ZENSHIN 2001/08/27(No2018
p06)
|
週刊『前進』(2018号2面1)
8・15小泉の靖国参拝に猛反撃
“侵略戦争美化 絶対許すな” 右翼と激突し怒りの決起
八・一五靖国闘争は、八・一三小泉の靖国神社参拝を弾劾する実力抗議闘争として爆発した。来日して闘いぬく太平洋戦争犠牲者遺族会、韓国全土で激発する抗議デモ、さらに中国、フィリピンなどアジア各地に広がる小泉弾劾の声。反靖国闘争を闘いぬく宗教者・市民と広範な実行委員会を形成し、右翼・警察と対峙し靖国神社境内に迫った。その最先頭で反戦共同行動委員会は戦闘的デモを闘いぬいた。
反戦共同がデモ
八月十五日午前、八・一三闘争を引き継ぎ、反戦共同行動委員会は靖国神社参拝弾劾を闘った。労働者や学生ら百八十人が結集。靖国神社に向かって戦闘的なデモを闘った。
反戦共同行動委は、二日間九時間にわたる強力なデモ申請を闘い、靖国神社前を通るデモコースを警察に認めさせた。しかし、八・一三闘争の爆発に恐怖した都公安委員会は、デモコースを暴力的に変更。警察はデモ出発点の加賀公園から過剰な弾圧体制を取った。東京反戦共同行動委の三角忠代表や結柴誠一事務局長、新城節子杉並区議らを先頭に参加者全員でこれを弾劾、デモをかちとった。
さらに十三日に続き、またも早朝から法政大学学生会館に不当な家宅捜索を強行! 怒りに燃えた全学連が闘いの先頭に立った。
主催者を代表して結柴さんがあいさつ。アジア人民の抗議を踏みにじり、小泉が靖国神社を参拝したことを厳しく弾劾した。警察のデモコースの変更や集会妨害を弾劾し、改憲と戦争の道をひた走る小泉打倒へ新たな闘いを、と訴えた。
全学連の松尾純一副委員長が基調報告に立ち、「靖国神社は国家と天皇のために戦死したものだけを“神゜として祭り、国家や天皇のために死ぬことがすばらしいという価値観を強制し、学生・労働者人民の侵略戦争動員の中心的役割を果たした軍事施設だ」と弾劾した。「靖国神社には、かつて日帝が行ったアジア民衆二千万人虐殺の侵略戦争に対する反省などない」と訴え、闘うアジア人民と連帯し小泉政権打倒を、と呼びかけた。
続いて、広島大学と東北大学の学生から決意表明があり、広大生は、八月六日、小泉の祈念式典出席を二百八十人のデモで弾劾し、八・六ヒロシマ大行動も大成功したと報告した。
最後に労組交流センターの労働者が決意表明。日本を戦争国家体制に持っていく動きに反撃して粉砕していくと訴えた。
右翼の街宣車が走り回る中、デモ隊は加賀公園を出発した。市谷の防衛庁前では自衛隊の東ティモール派兵決定を弾劾した。さらに靖国神社に肉薄する戦闘的なデモを貫徹した。デモの途中、参拝反対を訴える人びととエールを交換するなど沿道の注目を集めた。
宗教者らが抗議
八月十五日午前、「八・一五小泉首相の靖国参拝抗議行動実行委員会」の呼びかけに応じて、千鳥ケ淵国立戦没者墓苑にキリスト者、仏教徒、市民など、多様な視点から戦争への道を阻もうと運動を続けている三百余人が集まった。
午前九時半すぎ、参加者は「繰り返すな!侵略の過ちを」「政教分離の原則を守れ!」などのスローガンを掲げ、長蛇の列となって靖国神社に向かった。
韓国から来日、連日の抗議行動を行っている太平洋戦争韓国人犠牲者遺族会は、金景錫(キムギョンソク)会長を先頭に「靖国合祭反対」の大横断幕を掲げて進んだ。
横断歩道を渡り、靖国神社境内に迫る。大村益次郎像が見える鳥居の前で、背後の右翼どもを守って立った多数の警官隊が進路を阻む。塀(へい)沿いに拝殿方向をめざす。車道に陣取った右翼装甲車が「亡国のやからを許さんぞ」などと大音響でがなりたて、戦闘服の右翼らが「日の丸」を振り、襲いかかった。しかし参加者は一歩もひるまず立ち向かい、手に持ったスローガンを高々と掲げて抗議の意志を示した。
右翼の暴力行為を容認し、抗議行動の妨害に終始した警察は、事態の加熱ぶりに恐怖し、ついには乱闘服の機動隊を投入、暴力的な排除に出た。
だが小泉参拝強行に対する怒りは猛然とたたきつけられ、「天皇の靖国神社」は八月十五日のその日、労働者人民の波状的闘いでじゅうりんされたのだ。
行動の後、抗議実行委員会は「日本の戦争責任を否定し将来に禍根を残す小泉首相の八・一三靖国神社参拝に抗議するとともに、新たな運動に向かって進むことを宣言します」と題された声明を発表、「再び戦争国家へ変えて行こうとする危険な動きと連動する、首相の靖国参拝に満腔(まんこう)の怒りを表明するとともに、更に運動を拡大して、このような動きに抗して闘う」と力強く宣言した。
実行委世話人で日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会の森山つとむ委員長が「抗議行動をしなければ日本はだめになる。来年の参拝阻止を期して力を蓄えよう」と総括。
次いで実行委員会の呼びかけで闘われた八月十三日の緊急抗議行動が報告された。急を聞いて小泉を迎え撃とうと午後三時前から続々と駆けつけ、第二鳥居前に五時すぎまで陣取って抗議行動を展開したのだ。
準備中の違憲訴訟への参加が訴えられ、最後に日本キリスト教協議会の大津健一総幹事が、「日々の闘いを積み重ね、戦争を行う国ではなく、アジアの国々と信頼と正義に基づいた平和な国家となるために一層の努力を」と締めくくった。
---------------------------------------------------