ZENSHIN 2001/10/01(No2023 p06)

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週刊『前進』(2023号1面1)

米日欧のアフガニスタン軍事報復許すな
自衛隊艦隊の侵略出撃阻止
 国際反戦闘争で第3次大戦阻め

天田書記長が街頭で訴え  被抑圧民族と固く連帯し 米日帝国主義打倒しよう

 アメリカ帝国主義ブッシュ政権は、九・一一反米ゲリラに対する「報復」を叫び、数日中にもアフガニスタン・中東侵略戦争に突入しようとしている。この重大情勢にあたり、革共同は天田三紀夫書記長を先頭に街頭宣伝に立ち、すべての労働者人民に国際反戦闘争への決起を呼びかけた。今まさに五百機を超える米軍機がアフガニスタン・中東に襲いかかろうとしている。絶対に許すな! 日帝・小泉政権の積極的参戦、自衛隊出兵策動を体を張って阻止せよ! 全世界の被抑圧民族と労働者階級人民の団結で、米日欧帝の軍事報復=侵略戦争絶対阻止の国際反戦闘争を巻き起こそう。天田書記長の街頭演説(要旨)は以下のとおり。(2、3面に関連記事)

 私たち革命的共産主義者同盟は、アメリカのブッシュ政権による大々的な軍事報復=アフガニスタン侵略戦争を絶対に阻止しなければならないと考えます。
 また、小泉政権が新安保ガイドライン体制=周辺事態法を発動させ、あるいはそれをも超える後方支援新法を臨時国会で制定して侵略戦争に参戦しようとしていることを絶対に許してはなりません。この重大情勢にあたって、すべての労働者人民の皆さんが一大国際反戦闘争にともに立ち上がることを、心から訴えるものであります。
 九月十一日に被抑圧民族人民による反米ゲリラ戦争が、ニューヨークとワシントン、ペンシルべニアで衝撃的に炸裂(さくれつ)しました。われわれ日本の労働者人民は、支配階級、帝国主義者と一緒になって「テロ弾劾」の合唱に加わるのではなくて、九月十一日の反米ゲリラの真の本質をしっかりととらえ、彼らが何を訴えているのかを真正面から受けとめることが必要であると考えます。
 はっきりさせなければならないことは、現代が帝国主義の時代であり、アメリカを始めとする米日欧の帝国主義者こそ、中東・アラブなど全世界の被抑圧民族人民を迫害し、虐殺し、搾取・収奪し、苦しめてきた張本人だということです。
 米帝を先頭に世界の帝国主義者どもは今、九・一一ゲリラを口をそろえて「卑劣なテロ」とか「民主主義への挑戦だ」と非難し、「テロ根絶」「報復」を叫び、大がかりな戦争準備を進めています。
 だが、考えてみて下さい。すぐる二十世紀の百年間に帝国主義は、何をやってきたのか。帝国主義の利益、一握りの支配階級の利益を守るための侵略戦争であり、帝国主義強盗どもの領土と植民地争奪をめぐる相互の激突であり、まさに戦争に継ぐ戦争の繰り返しだったのであります。
 全世界の被抑圧民族人民は、繰り返される戦争と植民地支配によって、あらゆる苦難と迫害を受け、土地を奪われ、民族的に抑圧され、分断されながら、これと不屈に闘ってきました。ソ連スターリン主義崩壊後の最近の十年間をとってみただけでも、アメリカ帝国主義は、一九九一年一月十七日に五十四万人の軍隊を投入してイラク侵略戦争を行い、二十万人とも言われるイラク人民を虐殺しました。これらは全面的な虐殺戦争でした。
 さらに九四年には北朝鮮に対して侵略戦争の準備を行いました。九六年には中国との間で戦争的な緊張を激化させました。九八―九九年にはユーゴスラビアのコソボで全面的な侵略戦争を行い、多くの人民を虐殺しました。
 九八年にはケニアのアメリカ大使館が攻撃された報復と称して、アフガニスタンやスーダンに数百発もの巡航ミサイルを撃ち込み、人民を虐殺し、多くの施設を破壊しました。イラクに対しては空爆による人民虐殺を継続的に日常的に繰り返し、さらに「経済封鎖」によって多くの人民、子どもたちを病気や栄養失調、飢餓で死に追いやっているのであります。
 そして今日ただ今も、パレスチナ解放闘争の圧殺、パレスチナ人民の虐殺を凶行しているイスラエルに武器を提供し、全面的に支援しているのがアメリカ帝国主義なのであります。
 このアメリカ帝国主義に対する積もりに積もった怒りの爆発として、九月十一日の反米ゲリラ戦争があったことを見なければならないと思います。
 私たちは、その被抑圧民族人民の怒り、憤りの深さを真正面から受けとめると同時に、しかし九月十一日の反米ゲリラ戦争によっては、けっして世界の被抑圧民族人民の真の解放の道を切り開くことはできないということも、はっきりさせなければなりません。
 なぜならば、九・一一反米ゲリラには、アメリカ帝国主義を打倒する革命主体であり、被抑圧民族の友となるべきアメリカ労働者階級の存在と闘いが据えられていないからです。そこからは、被抑圧民族自身の真の解放も勝利の展望も、絶対に切り開くことはできません。そうではなく、帝国主義国の労働者階級を根底的に信頼し、彼らの決起と団結することをめざして闘うことが被抑圧民族人民には不可欠なのだと私たちは考えます。
 同時に、私たち帝国主義国内の労働者階級は、被抑圧民族の苦しみと怒りを真っ向から受けとめ、彼らの不信をぬぐい、信頼を回復するために闘うことを、全力でめざさなければなりません。
 帝国主義国の労働者階級人民と被抑圧民族人民が一緒になって、アメリカ帝国主義を始めとする帝国主義の世界支配を打倒する、そうして戦争と植民地支配を打ち破り、全世界の労働者階級、被抑圧民族の真の解放を実現する闘いに勝利しなければなりません。

 後方支援新法を粉砕せよ

 とりわけ皆さんに訴えたいことは、アメリカのブッシュ政権が十五日のキャンプデービッド会議で「報復」と称する大規模なアフガン侵略戦争に突き進むことを決定したことです。アメリカは「国家非常事態」を宣言し五万人の予備役を動員するとともに、核空母機動部隊を三つも四つもインド洋やペルシャ湾、地中海などに展開し戦争準備を進めています。ここからアフガニスタンやイラク、中東に巡航ミサイルを撃ち込み、空爆を加えようとしています。
 そしてこの戦争にイギリス、ドイツ、フランスや日本などすべての帝国主義諸国が支持を表明し参戦しようとしています。ブッシュは「数年に及ぶ戦争になる」と言っており、これは明らかに第三次世界大戦への道であります。
 私たちは満身の怒りを込めて、こうしたブッシュ政権の軍事報復策動を弾劾します。そしてこの重大情勢を真正面から見据えて、今直ちに軍事報復絶対反対、侵略戦争絶対反対の国際的な反戦闘争を、この日本の地から巻き起こしていかなければなりません。
 何よりも小泉政権が憲法をも踏みにじり、後方支援のための新たな法律をつくって、この軍事報復に積極的に加わろうとしていることを断じて許してはなりません。
 小泉首相は、「報復を断固支持する。日本もできることは全部やる」と言っております。小泉政権がやろうとしていることは、日本を再び戦争のできる国にすることです。日本が後方支援という形で自衛隊を出動させ、アフガニスタン・中東に行く。海上自衛隊の艦隊が米空母の支援のために出撃しようとしています。そして沖縄、横田、横須賀、三沢、岩国、佐世保などから米軍が出撃し、アフガニスタン・アラブ人民の頭上に爆弾の雨を降らせる。このようなことを絶対に許してはなりません。
 なぜ、ブッシュ政権と小泉政権は第三次世界大戦にもつながりかねない軍事報復をやろうとしているのか。それは世界の帝国主義の終わりが始まっているからであります。
 世界経済は再び一九三〇年代のような世界大恐慌と大不況の時代に入りつつあり、その中で帝国主義は、戦争をやらなければ生き延びられなくなっているのです。今こそ、私たちは全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の団結した力で、戦争に突き進む米日欧の帝国主義とスターリン主義を打倒し、世界革命の勝利に向かって前進する時です。
 さて、九・一一反米ゲリラ戦争に対する既成野党の対応は、労働者階級の解放の立場に敵対する断じて許せないものであります。
 民主党は鳩山代表が「テロに対して毅然(きぜん)として立ち向かうべきだ」と言って、軍事報復の断固支持を打ち出しました。
 最も許せないのは、日本共産党であります。志位委員長談話は、「史上例を見ない野蛮な大規模テロを糾弾する」というものです。そこには、帝国主義が繰り返してきた人民虐殺、侵略戦争に対する怒りも、被抑圧民族人民との連帯の立場も何もありません。帝国主義に屈服し、帝国主義の軍事報復、侵略戦争に賛成する立場の表明であります。
 日本の労働者階級はこのような民主党や日本共産党、そして連合の屈服と裏切りを絶対に許してはなりません。
 国労の闘う仲間や動労千葉の闘う仲間は、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根の国鉄分割・民営化攻撃に反対の声をあげて、今も不屈に闘い抜いています。日本の労働者階級人民は明らかに闘う力をもっております。労働運動を先頭にして、労働運動と住民運動と学生運動が結びついて、ブッシュや小泉の侵略戦争と闘う国際反戦闘争を巻き起こしていこうではありませんか。
 私たち革共同は、一九六〇年代から一貫して日本の戦争国家化に反対して闘ってきました。重大情勢の到来にあたって、その力を今こそ発揮し、新たな決意で杉並区民の皆さんとともに、戦争絶対反対、国際連帯のために総力を挙げる決意です。ともに頑張りましょう。

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週刊『前進』(2023号1面2)

革共同が街頭宣伝 『前進』に大反響

 革共同は天田三紀夫書記長を先頭に、九月十六日(有楽町マリオン前とJR西荻窪駅)、十七日(JR荻窪駅)、十八日(都庁前)と三日間にわたって街頭宣伝に立ち、本紙前号掲載の「革共同の見解」を手に、九・一一反米ゲリラ戦争に対する米日欧帝の軍事報復=侵略戦争阻止の国際反戦闘争を呼びかけた。杉並と都庁では結柴誠一氏と長谷川英憲氏がともに訴えた。
 「米日帝国主義の報復を許すな!」と激しく訴える演説に、立ち止まって耳を傾ける人が後を断たない。有事立法制定反対の署名が続々集まり、『前進』販売は百部を超えた。

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週刊『前進』(2023号2面1)

軍事報復を許すな 全世界人民の反戦闘争を!

 「テロ糾弾」叫ぶ日共 国際反戦闘争に敵対 米帝の侵略戦争免罪

 「許せぬ未曽有の犯罪」「世界を敵にまわした蛮行」「許されない残虐なテロ」――九・一一反米ゲリラ戦争直後の日本共産党機関紙『赤旗』には、最大級の言葉を使って非難し弾劾する大見出しが踊った。
 十二日に委員長の志位和夫が談話を発表したのに続き、十七日には、議長・不破哲三と委員長・志位の連名で「テロ根絶のためには、軍事力による報復でなく、法にもとづく裁きを」と題した「各国政府首脳への書簡」を発表し、在京の各国大使館と小泉に届けて「懇談」した。
 それらは、日共スターリン主義が今最も緊急かつ全面的に求められている国際反戦闘争の敵対物であり、プロレタリア解放闘争と民族解放闘争の最悪の敵であることを満天下に示す許しがたいものだ。
 日共は九・一一ゲリラ戦争をどうとらえるのか。
 志位談話は「いかなる理由や背景があろうとも、絶対に許されない卑劣な犯罪行為」と断じ、「書簡」は「憎むべき蛮行であり、絶対に許されない卑劣な犯罪行為」「このようなテロ行為は、いかなる宗教的信条や政治的見解によっても、正当化できるものではありません」としている。
 帝国主義と労働者階級・被抑圧民族が対立していることを押し隠し、あたかも「世界とテロ勢力」の対立であるかのように騒ぎ立てることは犯罪的である。
 広範な人民が今、九・一一ゲリラ戦争が米帝の侵略戦争と民族抑圧と暴虐に対する押さえがたい怒りと憎しみの爆発であると直感し、米帝の世界支配そのものに疑問を抱き始めている。この時に日共は、帝国主義に負けじと大声で「テロ糾弾」を叫び、米帝の責任を全面的に免罪し、米帝を全力で弁護して、人民を反革命的に組織しようとしているのだ。
 なぜ九・一一ゲリラが炸裂(さくれつ)したのか。その歴史的背景や階級的本質を押し隠し、被害者の多さや被害の巨大さをもって「残虐」「野蛮」「卑劣」と非難することほど反階級的なことはない。一切の元凶は米帝なのだ。
 しかも帝国主義が叫んでいる「テロ根絶」とは、まさしく民族解放闘争と被抑圧民族そのものの抹殺宣言である。日共の「テロ糾弾」の大キャンペーンは、帝国主義の「報復」の名による侵略戦争を肯定し尻押しし、被抑圧民族人民の解放闘争の解体を宣言するものにほかならない。
 日共の主張の核心は、米日欧帝国主義のアフガニスタン侵略戦争に絶対に反対しない、ということだ。
 「書簡」は「テロ根絶のための国際的な協力」を提唱する。「軍事力による報復ではなく」とも言うが、それは「軍事力で報復することは……テロ行為と武力報復の悪循環」だ、「テロ勢力にとって思うつぼ」だから、というものだ。
 では日帝の参戦についてはどうなのか。「書簡」を発表した十七日の記者会見で「日本政府は後方支援も考えているようですが、日本政府についてはどう考えますか?」と問われ、不破は「日本政府については、こういうことを私たちが国際社会によびかけました、ということを伝えることにとどめるつもりです」と答えた。日帝の参戦にはただの一言も反対しないことを公然と表明したのだ。
 さらに十八日付『赤旗』は次のように記している。「七四年の国連総会で決議された『侵略の定義』では、武装集団を雇って他国を砲爆撃したり、航空機を攻撃したりするような行為は、自衛権を発動して反撃できる『侵略』行為だと認定し、八六年の国際司法裁の裁定でも、これを『一般的な合意』であると認めています。しかし、やむなく武力反撃を行う場合にも、……相手の攻撃に見合うだけの反撃しか許されないというのが慣習国際法上確立した考え方です」
 日共は、九・一一ゲリラを「『侵略』行為」と認定し米帝側からの「武力反撃」を承認した上で、「武力反撃を行う場合」には「相手の攻撃に見合うだけの反撃」とすることを帝国主義にか細く懇願しているに過ぎない。米日欧帝国主義がアフガニスタン侵略戦争に突っ込もうとしている今、その全面支持を表明したのだ。
 しかも日共が呼びかけている対象は「各国政府首脳」である。米帝ブッシュ、国連常任理事国、NATO加盟諸国、日帝・小泉である。全世界人民の打倒対象である帝国主義ブルジョアジーに向かって「国際的大同団結」を呼びかけ、他方で労働者人民と被抑圧民族人民に対しては“帝国主義に歯向かって実力行使するのはやめよ゜と全面屈服を要求しているのである。
 日共のこの態度は、第二一回大会(九七年九月)で定式化した「資本主義の枠内での民主的改革」路線を具体化したものである。それはどんなことがあっても「資本主義の枠」を守りぬくために、その「枠」を突き破る全世界の人民の闘いが爆発することを、帝国主義の最後の番兵としてたたきつぶすものだ。
 日本人民を反革命的・排外主義的に動員する極悪の先兵になった日共スターリン主義を打倒し、反戦闘争の猛爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2023号2面2)

軍事報復を許すな 全世界人民の反戦闘争を!

 アフガン人民の虐殺許すな 米軍・自衛隊の出撃阻止せよ

 米帝ブッシュ政権は九・一一反米ゲリラを口実にした大規模で凶暴なアフガニスタン侵略戦争に今日明日にも突入しようとしている。十五日にキャンプデービッドでの戦争中枢会議で対アフガニスタン侵略戦争を決定したのに続き、十九日深夜にはG8(主要国首脳会議)共同宣言を発表し、これを背景に戦争に突入しようとしているのだ。
 アフガニスタンでは今、かつてない干ばつで四百万人とも言われる人びとが飢餓にあり、すでにこの一年間で百万人が餓死している。この人びとの頭上に爆弾の雨が降り注がれ、大虐殺が行われようとしているのだ。絶対に許してはならない。キャンパスで、職場で、地域でアフガニスタン侵略戦争阻止の国際反戦闘争に決起しよう。日帝・自衛隊の参戦を阻止せよ。

 米帝が各国に戦争協力強要

 エバンズ米商務長官は「われわれに協力的でない者には制裁などの手段がある」と各国を脅しつけ、戦争への協力を強要している。日欧の各国首脳をワシントンに呼びつけ協力を表明させている。G8声明は「平和と繁栄と安全に対する深刻な脅威」と言いながら、強大な軍事力による侵略戦争を強行しようとしている。こうして全世界を巻き込んでアフガニスタン侵略戦争にすぐにも突入しようとしているのだ。こんなことが許せるか。
 すでに米軍はアラビア海に二個の空母艦隊を配備しており、さらに米本土から空母セオドア・ルーズベルトと横須賀基地から空母キティホークも増派しようとしている。米国防総省は戦術核の使用を大統領に具申しており、ありとあらゆる兵器を投入しようとしている。チェイニー副大統領はテレビで「今後やるのは危険で汚いビジネスだ」と語り、暗殺やテロの手段を使うことを宣言している。あらゆる非人道的手段を使おうとしているのだ。
 米帝のアフガニスタン侵略戦争の出撃拠点に沖縄を始めとした日本全土が使われようとしている。
 空母キティホーク艦載機は厚木基地で昼夜を分かたず離発着訓練(タッチアンドゴー)を繰り返してきたが、さらに硫黄島で離発着訓練の仕上げをしてアラビア海に向かおうとしている。佐世保基地に配備されている強襲揚陸艦エセックス(四〇、〇〇〇d)は、荷物の積み込みを急ピッチで進めており、戦闘準備を整えて出航すると見られる。横須賀からはイージス艦カウペンズ、ビンセンス、カーティスウィルバーがすでに出航している。佐世保からはさらに給油艦ラパハノック、追跡艦オブザベーションアイランドも出航している。三沢基地配備のF16八機がすでに中東で展開中で、嘉手納基地配備のF15戦闘機もすでに中東にいると見られている。沖縄ではさらに電子偵察機RC135が姿を見せ、荷物の積み込みを行っている。

 後方支援新法を粉砕しよう

 何よりも重大な問題は、日帝・小泉政権が米帝のアフガニスタン侵略戦争に全面的に参戦しようとしていることである。小泉は十九日夜の記者会見で、米軍の支援に自衛隊を派兵する方針を表明した。イージス艦を始め、強襲揚陸艦、輸送艦、補給艦などを派兵しようとしているのだ。そのために新規立法を含めた各法案が二十七日からの臨時国会に提出され、急ピッチの国会通過が図られている。
 新たにつくる後方支援法は、周辺事態法の「周辺」を外し、さらに武器・弾薬の輸送も可能にしようとしている。公明党が時限立法とすることを求めているが特別法で強行しようとしている。
 さらに自衛隊が米軍基地を警備するという名目で自衛隊法の改悪も行われようとしている。その内容は、自衛隊が重要施設を警備できるようにする、米軍の防護のための武器使用を可能にするというものだ。
 重要施設警備については、@国の防衛のための重要な施設、A国政の中枢機能の所在施設、B侵害された場合に著しく公共の安全を害し、または民心に不安を生じさせる恐れのある施設となっており、実にあいまいでいくらでも拡大解釈が可能な規定である。しかも防衛庁長官が国家公安委員会と協議の上、内閣総理大臣の承認を得て警備を命じることになっており、いつでも自衛隊の治安出動ができるものになっている。
 また、米軍防護のための武器使用は、後方支援と称して出動した自衛隊が米軍と一緒に戦闘に参加することを可能とするものだ。
 来年の通常国会には有事立法の提出がもくろまれているが、その動きも一層早まろうとしている。破防法の改悪まで取りざたされている。日帝は今や憲法を踏みにじり、戦後的制約も公然と踏み破って参戦しようとしている。絶対に許してはならない。日帝の参戦を阻止する決死の闘いが求められている。参戦に突き進む小泉政権を打倒せよ。
 今こそ全国の、全世界の労働者人民は、米日欧帝国主義のアフガニスタン侵略戦争阻止の国際反戦闘争に全力で決起しよう。

 中東人民と熱い連帯闘争を

 米帝ブッシュは、九・一一ゲリラの後、「これは戦争だ」と叫んで凶暴な侵略戦争への突進を開始した。米帝は、ウサマ・ビンラディン氏が関与したという物的証拠を何も挙げることができないまま、一方的に決めつけて戦争に突入しようとしている。しかもアフガニスタンのタリバンがビンラディン氏をかくまっているということだけでタリバンに大規模な戦争を仕掛けようとしているのである。これはあまりにも無茶苦茶で理不尽な言いがかりである。通常の法的手続きなどは一切無視されているのだ。米帝の狙いは、この地域を軍事力で制圧し、他の帝国主義諸国を屈服させて全世界の唯一的支配を強化することにあるのだ。
 アフガニスタンはすさまじい飢餓状態にある。しかもパキスタンとの国境を封鎖されたために、食料などの供給ルートが閉ざされてしまった。この人びとの頭上に米軍は爆弾の雨を降らせようとしているのだ。湾岸戦争がそうだったように、戦争で犠牲になるのは労働者人民である。何百万という人民が殺されようとしているのだ。歴史上かつてなかった大虐殺(ホロコースト)が強行されようとしているのだ。これを許してはならない。絶対に許してはならない。
 すでに多くのアフガニスタン人民が隣国のパキスタンに避難し、難民生活を強いられている。だが、お金も食料もないために避難もできない多くの人民がアフガニスタンに残っている。二十年にわたる戦乱で疲弊した人民に、再び巨大な戦火が襲いかかろうとしているのだ。彼らは、「アメリカの不正義には屈しない」と民族の誇りをかけた悲痛な決意を語っている。このアフガニスタン人民の慟哭(どうこく)を、血叫びを階級的魂で受けとめよう。
 パキスタンでは何十万もの人びとが米軍の戦争突入を許さないためのデモに決起している。
 キャンパスから、職場から、地域から反戦闘争を巻き起こして米帝のアフガニスタン侵略戦争を阻止しよう。今や決死の闘いが求められている。沖縄を始めとする在日米軍基地からの出撃を阻止する基地闘争を闘おう。日帝の参戦=自衛隊派兵を許さないために、自衛隊兵士の決起を訴え、ともに全力で決起しよう。
 臨時国会決戦の大爆発をかちとろう。全世界の巨大な反戦闘争の火柱でアフガニスタン人民に帝国主義国の労働者人民の熱い連帯闘争を伝えよう。この闘いに全世界の労働者と被抑圧民族の未来がかかっている。
 帝国主義の侵略と抑圧、数知れない人民虐殺に対する中東・アラブ人民の怒りは積もりに積もっている。彼らの怒りを受けとめ、帝国主義足下の労働者階級人民の血債をかけた連帯の闘いでプロレタリア世界革命の道を切り開こう。

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週刊『前進』(2023号2面3)

自治労大会 執行部批判が噴出 公務員制度改革に怒り

 八月二十八日から四日間、自治労第七一回定期大会が北海道旭川市で開催された。
 全国労組交流センター自治体労働者部会は「小泉の聖域なき構造改革と対決し、公務員制度改革攻撃を阻止しよう」「階級的労働運動を否定する自治労新綱領=21世紀宣言の採択を阻止しよう」「分裂選挙をうみだした自治労政治方針=民主リベラル政治勢力の総結集方針は破綻(はたん)した」などと訴えて、横断幕や、パンフレットなど二種類のビラ計一万枚を大会参加者に配付した(写真)。
 十年に及ぶ大会での情宣活動が定着し、その内容が代議員にも深く影響を与えていることが大会発言からもますます明らかになっている。

 分裂参院選の総括で対立

 最大の争点は参議院選挙総括をめぐってであった。参院選比例代表で、中央の推す民主党・朝日俊弘と中央決定に批判的な十三県本部の推す又市征治富山県本部委員長(社民党)の完全な分裂選挙となったが、双方が当選した。中央は「一部の県本部・単組が決定を無視し、組織の内外に多大なあつれきと亀裂を招いた」「厳しく批判されるべきだ」と総括したが、これに対して十三県本部は修正案をもって臨み、執行部人事では対立候補擁立で動いた。しかし結果は正面激突には至らず、結論は中央委員会に棚上げされた。
 舞台裏の駆け引きにもかかわらず、本大会で運動方針案は代議員総数一〇〇八のうち八七〇票しか賛成がなく、人事では新委員長大原義行は信任六七一票に対して不信任三〇八票、新書記長福山真劫は信任六二五票に対して三五一票の不信任が投じられた。
 参院選では、自治労百三万組合員のうち民主党・朝日はわずか二十一万票という惨状であった。榎本委員長は総括答弁で、「率直に言ってがく然とした。深刻な反省を迫るもの」と危機感を表明したが、現場では双方の思惑を超えて自治労中央への危惧(きぐ)と不信が進行しているのだ。
 二〇〇二年・二〇〇三年度運動方針案の討論では、@公務員制度改革、A能力・実績主義と新たな人事制度、B市町村合併、C自治労21世紀宣言(新綱領討議案)が中心となった。
 @公務員制度改革については、政府・行革推進本部が六月二十九日に提案した「基本設計」に基づいて提出される、十二月の「公務員制度改革大綱(仮称)」に対して、青年部は反対の決議をして臨んだ。本部は「中央本部は反対の立場ではない」と反動的スタンスをはっきりさせた上、「労働基本権の確立を基本に、能力・実績主義は『四原則二要件』をクリアーすれば公務員制度改革を推進する」と答弁。当然にも会場から「『四原則二要件』で乗り切れる事態ではない。最大の狙いは自治労つぶしだ。単組の危機感が本部にあるのか」(宮城)、「組合の団結を破壊する能力主義人事評価制度の導入に反対の立場を明確にせよ」(秋田)などと危惧と批判が相次いだ(ほかに香川、栃木、山形、長崎など)。
 B市町村合併については、「小規模自治体が存立できる基盤整備の取り組みがない市町村合併については、反対の立場を明確にすべきだ」(香川)など、政府の特例法下での強引な合併に中央は対応できていないとの批判が続いた(埼玉、島根、鹿児島など)。
 C自治労21世紀宣言については「本部の機関運営が強権的になっている」(大分)、「十分な討議と意見集約を設定せよ」(山形)などの注文が噴出した(ほかに長崎、広島など)。

 秋期確定闘争ストで闘おう

 こうした中でも、学校給食臨時職員の人員削減を阻止した兵庫県三木市や、二十八日間のストライキで賃下げを阻止した北海道福祉ユニオンなど、生き生きとした報告が多くあった。職場は小泉構造改革として襲いかかる攻撃に対して反撃のエネルギーを蓄えている。分限免職や成績主義に解雇四要件の法制化や「四原則二要件」などを対置するのみであらかじめ屈服している自治労中央をのりこえて、闘う自治体労働組合を取り戻さねばならない。
 本部は「自治労21世紀宣言」については、東西で集約の討論集会を開く。公務員制度改革については十一月五、六の両日に一万人規模の中央集会と全国統一職場集会を設定した。翌七日に現業統一闘争で一時間ストの方針を決めた。この時期は全国で三年連続のベアゼロ、一時金削減をめぐる秋期確定闘争と完全に重なる。小泉構造改革路線に追随する自治労中央と対決し、戦闘的自治体労働運動をつくりだそう。十一月労働集会に結集しよう。

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週刊『前進』(2023号2面4)

8・6ヒロシマ反戦闘争を闘って 祖国敗北主義貫く 広島 教育労働者 S・M

 二〇〇一年夏の八・六―八・九反戦・反核闘争、「つくる会」教科書採択粉砕、小泉靖国神社参拝阻止の闘いは、日帝・小泉政権打倒の二〇〇一年人民蜂起の頂点をなす闘いでした。朝鮮・中国―アジア人民の怒りに燃えた日本政府糾弾の決起と連帯した日本労働者人民の激烈な総決起は、小泉超反動政権に先制的な決定的な打撃を与えました。私たちは、都議会選挙の敗北、参議院選挙における小泉反動をのりこえる闘いとして、二十一世紀革命の勝利を展望できる歴史的地平を闘い取ったのです。
 今年の八・六闘争は、全国労組交流センター、動労千葉を先頭とする小泉来広糾弾のデモで幕が開き、八・六ヒロシマ大行動においては、広教組・広高教組を始め全国の日教組の仲間の大結集を実現しました。
 闘う朝鮮・中国人民との国際主義的連帯を八・六ヒロシマで実現し、実際に「つくる会」教科書採択を基本的に粉砕できた意義は本当に大きいと思います。
 六日午後、ヒロシマ大行動に結集し、平和公園に向かう三千人のデモ隊は、辰野に代わって就任した新教育長常盤の座る広島県教育委員会、ヒロシマつぶし、ヒロシマ教育破壊の元凶・県庁東館を完全に包囲しました。「七十八人への戒告処分を撤回せよ」「ヒロシマ教育破壊を許さない」と実行委員会の代表による申し入れが行われました。
 労働者国際主義の実現、全国の労働者階級人民の力に大いに励まされるとともに、同時に私たちは、反戦反核闘争の拠点としてのヒロシマ=八・六ヒロシマの果たすべき役割、ヒロシマの労働者階級としての責任の大きさを感じないではいられませんでした。
 この反戦反核闘争の勝利の地平に立ち、「くり返すな!」のヒロシマの任務を考える時、私たちの課題はただひとつのことに絞られてきていると実感します。
 革命的プロレタリアの任務は一般的に「戦争反対」を思っていたり、口で言ったりすることではない。「闘うアジア人民と連帯し、日帝の侵略戦争を内乱へ」の実践が正味問われています。自国政府が戦争準備に失敗し、戦争に敗北するように強力に闘うことこそ、私たちのただひとつの使命にほかなりません。「祖国を敗北に導くこと」だけが、ただひとつ、労働者階級としての使命をまっとうすることだと思います。「国のために命をささげた御霊に誠をささげる」などという小泉の「国のために」という価値観を徹底的に批判し、この闘いを広げ、階級全体の行動に転化することだけが「八・六ヒロシマの惨禍をくり返さない」「教え子を再び戦場に送らない」ですむ道です。
 八・六ヒロシマを沖縄と並ぶ日本革命の拠点にするために、広教組・広高教組の闘う旗を守って前進したい。教育基本法改悪・憲法改悪阻止へ、十・二一国際反戦闘争を大爆発させ、十一月労働者集会へ職場の仲間と結集しよう。

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週刊『前進』(2023号3面1)

軍事報復を許すな 全世界人民の反戦闘争を!

 米帝こそ最凶悪の戦争国家だ
 朝鮮で、ベトナムで、イラクで虐殺を繰り返したのは誰か

 ブッシュは、九・一一反米ゲリラ戦争に対して、「自由と民主主義を侵害する行為」とののしる。しかし、二十世紀後半の歴史を見れば、被抑圧民族に対して侵略と戦争、虐殺と抑圧を繰り返してきたのは、ほかならぬアメリカ帝国主義であることは明白だ。五〇年朝鮮戦争、六〇〜七〇年代ベトナム戦争から数えれば、数百万人の人民を米帝は虐殺してきた。それだけではない。これから繰り広げようとしているアフガニスタン侵略戦争は、これまでの侵略戦争をはるかに上回る規模の長期の大虐殺戦争になろうとしているのだ。絶対に許してはならない。

 中東支配のための凶悪な戦争

●イラク
 一九九〇年八月のイラク軍のクウェート侵攻を口実に、米帝を始めとする多国籍軍が翌九一年一・一七にイラクに対する侵略戦争を開始した。戦闘は二月末にイラク軍をクウェートから一掃して終わった。
 米軍は、あらゆるハイテク兵器を使い、FAE(気化爆弾)、クライスター爆弾、スマート爆弾、巡航ミサイル、多連装ロケットシステムなどの最新鋭兵器を使用した。一カ月半の戦争で朝鮮戦争の一年半分、ベトナム戦争の半年分の弾薬を投下した。しかも命中精度は飛躍的に高まっているので、その威力は絶大だった。クウェートからバグダッドに撤退する軍民の車列に爆撃を加えた。イラク軍民合計二十万人を虐殺した。米軍が使用した劣化ウラン弾の被害はイラク住民の上に今ものしかかっており、また米軍兵士にも多くの被害をもたらしている。
 湾岸戦争後、米軍は、湾岸のサウジアラビア、バーレーンなどに基地を置き、中東支配を続けている。イラクに対する空爆を米帝はその後も断続的に繰り返している。
 米帝のイラクに対する経済制裁によって、食料や医薬品が欠乏し、病気や飢えで毎月四千五百人が死んでいると言われる。
●イラン
 一九七九年のイラン革命によって、それまで米帝が支えてきたパーレビ王制が倒れ、イスラム政権が成立すると、米帝はあらゆる手段でこれを転覆しようと画策した。八〇年から八八年まで、イラクのイラン侵略に端を発するイラン・イラク戦争は、米帝がイラク・フセイン政権を後押しして、イラン革命を圧殺するために起こした戦争だった。この戦争は決着がつかないまま停戦になったが、この戦争をとおしてイラクは米帝の軍事援助によって強大化し、ついには米帝の中東利権を脅かすクウェート侵攻に突き進んだ。
 米帝は、一貫してイランに対する経済制裁を強めてきた。八八年七月、ペルシャ湾で米軍機がイランの旅客機を撃墜し二百九十人を殺した。レーガンは「自衛」と強弁した。
●アフガニスタン
 アフガニスタンのタリバン政権も、もともとは米帝の後押しで強大化した勢力である。一九七九年、ソ連スターリン主義がアフガニスタンに侵攻し、かいらい政権を打ち立てると、アフガニスタン人民は、これに対してゲリラ戦争を始め抵抗闘争を起こした。
 ソ連軍は一九八九年に撤退を余儀なくされたが、その後の内戦で米帝はタリバンに武器と資金を提供し、最大のゲリラ勢力に育てた。九一年の湾岸戦争後、アラブ・イスラム諸国の反米気運が強まる中、タリバンも反米化した。こうした中で、九八年八月、ケニアの米大使館爆破事件を口実に米帝はアフガニスタンを八十発の巡航ミサイルで攻撃した。
●パレスチナ
 イスラエルは米帝の中東支配・石油支配のために打ち込まれたくさびだ。七三年まで四次にわたる中東戦争で、イスラエルはパレスチナ人民の土地を奪い、四百万人もの難民をつくりだしてきた。そして今なお占領地を拡大している。
 一九八二年六月、イスラエルは、レバノンに侵攻し、パレスチナ人やレバノン人二万人を殺害した。この時の国防相で虐殺の責任者が現首相のシャロンだ。
 八七年十二月、ガザ地区とヨルダン川西岸地区で、パレスチナ住民が一斉に立ち上がった。インティファーダ(民衆蜂起)だ。投石とゼネストという抵抗手段だった。この闘いは六年間に及び、パレスチナ人一万千人が殺され、四万人が逮捕された。
 昨年九月からの新たなインティファーダに対してイスラエルは、投石には銃撃をもって返し、銃を使えば戦車で攻め込み、自爆決起に訴えればミサイル攻撃でこたえ、「力の差」を見せつけることで屈服を迫ってきた。一年間で五百六十人が殺された。
 この背後には、圧倒的な資金援助と武器供与を行ってイスラエルを支える米帝の存在がある。「占領地からのイスラエル軍の撤退」の国連安保理決議が出ても、米帝はイスラエルを擁護し続けてきた。世界最大の軍事・経済大国のアメリカがイスラエルを支えているという事実は、パレスチナ・アラブ人民にとって絶対に許せない状況である。
●ユーゴスラビア
 一九九九年三月、米軍を主力とするNATO(北大西洋条約機構)軍がコソボ紛争に対する「人道的介入」の名のもとに、ユーゴスラビアに対する大規模な空襲を開始した。NATO域外に対する攻撃で、国連決議すら経ていない。七十八日間の空爆でユーゴスラビアの民間人千二百人、兵士五千人の死者を出した。

 半世紀にわたる侵略の歴史

●ベトナム
 米帝の二十世紀最大の侵略戦争は、一九六〇年代から七〇年代初めにかけてのベトナム侵略戦争である。一九六〇年に南ベトナム民族解放戦線が武装解放闘争を開始すると、南ベトナム政府を援助するために駐留していた米軍は次第に派兵を強め、六二年以来直接介入を開始した。
 六四年八月には、北ベトナム軍が米艦艇に攻撃したと称する「トンキン湾事件」をデッチあげて米議会の戦争拡大支持決議を引き出し、翌六五年二月以来北ベトナム爆撃(北爆)に踏み切った。さらに同年三月にはダナン港に米海兵隊が上陸、戦闘は本格化した。
 米軍は最大時五十四万人、計七百五十五万dの爆弾(第二次大戦中の爆弾投下量の二・七三倍)を使用した。ナパーム弾で焼き払い、枯れ葉剤を散布するという非道きわまりない攻撃を加えた。その後遺症は今に至るまで続いている。
 結局、米帝はそれだけの物量を投入してもベトナム人民を屈服させることはできず、敗退し、七五年四月にベトナムを失陥するという敗北を喫した。一九九六年にベトナム政府は、戦死軍人百万人、行方不明軍人三十万人、民間人死者二百万人と公表した。
●朝鮮半島
 一九五〇年朝鮮戦争は、米帝が戦後の帝国主義支配体制を築く上で決定的な戦争だった。民族解放闘争を圧殺することとソ連スターリン主義の勢力圏拡大を阻止することをかけて米軍の総力を投入した。六十三万dの爆弾が投下され、朝鮮半島は焦土と化した。南北朝鮮人民百二十六万人がこの中で死んだ。五三年に休戦となり、南北分断が固定化された。
 一九九四年、米帝クリントンは、北朝鮮が核武装を図っているという口実で朝鮮侵略戦争を構え、発動一歩手前まで行った。
●台湾海峡
 一九九六年三月、中国が台湾海峡近海にミサイルを発射したことを口実に、米海軍は空母ニミッツなどの戦闘群を台湾周辺海域に派遣し、臨戦態勢に入った。
●グアテマラ
 中南米では、CIA(中央情報局)や米巨大企業が背後でクーデターや暗殺に手を染めてきた。
 一九五四年、米帝はグアテマラのアルベンス政権を「共産主義政権」と決めつけ、ホンジュラスとニカラグア軍を使って空爆、クーデターを組織して政府を転覆した。
●キューバ
 一九五九年のキューバ革命に対して、米帝は六一年四月、傭兵軍をピッグス湾から上陸させ撃退された。
●ドミニカ
 一九六五年四月、ドミニカの内戦に米海兵隊を派兵し、キューバ革命の再現の阻止を図った。
●エルサルバドル
 一九八〇年代に、中米のエルサルバドルで軍事独裁政権の打倒をめざす左翼ゲリラ、ファラブンド・マルチ民族解放戦線(FMLN)が全土で支持を拡大すると、米帝は軍事援助を強めて大虐殺した。
●ニカラグア
 一九六〇年代初頭にソモサ独裁政権打倒をめざして結成されたサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)が七九年に革命に成功し左翼政権を樹立させると、米帝は右派ゲリラ「コントラ」を結成し、政権転覆のために介入した。八三年、コントラはニカラグアに侵攻したが、撃退された。
●グレナダ
 一九八三年十月、カリブ海の島国グレナダに米軍が侵攻し、数カ月間占領し、左翼政権を倒し親米政権を樹立した。米帝レーガン政権は、カリブ諸国の要請や自国民の保護を侵攻の口実にしたが、武力による左翼政権の転覆に目的があることは明らかだった。
●パナマ
 一九八九年十二月、パナマの実力者、ノリエガ将軍を打倒するために、米帝ブッシュ(父)政権は、パナマ運河地帯を支配していた米南方軍のほか、米本土からの降下部隊など二万四千五百人を投入して侵攻した。パナマ軍と激しい戦闘になり、パナマ側に民間人を含む二千人の死者を出した。この侵攻は、パナマ人民の運河返還要求の高まりをつぶすための武力介入であり、国際法にも違反しているとして、国連総会も軍事介入を強く遺憾とする決議を採択した。
●チリ
 一九七三年、チリのアジェンデ政権に対するピノチェトの反革命クーデターを、米帝は軍艦を派遣して背後から操った。CIAは、アジェンデ政権転覆のために八百万j以上の資金を用いてピノチェトらを援助した。ピノチェトは、クーデター後一年で二万人を殺した。

 最大の核大国、武器輸出国

●リビア
 一九八六年四月、ドイツのディスコでの爆発事件の責任はシリア、イラン、およびいくつかのパレスチナ組織にあると断じ、リビアによる「テロ支援」を口実に、米軍機がリビアのトリポリとベンザジを爆撃した。子どもを含む数百人の非戦闘員が殺害された。
●ソマリア
 一九九二年十二月、米海軍特殊部隊と海兵隊がソマリアのモガディシオに相次いで上陸した。「内戦と旱魃(かんばつ)で飢餓にひんした二百万人を救う」と称して強行された。
●スーダン
 一九九八年八月、米帝はケニアの米大使館爆破戦闘事件の報復と称して、何の証拠もなくスーダンの製薬工場に巡航ミサイルを打ち込んだ。この製薬工場はスーダンにおける薬品供給のほとんどを賄っていたが、その破壊によって何千というアフリカの民衆が死に追いやられた。
   ◇    ◇
 米帝は、最大の核兵器保有国であり、さらに未臨界核実験を強行して、なお核武装を強めている国である。米帝はすでに核を二度にわたって(広島・長崎)現に使用しており、朝鮮戦争を始め戦後何度も使おうとしてきた。大量殺人兵器を最も多く保持している。さらに最大の武器輸出国であり、世界に戦争の火種をばらまき続けている。
 米帝こそ最大の「テロ」国家である。その米帝が新たな、かつてない規模の侵略戦争に突入しようとしているのだ。全世界の労働者階級と被抑圧民族の団結で、巨大な国際反戦闘争を爆発させよう。

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週刊『前進』(2023号3面2)

三一闘争 都労委で完全勝利命令 “解雇撤回し賃金支払え”

 九月十三日、東京都地方労働委員会は、三一書房労働組合が申し立てていた不当労働行為の救済申立事件で労組の申し立てをほぼ全面的に認める勝利命令を下した。この勝利命令は、鈴木経営の不当労働行為を徹底的に追及し、団結を維持して大衆的な実力闘争として闘い抜いてきた勝利を示すものである。
 この日午前十時から新宿の都庁にある都労委で命令の交付が行われた。「勝利命令」と分かった瞬間、組合員から喜びの声が上がった。命令は、鈴木経営の不当労働行為を認定し、懲戒解雇撤回、未払い賃金の支払い、労働協約破棄の撤回を命じるとともに団交拒否への謝罪文の交付を命じるという組合完全勝利の命令である。
 急きょ都庁内の記者クラブで記者会見が行われた。組合勝利はNHKテレビ、ラジオ、新聞各紙で報じられ、組合には勝利を喜ぶ電話が何本も寄せられた。

 団結を固めて鈴木経営打倒へ

 三一闘争は九八年十一月十四日のロックアウト、九九年一月十四日のロックアウト解除と職場確保の闘い、鈴木経営の三・八朝霞倉庫襲撃とそれを跳ね返した闘いと、約三年間、鈴木経営への団交要求行動を基軸に、団結を維持して闘い抜いてきた。
 今回の勝利は、三一闘争の正義性を満天下に明らかにするとともに、鈴木経営に大打撃を与えている。
 鈴木経営は、経営間裁判において、自分たちの「正当性」の根拠にしてきた「株主総会決議」が無効であり取り消すとの判決を受け、「経営者」としての地位も失いかねない危機に陥っている。この鈴木の土手っ腹に、今度は不当労働行為認定という都労委命令が突き付けられたのだ。鈴木経営は今や青息吐息だ。追い詰められた最後のあがきを断じて許さず、都労委命令の履行を求めて鈴木経営を徹底的に追いつめ、打ち倒す時だ。

 5・28反動判決打ち破る勝利

 さらにこの勝利は、五・二八国労採用差別事件の反動判決以降、強まる労働委員会解体攻撃、労組法解体攻撃と、その推進軸の一つである都労委のど真ん中で一切の反動を食い破ってかちとった勝利である。
 世界恐慌への突入情勢というかつてない危機の突破を戦争国家化に求める小泉「構造改革」攻撃の真っただ中で、どんなに労組つぶしの嵐が吹き荒れても、労働運動の原則を堅持して闘うなら必ず勝利できることを指し示しているのだ。

 闘う労働運動の新潮流形成へ

 この勝利は、倒産・リストラの嵐の中で苦闘する出版産別や中小民間の闘い、小泉改革攻撃との闘いの最前線で闘い続ける国鉄闘争への限りない激励であり、首都圏の戦闘的労働運動形成にとっても決定的だ。
 そして、何よりも三一闘争の正義性を大衆的に明らかにし、三一労組とその闘いに新たな力を与えている。今こそ都労委完全勝利命令を武器に、鈴木経営・三一資本を追いつめ、三一闘争勝利をかちとろう。

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週刊『前進』(2023号3面3)

杉並区議会 保険料2倍化やめよ 介護で新城区議が追及

 九月十三日、杉並区議会が開かれ、都政を革新する会の新城せつこ区議が一般質問を行った(写真)。介護と福祉を要求する杉並住民の会の高齢者など応援の傍聴者が詰めかける中、新城区議の質問は、区の反動的姿勢を鋭く暴き出して区当局を追いつめた。
 新城区議は、まず十月一日の六十五歳以上の介護保険料二倍化を前にして介護保険について区の姿勢を追及した。妻が要介護5の夫婦の事例をあげながら、介護保険が高齢者に死ねというに等しい攻撃であることを明らかにした。そしてこの間の区の「介護保険料は所得に配慮して段階設定」しているという主張は実態を無視したものであり、国民健康保険と比べてもどれほど低所得者に重く高所得者の負担が軽くなっているかの数字を上げて保険料の減免を行うよう迫った。
 さらに、低所得者に介護保険料を滞納する人が膨大に出てきている現実を突き付け、滞納者は罰則として償還払いとなっていることに関して貸付制度を導入するよう要求した。また利用料が払えないために介護保険の利用を抑制していること、そうした中で施設利用希望が増えているにもかかわらず施設が不足していることを明らかにして「介護保険は直ちに白紙撤回すべき」「国に対して保険料の半額徴収を延期するよう求めよ」と要求した。
 続いて教育問題に関して、大蔵雄之助、宮坂公夫両教育委員が教科書選定の審議で、現場教員の声ではふさわしくないとされた扶桑社教科書を支持したことを取り上げ、「つくる会」の一員であることを批判した。特に大蔵教育委員が、第二次世界大戦で「石垣島には戦争がなかった」とうそを言ったことについて教育委員の資質などないことを鮮明につきだした。
 さらに学校給食の民間委託問題では、九月実施校として選ばれた三校の保護者説明会で多くの不安が出たことや、委託化に反対する人びとが集団訴訟に立ち上がったことをあげ、「保護者の理解はおおむね得られた」とする区の答弁が実態とかけ離れたものであることを明らかにした。民間委託ではアトピーの子どもにも十分対応できないのだ。そして民間委託が安上がり使い捨ての労働政策を進めるもので、委託のパート職員の賃金が区のパート職員よりも二三%も低いことを明らかにし、また給食現場は労働災害が多い職種であることも明らかにして労働者の権利を守るためにも民間委託中止を迫った。
 杉並区が公安調査庁の外国人登録原票写しの交付請求に応じていた問題では、在日外国人への許しがたい人権侵害であり、住民基本台帳ネットへの参加は、保護条例を作ったとしてもプライバシー保護は絵に描いたもちである、と区の在日外国人の人権への姿勢を批判し、やめるよう迫った。
 これらの質問に対する区の答弁はまったく実態を無視したもので、行政機関としての区の責任を放棄するものだ。例えば、介護保険料を未納の人が二千六百十七人もいるにもかかわらず、その理由を把握する努力を怠り、医療保険の滞納者の保険証を取り上げることは、病気になっても医者にかかれなくして、「死ね」と言うに等しいものだ。しかも介護保険料の減免についてはまったく行うつもりがないというのだ。
 学校給食での労働災害事故についても年間十六件にも上ったことが明らかになった。子どもたちに安全でおいしい給食を保障するためには、現場で働く労働者の労働条件を整えることは必須不可欠の条件だ。区の責任放棄は許されない。
 山田区長の「スマートすぎなみ計画」や教育現場におけるより一層の反動化攻撃との対決はこれからだ。区民や労働者の闘いとの連帯を強め、杉並から力強い大衆運動、労働運動を作り上げよう。

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週刊『前進』(2023号3面4)

在沖海兵隊の実弾演習弾劾 9・3東富士

 静岡県御殿場市内の東富士演習場で九月六日、在沖米海兵隊の本土移転実弾砲撃演習が強行された。東富士演習場での実弾訓練は九八年以来四度目である。
 静岡労組交流センターと反戦共同行動委員会は午前、砲弾の音が響く中、米軍キャンプ富士に演習中止を申し入れた。門を閉ざして対応を拒否する米軍に抗議のシュプレヒコールを行った。(写真)
 午後は御殿場市内で街頭宣伝で地元住民に訴えた。
 地元では、沖縄での度重なる米軍犯罪と演習時の警察警備への怒りが起こっている。

米艦の清水港入港に抗議 8・28静岡

 米艦船が八月二十八日、清水港、名古屋港、和歌山港、姫路港の四港に一斉入港した。新ガイドラインの強化であり、有事立法・改憲への攻撃だ。清水港にはミサイル駆逐艦J・S・マケインが入港した。
 この日早朝、静岡労組交流センターは、静岡県共闘、中部地区労、百万人署名運動の労働者・市民とともに、清水港で抗議闘争を行った。
(投稿/静岡K・M)

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週刊『前進』(2023号3面5)

革共同の見解に大きな反響

 「九・一一反米ゲリラに対する革共同の見解」に対して『前進』ホームページに寄せられた感想の一部を紹介します。(編集局)
   ◇    ◇
 本当にアラブ人民の怒りによる行為であれば・革共同の見解は、まったくもって正当だと思います。
 (男性・50歳代)

 イラクや旧ユーゴスラビア、その他の地域で殺りくや弾圧をくり返してきたことへの、ひとつの回答にほかなりません。米帝の反攻を許さない世論の形成こそが今求められていると考えます。
 (男性・20歳代)

 テロは被抑圧の側からの抵抗運動の最後の段階にほかならず、支配・抑圧の関係が続く限り、なくならないと思う。…誰も望まぬ戦争は、一部の人によって遂行されていく。この時、市民はどう反応するであろう。反戦か好戦か。支配者のための戦争・失業なのか、あるいは、これを止揚する道なのか、一つの分岐点を示しているだろう。
 (男性・50歳代)

 アメリカの事件について見解を出してくれたことに感謝している。それはすべてのポイントを突いていると本当に思う。これ以上人民が殺されることを許してはならない。戦争を始めんとするブッシュを支える政府を止めよ。そして、もっとも大事なこととして街頭でのアラブ系の人びとへの攻撃・襲撃を阻止せよ。
 (女性・欧州在住30歳代)

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週刊『前進』(2023号4面1)

全国学生は国際反戦闘争に立とう
在日米軍基地からの出撃と自衛隊の侵略派兵阻止せよ
 有事立法・改憲粉砕 国会闘争へ
 マルクス主義学生同盟中核派

 アフガニスタン・中東侵略戦争強行許すな

 米帝のアフガニスタン・中東への大規模な侵略戦争強行を許すな! 米帝ブッシュは、「報復はアメリカの総力を投入したものになる」「テロ組織を排除し、支援する国家を終焉(しゅうえん)させる」と叫び、アフガニスタンという小国に数万〜数十万の軍隊を投入し、核兵器の使用まで公言して、国家丸ごと人民の大虐殺を強行しようとしている。さらに、イラクも攻撃し、中東全域への侵略戦争に拡大しようとしているのだ。
 米帝はこのアフガニスタン・中東侵略戦争を、九一年一・一七イラク・中東侵略戦争とベトナム侵略戦争とを掛け合わせたような長期で大規模な世界大戦級の侵略戦争として発動しようとしている。そうすることで世界を戦争に引きずり込み、その中で他帝国主義を決定的にたたき落とし、米帝だけが大恐慌の中で生き残ろうとしているのだ。
 まさに世界戦争への道が始まったのである。全世界の労働者人民が歴史の大きな転回点に直面している。
 重大なことは、在日米軍基地・在沖米軍基地が米軍の出撃拠点となろうとしていることだ。しかもそれを日帝が全力で「後方支援」しようとしている。日本で積み込まれた武器と補給物資が自衛隊によって輸送され、それによって米軍のアフガニスタン人民虐殺が強行されるのだ。日本が侵略戦争を決定的に支え、明確な参戦国になるということだ。 
 「日本人民はなぜ米軍の出撃を阻止しないのか」というアフガニスタン・中東人民の血叫びは、日本人民一人ひとりに、「侵略戦争に動員され、それに加担するのか否か」を激しく突きつけている。しかしそれは、日本の労働者人民が本気で立ち上がって基地機能をぶっ止めるような闘いをやれば侵略戦争を止められるということなのだ。
 闘うアフガニスタン人民、中東人民と固く連帯した国際連帯闘争、国際反戦闘争の大爆発が帝国主義足下で死活的に求められている。数万、数十万人規模の反戦集会と大デモンストレーションが絶対に必要だ。とりわけ沖縄の基地労働者を始めとする沖縄闘争の爆発は米帝の侵略戦争を根底的に瓦解(がかい)させる力を持っている。そして三里塚闘争は米軍の来援と成田軍事空港の使用を阻む決定的な闘いだ。
 何よりも動労千葉、国労闘争団を先頭とする不屈の国鉄闘争がそれらと一体で日本労働者階級の戦争動員拒否のストライキを始めとする大反乱を手繰り寄せる時、反戦闘争は日帝打倒の内乱に向かって爆発していくのだ。日本の学生運動はその先頭で闘いをこじ開けよう。

 新規立法で最大限の参戦狙う日帝・小泉

 当面する闘いの課題は何か。
 第一に、在日米軍基地・在沖米軍基地から艦船、爆撃機、特殊部隊が大空爆と地上戦に出撃することを絶対に阻止することである。さらに数万〜数十万の兵力が米本土から日本を経由して補給を行い、アフガニスタンに出撃していこうとしている。米軍の出撃、米軍への輸送や補給を体を張って阻止しよう。基地労働者の決起を呼びかけよう。虐殺を絶対に阻止する命がけの闘いを貫こう。
 神奈川県・横須賀基地を拠点とする米第七艦隊の艦船が、アフガニスタン侵略戦争の第一次段階であるミサイル攻撃と空爆にまさに出撃しようとしている。空母キティホークの艦載機が厚木基地で激しい離発着訓練を繰り返している。
 佐世保基地では広島の米軍弾薬庫から民間輸送会社による搬入が始まった。
 さらに、沖縄・嘉手納基地では、KC135空中給油機二機とF15戦闘機がアラスカへ移動した。これはアメリカ本土などからの大規模な空軍部隊をノンストップで中東に飛ばすためである。
 さらに在沖海兵隊が那覇軍港で攻撃ヘリを積み込んでいる。これは空爆に続く地上戦投入のためである。在沖海兵隊のグリーンベレーを始めとした殺りく部隊が投入されるのだ。
 第二に、日帝が最大限の参戦をしようとしていることと全面対決することである。日帝は参戦のための新規立法制定、法改悪を策動している。文字どおり日本が参戦国化するのだ。有事立法・改憲の大攻撃が前倒しされ、日本全体を一気に戦時体制にたたき込む大攻撃である。日帝のアフガニスタン・中東侵略戦争参戦阻止、後方支援法提出・自衛隊法改悪阻止、有事立法阻止・改憲粉砕を掲げて、臨時国会闘争に全力で決起しよう。
 米軍は、ミサイル攻撃と空爆から地上戦という形で長期戦を構えている。それには数万ないし数十万規模の米軍への補給・輸送という問題が死活的だ。米帝は日帝に、インド洋ディエゴガルシア島の米軍基地からパキスタン沖に展開する空母部隊への燃料・物資の補給を要求している。日帝は、輸送艦、輸送機と護衛艦、哨戒機の派兵に応じようとしている。そして、これを合法化するために、後方支援のための新規立法を九月二十七日からの臨時国会に提出しようとしているのだ。
 これは、重大な踏み込みである。日帝・自衛隊が、米軍のパキスタン沖からのミサイル攻撃や空爆からアフガニスタンへの地上作戦と一体となって戦闘を担うということなのだ。これはまさに日米安保強化の飛躍点をなす集団的自衛権の行使そのものだ。
 小泉は、「米国がどうというより日本がテロにどう主体的に対応するかだ。憲法の前文には国際社会で名誉ある地位を占めたいとある。今までの時代とは違うんだ」と言い放った。また山崎も「集団的自衛権を行使できるよう憲法改正しろ」と叫んでいる。さらに日帝軍部は「軍事協力の本質はお互いの軍隊が流血の可能性というリスクを分担するというところにある」(富沢・元陸上幕僚長)と、あからさまに戦場への突入と流血の戦闘への参戦を要求している。
 さらに、国内治安弾圧の前面に自衛隊を出すために自衛隊法改悪を狙っている。米軍基地や皇居、国会、ダム、原発などの警備に、武器使用が認められた自衛隊が出動する。職務質問や「避難」と称した住民の退去強制、「犯罪の予防」と称した予防拘禁、民家や企業への強制立ち入りなど、まさに憲法停止、基本的人権の停止であり、戦時体制の構築が狙われているのだ。 
 大規模な米軍の増派に対応して、官民挙げた国家丸ごとの戦争動員がかけられることは間違いない。そのための有事立法攻撃が一挙に激化している。それは「国家非常事態」宣言をもって憲法を停止し、社会を軍隊の戒厳下に置いて、財政、産業諸力、交通機関、人的・物的資源等の一切合切を、有無を言わさず戦争に動員しようとするものだ。言論・報道を統制し、拒否するものは容赦なく弾圧し、投獄する、まさに現代の国家総動員法だ。これと一体で破防法の改悪も狙われている。
 第三に、十月十六〜十七日のブッシュ訪日・日米首脳会談粉砕の闘いである。これはアフガニスタン・中東侵略戦争のための戦争会議となった。同時に中国・朝鮮−アジアをめぐる米日帝による戦争と強盗の会議である。中東−全世界人民との連帯をかけた断固たる粉砕闘争を爆発させなければならない。
 米帝にとって、日米首脳会談は、侵略戦争の重圧で日帝を屈服させ、動員要求を突きつける場だ。日帝にとっては、米帝から突きつけられる動員の要求を日帝の死活をかけて全面的に承認し貫徹を約束する場となる。とりわけ集団的自衛権の行使での踏み込みは不可避だ。さらに、ミサイル防衛構想の推進、ガイドライン体制の実体的確立、沖縄圧殺=名護新基地建設などをめぐって争闘戦が激化する。しかも、米日帝ともに、中国・上海APECと一つながりの攻撃として位置づけてきている。
 第四に、十・二一国際反戦デー闘争を、闘うアフガニスタン人民、被抑圧民族人民の民族解放闘争との連帯と米欧帝国主義足下の労働者人民の決起への確信を貫いて闘い、国際反戦闘争、国際連帯闘争の大爆発を日帝足下から切り開くことである。
 十・二一国際反戦デー闘争は、一九六七年、米帝のベトナム侵略戦争に対して、闘うベトナム人民の血叫びにこたえて世界の労働者人民が決起し、自国帝国主義の侵略戦争参戦に対する闘いとしてかちとられたものである。今や二十一世紀冒頭の十・二一は、パレスチナ人民、アフガニスタン人民を始めとする中東人民、朝鮮・中国―アジア人民と連帯して闘われる。そして、前衛党不在の中で激しい資本攻勢と苦闘し、愛国主義・排外主義の大洪水と格闘しながら、自国帝国主義・米帝の侵略戦争に反対する闘いをつくり出そうとしているアメリカの労働者人民とともに闘われる。ベトナム反戦闘争を上回る大闘争を爆発させよう。

 アラブ民族解放闘争に血債かけ連帯せよ

 米帝が踏み出した道は、米帝にとって何の勝算もない、ベトナム侵略戦争の泥沼的敗北の悪夢の再来である。それは唯一の世界帝国主義である米帝が侵略戦争から帝国主義対帝国主義の対立を極限的に激化させ、被抑圧民族人民との矛盾、労働者階級との矛盾を極限的に激化させていくものとなる。それは帝国主義打倒、スターリン主義打倒の革命的情勢を全世界的に成熟させるものとなる。
 だからこそ今、「侵略と戦争の元凶=帝国主義とスターリン主義を打倒せよ、全世界の労働者階級と被抑圧民族は固く団結しよう、反帝国主義・反スターリン主義世界革命をかちとれ」の闘いが求められている。
 九・一一反米ゲリラ戦の突きつけたものを階級的立場からしっかりととらえなければならない。
 第一に、九・一一反米ゲリラは、全世界・中東で侵略と戦争を強行してきた米帝に対する被抑圧民族の積もりに積もった怒りの爆発である。この大義は絶対に否定できない。
 九・一一の事態をつくり出した一切の責任は米帝および国際帝国主義にある。
 と同時に、九・一一は、アメリカを始めとする帝国主義諸国の労働者階級に対して、帝国主義の侵略と戦争になぜ加担しているのかという絶望的不信をたたきつけている。九・一一には被抑圧民族が連帯すべき帝国主義足下の労働者階級が闘いの主体としてすえられていない。九・一一によって真の解放の道は開かれない。われわれは帝国主義国の労働者階級と被抑圧民族人民とが、ともに世界革命の主体的担い手であることをはっきりさせなければならない。
 しかし、そこには帝国主義国の階級闘争において、被抑圧民族の闘いに連帯する闘争を目に見える形でつくり出し得ていないという問題があるのだ。核心は、スターリン主義の裏切りの問題であり、それをのりこえる反スターリン主義の党の問題である。
 帝国主義は、本来ともに世界革命の主体であるはずの帝国主義国の労働者階級と被抑圧民族人民を分断し、帝国主義足下の労働者階級人民を排外主義に組織して、侵略と侵略戦争に動員する。これに対して被抑圧民族人民は命がけの解放闘争をたたきつける。
 帝国主義足下の労働者階級は、まさに、被抑圧民族の突きつけに向き合うことによって自らが帝国主義の侵略と侵略戦争を担わされていることを自覚し、階級的に覚醒し、排外主義と闘い、被抑圧民族と固く連帯して帝国主義打倒に決起していくのである。
 第二に、九・一一反米ゲリラの根底に、米帝による中東支配・石油支配、帝国主義による新植民地支配とその破綻(はたん)の問題があることである。
 米帝は、その世界支配のために、中東の石油を独占的に支配し、そのために中東地域を暴力的に制圧してパレスチナ人民を始めとする中東人民にすさまじい犠牲を強制してきた。米帝によるイスラエルの暴力的な建国以来、約四百万人に上るパレスチナ人民が追い出され、五十年以上にわたって難民生活やイスラエルの軍事監獄のもとでの生活を強いられている。
 イスラエルによる四次にわたる中東侵略戦争、八二年レバノン侵略戦争、イラン革命圧殺のためのイラン・イラク戦争、その破綻の揚げ句の米帝によるイラク・中東侵略戦争。そして現在までのパレスチナ人民の不屈の抵抗闘争に対する戦車砲や武装ヘリのミサイル攻撃での人民大量虐殺の攻撃――。
 しかし、帝国主義は、パレスチナ人民、中東人民の民族解放闘争をついに制圧することができなかった。それが、「イスラム原理主義」という歪曲形態であれ、米帝の中枢を打ち抜く反撃としてたたきつけられたのである。それは米帝の新植民地主義体制の総崩壊と泥沼の侵略戦争が始まったということである。
 第三に、開始された事態は、紛れもなく帝国主義の基本矛盾の爆発であり、世界革命によって打倒されない限り世界戦争を不可避とする歴史的な事態である。
 はっきりさせなければならないことは、すでに九・一一以前的に、米バブル崩壊によって最後的に二九年型世界大恐慌の現実化が始まり、世界経済のブロック化が激化していた。そして、帝国主義対帝国主義の対立が、崩壊したスターリン主義圏と残存スターリン主義圏の取り込みをめぐって争いを激化させながら、第三次世界大戦を急激に引き寄せる状態にあったということだ。
 帝国主義の過剰資本・過剰生産力のどうにも解決できない矛盾と二九年型世界大恐慌の現実化の開始、スターリン主義の崩壊と新植民地主義体制の崩壊的危機――これらが相まって、米帝の世界支配をガタガタに揺さぶっていたのである。そして、米欧対立、米日対立、欧日対立が、中東、ロシア・東欧、アジアを火点として、激しい戦争的緊張を生み出していたのである。
 これに対して、米帝ブッシュ政権が、先制的に侵略戦争を引き起こし、全世界をそこに引きずり込んで、唯一圧倒的に優勢な軍事力・核軍事力を武器に他帝国主義をたたき落として、生き残りを図るという新軍事戦略を打ち出して登場してきていたのである。
 したがって、九・一一によって突き出され、開始された新たな世界史的事態は、米帝が帝国主義対帝国主義の対立を勝ち抜くための戦争として、アフガニスタン・中東侵略戦争を世界大戦級の侵略戦争として強行しようとしていることを示しているのだ。
 しかも、再開されたニューヨーク株式市場での暴落とドル急落という展開を見よ。二九年型世界大恐慌の爆発、世界経済の収縮とブロック化は不可避だ。
 まさに九・一一は帝国主義総体が「死の苦悶(くもん)」にあえいでおり、最期の時が確実に迫っていることを突き出したのだ。
 第四に、日米帝国主義の強盗的な対立が新たな段階に突入し、日帝の動向が戦争激化の重大な原因となっていることである。
 米帝は新軍事戦略で、二正面戦略の見直し=アジア重視とミサイル防衛構想を打ち出し、中国スターリン主義を転覆する世界大戦級の大戦争を構えた。それは同時に対米対抗的な衝動を強める日帝の核武装とアジア勢力圏化の阻止のための対日争闘戦戦略そのものである。そして、中国スターリン主義を攻撃し、日帝の独自の軍事外交を許さないために沖縄基地をさらに強化し、名護に新基地を建設しようとしているのだ。
 日帝は、恐慌重圧と米帝の対日争闘戦重圧によって、もはや抜け出すことのできない没落帝国主義化の危機に陥っている。そして、小泉政権の登場を画期に、日帝の体内から、未曽有(みぞう)の危機を戦争に転化しようという衝動が一気に噴き出してきたのである。日帝は、米帝の安保強化を始めとする対日要求が日帝のたたきつぶしにあることを認識し、さしあたりその要求に全面的にこたえるという形式で憲法的制約を打破し、対米対抗的な侵略戦争とそのための戦争国家化を策動している。
 しかし、日帝にとって、米帝の侵略戦争は、日帝の戦争衝動と戦争国家化のペースをも上回る形で、すさまじい飛躍を突きつけるものとなっている。日帝はかつて米帝の九一年のイラク・中東侵略戦争に対して、軍事支援に踏み切ることができず、そこから、今日の没落帝国主義化への転落の道を開始したのだった。その意味で、日帝は、アフガニスタン・中東侵略戦争に参戦できなければ、帝国主義列強間の争闘戦から完全にはじき飛ばされてしまう。ここからくる日帝の絶望的な凶暴化を見すえなくてはならない。

 日共・カクマル打倒し 全国学生運動統一を

 日共スターリン主義の「テロ根絶のためには軍事力による報復ではなく法に基づく裁きを」なる声明を徹底的に断罪しなくてはならない。それは戦争がもたらす革命的情勢と革命的内乱に恐怖するという点で帝国主義と利害を同じくするものである。
 まず日共は、「米国への攻撃にとどまらず、国際社会全体にたいする攻撃」と非難している。日共は「国際社会」すなわち帝国主義列強と同一の立場に立って「テロ根絶」のために闘うと表明し、労働者人民を反革命の側に組織しようとしているのだ。
 「法と理性にもとづいた解決」というが、いったい、米帝が「法と理性」を説くような相手なのか。もしそうだとしたら、パレスチナ問題もとうの昔に解決していたはずではないか。帝国主義は、理性による話し合いの対象では断じてない。プロレタリアートと被抑圧民族人民の帝国主義に対する闘争によって打倒する対象なのだ。
 しかも日共はパレスチナ問題についてまったく言及しない。日帝の戦後発展が石油によって支えられていたにもかかわらず、そこにある帝国主義の暴虐と不屈の民族解放闘争という事実に無知・無自覚でいたことに、日本人民が気づき闘争に決起することを阻止しようとしているのだ。
 さらに日共は「国連憲章と国際法上の根拠をもたない軍事力による報復」「許されているのは実際に発生している武力攻撃にたいする自衛反撃」などと言う。これは「国連憲章と国際法上の根拠」を持てばいいという話であり、「実際に発生している武力攻撃にたいする自衛反撃」は許されるということである。米帝の侵略戦争発動の体裁さえ整えば日共は完全に承認するというのだ。これは帝国主義が必ず自衛のためという口実で侵略戦争をやること、国連憲章も国際法も帝国主義の支配と戦争を正当化するためのものであることを覆い隠そうとするものだ。何よりも、日共は、始まった事態が世界戦争の危機であることをまったく否定しているのだ。
 最後に、米日帝によるアフガニスタン・中東侵略戦争絶対阻止の国際反戦闘争・国際連帯闘争を大爆発させるためにも、今こそ全国学生運動の戦闘的爆発、革命的統一のための闘いに打って出ることを訴えたい。その核心は、反革命カクマルとの闘いに勝利することである。反戦闘争と同時に独立行政法人化阻止の闘いを戦争国家化との闘いとして両輪的に闘い、そのるつぼにカクマルを引きずり込んで、崩壊するカクマルの最後的打倒と早稲田・東大を始めとする拠点化の勝利へ上りつめていくのだ。この激闘の真っただ中から、九大・広大の歴史的勝利に続く学生自治会の戦闘的再建と全学連地方ブロックの建設をかちとろう。
 全国学生は全学連とともに闘おう。先進的学友は、マルクス主義学生同盟中核派に結集して闘おう!

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週刊『前進』(2023号4面2)

2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 9月12日〜18日
 米議会が「武力行使」を決議
 自衛隊が参戦へ新法制定狙う

●米軍基地警備で自衛隊法改悪へ 自民党は、@臨時国会で在日米軍基地や原発などの施設の警備など自衛隊の任務拡大を盛り込んだ自衛隊法の改悪、A来年の通常国会で有事法制を目指す方針を固めた。(12日)
●W杯で入管法改悪を検討
 来年のW杯サッカーのフーリガン対策を口実に法務省が出入国管理法改悪の検討を始めた。来春の施行を目指し、臨時国会に改悪案を提出する構え。外国人の入国を拒否したり、すぐに強制退去処分できるようにするという。(12日)
●NATOが集団的自衛権行使を決定 北大西洋条約機構(NATO)が緊急理事会を開き、米軍からの要請があれば、NATO条約に定める集団的自衛権を行使することを決定した。四九年のNATO発足以来初めて。(12日)
●ブッシュ、予定どおり来日と電話 ブッシュ大統領が小泉首相と電話協議し、来月に予定どおり訪日する意向を示した。(13日)
●自衛隊誘致反対の「郡民の会」結成 沖縄県の伊良部町が下地島空港へ自衛隊機訓練誘致を進めている問題で、労組や市民団体が自衛隊誘致に反対する「宮古郡民の会」を結成した。「島の生命を軍事基地と引き換えにすることは断じて許せない」とアピールを採択した。(13日)
●米議会が武力行使決議を採択 米上院が武力行使を行うことを認める決議案を採択した。翌日、下院も反対一で採択した。(14日)
●自衛隊機が墜落2人死亡
 海上自衛隊小月教育航空群(山口県下関市)のT5練習機が墜落し、二人が死亡、一人が重傷を負った。(14日)
●横須賀でミサイル積み込み 在日米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)で、ミサイル駆逐艦に、ミサイルの積み下ろし作業が行われた。米軍の準機関紙『星条旗』は「キティホークはいつ緊急の出動命令が出ても対応できる準備を整えている」と報じた。(14日)
●「集団的自衛権行使なら改憲」と山崎 自民党の山崎幹事長が「日本は米国と同盟関係にあるから本来、米国と一緒に攻撃することになるだろうが、日本の憲法上、自衛隊の海外派遣はできない。憲法を改正しないで集団的自衛権を認めるという人もいるが、憲法は解釈では変えられない。堂々と憲法を改正すべきだ」と述べた。(14日)
●横須賀からイージス艦出航 横須賀基地に配備されているイージス巡洋艦「カウペンス」が出航した。巡航ミサイル「トマホーク」を搭載している。佐世保基地(長崎県佐世保市)でも、給油艦「ラパパノック」が出航した。厚木基地(神奈川県大和市など)や岩国基地(山口県岩国市)などの米軍基地ではFA18戦闘攻撃機などの発着訓練が激化している。(15日)
●アーミテージ「目に見える参加を」 アーミテージ米国務副長官が駐米大使を通じ米国の軍事報復に関し「目に見える日本の参加を早く決め、国旗を見せてほしい」と要請。(15日)
●米支援で新法と小泉 小泉純一郎首相が、米国が報復攻撃を行った場合に自衛隊の後方支援を可能にするため、新法の可否を検討するよう自民党の山崎幹事長に指示したことを明らかにした。(17日)
●横須賀から巡洋艦が出航
 横須賀基地からイージスミサイル巡洋艦「ビンセンス」と同駆逐艦「カーティス・ウィルバー」が出航した。(17日)
●「周辺事態法適用も」と山崎 自民党の山崎幹事長は講演で「これから周辺事態法を適用するかどうか、という議論がある」と周辺事態法の適用を検討する考えを示した。(17日)
●自衛隊法改悪案固まる
自民、公明、保守の与党三党が自衛隊法改悪案をまとめた。自衛隊の警備の対象として@国の防衛のための重要な施設、A国政にかかわる中枢機能が所在する施設などを加え、@には米軍基地、Aには国会議事堂や首相官邸が含まれるという。(18日)
●自民から破防法改悪の声
 自民党の中山正暉・治安対策特別委員長が破壊活動防止法について「テロ事件の反省に立ち、対象施設を広げることを検討したい」と述べた。(18日)
●インド洋に自衛艦 政府は米軍の後方支援について、自衛隊による輸送、補給、医療活動などを行う方向で検討に入った。インド洋のディエゴガルシア島の米軍基地やアラビア海に展開する米艦隊に、自衛隊が燃料・物資の輸送・補給を行い、医療チームも派遣するという。情報収集で自衛隊艦船を派遣することも検討している。(18日)
●米軍支援「時限立法」で
 政府は、自衛隊による米軍の後方支援活動を可能にする新法の制定に踏み切る方針を固めた。作戦の終結までの時限立法にするとしている。(18日)
●戦術核も選択肢と具申
米国防総省が軍事作戦の選択肢の一つとして、戦術核兵器の使用をブッシュ大統領に具申した。(18日)

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週刊『前進』(2023号4面3)

法政大で宣伝 学内デモに反響

 法政大学では後期開講日の九月十七日から、九・一一反米ゲリラへの軍事報復と称する米日帝のアフガニスタン侵略戦争の絶対阻止を訴える宣伝戦、学内デモを激しく展開している。アラブ人民の大虐殺をくり返す帝国主義に対する怒りのアジテーションが確実に学生をとらえ始めている。
 「侵略戦争のために、日本から米軍が出撃している。日帝・小泉政権は対米支援新法を制定し、自衛隊が米軍への補給などを行い参戦しようとしている。直ちに緊急阻止闘争・デモに立とう」「米帝の暴力的な中東支配こそが元凶だ。問われているのは、帝国主義国の労働者階級の立場だ。アラブ人民、アジア人民と連帯して、帝国主義の侵略戦争、民族抑圧に反対して闘うことこそが求められているのだ」
 クラス討論では、「九・一一」をどうとらえるべきか、の提起に全員が真剣に集中し、最後には拍手が起こっている。開講日の学内デモ(写真)には学生がかけ声に合わせて手拍子を打ち鳴らした。

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週刊『前進』(2023号5面1)

インタビュー 中野洋動労千葉委員長 国労大会と11月労働者集会の課題
 闘う団結で危機に立ち向かおう
 国鉄闘争をグレードアップし小泉と闘う戦略的対峙陣形を

 十月十三、十四日の国労定期全国大会を前にした重大な決戦情勢に際して、国鉄闘争・千四十七人闘争をともに闘い抜く動労千葉の中野洋委員長に、国鉄闘争の現局面と勝利の展望について聞いた。併せて小泉「聖域なき構造改革」と戦争国家化を打ち破る日本労働運動の課題と十一月労働者集会の成功に向けた訴えを聞いた。(聞き手/本紙・大沢康)

 4回の大会の総決算−〈国労の階級的再生か解体か〉をかけた決戦

 ――十月の国労定期大会が迫っていますが、国鉄闘争をめぐる情勢をどのように見ていますか。
 中野 まず、今度の国労大会の階級的、歴史的な位置を見る必要がある。二〇〇〇年五月三十日に四党合意がなされ、国労中央が受け入れた。それをめぐって四回の大会が開かれ、決着がつかないまま今年の定期大会になる。それらの総集編、総決算の大会になるだろう。国鉄労働組合が階級的に再生するのか解体に向かうのか、それをかけた大会になることは間違いない。
 それで、国鉄闘争をめぐる階級情勢について整理する必要がある。大きくは世界的規模での経済危機の進行、つまり二九年型世界大恐慌の前夜情勢への突入だ。日本ではバブル崩壊以降深刻化する経済危機、その中で二〇〇一年四月、小泉内閣が「聖域なき構造改革」を引っ提げて登場した。
 国鉄労働運動をめぐっては、国労の解体をめざし、千四十七名の解雇撤回闘争の解体を狙った四党合意が出されて、これをめぐって国労内が二分し激突情勢に入った。さらに、国鉄労働運動の一方の軸であるJR総連カクマルとJR資本の結託問題がある。昨年来、いわゆるカクマル本体とJR総連カクマルの分裂が起こった。
 それらは今年の通常国会で可決・成立したJR会社法の一部改定、つまり本州三社の「完全民営化法」をめぐって起こっている。
 一九八七年に国鉄が分割・民営化されJRが発足して十四年になるけれど、これは戦後的な労資関係のあり方を根本的に転換する攻撃であると同時に、日本労働運動の中軸的な位置を占めていた国鉄労働運動、その中心にいた国労を解体する攻撃だった。その政策の是非が支配階級の側に問われた。JR体制のさまざまな破綻(はたん)的な矛盾が蓄積されて爆発寸前という状況にある中で、なんとしても「完全民営化」を成功させることが支配階級にとって決定的に必要になっている。これは「国鉄改革」の成否だけでなく、全産別的に全社会的に強行しようとしている「構造改革」全体の成否が問われていたわけだ。この中で、国鉄闘争が一歩グレードアップした状況だと見て間違いない。
 敵にとっては、国労をつぶすことと同時に、カクマルを使嗾(しそう)して分割・民営化を強行したことの決着が迫られていたわけだ。カクマルの本体とJR総連カクマルの分裂も、そういう構造の中で起こったことだと思うね。
 さらに重大なのは、二〇〇一年一月二十七日の大会で、機動隊を導入して四党合意受諾を強行したことだ。これは二十一世紀の労働運動に対する敵の意志を示したものであり、四党合意の階級的性格をはっきり示した。これに反撃する態勢をどれだけつくることができるかがその後の焦点だった。
 それは国労内における路線闘争という形をとっていたわけだが、国労闘争団を中心にして国労内の左派を形成する勢力は、少数派だが一応頑張って、それに国労内外の勢力が糾合されて、ここまで対峙関係を形成してきた。
 一・二七に対して国労内外の左派勢力は、五月三十日に東京で三千人の国労闘争団共闘会議準備会の結成集会を成功させた。これは一・二七に対して真っ向から四つに組む構造をつくった非常に重要な闘いだった。都労連を始めとする労働組合が、国労の機関ではなくて「闘う国労闘争団」という「一部勢力」との共闘関係を公然と内外に明らかにした。これは戦後労働運動にはなかったことだ。連合結成以来の左派グループ、戦闘的グループの中で公然たる分岐が起こったという意味で、僕は画期的な集会だったと思っている。
 一方、動労千葉は今年の春闘で、一・二七機動隊導入に対抗する闘いと位置づけながら、第二の分割・民営化攻撃、つまりJR東日本における「ニューフロンティア21」、具体的にはメンテナンス三部門の全面的な外注化攻撃に対決して、団結を固めて百二十時間のストライキを敢行した。
 そういう闘う勢力が、今度の国労大会をめぐって敵と真正面から激突する。非和解的な関係だから、倒すか倒されるかという攻防になったということだ。
 ――八月一日にJR東日本とJR東労組が第四次労使共同宣言=「二十一世紀労使共同宣言」を発表しましたが、これはどういう意味を持っているでしょうか。
 中野 JR東日本は、JR会社法の改定案をめぐる国会審議過程で、カクマルとの癒着問題が大きくクローズアップされ、支配階級内部でもそうとう問題視された。にもかかわらず、改定JR会社法の発効が十月一日だから、それを前にJR総連カクマルとの結託体制を再度維持して、「ニューフロンティア21」を貫徹することを内外に宣言したということだ。
 これは一方で、国労内チャレンジグループ、つまり四党合意推進派やJR連合・鉄産労に大変なダメージを与えた。彼らにとって、四党合意の受け入れは単に千四十七名闘争の早期決着だけではなくて、労資関係の正常化をめざしたものだ。その根底には、このままでは国労がジリ貧化するというのがあったわけでしょう。だからJR総連カクマルと競い合って、資本との癒着関係を争うという構造だった。しかし、JRグループの中心企業であるJR東日本がそういう選択をしたわけだ。つまり自分たちの方針が資本の方から拒否された。これも国労大会に影響を与えるのではないか。
 ――新井修一前国労中執の文書が九月に出されていますね。
 中野 それは、「解決案」が出れば、どういう内容であろうが完全に丸のみする、それだけじゃなくて国労の組織の再編も含めてこの大会が「最後の機会」だと位置づけるという、やけっぱちとも言えるような方針だ。チャレンジとしては並々ならぬ決意で臨もうとしているわけだ。だから「解決案」が出るか出ないかは別として、国労を解体の方向に持っていくのか、それともそれを打ち破って階級的再生の道を進むのかという決戦にならざるを得ない。
 問題は、闘う勢力がそういう立場に立って、今大会に臨もうとしているかどうかが、最大の焦点になっていると思うね。
 ――そういう大会の決戦性について、闘う勢力が甘く見ている状況もあると思うんですが。
 中野 そうだね。僕の目から見ると、ある意味ではがけっぷちまで来たという認識に立っているのがチャレンジグループで、闘う闘争団を先頭とした左派勢力の側はそういう戦略的認識が薄い。大会までには「解決案」が出ないという見方をしたり、この大会にはたいした争点はないと見たりしている面がある。四党合意反対勢力を一個の力として団結させて闘うという戦略が形成されていない。
 もう一つは、国鉄労働運動の焦点であるJR東日本で「ニューフロンティア21」が出された。これは国労本体を襲う大変な攻撃で、われわれは第二の分割・民営化攻撃だと言っている。つまり合理化の強行だけじゃなくて、分割・民営化過程で貫徹されなかった国鉄労働運動を解体する攻撃でしょう。したがって、この「ニューフロンティア21」、具体的にはメンテナンス三部門の全面外注化攻撃とのJR本体の闘いと、千四十七名闘争、闘争団の闘いがちゃんと結合した時に大変な力を発揮する。ところが、それぞれをきわめて意識的に一体のものとして闘うという方針が形成されていない。それが本当に素晴らしい闘いをやっていながら、勝利に結実していかない最大の原因じゃないか。
 ――そうすると、今度の大会は、あらゆる力を結集して、決着をかけて闘うべき大会だと。
 中野 今度の大会には、間違いなく一・二七以上に機動隊が介入する。チャレンジや革同グループは、機動隊まで導入して四党合意を強行したわけだから、その路線を途中で変更することはあり得ない。数年前から八・三〇申し入れ、国鉄改革法承認、そして四党合意にまで至ったわけだけど、その底流にある「国労ジリ貧論」と真っ向から闘う必要がある。
 新井文書に表れているチャレンジの方針は、このまま行ったら国労はジリ貧になると、あたかも国労の再生をめざしているかのような言い方をしているけれど、あの方針それ自体は国労解体なんだ。
 国労の組合員は、国労の組織、名前に大変なロイヤリティーを持って、差別・選別攻撃の中で今日まで頑張り続けてきた労働者たちの集団なわけだから、ここに正しく依拠し、正しい方針を出せば、チャレンジだとか革同グループの邪(よこしま)な策動を粉砕することは可能だと思っている。

 日本帝国主義と最先端で対決する国鉄闘争は労働運動再生の基軸だ

 ――「国鉄闘争のグレードアップ」と言われましたが、今の情勢のもとでの国鉄闘争の意義についてもう少し話してください。
 中野 小泉は「聖域なき構造改革」と言うけれど、真新しいことを言っているわけではない。「構造改革なくして景気回復なし」とは、「景気回復なくして構造改革なし」というのをひっくり返したことに特徴がある。九五年の日経連のレポートで日本のブルジョアジーは、終身雇用制を軸とした戦後的労資関係を根本的に転換することを抜きにして資本主義・帝国主義としての生きる道がないことを鮮明にした。しかしそれ以降、彼らはアメリカ型でもなくヨーロッパ型でもない「第三の道」と言ってきた。つまりアメリカみたいに資本主義むき出しのあり方ではなくて、ソフトランディングを志向した。小泉の「聖域なき構造改革」路線とは、それではもうダメだと、ハードにやるということに特徴があると僕は見ている。
 電機大手が次々とリストラを発表した。一万人とか二万人を非常に短期間で減らす。非常に乱暴なやり方だ。それが小泉「構造改革」の、労働運動のサイドから見た場合の特徴ではないかと思う。
 その走りは、やはり一九八〇年代前半から始まった国鉄分割・民営化攻撃だった。特殊法人で日本道路公団の民営化が問題になっているけれど、もともと第二の国鉄は日本道路公団だと言われていた。国鉄分割・民営化の大変な破綻性が特に労務政策で現れている状況の中で、このことをらち外に置いて、「構造改革」なんて成り立つはずがないんだよね。
 今日の危機に瀕(ひん)した日本の帝国主義と最先端で対決する闘いとして、国鉄闘争がいや応なしにグレードアップするということを認識すべきじゃないか。
 そういう状況の中で、九月十一日にアメリカ帝国主義の象徴とも言える世界貿易センタービルとかペンタゴン(国防総省)に対するゲリラが起こった。帝国主義の破局的危機の中で世界中で貧富の差が拡大し、いわゆる旧植民地国の人民が耐え難きまでに追いつめられている。特に中東・パレスチナ人民の闘いに明らかだけれど、そういう闘いを背景にして、諸悪の根源であるアメリカ帝国主義の総本山に対するゲリラが決行されたということだと思うんだね。
 もちろんわれわれは、帝国主義の打倒は、アメリカを始めとする帝国主義国の労働者階級の闘いと、被抑圧民族の闘いとが結合した時に成り立つのであって、あのゲリラで倒れるとは思っていないし、そういう立場ではない。しかし、今一斉に起こっている「報復」という風潮に警鐘を乱打し、第三次世界大戦に突入しかねない状況に対して労働者階級の立場から断固として闘わなければならない。「報復」と称した戦争を阻止する闘いが非常に重要になる。
 日本の場合には、憲法の制約下で「報復戦争」に参画できない状況を突破しようと、有事立法の前倒し的強行方針が一挙に噴き出ている。何よりも日本の労働運動を戦闘的に再生させ、日本の労働者が団結して立ち向かうことが焦点になる。その中軸的存在である国鉄闘争をめぐる攻防に打ち勝っていくことの重要性を再度認識する必要があるということだね。
 世界の帝国主義は、二つの世界大戦をくぐり抜けざるを得なかったし、その過程で、ロシア革命の成功という帝国主義者にとっては戦慄(せんりつ)すべき事態が生まれた。だから、帝国主義が帰結する戦争と大失業という問題に対して、資本主義の無政府的な運動を国家の力で規制せざるを得なかった。いわゆる国家独占資本主義という政策だね。それと併せて労働者の要求を、例えば社会保障を受け入れてきた。
 そういうやり方も、一九八〇代に入ってできなくなった。そこに登場したのが、いわゆる「新自由主義」。その特徴は、世界的な規模での規制緩和、規制撤廃だ。それを標榜(ひょうぼう)したのがアメリカではレーガン、イギリスではサッチャー、日本では中曽根だ。中曽根は「戦後政治の総決算」と言って登場した。彼らは、労働組合・労働運動を解体する、あるいは労働者階級に基盤を置く党派を解体しようとした。アメリカではレーガンが航空管制官の組合を徹底的に弾圧した。サッチャーはイギリスの炭労を攻撃した。日本では、国鉄労働運動をたたきつぶす国鉄分割・民営化だ。
 今、このレーガン、サッチャー、中曽根路線なるものが全世界を覆っている。ここで特徴的なのは、アメリカが「グローバルスタンダード」と言って、アメリカのスタンダード(基準)を強制していることだ。あらゆる障壁を取っ払って、全世界がすさまじい弱肉強食の世界にたたき込まれる。
 しかし、日本でのその走りであった国鉄分割・民営化に対して動労千葉を先頭にストライキで対抗し、今なお千四十七名という解雇された労働者の闘いが連綿と続いている。まだ国労という名前が残り、動労千葉という名前が残っている。日本の階級的労働運動が脈々と流れている。その過程で総評が解体され、連合が結成され、日本の労働者は形式的には連合という組織があっても団結がバラバラにされている。この状況の中で国鉄闘争が持っている意味は非常に重要だ。日本帝国主義・支配階級の側にその意識が濃厚にある。
 問題なのは、それが国労の指導部の中にまったくないということだ。五五年体制型の意識で、何か敵の攻撃に対して、労働組合の側が譲歩したり方針を右に振ったらなんとか解決するかのような錯覚に陥っている。だけど実際上は国鉄改革法を認めたって、四党合意を認めたって、敵はアメすらも出さない。結局、労働組合が団結を固めて、生きるか死ぬかの闘いをやらない限りどうにもならない。そういう階級的な本質を認識して、その中で具体的な方針を立てることが問われていると思うね。
 二十一世紀の労働運動を再生させる基軸に国鉄闘争があることを再度認識して、この勝利のために闘っていく以外に、われわれ自身も展望がないし、生きる道がないと思う。

 「聖域なき構造改革」と戦争国家化に対抗する11・11集会の大結集へ

 ――十月国労大会の後には十一月労働者集会があります。その成功に向けて訴えたいことは。
 中野 今年で十一月労働者集会は四度目になる。これは、全国金属機械港合同・田中機械支部の大和田委員長と全日建運輸連帯関生支部の武委員長と僕が三人で話し合い、基本は労働者の団結をつくり出そう、つまり全国的な労働組合のネットワークをつくろうということを主軸にして始まった。要するに今、日本の労働者はバラバラにされている。団結しないと対抗できない。じゃあ団結しようと呼びかけて四回目になるわけだ。いろんな中傷・妨害、敵の攻撃もあったけれど、着実に前進していることは間違いない。
 今年は二十一世紀に突入している。この過程で帝国主義の危機がますます深まっている。アメリカにはブッシュが登場し、日本には小泉が登場した。アメリカは超軍事大国であり超経済大国。他の追随を許さない大国が、単独決定主義なるものを基底に据えて軍事戦略を転換し、CO排出量削減を規定した京都議定書を批准しないとか得手勝手なことを始める。日本では小泉が八〇%の支持を獲得して登場した。「聖域なき構造改革」とは資本が生き残るためには徹底的に首を切るぞという攻撃であるし、徹底的に労働強化を強要し、社会保障制度も解体するぞということだ。一方では日本の最大の弱点である憲法という制約を取っ払い、改憲に向けて、軍事力を行使できる、戦争を遂行できる国家に変身させるぞということが起こっている。そういう中でやるわけだから、過去の三回にも増して非常に重要である。
 しかも九・一一反米ゲリラに対する報復戦争の真っただ中でこれが開催されるかも知れない情勢だ。さらに国労大会決戦の後に開催される。失業率が五%に達し、さらに進むであろう失業者の増大という中で行われるわけだ。
 集会は「小泉『聖域なき構造改革』路線と対決する十一・一一全国労働者総決起集会」と銘打っているとおり、こういった攻撃と真っ向から対決する労働者の団結を形成するための集会だから、非常に死活のかかった闘いになる。五千人結集が本当に死活的である。
 つまり小泉「構造改革」路線と対決する労働者の側の戦略的な対峙陣形をどう形成するかということだ。だから過去三回にも増して、あらゆる労働者・労働組合に働きかけて、何はともあれ、十一月十一日、日比谷野音に来て闘おうということを、あと一カ月半余り全力で訴えなければならない。
 ――全労働者に向けてのメッセージをお願いします。
 中野 日本の労働者にとって選択肢は限られている。やはり闘うのか屈服するのか、それ以外にない。文字どおり闘わなければ生きていけない時代に突入した。それは首を切られた労働者も職場に残った労働者も、「去るも地獄、残るも地獄」という状況だから、生きる道は唯一団結の中にある。
 しかも労働者階級は、団結して階級として登場することに成功すれば、労働者の首を切ったり、結局戦争をやらざるを得ないような体制に引導を渡し、本当に人間が住みやすい、労働者が中心となった社会をつくる能力を持っている階級なわけだ。だから自分たちの力に自信を持って、現代世界の危機に立ち向かう唯一の道はやはり団結であるということを、是非みんなに理解してもらって、十一・一一集会に結集してほしい。
 あとは、一人ひとりの活動家が、自分たちの所属する職場・地域で本当に自らの問題として認識して、主体的に多くの労働者に呼びかけてほしい。五人、十人、二十人に十一・一一日比谷に結集しようと、特に東京周辺をその声で埋めて、ここにこそ小泉の「聖域なき構造改革」と戦争国家化に対抗できる道があるんだということを示すような、騒然たる雰囲気がつくり出せるか否かということが決定的だと思う。それを強く要望したいね。
 ――どうもありがとうございました。

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週刊『前進』(2023号5面2)

「スト絶滅」叫ぶJR総連・松崎 改憲認め戦争協力誓う
 『週刊労働ニュース』8月6日号 これが労使共同宣言の本質

 八月一日に「二十一世紀労使共同宣言」を締結し、JR東日本の「ニューフロンティア21」の先兵となることを資本に誓ったJR総連・東労組カクマル。その頭目・松崎明は、黒田カクマルとの分裂・抗争の末、会長退任という形で資本に取り入り、これまで以上に権力と資本に忠実な手先と化した。松崎は、その立場からあらためて「スト絶滅」をわめき立てている。
 労使共同宣言直後の八月六日付「週刊労働ニュース」に掲載されたインタビューで、松崎はカクマル特有のファシスト的言辞をちりばめながら、次のように言い放った。
 「私も動労、JR東労組の委員長時代を通じて、一回もスト指令書を出していない。理由はストの前提条件がJR東日本ではなかったからだ。労働組合は多くの場合、情緒論で動くが、科学的に経営分析を行って要求も社会的に整理し、外国のデータも学んだ上で、交渉すれば、スト権を行使する前提条件はなくなる」
 現下の情勢において、この松崎発言=スト絶滅宣言はきわめて重大な意味を持つ。今日、米帝ブッシュは九・一一反米ゲリラ戦への「報復」を絶叫し、日帝・小泉は対米支援の名のもとにインド洋や中東への自衛隊派兵を策している。まさに米日帝のアフガン・アラブ侵略戦争が、日本を最大の出撃拠点として全面的に開始されようとしているのだ。その時に「ストの条件はない」と触れ回ること自体、無条件の戦争協力を日帝に誓ったということだ。
 九九年の連合大会で、JR総連は連合政治方針への「対案」という形で、帝国主義国・日本の自衛権を積極的に主張し、安保・自衛隊と改憲を容認すると、あからさまに言明した。その際、JR総連委員長の小田(当時書記長)は、「JRは自衛隊法によって戦争協力を拒否できない」と述べ、新安保ガイドライン下の軍事輸送強制反対に立ち上がった陸海空港湾労働者の闘いに公然と敵対した。
 それをはるかに踏み越え、「軍事報復」を口実に米日帝の侵略戦争の策動が一挙に強まっている今この時に、松崎は「スト絶滅」を叫んでいる。労働者人民の反戦闘争を解体し、アフガン、中東・アラブ人民を虐殺するファシストとしての姿をあらわにしたのだ。
 さらに松崎は、「憲法がある以上、改憲はあり得る」と、むき出しの改憲推進論を唱えている。
 また、JR総連カクマルは二十一世紀労使共同宣言を締結し、連合のどの右派組合幹部をも上回る、資本の極悪の手先に成り下がった。その松崎が、同インタビューで恥知らずにも次のようにほざいている。
 「総評の解体そして連合の結成、これはいわば同盟による総評の吸収で統一ではないと思っている。私は統一に反対だった。連合をつくることの意味は……左派労働運動をいかにつぶしていくかということ」「連合は今や戦前の産業報国会に完全になった。首切りに対する労組の対応は、企業の論理で労働者の犠牲を見殺しにしている」
 松崎よ、お前がいったいどの面(つら)を下げてこんなことを言えるのだ! JR総連カクマルは、小泉「構造改革」の最悪の先兵となっているではないか。JR資本は、メンテナンス外注化でJR本体の労働者に出向・転籍−賃金切り下げを強要し、あわせて国労・動労千葉の解体を狙っている。その憎むべき手先となっているのが、松崎、お前ではないか!
 さらに、国鉄分割・民営化の中で、「見殺し」どころか、労働者の首切りに直接手を下した者こそ、松崎を先頭とするカクマルだったのだ。「同盟による総評の吸収」の引き金を引いたのは、いち早く総評脱退という暴挙を行った松崎率いる動労にほかならない。
 一大資本攻勢と連合の屈服・協力、そのもとでの労働者のかつてない苦境を生み出したのは、松崎の度を超えた転向と裏切りだ。まさに連合の「産業報国会」化の先兵こそ、松崎・JR総連カクマルなのだ。
 その松崎が、自分たちを「闘う労組」であるかのように押し出すペテンが、いったいどこで通用すると思っているのか!
 連合を「産業報国会」とファシストの立場から「批判」する松崎は、゛労働運動はもう絶滅された。労働者は資本の言うがままに首を切られ、こき使われ、日帝の侵略戦争にも命を投げ出せ″と言いたいのだ。

 国鉄闘争の圧殺策すファシスト

 さらに許しがたいのは、千四十七人闘争への松崎の悪らつきわまる敵対だ。
 「原地原職、例えば北海道の元の職場に就職させろと言っても、それはゴネ得であり、認められない。しかし、東日本にくるから、とりあえず関連会社に入り、そこで働きぶりを見た上でJR本体で列車を動かす仕事をさせてくれと言うのなら筋は通る」
 十四年に及ぶ闘いを貫き、四党合意との死闘を展開する千四十七人闘争こそ、小泉「構造改革」の前に敢然と立ちはだかっている。それに反革命的憎悪を込めて襲いかかっているのが松崎カクマルだ。
 松崎を絶対に許すな! 労働者階級の怒りで打倒せよ。JR総連を解体しよう。資本とカクマルに組合員を差し出す国労現執行部を引き降ろし、国労の階級的再生をかちとろう。

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週刊『前進』(2023号6面1)

第6回全国大会報告・決定集を刊行

 20世紀総括し21世紀革命の展望示す
 第3次世界大戦の危機との対決訴え

 待望の『革命的共産主義者同盟第六回全国大会報告・決定集』上巻が刊行された。九・一一反米ゲリラ戦争への「報復」を口実にアフガニスタン・中東への米帝の侵略戦争が強行されようとしており、第三次世界大戦に突入する情勢が急切迫している。今回の事件はなぜ引き起こされたのか、これをどのようにとらえたらよいのか。アメリカを始めとする帝国主義諸国が侵略戦争・帝国主義戦争に突き進もうとしているのはどうしてなのか。これに対してわれわれは、そして世界のプロレタリアートと被抑圧民族人民はどのように考え、行動すべきなのか。これらの問いに、この『大会報告・決定集』全体、とりわけ第二報告「二〇世紀の総括と二一世紀革命の展望にかんする革共同の基本的見解」は本質的なところで核心的に答えている。戦争と大恐慌に向かって激しく動く大情勢を前にしてまず第二報告を読むことを勧めたい。

 大会戦取の意義 革命の決意を内外に

 わが革共同は二〇〇一年前半において第六回全国大会をかちとった。
 その歴史的意義の第一は、二十一世紀の冒頭に党大会を実現し、革命勝利の路線を打ち立て、「二十一世紀のできるだけ早い時期に世界革命を実現する」という革共同の決意を内外に鮮明に表明したことだ。
 われわれは、六六年の第三回大会から七〇年安保・沖縄決戦へと突き進んだように、そして八一〜八二年の第五回大会から八〇年代の三里塚・国鉄決戦を闘い、さらに九〇年決戦にまで上りつめ、九一年の五月テーゼ的転換を可能とする主体情勢を切り開いたように、第六回大会を起点として、反帝・反スターリン主義世界革命の実現に向かって日本階級闘争の革命的爆発をかちとる決意である。
 第二に、世界経済の大恐慌過程への突入、帝国主義間争闘戦の激化、米帝ブッシュ政権と日帝・小泉政権の登場に示されるように、内外情勢が革命的情勢への急速な接近の様相を色濃くする中で、第六回大会がかちとられたことである。
 何よりも、反革命カクマルが黒田・中央派と松崎・JR総連派とへ大分裂する中で大会を開催し、そこで「黒田哲学は死んだ」という歴史的な宣言を発した。
 このようなこれ以上は望めない絶妙なタイミングのもとで大会を実現できたこと自体に、われわれのこれからの闘いの発展と勝利の展望が示されている。
 第三に、日帝国家権力の弾圧態勢から大会を防衛しきったことの勝利性だ。
 ○○○人に上る代議員が全国各地から結集し、○日間の大会をかちとり、そして再び各地に戻る全過程を権力から完全に秘匿しきった。これは、七〇年闘争以来の権力やカクマルとの内乱的死闘をとおして切り開いた非合法・非公然の党建設の前進と全同志の資質の高さをもってすれば、われわれがいよいよ到来した階級的激動の時代に勝利できることを示すものである。
 第四に、本来の大会級の規模をもつ代議員の数と構成の特徴、討論での発言の水準という点で、かつての大会を超えたことである。
 特に代議員の中の労働者比率の大きさは、第六回大会の特筆すべきことがらであり、五月テーゼを本格的に実践し、革共同の飛躍と前進を保証するものにほかならない。そして、大会をつうじて労働者党員が革共同の路線・方針の形成に参加したことは画期的なことであり、労働者党建設の決定的な一歩をしるした。
 そして、討論でのそれぞれの発言は、代議員が闘いをとおして鍛えられた同志であることを示すと同時に、一九全総―二〇全総として推進されてきた路線的・組織的一致の闘いの到達地平を表すものだった。
 第五に、本大会において規約の改定を行ったことである。
 特に規約前文である「同盟の目的」は、旧規約制定以来三十五年間に及ぶ闘いの意義と地平、大情勢・階級情勢の変化の内容を反映させるものとして全面的に改定され、第二報告とともに革共同の「綱領」として今日的に労働者人民の前に提示できるものとなった。
 第六に、代議員による選挙で全国委員・同候補委員を選出し、引き続く二一全総において政治局員を選出し、清水丈夫議長―天田三紀夫書記長体制の継続を確認したことである。
 革命党の生命線は〈党大会・綱領・規約〉にあるとされるが、われわれは、第六回大会をかちとり、綱領的位置をもつ文書(第二報告と「同盟の目的」)と規約を定め、中央指導体制を確立することによって、革共同の労働者党としての新たな出発をかちとったと宣言できるのである。

 報告集の核心点 創成以来の党史展開

◎『大会報告・決定集』の全内容
 『大会報告・決定集』は今回、上巻を刊行し、下巻は十二月の刊行を予定している。
 上巻に収録された報告、および採択・決定された事項は以下のとおりである。
 第一報告 総括と党建設の基本的諸問題
 第二報告 二〇世紀の総括と二一世紀革命の展望にかんする革共同の基本的見解
 第三報告 国際・国内情勢分析(六つの論文)
 第四報告 当面する任務・方針について
 第七報告 世界大恐慌と革命の時代の到来(島崎光晴論文)
 同盟規約
 そして、冒頭に「第六回全国大会報告・決定集の刊行にあたって」をおいた。
 下巻には、以下の報告などが収録される。
 その一方の柱が、「黒田哲学」批判の二つの報告である。
 第五報告 いまこそ黒田「哲学」の総括・批判・打倒のたたかいに立ちあがろう
 第六報告 「黒田哲学」を全面的に批判する(仲山良介論文)
 そして他方の柱が、憲法闘争、沖縄闘争、入管闘争、部落解放闘争、反戦・反核闘争、反弾圧闘争の報告であり、大会の名において除名を決定した白井朗弾劾の報告である。
◎総括
 「第一報告 総括と党建設の基本的諸問題」は、副題が「対カクマル戦の勝利と革共同がきりひらいた地平」とされており、冒頭に「対カクマル戦の歴史的大勝利の情勢を、革共同は数十年(四〇年になんなんとする年月)の闘いと戦いをとおしてついにきりひらくにいたった。今次第六回全国大会で、まずこの点を、われわれは圧倒的な確信をもって総括するものである」(二三n)とあるように、対カクマル戦の勝利の総括を軸に展開されている。カクマルの中央派とJR総連派とへの不可逆的な分裂をかちとったという歴史的勝利の地平から、黒田・カクマルの全面的な破産と危機が徹底的に明らかにされている。これが第一報告のひとつの軸である。
 また、下巻に収録される「黒田哲学」批判の第五、第六報告は、第一報告の「三、(4)黒田哲学の反革命的正体とその破産」で提起されている内容を全面的に展開したものであり、対カクマル戦勝利の決定的地平を明らかにするものとして第一報告と一体である。
 第一報告のもうひとつの軸として、「五、革共同の小史」で、創成以来四十年以上にわたる闘いが余すところなく総括され、党史が展開されている。革共同とは何であって、どのような思想と理論、戦略と路線、戦術と方針をもって、どのような闘いをやってきたのかということに関して、つまり党史において古参から新人の同志まで共通の深い認識をもつことは、党の団結と一致をかちとるうえでのかぎをなしている。そのことをとおして世界革命の思想、その理論と実践、革共同そのものへの確信と誇りが生みだされるからである。
 引き続いて、「六、五月テーゼ論と一九九〇―二〇〇〇年の一〇年間のたたかいの総括の視点」では、五月テーゼの本質を「『歴史的存在としての革共同』が革命精神をたぎらせて一個の勝利的貫徹者として階級戦の戦場に躍りでた」(九〇n)と規定し、五月テーゼ論とこの十年間の闘いの総括がこれまで以上に踏み込んで展開されている。
 第一報告の後半の「U党建設の基本的諸問題」では「大会の獲得するべき課題」(副題)が提起されている。
 ここで一つだけとりあげるならば、「党建設としての党建設の根幹は、じつは党の拡大闘争を目的意識的・計画的に実現することにある」(一二二n)と提起されていることである。第六回大会で決定された党勢倍増方針を断固実現しよう。
◎第二報告
 われわれは第六回大会において二十一世紀を闘いぬく革命的テーゼを確立した。それが第二報告「二〇世紀の総括と二一世紀革命の展望にかんする革共同の基本的見解」である。第一報告と並ぶ大会の精華である。それは、第三回大会で確立した反帝・反スターリン主義論と戦後世界体制論を受け継ぎ、九一年ソ連スターリン主義の崩壊と現代世界の展開基軸の転換をふまえて、二十世紀を総括し新たな時代認識を確立し、二十一世紀革命=反帝・反スターリン主義世界革命論を打ち出したものである。この綱領的文献をつくり出したという点で、第三回大会を超える歴史的な大会として第六回大会がかちとられたと言えるのである。
 この第二報告を学習・討議し、その内容で武装していくことが労働者階級の階級的自己形成と党の組織的自己形成の闘いにとって決定的であり、党建設の前進の今日的な環である。
 第二報告の構成は、「一、帝国主義段階論」「二、レーニン主義論」「三、スターリン主義の決定的裏切り」「四、戦後世界体制の崩壊と反帝国主義・反スターリン主義世界革命」となっている。
 それぞれにおいて、ソ連の崩壊以後の現代世界分析における理論的前進の成果がまとめられている。その中で特に強調したいことは、「二九年型世界大恐慌の現実化が始まり、世界経済のブロック化がいよいよ進行してくるなかで、崩壊したスターリン主義圏と残存スターリン主義圏のとりこみをめぐって争いが具体的に激化していくとき、帝国主義対帝国主義の対立は、帝国主義であるかぎり第三次世界大戦へとつきすすむしかない」(二〇六n)として、新たな「現代戦争テーゼ」を打ち出したことである。
 そしてこれに対応したものとして、「現代のプロレタリア世界革命の戦略」を、第一に、ロシアなど崩壊したスターリン主義圏の新しいプロレタリア革命、第二に、中国など残存スターリン主義圏のスターリン主義打倒の革命、第三に、帝国主義諸国を含む全世界の労働者人民による世界革命――という立体的構造として提起し、「現代世界革命の戦略は反帝・反スターリン主義世界革命戦略をおいてない」として「反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ」(二〇八n)というスローガンを提起している。ここに革共同の綱領的な前進が示されている。
 最後に、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」の「戦略的スローガンのもと、労働者階級・人民大衆の内部に強固な労働者党を建設していくこと、そして到来する革命的情勢の成熟のなかでプロレタリア革命の勝利をかちとっていくこと――これこそわが革共同の二一世紀革命にむかっての基本的・綱領的路線でなければならない」(同)と力強く訴えて、第二報告は結ばれている。
◎第三報告、第四報告、第七報告について
 第三報告は、米帝経済、日帝経済、資本攻勢の三つの論文と、EU情勢、アジア情勢、スターリン主義の問題と南北朝鮮情勢の三つのレジメからなっている。この中で資本攻勢分析の論文は特に重要である。
 第三報告と第七報告(島崎論文)は一体で学習・討議してほしい。
 第四報告「当面する任務・方針について」は、都議選決戦、改憲決戦、大資本攻勢との対決、超長期獄中同志奪還、党建設の直面する各課題について提起している。
 末尾に、大会で採択された新規約と旧規約が収録されている。本紙二〇一九号に掲載された「解説」を手引きにして両者を読み比べると、新規約制定の意義をあらためて確認できる。

 カクマルに打撃 黒田哲学の死を宣言

 われわれの第六回大会開催の「特別声明」(本紙二〇一七号)を見てショックを受けたのは国家権力ばかりではない。反革命通信一六八三号で必死のけちつけに及んだカクマルはその打撃感を隠しきれない。
 カクマルは、「常任の会合を党大会に格上げした」とか「手ごろな文章を議案と称している」とか言って、第六回大会は開催されなかったと自分をなぐさめている。そして、『大会報告・決定集』がいつ刊行されるかと戦々恐々としている。革共同の第六回大会開催と『大会報告・決定集』の刊行にカクマルがいかに動転しているのかが手に取るようによくわかる。
 カクマルは、第六報告である仲山論文は「昨年十二月ごろ書かれたもの」だから大会報告であるはずがないと的外れなことを言っている。ところがカクマルは、仲山論文のタイトル「『黒田哲学』を全面的に批判する」には一言も触れられない。黒田哲学批判が第六回大会の主要テーマであったことを内部にひた隠しにしようとしているからである。黒田・カクマルよ! 大会について何か言うのだったら、半年以上たっても仲山論文に何ひとつ反論できない自分の破産と混迷を振り返ってからにしろ。
 またカクマルは、『共産主義者』第一二八号に掲載された入管闘争論文と部落解放闘争論文についても「再利用」の論文であり、大会報告ではないと主張している。「革共同中央入管闘争本部」と「革共同中央部落解放組織委員会」という署名でテーゼ的な論文が並んで掲載されているのを見て、それらが重要な指導的論文であると判別できないようでは、カクマル指導部の政治的感覚も鈍麻しきってしまったと言わざるをえない。
 さらに、カクマルが第五回大会について今回初めて知ったのは当然のことであるが、六七年の第四回大会が「この世に存在していなかった」などと言っているのはお笑いである。カクマルがわが『前進』や『共産主義者』をまともに読んでいない低水準ぶりを自己暴露している。白井の言っていることに頼って革共同にけちをつけようとするから、こんなみっともない失敗をするのだ。
 最後に、カクマルは自分たちが二十回以上も大会を開いていることを押しだしているが、一度たりとも「大会開催の声明」や『大会報告・決定集』を出したことがない。黒田が「謀略と直観したこと」が正しかったかどうかをめぐって果てしない「内部思想闘争」を繰り広げるのがカクマルの大会の常である以上、「声明」も『大会報告・決定集』も望むべくもないということである。
 『大会報告・決定集』の刊行が、大会開催の事実がカクマルに加えた打撃を倍加する直撃弾となることは確実である。これこそ第六回大会路線の最初の物質化である。
 第六回大会路線のもと、いざ二十一世紀革命の勝利へばく進しよう。
(第六回全国大会報告・決定集刊行委員会)

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週刊『前進』(2023号6面2)

10・7三里塚全国集会へ 反対同盟からのアピール(下)

 暫定滑走路は破産 事務局長 萩原進さん

 反対同盟は二年間決戦で闘って来た。結論から言えば、政府や公団は、二千五百bの平行滑走路を造りたかったが、それがまったくできない状況になっている。闘いは勝利的に推移している。住民がたたき出されるどころか、意気軒高と存在し闘っている。これまでと同様に闘いぬく。暫定滑走路は破産しているということだ。
 敵が出している十月末完成―テスト飛行―来春四月開港というスケジュールは、新たな攻撃としてある。テスト飛行と称してジェット機を実際に飛ばすことによって追い出す攻撃だ。日常的に精神的苦痛を強いる攻撃だ。思想性と人間性が問われる。問題はそこにいる者たちがどうするのか。支援する人たちはどうするのか。勝利的展望を持ってどういう闘いをするのか、その中にいる人たちが頑張れる陣形と闘いをつくれるかにかかっている。
 今日の政治と社会、経済、どれひとつとっても、激動の渦中にある。解決不可能の危機にある。そういう中で小泉や石原が登場している。しかし彼らに解決できるのか。ますます混乱を招く以外にない。今は目新しいので支持率があるに過ぎない。急降下するのは明らか。彼らの言う「痛み」を超えて苦痛のどん底で怒りが臨界点に達して爆発する。それは、三里塚の地から日本の状況を見るとよく分かる。
 教科書問題、靖国の公式参拝の攻撃に続き、PKO法の改悪、有事立法・改憲と連続する攻撃がある。それから土地収用法の改悪もあった。危機打破のために戦争の道を選択しようとしている。危機を突破するのは軍事力だということになる。そしてそのためには空港が必要だとなり、最後は福祉切り捨てや大失業という形になっていく。
 こうした状況は、三里塚勢力の主張してきたことの正しさを証明している。三里塚勢力が大胆に闘いぬいていく時が来たということだ。十月全国集会は、現地情勢的にも、日本の政治・経済・社会的にも大激動の渦中で開かれる。あらためて三里塚闘争は決定的な位置をもっている。
 ゆえに数が問題になる。三里塚の地に新たな闘いの炎を上げよう。そこから全国に飛び火を広げていこう。そういう構図が今度の十月集会だ。全国から駆け参じて闘ってほしい。

 黙っていたら戦争 本部役員 鈴木幸司さん   

 政府や公団は、来春四月の開港を宣言しているが、これは三十六年前のやり方とまったく変わっていない。権力を持っている者は何をやってもいいのか。そんなことはさせない。それが三里塚の闘いだ。
 反対同盟はもちろん、全国の人たちが総力をあげて実力闘争の態勢を構築しなければならない。飛行機を飛ばしたくても飛ばせないような闘いをやるということだ。人民にはそういう力がある。勝利するために、人民の輪をどうつくるのかが課題だ。強制代執行、鉄塔、砦決戦……。その都度、精一杯闘ってきた。その成果が三十六年間の闘いだ。これを絶対に許してはならないという怒りだ。
 黙っていたら戦前と同じだ。戦争になってしまう。戦争を止めるのは、われわれしかいない。闘う人民をひとりでも多くつくり上げることが重要だ。今の闘いを徹底的にやることだ。政府や公団は無責任なことしかやっていない。権力者たちのなんでもできるという感覚をぶち壊してやらねばならない。三里塚の大地をひっくり返すような人民の決起をつくり出すことが必要だ。
 戦争が始まれば、新ガイドライン体制のもとで日本全土が基地になる。敗戦直後、私はモンゴルに抑留され、重労働に従事させられた。一緒に抑留された三百五十人のうち三百人が死んだ。最初は「神の国」がなんで負けたのか、戦争に負けなければ……と思った。しかし、日の丸、天皇にだまされたと思うようになった。天皇制の恐ろしさは本当に身に染みている。
 八月十三日に小泉首相が靖国神社に公式参拝したが、かつて兵隊に行く時、「死んで会うのは靖国神社」「靖国に祭られるのが最高の名誉」とされていた。天皇制のもとで、そういう教育を受けてきた。
 天皇制をなくすことが、アジア人民への謝罪で一番分かりやすい。「新しい歴史教科書をつくる会」のやっていることは、大変大きな問題だ。広島の教育労働者のような強い闘いをやっていかないと。
 どんなことをしてでも平行滑走路は絶対に造らせてはならない。反対同盟は実力闘争で闘います。十・七全国集会に全国の皆さんの総結集を訴えます。

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週刊『前進』(2023号6面3)

婦民全国協 第18回総会 “戦争を絶対阻む” 女性の力の拡大へ

 八月二十五、二十六日の両日、婦人民主クラブ全国協議会の第一八回全国総会が大阪市中央区で開催され、全国各地から闘う女性たちが集まった。今総会のメインスローガンは「小泉反動政治をうち砕く女性の力の泉を掘り起こそう」。この一年間の闘いの前進に自信と確信を持ち、小泉政権と対決する闘いを力強く発展させようと、活発な報告と討論が交わされた。
 冒頭、西村綾子代表のあいさつに続き、来賓あいさつが行われた。北富士忍草母の会事務局長の天野美恵さん、部落解放同盟全国連合会の北浦寿恵子婦人部長、労組交流センター女性部、泉佐野市議会議員の国賀祥司さん、被災地ワーカーズコープが発言に立ち、ともに闘う決意を述べた。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、うないネット・コザ主宰の桑江テル子さんのメッセージが紹介された。
 「つくる会」教科書の採択を阻むという大勝利をかちとった東京・杉並区の保護者が、闘いを報告した。
 「四月に運動を立ち上げ、街頭署名活動や労組、教会訪問など、一人ひとりがやらなければという思いで取り組みました。今では教科書の問題を含めて平和を守ることが一生の大きな課題だと思っています」
 教訓に満ちた報告に、参加者は大きな拍手でこたえた。
 運営委員が議案を提起。
 「T 私たちをとりまく情勢」では、「小泉は今までの首相とまったく違う。核心は改憲と戦争国家づくりであり、そのために『国のためには犠牲になるのが当然』という価値観を押しつけようとしている」、「U 二〇〇〇年度総括と二〇〇一年度方針」では、「昨年の総会で教育改革を改憲への重大攻撃ととらえ、全国で教科書闘争に取り組んだ。小泉が子どもたちを鉄砲の弾として使うことを許すのか。生きることそのものがテーマという時代だ。この時、命を育む女性の果たすべき役割が本当に大きい」と訴えた。
 「V 婦民全国協運動と組織の拡大発展を」では、結成以来十七年間の闘いの意義を確認し、「小泉の戦争政治と正面から対決するため、婦民が全国各地に運動をつくっていこう」と、闘いの中で組織拡大をかちとろうと強く呼びかけた。
 特別報告として、教科書闘争、連続学習会、沖縄における闘いの報告、保育所問題が報告された。
 二日目は、婦民全国協の飛躍と組織拡大をテーマに二つの分散会が行われた。
 全体討論では靖国闘争、「日の丸・君が代」闘争、職場での闘い、介護保険闘争など、多彩な取り組みと豊かな教訓が報告された。高齢の会員は、自らの戦争体験と「二度とこの過ちを繰り返さない」という闘いの原点、婦民の飛躍への熱い思いを表明した。
 西村代表が、「今本当に戦争を阻むことができるかどうか、私たちに待ったなしに突きつけられている。アジアの人びとと連帯して戦争を絶対に阻むために、婦民全国協はもっと大きな団結をつくり出そう。直ちに秋の闘いに飛び出そう」とまとめた。
 議案、スローガン、特別決議と総会宣言を採択して閉会した。

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週刊『前進』(2023号6面4)

狭山異議審 高裁と気迫の対決 10・3〜5連続行動へ

 九月十日、部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘は、三十人の参加で狭山差別裁判糾弾―東京高裁要請行動を闘い抜いた。
 台風接近の荒天の中、要請団は午前十一時から要請行動を行った。高裁第五刑事部・高橋省吾裁判長は、脅迫状に関する齋藤保鑑定などの新鑑定が石川一雄さんの無実、高木棄却決定の誤りを明白に証明しているにもかかわらず、いやそれゆえにこそ事実調べをかたくなに拒否し、石川さんの異議申し立ての棄却を強行しようとしているのだ。
 高橋の暴挙を絶対に許してはならない、この要請行動で事実調べの扉をこじ開けようと気迫を込めて要請行動に臨んだ。
 ところが、裁判所の対応は実に許せない差別的なものだった。要請団が「どうして事実調べをやらないのか。高橋裁判長の所へ行って直接要求したい。刺し違えても再審を求めていく」と、烈々たる怒りと糾弾をたたきつけると、訟廷管理官・舟戸は震え上がって、「刺し違えるとは脅迫だ。発言を取り消してもらいたい」などと反発をあらわにしたのだ。
 裁判所が真実を踏みにじり、差別裁判を四十年近くも続けて無実の石川さんを苦しめていること、このことへの部落大衆の怒りの深さ、激しさを真正面から受け止めようともせずに、発言の取り消しを要求する舟戸の対応に要請団の怒りは爆発した。「裁判所のそういう対応が部落差別を生み出しているのだ。謝罪しろ」「われわれは、お願いに来ているのではない。差別裁判を強行する高裁を糾弾するために来ている。あなたはまったく分かっていない」と、徹底的な糾弾が行われた。
 裁判所の硬直的で居丈高な対応は、小泉極反動政権のもとで、東京高裁・高橋が異議申し立て棄却の動きを決定的に強めていることを示している。棄却攻撃で石川さんの闘いと狭山闘争を押しつぶそうと狙っているのだ。絶対に許してはならない。
 解同全国連は十月三、四、五日に連続要請行動に決起する。連帯し全力で闘おう。
 狭山百万人署名運動と紙芝居を武器に、九〜十月狭山闘争に決起しよう。

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