ZENSHIN 2001/11/19(No2030 p06)

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週刊『前進』(2030号1面1)

闘うイスラム諸国人民と連帯し 自衛隊艦隊の出兵阻め
闘う労働運動潮流の発展へ
 21世紀革命の勝利切り開くレーニン主義前衛党建設を

 日帝・小泉政権は、「テロ対策」を口実とした参戦三法案を成立させ、自衛隊出兵の基本計画の策定を待たず、十一月九日、佐世保から自衛隊艦隊の先遣隊三隻をインド洋に向けて出航させた。全学連と反戦共同行動委員会は、アフガニスタン侵略戦争への日帝の参戦を断じて許さず、佐世保現地闘争に断固として立ち上がった。米帝ブッシュ政権を始め帝国主義によるアフガニスタン侵略戦争への日帝の参戦、自衛隊艦隊派兵を絶対に許してはならない。十一・一一全国労働者総決起集会に続き、巨大な国際反戦闘争と新しい労働運動潮流のうねりをつくりだそう。闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義のアフガニスタン侵略戦争を国際的内乱に転化せよ。

 第1章 アフガン人民への皆殺し戦争許すな

 米帝はすでに一カ月以上にわたってアフガニスタン人民の頭上に空爆を繰り返し、千人以上の人民を虐殺している。それは民族抹殺的なジェノサイド攻撃だ。
 十一月六日には、通常兵器としては最大級の燃料気化爆弾BLU82、通称「デージーカッター」を使い始めた。直径約五百bを高熱で焼き尽くし、さらに広範囲を衝撃波で破壊する兵器で、戦術核兵器に匹敵する破壊力があるとされる皆殺し兵器である。
 また、米軍が使っているクラスター爆弾は、二bほどの爆弾が上空で二つに割れ中から数百のこぶし大の爆弾が飛び散る。多くは人間の体に触れた時に爆発する対人兵器である。不発弾が地雷のような役割を果たすという残虐な兵器だ。
 この戦争の階級的性格は、帝国主義的侵略戦争であり、無差別の民族皆殺し戦争である。そして、米帝―帝国主義は二度と引き返せない世界戦争への過程に突入したのである。
 帝国主義は戦争そのものを目的としている。戦争は、帝国主義が備蓄している兵器を消費する機会であり、新しい兵器の殺傷能力を確かめる実験場である。軍需産業にとっては戦争が継続・拡大していくことが利益である。ブッシュ政権はその代弁者である。ブッシュがトマホークの生産を再開し八百基増産の予算案を出したように、戦争は恐慌対策となっている。あらゆる意味で、帝国主義とは戦争をやらなければ延命できない体制であり、絶対に打倒されなければならないものだ。
 帝国主義各国は、米英帝と競うように次々と派兵計画を発表している。ドイツが三千九百人、イタリアが二千七百人を派兵しようとしている。フランスはすでに二千人派兵している。それ自体がカスピ海沿岸と中央アジアをめぐる帝国主義間の勢力圏争いである。
 日帝は、この国際帝国主義の動きに危機に立たされ、争闘戦の激しさに突き動かされて、参戦に向かって必死になっている。九日に佐世保を出航した海上自衛隊の護衛艦二隻、補給艦一隻は、インド洋ディエゴガルシア島の米軍基地までの航路の調査にあたるとしている。今月中に自衛隊大艦隊が出発しようとしている。後方支援と言っても、輸送や補給は戦闘行為と直結しており、具体的参戦の開始である。日帝の再武装と参戦に対するアジアとイスラム諸国人民の警戒と怒りは拡大している。敗戦帝国主義としての日帝が、憲法をなきものとして、ついに戦争への道に踏み出したことを満身の怒りを込めて弾劾しなければならない。侵略戦争居直りの歴史教科書を推進し、靖国神社公式参拝を強行した小泉が、自衛隊を海外派兵し、参戦したことは決定的な歴史的暴挙であり、必ず粉砕しなければならない。
 日帝は、戦時治安対策法として「爆弾テロ防止国際条約」の批准と国内関連七法案および入管法改悪案を国会提出し、成立させようとしている。これらは野党の完全屈服で「対決法案」とさえならずに全会一致で成立するというとんでもない事態になっている。
 小泉は、国会答弁の中で「自衛隊は戦力」と言ったり、「憲法前文と九条の間にはすき間がある」と言ったりするなど、事実上の憲法改悪表明を乱発しており、中谷防衛庁長官も改憲の意志を表明している。超憲法的な参戦を事実として先行させ、その既成事実をもって改憲と有事立法に突き進もうとしているのだ。
 また、侵略戦争の拡大の中で、沖縄基地強化と沖縄闘争圧殺の攻撃は一層強まっている。名護新基地建設に向かっての攻撃は激化し、もはや「軍民共用」や「十五年使用期限」などは問題にもならないとばかりに建設計画が具体化されつつある。これに対して、地元名護市民を始め、沖縄人民は阻止闘争の再構築に向かって闘いを強めている。
 北富士でも、ベトナム戦争以来の米軍の演習の猛烈な激化が続いており、忍草母の会を始め闘う農民の反撃が強められている。
 さらに、人民の反戦反権力の闘いの砦(とりで)である三里塚では、暫定滑走路完成、試験飛行強行に対して、反対同盟を先頭に大反撃している。日帝の参戦の中で、成田軍事空港がますます重要になっている。反対農家の頭上四十bにジェット機を飛ばして追い出しを図る残酷卑劣な攻撃を粉砕し、来年四月の開港を阻止しよう。

 第2章 米帝のパレスチナ圧殺が最大の元凶

 われわれがアフガニスタン侵略戦争と対決する時に、再度九・一一反米ゲリラ戦のもっている意味について真っ向からとらえ返すことが必要である。
 九・一一の自爆決起と六千人もの死者(大多数がアメリカ労働者人民)のすさまじさを直視しよう。十九人が命を投げ出して世界を震撼(しんかん)させるゲリラ戦争を敢行した。そこに込められたイスラム諸国人民の怒りとうらみの激しさを受けとめなければならない。彼らが命を懸けて訴え、突きつけている帝国主義国人民に対する激しい糾弾、決起のアピールとして歴史的・階級的に受けとめ、根底から帝国主義打倒、世界革命へ決起しなければならない。
 この戦闘は、米帝打倒の革命主体であり、被抑圧民族の友となるべきアメリカ労働者階級の存在と闘いを据えず、アメリカ人民総体を敵視している。その延長上には、米帝の打倒も、イスラム諸国人民の解放もない。われわれはその意味でこれを全面肯定することはできない。にもかかわらず、九・一一が突きつけている労働者階級に対する絶望的不信として示された弾劾、糾弾を真っ向から受けとめ、世界革命をかちとる立場から位置づけ直すことが不可欠なのだ。
 イスラム復興運動、イスラム政治運動は、米帝を弾劾し、イスラエルの戦車がパレスチナで破壊行為を続けていることを断罪し、サウジアラビアなどイスラム諸国に米軍基地が置かれていることを問題にしているのだ。その訴えるところを受けとめて闘うことが求められているのだ。
 イラクでは湾岸戦争で二十万人もが殺され、そこで使用された劣化ウラン弾は今もイラク人民をむしばみ続けている。経済制裁によって子どもたちを始め百五十万人以上が死に追いやられている。
 何よりもパレスチナでは、右翼シャロン政権のもとで、パレスチナ人民に対する民族抹殺的な大虐殺攻撃が進行している。イスラエル軍は石を投げる青年を銃で虐殺し、PFLP(パレスチナ解放人民戦線)最高指導者をミサイルで暗殺し、米帝が供与した戦車、攻撃ヘリ、F16戦闘機による攻撃を繰り返している。
 十月十七日にPFLPによってせん滅されたゼービ観光相は、占領地からの軍撤退に強硬に反対する極右政治家だった。占領地からのパレスチナ人の追放を掲げる「イスラエルの本音の象徴」だった。ゼービ処刑は、パレスチナの民の声の実現だった。だが、これに対してイスラエルは、猛烈な報復を繰り返し、五十人ものパレスチナ住民が虐殺された。
 イスラエルのパレスチナ人民虐殺と追放の攻撃は、米帝の支持と援助なしには成り立たなかった。米帝は中東石油支配のための軍事基地国家としてイスラエルを全力で支えてきたのである。そしてパレスチナ人民の抹殺攻撃がもはや忍耐の限界を超えるところまで来ていたこと、それが九・一一の根底に横たわっている。それをしっかりと見据えなければならない。
 しかも今や、イスラエルのパレスチナ民族抹殺的な攻撃と並行して、米帝ブッシュによるアフガニスタン人民への残虐な侵略戦争が繰り広げられているのである。このことに対する被抑圧民族人民の怒りと闘いをわれわれ帝国主義国の労働者階級人民は真正面から受けとめ、彼らからの不信をぬぐうために必死に闘わなければならない。民族解放の闘いとプロレタリア解放の闘いの分断という現実をのりこえて、巨大な国際反戦闘争を高揚させなければならない。

 第3章 「テロ根絶」を叫び戦争擁護する日共

 今日のアフガニスタン侵略戦争阻止の反戦闘争に対して、最も許しがたい敵対をしているのが日本共産党スターリン主義である。彼らにあっては、もはや帝国主義との闘いとか、階級闘争とかは死語になっている。完全に帝国主義と同じ立場で「テロ根絶」を叫ぶに至っているのだ。そればかりか、国連が軍事的措置をとることを承認すると内外に宣言したのである。被抑圧民族の暴力は絶対に許さないが、それに対する国際帝国主義の暴力は容認するということである。
 日共には、「テロ根絶」があらゆるものに優先して大事なことなのである。そこでは、なぜあのようなゲリラが起こるのかの省察もなければ、分析もない。被抑圧民族の怒りとうらみの爆発としてWTCツインタワーへの突撃があったという見方ができない。いや、彼らには人民の闘いが戦争として爆発することに対する誰よりも激しい恐怖と憎悪があるのである。本質的にはそれは暴力革命に対する恐怖と憎悪である。プロレタリア世界革命、民族解放闘争への敵対と圧殺の側に立っているのだ。
 日共は、被抑圧民族の帝国主義に対する怒り、侵略と虐殺と抑圧、飢餓と貧困に対する怒り、帝国主義を打倒しなければ民族自決、自己解放はできないという帝国主義に対する非妥協的な憎しみを理解できない。
 不破は「パレスチナ問題を解決しなければテロは根絶できないとするリンケージ論はとらない」と言い、「テロ根絶」最優先論を振りまき、パレスチナ人民に対してはイスラエルのあらゆる暴虐に屈することを説くのである。被抑圧民族と連帯する立場ではなく帝国主義の立場、パレスチナ人民の立場ではなくイスラエルの立場なのだ。
 また、帝国主義の立場に立つということは、帝国主義国において労働者階級人民を搾取し抑圧し、戦争に駆り出そうとしている自国帝国主義の攻撃に屈服するということでもある。もはや、日共が全世界の労働者階級と被抑圧民族の団結に敵対する最悪の反革命であることは鮮明になった。
 一方、ファシスト・カクマルは、JR総連松崎に離反され、組織現実論の破産を突き付けられる中で、かじを失い迷走している。エセ左翼的言辞をもてあそび「九・一一ジハード」などと叫んで、路線的逸脱と大混乱に陥っている。それは自国帝国主義との闘いを回避した反米民族主義の立場からのものであり、帝国主義打倒のために闘うものではまったくない。カクマルの陥っている路線的危機は深刻である。
 カクマルは、国家権力の戦時治安弾圧体制の中での革共同に対する破壊・弾圧攻撃に呼応して、さまざまなデマキャンペーンをもって闘う労働者人民の中に介入を図っている。それは、カクマルの内的危機を外にそらす策動であると同時に、闘う人民の前進に対する恐怖の現れである。
 そもそも七〇年安保・沖縄闘争に対する破防法弾圧に呼応して武装襲撃してきたのがカクマル反革命の原点である。積年のカクマルに対する闘いの決着をかけて、容赦なく粉砕・打倒しなければならない。
 十一・一一労働者集会は、アフガニスタン侵略戦争情勢、大失業情勢に対する労働者階級人民の最大の階級的反撃として闘いとられた。この地平をさらに拡大し、帝国主義と対決し、帝国主義を打倒する労働運動へ、闘う新潮流の大発展をかちとろう。
 国鉄決戦はいよいよ重大だ。十月国労全国大会は、「国労の解体か再生か」の大激突となり、本部は「裁判取り下げ」を図る「追加方針」を出したにもかかわらず、反対派の闘いに追い詰められて「裁判取り下げは解決時」という相反した集約答弁をせざるをえなかった。チャレンジ、久保革同、東京地本酒田一派を打倒し、一月中央委員会までの三カ月決戦を闘い抜こう。
 九月の失業率が五・三%と最高になったことは、日帝の危機がますます深刻化し、一切を労働者に犠牲転嫁する攻撃が強まっていることを示している。この中で連合は、日経連との間で「雇用に関する社会合意」推進宣言を確認し、賃下げ容認とワークシェアリング容認を公然と打ち出した。また、全労連も笹森連合会長の雇用問題での共闘呼びかけを歓迎し、歩調を合わせている。
 また、JR総連は、九・一一について、「テロ弾劾」の声明を発表し、帝国主義の攻撃に唱和している。だがカクマル『解放』は、JR総連の言動について完全に沈黙している。「反米ジハード万歳」と言いながらJR総連の声明を批判できないのだ。
 帝国主義的労働運動、愛国主義、祖国防衛主義の労働運動を打ち破り、闘う労働組合の新しい潮流を巨大な規模で登場させ、反戦闘争の高揚をつくりだそう。
 戦時下の治安弾圧攻撃を打ち破り、何よりも長期勾留攻撃と闘う獄中同志を一刻も早く奪還するために革共同が決意も新たに主催する十二・一五獄中同志奪還大集会を大成功させよう。
 二十一世紀革命の勝利を切り開くレーニン主義前衛党の建設こそ、当面する最大の決戦課題である。今こそ革共同六回大会路線で武装し、マルクス主義、レーニン主義の強大な革命党を建設しよう。年末一時金カンパ闘争に全力を集中し、財政闘争に勝利しよう。

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週刊『前進』(2030号1面2)

佐世保で出港阻止に立つ

 十一月九日、反戦共同行動委員会の学生、労働者約百人は佐世保現地に駆けつけ、佐世保地区労の呼びかけで結集した長崎県下の労働者とともに、自衛艦派兵阻止の緊急闘争に立った。
 佐世保港の前畑埠頭(ふとう)には反戦共同行動委員会が午前六時から陣取り、侵略出兵阻止の激しいシュプレヒコールが響きわたった。
 自衛隊がアフガニスタン人民虐殺のための殺人兵器を米軍に運び込むことをどうして許せるか。激しいシュプレヒコール、怒号が佐世保湾にこだまする。午前七時前には、長崎県下の労働者たちが次々に結集し、佐世保地区労の主催で三百人の抗議集会が行われた。「もはや軍事報復と言うべきではなく、侵略戦争と呼ぶべきだ」との発言に「よし」の声が飛ぶ。
 午前七時、「ミニイージス艦」と呼ばれる新型護衛艦きりさめ(四五五〇d)が、激しい弾劾の中、佐世保港を出発した。そして十分〜十五分間隔で、護衛艦くらま(五二〇〇d)、補給艦はまな(八一五〇d)が次々に出港した。ついに日帝が憲法破棄を事実上宣言し、自衛隊が初めて「戦時出兵」に踏み切ったのだ。
 「この侵略出兵に対する労働者人民の回答はひとつしかない。侵略戦争と改憲に突き進む日帝・小泉政権を打倒する内乱に決起することだ。闘うイスラム諸国人民と連帯し、アフガニスタン侵略戦争をぶっ止める闘いに総決起しよう。本隊出兵実力阻止の佐世保闘争に全学連と反戦共同委員会は先頭で再び決起しよう」と、全学連の大山尚行委員長が訴えた。反戦共同行動委員会は、ただちに佐世保での街頭宣伝と、午後二時半からの集会・市街デモにうって出た。
 十一・九の闘いに続き、自衛隊艦隊の本隊出兵には巨万の隊列で佐世保現地闘争に再び立ち、必ずや実力で阻止しよう。

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週刊『前進』(2030号1面3)

侵略戦争への怒りを年末一時金カンパに

 『前進』読者の皆さん。労働者人民の皆さん。
 情勢は一変しました。九・一一反米ゲリラ戦と帝国主義のアフガニスタン侵略戦争は、一九二九年を上回る世界大恐慌の突入と絡みあい、相互に促進しあって、世界は第三次世界大戦への泥沼にのめり込み始めました。だが、言語に絶する惨禍の中から、闘うイスラム諸国人民やアジア人民は民族解放・革命戦争を切り開きつつあり、アメリカを始め全世界の労働者階級の巨大な国際反戦闘争が巻き起こっています。
 第三次世界大戦か反帝国主義・反スターリン主義世界革命か、人類史をかけた転換の時代のただ中に、今私たちは身を置いています。今冬の年末一時金カンパ闘争は、今までのどんな時にも増して、時代と世界を切り開く、真に歴史的な人民的行動そのものです。
 今次カンパ闘争の第一の目的は、十一・一一全国労働者集会の号砲を突破口として、なんとしても日帝・小泉政権の参戦出兵を阻止する、巨大な革命的大衆行動のための闘争資金です。海自艦隊の出撃やPKO派兵を佐世保や小牧などの現地実力闘争で阻止しよう。沖縄闘争を始め、三里塚・北富士など全国基地闘争を大爆発させよう。在日イスラム・アジア人民に対する入管体制の攻撃など、戦時下の治安弾圧の激化と全国全戦線で闘い抜こう。
 闘うイスラム諸国人民と連帯して帝国主義のアフガニスタン侵略戦争を国際的内乱に転化していく闘いを、まなじりを決してこじ開けるために、宣伝扇動の弾丸など、必要な闘争資金を、共同の闘いを積み重ねて全力で集めきろう。
 第二の目的は、小泉「構造改革」=戦争と大失業と社会保障制度破壊の国内階級戦争と対決して、国鉄決戦を軸に、労働者の団結を守り抜き、戦闘的労働運動の防衛と発展を推し進めるための膨大な闘争資金です。国家主義と排外主義・差別主義のあらしの中で、私たちは不安定雇用化と十人に一人の失業、生活苦にあえいでいます。だからこそ、生存をかけて立ち上がらなくてはなりません。
 連合幹部どもの首切り推進の愛国労働運動や、帝国主義擁護の本性をむき出した日共スターリン主義と対決して、労働運動解体攻撃と闘おう。問われているのは、闘うイスラム諸国人民−アジア人民の血叫びを受けとめ、こたえようとする労働者国際主義です。私たちの力を数十倍に高める国際主義の魂をみなぎらせて、今次カンパ闘争を闘い抜こう。
 第三の目的は、今こそ革共同の党勢拡大と発展が問われており、非合法・非公然体制を守り抜き、革共同を反帝国主義・反スターリン主義世界革命−日本革命を達成できる革命的労働者党として発展させるための、絶対的に必要な闘争資金だということです。党勢倍増と財政問題をなんとしても突破するために、ぜひとも『前進』読者、支持者の皆さんのカンパを心からお願いします。ともに闘い抜こうではありませんか。

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週刊『前進』(2030号2面1)

反動派の密集を突き破り 四党合意粉砕へ攻勢貫け
 国労東京大会から1月中央委へ

 十・一三―一四国労定期全国大会の激烈な攻防を経て、国鉄決戦は一層の非和解的分岐と激突の局面に入った。国労中央は、全国大会で「四党合意」を再確認し、「最高裁での判断を公正に行わせる」との一・二七大会決定を撤回する追加方針をごり押ししながらも、反対派の激しい抵抗の前に、裁判の取り下げを強行することができなかった。チャレンジ一派、革同久保一派、東京地本・酒田一派ら反動の側は追いつめられ、なりふり構わぬ野合と結託を強め、事態を暴力的に打開しようとあがいている。全国大会以後の攻防の特徴を見ながら、東京地本を始めとする地方大会、年末から一月中央委員会に向けての決戦を全力で闘い抜くことを訴える。

 全国大会の勝利的地平を押し広げよ

 十月全国大会は、「国労の解体か再生か」をかけて闘われ、闘う国労の再生への歴史的一歩をしるした。この勝利的地平を押し広げて前進していくことが決定的に重要な局面にある。
 全国大会で全面的な対案と対抗人事をもって決戦的に闘い抜いた反対派が、その闘いに不動の確信を持ち、反動派を打倒し抜く攻勢に次ぐ攻勢をしかけていくことが求められている。あくまでも四党合意粉砕、現執行部打倒に向けて非妥協的に闘い抜こう。
 全国大会攻防における勝利的地平の重要なポイントは、国労解体攻撃の一点に密集した反動と全面対決して、それを打ち破ったことである。どんなに反動が密集しようが、その反動の環である四党合意はまったくの不正義であり、最大の破綻(はたん)点である。闘争団を先頭として国労の深部に脈打つ階級的エネルギーの存在と、四党合意とは絶対に相入れないのだ。
 「裁判取り下げは和解成立」(寺内書記長集約)などとペテン的にごまかしながら再度、四党合意を強行した国労中央は、その矛盾に決着をつけられないまま、ただただ暴力的に反対派を制圧する以外にない。闘う闘争団を圧殺しない限り、一歩も前に進めないのだ。
 一・二七に続く今大会での機動隊の導入は、まさしく「四党合意」が国家権力、政府・自民党などによる許しがたい支配介入であり、文字どおりの不当労働行為であることをあらためて隠しようもなく示した。
 これはまた、九・一一反米ゲリラ戦と十・七の帝国主義のアフガニスタン侵略戦争の開始という情勢のもとで、闘う労働組合・労働運動を解体する攻撃として強行された。これに対して、闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義の侵略戦争を阻止する国際反戦闘争に立ち上がるべき帝国主義国の労働者階級としての階級的立場が問われた。
 高嶋委員長あいさつを始めとして「テロ弾劾」を叫んだチャレンジ一派、それ以上に「テロ根絶」を声高に絶叫した日本共産党・革同久保一派。この帝国主義的労働運動派とスターリン主義が結託し、闘争団を始めとする組合員の階級的決起を「暴力」とののしり、国家暴力=機動隊と手を結んでそれを圧殺しようとたくらんだ。
 反対派がこれに屈することなく闘い抜いて新たな団結をつくり出したことは、国労再生をかけた階級的労働運動の防衛の闘いから、帝国主義を打倒する労働運動への発展をかちとる出発点を築いたと言える。
 情勢は、帝国主義のアフガニスタン侵略戦争の泥沼化、日帝の参戦三法による自衛隊の戦時派兵へと向かっている。さらに完全失業率を五・三%にまで押し上げた首切り攻撃、「聖域なき構造改革」による特殊法人廃止・民営化、郵政民営化、公務員制度改革、公務員・民間での賃下げなどの大失業攻撃との攻防は、労働者階級の生死をかけた決戦的様相を呈している。
 この中で、国家権力の国労解体攻撃の一層の激化は不可避である。依然として「国労の解体か再生か」のギリギリの決戦攻防は続いており、さらに激烈に発展していくのである。
 国労全国大会以降、各エリア、地方大会は動と反動の激しい激突となっている。ひとまず反動の側が密集を強め、反対派に襲いかかっている。
 十月二十九日の東日本エリア大会では、チャレンジと革同久保一派が結託し、執行部人事でチャレンジ一派を担ぎ出し、反対派の副委員長を引き下ろすという事態となった。
 西日本エリア大会では、なんと一・二七大会で責任をとって本部副委員長を辞任した上村がエリア本部の委員長に座った。
 だが、このことはますます国労内の分岐と流動化を促進し、非和解的対立を激化させるものとなる。
 何より反動の側がやろうとしていることはあまりにも不正義なのだ。

 保守部門外注化にJR本体の怒りを

 東日本エリア大会では、「メンテナンス再構築」=全面外注化の協約締結の承認を強行した。地方によってはすでに交渉が終了したり、国労組合員に対する出向の内示が始まっているところもある。十二月から来春にかけての強行実施との激しい激突となる。
 国労組合員に対する出向攻撃はまさに国労解体攻撃そのものである。出向に出されれば戻る職場はなく、三年間の出向期間終了後は転籍が狙われているのだ。
 東日本の佐藤勝雄書記長は、この国労解体攻撃を全面的に受け入れた。それだけではなく、出向に対する組合員の不安にこたえると称して「出向協定」を結ぶと言う。JR東労組カクマルがJR東の就業規則をそのまま労働協約化した「総合労働協約」を、国労も「出向協定」と抱き合わせで締結する意志を表明した。そうなれば、労基法以下のJRの就業規則を国労として認めることになる。就業規則を上回る労働条件を協約によってかちとるという戦後労働運動の地平を売り渡すものである。
 チャレンジ佐藤は、さらに賃金から組合費を天引きする「二四協定」を結ぶことも策動している。これまで自力で組合費を集めることを分会の重要な活動にして団結をつくってきた国労運動の成果を、資本に売り渡そうというのだ。組合費だけ徴収し、組合員を出向先でバラバラに資本の攻撃にさらそうというのだ。
 「JR東日本の異常な労務政策を転換させる」などと言いつつ、東労組カクマルの後を追って資本に全面屈服しているのがチャレンジ一派なのだ。
 こうした大裏切りは、四党合意のゆえである。「JRに法的責任なし」で闘争団を切り捨てるだけでなく、資本との闘いを一切放棄してJR本体組合員をも資本に差し出すものが四党合意だ。採用差別という不当労働行為との闘いを投げ捨てることは、資本の不当労働行為と闘わないことと一体なのだ。
 これに対するJR本体組合員の怒りは必ずや底の底から爆発し、闘争団と一体となって、四党合意を粉砕するエネルギーとなる。このことに圧倒的確信をもって闘おう。

 酒田一派の裏切りを徹底弾劾しよう

 当面する最大の攻防は十一月十五、十六日の東京地方大会である。
 一・二七大会以来、機動隊導入の先頭に立ってきた酒田委員長ら「東京地本五人組」の裏切りを徹底的に暴露・弾劾し、打倒することである。
 酒田一派は、もともと「反チャレンジ」で、昨年五・三〇の四党合意の直後は反対派として登場していたにもかかわらず、十二・一四「東京地本六項目見解」を中央本部が受け入れたと称して、四党合意賛成派の正体をむき出しにした。「六項目見解」は「全面解決要求を堅持する」「闘争団を最後まで守る」などのペテン的条件をつけていた。これによって東京地本は、準備地本として機動隊導入を権力に要請し、四党合意受諾の一・二七続開大会を強行したのだ。この「六項目見解」が高嶋―寺内執行部によって完全に無視されたにもかかわらず、完全な四党合意賛成派として、反対派切り崩しの悪らつな策動の先頭に立っているのが酒田一派だ。今度こそ酒田一派を引きずり下ろそう。
 その上で十一月から年末、一月中央委への過程は、「解決案」=ゼロ回答提示―臨大策動もはらんだ激しい攻防となる。攻勢を堅持して闘い抜こう。
 重要なことは、チャレンジ一派らの「国労ジリ貧」論をもって国労を自己解体する策動を粉砕し、闘争団とJR本体組合員の十五年に及ぶ闘いの地平に確信を持って闘い抜くことだ。あらゆる国労解体攻撃にもかかわらず、いまだに二万数千人の団結を維持して闘っていることは、「ジリ貧」どころか、勝利しているということなのだ。
 地方大会、支部大会の攻防から一月中央委へ、闘う闘争団を守り抜き、四党合意粉砕、現執行部打倒、国労再生へ全力で闘おう。

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週刊『前進』(2030号2面2)

失業率破局的5.3%  パート労働者も大幅減に 連合は「雇用優先」唱え屈服

 雇用情勢が一段と深刻化し、破局的とも言える事態になっている。十月三十日に総務省が発表した九月の労働力調査(速報)では、完全失業率(季節調整値)が八月と比較して一気に〇・三ポイントも上がり五・三%となった。過去最悪を七月に続いて更新した。大幅悪化は一九六七年三月以来、実に三十四年ぶりだ。
 完全失業者数は三百五十七万人、前年同月比で三十七万人増加した。完全失業者数が前年同月を上回るのは六カ月連続となった。
 また、同日厚生労働省が発表した九月の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率も〇・五七倍と八月比で〇・〇二ポイント悪化。二カ月連続で〇・五倍台だ。有効求人倍率は雇用情勢の「先行指数」と言われており、二カ月連続悪化とは、今後失業率の改善の見込みがないことを示している。
(左図 「失業率の推移と失業者の増減」)

 IT関連求人は壊滅的減少

 産業別で見ると、建設業が二十九万人(四・三%)減、製造業が六十五万人(四・九%)減と大幅減少しているのが目立つ。特に建設業は十カ月連続の減少だ。
 従業上の地位別で見ると「常雇」(正規労働者)が前年同月比で五十七万人(一・二%)と大幅に減少している。さらに今回は、「臨時雇い」(パート等)までもが二十一万人(三・七%)減と減少した。これは実に六十一カ月、約五年ぶりの事態である。今までは、正社員を減らしてパートを増やす形だったが、今や正規労働者だけではなくパート労働者すらリストラされる深刻な事態に陥っている。
 従業者規模別(企業規模別)で見ると、二十九人までの企業が前年同月比で五万人(〇・三%)の微増だが、五百人以上の大企業は四十五万人(三・五%)と大幅減少している。現在のリストラ攻撃は大企業中心に行われているのだ。
 有効求人を見ると、七−八月に続いて製造業、特にIT関連の新規求人が壊滅的ともいえる減少を示している。「電気機械器具製造」が前年同月比で五七・九%減少、特に「電子機器」は六四・五%もの大幅減少で、新規求人がなんと三分の一にまで激減した。ここでも、「パート」と「パートを除く」(正規労働者など)が同様に減少している。

 ワークシェアで賃下げ容認

 大恐慌の到来とも言うべき大失業のあらしに対し、連合は闘うどころか「恐怖をおぼえる」(笹森)と震え上がり、゛雇用を守るためには賃下げも″と一斉に賃下げ容認に走り始めた。
 十月十八日の連合中央執行委員会で確認した「二〇〇二春闘基本構想」案は、賃上げについては「賃金カーブの維持プラスアルファ」を統一要求基準とした。これは、実際にはベア要求の放棄にとどまらず、賃下げ容認決定だ。
 また同日、日経連との間で結んだ「雇用に関する社会合意」推進宣言は、連合が完全な企業防衛主義に転落し、「ワークシェアリング」を掲げて賃下げも首切りも認め、日帝の戦争攻撃の先兵になることを誓ったものだ。
 連合指導部を打倒し闘う労働運動を復権させよう。

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週刊『前進』(2030号2面3)

四党合意撤回労働委闘争 中労委棄却命令弾劾する
 労組への権力介入を容認 戦時下の団結権否認に反撃を

 十月二十四日、中央労働委員会は、東京・新潟の国労組合員と動労千葉が、自民党・運輸省(現国土交通省)・JRなどを相手に四党合意の取り消しなどを求めていた事件につき、再審査申し立てを棄却するとの許しがたい反動命令を交付した。この暴挙を徹底的に弾劾しなければならない。
 四党合意の撤回を求める労働委員会闘争は、大阪、福岡、千葉の各地労委で数回の審問を重ね、自民党らの不当労働行為を全面的に暴き出す勝利を切り開いている。他方で東京都労委が今年四月に不当な却下決定を強行して以来、新潟、鳥取、秋田地労委がこれに追随する決定を出していた。
 中労委はそれを追認し、全国で闘われる労働委闘争への敵意をあらわにした。

 調査もせずに棄却を強行

 中労委は、一度の調査期日も入れることなく申し立てを棄却した。この異様なやり方の中に、今回の命令のすさまじい反動性が現れている。調査もせずに棄却を強行した事例は、占領軍統治下の時代以来のことだとも言われている。かつてGHQは、銃剣のもとに二・一ゼネストを圧殺した。そうした時代が再び到来しようとしているのだ。
 米日欧の帝国主義がアフガニスタン侵略戦争に突入した今、小泉政権は゛戦時下においては労働基本権など認めない″という攻撃を強めている。中労委反動命令は、そうした国家意思をむき出しの形で貫徹しようとするものだ。命令は、「四党合意は紛争の政治レベルでの決着を図ろうとする試みであって、労組法第七条が規制の対象にする団体的労使関係上の行為ではない」と言い放った。国家による労組への介入にフリーハンドを与えたのだ。
 労働者の団結権は、何よりも国家権力による労組への弾圧・干渉をはねのける闘いの中で確立された権利である。こうした団結権の基本理念を、中労委は根本から覆した。国家権力を労組法の外に置き、゛政治行為は労組法の規制を受けない″などとすることは、戦時国家の論理そのものだ。
 九八年五・二八反動判決以来、司法は゛国鉄分割・民営化という国家政策は労組法に制約されない″とばかりに、中労委命令を否定する反動判決を繰り返している。中労委は、それに屈しただけでなく、そこに貫かれる反動的論理を自らの立場とするに至ったのだ。

 国鉄闘争解体策す反動命令

 中労委は、国労大会の三日後の十月十七日の公益委員会議で棄却を決めた。そこには、国鉄闘争をあらゆる手段で押しつぶすという権力の意志が働いている。
 今回の国労大会ほど、自民党、国土交通省らが国労に露骨に介入した例はほかにない。国土交通省鉄道局は、採用差別裁判の即時取り下げや、闘争団員による訴訟参加申し立ての圧殺を国労本部にしつこく迫った。本部はその圧力に屈して、大会当日に突如「追加方針」を提案した。
 中労委反動命令は、こうした国土交通省らの国労への露骨な支配介入と軌を一にして行われた。権力・資本は、四党合意の不当労働行為性が労働委員会の場で暴かれることを恐れ、その圧殺に全力を傾けたのだ。
 今や中労委は、小泉「構造改革」のもとでの暴力的な労働組合圧殺攻撃の推進者に成り下がった。労組法と労働委員会制度は、中労委の手によって崩壊の危機にたたき込まれつつある。

 「使用者概念の拡大」を否定

 さらに中労委は、自民党や運輸省が使用者の位置にあることを何らまともに検討することなく否定した。
 だが、国鉄分割・民営化から四党合意に至る具体的な経過が物語っているのは、まさしく自民党・運輸省こそが使用者であったという事実である。
 国労・動労千葉をつぶすという狙いのもとに、国鉄労使に対する支配力を全面的に行使して分割・民営化を遂行し、採用差別を頂点とする不当労働行為を指示・実行したのは、自民党と運輸省だ。分割・民営化後も、彼らは特殊会社としてのJRに対する支配力を背景にして、国労・動労千葉への攻撃を繰り返した。
 中労委は、こうした事実を調査し、認定することをかたくなに拒んだ。そこにあるのは、不当労働行為を不当労働行為として追及し、労働委員会で争うことさえ認めないという、恐るべき姿勢である。
 それはまた、数十年に及ぶ労働者の闘いが切り開いてきた「使用者概念の拡大」を一挙に転覆させるすさまじい反動だ。
 申立人の国労組合員らは中労委反動命令を打ち破る新たな闘いに立ち上がろうとしている。この闘いを支えよう。審問を切り開いた大阪、福岡、千葉の地労委闘争をさらに強力に推進し四党合意を葬り去ろう。

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週刊『前進』(2030号2面4)

 資本攻勢&労働日誌 10月18日〜11月2日
●電機連合、解雇ルール要求
●改革先行プログラム決定
●アメリカ失業率が5.4%
電機・鉄鋼がベア要求を放棄

●10月18日 JAMが雇用対策本部を設置した。
●19日 日立製作所は2000人削減予定の半導体部門に関し、削減幅を3100人に拡大すると発表した。
●22日 連合は26日までの5日間「雇用・失業なんでも相談ダイヤル」を設置。「経営者に鉄槌を」などの声がよせられた。
◇電機連合は、解雇の手続きや要件を定めた「解雇ルール」の策定を進める方針を明らかにした。労組の側から「雇用の流動化」=解雇の容易化を受け入れるとした方針だ。
●23日 NECは半導体事業本部の9000人を対象に一時帰休を行うと発表。12月まで毎月1日実施。
●24日 富士通はグループ社員の人員削減を8月に発表した約1万6千人に約5000人追加して、約2万1千人とすることを明らかに。
◇政府の行革推進事務局がまとめた公務員改革素案では、幹部職員への年俸制導入などが打ち出されていることが明らかに。(日経)
●25日 ILOは反米ゲリラが観光産業に与えた影響を分析する緊急会合を開き、観光産業で働く世界の2億700万人のうち880万人が失業する恐れがあると警告した。
●26日 経済財政諮問会議が第24回会議を開き「改革先行プログラム」を承認した。同日の経済対策閣僚会議で正式決定したもの。(労働分野の要旨別掲)
◇連合加盟の国公総連、国税労組など5労組は新産別「国公関連労働組合連合会」(国公連合)の結成大会を開いた。
◇富士通は、来春闘から賃金交渉の基準を大卒技術職に変更する。電機の統一闘争から離脱。
●30日 総務省が発表した9月の完全失業率は前月よりも0.3ポイント悪化し最悪の5.3%となった。厚労省発表の9月の有効求人倍率は、0.02ポイント悪化し、0.57倍となった。
●31日 鉄鋼労連は雇用確保を優先するとして、来春闘での賃金ベアの統一要求見送りを決めた。
●11月1日 連合は2日まで「2002春闘中央討論集会」を開いた。その中で笹森会長は、ワークシェアリングの導入による賃下げを容認する発言を行った。
◇連合と自民党は3年半ぶりに政策協議を再開。連合の笹森会長は雇用情勢について「恐怖をおぼえる」と発言。自民党は「ワークシェアリングに注目」と述べた。
●2日 経営側でつくる日本鉄鋼連盟の千速晃会長は、鉄鋼労連のベア要求断念を「当然」と評価した上で、鉄鋼労連が求めている雇用確保に関する協定の締結については慎重な見解を示した。
◇電機連合は2002年の春闘でベースアップの統一要求を見送る方針を決めた。
◇米労働省が発表した10月の失業率は、前月比で0.5ポイント急上昇し、5.4%となった。日米の失業率は再び逆転した。

 経済対策閣僚会議の改革先行プログラム−−人材(労働)

 構造改革の進展に伴う低生産性部門から高生産性部門への円滑な労働移動や、働き方に対する価値観の多様化に伴う様々な就労形態を実現するとともに新しい労働者像に対応した21世紀にふさわしい労働市場システムを構築。
・中高年齢者が派遣労働者として雇用されやすくなるような臨時特例法の制定(派遣期間の上限1年→3年、臨時国会で法改正)
・労働者派遣制度、有期労働契約、裁量労働制の見直し(3年派遣が可能な専門的業務の拡大等)
・職業紹介事業の抜本的緩和(求職者からの手数料徴収規制の緩和等)
・派遣労働者が派遣先に雇用されやすくなるような措置(紹介予定派遣制度の運用見直しを9月28日に実施)

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週刊『前進』(2030号2面5)

労働法制の全面解体阻止 派遣法改悪許さず闘おう
 小泉「雇用対策」は権利の剥奪だ

 日帝のアフガニスタン侵略戦争への参戦と戦争体制構築の攻撃は、労働者階級に対する資本攻勢を恐るべき勢いで加速させている。失業率が五・三%に達する中で、小泉は今臨時国会の後半を「雇用対策国会」と位置づけ、労働法制全面改悪への反動的突破口を切り開こうとたくらんでいる。
 六月に出された経済財政諮問会議の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」は、「労働市場の構造改革」「雇用の流動化」を叫び、労働者をいつでも解雇できる低賃金・不安定雇用にたたき込むことを真正面から宣言した。
 同会議は九月二十一日、それを実行に移すため「改革工程表」なるものをまとめた。そこでは、労働分野については、@中高年労働者を対象に、派遣労働に関する規制を緩和する、A製造業への労働者派遣の禁止を解除する、B有期労働契約の対象職種を拡大し、契約期間の上限を五年に延長する、C裁量労働制・フレックスタイム制を拡大する、D「解雇基準の立法化」を進める、.E職業紹介にかかわる規制を緩和する、などの具体策が打ち出されている。まさに、労基法を始めとした労働法制全般の抜本的な改悪が狙われているのである。
 小泉政権が、これらの攻撃の手始めにまず強行しようとしているのが、労働者派遣法の改悪だ。その具体的内容は、四十五歳から六十歳までの労働者について、派遣労働の上限期間を現行の原則一年から三年に延長するというものだ。
 今日すでに、六十歳以上の労働者については、派遣対象職種に関する規制が基本的に撤廃されている。資本は、中高年労働者を標的にした大量の首切りを押し貫くとともに、年金制度の改悪もテコにして、これらの労働者を低賃金・不安定雇用労働者として徹底的にこき使おうとしているのだ。それはまた、全労働者に対する賃金引き下げ・雇用流動化の攻撃を促進する手段として位置づけられているのである。
 厚労省は、労働者派遣法の改悪案を、失業着への職業訓練給付を延長するための雇用保険法改定案などとともに、「緊急雇用対策法案」としで臨時国会に提出する方針だ。同法案は、来年一月から三年間の時限立法とされているが、派遣法の改悪措置が三年に限定される保障は何もない。小泉政権は、補正予算で一兆円規模の雇用対策を実施する≠ネど宣伝している。だが、小泉の「雇用対策」とは、結局のところ労働者の権利を暴力的に奪い取るということだ。資本は、自ら首切りを強行しておきながら、「規制を緩和すれば、再就職が困難な中高年が派遣労働者として雇用されやすくなる」などと言いなして、一層の不安定雇用・無権利状態を強制しようとしているのだ。
 派遣法改悪との攻防は、労働法制の全面的な改悪攻撃との前哨戦だ。今こそ労働者階級は総力で決起し、この攻撃を粉砕しなければならない。
 だが、今や連合は小泉「構造改革」に屈服し、それを積極的に推進する裏切りに走っている。
 十月十八日に連合が日経連とともに出した「『雇用に関する社会合意』推進宣言」は、「多様な働き方やワトクシェアリング」を押し出して、労資が一体となつて労働者を徹底的な不安定雇用に突き落とすことを確認した。断じて許すな。
 全労連もまた、こうした連合との「共闘の追求」を掲げ、屈服を深めている。
 労働法制の改悪を許さず闘う労働運動の新潮流のさらなる発展をかちとろう。

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週刊『前進』(2030号3面1)

賃下げと戦争協力誓う連合 日経連と連合 「社会合意」宣言許すな

 十月十八日に日経連と連合が正式に結んだ「雇用に関する社会合意」推進宣言(別掲)は、連合が恐慌と大失業、戦争攻撃の強まりに対して、企業防衛とワークシェアリングを前面に掲げ、戦後階級関係の抜本的転換=日帝の戦争体制構築に協力することを「社会的合意」として誓ったものだ。資本家階級に対する全面屈服の宣言であり、断固粉砕しなければならない。
 失業率五・三%と、電機を先頭に製造業総崩れの大恐慌ともいうべき事態を背景に、日帝の侵略戦争参戦攻撃がかけられている。それは、アフガニスタン人民への凶暴な攻撃であると同時に、日本の労働者階級への「内への階級戦争」である。労働者階級への一切の犠牲転嫁を拒否し、戦闘的労働運動を復権しよう。

 参戦3法案の成立と一体で

 この宣言の問題は、参戦三法案衆院採決の十八日に締結されたという事実そのものにある。連合は、十月の大会で「卑劣なテロ攻撃を連合は断じて許さない」「国連及び各国政府に対し、テロを地上から根絶するために必要な行動を取ることを強く要請する」と「テロ撲滅」を唱える特別決議を上げた。そして参戦三法案と一体で首切り・賃下げ容認の日経連との共同宣言に突き進んだのだ。
 戦争と大恐慌とは一体である。資本の危機に際して労働者階級への一切の犠牲転嫁を許さない闘いを抜きにして、真の国際反戦闘争は成立しない。

 労働側にのみ譲歩を強いる

 今回の宣言は、三つの要素からなっている。第一に資本側、第二に労働側、第三に国家がなすべきことを規定している。だがその特徴は第二の労働側と第三の国家にある。第一の経営側がなすべきことは見れば分かるが、一般的であり内容ゼロだ。ところが、労働側は、「生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化に協力するとともに、賃上げについては柔軟に対応する」となっている。
 @「経営基盤の強化に協力」とは、資本の危機に際してけっして闘いませんと、資本の救済者となることを誓うものだ。この企業防衛主義は「テロ撲滅論」と結びつく時、一気に戦争翼賛にまでなり、愛国労働運動への転落をもたらすものである。
 A「賃上げへの柔軟な対応」とは、賃下げ容認以外の何ものでもない。
 同じ十八日に連合は中央執行委員会を開き、来春闘では統一要求基準として『賃金カーブ維持分プラスアルファ』とし、ベア要求を放棄する方針案を決めた。日経連は今回の宣言を、「当面の対処とはいえ、中央のレベルでは『賃上げより雇用を』という労使の合意をみた」と言っている。宣言と連合のベア要求放棄は一体であり、雇用優先・賃下げ容認なのだ。
 失業率五・三%という日帝危機に直撃された連合は「雇用・景気の閉塞感、挫折感は尋常な事態ではない」(笹森)と悲鳴を上げ、企業防衛主義に転落した。その結果、賃金闘争放棄、賃下げ容認に走った。
 宣言にも盛り込まれているが、賃下げ容認合理化論として「ワークシェアリング」がJC(金属労協)、JAM、ゼンセン同盟、自動車総連などで一斉に噴出している。これを受けて連合は「二十一世紀連合ビジョン」でワークシェアリングを公然と掲げた。だが連合のワークシェアリングとは後で見るように小泉構造改革そのものだ。
 日経連はワークシェアリングの条件が整わなくても、「ウェイジシェアリング」(単なる賃金分割)を行えとすら言っている。結局のところ、ワークシェアリングは賃下げしか意味しないのだ。

 小泉構造改革が条件整備!?

 第三に国家のなすべきこととして言われているのは、セーフティネットの整備、職業紹介の規制緩和、新規事業育成、多様な雇用形態のための条件整備だが、それは小泉構造改革そのものではないか。
 なんと連合は、小泉による終身雇用制解体、労働者階級総体の不安定雇用化攻撃がワークシェアリングの条件整備だというのだ。
 しかも連合は「『緊急避難』から『社会変革』へ」などと言って、今回の合意が一時的なものではなく、新たな政労使のあり方への「変革」だとしている。
 十月の連合大会で決定した「二十一世紀連合ビジョン」の「参加型」労働運動路線が労使協調などという生やさしいものではなく、政労使一体の産業報国会運動に行き着くものであることを示しているのだ。
 この連合の裏切り路線の先兵こそ、連合に先駆けて「ワークシェアリング」を唱え、八月一日にJR東と「二十一世紀労使共同宣言」を締結した反革命JR総連カクマルである。また、全労連は、この連合による共闘呼びかけを「雇用限定共闘」を歓迎するなどと言って屈服している。
 連合、JR総連カクマル、全労連を打倒し、戦争反対、大幅賃上げを掲げ〇二春闘への進撃を開始しよう。日本の労働者階級は、闘うイスラム諸国人民と連帯し、帝国主義の侵略戦争阻止の最先頭に立とう。

 日経連・連合 「雇用に関する社会合意」推進宣言(一部省略)

 わが国景気が長期停滞する中、不良債権処理など構造改革が今後具体化するに加え、米国における多発テロにより世界経済は同時不況の様相を強めていることから国内の雇用情勢は今後一段の深刻化が懸念される。こうした状況を打開するため日経連・連合は下記事項につき、最大限の努力を傾注することを合意。あわせ、政府施策の一層の充実を要請し、政労使による「雇用に関する社会合意」推進を期す。
1.雇用の維持・創出に関する社会合意の推進(労使の施策)
 (1)当面の施策
  @ 経営側は、雇用を維持・創出し、失業を抑制すること。
  A 労働側は、生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化に協力するとともに、賃上げについては柔軟に対応すること。 
 (2)雇用の維持・創出を実現するため、日経連・連合は多様な働き方やワークシェアリングに向けた合意形成に取り組む。
2.政府に対する要請と政労使による社会合意形成の推進(政府の施策)
 (1)当面の施策、雇用のセーフティネットの一層の充実を実現すること。 
 (2)職業紹介が適切に再就職に結びつくよう、訓練内容の見直し。
 (3)税制や規制改革で新事業の育成を支援、新たな雇用機会を創出する。
 (4)働き方の選択肢を拡大するため、税制・社会保障制度の早急な見直し。

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週刊『前進』(2030号3面2)

戦時には闘うなと叫ぶ電機連合鈴木 賃金闘争の放棄と一体で

 電機連合の鈴木委員長は七月に開催された電機連合の大会で、゛戦争が始まったら闘いを放棄して戦争に全面協力すべき゜という許しがたい戦争翼賛の主張を行った。日帝のアフガニスタン侵略戦争参戦攻撃に対して、何よりもこの帝国主義国・日本で国際的反戦闘争をまき起こすために鈴木発言を徹底批判する。

 連合の労使一体宣言の露払い役

 鈴木はまず、「失業問題やミニマム(最低賃金)論は、一つの産業や企業の問題ではない。日本という国の基本的な問題である。解決には、国の経済政策が不可欠であり、労・使の社会的合意作りが必要」と述べて、十月の連合・日経連の「雇用に関する社会的合意」推進宣言路線の露払いを行った。九月のIMF・JC(金属労協)大会で議長に就任した鈴木のこの発言は、連合内右派の総意を体現したものである。
 鈴木は、その主張を合理化するため、第二次世界大戦中のアメリカの労働運動の論述を引き合いに出している(別掲)。それは、アメリカの炭坑労組が「国益」より「労働者の利益」を守ると言って賃金凍結反対のストで勝利したが、その結果「影響力、敬意を失った」というものだ。鈴木は「社会の支持を失った労働組合運動の行き先には、衰退の道しか残されていない」と、危機の時代には孤立しないために資本に屈服し、国益主義になるしかないと言うのだ。
 しかし、闘いもしない鈴木が゛闘ったら孤立する゜などと言うこと自体おこがましい。鈴木が引用している本の著者のドラッカーは、悪名高いアメリカの「経営学者」だ。日帝のTQC運動などを絶賛し、合理化運動の草分けと言われるテーラーを高く評価する労働者階級の敵だ。鈴木は敵側の著書を引用して、戦争が始まったらストをするなと言っているのだ。

 技能職切り捨てを主張する鈴木

 鈴木がドラッカーの著書を引用するもうひとつの理由は、その反労働者的「春闘解体論」のためである。
 ドラッカーは『ポスト資本主義』で、゛ものづくりの地位は低下した。知識こそが価値を生み出す。マルクス主義は古くなった。「ポスト資本主義」社会の支配的な階級は資本家やプロレタリアートではなく、「知識労働者」と「サービス労働者」だ゜などと言う。竹中や小泉の「構造改革」路線の先取りである。
 一言一句デタラメだが、資本の十万人大リストラと闘わず、賃闘でも高卒技能職を切り捨て、大卒技術職の要求への切り縮めを狙う鈴木は、その裏切りを「理論化」してくれるのではとドラッカー本に飛びついたのだ。確かに電機大手の本社では大卒技術職が七割を超えている。しかし大手の地方のグループ各社や中小の製造現場では電機の「労働集約型産業」の実態はなんら変わっていない。中国など海外の工場の現実を見ればますますそうだ。
 しかも技能職切り捨て、賃下げ容認のこの方針は、けっして技術職の利益をも守らない。ドッグ・イヤー(犬のように人生を数倍早く燃焼させてしまうIT労働者の実態)とも言われ五年もすれば技術が陳腐化する現実のもとでは、NTTの「五十歳以上の電話屋は要らない」という大リストラに見られるように、技術職の労働者も闘わなければ、中高年になった時に切り捨てられてしまうのだ。

 アメリカ労働運動とJ・ルイス

 アメリカ労働運動についてのドラッカーの主張は真っ赤なウソである。
 アメリカの炭坑労組を率いたジョン・ルイスは、それまでのAFL(アメリカ労働総同盟)の職能組合的限界を突破して、CIO(産業別組合会議)を創設し、第一次世界大戦後の鉄鋼・自動車・電機などの労働運動をつくり上げた。
 スターリン主義が第二次大戦を「民主主義とファシズムの戦争」と規定したことで、アメリカ共産党が戦争翼賛の先頭に立った。労働運動全体が挙国一致の戦争翼賛に走る異様な雰囲気の中でジョン・ルイス率いる炭坑労組はCIOを脱退し、ストに決起した。このど根性をわれわれは学ばなければならない。
 戦後アメリカ労働運動は四五〜四六年に大きな高揚期を迎えるが、冷戦の開始とマッカーシー旋風に屈服したCIOがUE(全米電機労組)を始めとした十一労組のパージを行う中で戦闘性を喪失し後退していった。しかし、七〇年代後半からの大資本攻勢に反撃して戦闘性を回復し、今や組織拡大を果たしつつある。
 以上を見れば、アメリカ労働運動は闘ったがゆえに衰退したのではなくて、スターリン主義の裏切りと闘えず、左派をパージして資本とも闘わなくなったことにより後退したのだ。
 電機連合・鈴木のデマを許さず、戦争反対を貫き、首切り反対・大幅賃上げを掲げ来春闘に決起しよう。

 ドラッガー本の鈴木引用

 ルイスは、第二次世界大戦中の一九四三年、連邦政府による賃金凍結に反対し、炭鉱ストを指令した。(大統領)ルーズベルトは、国益上、ストの中止を訴えたが、ルイスは「合衆国大統領の仕事は、国益を守ることである。私の仕事は、鉱山労働者の利益を守ることである」として、これを拒否した。
 戦時生産は立ち上がったばかりだった。ヨ−ロッパや太平洋では兵士が戦っていた。…戦争は石炭を必要としていた。一日の生産量さえ失うことはできなかった。しかも鉱山労働者は、最高の賃金を得ていた。兵士への支払いに比べて、おそるべき高給だった。
 だが勝ったのはルイスだった。
 しかし彼は、ただちに、あらゆる力、影響力、敬意を失った。…鉱山労働組合もまた、その力、影響力、組合員を失っていった。…そして実に、一九四三年のルイスの勝利は、アメリカにおける労働組合運動の衰退の始まりをしるすことになった。
(P・F・ドラッカー著『ポスト資本主義』)

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週刊『前進』(2030号3面3)

自治労本部の腐敗徹底弾劾し 権力の労組つぶしと対決を
闘う自治労再建、執行部総退陣へ
 戦争下の公務員改革粉砕せよ

 裏金、使途不明金など許せぬ不正・腐敗

 日帝・小泉政権による公務員制度改革が激化する中で、自治労中央の「裏金」などの腐敗が次々と暴露されている。日帝権力はこれをてこに自治労の一層の屈服と変質を迫っている。これは戦時下での公務員労働運動と自治労の解体、さらには労働運動総体の屈服・解体を狙った治安弾圧攻撃である。これと対決し、自治労中央の不正・腐敗の実態を労働者の側から徹底究明・弾劾し、自治労中央を打倒し、闘う自治労を再建しなければならない。
 十月十日に自治労関連会社「ユー・ビー・シー」の長谷川陽光専務(自治労特別中執)ら三人が業務上横領の容疑で逮捕され、翌十一日には、この容疑と生命保険代理店にかかわる法人税法違反容疑で、第一、第二自治労会館に東京地検と東京国税局の強制捜査が入った。さらに大原義行、榎本庸夫、後藤森重の歴代自治労中央執行委員長宅に強制捜査が入り、事情聴取が行われた。事態はこれにとどまらない。
 @生命保険代理店「エイシン企画センター」から自治労本部事業部への二億円の役員報酬などが使途不明になっているほか、自治労本部書記次長口座に二千百万円支払われたが、現在は簿外として千三十万円しか残っていない。
 A自治労財政局管理の簿外口座「自治労200万」から財政局長指示で、九八年九月以降三回に分けて七千万円が引き出され、右翼対策費に回った。
 B九月現在、中央労金市ケ谷支店の自治労当座預金が三十三億九千万円の借入になっているほかに、都市銀行に五億円の借入がある(約三十九億円の簿外債務)。これは八五年から始まったが、このうちの二十億円は九四年に借り入れたものだ。後藤委員長(当時)が独断で行ったもので正式決定を経ていない上、全額が使途不明である。
 Cそのほか、機関会議の承認を経ていない財政局長管理の口座が、現在十二あり、四億七千万円余りの残高がある。事業本部にも四口座約三億の預金がある。裏口座といわれるもので、計七億七千万円に上る。

 村山政権誕生にからむ政治資金に流れた

 このように次から次へと使途不明と不正経理が暴き出されている。自治労中央の腐敗はここに極まった。横領や詐欺など組合費の不正使用はまったく許すことができないが、全体から見ればほんの一部分である。問題は三十九億円という圧倒的多額の金が、いまだまったく解明されていないことだ。意図的に隠蔽(いんぺい)しているのだ。
 この使途不明は自治労執行部総がかりの組織的なものである。そのうち少なくとも二十数億円は後藤元委員長から、一部は北海道知事選対策として横路孝弘衆議院議員に、しかし大部分は村山政権の誕生と維持のための政治資金として流れたことは間違いない。村山政権誕生当時、東京労金の口座から担保なしで巨額の金を借りているが、こんな不正融資は組織ぐるみでなければとても実現できない。現に労金は不正融資の嫌疑を逃れるために「自治労の資産を担保とした」と言い訳している。歴代三委員長に強制捜査が入ったのも、この政治資金の解明にあった。
 こうした不正な政治資金をもって成立した自社さきがけの村山連立政権は、安保・自衛隊の容認から社会党の解党にいたるまで、ことごとく反労働者的な腐り切った政権だったのだ。

 腐敗した本部では労組破壊と闘えない

 自治労中央は、「今後捜査当局に協力するとともに法的対応も考慮する」「事件性のある疑惑については捜査当局にゆだねる」と、まったく自浄作用を放棄して解明する姿勢さえ見せない。そこにさらけ出されたのは階級的団結はおろか組合自治の考えさえ放棄した今日の自治労中央の腐敗した姿である。
 自治労を始め、連合下の多くの労組で、組合員から集めた金を資本・当局と闘うために使うのではなく、幹部が私物化するという腐敗が横行してきた。動員費の水増しによる政党対策費、選挙資金などの裏金づくりを常態とする腐敗した構造をかかえている。
 だが、今回の自治労に対する使途不明金キャンペーンはまったく次元の異なる、組合つぶし攻撃である。国鉄分割・民営化攻撃における「ヤミ・カラ」キャンペーンを上回る激しい攻撃なのだ。今日の腐敗した自治労中央では、これと対決できないのだ。
 自民党は資金源としてKSDを断ち切られた。そこで民主党が労組に資金源の多くを依存している点に着目し、連合の中で圧倒的資金をもつ自治労つぶしを系統的に画策していた。
 ところで、すでに一年にわたって内部捜査を行っていた検察・警察は、アフガニスタン侵略戦争情勢下で一気に決断を早めた。公務員制度改革で戦争遂行の実行部隊に公務員をすえるためには、中核的組合である自治労を協力させるしかない。そこで不正事件を奇貨として一挙に執行部逮捕へと走った。
 しかし判明した事実は、元首相にまで及びかねないものであり、自社連立政権をとおした自民党政治そのものの腐敗を暴くことになりかねない。ここにいたって政府=検察は自治労の歴代委員長に責任をかぶせて、真相を闇(やみ)の中に消しさろうとしているのが現局面である。

 臨時大会開催させ執行部総退陣へ闘おう

 自治労中央の許しがたい不正・腐敗を突いた今回の弾圧は、日帝の侵略戦争参戦下での労働運動全体の解体・圧殺を狙った治安弾圧の攻撃であり、敵の狙いを絶対に粉砕しなければならない。
 今こそ連合や自治労の組合指導部の不正と裏切り=転向に対してプロレタリアートの非和解的怒りをたたきつけ、階級的労働運動の再生のチャンスとして闘おう。
 われわれの立場は明確である。第一に、真相の徹底した究明である。現場組合員は、行革リストラ攻撃下で塗炭の苦しみにあえいでいる。一時でも組合執行部はこのことを忘れてはならない。構造腐敗を今こそただすべきである。
 第二に、現執行部の引責総辞職である。腐敗を自浄もできない自治労中央は打倒するしかない。組合員の手で闘う新たな執行部をつくり出そう。執行部は十二月中央委員会で逃げようとしているが断じて許さない。断固として臨時大会を開かせ、執行部打倒へ上りつめよう。
 第三に、団結を打ち固め、政府・自民党、警察・検察・国税が一体となった自治労つぶしと闘おう。組合費上納の凍結など、一挙に自治労の崩壊につながりかねない動きが始まっている。敵の自治労つぶしに屈服してはならない。われわれのスローガンは、「闘う自治労の再建」である。
 そもそも腐敗を生み出す原因は、連合加盟による自治労運動の反労働者的転換にある。安保・自衛隊を容認し、反戦・平和運動を解体した自治労「新政治方針」、賃金闘争解体の自治労「新賃金政策」、現業職場闘争を解体した「現業活性化方針」、階級的労働運動を投げ捨てる自治労「新綱領」などを徹底して切開し、総括にまで切り込んで臨時大会を「闘う自治労の再建」に結びつけよう。
 自治労組合員の奮起を訴える。今こそ職場から闘う自治体労働運動をつくり出そう。野中広務自民党行革本部長は「これで公務員改革の抵抗勢力はなくなった」と豪語している。絶対に許すな。今こそ怒りを解き放て! 「真相徹底究明・執行部総退陣・闘う自治労の再建」へ闘おう。

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週刊『前進』(2030号3面4)

11・20都労連スト貫徹へ 賃金カット延長絶対阻止を

 都労連(東京都労働組合連合会)の秋季年末闘争がいよいよ山場に突入した。都労連は、石原都知事による「給与削減措置継続」の策動に対して、十一月二十日に二時間のストライキを配置して闘い抜いている。
 十一月五日、都労連は年末一時金三・〇カ月分の支給などを求めて都側と団体交渉を行った。この場で副知事は、九九年からの二年間に限った給与削減措置(四%カット)について、「二年前の労使合意は重いもの」としながらも、「検討が詰めの段階にきており、内容が固まり次第、提案したい」と、事実上、給与削減措置を継続することを予告した。また、一般職員への成績率導入についても「導入の是非についての議論は十分になされた。実施に向けた前向きの議論をお願いしたい」と、強行の姿勢を示した。
 これに対して都労連は、「提案内容は受け取れない」と激しく追及し、これへの回答がないため交渉を打ち切った。直ちに「都側が、予告どおりに『不当な提案』を団体交渉で強行しようとするならば、団体交渉そのものを拒否することは当然……都側が自ら、都政に混乱を引き起こすものであり、その責任は挙げて都側にある」とする抗議声明を発した。
 六日の都庁第二庁舎前での総決起集会で、矢沢委員長は、「この闘いには落としどころや妥協点はない。労働組合の立場と威信を貫き、労働組合組織を守る。妥協を求めて屈服し、組合員の信頼を失うことはできない。組織を挙げて闘い、ストに向かうことを訴える」と檄を飛ばした。
 小泉「構造改革」による激しいリストラ・賃下げ攻撃にさらされるすべての労働者の先頭に立ち、十一・二〇都労連ストを貫徹しよう。

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週刊『前進』(2030号4面1)

戦時治安弾圧体制の構築許すな
爆弾テロ防止条約の批准と関連7法の強行に大反撃を
 人民の闘いを全面圧殺する狙い

 十月二十九日の参戦三法成立を受けて、小泉政権は直ちに自衛隊出兵の基本計画策定にとりかかるとともに、戦時型治安弾圧体制の全面再編に着手した。参戦三法成立の翌日には「爆弾テロ防止国際条約」の批准とそれに伴う七つの関連国内法の改悪案を閣議決定、即日国会に提出した。この批准・改悪案は許せないことに全政党が賛成する中、わずか三日で衆院を通過し、十一月上旬の成立が狙われている。同時に強行された入管法の改悪攻撃とともに、戦時治安弾圧体制への移行を画する攻撃である。有事立法の制定に直結する攻撃であり、その最大の狙いは反戦闘争の圧殺だ。さらに政府は、緊急時には首相の命令ひとつで自衛隊の治安出動を発令できるように、閣議決定を簡略化することを決定した。まさに戦争へと雪崩をうって進むこの情勢に、怒りを爆発させて立ち上がろう。

 帝国主義のテロ免罪し民族解放闘争禁圧

 十月三十日に閣議決定され、即日、国会に提出された「爆弾テロ防止条約」の批准と関連治安弾圧七法案は、侵略戦争の遂行と一体の国内治安弾圧体制をつくり出すためのものである。現憲法とその法体系を根本から破壊・解体することにつながるものであり、断じて許すことはできない。
 爆弾テロ防止条約(テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約)とは、一九九六年のリヨン・サミットで合意され、九七年十二月の国連総会で採択されて本年五月に正式に発効したものだ。日本は九八年に署名したが批准はしていなかった。条約の実施にかかわる国内法の整備が憲法との関係で困難とされていたからだ。
 小泉は今回、米帝が九・一一反米ゲリラ戦への「報復」を叫んでアフガニスタン侵略戦争に突っ込む中で、それにさおさす形で一気に批准に突き進んだ。
 その内容は、人身の殺傷や施設等の破壊を「引き起こす意図をもって」、「公共の用に供される場所」に「爆発物その他の致死装置を到達させ、設置し若しくは爆発させる行為又は(毒ガスなどを)発散させる行為」への厳重な処罰を各国の政府に義務づけ、かつ犯人の国際的引き渡しができるようにするというものである。
 ここでいう「公共の用に供される場所」とは、政府機関やいわゆる公共施設だけではない。「商業、業務、文化、歴史、教育、宗教、行政、娯楽、レクリエーションに係る場所」とあらゆる場所がことごとく列挙されている。「爆発物その他の致死装置」には、爆弾や毒性物質のほか火炎びんなども含まれる。
 未遂はもとより「加担する行為」や「他の者を組織しまたは指示する行為」、さらにはテロ集団に対して前記以外の「その他の方法で寄与する行為」がすべて処罰の対象となる。これはすなわち、「共謀」も「教唆・扇動」も、さらに「テロ組織」と認定された組織や運動をどんな形にせよ支持したり支援する行為の一切が処罰されるということである。
 しかも、政治犯か否かの区別はしないことが明言されている。その上に、「国の軍隊がその公務の遂行に当たって行う活動」は除外される(第一九条)とわざわざ明記しているのだ。
 このことに明らかなようにこの条約は、イスラエルと米帝が中東・パレスチナで繰り広げてきた残虐きわまりない国家テロ行為をすべて免罪し、他方でそれへの決死の抵抗としてあるパレスチナ人民の爆弾闘争、武装闘争への決起を重罪・重刑で圧殺するためにこそつくられたものである。
 実際にも条約制定の直接の契機は、九四年の「暫定自治」開始に対し、パレスチナ人民がアラファトなどの屈服を突き破って、九六年二月ごろからイスラエル全土を震撼(しんかん)させる大規模な爆弾闘争に連続的に決起していったことにある。これが帝国主義の中東支配の重大な危機に発展する中で、「テロ根絶」がサミットの重要議題に浮上してきたのだ。
 まさに、この条約の批准そのものが、闘う労働者人民の根底からの怒りと粉砕の対象だ。日本共産党や社民党も含めた全野党が審議すら放棄してこぞって賛成投票したことは、断じて許されない階級的犯罪と言わなくてはならない。

 爆取弾圧を前面化し火炎びん法重罪化も

 爆弾テロ防止条約の批准に伴う関連法改悪案として今国会に提出されたのは、@爆発物取締罰則A原子炉等規制法B放射線障害防止法C火炎びん使用等処罰法D生物兵器(細菌兵器)禁止法E化学兵器禁止法Fサリン防止法、の七法案である。その要点は次のようになっている。
 (イ)これらのすべてに「国外犯」や未遂罪についての処罰規定を加える。
 (ロ)生物・化学兵器の使用について、「無期もしくは二年以上の懲役または一千万円以下の罰金」という規定を新たに加える。兵器以外の毒性物質等をばらまいた者は「十年以下の懲役または五百万円以下の罰金」とする。
 (ハ)核燃料物質や放射線の取り扱いに関する処罰規定の拡大。
 これらは一見、さほど大きな変化ではないように思える。だがそれはとんでもない間違いだ。とりわけ爆取と火炎びん処罰法が含まれたことは重大である。どちらも現行法に国外犯に関する処罰規定が付け加えられただけだが、条約に関連づけられることでその性格は一変する。
 まず火炎びん処罰法について言えば、火炎びんを投げるという行為が今後は条約にいう「テロ行為」そのものとして取り扱われることになる。その製造や所持は「テロに加担する行為」となり、それを実行する組織や運動へのあらゆる関与が「犯罪」となる。大衆的デモとその実力闘争的発展に対する予防反革命的弾圧であり、今後の厳罰化に必ず道を開くものとなる。
 爆取については、事態はさらに重大である。
 そもそも爆取は、今から百二十年近く前の一八八四年、旧憲法や議会さえない天皇制絶対主義の時代に、当時の自由民権運動を弾圧するための太政官布告(天皇のおふれ)として出されたものだ。近代的概念での「法」ですらなく、まして戦後の憲法とは絶対に相入れない代物だ。
 そこでは、爆発物の使用は「死刑・無期または七年以上の重刑」とされ、その未遂から製造・輸入・所持・注文、脅迫・教唆・扇動・共謀、幇助(ほうじょ)などのすべてが重罪とされている。また被疑者が自ら無実を立証できなければ有罪とする規定や、密告の義務化、自首した者には刑を免除する規定などが盛り込まれている。
 日帝は戦後、この爆取について明示に廃止する措置がとられなかったことを理由に形式的には「合憲」としてきたが、運用上は憲法の枠を無視できないという状態を強制されてきた。しかし今回、国際条約の関連法として位置づけ直されることで、爆取は実質的に憲法を超えて適用されることになる。憲法と戦後民主主義の原理的な破壊・解体が一気に進むことを許してはならない。

 「反テロ」の名による暗黒支配打ち破ろう

 小泉政権はこの攻撃と並んで、もうひとつの重要条約である「テロ資金供与防止条約」に署名した。その批准と国内法整備を来年の通常国会で強行すると言っている。さらに「国際組織犯罪条約」の批准と関連国内法制定の攻撃がある。
 これらの戦時型治安弾圧強化の攻撃は、入管法改悪に始まる入管体制の強化とともに、有事立法攻撃と完全に一体であり、その重要な一角を構成するものだ。
 米欧日の各国が今や自らの帝国主義的利害の貫徹をかけてアフガニスタン侵略戦争にこぞって突入する中で、各国の国内でもすさまじい政治反動が一斉に吹き荒れている。「反テロ法」の制定により、令状なしの拘束や家宅捜索、盗聴の無制限拡大などに道を開く攻撃が、米・仏などですでに始まっている。反戦クラブの結成を呼びかけたアメリカの女子高校生が停学処分を受け、裁判所もこれを追認したという実に許しがたい事件が起きている。
 まさに帝国主義による被抑圧民族虐殺の戦争は、同時に国内の労働者人民の権利や団結をも一切奪い尽くす戦争として遂行されるものなのだ。「テロ弾劾・根絶」の名で一切の反戦運動や反政府活動を禁圧し、全人民を侵略戦争に総動員する策動を絶対に許してはならない。有事立法阻止と一体の闘いとして、治安弾圧粉砕に立とう。あらゆる弾圧を打ち破って、大衆的反戦闘争の巨大な爆発を今こそつくり出そう。

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週刊『前進』(2030号4面2)

外国人の排除と追放狙う 入管法改悪を粉砕しよう

 出入国管理及び難民認定法(入管法)改悪案が、十一月二日、参院で全会一致で可決され、衆院に送られた。今週中にも衆院での成立が狙われている。
 日帝・小泉政権は、「国内テロ対策等における重点的な推進事項」で法令整備・予算措置を伴うものとして、十月十二日に「国内テロ対策等における重点推進事項」を取り決めた。その筆頭に「出入国管理、国際的な情報交換等の強化」を掲げ、国内治安弾圧のかなめとして入管法改悪に踏み込んだ。
 米帝ブッシュ政権が成立させた反テロ法は、容疑を確定することなく外国人を七日間拘束し、退去強制を可能にした戦時立法だ。この動きは仏英帝などに広がっている。この動きと連動するものとして、日帝・小泉政権は「テロ対策は入管法で対応する」とし、入管法改悪を強行しようとしているのである。
 入管法改悪案は十月二十六日に閣議決定され、参議院先議で審議に入り、法務委員会ではわずか二時間の質疑だけで全会一致で可決された。
 今回の入管法改悪は第一に、アフガニスタン侵略戦争への参戦を狙う日帝が「国益」を振りかざし、意のままに外国人を排除・追放しようとする攻撃である。「上陸拒否事由」と「退去強制事由」の整備が掲げられているのはそのためだ。
 日帝の国益に反する外国人の入国を水際で阻止し、排除すること、在日・滞日外国人総体に対して日本の国益に反するものと見なし、強制的に追放するという凶暴な攻撃を許してはならない。
 日帝は、新たに「外国人犯罪」という概念を規定し、たとえ刑事裁判では執行猶予になった者でも退去強制の対象にするというのである。
 国会答弁で入管局長・中尾巧は、「犯罪を犯して執行猶予になった後、日本におることによって、集団的な犯罪が非常にふえており、再犯のおそれ等もございますので、速やかに国外に退去させる必要はどうしてもあろうかと思います。外国人に対して厳正に対処して、我が国の社会の安全を確保するためには必要なことだ」(十一月一日、参院法務委)と言い放った。
 そして第二に、この「上陸拒否」と「退去強制」を迅速かつ適正に処理すると称して、特別審査官(上陸審査及び退去強制手続き)の権限を強化し、入国審査官には「事実の調査」の権限を与えるなど、直接外国人と対応する末端の入管職員まで、警察官なみの権力行使を可能にする攻撃だ。
 すでに「不法入国防止」のためとして、七月には偽変造文書鑑識要員が増員され、全国の主要空海港に最新鋭の偽変造文書鑑識機器が配備されている。
 さらに第三に、来年五月(予定)のサッカーワールドカップ日韓共催大会のフーリガン対策を口実として強行されていることだ。
 法文上は「国際競技会等」と、その適用範囲はあらかじめ国際会議などに拡大されており、日本で行われる「国際競技会等の経過若しくは結果に関連して、又はその円滑な実施を妨げる目的をもって」、人を殺傷するなどの「恐れのある者の上陸を拒否できる」などと、「経過も若しくは結果に関連」「目的」「恐れ」というあいまいな規定が並んでいる。二四条の退去強制事由についても同様の文言が連ねられている。
 しかも特筆すべきは、参議院で入管法改悪案を補強する附帯決議が上げられたことである。
 附帯決議は、警察などとの連携を密にしてワールドカップ警備の万全を期せ、出入国管理体制を格段に充実させ、外国人犯罪対策に万全を期せ、など戦時入管体制に全面的に賛成し、これをしり押しするという超反動的なものだ。この翼賛国会での社・共の裏切りを徹底的に弾劾し、入管法改悪攻撃を粉砕しなければならない。
 九・一一反米ゲリラ戦以降、日帝は「外国人犯罪の増加」「日本にもイスラム過激派が潜入」などとキャンペーンを展開し、日本人民の排外主義的動員を推し進めてきた。
 十月三日に東京入管は、アフガニスタン人十一人とパキスタン人二人を強制収容、うち九人は難民申請中だった。九人は収容の執行停止を申し立てたが、東京地裁は四人に却下決定(十一月五日)、五人に収容停止を認める決定(六日)を行った。経緯の同じ難民にまったく逆の判断を示して分断するというやり方だ。怒りに堪えない。
 日帝は「アフガニスタン人は日本で難民申請をする」という理由で渡航証明書を出すことを著しく制限してきた。日帝が水際で追い払おうとしている外国人とは、戦地から命からがら逃げて来る難民なのだ。
 排外主義の洪水を許さず、反戦闘争を爆発させることは日本の労働者人民の緊急の課題である。入管法改悪攻撃と闘いぬこう。

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週刊『前進』(2030号4面3)

全国連と同住連 権力の部落差別を糾弾 狭山と住宅家賃で共闘

 十一月二日東京で、同和住宅家賃値上げ反対全国連絡協議会(同住連)と部落解放同盟全国連合会が共催して、「同和住宅家賃値上げ反対!/狭山再審を行え!/中央集会」を、二百三十八人の結集でかちとった。集会は、七四年十・三一寺尾無期判決二十七カ年糾弾の闘いとして打ち抜かれ、集会後、国土交通省交渉と狭山高裁行動を戦闘的に闘い抜いた。
 この戦争と大失業の時代に、部落差別事件の頻発、同和住宅家賃の値上げ、来年三月での同和対策事業の全面的打ち切り、狭山差別裁判強行=異議審棄却策動という重大攻撃が部落大衆を襲っている。これに対して、既成の解放運動=解同本部派は融和主義的屈服を深め、差別と闘う部落大衆の団結を自ら解体しようとしている。
 この解放運動の危機をなんとしても突破し、部落民自主解放の運動を大きく前進させようと、二つの団体が初めて共催して東京で中央行動を打ち抜いた。
 集会は午後一時から霞が関の弁護士会館講堂で開かれた。初めに同住連の東口博世話人と、全国連中央本部の中田潔書記長が主催者を代表してあいさつし、両団体が共催して集会を開いたことの画期的な意義を語り、一日行動を成功させようと熱烈に呼びかけた。
 続いて全国連の大橋昌広中執が基調報告を行った。大橋中執は、「きょうの集会と行動は、同対全廃と狭山差別裁判という国家権力による二つにして一つの部落差別を徹底糾弾し、霞が関の司法(東京高裁)と行政(国交省)の牙城(がじょう)を大衆的に実力糾弾する闘争である」と鮮明に提起した。
 さらに「きょうの行動は私たち部落民の人間らしく生きる権利を自らの力で奪い返す闘いだ」「三百万部落民のすべての差別からの解放をかけて闘い抜こう」と呼びかけた。
 関西、関東、広島、山口、福岡など全国から結集した部落大衆と共闘の労働者人民は、基調報告で確信を深め決意を新たにした。
 家賃供託などを武器に闘う同住連の全国の代表者十四人が壇上に並び決意を表明した。また、全国連と部落解放共闘の代表は、無実の石川一雄さんの狭山差別裁判への煮えたぎる怒りと勝利の執念をわがものとして闘う決意を述べた。
 その後、同住連と解同全国連は、国交省交渉と高裁糾弾行動に決起した。狭山闘争をめぐっては、高橋省吾裁判長はいまだに一度も事実調べも行わず、それどころか、「これは異議審ですから」などと言って事実調べぬきで異議申し立て棄却を狙っている。このことを全参加者が満身の怒りを込めて弾劾し、事実調べを直ちに開始するよう強く要求した。
 広島から参加した中学生はみんなで集めた百九十余人の署名を提出して裁判所に訴えた。この日三十一通の要請文が提出された。
 また、これと並行して行われた国交省交渉には同住連を中心に百人を超える部落大衆が決起、全員が部屋に入って国交省に生の声をたたきつけた。そして行政当局者自らが「定額制でもいい」と発言している事実を取り上げて、応能応益制による大幅家賃値上げをやめるよう省側に迫った。交渉の締めくくりには、百人の怒りのシュプレヒコールが国交省内にとどろいた。
 二つの行動を戦闘的に打ち抜いた参加者は、再度合流して午後五時から日比谷公園で総括集会をもった。そして、権力に屈服する解同本部派にとって代わって六千部落三百万部落大衆の闘う団結を打ち固めていく決意を新たにして、画期的な一日行動を終えた。
 なお部落解放東日本共闘会議は、午前中、独自の高裁要請行動を行った。

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週刊『前進』(2030号4面4)

2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 10月30日〜11月6日
 靖国違憲訴訟に小泉が暴言 東ティモール派兵閣議決定

●不発弾と食糧間違え住民が犠牲に 米軍が使用しているクラスター(集束)爆弾の表面が黄色に塗られているために、同様に黄色の米軍が投下した食糧パックと不発弾を勘違いした住民に犠牲が出た。(30日)
●集団的自衛権へ超党派で
 自民、保守、民主、自由の与野党四党の中堅・若手議員が会合。集団的自衛権の行使容認を明記した「安全保障基本法」(仮称)制定を検討することで一致した。超党派の議員立法を目指すという。(31日)
●靖国参拝は違憲と提訴
小泉純一郎首相の今年八月の靖国神社への公式参拝に対し、韓国に住む旧日本軍人・軍属の遺族らを含む計約九百人が、国と首相、靖国神社を相手に、参拝が違憲であることの確認や、今後の参拝差し止めを求める訴訟を起こした。小泉は「話にならんね。世の中おかしい人たちがいるもんだ」と暴言を吐いた。(1日)
●自衛隊派兵は海空千人
日本参戦の基本計画原案の全容が明らかになった。活動地域は太平洋からアラビア海にまで広がり、派兵期間は十一月から三カ月を想定。海上自衛隊の艦艇四〜六隻と航空自衛隊のC130輸送機四機が派兵される。千人規模。支援対象は米軍のほかに、英仏両軍も。(1日)
●「餓死90万人も」と国連代表 国連でアフガニスタン問題を担当するブラヒミ事務総長特別代表が、アフガニスタンへの緊急援助が再開されなければこの冬で九十万人の餓死者が出る可能性があると、空爆の即時停止を訴えた。(1日)
●参戦へ日米の調整機関設置 日米両政府が「日米安全保障高級事務レベル協議」(SSC)の審議官級協議で、自衛隊による支援活動を協議する調整機関を設置することで合意した。調整機関には自衛隊や在日米軍も加わる。(1日)
●ヘリ基地移設中止求め名護市内をデモ 沖縄の米軍普天間飛行場の代替施設建設に反対するヘリ基地反対協議会三百五十人が、名護市役所中庭で集会を行い、市内をデモした。建設計画中止を求める決議を採択した。(1日)
●コソボPKO派遣へ 閣議決定で、今月十七日に行われるユーゴスラビア・コソボ自治州のコソボ議会議員選挙に、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき選挙監視要員など計十一人を派遣するための実施計画を決定した。(2日)
●PKO法改悪は通常国会に 政府・与党は、PKF(国連平和維持軍)本体業務の参加凍結解除を臨時国会で行い、PKO法の参加五原則見直しは来年の通常国会に先送りする方針が有力に。(2日)
●自衛隊のパキスタン港使用を許可 自民、公明、保守三与党の幹事長がパキスタンを訪問し、ムシャラフ大統領と会談した。ムシャラフは、自衛隊のパキスタン国内での活動について「全面的に歓迎する」と述べ、カラチ港の使用を許可した。(3日)
●難民支援もと山崎 自民党の山崎拓幹事長が、パキスタンでの難民支援活動について「(基本計画の内容を)膨らませる可能性はある」と述べた。(4日)
●北富士で実弾砲撃訓練
在沖縄米海兵隊が北富士演習場(山梨県)で実弾砲撃訓練を始めた。(5日)
●PKO法改悪の一括処理協議へ 自民の山崎幹事長がPKF本体業務の凍結解除とPKO参加五原則見直しについて「一括処理すべきだ」と述べた。(5日)
●核廃絶決議、米が反対
国連総会の軍縮・安全保障問題を協議する第一委員会で日本政府提案の核廃絶決議案を賛成多数で採択した。同様の決議が八年連続で採択されているが、米が初めて反対に。(5日)
●9条解釈「変更困難」
津野修内閣法制局長官が憲法九条の解釈変更について「難しい。憲法解釈は論理的に積み上げたもので、時間をかけて議論しても変更できるわけではない」と述べたと報道。(6日)
●東ティモールに陸自700人 政府は閣議で、東ティモールPKOへの自衛隊派兵準備を確認。中谷元・防衛庁長官が約七百人規模の陸上自衛隊の施設部隊を派兵することを柱として、部隊編成などに着手するよう指示した。過去最大の規模となる。(6日)
●パキスタンに自衛隊医官派遣を準備 政府は自衛隊の医官をパキスタンに派遣する検討に入った。来年二月の派遣を念頭に準備を進める方針。(6日)
●ドイツ3900人派兵方針 ドイツのシュレーダー首相が、アフガニスタン侵略戦争に、ドイツ連邦軍兵士を最大で三千九百人派兵する方針を明らかにした。(6日)
●米軍が戦術核に次ぐ爆弾を使用 米軍がアフガニスタン空爆で、米軍が持つ通常爆弾では最大級の燃料気化弾BLU−82、通称デージーカッターを使い始めたと報道。直径約五百bを高熱で焼き尽くし、さらに広範囲を衝撃波で破壊する兵器で、戦術核に次ぐ破壊力があるという。(6日)

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週刊『前進』(2030号4面5)

右翼を撃退 反戦共同 有楽町街宣

 十一月三日、反戦共同行動委員会は、右翼の襲撃を粉砕し、有楽町マリオン前での街頭宣伝を貫徹した。
 午後二時から六人で数奇屋橋のガード下で、アフガニスタン侵略戦争を弾劾し、日本の参戦阻止を訴えるビラまきと署名活動を行った。雨にもかかわらずビラの受け取りも良く、若者から高齢者まで次々と署名をしていった。
 午後三時半ごろ、「愛国党」の大型バス二台が晴海通りから「イスラムの連中と組む非国民、直ちにやめろ!」と大音響で叫ぶ。
 当然無視して続けた。すると「やめないつむりだな」とバスから右翼約三十人が降りて来て六人を取り囲み、「やめろ!」「非国民!」「われわれはアメリカの同盟国だ」などと叫んで暴行を振るい始めた。ビラを引きちぎる、マイクを破壊するなど乱暴狼籍(ろうぜき)を働いた。カンパを奪おうとする卑劣なやつもいる。
 怒りに燃えた街宣隊は、「右翼は帰れ!」「おまえらは侵略の先兵だ!」と徹底弾劾。絶対にこの場を譲らないぞと踏ん張る。途中で警察権力が「あんたたちが早く逃げればいいんだ」などと介入してきた。「ふざけるな!あいつらが襲ってきたんだ。われわれが退く理由はない」と権力をも徹底弾劾した。
 人だかりの山から「頑張って!と次々と声がかかる。もみ合うこと十数分、この場を絶対に守るという街宣隊の不屈の闘いと通行人の抗議の中で、ついに右翼は逃げ去った。
 右翼を撃退した後、ただちに街頭宣伝を再開。注目の中いきらに多くの署名・カンパが集まった。街頭を右翼に渡すな! 絶対に勝てる!″ −−この教訓をしっかりと得た。

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週刊『前進』(2030号5面1)

「テロ根絶」を叫び「国連の軍事制裁」提唱した共産党
 不破・志位「第二書簡」を弾劾する

 日本共産党は、十月七日の米英軍のアフガニスタン空爆開始を受けて、十月十一日に議長不破哲三と委員長志位和夫の連名で「各国政府首脳への書簡」(以下「第二書簡」)を発表し、「テロリストの逃げ場が地球上のどこにもなくなる状況をつくる」ため、より徹底して「国連による軍事制裁」を行え、と提唱した。スターリン主義反革命として、民族解放闘争の根絶のためのアフガニスタン侵略戦争を、帝国主義とともに担うという表明である。国際反戦闘争の最悪の敵対者・抑圧者=日共スターリン主義を今こそ打倒せよ。闘うイスラム諸国人民と連帯して、アフガニスタン侵略戦争を阻止しよう。

 9・11ゲリラに恐怖と憎悪

 十月十一日の「各国政府首脳への書簡」は、九月十七日の「書簡」に続く第二弾である。
 「第二書簡」の表題は「一部の国による軍事攻撃と戦争拡大の道から、国連を中心にした制裁と゛裁き゜の道へのきりかえを提案する」。その言葉のとおり、開始されたアフガニスタン侵略戦争は一言も弾劾せずに、ただ戦争の手法の変更を「各国政府首脳」に提案したものである。
 まず第一に、十月七日のアフガニスタン空爆開始に対して何と言っているか。「軍事攻撃によって、それまでテロ根絶で固く一致していた国際世論に、亀裂と矛盾が入りつつある」「これらの亀裂が、テロ勢力に、破壊活動を拡大する絶好の条件をあたえる」「テロの根絶という目的に有効にむすびつくのか、そのたしかな見通しはどこにもありません」、以上である。
 米帝の空爆そのものには何の反対の表明もない。ただ「一部の国による軍事攻撃」では「テロ勢力に活動拡大の条件をあたえる」、「テロ根絶に有効なのか、たしかな見通しがない」、だからより有効な方法にすべき、と主張している。
 日共はなぜ開始された空爆を弾劾しないのか? 理由ははっきりしている。日共にとっての唯一にして最大のテーマは「テロの根絶」だから、である。日共にとって、「テロ根絶」という絶対的テーマからすれば、帝国主義による空爆など大した問題ではない、ということなのだ。
 ここにスターリン主義反革命としての日共の本性が露骨に示されている。スターリン主義とは、プロレタリアート人民や被抑圧民族人民の自己解放闘争を徹底的に抑圧することによって初めて存在しうるものである。ソ連スターリン主義は歴史的にも、イスラム諸国人民を始めとする被抑圧民族人民に対して血の粛清と虐殺を繰り広げて延命してきた存在である。
 日共にとっては、パレスチナを始めイスラム諸国人民の積もりに積もった怒りが反米ゲリラ戦争として炸裂(さくれつ)するという事態は、絶対にあってはならないことであったのだ。そしてそれが現実化した「九・一一」を、自らの存立を揺るがす衝撃的事態として受けとめ、こうした激烈な戦闘に決起する勢力を文字どおりせん滅し尽くさなければ、自らが存在できないという根底的な危機感と恐怖を持っているのである。それゆえ、ある意味では帝国主義者以上の憎悪をもって「テロ弾劾」「テロ根絶」を絶叫しているのである。
 したがって、「テロ反対の国際的な大同団結」とか「国際社会の一致した包囲」と言うのも、帝国主義の侵略戦争に対して歯止めをかけるためのものではない。まったく逆に、「一部の国」(=米英帝国主義)だけの戦争ではなく、全世界的に「テロ集団」を包囲し、徹底的に壊滅し尽くす戦争をやるべき、と主張しているのだ。゛真に「テロ根絶に有効」な戦争を行え、そして最後の一人までせん滅し尽くせ゜と叫んでいるのである。
 日共は帝国主義の侵略戦争と闘う勢力ではない。まったく逆である。スターリン主義反革命としてパレスチナを始めイスラム諸国人民の民族解放闘争を心底憎み、その抹殺のために帝国主義と共同の「戦線」を組み戦争を担う存在であり、全世界の国際反戦闘争に全力で敵対する存在である。その反革命的正体が、九・一一―十・七の事態を受けてよりむき出しになったのである。
 全世界の被抑圧民族人民とプロレタリアート人民の怒りが帝国主義に向かって巨大な爆発を開始しようとしている今、その最悪の敵対者・抑圧者として登場した日共スターリン主義を打倒することは、日本人民の責務である。

 帝国主義の武力行使を支持

 「第二書簡」は第二に、「ビンラディン犯人」説を公然と打ち出して、その「制裁」を要求している。
 「ウサマ・ビンラディンが十月八日のビデオで行った言明は、重大な意味をもつ」として、@九・一一を賛美している、A自分にかけられた容疑を否定しなかった、B今後も米国などにテロを行うことを事実上予告している、と三点を上げて、「ビンラディンと、彼が組織した『アルカイダ』が、米国へのテロ攻撃を実行し、それに関与した、重大な容疑を、みずから裏づけた」と断定した。
 すべての帝国主義がビンラディンを九・一一の容疑者と決めつけて戦争を開始しつつも、具体的な証拠をなんら提示することはできない中で、唯一日共だけが、まったくでたらめな理由で「容疑を裏づけた」と断定したのである。
 さらに日共は、「ビンラディンをはじめテロリストのグループの身柄の引き渡しは、国際社会にたいするタリバンの義務である」と言う。゛タリバンがビンラディンの引き渡しに応じないから、戦争に訴えるしかない゜として侵略戦争に突っ込んだ帝国主義のお先棒を担いで、ビンラディンやアルカイダを口を極めてののしり、憎しみをあらわにし、アフガニスタン人民に対する侵略戦争を正当化するキャンペーンを、最先頭で担っているのだ。
 第三に、その上で「国連が軍事制裁をすべき」と大々的に提唱している。
 「第二書簡」は各国政府首脳に対して、「国連として、ビンラディンの身柄の引き渡しをタリバンに要求」し、「タリバンがそれを拒否した場合」には、「まず……経済制裁などの『非軍事的措置』」をとり、それでも不十分な場合は「(国連憲章)第四二条にもとづく『軍事的措置』をとる」、そして「国際テロを根絶するためには……テロリストの逃げ場が、地球上のどこにもなくなるという状況をつくることが不可欠です」と言っている。
 「一部の国による戦争」ではなく、「テロリストの逃げ場が地球上のどこにもなくなる状況をつくる」ため、被抑圧民族人民の民族解放闘争を根絶やしにする「国連の軍事制裁」=戦争をもっと徹底的にやるべき、という表明である。
 日共が「軍事制裁」の前に行うべきと言う経済制裁であっても、飢餓と寒さと闘うアフガニスタン人民の虐殺行為であることにはなんら変わりはない。現に九一年湾岸戦争以来十年間続くイラクへの経済制裁によって、百万人をはるかに超えるイラク人民が病死・餓死で殺されている。日共は「テロ根絶」のためであれば、アフガニスタン人民に死を強制することをもなんらいとわないのである。
 十月二十六日付朝日新聞には、「手段つくせば軍事制裁も」という見出しで不破のインタビューが掲載された。その中でも不破は「相手がどうしても応じないときは国連憲章第四二条による軍事制裁もやむを得ない」と言っている。
 そして「軍事制裁に自衛隊は参加するのか」と問われて、「日本は軍事的措置には参加しない」とは答えたものの、その理由として「だいたい『武力行使』しない建前の自衛隊が戦争の役に立ちますか。一緒に戦線を組んでも、兵器を使えない部隊なんて邪魔で邪魔で……」と言い放った。
 なんという言葉だろうか。゛「役に立たない」「邪魔で邪魔で」しょうがない自衛隊゜と、自衛隊の現実を嘆いて、日帝中枢から噴きだす「自衛隊を国軍にせよ」という衝動を代弁したのである。
 アフガニスタン侵略戦争は、日本人民にとってけっして「対岸の火事」ではない。すでに日帝・小泉は参戦三法を成立させ、自衛隊の出兵を強行して、自衛艦がインド洋に向かっているのである。自国政府の軍隊=自衛隊がアフガニスタン人民虐殺の銃を握るのである。日本人民は当事者そのものなのである。
 しかし日共はこの現実と闘うのではなく、帝国主義支配者どもに「書簡」を送ってより徹底した「テロ根絶」を求め、さらに日本の労働者人民に対しても゛私たちのようにテロ根絶の立場に立て゜と絶叫してまわっているのだ。
 日共は十一月二〜四日の三日間、「赤旗まつり」を開催し、三日に志位が「記念演説」を行った。その中にこういう言葉がある。
 「アメリカの国防総省のホームページを見ていたら、『ペンタゴンは、テロとのたたかいのアイデアを探しています』という、『アイデア公募』の呼びかけがされている(笑い)。巨大な米軍を統率する司令部が、『軍事作戦のアイデア募集』(笑い)、……そんなにアイデアがないと困っているというのだったら、日本共産党の『書簡』を採用したらどうでしょう(拍手)」
 自衛隊がインド洋―アフガニスタンへの出兵を強行したこの時に、「テロ根絶のアイデア」をペンタゴン司令部に提案すると言って、集まった聴衆とともに喜んでいる志位の姿は、なんとおぞましいことか。

 パレスチナ解放闘争に敵対

 九・一一以降、日共は背景にパレスチナ問題や米帝の中東における暴虐の歴史があることについて、一切口をつぐんできた。しかし、事態の背景にパレスチナ問題や米帝の中東支配の問題があることは、誰の目にも明らかである。こうした中で十月十九、二十日の第二二回大会第三回中央委員会総会で、初めてパレスチナ問題に言及した。
 ところが不破は、米帝とイスラエルを弾劾するのではなく、「私たちは、中東の政治問題を解決しなければテロ問題が解決しないという形で、二つの問題を結びつける態度はとりません。どういう名分でやろうと、国際的なテロは、たとえだれがやろうと許されないというのがわれわれの立場であります」と言って、パレスチナ人民のイスラエルに対するゲリラ戦闘を取り上げ、「無実の市民を犠牲にするテロは絶対に許されない」と弾劾した。こうしてパレスチナ人民の闘いには憎悪をあらわにしながら、今行われているイスラエルのパレスチナ六自治区への一斉軍事侵攻に対しては一言も触れもしない。
 さらに「一九七三年に゛わが党はイスラエル抹殺論にはくみしない。イスラエルの国家的な生存権を当然のこととして認める゜という態度を明らかにした」「中東問題の解決についての立場も、テロを許さないという立場も、いわばそういう時代からのわが党の一貫した立場」と表明した。
 パレスチナ問題の原因であるイスラエル建国に対しても、それ以降五十年余にわたって行われてきたパレスチナからの人民追放と難民虐殺に対しても、何ひとつ批判も弾劾もしない。
 ここにも、スターリン主義反革命としての日共の姿が露骨に示されている。
 パレスチナ人民は、米帝の中東石油支配のためのイスラエル建国によって故郷を追われ、土地を奪われ、度重なる軍事侵攻によって何万人も虐殺されながら、必死で闘い、生きてきたのである。帝国主義の抑圧と追放に対する怒りに燃えて決起するパレスチナ人民の民族自決と帰還の要求、民族解放の願いと闘いは、百パーセント正義である。そしてこの闘いは、スターリン主義の制動によって押しとどめることができない根底性を持って、武装解放闘争として発展している。
 こうしたパレスチナ人民の闘いの根底性ゆえに、日共はその闘いを「テロは許されない」とののしり、「イスラエルの国家的生存権を承認せよ。イスラエルと共存せよ」と言っているのだ。そしてパレスチナ人民の闘いを帝国主義と一体になって根絶・抹殺する立場に立っていることを露骨に表明しているのである。
 「テロ根絶」を絶叫し、全世界人民の解放闘争に全力を挙げて敵対する日共スターリン主義を打倒しよう。闘うイスラム諸国人民と連帯し、アフガニスタン侵略戦争と日帝・自衛隊の参戦を阻止する国際反戦闘争の爆発をかちとろう。
 〔藤枝 杳〕

(写真)これが日共が支持する海保の武装部隊だ
 日共は10月29日に成立した参戦3法の1つ、会場保安庁法改悪に賛成した(前号参照)。海上保安庁は10月31日、巡視船「みずほ」(4基の機関砲を装備、中型ヘリコプター2機を搭載する巨大な軍艦だ!)をマニラ沖合いに派遣し、軍事訓練を行った。「日本船が海賊に襲撃された」という想定で武装した隊員が船上に展開している(写真)。「訓練」と言いつつ、実際は「テロ犯罪の抑止のための警戒・哨戒活動」であり、自衛隊と一体の侵略出兵である。日帝の侵略戦争に協力する日共を許すな。

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週刊『前進』(2030号5面2)

北富士 攻撃演習弾劾でデモ “アフガン侵略やめろ”

 十一月五日、北富士での在沖米海兵隊の本土移転砲撃演習に対して反戦共同行動委員会は、断固とした反対闘争に決起し、実弾演習弾劾のデモと演習場での申し入れ行動を貫徹し、米帝のアフガニスタン空爆と日帝の入会権抹殺攻撃を弾劾する忍草農民の大看板を演習場入り口に立てた。
 この日はすでに朝から米軍の撃つ一五五_りゅう弾砲の音が間断なく続いていた。北富士ではすでに十月十四日から米軍六百人による大規模な演習が行われてきた。まさに北富士演習場はアフガニスタン侵略のための最後の仕上げをする侵略出撃演習場として使われているのだ。
 十一時半から自衛隊北富士駐屯地横の民有地に五十人が結集し、怒りに燃えて決起集会。忍草母の会の天野美恵事務局長が、「入会権があることは政府の覚書でも認めている。入会地を守るため命のある限り絶対に抵抗する。富士を撃たせない」とあいさつした。
 基調報告を全学連の大山尚行委員長が提起し、「無差別空爆や地上軍投入でアフガニスタン人民を虐殺するための演習を絶対に許すことはできない。全学連は自衛隊出兵阻止の佐世保現地闘争に決起し、最先頭で闘う」と宣言した。
 婦人民主クラブ全国協代表の西村綾子さん、都政を革新する会の結柴誠一さん、部落解放同盟全国連、都留文大生協労組、法政大の学生が決意を表明した。
 直ちに北富士演習場へのデモに出た。「実弾演習阻止! アフガニスタン侵略戦争をやめろ! 人民虐殺を許さないぞ! 自衛隊派兵阻止!」。激しいシュプレヒコールが自衛隊駐屯地を直撃した。
 実弾射撃実施中と掲示された演習場入り口で米軍演習中止の申し入れ行動を行った。横浜防衛施設局の鈴木茂広報官が応対し、反戦共同行動委員会、婦人民主クラブ全国協、全学連などが申入書を読み上げた。
 その後、「アメリカはテロ撲滅のためと称してアフガン市民を爆殺している……」と侵略戦争反対のベニヤ板八十枚もの大看板を設置した。忍草入会組合の天野重知組合長は記者団に「これから本格的な闘いを行う」と決意を語った。

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週刊『前進』(2030号5面3)

“巨大基地建設許さぬ” 名護市役所前で集会
 「3工法8案撤回」掲げ 戦争の地獄再現に危機感

 十一月一日、ヘリ基地反対協主催の「三工法八案撤回! テロ・戦争にまきこむ巨大基地建設を許さない市民集会」が名護市役所前広場で開催され、集会後市内をデモ行進した。集会には、海上基地建設予定地の東海岸住民を始め、三百五十人が参加した。(写真)
 主催者を代表してヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんがあいさつした。「九・一一で沖縄の基地も激変している。名護の観光客キャンセルも一万人に上っている。軍民共用空港案はもうとっくに吹っ飛んでいる。名護市民の生命と生活を危険にさらす市長を変えるために、立場の違いを越えて奮闘していく」と決意を述べた。
 「基地の県内移設反対県民会議」を代表して山内徳信さんが連帯のあいさつ、日本政府を弾劾した。
 「那覇軍港の浦添移設に反対する市民の会」の渡久山朝一代表が浦添への巨大軍港建設を許さない決意を表明し、「平和市民連絡会」の崎原盛秀さんは金武湾を埋め立てた石油備蓄基地(CTS)建設が地域経済の破壊と海の死滅につながった歴史をひもとき、市民投票の結果を市行政に守らせようと強調した。
 リレートークでは、各団体が次々と基地建設に反対する取り組みと決意を語った。辺野古「命を守る会」の嘉陽宗義さんは「辺野古の一部の者が沖縄を再び戦争の地獄を再現することに手を貸している。もっと声をあげ、闘わなければならない」と訴えた。
 「二見以北十区の会」の浦島悦子さんは、アフガニスタンへの侵略戦争に対して「近所に住むおばあは『沖縄戦が始まる前と今は雰囲気がそっくりだ。生きているうちに二回も戦争を見たくはない』と言っている。それを聞くのがつらい」と、沖縄の危機感を語った。

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週刊『前進』(2030号5面4)

 改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史

 第2部 15年戦争の末路(10) 日本本土への空襲
 住民皆殺し狙った焼夷弾爆撃

 米軍が日本本土へ空爆を開始したのは、真珠湾攻撃の翌年の一九四二年四月であった。沖縄を含めた日本本土への空襲は東京大空襲、沖縄戦、八月六日広島、八月九日長崎への原爆投下をへて、八月十五日の敗戦までの間にのべ三百五十回以上行われた。犠牲者の中には、日本帝国主義の植民地支配のために日本に在住していた多数の朝鮮人民が含まれていた。

 空襲の始まり

 一九四二年四月十八日、米軍中型爆撃機B25機十六機が、東京、川崎、横浜、横須賀、名古屋、神戸への空爆を行った。日本本土への最初の空襲である。「日本の空の守りは、鉄桶(てっとう)である」と豪語していた日本軍は、突然の奇襲になすすべもなく、死者四十五人、重軽傷者百三十五人、全半焼家屋二百八十九戸の犠牲をだした。
 東条内閣は四四年一月に「改正防空法」を敷き、住民に対して、いかなる空襲があっても退去や避難をすることを禁じた。そして、「空襲災害は最初の一分! 退くな、逃げるな、必死で消火」などのポスターを街中に張りだし、通行人にまでも、空襲があったら直ちに防火に当たることを義務づけた。日本帝国主義者たちは、もはや敗戦必至の情勢の中でなお、空襲があろうとも逃げることを許さず、最後の最後まで国家を守るために命を投げ出せと強制したのだ。そしてそれが、多くの惨劇を生み出す要因となったのだった。

 東京大空襲

 四五年、米空軍は日本の戦略源である主力工業地帯の破壊から、非戦闘員を対象にした無差別焼夷(しょうい)弾爆撃へと踏み切った。ピンポイント爆撃では、予期した「戦果」があげられなかった米空軍は、日本家屋が木造であることに目をつけ、そこに空からガソリンをばらまいて火を放ち、工業地帯を住宅もろとも焼き尽くすという皆殺しの作戦へと転換していったのである。
 その最初の対象となったのが三月十日未明の東京大空襲であった。午前零時八分、超低空で東京の下町地域に侵入した米空軍機B29、三百三十四機が、本所・深川・下谷・浅草・城東などの下町を中心に、周囲を取り囲むように爆弾を投下し、ガソリンを振りまき、次々と焼夷弾を投げ込んだ。文字どおり皆殺しのための空襲だ。折しも吹き荒れた強風によって東京の下町は瞬く間に燃え上がった。約二時間半にわたる無差別じゅうたん爆撃によって、家屋約十八万棟、約三十七万世帯、約四百万坪が焼き尽くされた。人びとは、周囲を取り囲む火の壁と、あられのように降り注ぐ焼夷弾の下で逃げ場を失い、次々と倒れていった。翌朝、東京の下町は、炭化した焼死体、窒息死した親子の死体が各所にちらばり、隅田川、小名木川の川面は溺死(できし)体で埋め尽くされた。この空襲による犠牲者は死者約十万人、負傷者約四万人を数えた。そして約八十九万の人びとが家族を失い、家を失い、焼け跡をさまよった。
 多数の悲劇は、直接の空襲だけでなく、一カ所に殺到したことによる圧死や溺死など、パニックによって生み出されたものであった。日ごろから「防火義務」をたたき込まれ、逃げる訓練など一度も受けてこなかったことが多くの悲劇を生みだしたのである。 
 この大空襲の中で、真っ先に火が消し止められたのは皇居内の宮内省主馬寮本館であった。そして、多くの民衆は、逃げることも許されず、何の手だても与えられぬまま見殺しにされたのだ。
 東京への空襲は、その後も続き、四月十三日夜には、豊島・淀橋・小石川・四谷・麹町・赤坂・渋谷・牛込・荒川・滝野川地区が焼かれ、五月二十五日夜には、残っていた山手方面の大半が焼失した。東京は、敗戦の日まで百三十回もの爆撃と艦載機の銃撃をうけた。
 空襲と艦砲射撃は、横浜、川崎、名古屋、静岡、大阪、神戸、九州など、北海道から沖縄まで、全国の地方都市に及んだ。二百六都市のうち九十八市が被爆し、福井市での九八%焼失を最高に、平均焼失率四割の被害を受けた。
 空襲は、ポツダム宣言受諾の直前の八月十四日まで続けられ、受諾後も米軍は、残った焼夷弾を捨てるように投下して行った。四二年から最後の空襲までの間で、死傷者は六十六万五千人を数えた。日本帝国主義は、侵略に行き、戦死した人間を「軍神」と奉る一方で、空襲によって焼け出され、生き残った人びとに対しては、何の保障もせずに路頭にほうり出した。

 日帝は重慶空爆

 戦闘員のみならず、非戦闘員である住民すべてを一瞬にして焼きつくし、殺戮(さつりく)し、すさまじい惨禍に陥れる一方、攻撃する側には何の痛みももたらさないこの空襲―戦略爆撃こそ、帝国主義戦争の本質である。無差別・大量殺戮をもたらすこの戦略は、第二次世界大戦において本格的に確立されるにいたった。
 一九三七年四月、ドイツ空軍は、内戦期のスペインのゲルニカに対して無差別・大量殺戮の空爆を行った。そして、その翌年の三八年十二月二十五日、激しく戦われる抗日戦争に追いつめられた日本帝国主義軍隊は、当時中国の首都が置かれた重慶に対して、無差別爆撃を開始した。この爆撃は、四三年までの五年間に、合計二百十八回、延べ九千五百十三機の攻撃で、死者一万千八百八十九人と言われる犠牲者を出した。この無差別・大量殺戮の攻撃は、中国人民を同じ人間とみなさず、「殺しつくし、奪いつくし、焼きつくす」対象として残虐の限りをつくしてきた日本帝国主義―侵略軍隊の本質をあらわす攻撃であった。
 アメリカ帝国主義は、その報復と称して、日本への空爆をエスカレートさせていった。そして、一九四五年三月の東京大空襲、八月の広島・長崎へと突き進んでいったのだった。
 この無差別・大量殺戮をもたらす戦略は、戦後も朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、そして今日のアフガニスタン空爆へと受け継がれている。自国の利益のためには、全世界人民を虐殺しつくしてもやまない――ここに帝国主義の本質が貫かれているのだ。
 (奥井恭子)

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週刊『前進』(2030号6面1)

12・15獄中同志奪還集会へ大結集を
爆取4同志長期勾留を粉砕し 星野同志の再審を実現しよう

 迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、福嶋昌男同志、七〇年安保・沖縄決戦への報復デッチあげ無期攻撃に対して再審闘争を闘う星野文昭同志など、長期の獄中闘争を闘い抜いている全同志の奪還をめざす「十二・一五爆取・無期攻撃と闘う獄中同志奪還大集会」への結集の呼びかけが発せられた。全同志、全人民の総力結集で、集会の大成功をかちとろう。全獄中同志奪還を実現しよう。(編集局)

●12・15爆取・無期攻撃と闘う獄中同志奪還大集会への呼びかけ

   (1)
 反戦闘争や労働運動、部落解放運動を始めとするさまざまな人民の解放運動の戦列の中で、また対権力の革命的武装闘争や反革命との闘争の中で、権力の弾圧を受けながら不屈の闘いを貫いてきたすべての皆さん。国家権力の不当な弾圧や反革命の襲撃などに屈することなく、人民の闘う権利、真実を主張する権利を守りぬいてきたすべての皆さん。
 革共同は、最も厳しい権力・反革命との非和解的相互絶滅的な死闘を貫いてきた革命党として、数多くの不屈の反権力の闘士たちに敬意を表しつつ、次のような趣旨で、十二・一五「爆取・無期攻撃と闘う獄中同志奪還大集会」を開催します。すべての闘う人民がこの集会の開催の趣旨に賛同し、大結集していただくように以下の呼びかけを行います。
   (2)
 この集会は、七一年十一・一四沖縄返還協定批准阻止闘争でデッチあげの殺人罪無期攻撃をかけられながら獄中二十七年の不屈の闘いを貫いている星野文昭同志、八〇年代の日帝・中曽根体制に対する革命的闘争への報復弾圧としてしかけられたデッチあげ爆取弾圧と闘う四人の同志(須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、福嶋昌男同志)の獄中からの烈々たる呼びかけにこたえて、開催するものです。
 この五人の同志の存在と闘いはまさに戦後日本階級闘争(七〇年代、八〇年代)の核心と本質を突き出すものとしてあるだけでなく、現在もなお、日帝支配階級を恐怖させる力をもって継続されています。権力はこれに対して、獄死攻撃と言っても過言ではない圧殺攻撃をしかけ、彼らの存在と闘いを抹殺しようとしているのです。
 この五人の同志への長期勾留・長期投獄をうち破り、権力の不法不当な弾圧への怒りを爆発させ、なんとしても無罪奪還をかちとる力ある運動を発展させることが、全人民的な緊急の課題となっています。
 爆取の三人の同志は、デッチあげ逮捕以来十五年間、福嶋同志は九年間の長期裁判・長期獄中闘争を闘い抜いてきました。権力は、この四人の同志に対して、まともな医療すら保障せず、検察立証に十三年も費やすような異様な裁判で十五年、九年という人権無視の長期未決勾留を継続しています。
 この十一月から弁護側立証が開始されましたが、権力は、なんの証拠もないデッチあげ弾圧を開き直り、彼らをこのまま獄中に閉じこめようという意図を隠そうともしません。
 権力との攻防は予断を許さない決戦局面に入っています。これまで繰り返されてきた、何度にもわたる保釈請求の却下はそのことを示しています。私たちは、弁護士、学者、宗教者を先頭に呼びかけられている十万人保釈署名運動の成功をともにかちとり、なんとしても保釈奪還、無罪奪還をかちとる全人民的な運動を実現していきたいと考えています。
 星野同志は、実に二十七年にわたる超長期の獄中闘争を闘ってきました。星野同志は、七一年十一・一四闘争のデモ指揮者の一人として闘争の先頭で闘いましたが、彼にかけられた殺人罪は完全なデッチあげです。権力は、七〇年安保・沖縄決戦への政治的報復として、すべてを承知の上で「証言」をねつ造し、星野同志に一切の攻撃を集中したのです。だからこそ権力は、死刑求刑・無期刑、そして再審棄却の攻撃をかけ続けてきたのです。デッチあげ報復弾圧をうち破り、「無実の政治犯」星野同志を生きて奪還することは、七〇年決戦以来の闘いの歴史にかけて、どうしても実現しなければならない全人民的な課題です。
 彼らは、日本階級闘争が生み出した獄中政治犯と規定されなければならない存在です。現在の革共同の地平は、この獄中同志たちの存在と闘いなしにはあり得ないものです。この五人以外に、長期の獄中同志として、獄中十二年の倉持嘉之同志、獄中十一年の片山武夫同志、獄中八年の浦山正博同志がいます。彼らは、革共同の存在と闘いを根底で支え、権力との攻防の最先端にあり続けているのです。また、戦後日本の階級闘争、日本人民の闘いの地平は、彼らの存在なしには語れないものです。
 革共同は、すべての闘う人民、心ある人たちに呼びかけます。
 これらの五人の同志の獄中からの呼びかけにこたえ、彼らをなんとしても奪還しようではありませんか。それをとおして、権力と人民の力関係をまさにその根幹においてぶち破り、あらゆる弾圧をうち破って人民の闘いの大前進をかちとろうではありませんか。 
   (3)
 革共同は、七〇年安保・沖縄決戦以来、また、七〇年代〜八〇年代の権力・反革命との内戦的な闘いの全過程をとおして、国家権力の不当な弾圧や、破防法の発動、全面的組織解散攻撃の恫喝による闘争圧殺の攻撃をはねかえし、そのあらゆる重圧に屈することなく真向から対決して闘い抜いてきました。
 この過程において権力や反革命によって幾人もの同志が虐殺されました。多くの同志が逮捕・起訴され、長期の獄中生活を強いられました。また権力は、繰り返しデッチあげ弾圧を行い、中核派であるというだけで勝手に重罪「犯人」に仕立て上げ、デタラメな指名手配攻撃を行うという卑劣な攻撃を重ねてきました。裁判所もこの攻撃に加担し、完全なアリバイが存在しているにもかかわらず指名手配を続けたり、平然と有罪判決を下すなどという許されない犯罪行為を重ねてきました。
 私たちは、権力の弾圧と正面から闘いつつ、同時に反革命カクマルの背後からの白色殺人襲撃とも戦い抜かなければならないという、二重の内戦的な対峙を長期にわたって強いられてきました。私たちは、それをただ強いられたものとしてではなく、この中でこそ真に革命的な闘いが創造されるという確信も固く闘い抜いてきました。
 反革命カクマルによる本多書記長虐殺に対して「三・一四反革命を見すえ、そそぎ、のりこえる」ことをとおしてこそ、革共同は真に革命を実現する党になれるという信念で、どんな犠牲にもたじろがず、闘いぬいてきました。
 私たちは、二十一世紀の関頭に立って、三・一四反革命を始めとした数々の歴史の試練をのりこえてきた革共同として、今日開始している闘いを大きく発展させ、二十一世紀のできるだけ早い段階での革命勝利(プロレタリア世界革命とその一環としての日帝打倒)をめざす戦略的大前進を実現しようという固い決意をみなぎらせています。
 九・一一反米ゲリラ戦に対する報復と称して始まったアフガニスタン侵略戦争は、二十一世紀冒頭の「戦争と革命の時代」の開始を告げ知らせています。帝国主義者は、「テロ根絶」を口実に新たな世界戦争に乗り出しています。日本帝国主義・小泉政権もその中で、自衛隊派兵を強行し、戦争国家(改憲)へと大転換しようとしています。
 すでに始まった戦争と恐慌・大失業攻撃の下で、あらゆる弾圧をうち破って反戦闘争を推進し、労働運動・階級闘争の戦闘的な発展を実現していくためにも、治安弾圧や司法改革攻撃と闘い、人民の闘う権利を守る闘いの戦列を築きあげなければなりません。参戦三法やテロ防止条約の批准にともなう国内法改悪はそれ自体が、戦時体制的な国内治安弾圧のエスカレートを狙うものです。革共同が呼びかける十二・一五獄中同志奪還大集会の成功は、そうした攻撃との対決としても大きな歴史的意味をもつものとなると確信します。
 すべての闘う皆さんが、十二・一五爆取・無期攻撃と闘う獄中同志奪還大集会の開催呼びかけにご賛同いただき、大結集されるように心からお願いします。
(革命的共産主義者同盟 12・15集会実行委員会)

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週刊『前進』(2030号6面2)

迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判 「公訴棄却し、即時釈放を」
 弁護側立証開始で冒頭陳述 包囲デモで東京地裁弾劾

 十一月五日午前十時から迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の第一五六回公判が、東京地裁刑事第一一部(木口信之裁判長)で行われた。今回からいよいよ弁護側立証が開始された。
 早朝から支援者、同志が裁判所正門前で横断幕を広げ、「無実の三人を取り戻そう」とビラをまき、傍聴券の数を超える人びとがなんとしても三同志を奪還したいという必死の思いで集まった。
 この日の公判では、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志と弁護団が冒頭陳述を闘いとった。
 弁護人は、「被告人らは、自らの無実を十三年間にわたる毎回の公判で主張し続け、実に真剣に裁判を争いぬいてきた。国家権力によるデッチあげの事実を暴き、正義を実現するために自らの人生をかけて闘っている。そのことの中に、弁護人らは三人の無罪を確信する」「八八年九月十九日の第一回公判から十三年、百五十五回にわたる検事側立証が終了した現在も、被告人らと両事件とを結び付ける立証はなされていない。被告人らは無罪である」と主張し、今後の弁護側反証の中身を全面的に明らかにした。
 続いて須賀同志が、公訴棄却(起訴自体の取り消し)を申し立てた。須賀同志は、九八年二月に腰椎(つい)間板ヘルニアを発症して以降、歩行が困難で、裁判には車椅子(いす)で出廷している。立つことができず座ったままの陳述だったが、怒りの声は法廷に響きわたった。
 「迎賓館・横田基地へのロケット弾戦闘での起訴は、われわれが思想転向攻撃に断じて屈しなかったことから権力が断行した完全な政治的デッチあげであり権力犯罪だ。だからこそ、検事側立証の構造が完全に崩壊してもなお私たちを十五年間も勾留し続けているのだ。これが許せるか。
 私が歩行困難になったのは、拘置所の厳しい寒さと野外運動が一カ月に二回しかできないという拘禁状態に原因があるのだ。現在は血便が続いているが、東拘の医療ではその原因は究明されない。長期の拘禁は、私の健康を著しく破壊している。裁判所は、公訴を棄却しろ。私たちを直ちに保釈しろ」と訴えた。
 午後の最初に陳述した十亀同志は、デッチあげの検事側立証を破綻(はたん)させたこと、まぎれもなく無実・無罪であることを、鋭く明快に論じた。
 「検察官は、私たちそれぞれがいつ、どこで、何をしたから起訴したのかについて、いまだに明らかにできない。主語はいつも『被告人ら』だが、わたしたちはそれぞれ独立した人格であり、団子ではない」「検事のすべての『証拠』は、八六年十月に岩手借家(八月に借りた)から不当押収したものだが、両戦闘は八六年四月と五月である。『証拠物』を両戦闘と結びつけようとしても、時間的、空間的に『失われた鎖』が存在し不可能だ」「かつて中谷裁判官は『証拠がないのは被告人が隠しているから』と言った。予断と偏見で最初から『有罪心証』をもっている中谷は断じて許せないが、その反動中谷ですら『証拠がない』と言わざるをえなかったのだ」「私たちは無実だ。私は、アフガニスタン侵略戦争を阻止するために十一月十一日に日比谷野音に行かなければならない。だから、今すぐ釈放しろ」
 最後に板垣同志が、「私たちは勝利している」ときっぱり宣言した。
 「反米ゲリラ戦闘と、米軍のアフガニスタン空爆は、二九年型恐慌と第三次世界大戦の始まりである。小泉政権は、侵略戦争に自衛隊を派兵し、改憲・有事立法、治安弾圧の極限的強化の道につき進んでいる。
 人権が奪われる時、戦争が始まる。私たちは、国家権力のデッチあげ攻撃、人権侵害攻撃に屈せず、闘い続けている。この私たちの闘いは、日帝の戦争国家化攻撃を阻んでいるものであり、侵略戦争に反対し、生命と生活を守るために闘う労働者人民との共闘だ。
 私たちは、検事の転向強要攻撃、デッチあげ立証を粉砕してきている。私たちは圧倒的に勝利している。 違憲・違法の長期勾留で、健康を破壊され、家族と引き裂かれ、人間的自由と生命を奪われてきた。残酷な権力犯罪を絶対に許さない。直ちに釈放しろ」
 三同志の迫力ある意見陳述に、法廷全体から感動の拍手が巻き起こった。
 裁判闘争は、開始以来の最大最高の決戦段階を迎えた。十三年の闘いの地平を踏まえ、いよいよ始まった弁護側立証の勝利を全力で闘い、無罪を戦取しよう。
 さらに、無実の三同志への十五年もの超長期の勾留を断じて許さない保釈署名運動を大展開し、三同志の保釈奪還をなんとしてもかちとろう。
 昼休みには、「不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動」の地裁包囲デモが闘われ、「三人を保釈しろ」と、怒りの声を木口裁判長へたたきつけた。次回十一月二十九日の裁判に集まろう。十二・一五獄中同志奪還大集会を成功させよう。

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週刊『前進』(2030号6面3)

02年批准阻止へ集会 組対条約の危険性に警鐘

 十月二十七日午後六時から、東京都杉並区の高円寺会館で、゛国際的組織犯罪条約批准阻止・先取り攻撃を許さない/民衆の闘う団結を守れ!十・二七集会゜が開かれた。破防法・組対法に反対する共同行動の主催で、百二十人が参加し、来年の国際的組織犯罪条約批准と国内治安法制定・改悪攻撃に対する反撃の闘いの開始を宣言した。
 共同行動が基調を提起し、米帝のアフガニスタン侵略戦争の開始が、同時に世界中での解放闘争弾圧のエスカレーションであり、「テロ根絶」と称した弾圧の拡大、治安管理強化であること、その背景に、日米の経済危機の進行とそのもとでの労働者への解雇攻撃、労働運動への組対法型弾圧の拡大があることを弾劾し、労働者の闘いと連帯した反撃を訴えた。
 とりわけ、昨年十二月に日本が調印した「国際的組織犯罪条約」の批准を理由にした、日帝の「重大犯罪の共謀又は組織的犯罪集団の活動への参加罪などの新設を含む国内法の整備」という治安法制定・改悪攻撃を阻止するために、来年一月からの全国一斉情宣、四月の全国集会を提起した。
 これを受けて、組対法に反対する全国ネットワークに参加する福岡の「破防法団体規制に反対する連絡会議」、静岡の「つぶせ盗聴法静岡連絡会」、仙台の全金本山労組、大阪の港合同南労会支部がそれぞれの闘いを報告した。
 エッセイストの朴慶南さんが、「今、日本はヘンです」との題で講演した。
 朴さんは、子どものころから警察に監視されてきた経験などから、現在の弾圧強化によって「このように討論するだけでも命懸けの時代が来る」「治安維持法の前には関東大震災における朝鮮人虐殺があった。その恐ろしい流れを今感じている」と、「テロ撲滅」を口実にした弾圧拡大への警戒を訴えた。そして「手をつないで、帝国主義との新たな闘いを」と連帯を呼びかけた。
 続いて、海渡雄一弁護士が、「国際的組織犯罪条約と刑事司法の危機」と題して講演し、「どんなひどい法律も突然出され、議論なしに通す」国会の腐敗した現状を弾劾し、包括的テロ防止法制定やサイバー犯罪防止条約の策定の攻撃を具体的に暴露した。そして、「国際的組織犯罪条約が、『組織犯罪集団』への参加も、『犯罪』についての相談もすべて犯罪とし、警察が認定すれば誰でも逮捕できる」と、その危険性に警鐘を乱打した。
 連帯のあいさつが、栃木県下都賀地区の「つくる会」教科書採択反対運動、個人情報保護法を拒否する共同アピールの会、憲法と人権の日弁連をめざす会、立川自衛隊監視テント村から行われた。千葉学校合同労組のメッセージが紹介された。
 戦争と治安法強化の一体化した攻撃に全力で反撃することを訴えた集会宣言を満場の拍手で確認し、闘う決意をシュプレヒコールで示した。
 二〇〇二年の組対条約批准・関連法制定を前に、その反人民性を全面暴露し、闘いの開始を宣言した本集会の意義は決定的である。この集会を第一歩として、総力で決起しよう。

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週刊『前進』(2030号6面4)

10・19富山 参戦反対で統一行動 50人でデモ貫く

 十月十九日、宗教者、大学教員、弁護士、音楽家、労働者、市民など幅広い人びとが、「報復戦争と自衛隊の戦争参加反対」の一点で一致できるあらゆる個人・団体の自主的参加を呼びかけた、「アメリカの報復戦争反対・自衛隊の戦争参加反対」緊急統一行動・富山駅前デモに参加しました。緊急の呼びかけにもかかわらず、五十人が参加し力いっぱい闘われました。
 各参加者から、前日の衆院での参戦三法案の強行採決への怒りを胸に、参院での廃案と戦争反対の願いを強く訴えるアピールなどを受け、思い思いのアピール文をかかげて、デモに出発しました。飛び入りで若い会社員らも参加し、「戦争反対」の熱気あふれるデモ行進になりました。
 また、統一行動に先立つ富山駅前街頭宣伝では、この日の「緊急統一行動」を呼びかけたビラが次々と受け取られ、中年の女性から「デモに是非参加したいのですが、これから予定があって残念です。頑張ってください」と激励がありました。「戦争反対」の気持ちを行動に表さなければ、という思いを持つ人びとが、労働者・市民の中にたくさん生まれつつあることを実感させる緊急統一行動となりました。
 アフガニスタンへのアメリカの「報復戦争」も空爆から地上戦に突入し、泥沼化が不可避です。今回の行動をステップに、「アメリカの報復戦争・自衛隊参戦」ストップへ、さらに運動の輪を広げてゆかねばと思いました。
 (投稿 藤沢満)

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週刊『前進』(2030号6面5)

タウンミーティング 弾劾情宣に反響 富山の学生、労働者ら

 衆院で参戦三法が強行採決された直後の十月二十日、富山市で小泉内閣主催の「タウンミーティング」が行われました。六月から各都道府県で行われているこの集会は、小泉「構造改革」攻撃をファシズム運動的に進めていく許しがたいものです。闘う富山大生と北陸労組交流センターの労働者は、当日断固会場前に登場して申し入れと大情宣を展開しました。
 当日、まず富山駅前で、アフガン侵略戦争阻止・日本の参戦粉砕と小泉政権打倒の宣伝を行いました。
 JR当局と警察権力の露骨な妨害に一歩も引かず展開すると、人びとが積極的に署名に応じ、「頑張れ」と声をかける人がどんどん出てきました。闘う学生・労働者は堂々と駅前から「タウンミーティング」会場までシュプレヒコールをあげて向かいました。
 会場前でも、横断幕を張り、警察権力の規制をはねのけて、参加者に対して小泉「構造改革」が戦争への道であることを訴えるビラまきとマイク宣伝を貫徹しました。そして、小泉首相と内閣府あてに自衛隊参戦阻止の申し入れを行いました。地元マスコミからも注目を浴びました。
 竹中、片山らの閣僚が居並んだ「タウンミーティング」は、冒頭に「テロ犠牲者への黙祷(もくとう)」を強制した上に、最初の三人の質問者はあらかじめ指名、残る発言者についても、報復戦争と参戦三法反対に取り組んでいる市民には意図的にあてず、とにかく小泉内閣批判が噴出しないように必死でした。しかし、「消費税率アップになったのになぜ経済はよくないのか」「年金は大丈夫なのか」と切実に大不況・大失業時代への不安と怒りを訴える声はとめられませんでした。
 大不況・大失業と戦争に対して、戦争に突進する日帝・小泉政権の打倒、革命を対置して、労働者階級が団結して闘うことを訴える勢力が大きく登場するべき時です。
 (投稿 大原健)

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週刊『前進』(2030号6面6)

イスラム・中東の学習参考文献

3 パレスチナ・中東関連

▽D・グロスマン『ユダヤ国家のパレスチナ人』晶文社
▽森戸幸次『中東紛争−対米同時テロの起源』平凡社
▽板垣雄三『石の叫びに耳を澄ます』平凡社
▽藤田進『蘇るパレスチナ』東大出版会
▽グロリア・エマソン『占額地ガザー抵抗運動インティファーダの日々』朝日新聞社
▽広河隆一『ベイルート大虐殺』三一書房
∇広河隆一『パレスチナ−瓦礫の中のこどもたち』徳間文庫
▽広河隆一『パレスチナ』岩波新書
∇北沢正雄『アラブ現代史』亜紀書房
▽PLO研究センター『黒い九月』
▽サミール・アミン『アラブ民族』亜紀書房
▽M・サマルサン、S・アカウィ『銃口よ敵は見えたか』柘植書房

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