ZENSHIN 2002/01/28(No2038 p06)

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週刊『前進』(2038号1面1)

 闘争団と共に国労解体策動粉砕へ

 新たな国際階級闘争の時代に帝国主義打倒する労働運動を

 革共同中央労働者組織委員会

 第1章 民族解放闘争と連帯し 国際反戦闘争を闘おう

 2002年、帝国主義の危機が全面的に爆発し、世界戦争と29年型世界大恐慌の過程が開始される中、それを世界革命へと転化すべき国際階級闘争の新たな激化の時代が幕を開けた。
 国際階級闘争は、9・11反米ゲリラ戦争によって新たな世界史的転換を開始した。9・11は、帝国主義の最も残虐、過酷な侵略・支配・抑圧に対して激烈に闘ってきたパレスチナを始めとするイスラム諸国人民の根源的怒りに発した、民族解放闘争の特殊的・極限的形態であった。「テロ根絶」を叫ぶ米帝(諸帝国主義)の言語を絶する侵略戦争と立ち向かうアフガニスタン・イスラム諸国人民の壮絶な闘い、戦後史を貫くパレスチナ人民の不屈の闘いを、帝国主義国の労働者階級は真っ向から受け止めようではないか。
 9・11は、帝国主義国人民、とりわけ現代の共産主義者への激しい糾弾であり、決起の呼びかけである。革共同は、この闘いに全存在をかけて向き合い、階級的自己批判を貫き、帝国主義打倒・プロレタリア世界革命への総決起をかちとらなければならない。革共同と帝国主義国の労働者人民の責務は、闘う被抑圧民族人民、闘うイスラム諸国人民(パレスチナ・中東・ムスリム人民)と固く連帯し、帝国主義の侵略、殺戮(さつりく)、圧政を打ち破り、国際的内乱の壮大な爆発を実現することにある。
 革共同は、「帝国主義を打倒する労働運動」を打ち立てるために、今こそ「労働者階級の党」への根底的自己変革をかちとり、強烈な革命的実践を開始しなければならない。労働者階級の一斉蜂起を実現する観点から、階級の壮大な組織化へと勇躍前進しよう。
 「帝国主義を打倒する労働運動」とは何か。
 第一に、帝国主義への根源的怒りを団結の核心に据え、連合、全労連、JR総連ら労働代官どもの帝国主義的労働運動やファシスト労働運動などの裏切りと敵対を粉砕するとともに、彼らを先兵としてあおり立てられている排外主義、差別主義、国益主義、企業主義を打ち破ることである。
 第二に、7・7自己批判の立場を新たに根底に貫き、民族解放闘争と革命的に統一されたプロレタリア自己解放闘争を全面的に発展させることである。
 第三に、階級的労働運動の防衛と発展をかちとり、それと一体のものとしてプロレタリア国際主義を貫く国際的反戦闘争を強力に推進することである。
 第四に、帝国主義を打倒する以外に、労働組合の存立を守り、労働者が生きぬくことはできない現実を真正面から見据え、根源的怒りの中から立ち上がることである。
 29年型世界大恐慌過程への現実的突入と帝国主義間争闘戦の激化、9・11ゲリラ戦の爆発と米帝の10・7アフガニスタン侵略戦争への突入という後戻りのできない情勢の中で、歴史的な資本攻勢のあらしが全世界で吹き荒れている。
 こうしたむき出しの戦争と大失業の攻撃、超反動的な資本攻勢は、国際反戦闘争の爆発とともに労働者階級の必死の反撃を必ず生み出すものとなる。
 すでに、全世界の闘う労働者の反撃が、アメリカ、ヨーロッパ、朝鮮、中国、アジア、中南米、ロシアなどにおいて新たに開始されている。労働運動・労働組合運動の防衛と再生への巨大なうねりは、世界的規模で台頭しつつある。21世紀革命の展望を根底から切り開く力が、ここにある。

 第2章 労働者の階級的団結で国鉄決戦勝利を開こう

 こうした国際階級闘争の新たな段階への突入の中で、国鉄闘争は国労史上最大最高の決戦局面に突入した。その世界史的意義はますます明らかになっている。国鉄闘争の意義はきわめて大きなものなのだ。
 そもそも国鉄分割・民営化攻撃とは、80年代の米帝レーガン、英帝サッチャーによる世界大的な階級圧殺攻撃と相並んで、日帝・中曽根の「戦後政治の総決算」攻撃=臨調・行革攻撃として強行された。世界規模で強行されたそれらの攻撃は、帝国主義の戦後成長が完全に行き詰まり、帝国主義間争闘戦が激化する中で、労働運動の歴史的獲得物と地平を反革命的に転覆することによって資本収益を増大させ、争闘戦に勝ちぬくことを目的としてかけられたものであり、労働組合運動への徹底した組織破壊だった。
 日帝・中曽根は「国労をつぶせば総評・戦後労働運動は解体できる」として国鉄分割・民営化攻撃を強行した。国労・動労千葉解体攻撃は苛烈(かれつ)をきわめ、その先兵に動労カクマルが動員された。まさに、国鉄分割・民営化はファシスト暴力を手段として強行されたのだ。
 だが、このすさまじい反革命攻撃との一大階級決戦をとおして、国労・動労千葉の団結と闘いは守りぬかれた。いや逆に、国際労働運動史上においても類例のない、1047人の解雇撤回闘争という偉大な歴史的創造物を生み出したのだ。その結果、連合という帝国主義的労働運動は、致命的脆弱(ぜいじゃく)性を突きつけられた。階級的労働運動は不屈に生き残ったのである。
 今やこの闘争団・1047人闘争は、階級的労働運動の新たな潮流の形成をめざして奮闘する全日建運輸連帯関生支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合の闘いとの結合を深め、国鉄分割・民営化型のリストラ・首切り攻撃と闘う全産別の労働者、100万国鉄闘争支援陣形とのより一層の連帯を強めている。
 さらに国鉄決戦は、JR総連(カクマルJR総連派)のファシスト労働運動を打ち破り、階級的労働運動の再生をつくり出すためのテコとなっている。JR総連のファシスト労働運動を最先兵とする連合による労働者支配の破綻(はたん)点がこうして生み出され、帝国主義的労働運動こそが日帝の最弱の環をなしているという現実を敵に突きつけている。
 世界史にさん然と輝く国鉄闘争の発展は、新たな段階に突入した国際階級闘争の重大なエレメントをなしているのである。
 帝国主義の危機が全面的に爆発する時代において、国鉄決戦を放置したままで日帝の延命など絶対にありえない。だから日帝は、今度こそ国鉄闘争−国労・動労千葉の絶滅攻撃に体制的死重をかけてのめり込んでいるのである。
 ついに分割・民営化以来、いやそれをもはるかに超える階級決戦が到来した。それは、以下のような大反動攻撃との死闘戦として、現に今、激しく展開されている。
 第一に、昨年の新井・今井一派による国労脱退と分裂組織のデッチあげは、国労解体の歴史的大攻撃の一環である。
 チャレンジ=帝国主義的労働運動派は、その脆弱性を全面的に露呈させつつ国労から脱走した新井・今井一派と、今なお国労本部に居座る残存チャレンジとの分裂・瓦解(がかい)を進行させながら、国労解体へその反動化をとことんまで深めている。
 チャレンジは、分裂組織結成にあたって、「経済活動の現実からスタートする労働組合主義(利益の配分を、一に株主配当、二に設備投資、三に内部留保、四に社員の賃金・労働条件の優先順位とする)に徹するJR労働組合の再編が求められている」と、連合をはるかに超えたむき出しの帝国主義的イデオロギーを絶叫している。
 第二に、大阪・岡山採用差別事件の東京高裁反動判決に屈した国労本部の上告放棄は、「裁判取り下げ」によって国鉄闘争の精華である闘争団・1047人闘争をたたきつぶす超反動攻撃そのものである。
 国労本部は、権力・資本が迫っている「裁判取り下げ」に応じ、4党合意の完全受諾で゛どんなゼロ回答も丸のみする″という全面降伏を表明した。彼らは、5・28反動判決に最終的に屈服し、闘う闘争団への統制処分という恐るべき暴挙に突き進もうとしている。この理不尽で不正義きわまる「裁判取り下げ」策動は、国労内の怒りと分岐・激突をかつてない形で引き起こしつつある。
 国鉄決戦の激烈な発展は、分裂・脱退による帝国主義的労働運動勢力の分解・崩壊と完全な転向を推し進めるとともに、日本共産党・革同のスターリン主義労働運動をも襲い、その亀裂と瓦解を徹底的に促進している。
 第三に、これらの攻撃に勝るとも劣らないすさまじい国労・動労千葉破壊攻撃としてあるのが、ニューフロンティア21によるメンテナンス合理化・外注化だ。それは、分割・民営化をくぐり抜けて生き残った国労・動労千葉を今度こそ根絶しようとする極限的な組織破壊攻撃である。まさにそれは、JR職場を一変させる第2の分割・民営化攻撃そのものなのだ。
 この攻撃の軸心は、国労・動労千葉の活動家に対する選別的な強制出向を柱とした、大規模な不当労働行為にある。さらに、子会社・関連会社への強制配転によって組合を分断・破壊しつつ、転籍・不安定雇用化・首切りを強要するという、日経連路線の最先端をなす攻撃でもある。
 これらの攻撃はすべて、4党合意の反革命的核心を激しく押し貫こうとするものだ。階級的労働運動の砦(とりで)として闘われてきた国鉄闘争の激しさのゆえにこそ、4党合意は国労組合員とは絶対に非和解なのである。4党合意にしがみつき、それをもって国労を自ら解体へ追い込もうとしている国労本部を、今こそ打ち倒さなければならない。国労の階級的再生はそこから始まるのだ。
 今日、小泉反革命とそれを背景とする連合、全労連、JR総連などの反動的純化によって、労働運動の現実は確かに恐るべき危機にある。国労本部、残存チャレンジ、東京地本・酒田一派、反動革同の変質・転向は、その中で激しく進行している。
 だが、いかなる反動や困難があろうとも、国鉄決戦の非和解的激突の中からこそ、国労の根底に脈打つ階級的怒りと根源的決起は必ず引き出されるのである。00年7・1臨大以来の、闘争団と家族、国労組合員、支援の総決起を見よ。
 今日、国鉄闘争を襲う大反動は、それぞれが大変な激しさを持ち、一見してこれと闘うには大きな困難と力の差が存在するかのように見えるかもしれない。だが、いずれの攻撃も国労・動労千葉の解体という目的において完全に一体のものである。だからこそ、その一点に向けて階級的団結の力をたたきつけるならば、攻撃は必ず破綻し、国労の再生は必ず成し遂げられる。さらに、その闘いはカクマルJR総連派および中央派のファシスト労働運動との決戦的激突を必ず引き寄せる。JR総連打倒・ファシスト打倒の大道は、こうして切り開かれるのだ。
 今こそ、国鉄労働者は自らの階級的団結に徹底的に依拠し、その力を全面的に解き放とう。4党合意破棄、1047人の解雇撤回・原地原職奪還、第2の分割・民営化攻撃粉砕、裏切りを深める本部打倒の旗印を鮮明にし、闘争団・1047人と国鉄労働者を先頭とする全労働者の階級的団結を打ち固め、不退転の決意で立ち上がるならば、勝利の道は必ず開かれる。
 2月3日の国労中央委員会は、当面する最大の激突点だ。国際階級闘争の帰趨(きすう)をも決する大決戦として、直ちに総力の決起を開始しよう。

 第3章 連合・全労連中央打倒し 02春闘の爆発かちとれ

 国鉄決戦を最先端に、02春闘はまさに一大階級決戦となった。
 日帝・小泉は、1月4日の年頭記者会見で「金融危機を起こさないためにあらゆる手段を講じる」とした上で、「不良債権処理を進めていけば、今の時代に対応できない企業の倒産もありうる」と、あらためて大失業攻撃を宣言した。
 今日、日帝経済危機は絶望的に激化している。昨年の倒産件数は約2万件に達し、11月はついに失業率5・5%となった。日帝は、矛盾の一切を労働者に転嫁しようとしている。
 こうした情勢のもとで「02年日経連労問研報告」が打ち出された。
 今年の労問研報告は、表題に「構造改革の推進によって危機の打開を」とうたっている。29年型世界大恐慌過程と世界戦争が現実的に開始された情勢下で、日経連=日帝ブルジョアジーの激しい危機感と恐怖をむき出しにして、春闘破壊を「内への階級戦争」宣言として発したものである。
 今年の日経連報告の特徴は、第一に「高コスト体質の是正と雇用の維持・創出」を掲げて、あからさまな賃下げ攻撃に歴史的に踏み出したことである。
 日経連は、「これ以上の賃上げは論外」と言いなして、「ベア見送り」だけでなく「定昇の凍結・見直し」をも強行しようとしている。「雇用の維持・確保」と「総額人件費の抑制」を唱えつつ、「ベアゼロ」「定昇凍結」を押し貫き、ベアも定昇もない圧倒的多数の民間中小の労働者はもとより、大企業の労働者にもあからさまな賃下げを強いようとしているのだ。これは、激しい転換的な踏み切りだ。
 第二に、「構造改革なくして雇用創出なし」「企業を存続するために、一定の整理解雇なども必要になってくる」(日経連臨時総会での奥田会長あいさつ)と、賃下げのみならず首切り・リストラ=整理解雇をも公然と宣言した。
 総額人件費削減とともに押し出された「雇用維持・創出」とは、実際には、資本の存続のために首切り・不安定雇用化をどしどし進めるということだ。
 奥田は、「かつて国鉄改革を成功に導いたのは、6万人を超える大規模な人員削減を行うにあたり、政府が『誰一人路頭に迷わせない』という決意を示したことである」と強弁している。この奥田の発言こそ、資本の悪らつな意図を自己暴露している。分割・民営化とは、「国鉄改革」=国家・資本の延命のために一大首切りが行われた最も典型的な例ではないか。しかも日帝は、恥知らずにも「雇用は維持する」とうそぶきながらそれを強行したのである。
 第三に、賃下げと首切り・不安定雇用化を同時に強行するために、「緊急避難措置」と称して「ワークシェリング」を資本攻勢の決定的武器として打ち出したことである。
 そもそも日経連は、「労働時間の縮減に応じて賃金を削減する」という「柔軟なワークシェアリング」なるものを唱えていたが(それ自体とんでもない内容だ!)、今回、奥田会長は「(ワークシェアリングは)必ずしも労働時間の短縮をともなっているわけではない」と言い放ち、「雇用維持」などとはまったく関係のない、賃金の一方的な大幅削減までもが「ワークシェアリング」だとしているのだ。
 それは、賃下げも、首切り・不安定雇用化も、「労使合意」があればすべて「ワークシェアリング」になる、ということだ。あのNTTの11万人大リストラ攻撃でさえ、「ワークシェアリング」なのだ。
 しかも、それを「社会合意」と称して連合とともに推進するやり方は、゛資本主義を守り、企業や国益を守るためには、どんな賃下げや首切りも許される゜というすさまじいイデオロギー攻撃なのである。
 第四に、労働組合や労働運動を治安問題の対象とし、国家権力による直接的な労働組合破壊を日経連自身の路線として打ち出したことである。
 労問研報告は、゛若年層の雇用悪化などは治安の悪化となる。警察官を増員せよ゜と、国家権力による労働運動・労働組合の鎮圧を叫んでいる。ここには、大失業と戦争の時代が労働者、特に青年労働者の反乱と階級的労働運動の新たな爆発を不可避とすることへの帝国主義ブルジョアジーのすさまじい恐怖がある。
 さらに、そこには帝国主義的労働運動としての連合が日帝の最弱の環となる中で、春闘解体攻撃がかえって連合の枠をこえたみずみずしい戦闘的労働運動の登場を促すことへの、日帝の身構えがあるということだ。日経連は、こうした労働運動の登場を、国家権力によるむき出しの治安弾圧でたたきつぶすことを狙っているのだ。まさに、昨年1・27国労大会への機動隊導入に典型的に示される、労働組合への暗黒支配の宣言にほかならない。
 第五に、連合による労働者支配の危機が露呈しているからこそ、「労使は社会の安定帯」論をこれまで以上に押し出してきている。連合を先兵として賃下げ・首切りを徹底的に遂行しようというのである。
 日経連の言う「労使は社会の安定帯」とは、首切りも賃下げも全面的に容認する「労使関係」をつくるということだ。そのために日経連と連合の「『雇用に関する社会合意』推進宣言」を押し出し、ワークシェアリングを強調しているのだ。
 だがそれは、労働者階級と資本がその根底において非和解的対決をかつてなく深めていることを示している。首切りも賃下げも容認・推進する「労使関係」なしには階級支配がなりたたないほど、帝国主義は深刻な危機にたたき込まれているということだ。
 連合が、賃上げ闘争や解雇撤回闘争という労働組合の生命線を売り渡すまでのすさまじい裏切りに立ち至った以上、連合を打倒しなければ労働組合の存在は守りえない。
 闘う労働組合は、大幅賃上げ要求を掲げ、吹き荒れる首切り・リストラ攻撃と全力で対決し、連合指導部打倒へと総決起しなければならない。

 第4章 国益主義・排外主義叫ぶJR総連の解体・一掃へ

 今次労問研報告の階級的性格を見た時、こうした資本攻勢と連合の裏切りを引き寄せたのは、カクマルJR総連派のファシスト労働運動、その「第4次労使共同宣言」であったことは明白となる。
 そもそもJR総連松崎は、国鉄分割・民営化に際して20万人もの首切りを率先推進し、ワークシェアリングをいち早くわめき立て、賃下げを促進させた大罪を負っている。そして、ついに第4次労使共同宣言をもって、日経連路線の最先端を行くJR東日本のニューフロンティア21の極悪の先兵になったのである。
 第4次労使共同宣言は、「新たな企業経営の創造」「新たな企業文化の醸成」「いかなる外部干渉も排した自主自立した経営の堅持」「企業内労働組合主義の更なる徹底」を叫び、「一段と質の高い労使関係の構築を」と結論づけている。これは、徹底した企業防衛主義に労働組合自らが立ち、「質の高い労使関係」と称して賃下げも首切りも資本と労働組合の合意によって強行する、ということなのである。これこそが、日経連の言う「労使は社会の安定帯」の反革命的内実なのだ。
 だが、カクマルJR総連派の役割は、それだけにはとどまらない。彼らは、9・11反米ゲリラ戦に対する「テロ反対」をテコに企業防衛主義から国家主義、国益主義、排外主義へと労働組合を動員しようとしているのだ。
 ファシスト労働運動を打倒し、今春闘をまさに反戦闘争への総決起と一体のものとしてかちとらなければならない。「テロ弾劾・テロ根絶」の反革命攻撃が労働者階級を襲い、他民族抑圧の排外主義、国益主義が吹き荒れている今、それと闘わなければ、結局は首切り・リストラ攻撃のただ中で侵略戦争に動員されることになる。まさに、春闘を反戦闘争そのものとして闘わなければならないのだ。
 有事立法攻撃が切迫している。有事立法を許すならば、憲法停止によって労働者の権利は一瞬にして根こそぎ奪われ、一切の職場・産別が侵略戦争へと動員されるのである。被抑圧民族への侵略と殺戮、蹂躪(じゅうりん)の加担者とさせられるのである。すべての労働者は、戦慄(せんりつ)と怒りをもって有事立法阻止、アフガニスタン・中東侵略戦争阻止の反戦闘争に総決起していこう。
 労働組合の一大統一戦線を拡大し、3組合が訴える「たたかう労働組合の全国ネットワーク」運動を発展させ、春闘総行動に全力で立とう。
 革共同には、労働者党建設を基軸にして、レーニンの「3つの義務」、とりわけ労働運動を先頭とした革命的大衆行動の力強い組織化を死力をつくしてかちとること、特に革命的な宣伝・扇動の抜本的な自己変革的強化が求められている。労働者にこの社会の根底的な変革=革命の立場を真剣に迫ることができるのか否か、が問われているのだ。
 日帝権力との最も激しい階級攻防が火を噴こうとしているこの時において、特に青年労働者の獲得は、熱烈さ、情熱、迫力によってこそ、その勝敗が決せられる。今こそ労働者階級に革命党の絶対的必要性を訴えなければならないのである。プロレタリア世界革命の現実性は、それを可能とする革命的労働者党の存在とその建設にある。
 だからこそ、党活動の3原則に創造的な意義があるのである。3原則の生き生きとした貫徹にこそ、革命の現実性が存在するのだ。
 国鉄・春闘決戦勝利、階級的労働運動の再生へ、団結を固めて今こそ総進撃しよう。

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週刊『前進』(2038号1面2)

 戦争への国家総動員を狙う

 有事立法粉砕へ総決起せよ

 日帝・小泉政権は通常国会で有事法制を成立させることを宣言した。小泉は1月8日、自民党役員会で「防衛出動、不審船などに対応する領域警備、テロや大規模災害など安全保障・危機管理上の緊急事態に包括的に対応していく。できるものからやる」と表明した。いよいよ有事立法阻止=改憲粉砕決戦が待ったなしの決戦を迎えたのだ。
 有事立法国会の開会にあたり、革共同は02年最大の政治決戦として有事立法=改憲決戦に総決起することを訴える。
 小泉政権は、12・22「不審船」事件をフルに使って一気に有事立法=改憲の正面突破を図り、全面的な戦争国家に大転換することを宣言した。日帝は、9・11反米ゲリラ戦争の爆発とそれによって切り開かれた国際的内乱情勢と第3次世界大戦不可避の情勢に突き動かされ、焦りに満ちた絶望的攻撃―中国・朝鮮侵略戦争―に大きく踏み込んできたのだ。
 マスコミは次のように報道している。@全体を包括する「緊急事態基本法」を制定する。A日本が武力攻撃を受けた場合の防衛出動だけでなく、大規模テロや周辺事態への対応も含める。B首相権限を強化し、閣議決定なしで防衛出動を命令できるようにする。C自衛隊が自由に行動できるよう道路法、医療法などあらゆる法律を改悪する。D住民の立ち退き、土地や家屋、物資の収用に関する国民の義務、罰則を定める。E米軍の行動に関する事項、「日本周辺有事」での対米協力措置を定める(周辺事態法に法的強制力を持たせる)など。
 どれをとっても超ど級の反革命であるが、最大の焦点は非常事態法にある。どのような手順で法制化されるかにかかわらず、有事立法の核心的本質は非常事態法、国家総動員法だということだ。それは首相が国家の非常事態を宣言=憲法を停止し、軍隊と行政権力に超法規的な行動の自由を与えるということであり、憲法で保障された基本的人権を制限し、国家総力戦に人民の総動員を図るというものだ。したがって労働運動・反戦闘争の弾圧や言論・結社の自由の圧殺、「軍事機密保護」の強化、戦時型入管体制などと一体のものとなる。戦争をしないことが大前提である戦後憲法下の全法体系を、国家が総力戦を行うものへと根底からひっくり返すものだ。小泉が「包括的にやる」と強調するのはその意図を明らかにしたものだ。
 1月1日の読売新聞に載った中谷元・防衛庁長官の発言は重大だ。中谷は「日本国憲法には有事の際の規定がない。……日本の場合、有事対応に必要な根幹部分が欠落している。自衛隊法は有事法制の一つだが、十分とは言えない。新たな有事のケースごとに積み木のように関係法を重ねていくだけでは、どこかで破たんする。したがって、有事の際のかなめとなる『安全保障基本法の制定』が必要だ。国家の非常事態に対処するための国の権限に関する法律だ」とあけすけに語っている。続けて「安全保障基本法」について、「(首相が発動する国家緊急権と)国民の基本的人権との調和をどう図るかということだ。その理念をもって憲法と他の既存法の溝を埋める法律」だと言っている。
 中谷は自衛隊法など広義の有事法制とは区別された、「安全保障基本法」(非常事態法)が必要だと強調している。しかも「有事法制と憲法との調和を図る」と言いつつ、事実上有事における憲法の停止とそれに代わる非常事態法の発動を行うとしているのだ。中谷は個別法の積み上げでは憲法の制約を突破できないこと、核心は国家非常事態法だと表明しているのだ。
 すでに日帝は新ガイドライン締結・周辺事態法→テロ特措法・アフガニスタン侵略戦争参戦→PKO全面発動攻撃と、改憲攻撃の外堀を埋めてきた。有事立法攻撃はこうした大反革命を集約・集大成して、一気に内堀までも埋めてしまおうとする攻撃である。実際、今国会には憲法改悪の具体的手続きを定めた国民投票法案、国会法改悪案も提出される。有事立法攻撃はそのまま改憲強行へと一挙に連動していく、改憲攻撃そのものなのだ。
 有事立法攻撃は対アフガニスタン・中東・アジアへの侵略戦争を日帝が推し進める具体的な戦争政策そのものである。何よりも中国・朝鮮侵略戦争に全面的に参戦するための戦争体制づくりの攻撃である。小泉は「有事は戦争だけではない。テロや不審船や拉致(らち)問題もある」と北朝鮮への排外主義を激しくあおっている。日帝・小泉はこうした発言をくり返すことで「有事」の概念を拡大し、第2、第3の「12・22」を強行し、独自の中国・朝鮮侵略戦争へと突き進もうとしているのだ。
 したがって有事立法=改憲決戦は、単なる法律論議、憲法論議としては進まない。確かに集団的自衛権の行使を始め国論を二分する大論争となるが、日帝はこれらを実践的に突破していくことで、憲法を事実上粉砕しようとしているのだ。この決戦はアフガニスタン・パレスチナ反戦闘争と一体の闘いである。それは「2度と戦争をくり返さない」という戦後の日本労働者人民の反戦闘争、階級意識をめぐる大決戦であるが、闘うイスラム諸国(ムスリム)人民、アジア人民との連帯=革命的祖国敗北主義を貫く中でしか勝利することはできない。
 9・11反米ゲリラ戦争として突きつけられた階級的自己批判を貫徹する闘いとして、職場・学園・地域から有事立法実力阻止に総決起しよう。

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週刊『前進』(2038号2面1)

 2・3国労拡大中央委決戦へ

 全ての訴訟の取り下げと 闘争団への統制処分許すな

 2月3日に東京・交通ビル(国労本部)で国労第172回拡大中央委員会が開催される。本中央委は、臨大に比すべき重大な決戦の場となる。文字どおり国労の存亡がかかっているだけではなく、日本労働者階級の命運をかけた02年春闘階級決戦の緒戦としての位置を持つ。国労本部はここで、闘う闘争団への統制処分とすべての採用差別事件の訴訟取り下げを決定しようとしている。すでに12月26日に出された大阪・岡山のJR採用差別事件についての東京高裁反動判決に対して、国労本部は1月9日、上告を放棄することを明らかにした。高嶋―寺内執行部は、この上告放棄をもって、自民党に一層深々と頭を下げ、4党合意による「ゼロ解決」に突き進もうとしている。断じて許してはならない。なんとしても闘争団を守り抜き、4党合意を粉砕しなければならない。新井・今井ら分裂組織結成の首謀者を処断し、分裂を擁護し続けた本部の責任を明確にし、高嶋―寺内執行部打倒、国労の階級的再生へ闘おう。

 本部の独断で大阪・岡山事件の上告を放棄

 大阪・岡山採用差別事件について、3人の国労組合員をJR西日本に採用せよと命じた地労委命令を取り消した中労委命令に対する行政訴訟で、東京地裁が国労の訴えを棄却し、さらに東京高裁が国労の控訴を棄却した。東京高裁判決はJRの不当労働行為責任を全面的に否定した超反動判決である。
 直後の国労、同近畿地本、同岡山地本、弁護団の声明では「社会的・法的正義に反する全く不当なものであり、われわれは満腔(まんこう)の怒りと司法の醜状についての悲しみをもってこの判決に抗議する」としていた。
 だが国労中央執行委員会が1月9日に出した声明は、反動判決に対する弾劾の言葉は一切なく、次のように言う。
 「昨年全国大会の決定、中央執行委員会での大会方針再確認等の経過を踏まえ、『4党合意』に基づき……早急に不採用問題の解決促進をはかる立場から、大阪・岡山の採用差別事件の『上告』問題について検討を深め、国労として『上告しない』ことを決意した」
 「4党の各政党並びに政府関係者、JR各社においては、国労の決意を重く受けとめられ、一日も早い解決に向けて努力されることを強く期待する」
 いったい「不当判決」がいつから不当ではなくなったのか。「上告しない」ということは、3人の組合員に対する採用差別―首切りを国労として正しかったと認めることではないか。
 それだけではない。国労本部は、4党と政府、JRに向かって、゛JR採用差別の責任はJRにないことを認めます。裁判で争うことはやめます″という「決意」を示し、だから「ゼロ回答」を早く出してくれと哀願しているのである。その「決意」とは、大阪・岡山事件にとどまらず、現在最高裁で係争中の北海道・九州および本州関係の採用差別事件の取り下げにも踏み切るということである。10月2日の国土交通省によるJR各社からのヒヤリングで、政府・JRが国労に要求した「訴訟取り下げの証(あかし)」を示そうというのだ。
 しかも、本部は上告放棄が「昨年の全国大会の決定」を踏まえたものと言っているが、「訴訟の取り下げは和解成立時」(10月大会での寺内書記長集約)という決定に違反していることは明らかだ。
 1月7日の全国エリア委員長・書記長会議でも、8日の常任弁護団会議でも上告問題について結論は出なかった。「上告すべき」という意見が多く出されたからだ。だが寺内らは勝手に方針変更を決め、中央執行委員会の独断で「上告断念」を決定したのだ。
 この中央執行委員会の「判断」について、国労本部電送bP06(1・10)で説明しているが、重大なのは「社民党との打ち合わせ」なるものである。

 全事件の取り下げを社民党に誓った本部

 そこでは、国労から社民党に対して「『上告しない』という決意で、解決の促進が図られないだろうか」と問い、社民党は国労に「4党合意に基づく訴訟の取り扱いについて、要請した場合の対応と態度は、同様の受けとめ方でいいのか」との確認を求めた。国労は、「和解時に訴訟の取り下げを行うとしている。社民党として解決に責任を持ってほしい。状況に応じて社民党より要請があった場合には、4党合意に基づき同様の対応をする」と答えている。
 これは、4党合意にある「社民党から国労に対し、少なくともJR発足時における国鉄改革関連の訴訟について……速やかに取り下げるよう求める」を、そのとおり実行するということだ。社民党から求められれば、国労は大会決定を破棄して、すべての裁判について「同様の対応」=取り下げをすると約束したのだ。
 社民党は「十分に理解した。社民党として最善の努力をする。そのためにも速やかに4党としての協議の場を求めたい」と回答した。
 これを受けて中央執行委員会は「社民党の決意を国労としても受けとめ、勇気を持って前進させるために指導部として対応し、一丸となって解決促進のために全力を尽くす」と判断したと言うのである。
 すでにこの上告放棄の決定に対して全国の闘争団から続々と抗議の意見書が出されている。当然である。訴訟取り下げとは、JRに不当労働行為責任はないとする超反動判決を国労自らが率先して確定させてしまうことだからだ。大阪・岡山の3人だけでなく、1047人すべての人生を勝手に決め、踏みにじろうとするものだからだ。
 高嶋―寺内ら残存チャレンジ一派のこの暴挙を断じて許すことはできない。そして、「訴訟取り下げは和解成立時」と主張していたにもかかわらず一転して上告放棄に賛成した革同久保一派の大裏切りも断じて許すことはできない。

 分裂組織解体、4党合意破棄、執行部打倒を

 新井・今井らチャレンジ一派による国労分裂組織「ジェイアール東日本ユニオン」の結成という重大事態にあって、国労本部は自ら国労解体に手を貸すことばかりやっている。本来なら分裂の首謀者を除名し、脱退した組合員を奪還するために組織の総力を挙げて闘うべきなのだ。
 だが寺内ら残存チャレンジ一派は、新井や今井らとまったく同じ心情で、゛闘争団が闘っているから、国労はジリ貧になるのだ″と、闘争団の切り捨てに全力を挙げているのだ。
 新井・今井らの分裂策動が公然化した段階で国労本部が12月12日付で組合員に向けて出した文書では、「最高裁に『参加申出』を行っている闘争団員は、申立を取下げるための委任状を2002年1月10日までに本部に提出し、悔いのない闘いに集中しよう。なお、提出のない場合には、規約に基づいた厳正な対処及び生活援助金凍結の対応を執らざるを得ません」と、闘争団員への統制処分と生活援助金凍結を公言した。実際、すでに昨年来、生活援助金の凍結が始まっている。組合員が任意で出しているカンパを、本部が勝手に凍結するという暴挙に出ているのだ。
 だが、最高裁への訴訟参加取り下げの委任状を提出した闘争団員はほとんどいない。国労本部の統制処分の恫喝と兵糧攻めにも屈せず闘う闘争団を守り抜くために全力で闘おう。
 今、求められていることは、闘争団とJR本体組合員が一丸となって、国労解体攻撃をはね返すことだ。
 採用差別裁判の取り下げは、国家権力、自民党、JRが4党合意をもって国労に強要している不当労働行為、国労解体攻撃そのものである。
 これと呼応して、国労を分裂させ解体することを目的にして結成されたのが新井・今井らの分裂組織だ。
 そして今、JR本体組合員に襲いかかっているメンテナンス体制再構築=全面外注化攻撃は、国労組合員の多くを出向に出し、組織を破壊することを狙った国労解体攻撃=第二の分割・民営化攻撃である。
 これら3つの攻撃は完全に一体である。だからこそ、これらに総力で立ち向かうことが求められているのだ。その団結した力と闘いが国家権力・資本との力関係を転換し、国労を階級的に再生させるのだ。
 4党合意破棄、高嶋―寺内執行部打倒へ闘おう。2002年冒頭の戦争と大失業、国際的内乱の時代に国労が階級的に再生することは、02春闘勝利に向けての号砲となる。2・3国労拡大中央委決戦へ攻め上ろう。

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週刊『前進』(2038号2面2)

 動労千葉 新体制で熱気の旗開き

 組織破壊への反撃を決意

 1月12日、動労千葉の2002年団結旗開きが千葉市のDC会館で開かれた。組合員や家族、支援ら160人が結集し、例年にも増して熱気あふれる中、決戦の年を闘う決意を固めた。
 君塚正治副委員長が開会の言葉を述べた。
 年頭のあいさつに立った田中康宏委員長は、まず春闘について「日経連は『整理解雇も必要、ベアなど論外、定昇にも手を着ける』と言っている。労働組合の役割が問われている。労働者が腹の底から怒りの声を上げて、団結を取り戻そう」と呼びかけた。
 そして「02年は戦後史を画する年になる。9・11で世界は一変した。小泉は次の通常国会に有事立法を出そうとしている。平和国家と言われた戦後の日本の体制は決壊した」と提起し、「労働者は本来、戦争を止める力を持っている。全世界で怒りは臨界を超え、いたるところで闘いが巻き起こっている。日本の労働者には、その一翼を担えるかどうかが問われている」と熱を込めて訴えた。
 また、昨年12月、繁沢敬一副委員長ら2人の本部役員が幕張電車区から強制配転されるなど、3人の組合員が不当配転された事実を怒りを込めて報告し、「幕張支部は検修・構内外注化攻撃との最大の攻防点だ。動労千葉は年頭から闘争態勢をとった。組織破壊攻撃が明らかになったらいつでもストに入ると、すでに当局に通告した」と高らかに宣言した。そして、「動労千葉は全日建運輸連帯関生支部、全国金属機械港合同とともに春闘総行動を呼びかけた。3カ月決戦に突入しよう」と訴えた。
 連帯のあいさつをした三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長は、「動労千葉とともに闘ってきたことを誇りに思う。三里塚は反戦の砦(とりで)として、なんとしても戦争を阻止する決意だ」と確信も固く語った。
 動労千葉顧問弁護団の遠藤憲一弁護士が「階級的労働運動の原則で闘ってきた動労千葉を先頭に闘おう」と呼びかけ、清井礼二弁護士が「弁護団として田中新体制を支えぬく」と決意を述べた。
 動労千葉家族会の佐藤正子会長が、「今こそ労働組合が踏ん張る時。家族会も新体制を支えぬく」ときっぱりと発言した。
 田中委員長と佐藤家族会会長が鏡開きを行い、全員で乾杯をした。
 強制配転を受けた3人の組合員が発言し、繁沢副委員長が「組織の総力で幕張支部を守り抜く」と不退転の決意を表明した。
 支援・共闘からは、三一書房労組、動労水戸、都政を革新する会、婦人民主クラブ全国協の代表らがあいさつした。
 動労千葉の各支部代表が、外注化攻撃粉砕、組織拡大、貨物格差粉砕などを訴えた。動労千葉議員団の中江昌夫船橋市議、水野正美勝浦市議が今年の闘いへの奮起を促した。
 恒例のアトラクションでは、ビンゴゲームで会場がわいた。最後に全員でインターナショナルを歌い、田中委員長の音頭で団結ガンバローを行った。

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週刊『前進』(2038号2面3)

 第72回自治労臨時大会へ訴える

 自治労解体攻撃をはね返し 本部打倒・闘う執行部形成へ

 マル青労同自治体労働者委員会

 全国の自治体労働者諸君! 第72回自治労臨時全国大会が1月31日から2日間、東京・新宿の厚生年金会館で開かれる。昨年9月30日に読売新聞が1面トップで「自治労年金共済の使途不明金2億」を報じて自治労攻撃を開始した。以降、保険代理店事業での業務上横領、法人税法違反での自治労本部の強制捜査、さらに大原義行(現)、榎本庸夫(前)、後藤森重(元)の歴代中央執行委員長宅の強制捜査と、次々と目を覆いたくなるような事実が白日のもとにさらされた。今臨時大会では103万自治労の再生か組織的崩壊かが待ったなしで問われる。国家権力による自治労解体攻撃をはね返し、38億9千万円に上る使途不明金、組合費や自治労共済費の不正使用など自治労中央本部の腐敗をえぐりだし、自治労中央本部を打倒し、闘う執行部をつくり出すために奮闘することを訴える。

 使途不明金問題の真相徹底究明せよ

 大会に臨むわれわれの態度は鮮明である。
 第一に、真相の徹底究明である。判明しているだけでも38億9千万円の不正経理が発覚している。そのうち解明されたのはわずか18億円余に過ぎない。残る20億円の使途は依然不明のままである。まずこの点を徹底的に解明し、あいまいな決着を許さないことだ。
 この間、自治労の現役の特別中央執行委員であった村山富市元首相への94年組閣時の、さらに横路孝弘衆議院議員への北海道知事選時の、政治献金や裏金づくりの事実が明るみに出た。また今回の発端となった右翼対策費補填(ほてん)問題を読売新聞にリークした中曽根康弘事務所の三井信託銀行口座にも、使途不明の2億円余が振り込まれていた。この容易ならざる事態への発展に対して検察・国税当局は、後藤元委員長と開発哲夫元事業本部事務局長の在宅起訴をもって幕を引こうとしている。絶対にこうしたあいまいな政治決着を許してはならない。
 自治労の不正経理問題について、2年も前から中曽根事務所は知っており、内部告発を受けて東京地検特捜部が捜査を始めて丸1年が経過している。ではなぜこの時期に強制捜査にのりだしたのか。
 明らかに「9・11」情勢である。政府が全面的に戦争体制づくりに突入する中で、最大の難題は公務員労働者の戦争体制への協力問題であった。昨年12月25日に閣議決定した「公務員制度改革大綱」も、究極的には恭順な国家官吏をつくりだし、戦争体制づくりの権力機関を確立することに目的があった。その公務員労働者の現場を押さえている最大の労働組合こそ自治労である。しかも旧総評系の平和フォーラムを今も実質的に支え(佐藤康英事務局長は元自治労財政局長で特別中執として出向中。今回、後藤元委員長とともに事実を知る立場にあった中心人物)、昨秋のアフガン侵略阻止闘争で最大の動員力と唯一の中心になりえたのも自治労であった。今回の事態はこの自治労そのものを狙い撃ちした攻撃である。
 しかし目的は翼賛団体への変質である。検察・国税当局が真相をあいまいにして幕引きをしようとしているのは、自治労本部を解体するまで追いつめず、丸ごと翼賛団体化させようとすることに狙いがある。
 「9・11」情勢は、公務員労働者が戦争遂行の実行者へと変質するのか否かを容赦なく突きつけたのだ。
 われわれの「真相の徹底究明」の立場とは、日帝・小泉政権の「聖域なき構造改革」の名による労働者への犠牲転嫁を粉砕し、公務員制度改革攻撃を阻止する闘いと完全に一体である。国家権力の自治労解体・翼賛化策動を粉砕するためにも、徹底した真相の究明で攻撃の核心を粉砕しよう。

 本部を徹底弾劾し 闘う自治労再生へ

 第二は、現執行部の打倒である。中央本部のあいまいな態度に対して、47都道府県本部1直属支部のうち13県本部が上納金をいったん凍結し、12月中央委員会直後に解除したものの、いまだ青森県本部が凍結したまま離脱の動きを見せている。市町村では一層動きが激しい。臨時大会を開いて現執行部の総辞職を要求する組合員の声を、自治労中央は抑えこむことはできなかった。臨時大会は完全に人事大会となり、執行部の引責辞職は不可避である。こうした事態に対して、「どっちみち誰がなっても同じ」といった「左翼反対派」的・少数派的敗北主義に陥ることなく、組合員の怒りを代弁して中央本部の徹底弾劾の先頭に立って闘おう。
 追いつめられた自治労中央は12月6日に第124回中央委員会を開催した。30中央委員から真相究明の不徹底に対して激しい中央本部批判があり、臨時大会開催と自治労再生委員会の発足を決めた。このため春闘方針、公務員制度改革への闘いの方針は中央委員会では棚上げされて、県本部代表者会議で代行された。
 再生委員会は臨時大会までに再生プログラムを策定するとして、中央委員会は、@徹底的な真相の究明、A法的・組織的対処、B借財への対処、C本部役員の責任処理の4方針を決定して散会した。形式上、中央機能は停止したままであるが、結果として中央委員会で本部を総辞職に追い込むに至らなかった。中央本部を打倒せよ、との訴えは、同時に腐敗した自治労中央に自らがとって代わって、闘う自治労を再生しよう、という気概が絶対的に必要である。

 帝国主義と闘う路線を

 第三に、政府・自民党、警察、検察、国税が一体となった自治労変質・翼賛・解体攻撃に対して、団結を打ち固めて「闘う自治労」を再建することだ。当時の小倉信蔵元書記次長が自殺未遂で意識不明のままである。さらに佐藤元財政局長の監視状態と衰弱が伝えられている。大原現委員長、榎本前委員長を免罪し、後藤元委員長にすべてを押しつけて、真相を隠ぺいしようとする動きは急である。こうした反動を丸ごとはね返して、帝国主義を打倒する自治体労働運動へと早急に結びつけなければならない。
 腐敗を生み出す原因は、安保・自衛隊を容認し反戦平和運動を解体した自治労「新政治方針」、賃金闘争を解体した自治労「新賃金政策」、現業合理化闘争を解体した自治労「現業活性化方針」、階級的労働運動を投げ捨てた自治労「新綱領」など、連合加盟後の自治労運動の変質にある。
 自治労中央は、「連合批判を連合の中で貫く」と称して強引に連合加盟に踏み切った。しかし今や「連合・政治政策フォーラム提言」「連合・新しいワークルール報告」「連合・21世紀宣言」などのほとんどに自治労中央が深くかかわり、むしろ連合本隊として推進してきたものである。
 こうした帝国主義的労働運動への変質や労働貴族的な腐敗の徹底した総括にまで切り込んで、ダラ幹打倒・追放にとどめず、帝国主義と闘う自治労運動の路線の確立にまで踏み込み、臨時大会を自治労の徹底した再建に結びつけなくてはならない。

 戦争動員狙う公務員制度改革と対決

 12月25日に政府は公務員制度改革大綱を閣議決定した。年功序列・終身雇用制度の解体と能力主義的賃金・人事管理の全面的導入だが、同時に人事院機能を圧縮して、主務大臣を任命権者にして、国家的忠誠を強めようとしている。もちろん労働基本権は認めない。そこにあるのは、戦争・有事をにらんでの人事管理をとおした公務員制度への転換である。
 さらに通常国会に提出しようとしている有事立法の概要がほぼ輪郭を現した。核心は、一方で有事の際の首相権限として非常事態の布告権(=憲法停止)を明確化し、閣議を経ずして自衛隊の出動命令を下し、他方で緊急事態対処会議に基づく地方自治体の責任と自治体職員の動員を明確化したことである。
 両者の動きを透かしてみれば、明らかに公務員の戦争への駆り出しである。

 6回大会路線の真価をかけ

 アメリカ中枢を直撃した9・11反米ゲリラ戦争は、帝国主義国の労働者階級への糾弾であり、決起の呼びかけであり、帝国主義支配の歴史が転回し、国際的内乱の時代が始まったことを告げ知らせた。日帝・小泉は、通常国会での有事立法制定と「聖域なき構造改革」をとおして、一切の犠牲を労働者に押しつけようとしている。チャレンジ新井・今井一派の国労分裂組織の結成など国鉄をめぐる激動も、教育基本法改悪・改憲攻撃も、NTTの転籍・出向・首切り攻撃も、こうした歴史的転回と軌を一にしたものである。
 まさに今回の自治労への一連の攻撃も、こうした世界大的規模での激しさでとらえることによってのみ反転攻勢への根拠をつかみうる。しかり! 革共同第6回大会で獲得し、実践化した21世紀革命への展望だけが、この激しさにこたえうる唯一の勝利の路線である。
 全国の自治体労働者諸君。帝国主義を打倒する自治体労働運動への血路を切り開こう! 第72回自治労臨時全国大会への決起は、その第一歩である。

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週刊『前進』(2038号2面4)

 投稿

 直ちに乗務に戻せ JR八王子支社に抗議

 昨年12月21日、三多摩、東京労組交流センターの労働者ら20人は、国労八王子支部の運転士Nさんに対する乗務下ろしの不当労働行為への謝罪と運転勤務への即時復帰を求め、年休を取ってJR八王子支社への抗議行動に決起しました。
 Nさんは、00年7月1日の国労臨時大会で4党合意反対の闘争団を支援する行動をしていたところ、警視庁公安刑事に狙い撃ち的に不当逮捕されました。当然、不起訴釈放になりましたが、JRは業務になんら支障がなかったにもかかわらずNさんを乗務から下ろし、7、8月の炎天下、構内での草むしりを連日強制しました。4党合意反対派への見せしめ的な弾圧です。乗務を外されたことで、Nさんは月10万円以上の減収になりました。さらに、JR八王子支社の藤課長(当時)は、勤務時間中にNさんを呼びつけて組合脱退を強要しました。
 こうしたあまりにも非人間的な扱いに対し、Nさんは00年10月、東京都地方労働委員会に救済を申し立て、以降5回の審理で不当労働行為は完全に明らかになっています。地域でも、労働委員会闘争を支える会がつくられ、救済命令を求める署名運動や集会が広く行われてきました。
 この日、JR八王子支社は私たちの正当な要請をまったく受け付けない、反動的な対応に終始しました。当初、総務課長が「2人までなら要請行動を受けてもいい」と言っていたにもかかわらず、途中からあわてて飛んできた前田勤労課副課長が「一切受け付けない。話も聞く必要はない。出ていかないと警察を呼ぶぞ」と叫び、20人近い職制が阻止線を張りました。私たちは、要請書を読み上げ、JRの不当労働行為を糾弾し、闘争団と連帯して闘い抜く決意を込めて、シュプレヒコールをたたきつけました。(写真)
 その後、JR八王子駅の南北に分かれ、労働委員会の救済命令を求める署名活動と情宣を行いました。雪の中、多くの労働者から「JRは本当にひどい」「頑張って下さい」と激励を受け、1時間弱で100筆以上の署名が集まりました。JRは駅助役を動員して妨害しようとしましたが、大衆的な弾劾の中、まったく手を出せませんでした。
 さらに、東京都地方労働委員会に対する要請行動を行い、署名約600筆を提出しました。Nさんの切々とした訴えにJRへの怒りを新たにし、即時乗務復帰の勝利命令をかちとるしかないと確信しました。
 集約集会では、署名運動と地域での取り組みをさらに強化しよう、闘う闘争団と連帯し、4党合意反対の闘いとしてNさんの労働委員会闘争を闘おう、第2、第3のJR抗議行動を行おうと全体で確認しました。
(投稿/三多摩 労働者 浅川渉)

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週刊『前進』(2038号3面1)

 日経連のむき出しの賃下げ攻撃を団結固め粉砕しよう

 職場の闘いから春闘総行動へ

 「労問研報告」の先兵=連合

 日経連は1月11日、臨時総会を開き、戦後史上初めてのむき出しの賃下げ攻撃と「治安の維持」=労働者階級への弾圧を核心内容とする「労問研報告」を発表した。これこそ「9・11」で加速した世界大恐慌過程に震え上がった日帝が、労働者階級へ犠牲を転嫁し、戦争国家化で生き延びようとする絶望的攻撃だ。この日経連の労働者階級への一大攻撃を引き出したものこそ連合の屈服路線である。帝国主義的労働運動に純化する労働代官・連合指導部を労働者階級の怒りで打倒し、02春闘の大爆発を切り開こう。

 賃闘こそ資本との激突の場

 労働者階級をとりまく情勢はただならぬ事態を迎えている。完全失業率は1953年以降の最悪値を3カ月連続で更新し、11月には5・5%に達した。しかも失業期間が1年以上にもなる労働者が失業者の4分の1を超えている。また、厚労省の「毎月勤労統計調査」によれば、労働者1人あたりの現金給与総額は6カ月連続で減少している。
 労働者階級が雇用不安と賃金減少というかつてない生活危機に直面しているにもかかわらず、日経連は「労問研報告」で「国際競争力維持という観点からは、これ以上の賃金引き上げは論外である。場合によってはベア見送りにとどまらず、定昇の凍結・見直し」を行うと、居丈高に宣言した。しかも会長・奥田は、「あるいは、もっと端的に、賃金を削減することで総額人件費を抑制し、雇用を維持しようという施策も、複数の企業ですでに進められている。これは、必ずしも労働時間の短縮をともなっているわけではないが、総額人件費を抑制することで人員削減を回避し、雇用の維持をはかっているという意味においては、ワークシェアリングの一つの類型」(1・11日経連臨時総会あいさつ)と、時短も何もないむき出しの賃下げ攻撃を「ワークシェアリング」と強弁して貫徹しようというのだ。
 今年の労問研報告は昨年までの「ベアゼロ」などとは明確に一線を画し、現在の賃金を2割から3割も削減しようという露骨な賃下げ攻撃である。労働者階級に極限的な生活破壊攻撃を宣言する日経連「労問研報告」を張り裂けんばかりの怒りを込めて弾劾する。
 むき出しの賃下げ攻撃に日経連が踏み切った背景に、連合のぶざまな屈服がある。以下、昨年夏以降の連合の屈服の歩みを一歩一歩たどって、彼らの帝国主義的労働運動としての本質を暴き出し、それとの対比で賃金闘争の戦闘的復権はどうすればかちとれるかを探ることにしよう。
 昨年の5月以降、ITバブルが崩壊し、電機を中心に日帝の製造業が軒並み業績を急激に悪化させていった。かつてない危機に直面した電機資本は、7−8月以降、東芝や日立などの大手資本を先頭に全体で十万人にも上るリストラ攻撃を次々にかけてきた。その結果、夏以降急激に失業率が増大していった。
 これに震え上がった連合は、9月13日の中央執行委員会で、02年春闘の「基本的考え方」を示したが、そこで初めて「雇用優先」の名のもとに、賃上げ要求は「賃金カーブ維持分プラスα」として、ベースアップ要求額を統一要求としては明示せず、ベアを本質的なところで放棄した。
 この連合の屈服をとらえた日経連が、連合の賃闘放棄を確定するために結んだものこそ、10月18日の「『雇用に関する社会合意』推進宣言」だ(本紙2030号3面参照)。そこでは、経営側は何ら譲歩せず、労働側には一方的に「生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化に協力するとともに、賃上げについては柔軟に対応する」と言わせ、゛企業がつぶれたら元も子もない″と、連合を企業主義・国益主義に絡め取り、賃金闘争放棄を「社会的合意」の名のもとに誓わせたのだ。
 ただ、この時点ではまだ「賃金カーブ維持分プラスα」というかたちで、それ自身は統一要求の放棄と春闘破壊だが、「取れる産別は取る」というような「建前」は残されていた。ところが、このような建前すら破壊したのが電機連合と鉄鋼労連のベア要求放棄決定である。
 電機連合は、11月6日の臨時代表者会議で、「賃金体系の維持をはかる取り組みを積極的に推進」などと言って、プラスα分、すなわちベア要求の放棄を決定した。さらに鉄鋼労連は、12月5、6日に開いた春闘討論集会で、2年間ベア要求放棄を組合員の反対意見を封殺して決定した。
 この電機と鉄鋼のベア要求放棄によって、連合全体の賃下げ容認の流れが加速した。鉄鋼の屈服決定を受けて笹森連合会長は、12月6日、それまでは反対していた「緊急避難型ワークシェアリング」(各企業での操業短縮と、その分の賃下げ攻撃をワークシェアリングとペテン的に言い換えただけのもの)を認める発言を行った。
 これらの動きを確定したものこそ、NTT労組が容認した「50歳定年制」、10万人首切り、3割賃下げ攻撃だ。このむき出しの首切り・賃下げ攻撃をNTT労組委員長の津田は11月8日の臨時中央委員会で「雇用確保を重視した日本的な新しいワークシェアリングモデル」などと言い放った。
 連合は、NTT、電機、鉄鋼という有力単産のさらなる屈服を受け、日経連臨時総会直前の1月9日の第1回拡大戦術委員会で、ベア統一要求放棄を最後的に確認したのだ。
 以上見てみると、今年の労問研報告の最も凶暴な内容を、連合がむしろ率先して露払いをしていることがわかる。ベア否定、「緊急避難的ワークシェアリング」、むき出しの賃下げをワークシェアと言い換えるペテン等々。日経連は連合の屈服を見透かして定昇制度の廃止にまで踏み込み、大幅賃下げ攻撃をかけてきているのだ。
 言えることは、賃金闘争は文字どおり階級と階級の激突であるということだ。こちらが一歩引けば二歩、十歩引けば百歩資本は踏み込んでくるのだ。だからこそ、いかに恐慌過程だろうと、労働組合は要求を組織化し、団結を固め、一律大幅賃上げを掲げて必死に闘う必要があるのだ。ストライキを含む実力闘争で敵に恐怖感を感じさせるような闘いをやらなければ、資本の必死の賃下げ攻撃を粉砕することはできない。笹森のように失業率の悪化に「恐怖感すら覚え」ていては問題にもならないのだ。
 マルクスは『賃金・価格・利潤』で賃金闘争を「資本の絶え間ない侵害や市場の変動から生じる避けられないゲリラ戦」と言っている。恐慌過程で凶暴化した資本の攻撃に対して、文字どおりの「ゲリラ戦」を闘うことが求められているのだ。また、賃金闘争の放棄について、「もし、労働者が、資本との日常闘争で臆病(おくびょう)にも屈服するならば、労働者階級はより大きな運動を起こす能力を確実に失ってしまうだろう」とも述べている。連合の賃金闘争放棄をのりこえて、戦闘的な賃金闘争を今こそ復権しよう。

 帝国主義打倒の労働運動を

 今年の労問研報告は、むき出しの賃下げ攻撃を貫く「論理」として、「国際競争力」の観点から「高コスト構造の是正論」を真正面から打ち出してきている。
 「賃金の国際比較表」なるものを持ち出して、国内製造業の「高コスト」を声高に叫び、企業危機、国家危機を絶叫し、日本の家賃(地代)や消費者物価の高さと無関係に賃金のみを国際比較しているのだ。
 特に、中国の労働者との賃金比較(日本の賃金の30分の1)を行い、大幅賃下げは当然とのきわめてペテン的イデオロギー攻撃をしかけてきている。だが「この場合のトリックはきわめて単純なものである。植民地・従属国の植民地主義的支配のあくどさ、労働者人民へのウルトラに低い生活水準、無権利状態の強制ということが前提化され、水準化されて比較がおこなわれているということだ。……帝国主義国の労働者人民が搾取も収奪もされずのうのうと暮らしているわけでは断じてない」(19全総第5報告)のだ。
 日帝の争闘戦での敗勢的現実の突破を労働者階級の犠牲において行おうという賃下げ攻撃を絶対に許してはならない。「帝国主義の世界的な新植民地主義的収奪および賃金奴隷制強化の構造的解明とそれをめぐる帝国主義間争闘戦と帝国主義戦争の現実として今日の世界をとらえる時代認識をもった労働運動が登場するならば、連合労働運動を根底から覆すことが必ずできる」(新年号アピール)。日本の労働者階級の屈服は、日帝の戦争国家化攻撃を加速する。企業防衛主義・愛国主義、排外主義の嵐に抗して、国際主義的連帯の精神と団結論を復権させ、日帝・資本の攻撃を許さず闘おう。
 日経連は、むき出しの資本攻勢による連合支配の崩壊を恐れ、「治安の維持」を掲げて警察力の増強を打ち出している。10%を超える若年失業問題、10%近い沖縄での失業問題などなど、失業問題がまさに治安問題となろうとしているのだ。1047人の解雇撤回を掲げた国鉄闘争の勝利をかちとろう。被災地神戸を先頭に全国で反失業闘争の巨大なうねりをつくり出そう。連合支配の崩壊は、広範な労働者階級の怒りの決起を巻き起こす。これと結合した時、闘いの勝利は間違いないのだ。
 9・11をもって世界大戦争が不可避な情勢に突入している。9・11反米ゲリラ戦争を自らへの糾弾として受けとめ、闘うイスラム諸国人民と連帯し、日帝の参戦攻撃を粉砕しよう。反戦闘争と結合した「帝国主義を打倒する労働運動」の創造が求められている。連合指導部を打倒して02年春闘総行動に総決起しよう。

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週刊『前進』(2038号3面2)

 三里塚

 第1波デモと団結旗開き 反対同盟が決戦宣言

 1月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、新年第1波の現地闘争と団結旗開きが行われた。 午前、敷地内の市東孝雄さん宅南側の開拓道路に約100人が集まった。まず伊藤信晴さんが「反対同盟は暴虐きわまる追い出し攻撃を粉砕し滑走路延長を絶対阻止する。戦争反対への思いのすべてを注ぎ、本格的に動き出した有事法制−改憲攻撃と闘う決意である」「反対同盟は暫定滑走路開港に対して成田空港の破産を宣言する」という闘争宣言を読み上げ、反対同盟の新年の決意を示した。
 事務局長の北原鉱治さんは「学生や青年労働者、若い人に訴えたい」とアフガニスタン侵略戦争阻止や有事立法−改憲阻止を呼びかけた。全学連の大山尚行委員長は「イスラム諸国人民の闘いと糾弾に全存在をかけてこたえたい。三里塚に国際連帯の旗を掲げて歴史的闘いをやる」と闘いの決意を示した。
 デモに出発した。東峰神社で、昨年植樹されたカシの木にしめ縄を張り、闘争勝利を祈願。「東峰神社は空港粉砕の拠点、絶対に守り抜こう」と全員でシュプレヒコールを行った。
 午後からは場所を移し、団結旗開きが行われた。全国から150人が集まった。動労千葉の田中康宏委員長、全関西実行委員会の永井満さん、都政を革新する会代表の結柴誠一さん、革共同の天田三紀夫書記長らが次々とあいさつした。
 反対同盟事務局次長の萩原進さんは「われわれの側から全国に三里塚のように闘おうと訴えていく。三里塚には闘う土俵がある。厳しい闘いだが勝利の大道を歩いている」と語った。
 最後の団結ガンバローでは市東孝雄さんが「親父(市東東市さん)の遺志を継いで3年。今年からは市東孝雄として頑張る」と話し満場の拍手を集めた。
 4月暫定滑走路粉砕へ決意と勝利の展望あふれる一日となった。

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週刊『前進』(2038号3面3)

 公団・県の農民圧殺許さぬ

 開港阻止へ火炎ゲリラ 1・9千葉

 堂本知事は空港から手を引け

 革命軍軍報

 革命軍は偉大な戦闘を貫徹し、以下の軍報を発表した。(前号に速報)
 わが革命軍は一月九日未明、千葉県神崎町大貫一〇三三―二にある千葉県幹部・七五三(しめ)敏信の自宅に対して、怒りの火炎攻撃を敢行した。
 革命軍戦士は、計画どおりに時限発火装置をセットした。午前四時、怒りの炎は、七五三の車と車庫、隣接する物置を焼きつくした。この時、革命軍戦士はすでに撤収作戦を完了していた。日帝・国家権力にいかなるデッチあげ弾圧の口実も与えない作戦を、完ぺきにやり抜いたのである。
 この戦闘は第一に、暫定滑走路の四月供用開始を実力阻止する第一弾の戦闘として貫徹された。革共同と革命軍はあらゆる手段で、なにがなんでも四月開港を実力阻止する。政府・空港公団、千葉県当局が新年の業務を始めた直後に、わが革命軍はその不退転の意志をたたきつけたのである。
 暫定滑走路の四月供用は敷地内農民の追放を狙うものである。空港建設よりもずっと早くからそこで営農し、生活してきた農民に対して、わずか四十bの上空にジェット機を飛ばし、爆音とジェット噴射と油で農民をたたき出そうとしているのだ。
 しかも日帝・公団、千葉県は、敷地内農民の「工事をやめろ」という声と要求を機動隊の暴力で踏みにじって開港を強行しようとしているのだ。
 これは国家による殺人行為そのものではないか。「話し合い」とか「民主主義」とか言いながら、農民を虫けらのように扱うこんなやり方が、どうして許されるか!
 われわれは、きっぱりと警告する。運輸省・公団、千葉県当局は暫定滑走路の四月供用をやめろ! 試験飛行、誘導路の自走テストなど、一切の開港作業を中止せよ!
 この戦闘は第二に、千葉県と堂本知事に対する怒りの反撃である。千葉県と堂本は、政府・公団と一体となって、積極的に暫定滑走路の供用策動を進めている。堂本は一月七日に周辺自治体や県内の経営者を集めて「魅力ある成田空港推進協議会」をデッチあげ、会長になった。そして直ちに国土交通省を訪れ、暫定滑走路のための「国内線の充実」と「二千五百bの平行滑走路の実現」を陳情した。この暴挙に対して、われわれは間髪を入れず一・九戦闘をたたきつけたのだ。
 大体、「二千五百b滑走路の実現」とは、「敷地内農民を早くたたき出せ」という陳情なのだ。そうしなければ、二千五百bはできない。われわれは、こんな悪質な推進協議会を必ず解体する!
 堂本は、一・九ゲリラ戦に動転して「破壊的暴力は許せない」とか「民主主義への挑戦だ」と悲鳴を上げ非難している。だが、お門違いも甚だしい。だれが「破壊的暴力」をふるい、だれが民主主義を踏みにじってきたのか! 日常的に警察の破壊的暴力で農民を脅しつけ、生きる権利を踏みにじり、いままた殺人的な暫定滑走路攻撃で農民をたたき出そうとしているのは、堂本よ、お前たちではないか! 労働者人民には、実力でこのような国家の破壊的暴力と闘う権利があるのだ。
 七五三敏信は、九二年五月から九四年三月まで県空港地域振興課主査、九七年七月から九九年三月まで成田空港周辺地域共生財団の事務局長を務めていた。共生財団とは、「共生」「騒音対策」と称して空港周辺の市町村や企業、住民をカネと利権で買収し、敷地内農民の孤立化と三里塚闘争の解体を狙う反動的機関である。七五三は事務局長となって、その先頭で動いていた極悪の人物である。「炎を見た瞬間、ゲリラだと思った」(千葉日報)というほど、己の罪業を自覚していたのである。
 七五三は、「今は空港とは関係ない仕事をしているのに……」と泣き言を言っているが、これまで空港建設に加担し、農民圧殺に協力してきた者は、すべて罪万死に値する。お前は三十六年間、敷地内農民が国家権力と千葉県によってどのような非人間的な仕打ちを受けてきたかを、少しでも考えてみたことがあるのか! 家を奪われ土地を奪われ追放された三里塚農民の痛み苦しみを少しでも考えたことがあるのか!
 革命軍は、暫定滑走路の二千五百b化を声高に叫び成田空港にしがみつく堂本知事を断じて許さない。千葉県と堂本知事は、空港建設から一切、手を引け!
 一・九戦闘は、第三に、日米帝国主義のアフガニスタン・中東侵略戦争に対する断固たる反撃の闘いである。とりわけ東京で開かれる帝国主義強盗どもの一・二一〜二二アフガニスタン復興会議粉砕の先陣を切る闘いである。
 わが革命軍は、十九人の戦士の九・一一反米ゲリラ戦を、帝国主義本国プロレタリアートへの命をかけた糾弾と決起の呼びかけとして真正面から受けとめる。闘うイスラム諸国人民と連帯し、米日帝国主義打倒、世界革命勝利に向かって、国家権力のあらゆる弾圧、革命軍破壊攻撃を粉砕して前進する。成田空港の侵略出撃拠点化を断じて許さず、暫定滑走路四月開港を阻止し、アフガニスタン・中東侵略派兵、有事立法・改憲攻撃に対して、強烈な戦闘をたたきつける。
 すべての労働者人民、同志諸君! ともに闘おう。

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週刊『前進』(2038号3面4)

 「もんじゅ」を廃炉へ

 地元・敦賀で全国集会

 高速増殖炉「もんじゅ」ナトリウムの火災事故から6年目の昨年12月8日、地元・敦賀市で「原子力発電に反対する福井県民会議」などの呼びかけで「もんじゅを廃炉へ全国集会」が開かれた。
 アフガニスタン侵略戦争の開始と日帝の参戦という情勢の中、小泉政権は戦争国家化=独自の核武装国家化攻撃を強めている。その根幹として、核兵器用高純度プルトニウム製造施設=「もんじゅ」再開に全力をあげ、核燃料サイクル開発機構は昨年6月、再開のための「もんじゅ」改造計画を国に提出し、今年秋の改造工事開始、05年初めの性能試験(試運転)に向けて策動を強めている。しかも「テロ対策」と称して、治安問題として、反対運動を鎮圧しようとしている。
 今年の集会は、そうした情勢の中、決意も新たに全国から労組、市民団体など昨年を大きく上回る750人が結集した。
 午前、「もんじゅ」を目の前にした白木海岸での集会が開始され、県民会議の小木曽美和子事務局長が「運動を『止めよう』から『廃炉』へ切り替え、核燃料政策の転換を求める第一歩にしよう」と訴えた。
 ゲート前までデモ行進し、改造計画に許可を与えないことなどを求める遠山敦子文科相、平沼赳夫経産相、都甲泰正核燃機構理事長にあてた要望書を読み上げ、核燃機構の職員に手渡した。北陸労組交流センターと富山大学学生自治会、関西反戦共同行動委員会、全国被爆者青年同盟は、先頭で戦闘的に闘い抜いた。
 午後、敦賀市内のプラザ萬象で全国集会が開かれ、海山町の住民投票の勝利報告など全国の運動の報告と久米三四郎元阪大講師の講演が行われた。
 会場からの発言で被青同の友野幽委員長は「『もんじゅ』がつくりだすプルトニウムは核兵器用高純度プルトニウムである」と日帝の狙いを暴き出した。久米氏も重要な提起であると、スライドで「もんじゅ」が核兵器用プルトニウムを増殖できる特別の原発であることを詳しく説明した。
 北陸労組交流センターの代表は「侵略戦争、核武装は絶対に許さない」と闘う決意を述べた。
 集会後、参加者は敦賀駅までデモ行進を行った。敦賀市民は例年以上の注目と共感を示した。
 カクマルは破産的姿をさらけ出した。「日本の核武装反対」が全体のスローガンになる中で、なんとカクマルは「首相小泉は、中東石油へのエネルギー依存率を低めるために『準国産エネルギー』にプルトニウムを位置づけた」「ブッシュは中東石油に依存するアメリカのエネルギー事情を打開するために『核燃料サイクルの確立』を基軸とする新政策をうちだした」という帝国主義の核燃料サイクル=エネルギー政策論を展開し、帝国主義の石油・天然ガス資源をめぐるアフガニスタン侵略戦争を擁護してひんしゅくを買った。
 (鹿島勝)

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週刊『前進』(2038号3面5)

 「重大犯罪精神障害者処遇法案」

 保安処分新設許すな 厚生労働省を徹底追及

 昨年12月25日、「処遇困難者専門病棟」新設阻止共闘会議は、厚生労働省と法務省がたくらむ「精神障害者」の隔離拘禁施設づくりを進める保安処分新設攻撃に反対して、「病者」先頭に30人の結集で対厚労省交渉を行った。公安刑事の弾圧をはね返して精神保健福祉課への抗議と追及を2時間半にわたって貫徹した。
 冒頭、現在政府が国会に上程しようとしている司法を介入させた保安処分づくりとしての「重大犯罪精神障害者処遇法案」(仮称)への撤回の要請がたたきつけられた。対応した精神保健福祉課の岩田課長補佐らは「国会議員が決めることだから答えられない」と居直った。そればかりか、「病者」の中で「犯罪を犯して治療が必要な人にはそれ相応の専門施設で医療を確保することが必要」と「治療」や「適切な医療」を合言葉に、現行憲法や刑法をすら踏み越えた予防拘禁の制度化の意志をあけすけにする始末だった。しかもそれを「精神病者」ならよしとする許しがたい差別的対応なのだ。
 すでに「病者」に対しては長年、「自傷他害の恐れ」や「医療と保護の必要性」を要件としたさまざまな強制入院や保護室隔離・身体拘束が精神保健福祉法や医療法特例のもとで人権無視を決め込み強行されてきた。「病者」にとって精福法の撤廃こそ急務だ。しかし日帝は戦時的治安体制づくりと戦後福祉の解体・一掃を宣言し、大阪池田小事件をも踏み台に、一挙に長年の野望である保安処分制定を策動してきたのだ。
 さらに課長補佐の泉は「処遇決定機関での裁判官の参加は人権を守るために必要」と発言した。しかしそのへ理屈こそ「医者の判断では信用を置けない」という日帝の治安重視の拘禁に従わせるための論理である。法案でいかに「医者と裁判官の合議」と表現しようが、それは容易に司法・行政決定のもとに医療や福祉の権利・要求を退け、幾多の事件の背景としてある社会的要因や医療的・福祉的支援の必要性をはぎとり、また他方で「犯罪被害者を処遇決定の傍聴に参加させる」という形で「被害者感情」をあおりたてながら人民分断的に保安処分案を通そうという強引な論理そのものなのだ。
 泉はまた、「現時点では犯罪予測はできないが一定の行動予測は可能」などと奇弁をろうした。「行動予測」なる珍論で保安的拘禁にあくまでもしがみつこうというのだ。
 法案は全国で6〜10の処遇決定機関創設を打ち出している。精神医療の場はまさに軍法会議にも似た裁判官の越権的な治安的処遇決定を横行させてしまう。新設される保安施設では「病者」への見せしめ的な懲罰と制裁が繰り返される。厚労省役人は、「法案は保安処分をもたらすものではない、治療的処分だ」などと必死に「違法な拘禁ではない」と弁明したが、結局は「治療が終わるまでは国家的判断では拘禁を解かない」という意見に賛成なのだ。絶対許すことができない。
 最後に阻止共は、厚労省との今後の必要な話し合いを文書確認させた上で、「処遇法案」の国会上程を絶対に阻止する決意を確認して追及行動を終えた。

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週刊『前進』(2038号4面1)

 イスラムの闘いを利用した最悪の帝国主義的排外主義

 カクマル「9・11論」を徹底批判する

 カクマルの「9・11ジハード」論は、@カクマル中央派対JR総連派問題の爆発の危機から目をそらすものであり、A黒田の反米ナショナリズムへのカクマルののめりこみを深めるものであり、Bイスラム諸国人民の闘いをのっかり主義的に利用するものでしかない。イスラム諸国人民との連帯をうんぬんするペテン的形態の最悪の帝国主義的排外主義だ。カクマルの破産と思想的組織的危機の爆発は不可避であり、今やその過程に突入している。われわれは、カクマルのペテン的9・11論を粉砕し、彼らのアリバイ的大衆運動づくりを許さず、帝国主義打倒と民族解放の革命的統一の実現をめざして、巨大な反戦闘争をつくりだしていかなければならない。

 「階級闘争への告発」の中身は「7・7自己批判」への敵対

 9・11に対して、カクマルは初め1週間、思考停止に陥り、ついでけたたましく「ジハード礼賛」論を振り回し始めた。そしてそれに基づき、9・11にのっかり、9・11を利用主義的に振り回してエセ大衆運動づくりをしようとしてきた。
 ゛9・11を「帝国主義諸国人民への告発」として受けとめ「主体的」に決起せよ゜などとカクマルが突如口走り始めたこと。これが今回の特徴である。では、カクマルは「7・7自己批判」的地平に立ったとでも言うのであろうか? もちろん断じて否である。
 カクマルの9・11論の根底にあるものは、黒田イズムが行きついた地平としての日本民族主義、国粋主義の立場からするヤンキー帝国主義排撃論のイデオロギーそのものである。
 ヤンキー帝国主義は傲岸(ごうがん)だ、驕り(おごり)たかぶっている。世界一超支配をねらうユニラテラリズム(単独行動主義)である。これに対してイスラムの宗教的信念にもとづく殉教攻撃=ジハードが「奏功」し、米帝の権威が失墜した。万々歳である―というのが、カクマルの主張のすべてである。
 カクマルはもっともらしく、「今回のジハードを帝国主義諸国における階級闘争の腐敗にたいする告発として、したがってまた堕落した既成指導部をのりこえる階級的力をなお創造しえていないことにたいする屈辱感と悔しさをもってうけとめなければならない」(『解放』10・8号)などとのたまっている。
 われわれの7・7自己批判とそのもとでの闘いについて、被抑圧民族迎合主義などと悪罵(あくば)の限りをつくしてきたカクマルが、どのツラさげてこんな言辞を吐けるのかと言いたくなるが、実際にはカクマルの基本的精神は「7・7自己批判」の立場とはみじんも共通点はない。
 このことを示す最も明確な証拠は、『解放』紙上で大々的に、゛9・11の背後の黒幕は実は旧KGB勢力=プーチンである。この指導、教育、援助なしにはあの高度なテロル攻撃はけっしてできなかった゜などと言っていることだ。
 このことは小さなことではない。これはつまり、9・11はプーチンが意図し、実現したものだということである。これは「イスラム的信念に基づく殉教攻撃の英雄的決起」などという主張とまったく両立しないものである。ある意味で、9・11ゲリラ戦闘に対する最大の侮辱であると言える。カクマルはその後この主張のトーンダウンを図っているが、しかしけっして撤回していない。それどころか形式的つじつまあわせを続ける始末だ。
 さらにより突っ込んで言えば、真に7・7的精神に立つならば、帝国主義国の労働者人民が帝国主義の排外主義に汚染され、体質化してきてしまっていることだけでなく、ほかならぬ革命的左翼(革命的党派)自体もそれから自由ではないということを、自己批判的に深く反省、内省することが必須となるが、カクマルにはそんな立場はみじんもないのだ。
 したがって、党としてのカクマル、または「共産主義者」としての黒田などは、けっして告発と糾弾の対象とはされていないのだ。
 カクマルの「9・11を告発、糾弾として受けとめよ」論のペテン性はさらに次の点からも明らかだ。
 真に「7・7自己批判」的立場に立つならば、「イスラム的宗教的信念に基づく自爆攻撃=殉教攻撃」などとストレートに礼賛、肯定したり、さらにこれからも自爆テロは続くだろうなどと軽々しくは言えないはずなのだ。自爆という行為のすさまじさをわが身にひきつけて主体的に考えぬいてみる立場に立つかぎり、そんな軽々しい言い方はけっしてできないはずだ。
 さらに3千人以上の死亡という事実に関して、カクマルは「アメリカ労働者諸君! 諸君は(ブッシュをいただいていることを)深く恥じよ」などとのたまっている。これも数千人のプロレタリアート人民の死の重さを自らの全身で受けとめ、その苦痛・苦しみを共有して、帝国主義的腐敗からの決別を呼びかけ、帝国主義打倒を訴えていくプロレタリアの精神とは無縁のものだ。
 結局、カクマルは「ヤンキー帝国主義」がダメージを受けたことに日帝ナショナリズム的に拍手し、それをやった自爆テロは素晴らしいと言って、9・11ゲリラ戦闘をのっかり主義、利用主義的に評価してみせているにすぎないのだ。
 このことの当然の帰結として、カクマルには自国帝国主義への怒りが、きわめて希薄でアリバイ的にしかない。日帝の参戦という問題について、カクマルはなんと「米帝ブッシュ政権の要求にたいして全面的にうけ入れた小泉政権」というような規定しか与えていないのである。カクマルには帝国主義論はなく、帝国主義の危機(大不況と帝国主義間争闘戦の激化)は位置づけられず、ただただヤンキー帝国主義が傲岸で好戦的であるということしかないのである。

 反マルクス主義の立場から「テロリズムを否定する」!!

 カクマルは、10月下旬以降、手放しの「ジハード万歳」論を急激にトーンダウンさせた。これはカクマルが根本的にのっかり主義=利用主義だったことを示している。また、カクマル的な従来路線との整合がまるでできないことによる。
 『解放』11・5号で、カクマルの10・21集会へのカクマル代表発言の要旨が掲載されているが、これがカクマル9・11論の一応の「到達点」と言える。

  [引用A]
 a「われわれはプロレタリア階級闘争の大義からしてテロリズムを否定する」b「彼らはアメリカ帝国主義による世界の軍事支配と経済的搾取・収奪にたいする怒りに燃えて」c「イスラムの教えにもとづいて」d「経済のグローバル化と国境のボーダレス化と、サイバー物神にもとづくアメリカ帝国主義の弱点・矛盾をついて、かの軍事的中枢と世界経済の心臓部を爆破したのだ」e「その意味で彼らの闘いは英雄的であり、芸術的でさえあるのだ」f「まさしく今回の〈自爆ジハード〉こそは、ユニラテラリズムにもとづくアメリカ帝国主義の『一極支配』の終焉(しゅうえん)の始まりを画するものにほかならない」

 引用が長いので、ひとまずここで切って、分析してみよう。
 まず第一に、aの文言はそれ自体マルクス主義、レーニン主義とまるで関係ない。「プロレタリア階級闘争の大義」がテロリズム一般を否定しているなどということは断じてない。これはレーニンも明確に言っているように、それこそそのテロリズムが階級闘争の大義に照らして是とされ、階級的闘争の真の前進のためになるものなのか否かによってテロリズムの是非は判断されるのである。
 レーニンのみならず、マルクスもかつて「赤色テロリズムの嵐(あらし)をもって専制支配者どもを震撼(しんかん)させよ」と強烈に主張したことがある。マルクス、レーニンによらずとも、帝国主義の民族抑圧・圧殺攻撃との闘いにおいて、ゲリラ・パルチザン戦争はあまりにも当然かつ不可欠の闘争形態であり、ゲリラ・パルチザン戦争はテロリズムと厳密に区別することなどできるものではない。系統的で組織だったテロリズムの集合体がゲリラ・パルチザン戦争だと言ってもおかしくはない。
 さらに、このaの文言は以下のb〜fの展開と明白に矛盾する。9・11だけはテロリズムではないのか。それともテロリズムでも肯定されるのか。しかし、そうだとすればaの文言との整合はどうなるのか。また、カクマルがこれまで民族解放闘争でのテロリズムを肯定するどころか、口汚くののしってきたことをどう総括するのか。

 民族抑圧の問題を抜き去る

 、bの文言とcの文言もきわめて問題があるものだ。bでは「軍事支配」とか、「経済的搾取・収奪」への「怒り」をうんぬんしているが、ここには民族的植民地的支配、抑圧、圧殺の問題が完全に抜け落ちている。9・11のゲリラ戦士たちやパレスチナ・アラブ・イスラム諸国の人民の怒りというのは、根底的にはまさにこの帝国主義の民族的植民地的支配、抑圧、圧殺への怒りそのものではないのか。単なる軍事支配でも収奪の問題でもない。民族が抑圧、否定され、圧殺され、その文化・文物そして宗教(イスラム)も徹底的に抑圧・圧殺され、侮辱・じゅうりんされ続けてきたからではないのか。
 cの文言で、「イスラムの教えにもとづいて」などと言っているが、まず何よりも帝国主義の植民地主義的民族圧殺攻撃そのものの決定的一環として宗教的攻撃もあるのだ。彼らの怒りの規定の中に(つまりbの文言の中に)なぜ、このエレメントが入ってこないのか。cの文言はここではあくまで、彼らの行動規範の問題としてのみ言われているにすぎない。怒りを行動に表す際の行動規範の問題として「イスラムの教えにもとづいて」ということが言われているにすぎない。
 こんなbとcの文言のようなとらえ方では、9・11戦士たちやパレスチナ・中東・イスラム諸国人民がその民族解放闘争に対して帝国主義によって繰り返し繰り返し大弾圧・大虐殺の反革命を加えられ、じゅうりんされ、たえず土壇場の危機に追い込まれてきたこと、そしてスターリン主義に裏切られ(スターリン主義=マルクス主義と信じていた)、それに絶望してきたこと、さらにはアラブ諸国、イスラム諸国の帝国主義に従属した支配層の腐敗・堕落をみせつけられてきたこと――こうした中で、イスラム教への復古的回帰をもって自己のアイデンティティを確保し、闘う力をたぎらせてきたのだということが完全に見失われてしまっている。安易な、帝国主義のイデオロギーと同調するがごとき「宗教戦争」などという言い方は断じて許されないのだ。

 極限的なゲリラ戦争の意味

 第三に、dの文言も問題に満ちている。端的に言えば、戦闘技術主義的なのだ。たしかに米帝の弱点・矛盾をついたとは言えよう。しかしそれはそんなに安易なものではない。この弱点が弱点となり、矛盾が矛盾となったのは、生命がけの決起、いや自爆戦術を辞さない決起ということがあったからにほかならない。その意味では〈自爆を辞さぬ闘い〉という問題と、われわれはここで正対しなければならないのだ。
 そこには武装闘争に立つ者の普遍的な精神の問題と、それをも「のりこえざるをえない」限界的極限的怒りのゲリラ戦争の問題が存在している。「イスラム教には殉教ということがあり、9・11はそれに基づくものだ」などと言ってすますべき問題ではけっしてない。カクマルのdの文言では9・11問題の核心にあるものが、実はすべて抜き去られてしまっている。
 第四に、したがってeにおいて「この意味で」英雄的、芸術的だなどと言っているが、ここでの「この意味」とはいったい何を指すのか。a、b、c、dのようなとらえ方をしていて、それをもって「この意味」と言っているなら、それはあまりにも9・11戦士たちが抱え込み、のりこえようとした課題の重さ、彼らの怒りと苦しみというものを軽々しく扱いすぎている。自爆という問題の大きさ、重さ、またアメリカ労働者の多数の死という現実の大きさ、重さを本当に主体的に受けとめているものとは断じていえないのだ。
 結局、「中枢」と「心臓部」を「爆破した」ということをはやしたて、のっかり、利用しようとするものでしかないのだ。

 「米一極支配」論のごまかし

 第五に、fの文言もインチキである。「ユニラテラリズムにもとづくアメリカ帝国主義の一極支配の終焉の始まり」というが、米帝の「一極支配」というのは「ユニラテラリズムにもとづく」ものなのか? これは「一極支配主義にもとづく一極支配」と言っているにすぎない。米帝の今日的危機を帝国主義論的に全面的に解明し、帝国主義間争闘戦の戦争への転化という文脈の中で、圧倒的な力をもつ米帝の先制的な軍事行動の開始の問題を、「ユニラテラリズム」などという現象論でごまかしているにすぎない。だいたい「終わりの始まり」が始まったのは米帝の一極支配などではなく、帝国主義そのものの世界支配とその時代なのだ。これでは米帝がダメージを受けたことを、ヤンキー帝国主義反対の立場で喜んでいるにすぎない。

  [引用B]
 「しかもそれは、アメリカ帝国主義やシオニスト国家が全世界のあらゆるところでおこなってきた暴虐を放置し、あまつさえそれを尻押しさえしてきた先進資本主義諸国の労働者・人民とその堕落した指導部にたいする激烈な弾劾でもある」

 これは一見もっともらしいが、それは外見だけだ。9・11を美化し、のっかるために、やむをえずこんなことを言っているのだ。最も核心的なことは、この「放置し」「尻押し」した勢力の中に、カクマル自身は実は入れてないのだ。
 「7・7自己批判」の核心は、まさに革命党としてのわれわれ自身の主体そのものの思想的・体質的問題として自己批判したという点にある。だから不可避的にわれわれ自身が血債を負っている存在として自己規定したのである。カクマルのペテンは、まさにこの核心中の核心をずらし、一見もっともらしく、自分は本質的に涼しい顔をしているところにあるのだ。
 カクマルの9・11論の核心は、このことを抜いたのっかり主義、利用主義、御都合主義でしかないというところにある。だから、指導部への糾弾だなどと言っても、JR総連(=JR総連カクマル)のテロ反対論に対して一切の批判をしていないのだ!

  [引用C]
 「それは、スターリン主義の自己崩壊と、それをのりこえるべき労働者階級がよってもってたつべきイデオロギーを喪失してしまっていることのゆえに、資本主義を告発する宗教であるイスラムを精神的支えにしてもたらされる悲劇であり、われわれにとっては屈辱以外のなにものでもないではないか」

 これも一見もっともらしくみせている典型である。しかしよくみれば、ここもペテンの塊だ。この文章をよく読めば、一切が9・11のゲリラ戦士たちのイデオロギーの問題にすりかえられている。そしてカクマルはせいぜい、自らの正しいイデオロギーが9・11戦士たちのイデオロギーにまで波及していないことを「屈辱である」などと言っているのみなのだ。
 要するにここには、帝国主義と帝国主義下の人民、そして革命的共産主義的党派自身が帝国主義的排外主義と闘いきれず、それに加担してきてしまっているという現実の存在そのもの、そしてその自己の存在をかけた自己批判が必要なこと、したがって、自分たち自身が血債を負っている立場にあることが忘れさられているのだ。自己の存在、自己の歴史と全実践の集積としての自己の存在にかかわる自己批判としての7・7自己批判の主体的立場から、なんら問題が立てられていないのだ。
 だから、スターリン主義の問題をうんぬんしても、民族問題、民族排外主義にかかわる問題で反スターリン主義をいかに貫くかという点で、決定的な問題が存在することを抹殺して、カクマルはすでに「よってたつべき」ものを獲得しているとして平然としているのだ。だから、9・11は9・11戦士たちのイデオロギーの問題のゆえに悲劇なのだと、客観主義まるだしの規定を与えているのだ。

 ヤンキー帝国主義反対論

 以上、引用A、B、Cをとおしてカクマルの9・11論のペテン性を批判してきたが、この『解放』11・5号トップのまとめのところで、カクマルが「アングロ・アメリカ帝国主義の侵略戦争を阻止していく」などと言っているところに、彼らの問題性が実践的には集約されると言える。「ヤンキー帝国主義」を「アングロ帝国主義」と言い換えただけのことだ。要するにヤンキー帝国主義反対論でしかないのだ。
 アフガニスタン侵略戦争は、米英帝国主義の侵略戦争としてのみあるのでは断じてない。日帝はその外にあって日米同盟のゆえに加担していくというものではない。「アングロ」ということに特別の意味をカクマルは込めたのだ。これは日帝の側からの「アングロサクソン」帝国主義論の立場で、石原などが公然と唱えている日帝のウルトラ排外主義の立場なのだ。結局カクマルにとっては、アフガン・中東侵略戦争に対して、日本も日帝もカクマルもなんら第一義的な責任は負っていないのだ。

 「テロ弾劾」叫ぶJR総連を一言も批判しないカクマル

 『解放』11・12号では、次の二点が注目される。
 第一に、「反テロ国際的包囲網の綻(ほころ)び」を強引にクローズアップして、「新東西冷戦」論を再びおしだしてきていること。第二に、最も決定的なことは、「曲がりなりにも『軍事的報復にも反対』を表明したのは、JR総連と日教組の二単産のみなのである」と、JR総連を擁護する文章を明らかにしたことである。
 カクマルがJR総連のテロ反対論を何ひとつ批判していないことは、決定的に重大なことである。JR総連は何と言っているのか。
 9月19日に発表した声明でJR総連は、「テロ行為は、いかなる理由があろうとも断じて許されるものではない。ましてやテロを実行するために公共交通機関である民間航空機をハイジャックし、乗客を乗せたまま『自爆テロ』を行い、まったく罪のない多くの市民を死傷させたことは絶対に許すことができない行為である」と言い、「テロにも軍事的報復にも断固反対する」と言っている。翌20日には、JR東労組が同趣旨の声明を発表している。
 これは、被抑圧民族人民の帝国主義に対する怒りと憎しみの爆発であるゲリラ戦争をまずもって非難するという点で、帝国主義の側に立った声明であり、絶対に許しがたいものである。帝国主義国の労働者階級を排外主義に組織し、自国帝国主義の侵略と戦争への突進に協力するものである。
 ところが、カクマルは社民党や日本共産党の「テロ弾劾」論に対しては「ナンセンス」と叫びながら(それ自体インチキなものだが)、それ以上に「テロ弾劾」を叫んでいるJR総連とJR東労組に対しては、まったく一言の批判も抗議もしないのである。
 カクマル対JR総連カクマルの対立の問題こそ、9・11問題のキーポイントだ。カクマルは、JR総連カクマルの9・11テロ反対論について、JR総連カクマルのJR総連における位置からして決定的に問題にしなければならないはずなのだ。カクマルは一方で9・11「ジハード万歳」論をのっかり主義まるだしで大さわぎし、カクマル内の「動揺分子」なるものをさかんに批判をしている。しかし、肝心のJR総連カクマルの9・11テロ反対論にはなんら批判をしないというのは、カクマルが9・11ゲリラ戦争に対してきわめてデタラメな、自己の党派生命にかかわる問題としては対していないということの証拠にほかならない。
 それどころか、なんと『解放』の上記の引用では、そのJR総連を擁護し美化さえしているのだ。「報復戦争にも反対」と言っているから立派だと! しかしテロ反対論と報復戦争反対論は本質的に両立しない。両立させられる時は、本質的にはテロ反対論をとっているということなのだ。要するに、階級的な生命がけの報復戦争阻止闘争などけっしてしないという証拠なのだ。JR総連カクマルを批判しないという一点で、カクマルの9・11論は全部ウソとペテンだ。怒りを込めてカクマルを粉砕・打倒せよ。

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週刊『前進』(2038号4面2)

 「テロ礼賛などするから仲間から見放される」

 松崎がカクマルに「悪態」

 カクマル黒田・中央派と明白に分裂し、総体として完全な対立関係に入ったJR総連カクマル・松崎が、毎日新聞社から『鬼の咆哮(ほうこう)』という本を出し、また、『サンデー毎日』でインタビュー「鬼の回顧録」を連載し始めた。それは、松崎が日帝権力、JR資本の完全な手先として、労資協力を進めていくことを宣言するものであり、そのためにもカクマル黒田と完全に対立していることを積極的に表明しようとするものである。この本には、重大な反革命的内容が満載されているが、ここでは9・11に関する言動で重要なものだけを、とりあえず問題にする。
 「『テロが良いか悪いか』と問われれば、悪いに決まっている。絶対悪だと言い切ってもいい。聞いた話では、革マル派やら中核派といったグループが、『えらい、よくやった。画歴史的事態だ』と狂喜(ママ)したという。どう考えたって、彼らの感覚はおかしい。テロを礼讃するなどというのは、科学でも、ましてやヒューマニズムでもない。自分たちでまともな活動ができないから、やけっぱちで言っているのだろう。そういう認識しかできないから、世間はもちろん、仲間内でさえも見放されるのである」(『鬼の咆哮』)
 「テロは絶対悪」というのは、帝国主義に対する民族解放闘争に絶対反対するというものであり、帝国主義の軍門に下り、その手先と化した松崎だから言える言葉である。だが、ここで重要なことは、松崎がカクマルの「ジハード万歳」論をあげつらっていることである。
 松崎は、「テロ弾劾」論に立って、「9・11は画歴史的事態」などと騒いでいるカクマルを徹底的にこき下ろすことで、自らが権力、資本の手先として一層純化することを売り込んでいるのである。
 「世間はもちろん、仲間内でさえも見放されるのである」と言う。これは明確に、カクマルに対する言葉である。「仲間内でさえも見放される」とは、JR総連カクマルとカクマル黒田・中央派が分裂し、収拾のつかない対立関係に入ったことを、対立の一方の当事者、JR総連カクマルの頭目である松崎が認め、カクマル黒田・中央派を「見放す」ことを宣言する文言である。
 『サンデー毎日』連載でも、松崎は次のようにカクマルを「批判」している。
 「テロないしはそれに類するもので歴史が前に進んだ例(ためし)はないと思うんですね。ところが、革マル派の機関紙なんかは、同時多発テロを礼賛したんだそうですよ。『歴史的だ』とか、『芸術的でさえある』と書いているって。そこまで行っちゃったのと思いますよ」(同1・27号)
 ここまで松崎に言われて、カクマルよ、まだ何も言えないのか。松崎の公然たる「決別宣言」は、カクマルの反革命党派生命の死を突き付けているのだ。

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週刊『前進』(2038号4面3)

 1月1日〜15日

 有事立法、通常国会提出狙う

 宮城氏が名護市長選に出馬

●名護市長選、宮城氏が立候補表明 2月3日投開票の沖縄県の名護市長選に向け、宮城康博市議が、正式に出馬を表明。米軍普天間飛行場の同市辺野古沿岸域への受け入れの撤回を公約。(3日)
●有事立法「できることから法整備」 小泉首相が年頭の記者会見をした。有事立法について「通常国会で真剣にこの問題を議論し、できることから法整備を進めていきたい」などと述べた。(4日)
●米兵が住居侵入容疑で逮捕 沖縄県北谷町内のアパートに住む女性宅に侵入した疑いで、キャンプ・フォスター所属の米海軍1等水兵が現行犯逮捕された。女性の帰宅を待ち伏せて、強引に侵入したという。年末年始にかけて米兵による事件が多発し、怒りの声があがっている。米兵の犯罪検挙人数は1998年から4年連続で増加している。(7日)
●「防衛計画の大綱」見直し 2005年度をめどに策定を目指す「防衛計画の大綱」の見直しにあたり、防衛庁は9・11ゲリラや不審船事件を理由に、沿岸・重要施設警備や早期警戒態勢の強化を重点項目とし、国連平和維持活動(PKO)業務の自衛隊の本来任務への格上げも検討するという。(7日)
●有事立法第1、第2分類を先行 政府・与党は、有事立法について、今月21日召集予定の通常国会では、防衛庁所管の法令(第1分類)や他省庁所管の法令(第2分類)など、部隊移動や土地収用など自衛隊の行動にかかわる法制のうち研究の終えているものを先行処理する方針を固めた。(8日)
●米、地下核実験再開準備か 米政府は核戦略の見直し計画を議会に非公開で報告した。ワシントン・ポスト紙は、92年から凍結している地下核実験を今後2年以内に再開する可能性を通告する見通しだと報道。(8日)
●小泉、東南アジア訪問 小泉首相がフィリピン、マレーシア、タイ、インドネシア、シンガポールの東南アジア5カ国の訪問に出発した。(9日)
●米「核体制の見直し」概要を発表 米国防総省が米国の核戦略の見直し計画の概要を発表した。特徴は、テロ組織や「ならず者国家」による攻撃など「脅威の予想不可能性」、核だけでなく、核とハイテク通常兵器の組み合わせで対処する「融合戦略」、戦略環境の急激な変化にも対応できる「柔軟即応態勢」の3つ。(9日)
●法相、地位協定見直し否定 森山真弓法相が、日米地位協定の見直しについて「日本の司法制度が後進的とは考えていない。米側からの要望もなく、問題とは思っていない」と述べ、相次ぐ米兵犯罪についても「これだけの数がいれば、不祥事が皆無になるということは難しい」と述べた。(10日)
●フィリピンに米特殊部隊 米国防総省が、フィリピンのイスラム武装勢力掃討のために米特殊部隊を派兵した。アフガニスタンとその周辺以外での特殊部隊の展開を同省が認めたのは初めて。(10日)
●有事立法、推進法案先行提出へ 政府は有事立法について、通常国会で有事立法の作業プログラムを定める「推進法案」(プログラム法)を提出、自衛隊関連法制の一部も成立を目指す方向。国や地方自治体の有事対応を具体的に規定する「基本法案」などは秋の臨時国会以降に。(15日)
●米、フィリピンで演習装い軍事作戦 フィリピンでイスラム武装組織アブサヤフの掃討作戦を目的とした米軍とフィリピン軍による合同軍事演習「バリカタン02−1」が、ミンダナオ島サンボアンガで始まった。フィリピン国防省筋によると、演習は準備、訓練、実戦の3段階で行われ、2月をめどにアブサヤフ掃討作戦に踏み切るという。正当防衛が認められた米特殊部隊がフィリピン国軍に同行する形で進められる。(15日)

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週刊『前進』(2038号5面1)

 世界史的大激動と革命党の任務

 アフガン・パレスチナ・中東侵略戦争の激化と対決し新たな革命的反戦闘争を

 はじめに

 昨年9・11の反米ゲリラ戦争の炸裂(さくれつ)に始まり、10・7の米帝によるアフガニスタン侵略戦争突入から今日に至る全情勢の展開が突き付けているものは何か。1・1アピールで全面的に提起したように、そこで起きている一切の現実は、現代の革命的共産主義者に、すなわちわが革共同に、新たな7・7自己批判〔イスラム諸国人民への決定的自己批判〕を突き付けているものとしてとらえ返さなければならない。
 アフガニスタン・中東侵略戦争の激烈な展開を契機として、世界危機〔世界大恐慌の爆発・進行をふくむ〕が世界戦争へと転化する世界史的過程がついに現実的に始まった。
 この場合、米帝の対中国(北朝鮮)の世界的大戦争の戦略と、日帝(および諸帝国主義)のこれへの争闘戦的生き残りをかけた共同的=競合的参戦の戦略の存在を、しっかりとおさえることが重要である。有事立法攻撃の本質もこの文脈の中でのみ真に明確につかみとりうる。
 このことは主体的にとらえれば、巨大な世界史的スケールでの国際的内乱〔対日帝の革命的内乱を含む〕の時代が到来したということだ。あるいは〔国際的=国内的に〕革命的情勢への突入がついに開始されたということである。
 さらにいえば、革共同の結党以来の成果、フェーズT・フェーズU以来の成果、とりわけ91年5月テーゼから昨年第6回大会にいたる期間の全成果をふまえ、この世界史的大激動と大流動の中で、レーニンが提起した〈革命的情勢における革命党の三つの義務〉の精神を今日的に生かして闘いぬくならば、その激闘をとおしてついに革命に勝利する諸条件が成熟してきたことを意味する。
 今われわれに問われていることは、こうした国際=国内階級闘争の新しい地平に照応する党の革命的飛躍をなんとしてもかちとることである。そのために、今日の情勢の中に革命の現実性を生き生きとつかみとることのできる革命精神・革命家魂に満ち満ちた党として、革共同をつくりだしていくこと、烈火の戦闘的攻防の断固たる推進の中で、革共同の革命的自己変革を戦取していくことである。
 具体的には、2002年1・1政治局アピールを全面的に主体化し、全面的に実践にうつし、全面的に物質化していくことである。本アピールはそのためのものである。この革命的実践=革命的自己変革の烈火の中で、われわれ自身の弱さ、未熟性、不十分性を容赦なく暴きだし、党を根底から変革し直していこう。

 アフガニスタン・パレスチナ情勢の根本問題

 党のこの飛躍を実現するうえで、最も重要なことは、アフガニスタン・パレスチナ・中東侵略戦争の激化に対する新たな革命的反戦闘争の創成をかちとっていく闘いである。
 第一に、9・11論については1・1政治局アピールを参照してほしい。
 第二に、アフガニスタン情勢とパレスチナ情勢をどうとらえるべきか。
 @まず米帝・米軍(諸帝国主義とその軍 隊)の帝国主義的総力をあげた侵略戦争、虐殺戦争の展開についての怒りに満ちた暴露と弾劾が必要だ。
 A闘うアフガニスタン人民・イスラム人民(タリバン・アルカイダ)の英雄的死闘が、9・11を超える戦闘精神で戦いぬかれていることを断固確認していくべきである。
 イ、マザリシャリフ陥落までの死闘戦
 ロ、マザリシャリフ攻防のすさまじさ
 ハ、バーミヤン、ヘラート、カブール、ジャララバードの攻防戦
 *「北部同盟」のペテン(米地上軍と大空爆)
 **カクマルの、北部同盟の進撃=「ロシアのテコ入れ」論のまやかし(超一面性)
 ニ、クンドゥズ攻防の激戦性
 ホ、カンダハル攻防の複雑な展開
 へ、トラボラ攻防=実戦的には最も激しい戦闘

 パレスチナ解放闘争とアフガン反戦闘争

 Bこれまでの「タリバン政権」は帝国主義との圧倒的な戦力差の中で「爆砕」されたが、真の勝負のメルクマールは次の点にこそある。
 α、アフガニスタンでの長期ゲリラ戦争への道が、ぎりぎりと切り開かれたか否か。
 β、アルカイダの国際的陣形が基本的に生き残っていく道が切り開かれているか否か。
 γ、さらに重要なことは、闘いの国際的波及の問題である。
 パレスチナ情勢のまったく新しい段階への突入がそれである。パレスチナへのイスラエル・シャロン政権の超反革命的な越境的攻撃の激化が9・11の背景にあり、かつ引き金を引く力となったが、9・11と10・7がシャロン反革命の大突出とパレスチナ人民とりわけハマス派の一大決起を引き起こし、米・イスラエルのパレスチナ侵略戦争とパレスチナ人民のパレスチナ解放革命戦争との非和解的激突情勢をつくりだしたのだ。
 アフガン反戦闘争は、今やストレートに米・イスラエルのパレスチナ侵略戦争糾弾、パレスチナ人民の民族解放・武装闘争支持の闘いと完全に一体化するにいたった。
 Cこれらすべての事態が帝国主義国の労働者人民に突き付けているものは大きい。アフガニスタン・パレスチナ・イスラム諸国人民のこの糾弾とアピールに対し、われわれは革命党の矜持(きょうじ)にかけて新しい7・7自己批判を真剣に行い、新たな革命的な反戦・反侵略の闘争を、ベトナム反戦闘争以来の大闘争として今こそ組織しなければならない。
 Dアフガニスタン情勢は、カンダハル制圧やトラボラ高地の制圧をもってしてはけっして終結しない。米帝(諸帝国主義)とそのかいらい政権によるアフガニスタン支配はけっして勝利しえない。アフガニスタンをめぐる帝国主義との闘いは今後も続く。帝国主義のもとでの、または国連のもとでの帝国主義的軍隊(軍事力)のアフガニスタン投入、アフガニスタン制圧、アフガニスタン侵略との闘いは、まさにこれからである。
 日帝・小泉政権はアフガニスタンへの「復興援助」なるものを口実に、テロ対策特措法(参戦法)、改悪PKO法を武器として、いよいよ全面的にアフガニスタン・中東侵略戦争にのめり込もうとしている。われわれは、パレスチナ解放闘争とアフガニスタン反戦闘争を結合し、今こそ立ち上がらなければならない。

 世界危機を世界戦争に転化する米帝路線

 第三に、米帝(諸帝国主義)は世界危機を世界戦争に転化する路線にすでに完全にのめり込んでいる。9・11とアフガニスタン侵略戦争はそのきっかけというべきである。米帝(諸帝国主義)はこの戦争を必ず続行し、拡大する。
 米帝はABM(弾道弾迎撃ミサイル)制限条約を正式に破棄した。BMD(弾道ミサイル防衛)戦略を突っ走るつもりなのだ。BMD戦略とは本質的には、対中国(北朝鮮)侵略戦争(世界大戦級の大戦争)の戦略なのだ。
 日帝も必死だ。99年ガイドライン法から昨年の対テロ特措法(参戦3法)およびPKO法改悪へと展開されてきた流れは、今や2002年における有事立法攻撃の着手へと到達した。有事立法の真の狙いは、米帝の対中国(北朝鮮)侵略戦争に日帝が参戦するための全面的な政治軍事体制の形成というところにある。中東での戦火の果てしない拡大と対中国 (北朝鮮)侵略戦争の進行は、必ず帝国主義間矛盾の爆発、帝国主義間戦争へと発展し、文字どおり第3次世界大戦の道へとつながっていく。
 アメリカの経済恐慌、日本の経済恐慌は、今やEUや新植民地主義体制諸国に波及し、1929年型世界大恐慌へと日々発展しつつある。これはブロック化と戦争への道に直結しているのだ。

 日帝・小泉の戦争国家化侵略戦争開始との闘い

 日帝・小泉の戦争国家づくりとアフガニスタン・中東・アジアへの侵略戦争突入開始の攻撃は、昨年末から今年に入って、いよいよ急ピッチで進んでいる。これとの全面的な闘いに直ちに突入しなければならない。
 まず、何をどう訴えるべきか。
 @「15年戦争」と第2次大戦のことを「日本人民は忘れてしまったのか!」 「忘れてしまっていいのか!」ということだ。このことを激情的に訴える。
 A憲法9条に「戦争放棄」が書き込まれたのはなぜなのか!――これを再度強烈に突き付ける。
 B「15年戦争」も第2次大戦も、すべて今のテロ特措法の論理とそっくりの宣伝が行われ、「国益のため」「国のため」として、実際には帝国主義のための侵略戦争が戦われたのだ。
 C米帝も、日帝・小泉も、9・11の対米ゲリラ戦争やパレスチナ人民の武装解放闘争を、「テロ、テロリズム、悪、邪悪、悪魔の所行」などと決めつけ、その根絶のためには何をしてもいいという論理をふりまわして、侵略戦争を遂行している。1人がテロで殺されたら、そのテロの根絶のためなら100人、いや1千人、1万人を殺してもいいという論理だ。
 これは、あらゆる武装闘争あるいは行動には一定の原因があること、よほどのことがない限り人間は自己の生命をかけて戦闘(戦争)に立ち上がったりしないということを否定している考え方で、そもそも完全に初めから間違っている。ねじ曲がっている。実際、戦争を始めているのは実は常に帝国主義の方なのだ。彼らがパレスチナで、イスラム諸国で、また新植民地主義体制諸国全体で、どれだけの悪行を働いてきたか。どれだけの力ずくの圧殺=大虐殺をやってきたのか! いったいこれがわかっているのか。
 Dこの点では今、パレスチナ問題を全面的に暴露することが大切だ。
 本年1・1アピールで提起したパレスチナ問題での革共同のスローガンは、極度に重要である。これは重大な政治方針であり、宣伝・扇動の武器だ。どんどん人民大衆の中に打ち込んでいくべきだ。そして、実践と実践的討議の中で、さらに磨き上げていかなくてはならない。

 〈パレスチナ問題〉を決定的に重視しよう

 米帝や日帝・小泉の「テロ根絶」論の反人民性を暴露する闘いの一環として、パレスチナ問題をあらためて決定的に重視すべきである。
 パレスチナ問題とは何か。これはまぎれもないシオニストを押し立てての帝国主義による領土強奪、軍事力による占領・略取の問題である。
(a)90〜91年におけるイラク・中東侵略戦争の際、米帝(諸帝国主義)はあれだけイラクのクウェート侵略について騒ぎたて、とてつもない大戦争を合理化したが、パレスチナで米帝(諸帝国主義)とシオニストたちがやったことはそんなものの比ではない。
(b)パレスチナは超長期にわたってパレスチナ人民がそこに住み生活をつくり上げてきた大地なのだ。今日、イスラエルと言われているところは、すべてパレスチナ人民の大地としてあったのだ。
(c)帝国主義諸国はユダヤ人を歴史的に差別し、圧迫してきた〔ナチスはその頂点であった〕。だがそれへのユダヤ人民の怒りを逆用して、帝国主義とりわけ英帝、米帝はシオニストたちを押し立てて「パレスチナにユダヤ人の郷土を打ち立てる」として、強引にパレスチナの地に対する入植・略奪攻撃を開始したのだ。そして第2次大戦後、ついに強引にイスラエル国家の「独立」を宣言するまでにいたった。これに対してパレスチナ人民、アラブ人民の怒りが爆発して、第1次中東戦争が展開されたが、米帝などの全面的バックアップのもと、イスラエルは力でこれをねじ伏せ、イスラエル国家なる既成事実をデッチあげたのだ。
(d)それはもう半世紀も前のことではないかと言う人もいるかもしれない。しかし違う。米帝はイスラエルを全中東支配の軍事基地国家として位置づけ、その強化のために全力で支援し続けてきた。そして、イスラエルはなんと「聖書の時代」にはパレスチナの地はユダヤ人のものだったなどということを振りかざしつつ、パレスチナ人民の奪われた祖国の大地の回復のための闘いを力で圧殺するために、第2次大戦後から今日までの間に4回(5回)も中東戦争(パレスチナ・中東侵略戦争)を展開してきたのだ。
 ☆第1次中東戦争(1948〜49年)
 *イスラエル国家デッチあげに対するアラブ人民の闘いと、それを圧殺しようとした米・イスラエルの戦争
 ☆第2次中東戦争(56年)
 *スエズ国有化を契機とした戦争
 ☆第3次中東戦争(67年)
 *6日間戦争。米・イスラエルはヨルダン川西岸、ガザ、ゴラン高原、シナイ半島を占領し、入植地をどんどん拡大した。
 **「聖書の時代」の歴史を盾に大イスラエル主義をもって、これらはすべてイスラエルのものだという主張も強固にある〔リクード。シャロンもしかりだ〕
 ☆第4次中東戦争(石油危機に発展)
 *エジプトがシナイ半島を取り戻すが、逆に他を売り渡す方向へと進んでいく。
 ☆第5次中東戦争(82年)
 *PLOを根絶するためとしてレバノンを侵略した。われわれはこれを第5次中東戦争と呼ぶべきと考える。
(e)重要なことは、こうしたことが戦後の時代に平然と遂行されたことだ。世界最強の帝国主義としての米帝(諸帝国主義)の全面的な軍事的・政治的支援と指導のもとで、イスラエルを手先として、公然とパレスチナやアラブの土地・領土が占領され、強奪され、併合されたり、植民地以下的な抑圧が強行されたということだ。この決定的な悪行、罪業を米帝(諸帝国主義)はやってきたのだ。
 圧倒的な米・イスラエルの軍事力の暴圧に対して、テロリズムを含む武装解放闘争を展開することはあまりにも当然なことではないか。パレスチナ・アラブ人民からすれば、軍事占領が続いているだけであり、常に戦争状態にあるのだ。またそのような論理で弾圧されているのだ。どちらが先に攻めたかとか、不意打ちだとかなどということは、およそ問題にならない。4度も5度も侵略戦争を行い、軍政(的支配)を強制し、常に軍事行使が行われている時、自らの民族独立をかちとり、領土を回復するためにパレスチナ人民がどのような手段で立ち上がろうと、それは絶対的正義なのだ。
(f)米・イスラエルの軍事重圧・支配に対するインティファーダ(民衆蜂起)と爆弾テロ闘争は絶対正義の闘いだ。
 ☆第1次インティファーダ(87〜93年)
 ☆オスロ合意(93年「暫定自治に関する原則」宣言)
 ☆第2次インティファーダ(97〜98年)
 ☆シャロンのイスラム聖地訪問の超重大性(00年9月)
 ☆シャロン政権成立(01年3月)とその武力行使の政策
 ☆第3次インティファーダとすさまじい自爆テロルの大爆発
 ☆米・イスラエルによる、オスロ合意さえ破棄する全面軍事侵攻の凶暴性
 以上の過去5次にもわたる米・イスラエルの領土強奪の超古典的なウルトラ植民地主義的侵略戦争の強行。そのもとでの圧倒的な軍事支配体制の強制。しかし、パレスチナ・アラブ・イスラム人民の闘いは、正義の民族解放闘争として、不死鳥のように再発・激化し、米・イスラエルに大きな打撃を与え続けてきた。
 オスロ合意なるものは、米・イスラエルのもとでの圧倒的な既成事実をパレスチナ・アラブ・イスラム人民に強制的に承認させるためのものである。そのかわりにきわめて不十分で制限的で不安定な「自治政府」を樹立させたり、「ミニ国家」の空約束を与えて、パレスチナ・アラブ・イスラム人民を抑え込んでしまい、武装解除してしまおうとするものであった。シャロンと米帝は00年以降、これさえ、イスラエルの入植地拡大、イスラエル領土の拡大にとって足かせになるものとして破棄しようとしてきたのだ。
 とりわけ、00年9月のシャロンのエルサレム「聖地」訪問は重大であった。これはオスロ合意さえ踏みにじるというシャロン、ひいてはイスラエルと米帝の決断を意味していた。パレスチナ人民が第3次インティファーダに立ったのはあまりにも当然のことだ。圧倒的に正義だ。
 ところが、イスラエルと米帝はこれに銃弾をもってこたえた。これに対して「ハマス」「イスラム聖戦」などのグループ(ファタハの武装部隊も次第に参加)が自爆テロを含むテロリズム攻撃で反撃したのは、絶対的に正義だ。
 ところがなんと、米・イスラエルはこれに対して「自治政府」の「警察」や 「政府機関」の施設・建物を含めてミサイル攻撃、空爆の嵐(あらし)をもってこたえたのだ。ハマスなどの活動家への暗殺・白色テロルやアジト・自宅へのミサイル攻撃もどんどん強行された。
(g)この米・イスラエルの恐るべき越境的な反革命襲撃に対し、パレスチナ人民、アラブ・イスラム諸国人民の怒りは頂点に達した。ここで炸裂したのが9・11なのである。
(h)9・11から10・7、さらには12月のアフガニスタンをめぐる攻防は、表面上のいかなる経過にもかかわらず、パレスチナ人民、イスラム諸国人民の米帝(諸帝国主義)への民族解放闘争の新たな段階への突入としてある。米帝(諸帝国主義)はここでついに地獄への道にのめり込んだのだ。
(i)アフガニスタン攻防の展開は、パレスチナ情勢をさらに新たな段階に突入させた。人民の側の一層強烈な蜂起とテロル。米・イスラエルのオスロ合意を破棄しての全面的なパレスチナ領土への侵攻―侵略戦争過程への突入。自治政府諸機関を含むすべての抵抗拠点、建物、アジト、人間そのものへの無差別のミサイル攻撃、大空爆、地上軍の突入。事実上の侵略戦争の全面的開始。――以上がパレスチナ問題の本質なのだ。

 「テロ=悪の根源」論を怒りこめ粉砕せよ

 まさにこれこそが、米帝・ブッシュ、日帝・小泉のいう「テロリズムは一切の悪の根源」「その根絶のためにはどんな手段も合理化される」ということの背後にある事実なのである。いったい全体、悪の権化はどちらなのだ! 米・イスラエルが戦後史をとおして今日までやってきたこれらの悪行の数々を、正視してみよ。圧倒的な正義がパレスチナ人民、アラブ・イスラム諸国人民の側にあることはあまりにも明白ではないか。これはパレスチナだけでなくイラク、イラン、アフガニスタン、いやすべてのイスラム諸国をめぐっても基本的に言えることなのだ。もちろん、それは戦後の新植民地主義体制諸国の現実の集中的表現のひとつとしてである。
 われわれは満身の怒りを込めて、米帝や日帝の「テロリズム=悪の根源」論というイデオロギーを徹底的に粉砕し、労働者人民の「連帯し侵略を内乱へ」の闘いを組織していかねばならない。
 「闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義のアフガニスタン・中東・アジア侵略戦争を国際的内乱に転化せよ!」―われわれがとるべき道はこれしかない!
 なお、以上の展開でパレスチナ人民の自爆テロを圧倒的に肯定すると言いきっているが、それは、帝国主義国人民として、7・7自己批判の基本的精神を根底にしっかりと据えての上でのことでないといけない。自爆テロ戦術の極限的すさまじさは、帝国主義国労働者人民の帝国主義打倒の闘い、帝国主義の侵略戦争反対の血みどろの決起を促す糾弾として、まずわれわれの心につき刺さるものとして受けとめなければならない。われわれは血債を支払う立場に立ちきって闘いに突入し、それに勝利していくという条件のもとでのみ、上記のように言いきって肯定できるのだということである。

 有事立法・改憲攻撃を粉砕する政治決戦へ

 日帝・小泉の戦争国家づくりとアフガニスタン・中東・アジアへの侵略戦争突入開始との全面的対決は、今や待ったなしである。われわれは2002年の冒頭から、この闘いにまっしぐらに突入していかなければならない。
 第一に、アフガニスタン・中東・アジアへの出兵阻止闘争である。
●対テロ特措法発動
→アフガニスタンへの地雷撤去問題をテコとした自衛隊派兵の攻撃や、1・21〜22東京アフガン復興会議をきわめて重大な問題として受けとめ闘うこと。
●PKO(PKF)攻撃
→アフガニスタン、東ティモールへの派兵阻止のために闘うこと。
●フィリピン情勢についても注目しなくてはならない。
 第二に、有事立法(プラスPKO5原則の根本的改変)阻止闘争である。
 第三に、沖縄への攻撃と闘うことである。この間の『前進』での提起、6回大会決定集(下)の「沖縄報告」の意義について、きわめて重くかつ正しい提起として、しっかりとつかむこと。
 第四に、三里塚暫定開港攻撃との闘い。これを侵略戦争突入の問題としてとらえ、反対同盟との血盟にかけて4・18開港阻止を闘おう。
 第五に、教育基本法改悪、改憲、戦時型治安弾圧、天皇制攻撃などとの闘いを圧倒的に強化しよう。
 日帝・小泉政権は本年の通常国会で、有事立法攻撃に全面的に踏み切ることを宣言した。これとの闘いを、全力で一からつくりださなくてはならない。
 有事立法攻撃は第一に、ガイドライン攻撃→対テロ特措法攻撃→PKO全面発動攻撃などの諸大反革命の流れを引き継ぎ、集約・集大成するもので、改憲攻撃への外堀を埋め(これまで)、さらに内堀を百パーセント埋める攻撃である。
 第二に、国家体制の問題として戦争国家体制をつくりあげ、戦争への国家総動員体制をつくりあげるものである。しかし、重要なことは一般的な体制づくりの問題ではなく、明白に米帝―日帝の現在直下に進行しているアフガニスタン・中東・アジアへの侵略戦争から、さらに第3次世界大戦へと発展するプロセスにストレートに実践的に対応するものとしてあるということだ。
 さらにはっきり言えば、日帝は米帝とともに(争闘戦的に)、対中国(北朝鮮)の世界大戦級の大戦争を戦いぬくことを国家の基本政策として設定しているのであり、有事立法は実はまさにそのために、いま直ちにやらなければならない必須不可欠の帝国主義的反革命としてあるのだということである。
 第三に、通常国会での有事立法攻撃に米軍の行動に関する事項(や対テロ行動に関する事項)を含めることがたくらまれていることは、゛自衛隊をもつ以上当然準備しておくべき法制゜とか゛法制化しておかないとかえって超法規的逸脱に歯止めが効かなくなる゜などという超一般論的な話ではなく、対中国(北朝鮮)の大戦争に向けた体制づくりに不可欠なものだということを示している。

 有事立法の核心内容は「非常事態宣言法」

 第四に、有事立法攻撃の核心的内容は具体的にどんな形態(ペテン的)をとって現れてくるかにかかわらず、その核心的本質は非常事態(宣言)法(マーシャルロー)ということだ。法的にいえば、緊急時の憲法の停止(全的と部分的とを問わず。しかし根本は全的)ということである。超憲法的行為、行動の権利を行政権力や軍隊に与えるということだ。したがって、それは本質的にかつての治安維持法や軍機保護法のようなものと一体的な攻撃となる。このマーシャルローを根本とし、土台として、より諸実体的には有事立法攻撃の内容には、次のような要素が必ず入ってくる。
 @戦争に向かっての国家・国民の総動員に関する条項
 イ、土地・建物・施設・ゾーンなどの強制収用・強制使用
 ロ、物資の強制的・優先的調達
 ハ、運輸・交通・通信手段の軍事的自由使用、軍事的・国家的管理掌握
 ニ、警察力・民間防衛勢力の治安的政治的動員
 ホ、軍事力の行使の一層の自由化
 A全面的治安弾圧体制の形成
 イ、破防法・準破防法的諸法―治安維持法的な実施・拡大→労働運動・諸民衆運動、出版・言論、結社の自由の全面的抑圧・圧殺
 ロ、軍機法―スパイ狩りの強化
 ハ、入管体制のおそるべき排外主義的反革命的強化
 *対テロ対策の名のもとに!
 B(在日)米軍の行動の大幅な自由化。それへの全面的協力の義務化。反戦闘争の圧殺
 *沖縄の反基地闘争との激突を反動の側から強めようとしてくる。
 第五に、有事立法攻撃の場合、非常事態法の宣言に関する法律を基本的に制定し、他の具体的な憲法停止的諸事項は、諸法令として準備しておき、緊急的に一挙に国会で承認するという形態をとることもありうる。これも留意しておく。
 第六に、以上から有事立法攻撃とは、@実質的な戦争準備体制―国家総動員体制の構築のための大攻撃であること。Aしかもそれは一般的な準備うんぬんではなく、対アフガニスタン・中東・アジアへの侵略戦争のためのもの、さらに言えば対中国(北朝鮮)侵略戦争のための具体的な戦争体制づくりそのものとしてあるということである。Bそして改憲への外堀、内堀の全面的埋め立ての攻撃、いや実質的な改憲攻撃そのものとしてあり、改憲強行へと一挙に連動していく攻撃であるということである。
 以上の確認に立ってわれわれは、02年において、アフガニスタン・パレスチナ・中東・アジア侵略戦争の具体的進行に反対する闘いと固く結びつけ、有事立法反対闘争(プラスPKO5原則改悪反対闘争)を一大反戦闘争として大爆発させるために総決起しなければならない。

 国鉄決戦に絶対勝利して春闘期の闘いへ

 以上に展開した政治闘争方針は、言うまでもなく、労働戦線における闘いにとって決定的なエレメントである。この点で、昨秋9・11以降の情勢は、ガイドライン闘争において反戦共同行動委の闘いを始めとして画期的に切り開いたあの地平を、さらに圧倒的に飛躍させなければならないことを示している。
 さらに、小泉反革命の嵐の中で、「聖域なき構造改革」の名のもとに恐慌のりきりの重圧をうけて、一大資本攻勢が吹き荒れている。われわれは、かつてない危機意識と意気込みでこれと対決して闘いの炎を上げていかなければならない。
 とりわけ国鉄決戦が昨秋の闘いの中で重大な地平を切り開いている。どんなに苦しくともこの地平を守り、発展させ、確実な勝利的地平、確実な陣地の戦取のために闘いぬこう。
 2月国労決戦へ、今こそ国労本部を打倒し、国労の階級的再生をかちとる闘いに総決起しよう! 情勢の激動的展開に全力でくらいついていこう!
 国鉄決戦の勝利と、昨年11・11労働者集会が切り開いたものすごい階級的地平の上に、春闘期における全国、全産別、あらゆる職場での決起を実現しよう。なんとしてもマルクス主義青年労働者同盟の再建をかちとろう。
 9・11以降の巨大な反戦的流動になんとしてもくらいつき、闘うイスラム諸国人民と連帯し、巨万の労働者人民の歴史的決起、巨大な反戦闘争をつくりだそう。労働運動・学生運動の革命的爆発で、日帝・小泉政権を打倒しよう!

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週刊『前進』(2038号6面1)

 名護市長選

 宮城氏必勝へ全力を

 新基地建設阻止の正念場

 名護新基地建設か、その阻止かをかけた決戦である名護市長選挙は、すでに1月27日の告示まで1週間、2月3日投票まで2週間に迫っている。宮城やすひろ候補を押し立て、この超短期の激戦を勝ち抜くことは、厳しいがまったく可能な情勢にある。ここで勝つことが切り開く巨大な情勢に確信をもって、総力で名護現地にかけつけ、選挙戦を闘おう。

 「みんなで造らせないと決めた」

 「皆さん、勝ちましょうね。私は97年の住民投票のことを思い出しています。あの住民投票はとってもつらかった。大変だった。辺野古(へのこ)の皆さんは、友だちや親戚が賛成、反対に二分されて、つらい思いをして、それでみんなで決めたじゃないですか、『造らせない』と。この思いをもう一度思い返して実現しましょう。それが名護市にとって一番大事なことです」
 1月8日、宮城やすひろさんは、後援会「ぶりでぃの会」の事務所開きで、こう話し出した。そして、熱く訴えた。
 「沖縄で僕は、おかあさんがたくさんいると思っている。97年、住民投票やってきて、辺野古のオバアたちに僕は本当に支えられてきた。そういうおかあさんたちが体験したこと、思ったこと、これを僕らが引き継いで、次の世代に渡していかなくちゃいけない。名護の市民は絶対できる。それが、97年の市民投票だったし、この市長選だと思っています。
 短い選挙期間です。短い選挙期間だからこそ、97年をしっかり思い返して、みんなで走り抜けていきましょう。走り抜けて、走り抜けたら勝ち抜けていたという結果が絶対、2月3日には出ますので、ともに頑張っていきましょう」
 命を守る会の金城祐治さんも「私たちは4年前、日本に類のない市民投票を立ち上げました。そして勝ちました。これは名護市民の金字塔であります。私の本当の心を伝える市長をみんなで立ち上げていきましょう。頑張りましょう」と檄(げき)を飛ばした。

 市民投票の民意を守りぬく選挙

 97年12月21日に投票が行われた名護市民投票を思い起こそう。日帝・防衛施設庁は、防衛機密費までも買収のために注ぎ込み、現職自衛官、警察官、右翼・保守反動派などを総動員してあくどい妨害を試みた。にもかかわらず、投票結果は、投票率82・45%、投票者総数3万1477人中、反対が1万6254人で51・63%を獲得した。条件付き反対(環境対策や経済効果が期待できないので反対)も合わせると賛成・条件付き賛成を2372票上回った。「基地に反対」の民意がみごとに結晶した。
 しかし、動揺した比嘉市長(当時)は12月23日、基地受け入れを表明して辞任。98年市長選で保守系候補の岸本建男は、「海上基地問題は凍結」と公言し、争点を北部振興策などにすり替える選挙戦術を展開し当選を果たした。その後、99年12月に名護市議会での基地受け入れ決議、岸本市長の基地受け入れ表明、閣議決定へと進んだ。
 そして昨年12月27日、東京・首相官邸で開催された第8回代替施設協議会に出席した岸本が「基地受け入れを決断」、辺野古沿岸の「リーフ上」への基地建設合意が強行されたのだ。名護市民の基地反対の声をどこまで踏みにじろうというのか! ここに至って迎えた2002年冒頭の名護市長選である。
 1月3日、立候補表明の記者会見で宮城やすひろ氏は「立候補要請に対して、私がちゅうちょすることは許されないと即断した」と決意を語った。やすひろ氏こそ、名護市民とともに進む最良の候補だ。選挙の勝利が、豊かな未来を獲得することに直結している。

 全国から熱い支援届けよう

 アフガニスタン・中東侵略戦争が強行され、グリーンベレーを始め、在沖米軍がその先頭で出撃し、残虐の限りを尽くしている。昨年12月には沖縄中部・金武町にあるキャンプ・ハンセン内に新たな米特殊部隊の対テロ訓練施設建設計画の存在が明らかになった。9・11反米ゲリラ戦争が、あらためて「基地の島、戦場の島」=沖縄の現実を突き出したのである。米軍基地との共存など絶対にできない。ジュゴンが住む豊かなさんご礁、そのリーフを破壊し、巨大な海上軍事基地が建設されることなど、許してはならない。
 市民投票で結晶させた、基地反対の民意をあらためて名護市長選に結実させることはまったく可能だ。宮城やすひろ候補の勝利へ、全国から熱い支援を寄せよう。ただちに名護現地に駆けつけ、奮闘しよう。カンパ、檄文を集中しよう。知人・友人に全国から電話・手紙、メールで投票を依頼しよう。すべてをやりきってやすひろ氏当選をともにかちとろう。
【「宮城やすひろとぶりでぃの会」=名護市大南2丁目8−2−101/電話0980−53−7081/振込先「ぶりでぃの会」01750-1-32163】

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週刊『前進』(2038号6面2)

 都革新 新春のつどい

 ”新しく生まれ変わる”

 小泉政権打倒へ熱気

 1月14日午後、杉並区内で都政を革新する会と後援会の新春のつどいが開かれ、例年にも増して多くの区民が集まり、今年こそ都革新の飛躍の年にしようと熱気にあふれた。(写真)
 主催者を代表して長谷川英憲代表が「大きな激動の時。新しく生まれ変わる」とあいさつ、後援会会長は「都革新と後援会をもっと大きくしたい」と抱負を語った。晴れやかな笑顔の新城せつこ区議の司会進行がつどいを盛り上げる。
 けしば誠一前区議は都議選の敗北をおわびし、「しかし負けてはいられません。働く者や高齢者に犠牲を押しつける小泉政権の本質を暴き出していく」と決意を述べ、さらに介護保険反対や「つくる会」教科書採択阻止など昨年の闘いについて「主人公は住民であるということを宣言した画期的な運動。住民の力を信じることで杉並にも新しい運動が確実に始まった」とその意義を強調した。「都革新しかないという声、厳しい注文も寄せられている。住民に根ざした都革新として新しいスタートを切りたい」と語った。
 来賓として革共同の天田三紀夫書記長がともに闘う決意を表明。三里塚反対同盟からは市東孝雄さんと鈴木謙太郎さんが駆けつけ、暫定滑走路開港阻止への決意を述べた。
 介護保険に反対する住民や商工業者などから熱い期待を込めた発言が続き、都革新の躍進を誓い合う新春のつどいとなった。

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週刊『前進』(2038号6面3)

 土田美恵同志を追悼する

 病身にむち打ち最後まで革命運動に献身

 革命的共産主義者同盟

 闘病生活を送っていた土田美恵同志が1月10日早朝亡くなった。最後まで付き添った同志にしっかりと抱かれて、革共同とプロレタリア階級闘争に捧げたその57年の生涯を終えた。帝国主義権力・資本の不正義の暴虐とカクマルのファシスト反革命を心底から憎み、党と革命運動の勝利にかけた土田同志のひたむきで揺るぎない階級的人間的真実に、われわれ革共同はここに心からの敬意を表する。
 土田同志は、ここ数年、肝硬変の進行を抱え、入退院をくり返しながらも、活動に復帰する強い信念をもって、懸命に病気と闘い抜いてきた。最後の入院となった今回も、見舞いに駆けつけた同志や友人・知人たちの激励にこたえるかのように、昏睡(こんすい)状態から一時覚め、戦線復帰を宣言したのだった。
 その土田同志が昨年末に病状が急変し救急車で運ばれる前に、一時金カンパ活動をしなければならないと思い詰め、病身にむち打って支持者の所に赴いてオルグし、カンパ2万円を所属組織の責任者あてに封筒に入れていたことが、後で判明した。最後の最後まで革共同の党員としての誇りと使命感に満ちあふれ、労働者階級への根底的な信頼を片時も忘れなかった土田同志! その土田同志を失って、われわれの悲しみは言葉もないほどである。
 土田美恵同志は、1944年4月、岡山県に生まれ、中学校を卒業するとすぐに働きに出て、自らの貧困な家庭と社会の矛盾の中で葛藤し、早くから労働者としての階級意識にめざめ、政治運動に加わっていった。上京してほどなく、世田谷地区反戦青年委員会に加わり、そして72年にマルクス主義青年労働者同盟に加盟し、精力的な活動家として自己を形成していった。三里塚闘争に全身全霊をかけて決起し、2度にわたる不当逮捕・起訴。反対同盟の不屈の闘いにこたえ、裁判闘争を果敢に闘った。沖縄闘争に情熱を注ぎ、知花裁判支援を軸に、本土の沖縄連帯闘争の推進のために粉骨砕身して闘い抜いた。
 土田同志は70年代半ばから90年代半ばまで杉並区を活動の舞台とした。都議選・区議選では、常に懸命になって区民に支持を訴えて回った。「障害者」解放闘争をともに闘い、婦人民主クラブ全国協議会の闘いを担った。
 その中で、生活保護受給に対して、警察権力が2度にわたって生保打ち切りの不当で暴力的な逮捕攻撃を加え、生命の危機にすら追いやることと真っ向から闘って、敢然と権利としての生保を守り抜いてきた。
 土田同志は、若い時から甲状腺の病気を抱え、継続的に活動することがままならないことに悩んできた。ここ数年は、アルコール依存症で苦しみ、自己変革を決意して断酒運動を自らに課し、治療を優先してきたが、肝硬変の進行を抑えることができず、肺炎を併発し、ついに帰らぬ人となった。難しい病気を抱え続けた土田同志は、常に感受性を鋭敏にさせ、権威主義的なものを嫌い、解党主義を憎み、組織関係でも妥協を排してきた。そのことが病気を悪化させることになったのかもしれない。
 振り返れば、命の限りを尽くすように、少しでも元気な時に思いっきり闘いたいという焦りの気持ちに駆り立てられてきた生涯であった。しかし、9・11反米ゲリラ戦争に心底から鼓舞され、新たに血債の思想を胸に秘めて、勝利の展望に燃えていた土田同志は、勝利者として自己を貫いた。プロレタリア解放の信念に生き死にした、その覚悟ある生涯に悔いるものは何もない。
 われわれ革共同は、そして長年所属した東京西部地区委員会および最後の所属委員会の全同志は、土田同志とともに闘えたことを誇りに思い、彼女のひたむきな生きざまに襟(えり)を正して学んでいく共同の決意をしている。
 土田美恵同志! あなたはいつまでもわれわれの中に生きている。あなたの戦闘的遺志を引き継いで、われわれは必ずや反帝国主義・反スターリン主義世界革命とその一環としての日帝打倒のプロレタリア社会主義革命に勝利することを誓う。どうかその日までわれわれを見守っていて下さい。さようなら。

 同志、友人・知人が集い 土田同志を送る会

 1月12日と13日に土田美恵同志を送る会が事実上の人民葬としてとり行われた。正面には、昨年10・21闘争に参加した時の快活な笑顔の土田同志の遺影が掲げられ、同志や友人・知人たちが持ち寄ったさまざまな花がその周りを飾り、彼女のスナップ写真が並べられた。土田同志は赤旗で覆われた棺の中に眠っていた。彼女が好きだった「さとうきび畑」の曲が流れ、参加者は献花し、ありし日の土田同志をしのんだ。
 2日間の送る会では、最後まで付き添った同志から経過と土田同志の奮闘奮戦の歴史が語られ、沖縄のたたかいに連帯する東京会議で土田同志とともに闘った沖縄民権の会の座覇光子代表、婦人民主クラブ全国協議会の西村綾子代表、親しい友人の伊藤登美子さん、佐野さよ子さんなどが弔辞、革共同および同東京西部地区委員会を代表して水谷保孝同志、長谷川英憲同志が弔辞を述べた。土田同志のご兄妹たちが、この2日間で知ることができた美恵同志の生きざまへの感動を述べられた。最後にご家族と長谷川同志や友人たちがひつぎをかつぎ、皆で心を込めて土田同志を送った。土田同志! いつまでもわれわれとともにあれ。

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週刊『前進』(2038号6面4)

 読者からの手紙

 介護保険制度は国家的詐欺 東京 U 

 月1回程度、『前進』を書店で買っています。この間の介護保険制度廃止に向けての記事や、生存権を奪う「医療制度改革」を暴露し弾劾した論文はとても良かったと思います。また、街頭宣伝で右翼を撃退したという記事もとても勇気づけられました。
 私は、介護保険制度は国家的詐欺そのものだと思っています。年金制度についても、以前より国家的詐欺ではないかと言われています。労働者から多額の費用を徴収しておきながら、支給する時になると、財政状況を理由にして支給額を減らしたり制限を加えたりしています。それまでに労働者が払い続けた金はどうなってしまったのか? その責任はすべて政府と官僚にあると思います。彼らの政策の失敗、このような保険の制度そのものに問題があると思います。
 医療保険についても同様に思います。どちらも全額公費負担にしたらどうでしょうか。さらに闘いを続けましょう。
 年末一時金カンパを同封します。中核派のさらなる闘いを期待しています。

 サッカーW杯をどう分析? 学生 A 

 私は、民族とか宗教などに関心を持っている学生です。今回、イスラム原理主義について、中核派がどういう見解をもっているか知りたくて『前進』を書店で買いました。
 今年はサッカーのW杯がありますが、日本人のほとんどは(日の丸を振りながらも)単なるエンターテインメントとしてしか見ないと思います。
 ところが諸外国とりわけ「途上国」の人々は激烈な民族(国家)意識を持ち込み、事実上の「代理戦争」という意識でやってくるのが現実です。中東・南アジア・南米等の留学生と話すとひしひしと感じます。
 日本のマスコミは単なるスポーツとしての勝敗のみを取り上げるだけですが、『前進』が、それとはまったく逆の視点から分析されると思わぬ反響を呼ぶのでは? と思うのですが。

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週刊『前進』(2038号6面5)

 読者からの手紙

 『9・11反米ゲリラとアフガニスタン侵略戦争』

 全編でイスラム人民との連帯真剣に追求 神奈川 真田 充 

出版案内新刊紹介へ 私には多くのパキスタン人の知人(パシュトゥンも含めて)がおり、日ごろから世界革命をめざすわれわれとイスラム人民との関係、イスラムをどうとらえるのかなど、漠然と考えをめぐらしていました。彼ら彼女らと接し、考え方やイスラムの社会習慣の独自性に触れる中で、それほど隔たりがあるわけではないと親近感を感じていました。
 9・11、そして米帝のアフガニスタン空爆、パキスタン圧迫――あの人たちは今ペシャワールで、カラチで、何を考え、どうしているのかと、いてもたってもいられませんでした。
 その中で出版されたこの本。全編、米日帝のアフガニスタン侵略戦争への怒りに満ちあふれ、何よりもイスラム人民との連帯を真剣かつ真摯(しんし)に模索する姿勢が貫かれており、「まったくそのとおり!」と通勤電車の中で思わずつぶやきそうになりながら読みました。特に第U部は何度も読み返しました。
 それにしても米帝とイスラエルがパレスチナにやってきたことはあまりにひどすぎる。今も、素手のパレスチナ人民に武装ヘリ・戦車・ミサイルが襲いかかっている。もうこれは抵抗する側が何をやっても許されるという感じです。「自爆」ゲリラに決起しているパレスチナ青年たちの心情を思うと涙が出ます。
 問題はわれわれ帝国主義国の人民が、「もう何をやっても許される!」というくらいに怒りを燃やすこと、イスラム諸国の現実を知り、そこに住む人びとの血叫びを聞き、米帝、日帝に対する怒りをたぎらせることに尽きると思います。パレスチナ人民が日々感じている憤りが9・11という形で爆発した。それほど怒りが大きかったんです。
 本書ではイスラエル人民の反戦決起が伝えられています。アメリカ国内でも反戦闘争の火が燃え広がっています。さらに国際反戦闘争は爆発していくでしょうし、われわれが起爆剤とならなければなりません。

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