ZENSHIN 2001/06/11(No2008
p08)
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週刊『前進』(2008号1面1)
革共同の6月アピール
国際連帯で杉並教科書決戦を
戦争反対! リストラ攻撃粉砕!
小泉・石原と真っ向から対決し けしば氏の都議当選かちとれ
はじめに
反戦共同行動委員会の主催のもとに全国の闘う労働者学生人民は五月二十七日、芝公園に千五百五十人が結集し、小泉反動政権打倒の闘いの第一歩を踏み出した。小泉政権は、日帝の危機と破綻(はたん)の中で、大銀行・大企業の延命のために労働者人民に犠牲を転嫁し、改憲と戦争国家化に進む超反動政権である。このことが集会で全面的に明らかにされ、小泉政権打倒への課題が鮮明に確認された。
まず第一は、侵略戦争のための「教育改革」との対決、アジア人民と連帯して「つくる会」教科書七月採択を阻止する闘いである。第二は、米帝ブッシュ政権の対日・対アジア政策の戦争的強化と、日帝・小泉政権の登場によって一気に強まっている沖縄全県基地化攻撃に真っ向から対決することである。第三は、国鉄、全逓、自治労、教労、NTTでの一大資本攻勢・処分攻撃との闘いに勝利することである。そしてこれらの闘いの最大焦点こそ、六月都議選で杉並区のけしば誠一候補の当選をかちとることにあることが確認された。
さらに集会では、全学連が元気いっぱいの分厚い隊列で結集し、前段集会でも全体集会でも、日帝・小泉政権打倒の最先頭に立ち、反スターリン主義・革命的共産主義運動を新たに切り開く鮮烈な姿を大きく登場させた。
ほとんどの政治勢力が日帝・小泉政権の反革命攻勢に屈服している中で、没落帝国主義・日帝の危機の深さをみすえ、全世界的な戦争と恐慌、ブロック化と帝国主義侵略戦争の時代の到来にそなえて戦略的準備を行ってきたわれわれが、意気軒高と小泉政権打倒を掲げて二〇〇一年決戦の戦場に躍り出たのである。いよいよ都議選決戦の本番中の本番に死力を尽くして決起し、けしば候補当選を何がなんでもかちとろうではないか。
第1章 大銀行・大企業救済へ 労働者民衆に犠牲強要
革共同は、この六月都議選でのけしば誠一氏の勝利のために一切を集中して闘い抜く。選挙情勢は小泉反動政権の登場で大流動、大激動情勢に突入している。小泉政権の破綻性とその反労働者性が次第に明らかになり、小泉政権―石原都知事と最も力強く全面的に対決するけしば候補に都民、区民の関心が集まっている。いかなる選挙戦も最後の一カ月で決まる。この一カ月を最も激しく闘った者に勝利がある。革共同は九九年都議補選、二〇〇〇年衆議院選挙、その後の都議選への準備期をへて、ついに゛最後の一カ月間″で勝敗が決するところまで都議選情勢を押し上げた。
けしば候補の当選を勝ちとるか敗退するかの決戦局面となった。当選=勝利あるのみだ。全党の決起の実現と、『前進』読者、支持者の選挙活動の協力を革共同は心から訴えるものである。
都議選勝利のための第一の課題は、小泉政権との全面的な対決である。小泉政権に八〇%を超える支持が集まっているが、その根拠は国家財政を食い物にして経済を破滅に追い込んだ自民党政治への怒りと絶望を、ペテン的幻想的に動員している点にある。小泉が旧来の自民党型権力構造を右から破壊する「変革者」と称して登場したことが独特の政治的幻想をつくり出しているのである。
しかし小泉政権の「変革」「聖域なき構造改革」とは、実は自民党の最も右翼的反動的な路線を体現するものだ。このことが早くも明らかになり、労働者人民の怒りが急速にわき上がりつつある。憲法改悪阻止、靖国神社公式参拝反対、反動的教育改革反対、首切り・合理化反対、介護保険制度廃止の闘いに多くの人びとが決起している。
その最大の焦点は「つくる会」教科書七月採択阻止の運動である。アジア人民と固く連帯してこの大衆行動をさらに発展させ、小泉の反動と全面対決していく宣伝と扇動を強めることによって都議選の勝利は必ず勝ちとることができる。
(1)小泉政権の第一の反革命性は、「聖域なき構造改革の断行」と称する人民への徹底した犠牲の転嫁、空前の資本攻勢である。小泉は「競争社会」「市場原理」という資本主義の古典的な本質である弱肉強食性をむき出しにさせ、対米争闘戦に打ち勝つために、日本をアメリカ型の競争社会に変えようとしている。
小泉政権の「構造改革」とは、端的に言って金融独占資本(大銀行・大企業)を経済恐慌の嵐(あらし)の中で救済するために、労働者人民に大失業と生活苦を強制するものである。「痛みを伴う改革」(小泉)とは、労働者人民の賃金大幅カットや大量の人員削減・首切りを我慢せよという政策だ。大増税と社会保障給付の大幅カットを強制するものだ。
小泉は「経済・財政の構造改革」と言う。具体的には銀行の不良債権を「二〜三年で処理」し、来年度予算での国債発行を三十兆円以下に抑え、そのための「徹底した歳出見直し」を行うという。これは直ちに中小企業・弱体資本の連鎖倒産を引き起こし「最低でも百数十万人、多ければ二百万人の失業者」(経済研究所の試算)を生み出す政策だ。
現在の日本の失業者は三百六十万人(潜在的失業者は含まない)だが、さらに約二百万人が失業すれば、実質的に総労働人口六千万人の一割近い労働者が失業するということだ。小泉はこの「痛み」を受け入れろと言っているのだ。
小泉は「基礎的収支の均衡(プライマリーバランス)」と言うが、その帰結は社会保障(医療、年金、介護)の徹底的な高負担化と低サービス化である。これを「自助と自立」と称している。そして最終的には大規模増税である。全閣僚が「消費税率一五%(〜二〇%)」を当然のことのように語っている。
これは国家と金融独占資本ぐるみの犯罪とも言えるバブルの「処理」を、すべて労働者人民への犠牲で行う政策だ。
さらに八〇年代の中曽根反動を含む旧来の自民党権力が遂行し得なかった資本攻勢の全面化である。二〇〇三年の郵政公社化は民営化−大合理化への突破口である。NTT十一万人体制を三年間で六万人削減するという大リストラは、近い将来の郵政民営化の規模を示して余りある。これらはJR本州三社の完全民営化に向けた、JR東日本「ニューフロンティア21」=第二の分割・民営化攻撃と一体のもの、すなわち労働者階級の闘いへの新たな階級決戦として政策的にはっきり位置づけられている。政府の雇用政策としても、「競争的経済システムへの移行」と称して戦後的雇用慣行を全廃し、全労働者を二、三年の「契約雇用」に移行させようとしている(九五年日経連報告の全面的具体化)。
このように小泉の「構造改革」とは、実は反労働者的政策の極みなのである。
(2)小泉政権の第二の反革命性は、「構造改革」=労働者人民への犠牲転嫁のために、民族主義・愛国主義、国家主義、国粋主義をあおり、労働者階級人民の闘いを徹底的に破壊する政策である。恐慌の時代、帝国主義間争闘戦の激化、アジアと世界の大激動を前にして、戦後民主主義的政治を最後的に清算し、改憲と戦争国家化へ突進しようとしているのだ。
この攻撃は、侵略戦争の歴史を公然と美化した「つくる会」教科書の検定合格を始めとする反動的教育改革、靖国神社公式参拝、集団的自衛権とその行使の承認、そして第九条(戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認)撤廃を核心とする憲法改悪そのものの公然たる開始として、すさまじい勢いで激化している。
「特攻隊の気持ち」が政治信条と叫ぶ小泉
小泉は国会答弁で、朝鮮・中国侵略―十五年戦争も第二次大戦も「国のために命をささげて戦った」と美化し、「特攻隊の気持ち」こそ自分の政治信条と公言している(五月二十一日)。日本軍軍隊慰安婦政策などの史実を抹殺した教科書を「いい教科書」と称賛した。「命がけで戦う自衛隊の名誉」のために「憲法改正(九条撤廃)は必要」だと軍国主義復活を公然と唱えた。「命がけ」ではない労働者は「非国民」であり「死ぬほど働け」「痛みに耐えよ」との論理だ。「日本は天皇を中心とする神の国」という森の発言は、極右天皇主義者=小泉の主張そのものなのだ。有事法制とその先取りとしての土地収用法改悪の立法化も政治日程に乗せられた。
(3)小泉政権の第三の反革命性は、戦後的自民党支配の極右的再編である。戦後的政治制度と階級関係を清算し、強権的政治支配を確立することで、戦争国家への道に突進しようとしている。日帝は七四―五年恐慌以降の経済的停滞から「戦後政治の決算」=侵略戦争国家化を何度も試みたが失敗し、日米争闘戦での敗勢の中で停滞と没落の危機を深めてきた。この未曽有(みぞう)の危機の中で労働者人民の生活不安と閉塞(へいそく)感に乗じて登場したのが小泉政権であり、ボナパルティズム的統治形態に接近しようとする政権と言える。
日帝は七〇年代半ばを転機として、戦後民主主義的支配の危機を顕在化させてきた。経済的停滞と伝統的保守政治の基盤であった農村の構造転換で自民党支配の破綻が進行した。その危機突破をかけて登場した中曽根政権は、国鉄分割・民営化(八七年)と総評解体で戦後的階級関係を反動的に転覆させ、軍事大国への国家改造を一気に遂行しようとした。
しかし中曽根政権の反動攻勢も根底的なところで破綻した。動労千葉と国労を始めとする国鉄闘争の継続的発展と三里塚二期決戦の勝利が、その後の政治闘争、労働運動、住民運動を戦闘的に発展させる突破口を開いた。破防法発動の策動を粉砕して九〇年天皇決戦の高揚がかちとられた。さらにバブル崩壊の中で、自民党政治の危機は極限化していった。
そして、九一年の米帝のイラク・中東侵略戦争に対する戦略的無準備性の露呈という深刻な危機に日帝は陥った。その中で、九三年に小沢による自民党竹下派の分裂と新党結成で、非自民の細川連立政権が生まれたが、増税政策の破綻で空中分解、自民党は再び政権に復帰した。その後自社さきがけ政権、自自公政権、自公保政権と自民党中心の連立政権が続く中、旧来のゼネコン利権型権力構造の腐敗は温存され、経済破綻―大不況―恐慌過程突入と政治危機は分水嶺(れい)を越えて激しく進行したのである。
つまり今日の日帝政治危機の核心は、日帝が八〇年代、九〇年代をとおして日米争闘戦の激化に勝ちぬく強権的政治支配体制の確立に何度も挑戦しながら、労働者人民の闘いによってそのすべてが挫折し、没落帝国主義として腐敗と危機を極限化させているところにある。
その中で小泉は旧来の自民党支配の右からの「破壊」とその強権的反動的「転換」を掲げて登場したのである。米経済のバブルの崩壊、二九年型世界大恐慌過程への突入という中で、日帝はこのままでは帝国主義間争闘戦で米欧帝にたたき落とされるという危機意識が、超反動の小泉政権を成立させたのだ。
小泉政権の権力基盤の特徴は、中曽根や石原を始めとする極右勢力との一体化であり、極右の主導権が戦後初めて全面化しつつあることである。利権と権益中心の伝統的保守主義である田中―金丸―竹下―橋本の政治支配が完全に破綻し、国家主義的イデオロギーを政治信条とする小泉―中曽根―石原を中軸とする極右政権に移行したのである。それが狙っているのは、戦争国家への転換である。
こうしたアジア再侵略宣言を含む極右的な小泉「改革路線」を称賛するマスコミ、「人気政権批判への反発」を恐れてまともな批判もできない野党のていたらくはまったく論外だ。民主党は「改革路線は同じ」だと小泉の応援勢力になり下がり、日本共産党も明確な小泉批判を避けている。全都の都議選候補の中で、徹底した小泉批判を行っているのは、けしば候補だけである。小泉支持「八〇%」の逆風の中で小泉政権の正体を都民、区民に訴えてきたことの正当性と勝利性は明らかなのだ。小泉への的確かつ徹底した批判を宣伝・扇動戦でつらぬき、選挙決戦を最後の勝利まで闘いぬこう。
第2章 戦争賛美教科書採択を杉並頂点に絶対阻もう
都議選勝利のための第二の課題は、ファシスト石原都政との全面対決である。
二九年型世界大恐慌過程への突入、米帝の対日争闘戦の圧力で、日本経済の不況は深刻化し、賃下げ、合理化、リストラ、連鎖倒産が吹き荒れ、失業率が一〇%に限りなく近づく大失業時代に突入している。この時代的閉塞感が対米対抗的な反動的エネルギーを高め、国家と社会の現状打破を求めるファシズム運動の背景となっている。その代表人物が石原である。石原は好戦主義的な反米国粋主義であり、反中国・反北朝鮮の排外主義・差別主義を公然とあおっている。左翼勢力や在日アジア人民への敵意を組織し、階級闘争、政治闘争、労働運動、住民運動を壊滅させようとしている。
帝国主義の支配の危機が臨界点を超える中、日帝ブルジョアジーとマスメディアは石原と同質の小泉を首相に選んだ。日帝支配の危機が、小泉―石原のファシスト的政権を生み出したのだ。
最近の石原発言は度を超しているが、それこそ日帝ブルジョアジーが究極的に求めているものなのだ。「景気浮揚のために独自のミサイル防衛を」「日本はいま一度、第二次大戦をやって、今度はアメリカを打ち負かすべきだ」「ヒトラーになりたい」「中国を分裂させよ」「外国人が凶悪な犯罪を繰り返している」。このような発言をけっして許すな。
石原都政のもうひとつの特徴は、小泉「構造改革」と表裏一体の都市再開発である。銀行やゼネコンなど大企業の利益のために「首都圏十兆円の大型公共事業」をやろうとしている。外郭環状道路や中央環状道路、放射5号線、圏央道などの大型道路建設や羽田空港再拡張である。道路建設は有事体制の軍用道路のためであり(ナチスによるアウトバーン建設を想起せよ)、そのための土地収用法改悪を率先して提案している。外郭環状道路だけで三千戸の住居が強制収用の対象となる。石原は大資本の利益のために経済の軍事化、軍需経済化による経済危機突破を熱望している。
また社会保障制度を解体し福祉財源を決定的に削減している。都労連労働運動を敵視し、公務員・民間労働者の賃下げと首切りを強要している。
昨年の九・三自衛隊治安出動演習に続き、今年もまた九・一により本格的な自衛隊演習を強行しようとしている。新安保ガイドライン体制づくりのための治安弾圧、戒厳令体制をこの首都につくりあげようとしている。石原の反動的挑発的「第三国人」発言で排外主義・差別主義が一挙に激化している。
石原は朝鮮・中国侵略戦争と戦争国家化のために、東京都政を推進している。この石原と全面対決して闘おう。
都議選勝利のための第三の課題は、歴史歪曲の「つくる会」教科書の七月採択阻止と教育改革関連法案成立阻止の教育闘争に全力をあげることである。石原との真っ向対決の最大テーマは、「つくる会」教科書の七月採択をめぐる攻防である。侵略戦争を全面賛美する石原都知事と対決し、東京、とりわけ杉並での「つくる会」教科書採択を阻止する運動を発展させよう。この闘いの先頭に都革新とけしば候補が立っている。
「つくる会」教科書は日帝のアジア再侵略宣言であり、天皇制・天皇制イデオロギーの復活であり、戦争国家化宣言である。「つくる会」教科書を文科省が検定合格させたことは、国家としてアジア再侵略戦争に踏み出したことに等しい。朝鮮・中国・アジア人民、在日アジア人民の激しい糾弾が起こっている。韓国政府、中国政府の「つくる会」教科書の再修正要求は朝鮮・中国人民の最低限の要求であり、弾劾だ。にもかかわらず小泉は、「外国から批判されたからといって、なぜ変えなければならないのか」と居直り、修正を強硬に拒否している。
われわれはアジア人民の闘いに連帯し小泉を徹底的に弾劾し、「つくる会」教科書の採択を粉砕しなければならない。六月十二日に、韓国の「日本教科書を正す運動本部」など九十九団体が世界七十九カ国で日本大使館・領事館への一斉同時抗議デモを行う。連帯して闘おう。
「つくる会」教科書採択攻撃では小泉と石原はまったく同じ主張である。石原は、「つくる会」教科書を採択させるために東京都下の自治体に通知を出し、教育委員三百五十人を集めた会合で、「教育委員が自分の目で見て教科書を採択してほしい。それが面倒なら辞めてもらいたい」とまで言った。この石原と全面的に対決し、「つくる会」教科書の七月採択を何がなんでも阻止しよう。そのためにこそ都議会にけしば氏を送り込み、石原都政との本格的対決を実現しよう。
日本共産党は都議選にむけた政策から教育反動との闘いと「つくる会」教科書採択の問題を消してしまった。
六月都議選は「つくる会」教科書七月採択阻止の最大の決戦場である。アジア人民・在日アジア人民と連帯し闘いをさらに発展させよう。現在進められている各団体の署名運動、学習会運動などをさらに広め、東京都、杉並区の対教育委員会申し入れ行動に発展させよう。この問題をめぐる論議と闘いを六月都議選の中心テーマにしていくことが、七月採択阻止のための決定的環である。
都議選勝利のための第四の課題は、区民、大衆の自主的決起、大衆行動を積極的に推進していくことにある。
昨年の介護保険闘争から、地域住民の自己解放的な決起が広範に生みだされている。介護保険廃止運動、十月からの保険料の倍額徴収に反対し闘いぬこう。区職員一千人の行革・リストラ反対運動、学校給食民間委託反対運動などの大衆的運動と連帯し闘いぬこう。いのちとくらしと平和を守る運動は、都革新が結成当初から進めている運動である。さらに力強く広範に大衆行動を推し進めよう。
都議選勝利のための第五の課題は、すべての同志と支持者が革命的議会主義の意義を確認し、六月二十四日投票日までの蜂起戦を全力でやり抜くことである。
この六月都議選を革共同の一切をかけた、革共同の成否をかけた決戦として、蜂起戦として闘いぬくことを、あらためて提起したい。党の生死をかけて闘うということ、ありとあらゆる党の力、組織力、諸個人の力を極限的に発揮し、あるいは闘いの中で短時日のうちにつくりだして、党の決意の力、集中力を二倍、三倍、いや十倍にもして闘いぬこう。蜂起戦は絶対に勝たなければならない。勝つことによってのみ生きる道が開ける。
われわれは新年号アピールで、六月都議選を石原ファシスト都政との対決、打倒の闘いとして、二〇〇一年前半の最大決戦として位置づけ、全党をあげて決起することを宣言した。新年冒頭から選対活動を発足させ闘いぬいてきた。革共同はこの都議選闘争を@宣伝・扇動の闘い、A大衆闘争の自主的決起の推進、B集票活動の全分野で党の歴史的経験をすべて結集し、闘いぬきつつある。
その結果、「最後の一カ月で勝敗が決まる」情勢にまで選挙戦を押し上げてきた。石原都政との全面対決、真っ向勝負の闘いで都民、区民の共感をかちとってきた。しかし事態はそれ以上に大流動している。小泉政権はオーストリアのハイダー自由党参加連立政権と同様の極右政権である。イタリアでも極右政権が登場しようとしている。二九年型世界大恐慌への突入の中での世界史的な極右|ファシズムの台頭とも言える事態である。この小泉|石原の登場と真っ向から対決し、けしば候補の当選をかちとり、二十一世紀の反スターリン主義・革命的共産主義運動の発展の跳躍台にしていこう。
第3章 都議選決戦への総決起こそが党建設の闘いだ
この都議選と結合し、改憲阻止闘争を始めとする政治闘争、労働運動、差別・抑圧との闘い、住民闘争などの発展を堅実にかちとっていこう。
改憲阻止闘争の現在の中心的攻防は、「つくる会」教科書採択と教育関連法案成立阻止の闘いである。その政治焦点は、東京の杉並だ。全国的・中央的闘争をさらに発展させ、この成果を杉並に集中し、七月採択を絶対に阻止しよう。
小泉は所信表明でSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意の貫徹を宣言し、沖縄闘争の反動的鎮圧に乗り出している。「つくる会」教科書は、沖縄戦と沖縄差別政策の歴史を歪曲・美化している。これを打ち破り、沖縄闘争の全面的発展をかちとろう。名護新基地建設粉砕、那覇軍港の浦添移転阻止、米軍・自衛隊犯罪弾劾、下地島・波照間空港軍事使用阻止、米軍基地撤去へ爆発的情勢を切り開こう。六・二三小泉訪沖、慰霊式典出席を阻止せよ。
三里塚闘争が完全に決戦過程に突入している。暫定滑走路の来春「開港」が一年後に迫った。国土交通省と空港公団は供用開始|飛行テスト|東峰神社立ち木伐採|頭上四十bの航空機騒音で三里塚農民をたたき出す攻撃を決定的に激化させている。土地収用法改悪阻止、千葉県知事堂本による収用委員会再建阻止、七・一五現地闘争を全力で闘いぬこう。
国鉄決戦は小泉政権の登場で、JR東日本の「ニューフロンティア21」を始めとする第二の分割・民営化攻撃との攻防が一大決戦となった。小泉政権は、労働者階級圧殺の政権である。国鉄闘争こそが、小泉の反動的「構造改革」粉砕の先頭に立たなければならない。そのためも四党合意を認めず不屈に闘いぬいている闘争団を守りぬこう。八月定期大会に向け、新たな闘争陣形を構築しよう。
全逓は、小泉反動と最も激突する戦場である。小泉の郵政公社化|三事業民営化を許さず闘いぬこう。自治労の闘いも小泉「構造改革」との主戦場だ。NTT、教労も完全に決戦に突入した。
学生と高校生こそが、「つくる会」教科書採択阻止、教育改革関連法案粉砕に最先頭で立ち上がろう。教育反動攻撃の激化、大学の独立行政法人化攻撃の中で、大衆的闘争が間違いなく発展する。
日帝・国家権力は、戦争国家化攻撃として治安弾圧体制の再編・強化を行い、革共同をその総体として対象化し、弾圧を激化させている。対権力非転向、完全黙秘の思想で武装し、治安弾圧との闘いを強化しよう。超長期獄中同志の奪還闘争に全力をあげよう。
小泉政権の登場で差別・抑圧、排外主義の攻撃が激化している。日帝・東京高裁による異議審棄却策動を許さず、石川一雄氏と固く連帯し、七・八|九狭山闘争に決起しよう。また社会保障制度の解体政策も一挙に激化している。全力で小泉打倒を掲げ闘いぬこう。
六月都議選決戦への総決起が、当面する最大の党建設的闘いである。この決戦のただ中で、マルクス主義理論、反スターリン主義・革命的共産主義運動の全歴史、情勢分析、黒田哲学批判などを地道に学習し、学習会運動を進めよう。
財政闘争は待ったなしの決戦である。財政活動の再建と選挙資金カンパ闘争に全力をあげよう。さらに、この選挙闘争の中で『前進』読者への配布網を堅持し、さらなる拡大闘争の基礎をつくりあげよう。党勢二倍化に全力を傾けよう。
一切は都議選決戦の勝利にある。党のすべての力を杉並に集中し、二十一世紀革命の扉を押し開こう。
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週刊『前進』(2008号2面1)
首都に「小泉政権打倒」とどろく 5・27芝公園
“改憲=戦争への道阻む” 反戦共同行動委
けしば当選へ必勝陣形
大田氏、新垣氏の推薦決定 7・29参院選
五月二十七日、反戦共同行動委員会が主催した五・二七全国総決起闘争は、超反動小泉政権と石原都政に真っ向から対決する闘う労働者人民の隊列を登場させ、小泉政権打倒を高らかに宣言した。全国から芝公園に集まった労働者・学生・市民など千五百五十人は、「侵略戦争のための『教育改革』−改憲粉砕! 労働者人民の力で小泉政権を打倒しよう!」のスローガンのもと、怒りと危機感と使命感を共有し、六・二四都議選投票日に向けて一丸となってけしば誠一氏の当選へ闘うこと、歴史歪曲と戦争賛美の「つくる会」教科書の七月採択阻止を闘いぬくことを誓い合った。さらに“名護新基地建設阻止、那覇軍港の浦添移設阻止を沖縄人民とともに闘い、朝鮮・中国・アジア人民との国際連帯を実現しよう゜と呼びかけ、情勢を切り開く気概をみなぎらせて都心をデモ行進した。
正午、雨をつきス労自主の労働者と全学連の女子学生の司会で集会が始まった。主催者あいさつで東京反戦共同行動委の三角忠代表が「労働者人民を『改革』の名のもとに小泉に奪われてはならない。求められているのは偽りの改革ではなく、解放だ。有事立法・改憲攻撃を粉砕し、小泉政権を打倒しよう」と力強く呼びかけた。
三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、小林なつ婦人行動隊長、鈴木幸司本部役員、敷地内の市東孝雄さんが登壇。
北原事務局長は、「小泉内閣は、あの大戦が間違いではなかったと教育の内容を変え、有事立法、改憲を狙っている」と反撃を訴え、「戦争のための暫定滑走路に対して三里塚は二年間の臨戦体制で闘っている。三里塚が勝てば世の中は変わる! 七・一五現地集会から十月全国総決起集会へ、反戦の砦(とりで)として日本の未来をつくるべく闘う」と発言した。
関西新空港反対闘争から泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が発言に立ち、「関空は十二・二bも沈み込み、台風で二bの大波が来れば沈むところまで破産している。しかし日帝は関空をやめようとはしない。それは軍事空港だからだ。小泉政権打倒に労働者人民の未来がかかっている。私も都議選に決起し、けしば氏当選のために闘う」と決意を語った。
北富士演習場に反対して闘う北富士忍草母の会からの「十一月米軍演習を阻止して闘う」との烈々たるアピールが紹介された。
“日の丸なんかいらない!”
在日台湾人元日本兵の林歳徳さんが「教科書は天皇制へのレール」と題して発言。「小泉首相が侵略日本兵を英雄として拝むという。殺された方はどうなるのでしょうか。蛇の道は蛇、すなわち小泉首相も侵略者だ。生まれた時は善良な人が、天皇制という組織管理と教育によってつくり変えられる」と満身の怒りを込めて弾劾した。
林さんは「日の丸」を広げ、「この赤は殺されたアジア人民の血、白は骨。こんなものいらない!」と怒って投げ捨てた。怒りの的の「日の丸」は演壇前で焼かれた。(写真)
続いて、広島の闘う教育労働者が発言した。「広島では君が代を立って歌うという職務命令に対して七十八名が拒否した。このような職務命令を出した辰野教育長を法廷に引きずり出して闘う」と怒りを表明、さらに「差別・選別の教育六法案を阻止しよう。百万、二百万の広島発の教育署名を実現しよう。八・六ヒロシマ大行動へ」と訴えた。
熱き闘いの島、沖縄からは、沖縄一坪反戦地主会浦添ブロック代表幹事の黒島善市さんと名護市議の宮城康博さん、沖縄労組交流センターで闘う沖縄バヤリース労組の柿本博人委員長が駆けつけてあいさつした。(発言要旨別掲)
平和遺族会全国連絡会事務局長であり、「とめよう!戦争への道百万人署名運動」の西川重則事務局長が「憲法調査会を傍聴して」と題して発言した。
「小泉内閣の教育改革、教育基本法の見直し、靖国公式参拝、集団的自衛権など、すべて改憲へ進めるものだ。私たちは国内では少数派、しかしひとたび海外に目を移すと、アジアの人びとを始め多数派になる」と確信も固く語った。
基調報告が、反戦共同行動委員会の滝口誠事務局長から提起された。
「本日の闘いを突破口に超反動小泉政権を必ず打倒することを宣言する」と口火を切った滝口さんは、@改憲と侵略戦争に突き進む小泉政権を倒そう、A改憲と徴兵制の「つくる会」教科書阻止の全国大闘争を、B「教育改革」関連法案粉砕・有事立法阻止の国会闘争の爆発を、C名護・浦添への新基地建設阻止! Dガイドライン体制粉砕! 三里塚・北富士・関西新空港始め全国の反基地闘争に決起しよう、E八・六広島−八・九長崎反戦反核闘争、八・一五闘争の高揚を、F都議選・参院選に勝利し、闘うアジア人民と連帯して小泉−石原を打倒しよう、の七つの課題を力強く提起した。
都議選に出馬するけしば誠一氏と都政を革新する会後援会の代表が壇上に立った。けしば氏の引き締まった表情が連日の奮闘を物語っている。「大衆運動の嵐(あらし)の中で、なんとしても勝つ」と断じた発言に満場の拍手がこたえた。(発言要旨別掲)
後援会の事務局長は、「石原都政、小泉政権と真っ向から対決する唯一の候補として都政に送り出したい。同時に、都政を闘うことはまさに国政を闘うこと。都政を革新する会は、七月二十九日の参院選に比例区で大田昌秀前沖縄県知事、東京選挙区で沖縄社会大衆党の新垣重雄書記長の推薦を決定した」と言明し、支援を呼びかけた。
都議選への決意に全体が高揚した中、闘いの決意表明に移った。部落解放同盟全国連合会の金平通雄共闘部長、反戦自衛官の小多基実夫さん、婦人民主クラブ全国協議会の西村綾子代表、関西の闘う教育労働者、国鉄労働者。そして最後に大山尚行全学連委員長とともに新入生を始めとする初参加者が大挙して登壇し、それぞれ小泉政権と対決して闘う決意を述べた。
中野洋代表がまとめの提起
集会決議案(別掲)が提案された後、中野洋反戦共同代表(動労千葉委員長)が集会のまとめを行った。
中野代表は「第一点、きょうの闘いが小泉政権打倒の労働者民衆の闘いの第一歩であり、出発点だ。今や日本の国家権力の中枢に座った小泉純一郎は、改憲、集団自衛権、あまつさえ労働者人民に痛みを強制し、戦争国家への変貌を狙っている。この小泉の仮面をはがし、本質を暴露して、小泉支持の八〇%の労働者人民をわれわれの隊列に取り戻していく、侵略と戦争の歴史をひっくり返していかなければならない。
だから第二点、そのために何をやるかだ。都議選、参院選に勝利することだ。われわれには優秀な候補がいる。けしば当選へ残り四週間を全力で闘い、必ずや一矢を報いる。都革新が推薦を決めた大田さん、新垣さんを、反戦共同行動委としても推薦して闘う。
第三点、今一度原点に返って、闘う労働運動の台頭をめざし、主流派に躍り出ていこう」。
集会の最後に、決議案が満場の拍手で確認され、「意気高く国会に向かってデモに出よう」との行動方針が呼びかけられた。雨も上がった。改憲と有事立法と大リストラの小泉政権を打倒するぞ! シュプレヒコールをあげ団結を固め、機動隊の不当弾圧を打ち破ってデモは勢いよく街に飛び出した。
出発直後、全学連のデモ隊から私服刑事どもが一人の学生を不当逮捕した。全学連は怒りを燃やして力強く進撃し、日比谷公園までのデモを闘いぬいた。
浦添、名護からの訴え
戦争につながる一切に反対 黒島善市さん
私も戦前の国民学校の教育を受けた一人、その経験から、私は戦争につながる一切のものに反対する。二十世紀は環境を破壊する乱開発と戦争の百年であった。その反省の上に立つなら戦争、環境破壊に断固反対をしていきたい。
那覇軍港は狭く、浅い。その上、那覇軍港から浦添のキャンプ・キンザー、すなわち牧港補給厰まで物資を運ぶのに国道58号線を通らなければならず、経済的にも効率が悪い。米軍は復帰前から浦添地先に軍港をつくりたがっていた。
那覇軍港がキャンプ・キンザーと一体となることは半永久的に沖縄が軍事基地として使われるということだ。
七月二十日にキャンプ・キンザーをレッドカードで赤いハンカチで取り巻いて基地撤去の意思表示をしていく。ノーはノー! 安保は反対! お互い手を取り合って頑張っていこうではありませんか。
ジュゴン保護を世界に訴え 宮城康博さん
六月八日に名護市長と沖縄県知事と政府が代替施設協議会を開く。ここでどういうプランが出てくるのか注視していただきたい。
私たち名護市民は新基地建設に反対という意思を明確にした。基地建設阻止を成し遂げるために、これを環境問題として世界に訴えている。名護市沿岸の海に住むジュゴンは、基地建設を進めれば絶滅する。この無謀な基地建設を阻止しようと、世界的なネットワークをつくり出しています。
わが国は敗戦後、一度たりとも一坪たりとも、米軍に提供するために航空基地をつくったことはない。日本国民が初めて税金を使って米軍に提供する新しい基地をつくる、これが名護の基地建設なんです。これは名護市民だけの問題か。沖縄県民だけの問題ですか。そうではない。この基地建設を止めないでどうする! 二十一世紀の試金石だ。
沖縄闘争の新たな発展へ 柿本博人さん
平和運動センターが平和行進のコースを変え、県民大会の日程をずらしたが、南部では五月十五日に独自に平和行進が取り組まれた。さまざまな制動をはねのけ労働者が闘っている。
教科書問題では沖縄戦を軍民共同で闘ったかのように事実をねじ曲げて記述されている。再び戦争にたたき込む攻撃の中、労働者の闘いを中心に沖縄闘争の新たな発展のために闘う。
第6章 ”大衆運動の嵐で勝つ” けしば氏の集会アピール この都議選で私たちは、小泉ファシスト内閣を打倒するという課題を全力をかけて実現します。
政府のハンセン病判決の控訴断念は、患者・元患者の人たちが本当に人生をかけて立ち上がり、裁判を長期にわたって闘い、地裁判決後も首相官邸に連日座り込んだ、まさに実力でもぎりとった勝利です。小泉はこの闘いに震え上がって、控訴を断念したのです。小泉=改革者なるペテンを徹底的に引きはがさなくてはならない。
考えてみてください。改革者ならばあのKSD疑惑の折りに貝のごとく沈黙を守ったのはなぜか。小泉は、豊明政治連盟の副会長としてどっぷりとこの金権腐敗に漬かっていたからです。また厚生大臣を二度も経験しながら薬害エイズに何をしたのか。何の力も尽くしていません。
靖国神社公式参拝を首相として初めて公然と行うなど言語道断。私たちは腹の底から怒り、小泉内閣打倒でこたえていかなくてはなりません。
小泉内閣と対決する素晴らしい闘いが今始まっています。五月二十五日、杉並区役所を百五名の高齢者が埋め尽くし、行政不服審査、介護保険制度反対に立ち上がりました。また教科書採択に反対する闘いも始まっています。沖縄での闘い、国労闘争団での闘い、こういった大衆運動の嵐の中で、私は今度の都議会議員選挙、なんとしても勝利します。
小泉に屈服し、考えが同じ政策も同じなどと言っている民主党、「是々非々」の共産党、こうした腐り果てた野党に代わる、闘う民衆の政党が歴史的に台頭するチャンスです。
小泉改革とは、実は戦争国家への改革です。これを阻む闘いはこの都議選の最大の課題であります。
もう一つ、この都議選は石原都政との勝負をかけた闘いです。石原慎太郎自身が「つくる会」教科書の推進力であり、真っ先に山田区長と通じて、私たちの杉並で採択しようとしている。都議選は教科書の七月採択を阻む闘いです。杉並でストップすることが、この教科書をストップする。まさに勝負です。
残された四週間、私も全力で闘い、みなさんと一緒に本当に歴史的な勝利をもぎりとるために頑張ります。全力でのご支援をお願いします。
大衆運動の嵐の中で勝つ=\―けしば氏の集会アピール
この都議選で私たちは、小泉ファシスト内閣を打倒するという課題を全力をかけて実現します。
政府のハンセン病判決の控訴断念は、患者・元患者の人たちが本当に人生をかけて立ち上がり、裁判を長期にわたって闘い、地裁判決後も首相官邸に連日座り込んだ、まさに実力でもぎりとった勝利です。小泉はこの闘いに震え上がって、控訴を断念したのです。小泉=改革者なるペテンを徹底的に引きはがさなくてはならない。
考えてみてください。改革者ならばあのKSD疑惑の折りに貝のごとく沈黙を守ったのはなぜか。小泉は、豊明政治連盟の副会長としてどっぷりとこの金権腐敗に漬かっていたからです。また厚生大臣を二度も経験しながら薬害エイズに何をしたのか。何の力も尽くしていません。
靖国神社公式参拝を首相として初めて公然と行うなど言語道断。私たちは腹の底から怒り、小泉内閣打倒でこたえていかなくてはなりません。
小泉内閣と対決する素晴らしい闘いが今始まっています。五月二十五日、杉並区役所を百五名の高齢者が埋め尽くし、行政不服審査、介護保険制度反対に立ち上がりました。また教科書採択に反対する闘いも始まっています。沖縄での闘い、国労闘争団での闘い、こういった大衆運動の嵐の中で、私は今度の都議会議員選挙、なんとしても勝利します。
小泉に屈服し、考えが同じ政策も同じなどと言っている民主党、「是々非々」の共産党、こうした腐り果てた野党に代わる、闘う民衆の政党が歴史的に台頭するチャンスです。
小泉改革とは、実は戦争国家への改革です。これを阻む闘いはこの都議選の最大の課題であります。
もう一つ、この都議選は石原都政との勝負をかけた闘いです。石原慎太郎自身が「つくる会」教科書の推進力であり、真っ先に山田区長と通じて、私たちの杉並で採択しようとしている。都議選は教科書の七月採択を阻む闘いです。杉並でストップすることが、この教科書をストップする。まさに勝負です。
残された四週間、私も全力で闘い、みなさんと一緒に本当に歴史的な勝利をもぎりとるために頑張ります。全力でのご支援をお願いします。
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週刊『前進』(2008号2面2)
5・27集会決議
南北朝鮮三労働団体による3・11共同声明断固支持!
歴史歪曲、侵略・天皇賛美の「つくる会」教科書を粉砕しよう!
私たちは、自衛隊の海外派兵に反対し二度と侵略戦争を許さない共同行動委員会 5・27集会決議
です。一九九一年六月の結成以来、日本帝国主義の新たな侵略戦争策動と闘っている団体です。
私たちは、韓国労働組合総連盟、全国民主労働組合総連盟、朝鮮職業総同盟中央委員会の三団体が三月十一日に金剛山で発せられた「日本軍国主義者らの犯罪的な歴史歪曲妄動を断固粉砕するための南北労働者の共同声明」を断固支持します。朝鮮植民地支配、皇民化教育、強制連行、軍隊慰安婦政策、南京大虐殺など、日帝の戦争と侵略と略奪の歴史を歪曲・抹殺し、賛美することなど絶対に許すことはできません。それは、日帝の侵略と侵略戦争によって殺された二千万人もの朝鮮・中国・アジアの人々と、その生き証人であり遺族でありその子孫である数十億の人々を侮辱し、もう一度踏みつけにすることにほかなりません。
私たちは、みなさんをはじめとする朝鮮・中国・アジアの人々の全存在をかけた闘い、在日朝鮮人・中国人の方々の全存在をかけた闘いに学び、連帯し、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書「検定合格」を白紙撤回させるまでとことん闘います。韓国政府および中国政府の再修正の要求を傲然と拒否する極右・小泉政権を徹底的に弾劾し、歴史歪曲、侵略・天皇賛美の教科書の採用を絶対に許さない闘いに全力で立ちあがります。
私たちは、侵略の歴史を傲然と居直り、排外主義と戦争を扇動する極右・小泉政権やファシスト石原・東京都知事を絶対に許しません。軍国教育の復活、憲法改悪、靖国神社への公式参拝をねらい、百万人をこえる労働者の首切りを宣言する小泉・石原の「改革」など、労働者民衆の改革の要求とはまったく相いれるものではありません。
私たちは、日米帝国主義による朝鮮・中国侵略戦争策動を絶対に阻止するために闘います。朝鮮半島南北分断政策に反対し、南北朝鮮民衆による南北統一を断固支持し、みなさんと連帯して、その勝利の日までともに闘いぬく決意です。何よりも、民主労総、大宇(テウ)自動車労組をはじめとする韓国の労働者、南北朝鮮のすべての労働者の闘いに心から敬意を表し、みなさんの闘いに学び、連帯して、日本の地において資本攻勢と断固闘う労働運動の新たな潮流をつくりだすために闘います。私たちの仲間である動労千葉の労働者は、この春、百二十時間のストライキ闘争に立ちあがりました。この闘いを突破口に、労働者民衆の団結による数百万人のデモ、労働者のストライキ闘争の荒々しい復権をかちとる決意です。
韓米地位協定(SOFA)改正・在韓米軍撤去に向け闘う韓国民衆の闘いに連帯し、在沖縄米軍基地を撤去するために闘います。三里塚、北富士、関西新空港反対闘争をはじめとする日本の反戦・反基地闘争を全力で闘います。また軍隊慰安婦の方々をはじめとする朝鮮・中国・アジアの民衆の闘いと連帯し、日帝の侵略の事実を明らかにし、その戦争責任を徹底的に追及し、被害者の方々への補償をかちとるまで闘います。
闘う教育労働者を学校から追放し、子どもたちに侵略教育を押しつける教育改革関連法の制定と教育基本法の改悪、それを突破口にした憲法改悪を絶対に許しません。ファシスト石原都政と闘う議員として結柴誠一氏を送り出すために、六月東京都議会議員選挙を全力で闘います。
私たちは、日本帝国主義の植民地支配と侵略戦争を阻止しえず、朝鮮・中国・アジアに対する略奪と虐殺に加担してしまった過ちを絶対に繰り返さない決意を新たにしています。日本の労働者民衆は、今度こそ、みなさんの闘いと固く連帯し、排外主義を打ち破り、戦争と大失業と暗黒支配に突き進む日帝・小泉政権とファシスト石原都知事を必ずや打倒します。労働者民衆自身の政治権力、政府を打ち立てるまで闘いぬきます。ともに闘いましょう!
2001年5月27日
5・27全国総決起集会
参加者一同
*この集会決議は、朝鮮語に翻訳し、南北朝鮮三労働団体に届けるものです。
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週刊『前進』(2008号2面3)
都議選必勝のために絶大な夏期カンパを
同志のみなさん! 『前進』読者・支持者のみなさん! 都議選に必ず勝つための多額の資金が絶対的に必要です。投票日まで二十日間、けしば氏を先頭に白熱した選挙戦を全力で闘いぬいています。皆さんの熱いカンパで当選をかちとる情勢が切り開かれます。
帝国主義が危機に立つ時、階級圧殺攻撃と戦争が不可避となります。
かつて高橋是清は日露戦争で米英から金を引き出し、恐慌時に蔵相を引き受けました。是清は、ブルジョアジーに対しては大金を出したが、労働者・農民には徹底的に犠牲を強いた人物です。そして結局、日帝はアジアに対する絶望的な侵略戦争に突入したのです。
“平成の是清゜を自負して蔵相に就いた宮沢喜一は、大銀行やゼネコンの救済のため巨額の税金を投入してきました。
かつて農業恐慌で売れない米を太平洋に捨てた一方で飯を食えない人民が生じました。今また過剰資本・過剰生産力で、物は余っているが、労働者人民はリストラで生活苦にあえいでいます。
森派の会長だった小泉は、そのことを一言もわびることなく、長岡の「米百俵」の故事を持ち出し、将来のために今は我慢しろと人民に犠牲を要求しています。竹中平蔵経済財政相は消費税を最低一四%にすべきだと主張しています。
「構造改革」という大リストラ・首切りで百万人もの失業者増を推進し、退職金は五割カット、しかし銀行だけは債権回収。こんな政治を誰が承服できますか。
小泉は雇用制度抜本見直しを指示し、終身雇用制も見直し、二、三年期限の雇用の全面化で、労働者の解雇をしやすくしようとしています。
中曽根が後見し、石原都知事とともに戦争への道を突進する危険な小泉政権を、絶対に打倒しなければなりません。
小泉という新しい看板を掲げた自民党を、公明党は「靖国神社参拝も自衛隊の集団的自衛権容認も許容範囲」と認めました。改憲推進の民主党、「有事の自衛隊活用」の日本共産党も、労働者の味方ではありません。
超反動小泉政権と対決し、ファシスト石原都政と真っ向勝負する私たちの代表=けしば誠一候補の当選が絶対に必要です。けしば氏こそ歴史歪曲と侵略戦争開き直りの「つくる会」教科書の採択を本気になって阻止する唯一の候補です。リストラ大失業、生活破壊と福祉切り捨てを許さず闘う唯一の候補です。
可能な限りの資金を思い切ってこの選挙戦に投じてください。六・二四勝負に絶対勝ちましょう。自らの決断で歴史の扉を押し開きましょう。勝利のかぎはみなさんにあります。
絶大なる夏期一時金カンパをお願いします。
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週刊『前進』(2008号3面1)
高齢者の怒り、ロビー埋める 杉並区役所
“介護保険料徴収やめよ” 住民の会 105人が不服申し立て
五月二十五日、介護と福祉を要求する杉並住民の会が東京都の介護保険審査会に対して集団不服申し立てに立ち上がった。不服申し立てには百五人の高齢者が決起し、十月からの六十五歳以上の第一号被保険者の介護保険料の二倍値上げへの怒りに燃えて介護保険料の徴収をやめることを求めた。全国に広がっている介護保険への怒りの先端を行く闘いだ。電動車いすで一時間以上かけて参加した人、車いすの妻を夫が介助して参加した夫婦、まさに高齢者の感動的な決起だ。
この日は不服申し立てに続いて、杉並区長に対する「介護保険料の十月からの引き上げの中止と、杉並区による独自の介護保険料減免・助成制度設置」の要請、さらに新城せつこ区議を紹介議員として千五百三十九人の住民署名による杉並区議会への「杉並区による独自の介護保険料の減免・助成制度設置に関する請願」を提出した。
午後一時過ぎ、杉並区役所一階のロビーに集まった高齢者は、直ちに介護保険相談窓口を訪れ不服申し立てに来たことを告げた。詰めかけた高齢者が窓口の付近にあふれ返った。これほど大量の不服申し立てを受けて、区は介護保険課長が応対に出たものの、打撃を受けあわてふためいた。
住民の会の声明が読み上げられた。声明は、「私たちじしんが、憲法違反の介護保険を裁く行動」と不服申し立ての意義を真っ先に述べた。その上で「東京都ではなんと、要介護認定を受けたお年寄りのうちの四七%もの人が介護保険を使えないという、驚くべき事実が明らかになって」いると介護保険の現実をつきだした。「こんな詐欺同然の政治がいつまでもまかり通っていいはずは絶対にありません」、十月からの六十五歳以上の保険料値上げに対しても「これは『居直り強盗』とどう違うというのでしょうか」と弾劾した。
そして「介護保険廃止の要求は、高齢者の人間として生きる権利の復権の要求です。なんの遠慮もいりません。声を上げましょう」「介護保険廃止の大運動をつくりましょう」と呼びかけた。
続いて住民の会の代表が「年寄りは社会を豊かにする存在。けっして絶望しないで希望を持って、社会の財産として努めていきたい」と訴えて不服申し立てを提出した。請求は直ちに杉並区での書類審査が行われ、東京都の介護保険審査会に送られる。
続いて区長あての要請書の提出と区議会への請願の提出が行われた。場所は、詰めかけた多くの高齢者が入れる場所がないということでいすを運び込んで区役所一階の中央ロビーを埋めて行われた。区を訪れた多くの住民が見守った。区役所を「制圧」する形で行われたのである。
区長室長が対応した。区長への要請では、「区民が命を削るような現実に追い込まれている時に、何一つ対処しないとしたら、もはや地方自治失格、そのような区長は区長たる資格はありません」と厳しく追及し区長が責任をもって答えることを求めた。集まった区民からは「介護保険は憲法違反。保険料を取って介護が受けられないのは詐欺だ」「山田区長は反対する住民とも会って開かれた区政を実現してほしい」などの要求が突きつけられた。
さらに住民の会が集めた千五百三十九人の署名をもって区議会への請願を提出した。対応には議会事務局の担当が出てきた。請願の趣旨は@第一号被保険者の保険料減額措置の打ち切りに対して区としての介護保険料減免・助成制度の設置、A現行介護保険条例の一部を、減額または免除ができるように改正すること、B介護保険料を現行のまま据え置くよう厚生労働省に要請する決議を杉並区議会で採択すること、の三つである。
一連の行動を圧倒的な成功のうちに終えて、住民の会事務局長がまとめを提起した。住民の会結成一年目でもあり、区議会開会日である六月一日にパレードを行って区議会のけしば議員の代表質問の傍聴に駆けつけること、請願署名をさらに集めるという方針を確認した。最後に住民の会代表が「紹介議員がいたからここまでやれた」と闘う議員の重要性を訴えた。住民の会から都議選への推薦を受けたけしば区議が、「皆さんの願いを受け、高齢者が安心して暮らせる社会のあり方を実現したい」と介護保険廃止と都議選必勝への決意を語った。
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週刊『前進』(2008号3面2)
杉並 教育長につめよる 「つくる会」教科書使うな
「つくる会」教科書(扶桑社)の採択に反対する杉並区民の闘いが前進している。都政を革新する会は五月二十三日、教育委員会定例会の開会を前に、区内デモと教育委員会への署名提出・申し入れを行った。
正午過ぎ、都革新の呼びかけで阿佐ケ谷駅近くの公園に集合した区民は、JR
阿佐ケ谷駅前を通り、杉並区役所までデモした。けしば誠一、新城せつこ両区議らを先頭に、横断幕を広げ雨の中を四十人がデモで区民にアピールした。「歴史をねじ曲げるつくる会教科書反対!」「子どもたちを戦争に導くつくる会教科書反対!」「つくる会教科書を押しつける教育委員は今すぐ辞めろ」のシュプレヒコールがとどろいた。沿道で区民が立ち止まって注目し、ビラを受け取った。けしば区議は、手を振って沿道からの声援にこたえた。
杉並区役所の玄関前では「つくる会」教科書に反対する団体が旗を広げ、ビラをまき、抗議の座り込みを行っており、互いに励まし合った。
都政を革新する会は午後一時過ぎから杉並区役所六階の教育長室に赴き、與川(よかわ)幸男教育長に対し、「つくる会」教科書採択反対の申し入れを行い、反対署名千七筆を第一次分として提出した。抗議・申し入れに訪れたほかの団体とも合流し、約三十人が教育長室に入った。
けしば区議は與川教育長に対して、改憲と戦争につながる「つくる会」教科書の採択に反対し、現場教員の意見を尊重して採択を進めることを強く要望した。
続いて区内在住の沖縄出身者有志が、「つくる会」教科書を採択しないことを求める要請を行った。元ひめゆり学徒で、敗戦後東京に移り、四十二年間高校教員を務めた上江田千代さんが要請文を読み上げた。沖縄戦に関して、日本軍の戦死者数が住民よりも多かったと事実をねじ曲げ、日本軍による住民虐殺の事実を抹消し、「鉄血勤皇隊」や「ひめゆり学徒」が「自分たちの意志で参加した」かのように書いているウソを怒りを込めて弾劾した。
さらに上江田さんは、「私たち自身、そして父や母、祖父や祖母たちが、どれほど戦争で悲惨な状態に追い込まれ、苦しめられ、殺されていったかを考えるだけで、このような教科書がまかり通ろうとしている現実に、胸が張り裂けるような怒りを禁じえません」と、声を震わせて訴えた。申し入れには「命どぅ宝」のはちまきをしめて川崎から駆けつけた沖縄民権の会代表の座覇光子さんと沖縄青年委員会の新城峯子委員長が同席した。また、琉球新報など新聞記者も取材に訪れた。
午後二時からの教育委員会定例会は、二十人の区民が傍聴席に座り、「つくる会」教科書の採択を絶対に許さない気迫を教育委員にたたきつけた。
杉並区での教科書をめぐる闘いは、いよいよ重大な決戦に突入した。反動・山田区長は、大蔵雄之助の任命に続き、六月区議会で、欠員となっている教育委員一名に「つくる会」教科書推進派の人物をあて、七月中にも「つくる会」教科書の採択を教育委員会に決めさせようとしている。
「つくる会」教科書の採択は、改憲と戦争の道だ。現場教員や保護者、子どもたちの意見を無視し、平和と人権、自由への願いを踏みにじる採択を絶対に許すな! 杉並区民と連帯して闘おう。教科書闘争の勝利をかけて、都議選決戦でけしば候補の当選をかちとろう。
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週刊『前進』(2008号3面3)
“教育基本法改悪と教育関連法に反対” 3万筆を国会に提出 広島呼びかけの署名実行委
五月二十九日、教育労働者や有識者らでつくる「教育基本法改悪と教育関連六法案に反対する署名実行委員会」による署名提出の国会行動が行われました。
まず午後一時半から行われた文部科学省への申し入れでは、広島から駆けつけた秋光民恵高教組委員長を先頭に六人の代表が、「@『つくる会』教科書合格の白紙撤回、A教育基本法見直しの中止」の二点を強く求め、約四十五分間にわたって五人の文科省官僚を追及しました。
続いて衆院議員会館で記者会見と院内集会(写真)が行われ、秋光委員長、東京大学教授の小森陽一さん、元教員の北村小夜さん、家永教科書裁判弁護団長を務めた森川金寿さんなどが参加しました。
秋光委員長は署名運動の経過を報告し、「教育関連法案の中身はすでに広島では先取りして行われています。三月の卒業式で『君が代』斉唱時に着席・退席した百三十九人の教職員が処分され、さらに四月になって県教委は、校長に処分された教職員に対する指導計画書を出させました。政府や文科省が望まない教職員を排除するのが『不適格教員』制度であることははっきりしています」と訴えました。他の人も教育関連法と「つくる会」教科書に怒りの声をあげ、二カ月足らずで集まった三万千二百八十七筆の署名を衆参両院議長に提出しました。
ちょうどこの日、衆院本会議と文部科学委員会で教育関連法案のうち三法案(地方教育行政法改悪、学校教育法改悪、社会教育法改悪)の趣旨説明が行われ、審議入りしました。院内集会では、呼びかけ人の福島瑞穂参院議員を始め国会議員も多数発言し、「与党は短時間の審議で成立を狙っていますが、追及を強め、反対世論を高めていけば、審議未了で廃案にできる条件はあります」と訴えました。
教育基本法改悪と対決する大きなうねりが始まったことを実感した一日でした。 (投稿 K)
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週刊『前進』(2008号3面4)
大蔵雄之助は「憂国忌」発起人 教育委員を辞任せよ 「つくる会」の西尾幹二とも親密
「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書を採択させるために山田宏杉並区長が新たに任命した教育委員・大蔵雄之助と「つくる会」との結びつきを示す重大事実が明らかになった。
大蔵は、七〇年十一月に自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹自殺した極右の作家・三島由紀夫を追悼する「憂国忌」の発起人となっている。このことは、けしば誠一区議によって五月二十一日の杉並区議会文教委員会で暴露・断罪された。
実は、昨年十一月二十五日に行われた「憂国忌」では、「つくる会」会長の西尾幹二を講師に呼んで、「大学紛争から三島事件へ」と題して記念講演を行わせていたのである。これは大蔵と「つくる会」の西尾との密接な関係を示す重大事実である。この一事をもってしても、大蔵はまったく教育委員になる資格はないのだ。
昨年十一月二十五日ごろと言えば、大蔵と佐藤欣子を教育委員に任命する人事案に対して、多くの区民が反対の声を上げ、白紙撤回を求めていた時期だ。その最中に、こともあろうに大蔵と佐藤は、「憂国忌」の発起人となり、西尾幹二に講演させていたのだ。大蔵は、これほど深い関係を西尾と結んでいながら、そのことを隠して教育委員になったのだ。
「憂国忌」を運営する「三島由紀夫研究会」は、趣意書で戦後日本について「天皇の地位をあいまいなものとし、国民を守る軍隊を否定する憲法の下で……偏向教育は大手を振ってまかり通り、……伝統は軽視され武士の魂は失われた」と嘆き、改憲と「国軍の復活」、アジア侵略を真っ向から主張している反憲法的な極右団体である。
三島由紀夫のクーデター未遂事件は、三島が自衛隊市ケ谷基地に乱入して憲法停止・軍部独裁のクーデターを呼びかけ、失敗して割腹自殺した反人民的な事件だ。大蔵は、この三島の反人民的暴挙をたたえるファシスト団体に賛同し、三島追悼集会の発起人となっている、とんでもない極右思想の持ち主なのだ。
そもそも大蔵は、元TBSモスクワ支局長で、日帝の侵略戦争を「聖戦」と賛美したり霊感商法で人民から金を脅し取る悪名高い統一協会=勝共連合と切っても切れない深い関係にある反共右翼である。
統一協会系の雑誌『アイデアル・ファミリー』一九九八年五月号では「手に負えない校内暴力は警察に任せよ」「スクール・ポリスの導入を」と主張しているような、およそ教育というものとは最も縁遠い、むしろ教育を破壊する思想の持ち主である。人権感覚はゼロで、学校を軍隊同様の体罰と強制の場に変えようという考えである。このような人物は、教育委員にはまったく不適格である。
また山田区長が、区民にウソをついて、「そのような方ではない」と右翼団体とのつながりを否定して、大蔵を教育委員に据えたことは断じて許せない。
杉並区は、「つくる会」を支援する松下政経塾出身の山田が区長を務め、西尾幹二が区内善福寺に在住し、勝共連合=統一協会の偽装団体「野の花会」が区内下井草に拠点を置いて活動している。こうしたことから、「つくる会」は杉並区を全国の突破口に位置づけて、「つくる会」教科書の採択に全力を挙げてきているのだ。
杉並区で「つくる会」教科書採択阻止の大運動を爆発させよう。六月区議会|教育委員会闘争に決起しよう。大蔵委員は直ちに辞任せよ。都議選決戦で、けしば候補の勝利をかちとり、その力で「つくる会」教科書の採択を阻止しよう。
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週刊『前進』(2008号3面5)
「痛み」強要する「小泉改革」 不可避な倒産激発と失業 中小商工業者も切り捨て
改革強行すれば景気は悪化する
自民党・小泉政権は今、右翼の宣伝カーのような「新世紀維新」という看板を掲げ、「聖域なき構造改革」を叫んでいる。まるでそれが世直しの大改革運動であるかのように見せかけ、種々の「改革」案を打ち出してきている。そして、これによって日帝の危機が一挙に突破され、経済も立ち直り、労働者人民の生活が向上するかのような幻想をあおっている。そのために「今の痛みに耐えて明日をよくしよう」などと言い、マスコミも小泉「改革」を後押ししている。
だが、はっきりさせなければならない。小泉の「改革」なるものはまったくのペテンである。それは恐慌、不況をむしろ激化させながら、日本を戦争のできる国家につくり変えようという新型の「国家改造計画」なのだ。労働者人民が抱く自民党政治への幻滅と、「苦しい暮らしがなんとかならないか」という願いを逆手にとって、「改革」「維新」の名のもとに戦後体制を右側から破壊し、大銀行・大資本の救済と中国・朝鮮|アジア侵略戦争のために国家を大改造しようとするものだ。
小泉の言うとおりに「今の痛みに耐えて」も、「明日はけっして良くならない」のだ。それどころか、人民の生活は一層困難に追いやられ、果ては戦争にまで引き込まれてしまう。
それは第一に、「競争力ある産業社会の実現」「非効率な部門を淘汰する」(五・七所信表明)と称して、一握りの金融独占資本(大銀行と大企業)の利益だけを追求する政治である。労働者にはリストラ・大失業を強制し、中小商工業者、自営業者、さらには農民の大部分を切り捨て、続々と廃業・倒産に追い込むものである。
第二に、二九年型世界大恐慌過程への突入・進行(帝国主義の基本矛盾の爆発)の中で、恐慌の爆発的激化を引き起こすものだ。その結果、日帝はもっと経済・財政的にピンチになる。そして、人民に向かって一層凶暴な攻撃を強めていくのだ。
第三に、結局、他の「大国」との争闘戦に勝ち抜くために、また経済危機ののりきりのために、軍需経済化と改憲=戦争の道に再び日本を引き込むものだ。
小泉「改革」は、労働者人民に犠牲を強制し、民主主義を破壊し、逆に国家主義をあおり、ついには再び侵略戦争、帝国主義戦争に日本を引き込むものなのだ。この意味で小泉「構造改革」は、改憲・教育改革、「つくる会」教科書採択、有事立法・集団的自衛権行使、靖国神社公式参拝と一体の戦争国家化攻撃である。
この大攻撃に対して野党は総屈服している。民主党や自由党などブルジョア政党は、まったく批判できないどころか、「構造改革」のスピードの速さ、本気さで競い合おうとしている。日本共産党は、小泉と一体のファシスト石原の都政に対して「是々非々でのぞむ」と屈服し、首切り・賃下げを強行している経済同友会と懇談して「大企業が果たす役割を重視する」などと約束し、労働者の利益を裏切っている。
失業・賃下げのあらしが吹き荒れ、戦争への動きが強まり、人民の生活は日に日に脅かされている。「弱肉強食」が進むこの社会を根底から変革しなければ、人民の未来はない。労働者人民圧殺の政治の行き着く先は、必ず戦争なのだ。
今こそ労働者人民自身が立ち上がり、政治と社会を変える主人公とならなければならない。団結してデモやストに立ち、自民党政治を打ち倒そう。その先頭で闘うけしば誠一候補を都議会に送り込み、小泉―石原の戦争政治を打ち破ろう。
大銀行・大企業の延命が最優先
小泉の経済・財政構造改革は、大銀行・大企業の救済のために「米百俵の精神で、明日のために痛みに耐えよう」などと言いながら労働者人民に一切の犠牲を押しつけるものだ。
しかし、こんなことをしても経済の回復には全然ならない。むしろ、本格的な経済恐慌への一層の突入さえ引き起こすものである。
(1)国家の全面的バックアップのもとで銀行の不良債権処理を今後二〜三年間で行うという。不良債権処理とは、銀行が企業への融資を打ち切り、債権を強制的に回収することだ。ただでさえ不況に苦しむ中小企業数十万社(大企業も)がこれでつぶされ、連鎖倒産も起きる。三百四十八万人もの完全失業者(四月)はさらに百三十万人も増える(民間研究所の試算)。
総務省の二月の労働力特別調査では、求職活動はしていないものの「適当な仕事があれば働きたい」人(潜在的失業者)を含めれば、失業者はすでに七百三十八万人、失業率一〇・四%に達している。小泉改革で失業者は一千万人に迫る大変な状況になるのだ。
「雇用対策」などとアリバイ的に言っているが、政府にはまったくやる気がない。竹中経済財政相は、「雇用の受け皿を国家が用意するというのは、資本主義では考えられない。基本的にはそれぞれの産業で頑張ってもらう」(五月十四日)などと言っている。まったく許せない! 政府が企業を倒産させる指図をしておきながら、失業した労働者の雇用には、まったく責任をとらないのだ。
形ばかりの雇用対策も、パートや短期雇用など不安定雇用の増加でしかない。運良く再就職できても、賃金の大幅引き下げは当然という状況だ。
(2)他方、不況の激化、恐慌化に苦しむ銀行に対しては、銀行株式取得機構の設立も準備するとしており、小泉は手厚く公的資金を再注入するつもりだ。すでに銀行には数十兆円の巨額の公的資金が投入されているのに、なお公的資金をつぎ込み、ゼネコンなどの借金を棒引きしようとしている。そのつけは、最後には労働者人民に押しつけられる。
(3)巨額の財政赤字を強調して、〇二年度予算では国債の発行を三十兆円以下に抑えるという。その後、国家予算で税収入と歳出をバランスさせ、過去の借金返済以外の歳出は、新たな借金に頼らないようにすると言っている。
以上の(1)(2)(3)から出てくる結論ははっきりしている。一方で歳出の削減は、社会保障(医療、年金、介護)の高負担・低サービス化以外の何ものでもない。来年度一兆円削減をめざすという地方交付税交付金の削減は、自治体職員のリストラと、自治体が行っている独自の福祉政策、地元産業・企業の振興策の切り捨てなどにつながる。
また他方で歳入のアップは増税、それも消費税増税しかない。小泉や竹中などの「構造改革」論者は、消費税の一五%までのアップを言っている。
さらに小泉「行政改革」の目玉とされる郵政民営化、公務員制度改革の実体は大リストラだ。NTTの十一万人中の六万人の職員削減、五十一歳以上の賃金二〜三割カットというリストラ計画は、郵政民営化、国家・地方公務員制度改革の明日の姿をも示すものだ。
また、今すでに中小零細企業や商店は、大企業や大型店との競争の激化で苦しめられている。東京の小売商店数は、一九八二年から一九九七年の十五年間で二〇%以上、三万四千店余りも減った。今も歯止めがかかっていない。大規模小売店舗法の改悪による大型店の相次ぐ進出や、労働者を低賃金で雇用するチェーン店の進出などで、自営商店は価格競争にさらされ、廃業・倒産に追い込まれる店が続出しているのだ。
昨年一年間の企業倒産件数は前年比二三%増の一万九千七十一件で、戦後四番目の高水準となった。今年に入っても企業倒産は最悪のレベルで続いている。
小泉の「改革」とは、「競争政策を進める」「非効率な部門を淘汰する」と宣言して、こうした中小企業や商店の息の根を止めるものである。これを国策として進めるというのだ。
これによって「社会の中に痛みを伴う事態が生じることもあります」などとヌケヌケと言っているが、働く者にとって仕事を奪われることは、「痛み」どころか、人生や家族をめちゃめちゃにされ、死をすら意味する。
この小泉と一体となって軍需経済と戦争に日本を引きずり込もうとしているのが、ファシスト石原都知事である。石原は、「経済活性化のためにミサイル開発を」とか、「首都圏十兆円の都市再生計画」を叫び、兵器生産や大土木事業での経済危機突破を唱えている。小泉・石原の「都市再生計画」なるものは、羽田空港の再拡張とか大型道路建設を柱とする軍事都市づくりそのものである。
労働者は団結し生活を守ろう
労働者人民は、こんな小泉改革に毛一本ほどの信頼も寄せてはならない。人民の生活と権利は、人民の団結した闘いで守り、かちとっていこう。そのために、小泉・石原と対決し、リストラと闘う唯一の候補、けしば誠一氏を都議会に送り込もう。都議選決戦の勝利で、小泉「改革」粉砕ののろしを上げよう。
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週刊『前進』(2008号4面1)
小泉・石原と闘わぬ野党 けしば誠一氏こそ行動する民衆政治家
「石原都政に是是非々」「タカ派だが支持する」 石原与党に転落した共産党
「つくる会」教科書に沈黙 侮辱されても対立避け屈服 ファシストの居直り助ける
都議会議員選挙は目前に迫った。この選挙は、小泉超反動政権とそのファシスト先兵=石原都政と真っ向から対決する歴史的な闘いだ。同時に、小泉「改革」の前にグラグラになり追随する民主党、石原都政に「是々非々」と称して翼賛する日本共産党などの既成の野党勢力に打ち勝って、労働者人民の先頭で闘うけしば誠一氏を押し出す大決戦である。
「つくる会」教科書に沈黙
侮辱されても対立避け屈服ファシストの居直り助ける
今、都議会には、石原都知事の「つくる会」教科書推進、学校現場の意見無視の教科書採択の通達に対して、反対の声を上げて闘う都議会議員が、誰ひとりとしていない。この「つくる会」教科書が使われれば、子どもたちを戦場に送り出すことになりかねないという重大な攻撃であるにもかかわらず、反対して闘う議員が一人もいないのだ。
特に重大な問題は、日本共産党も、都議会でこの「つくる会」教科書の問題をめぐって、これを推進する石原都知事と何ひとつ対決しようとしていないことだ。これほど重大な攻撃がしかけられているのに、共産党の都議会議員団はなぜ「絶対反対」で石原を追及しないのか。
杉並区議会では、先の教育委員任命人事をめぐって、都政を革新する会や他の会派とともに共産党は一応「反対」票を投じた。それなのになぜ都議会で共産党の都議団は、「つくる会」教科書採択反対で石原を追及しないのか。
共産党は都議選に向けた政策でも、この教科書問題をまったく取り上げていない。教科書問題は「票にならない」と判断し、七月採択を容認しているのだ。
ここに石原都知事との対決を回避する共産党の基本姿勢が示されている。それは、小泉政権の「改革」に対して、「方向は違うが、……古い自民党的なものを壊そうとする点では共産党と同じだ」(朝日新聞五月十八日夕刊)と言って、小泉反動に屈服している姿勢、路線に連なるものだ。
五月十四日の共産党演説会で、不破は「都民の利益をなによりの基準にして(石原都政に対して)『いいことはいい、悪いことは悪い』、この態度を一貫してとってきた……そのことの値打ちが、いま、きわめて光っています」などと語っている。
共産党は、三月の都議会で、石原から「他人(ひと)の成果にむらがるハイエナのような態度だ」と侮辱されたが、当の石原に抗議すらせず、この「ハイエナ」発言を使って共産党を攻撃する公明党に対してのみ「抗議」した。
「(石原発言)にもかかわらず、共産党には『石原VS共産』の構図にしたくないとの思いが強い。『党員の中にも石原に投票した人は少なくないんだから』と都委員会幹部は言う」(朝日新聞五月十九日夕刊)
だから、共産党にとっての関心事は、石原との対決ではなく、石原に投票した党員と支持者に対し、「都知事は石原、都議会は共産党」として都議選での票を確保することだけなのだ。
五月九日に発表された共産党の「都議選にむけての重点政策」では、「私たちは、石原知事が憲法否定のタカ派的な立場を都政にもちこむことには反対です」などと言っているが、驚くべきことに「タカ派的な立場のもちこみ」を具体的に挙げて反対することは一切ないのだ。そして、「(タカ派)だからといって、゛石原知事のやることには全部反対″という態度をとっていません」として、「是々非々」論を展開しているのである。これは゛石原はタカ派だが、共産党は支持する″ということだ。
石原とは「憲法破棄」を叫んだり「ヒットラーになりたい」と言って、東京から日本を戦争国家につくり変えようと日ごろから主張している人物だ。「三国人が騒擾(そうじょう)をおこす」と在日・滞日アジア人民に対する民族差別と排外主義をむきだしにして、デマ扇動を繰り返しているファシストだ。
石原のファシスト的言動は、この間ますます度はずれたものになっている。しかし、共産党中央も都議団も石原の「人気」にたじろいで石原都政を批判してこなかった。このような言動を続けて居直り続ける首都の首長を支持することはそれ自身、内外の労働者人民への大きな背信である。
「いいことはいい」と支持 戦争と福祉破壊の石原都政に「いいこと」は一つもない
日本共産党は、『赤旗』紙上や都議会で、首都機能移転反対、銀行新税、ディーゼル車規制、横田基地返還などで、「石原都知事の施策は共産党と一致している」と積極的に支持を表明してきた。
不破は、石原都政には「都民の利益にかなう良い政治」と「都民いじめの悪い政治」とがあると言う。しかし、はたして石原都政に労働者人民の利益になる良い施策などがあるのか。石原の狙いに踏み込んでみれば、およそ「都民の利益にかなう良い政治」と言えるようなものではない。
@「首都移転反対」
石原都知事の首都移転反対の理由は、「天皇の住んでいる皇居をその中心に持ち、日本の政治・経済の中心地である東京から首都を移転するなどもってのほかだ」という点に尽きる。
不破は、昨年、首都移転反対の集会で、石原と同じ壇上に立って得意になっている。東京を中心とする日本の「繁栄」を望む点では、不破と石原は同じだ。
中小零細業者裏切る共産党
A「銀行新税」
銀行新税は、法人事業税への外形標準課税方式の導入と課税対象の中小零細企業への拡大に道を開くものだ。現に政府税調が、都の銀行新税導入を受けて外形標準課税の一律全業種への適用を答申した。このような危険な内容をもつ銀行新税―外形標準課税に対し「中小零細業者の味方」と言ってきた共産党が「もともと日本共産党が提言してきた政策」などと得意になって賛成しているのだ。
B「ディーゼル車規制」
二〇〇三年からディーゼル車規制が実施されると、ディーゼルバス・トラックの都内運行は禁止され、違反者は罰金を科せられる。しかし、こんなことでは排ガス問題は解決も改善もしない。石原都政が予算計上している大型道路が完成すれば、自動車交通量は増大し、大気汚染はもっとひどくなる。石原こそ環境破壊を進め、住民を苦しめている張本人である。
C「横田空域・基地の返還要求」
石原は、日米新安保ガイドラインへの全面協力を公言している。石原の横田空域・基地の返還要求なるものは実は、横田の軍民共用空港化なのだ。横田をガイドラインに基づいて、自衛隊の出撃基地として活用するという魂胆だ。石原は、平和のために、すなわち戦争の基地をなくすために基地問題を取り扱っているのではない。まったく逆だ。
その上で共産党は、「都民いじめの悪い政治」として、D水道料金値上げ、E中小企業融資の削減、F私立学校援助の見直し、Gシルバーパス有料化、H高齢者福祉手当・高齢者医療費助成の廃止を挙げている。
確かに、これらは石原都政の悪政だ。しかし、なぜもっとストレートに石原都政の問題として批判しないのか。石原都政に「よい部分」と「悪い部分」があるわけではない。根っこが極右であり超反動なのだ。
今の共産党には、日本を戦争国家につくり変えようとする攻撃、対中国・対北朝鮮の戦争挑発、反米国粋主義、憲法破棄論、反動的な教育改革、リストラ・首切り・賃下げと労働組合つぶし、大企業救済の大型公共事業、環境破壊、福祉・社会保障切り捨て、在日外国人や「障害者」、女性に対する直接的な差別の扇動など、石原の超反動的な基本政策、ひいては小泉政権の経済構造改革や改憲攻撃に対する根本的な批判がない。
実際、石原が就任以来強めてきている攻撃には、すさまじいものがある。
▼昨年九月には「防災」に名を借りて、陸海空自衛隊三軍による首都治安出動訓練を強行した。在日アジア人民を始め人民の抗議行動にもかかわらず、石原は今年も実施する方針で、それに先だって、この七月には、杉並区を始め数カ所を拠点に大規模図上訓練を実施すると発表している。
▼「経済活性化のために独自のミサイル開発をすべきだ」と公言している(三月十二日付ロサンゼルス・タイムス紙)。
▼「心の東京革命」と称して、親のしつけと子どもたちへのいじめと体罰をあおるファシスト的社会運動を繰り広げている。
▼銀行・ゼネコン救済のために、都民不在の無責任な十兆円の首都圏再生緊急プロジェクトを提言した。
▼私権制限を要求して、土地収用法改悪のお先棒を担ぎ、第一歩として、日の出町最終処分場反対トラスト地への強制代執行を強行した。
▼戦前の大東亜共同宣言を「現代も有効」と言って、石原自身の手で『アジア憲章』に書き直し、実際にも、大東亜会議を想起させるアジア大都市連合に向けた国際会議を始めた。
▼今、小泉が公言し内外から批判を浴びている靖国神社公式参拝についても、石原はすでに昨年都知事として行い、今年も参拝すると言っている。
▼ことあるごとに北朝鮮と中国を敵視する発言を繰り返し、戦争挑発を行い、「中国を分裂させよ」とまで言っている。
▼そして「つくる会」教科書攻撃だ。
このように石原は、単に「タカ派」の一言で批判できるような存在ではない。「ヒトラーになりたい」と公言し、ナチス、ヒトラーの手法にのっとって、右から現状をひっくり返そうとしている危険なファシストだ。こんな人物が首都を牛耳っていること自体、アジアの人びとにとって許せないことであり、日本人民として許しがたく、また恥ずかしいことではないか。
都議会第二党の共産党がこの石原と「是々非々」で平和的に仲良くやっていけると構えているから、石原はますます危険な方向に増長しエスカレートするのだ。今、都議会は、石原の施策に誰ひとりとして反対と言わないオール与党議会になっている。共産党に任せていては危険な石原都政から労働者人民のいのちとくらしは守れない。
石原と対決する都議を 民衆の味方でない共産党に打ち勝ち、けしば氏当選を
日本共産党は労働者民衆の味方ではない。「つくる会」教科書をめぐって、子どもたちの未来をかけて石原都政と闘おうとしないという一事からもそれは明らかだ。
起きていることは重大だ。共産党は「日米安保を凍結」と言って実は安保の現状および新安保ガイドライン体制を容認している。政府が集団的自衛権の行使や有事法制に踏み切ろうとしている時、符節をあわせるように、自民党と一緒になって「有事の自衛隊活用」を唱えている。憲法破棄を主張し、戦争をあおる石原都知事に反対できないのはそのためだ。
共産党は小渕政権の時には、「日の丸・君が代」の国民的議論を提言し、国旗・国歌法制定の呼び水となった。こういう立場で石原や小泉の靖国神社参拝を批判できるわけがない。
共産党は、労働者の利益を守る立場ではなく、資本家と一緒になって、日本資本主義の「建て直し」と国際競争力の向上を提案している。財界の会合に参加して発言したことに有頂天になったり、政財界と一緒になって財政再建論、景気回復論を唱えているのはそのためだ。
現に、吹きすさぶリストラ、今日の資本攻勢の最大の突破口となってきた国労闘争団千四十七人闘争を切り捨てる「四党合意」の推進の先頭に立った。
年収にして平均四十万円、給与一カ月分の賃下げとなる都職員への給与四%削減、期末・勤勉手当全額カットの条例に、都議会共産党は賛成票を投じ、石原の都労連への組合つぶしの攻撃に手を貸した。
杉並でも山田区政の一千人削減のスマートすぎなみ計画、その突破口である学校給食民間委託化に、共産党はけっして「絶対反対」の立場をとろうとはしていない。福祉・社会保障切り捨ての介護保険制度に対しても、さまざまな制度上の問題点をあげ、「改善」を唱えはしても「絶対反対」「廃止」とは言わない。
今問題は、没落帝国主義化の危機にある日帝が繰り出した小泉改革や石原都政に対して、立ち上がって闘うことなしには、労働者や家族は生きていくことができないということだ。資本主義がいのちとくらしを守る責任を投げ出し、生きていけなくしている以上、資本家に代わって労働者の社会を自分たちの手で闘いとるしかないのだ。
日本共産党の最大の問題は、教科書問題に明らかなように、いざという時に、労働者と住民の立場に絶対に立とうとはしないところにある。労働者、住民自身が立ち上がって闘い、自分たち自身の手に政治を取り戻そうとすることに対して、共産党はその先頭に立つのではなく、ただただ共産党の議席の拡大のためにそれを利用しようとしているだけだ。そればかりか闘いの妨害にさえ走るのだ。
これは労働者や高齢者、家族、差別と闘う人びとやアジア人民の利益を守る立場では絶対にない。
今こそ運動の輪を広げよう
職場や地域で、共産党を支持していた全労連系の組合やこれまで共産党を支持してきた人びとの中から、ともに闘う流れが、全国でも杉並でも始まっている。
介護保険制度に反対し介護の保障を要求する運動が、杉並で「介護と福祉を要求する杉並住民の会」の運動として、高齢者を先頭に大きく巻き起こり、区に保険料・利用料の減免を認めさせる突破口として、公的助成制度が実現された。集団的不服申請の運動が始まった。
学校給食の民間委託に反対する保護者と栄養士、調理士、教師の運動が闘われ、山田区長の四月民間委託強行実施を断念させて、さらに白紙撤回を求めてねばり強く闘われている。
「つくる会」教科書採択阻止の闘いはまさにこれからが正念場だ。政治を変えるのは労働者、住民自身の立ち上がりだ。
労働者と住民の利害を代表し、リストラと闘い、石原都政と闘う議員、行動する議員が、都議会に絶対に必要だ。日本共産党の吉田候補はもとより、「市民派」を名乗る自治市民の福士候補、生活者ネットの藤田候補もまた、小泉=石原と闘う候補ではない。
「小泉改革ノー」「自民党を全部落とそう」「熱い心で都政革新、石原都政とまっこう勝負」の信念で都議選に挑戦したけしば誠一氏こそ、労働者住民の立場に立った民衆とともに行動する政治家だ。
けしば氏は、七〇年安保沖縄闘争、全共闘運動の先頭に立ち、全学連委員長代行も務めた闘士であり、その熱い心を三十年間持続させてきた信念の人だ。この十年間は三期にわたり区議会議員として区民の運動の先頭に立ってきた。小泉=石原と唯一、真っ向勝負する大きな民衆政治家だ。
けしば氏を日本共産党や他の候補を打ち破って都議会に押し出そう。なんとしても勝たせよう。
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週刊『前進』(2008号4面2)
2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 5月23日〜29日
田中外相が沖縄差別の暴言
プルサーマル計画 住民投票で反対が多数
●町長が下地島に自衛隊誘致要請 沖縄県伊良部町の浜川健町長らは国会内に中谷元・防衛庁長官を訪ね、下地島空港への自衛隊訓練の誘致を要請した。中谷は「町議会の決議に感謝する。前向きに検討したい」と述べた。(23日)
●ハンセン病訴訟で政府が控訴断念 小泉政権は国が敗訴したハンセン病訴訟(熊本地裁判決)での控訴を断念した。(23日)
●ヘリ基地反対協が新基地受諾撤回を要求 稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長らの訪米で「十五年期限は拒否された」ことを受け、ヘリ基地反対協が「新基地建設受け入れ撤回を求める緊急市民集会」を名護市役所前広場で開いた。(23日)
●外相が沖縄差別発言 田中真紀子外相は、衆議院外務委員会で下地幹郎自民党議員が米海兵隊削減を提案したことに対し、「フィリピンやグアムへ振り分けることがいいことなのか。沖縄の中には(基地を)気にしない人もいる」と暴言をはいた。(23日)
●「教科書問題で中国に言い返せ」と石原が暴言 石原都知事は母校の一橋大で講演し「われわれが納めている税金は中国に行ってんだ。水爆を造るために」「(教科書問題で)中国政府に言ってやったらいいんだよ。向こうも間違ったこと言っているんだから」などと発言した。(24日)
●ブッシュ「ミサイル防衛重視」と講演 ブッシュ米大統領はメリーランド州の海軍兵学校の卒業式で講演し、最先端技術の活用、機動性やミサイル防衛などを重視した米軍建設に力を注ぐと述べた。当初ラムズフェルド国防長官が進めている包括的な戦略見直しを発表する予定だったが、議会や国防総省内部からの反発で作業が遅れていることから、具体的な内容には踏み込まなかった。(25日)
●国連PKO局へ自衛官派遣 防衛庁はこれまで制服組を派遣できなかった国連のPKO局に自衛官を派遣するための法改正案を秋の臨時国会に提出する方針を固めた。来夏までに百五十人の増員を予定しているPKO局からの自衛官、防衛庁職員派遣要請に対応した措置。(25日)
●PKF凍結解除へ 政府・与党は現在凍結されている国連平和維持軍(PKF)への参加を解除するため、早ければ今秋臨時国会で必要な法整備を行うほか、武器使用拡大も検討する方針を固めた。(25日)
●ブッシュがまた「中国に軍事力行使」発言 ブッシュ大統領はFOXテレビのインタビューで中国と台湾の武力衝突が起こった場合、米国が中国への武力行使に踏み切る可能性をあらためて示唆した。(25日)
●米が核査察早期実施要求へ 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への政策を協議するためにハワイで開かれた日米韓の局長級会合で、米側は国際原子力機関(IAEA)による北朝鮮全土への核査察の早期完全実施を要求する方針を示した。(26日)
●プルサーマル反対が多数
東京電力柏崎刈羽原発でのプルサーマル計画の是非を問う全国初の住民投票が新潟県刈羽村で行われ、反対票が五三・四〇%を獲得、賛成の四二・五二%を上回った。(27日)
●集団的自衛権で憲法解釈の抜本的変更へ 自民党・国防部会の主要メンバーは集団的自衛権の行使については「必要最低限の自衛権」の範囲拡大を軸とする政府による憲法解釈の抜本的変更で対応するしかないとの判断に立って、党内の意見集約を本格化する方針を固めた。(27日)
●司法改革推進本部を設置へ 司法制度改革審議会が六月十二日に最終意見を提出するのを受けて、政府は改革推進本部を内閣に設置し、二〇〇四年度までに改革の実現を図る方針を固めた。(28日)
●教育改革法案が審議入り
奉仕活動の推進、「不適格教員」免職制度などを盛り込んだ教育改革関連三法案の審議が衆院本会議で始まった。(29日)
●六月三十日に日米首脳会談 小泉首相はブッシュ大統領との会談を六月三十日にメリーランド州のキャンプデービッドで行う意向を固めた。集団的自衛権行使の問題や対中国、対朝鮮半島政策などで意見交換を行う見通し。(29日)
●韓国大統領が教科書問題で首相に親書 韓国の崔相龍駐日大使は首相官邸に福田康夫官房長官を訪ね、中学歴史教科書の修正をあらためて求める金大中大統領から小泉首相あての親書を手渡した。(29日)
●韓国で歴史ゆがめる人物の入国禁止へ 韓国の与野党議員二十人が、日本の歴史教科書問題を念頭に、かつての植民地支配下における日本の行為などを歪曲・正当化する人物の入国を禁止する出入国管理法改正案を提出した。(29日)
●天皇二〇〇二年訪韓見送り 天皇の韓国初訪問の時期を検討していた政府は、日韓共催のサッカー・ワールドカップが開催される二〇〇二年中の実現を見送る方針を決めた。(29日)
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週刊『前進』(2008号4面3)
誰でもできる選挙活動
けしば誠一候補(杉並区)の当選をめざす東京都議会議員選挙は、6月15日告示、24日投票に向かって最後の激戦に突入しました。けしば候補と都政を革新する会は、小泉=石原と真っ向から対決し、「自民党政治を終わらせよう」「石原都政の福祉切り捨て反対」「変えるのは私たちの力」と訴えて、連日区内を駆けめぐり、勝利に向かって全力で奮闘しています。
杉並選挙区は、定数6人に対して現在次の11人の立候補が予定されており、都内でも有数の激戦区です。
けしば誠一 都革新・新
野田 和男 自民・現
千葉 昇 自民・新
田中 良 民主・現
森田 安孝 公明・現
吉田 信夫 共産・現
西村 正美 自由・新
藤田 愛子
生活者ネット・現
福士 敬子 無・現
葉梨 俊郎 無・新
早坂 義弘 無・新
なんとしても、小泉政権の改憲=戦争と大失業の政治を打ち破り、労働者人民の生活と権利を守り抜き、労働者の時代を切り開くために、自民・公明や、これに屈服する民主・共産・生活者ネットなどの候補者を打ち破り、けしば候補を闘う民衆の力で都議会に送り込もうではありませんか。
そのために、全国の『前進』読者、支持者の皆さんに、けしば候補必勝に向け全力で立ち上がることを呼びかけます。
横一線の激戦ですから、一票一票が当落を左右する、とても大きな意味を持ちます。その中で、読者、支持者の皆さんによる杉並区在住の知人、友人、親戚への「けしば候補支持」の依頼の一言が、けしば候補を当選ラインに押し上げる大きな力となるのです。
この間の運動の広がりで、反自民・反石原を掲げた唯一の候補として「けしば誠一」の名前は、多くの区民の間に浸透してきました。小泉、石原との真っ向からの対決を呼びかけ、「私たちの力で政治を変えよう」と呼びかけるけしば候補の主張への共感、関心も区民の間に大きく広がっています。
この地熱の高まりの中で、あなたの直接の働きかけが、区民の意思決定、投票行動への決定的な力となるのです。あと3週間、以下のような行動への皆さんの総決起を呼びかけます。
全国の力を杉並に集中し、けしば候補当選をかちとりましょう。
●杉並区在住の友人、知人に支持の訴えを
◎電話をかけよう
あなたの出身学校の同窓生、職場の同僚、知人、友人に杉並区に住んでいる人はいませんか? つながりのある人からの働きかけは、とても有効です。同窓会名簿、職場の名簿などをみて、ぜひ、電話して下さい。
電話での選挙運動は、投票日前日まで無制限にできます。知っている人からの直接の電話は、特に力になり、確実に支持に結びつくものです。
◎公選葉書を送ろう
その人たちにけしば候補を推薦する公選葉書を送りましょう。選挙対策本部から必要な枚数を受け取り、あるいは送ってもらい、あて名と差出人の名前を書いて、必ず選対本部に戻して下さい。直接、ポストに入れないで下さい。公選葉書は、選対がまとめて差し出したものだけが有効です。
●まわりの人に声をかけよう
職場の仲間や、サークルやグループの集まりでも、周りの人に声をかけ、杉並でけしば候補の勝利をかちとることの重要性を訴えて、協力してもらって下さい。その人が杉並区に居住していなくても、知人、友人、親戚に杉並区内の人がいるかも知れません。ぜひ、紹介してもらって下さい。また、その人から声をかけてもらって下さい。
●駅頭演説会に駆けつけよう
他党派、他候補とのしのぎを削る闘いにおいて、街頭での演説会の盛り上がりは、けしば候補の力と勢いを示し、選挙情勢に大きなインパクトを与えるものです。毎日の駅頭・街頭演説会とビラまきにぜひ駆けつけて下さい。
●激励とカンパを集中しよう
すでに全国から激励の手紙や推薦状が続々と寄せられています。また、檄布や檄文も大変励みになります。どしどし、けしば候補のもとへ送って下さい。
また、選挙闘争を支えるカンパもぜひ、集めて送って下さい。
誰に投票するかまだ決めてない、これから判断して決めるという区民がたくさんいます。だから、これから投票日までの働きかけが、一切の勝負を決めるのです。
勝利のために、やれることはなんでもやり切ろう。
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週刊『前進』(2008号5面1)
小泉・石原と闘わぬ野党 けしば誠一氏こそ行動する民衆政治家
小泉と「改革」競う民主党
リストラ推進で労働者に敵対 代表鳩山は改憲攻撃の急先鋒
首切りを奨励する「民主党経済対策」
「連合」を支持母体に持つ民主党は、小泉極反動政権とまったく闘わず、逆に同じ土俵で「改革」を競い合うという反動的正体をさらけ出している。
民主党は、小泉政権が「聖域なき構造改革」と称して倒産とリストラ・大失業で労働者人民と中小零細企業を犠牲に大銀行・大企業(金融独占資本)を救済しようとしている時、これと一体となってリストラ・大失業攻撃を推進しようとしているのだ。労働者人民の勝利のために、民主党は資本家階級の政党そのものであり、労働者人民の味方ではないことをはっきりさせなければならない。
民主党の鳩山由紀夫代表は五月九日、小泉の所信表明に対する代表質問で、小泉と「改革のスピードを競う」と表明した。民主党は日帝・小泉の「構造改革」と同じ側に立っている。政権の座にいない民主党が「改革のスピードを競う」と言ってみたところで、結局は小泉の「構造改革」の「お手伝い」「しり押し」になるだけであり、民主党の野党としての存在意義がかすんでしまうだけだ。
だが、民主党が小泉・自民党と一体となって労働者人民への首切り・リストラ攻撃、中小零細企業倒産の先兵となることを断じて許してはならない。民主党に労働者人民の怒りをたたきつけよう。
鳩山が代表質問で主張する「経済構造改革」とはどんなものか。「政府の緊急経済対策は、不良債権の最終処理を売り物にしています。しかし、その対象はごく一部に限られ、肝心の部分が抜け落ちています」と、不良債権処理をもっとやれと言っている。
ではその不良債権の処理はどのようにやるのか。民主党が発表している「民主党経済対策」では次のように言っている。
「不良債権の直接償却は、ルールが明確な法的整理による債権放棄と、不良債権の売却を基本とする。公的資金による資本注入を受けた金融機関については、民事再生法など法的整理を中心とする、企業の再建が確実でかつモラル・ハザードを招くことのないものを除き、安易な債権放棄は認めない。なお、再建型倒産手続きの過程にある企業に対する支援策として、DIPファイナンス(再建手続きの過程にある企業に運転資金を貸すこと)の仕組みを整備する」
これは、@まだ倒産していなくても過剰債務を抱えた企業は民事再生法による法的整理を行い、A労働者を大量解雇したら再建が可能な企業については銀行による一定の債権放棄を認める、B銀行に対しては公的資金(税金)による資本注入を行うべきである||ということだ。
銀行に公的資金を投入して不良債権処理を行わせ、それによってつぶれる企業について、労働者の大量解雇によって再建が可能だと認められるものは、銀行が一定の債権を放棄して再建させるということだ。大量の労働者を失業に追いやり、労働者を犠牲にして、大資本を救済しようとするものにほかならない。中小商店や中小企業は完全に切り捨てられるのである。
「財政構造改革」についても、「道路公団に代表される非効率な特殊法人の延命に国民の税金と郵貯資金を投入する仕組み」をやめて、特殊法人の大リストラと民営化を進めよ、と要求している。そのすべての矛盾は労働者に襲いかかってくるのだ。
このようなことを平然と言う民主党は小泉反革命の応援部隊でしかない。
民主党はこうした大失業攻撃に対して、「セーフティ・ネットを整備する」と言っている。その中身は、「非自発的失業者と自営業廃業者について、三年間の時限措置として職業能力開発支援制度(仮称)を創設する」というものに過ぎない。雇用を確保するということはどこにも出てこない。この「職業能力開発」によっても再就職できない場合には「労働市場のニーズ」に合わない労働者の方が悪いということにされてしまうのだ。これが「雇用における『安心』の確保」だなどと主張する民主党は労働者階級の味方などでは断じてない。
「つくる会」教科書の採択運動を促進
小泉や民主党が大銀行・大企業の救済と生き残りのために主張している「構造改革」なるものを強行すれば、百万人の失業者が新たに発生する。これに対して労働者がただ黙って首を切られるままになっていることなどありえない。労働者の闘いが爆発することは必然なのだ。
しかも「構造改革」で小泉が言うようには景気は良くならない。逆に中小企業がばたばたと倒産し、大量の労働者が失業に追いやられ、恐慌と不況がさらに深刻化することは不可避なのだ。民主党が主張し、小泉がやろうとしている「構造改革」は、恐慌の一層の深刻化が避けられない中で、日帝の金融独占資本が他帝国主義との争闘戦に勝ち抜くために労働者を犠牲にして資本の経営体質を強化し、さらに国内的な巨大な独占体制を築こうとするものにほかならない。労働者の失業は、数兆円の不良債権処理で引き起こされる失業をはるかに超えて激増することは不可避なのだ。
これに対して労働者の怒りが爆発し、ストライキや工場占拠など、生きるための闘いが爆発することは不可避だ。裏切りの労働組合執行部は次々と打倒され、組合のない職場でも次々と労働組合が結成されていくだろう。いや、闘う新潮流の躍進で絶対にそうしなければならない。資本家階級と労働者階級の生死をかけた決戦が闘われるのだ。
これに対して自民党・小泉がやろうとしていることは、労働運動と階級闘争を圧殺し、国家主義、愛国主義、排外主義をあおり立てながら侵略と戦争へと突進し、労働者人民を戦争へと動員することである。
小泉は、日帝の侵略と戦争の最高責任者=A級戦犯らを「英霊」としてまつる靖国神社を「尊い命を犠牲にして国家のために戦った人びとをまつっている」として、公式参拝することを公言し続けている。アジア人民の怒りの爆発に対して、「よそから批判されてなぜ中止しなければならないのか」と居直り、逆に排外主義と戦争をあおっている。また改憲を真っ向から主張し、「いざというとき命をかける自衛隊に対して、憲法違反であるとか、そうでないという議論をさせておく方が失礼だ」と、軍隊に対していかなる批判も許さないという態度を露骨に示している。
集団的自衛権の行使と九条改憲を主張して米帝の中国・朝鮮侵略戦争に全面的に参戦しようとしている。首相公選制の導入も主張している。さらに日帝の戦争体制の構築に向けて有事法制の整備を主張し、制服経験者として大臣となった中谷元防衛庁長官に法案提出の準備を指示している。
民主党・鳩山は、この自民党の凶暴さに屈服・加担してむしろ積極的に改憲を主張し、日米同盟を外交の基軸に置くとしている。
そもそも鳩山は『文藝春秋』一九九九年十月号で「自衛隊を軍隊と認めよ」との論文を発表したゴリゴリの改憲論者なのである。
鳩山は二〇〇〇年十一月七日、日米安保ガイドライン関連法の問題で、米軍への後方支援が「集団的自衛権(の行使)に当然、入ると思う」と述べ、憲法改悪を行って集団的自衛権を正式に憲法に規定すべきだという発言を行った。鳩山が代表質問で日米同盟を外交の基軸に置くと言ったことは、結局、米帝の中国・朝鮮侵略戦争に参戦していくということなのだ。そうした中で鳩山が「東アジア地域の平和と安定のために、『不戦共同体』をつくる構想」を進めていることは、日帝のアジア勢力圏化の策動にほかならない。
また民主党は「教科書問題に関する中間報告」を出し、「歴史教科書のあり方」について触れながら「つくる会」教科書については何も言わない。逆に、「教科書採択のあり方」についての言及では、「採択にあたり調査員が事前にリストを作成する絞り込みや、いわゆる学校票の制度も保護者の権利を弱めるものである限りは認めがたいものといえる」と教科書採択から現場の意見を排除しようとしている。「つくる会」教科書を採択させようという攻撃を推進する役割を果たしているのだ。
民主党は、労働者の闘いを圧殺して、日帝の朝鮮・中国|アジア侵略戦争への攻撃を積極的に推進する勢力なのだ。
民主党は、小泉・自民党に対抗する勢力ではまったくない。むしろ中曽根や小泉が狙っている民主党や自由党を巻き込んだ政界再編を一緒になって推進しようとしている、いま一つの支配階級の政党なのである。
けしば氏こそリストラと闘うただ一人の政治家だ
民主党が競うと主張し、小泉・自民党が推進している「構造改革」は、労働者人民をリストラ・大失業の中にたたき込み、生活を破壊し、命を奪うものだ。小泉が「構造改革」を行えば景気が回復するかのように人民をたぶらかしているそのウソを完全に暴き切り、大銀行・大企業の延命と労働者への犠牲の転嫁、中小企業切り捨ての「構造改革」と真っ向から闘わなければならない。今、労働者は闘わなければ生きられないところに完全に立たされている。既成指導部の裏切りを粉砕して、階級的団結を作り出し、日帝の資本攻勢、侵略と戦争の攻撃と全力で闘い抜こう。
そして労働者の闘いが勝利し、労働者が主人公となる社会を実現するためにも議会に労働者の闘う代表を持たなければならない。闘う労働者人民とともに歩み、ともに闘ってきたけしば誠一氏、リストラと闘う唯一の政治家であるけしば氏を都議会に送り出す都議選決戦こそその戦場だ。全国の闘う労働者人民の力を総結集し、けしば氏当選をなんとしてもかちとろう。
けしば氏は、高齢者から介護を奪う介護保険に反対し、「介護と福祉を要求する杉並住民の会」の高齢者とともに闘い抜いてきた。住民の会の闘いは、介護保険料取り立て反対の集団的な不服審査申し立てを行い、介護保険廃止に向かって大きな一歩を切り開くところまで来ている。
さらに「つくる会」教科書採択反対の大きな闘いがかちとられ、山田杉並区長の採択策動と真っ向から対決している。けしば氏はこうした住民運動や労働者の闘いの最先頭で闘い抜いてきた。こうしたけしば氏こそ労働者人民の代表として最もふさわしい人物だ。
とりわけ、けしば氏はリストラと闘うただ一人の政治家である。与野党のあらゆる議員はリストラと闘わないだけでなく、リストラの賛美者、推進者なのだ。今こそ、労働者人民にはけしば氏が必要だ。労働者人民の総力を挙げて、けしば氏の当選をかちとろう。
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週刊『前進』(2008号5面2)
迎賓館・横田爆取裁判 専門医の所見を無視し つえの使用を不許可に
須賀同志への医療拒否弾劾
須賀武敏同志に対する五日間の勾留執行停止・入院検査がかちとられたことに大打撃を受けた検察と東拘当局は、許せないことに、退院した須賀同志への獄中弾圧を激化させてきた。
入院検査が終了して東拘に再収監された五月十二日以降、須賀同志は、三七度台の微熱と体の不調がほぼ連日のように続いている。五月下旬に入って、発熱は三七度五分を超えた。だが東拘当局は、血液検査の結果が「異常なし」であるとして、抗生物質の支給を一方的に打ち切った。同志の強い抗議を受けて撤回されたとはいえ、こんな乱暴なやり方は許されない。
さらに、須賀同志が入院時に東京医科歯科大学病院で購入した歩行訓練用のつえの使用を何の理由も示さず不許可にした。このつえの使用は、須賀同志の診察に直接当たっている東拘の医師自身も、その必要性を明確に認めていたものだ。
とりわけ問題のつえは、ヘルニア患者のリハビリに最適な医療器具として、須賀同志の体に合わせて作られたものである。東拘に定期的に派遣されてくる整形外科の専門医がいったん使用許可を出していたものを、専門医でもない東拘の医務当局が勝手に覆して不許可にしたのである。
今年三月の医療鑑定と今回実施された入院検査によって、発熱やめまいを始め須賀同志が苦しんでいる全身症状の原因が、十四年を超える長期の拘禁生活そのものにあることがますます明白になっている。
須賀同志だけではない。十亀弘史同志は、十二指腸潰瘍(かいよう)や胃潰瘍を患い、目の病気や腰痛に悩んでいる。板垣宏同志は腸ヘルニア、高脂血症、白内障などに加えて頭痛、耳鳴りに苦しんでいる。未決勾留八年の福嶋昌男同志は、何年も前から前立腺肥大症に悩まされている。
だが法務省と検察、東拘当局は、須賀同志の入院検査の結果、心臓については重大な事態ではないことが分かったことで、一切を居直ろうとしている。勾留執行停止を許したことへの巻き返しをもかけて、これまで以上に露骨な医療拒否の態度に出ているのだ。
しかし、今回の医療鑑定を経る中で、東拘の診察担当医師でさえすでに、須賀同志の訴える全身症状が拘禁性のものであり、身柄の解放なしにその根底的解決がないことを否定できなくなっている。だからこそ権力は一層焦り、東拘所長の命令のもとに、現場の医師の所見さえ握りつぶして強権的な対応を強めている。
追いつめられた日帝権力のむちゃくちゃな攻撃を、闘う全人民の怒りの爆発で粉砕しよう。
東拘は須賀同志への医療弾圧を直ちにやめよ! 裁判所は須賀同志の入院検査に続いて、十亀同志と板垣同志への医療鑑定を今すぐ実施せよ! 全同志に獄外での医療を! 何よりも直ちに保釈の決定を!
六月十一日(月)午前十時、迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判の次回公判の傍聴に決起し、東京地裁を揺るがす闘いをやりぬこう。
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週刊『前進』(2008号5面3)
《投稿》 盛り上がった5・15 沖縄労組交流センター M
一九七二年の「復帰」から二十九年目の五・一五が巡り巡ってきた。この時期沖縄は梅雨の真っただ中にあり、加えて十四日には季節はずれの台風が直撃するというあいにくの天候が続いていた。しかし十五日には梅雨も中休みに入り、闘争日和となった。
今年の五・一五を巡る特徴的な状況は、沖縄平和運動センターがますます連合路線を深めたことと、それに対決する陣形が生み出されたことである。
昨年まで三コースに別れて行われた平和行進を一コースのみに縮小し、何よりも五月十五日に開催していた県民大会を取りやめ、沖縄最北端の辺戸岬でのかがり火大会に変更したことである。“怒りの日゜五月十五日に県民を総結集させるのではなく、交通の不便な最北端でしかも限られた人たちだけの「祭り」に変えられたのである。
しかし、労働者は黙ってはいなかった。県職労を中心に南部の自治労が自治労県本部を糾弾し、独自の南部平和行進を実現した。二百人が沖縄県庁前から糸満までの二十三`の行進を貫徹した。思えば沖縄本島南部は、先の沖縄戦で最後の激戦地となり、膨大な死傷者を出した地である。自治労南部の組合員はこのことを忘れていなかった。
この南部平和行進の中で、元ひめゆり学徒隊の宮良ルリさんの「『つくる会』教科書を認めたら、また沖縄戦を強制される」という発言に、多くの若い組合員や女性組合員が感銘し、涙を流した。こうして南部平和行進は、県民大衆に強烈にアピールし、連合運動をのりこえるきわめて意義深い闘争となった。
その日の夕方、「基地の現実を問う五・一五平和集会」が平和市民連絡会の主催で行われ、二百人の闘う市民が参加した。崎原盛秀さんが基調報告を行った。連帯あいさつで、名護ヘリ基地反対協の宮城幸さんが、「基地と共存共栄はできない」「アジアの仲間に銃を向けることはできない」と基地建設絶対反対を表明した。
その後国際通りをデモ行進し、圧倒的な注目を集めた。沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会も元気良くデモを貫徹した。
翌十六日には、名護・辺野古の命を守る会を訪問し、交流会をもった後、名護市街地の為又(ビーマタ)で街頭宣伝を行った。夕方から那覇市内で、沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会の共催する「五・一六交流集会」が五十人の結集で行われた。
沖縄交流センターの若者が司会を務め、さわやかなスタートとなった。
連帯あいさつに知花昌一さんが駆けつけ、「九五年の事件以来、米軍犯罪が減少しているが、これは県民の抗議行動によるものだ。また議会における抗議決議の成果である」と、自らの議会活動がしっかり運動と結び付いていることをあらためて明らかにした。
基調報告が実行委員会から提起された。これまた若者によってなされた。各産別の発言でも若者が次々と立ち、熱気あふれる集会となった。最後に、本土から参加した各大学の一年生が紹介され、「帰ってからも頑張ります」と力強い決意を述べた。
こうして二十九年目の五・一五闘争は、「若者の時代到来」を思わせる画期的な闘いとしてかちとられた。
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週刊『前進』(2008号5面4)
新刊紹介 コミューン 7月号 教科書攻撃粉砕へ
今月号の特集は、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書を徹底的に批判した。
第一章は、歴史教科書批判。「戦争賛美と戦争責任の居直り」の項で、歴史教科書が日清戦争からアジア・太平洋戦争に至る全戦争を「自衛戦争」だと正当化し、加害事実を抹殺・歪曲し、「アジア解放の戦争」とする居直りを具体的に批判。「教科書の全内容を貫く皇国史観」の項では、天皇神話を数多く登場させ、天皇の権威を異常に強調し、「教育勅語」を全文掲載して皇国史観を全面的に復活する恐るべき試みを断罪した。さらに改憲の露骨な主張や帝国主義的民族排外主義の全面展開を批判している。
第二章は、公民教科書を各章ごとに批判した。
公民教科書の「序章」は国民主権を否定し、国家への忠誠心と「国民にとって国防が義務」を繰り返している。「第一章/文化」は日本の「文化と伝統(=天皇制)を重視」と道徳を満展開している。「第二章/政治」は現憲法を非難し、天皇制礼賛、「日の丸・君が代」推進・愛国心、北朝鮮への排外主義を扇動。「終章」は「核をもち、命をささげよ」が結論。
以上の暴露により、公民教科書は、「国防の義務」を教え込む戦争動員教科書であることを明確にした。
国会で審議が始まった教育関連法案阻止闘争へのアピールと、学校教育法、社会教育法、地方教育行政法の改悪案を載せた。
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週刊『前進』(2008号5面5)
訂正
前号5面、島崎論文中、「『要注意先』(表のCとD)」を「『要注意先』(表のDとE)」に訂正します。
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週刊『前進』(2008号6面1)
水嶋秀樹同志の不当逮捕は百パーセントデッチあげだ 「有印私文書偽造」ねつ造粉砕を
都議選を妨害
五月二十二日朝七時過ぎ、兵庫県警は伊丹市船原のマンションに突入し、居合わせたS同志と水嶋秀樹同志を不当にも逮捕した。
これは、教育改革反対、「つくる会」教科書採択阻止、教育基本法改悪阻止を闘い、改憲阻止決戦に決起している革共同への組織破壊攻撃であり、国鉄労働運動を先頭とした戦闘的労働運動の前進を根底において支えぬく革共同に対する、権力の恐怖にかられた不当弾圧にほかならない。
そして何よりもこの弾圧は、極右小泉政権とファシスト石原都知事と対決するけしば誠一候補を押し立てての都議選決戦に対する許すことのできない選挙妨害である。われわれは、この弾圧をなんとしても粉砕し、都議選決戦の勝利をもぎり取る決意である。
今回の弾圧は、逮捕理由そのものが完全なデッチあげだ。絶対に粉砕せよ!
S同志の逮捕・勾留容疑とは、三年前にハンコ屋で印鑑を注文した時に、承諾を得た人の名前を注文表に書いて押印したことが「有印私文書偽造・同行使」だというものだ。
大阪府警は、S同志が一昨年にマンションを借りたことが「有印私文書偽造」に当たるなどとして、まったく許せないことにS同志を指名手配していた。九九年七月には、それを口実に前進社関西支社への不当な捜索を強行した。だが権力は、S同志がマンションを借りたこと自身を勾留の容疑とすることができず、「印鑑を注文したことが犯罪だ」などという、とんでもない言い掛かりをつけているのである。
事前に承諾を得て、必要な手続きの代行として行った記名・押印がどうして「有印私文書偽造」になるのか! 「有印私文書偽造」とは、KSD会員の名前を使って勝手に自民党への入党届けを偽造したことに示されるような、本人の承諾もなく、本人の名誉・財産・権利を侵害するような行為を言うのだ。KSD問題では、誰ひとり「有印私文書偽造」で逮捕されてはいないではないか。
さらに、兵庫県警は「指名手配されていたS同志をかくまった」として、水嶋同志をも不当に逮捕した。
水嶋同志は、八八年九月二十一日の千葉県収用委員会会長せん滅戦闘に参加したとデッチあげられ、指名手配攻撃を受けていた。兵庫県警は、S同志を大阪府警に送り、水嶋同志については、いまだに県警本部に留め置いて、二同志の長期勾留をたくらんでいる。
水嶋同志にかけられている八八年九・二一戦闘容疑は、百パーセントのデッチあげだ。水嶋同志はこの戦闘とはまったく無関係であり、一切関与していない。だから同志に関するひとかけらの証拠もありはしないのだ。
この指名手配は、九・二一戦闘が三里塚反対同盟の農地を強奪する千葉県収用委員会に対する怒りの戦闘として爆発し、収用委員会をいまだに再建できない状態へとたたき込んだことへの報復弾圧だったのである。九・二一戦闘の正義性と打撃力は、空港建設が今日も阻止されていることにはっきりと現れている。
また、水嶋同志は七四年一月二十四日のカクマル・横浜国大生完全せん滅戦闘容疑で指名手配攻撃を受けていた。権力は、同志が見事にその時効を迎えて自由の身になることに対する報復として、「九・二一戦闘に関与した」というデッチあげ指名手配攻撃を行ったのである。それは、水嶋同志の闘いと存在に、権力がいかに恐怖しているかを示している。
権力が唯一依拠しているのは、自分だけは助かりたいという転向者・正井に対して権力が水嶋同志の写真を選ぶよう仕向け、それに正井が応じたとデッチあげたこと、この一点だけである。同じ件でデッチあげられた神藤猛雄同志は、これまでの裁判闘争でそのデッチあげを暴ききり、一審無罪判決をかちとった。しかし、許せないことに東京高裁は神藤同志に逆転有罪判決を下した。神藤同志は現在、最高裁に上告して闘っている。
直ちに釈放へ
水嶋同志への指名手配攻撃は、虚構で塗り固めた政治弾圧であり、絶対に許すわけにはいかない。
大阪地裁は二十三日、S同志と水嶋同志に対する勾留請求を認めた。勾留の目的は、転向強要と嫌がらせ、さらには別件での再逮捕のための時間かせぎ以外の何ものでもない。こんな明白なデッチあげにもかかわらず、裁判所は不当な逮捕・勾留を唯々諾々(いいだくだく)と追認しているのだ。
今や公安警察は、革命党破壊のために、とんでもないデッチあげを平然と繰り返している。まさに戦争国家化が警察国家化と司法反動として進んでいるのである。党と人民は、こうした攻撃を断じて許してはならない。日帝・公安警察による革命党へのデッチあげ弾圧を全力で打ち砕いて、闘いぬこう。
完全黙秘・非転向を貫き不屈に闘っている二人の同志を守り抜け。理不尽なデッチあげ弾圧を何としても粉砕しよう。権力は二人の同志を直ちに釈放せよ!
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週刊『前進』(2008号6面2)
連合全逓中央を打倒し「新生ビジョン」粉砕を 弟55回全逓大会の大決戦へ
小泉「郵政民営化」への怒りの総反撃に立とう
マル青労同全逓委員会
全逓第五五回定期全国大会が六月二十―二十二日、長崎で開催される。時あたかも日本帝国主義の未曽有(みぞう)の経済的・政治的・体制的危機の中で、憲法改悪と、郵政民営化を突破口とする大リストラ・首切りを狙う極右小泉政権が誕生した。今大会は、二十一世紀の全逓労働運動が日本帝国主義の戦争と大失業の攻撃に屈服し、戦前の産業報国会・逓信報国団へと転落するのか、それとも現場の戦闘的労働者の怒りで連合全逓中央の帝国主義的労働運動を粉砕し、新たな闘う階級的全逓労働運動の再生をかちとるのかをかけた、歴史を画するきわめて重要な大会である。われわれは、現場で苦闘する全逓労働者の手によって、階級的全逓労働運動の再生の第一歩が今大会で記されることを確信する。何よりも数万人の首切りを狙う「郵便新生ビジョン」―郵政民営化攻撃を怒りの総決起で粉砕するために、ともに闘うことを心から訴える。郵政労働者の生命と生存をかけて、「改革」の衣を着た正真正銘の国家主義者・小泉を、資本・郵政当局とともに「郵便新生ビジョン」を推進する連合全逓中央もろとも打倒しよう。
改憲・戦争国家化、公務員労働運動解体を狙う反動小泉政権
超反動的な小泉政権の誕生の背景には、没落帝国主義・日帝の体制的危機があり、そのもとでの労働者人民の生活と未来に対するすさまじい危機意識と、閉塞(へいそく)感の打開=現状変革の強い欲求がある。
小泉政権は、これを逆手にとって、労働運動を始めとした反対勢力をたたきつぶし、労働者人民の生活破壊と改憲・戦争国家化を、高支持率をバックに暴力的に進めようとしている。このような戦慄(せんりつ)すべき状況に、全逓労働者は階級的怒りを燃えたぎらせて決起しよう。
小泉の掲げる「構造改革」では、日本帝国主義の経済と財政の危機的状況を立て直すことなどできない。不良債権処理による百万人の失業増ともいわれる大リストラを始めとして、すべての犠牲を労働者人民に転嫁するしかなく、その「改革」の反人民性があらわとなり、労働者人民の生き死にのかかった怒りと闘いを間違いなく引き起こすからである。
そして、全逓労働者にとって重要なことは、「郵政民営化」が公約とされ、「構造改革」の突破口となったことである。公務員労働運動解体の最大のターゲットに全逓労働運動が据えられたのだ。小泉が所信表明演説で「郵政三事業については、予定どおり二〇〇三年の公社化を実現し、その後の在り方については、早急に懇談会を立ち上げ、民営化問題を含めた検討を進め、国民に具体案を提示する」と述べたように、郵政民営化の方向はより一層強まっている。
今問われているのは、労働者の階級的利益と階級的労働運動の防衛・前進を担う労働者党と労働運動である。小泉政権の攻撃に対して、民主党や日本共産党を始めとする野党は、まったく無力である。
また重要なことは、労働者階級を襲う一大資本攻勢に対して、連合は闘うどころかその攻撃の共犯者として率先協力していることである。郵政でもそうだが、JR、NTTや民間のあらゆる産別で、連合労組指導部(JR東は松崎・カクマル)の資本への屈服、共同作業=共犯なしにはリストラ・首切りなどの国鉄分割・民営化型攻撃は進まなかった。この事実に、もっともっと激しい心の底からの憤怒(ふんぬ)をたたきつけなければならない。
連合路線を食い破る、闘う新たな階級的労働運動の潮流の発展が待ったなしに問われている。労働者を戦後最悪の労働条件にたたき込み、資本・当局と一緒になって労働者を食いものにする連合労組指導部と路線的・組織的に対決し、全産別で打倒しよう。全逓労働者はその最先頭で闘おう。
腐敗・癒着した族議員と官僚と労働貴族こそが赤字の元凶
郵政三事業民営化攻撃について第一に確認すべきことは、郵政民営化が日帝の行財政改革および公務員労働者支配の問題と密接に関係しており、その帝国主義的「解決」の突破口をなしていることだ。世界的な恐慌過程の深化と日米争闘戦での敗勢にあえぐ日帝の体制的危機に規定された、労働者階級への犠牲転嫁の攻撃であり、全逓労働運動の暴力的解体の攻撃である。
また、今日の資本攻勢のあらしは、日帝ブルジョアジーの総路線によるものだ。「郵便新生ビジョン」もその一環であり、国鉄・教組・自治体・NTTの労働運動解体攻撃と並ぶ一大資本攻勢の最先端にある。
この一大資本攻勢の総路線を打ち出しているものこそ、日経連の労問研報告である。今年の労問研報告は、徹底的なリストラ、賃下げ、不安定雇用化の戦略を正面から推進し、首切り自由を法制化し、春闘を解体し賃金闘争そのものを押しつぶすことによって、労働組合の歴史的獲得物の一掃と戦後階級関係の全面的転換を狙っている。
したがって第二に、学者、エコノミスト、マスコミから全銀協、財界、日銀の速水総裁、自由党の小沢にいたるまでブルジョアジーの大勢は民営化賛成論であるということだ。
第三に、反対論は郵政官僚、特定局長会、郵政族議員、全逓と全郵政の労働組合幹部という「郵政ファミリー」および一部の郵政御用学者だけの少数だ。しかし、民営化反対=国営形態維持の「郵政ファミリー」は、本心では今や民営化不可避と判断し、公社化・民営化後の官僚的・労働貴族的・政治的利権を死守することに全力をあげている。
第四に、「国民のための郵政事業」を主張する郵産労=日共は、うわべは民営化反対、本音は賛成である。国鉄分割・民営化の先兵であるカクマルは、郵政においても党組織延命の立場から民営化賛成である。
われわれの立場は、第一の確認からして民営化絶対反対である。「郵便新生ビジョン」を始めとする大合理化、「人事交流」=強制配転などの労働者への攻撃は、「郵政三事業が危機だ。このままでは立ち枯れてしまう。国営を守れ」という事業危機論に立った、実質的な民営化攻撃である。しかも郵政官僚と連合全逓中央が一体となっての労働者への攻撃である。
だからこそ「反合理化・反マル生・反処分」の労働者的原則を堅持し、「郵政事業民営化反対、連合全逓中央打倒、全逓を改革し闘う全逓の再生を」というスローガンを掲げて闘うことを、全国の闘う全逓労働者に声を大にして訴えたい。
郵政三事業は、今年一月六日から総務省の外局「郵政事業庁」に改編された。二〇〇三年には「郵政公社」に移行する。郵政官僚と全逓中央は、「国営で三事業一体の現行経営形態と、職員の国家公務員としての身分は守られた。民営化は阻止した」と説明している。ところが中央省庁等改革基本法は、郵政公社を「独立採算制の下、自律的かつ弾力的な運営を可能とする」と定めている。具体的には、企業会計原則の導入、今年四月からの郵貯資金の全額自主運用と、〇三年公社発足時の郵便事業への民間事業者の参入である。これ自体、実質的な民営化である。
その上で、小泉の登場によって「郵政民営化」論議が再燃しているのだ。
九七年九月の橋本行革会議(中間報告)は、「郵政事業分割=郵政省解体、簡保民営化、郵貯の早期民営化への条件整備」を打ち出した。野中ら郵政族議員の抵抗の結果、行革会議最終報告=改革基本法に盛られた内容で決着が図られた。野中らの「決着済み」と小泉の「将来の民営化が決まった」との対立は、改革基本法の内容が玉虫色だったことが原因である。政治決着とは、誰の政治的力が勝るかによってどうにでもなる、ということだ。
小泉の郵政民営化の持論は、@肥大化した郵貯が民業(銀行)を圧迫している、A郵貯・簡保資金の資金運用部への預託が無駄な財政投資を許し、特殊法人を温存させた、B郵便事業は民間企業で可能だ、Bだから「国民の利益」のために民営化せよ、というものだ。
だが、小泉の郵政民営化論は、構造改革全体のプランとの関係があいまいであり、とりわけ郵貯・簡保をどう見直し、政府系金融機関(特殊法人)を含めどんな金融システムをつくるのかの具体像さえない。小泉が「改革」の目玉に掲げる郵政民営化は、実にペテンに満ちたものである。そこにあるのは、郵政民営化を突破口に公務員労働運動を解体することだけである。
小泉は、「そもそも、民営化するということはキツイことなんです。働いている人にとってみれば楽はできません。いつ首を切られるかわからない。NTTにしても民営化したからあれだけの人員削減ができたんです。公社だったらできなかったでしょう。JRにしても同じことです」(『郵政省解体論』)と、民営化=首切りであることを隠そうともしていない。
国鉄では、八七年のJR発足前の約五年間で二百人余りが自殺に追い込まれ、二十万人の国鉄労働者が職場を去っている。郵政もこのような過程に突入したのだ。「去るも地獄、残るも地獄」という職場状況を打ち破るために、現場の労働者・組合の団結と闘いが待ったなしに問われている。
この十数年間で大変な労働強化が進み、新夜勤導入や人事交流を始めとした各種合理化施策で「自殺」や退職に追い込まれた労働者が急増している。その上で、さらにわれわれ現場労働者の生活を破壊し労働条件を切り下げようとする郵政当局と連合全逓中央を断じて許すことはできない。
これまで、経営者である郵政官僚の誰がその経営責任をとったことがあるのか。赤字の元凶は、労働者にあるのではなく、郵政の癒着と腐敗構造の中にある。マスコミで報道されているように、郵便貯金振興会、簡易保険福祉事業団、郵政弘済会、郵政互助会などの法人や互興建設や日逓のファミリー企業、NECと東芝の系列会社への郵政官僚の天下り、族議員、郵政官僚、全逓・全郵政組合幹部の癒着である。郵政三事業を食いものにしてきた彼らに一切の責任がある。KSD汚職を上回る腐敗なのだ。
日夜郵政事業を動かし真っ当に生きているわれわれ労働者の立場は、「お前らが責任をとって辞めろ」ということである。労働者・労働組合にとってこの立場性がきわめて重要なのだ。
「郵便新生ビジョン」は1万人以上〜数万人の大首切り計画
総務省・郵政事業庁は三月三十日、一万人超の定員削減と大規模郵便局の統廃合を柱とした大合理化計画を組合に公式に提示した。その基礎となったのが「郵便事業新生ビジョン(案)」(三月二十八日策定)である。
この「郵便新生ビジョン」は単に郵便事業合理化の十七年ぶりの抜本的見直し方針ではなく、三事業全般にわたる性格をもっている。郵政二十九万人の約半数を占める郵便事業の大合理化を打ち出すことで、貯金・保険も含めての大合理化の突破口とするものだ。
総務省・郵便事業庁は、小泉政権の発足を受けて、五月十四日には郵便事業の定員を一万四千人削減する計画を固めた。これだけでも現在約十四万人の郵便・集配労働者の一〇%の削減だ。しかもすでに組合側との協議に入っており、「八月中の合意をめざす」と言われている。「郵政事業庁は『郵便の民間事業者への開放がどの程度進むのか、公社の制度設計がどのようになるのかなど不透明な要素が多い』として、今後、さらに人員削減数を増やす可能性があるとしている」(五月十五日付朝日新聞)と報道されている。
「郵便新生ビジョン」策定の段階では、二〇〇一年〜〇五年の間に一万二千七百四十三人(〇一年度は千八百四十八人)の定員削減だったが、早くも上積みされた。政府が行革全体の目標とする二五%削減、郵便事業十四万人のうち三〜四万人、郵政三事業全体で七〜八万人削減の本格的始まりなのだ。
具体的には、〇一年度の施策(三月末提示)として、@ビジネス地域(大都市)での通常郵便物の午前中配達および混合配達を、本務者から短時間職員と非常勤に置き換える、A大型郵便物の機械処理の促進、B新郵便処理システムによる削減をさらに進める。
また、〇二年度以降の施策としては、@従来の地域区分局に加えて集配局内務事務の非常勤化、A無集配特定局の要員配置の見直し、B窓口業務非常勤化、C輸送ネットワークの再構築による大規模郵便局(地域区分局)の整理統合(全国八十六局の二〜三割を削減)、および書留郵便物を含む差し立て・到着・配達処理、取集の見直し。
さらに、労働条件に関しては、@期末手当の査定、新昇格制度の年功要素の緩和、定期昇給年齢の五十五歳引き下げを含む、現行協約の廃止・見直し、A始終業時刻の改悪(六時〜二十二時を五時〜二十三時に)や新夜勤回数制限の撤廃などが打ち出されている。
要するに、総人件費を一切の基準にして、とことん本務者を削減し、低賃金の短時間職員、非常勤職員に置き換えるということだ。残る本務者にも賃下げと徹底した労働強化、マル生分子化を強いるものだ。
重要なことは、この「郵便新生ビジョン」が、郵政公社化法案を二〇〇二年に国会を通すためには郵便―三事業の赤字構造からの脱却が不可欠であると、自民党郵政族が郵政官僚や全逓中央に突き付けたことに端を発していることである。
そしてこの「ビジョン」化に向けての労使共同作業が昨年十一月から進められてきた。前述したその内容は、現場の労働者にはひた隠しにされてきた。具体的施策案が知らされているのは、一部の支部役員までで、いまだに一般組合員には知らされていない。
その狙いは「郵政公社設立までに人員削減を中心にした徹底した経費削減と職員の意識改革で郵便事業を黒字転換させる」(片山総務相)ということだ。「このままの業績悪化では郵政公社になってから郵便料金値上げをしなければならない。赤字拡大で値上げでは、国民が反発し三事業民営化論議が勢いづく」というわけなのだ。
だが小泉は、これらの「民営化議論封じ」として郵政官僚と全逓中央などが打ち出した施策を肯定しつつ、民営化を推進しようとしている。小泉は「民営化は郵便局をつぶすことではない。もっと創意工夫を発揮できれば、郵便局は地域の拠点として多角的なサービスが展開できる」(総裁選中の談話)と言っている。結局は、小泉の民営化論も全逓中央の「民営化対応」も、労働者に対する攻撃という点では、まったく同じである。小泉の登場はそれを一層加速するのだ。
大合理化計画のすべてを暴き石川−菰田執行部を追及せよ
全逓第五五回定期全国大会は、この小泉の郵政民営化攻撃と「郵便新生ビジョン」を粉砕するための、かつてない大決戦である。
今大会議案は、二月の第一一四回中央委員会での「公社の制度設計議論」と「郵便事業の新生議論」を事業構造改革の両輪とした位置づけから、すべては「郵便新生ビジョン」の推進へと全逓中央がかじを切ったことを示している。今大会で「郵便新生ビジョン」を全面的に受け入れることを決定し、それを組合員に押しつけようとしているのだ。満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。
全逓中央は、第一号議案の二〇〇一年度運動方針(案)の中で、「『郵便新生ビジョン(案)』への評価」および「郵便事業の新生に向けた今後の対応について」の項で次のように述べている。
「全逓が繰り返し主張してきた内容を随所にとりいれさせた」「『コストを重視した経営管理』『行政管理型組織から経営型組織への転換』……『総係費(人件費を含む!)の縮減』を含め……評価できるビジョン(案)をつくることができた」などと「ビジョン」を絶賛している。
また、「ビジョン(案)を理想像で終わらせないためにも、管理者をはじめ職員全員の意識改革が重要であり、ビジョンに基づいた職場づくりに中央だけでなく、地方・支部一体となって……『労使共同作業』による聖域なき議論で『確固たる郵便事業の新生ビジョン』を創りあげることとします」とも言っている。
全逓中央は、総務省に屈服しただけでなく、首切り計画を自らの方針にし、自らの力で強行すると言うのだ。公務員制度改革攻撃にも屈し、「賃金制度の見直し」=年功賃金解体も容認した。これが全逓十六万の労働者の生活と権利を売り渡す全逓中央の真の姿だ。
また、「具体的施策(案)は、今後の労働力構成に変化をもたらすものと想定され」などと言う。「労働力構成の変化」とは、本務者の徹底した削減だ。だが、全逓中央は、一万四千人と言われる削減数をいまだに明らかにしていない。議案でも伏せたまま、どんな削減数でものむことを決めようとしているのだ。
断じて許せない。このことを大会に向けて徹底追及しなければならない。
すでに、われわれの暴露に、石川委員長や菰田書記長らはグラグラである。
さらに、この間の「行革対応」と称して官僚や族議員どもとの飲み食いにどれだけの闘争資金を使い込んできたのか。これを全部明らかにさせ、腐敗した石川や菰田らを今大会で絶対に引きずり下ろせ!
今、現場の労働者には、組合の枠を超えて郵政当局や全逓・全郵政の組合幹部に対する、「『茶髪・ひげはダメ、スリッパはダメ』……どこに仕事と関係あるんだ」「もうガマンできない」「これでも労働組合なのか」「労働者を自殺や退職に追いやったのはお前たちだ」という怒りが渦巻いている。うっ積したこの労働者の怒りは、われわれの掲げる全逓改革運動に結びついた時に必ず爆発する。戦争と大失業の時代に通用する新たな闘う労働運動の潮流の発展を確信できる。
闘う全逓労働者の皆さん! 郵政に働くすべての労働者の皆さん! 小泉反動政権、郵政当局、連合全逓中央・全郵政組合幹部らによる、労働者への首切りと生活破壊を断じて許すことはできない。労働者を食いものにして、公社化=民営化後の自己保身と利権確保に血道を上げる彼らに一切の責任をとらせなければならない。
郵政事業危機も含めた今日の資本主義の危機の責任は、資本家階級の側にあり労働者階級にはない。彼らは、資本主義の延命のためにわれわれに死ねと言っているし、侵略戦争の先兵に引き込もうとしているのだ。腐敗・腐朽したこの資本主義・帝国主義にノーを突きつけ、労働者が社会の主人公として立ち上がるべき時代が来た。
現場の労働者の組合的団結を打ち固め、六〇年、七〇年の安保闘争のようにゼネストや数十万の労働者で国会を包囲するような闘いをつくりあげよう。
春闘百二十時間ストライキを打ち抜いた動労千葉や「四党合意」をはねのけ闘っている国労闘争団に、闘う全逓労働者は続こう。今こそ、労働組合として原則的に闘うことが、労働者階級の生活と権利を守り、勝利の展望を切り開く。
「郵政民営化反対、四・二八反処分闘争勝利、連合全逓中央打倒、全逓改革」の旗を高々と掲げて総反撃に転じよう。六・二〇長崎大会に大結集しよう。
大分裂で危機に陥る黒田・カクマルおよび松崎JR総連と全逓カクマルを解体・一掃しよう。
そして、小泉反動政権打倒、石原都政打倒、教育改革粉砕=改憲阻止決戦の勝利に向けて、都議選でのけしば誠一氏の当選を全力でかちとろう。
すべての闘う全逓労働者はマルクス主義青年労働者同盟全逓委員会に結集し、ともに闘おう!
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週刊『前進』(2008号7面1)
ニューフロンティア21の先兵 松崎・JR総連を打倒せよ
検修・構内外注化の妥結弾劾
JR東労組会長の松崎明は昨年十二月九日の東労組全支部委員長会議で「カクマルと最後的に決別した」こと、これからは「会社を守るために頑張る」ことを宣言した。黒田・カクマルと決別した松崎・JR総連(組合官僚集団)は、JR完全民営化―JR東「ニューフロンティア21」=一万人削減の大合理化―第二の分割・民営化攻撃の最凶悪の先兵となり、国労・動労千葉解体策動を強め、もってJR総連組合員をも大合理化攻撃の犠牲にしながら延命しようとしている。今、職場には、この松崎・JR総連に対する怨嗟(えんさ)の声があふれている。とりわけ東労組の青年労働者の反乱が不可避な情勢だ。今こそ松崎・JR総連打倒へ総決起しよう。
カクマルと手切り 資本に一層の屈服
松崎の昨年十二月九日のカクマルとの決別宣言の核心は、JR総連・松崎がカクマルを振り捨てて、権力と資本(JR東日本)の完全な手先に純化し、会社の労務政策を貫徹するためにのみ存在する集団、労働組合を名乗る反革命的組合官僚集団として生き延びることを表明したことにある。
それは、昨年十一月二十九日に発表されたJR東日本グループの中期経営計画「ニューフロンティア21」と完全に軌を一にしたものだった。松崎は、JR東資本の二十一世紀の生き残りをかけて登場した「大塚新体制」の完全な先兵となることを決断し、公式にカクマルと決別したことを明らかにし、権力・資本に「会社と家族を守るためにカクマルと手を切る」ことを誓ったのである。
国鉄分割・民営化の反革命先兵になって以降、九〇年代にはこの反革命路線をめぐってカクマル組織内で矛盾が噴出した。松崎は、九〇年代冒頭(遅くとも九四年)にはカクマルと基本的に縁を切って「組合権力集団=官僚集団」として自己目的的に生き延びる道に踏み込んでいた。
カクマルが昨年十一月に拉致・監禁した坂入充(いまだに監禁され続けている!)が事務局をやっていた『自然と人間』誌も、九四年から九五年にかけて行った『寺子屋賃金ばなし』の講座も、すべてカクマルからの組織的分離に向かっての動きだった。後で見るように、この『寺子屋賃金ばなし』は、「資本主義を是認する」として、合理化を推進することを正当化するための反革命的理論をデッチあげたものであり、今日の「ニューフロンティア21」とほとんど同じ理念が貫かれているものだ。
松崎は、これまでも「労使はニアリーイコール」などと言って労資結託路線を突き進んできた。それは一面では「イコールそのものではない」という形で資本・権力に対する一定の独自性を押し出し、ファシスト・カクマルの白色テロをバックに、JR総連を切り捨てるなという反革命的圧力の論理をも含んでいた。
こうした中で、JR東日本経営陣がJR完全民営化に向かって第二の分割・民営化を強行するために、カクマルとの関係の整理を含む新体制の確立に向かって動き出したことで、松崎は決定的に追いつめられた。
最終的には、「大塚体制」への移行をめぐって、資本は松崎に対し、カクマルとのあいまいな関係は許さないと、明確な組織的決別を迫ったのだ。
そこで松崎は、「『大塚体制粉砕』などとおっしゃる方もいらっしゃるようですけれども、私は大塚体制で非常によかったと思っているわけです。……これは『打倒せよ』という人と意見が違うのは当然ですね」(十二・九講演)と、「大塚体制」をめぐってカクマルとは明確に一線を画したことを強調したのだ。
JR東労組の機関紙『緑の風』二月十五日付は、「会社は完全民営化を前提として、『ニューフロンティア21』で世界に冠たる鉄道会社の基盤をつくるスタートを切った。東労組も世界に冠たる労働組合としてすすむべき道と到達点を示さなければならない」などと言っている。JR東労組がJR東を「世界に冠たる鉄道会社」にするためになりふり構わず会社に協力するということなのだ。
JR東労組は、三月三十日、「グループ会社と一体となった業務体制の構築(運車関係)に関する協定」を締結した。シニア制度と一体となった検修・構内入れ換え業務の全面外注化である。東労組が出したわずかばかりの要求も会社側にすべて拒否され、会社提案を丸のみしたのだ。春闘の賃金交渉で昨年よりわずか百円のベア上積みと引き換えに、文字どおり全面屈服したのである。
これに続いて設備部門の全面外注化も裏切り妥結しようとしている。
JR東の大合理化は、小泉政権のもとで強まる資本攻勢の最先端を行くものだ。松崎・JR総連は最凶悪の資本の先兵なのだ。
今やJRの労働者は、このJR総連・松崎を打倒しなければ、自らの職場と労働条件、生活を守ることはできない。千四十七人の解雇撤回闘争と一体となって、「ニューフロンティア21」=第二の分割・民営化攻撃と闘い、松崎・JR総連もろとも粉砕しよう。
カクマルは必死で松崎が味方と装う
ところで、JR総連から振り捨てられたカクマルは、いまだに松崎がJR総連の他のダラ幹連中とは違って、カクマルの側についているかのように装っている。われわれが「松崎こそダラ幹の頭目ではないのか」と突きつけたの対して、「カクマルから手を切った」という十二・九松崎講演はデッチあげだと言うのみで、肝心な点については口をつぐんだままだ。
反革命通信『解放』は最近、毎号のようにJR北海道や西日本における事故問題を取り上げ、これと闘わないJR北海道労組や西労のダラ幹どもを弾劾している。ところが、JR東日本において頻発する事故については一切触れずに、「松崎に学べ」と言うのだ。
『解放』一六六六号(四月三十日付)は、「溢れるヒューマニズムに感銘/松崎明『職場からの挑戦』を読んで」という松崎ヨイショの「投稿」を掲載した。ここでは、JR函館線江部乙駅構内で関連会社の保線労働者二人が特急列車にはねられて死亡した事故に対して「JR北海道労組のダラ幹が何らの抗議声明や見解の表明すらしていない」ことを弾劾しつつ、「JR東労組会長松崎さんの見解を学び直す必要がある」などと言っている。
その上で、「松崎さんのこれらの発言は、現在のJR総連一部ダラ幹にたいする熱くも辛辣(しんらつ)な批判そのものではないか」と、あたかも松崎がJR東労組ダラ幹を批判しているかのように言うのだ。
だが松崎を先頭にして強行された国鉄分割・民営化こそが、安全破壊の元凶である。JR北海道もそうだが、何よりも松崎のひざ元のJR東日本においてもこの間、安全破壊が進み重大事故が頻発しているのだ。
一昨年の山手貨物線における五人の下請け労働者の触車死亡事故、今年一月の新大久保駅の乗客三人の転落・死亡事故、そして重大なのは、三月十七日の新鶴見駅での貨物列車の脱線事故である。鶴見事故は、保線作業を下請け会社が無理な体制で行い、JR東によるチェックも行われない中で、整備基準値をはるかに超えるレールのねじれが生じたところを貨物列車が通過し、脱線したものだ。すれ違いに旅客列車が通過すれば、大惨事になるところだった重大事故だ。
これは、JR東労組の大裏切りの中で強行されようとしている設備部門の外注化がもたらす事態を全面的に開示している。断じて許すことはできない。
だがカクマルよ。こうした重大事故を引き起こす外注化も、JR東労組のダラ幹どもが松崎の教えを守らないで受け入れていることだとでも言うのか。
資本主義を肯定し 合理化を叫ぶ松崎
先に触れた『寺子屋賃金ばなし』は、まさにこの安全破壊のJR東の大合理化を推進するための反革命理論を開陳したものだ。
松崎は次のように驚くべき言辞を吐いている。
「労働運動は現状を是認することによって成り立っている運動だから、労働組合は革命組織ではなくて改良組織である、という原理原則を把握すること」
「私たちは資本主義社会を肯定して生きている」
ここでは労働組合と党は違うという形で言われているが、明確に資本主義を肯定すると言っている。これは十二・九講演での「カクマルはいまだに革命を夢見ている組織だから決別した」につながる論理だ。その上で労働組合は資本の「法則」に従うべきだと強調するのである。
「資本制的合理化とは最小の投資額で最大の利潤を上げることですから、こうしたことを理解した上で効率化を進めると言っている」
「私たちは競争場裏にある鉄道を生かしていくには合理化は必要だといっている」
「A資本とB資本は競争関係にあります。他の競争機関との競争場裏を意識して、負けない条件をつくりださなければなりません。資本家側は効率化をせざるを得ません」
これらは、まさに「ニューフロンティア21」で言われていることとまったく同じではないか!
「ニューフロンティア21」では、「冷徹な優勝劣敗の市場原理と自己責任に貫かれた、真の意味での競争社会が到来する」「この厳しい競争の時代に勝ち残っていく」ということが繰り返し確認されている。
松崎は、こうした資本の論理を積極的に肯定し、それを労働組合として推進することを主張しているのだ。そのためにマルクス主義を全面的に否定し、資本との癒着を自己目的化しているのだ。
松崎・JR総連のカクマルからの決別は、まさに資本と完全に一体化していくためのものだったことが、ここからも明らかだ。この松崎をいまだに擁護し続けるカクマルもろとも松崎・JR総連を打倒しよう。
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週刊『前進』(2008号7面2)
改憲阻止決戦シリーズ 今、問直す侵略と戦争の歴史
第1部 第2次世界大戦(6) 日帝にとっての大戦(中)
争闘戦と侵略の帰結=日米開戦
日帝は「満州」において他の帝国主義資本を排除し「日満円ブロック」を構築しようとする。しかしうまくいかず、一層泥沼的な中国侵略にのめり込み、日米激突を準備していった。
一九三五年、日帝は華北五省(河北・山西・山東・チャハル・綏遠=すいえん)を第二の「満州」にしようと華北への侵略を開始。十一月には冀東(きとう)防共自治委員会を、十二月には冀察政務委員会という傀儡(かいらい)政権をデッチあげる冀東政権ができると、日帝資本が華北に進出した。冀東政権公認で密貿易も行われた。
日帝の華北侵略に中国人民の怒りが高まった。三五年、中国共産党は、抗日救国のための国民党との内戦停止と一致抗日を呼びかけ、各地で呼応する動きが広がった。一九二七年以来続いてきた国共内戦は停止し、三七年九月には第二次国共合作が成立する。
7・7盧溝橋事件
抗日運動の高まりの中、危機感を募らせた関東軍を中心に強硬外交を主張する動きが起こっていった。
情勢が緊迫化する中で、北京の郊外にある盧溝橋付近で一九三七年七月七日夜、事件が発生した。盧溝橋の北で夜間演習中の日本軍が実弾射撃の音を聞き、兵一人が行方不明となった(まもなく帰隊)という口実で、翌八日に日本軍は中国軍に対して攻撃した。
盧溝橋事件の核心は、この日本軍こそ一九〇〇年の義和団事件から駐留していた部隊であり、事件前の三六年四月には、それまでの三倍の五千七百人強に増員し、挑発的な演習を行っていたということである。
近衛文麿内閣は「中国側の計画的武力抗日」だと声明し、華北派兵を決定した。七月二十八日、日本軍は総攻撃を開始し、日中全面戦争に入った。
大軍派兵で一撃を加えれば中国が簡単に屈服するだろうと考えていた日帝は、盧溝橋事件を「北支事変」とか「支那事変」と称し、宣戦布告も行わなかった。
中国共産党は、中国人民と国民政府に全民族的抗戦を呼びかけた。
日本軍は、八月には上海で侵略戦争を開始し、大軍を派兵して上海を制圧、さらに敗走する中国軍を追って十二月に首都南京を占領した。ここで日本軍によるかつてない規模の南京大虐殺事件が引き起こされた。
日本軍は食糧その他の補給をほとんど行わず、文字どおりの強盗戦争を展開した。二十万人の日本軍は、いたるところで村落を襲って食糧を略奪し、強姦(ごうかん)・虐殺などの蛮行を行いながら南京に殺到していった。南京城陥落後約二カ月間にわたって、略奪、放火、強姦、虐殺を繰り広げ、二十〜三十万人の中国人の生命を奪った。
戦争はさらに拡大した。一九三八年五月、日本軍は徐州作戦を開始し、徐州を占領した。十月には三十万の大兵力を動員して武漢三鎮を占領、ミュンヘン会談で英仏が独伊に譲歩するのに乗じて、広東も占領した。国民政府は首都を重慶に移して抗戦を続けた。
しかし日帝の侵攻もここまでだった。八路軍や新四軍の中国共産党指導下の民族解放闘争との激突がいたるところで深まっていった。占領地域も都市と鉄道、「点と線」を支配するだけだった。その後方では中国共産党の解放区が拡大し、以後日帝にとって戦況はどんどん不利になった。
一九三八年十一月、近衛内閣はこの戦争の目的は「東亜新秩序建設」にあると声明。国民党副総理汪兆銘がこれに呼応して重慶を脱出して対日和平を提唱するが、それに続く軍閥はなく、国民政府もまったく切り崩せなかった。
日帝は占領地の経済的独占を図り、英米帝の経済的利益にも打撃を与えたため、英米との関係はますます悪化していった。
三九年六月、天津の英仏租界が反日の拠点になっているとして租界を封鎖する。七月には、米帝が日米通商航海条約の廃棄を通告。日帝は当時、石油の七五%、鉄の半分を米からの輸入に頼っていた。こうした重要軍需物資を米からの輸入に頼る日帝にとって大きな打撃となった。
ソ連との関係も緊迫し、三九年のノモンハン事件(ハルハ河戦争)で日本軍は大敗北した。
ついに日米激突
一九三九年九月、ドイツ軍のポーランド侵攻でついに第二次世界大戦が始まった。ドイツは、電撃戦で四〇年六月までにオランダ、フランスなどを降伏させる。東南アジアを支配する英・仏・蘭の敗北・敗勢は日帝の東南アジア侵略の機運を一気に高めた。
四〇年七月、近衛内閣は「大東亜新秩序の建設」、「国防国家体制の完成」、南方武力侵略(南進論)、日独伊三国軍事同盟締結、対米強硬方針の堅持などの政策を決定した。
日帝は九月に日独伊軍事同盟を締結し、英・仏に中国への補給路封鎖を要求、北部仏領インドチャイナに軍事監視団を駐留させた。これに対して米帝は、航空機用ガソリンやくず鉄(日本の重要な製鉄原料)の輸出を禁止した。
日帝は中国・アジア侵略戦争によって英・米帝との対立を決定的に深め、最後は、枢軸国と連合国の二つの陣営に分かれた帝国主義世界戦争へと突き進んでいった。アジアをめぐる帝国主義間の争闘は、ついに軍事的衝突によってしか決着のつかないところに極まっていったのである。
一九四一年四月には日米交渉が極秘で行われた。ここで米帝は、日本軍の中国からの撤退と、日独伊三国同盟の無効化、南進における軍事的手段の否認などを要求する。交渉は最初から行き詰まった。そして六月の独ソ開戦後、日帝は南部仏印進駐を強行した。これに対抗して米・英・蘭は日本資産を凍結し、対日石油輸出を禁止した。
情勢は緊迫し、十月には近衛内閣に代わって、最強硬派の東条英機内閣が成立した。十一月には米帝は、日本に「満州国」を含む全中国と仏印からの撤兵(三一年九・一八柳条湖事件以前の状態に戻すこと)を求める「ハル・ノート」(ハル米国務長官の事実上の最後通告)を提示した。日帝の南部仏印進駐は、米帝に対日戦争を最終的に決断させたのだ。
これに対して、十二月一日、御前会議は日米開戦を決定した。こうして日米帝国主義戦争が勃発(ぼっぱつ)したのである。
(片瀬涼)
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週刊『前進』(2008号7面3)
動労千葉夏季物販に全力を 120時間ストの意義訴えよう
動労千葉の二〇〇一年夏季物販闘争が五月から開始された。
夏季物販闘争方針の第一は、百二十時間の春闘ストライキを実現した動労千葉の闘いの意義を全力で訴えることである。
このストライキは、倒産・リストラ・首切り、賃下げ攻撃に対する怒りの反撃であり、こうした資本攻勢に怒りを燃やし、闘いを求める全労働者へのアピールとして貫徹された。
小泉政権が登場し、「経済構造改革」という名の大リストラを強行しようとしている。もしそれが行われれば、完全失業率は一〇%を超えるとも言われる。NTT資本は六万人の削減、二人に一人の首切り計画を発表した。この攻撃に黙っていていいのか。闘わなければ生きていけない時代である。動労千葉は、この全労働者の怒りを共有してストライキに決起した。
方針の第二は、千四十七人の解雇撤回・JR復帰の闘いへの支援を広く訴えることである。
政府・資本は、首切りや賃下げをほしいままに強行しようと、千四十七人の闘いを中心とする国鉄闘争の解体に全面的に乗り出してきた。それが「四党合意」の攻撃だ。一月二十七日の国労大会に政府・権力は千人を超える機動隊を導入し、会場を戒厳令下において四党合意の受諾を強行させた。ここに、国鉄闘争解体への敵階級の意思が体現されている。
だが、国鉄闘争は四党合意への必死の反撃を貫きながら、全労働者に対する首切り、賃下げの資本攻勢の前に敢然と立ちはだかっているのである。
方針の第三は、第二の分割・民営化とも言うべき新たな大合理化攻撃に対して、ストライキで反撃した動労千葉の闘いを伝えることである。
政府・資本は、「JR完全民営化」達成を掲げて、一大攻撃をかけてきている。その核心は、千四十七人闘争を中心とする国鉄闘争解体の攻撃だ。
JR東日本は、「ニューフロンティア21」という大合理化計画を昨年末に発表した。それは、駅空間をもうけのために利用することが一切であり、鉄道事業を根本的に転換してしまおうとするものだ。全面外注化によって、JRの職員を運転士と車掌のみにしてしまう大合理化である。JRに働く労働者に対しては、首切り、賃下げ、労働条件悪化、組合つぶしの攻撃が吹き荒れる。乗客にとっては、はなはだしい安全無視である。これが強行されれば、事故の多発は不可避となる。
方針の第四は、すべての職場に物販を持ち込むことである。とりわけ「日の丸・君が代」強制、「つくる会」教科書採択、教育基本法改悪の攻撃と闘う教育労働者に物販を訴えよう。
三月二十五日に開催された全国物販担当者会議でも、成功のカギは「いくつの職場に物販を持ち込んだか」「持ち込んだ後のフォローを含めて目的意識的にやれるかどうか」の二点にあると確認された。
物販闘争は、地域の労働者、産別の労働者と討論し、その怒りを共有して、ともに闘いぬく強力な意識性が必要とされる闘いだ。それは、闘う労働運動をつくる土台ともなる。
連合、全労連傘下の労働者、未組織の労働者のすべてが、今日の資本攻勢に怒り、闘いを求めている。われわれの訪問を心から待っている。このことへの確信を固め、全力で物販闘争に立ち上がろう。
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週刊『前進』(2008号7面4)
がんばれ闘争団 ともにGО! 日比谷に3000人
国鉄闘争と日本労働運動にとって新たな歴史が切り開かれた。「JRの不当労働行為は許さない! 5・30国労闘争団共闘会議(準)結成集会」には3000人が結集し、人間の尊厳をかけた闘いとして、四党合意に屈せず解雇撤回・地元JR復帰まで闘いぬく態勢を固めた。全国の闘争団が不退転の決意を込めて登壇した。〔詳報次号〕
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週刊『前進』(2008号8面1)
「つくる会」教科書 部落差別擁護論を暴く
差別糾弾の闘いを憎悪 皇国史観の復活など許せぬ
「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史歪曲・戦争賛美・皇国史観の教科書を断じて使わせてはならない。韓国の「日本の教科書を正す運動本部」など九十九の市民・社会・宗教団体は、六月十二日正午から世界七十九カ国・百五十二都市の日本大使館と領事館前で一斉に抗議デモを行うと発表した。日本では東京・大阪など五カ所で計画されている。連帯の呼びかけにこたえ、「韓国・中国の修正要求断固支持、検定合格白紙撤回、採択絶対阻止」を掲げてともに闘おう。本稿では、「つくる会」教科書が部落差別問題を抹殺し、部落大衆の差別徹底糾弾闘争に全面的に敵対していることを、怒りをもって暴露・弾劾する。
「渋染一揆」の記述を削れと叫ぶ藤岡信勝
五月二十六日に放映されたテレビ朝日の「朝まで生テレビ」で、「つくる会」の中心人物である西尾幹二と藤岡信勝は、「状況によっては日本も核ミサイルを持つべきだ」(藤岡)、「その選択を絶対悪として退けることはできない」(西尾)と許すことのできない発言を行った。
「つくる会」教科書の狙いが「戦争=核戦争を戦う国民づくり」にあることを、藤岡と西尾は公言したのだ。闘う中国・朝鮮|アジア人民の怒りの決起と連帯して、採択を絶対に阻止しなければならない。
「つくる会」教科書は、天皇と日本国家による残虐きわまる侵略戦争と植民地支配の歴史を歪曲して美化すると同時に、部落差別の過酷な歴史と現実を覆い隠し、部落解放闘争を歴史から抹殺しようとしている。
それを最もよく示すものが、『正論』一九九九年七月号での藤岡発言だ。藤岡はここで、「渋染(しぶぞめ)一揆」(注)をすべての歴史教科書が取り上げていることに文句をつけ、「あまりにも特殊な出来事である」とか、「特定の圧力団体の力によって、『渋染一揆』が歴史の定番にさせられたことは明らかだ」などと言って、教科書から削ることを主張したのである。
「つくる会」教科書は、こうした藤岡らによる部落差別の居直りと、部落大衆の自主解放の闘い=差別糾弾闘争への憎悪と敵対の立場が貫かれている。だからこの本では、近現代史をつうじて、この渋染一揆を始めとする、天皇制国家を揺るがした民衆の生き生きとした闘いの姿は、一切抹殺されているのだ。
「つくる会」教科書の西尾・藤岡らは、今日の日帝の差別糾弾闘争圧殺攻撃の先兵なのである。
身分制の江戸時代を「平和で安定」と美化
@皇国史観を押しつけ
そもそも「つくる会」歴史教科書は、「神武天皇」の神話から歴史を説き始め、「教育勅語」を全文掲載し、昭和天皇ヒロヒトの全面賛美で締めくくっている。こうして、「日本は天皇中心の神の国である」(森喜朗)とする「皇国史観」を復活させて押しつけ、日帝の天皇制的強権的な国家支配体制の強化を狙っているのである。
天皇制国家のもとで部落大衆は長い間、過酷な身分差別に苦しめられてきた。「つくる会」教科書は、この天皇制を全面的に賛美し、そうすることで身分(的)差別を正当化し、部落差別を扇動しているのだ。
A部落差別の歴史と現実、部落解放闘争の抹殺
まず、なんと言っても、部落差別と部落解放闘争に関する記述が、ほかの歴史教科書と比べても極端に少ない。
水平社の闘いについては「全国水平社が組織され、部落差別撤廃の運動が本格化した」というわずか一行だけだ。心臓をえぐるような部落差別の現実に対して部落大衆が激しい怒りを爆発させ、部落民自主解放の旗を掲げて立ち上がったこと、これが当時の労働運動、農民運動にも大きな影響を与えたことは、歴史から抹殺されている。
B江戸時代を「平和で安定した社会」と美化
江戸時代とくに中期以降は、徳川専制権力が封建制社会の崩壊を食い止めるために、「えた・ひにん」を最下層に置いてきわめて過酷な身分制度を強め、農民や部落民、被抑圧民衆の反乱を投獄・拷問や処刑で抑えつけようとした反動の時代である。
この江戸時代を、まったく逆に「平和で安定した社会」「身分の間で相互に依存する関係が、戦乱のない江戸期の安定した社会を支えていた」などと百八十度逆転して描きあげ、時の支配権力を擁護している。
部落民について「こうした身分(武士と百姓と町人)とは別に、えた・ひにんと呼ばれる身分が置かれた。……厳しい差別を受けた」と言っているが、幕府権力による差別政策の結果であることをまったく隠ぺいしている。
C「解放令」の美化
明治維新後の一八七一年の「解放令」について、「えた・ひにんとよばれた人々も平民となり、同等な地位を獲得したが、これらの人々への社会的差別は、その後も長く消えず、今日までさまざまな形で残っている」と書いている。
だが「解放令」は、それまで長い間差別され続けてきた部落民を差別から解放するものではけっしてなかった。明治政府は、天皇制国家を形成するために部落差別を温存し、再編的に強化し、部落民から過酷な搾取と収奪を行い、部落差別を人民分断支配のてことしたからである。
だから「解放令」が出された後も、部落大衆は一層差別に苦しめられた。ほかの教科書では不十分ながら書いているこの最低限のことも、「つくる会」教科書は一切ふれず、「平民となり、同等な地位を獲得した」と言って天皇と明治政府を美化している。
部落差別が「その後も長く消えず、今日まで」続いているのは、いったいなぜなのか。はっきりさせなければならないことは、今日の部落差別は「封建時代の部落差別の残りかす」というものではないということである。
明治以降、帝国主義支配階級は、労働者階級に対する階級支配の貫徹のために部落差別を積極的に使って、労働者階級の中に分断を持ち込み、団結させないようにしてきた。それだけでなく、そうして排除された部落民からも徹底的に搾取する手段として部落差別を活用してきた。そのために、法制度、政治、経済、教育、思想・文化などのあらゆる契機を使って部落民を差別し続けてきたのだ。そしてそれは帝国主義の一層の危機の深まりの中で、今日再び強められているのだ。
平等を否定し「合理的な」差別を主張
「つくる会」の公民教科書は、憲法一四条について「国民に法のもとの平等を保障したもの(平等権)だが、すべての違いを取り払った絶対的な平等を保障するものではない」と述べ、「事がらの性質に応じた合理的な」差別は禁止されていないという、恐るべき差別思想を振りまいている。
「つくる会」教科書は、これに続けて部落差別に言及しているが、差別者はいろいろな「合理的な」へ理屈をもって部落差別を行うのであり、この記述は、部落差別の真正面からの擁護論である。
だからこそ、「つくる会」公民教科書は、政府が同和対策事業を全廃して部落差別を野放しにしようとしているこの時に、「今日では同和地区の生活環境は大幅に改善され、差別解消のために積極的な事業が行われている」などとウソを並べて、日帝の部落差別政策を全面的に擁護しているのだ。「つくる会」教科書採択を絶対に阻止しよう。
〔畑田 治〕
(注)渋染一揆 幕末の一八五六年に岡山藩が「部落民の衣類は渋染め・藍染め・無紋に限る」「傘、げたを使ってはならない」「百姓に会ったら素足になってあいさつせよ」などという部落差別強化の法令を出したことに抗議して、領内五十三部落の民衆が結束して決起し、命がけで撤回させた闘い。一揆の指導者は捕らえられ、六人が獄死させられた。
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週刊『前進』(2008号8面2)
解同全国連 狭山再審勝利へ集会 5・23杉並 異議審棄却切迫と対決
五・二三狭山全国統一行動の一環として、東京では部落解放同盟全国連合会杉並支部の主催で「石川一雄さん不当逮捕三十八カ年糾弾、狭山異議審勝利、狭山学習会」が杉並区阿佐ケ谷地域センターで開かれた。三十人が参加し、狭山異議審闘争勝利の決意を強く打ち固めた。
集会では、第一部として三月に行われた解同全国連第一〇回全国大会のハイライト場面を集めたビデオが上映された。部落差別と闘う仲間が全国から集まって団結を打ち固めた熱気と感動を新たにするとともに、大会後に不慮の事故で亡くなった亀井広敏副委員長の勇姿に接して、あらためて遺志を継いで狭山闘争に勝利することを誓った。
続いて、杉並支部員が狭山紙芝居「私は無実!」を熱演した。参加者は〈無実・差別〉の原点と石川さんの怒りを、あらためて胸に刻んだ。
第二部として基調報告に立った杉並支部代表は冒頭小泉新政権が改憲・戦争とリストラ・大失業に突き進む内閣であり、この小泉政権のもとで狭山異議審棄却攻撃が強まることに警鐘を鳴らした。
そして、一〇回大会で「石川さんとの血盟をかけて、第二次再審に勝利しよう」と全員で誓ったことを実現するために、総力を挙げて異議審棄却策動を粉砕し、再審の実現へ闘い抜くことを呼びかけた。
この中で、先日、「少女買春事件」で逮捕された村木判事は狭山異議審を担当する東京高裁第五刑事部の裁判官であり、このような差別事件、差別裁判官は断じて許せないと、刑事第五部(高橋省吾裁判長)を糾弾した。
さらに、侵略戦争と天皇制賛美の「つくる会」教科書に対するアジア人民の怒り、韓国・中国政府の修正要求を断固支持し、検定合格の白紙撤回を要求し、採択絶対阻止へ闘う立場を表明した。そして、この「つくる会」教科書が同時に部落差別をあおり、部落解放闘争を敵視するものであることを怒りを込めて弾劾した。
杉並支部代表は最後に、この間、狭山紙芝居運動で杉並支部の団結を固めてきた地平を踏まえて狭山異議審闘争に全力決起し、全国連推薦のけしば誠一氏の当選をめざす六月都議選闘争、介護保険、教科書闘争を闘い抜き、その中で支部の組織的運動的前進をかちとることを呼びかけて基調報告を終えた。
さらに杉並支部員が、「差別を扇動し侵略戦争を肯定する『つくる会』教科書の採択を許すな」と題してアピールを行い、採択阻止に向かっての決意を打ち固めた。
狭山闘争は、七・八再審棄却二カ年を前に異議審棄却策動との重要な決戦段階に突入した。狭山事件再審弁護団は五月十一日に脅迫状に関する鑑定補充書を提出したが、六月四日の最終補充書の提出をもって、東京高裁がいつ決定を出すかも知れない緊迫した状況に入る。高橋裁判長は「これは異議審だから」と再三強調し、事実調べに入らずに異議申し立てを棄却しようと狙っており、絶対に許してはならない。
六・四東京高裁要請行動、七・八狭山中央闘争に決起し、その力で異議審棄却を断固阻止しよう。
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週刊『前進』(2008号8面3)
川田泰代(かわた やすよ)さんの思い出 広い人脈 骨太の人
小野 正春
一九六八年だったかと思うが、千駄谷の川田さん宅を訪れました。堂々たる体躯(たいく)のおばさんがふくよかな笑顔で迎えてくれました。学生時代(東京女子大)は水泳の選手で極東オリンピックの候補だったと後に聞いて、本当?という印象でした。
前年にやった孫文先生生誕百周年記念事業の事務局長をやった話などを伺いました。
孫文ともっとも親しかった日本人宮崎滔天について生き生きと語り、その長男宮崎竜介弁護士が病院に入院中だったが、その依頼を受けてやったと言っていました。東大新人会を創立した歴史上の人物が川田さんには親しい師匠であり友人なのでした。
川田さん宅を訪れる度に、飯を食わせてもらいながら、いろんなことを教わりました。エスペランチスト緑川英子(本名・長谷川テル)が親せきで、川田さんの家に出入りしていたことは驚きでした。その遺児の来日についてもいろいろ手を尽くしていました。
テルは奈良女高師の学生で、中国人留学生劉仁(りゅうじん)と結婚しました。中国に密航し、自国の侵略戦争に反対し、郭沫若(かくまつじゃく)らの指導で抗日戦争の最前線で反戦放送をやり、ペンも揮(ふる)っています。川田さんは、いい加減なヒューマニストや進歩主義者は豹変(ひょうへん)するというテルの言葉を紹介しながら、市川房枝、佐多稲子らが戦争に加担した歴史を教えてくれました。そして実際に婦人民主クラブでの婦民全国協の分離独立を支持されました。
台湾からの中国人留学生陳玉璽(ちんぎょくじ)氏が台湾政府公安当局に連行された時には、その奪還 救出に必死に奔走されました。その過程で社会党国会議員だった猪俣浩三弁護士とともにアムネスティ日本支部を創立したのです。
ハワイの日系議員に英文でよく手紙を書いていましたが、その人脈は実に広く驚くばかりでした。その相手を私も当然知っているかのようにポンポン話を進めるので、ついていくのが大変でした。
在日韓国人政治犯の問題に取り組み、入管問題で多くのことを教えてくれました。
カクマルとの戦争が激化している時も平気でわれわれの政治集会や闘争に仲間を連れて乗り込むし、講演もやるし、北富士忍草の現地集会にも健康さえ許せば遠路をいとわず同じバスに乗り込む勇敢な人でした。
ジャーナリストの立場を困難にすることをも恐れず、杉並選挙で長谷川英憲候補を毎回推薦しました。
昨年秋、お見舞いしたときには随分とやせて、スリッパに川田と書いていなかったら分からないほどの変容でした。しかし、多摩の火葬場で死に顔に対面した時は、どういうわけか昔の川田さんに戻っていました。骨は一番大きな骨つぼに満杯になりました。あらゆる意味で骨太の人だったんだと確認できました。
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週刊『前進』(2008号8面4)
なんば駅前で宣伝戦 「教育」めぐり街角討論
五月十八日、関西反戦共同行動委員会が大阪のなんば駅前で街頭宣伝を行った。
国賀祥司泉佐野市議を先頭に、「小泉内閣打倒! 『つくる会』教科書採択を許すな! 五・二七全国闘争に立とう」と元気いっぱいに訴え、千枚のビラをまいた。
横断幕に注目し、アジテーションに聞き入り、進んで署名台に駆け寄って署名をする人。周りで集めるからとリーフレットと署名用紙を持ち帰る教育労働者らがいた。「つくる会の教科書だけはだめ」「戦争だけは反対」「小泉打倒と言うが、あなたたちはどうするのか聞きたい」などと、署名隊と熱心に討論する若者や年輩者も現れた。
他方で「日本が攻められたらどうするのか」などと言って立ち去る者もいた。
労働者大衆の中に入り、教科書・教育改悪、改憲問題についてわれわれの主張をどんどん訴えれば、世論を二分し、大きな闘争をつくりだすことができると強く確信した。
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週刊『前進』(2008号8面5)
訂正
2005号6面の「治安国家化との対決を」の「労組弾圧」の項で、「全日建運輸連帯関西生コン支部の二人の組合員が……逮捕・起訴」とあるのは誤りでした。逮捕されましたが、生コン支部、弁護団、および地域の労働者の激しい闘いで起訴は阻止されました。おわびして訂正します。
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