけ、@テロ支援問題、Aいわゆる大量破壊兵器(核・化学など)の問題、Bミサイルの発射実験とミサイルの生産と輸出の問題、Cさらには政治体制そのものの変更問題などをめぐって北朝鮮・金正日政権が到底のめないような要求をつきつけて、これに応じなければ軍事的に攻撃し体制を転覆するなどと公言し、おそるべき帝国主義的恫喝を加えている。
 これは北朝鮮の経済・政治・社会の危機をギリギリまで激化させている。米帝は基本的にこのような攻撃を加えつつ、しかし同時に当面するイラク戦争という巨大な戦争への集中の必要や、北朝鮮の政権のあまりに急激な倒壊が南北朝鮮全体を大動乱〔帝国主義にとって〕にたたき込むこと、さらには対中国関係がどのように発展するかという大問題が生ずることなどから、さしあたって北朝鮮を自らのコントロールと統制のもとにおくという政策をも同時に遂行している。KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の動きはその典型である。
(3)このような米帝の対北朝鮮政策の中で、日帝は米帝のこのような世界政策、とりわけ対北朝鮮・中国の政策展開に基本的に対応し共同するスタンスをとり、その中で日帝としての地理的=歴史的な権益圏(帝国主義的な!)の立場から、日韓体制の構築に全力を挙げるとともに、北朝鮮との関係においてもその帝国主義的侵略的な政策からの接近と介入の策動を強めてきた。
 したがって日帝の基本的立場はこの意味で、米帝の「悪の枢軸」論にくみして米帝の対北朝鮮侵略戦争の計画にぴったり密着して進み、共同的=競合的に自らも独自の立場から侵略戦争を遂行するというものである。それは、この間具体的には、一方ではいわゆる拉致問題や不審船問題、ミサイル問題を口実とする有事立法攻撃として展開された。他方では日朝国交正常化交渉の再開への帝国主義的外交政策をとおして、北朝鮮への帝国主義的のりこみ・介入・浸透策動として展開されてきたのである。
 本来日帝は、長い植民地支配の歴史からして、真の謝罪と賠償と補償をきちんとしなければならない立場にあるが、実際にはあれこれと言って真の謝罪も賠償と補償もしようとしてこなかったのである。
(4)こうした中で、北朝鮮側にとってこの間の情勢は、分断国家としての国家存亡の危機として一挙に緊迫してきた。いうまでもなく最大の問題は米帝の対北朝鮮攻撃の現実性がかつてなく強まり、94年危機とその回避のような形にはいかない危険が迫ってきたということである。
 こうして帝国主義的な大重圧と孤立化政策の中で、スターリニスト金正日政権はそのスターリン主義的本質から世界革命に向かって情勢を打開していく立場、南北の革命的統一によって情勢を打開していく立場はとりえず、北朝鮮経済はほとんど飢餓的破綻(はたん)にひんしている状況である。ヤミ経済が圧倒的となり、典型的な二重経済となっている。最近、物価の大幅値上げと賃金の大幅引き上げを同時に行い、ヤミ経済に追随する経済政策をとったが、なんら根本的な対応策とはなりえていない。
 今日の金正日政権にとっては、米帝の戦争重圧=体制倒壊の恐怖の問題とともに、金正日スターリニスト政権そのものへの絶望的意識が人民の間に急速に広まっていくという問題が最大の問題となってきている。
(5)以上の諸要因のからみあいの中で、米帝の北朝鮮攻撃をなんとしても避けるために金正日政権は日朝関係の一定の形成をもって盾としようとし、また日帝への思い切った譲歩をしても日帝からの資金・物資の獲得の道を開き、北朝鮮人民に一定の展望を与えることで体制護持の手段としようとしたのである。
 日帝・小泉は、この米帝の重圧下であえぐ金正日政権の危機とそれからくる対日の新たな政策の動きをかぎとり、ハイエナのようにくらいつき、日帝としての対朝鮮政策〔本質的には対北朝鮮(→全朝鮮)への侵略政策〕の推進のテコとしようとしたのである。
 日帝・小泉はまた、底なしの経済不況(恐慌の進行)への対応策の行きづまりと、小泉改革なるものがひたすらリストラと大衆収奪の強化でしかないことへの労働者人民の怒りの激化に対して、あわよくば外交上の得点をあげることでしのごうとしたのである。
 訪朝によって日帝・小泉が追求したことは、北朝鮮・金正日政権からもぎとれる譲歩は最大限引き出し、日朝国交正常化交渉の〔日帝的〕再開への手がかりを確保しつつ、他方では米帝の動向次第ではたちまち北朝鮮に対して高飛車な諸要求をつきつけて、米帝の戦争開始の口実を補強し、日帝としての戦争協力を合理化する道筋をつけるということであった。
 その意味で、日帝・小泉は一面で日朝の交渉関係をつくりだし、朝鮮経済侵略への足掛かりを準備しつつ、他面で北朝鮮への拉致問題や不審船問題への反動的・排外主義的な日本の世論を激高させ続けるといった情勢をつくりだすことを狙っているとさえ言える。
(6)9・17日朝首脳会談の動きは、米帝とそれと連携していこうとする日帝の対イラク戦争から対北朝鮮・中国侵略戦争へのプロセスの中で不可避的に生み出されたものであると同時に、このプロセスの一局面を形成するものであって、それをストップしたり停滞させたりするものではない。
(7)いやそれどころか日帝・小泉のこの動きは米帝の対イラク戦争から対北朝鮮戦争への動きの中で、日帝がこの米帝と協力・共同して参戦していく上で、政治的地ならしの意味さえもっているのである。

 第3章 日朝人民の真の連帯と南北統一めざして

 この日朝首脳会談をめぐって革共同の態度は鮮明である。
 第一に、米帝の「悪の枢軸」論による北朝鮮体制の軍事的転覆は帝国主義的侵略戦争そのものである。これに断固反対して闘いぬくことである。
 第二に、日帝がこの米帝の動きと連動して、独自の立場から北朝鮮侵略戦争に参戦していくことを断じて許さないことである。有事立法4法案(武力攻撃事態法案など有事3法案と個人情報保護法案)粉砕闘争をますます強めていこう。
 その中で、「北朝鮮はテロ国家だ」「北朝鮮に制裁を加えよ」と叫んで、在日朝鮮人民への排外主義扇動と差別的襲撃・暴行がなされることを、体を張ってでも阻止し、防衛しなければならない。
 第三に、日帝は北朝鮮に対して植民地支配および戦後の新植民地主義的政策について、真の謝罪をすべきであること、また賠償と補償を最大限誠実に行うべきことを突きつけていくことである。北朝鮮への一切の新植民地主義侵略策動反対! 日帝〔または日本〕は一切の前提として、謝罪・賠償・補償を最大限の誠意をもって行うべきだ!
 第四に、日帝は在日朝鮮人、朝鮮総連の人びとに対する排外主義と差別主義による抑圧攻撃を直ちにやめよということである。
 第五に、米・日帝国主義による北朝鮮・金正日政権の体制転覆の合理化などを絶対に許さず、北朝鮮スターリニスト政権の反人民性は北朝鮮人民自身の革命的決起によってこそ解決されるべきものであることを明確にしていくことである。そして米帝・日帝の朝鮮への新植民地主義的支配を打倒し、北朝鮮における人民蜂起と南朝鮮における人民蜂起の合流による朝鮮の南北統一への闘いを断固支持することである。すなわち「闘う朝鮮人民・在日朝鮮人民と連帯して、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の闘いを強力に推進していくことである。
 9・17小泉訪朝は、米日帝の朝鮮侵略戦争計画の流れの一環である。日帝・小泉の北朝鮮・中国侵略戦争のための有事3法案を阻止し、個人情報保護法案の言論統制と治安強化の攻撃を粉砕するために今こそ今秋臨時国会決戦に総決起しよう! 排外主義の嵐を打ち破り、闘う朝鮮人民と連帯して闘おう! イラク侵略戦争阻止・有事立法粉砕闘争を大爆発させよう。

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