ZENSHIN 2001/12/17(No2034 p06)

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週刊『前進』(2034号5面1)

JR総連の分裂=脱落に続いて教労カクマルの分裂が始まった
「報復戦争に反対する会」はカクマルだ

 JR総連の脱落を直視できぬ中央派

 松崎・JR総連派と黒田・中央派へのカクマルの分裂以降、カクマルの危機はいよいよ激化している。
 松崎・JR総連派は限りなく日帝・資本のファシスト先兵と化して延命する道を突き進み、最大の組織実体から切り離された中央派は、わが革共同へのデマキャンペーンと反革命的敵対で生き残るためにのみあがき回っている。松崎・JR総連もろとも黒田と中央派を徹底的に追撃し、打倒しなければならない。
 カクマルの分裂そのものは、かねてからわれわれが指摘してきたとおり、黒田理論の破産を事実をもって示したものである。松崎・JR総連派は、黒田のエセ「哲学」や「組織論」の適用を誤ったから発生したのではない。エセ「革命」を掲げて組織を作り、革命党派を破壊して「革命党」を僭称(せんしょう)するという、反革命黒田理論を忠実に労働組合運動で実践してきたJR総連が、帝国主義の危機の激化と革命的情勢の切迫という事態にあって、実際にやっていけなくなったものである。革命の仮面を投げ捨てた露骨なファシスト労働組合運動として生きる以外になくなったのである。
 今日に至るも、カクマルはJR東労組を先頭としたJR総連丸ごとの分裂に一言も触れることができないほど大混乱している。黒田・カクマルの総破産、本来の戦線なるカクマル労働運動の総破産を直視できないでいる。必死でカクマル組織はこの問題の「総括を掘り下げている」が、カクマルにとって、この現実はけっして総括などできるものではない。それは破産そのものだからだ。
 JR総連の分裂は、残ったカクマル組織の全産別に拡大し、教労カクマルがついに明確な形で分裂した。カクマル教労キャップ・桐生(泉)満里子を先頭に、教労カクマルは中央派からゴッソリとJR総連派に移ったのだ。今、カクマル教労組織は中央派の「平和教育通信」グループと、JR総連派の「九条連」運動グループに完全に分裂した。それは関東だけではなく、北海道や大阪など全国的な分裂である。大阪・枚方では、中央派から離れたカクマルが執行部役員をやめてしまった。こうした動きに、中央派はこれを押しとどめようと各地の教研集会や九条連集会などにビラまきに押しかけるなど必死になっている。
 この教労産別の分裂は、JR総連組合員の連れ合いが多くいた教労カクマルで大々的に始まったものだが、カクマル全産別に波及していることは明らかである。カクマルの産別組織は、松崎・JR総連をひな型として、それを見習って作られてきたものであり、JR総連と行動をともにするというのはむしろ当然とも言えるからだ。
 さらに出版界では、黒田の直系であった「こぶし書房」の編集長をしていた黒田寛一の実妹・渡辺和子が、「現代思潮新社」に移ることで黒田を見限った。その結果がカクマル唯一の随伴文化人であった高知聡に資料を提供して黒田の反米愛国主義と転向分子特有の日本礼賛への先祖がえりを暴露する本を出版したことであった。黒田は必死で「こぶし書房」を自己の「文化人」的拠点にしようとしがみついている。

 帝国主義の先兵化を深めるJR総連

 カクマルの両派への分裂は、当然にも分裂したカクマルの双方にとって危機を際限なく促進している。かつてのカクマルとしての反革命的有機性と統一性を喪失してしまったからだ。
 労働組合の階級的闘いを否定し、労働者的団結を破壊してきたJR総連は、尾行、盗聴、盗撮に依拠し、それを資本との交渉力にしてきたが、今それを失った。白色軍事力を持たないJR総連カクマルは、露骨なファシスト労働運動として、連合の帝国主義労働運動の先兵となって生き延びるしかない。JR総連カクマルの原点はどこまでいっても国鉄の分割・民営化の先兵ということなのだ。しかし、国労など他労組を売り渡してJR総連カクマルだけが生き延びられた情勢とは今は違う状況にある。だからJR総連派カクマルは、ますます資本との癒着を深め、資本の意を「主体的」に実現する奴隷頭として、組合員の首を積極的に資本に売り渡すことで、自分たちだけ生き延びようとしている。
 一方で不屈に闘う闘争団を先頭とした戦闘的な国労組合員と動労千葉が存在している。JR総連派カクマルの行為に対して、JR組合員の怒りと憤激は極点に達している。それは必ず自己解放的決起となって、闘う国労、動労千葉と合流していくことは明らかだ。露骨なファシストとなったJR総連派カクマルは、こうして闘う労働者の手によって打倒される過程に完全に入ったのである。

 デマキャンペーンにすがり延命図る

 JR総連なき中央派の危機はさらに深刻で破産的である。カクマルは、黒田理論の学習とJR総連の存在にしがみつきながら、実は白色テロルとデマによる情報操作を基本的手段として組織を維持してきた。JR総連の存在は、カクマルにとって「労働者党」であることのシンボルであり、黒田理論の「正しさ」の証明であり、広告塔であり、組織的財源であり、カクマルが政治党派として存在する柱となってきた。
 このJR総連が、松崎を先頭にしてカクマル中央派を見捨てたのである。JR総連なきカクマル中央派は、暴力的党派ではあっても階級的基盤を持たない、これまでの半分以下の党派に転落してしまった。それは、政治的影響力を完全に失った組織となったことを意味している。JR総連を使った組合政治はできなくなり、その財力を駆使した「政治力」もゼロ化した。カクマルは戦闘的労働者の闘いを「ハミダシ」などと言って悪罵(あくば)を投げつけ、連合の帝国主義的労働運動に逆らうなと反革命的言辞を吐いてきたが、JR総連という連合内の組合が存在していた限りで、その反革命的正体を覆い隠すことができた。
 しかし今や黒田・中央派カクマルは、むき出しの反革命組織でしかない。しかも転向しきった黒田が最大の弱点である。黒田は今や破産した「哲学者」としての個人的利害と自分の余生にしか関心がなく、反米国粋主義と日本礼賛論に変質してしまっている人物なのである。この中でJR総連に続く産別カクマルの大分裂が教労カクマルを始め進行し、収拾がつかなくなっている。
 カクマル中央派は、そうした組織的危機をのりきるために、反革命的ペテン的な「ジハード自爆」万歳運動と、「報復戦争に反対」する写真撮りのアリバイ行動を利用主義的、のっかり主義的に全力で組織する一方、組織総体をあげて中核派ならびに東京反戦共同行動委代表・三角忠氏へのデマキャンペーンに熱中し、そのことで内部危機をのりきろうと必死で悪あがきをしている。

 革共同6回大会に打撃受け破産露呈

 中央派カクマルは、九月以降、革共同に対するデマキャンペーンを始めた。これは何よりも革共同第六回全国大会の開催と、そこでのわが革共同の前進が、分裂カクマルに死の恐怖を現実的に突きつけたからである。われわれは六回大会で「黒田『哲学』は腐臭ふんぷんたる残骸(ざんがい)」であり、また「JR総連が分裂した後のカクマル組織は政治党派として本質的に死んだ」と宣言した。
 カクマルは、この指摘と批判に今に至るも一言も発せられないほど打撃を受け、しかしなんとか反革命党派としての存在をアピールすることを迫られたのである。政治党派としての綱領次元での破産が露呈してしまっているカクマルにとって、理論的、組織的、路線的、運動的領域に関してわれわれと真正面から論争するなどということはとてもできない。しかし革共同にせめてケチつけをしたいという衝動の発露が、公安調査庁の資料にすがりついた中核派と三角氏へのデマキャンペーンである。
 カクマルは、三角氏と小野田猛史とが写った写真をどこからか持ち出し、自作自演で「スパイ物語」をデッチあげて大騒ぎしている。しかしまったく打撃のない空騒ぎである。スパイなどではまったくない人に向かって「おまえはスパイだ」などと言ったところで何の効果も説得力もないのだ。それはわれわれが戦取した赤色テロルを「権力の謀略」だとした七四年の権力の謀略論の開始とそっくりの構造だ。これこそカクマル内部での「対中核派戦争」への結集と動員のために行われているものである。またそれをもって自らの組織的危機をのりきろうとしていることの自己暴露なのである。
 しかも重要なのは、カクマルの郵送や「ナーバス」行為が、アフガニスタン侵略戦争と日帝の参戦という情勢の中で行われていることである。権力が、革命党と戦闘的大衆運動つぶしに全力をあげることを予期し、それと一体となってカクマル組織をあげて破壊行動を展開しているのだ。
 またそれは、カクマルによるK=K連合再修復を願う権力への必死の訴えでもある。反革命軍事力を権力や資本(の一部)に対して用いたことで権力との軋轢(あつれき)を招いたカクマルが、ファシストの側からこれを総括し、露骨に公安当局の意図に沿って革共同や闘う人士を攻撃することをもって、関係の修復を願い出ているのだ。実に唾棄(だき)すべき反革命K=K連合集団である。
 闘う労働者人民の十一月労働者集会への大結集は、この権力とカクマルの狙いを完全に粉砕した。

 黒田カルト集団化めぐり混乱と動揺

 カクマル中央派は、これまでカクマルの名を隠してひっそりと行ってきた「連帯集会」という内部集会を運動化しようとして新たな策動を始めた。カクマルであることが公知の「連帯集会」の連絡先をそのまま使って「報復戦争に反対する会」なるものを大急ぎでデッチあげ、エセ大衆運動を組織しようとしている。
 しかしカクマル中央派にとって、大衆運動におけるJR総連派との「党派闘争」も激化している。JR総連派カクマルは、以前から職場闘争を闘わない組合として、当局との癒着を隠蔽(いんぺい)するために「九条連」なるエセ「改憲反対」を標榜する大衆運動を策動してきた。この「九条連」と「報復戦争に反対する会」が、分裂した双方にとっての知識人と産別組織員の自派への囲い込みの場となっている。一方が集会を開けば他方も同時に集会を開くという状態である。すでに述べたように教労カクマルが分裂し、JR総連派の「九条連」運動に合流した。カクマル産別総体の分裂は、こうしたせめぎ合いを深めながらさらなる組織分裂に向かって進んでいる。
 政治党派としてのカクマル中央派は黒田なしでは存在できないが、さりとて黒田崇拝運動のみでは政治党派として存立することはできない。カクマル中央派内には、黒田カルト集団で行こうとする者と、黒田を掲げながら棚上げして大衆運動の展開を軸としようとする者との間でたえざるジレンマと確執が生まれる構造がある。カクマル中央派にとって、今の危機が絶望的であるのは、黒田理論をもってしては危機を打開できないどころか混乱と破産をくりかえすだけだということだ。そこから、「対中核派への戦争行動」をもって事態をのりきろうという絶望的なファシスト動力による悪あがきとなっている。
 黒田カルト集団になるのならそれもよかろう。ファシストとしてさらに純化するならそれもよかろう。どちらにせよ、それはカクマルの死であり、われわれは労働者階級の決起で必ずカクマルを完全打倒する。
 カクマルが自己崩壊することはない。闘う人民と組織へのファシスト的軍事行動に対して、われわれは革命的武装自衛体制を打ち固め、カクマルを最後的に粉砕一掃するために総決起しよう! 二〇〇一年はこの過程の開始として歴史的な年となった。
 六回大会路線にのっとり、絶望的危機に規定されたカクマルの完全打倒に向け総決起しよう! 闘うイスラム諸国人民と連帯し、日帝の侵略戦争を阻止し、革命的祖国敗北主義を貫いて労働者階級人民の中に党を建設しよう! 今こそ分裂カクマルをあらゆる戦線で一掃しよう!
 〔篠原直樹〕

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