ZENSHIN 2001/09/17(No2021 p06)

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週刊『前進』(2021号3面1)

9・1演習粉砕闘争 首都圏の戦争動員と対決 自衛隊主導の訓練を弾劾
 終日各地で監視・集会・デモ

 調布 430人で抗議デモ

 調布基地跡地や多摩川河川敷会場のある調布市内で一日午後、「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」実行委員会の呼びかけで抗議集会とデモが行われた。
 演習の行われた午前中、各会場で抗議・監視行動を行った労働者や学生ら四百三十人が調布市・調布グリーンホールに集合し、午前中の抗議と監視の様子を報告。その後、市内をデモした。
 集会は、立川自衛隊監視テント村の司会で進み、各会場の様子が集約された。
 三多摩行動実行委が八王子駅前と南多摩高校での訓練の様子を報告した。
 八王子市では、反対の声の高まりで、自衛隊参加を市の広報に載せさせなかったことなどが報告され、南多摩高校の報告では、「これまで公立学校に自衛隊が堂々と足を踏み入れたことなどない」と強い危機感を表明するとともに、現場の教育労働者と地域の反対で強制動員をやめさせたことを報告した。
 調布基地跡地会場の様子を学生が報告。会場の入り口で、見学者の身分証の提示やかばんの中まで調べられ、゛選別と排除と管理″の訓練だったと弾劾した。別の学生は「軍事演習としか思えない」と訴えた。
 さらに多摩川河川敷や立川、練馬、朝霞基地、都庁での訓練の様子や抗議行動について、破防法と組対法に反対する共同行動や北部労働者共同闘争会議などが報告した。
 各会場からの報告で訓練の全体像と実態が明らかになり、「やっぱり有事治安演習だ」と参加者の怒りは高まった。さらなる今後の闘いの継続を誓い、市内デモに出発した。第二梯団は反戦共同行動委員会。甲州街道では訓練に参加した自衛隊の車両とすれ違ったり、市民からの声援を受けながらデモを貫徹した。


 川崎 虐殺繰り返さぬ

 七都県市合同防災訓練中央会場の川崎市新鶴見操車場跡地で、自治体労働者を先頭に終日闘いが続いた。
 関東大震災時に虐殺された朝鮮人・中国人の屍(しかばね)がいまだ眠る多摩川河川敷、在日朝鮮人居住地域が広がる川崎で陸海空三自衛隊の有事出動演習を行うことなど許せるか!
 《陸海空自衛隊による九・一川崎防災訓練反対!》実行委員会は、朝から市内四訓練会場の監視行動を行うとともに、JR南武線矢向駅でビラをまき、「川崎の公共ふ頭への戦後初の自衛隊艦船入港―上陸に反対します」と訴えた。
 午後二時、幸市民館で集会をかちとった八十人がデモに出た。「私たちは戦争訓練には協力しません。朝鮮人・中国人虐殺の歴史を繰り返してはなりません」――宣伝カーの訴えに誰もが立ち止まり、ビラを受け取る。中学生がこぶしをあげ、青年労働者も仕事の手を休めてデモに注目した。
 東扇島の公共ふ頭には海自特務艇はしだて、輸送艦さつまが入港、沖合に掃海艇はつしまが停泊。中央会場では陸自のやぐらが建てられ、自衛隊車両が展開する中、午後一時三十分、防災服の小泉が登場した。川崎工業高校の校庭では自衛隊・警察・消防隊が結集訓練を強行。高校生は「おれらも殺されるんじゃないか」と怒りの声をあげた。

 横田 新城区議らが申し入れ

 米軍横田基地では、新城節子杉並区議を先頭に都政を革新する会が午前七時二十分に第二ゲートに登場し、ビッグレスキュー2001の即時中止を求める申入書を読み上げた。(写真)
 同基地では空自のC130やC1など大型輸送機四機、自衛隊ヘリ二機などが発着を繰り返して自衛隊岐阜病院医療班や北海道警、宮城県警の空輸、消防車の搬送などを行い、米軍が航空管制を行った。まさに日米共同軍事演習だった。
 石原は午前十時二十五分にヘリで到着。「敗戦以来(日本に)返って来ない横田基地をきょう初めて日本人が使った」と得意げに語り、小泉に視察を要請、小泉も午後一時過ぎ、ヘリで基地上空を一周した。

 調布 監視妨害に怒りの抗議

 調布基地跡地も自衛隊の制圧下に置かれた。臨時ヘリポートにひっきりなしに自衛隊ヘリが飛来し、三沢の空自の部隊が航空管制にあたった。午前十時、第三一普通科連隊指揮所と看板のあるテントの前に兵士が整列。十時二十五分、バイク五台と装甲車一台が偵察として会場に突入し、訓練が始まった。正午前、小泉と石原がヘリで到着して視察した。医師会や地元住民もトリアージ訓練や炊き出しに駆り出された。調布一中の生徒も消火訓練や負傷者救助訓練に動員された。
 三多摩行動は監視行動に立ったが、会場に向かう歩道橋上で機動隊に阻まれた。自治会で動員された住民だけを通し、反対派は絶対に会場に近づけない権力に怒りを燃やし、抗議行動を続けた。この権力の対応も有事出動演習の一環だ。まさに治安出動として訓練が強行されたのだ。三多摩労組交流センターは早朝から飛田給駅前で軍事演習反対の街頭宣伝を貫徹した。

 多摩川 視察の石原を迎え撃つ

 多摩川河川敷では、三多摩行動の監視行動と、反戦共同行動委の宣伝戦が午前八時から闘われた。街宣は調布側の多摩川河川敷の手前の交差点で行われ、横断幕を広げマイクで「治安弾圧訓練反対」と訴えた。
 演習は、自衛隊が五百五十人参加し、トリアージ訓練や渡河訓練などが行われた。海自の対潜哨戒機P3Cが偵察に飛来、陸自ヘリでの輸送訓練など、自衛隊主導の様相が明白だ。
 午前十一時すぎに石原がヘリで飛来。その五分前から権力は街宣隊を排除にかかり三十分間にわたって動きを封じた。石原に抗議の声が届くのを阻むためだ。
 国家権力は、反対運動や監視行動の排除を「防災訓練」の一環に位置づけて治安弾圧訓練を行ったのだ。正午少し前、反戦共同行動委がデモを終え河川敷に到着、土手の上からシュプレヒコールをたたきつけた。

 八王子 高校生強制動員と対決

 JR八王子駅前では自衛隊の戦闘車両が制圧する中、駅構内で列車が転覆して化学ガスが漏れたことを想定した訓練が行われた。爆音を響かせた空自の大型ヘリが降下訓練を行った。
 南多摩高校では校庭や体育館で演習が行われた。校長は生徒全員を動員しようとしたが、教育労働者らの反対により七十〜八十人の参加となった。強制参加の放送部の生徒は音響設備設営に、パソコン部の生徒は被災者支援安否情報登録検索システム(IAA)訓練に動員された。ほかにもボランティアの生徒が応急救護訓練や炊き出しなどに動員された。残りの生徒は自宅待機と安否報告が義務づけられた。自衛隊員二十人は給食訓練を行った。
 三多摩行動は駅前と南多摩高校で演習反対の情宣と監視行動を行った。

 8・30 治安出動反対を 八王子で250人がデモ

 八月三十日、「ビッグレスキュー東京2001」会場の都立南多摩高校近くの船森公園に二百五十人が集まり、集会とデモがかちとられました。「ビッグレスキュー東京2001に反対するための集会実行委員会」が主催し、八王子勤労者市民センターに結集する都高教、都職労などの労組、「止めよう戦争への道!八王子連絡会」などが一堂に会しました。
 司会の都職労建設支部の仲間が「自衛隊のための治安出動訓練に断固反対しよう」と開会宣言。実行委の共同代表は「横田基地が加わり、米軍と自衛隊の新ガイドライン訓練になった。有事出動を許さない闘いを」と訴え。都高教の南多摩高校の仲間は「校長は全員参加を狙ったが五十人に押しとどめた。しかし実態は強制参加だ」と当日までの闘いを呼びかけました。「ビッグレスキュー2001に反対する三多摩行動」が当日の抗議・監視行動を呼びかけ、横田基地飛行差し止め訴訟団が「石原知事の軍民共用化を狙った布石を絶対に許さない」と訴えました。八王子市民・八王子教組は「九・一を戦争への道を止める闘いとしよう」と熱く訴えました。
 市内デモは八王子市民の多くの激励を受けて大いに盛り上がりました。
 カクマルは実行委員会から事前に「参加させない」と通告され大打撃を受け、ビルの陰でビラをまくありさまでした。(労働者T・T)

 大阪でも立つ 演習弾劾で街宣 

 九月一日、「とめよう戦争への道!百万人署名運動・関西連絡会」が、首都圏での自衛隊治安出動訓練を弾劾する街宣を大阪・難波高島屋前で行いました。
 「憲法改悪反対! 自衛隊の治安出動訓練反対! 有事立法反対!」と熱烈に訴え、多くの労働者が立ち止まってアジテーションに聞き入り、署名に応じてくれました。討論の輪ができ、ある労働者はリストラに不安と怒りを訴え、小泉に怒りが噴出する場面もありました。(投稿 ST)

 

 

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