ZENSHIN 2002/05/20(No2053 p06)

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週刊『前進』(2053号1面1)

5・24明治公園へ 5・26全国結集で国会デモを
 北朝鮮・中国への先制攻撃狙う有事立法3法案を絶対に葬れ

 JR不採用問題 与党3党声明を徹底粉砕せよ
 ついに、最大の決戦の時が到来した。有事立法3法案は、日帝が戦後史上初めて本格的に朝鮮・中国侵略戦争を遂行し、かつ戦前型の国家総動員体制を構築するための、まったく新たな戦争法体系=非常事態宣言体制づくりである。これを全労働者人民の総決起で粉砕しなければならない。歴史が右するか左するかがこの一戦にかかる戦後最大の階級決戦である。改憲粉砕決戦そのものである。5・20大阪・扇町公園、24東京・明治公園の闘いの大高揚をかちとろう。反戦共同行動委員会の5・26全国総決起闘争を大爆発させよう。有事立法反対大署名運動を全国の職場・大学・街頭で繰り広げ、労働者人民の根こそぎの決起を実現しよう。今こそ行動の時だ!

 第1章 日帝を突き動かす米帝世界戦争路線

 衆議院有事法制特別委員会の総括質疑が始まり、日帝・小泉政権は、超短期間のうちに成立させようと突っ走っている。自民党は、24人のメンバーを5人の防衛庁長官経験者、5人の副長官・政務次官・大臣政務官経験者を始め、全員「国防族」で固め、千載一遇のチャンスだと、全力投球の短期決戦方針で臨んでいる。5月が勝負なのだ。
 また、政府は今回の3法案に盛り込まなかった残る有事法制について、概要や国会提出時期を明記した整備計画を今国会中にもまとめるとしている(読売新聞5・6付)。有事法制の全体像を示すことで、今国会での3法案成立の弾みをつけようとする攻撃だ。
 野党は、「日本を攻める国がどこにあるのか」「だから有事立法は必要ない」という議論であり、「アメリカの戦争に巻き込まれる」(日共)、「対テロ・不審船がない、時代錯誤だ」(民主、自由)などと、小泉の「備えあれば憂いなし」論の土俵に絡め取られている。それは、日帝が超切迫する米帝の中国・朝鮮侵略戦争に全力で対応して、共同的=競合的に自らの侵略戦争体制をつくろうとしていることを覆い隠すものだ。
 21世紀冒頭の世界がすでにむごたらしい虐殺と破壊の帝国主義侵略戦争―世界戦争の時代となっていることを徹底的にはっきりさせよう。日帝の有事立法攻撃は、米帝の世界戦争路線が現実に実行されていることに対して、帝国主義国家としての死活をかけて必死に参戦するためのものだ。法案の条文解釈の形式論議に流されてはならない。日帝は、米帝軍隊による北朝鮮への先制的侵略戦争の発動(朝鮮半島への北爆だ)、あるいは台湾海峡をめぐる対中国侵略戦争への踏み切りを生々しく想定し、そこから起こるあらゆる事態に国家を挙げて対応しようとしているのだ。それが有事立法なのだ。
 何よりも、米帝の01年QDR(4年ごとの戦力見直し)、今年1月のブッシュ一般教書での「悪の枢軸」論、核政策の見直し=核戦争の路線化が決定的だ。
 ブッシュがイラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と規定したことは、あらかじめの宣戦布告である。実際に一大侵略戦争攻撃を仕掛けることの表明である。また、ブッシュは軍部に対して、この3国に加えてロシア、中国、リビア、シリアなど少なくとも7カ国を対象にした核攻撃のシナリオを策定するように指示した。国防総省の「核戦力体制の見直し」は、7カ国のうち北朝鮮、イラクの動向を「最大の懸念となっている」と断定している。このことは、イラクとともに北朝鮮(究極的には中国)に対する侵略戦争を米帝ブッシュは現実に切迫したものとして策動していることを示している。ブッシュの世界戦争路線は、中国への世界的大戦争や帝国主義間戦争さえ設定したものだ。
 米帝はすでに米韓作戦計画5027(98年改訂版があり、緻密化が進んでいる)という朝鮮侵略戦争計画を持っている。100万人の朝鮮人民が死ぬことがそこでは想定されている。それをいよいよ発動しようとしているのだ。
 昨年の10・7アフガニスタン空爆の開始は、その世界戦争路線の始まりだったのである。戦争は始まっているのであり、ものすごいテンポとスケールで拡大し激化するのである。
 すでにイラクへの侵略戦争は確定的になっている。米帝の世界戦争路線がシャロンのパレスチナ民族抹殺的な侵略戦争を支え励ましているのだ。このアフガニスタン情勢、パレスチナ情勢が同時に、朝鮮・中国―アジア情勢をかつてなく激しい勢いで根底から戦争化させていること、日帝をかつてのナチス的な現状打破に強烈に駆り立てていることを明確にさせよう。
 日帝は、米帝の01年QDR―「対テロ戦争」路線に匹敵するような侵略戦争を遂行できる帝国主義国家に脱皮しなければ、アジア情勢から吹き飛ばされ、米帝とのアジア勢力圏分割戦からたたき落とされ、帝国主義として存立できなくなってしまう。だから、自衛隊を正真正銘の侵略軍隊・内乱鎮圧軍と化し、再び朝鮮・中国に対して平然と武力を行使してはばからない国家に復活し、盧溝橋事件も南京大虐殺も軍隊慰安婦政策も皇国臣民化も強制連行・強制労働も開き直り、そして沖縄戦や暗黒の治安弾圧やストライキ壊滅の産業報国会をすべて肯定する帝国主義となり、そのために明治憲法下の天皇大権に等しい絶対権力を持つ首相独裁をつくり、地方自治破壊と国家総動員体制を構築しようというのだ。
 見よ。パレスチナ人民の不屈の闘いは、被抑圧民族の壮絶な民族解放の苦闘であり、とりわけ帝国主義諸国人民の決起を求める血の叫びであり、国際的内乱の最前線である。われわれのパレスチナ反戦闘争は、米帝のアフガニスタン・イラク・中東侵略戦争、中国・朝鮮侵略戦争を全力で阻止する闘いであり、この戦争にいま現に参戦するための有事立法攻撃を粉砕し、日帝を真っ向から打倒することでなければならない。
 有事立法をめぐって、21世紀を第3次世界大戦の地獄とするのか、反帝・反スターリン主義世界革命の時代とするのか――問題はこう立てられているのだ。

 第2章 憲法破り武力行使に踏み込む大攻撃

 この立場に立って、3法案の内容をみれば、それが「将来への備え」などという悠長なものではなく、いま現在の世界戦争情勢に対応するぎらぎらの侵略戦争宣言であることは明白だ。
 有事法制3法案は、日帝の朝鮮・中国侵略戦争武力行使法であり、自衛隊の実戦部隊化法であり、首相大権法であり、戦争への国民の協力義務と在日・滞日アジア人民への排外主義的迫害を盛り込んだ国家総動員法である。これは〈現代の非常大権法〉であり、憲法9条への死刑判決である。
 武力攻撃事態法案は、「武力攻撃事態」を「武力攻撃(武力攻撃のおそれのある場合を含む)が発生した事態、または事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態をいう」と定義している。これは、周辺事態法で規定されている「周辺地域で放置すれば武力攻撃に至るおそれのある事態」と重なるのである。
 さらに、特別委員会の総括質疑で、先制攻撃まで言明されている。9日、福田官房長官は、「武力攻撃の着手があった時」を武力攻撃事態と認定し、相手の基地に対する先制攻撃、武力行使ができると言明した。
 憲法の封印を解いて「武力行使」を認める歴史的暴挙を絶対に許してはならない。武力行使とは、他民族人民を軍事的に虐殺するということである。
 4月16日の有事法制3法案閣議決定の際の首相談話をみよ。そこでは、おそるべきことが言われている。
 「昨年の米国同時多発テロは、想像を超える態様と規模の事態が現実に起こり得ることを示し、また九州南西海域不審船事案は、わが国の安全を脅かすおそれのある武装不審船の存在を明らかにして、国民に大きな不安を与えた」
 小泉は、パレスチナ・イスラム諸国人民に対する米帝・イスラエルの残虐非道な抑圧と虐殺への怒りの爆発としての9・11反米ゲリラ戦と、12・22外国船銃撃・撃沈・虐殺事件を口実に「総合的対処態勢を一層充実」させるというのだ。
 「武装不審船」のクローズアップと排外主義的宣伝をテコに、治安弾圧体制を強化し、有事立法を成立させようとしているのだ。
 小泉は、4月21日に靖国神社に参拝し、29日には東ティモールを訪問してPKO派兵の自衛隊を激励した。靖国公式参拝は、新たな戦死者をまつるためであり、自衛隊を戦場に送るためである。
 端的に言って、米軍が北朝鮮を爆撃し、自衛隊が周辺事態法で参戦したら、日本に対する「9・11」が起こることは必然的な情勢なのである。この時、それは「日本・日本人を脅かすテロ」なのかということだ。そうではない。それは侵略戦争の元凶に対する被抑圧民族の怒りの爆発なのだ。
 かつて日帝が韓国併合を進めていた時、朝鮮の青年・安重根が伊藤博文に怒りのテロルをたたきつけたではないか。昨年は米帝の長年の民族圧殺に対してパレスチナ・イスラム諸国人民の怒りを体現して9・11反米ゲリラが敢行された。侵略と虐殺の張本人=イスラエル・シャロンと米帝に対して、パレスチナ人民が命を投げ出す蜂起戦に決起している。
 今日、日帝が朝鮮半島に侵略戦争を仕掛けるなら、朝鮮人民の積もりに積もった怒りの爆発が日本に対してたたきつけられるのはあまりにも当然だ。日帝に対するアジア人民の怒りをもっともっと知らなければならない。あるいは北朝鮮・中国を追い詰めている米日帝の戦争重圧のすさまじさを見なければならない。
 日帝がブッシュと同じ「対テロ戦争」の論理で戦争に踏み出すことは、再び15年戦争、太平洋戦争、沖縄戦を繰り返すことになるのだ。再び戦争を繰り返さないという戦後の誓いは、こうした「テロとの闘い」という口実で再びアジア人民に武力行使をすることを絶対に許さないというものでなければならない。テロ、テロリストというが、それは日本帝国主義の敵であって、本来ならば日本の労働者人民が連帯すべき友なのだ。今こそ、革命的祖国敗北主義の真価を発揮して闘う時である。闘うアジア人民と連帯して、共通の敵=帝国主義、日帝を打倒しよう。

 第3章 陸海空港湾労組の決起と共に闘おう

 5月有事立法阻止決戦を総力を挙げて闘いぬこう。
 5・20大阪・扇町公園での陸海空交通運輸関係14労組の闘い、5・24東京・明治公園での陸・海・空・港湾労組20団体の闘いを巨大な統一戦線集会・デモとしてかちとろう。5万人決起の先頭に立とう。
 海員労働者が、運輸労働者が、航空関係労働者が、港湾労働者が、ものすごい怒りと危機感をもって闘いに立ち上がっている。侵略戦争の担い手になることも、戦争で殺されることも拒否するという、労働者の闘いの原点に立って、陸続と決起が開始されている。
 この20労組陣形に、労働者の決起をかちとろう。
 帝国主義侵略戦争反対、国際連帯、帝国主義打倒を鮮明にさせた5・26反戦共同行動委員会の全国総結集闘争を爆発させ、全学連を先頭に戦闘的大デモをかちとろう。
 さらに、有事立法反対の大署名運動に全力を傾けよう。署名は大衆の決起の第一歩である。署名運動によって階級闘争の大地は熱せられ、巨大な有事立法反対の世論を形成し、怒りと弾劾を集中し、戦闘的決起を生み出していくのだ。職場を動かし、大学キャンパスを揺るがし、街頭を埋め尽くし署名運動の大波を起こそう。そこから、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を上回る巨大な大衆的戦闘的決起がつくりだされる。全力で取り組もう。
 他方、日本共産党は、自衛権容認、自衛隊容認の立場から「アメリカの戦争に日本が動員される」法律だから反対と言っている。日共の筆坂政策委員長は、「仮に本当に日本に武力攻撃があったときには、国民は罰則なんか科さなくても、自らの命、財産、家族の安全を守るために立ちあがる。当たり前の話です」(4・21NHK日曜討論)と言い、「国を守るために闘う」ことを正しいものと言明したのだ。「武力攻撃があったらどうするのだ」という帝国主義の愛国主義・排外主義の攻撃に完全に屈服してしまっているのである。
 一方、カクマルは、この法案が中国・朝鮮侵略戦争の切迫に対応したものであることを絶対言わない。驚くことに「武力行使」という有事立法のキーワードがカクマル反革命通信の論文には一切ないのだ。また、「テロ根絶」「自衛隊は必要な組織」と叫ぶJR総連松崎を擁護している。こんな連中の闘争介入・破壊攻撃を絶対に粉砕しよう。
 国鉄決戦は有事立法粉砕決戦と一体の闘いである。それは「連帯し侵略を内乱へ」の実践である。侵略戦争に向かう日帝が労働組合破壊、団結破壊の総攻撃に出てきているのであり、これに対する階級的反撃は、日帝権力との内乱的激突になるのだ。動労千葉の3・28〜31ストライキは、実際に血みどろの闘いとしてかちとられたのである。国労つぶしに公然と乗り出した3党声明を弾劾・粉砕し、国鉄決戦勝利へ進もう。
 沖縄の5・19「復帰30年記念式典」粉砕闘争に決起しよう。有事立法決戦の中で沖縄闘争はますます重要だ。中国・朝鮮侵略戦争の最前線出撃基地としての強化、再度の沖縄戦を絶対に許さない闘いである。
 三里塚暫定滑走路の直下で闘う敷地内農民と連帯して闘おう。三里塚こそ、国家による土地強奪の暴力と対決する、反戦闘争の砦(とりで)である。有事立法決戦の中でその意義はいよいよ大きい。
 長期獄中同志奪還の署名と1億円基金運動を有事立法決戦の中でやりぬこう。
 5・19泉佐野市議選は、12日告示で最後の1週間決戦に突入した。国賀祥司候補の5選をかちとろう。
 この5―6月、一切を有事立法粉砕決戦として闘いぬこう。

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週刊『前進』(2053号1面2)

4・28東京 防衛庁に怒りのデモ 反戦共同 “今こそ行動を”と熱気

 反戦共同行動委員会は、有事立法粉砕を掲げた4・28全国統一行動を各地で闘った。(関連記事3面)
 4月28日午後、「沖縄闘争と連帯し有事立法阻止の大運動を4・28首都圏集会」が東京・文京シビックホールで開かれ、有事立法阻止闘争への決意を胸に首都圏各所から280人が結集した。全学連のホームページを見て来た学生など初参加者も多い。
 東京反戦共同行動委の三角忠代表が開会あいさつ。三角さんは、沖縄が分断され米軍統治下に置かれたサンフランシスコ条約から50年の4・28闘争の意義を提起。首都圏の闘いが鍵だと檄(げき)を発した。
 在日台僑元日本兵の林歳徳さんと反戦自衛官の小多基実夫さんが特別アピール。林さんは「好戦的な天皇制日本帝国が有事立法でアジアの猛犬になろうとしている」と弾劾し、小多さんは、有事法案に自衛官の退職制限や定年延長などが含まれていることを指摘し反軍闘争を宣言した。
 4月1日から120日間の毎日街宣に取り組んでいる百万人署名運動神奈川県連絡会のSさんは、「行動しなければ戦争は止められない」と会場を叱咤(しった)激励し、百万人の署名の達成を呼びかけた。
 「アメリカの世界戦略と有事法制」と題して軍事問題評論家の早乙女優氏が講演を行った。@パレスチナやアフガニスタンなど世界で起きている現実の本質をつかむ、A有事3法案は日帝が中国・朝鮮侵略戦争に参戦するための非常事態法、B帝国主義が侵略戦争を行うための虚構を暴き粉砕する――の3点が有事立法粉砕の闘いに必要と提起。特にパレスチナ青年の死をかけた訴えにこたえる闘いとして、有事立法を粉砕しようと熱烈に訴え、参加者から大きな拍手が起こった。
 基調報告を東京反戦共同行動委員会の結柴誠一事務局長が行った。有事立法粉砕の闘いは5月が決戦と、5・24−5・26闘争に全力で取り組み、労働組合への訴えや街頭での宣伝が重要だと訴えた。
 最後に東京労組交流センターの自治体労働者と全学連が決意表明し、全学連の大山尚行委員長の行動提起で直ちに街頭デモへ飛び出した。有事立法阻止を掲げたデモはかなりの手ごたえだ。「有事立法反対」と一緒にこぶしをあげる通行人もいる。市ケ谷の防衛庁前で有事立法粉砕の激しい決意をたたきつけた。
 いざ5月決戦へ!

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週刊『前進』(2053号2面1)

3党声明は国労解体の最後通牒だ 国労中央の臨大策動粉砕せよ
 自民党・甘利らを断じて許すな 本部打倒、裏切り者たたき出せ

 国労組合員の皆さん! すべての労働者の皆さん! 革共同は、4月26日の自民党、公明党、保守党の与党3党による「JR不採用問題に関する声明」(別掲)を満身の怒りをもって弾劾する。国労解体の最後通牒(つうちょう)であるこの与党3党声明を身をていしてでも粉砕し、闘争団を守り国労を守り抜くことを非常の決意をもって宣言する。われわれは、この声明を主導した甘利明ら自民党を絶対に許さない。これに加わった公明党、保守党も断じて許さない。そしてこの3党の通告にぶざまに屈し国労を死滅の道に引きずり込もうとする社民党の渕上貞夫副党首らの策動を許さない。そして全面降伏しようとしている国労本部の高嶋委員長、寺内書記長、久保執行委員ら裏切り者を打倒し、臨時大会策動をたたきつぶして、今こそ闘う国労の再生をかちとるために総決起することを訴える。

 裁判取り下げと闘争団の切り捨てを強要

 与党3党声明は、国労が2001年1月の大会で「JRに法的責任なし」を決定したにもかかわらず、@裁判を続けていることと、A組織内を統一できていないことの「2つの矛盾を早急に解消して4党合意の前提条件を成就する目に見えた結果を出し、これが関係者に評価されることが必要」とした上で、「この対応が5月30日までに国労執行部においてなされない場合は、与党としては、4党合意から離脱せざるをえない」と表明している。
 ここで3党が社民党をつうじて国労に突きつけたのは、5月30日までに臨時大会を開いて裁判取り下げと闘争団の切り捨て=統制処分を明確に決定しろ、ということだ。実際に甘利が「国労は早急に臨時組合大会を開いて、JRに法的責任がないことなどを正式に決定する必要がある」と語ったと報じられている。
 「JRに法的責任なし」を大会決定させた上で、しかもそれで「組織を統一できていない」などと難癖をつけ、反対する組合員を自らの手で切り捨てよ、と要求しているのだ。与党3党、とりわけ自民党は国鉄分割・民営化を強行し、国労組合員らの首を切った張本人だ。そういう連中が、首を切られた労働者・労働組合に向かって、こんなことを言っていいのか。
 国家権力によるこれほどまでに暴力的で居丈高な、労働組合に対する破壊攻撃がかつてあっただろうか。
 もともと4党合意は支配介入であり不当労働行為であるが、しかし、3党声明は、4党合意の単なる延長ではない。「国労執行部の意向を受けた」社民党と与党の合意という体裁をとった4党合意とは質的に異なる、暴力性をもった攻撃なのだ。国家権力=与党3党が直接に国労を恫喝し解体するという攻撃なのである。
 それは、さながら「和平合意」を一方的に破棄して越境攻撃に踏み切った侵略軍である。国家権力の言うことを聞かない労働組合など暴力的にたたきつぶすという反革命襲撃である。
 労働組合にとって、この上ない屈辱の強制である。労働者の権利、誇りをすべて投げ捨てろ、団結権などひとかけらも認めないという、全労働者階級に対する攻撃なのだ。
 ここで反撃できなければ労働者・労働組合の〃死”である。どんな卑劣なやり方で、どんな露骨な不当労働行為で首を切られても、一切闘うことは許されないということになる。
 これを認めたら、労働者階級の解放などあり得ない。労働者は永遠に資本の奴隷であり続けなければならないということなのだ。こんなことが果たして許せるのか。断じて否だ!
 革共同は、革命党として労働者階級の党として断じて許すことはできない。

 有事立法攻撃と一体で労働組合破壊狙う

 さらに、与党3党声明が有事立法攻撃と一体の攻撃であることを弾劾する。
 声明が出された4月26日は、有事立法関連3法案が国会で審議入りした日だが、偶然の一致ではない。
 有事3法案の提出を前にして、辻元問題をもって社民党を屈服させようとした攻撃に続いて、今度は法案審議入りと同時に国労問題をもって社民党を揺さぶり、恫喝するという攻撃に打って出た。有事立法反対勢力を力ずくでたたきつぶす攻撃の一環なのだ。
 有事立法は、日帝・自衛隊が米帝との共同的=競合的な侵略戦争に突入するために、自衛隊の武力行使を首相大権をもって発動し、国家総動員体制をつくり出そうとするものだ。
 「武力攻撃事態法案」では、地方自治体とともに指定公共機関の戦争協力が義務づけられている。指定公共機関には当然JR各社が含まれる。現在でもJR各社は自衛隊法101条で自衛隊との協力が義務づけられ、軍事輸送を担わされている。有事立法の発動=侵略戦争においては自衛隊と米軍の軍事輸送を全面的に担う基幹的輸送会社となることは明らかだ。JR総連はその先兵だ。
 JR各社への協力の強制は、そこで働く労働者への協力の強制となる。これに従わない労働者への処分=首切りは不可避となる。その時に解雇撤回闘争を闘う労働者・労働組合が存在することは権力・資本にとって許されない。ましてストライキで軍事輸送を阻止するような労働組合は断じて容認できない。
 だからこそ、ここで1047人の解雇撤回闘争(動労千葉も含む)をたたきつぶし、国労・動労千葉を解体する攻撃に一気に踏み切ったということなのだ。そうした敵権力・資本の狙いはあまりにも明らかではないか。
 さらに、この与党3党声明は、02春闘での賃下げ・終身雇用制解体、労働組合破壊の攻撃と一体である。トヨタのベアゼロに始まり、電機などでの定昇解体・賃金カット、そしてJR各社もすべてベアゼロという02春闘の事態は、日帝総資本の意志である。「構造改革」と称して、戦後の労働者支配のあり方、戦後の労資関係の全面的な転換をなし遂げるという小泉の反革命攻撃そのものだ。
 今や、労働者の生活も権利も、団結も、帝国主義と真っ向から対決することなしに守ることはできない。
 まさにこの歴史的な一大資本攻勢と一体のものとして、国労と国鉄闘争、1047人闘争の解体のために襲いかかってきたのだ。
 この攻撃を打ち破って国鉄闘争の不屈の前進と国労の階級的再生をかちとることは、戦後最大の階級決戦としての有事立法決戦情勢のもとでますます重大な意義を持っている。爆発的勢いで立ち上がる陸・海・空・港湾労働者の最先頭に国鉄労働者が立ち、膨大な国鉄闘争支援陣形の労働者とともに、日本労働者階級の総決起を実現するのだ。
 そのためにも、3党声明を木っ端みじんに打ち砕かなければならない。

 「解決の最後の機会」と全面降伏する本部

 国労組合員の皆さん!
 しかし今、国労中央は全面的に屈服し、最後的に敵の軍門に下ろうとしている。そして闘争団と国労組合員のすべてを敵に差し出そうとしている。3党声明に全面的に応じ、臨時大会を開催し、裁判の取り下げと闘争団員の統制処分=除名を決定しようとしているではないか。
 高嶋委員長は3党声明の直後、「国労としては4党合意を受け入れるスタンスに変わりはない」と述べ、4月30日の「本部電送bQ37」では「この3党の声明を、4党合意に基づく『解決の最後の機会』として受けとめ……対応する」と表明したのだ。
 与党3党が4党合意を一方的に踏み破ってきているのに、なおも4党合意にしがみつこうというのだ。
 5月8日の北海道新聞と西日本新聞は、国労が5月27日に臨時大会を開催して「JRに法的責任なし」を再確認する方針であると報じた。だが、同日開かれた国労の全国エリア委員長・書記長会議および東日本エリア代表者会議では、具体的方針は出さなかった。
 国労中央は、7日に行われた自社協議で、自民党・甘利が「臨大を開け」と言わなかったことと、「解決案を出す」という担保を示さなかったことから、臨大開催を決定することを先延ばしにしたと言われる。
 だが与党3党が国労に突きつけた「2つの矛盾の解消」を決定することができるのは全国大会以外にない。甘利らはそれを声明文に盛り込んだり社民党に直接言っていないだけだ。それは、4党合意を不当労働行為として国労組合員が申し立てた労働委員会闘争で、千葉・大阪・福岡の地労委から証人請求された甘利が、より以上の不当労働行為責任の追及を恐れてのことに過ぎない。
 国労中央も、3党声明の激しさに動転し、ひとまず臨大開催を打ち出せないでいるが、14日の全国代表者会議で臨大開催を決定しようとしている。それ以外には3党声明にこたえることにはならないからだ。5・14全国代表者会議は重大な決戦となった。すべての職場・分会から怒りの声を上げ、本部に集中しよう。

 生活援助金の凍結を許すな

 国労中央は、この3党声明に先だって、闘争団に対する許しがたい攻撃に踏み込んでいる。
 3党声明の前日の4月25日、最高裁に訴訟参加している闘争団員と鉄建公団訴訟の原告の闘争団員に対する生活援助金の凍結と物資販売活動支援の除外を「指示75号」で正式に通告する暴挙に及んだ。
 これは闘争団員に対する組合員権の停止に匹敵する事実上の統制処分の発動にほかならない。物販やアルバイトで本当にギリギリの生活で闘い続ける闘争団員にとって月2万5000円の援助金が止められることは、「死ね」と言われたに等しい。兵糧攻めという最も卑劣な手段なのだ。断じて許すな!
 組合員の任意のカンパによる援助金を勝手に凍結する権利など本部にはない。毎月カンパを出し続けているJR本体の組合員からは本部賛成派でも絶対反対の声が上がっている。
 今や国労中央は、規約や査問委員会の手続きなど踏みにじり、「超法規的措置」をもって臨時大会での統制処分=除名までをも狙っているのだ。
 高嶋や寺内らは各地本に対するオルグの場で、「鉄建公団からは金は出ない。解決金はない」ということを公然と言い出している。まったくの「ゼロ解決」しかないことを百も承知なのだ(その場合には、組合からすずめの涙の金を出し、賛成派闘争団も切り捨てると言われている)。
 そして、今や最も犯罪的役割を果たしているのが革同久保一派だ。彼らはこの間、「2千万円、3千万円の解決金が出る」などと4党合意への幻想をふりまき、「裁判の取り下げは解決時」とペテンをろうしたり「4党合意の進展がないのは政府の責任だ」とILOへの申し立てを行うなどの革同の方針を国労方針にしてきた。
 与党3党声明が、このILO申し立てに激怒し、「組合員に対しては与党・政府から解決案が出るが如く宣伝して彼らの期待感を煽っている。このような国労執行部の対応は、単に自らの延命策を図るものであり……組合員とその家族の信頼を裏切るもの」となじっているが、それは、とりわけ革同に対する恫喝であり、もっと裏切りを徹底せよということだ。
 また、東京地本・酒田は「闘争団・家族が『人生を勝手に決めないで』と言うが、勝手に決めるのが労働組合だ。いやなら出ていけ」(3月の全国代表者会議)などと言って、最悪の闘争団切り捨て派として立ち現れている。
 高嶋・寺内らチャレンジ一派、革同久保一派、そして酒田一派らに国労の旗を汚されることを一日も許してはならない。彼らは、まさに「自らの延命策」のためには組合員を裏切り、国労などつぶしても構わないという連中なのだ。こんな裏切り者を一刻も早くたたき出し、なんとしても国労の旗を守り抜こう。
 すべての国労組合員の皆さん! 闘争団員の皆さん! わが革共同は、国労組合員の底力、階級的魂に絶対的な信頼を持っている。そして、1047人闘争が国家権力を追いつめてきたことに確信を深めている。3党声明は追いつめられた敵の最後のあがきでもあるのだ。3党声明を粉砕するならば、権力・資本の国労解体攻撃を打ち砕き、必ずや国労の階級的再生がなし遂げられると確信する。
 すでに勝利の道は切り開かれている。
 動労千葉の春闘ストライキは、ベアゼロ攻撃と第2の分割・民営化攻撃に大反撃をたたきつけ、JR総連解体ののろしを上げた。4・16国鉄闘争共闘会議の結成は、不屈の闘争団こそ日本労働運動再生の中心部隊であることを示した。鉄建公団訴訟や4党合意労働委員会闘争は敵を追いつめている。そしてメンテナンス合理化や度重なる処分攻撃に屈せずJR本体で必死に踏ん張り抜いている組合員の存在がある。
 この不屈の階級的魂を今こそ全面的に発揮し、3党声明粉砕―4党合意破棄、生活援助金凍結粉砕、高嶋―寺内執行部打倒、国労の階級的再生へ渾身(こんしん)の総決起をかちとろう。革共同は、その先頭で闘う決意である。

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週刊『前進』(2053号2面2)


 国労が4党合意の前提条件を成就する
 目に見えた結果を5月30日までに出さ
 なければ与党は4党合意から離脱する

 JR不採用問題に関する声明

   平成14年4月26日
     自由民主党
     公明党
     保守党

 1.いわゆるJR不採用問題については、平成12年5月の与党3党と社会民主党の合意である「JR不採用問題の打開について」に基づき、自由民主党、公明党及び保守党は、人道的観点から、政治解決を図るべく、努力してきたところである。

 2.この4党合意は、国労が「JRに法的責任がない」ことを組合員の総意として認めることを政治解決の前提条件としており、これは国労執行部も了解の上でなされたものである。そして、平成13年3月の4党協議会の場において、与党3党は、国労執行部に対して「国労が同年1月の大会でJRに法的責任がないことを認めたとしながら、引き続き裁判によってJRの法的責任を追及する姿勢を堅持する」という矛盾と「組合員の総意として認めることが前提でありながら、組織内を統一できていない」という矛盾を指摘し、国労執行部からは、その2つの矛盾の解消に向けて努力するとの回答があった。

 3.4党合意から間もなく2年が経過しようとしているが、これまで与党3党と社会民主党は、国労執行部による2つの矛盾の解消を辛抱強く見守ってきた。しかしながら、国労は、JRに法的責任がないことを認めたとしながら、引き続き裁判によってJRの法的責任を追及する姿勢を堅持するという言行不一致を未だに解消しておらず、さらには組織内をまとめるという点についても、4党合意賛成派が離脱する一方で、不採用関係者の約3分の1もの組合員が鉄道建設公団を相手取り新たな訴訟を提起するなど、むしろ矛盾は拡大している。このように、国労執行部が矛盾解消の責任を果たしていないため、4党合意による政治解決の前提条件は未だに満たされておらず、4党の協議は先に進むことができない現状にある。

 4.にもかかわらず、国労執行部は、ILOに対して、「与党が鉄道建設公団に対する訴訟を言い訳として取り組みを先延ばししている」「4党合意の進展がないのは政府の責任であり、JR及び政党に対して必要な指導を行っていない」などと、何ら根拠もなく与党・政府を非難して自らの責任を転嫁する申立てを行っている。その一方で、組合員に対しては与党・政府から解決案が出るが如く喧伝して彼らの期待感を煽っている。このような国労執行部の対応は、単に自らの延命策を図るものであり、与党3党と社会民主党の誠意及び組合員とその家族の信頼を裏切り、関係者のこれまでの努力を無にする行為であると断じざるを得ない。

 5.従って、4党合意の進展の遅れは、ひとえに国労執行部が矛盾解消の責任を果たしていないことに帰せられるものであり、与党としては、政治解決が進展するためには、国労執行部が前述の2つの矛盾を早急に解消して4党合意の前提条件を成就する目に見えた結果を出し、これが関係者に評価されることが必要であると言わざるをえない。この対応が4党合意から丸2年を経過する本年5月30日までに国労執行部においてなされない場合は、与党としては、4党合意から離脱せざるをえない。

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週刊『前進』(2053号2面3)

全逓4・28反処分闘争 反動判決を徹底弾劾 全逓再生誓い集会開く

 4月26日、東京において全逓4・28反処分闘争の全一日行動が闘われた。3・27東京地裁反動判決(4・28懲戒免職処分の取り消し請求を却下)と4月8日の警視庁公安による4・28被免職者当該らに対するデッチあげ逮捕(鳥井電器争議での傷害容疑)攻撃という、4・28反処分闘争と全逓労働運動の解体を狙った大攻撃に対して猛然と怒りを爆発させて大高揚した。
 午後6時半過ぎから大崎の南部労政会館において全逓4・28連絡会主催で開催された「3・27判決弾劾!不当処分23カ年糾弾! 4・26反処分集会」は、例年を上回る120人の結集で、熱気あふれる集会としてかちとられた。

 不当逮捕の被免職者奪還

 権力の弾圧を粉砕して集会直前に奪還された4・28被免職者当該の熱烈な決意表明で、集会は冒頭から勝利感にあふれた。「完黙・非転向で、外の仲間を信頼して心配なく頑張れた。労働者の解雇に対する怒りを権力はけっして理解できず、23年も闘っていることを不思議に思っていた。これからも仲間との団結に確信を持って権力がひっくり返るような闘いをやる」
 3・27反動判決をていねいに核心を突いて批判した弁護団の発言に続き、4・28被免職者から基調報告が提起された。
 「東京地裁反動判決を許さず原告7人全員で控訴した。郵政の職場は、03年郵政公社へ向かって、実質的な民営化攻撃が大幅な合理化・減員攻撃、強権的管理体制として推し進められている。現場組合員とともに闘っていく」
 「全逓本部の反処分闘争終結、被免職者の切り捨てと闘い、98年、組合員資格を取り戻した。しかし、本部の被免職者排除の動きは続いている。今年も断固として全国大会代議員選挙に当該2名は闘う全逓組合員とともに立候補する」
 満場の拍手でこの基調報告は圧倒的に確認された。
 全国から駆けつけた全逓労働者が並び、次々と決意表明を行った。
 「労働組合の団結権・争議権を根本から否定した3・27反動判決には腹の底から怒りを覚える。控訴審闘争をともに闘う」
 「郵政の職場は、闘わなければ命や生活が守れない。組合員はそのことを実感している。4・28闘争と連帯して、闘う全逓、闘う団結を取り戻す」
 「3月25日、近畿郵政局は900人の労働者に人事交流を発令した。25人の支部役員が入っている。全逓破壊攻撃だ。近畿郵政局への抗議闘争を断固闘う」
 「有事立法攻撃と断固闘う。労働組合や労働者の闘いを認めない攻撃だ。労働運動と反戦闘争を一体にして闘う」
 集会は、赤羽局共に闘う会などの連帯のあいさつと分限免職取り消しの高裁判決で勝利した秋田・大曲局の須藤氏、人事交流に反対する近畿郵政労働者の会からのメッセージがあり、最後に、2人の被免職者が腹の座った決意表明をした。
 集会に先だって、東京駅前での街宣を権力、JR資本の妨害をはねのけて行い、大手町の東京郵政局に対して断固たる抗議闘争を貫徹した。職制は戦々恐々として鉄扉を固く閉じ局舎の中で打ち震えていた。
 全国労組交流センター全逓部会は、この日朝から総会を開いた。米帝・イスラエルによるパレスチナ人民への大虐殺と日帝・小泉政権の有事立法攻撃の中で、3・27反動判決と4・8デッチあげ逮捕があり、職場では郵政民営化攻撃が激しく全逓労働者に襲いかかっていることをしっかりと確認した。小泉「構造改革」が破産的危機を深める中で、小泉は郵政公社関連法案を国会提出し、有事立法とともに強行成立を狙っている。だからこそ有事立法決戦を全力で闘い、全逓中央打倒―全逓の階級的再生へ4・28反処分闘争と全逓労働運動を牽引(けんいん)して闘おうという決意を打ち固めた。
(全逓労働者A)

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週刊『前進』(2053号2面4)

資本攻勢&労働日誌2002

 4月12日〜5月3日

 完全失業率数、12カ月連続増加

 国営4企業で賃下げ方針/所定内賃金初のダウン

●4月12日 関西の陸海空交通運輸関係労組14団体が有事法制に反対する「一日共闘」を呼びかけた。「有事法制反対5・20関西集会」(扇町公園、18時30分開始)への参加を訴えている。
●14日 塩川財務相は、現在6カ月間となっている国の緊急地域雇用特別交付金制度の雇用期間について、1年に延長する方向で検討する意向を示した。
●15日 日立製作所労組は、組合員の賃金を6月から1年間、平均5%カットすることを認めた。
◇日立製作所は国内の主要半導体3工場で昨年11月から実施していたワークシェアリングを打ち切ったと発表した。
●16日 松下労組は組合員の定期昇給を今年10月まで半年間延期することを認めた。
●17日 イタリアの3大労組は、政府の雇用制度改悪に反対して全国一斉に8時間のゼネラルストライキに突入した。
●18日 厚労省は、日立製作所、三井化学など8社・団体の厚生年金基金について、厚生年金の一部を国に代わって運用・給付する代行業務の返上を認可した。厚年基金の代行返上は1日の確定給付企業年金法の施行に伴い可能になった。トヨタ自動車、デンソーに次ぐ第2陣となる。(解説別掲)
●19日 政府は、郵政、林野、印刷、造幣の国営4企業の労働者の賃金について初のマイナス改定とする方針を国営企業給与関係閣僚会議で決定した。
●23日 今年1月に会社更生手続きの開始決定を受けた新潟鉄工所は、労組に退職金の8割カットを提案していることを明らかに。
●24日 政府は緊急対応型のワークシェアリングを促進するため一般会計から約70億円の財政支援をすることを決めた。
●26日 総務省発表の3月の完全失業率は季節調整値で5.2%、前月より0.1ポイント改善したが、原数値は5.7%と最悪に。完全失業者数は前年同期比36万人増の379万人となり、12カ月連続で増加した。厚労省が発表した有効求人倍率は0.51倍と前月より0.01ポイント改善したが、先行指標の新規求人数は前月比0.3%減で2カ月ぶりに悪化。
●30日 厚労省が発表した01年度の毎月勤労統計調査(速報)によると、基本給と諸手当とを合わせた所定内給与は月平均26万3251円で初めてマイナスとなった。(01年度毎月勤労統計調査結果確報
◇経済産業省が発表した企業活動基本調査速報(2000年度)によると、パートタイマーの比率は前年度より1.7ポイント上昇して21.5%となり、初めて20%を突破した。
●5月1日 人材派遣で働く人のための健保組合、人材派遣健康保険組合が厚労省の認可を受けた。
●3日 松下電器は独自年金の給付利率を引き下げる方針を明らかにした。受給者にとっては初の引き下げとなり、反発も出ている。

 厚生年金基金の代行返上について

 99年から経団連が「厚生年金基金の代行部分返上の選択を求める」という意見書を政府に提出し、要求してきたもので、4月1日からの確定給付企業年金法の施行によって可能になった。
 厚生年金は、企業による厚生年金の代行部分と独自の上乗せ年金部分からなっている。1966年に制度が始まった当時は、企業にとっては代行部分を合わせて運用した方が運用益も増えた。ところがバブル崩壊後の運用環境の悪化で積み立て不足が発生するようになった。
 そこで企業負担を軽減するために経団連などが代行返上を求めていた。高度成長期は労働者の年金を食いものにし、バブルがはじけて都合が悪くなると代行返上を求め、企業年金の解散を狙う。これが資本の本質だ。

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週刊『前進』(2053号3面1)

 @ 有事立法を絶対阻め
 日帝の「独立・安全」を掲げ武力行使=侵略戦争を規定
 朝鮮侵略戦争に参戦

 侵略戦争の切迫

 有事立法3法案の核心的な狙いは何か。それは米帝の中国・朝鮮侵略戦争に日帝が争闘戦的な生き残りをかけて共同的=競合的に参戦するために国家総動員体制を構築しようとする攻撃だ。
 小泉政権は、〃審議時間60時間→5・24衆院本会議採決”とも言われる超強行突破方針を取っている。なぜか。米帝ブッシュの対イラク、対北朝鮮攻撃の作戦計画の発動がすでにカウントダウン情勢に入っているからだ。情勢は実に切迫している。
 ニューヨーク・タイムズによれば、イラクのフセイン大統領打倒のためブッシュ政権が来年初頭に兵力7〜25万人を動員し、空爆や地上作戦などによる大規模攻撃を実施する作戦を立案中だという。
 さらに北朝鮮に対しては、強硬に核査察を要求。外務省幹部は「年内に北朝鮮が核査察受け入れの態度を示さないと、朝鮮半島に何かが起こるかも知れない」と言っている(日経新聞4・30付)。すでにブッシュ政権は国防総省に対し、イラクや北朝鮮を対象に、核兵器の使用計画策定と攻撃目標をピンポイントできる小型核兵器の開発を命じた。
 米帝と日帝は北朝鮮に対する食糧援助を一切停止し、世界食糧計画(WFP)は5月2日、北朝鮮の高齢者や中学生などへの食糧援助を停止すると発表した。現在食糧援助の対象となっている約640万人が飢餓に直面する可能性があるという。また日帝は今年に入って、KEDO軽水炉建設費の立て替え分の負担を中止した。軽水炉建設はとん挫しつつある。
 これに加えて日帝は、米帝の思惑をも超える形で、いわゆる「不審船」事件と「拉致疑惑」問題を政治焦点化させ、北朝鮮への排外主義的大キャンペーンと戦争挑発を行っている。そして何よりも小泉政権が有事立法の超強行突破を狙っていることこそ、朝鮮・中国をめぐる侵略戦争情勢を過熱化させているのである。
 その意味で有事立法3法案は、中国・朝鮮侵略戦争参戦法案、アジア諸国に対する武力行使法案だ。

 排除・終結とは

 実際、武力攻撃事態法案は「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保」(法案の名称・法案提出の理由、第一条)のために「自衛隊が実施する武力の行使、部隊等の展開その他の行動」(第2条6のイ)を定め、「事態に応じ合理的に必要と判断される限度において」(第3条3)武力の行使を可能にするとはっきり明記している。
 日帝の「独立」や「安全」を守るという口実で積極的に武力を行使するということは、紛れもない戦争、侵略戦争を行うということだ。現憲法の「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」(第9条)をそっくり逆転させるのだ。まさに日本が頭の先から足の先まで武装し、再び朝鮮・中国・アジア人民、パレスチナ・中東・イスラム人民虐殺の侵略戦争と世界戦争を行う帝国主義強盗として登場するということだ。小泉が連発する「テロも不審船も拉致問題も有事」「国家存立の基本」とは、テロ・不審船・拉致問題も全部、自衛隊の武力の行使で「解決」するということだ。「武力攻撃の排除や終結や回避」とは他国の軍事力を壊滅させるということなのだ。
 まさしくこの論理と法律で米帝の行う中国・朝鮮侵略戦争に共同的=競合的に参戦するのだ。武力攻撃事態の範囲を「おそれ」や「予測」に広げ、「周辺事態」も有事だとして参戦しようとしている。
 ここで強く指摘したいのは、この1〜2年のうちに米帝が朝鮮侵略戦争の作戦計画5027(100万人の死傷者が出ると公言)を発動し、日帝がこれに参戦する観点から法案が国会に提出され、審議が行われていることだ。法案の前に現実の侵略戦争計画があるのだ。有事3法案を阻止する闘いは、100万朝鮮人民虐殺の侵略戦争阻止をかけた命がけの闘いだ。

 人民虐殺と破壊

 米英を始め帝国主義の軍隊が、アフガニスタンで何をやったのか。
 アフガニスタン空爆の実相は、大半がB52爆撃機で無差別のじゅうたん爆撃や輸送機からの燃料気化爆弾などの超大型爆弾の投下だった。米英軍の空爆は、東京大空襲やスペイン内戦の時にナチスがやったゲルニカ空襲とまったく同じだ。戦闘員も民間人も老若男女の関係もなく無差別にアフガニスタン人民を虐殺していったのだ。
 そして最後はアルカイダやタリバンの兵士が立てこもる洞窟を、硫黄島や沖縄戦さながらに、ひとつずつしらみつぶしにせん滅していった。違うところは沖縄戦で米軍は、火炎放射器や手榴弾でガマ(洞くつ)を襲ったが、今日ではサーモバリック爆弾という殺傷能力がより確実な新型爆弾を使ったことだけだ。
 パレスチナのジェニンでは、米帝の先兵であるイスラエル軍が戦車と武装ヘリで侵攻し、難民キャンプを徹底的に破壊し500人を超えるパレスチナ人民を虐殺した。しかも虐殺したパレスチナ人の遺体を埋めたり、トラックで運び去るなど、大虐殺を隠ぺい・抹殺しようとしている。日帝による南京大虐殺の隠ぺいとまったく同じだ。これが現代帝国主義の本当の姿なのだ。
 そういう戦争を「テロ根絶」「悪の枢軸」と称してイラクやイラン、北朝鮮に対して今まさにやろうとしている。在日米軍が北朝鮮をじゅうたん爆撃し、超大型爆弾、核兵器さえも使用した戦争をやろうとしているのだ。この戦争に日帝が有事立法をもって参戦しようとしているのだ。

 世界戦争の時代

 歴史的没落を深める米帝は、帝国主義としての死活的利害をかけ、「悪の枢軸」「テロ根絶」を叫び世界中で侵略戦争を行い、さらに拡大しようとしている。そして対中国の世界大的戦争が米帝の新QDR(4年ごとの戦力見直し)の核心である。この米帝の世界戦争路線に他の帝国主義が必死に対応しようとしている。日帝はその敗戦帝国主義的な制約の一切を暴力的に打破し、侵略戦争と世界戦争を行う帝国主義として登場しようとしているのである。
 世界史は再び、帝国主義が軍事力によって、戦争によって勢力圏を確保し、他帝国主義をうち負かす時代に入ったのだ。全世界の分割・再分割戦として帝国主義強盗たちは世界中で侵略戦争をやろうとしている。第1次世界大戦や第2次世界大戦のような世界戦争の時代が現実化したのだ。
 世界危機が世界戦争に転化する過程が、今まさに始まっているのである。だから有事立法なのだ。こうした時代認識を鮮明にして有事立法粉砕の闘いに立つことが必要だ。
 帝国主義の世界戦争の時代は同時に、世界革命の時代でもある。パレスチナ人民の闘いを見よ。シオニスト国家イスラエルの解体と米帝の中東支配―世界支配を瓦解にたたき込む闘いをやっている。それはパレスチナ―世界の被抑圧民族の未来と解放をかけた闘いだ。日帝の新たな軍事大国化に怒る朝鮮・中国人民の怒りの声を聞け。闘うアジア人民、闘うイスラム諸国人民と固く連帯し、侵略戦争と世界戦争に突き進む帝国主義の打倒をかけて、有事立法攻撃を絶対阻止しよう。
 (片瀬涼)

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週刊『前進』(2053号3面2)

4・28沖縄デー 立法阻止へ熱気 反戦共同が統一行動

 大阪で沖縄連帯

 全関西の戦闘的労働者は4月28日、全関西総決起闘争を関谷町公園で闘い、245人が結集した。
 関西では多くのホームレス労働者が公園を仮の住居にしている。関谷町公園に住居をおいている労働者からもカンパが寄せられ、小泉政権への怒りが地に満ちていることが示された。
 司会の関西合同労組の労働者は、4月28日が、1952年に沖縄が米軍の分離軍事支配下におかれ、沖縄人民が米軍基地との単独の闘いを開始した日であると提起した。
 沖縄戦を全国に訴える会代表の大城盛俊さんが、有事立法絶対阻止へアピールした。大城さんは、沖縄戦の経験をもとに、旧日本軍が沖縄の民衆を殺りくし、軍事目的に民衆を利用したことを訴え、「絶対に有事立法を制定させてはならない」と強烈に訴えた。
 関西労組交流センターの松田勲代表が基調報告を行い、「有事立法は、アメリカやイギリス、イスラエルが行っている侵略戦争を日帝が朝鮮・中国―アジアで行うためのものだ。政府・国家機関も、地方自治体も、政令で指定される公共機関も、首相にすべてを一任し、首相が一切の権限を持ち、戦争にすべての人民が協力させられ、従わなければ罰せられる」と弾劾し、成立絶対阻止へ5・26闘争への総決起を訴えた。
 特別報告として、婦人民主クラブ関西協議会から、沖縄市長選に婦民全国協として桑江テル子さんの応援に駆けつけた報告が行われ、「選挙戦を闘い抜いた人びとの中には敗北感や落胆はまったくない。選挙結果の確定後、つめかけた住民を前に、桑江テル子さんは断固たる闘いの決意を表明した。多くの人が、この選挙を闘い抜いた誇りを持っている」と述べた。
 カンパアピールの後、関西労組交流センター、部落解放同盟全国連合会、婦人民主クラブ関西協議会、闘う「障害者」グループ・虹の会、全学連が決意を表明した。最後に関西反戦共同行動委の仲宗根朝寿事務局次長が「本日の闘争は、5月19日投開票の泉佐野市議選での国賀祥司市議の5選必勝へ闘う仲間と一体で闘われている。5〜6月、本日を数倍する労働者の結集を実現しよう」と提起、ただちにデモに向かった。
 デモは日本橋、千日前通りから難波元町のコース。ビラは圧倒的な関心で受け取られ、熱心に読まれた。

 広島・誓い新たに

 4月28日、中四国の反戦共同行動委員会は、有事立法阻止4・28ヒロシマ闘争を闘い、250人の労働者・学生が結集した。会場の原爆ドーム前には、パレスチナ人民の英雄的な闘いの写真などが掲げられ、さながら国際連帯の解放区と化した。多くの人が写真パネルを食い入るように見つめ、英語やアラビア語の横断幕を見てこぶしを突き上げる外国人もいた。
 全国被爆者青年同盟の友野幽委員長に続き、反戦被爆者の会の下田礼子さんが「原爆の地獄の中で、私たちは二度と戦争を繰り返さないと誓ったはずです。それなのに、有事法の国会提出を見ていると日独伊防共協定を思い出す。この日本の現実を真剣に考えましょう。有事法を絶対に阻止しましょう!」と訴えた。
 広島連帯ユニオンが大失業攻撃との闘いをアピールし、教育労働者が「日の丸・君が代」強制に対する意気高い闘いを報告した。連帯のあいさつとして「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が、有事立法署名への取り組みを訴えた。
 沖縄・名護の宮城康博さんのアピール、ムスリム留学生からのパレスチナ人民虐殺を弾劾するアピールが読み上げられた。また原爆詩人の栗原貞子さんも参加を熱望していたが、体調が思わしくなく残念ながら参加できないと報告された。
 井上亮全学連副委員長が基調報告に立ち、「イスラエル軍によるジェニン大虐殺を弾劾する。われわれはパレスチナ人民の決死の闘いの前に、自らの生き方を問い、帝国主義の侵略戦争を阻止するために立ち上がろう。有事立法は、日帝がパレスチナへの戦争と同じことをやるということだ。成立を絶対阻止しよう」と鮮明に提起した。
 各団体が決意表明を行い、熱気さめやらぬ中で広島市内デモにうってでた。のぼりやプラカード、写真パネルを掲げたデモ隊列が繁華街を進む。シュプレヒコールに呼応して、こぶしを突き上げる市民の姿もある。沿道の市民が次々とビラを受け取りにくる。〃ヒロシマから反戦のうねりを”の真骨頂だ。
 5・26闘争の大爆発へ、中四国の闘う労働者・学生は全力で決起している。

 仙台でデモ闘う

 4月28日、みやぎ反戦共同行動委員会は仙台市内で「米帝・イスラエルはパレスチナ人民虐殺を直ちに止めよ/有事立法制定阻止/小泉政権打倒/宮城闘争」に立ち上がった。集会は燃え上がるような怒りで戦闘的に打ち抜かれた。
 基調報告に立った全学連は、有事立法を阻止する一大決戦に立ち上がることを訴え、「パレスチナで行われている現実にもっともっと怒らなければならない! まさに今、パレスチナ人民がわれわれに決起を突きつけている。われわれが今どうするのか、実際の行動が問われている。日帝が有事立法で再びの侵略戦争をやることをどうして許せるか。侵略戦争へと突き進む帝国主義を打倒しよう。パレスチナ・アジア人民と連帯した闘いを断固やり抜こう」と述べた。
 結集した労働者・学生・市民が決意を表明した。「帝国主義者の言う『テロ』とは、民族解放をかちとるための圧倒的正義の闘いだ。『テロ根絶』の主張を粉砕し、有事立法を体を張って阻止しよう」「日本人民は戦前、アジア人民と連帯し、戦争を阻止する闘いをできなかった。今こそ、われわれは命をかけてこの侵略戦争をぶっ止めなければならない」
 学生は60人の戦闘的なスクラムデモで繁華街に登場した。この戦闘的デモに恐怖した宮城県警が「スクラムを組むな! 警告だ!」とデモを破壊しようとしてきたが、最後まで戦闘的デモを貫徹した。市民からは圧倒的な注目が集まり、こぶしを一緒にあげる人、「がんばれよ!」と声援を送る人もいた。

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週刊『前進』(2053号3面3)

 “虐殺加担を許さぬ” アフガン帰還部隊を弾劾

 佐世保

 有事立法攻撃と一体で、九州の出撃基地化、戦争体制化がものすごい勢いで進められている。4月21日、陸自ゲリラ・コマンド部隊が相浦駐屯地(佐世保市)に新設された。22日、空自と米海軍の共同訓練「コープ・ノース・グアム02」が始まり、空自西部航空方面隊所属の第304飛行隊(福岡県築城基地)が参加した。23日、都市部での対ゲリラ戦を想定した訓練施設が陸自曽根訓練場(北九州市小倉)に完成し、陸自第4師団第40普通科連隊の戦闘訓練が公開された。
 こうした中、海上自衛隊の派兵第2陣としてインド洋・アラビア海で参戦した護衛艦さわぎりが、4月25日に佐世保港に帰還した。
 カクマルを始め全党派が闘争を放棄する中、反戦共同行動委員会は午前10時、前畑ふ頭に陣取り護衛艦さわぎりを迎え撃った。10時40分、さわぎりが崎辺沖に現れると「アフガニスタン人民を殺すな! 有事立法粉砕! 自衛隊員は出兵を拒もう」とシュプレヒコールで激しく抗議した。(写真)
 また同日、西太平洋潜水艦救難訓練「パシフィックリーチ2002」の参加艦艇8隻が訓練海域に向け佐世保を出港することを弾劾し、午後0時半から同ふ頭で抗議集会を開催した。
 同演習は4月22日、海自や米海軍など5カ国の潜水艦、救難艦が参加して始まった。米原潜ラ・ホヤも参加し、海自、米海軍、韓国やオーストラリアの潜水艦など計8隻、900人。この間、多国間訓練が開催されてきたが、自衛隊は、日本政府の「集団的自衛権の不行使」という建前から参加できなかった。それが今回、自衛隊が初めて多国間共同訓練を主催し、合同訓練に踏み込んだのだ。
 午後1時から海自潜水艦あきしおを先頭に、潜水艦救難母艦ちはや、韓国救難艦、掃海母艦ぶんごなどが出港していった。反戦共同行動委は、出港する艦船に「多国間訓練反対! 佐世保の出撃基地化阻止! 有事立法粉砕!」とシュプレヒコールを繰り返した。

 呉

 4月25日、アフガニスタン侵略戦争に参戦した大型補給艦とわだの帰還に対して、広島反戦共同行動委員会は弾劾闘争に立ち上がった。アフガニスタン侵略戦争において国際帝国主義軍隊は、1万人を超えるアフガニスタン人民を虐殺した。そして、とわだは米軍艦船や米軍ディエゴガルシア基地への補給活動を行い、軍事作戦の重大な一翼を担ったのである。
 人民の反撃を恐れる海上自衛隊は最後まで帰還の日時を発表せず、市役所やマスコミにもかん口令をしいた。「有事における情報統制」そのものである。
 午前中に呉市内で街頭宣伝を行った労働者・学生が、正午にアレイからすこじま公園に結集し、シュプレヒコールが呉港一体に響き渡った。午後1時、とわだが血塗られた姿を現した。広島大学の学生は「自衛官のみなさん。アフガニスタンへの戦争は紛れもなく帝国主義の侵略戦争です。アフガニスタン人民虐殺に加担したことを私たちは絶対に許さない。侵略戦争をやめさせることこそ日本の民衆の責務です。小泉政権が有事立法制定へ踏み出している今、勇気をもって隊内から『戦争を繰り返すな』の声をあげよう」と力強く訴えた。(写真)
 また27日には、東ティモールに出兵した強襲揚陸艦おおすみの帰還を徹底弾劾した。正午にアレイからすこじま公園に結集した労働者・学生は、午後1時に入港するおおすみに怒りの弾劾をたたきつけた。「東ティモールへの出兵は日帝の強盗的利害のための侵略出兵だ。アジア人民を虐殺し、戦争に労働者民衆をかりたてる小泉政権を許すな」と力強く訴えた。
 闘いに勇気づけられた呉市民が、弾劾行動に合流した。おおすみに続き、強襲揚陸艦の二番艦しもきたも配備され、出撃基地として強化されている呉基地に対して連日、激しい弾劾闘争がたたきつけられている。

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週刊『前進』(2053号3面4)

メーデー 有事法・賃下げに怒り 連合の裏切りが明白に

 今年のメーデーは、今春闘での賃下げ攻撃や有事立法攻撃に、労働者階級がどう反撃するのかが問われていた。全国で闘われたメーデーに労働者は闘いへの意欲に燃えて結集した。だがそれを抑える既成指導部の裏切りも明白となった。
 ●連合は4月27日、東京・代々木公園でメーデー中央集会を行い、昨年に続き5月1日の闘いを放棄した。主催者発表で10万人が参加したが、5月1日の取り組みに力を入れた組合もあり、すき間が目立った。
 笹森連合会長は、有事立法について「そのうち見解を出す。こんなものにとりあっている場合ではない」と述べて労働者に武装解除を迫った。坂口厚労相は「組合は要求より提言を」と、連合の屈服を見透かすかのような発言をした。
 航空労組連絡会や海員組合はビラや機関紙を配って有事立法反対を訴えた。
 ●全労協系は5月1日、日比谷野音に2万人が集まった。「有事立法反対」「小泉改革NO」などのプラカードを手にした労働者の熱気にあふれた。リストラ・首切り・倒産攻撃との闘争を展開中の組合も数多く参加した。会場には「1047人の解雇撤回」など国鉄闘争支援を訴えるのぼりも目立ち、矢沢都労連委員長が国労の団結と全解雇者の支援を呼びかけた。集会後、参加者は2方向に分かれてデモに出た。
 ●東京地公労系は5月1日、代々木公園に1万5000人が結集。全水道東水労、東交、自治労東京、東京教組などが参加した。「労働者は戦争に協力しないぞ」などのプラカードが林立した。集会後は2コースに分かれてデモに出た。
 ●全労連系は5月1日、亀戸中央公園で中央メーデーを行い、8万人(主催者発表)が参加。有事立法反対の横断幕などが並んだ。だが、日本共産党の志位委員長は、有事立法について「アメリカが行う介入戦争に一体となって参戦する法案だ」と述べ、日帝を免罪して闘いをねじ曲げる反動的姿をあらわにした。

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週刊『前進』(2053号3面5)

“廃案に追い込む” 福岡 200人で決戦宣言

 4月28日、福岡市民会館で開催された「有事立法(戦争法案)を絶対許すな!4・28集会」に参加した。
 開会に先立ち婦人民主クラブ全国協福岡支部が「明日があるさ」の替え歌「声をあげよう」を熱唱した。
 冒頭、主催者を代表して14人の呼びかけ人が登壇、代表して郡島恒昭さん(小泉首相靖国神社参拝違憲九州・山口訴訟団団長)が「『有事立法絶対反対・戦争反対』の一点で26人の呼びかけ人が結集し、78人の賛同を得て今日ここに集まった。有事立法の廃案を必ずかちとる」とあいさつした。元福岡県教組委員長の梶村晃さんが「有事立法を許したら戦前と同じ世の中になってしまう。戦争を絶対許さないと誓った私たちには、有事立法を廃案にする責任があります。実行委員会を国会会期末まで継続し、必ず廃案に追い込みます」と力強く提起した。
 山口大学教授の纐纈(こうけつ)厚さんが「グローバル化する日米安保と有事体制」と題して講演し、「武力攻撃事態法案は、在韓米軍が軍事境界線に集結し、緊迫した雰囲気があれば、いつでも米軍とともに自衛隊が朝鮮半島へ突っ込んでいくというものだ。罰則規定で軍事行動に不可欠な人的・物的動員が強制される。今こそ労働者、市民の力で廃案を」と訴えた。
 病気で参加できない本島等さん(元長崎市長)からメッセージが寄せられた。
 各地の闘いの報告として呼びかけ人、賛同人、賛同3労組の発言が続き、部落解放同盟全国連合会副委員長の村上久義さん、九州大学学生自治会委員長、破防法団体規制に反対する連絡会議、婦民全国協福岡支部長が決意を熱く語った。200人の集会は有事立法闘争の開始を告げるものとなった。直ちに福岡市の繁華街へデモに出発し、デモ隊が天神に登場するや拍手や歓声が上がった。(写真)
 この集会に対し、カクマルは呼びかけ人や講師に嫌がらせや妨害を企てたが、直ちに見破られて粉砕された。 (投稿 福岡 M)

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週刊『前進』(2053号4面1)

自衛隊の朝鮮侵略戦争参戦のための有事立法の強行を許すな
米日帝の北朝鮮先制攻撃が核心 「予測」「おそれ」で全面戦争突入
 有事3法案国会論戦を斬る

 5月7日、衆議院有事法制特別委員会で開始された有事法制3法案の国会審議は、与野党ともに法案の核心問題を隠ぺいする許しがたい茶番劇だ。実質審議第一日目の質疑応答を見ただけで、日帝が米帝とともに朝鮮半島に対する一大侵略戦争に突入しようと躍起になっていることが明白である。小泉らのきわめていい加減であいまいな答弁にはぐらかされてはならない。切迫する朝鮮侵略戦争阻止へ、そのための5―6月有事立法阻止・改憲攻撃粉砕決戦に立とう。以下、国会論戦の問題点を明らかにしていく。

 小泉が本気で戦争を決断

 中谷防衛庁長官は、「武力攻撃が予測される事態とは何か」と聞かれて、「自衛隊法に基づく防衛出動命令が予測される事態と同じだ」と答えた。さらに「では、防衛出動が予測される事態とは」という再質問には、「武力攻撃が予測される事態だ」と答えた。
 これではまったく答えになっていない。だが、このいい加減さこそ、武力攻撃事態法案の恐るべき狙いを示しているのだ。
 中谷は同じ答弁の中で、「武力攻撃が予測されるにいたった事態は、自衛隊法の防衛出動待機命令などを下令する事態、すなわち国際情勢などから、防衛出動命令が発せられることが予測される事態」であると答えている。ここにいう「国際情勢」とは何か。それは、米帝が北朝鮮などに対して侵略戦争を実際に発動する前夜を指している。
 この段階から日帝は、自衛隊に防衛出動待機命令を出し、予備自衛官を招集し、陣地を構築する。それと同時に周辺事態法を発動して自衛隊は米軍への全面支援を行う。そしてこの米軍・自衛隊の動向に対して、相手方に何らかの動きがあったときは、「相手の意図、軍事的行動などから判断して、武力攻撃が発生する危険が切迫している=おそれのある場合」ということで、「武力攻撃が発生した事態」と認定し、自衛隊の軍事侵略=「武力行使」を行うのである。
 小泉は、答弁の打ち合わせで「雪が降る」という事態を引き合いに出した。つまりこういうことだ。10%の降雪確率であれば、雪が降るおそれがある(おそれがある場合)。法案ではこれは「雪が降っている(武力攻撃が発生した事態)」中に含まれる。一方、「雪が降ると予測される(予測される事態)」というのは、雪雲の状況(相手の意図や軍事行動)に関係なく、傘を持って出る(防衛出動待機命令を出す)から雪が降る(相手が反撃する)と予測される、というのである。
 これを聞いて誰が納得できるか。だがこれが法案の武力攻撃事態の内容である。核心問題は、まず米軍と自衛隊が北朝鮮に対する戦争計画を発動し、全面戦争体制に突入するから、北朝鮮からの反撃=攻撃が予測されるということなのだ。そして、北朝鮮が偵察などの何らかの動きをしたら、それはおそれのある場合であり、武力攻撃に含まれるということなのだ。
 武力攻撃事態法案の前提には米帝の朝鮮侵略戦争作戦である「米韓5027計画」があり、米帝ブッシュの「悪の枢軸」論に基づく朝鮮侵略戦争路線がある。だからこそ日帝は有事立法の強行に突っ走っており、朝鮮侵略戦争に全面参戦しようとしているのである。
 98年に改定された作戦計画5027は、北朝鮮の側に攻撃の「兆候」が見えた段階で先制攻撃を加えるというものだ。この「兆候」というのは、米帝がどのようにでもデッチあげられるものであり、米帝が自分の都合で侵略戦争に突入するものだ。しかも改定版5027では、従来の5段階だけでなく、「戦争終結後の占領統治」という第6段階まで設定している。北朝鮮の体制転覆を狙う恐るべき侵略戦争計画だ。
 法案でいう「おそれ」とは、ここでの「兆候」に対応するものであり、この戦争計画実行の進行段階に応じて、「予測される事態」「おそれのある場合」「攻撃が発生した事態」と認定が進むのだ。
 つまり、有事立法の法案の前に米帝による朝鮮侵略戦争の具体的作戦を発動するという現実があり、それをすべて念頭において法案が作られたのである。この点をまったく突かない野党は、朝鮮侵略戦争を隠ぺいし、屈服するものなのだ。
 米帝の朝鮮侵略戦争は、すでに切迫している。米帝は、アフガニスタン侵略戦争に続いて、イラク、北朝鮮、イランへの侵略戦争を発動しようとしている。
 米帝が全力をあげた侵略戦争作戦を発動し、日帝・自衛隊が周辺事態法に基づいて米軍支援の行動を開始すれば、北朝鮮であれ中国であれ、反撃の体制をとるのは当然である。そうなれば米軍が北朝鮮への爆撃を開始し、自衛隊が「武力攻撃のおそれのある場合」といって防衛出動することになる。そして米軍支援の自衛隊への攻撃や日本国内でのゲリラがあれば、「武力攻撃」であるとして自衛隊も日本全体も全面的な侵略戦争に突入するのだ。
 小泉は、「平時から有事のことを考えよう」とか「備えあれば憂いなし」などといっているが、これは完全なウソ、ごまかしである。すでに米帝と共同的=競合的に朝鮮侵略戦争に突入することをブッシュとの間で合意しているからこそ有事立法を何がなんでも強行しているのだ。
 日本の労働者階級人民がどうするのかということが真正面から問われている。朝鮮人民の虐殺を絶対に許すな。日帝の戦争に加担して自らもまた殺されていくのか、それとも他国を侵略しなければ生きられない帝国主義を打倒し世界革命を実現し、労働者人民の新しい未来を切り開くのか。こう問題は突きつけられているのである。
 ところが日共の志位は、「武力攻撃事態法案の中におそれや予測の場合、武力行使しないという規定はあるのか」と質問した。だがそもそも武力攻撃事態法は「おそれ」の場合に武力を行使することをはっきりと規定しているのだ。「武力攻撃のおそれのある場合」は、第2条(定義)で「武力攻撃が発生した事態」に完全に含まれている。そして第3条で、「武力攻撃が発生した事態においては、武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結をはからなければならない」と武力行使を義務づけている。
 「先制攻撃を禁止する条項がない」(志位)どころか、「不審船」やゲリラなどあらゆる口実をとらえて、いや何もなくとも先制攻撃を行おうとしているのが武力攻撃事態法なのだ。志位はまさにこの点を見て見ない振りをして逃げ、朝鮮侵略戦争阻止の闘いをネグレクトしているのだ。

 労働者を根こそぎ戦争動員

 国会論戦における野党の無力さのもう一つの点は、有事立法3法案が、労働者人民を強制的に戦争に動員し、命を奪おうとしていることについて、何も問題にしていないことだ。
 日共の志位は、「武力攻撃事態では、憲法の保障する国民の自由と権利がどこまで制限されるのか」と質問した。だが「どこまで」とはなんたることか。「制限」そのものを認めてしまっているのだ。しかも「権利と自由が制限される」どころか、労働者人民は戦争に駆り出されて命を奪われるのだ。土地、家屋も奪われ、田畑は踏み荒らされる。協力を拒否した場合には刑務所に入れられるのだ。この点に対する激しい怒りと危機感がまったくないことは断じて許しがたい。
 武力攻撃事態法案は、地方公共団体や指定公共機関の責務を規定し、自治体労働者、医療労働者、運輸、通信、電気、ガスなどの産業で働く労働者の戦争動員を規定している。第2次世界大戦において海員労働者6万2000人以上が犠牲となったように、戦争のために必要だということで軍需物資を運ばされ、命を奪われていくのだ。あらゆる産業の労働者が侵略戦争への戦争協力を強制され、朝鮮・中国人民の命を奪う先兵とされ、自らもまた命を落としていくのである。
 さらに自衛隊法改悪案では、土地収用法の「適用除外」が規定されている。武力攻撃事態であると称して自衛隊が行動を開始した場合には、土地や家屋を使うといって、一切の抵抗を許さず暴力的に奪うということなのだ。そのほかにもあらゆる問題で自衛隊への法の「適用除外」と「特例」が規定されている。すべてが軍事優先になる、国家そのものが戦争国家になるということだ。
 同時に武力攻撃事態法案は、第8条で「国民の協力」(国民の責務)を規定している。
 もともとここは「責務を有する」という明白な義務規定として位置づけられていたところであるが、最後の段階になって「必要な協力をするよう努めるものとする」という表現になった。だがその本質が責務=義務規定であり、労働者人民に戦争協力を強制するものであることに変わりはない。「ボランティア」や「勤労奉仕」という言い方で、高校生なども軍需工場で働かされ、陣地構築、滑走路建設などで働かされる。しかも、建設現場では完成を急ぐために安全が無視され、次々と命が犠牲にされていく。まさに戦場で自衛官の命が次々と奪われていくのと一体で、後方で労働者人民の命が次々と奪われていくのである。
 そして、「国民の義務」=「国防の義務」とされ、徴兵制へと直結する。
 これほど重大な問題であるにもかかわらず、「国民の生命、財産を守るため」などというペテンを押し通そうとしている現実をどうして許せるか。
 野党の無力さにもかかわらず日帝はけっして余裕があるわけではない。何十万、何百万という労働者人民が国会を包囲し、全国で決起するならば、有事立法3法案を絶対に粉砕できる。5―6月有事立法阻止決戦に全力決起しよう。

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週刊『前進』(2053号4面2)

革命軍軍報 4・22 千葉 堂本と千葉県を絶対許さぬ!
 暫定開港に怒りの火炎戦闘 ”切り崩し”の先兵に鉄槌 

 革命軍は偉大な戦闘を貫徹し、以下の軍報を発表した。(前号に速報)
 わが革命軍は4月22日午前4時すぎ、千葉県長南町岩撫386、千葉県職員・嶋野栄治宅に対する火炎攻撃を敢行した。
 この戦闘は、堂本知事と千葉県に対する怒りの鉄ついであり、何よりも4月18日からの暫定滑走路の供用と、さらなる滑走路延長策動への徹底粉砕の戦闘である。革命軍は、国土交通省、空港公団、千葉県当局による農民圧殺の暴挙を断じて許さない。暫定滑走路粉砕へ、さらに徹底的に闘い抜くことを宣言する。
 4・22戦闘に革命軍戦士は怒りの火の玉となって決起した。必勝の作戦計画を立て、計画どおりに時限発火装置をセットした。午前4時すぎ、激しい音とともに燃え上がった炎は嶋野宅の長屋門を全焼させ、車両3台を焼きつくした。この時、革命軍戦士はすでに撤収作戦を完了しており、日帝権力にデッチあげ弾圧の口実を一切与えない作戦を貫徹したのである。
 嶋野は2000年4月から今年3月末まで、堂本知事のもとで千葉県企画部空港地域振興課主査として、空港周辺住民の切り崩しを担当してきた憎むべき人物である。「関係のない人」(読売)とか「県庁勤めというだけ」(朝日)などというのはとんでもないデマだ。嶋野は農民圧殺の張本人であり、鉄ついがくだされて当然の人物である。
 この戦闘は、第一に、暫定滑走路の供用開始をもって敷地内農民を殺人的騒音で叩き出そうとすることへの怒りの戦闘である。
 日帝・公団は、誘導路の側帯幅が未買収地に阻まれて基準どおりに確保できない「航空法違反」の欠陥だらけの暫定滑走路を「特例」として認可し、むちゃくちゃなやり方で供用を開始したのだ。そして今、農家の頭上40bにジェット機を飛ばし、50b先の誘導路からジェット噴射をたたきつけて敷地内農民を追い出そうとしている。
 まさに「暫定」開港は、敷地内農民の命と生活を踏みにじる権力犯罪そのものである。36年間、土地収用法適用や警察暴力で襲いかかり、あらゆる手口で農地の強奪を行ってきた日帝は、それでも屈服しない農民に対して、今度は暫定滑走路供用という、新たな手段で農民に襲いかかったのだ。さらに、滑走路の北側320b延長を、不可能を承知の上で、農民への脅しのために公言している。
 堂本はゲリラ戦闘を「卑劣なテロ」と非難するが、お前たちがやっていることこそ、絶対に許せない「国家テロ」なのだ。革命軍のゲリラ戦闘は、この国家権力の暴挙に対する百パーセント正義の反撃である。
 この戦闘は、第二に、敷地内農民・地権者への新たな切り崩し策動を絶対粉砕するための闘いである。
 国交省・公団・千葉県は暫定滑走路の既成事実化をテコに、切り崩しに全力を挙げている。その先頭に堂本と千葉県が立っている。堂本は1月に県内自治体と経済界に呼びかけ「魅力ある成田空港推進協議会」なるものを発足させ、その会長に就任した。この協議会は「国内線の誘致」「2500b平行滑走路の実現」を目標とするものであり、「農民殺し推進協議会」以外の何ものでもない。堂本は「用地交渉に公団と一緒に努力したい」と言って、推進協議会の事務局を県庁内に置いた。
 千葉県が成田空港建設にここまで深くかかわることは初めてであり、すべては堂本知事になってからである。その堂本は4月17日に暫定滑走路の記念式典に参加し、「やっと、やっとでございます。暫定滑走路がオープンします」と「終始笑顔」であいさつしたのだ(朝日)。敷地内農民を騒音と暴力で迫害することがそんなにうれしいのか!
 絶対に許せない。堂本のもとで県職員が農民切り崩しに動き、嶋野栄治はその先頭に立ってきたのだ。
 この戦闘は、第三に、有事立法攻撃と成田空港の軍事空港化に対する反撃の闘いである。革命軍は、有事立法を絶対に許さない。そして、成田空港が朝鮮・中国侵略戦争の兵たん拠点、出撃拠点となることをあらゆる手段で粉砕する。革命軍は、闘うパレスチナ・アフガニスタン・イスラム諸国人民、アジア人民と連帯して「連帯し侵略を内乱へ」の闘いを最先頭で闘う決意である。

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週刊『前進』(2053号4面3)

萩原さん・市東さんを迎え熱気 関実が三里塚集会 「暫定」粉砕を誓う

 暫定滑走路開港が目前に迫った3月27日、暫定滑走路建設・開港攻撃との闘いの最前線に立つ敷地内の萩原進さん、市東孝雄さんを迎え、三里塚決戦勝利関西実行委員会、三里塚反対同盟共催、動労千葉協賛で三里塚関西集会が開催された。(写真)
 初めての関西集会参加となった市東さんは、暫定滑走路建設と開港が地元民にどんなに多大な被害と人権蹂躪(じゅうりん)を引き起こしているかを怒りをこめて暴露し、「とことんやってやる。絶対負けるものか」「私はこうした闘いができることを誇りに思う」と決意を披瀝(ひれき)した。そして「再延長を許さず、滑走路を立ち枯れにする大勝負に入る。これからが私の生涯をかけた闘い」と、闘いの展望をあふれる勝利感をもって語った。
 萩原さんは、暫定滑走路建設とその開港が用地内から農民を追い出すためのものであり、90年概成―2000年平行滑走路完成がそうであったように2004年完成も絶対にできないと断言。政府やマスコミのデマ宣伝とは正反対に、「われわれを崩すしかないが、われわれの闘い、家・畑、開拓道路が暫定滑走路と空港を侵食し、政府・公団を追いつめている」、強制収用と軍事使用には、「やるならやってみろ」の決意で闘いをやりぬくと述べて、4・14総決起と4・18から暫定滑走路を追い込んでいく闘いへの決起を訴えた。
 現地からの闘争報告を受け、基調報告に立った関実の永井満代表は、用地内はじめ反対同盟をこれまでにも増して分厚い人民の壁で守りぬくことを訴えた。
 反対同盟の訴えと基調報告を満身で共有し、各団体からも4・14三里塚総決起の決意が表明され、総決起を誓い合った。

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週刊『前進』(2053号4面4)

02卒入学式 「日の丸・君が代」闘争

 “教え子を戦場に送らない”誓い新たに 大阪 河原涼子(教育労働者)

 やっぱり教え子を戦場に送りたくはありません! そして戦前と同じ教師の道を歩みたくはありません!
 アフガニスタンやパレスチナでは、少年少女たちまでが、帝国主義の侵略戦争に対して、命をかけて闘っています。自衛隊は「日の丸」をなびかせて参戦し、アフガニスタン人民を殺し苦しめる片棒を担いでいます。かつて朝鮮・中国―アジア人民2千万人を虐殺した戦争の旗・歌「日の丸・君が代」は今、パレスチナ・アフガニスタン人民大虐殺に加担しています。
 今この時、血塗られた歌・旗の強制に対して、抗議の声ひとつ出さず、黙って子どもたちを送り出すことは絶対にできないと思いました。それは、私たち教育労働者が国家の強制に屈して、子どもたちに「パレスチナ・アフガニスタン人民のことなど考えるな。黙って国家の言うことを聞け」と言うのと同じであり、戦前の教師と同じ戦争犯罪者の道そのものです。「二度と侵略戦争を繰り返さない」とは、国家によってどんなに強制されようとも体を張って戦争に反対し、戦争協力を拒否することです。できれば労組や職場の労働者の団結した力で、それが難しい場合でもたった一人であっても自分の良心と責任において貫くべきことだと思うのです。
 それで私は、卒業式で教頭が「国歌斉唱」と言った時、「強制はやめてください。教え子を二度と戦場に送らない思いを込めて抗議し、着席します」と抗議の声をあげて着席しました。その時、卒業生や在校生が何人も着席しました。
 その後、授業に行った時、あちこちのクラスで子どもたちが励ましの言葉をかけてくれました。しかし教育労働者の多くは「『日の丸・君が代』には反対だけど、式であのようにやるのはやめてほしい」という態度を取っています。学校に動と反動の激突が起こることを恐れているのです。
 だけど、学校の中だけ世の激動から無縁であるはずがありません。現に「日の丸・君が代」が強制されているのですから。卒業式後校長はすごい剣幕で怒り、4回呼び出してきましたが、拒否しました。
 子どもたちは、時代がどこに向かっているのか、どのように生きるべきなのかを考えています。そして真剣な眼差しで、教育労働者がどのような態度をとるのかを見ています。子どもたちとともに、すべての労働者とともに、戦争を阻み、未来をつくりだすために闘おうと決意しています。

 職場支配権確保し団結して闘いぬく 神奈川 田上浩(教育労働者)

 この3、4月、戦争国家づくりの一環として「日の丸・君が代」強制攻撃が、卒・入学式において激しく学校現場へかけられました。これに対し、組合執行部は職場での組織的抵抗を放棄し、闘いを子ども・保護者の「思想・信条の自由」を守る――「旗や歌」に対して自由意思で行動できることを事前に知らせる取り組み――に押しとどめようとしました。
 私たちは、この執行部の方針を中央委員会などで厳しく批判するとともに、仲間たちと交流学習会や総決起集会を持ち、労働者としての階級性の獲得、教育労働者の主体の確立を目標に、「対決構造」を明確にしました。そして、組合員相互の徹底的な討論をつうじて意思統一をはかり、「意思統一できた内容」で、抵抗あるいは抗議の闘いを可能なかぎり斉一に組織する、などを呼びかけてきました。
 その結果、ある分会では全校朝会の中で30分近く校長が「日の丸・君が代」指導を行った後に、組合員が強制攻撃の本質を教室などで子どもたちに明らかにし、式当日は職員とともに圧倒的多数の子どもたちが着席し、歌いませんでした。また別の分会では「嫌な人はその時だけ会場内にいなくてもよい」の「妥協策」に屈せず着席し歌わない組合員を、校長が個別に呼び出し、「教育委員会から求められたら報告せざるを得ない」との脅しをかける中、その脅しをはねのけ、過半の組合員が「君が代」拒否を貫くなど、卒業式・入学式の前後、多くの分会でさまざまな主体的闘いが繰り広げられました。
 このような、執行部方針をのりこえた分会の主体的闘いゆえに、それに合流する保護者や子どもたちの決起も実現されました。
 私たちは、これからも職場支配権を確保し、職場の団結をもとに、全員の合意による斉一な行動を基本に据え、闘います。それと同時に、職場間交流による組合の防衛・強化・発展(闘う執行部の確立も含め)をかちとり、子ども・保護者・地域労働者・全国連帯をとおして、有事立法・教育基本法改悪・改憲―戦争国家化を阻止する闘いの最先頭に立つ決意です。

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週刊『前進』(2053号4面5)

 4月24日〜5月7日
 有事法制特別委が審議入り 沖縄で米軍機事故あいつぐ

●F15が風防ガラスを落とす 米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が沖縄本島南東約130`で訓練中、風防ガラスを落下させ、嘉手納基地に戻った。(24日)
●メディア規制法案審議入り 人権擁護法案が参院本会議で、翌25日に個人情報保護法案が衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われた。(24日)
●嘉手納基地上空で燃料漏れ緊急着陸 米軍嘉手納基地上空で燃料漏れを起こした米空母キティホーク搭載のC2A輸送機が、同基地に緊急着陸した。同機は飛行中に約3800gの燃料を空中で漏出していた。(25日)
●有事立法が国会審議入り 武力攻撃事態法案など有事3法案の審議が衆院本会議で始まった。この日の本会議終了後、有事法制特別委員会に付託された。(26日)
●米が最大25万人規模のイラク攻撃作戦を立案 ニューヨーク・タイムズ紙が、イラクのフセイン大統領打倒のためブッシュ政権が来年初頭に兵力7万〜25万人を動員、空爆や地上作戦などによる大規模攻撃を実施する作戦を立案中だと報じた。(28日)
●米がイージス艦を公式要請 与党3幹事長がアーミテージ国務副長官、ウォルフォビッツ国防副長官とそれぞれ会談した。ウォルフォビッツは「アフガニスタン情勢はまだ多くの作戦が必要」と自衛隊の派遣延長を求め、イージス艦、P3C哨戒機の派遣を要請。アーミテージは「防衛省に昇格すれば、日本も国連安保理の常任理事国入りの資格を得やすくなるだろう」などと述べた。(29日)
●小泉首相がPKO陸自部隊を視察 小泉首相が、東ティモールを訪問し、国連平和維持活動(PKO)に参加している陸上自衛隊(約680人)を視察した。日本の首相がPKOの現地を視察するのは初めて。(29日)
●江主席「靖国参拝許せぬ」 
訪中の神崎公明党代表に江沢民中国主席は「小泉首相の靖国参拝を絶対に許すことはできない」と強く批判した。(29日)
●海自派兵、半年延長へ 政府は、インド洋などで米軍を後方支援している海上自衛隊の艦船の派遣期間を11月まで半年間延長する方針を固めた。(1日)
●防衛庁が民間人派遣を要請 米軍の後方支援でインド洋に派遣されている自衛隊艦艇や航空機を修理するため、防衛庁が石川島播磨重工業など複数の防衛関連業者に対し、技術者の現地派遣を要請していることが分かった。実際に派遣されれば、政府が戦後初めて民間人を戦場に送ることになる。(4日)
●防衛白書で省昇格方針を明記 防衛庁が、2002年版防衛白書の原案で、防衛庁として「省」への昇格を目指す方針を初めて明確に打ち出したことが分かった。(4日)
●今国会中に有事立法の全容提示へ 政府は、残る有事立法について、概要や国会提出時期を明記した整備計画を今国会中にもまとめる方針を固めた。@国民の保護に関する法案A米軍の支援に関する法令B自衛隊の行動円滑化に関する法案−−の3法案にまとめる案が軸となっている。(5日)
●イージス艦派遣で海幕が裏工作 防衛庁海上幕僚監部の幹部が4月10日、在日米海軍のチャプリン司令官に、イージス艦やP3C哨戒機のインド洋派遣を要請するよう働きかけていたことがわかった。(6日)
●「9条におかしな点」と小泉 衆院有事法制特別委員会で、法案の本格審議が始まった。現憲法について小泉首相が「おかしい点はたくさんある。憲法9条もそうだ」などと述べた。また、中谷防衛庁長官は、保管命令違反について「本人の内心には関係ない。わざと物資を隠匿したり、使用できないようにしたりする悪質な行為に基づいて考える」と、「良心的拒否」も罰則対象になるとの考えを示した。(7日)

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週刊『前進』(2053号5面1)

 インタビュー 反対! 有事立法 −私はこう考える− @

 反戦自衛官 小多基実夫さんに聞く

 自衛隊を「皇軍」に仕立てる戦争法 軍隊の権限拡大し総力戦体制

 戦争勝つためには住民犠牲に

 今号から「反対! 有事立法――私はこう考える――」と題して、各界からの有事立法反対インタビューを連載します。(聞き手は、本紙・水野慶太)

――有事立法3法案が国会に提出されました。
 日本の国家の「独立」や「安全」を口実として朝鮮・中国に対して武力を行使するのが武力攻撃事態法案です。
 これまでは建前とはいえ「自衛隊は軍隊ではない」「専守防衛で外国は攻めない」という形で自衛隊や自衛隊法は現憲法からは例外的に存在してきました。ところが有事立法は、法体系の全体を他国、現実には朝鮮、中国への武力行使を行うための法体系に変えてしまうのです。「戦争の放棄」「軍事力の不保持」を規定する憲法を頂点とする法体系を、他国への武力行使を合法化する武力攻撃事態法を基本法とする有事法体系に組み替えるのです。
 だから既存の自衛隊法そのものも、「専守防衛」の自衛隊法から他国への武力行使のための自衛隊法という別の法律として位置づけ直されるのです。有事立法は、自衛隊法に戦争法としての生命力を吹き込むものでもあるのです。憲法前文の「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう……」という戦後日本のあり方の根本からの転換なのです。

 靖国神社参拝と4・29閲兵

――有事立法で自衛隊も変わる?
 自衛隊は創設から半世紀になります。自衛隊は、もちろん戦争を行うための軍隊なのですが、現憲法や労働者人民の意識との矛盾の中で、本当の意味で、戦争ができる軍隊としては成立していません。有事立法は、この自衛隊に「侵略軍隊」「内乱鎮圧軍」としての生命力を吹き込むものなのです。
 実際、有事立法の攻撃の中で、自衛隊に「皇軍」の魂を注入して侵略軍隊に仕立て上げようとしています。小泉首相は、4月16日の有事立法閣議決定−国会提出直後の21日に靖国神社を公式参拝しました。そして4月29日には東ティモールを訪問し、陸上自衛隊PKO部隊を最高指揮官として「閲兵」しました。4月29日は、昭和天皇ヒロヒトの誕生日です。かねてより自衛隊では4月29日は2月11日の紀元節とともに自衛隊にとって最も大切な日とされてきました。4月29日の「閲兵」は偶然ではありません。確信犯です。
 靖国神社の参拝も8月15日を「避けた」のではなく、もっと攻撃的な狙いがあるのです。特攻隊の歴史を賛美して「自衛官は国のために死ね」と公言する小泉首相は、最前線の戦場である東ティモールで陸自隊員を閲兵する前に、靖国神社を参拝する必要があったのです。
 自衛隊内の天皇に関する規定では、天皇と戦死した自衛官の棺(ひつぎ)に対してだけ45度の角度で敬礼することになっています。その他の者は誰であれ10度の敬礼です。地球上で生きている人に45度で敬礼をするのは天皇に対してだけです。これは法的な規定です。だから天皇に45度で敬礼しない自衛官は法律違反になるのです。いわば「不敬罪」です。これが自衛隊と天皇の関係です。小泉の4・29閲兵は、アジア侵略戦争をやるために「皇軍」の魂を入れようとしているのです。

 「歯止め」論は強盗の論理

――自衛隊が超法規的に行動しないように有事立法でシビリアン・コントロールを強めることが必要だという「歯止め」論が使われています。
 これは強盗の論理です。つまり「超法規的に自由に行動する」という内容に「合法」のお墨付きを与えて、すべての将兵と人民を従わせるのがこの論理の特徴です。そしてこの「歯止め」の限界を超えたら、また法律の方を譲歩させるというのが「歯止め」論の正体です。
 実際はまったく逆です。つまり新ガイドラインや作戦計画5027などの朝鮮侵略戦争計画に合わせて法律や国のあり方を変え、自衛隊に際限のない権限を与えることを合法化するのが有事立法なのです。軍隊に法律を従わせるのが有事立法の真の姿です。
 有事立法は、首相への権力の集中、自衛隊の人民に対する権限の拡大を意味します。他方で国会の無意味化ですから、明らかに国会の上に軍事の論理を置くものです。また情報を始め軍事の実態の一切を自衛隊に頼らざるを得ず、軍隊を外部から完全にコントロールできるというのは幻想です。有事立法でシビリアン・コントロールの強化というのはウソなんです。
 そもそもシビリアン・コントロール論自体が非常に問題があるのです。シビリアン・コントロール論の結論は、「軍部の独走を阻止するために、政府に絶大な権力を与える」という論理で、最高指揮官としての大統領ないし首相に独裁権限を集中し、そのもとに、国家総力戦体制を確立するのです。端的に言えば、シビリアン・コントロールが強調される米軍においてこそ、他民族人民への最も残酷な虐殺と破壊を繰り返し、世界大的な侵略戦争、恒常的な侵略戦争の継続が可能となっているではありませんか。
 つまりシビリアン・コントロールとは、軍隊の非政治性の仮象をつくりだして「軍服を着た労働者」である兵士の階級的思考を停止させ、支配階級の政治支配の道具とするためのシステムなのです。
 だから暴力を行使する現場である軍隊では、戦場でなくても日常的に「命令」で人間を動かします。背景説明など一切せずに一方的に「命令」します。質問も許されない。要するに自らに与えられた軍事行動の意味を考えさせない、判断させない、意志を持たず常に服従するロボットのようにするのです。武装した労働者人民である兵士を、自国民やアジア人民に襲いかからせるポイントはここにあるのです。

 有事は人為的につくられる

――小泉首相は「国民の生命や安全を守るために有事立法が必要だ」と言っています。
 有事立法は、人民の生命や生活を守る法律ではありません。軍隊の本来の目的は戦争に勝つことです。敵の継戦能力を奪い降伏させることに軍隊の目的があるのです。そしてそのためにのみ「敵の攻撃からの味方戦闘力の防衛」があるのです。味方の攻撃力に結びつかないものは守らない。だから住民は守らない。
 それどころか逆に、軍隊を守るために住民に銃を向ける場合さえあるのです。自衛隊法改悪案の第92条の3「自衛官は……隊員の生命または身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には……武器を使用することができる」の規定で、防衛出動前から武力の行使が合法化されています。
 「侵略やテロの被害に遭っている住民の生命や財産を守るために」との理由で自衛隊が陣地構築などのために土地の収用や立ち木の伐採しようとするとします。その時、住民が三里塚のように実力で抵抗したら「隊員の生命、身体の防護」という口実で人民に銃を向けるのです。また懲役などの罰則で脅すのです。
 そして有事は人為的につくられるのです。なぜ沖縄戦が起きたのか。それは国体=天皇制を守るために沖縄を捨て石にする作戦を立て、本土から多数の兵隊を送り込み、沖縄県民の極限的な戦時動員を行い、決戦をかまえたからです。当然、米軍も素通りしなかった。つまり日本が沖縄に決戦場を設定したから、米軍はあれほど激しく攻めたのです。
 有事とは、台風や地震などの自然災害とは違います。日本政府の計画と決定によって有事は引き起こされるのです。有事立法は戦争計画を実施するための法律なのです。
 いわゆる「不審船」事件もそうです。「不審船」問題は今に始まったことではありません。これまでは海上自衛隊も海上保安庁も警告を発して追い返していた。それを昨年12月は撃沈まで意識的に引き起こしたのです。これは今までの対応とはまったく違うわけです。それは小泉首相が「絶対に逃がすな」という命令を出したからです。「追い返せ」から実質的には「撃沈しろ」に変わっている。つまり意図して対北朝鮮、対中国の有事をつくりだそうとしているのです。
――戦争への国家総動員も狙われています。
 有事立法は、戦争を遂行するための「国内治安体制」と「戦時動員体制」の確立のためにあります。戦争は自衛隊だけではできません。戦争になれば自衛隊の輸送能力では全然足りません。民間の航空機や輸送船、鉄道やトラックを動員しないとできません。民間の空港や港も必要です。
 自衛隊法第103条は、土地の取り上げや労働者の徴用、物資の徴発を規定していますが、しかし、それだけにとどまりません。
 究極的には沖縄戦を再現する事態をつくりだすのです。沖縄戦では、食糧・物資・家屋など、あるものすべてが徴発され、子どもから高齢者まで兵士や軍属として戦争に極限的に動員しました。そして20万人の沖縄県民が犠牲になった。有事立法はこれを再現するのです。軍隊は住民を守るために存在していません。逆に住民をいかに利用(犠牲に)して戦争をやるのかを考えるのです。

 「戦争行くな」の訴えで懲役

――有事立法ができると自衛官は戦場に行くことになる。
 防衛出動命令を拒否した自衛官は7年以下の懲役か禁固刑です。これは自衛隊法第122条の規定です。しかも第122条は自衛官だけが対象ではありません。例えば防衛出動命令が出た時に、教育労働者が自分の教え子に「戦争に行くな」とか自衛隊を辞めるよう勧めれば、「教唆・ほう助・扇動・共謀」ということで、同じように7年以下の懲役か禁固になります。
 また即応予備自衛官の子を持つ親が、子どもに来た招集令状(書留郵便)を本人に3日以内に手渡さなかったら、あるいは仮に本人が行方不明でも警察から「行方不明」の証明がもらえなかったら、いずれも3年以下の懲役または禁固の刑になります。これは本人が招集から逃げた場合、家族が逮捕されるという人質の考え方で招集するということです。
 即応予備自衛官の本人が、けがや病気で出頭できない時も、医師の診断書とともに市長などの証明書がなければ、同じく懲役または禁固3年です。
 有事立法ができると、今まであまり問題視されてこなかった自衛隊法の条文も生きてくるのです。有事立法は絶対に阻まなくてはなりません。

●おだきみおさん 反戦自衛官。72年の沖縄のペテン的返還に反対し、自衛隊の沖縄派兵の中止や兵士の権利など10項目を防衛庁長官に要求した。写真は、防衛庁正門前で要求書を読み上げた時のもの。(72年4月27日)

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週刊『前進』(2053号5面2)

 紹介 犬の鼻は信用できるか? 臭気選別−橋本裁判が暴いた権力犯罪
 橋本利昭編 前進社

 デッチあげのトリック暴露は圧巻

 怒りと告発の書

 「この書は、怒りの書であり、告発の書である。橋本裁判は勝利が確定した。しかしわれわれは、この勝利に満足するものではない。史上最凶悪のデッチあげ手段である臭気選別を刑事裁判から永久に追放するまで、橋本裁判闘争は続く」(本書『はじめに』)
 本書を読むと、あらためて橋本裁判の勝利の大きさがわかる。権力は「橋本有罪」に治安弾圧の全体重をかけてきた。「橋本利昭さんの裁判を支える会」の甲斐道太郎さんは次のように弾劾している。「この事件の捜査から裁判に至る過程を見ると、警察・検察は、はじめから橋本氏を犯人に仕立て上げることを目的として動いてきたというほかはないように思われる。いわゆる見込み捜査どころではなく、まず犯人に仕立て上げる人物を決めて、それを立証すべき証拠手段を発見するのではなく、デッチ上げてゆくという手法が、これほど見事に示された例を私は知らない」(パンフレット『「犬が人を裁く」裁判を許さないために』)
 京都府警は、91年秋から橋本同志を逮捕する計画を練り、警備3課内に「放火予備罪で問責する」ための特別班を組織した。90年天皇決戦の巨大な爆発に震え上がった国家権力は威信をかけた報復弾圧を、革共同・革命軍の指導者と見なした橋本同志に集中した。
 丸3年間執念深く、デッチあげを周到に準備して襲いかかり、93年12月に橋本同志を逮捕した。それ以降、4年以上も獄中に閉じ込め、8年間被告の座に置いた。橋本同志を先頭に党と救援戦線は、この攻撃を真っ向から受けて立ち、そして勝利したのだ。
 「目撃」証人は、警察が犯人と見立てた人物と橋本同志が「まったく違う」と証言した。そこで権力は、70年代頃から凶悪なデッチあげ手段にしてきた「犬の臭気選別」を橋本裁判の切り札とした。警察犬や犬の訓練士は警察が独占的に管理している。弁護側の反対実験や鑑定はできない。犬は人の言葉を話せないので反対尋問もできない。

 「犬神話」を粉砕

 警察が意図的に流してきた「犬神話」がまかり通っている。゛警察犬は人間の数百万倍のきゅう覚力を持ち、人間には「万人不同、終生不変」の「個人臭」が存在し、警察犬が人間の体臭をかぐことによって万人を識別できる″とされる。こんなものは一度も証明されたこともないし、現代科学からすれば根拠はない。権力は、それを「犬がくわえてきたから犯人の臭いだ」という奇弁で冤罪ねつ造の手段としてきた。このようなものを最高裁は「有罪認定の用に供しうる」(87年3月3日最高裁第一小法廷決定)として、デッチあげにお墨付きを与えてきた。
 「犬の臭気選別」は見せかけのトリックショーであり、タネも仕掛けもある手品を「超能力」とか「科学」と詐称したものと同じだ。確かに手品と同様に、犬と訓練士との間で長期間の訓練をとおしてつくられた指示と誘導の体系は、完成された形でわれわれの目の前に現れる時、見破ることは難しい。だが橋本裁判で権力の仕掛けはことごとく見破られた。トリックを暴露していく過程は圧巻だ。
 5者択一の選別で犬に持ってこさせたい布(「対照臭布」)には濃い臭いがつけてあった(濃度コントラスト)。ダミーの「誘惑臭布」は「対照臭布」と比べて台の穴に深く刺してあり小さく見え、抜きにくい。他方、「対照臭布」は浅く刺して犬が持って来やすいようにしてあった。犬は後ろを振り返って「対照臭布」を置く所を見るカンニングをしていた。デッチあげの張本人の竹本訓練士は、犬に体で合図を送っていた。犬は竹本の右手が上がるなどの動きを見て、くわえた布を持ってくるかどうかを決めていたのだ(指図・誘導)。

 冤罪と闘う武器

 本書は、事実を徹底的に争って刑事裁判で勝利した重要な教訓に満ちている。とりわけ臭気選別において、間違いとねつ造が起こる3つの仕組みを暴露し証明したことは特筆すべきだ。濃度コントラスト、指図・誘導、外部臭という3要因を排除しないかぎり、臭気選別には証拠能力はない。大阪高裁が逆転有罪判決をデッチあげるために強行した検証選別は、その思惑とは逆に、臭気選別そのものに証拠能力がないことを見事に示した。実施条件はほとんど検察官の提案どおりだが、濃度コントラスト、指図・誘導、外部臭をぎりぎり排除させ、警察と訓練士による作為を封じ込めた。結果は15回の選別で犬は一度も「対照臭布」をくわえず反応すら示さなかった。
 目を見張る勝利を実現した最大の要因は、権力のデッチあげ弾圧に対して、真向から闘えば必ずその破綻点を暴き出し、打ち破ることができるという確信だった。デッチあげには必ず作為の痕跡が現れる、敵の資料の中にデッチあげのカラクリが必ず存在するという確信をもって臨んだ。そして247回の臭気選別を始めとする膨大な検察側証拠を開示させたことが勝利へのステップを切り開いた。臭気選別が実質的に唯一の証拠となった裁判で、臭気選別のねつ造を被告、弁護側が具体的に暴露、証明した初めての裁判となった。
 証拠の開示は、極反動の裁判官を打倒する大衆運動の力を背景にしてのみ可能となった。100人規模で何波にもわたって闘われた裁判所包囲闘争、集会などの社会的キャンペーン、多彩な人士による「支える会」と署名運動、これが勝利をもたらした力だ。
 大衆運動の力で勝った勝利の全成果はすべての人民に還元されなければならない、橋本裁判の教訓を他のすべてのデッチあげと闘う人びとの武器にして欲しいという問題意識が、本書全体に貫かれている。
 権力が科学的証拠と称して提出するものには、まったく科学的根拠がない。ポリグラフ、血中アルコール濃度、警察犬による臭気選別、筆跡、声紋などになんら科学性が認められないことを、本書は一点の曇りもなく明らかにしている。
 権力のデッチあげによって冤罪に泣く人が出るのを、これ以上許すことはできない。権力のデッチあげと闘うすべての人は、本書を参考にして闘ってほしい。
(笹岡武志)

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週刊『前進』(2053号5面3)

 第3部 植民地支配の歴史(10) 朝鮮@
 武力で開国強要  高圧的な軍事介入繰り返す

 今回から日帝の朝鮮植民地支配の歴史をたどる。侵略と侵略戦争、そして1910年「韓国併合」以降の植民地支配下にあって果敢な抗日闘争を展開した朝鮮人民の闘いを学ぼう。
 明治政府は発足当初から江戸幕府以来の対等な交隣関係としての日朝外交を一方的に破棄、高圧的な態度で新条約の締結を迫った。朝鮮の大院君政権は当然にもこれを拒否し、条約交渉は膠着(こうちゃく)状態に陥った。その中で1873年閔(ミン)氏一族による政権奪取を契機に、明治政府は武力による朝鮮開国の強要に踏み切っていく。

 不平等条約

 1875年9月、計画的な武力挑発である「雲揚号事件」を引き起こした。軍艦雲揚号に朝鮮沿岸を測量させ、江華島(カンフワド)付近で飲料水補給を口実に不法な領海侵入を試み、これに反撃した朝鮮側に艦砲射撃を加え、さらに上陸して損害を与えた。(江華島事件)
 翌76年2月、全権大使黒田清隆は大勢の軍隊を率いて江華府にのりこみ、「日朝修好条規」(江華条約)を締結させた。朝鮮にとって最初の開国条約だったが、釜山など3港の開港と居留地の設置、居留地での治外法権など、欧米諸国が日本に強要したのと同じ不平等条項である。だが、日本商品の輸出に朝鮮側が関税をかける権利を否定した無関税条項や、居留地内での日本貨幣の通用を容認した条項は、日本と欧米間条約をはるかに超える不平等なものであり、日本商人の朝鮮侵略−略奪的貿易に道を開くものとなった。
 こうした朝鮮開国の強要は、日本国内での不平士族の不満や自由民権運動の高まりを排外主義的にそらすと同時に、日本資本主義の原始的蓄積過程における諸矛盾のはけ口を朝鮮に求めるものだった。実際、朝鮮貿易に渡った初期居留地商人の多くは、明治期の急激な産業構造の変動によって没落を強いられた商人や地主・富農・士族の出身であり、彼らは軍事力を背景とした暴力商法によって巨利を得た。さらに、大量の金を半ば略奪する形で日本へ持ち出し、それを基礎として日本の金本位制が確立されていった。
 日本商人は大量の米を買い占め、朝鮮から奪った。当時、朝鮮から日本への輸出の8割が米であった。日本資本主義の勃興は都市プロレタリアートを生み出し、これに伴って日本の食糧事情が急速に悪化したためである。これによってソウルでは米が不足し、米価が2〜3倍にはね上がり朝鮮人民の生活が窮迫した。
 一方、明治政府は「近代的軍隊の創設」を口実に朝鮮の軍制改革に介入し、これが米不足による俸ろく米の遅配などと相まって旧軍兵士の生活をおびやかした。こうした中で朝鮮人民は日本の侵略に対する怒りと、閔氏政権の腐敗に対する憤激を高めていった。

 壬午軍乱

 82年7月、ソウルで下層兵士をリーダーに多数の人民が蜂起した。日本公使館が包囲され、花房義質(よしもと)公使は命からがら朝鮮から逃げ出した。「軍制改革」の指揮をとっていた堀本礼造陸軍少尉が殺された。蜂起した人民は朝鮮王宮を占拠し、対外屈従的な閔氏政権を打倒した。再び大院君が政権を握った。これを「壬午(イムオ)軍乱」と呼ぶ。開国後初の朝鮮人民による反侵略・反封建の闘いである。
 清国は直ちに軍隊を派遣しソウルを占領して反乱軍を鎮圧した。そして大院君を拉致し清国に護送し、再び閔氏政権を復活させた。これに対して明治政府は、山県有朋を筆頭に強硬な軍事介入策を図った。軍事的威嚇をもって済物浦(チェムルポ)条約を強要し、閔氏政権に謝罪させ賠償金を取るだけでなく、清国と同様に朝鮮への軍隊常駐を認めさせたのだ。
 壬午軍乱の過程で清国は朝鮮への宗主権を強めていく。日本は清国と朝鮮の宗属関係を断ち切り、日本単独の朝鮮支配を狙って、清国との戦争をにらんだ大軍拡を開始し、さらに、開化派の金玉均(キムオッキュン)らが「明治維新」をモデルとした国内改革を構想していたことにつけ込み、福沢諭吉や後藤象二郎、井上馨外務卿らが彼らを取り込んで親日政権樹立を企てる。84年12月4日、甲申(カプシン)政変である。

 甲申政変

 ソウル郵便局の落成式に乗じて日本軍と金玉均らはクーデターに及んだ。閔氏一族を次々と殺害し、いったんは新政権樹立を宣言した。しかし、清国軍が介入するや否や、軍事的に圧倒的劣勢であった日本軍は直ちに退却した。クーデターは完全に失敗した。新政権は3日間で崩壊し、再度閔氏政権が復活した。日本の内政干渉に怒った朝鮮人民は公使館を焼き打ちし、金玉均らはかろうじて日本に脱出したのだ。
 この甲申政変の後、日朝交渉と日清交渉が行われた。前者では、日本は朝鮮側の謝罪、日本人死者への補償、焼失した日本公使館と兵営の建て直し、反日暴徒の処罰という韓城条約を押しつけた。自らクーデターに加担しながら朝鮮に謝罪を強要するという破廉恥きわまる侵略条約である。後者では、ソウルからの両国軍隊の撤兵を決めたが、将来朝鮮に重大な変乱が起こった場合、事前通告によって日清両国の出兵を認めるという天津条約が交わされた。後の甲午農民戦争の際、日本はこの条約を根拠に武力介入していく。
 84年6月にはインドチャイナをめぐって清仏戦争が始まり、翌85年にはアフガニスタンをめぐるイギリス・ロシアの緊張激化とイギリスによる朝鮮・巨文島の占領事件、さらにロシアが朝鮮支配を狙って動き出すなど、アジア分割支配をめぐる帝国主義の侵略・侵略戦争が一挙に激化する。
 この中で、明治政府は国内的には自由民権運動をたたきつぶし、天皇制支配体制の確立を図るとともに、外に向かって朝鮮、台湾、中国への帝国主義的膨張政策の推進に突き進む。
 85年3月、福沢諭吉は『脱亜論』を著し、「我が国は隣国の開明を待って、共にアジアを興すの猶予」がもはやないとして、日本は「西洋の文明国と進退を共にし」、中国、朝鮮に対しては「西洋人が之に接するの風に従て処分するのみ」と結論づけた。まさに日本は欧米列強とともに帝国主義への道を歩み、朝鮮・中国侵略戦争に突き進むべきだと進言したのである。(五十嵐茂生)

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週刊『前進』(2053号6面1)

保安処分新法を廃案に 「精神病者」の抹殺を許すな 5〜6月国会闘争に立とう
 関西「障害者」解放委員会 吉村隆生

 小泉政権は、今国会において「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」という名の保安処分新法の成立を狙っている。われわれは、この法案が文字どおりの保安処分法であり、「精神病者」を社会から抹殺するものであり、国家にはむかう者、労働運動・社会運動活動家などの政治的確信者を「反社会性人格障害者」と規定して保安処分施設に収容するための法律であることを強く弾劾し、廃案に追い込む闘いへの全人民の総決起を訴えたい。

 有事立法と一体の戦時型の治安弾圧

 この法案は有事立法と一体のものだ。戦時体制下で、「病者」、政治的確信者が社会に存在することを容認できないとするものだ。また、この新法は「病者」を人間外の存在として差別抹殺するという攻撃であり、それを労働者人民に承認させることをとおして、労働者人民を再びアジア・中東の人民に銃を向ける存在へと落とし込めることが狙われている。
 「心神喪失者、心神耗弱(こうじゃく)者のような、社会にとって危険な『病者』には人権は必要ない」という差別キャンペーンへの労働者人民の屈服を引き出すための攻撃が開始されている。「心神喪失者等」という名前の法案にすることによって、労働者と「病者」を分断し、さらに「病者」の中を「心神喪失者等」とその他の「病者」に分断することを狙った悪らつな法案なのだ。この新法の審議過程自体が、労働者人民の「病者」差別への屈服と加担を引き出し、階級性を解体することを狙った一大思想攻撃なのだ。もしも、これは「心神喪失者等」に対するものだとして労働者人民が容認するならば、その攻撃は労働者人民に襲いかかってくる。
 新法が施行されるとどうなるのか。まず「犯罪を犯した」とされた「病者」には一切の人権は保障されず予防拘禁と不定期刑が科される。ことさらに「病者」と犯罪を結びつけることによって、「病者」は犯罪素因を持つ者として差別攻撃が一段と激化し、通院強制か隔離・収容が行われる。収容される先は普通の精神病院ではなく、特別の保安処分施設である。当面、来年度に2つの国立病院に設置され、向こう10年内に全国30カ所、800床の保安処分施設がつくられるといわれている。そこで行われることは病気の治療ではない。治療なら精神病院でいいのに特別な施設をつくるとされているからだ。
 具体的にはどうなるか。まず、地域で暮らしている「病者」は警察によってリストアップされる。それは「精神障害者」手帳制度等によって容易になっている。権力は「社会にとって危険な病者」とみなす者をその中からさらにリストアップし、ブラックリストに載せる。「安全」とみなした「病者」に対しては御用団体を育成してそこに組織しようとしている。何か事件があると、誰でもいい、地域で暮らす「危険」とみなされた「病者」がいけにえとして逮捕される。その「病者」が実際にその犯罪を犯しているかどうかは関係ない。なぜならば新法のもとでは犯罪事実の立証は必要ないからだ。そして、検察は「再犯のおそれがある」と主張する。裁判官は精神科医と合議でそれを採用して、その「病者」を保安処分施設に送る。
 「再犯のおそれ」というのは、日本精神神経学会が言っているように医学的に診断できないものであり立証不可能であるから、そもそも立証はいらないことになる。立証なしに裁判官が「おそれあり」とするだけでこと足りるのだ。そしてその「病者」は上訴することもできず、一生を保安処分施設に収容される。あるいは、5年間を期限とした強制通院処分となるが、これはいつでも強制収容に切り替えることができるとされている。そして政府が排除・抹殺したい、「危険」とみなした「病者」を次々と地域から隔離して保安処分施設へ収容し、「社会の保安」を守るというのが政府の狙いである。

 「反社会的」な人物を隔離・収容対象に

 「反社会的人格障害」というのは次のアメリカの診断学の基準によって診断するとされている。
「A、他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以来起こっており、以下のうちの3つ(またはそれ以上)によって示される。(1)法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為をくり返し行うことで示される。(2)人をだます傾向。これは自分の利益や快楽のためにうそをつくこと、偽名を使うこと、または人をだますことをくり返すことによって示される。(3)衝動性または、将来の計画をたてられないこと。(4)易怒性および攻撃性。これは身体的なけんかまたは暴力をくり返すことによって示される。(5)自分または他人の安全を考えない向こう見ずさ。(6)一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということをくり返すことによって示される。(7)良心の呵責(かしゃく)の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人のものを盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることによって示される」
 「B、18歳以上であること」
 「C、15歳以前行為障害(非行歴)があること」
 「D、反社会的な行為が起きるのは、精神分裂病や躁病エピソードの経過中のみではないこと」
 そもそも「反社会性人格障害」というのは、「精神病」概念には含まれない政治的確信者を保安処分の対象に含めるために作られた概念なのであるから、「診断基準」が適正かどうかなどは問題にならない。アメリカの基準に該当しようとしていなかろうと、精神科医が好き勝手に「人格障害」と決めつけることが可能なのだ。そしてそういう診断を下す保安処分推進派の精神科医を政府が見いだすことはきわめて簡単だ。この保安処分を下すための審判をする精神科医は厚生労働大臣がリストを作ることになっており、反動的医師を指名することはいくらでも可能なのだ。
 新法で問題なのは「再犯のおそれ」があるかどうかであり、革命勝利までは本質的に違法状態にある革命党の党員であれば誰でも該当する。労働運動・社会運動活動家においても同様である。かつてソ連スターリン主義下で行われていたように、「反体制という思想を持つことは精神に異常があるからだ」という規定をもって保安処分施設に収容するのが狙いなのだ。
 権力は、「心神喪失者等」という名前の法案にしており、「心神喪失」「心神耗弱」がなければ同法の対象外かのように偽装しているが、実際には、後に見るように「再犯のおそれ」と言えば良い条文になっており、「心神喪失等」を証明する必要はない。

 犯罪事実の立証は必要とされない

 <実際に犯罪を犯しているかどうかは関係ない>とはどういうことか。
 法案33条「検察官は、被疑者が対象行為を行ったこと及び心神喪失者若しくは心神耗弱者であることを認めて公訴を提起しない処分をしたとき、又は第2条第3項第2号に規定する確定裁判があったときは、当該処分をされ、又は当該確定裁判を受けた対象者について、継続的な医療を行わなくても心神喪失又は心神耗弱の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれが明らかにないと認める場合を除き、地方裁判所に対し、第42条第1項の決定をすることを申し立てなければならない」とある。
 しかし、対象行為を行ったかどうかは、第一義的には検察官が決めるわけで、「犯罪を犯しているかどうかは刑事裁判で決める」という近代刑事法の原則を大きく破壊するものだ。
 41条は、「裁判所は…必要があると認めるときは、検察官及び付添人の意見を聴いて、前条第1項第1号の事由に該当するか否か(対象行為の存否)についての審理及び裁判を別の合議体による裁判所で行う旨の決定をすることができる」となっている。裁判所が必要があると認めなければ、「犯罪を犯したかどうか」について刑事裁判のような手続きで決めることはないということだ。
 したがって、<実際に犯罪を犯しているかどうかは関係ない>というふうに条文を運用することができるのだ。犯罪を犯したかどうか、刑罰を加えるかどうかは、刑事裁判の手続きを経なければ認定することはできないというのが、憲法上の大原則だった。ところが、この法律では、「犯罪を犯した者」に対する「処遇」は、「刑事裁判」を経ないで決定される。
●「再犯のおそれ」決めつけ
 42条「裁判所は、第33条第1項の申立てがあった場合は、第37条第1項に規定する鑑定を基礎とし、かつ、同条第3項に規定する意見及び対象者の生活環境を考慮し、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める決定をしなければならない。
 1 入院をさせて医療を行わなければ心神喪失又は心神耗弱の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合 医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定
 2 前号の場合を除き、継続的な医療を行わなければ心神喪失又は心神耗弱の状態の原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれがあると認める場合 入院によらない医療を受けさせる旨の決定
 3 前2号の場合に当たらないとき この法律による医療を行わない旨の決定」
 裁判所は、「心神喪失」あるいは「心神耗弱」かどうかを認定するのではない。「心神喪失の…原因となった精神障害のために再び対象行為を行うおそれ」があるかどうかを判断するのだ。つまり、証明の対象は、「心神喪失」「心神耗弱」ではなく、「再犯のおそれ」なのだ。「再犯のおそれ」など、そもそも証明不可能なのだから、言葉を変えれば、何も証明しなくて良いということなのだ。裁判所が「おそれ」と言えば、それで、「証明終わり」なのだ。
●無期限の収容
 保安処分施設に収容されたものは「再犯のおそれ」のなくなるまで収容されるとされている。これは本質的に無期限の収容ということである。なぜならば、「再犯のおそれ」が証明不可能であるのだから、その「おそれ」がなくなるということも証明不可能なのである。収容されている者が退院の許可を求めても、裁判所は「再犯のおそれ」を根拠にそれを却下できる。煮て食おうが焼いて食おうが権力の思うがままということだ。
●上訴の権利も奪う
 この法案は、憲法76条に禁じられている特別法廷をつくることを意味する。また、3審制を破壊し、本質的に上訴できない構造になっている。審理の結果として不当な処分が出た場合、その「病者」、政治的確信者等が上訴することができるのは、「法令違反、重大な事実誤認、著しい不当な決定」の場合に限られ、刑事裁判に比して著しい制限がある。これは「事実誤認だが重大ではない」「不当な処分だが著しくはない」と、上級審が門前払いすることを可能にするものだ。また、精神科医はこの裁判所にしか置かれず、高裁にはいない。それは高裁では審理しないことが前提だからである。総じて、強制収容が目的であり、まっとうな裁判を受ける権利などはそもそも問題外なのだ。
 「心神喪失者等医療観察法案」を粉砕しよう。5〜6月国会闘争にすべての「病者」、労働者人民は総決起しよう。有事立法粉砕闘争と一体で、保安処分新法を廃案に追い込もう。

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週刊『前進』(2053号6面2)

廃案訴え国会行動 阻止共を先頭に40人

 4月25日「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議(阻止共)は3月18日に国会上程された保安処分新法である「心神喪失等医療観察法案」の反対・廃案を訴えて、40人で国会前の座り込みと衆参法務・厚生労働委員の議員回りを行った。
 午前10時、衆議院第2議員会館前で「病者」先頭に座り込みが始まる。「保安処分反対! 医療観察法案の廃案をかちとるぞ!」とシュプレヒコールがたたきつけられた。次に議員回りの部隊が送り出された。「精神医療に司法が関与し『再犯のおそれ』を根拠に長期保安施設拘禁をたくらむ新法を何としてもやめさせたい」、誰もが固い決意だ。足立・江東・練馬・八王子などから患者団体が決意を語る。保安処分粉砕を闘う全都労働者実行委員会、有事立法反対を闘う百万人署名推進三多摩連絡会、婦人民主クラブ全国協、関東「障害者」解放委員会もアピール。
 さらに「ホームレス自立支援法」による公園・路上からの排除に反対して国会前で座り込む釜が崎の実行委員会も飛び込みでアピールした。また精神科医は60年安保当時、反対デモで国会前を埋め尽くした思い出を語り、保安処分反対への熱い想いを語った。ある「病者」は「30年ぶりに電車に乗ることができた」と語り、法案反対に向けた固い決意をにじませた。
 議員回りの部隊が戻り、政府与党案に屈服的な議員状況が伝えられた。「まだまだこれからだ。国会で簡単に決めさせない。人生をかけて反対を貫こう!」と司会の「病者」はまとめの檄(げき)を発し午後3時までの行動を終えた。

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週刊『前進』(2053号6面3)

4・29泉佐野市政報告会 国賀市議の5選必勝へ 闘う住民200人が結集

 4月29日、泉佐野・泉の森ホールで、国賀祥司と語ろう会主催の「講演と市政報告の集い」が開催され200人の住民が結集した。5月市議選必勝に向けた住民総決起集会である。
 集会冒頭、語ろう会会長が「市議選も最後の追い込みに入った。国賀さんを絶対に議会に送ろう」と訴えた。続いて、来賓の淡路町空港反対同盟代表・永井満さん、スタンダードヴァキューム石油自主労組委員長・入江史郎さん、全日建運輸連帯労組関生支部葵分会の労働者、介護保険に異議あり全国ネットワーク代表・水上信也さんから、ともに闘う決意をこめて熱い激励の言葉が送られた。
 講演に立った那覇市議会議員・島田正博さんは、安保50年、銃剣とブルドーザーで襲いかかって軍事基地をつくり人民を苦しめてきた沖縄の歴史と現実こそ有事立法の正体だと怒りをこめて暴露した。そして、「民衆が本当に決起したとき権力はもろく崩れる。国賀さんの5選勝利こそ、この国を変える闘いだ」と、連帯と友情あふれる講演をしめくくった。
 満場の拍手を受けて国賀議員が登壇し、5期目の挑戦に向かって、第一に、新空港の建設が地元住民の生活をいかに破壊し続けてきたかを暴露し、空港優先市政を徹底的に批判した。第二に、小泉政権の戦争政治、特に有事立法を絶対に阻止する決意を明らかにした。最後に「市民のみなさんが直接発言し、行動することが政治を変える基礎です。一緒に政治を変えていこう」と呼びかけた。参加した住民は「自分たちこそ政治の主人公なのだ」という熱い共感を持って大きな拍手でこたえた。
 集会は住民の発言に移り、熱気は最高潮に達した。次々と登壇した住民から「病院のこと、仕事のこと、福祉のこと、国賀さんはなくてはならない人」「ひどい労働条件に泣き寝入りせず、関西合同労組に入って国賀さんと一緒に闘っている」「有事立法は戦争の準備。国賀さんの『関空は軍事空港』がそのとおりになってきた。絶対当選を」「国賀市議の奮闘で市営住宅建て替えの予算がおりた。今回は激戦。一人ひとりの力で国賀さんを議会へ」「知っている人全部に『今度も絶対国賀さん』と言って回っている」とそれぞれ自分の力と行動で当選をかちとる確信に満ちた決意が述べられた。最後に、語ろう会副会長が「今回は非常に厳しい選挙。国賀議員に活躍してもらうためにはさらに1票1票を」と全参加者の決起を訴えてしめくくった。
 4月21日の事務所開きと、この決起集会の成功で国賀陣営の進撃が始まった。毎日10人を超える住民が事務所運営を行い、住民が宣伝カーのマイクを持って有事立法反対を訴え、支持拡大活動に全力投球をしている。国賀議員は昨年来地域で網の目のように懇談会を開き、住民の声と要求に結びつくことに全力をあげてきた。そして住民の人々は、自分たちの切実な要求を持って国賀議員と直接話し合い、一緒に行動し、要求を実現することで、自ら政治をとり戻す自信を深めていったのだ。
 住民が地域で国賀支持を呼びかけることは、ストレートに日共や公明党、保守勢力との党派闘争となる。住民大衆がこうした激しい活動を、自らの主体的決断とあふれる自信を持って大々的に展開し始めたのである。この泉佐野の労働者人民の闘いと固く連帯し、5・19市議選の絶対勝利をめざして闘い抜こう。

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週刊『前進』(2053号6面4)

 東京地裁 “私を即時釈放しろ” 水嶋同志が怒りの陳述

 4月25日、東京地裁刑事第1部(川口宰護裁判長)で、無実の水嶋秀樹同志の第6回公判が行われた。
 3月の前回公判で、88年9・21千葉県収用委員会会長せん滅戦闘の責任者(A)としてデッチあげられた水嶋同志の無実は、完全に明らかになった。水嶋同志デッチあげの根拠は、裏切り転向分子・正井利明が、水嶋同志の写真をAであると選別したとされることにあった。
 その正井が前回の法廷で、水嶋同志を間近で直接見て、「水嶋さんはAさんではない」「水嶋さんには会ったことがない」と証言したのだ。これをもって、検察・警察のデッチあげは音をたてて崩壊した。
 大打撃をうけた検察官は新たなデッチあげのためのあがきを開始した。立証方針を二転三転させたあげく9・21戦闘とはまったく関係のない場所で、そこには存在もしていない水嶋同志を見たというデッチあげのために、現職の公安刑事を証人申請したのだ。これはもはや、裁判でななんでもない。何がなんでも水嶋同志へのデッチあげを維持し、長期勾留を強制することだけが目的なのである。
 法廷で水嶋同志は、「私は無実だ。正井は、私がAではないことをきっぱり証言した。私の無実は一点のくもりもなく明らかになった。私を直ちに釈放しろ。検事はデッチあげの上塗りをやめろ」と確信をもって陳述した。弁護団は「正井証言によって、検事の立証構造は崩壊した。これ以外に水嶋被告人がAであることを証明する証拠も方法もない。直ちに公訴棄却しろ」と要求した。
 とことん追いつめられた検事は、下を向いて、ボソボソと原稿を棒読みするだけであった。
 ところが川口裁判長はその検事を救済し、「新たな証人調べの必要性を書面で出すように」と通告して裁判を終えた。
 水嶋裁判は、新たな決戦局面を迎えた。次回の裁判闘争に総結集し、水嶋同志の無罪、早期奪還をかちとろう。

 公判日程
☆迎賓館・横田裁判
須賀・十亀・板垣同志裁判
5月29日(水)午前10時
6月24日(月)午前10時
福嶋同志裁判
6月4日(火)午後1時15分
6月18日(火)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
5月29日(水)午後1時30分
※いずれも東京地裁

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