ZENSHIN 2001/04/09(No2000 p08)

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週刊『前進』(2000号1面1)

『前進』創刊2000号にあたって
握りしめたカクマル打倒の展望 都議選に勝利し21世紀革命開け

     ――――― 前進編集局・経営局・印刷局

 (一)

 わが革共同の機関紙『前進』は、今号をもって一九五九年九月二十日の創刊以来、実に二〇〇〇号を迎える。この間の『前進』の歩みは、まさにわが革共同の苦闘と栄光の歩みであり、反スターリン主義・革命的共産主義運動の歴史そのものであった。闘う労働者人民の革命的前衛党たる革共同の今日は、まさに『前進』を基礎としてつくり上げられてきた。そして今、二〇〇〇号を発行するところにまで、われわれは不屈の闘いの歴史をつくり、革命の党と運動をつくり上げてきたのである。
 革共同は、権力の破防法攻撃を打ち破り、ファシスト・カクマルの白色武装襲撃を粉砕しながら、自立し武装した活版印刷所を革命的左翼として初めて建設した。一九七四年秋、鋳造・文選・植字・大組みから印刷までの全工程がわが革命的同志たちによって担われる自前の『前進』発行に踏み切った(第七一一号)。それ以来、オフセット印刷化・CTS(コールドタイプシステム)化、さらにコンピューター化を着実に進め、昨年の新システム導入にまで至った。創刊四十二年の歴史のうち、実に三分の二が、この自前の印刷所(党の印刷工場)によって作成されてきたのである。
 これは、われわれ全体の誇りとするところである。この勝利の歴史は、まさに革共同の全同志と、すべての読者、支持者の皆さんの共同の闘いによってかちとられたものである。
 一九八〇年九月の『前進』一〇〇〇号記念に際して、われわれは「二重対峙・対カクマル戦のいっそうの爆発かちとれ――現代のナチス=カクマルを軍事的に一掃し、八〇年秋期大決戦勝利へ」と題する津久井良策同志の記念論文、政治路線論文を発表した。それからさらに一〇〇〇号。一号も欠かすことなく機関紙を発行し続けてきた。そして今、わが革共同は、実に素晴らしい勝利の歴史的地平を切り開いていると断言できる。

 (二)

 その勝利の地平は何よりも、古今東西の歴史に類例のないファシスト反革命たるカクマル、帝国主義とスターリン主義の時代の「革命」の仮面をかぶった憎むべき白色テロル集団=カクマルを、ついに綱領的路線的破産と組織的大分裂に追い込み、カクマル完全打倒の展望をたぐり寄せているということにある。
 われわれは、七〇年代、八〇年代をとおして先制的内戦戦略のフェーズT(第一段階)、フェーズU(第二段階)の闘いを猛然とやりぬき、さらに九〇年天皇決戦の勝利の上に、五月テーゼ―一九全総・二〇全総の路線に基づく戦闘的大衆闘争と対カクマル戦を断固として貫徹し、ついにカクマルとJR総連を大分裂にまで追いつめたのである。しかもこの勝利の階級的最先端には、動労千葉・動労総連合と、闘争団を先頭とする闘う国労の労働者の存在、国鉄分割・民営化との不屈の営々たる闘いがあった。
 JR九州労からの大量脱退に端を発した黒田・カクマルと松崎・JR総連の大分裂は、昨年十二月八日にカクマルが「戦闘宣言」なるものをもって「JR総連労働運動の終焉(しゅうえん)」を「確認」し、JR総連本部を「階級敵」と規定してその「打倒」を宣言したことによって決定的段階に突入した。そしてカクマルのこの「戦闘宣言」と踵(きびす)を接するかのように、翌十二月九日にはJR総連(カクマル)の頭目である松崎明が、JR東労組全支部委員長会議の講演で「私はかつてカクマルの活動をやっていたことがありますが、今は完全に手を切っている」「カクマルの攻撃から会社を守っていこうではありませんか」と言明したのであった。
 わが革共同は、この重大事実を直ちに暴露し批判した。ところが、この事態に動転し震撼(しんかん)したカクマルは、なんと松崎講演は「権力によるデッチあげ」であり、カクマルとJR総連の大分裂は「デマ宣伝」であると弱々しく「反論」し始めた。しかし、その根拠も説得力も迫力も、まったく薄弱である。いかにカクマルが「否定」に躍起になろうが、黒田・カクマルと松崎・JR総連の分裂は唯物論的現実なのである。
 松崎と黒田は一体だった。黒田は松崎に支えられて初めて存在できた。黒田の反革命的なエセ実践論としての「組織現実論」のモデル、最大の「精華」が、松崎とJR総連である。しかし今やその松崎・JR総連が黒田・カクマルから丸ごと離反し、「革マルは社会の敵」「革マルによる組織破壊攻撃と介入を許さない」などと叫んで、カクマルとの分裂・抗争に全力を傾けている。
 しかし黒田・カクマルにとって松崎の離反を認めることは、JR総連を完全に失ったことを認めることだ。さらに、分裂と離反が教労を始め全産別に雪崩のごとく拡大することを意味する。黒田・カクマルは断末魔の危機にある。

 (三)

 黒田・カクマルと松崎・JR総連の大分裂は、他方で、黒田を取り巻くカクマル中枢からの反乱、組織的危機の噴出へと連動している。カクマルの唯一の随伴文化人であった高知聰がカクマル系の現代思潮新社から出版した、本来は黒田賛美となるはずであった黒田の『評伝』のあとがきで、黒田が『実践と場所』でついに行き着いた反米愛国主義、日本民族主義を「臆面もない日本礼讃」と激しく非難するという重大事態が起きたのだ。このことに黒田とカクマルは動転し、七転八倒している。黒田は、こんな恥ずかしい本を自分の何のチェックもなく出版した黒田周辺の「共同責任」を追及し、反革命通信『解放』は今や毎号のように、高知の評伝本へのケチつけと非難を繰り返している。
 さらに革共同はこの間、カクマルの「最後の牙城(がじょう)」であり逃げ場であった「黒田哲学」に対しても、『共産主義者』一二七号の仲山良介論文で全面的批判を加え、「黒田哲学は死んだ」と宣告した。『ヘーゲルとマルクス』に象徴される「黒田哲学」とは、ヘーゲルの「概念」のごとく自己運動しつつすべてを生み出しかつ自己に帰還する主体として「歴史的自然」とか「根源的物質」を祭り上げたしろもので、「裏返しのヘーゲル主義」としての観念論以外の何ものでもなかった。しかも「黒田哲学」には史的唯物論の根幹である労働=生産論も社会的実践論も、基本的に位置づけられていない。黒田の実践論なるものは、マルクスの実践的唯物論=唯物論的実践論とは似ても似つかないものなのだ。『社会観の探求』にも剰余価値論や〈搾取〉というマルクス主義の根本概念が欠落しているありさまである。
 こうした「黒田哲学」は、政治的には、黒田流実践論としての「組織現実論」とその破産から、ファシスト的な白色テロル論としての「革命的暴力論」や「謀略論」に、また反米愛国主義や日本民族主義に行き着くしかない、根本的な問題性をはらんだものである。カクマルは、このような革共同からの壊滅的批判に、何ひとつ答えることができない。
 そして今、カクマルはついに組織分裂を開始し、全面的な党的解体的危機に突入した。革共同の四十数年にわたる反スターリン主義・革命的共産主義の運動がいよいよ全面的に発展し、革命的大衆行動が大爆発していく胸躍る時代を迎えた。今こそわれわれは、ファシスト・カクマル打倒と革命勝利の闘いの前進の弁証法的発展構造をふまえて、階級闘争の高揚・激化のただ中で、必ずや三・一四復讐戦貫徹=総反攻完遂、カクマル完全打倒を実現していくであろう。

 (四)

 われわれは、二〇〇一年新年号の政治局アピールにおいて、二十一世紀のできるだけ早い時期に、死滅しつつある資本主義=帝国主義とその支配体系を全面的に打倒し、反帝国主義・反スターリン主義世界革命を実現して、資本主義社会から共産主義社会への世界史的移行をかちとる決意を、高らかにうたい上げた。
 今まさに、死滅しつつある資本主義=帝国主義は、われわれの眼前で、帝国主義世界経済の破局的危機、二九年型世界大恐慌の本格的爆発へとのめり込みつつある。世界経済の最後の支えであった米帝経済は、バブルの全面的崩壊と実体経済の恐慌的な落ち込みに突入している。
 そして、米帝バブルの崩壊と連動・連鎖しながら、日帝経済も株価の下落を繰り返し、不良債権の重圧が銀行とゼネコンや生保を締め上げている。九七―九八年を超える危機の再激化におびえる日帝ブルジョアジーと政府は、異例の「デフレ宣言」を発表し、日銀は他の帝国主義国にも例のない量的金融緩和と実質ゼロ金利の復活を決定した。国家財政がすでに「破局」(宮沢財務相)にある中で、これは究極的に日帝の破滅と戦争への道である。
 今やこうした日帝の没落帝国主義化、未曽有(みぞう)の経済危機を背景として、森政権の現実が示しているように、日帝の政治危機、体制的危機がかつてなく激化している。森政権は数パーセントの支持率にあえぎ、次の政権構想も描けない。自民党政治は破産し、ブルジョアジー自身がすでに統治能力を喪失している。それに対して労働者人民の怒りと不信が、いたる所から噴出している。今やレーニンの言う革命的情勢が、急速に接近してきていることは疑いないのである。今こそ革命的情勢に対応したレーニンの革命党の三つの義務、革命的大衆行動の爆発を軸とする三つの義務を、全力で果たさなければならない。
 スターリン主義の裏切りによって歴史的に延命した帝国主義は、三たびその基本矛盾を全面的に爆発させようとしている。九一年のソ連スターリン主義の崩壊は、資本主義=帝国主義の勝利では断じてなかった。帝国主義は、帝国主義対帝国主義の対峙・対決を基軸化させ、むき出しの形で帝国主義間争闘戦を激化させ、世界大恐慌と分裂化・ブロック化にのめり込んでいっている。戦争か革命か。ファシズムか革命か。今、二十世紀に問われた対決の本質が、全面的に開示しようとしているのだ。レーニンとロシア革命が切り開いたプロレタリア世界革命の壮大な事業を、反帝・反スターリン主義世界革命として、「連帯し、侵略を内乱へ」の総路線のもと、わが革共同の手で絶対に実現しようではないか。

 (五)

 新年号の政治局アピール第十章において、われわれは「二十一世紀に勝利する党の建設」を重大な決意を込めて提起した。レーニンも強調しているように、革命は、革命的情勢の成熟という客観的変化に主体的変化が、すなわち旧来の政府を打倒するにたる強力な革命的大衆行動をつくりだす革命党と革命的階級の能力が結びつく場合にこそ、起こるし、勝利できるものだからである。強大な党の建設は今や待ったなしなのだ。
 党建設の根幹をなすものは何よりも党勢の拡大である。具体的には党勢の倍増である。党勢倍増の闘いを意識的・計画的に実現することと、それへの取り組みが、われわれをボルシェビキに鍛え上げるのだ。そして、党建設の基軸をなすものこそ、機関紙(誌)であり、機関紙(誌)活動である。機関紙(誌)の拡大と機関紙(誌)活動の生き生きとした展開が、党勢拡大の不動の鍵(かぎ)をなしているのである。
 われわれは、レーニンの『なにをなすべきか?』を始めとした機関紙に関する提起や、革共同の三全総での「全国的政治新聞」の任務についての提起を基礎に、絶えずそこに立ち返りながら、『前進』を政治的・全人民的暴露と宣伝・扇動の新聞として、また共産主義的新聞であると同時に労働者新聞でもあるものとして、全党の力を結集しつつ、毎号全力で作っている。編集局、経営局、印刷局がそのために一体となって闘っている。
 だがわれわれは、今やもっともっと広範な労働者人民の意識や要求にかみ合い、結びつき、それを革命的に体現して、さらに政治的暴露と宣伝・扇動の内容を改革、改善しなければならない。国鉄決戦や都議選決戦勝利の闘いが、その最大の試金石であり、戦場である。
 わが革共同は今や、分裂カクマルを打倒し、転向し変質をとげた日本共産党や社民党を敢然とのりこえて、反スターリン主義・革命的共産主義の党、唯一の闘う労働者党として歴史に躍り出るべき時を迎えた。けしば誠一氏を押し立てた都議選決戦で絶対に勝利することが、その当面する最大の任務である。その勝利の上にさらに、改憲阻止決戦の大爆発と階級的労働運動の戦闘的再生をかちとるために前進しようではないか。
 『前進』の二〇〇〇号発行万歳! 前進編集局、経営局、印刷局は、革共同の党的飛躍と革命勝利へ一層の精進を重ね闘いぬく決意だ。
 反帝国主義・反スターリン主義の旗のもと、万国の労働者団結せよ! 闘う労働者・学生・人民は、今こそ革共同に結集せよ!

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週刊『前進』(2000号1面2)

動労千葉、ストに突入 “労働運動の閉塞破る” さらに全乗務員第2波へ

 三月二十八日、動労千葉は全地上勤務者を対象に、始業時から二十四時間の第一波ストライキに突入した。全労働者に襲いかかる一大資本攻勢、その最先端をなす国鉄闘争解体の攻撃に、偉大な反撃の第一弾がたたきつけられたのだ。
 午後二時、「春闘第一波スト貫徹集会」が千葉市民会館で開かれた。スト参加者や非番の組合員、支援の労働者など三百人が続々と結集した。
 冒頭、繁沢敬一副委員長が「本日は八十九人の組合員がストライキに入った」と報告し、「ニューフロンティア21とシニア制度という第二の分割・民営化攻撃がかけられている。四月一日、二日の四十八時間乗務員ストを打ちぬき、JRにわれわれの決意を示そう」と訴えた。
 中野洋委員長があいさつし、「労働組合が世の中を変える原動力になる時が来た。われわれのストライキは、労働運動を再生し閉塞(へいそく)状況を打破するための闘いだ」と闘いの意義を提起した。
 また、JR東日本のシニア制度について「再就職の時、試験を受けて合格しないとダメという不届き千万な制度だ。日夜、鉄道のために邁進(まいしん)してきた仲間が六十歳でこういう目に遭う。再就職できても、外注化・合理化の手先にされる」と弾劾し、「これに怒りをもたなければ労働組合ではない。シニア制度を率先推進したカクマル主導の東労組は解体しなければならない」と訴えた。
 そして「第二波は全乗務員がストに入る。東労組の組合員にも、闘う組合に結集し世直しをしようと訴えてほしい。敵にダメージを与える闘いをやりぬいて、労働者を激励しよう」と呼びかけた。
 君塚正治動労総連合委員長が、総連合傘下の各単組が三月三十一日から四月二日にかけて、それぞれストに立つことを報告した。
 三里塚反対同盟の萩原進事務局次長が、「労働者人民の怒りが渦巻く中でのストライキがどれだけ新鮮で光り輝いているか。動労千葉との三十年の労農連帯を誇りに思う」と、揺るぎない連帯を表明した。
 中江昌夫船橋市議は「動労千葉を先頭に新しい時代を切り開こう」と訴えた。
 ここで田中康宏書記長が基調報告。「東労組への怨嗟(えんさ)の声は満ちている。この闘いを組織拡大の闘いと位置づけたい」「ほとんどの労組が骨を砕かれ経営者のようなことを言っている。労働者の権利と生活を守るために存在する労働組合がこうなっていることに我慢がならない」「今の社会は根本的に間違っている。労働者の権利は破壊され、首切りが当たり前のようにまかりとおっている。きょうの闘いは、団結して立ち上がれという、全国の仲間への呼びかけだ」と提起した。
 また、貨物労働者への低賃金強要が続く中で、「東会社は素晴らしい。国鉄改革の完成を」などと叫ぶ東労組を徹底弾劾。さらに、ニューフロンティア21に対して真っ向から闘わなければ団結は守れないと強調し、最後に「千四十七人の解雇撤回闘争はこれまでの延長線上にはない。今回のストは千四十七人の闘いにも大きなインパクトを与える」と訴えた。
 動労千葉争議団や各支部、各分科の代表が決意を表明した。「検修外注化は絶対に許せない」「JRのやり方にノーを突きつけ、労働者に闘いの旗のもとへの結集を呼びかけよう」「JR総連カクマルの卑劣な裏切り妥結を許さない」などの発言が続いた。布施宇一副委員長の音頭で団結ガンバローを行った。
 集会後、参加者はJR東日本千葉支社前に移動、「シニア制度反対! 不当な差別を許すな」などとシュプレヒコール。支社を囲むフェンスの中から職制が監視するが、スト突入者を先頭とする動労千葉の大隊列にうなだれるだけだ。
 その後、千葉駅前にプラカードを林立させて、スト支援を訴える宣伝行動を行った。JR貨物が昨年に続きベアゼロ回答を行ったことが伝えられると、参加者は怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。

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週刊『前進』(2000号2面1)

3・11革共同政治集会基調報告

自民党政治への怒りを爆発させ都議選絶対勝利へ総決起しよう
分裂カクマル打倒し、革命の21世紀へ

                          木崎 冴子

 三・一一革共同政治集会(東京・杉並公会堂)は、六月都議選決戦の必勝へ、全党全人民の総決起を呼びかけ、決戦態勢を確立する集会としてかちとられた。木崎冴子同志の基調報告「分裂カクマル打倒し、労働者階級の力で革命の二十一世紀へ」を一部加筆して掲載します。(編集局)

 はじめに

 二十一世紀冒頭の革共同政治集会の基調報告を提起させていただきます。
 初めに確認したいことは、一九七五年三・一四反革命=本多延嘉書記長虐殺から二十六年目にして、ついに黒田・カクマルと松崎・JR総連(カクマル)が大分裂し、黒田・カクマルは本質的に死滅したと言えるほどの絶望的な危機に突入したことです。
 二十六年前、ファシスト・カクマルは、反スターリン主義・革命的共産主義運動の理論と実践を創造し、革共同全国委員会を建設した最高指導者・本多延嘉書記長を、言語に絶する卑劣な手段をもって虐殺した。革共同は、三・一四復讐戦を貫徹し、カクマルを完全打倒することこそ、プロレタリア日本革命―世界革命に勝利する唯一の道であることを確信し、世界革命運動史上類例をみないファシスト反革命に対して対カクマル戦を闘って、闘って、闘いぬいてきました。
 二〇〇一年三・一四を迎えるにあたって、カクマル完全打倒の勝利の大勢を決する革命的情勢を握りしめることができたのは、革共同の同志たちが一丸となってカクマル完全打倒の思想と情熱と実戦を貫いてきたことによるものであり、さらに三里塚芝山連合空港反対同盟、北富士忍草母の会、部落解放同盟全国連合会、都政を革新する会の方々の不屈の連帯と激励の力によるものであります。
 さらに、国鉄労働者を始めとした幾百万労働者の支持と熱い期待、沖縄の闘う仲間たち、そして革共同に期待する闘うアジア人民――こうした力がひとつになって切り開いた大勝利です。特にカクマルに党派としての死を強制したものは、闘争団、千四十七名闘争を始めとした国鉄決戦の前進と、革命的大衆行動が六〇年、七〇年をのりこえる勢いで爆発を開始したことにあります。カクマルにとっては、けっして起こってはならないことが次々と日本階級闘争に起こった。このことが決定的でした。
 一九五七年に誕生した反スターリン主義・革命的共産主義運動が、ついにここに新たな闘いの次元に突入したことをきっぱりと確認したい。
 革共同は、二十一世紀のできるだけ早い時期に、資本主義―帝国主義を完全に打倒して、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利をわが手で実現し、資本主義から共産主義社会への世界史的移行をかちとることを宣言するものです。
 そのためにも、教育改革攻撃粉砕=改憲阻止の大闘争と階級的労働運動の再生の闘いを大爆発させ、六月都議選決戦の絶対勝利と超長期獄中同志の奪還をなんとしてもかちとること――このことを、本集会で不抜の決意としてうち固め、直ちに全身全霊をかけた総決起に突入することを、結集したすべての皆さんに訴えたいと思います。

 第1章 「3・14」虐殺者=黒田の全面的歴史的破産とカクマル打倒情勢

 何よりもまず第一に、「三・一四」虐殺者=黒田の全面的・歴史的破産を確認し、カクマル完全打倒の決意をはっきりさせたい。
 カクマル反革命との闘いは、一九一七年ロシア革命によって切り開かれた現代世界において、三〇年代階級闘争の血の教訓が示すように、現代革命の構造そのものに内在する必須不可欠の闘いでした。日本階級闘争史において偶発的に起きた闘いでは断じてありません。
 カクマルの白色テロルは、スターリン主義者による反革命テロル、ドイツのナチスを始めとするファシストによる反革命テロルと同質のものであります。特にカクマルは、マルクス主義の言葉を語り、「反帝・反スタ」の仮面をかぶって、革命党と闘う労働者階級人民をあらゆる手段をもって解体・絶滅するという点に最大の特質を持っていました。
 日本階級闘争においてカクマルとの闘いは、反スターリン主義・革命的共産主義運動の革命的発展に対する日帝の大反動との闘いと一体化したものであり、本質的に二重対峙・対カクマル戦として闘いぬかれてきました。それゆえ、現在のカクマル完全打倒の勝利的情勢の戦取は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の勝利への橋頭保であることを断固として確認したいと思います。
 それでは、今日の黒田・カクマルとJR総連・カクマルの大分裂はどうなっているのか。次にこのことを確認したい。
 昨年末、黒田も松崎もそれぞれ分裂・対立をさらけ出す、重大な態度表明を行いました。カクマルは十二月八日に「JR総連は階級敵」「JR総連労働運動は終焉(しゅうえん)した」と、全面的な打倒闘争への突入を宣言した。他方、松崎は、十二月九日の東労組全支部委員長会議で「カクマルであったことを恥じている」「カクマルの攻撃から会社を守る」「日本の鉄道の中枢・JR東日本を守る」と、今まで以上に権力・資本にすり寄って延命する決意を表明しました。
 ところが今年に入ってカクマルは、十二月九日の松崎発言の内容は権力のねつ造文書に基づくものであるという悲鳴をあげてきた。このことが示すものは、結局黒田は松崎をけっして批判できない、松崎を批判した瞬間にカクマルは組織そのものが吹っ飛んでしまうということです。だから今や黒田・カクマルも、JR総連・カクマルも矛盾の沸騰点にいる。
 生起している解決不能の矛盾と危機の根源にあるものは、黒田、松崎ともに国鉄の分割・民営化攻撃に率先協力し、その主柱となり、国鉄労働運動と日本労働運動の破壊者になったという事実です。この大裏切りは、七〇年以来、否、黒田と松崎が革共同から分裂・逃亡(六三年)して以来の反革命的・反労働者的な路線と運動が行き着いた結末でした。
 この大裏切りは、カクマルのファシスト的純化にとって決定的で歴史的な分水嶺(ぶんすいれい)をなしたのです。そもそも二十万人の国鉄労働者の首切りを推進したのみならず、膨大な労働者の職場と生命と階級的誇りを奪った大罪は、たとえカクマルが歴史のくずかごに葬り去られても、日本階級闘争に未来永劫(えいごう)刻印されなくてはならない大裏切りです。
 なぜ、かくも決定的な裏切りに走ったのか。黒田は三・一四反革命の階級的大罪のあまりの大きさにすくみあがって、三・一四反革命に対するわが革命的反撃のすべてを「権力の謀略」と言いなすという「謀略論」路線を基本路線にしました。また松崎は、七五年に時を同じくして爆発した八日間におよぶ公労協・国鉄のスト権ストの総括で、「八日間ストをやっても社会も政治も微動だにしなかった。権力と闘っても勝てない」と、決定的屈服・転向に走りました。要は、黒田と松崎が三・一四反革命の大罪と、これへの革共同のすさまじい反撃にすくみあがって、七五年の激動の中で、権力に救いを求める「権力の謀略」論を基本路線とするに至り、他方で国鉄分割・民営化への全面屈服に走ったということです。
 国鉄分割・民営化の先兵になり下がった、その主柱になり下がったということは、カクマルにとって何を意味したか。それは、「革命の仮面をつけた反革命」としての根底的な歴史的な破産でした。だからカクマルは、八〇年代末から九〇年代、今日まで十数年間、混乱につぐ混乱、「内部思想闘争」という名の内部抗争に明け暮れてきた。その中でエセ「反帝・反スタ」も、「冬の時代」論とケルンづくり、いわゆる黒田の組織現実論も、「権力の謀略」論も、すべて大破産したということです。

 最大の元凶は黒田とその「謀略論哲学」

 こうしたカクマルの大破産は、一番の元凶、張本人である黒田そのものの破産です。カクマルの最後の砦(とりで)のごとく見えていた「黒田哲学」が完全に死滅したということです。
 黒田哲学が最後に行き着いたのは「謀略論の哲学」でした。黒田は、自らの生涯において最大の核心である「三・一四虐殺者」という血にまみれた存在規定から逃れるために、そして三・一四復讐戦の嵐(あらし)のような爆発を見すえられないために、カクマルに対する革共同の戦闘のすべてを「権力の謀略」と言いなして、自他を欺こうとしました。最近黒田が出版した『政治判断と認識』では「政治判断によって現実認識が決定されるのであって、その逆ではない」などと主張している。つまり、黒田が「謀略」と判断し、組織的に決定した以上は「謀略」なのだと言い張っているのです。
 この「謀略論」が、結局は自作自演の「謀略劇」になり、カクマルは虚偽の世界をつくりあげ、列車妨害テロルに走り、「神戸謀略論」デマ運動をねつ造するに至った。カクマルは、列車妨害テロルにしても、「神戸謀略論」デマ運動にしても、JR総連・カクマル支配の崩壊をくい止めるために必死になってやった。だが「神戸事件は権力の謀略」などというデマを、JR総連の組合員の誰一人信じないどころか、カクマル組織さえ獲得できなかった。ここに、マルクスの革命的実践論を拒否してきた黒田のエセ「実践哲学」の観念論的本質とその破綻(はたん)が完全に暴露されたということです。
 カクマルの大分裂はまた、動労千葉と国労、闘争団と千四十七名闘争が、階級的原則を守って不屈に闘いぬいてきた勝利とひとつになって起こっていることを確認しなくてはなりません。松崎の屈服と裏切りと階級移行の対極で、動労千葉は反合理化・運転保安闘争、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を闘い、動労本部からの分離・独立をかちとった。カクマルの無差別的テロル攻撃との死闘をぶちぬき、首都圏の重要地本でファシスト労働運動と階級的に対決する戦闘的労働組合運動を防衛し強化し、発展させたことの意義は決定的に大きなものでした。
 そして分割・民営化断固反対の二波にわたる大ストライキを命がけで決行した動労千葉は、動労総連合とともに「われわれは、確かに満身創痍(そうい)となったが、堂々と闘って団結を守りぬきJR体制にのりこんだ」(『鉄路に生きる! 動労千葉二〇年の軌跡』)と宣言した。そして国労は八六年修善寺大会をとおして分割・民営化反対を貫き、暴圧をのりこえて四万労働者が団結した。この時に、黒田・松崎の運命は大きく決定づけられたのです。
 そして革共同が、九一年の五月テーゼから一九全総―二〇全総と、「労働者人民の中へ」深々と入り、まず国鉄決戦が火を噴いた。他方で、沖縄における九五年以来の「新しい人民反乱」を切り口に、ガイドライン闘争を始めとした政治闘争―革命的大衆行動が、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」の路線のもとに革命的に発展していくすう勢に突入した。
 ここにおいて、黒田・松崎・カクマルの白色テロル、さらに国鉄分割・民営化の先兵化の大裏切りという大反革命の一切が、反革命的ファシスト的な効力を完全に失ったのです。
 私たちはこの二〇〇一年を、カクマル完全打倒に向けての大攻勢の時としなければなりません。カクマルの最大の矛盾点・弱点は松崎・JR総連にあります。カクマルの白色暴力や白色テロルを失ったJR総連は必ず弱体化する。松崎・JR総連に対して嵐のような階級的批判をたたきつけ、動労千葉の戦闘的決起と国労の階級的再生を軸にしてJR大合理化と闘い、そして全産別に階級的労働運動の奔流をつくり出して、JR総連解体・打倒の歴史的大攻勢に立とうではありませんか。
 松崎の打倒は黒田の最後的解体です。革共同は、三・一四反革命を凶行した黒田を必ずや打倒する!
 そして、その勝利のためにも都議選決戦の必勝に向かって真一文字に突き進もうではありませんか。

 第2章 戦争と恐慌・大失業時代の本格的到来と世界革命の現実性

 次に、内外情勢と二十一世紀反帝・反スターリン主義世界革命の現実性の到来について確認したいと思います。
 ついにアメリカのバブル経済は本格的崩壊過程に突入しました。株価は下落し、景気は急降下し、企業収益も悪化し、八〇年代のレーガン時代を上回る大量解雇の嵐が起こっています。昨年十二月に十三万四千人、今年一月には十四万二千人と、米企業は大量の首切り攻撃を強行し、失業率は上昇しています。さらに過剰資本・過剰債務・不良債権が表面化し、信用収縮も始まっています。
 これらの動きは、米帝バブル経済が崩壊過程に突入し、昨年末から恐慌的に落ち込んでいることをドラスティックに示しています。
 これに直撃されて、日帝経済も破局の危機にのたうっています。輸出が落ち込み、対米輸出で危機をしのいできた生産も急下降しています。一月の輸出数量は前年同月比五・一%の減少、鉱工業生産指数は前月比四・二%マイナスという大きな落ち込みとなりました。一月の失業率四・九%は一九五三年以来最悪であり、二月の消費者物価指数は過去最大の下げ幅と、次々と記録を塗り替えています。
 株価は再三にわたって一万三千円を大きく割り込み、バブル崩壊後の最安値を更新しようとしています。企業実績の急速な悪化、過剰資本・過剰生産力の問題がむき出しになってきています。三月決算期を前に金融機関の保有株式の含み損による不良債権問題と金融危機の再激化が不可避となっています。今や、日本経済の全面的恐慌情勢への突入は不可避となっています。
 日米の経済危機が、互いに連動し連鎖し合いながら進行し、二九年型世界大恐慌の本格化へと突き進んでいる。世界情勢はいま一段の新たな重要段階に入ったと言えます。
 アメリカのバブル経済の崩壊と日帝の恐慌の深まり、そして世界大恐慌の本格化は、世界史に何をもたらすのか。ひとつは帝国主義間争闘戦の本格的激化と世界史的規模の大戦争情勢です。
 二月十六日、米帝ブッシュ政権はイラクの首都バグダッドを空爆しました。ブッシュ政権は帝国主義間争闘戦を激烈化させ、全世界を侵略戦争と大失業の嵐の中にたたき込もうとしています。何よりもアジアの勢力圏化をめぐる日米争闘戦を激化させ、残存スターリン主義の転覆を狙い、朝鮮・中国侵略戦争の策動を強めています。
 だがその一方で、こうした米帝危機と世界大恐慌の本格化がもたらす今ひとつ重要なことは、それがプロレタリア革命の勝利に向かって国際階級闘争の爆発をもたらすことです。朝鮮・中国−アジア人民の帝国主義打倒の闘いへの澎湃(ほうはい)たる決起、そして沖縄奪還闘争の根底的大爆発は必ず到来します。
 特に大宇(テウ)自動車争議が示すように、南朝鮮プロレタリアートの決起は、体制の根幹を揺るがす大闘争に発展しています。プロレタリアートとその家族が武装して数千の国家権力・機動隊と闘って、ストライキを貫いている。IMF管理と労働法改悪による大量首切りの強行に対して、労働者階級の尊厳と生存を死守して闘いぬいています。
 沖縄の怒りも「コザ暴動前夜」と表現されるように、大噴火寸前です。朝鮮・中国―アジアをめぐる軍事情勢と階級的激動、日米争闘戦の激化の焦点として沖縄基地があります。とりわけ、日米帝国主義のSACO政策、名護新基地建設攻撃の行きづまりとその突破の攻撃の強まりのもとで、沖縄米兵による暴行、放火事件などが頻発し、沖縄人民の怒りが沸騰しています。海兵隊撤退と日米地位協定の改定が県や市町村議会のレベルで大問題化しています。日米地位協定という在日米軍の「治外法権」的現実への沖縄人民の怒りは、戦後の沖縄米軍基地支配、日米安保体制を根底的に揺るがし、これと激突していくものとなります。
 沖縄の闘いは、従来の基地撤去闘争が沖縄労働運動の再編・強化の苦闘と結合しながら、新たな発展に向かおうとしています。この中で新たな政治勢力・指導勢力が確固として登場し、基地撤去闘争と沖縄労働運動の結合を発展させ、その飛躍を実現するならば、それは日本革命の火薬庫・沖縄の情勢を決するものになります。
 あらためてはっきりさせるべきことは、一九一七年のロシア革命によって帝国主義・資本主義はけっして取り戻すことのできない世界史的根底的な打撃を受けた――このことは揺るぎない事実だということです。二十世紀の帝国主義段階に入るや否や、プロレタリア革命の革命精神はいったん全世界を覆い尽くし、帝国主義を断末魔の危機にたたき込みました。そして世界史的な革命運動の大波は、二十世紀に幾度となく世界プロレタリアート人民の自己解放の命がけの叫びとして引き起こされてきました。
 今こそ日本の労働者階級人民は、闘うアジア人民・在日アジア人民との連帯、そして沖縄人民との連帯、この「二つの連帯戦略」を貫いて、世界革命闘争の最先端に断固として躍り出ようではありませんか。

 第3章 改憲・教育改革・有事立法攻撃粉砕の戦後最大の政治決戦へ

 第三に、改憲と教育改革、有事立法攻撃粉砕の戦後最大の政治決戦への突入を訴えます。
 国会に憲法調査会が設置されてから一年余が過ぎました。日帝は憲法調査会の開始から六年で改憲を完了させると言っています。
 改憲攻撃の最大の核心は憲法第九条の破棄です。すなわち〈戦争放棄・交戦権の否認・戦力の不保持〉を破棄するということです。かつて一九五〇年代中期、鳩山内閣が憲法調査会をつくって明文改憲を策動しましたが、最終的には六〇年安保闘争の高揚と爆発の中で葬り去られました。しかし、現在本格的に始まった改憲攻撃は、レベルを異にする攻撃性と死活性をもってかけられています。
 ひとつは、日帝の日米争闘戦における敗勢と没落帝国主義化の中で、日帝が必死の延命をかけて侵略戦争に踏み切ろうとしていること、現に朝鮮侵略戦争を強行しようとしていることです。いまひとつは、九九年の新安保ガイドライン法の成立が日帝の改憲攻撃の大転換点になっているということです。日帝は、没落帝国主義としての生き死にをかけて、改憲攻撃に突進しているのです。
 まさに、改憲とは、憲法九条を破棄することであり、戦争・侵略戦争への踏み切りそのものを意味します。完全武装した自衛隊をアジアに派兵し、朝鮮・中国―アジア人民を虐殺するということです。断じて許してはなりません。
 戦後革命の嵐のような爆発と敗北から五十余年、日帝の改憲策動を歴史的に粉砕してきた反戦・反安保闘争、国鉄闘争・教育闘争を始めとした戦後労働運動、こうした戦後階級闘争のすべてを改憲阻止決戦に大合流させて、一大飛躍をかちとり、戦後最大の政治決戦を爆発させようではありませんか。
 改憲攻撃は、教育改革・教育基本法改悪、教科書攻撃、「日の丸・君が代」の強制攻撃としてすでに強行され、これとの攻防が激しく火を噴いています。
 実際、日帝支配階級が労働者人民を戦争体制に屈服させ、実際の戦争に動員していくためには、国家統治のかなめである教育を戦争的価値観で根本的に変えることなしには不可能なのです。
 だからこそ日帝は、改憲攻撃の最大の突破を教育基本法改悪にすえたのです。教育基本法は戦後憲法と時を同じくして制定され、憲法の平和主義と基本的人権尊重の理念を受けて、「個人の尊厳の尊重」と「真理と平和を希求する人間の育成」を教育目標に掲げてきました。そして戦後の平和教育、解放教育、人権教育、そして世界的に普遍的な国際主義・人間主義の教育を形成してきました。
 昨年十二月、教育改革国民会議最終報告において、「新しい時代にふさわしい教育基本法」ということが宣言され、教育基本法改悪に向けて事態は本格的に進み始めています。森・自民党政権は、教育基本法の改悪を参院選の公約・争点にするなどと言っています。文部省にプロジェクトチームがつくられ、中央教育審議会と連携して、次期通常国会に改悪案を提出しようとしています。それに向けて、今通常国会にはすでに教育改革六法案が提出されております。

 戦後教育解体許さず教育労働運動を守れ

 教育改革攻撃は大きくは二つの方向性を持っています。ひとつは戦後教育を解体し、戦時型の教育に大転換することです。教育基本法が目指してきた「教育の理念」や「教育の目的」を全面的に解体して、「日本人の育成」を新教育基本法の核心にすえ、愛国心の育成だとか、国家主義的な教育だとか、天皇制教育に全面的に転換しようとしています。
 いわば教育基本法を「教育勅語」に置き換えること、これをやろうとしているのです。その具体的推進として、「奉仕活動の義務化」であるとか、エリート教育、差別・選別教育のエスカレートであるとか、他方で「問題を起こす児童・生徒」の出席停止措置など、子どもたちを切り捨てることをやろうとしています。これは戦後の日教組と日教組の教研運動が「教育の戦争責任」を自らに問い、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンのもとに営々と積み上げてきた戦後教育のあり方を根本から否定し、解体するものです。
 いまひとつ教育改革攻撃が目指していることは、日教組運動を変質・解体させ、教育労働運動を根絶することです。「不適格教員」免職・転職制度をつくって、闘う教育労働者を「不適格だ」「指導力不足だ」と決めつけて研修所に送り、退職勧告・分限免職する――こんなとんでもないことをやろうとしています。これは文字どおり日教組の組織破壊攻撃そのものです。
 改憲攻撃の突破口としてのこうした教育をめぐる大攻撃に対して、だからこそ闘う日教組運動を守り、その階級的再生をかちとり、一大教育闘争に立つことが求められています。
 日教組運動―教育闘争は、国労―国鉄労働運動と並んで、戦後労働運動と戦後階級闘争において重大な役割を果たしてきました。ともに一九四七年に労働組合として結成を闘いとり、五一年国労新潟大会では「平和四原則」を決定した。そして日教組で「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンが決定された。五七年には国労新潟闘争が一週間にわたって電車をぶっ止める大闘争となった。それと呼応して勤務評定反対闘争が全国で爆発していった。そしてこの国労と日教組が六〇年代、七〇年代を闘い、総評の最左派として戦後労働運動を牽引(けんいん)してきました。
 いま戦争国家化と改憲をめぐる戦後最大の階級攻防において、国労の階級的な再生と、闘う日教組運動の防衛と再生、これをめぐる闘いが、時を同じくして最大の階級的激突点を形成しています。
 そもそも戦後の日教組の原点と骨格は、四七年日教組結成から五七年に始まる勤評闘争、そして六〇年安保闘争という疾風怒濤(どとう)の十数年の闘いの中でつくり出されてきました。特に五七年から三年間にわたって闘いぬかれた勤評闘争は、全日ストライキや全員休暇闘争を全力で駆使しながら、愛媛、佐賀を先頭にしながら、文字どおり全国闘争として闘われた。それは国家権力の空前の処分と弾圧をのりこえて闘われた、戦後教育労働運動の金字塔でありました。
 この勤評闘争をつくり出したのは、五一年「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンの決定であり、五二年「教師は労働者である」「教師は団結する」の「教師の倫理綱領」でした。
 戦前、教育労働者は日帝の朝鮮・中国|アジア侵略戦争と植民地支配の歴史の中で、とりわけ一九三一年の柳条湖事件に始まる「十五年戦争」において、三一年から三三年「教員赤化事件」に示される抵抗があったとはいえ、「教育勅語」のもと「天皇のために命を投げ出す」教育を推進し、三十万人と言われる学徒動員を強制し、二千万人とも三千万人とも言われるアジア人民虐殺のために教え子を動員してきた。戦争と教育は、密接不可分の関係でした。
 この歴史を二度と繰り返さないという誓いと自己批判が、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンに示されており、これが反戦平和運動の先頭に立つ日教組をつくり出し、戦争と改憲への防波堤になってきたことは間違いのない事実です。
 勤評闘争も、「勤評は戦争への一里塚」のスローガンのもとに爆発しました。こうした日教組運動の階級的土台のもとに、日教組の闘いは営々と引き継がれてきました。
 連合結成と日教組中央の裏切りの中でも、教育の国家支配に対する現場労働者の不屈の闘いは継続されて、日帝はいまだ国家統治の枢要である教育と教育現場を制圧しきれないままでいます。
 八〇年代の中曽根の国鉄改革と教育改革攻撃に直面して、日教組の階級的命運が問われた時に、日教組は総評解散―連合結成のもとに走りました。そして文部省とのパートナー路線にまで転落しました。しかし、はっきりさせるべきことは、教育労働者の自己解放をかけた決起は必ず爆発するし、生徒、保護者、地域の労働者、部落大衆、在日アジア人民との階級的共同闘争は空前の闘いとして必ず爆発するということです。

 アジア人民の闘いに血債かけ連帯を

 この時に、戦後の大激動期に在日朝鮮人が自らの教育=民族教育を守るために死を賭(と)して、血を流して闘った阪神教育闘争から学ぶことが問われています。戦後の教育闘争において日帝打倒に肉迫する最大の闘争が、阪神教育闘争でした。この闘いは一九四八年、日帝・文部省が「朝鮮人の自主教育は認めない。朝鮮人の児童・生徒は日本人学校に入るように」と強制したところから始まりました。そして実際、文部省は民族学校の封鎖を宣言してきた。それに対して、在日朝鮮人民が命がけの実力闘争に決起しました。
 当時、四月二十三、二十四日の二日間ですら万余の大集会、デモ・抗議闘争が闘われました。騒擾(そうじょう)罪の適用、MP(米軍憲兵)のピストル威嚇、非常事態宣言発動と一切の集会・デモの禁止、そして十六歳の金太一(キムテイル)少年が日帝権力のピストル発射によって虐殺されるという流血の大弾圧をものりこえて闘いぬかれたのです。
 この阪神教育闘争は、在日朝鮮人六十万人と本国三千万人民が文字どおりひとつになって闘いぬいた大闘争でした。在日朝鮮人の民族教育=自主教育を守る闘いは、そういう闘いとして発展するということです。
 いま国会に「国籍法改正案(簡易帰化制度を抜本的に改変するための議員立法)」が提出されています。これは在日朝鮮人としてのの国籍の抹殺を狙うものです。そしてこの攻撃は、必ずや在日朝鮮人の民族教育の圧殺へと連動します。
 そもそも「日本人の育成」(国家を守ることに生命を投げ出させる日本人)を掲げた教育基本法改悪の攻撃は、在日朝鮮人の民族教育の圧殺であり、在日アジア人民に対する新たな皇民化教育の宣言でもあります。今こそ四八年阪神教育闘争の壮絶な歴史――これは日教組の歴史には刻印されてない――を、日本階級闘争、労働運動と教育闘争の戦場に復権させなくてはなりません。そして今度こそ在日朝鮮人・中国人・アジア人民の全存在をかけた決起に、日本のプロレタリアート人民は血債をかけて連帯し、闘おうではありませんか。
 日教組中央の裏切りをのりこえて今、広島・国立(東京)・三重など教組の不屈の闘いが始まっています。広範な階級的共同闘争を復権し創造して闘えば、森・中曽根・石原らの教育改革攻撃をズタズタに粉砕することができます。日教組運動の階級的再生は、必ずや教育基本法改悪阻止・改憲粉砕闘争の巨大な爆発を押し開くものとなります。

 「日の丸・君が代」反対教科書改悪許すな

 当面の決戦は、今春の卒入学式における「日の丸・君が代」強制反対闘争であり、教科書攻撃をなんとしても粉砕することです。
 今年の卒入学式闘争では、処分と職務命令による強制の恫喝をのりこえて歴史的な闘いが火を噴いています。すでに高校の卒業式が終了した時点で、二月に意見広告を出した広島、千葉、神奈川を始め闘いは圧倒的に拡大しています。
 広島の高校では教職員が起立を拒否した高校が四十四校を上回っています。圧倒的多数の教職員が拒否しています。千葉では「日の丸・君が代」反対で県の教育委員会に申し入れを行った三校の生徒が軸になって、教職員・保護者一体となって完全に「日の丸」も「君が代」も粉砕しています。そしてついに、ある高校では「君が代」のテープを流すことに対して卒業生全員三百十七人が入場を拒否し、在校生も拒否するという決定的な闘いが起こっています。神奈川では、初めて文書と口頭の両方で職務命令が発動されましたが、闘いをおさえこむことはまったくできていません。「君が代」に対して分会のシュプレヒコールが起こる、それに対して生徒が拍手でこたえるという事態が起こっています。あるいは卒業生がビラを作り、卒業生全員の机に置きビラすることも起こっています。
 こうした「日の丸・君が代」闘争の爆発が示すことは、教育労働者が階級的原則に立って処分を恐れず団結して闘えば、生徒・保護者の決起を生み出し、部落大衆・在日アジア人民との共同闘争をつくり出し、「日の丸・君が代」闘争は永続的に発展するということです。
 いまひとつ教科書攻撃が決定的に重大な局面に突入しています。二〇〇二年四月から使われる中学校の「歴史」と「公民」の教科書として、右翼反動勢力「新しい歴史教科書をつくる会」のつくった教科書を、文部科学省は三月末に検定を通そうとしています。さらに検定が通った瞬間、「つくる会」は採択率一〇%を目標にして、一斉に自治体でファシスト的な採択運動を大々的に展開しようとしています。このために文部科学省と各地の教育委員会は、教科書採択制度から現場の教員を排除し、侵略教育を教育労働者に強制しようとしています。
 「つくる会」の教科書はとんでもない教科書です。第二次世界大戦への反省がまったくないばかりか、「大東亜戦争」と積極的に規定しています。また朝鮮および台湾の植民地支配・アジア侵略戦争・対米戦争・沖縄戦をことごとく美化しています。はては日本は「神の国」であることを強要するものです。そして現憲法を「おしつけ憲法」であると否定して、「教育勅語」を賛美し、教育基本法を否定しています。これらは戦後教育を根本的に否定し、戦前型教育への復活、その中でも最も反動的で悪質なものを全面的に採用するということです。
 この最先端を走っているのが都知事の石原です。石原は、都教育委員会をとおして学習指導要領の「わが国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」という目標を区市町村に教科書の採択観点として指示し、さらに「悪いことばかり取り上げて、この国の歴史に愛着を持てないという印象しか与えない教科書は好ましくない」などと言って、「つくる会」の教科書を採択させるために露骨な圧力をかけています。都議選の最大の焦点に「侵略教科書」弾劾闘争を位置づけて闘わなくてはいけません。
 改憲と戦争国家に向かう情勢の中で、次々と新たな闘いが爆発しています。学生運動と大学自治会運動を拠点にした教育闘争の爆発が始まろうとしています。
 あるいは社会保障解体攻撃の中で、高齢者が階級闘争の一翼に登場して、介護保険闘争が大衆闘争として発展しています。
 さらには戦争責任追及・戦後補償をめぐる歴史的闘いが爆発し、昨年十二月には国際女性戦犯法廷で天皇ヒロヒトと日本国家に有罪を宣告し、勧告するという歴史的な事態も起こっています。
 部落解放同盟全国連合会第一〇回大会は、「二十一世紀を部落差別撤廃と人間解放の世紀に」の大宣言を発しました。全国連は、狭山闘争―差別糾弾闘争の展開を軸に、五万人組織建設へ怒濤の進撃を開始しています。
 三里塚闘争、北富士闘争を始めとした全国の反基地闘争、反戦・反核・反安保闘争も、大衆的広がりをつくり出しながら、日帝との非和解の闘争としてねばり強く発展しています。
 こうした一切の闘いを、ともに勝利をめざして全力で闘っていこうではありませんか。

 第4章 国鉄決戦を軸に資本攻勢うち破り階級的労働運動の台頭を

 日経連労問研報告は一大資本攻勢の宣言

 第四に、国鉄決戦を先頭にして一大資本攻勢をうち破り、階級的労働運動の本格的台頭をかちとることの死活的重大性について提起します。
 日帝は今日、日米争闘戦の激化の中で敗勢に追い込まれ、未曽有(みぞう)の危機を深めています。そして、その危機からの絶望的な突破をかけて、改憲攻撃と一体の激しさをもって労働者階級に対する一大資本攻勢を強めています。歴史的な大リストラ=首切り、賃下げ、労働強化、労働運動つぶしの攻撃が激しく吹き荒れています。
 「多様な選択肢をもった経済社会の実現を」と題する日経連の二〇〇一年版労問研報告の第一の特徴は、体制的危機に対処する支配階級内の階級意志の不徹底さを一掃し、資本攻勢の一層の展開に向かってブルジョアジーを反動的に密集させようとするものです。第二に、そのために「多様な選択肢」などと言って、低賃金・首切り自由の不安定雇用化の促進、成果主義の賃金・人事制度への移行、賃下げ・首切り・労働強化をさらに進めることを宣言しています。第三に、「横並びの対応で賃金などの労働条件を決めれば済む時代ではない」「従来のような一律賃上げの水準を交渉することは意味がない」などと言って、賃下げだけでなく、春闘として闘われてきた賃金闘争そのものの解体に歴史的に踏み込んだことです。賃金闘争の解体攻撃は、これまでの労働者階級の歴史的な獲得物の一掃と階級関係の全面的な変更を狙うものであります。
 労問研報告は、これら一大資本攻勢を日帝ブルジョアジーの一種の反革命運動として展開し、労働組合の全面的解体を狙ってきています。また、教育改革や社会保障改革、税制改革、行財政改革にも言及し、日帝政治委員会と一体となって労働者階級に襲いかかってきています。
 すでに進行していることは、八〇年代のアメリカ型の資本攻勢の徹底化であり、雇用も賃金も労働条件も、年金も社会保障も、すべてを完全に一変しようとしています。民事再生法や会社分割法が乱発されて、次々と膨大な労働者がリストラ・解雇に追いやられています。
 こうした日経連の攻撃に対して、連合の春闘方針は、定昇相当分を明示せず「純ベア一%以上」を統一要求基準とすることで、賃下げ攻撃に全面屈服しています。さらに「統一課題を設定した協約闘争」を「春闘改革」方針とすることで、賃金闘争を後景化させ、日帝ブルジョアジーの攻撃の方向に、連合指導部自らが迎合しているありさまです。
 このような連合指導部に抗して、すでにストライキ闘争の爆発など連合傘下の労働者の総反乱が始まっています。われわれは、連合指導部打倒、JR総連ファシスト労働運動打倒を鮮明に掲げて春闘解体策動と対決し、「大幅賃上げ」を大胆に掲げて今春闘を戦闘的に闘いぬこうではありませんか。

 闘争団の闘いを守り国労の階級的再生へ

 こうした資本攻勢との激突の最先端にあるのが国鉄決戦です。一月二十七日に行われた国労大会について、三つのことを強調したい。
 ひとつは、一・二七国労大会をめぐる激突は、戦後労働運動史上空前の階級的激突として闘いぬかれたということです。国労という日本労働運動の中心に位置する労働組合の大会に、千三百人の国家権力・機動隊が導入された。そして権力の戒厳令下で国労中央は、闘争団と千四十七名闘争を切り捨てる「四党合意」を強行決定した。
 この事態は日帝権力の一大資本攻勢と六千万プロレタリアートの階級的激突の新たな時代への突入を象徴しています。同時に「ニューフロンティア21」という第二の分割・民営化攻撃で国鉄労働運動を解体しようとする、国家暴力的な本質をむき出しにしたものです。
 しかし、二つめに確認したいことは、この一・二七において何ひとつ決着はついていないということです。そもそも日帝国家権力とその軍門に下った裏切り分子が、「JRに法的責任はない」と百万言費やしたとしても、人活センターや清算事業団という地獄にたたき込まれ、「解雇」の二文字のみを突きつけられた労働者の憎しみ、張り裂けんばかりの怒りは、闘う闘争団の魂と生存の中から、けっして消し去ることはできない。当然にも、日帝国家権力の戦後労働運動史上未曽有の大攻撃に、闘争団を始め多くの国労組合員、支援労働者は断じて屈しなかったのです。
 一・二七の反動的暴挙は、必ずや数倍、数十倍、数百倍の階級的反撃を爆発させ、国労の階級的再生の転換点になるに違いありません。すでに三月一日、闘う闘争団との激励・交流会の大成功が闘いとられ、国鉄決戦は新たな段階を切り開き、ますます日本労働運動の不滅の中心軸に立っています。
 三つめに確認したいことは、こうした現下の国鉄決戦の核心的課題は、裏切りに走った国労中央本部と機関指導部を打倒して、苦悩する二万四千国労組合員と不屈に闘う闘争団の戦闘性と階級性に依拠した革命的指導部の登場を、なんとしてもかちとるということです。国労の階級的な再生を切り開く中心軸に革共同が立つことなくして、日本革命の未来はありません。
 昨年三回の大会でたたきつけられた国鉄労働者の不滅の闘いは、六千万プロレタリアートの未来をたぐり寄せる決定的な闘いです。革共同は国鉄決戦に運命を託しています。革共同が日本革命に勝利する党であるならば、なんとしても国鉄決戦に勝利しなくてはいけない。このことを一・二七の総括として断固として確認したいと思います。
 その上で今、動労千葉が再び三たび決定的闘いに立とうとしています。一月二十七日の国労大会に向けられた千三百の国家権力・機動隊は動労千葉にも向けられたものであります。これに対して動労千葉は、春闘ストライキで大反撃することを宣言しました。
 かつて動労千葉のストライキは、分割・民営化の嵐の中で、二回にわたり国労の命運を決定してきました。八五年分割・民営化反対の命がけのストライキは(翌八六年の)歴史的な国労修善寺大会をつくり出しました。そして九〇年三月の激しい前倒しのストライキが、ついに千四十七名闘争団を生み出しました。
 今回の動労千葉の春闘ストライキは、一・二七国労大会の機動隊導入に反撃することをもって、国労の階級的再生への革命的狼煙(のろし)をあげるものとして闘いぬかれようとしています。同時に、春闘の破壊と対決して連合の中で始まった苦闘する労働者の怒り、その決起のすべてを糾合して、列車をぶっ止める激しいストライキとして闘いぬかれようとしています。この動労千葉の決起と連帯し、国鉄決戦の怒濤の進撃をかちとろうではありませんか。

 第5章 “自民党打倒・石原打倒”を掲げ革共同の歴史的な飛躍をかけて都議選決戦へ総決起しよう

 次に六月都議選決戦の必勝へ、階級的な総決起を訴えたいと思います。
 あえて言えば、今まで提起したすべては六月都議選の勝利を闘いとることでこそ、真に前進に転ずることができます。都議選の勝利こそ二〇〇一年の革共同にとってすべてです。
 六月都議選―七月参院選を目前にした日本の階級情勢は、戦後史における幾多の政治的激変と比べても、未曽有の根底的な流動情勢に突入しています。森政権の危機がすでに極点に達していることは、周知のとおりです。
 生起していることは日帝政治委員会の権力構造が丸ごと腐りきっており、森政権の命運が尽きても、それにとって代わる政権の構想すら立たない混迷の中にある、そういう根底的危機です。自民党支配は完全に行きづまっています。人民大衆の怒りも巨大なものになっています。
 森はこの一両日、辞めるとか辞めないとかいろいろ言っておりますが、絶対労働者人民の力で引きずり下ろさなくてはいけない。そして今次都議選・参院選については、自民党を一人たりとも絶対に通すわけにはいきません。そういう決意でこの決戦に臨もうではありませんか。
 今次都議選・参院選は、二十一世紀をプロレタリア世界革命・日本革命の時代へと転化できるか否かの歴史的な岐路での大激突になっています。それは、日帝の政治的な統治能力の喪失が危機ラインを越えた中で、超反動森政権が石原ファシズムと融合したり、軍部などが台頭したりすることを許すのか、それとも労働者階級人民の階級的利害をとことん貫く、まったく新たな政治勢力の登場をかちとるのか、この激突です。
 その意味で、革共同が労働者階級の怒りの全要求、生活と権利の革命的体現者となって、真の労働者党に飛躍する――このための挑戦が都議選決戦です。
 都議選決戦に勝利し、都議を擁した党として衆院選に勝利する。二十一世紀の革共同の歴史的な飛躍は一点ここに絞られています。同時に、日本の労働者階級人民の未来もここにかかっています。

 ファシスト石原の教育改革と対決して

 今次都議選は、杉並の地から全都全国を揺り動かすような、自主的で自己解放的な革命的大衆行動を爆発させることが、勝利のかぎを握っています。すでに介護保険廃止運動や教育委員会の反動的再編との闘い、区職員一千人の行革・リストラ反対運動、そして学校給食民間委託反対の波状的闘いが、日本共産党や既成勢力の総屈服をのりこえて、都政を革新する会―地域住民の先進的な決起として火を噴いています。こうした地平をさらに発展させながら、石原の教育改革攻撃粉砕、特に「つくる会」教科書の検定―採択を阻止する一大運動をまき起こして、石原打倒の革命的情勢をつくり出すことが勝利を決定します。
 今、東京都の教育は、「現行憲法は改正するのではなく廃止せよ」と主張する正真正銘の右翼ファシスト・石原によって牛耳られ支配されています。本当に恐るべき情勢です。日本を戦争国家化するために「東京から日本を変える」と言って登場した石原が、日帝の教育改革―教育基本法改悪攻撃を先導するために、ファシスト勢力を牽引軸とした一大官民運動を推進しながら、ナチス型の教育を都に導入する――これを最大の使命としています。教育改革攻撃が、本格的な石原ファシズムの台頭になるのか、それとも石原の墓場に転化するのかの大激突が始まっているのです。
 石原は、「つくる会」のとんでもない教科書を都内の中学校に採用させることを狙って露骨な圧力をかけています。石原が意図していることは、日帝の改憲や教育基本法改悪攻撃を、それが法制化する以前から先取り的に、強権的に実行するということです。
 そして、石原のめざす教育を実践しない教員には「指導力不足である」とか「不適格である」という烙印(らくいん)を押して排除する。子どもたちには奉仕活動を義務化して「つくる会」教科書の思想をたたき込む。こんなことを絶対に許すわけにはいきません。
 「つくる会」教科書の検定―採択は、都議選決戦の最大の山場と完全に重なりあっています。「つくる会」教科書の最大の元凶=石原を打倒しなくてはいけない。これは都議選に勝利すると同時に、革共同が日本階級闘争の勝利をかちとるにあたって、絶対闘いとらなければならない大命題だということです。

 転向日共を打倒し、けしば必勝かちとれ

 都議選において、けしば誠一氏の当選をかちとるためには、日本共産党を打倒することが決定的に重要です。
 日本共産党は、昨年十一月の第二二回党大会において、「有事の自衛隊活用」と「日本国民の党」規定をうち出しました。これは、それまでの「労働者階級の前衛政党」規定を転換したものです。このことは、それに先立つ一連の転向の上で、改憲政党、労働者階級の利害と対立する政党、排外主義の政党への歴史的転落を宣言したということです。
 スターリン主義政党・日共は、戦後革命の裏切り以来、一貫して「労働者階級の前衛政党」や「共産主義」を唱えて労働者階級人民をたぶらかし、混乱に陥れる反革命的な役割を果たしてきました。その日共が、いよいよ帝国主義打倒の条件が成熟しつつある時に、これを革命に転ずるのではなくて、その体制の中での改革が可能だと言って革命に敵対し、日本帝国主義の危機の救済者となって登場してきている。こういうことを、断じて許すわけにはいきません。
 すでに日本の六千万プロレタリアートは、日本共産党が闘争団切り捨ての先頭に立ち、日帝国家権力を導入して「四党合意」を強行した張本人であることを知っています。先日の国労東京地本大会で、日本共産党・スターリン主義は何と言ったのか。「『ニセ左翼暴力集団』を排除するために千三百の機動隊の導入は正しかった」と言ったんです。こんなやつらが日本の労働運動の中に存在すること、あるいは都革新やけしば誠一候補に敵対してくることなど、一日たりとて許すわけにはいきません。今こそ革命的議会主義の次元で、日共の反労働者的な姿を徹底的に暴いて、真の労働者党が勝利することが、革命の二十一世紀を押し開くためには絶対に必要なのです。
 思えば七〇年安保・沖縄闘争は、日共スターリン主義に革命的決着をたたきつけて、戦後階級闘争史上比類のない爆発をかちとりました。日共スターリン主義は七〇年闘争に反革命的武装襲撃を強行し、プロレタリア独裁の概念を放棄することで、七〇年の以前と以後では大きな変貌(へんぼう)を遂げました。七〇年闘争を先頭に立って闘い指導したけしば氏は、日共スターリン主義を打倒する闘いの、最高の階級の代表であることを確認したい。反スターリン主義・革命的共産主義運動の真価を発揮して、日共を打倒して、けしば誠一氏をなんとしても都議会に送ろうではありませんか。
 そのためにも四月一日、〈介護と福祉を要求する杉並住民の会〉の呼びかけにこたえて、ここ杉並公会堂での一周年集会をともに大成功させましょう。

 第6章 超長期の獄中同志の即時奪還へ最大最高の決戦に立とう

 次に重大な決意を込めて、超長期勾留の獄中同志の奪還を訴えます。
 鎌田雅志元全学連委員長がついに十六年の長期獄中闘争に勝利して、二月六日、府中刑務所から元気に出獄し、党と階級のもとに革命的な大合流をかちとりました。鎌田同志の奪還をかちとったことは、革命の二十一世紀冒頭の大勝利であることを心からともに確認し、喜びたいと思います。そして今こそ超長期の獄中同志奪還に全力を尽くすことをあらためて決意するものです。
 一九七一年十一・一四「沖縄返還協定」批准阻止闘争の先頭で決起した星野文昭同志は、二十六年間の獄中闘争を闘いぬいています。七〇年安保・沖縄闘争は、日本階級闘争史においても屈指の闘いとして展開されました。当時国家権力の発表でさえ、七〇年一年間で、デモの動員数は千八百七十三万八千人です。そして六七年十・八羽田闘争から七一年十一月決戦の期間、逮捕者は三万六千五百人に達しました。文字どおり社・共をのりこえる反スターリン主義革命的左翼が、騒乱罪や破防法適用という大弾圧をのりこえて、主導し切り開いた大衆運動の地平として画期的なものでした。
 この壮大な決戦への革命的報復として星野同志に対する極限的弾圧があります。星野同志の再審―異議審闘争に勝利し、星野同志絶対奪還をかちとらなくてはなりません。
 報復的なデッチあげ殺人罪有罪攻撃に対して無実・無罪を訴えて闘う富山保信同志の再審闘争勝利を全力でかちとらなくてはなりません。
 そして、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘う須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、福嶋昌男同志への不当な超長期勾留を粉砕しなくてはなりません。須賀、十亀、板垣同志はすでに十四年、福嶋同志は八年の未決勾留を強いられています。事実上の無期刑です。
 この凶暴な弾圧の背景には、八〇年代の革共同の闘いへの、日帝権力の恐怖と憎しみと敵愾心(てきがいしん)が渦巻いているのです。
 あらためて八〇年代=先制的内戦戦略の第二段階の闘いの階級的な意義と価値創造性と建党性について確認しなければなりません。八〇年代の闘いなくして、九〇年天皇決戦から五月テーゼへの道はけっして戦取することができなかった。この闘いなしには、今の革共同は存在しなかったのです。
 それでは、八〇年代の闘いとは何だったのか。それは七〇年代の二重対峙・対カクマル戦争が勝利的な発展を闘いとり、力関係の転換をかちとりつつあった時に、今度は日帝国家権力が三里塚闘争と国鉄労働運動解体・一掃の大攻撃に出てきた。これは革共同の党的基盤を形成し、日本階級闘争のかけがえのない拠点である組織と運動を根絶・一掃しようとする大攻撃でした。
 この時、革共同の階級的責務の貫徹と決定的決断が問われました。それはカクマルとの白熱的戦闘の渦中にいまだありながらも、七〇年闘争の教訓を踏まえて、日帝に対する戦争と闘争の体制をもって対権力闘争を現実的に展開すること、非合法・非公然体制をもって自己を保持・堅持すること、その中でなおかつ対カクマル戦の戦争陣形を堅持して闘う――という決断でした。革共同はこの決断のもとに、八〇年代を闘いぬきました。この八〇年代の闘いには、現代革命が勝利するためには絶対にくぐりぬけなければならない決定的な実践と経験があったのです。
 だからこそ日帝国家権力は、八六年「五・七宣言(革共同壊滅宣言)」をもって総力をあげた大弾圧にのり出してきました。八〇年代中期から後期の「五・七宣言」体制との未曽有の激突に悪戦苦闘する中で、革共同と支持者の一切合切がふるいにかけられました。その一大試練をのりこえて、現在の革共同の歩みは闘いとられ、大衆闘争の革命的発展の条件は守りぬかれてきたのです。この八〇年代の激烈な闘いの先頭に立ったのが、爆取デッチあげ攻撃と闘う四同志の存在と闘いなのです。
 この同志たちを奪還すること、そして、権力の不当な弾圧への人民の怒りを爆発させることは、革共同にとって党創立以来の最大最高の決戦になっていることを断固として確認したい。党と人民の総力をあげて爆取デッチあげ弾圧と闘う四同志を即時奪還しようではありませんか。

 第7章 転向・変質の既成政党に代わる真の労働者党を建設しよう

 最後に真の労働者党建設について、二つのことを確認したいと思います。
 第一に、二十一世紀の冒頭にあたり、社・共に代わる革命党を建設して、世界革命―日本革命への道を開くことができるのは、革共同以外にはないことを真っ向から確認したい。
 一九一七年のロシア革命で切り開かれた世界革命の大波は、スターリン主義の一国社会主義路線によって裏切られ、歪曲・変質させられ、二十世紀に帝国主義の体制的延命を許してきました。
 しかし、今やスターリン主義の歴史的破産は完全に明らかであり、帝国主義の命脈も尽き果てようとしています。労働者人民に戦争、大失業、貧困、抑圧と差別の犠牲を押しつけて延命しようとする帝国主義に対して、労働者人民の怒りと闘いが正面から激突する情勢が、全世界で広がっています。
 今こそ、革共同が黒田・松崎、分裂カクマルを完全打倒し、〈労働者階級自己解放〉の思想と闘いを生き生きと階級闘争の中によみがえらせ、日本革命―世界革命に勝利し、労働者階級が変革の主人公となった新しい社会の建設へ進撃していくべき時を迎えたのです。
 本集会に結集されたすべての同志、支持者の皆さんが、われとわが手で二十一世紀の早いうちにプロレタリア日本革命―世界革命の勝利を実現するのだという気概と情熱に燃えて、断固として闘いぬいていこうではありませんか。
 今ひとつはっきりさせたいことは、革共同は今年冒頭に、党勢を二倍化することを宣言しました。党勢を二倍化して必ずや六千万プロレタリアートを代表する党、全世界プロレタリアートを牽引する党に発展することを誓いました。この実現のみが、二十一世紀における労働者階級の崇高な世界史的使命の達成を根底で支え、保障するのです。断固成し遂げようではありませんか。
 そして今革共同は、日本革命―世界革命の勝利に至る闘いの道筋の中で、どのような地点に立っているのか。あえて言うならば、革共同は現代革命の基本問題の解決のために、必須不可欠の死活的闘いを最小の時間で革命的に突破して、現在の地平に立っているということができます。無駄な闘いなど何ひとつなかった。最短の距離を歩んで、革命の現実性をたぐり寄せているのです。
 この革共同の四十年間の歩みと闘いを、革命の巨大な勝利へと結実させるためには、都議選決戦に絶対に勝利しなくてはならないということです。今次都議選は勝つことがすべてなのです。
 本日結集されたすべての同志、支持者の皆さんが、最高の力を都議選決戦の勝利のために発揮されることを心から訴えまして、革共同の基調報告とさせていただきます。
(おわり)

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週刊『前進』(2000号4面1)

けしば誠一候補の街頭演説
石原都政と真っ向勝負 腐敗と反動の自民党政治打倒しよう!
 都政を革新する会先頭に 新しい政治の流れを

 六月都議選必勝へ、けしば誠一氏は連日の街頭宣伝で、森・自民党打倒、ファシスト・石原都知事打倒、介護保険廃止などを熱烈に訴えている。三月二十三日夕にJR中央線荻窪駅北口で行った演説の要旨を紹介します。(編集局)

 自民全員落とせ

 こんばんは。今日も一日お勤めご苦労さまでした。区議会議員を三期十年務めてまいりましたけしば誠一です。けしば誠一はこの六月、都議会に挑戦します。
 この都議会議員選挙は日本の二十一世紀の政治の方向、社会のあり方を決める重大な選挙です。とりわけ、KSD疑惑という自民党の金権腐敗政治の一端が明らかにされた今、日本の政治を変える絶好のチャンスがこの都議会議員選挙であります。その道は、都議会議員選挙で自民党を一人残らず落とすことです。
 自民党の森内閣を誕生させた村上正邦元労働大臣が三日前に起訴されました。KSDや村上正邦の選挙違反、あるいは有印私文書偽造や贈収賄、これらはことごとく自民党の組織ぐるみの犯行にほかなりません。けしば誠一はこのKSD疑惑と汚職にまみれた自民党を倒します。
 つい先日、政府は日本の経済を「デフレである」と発表しました。実は日本の経済は、一九二九年の大恐慌に等しいような事態がすでに始まっています。
 昨日も、中堅の生命保険である東京生命が九千八百億円の負債を残して倒産しました。さくら銀行は三月決算で四百億円の赤字決算だと公表されています。
 今、日本の経済はどうしようもない不良債権を抱え、それを処理するためには赤字国債の乱発しかありません。日銀は事実上、国債引き受けへ踏み切りました。赤字国債の乱発や日銀が国債を次々に買いあさる道は、あの戦争への道でした。もう日本の経済は、このまま自民党にゆだねていたら戦争以外にありません。自民党はゼネコンや銀行を救済するために税金を湯水のように使っています。その一方で、不良債権処理と言って、リストラ、首切りで、働くみなさんにしわ寄せしています。
 私たちがなすべきことはこうした自民党政治に幕を引くことであります。自民党を倒して働くみなさんと私たちの手で新しい政治をつくりましょう。

 介護保険廃止を

 介護保険制度実施一年で高齢者が介護を奪われ福祉を切り捨てられ、悲惨のどん底に落とされています。
 自民党は福祉目的税とか高齢化社会のための財源だと言って消費税を導入し、その税率を五%まで上げました。五%の消費税で十兆円の年間税収があります。介護保険制度に必要なお金は年間四兆三千億円、二年分の介護保険に必要なお金を毎年、私たちは払っているのです。それにもかかわらず、介護保険実施以降、保険料、利用料が払えないでどれだけの高齢者が泣いていることでしょうか。
 先日、大阪の高槻市で、介護をしていた高齢者が亡くなって介護されていたおつれあいが餓死したという痛ましい事件が起こりました。老老介護で無理心中も起こりました。杉並でも昨年自殺未遂が起こりました。その方からの悲痛な叫びを私は聞いています。高齢者をこうした悲しみに、苦しみにこれ以上落としこめてはなりません。
 介護は権利として胸を張って要求できるものです。福祉は私たちの権利です。これを取り戻すために都政を革新する会のけしば誠一はこの六月、都議会に挑戦いたします。
 既成政党には所属しないけしば誠一です。たった一人で何ができるのかと言われます。しかしみなさん、この私たちが働くみなさんと結び付いた時には大きな力を発揮できるのです。
 この杉並で昨年、介護保険制度が導入されることを契機にして、高齢者の中から介護と福祉は自分たちで取り戻そうと、八百人の会員が「介護と福祉を要求する杉並住民の会」を立ち上げました。そして結成一周年、この近くの杉並公会堂で四月一日、その高齢者の方たちが集会を開催します。会長さんは八十八歳、元教師の高齢者です。「老人よ大志を抱け。高齢者は一人ではないのだ。手をつないでみんな一緒に自分たちの暮らしを守ろう」と呼びかけています。この呼びかけにこたえて杉並区内の高齢者が命の叫びをこの杉並公会堂に集めます。
 その介護と福祉を要求する杉並住民の会の方たちが、「保険料が、利用料が高くて介護が受けられない」、こうした悲痛な叫びをもって一年間、厚生省や杉並区と利用料の減免措置を求めて毎月交渉を積み重ねてまいりました。そして杉並区は、昨日通過した予算案の中で、利用料の減免措置を決めました。低所得者に月三千円ですべての介護を受けられるという減免措置をかちとることができました。これは、その高齢者の要求と、議会で私たち都政を革新する会が、高齢者の実態をしっかりと受け止めて、高齢者のみなさんと杉並区に繰り返し要求してきた結果なのです。

 石原都政と勝負

 さて、私がこの都議会に挑戦するもう一つの大きな理由は、石原慎太郎都知事と真っ向勝負しなければならないということです。
 石原都知事は臨海部や羽田沖などに十兆円、新たな再開発の公共投資を行うと自民党の亀井さんと話し合って決めました。石原さんは自民党歴代の政治よりもっと悪い。この状況の中で十兆円の公共投資を要求するなど言語道断です。
 もうひとつ、経済の活性化のために日本独自のミサイル防衛開発をしようと石原さんは提案しています。みなさん、ミサイル防衛開発は最先端軍事産業です。こんなことで経済の活性化を図ろうなどという石原都知事を私は絶対に許すことはできません。
 その石原都知事が今、二十三区に、歴史的わい曲と戦争賛美の教科書を来年四月から中学歴史教科書として使えと押しつけてきています。二月八日、東京都教育委員会は、各区市町村の教育委員会に対してそういう内容の通達を出しました。山田杉並区長はこの教科書を真っ先にこの杉並で使おうと考えています。
 昨年十一月、突然山田区長は教育委員三名の首をすげ替えようとしました。国家主義的思想の持ち主を教育委員に据えて、今年八月に新しい歴史教科書を採択させて、杉並区の中学で戦争賛美の教科書を使おうと画策しています。
 この教科書には、アジア太平洋戦争、中国や朝鮮半島を侵略したあの戦争が、「ヨーロッパの植民地からアジアを解放した正義の戦争」と書かれています。みなさん、教科書で日本が犯したあの侵略戦争を良い戦争だったと教えるようなことを許していいのでしょうか。
 杉並は原水禁運動発祥の地です。杉並区役所の前には、平和宣言が書かれています。「すべての核兵器に反対する」と。しかし、この教科書には、「戦争を終結するために原爆投下はやむをえざることであった」と書かれています。みなさん、戦争を抑止するために必要な核兵器などありません。戦争と核兵器を賛美するこの教科書を私は絶対に杉並の子どもたちに使わせてはならないと考えます。
 都政を革新する会は、戦争賛美の教科書に全力を挙げて反対し、こうした教科書を採択しようとする石原都政、山田区政と真っ向勝負してまいります。
 みなさん、都議選で自民党政治に幕を引きましょう。都政を革新する会とけしば誠一はその先頭に立って、みなさんと一緒に闘います。

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週刊『前進』(2000号4面2)

革命的情勢の急速な接近に都議選の勝利でこたえよう
 全党全人民の決起を訴える

 恐慌・戦争と対決し階級闘争の飛躍かけ

 都議選決戦は、革共同が革命的労働者党としてさらに大きく飛躍する上で、避けて通ることのできない決定的な闘いである。
 この間の内外情勢は革命的情勢への急接近と言うべき動きを示している。なんと言っても、米帝のバブル経済が全面的に崩壊する過程が始まったことは決定的である。米帝経済の危機の爆発は争闘戦的展開の激化をもたらし、日米争闘戦はますます激化する。またそれは、米帝の軍事力強化、侵略戦争策動の激化と重なり合って進む。
 この中で、日帝の体制的危機はますます深化し、底なしの様相を呈しつつある。日帝経済危機も、再び九七〜九八年的危機へとラセン的に回帰し、さらに深刻化しつつある。
 日帝・森政権は三月十九日の日米首脳会談で「不良債権問題を半年間で解決する」などと米帝に公約したが、実際にこれを強行すれば、債務企業の連鎖的倒産や大規模な失業が発生し、きわめて深刻な情勢に突入する。この結果がどんな危機的事態を引き起こすか、計り知れない。
 米帝バブルの決定的崩壊という巨大な動力のもとで、日米同時の経済危機への突入は、相互作用しつつ、二九年型世界大恐慌への全面的突入という危機を生みだしている。
 われわれは、これを帝国主義の体制的危機の極限的事態への突入、大失業、戦争と反動の時代への突入として、決定的に身構えていかなければならない。
 日帝の政治的危機はこうした情勢の中で、今や完全に泥沼化している。自民党支配は至るところで大破綻(はたん)し、腐敗がさらけ出され、自民党の政治的統治能力そのものが問われる事態になっている。
 自民党指導部は森を降ろし、新しい人物とすげ替えることでなんとか六月都議選、七月参院選をのりきろうと考えているが、次の政権構想すら描けないという末期的状況である。
 このような自民党政治支配の危機の中で、日帝は改憲攻撃に死活的に踏み込み、そのための当面の決定的な環として教育改革、有事立法攻撃を強めている。
 この場合、石原都知事をリーダーとするファシスト的・極右的な反革命運動=戦後政治体制の反動的転覆運動が決定的意味を持ってきている。彼らは明白に自民党支配の動揺への危機感にかられて、右からゲバルト的な強烈さをもって「現状を打破する」と称し、自己を「革命家」などと位置づけて、反革命的使命感に燃えて動き始めている。
 帝国主義の支配の危機、体制的動揺の時代こそは帝国主義的民族主義、愛国主義、排外主義のばっこする時代である。彼らはいかにも閉そくする時代を切り裂くかのような幻想をまき散らし、人民大衆をあざむいて、その実、日帝・支配階級の行きづまりを極反動的に戦争と暗黒支配体制へと持っていく先兵の役割を果たすのである。だからこそ、こうした石原や「新しい歴史教科書をつくる会」などの動きを断じて過小評価してはならない。

 勝利の力は帝国主義に対する怒りの爆発

 革命的情勢への急接近という情勢の中で、革共同は数十年間に及んだカクマルを先兵とする日帝の大反動をついに食い破り、国鉄決戦の爆発をかちとり、労働戦線、学生戦線などすべての戦線で、いま力強い前進をかちとりつつある。大きな成果も生まれつつある。
 しかし、ここではっきりさせなければならないことは、革共同が今日の革命的情勢への急接近という内外情勢に真に対応し、既成指導部(政党と組合の)をのりこえ、巻き起こりつつある人民大衆の怒りを結集し、革命的大衆行動の爆発へと発展させるためには、今ひとつ明確な戦略的飛躍を実現しなければならないということである。
 階級情勢と革共同の有機的関係の中で、革共同の党的前進をはっきりとした形で示し、労働者人民の新たな認識をかちとることが必要なのだ。その決定的な環が、当面する都議選決戦の勝利である。この選挙戦に勝利することは必ずや全人民に対して、新しい真に革新的な政治勢力の台頭を告げ知らせるものとなる。
 選挙闘争の勝利と革命的大衆行動の爆発とは、相互に促進し合う関係にある。この場合、都議選決戦自体が巨大な政治的大衆運動でもあることをはっきりと確認し、選挙戦を一つの政治決戦として闘い抜こう。
 また労働者党建設の闘いはさまざまな闘いの集積だが、選挙戦=都議選決戦の勝利のための闘いもまた党建設を飛躍的に発展させるものであることを、しっかりと確認しよう。党建設への全情熱を傾けて、その結節環となっている都議選決戦に、全同志はすべてをあげて総決起しよう。
 では、どうしたら都議選決戦に勝利できるか。何よりも、今日の危機にあえぐ帝国主義とそのもとでの超反革命的諸攻撃に対して、革共同そして全党員同志の一人ひとりが、《帝国主義そのものに対する怒りを全面的に徹底的に爆発させる》ことである。これこそが勝利をもたらすものだ。
 革共同の一人ひとりが、全人生をかけ命をかけて貫いてきた帝国主義への怒りとその打倒へのパトスを、具体的に宣伝・扇動、組織化の言葉の中に、魂として貫くことが決定的なのだ。
 すべての同志が、初めて人生をかけて革命運動に立ち上がった時の原点に戻って、今こそ総決起することだ。今こそ〈中核派魂〉を発揮して決起することが、ただ一つの勝利の道である。

 自民党政治の根底的打破を心から訴えて

自民党をひとり残らず全員落とせ!
 介護保険の強行、高齢者医療費の値上げで、高齢者は明日に希望を持てない状況に追い込まれている。労働者は首切り、賃下げ攻撃にさらされ、職場で日々競争に駆り立てられ、家族関係や健康を破壊されている。借金生活に追い込まれる家庭が急増し、労働者の自殺が頻発している。こうした労働者人民の苦境をしりめに、自民党の政治家と高級官僚どもは、人民の血税を食い物にし、そして銀行やゼネコンなど大資本家のために税金を何兆円も何十兆円も注ぎ込み、わいろを懐にしているのだ。
 その上さらに、国と地方合わせて六百六十六兆円もの借金など国家財政を破綻させ、そのツケを労働者人民に押しつけ、福祉を削り取っている。挙げ句の果てには「教育改革」と称して、平和と平等をめざす教育を破壊し、戦争を賛美し、天皇と国家のためにアジア侵略の銃をとる教育を子どもたちに押しつけようとしている。
 こんなめちゃくちゃな社会にした自民党政治家どもの一切を追放しなくてはならない。これ以上、自民党の腐りきった政治を許していたら、人民の生活は本当に根底から破壊され、戦争に動員されてしまう。
 三・二五千葉県知事選では民衆自身が立ち上がり、「金権千葉」「保守王国」と呼ばれた千葉県の長年の自民党支配をひっくり返した。今度は東京の番だ。六月都議選|七月参院選では自民党議員をひとり残らず落とし全滅させよう。
自民党よりも危険な石原都政を打ち倒そう!
 戦争挑発と福祉切り捨て、差別と排外主義の政治を先頭で進めているのが石原都知事である。
 かつて美濃部都知事は一九七五年に、石原の都知事選立候補を聞いて危機感をもち、三選出馬を決意し、「ファシズムから民主主義を守りぬかなければならない」と都民に訴えて石原の当選を阻止した。その石原が今、都知事となって都政をじゅうりんしているのだ。石原は差別主義者、民族排外主義者であり、戦前の日帝のアジア侵略戦争、対米戦争を「大東亜戦争」「アジアを植民地から解放した戦争」などと賛美し、新たな戦争をたくらむファシスト、自民党よりももっと危険な政治家である。
 石原は、民主主義を破壊し、福祉を切り捨て、都職員の賃下げを強行し、中国と北朝鮮に対する排外主義宣伝を行い、「戦争になったら、羽田空港などあらゆる都の施設を提供する」と戦争を準備している。昨年九月には七千人以上の自衛隊を出動させて、都庁や都心のど真ん中に装甲車を走らせ、戦争訓練を行った。
 その石原が今、自民党政府の教育改革攻撃の先兵となり、国立市で「日の丸・君が代」に反対した教育労働者を教室から追放し、戦争賛美の「つくる会」教科書を都内の中学校に採用させようとしている。また、臨海副都心開発や大型道路建設など、自民党と組んで十兆円の大型公共事業を行い、環境を破壊し、都民を犠牲にしようとしている。
 この石原都知事を、民衆の闘いで都知事の座から絶対に引きずりおろさなければ、都民の暮らしと命、民主主義は根こそぎ踏みにじられてしまう。在日アジア人民が安心して住めない町になってしまう。都議選で、石原都知事への怒りを爆発させ、けしば候補を都議会に送ろう。
政治を変えるのは民衆の力だ。都革新は民衆とともに行動する政党だ
 ファシストとの対決から逃げ回る日本共産党は、革新などではない。「都議会第二党」などと言っているが、その共産党が「是々非々主義」などと称して石原に全面屈服している。
 残念ながら、いま都議会に労働者人民の怒りを体現して石原と真っ向から対決して闘う議員がひとりもいない。都議会の総屈服がファシスト石原を一層増長させているのだ。
 今こそファシスト石原打倒の大衆運動を爆発させてその力でけしば候補を都議会に送り込み、石原と対決しよう。民衆の力と結びついた革命的議員が都議会に登場すれば、都議会に嵐(あらし)を起こし、石原を徹底的に追いつめる闘いができる。
 都政でも国政でも、今の腐りきった政治を変える力は、既成政党、既成野党にはない。労働者人民の決起こそが、腐りきった自民党政治を根本から覆し、民衆が真に平和に、幸福に生きられる社会をつくる力だ。すでに白熱的決戦に突入している都議選決戦を全力投球で闘い抜き、けしば候補の勝利をかちとろう。

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週刊『前進』(2000号4面3)

3・17沖縄県民集会 自衛隊員の暴行を弾劾 県内移設阻止の決意新た

 三月十七日、宜野湾市の普天間中学校で、「海兵隊の撤退と基地の県内移設に反対する県民集会」(主催・基地の県内移設に反対する県民会議)が開催された。沖縄労組交流センターは全国の闘う仲間とともに「県内移設反対」「改憲粉砕」ののぼりを掲げ合流した。
 組合旗や市民団体の横断幕が林立する中、千人が集まった。年明け以来続発する米軍による事件・事故や自衛隊幹部によって引き起こされた女子中学生暴行犯罪に対する怒りの糾弾の声が次々とあがった。
 地元の宜野湾市民の会の中村信嗣代表は開口一番、自衛隊による暴行事件を「絶対許せない」と弾劾した。「いつもは普天間所属の米軍ヘリが所狭しと旋回し、練習を行うのだが、きょうは全然静かだ。私たちの闘いにおそれをなしているに違いない」と県内移設阻止を力強く訴えた。
 ヘリ基地反対協の荷川取高共同代表は「名護の闘いも正念場、市民投票の“ヘリ基地ノー゜を今こそ高く掲げて、移設を断固阻止する」と宣言した。集会には命を守る会のオジー、オバーも大挙駆けつけ、意気高く集会を牽引(けんいん)した。
 浦添市民の会の当山全弘代表は「那覇でいらないものは浦添にもいらない」と軍港移設反対の決意を語った。
 集会では米軍の事件・事故を弾劾する決議に「自衛官による女子中学生暴行犯罪糾弾」が加えられ、米軍基地とともに日本軍=自衛隊も絶対許さないという沖縄人民の固い決意が日帝と稲嶺県政にたたきつけられた。集会終了後、北中城村の在沖米海兵隊基地司令部前までデモ行進を行い沖縄の怒りを米軍にぶつけた。
 今、沖縄では米軍の事件・事故が続発し、それに呼応するかのように自衛隊員の女子中学生暴行犯罪が凶行されたことに対して怒りが渦巻いている。「軍隊は人民を守らない」という沖縄戦の教訓が誰にもわかる形で今、一挙に噴出している。
 在沖米軍や稲嶺の言う「綱紀粛正」や「兵士の教育の徹底」など沖縄人民はもはや誰も信じていない。軍隊と基地がある限り沖縄人民の尊厳が踏みにじられ、生活と生命が脅かされ続けるのだ。
 沖縄人民の中で今、「沖縄よ活火山になれ!」(新聞投書)が合言葉になりつつある。沖縄の闘いは質・量ともに新たな高揚を迎えつつある。安保粉砕・改憲阻止の大闘争を沖縄の闘いと固く連帯して大爆発させよう。
 この日、集会破壊をもくろんだファシスト・カクマルは 「えひめ丸事件」を引き合いに出し「イエロー・ジャップなどと見下しているヤンキーども…」「ジヤップが米国にたて突くのは許さんというゴーマンさむきだし…」などと排外主義と反米愛国主義を満展開させたビラを投げ捨てていった。分裂の危機にのたうつカクマルを沖縄から打倒・一掃しよう。

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週刊『前進』(2000号5面1)

石原に「是々非々で臨む」と支持を表明した日本共産党
 ファシストへの屈服を許すな

 日本共産党は都議選を前にして石原都政に「是々非々で臨む」ことを明らかにした。日共はファシスト石原知事との対決から逃げ回った揚げ句、石原翼賛勢力に成り下がった。強大な都知事権力を握る石原は、自民党支配の危機に乗じて国政をも牛耳り、戦争国家化・改憲を強引に進め、朝鮮・中国侵略戦争を実際にやろうとしている。自民党とこの石原を打倒することは都議選の最重要課題である。石原に屈服する日共を許さず、「石原都政と真っ向勝負」のけしば誠一氏を労働者民衆の代表として都議会に送り出そう。

 「ハイエナ」と罵倒されても対決回避

 日本共産党の不破議長は二月二十二日、都議選候補者会議の場で、石原都政に対して「是々非々で臨む」ことを明らかにした。
 この意味するところは、石原都政は労働者人民にとって良いところもあるということだ。とんでもない!
石原は「憲法破棄」を叫び、東京から日本を戦争国家につくり変えようとしているファシストである。労働者民衆と非和解的に対立する敵である。その石原を「良いところもある」というのは、日共が事実上、石原都政を支持、翼賛する立場を表明したということにほかならない。
 この「是々非々論」の真意は、「是」すなわち石原支持というところにある。「非」は、石原の攻撃に怒り批判する日共支持者の票をつなぎとめるための方便にすぎない。
 このように石原翼賛勢力に成り下がった日共の議席がいくら増えても、なんら石原と闘う力にはならない。石原がこの翼賛都議会をてこに自民党・政府のファシスト先兵としてますます戦争国家化、改憲へと突き進むことにさおさすことになるだけである。
 もともと日共は、「石原人気」に屈服して石原批判をほとんどしてこなかった。これは、石原が都知事に当選した時から日共の一貫した態度だ。日共は石原を「よりましな候補」と評価し、「多数の都民によって(石原が)選出された」という事実の前にひざを屈してきたのだ。
 また日共は、首都移転反対、銀行新税、ディーゼル車規制、横田返還などで石原と一致するとして「共闘」してきた。その一方で、シルバーパス有料化、高齢者・「障害者」福祉削減などに反対する時は、それらを石原都政の施策との対決としてはけっして押し出そうとしてこなかった。
 そして今、都議選を前に日共は石原への屈服をますます深めている。
 石原は、三月十六日の都議会予算特別委員会での公明党との問答の中で「(日本共産党は)ハイエナに似ている」と最大級の言葉で日共を中傷した。ところが日共は、なすすべもなく屈服してしまう。三月十七日付『赤旗』で「石原知事が中傷発言をしました」と書いただけなのだ。委員会審議ストップも『赤旗』紙上での反論も一切ない。ここにも石原との対決を回避する日共の姿勢が示されている。「都議会第二党」を自慢する日共は、現実には石原都政とまったく闘おうとしない、労働者人民にとって何の役にも立たない有害無益の存在なのだ。
 実際、石原のファシスト的言動は、この間、度外れたものとなっているが、日共はまったくこれと闘おうとしてこなかった。石原が「憲法を破棄せよ」と発言して、自治体首長の憲法順守義務を公然と侵した時も、また「三国人が騒擾(そうじょう)を起こす」と言って差別・排外主義と侵略戦争を扇動した時も、日共は石原を追及せず、辞職要求もしなかった。「障害者」や女性への差別主義的暴言を繰り返す石原を容認してきた。
 このような暴言を吐いて居直り続ける首都の首長を容認・支持することは、これ自身が内外の労働者人民に対する重大な裏切りだ。
 ファシズムに屈服する日共には、自民党を打倒し日帝の戦争国家化・改憲を阻止することも、労働者人民の生活と権利を守ることもできない。日共の石原への屈服、翼賛勢力化、体制擁護派への転落を弾劾し、ファシスト石原都政と真っ向勝負するけしば誠一氏を労働者民衆の代表として都議会に送り出そう。

 石原都政に「是」とすべき政策はない

 石原慎太郎は正真正銘の極右であり、ファシスト反革命政治家だ。ところが日共は石原のファシスト的正体を意識的に隠蔽(いんぺい)し、けっして暴露しない。あたかも石原には支持できるところがいろいろあるかのように押し出す。
 不破は、石原都政には「都民の利益にかなう良い政治」と「都民いじめの悪い政治」とがあると言う。だが、果たして石原都政に労働者人民の利益になる良い施策があるだろうか。
 第一に日共は、石原都政の「良い政治」として、@首都移転反対A銀行新税(外形標準課税)Bディーゼル車規制C横田空域・基地返還要求の四点を挙げ賛成している。しかも、これらは日共の長年の主張だったと強調し、日共と石原との一致を押し出している。
 ではこの石原都政の「良い政治」の本質は何か。
 @首都移転反対。石原が首都移転に反対する理由は一つに、天皇の住んでいるところ、皇居をその中心にもつ首都東京を他の地域に移動させることはけしからん、ということにほかならない。石原は、天皇のいるところが首都であるべきだと考える天皇主義者なのだ。二つに、東京を日本の強大な政治・経済の中心地として再構築し、その成果をもって国政をも牛耳ろうとしている石原の思惑、戦略にとっても、首都移転は認めがたいということだ。
 不破は昨年、首都移転反対の集会で石原と同じ演壇に立ち、石原と「共闘」した。首都移転は「無駄遣い」というのが日共の首都移転反対の主な理由だが、そもそも東京を中心とする日帝の政治支配や「繁栄」を望む点で日共と石原とは一致しているのだ。
 A銀行新税。石原都政の銀行新税は、法人事業税への外形標準課税方式の導入と課税対象の中小零細企業への拡大の突破口だ。
 外形標準課税が赤字法人、中小法人へと対象を拡大すれば、増税で資金ショート、滞納、倒産を引き起こし、大量失業を生み出す可能性が高い。恐慌下ではなおさらだ。
 こうした銀行新税―外形標準課税に賛成する日共は、中小零細業者の味方ではまったくない。
 Bディーゼル車規制。二〇〇三年からディーゼル車規制が実施されるとディーゼルバス・トラックの都内通行は禁止される(ディーゼル微粒子除去フィルターを装着した車は除外)。違反者は罰金を科せられる。
 この規制でディーゼル車の出す粒子状物質が少なくなっても、代替のガソリン車、液化石油ガス車など(石原都政のいう「低公害車」)が増え、排ガスも増える。石原都政が予算計上している三環状線(首都圏中央連絡道路、東京外郭環状道路、首都高速中央環状線)ができれば、自動車交通量の増大と大気汚染の激化は飛躍的なものとなり、ディーゼル車規制の効果など吹っ飛んでしまう。
 石原はディーゼル車規制で環境保護のポーズを取るが、その裏で環境破壊を進め、住民を苦しめている。
 昨年、大気汚染公害患者(十八歳未満が対象)への医療費助成を削減した。入院中の患者の食事代を自己負担にしたのだ。
 下水処理場の職員をリストラで半減して、水質保全を危機に追いやっている。
 海水汚染、漁場破壊に反対する釣り船業者や住民を押し切って旧有明貯木場の埋め立て工事を強行した。
 土壌・水質汚染が起きることが明らかな日の出町のごみ最終処分場に反対する住民のトラスト地を強制収用する暴挙を行った。
 日共は、ディーゼル車規制がもともと自らの提案であったとして賛成するが、大幹線道路建設によって不可避となる新たな大気汚染を問題にしようとしない。
 とりわけ日共は、生活と生命を守るために環境破壊に反対して立ち上がる人民に敵対している。日の出トラスト地強制収用、旧有明貯木場埋め立てにはなんら反対しなかった。住民運動つぶしを狙って土地収用法改悪を推進している石原に対して何も言わない。
 日共は、大資本の延命と利益を図り、環境汚染を拡大し、労働者人民の生活と権利を奪おうとする石原都政の擁護者なのだ。
 C横田空域・基地返還の要求。日米新安保ガイドラインへの全面協力を公言している石原の狙いは、横田の軍民共用空港化である。横田をガイドラインに基づいて朝鮮・中国―アジア侵略戦争の自衛隊出撃基地として活用する魂胆なのだ。石原は、平和的な目的のために横田返還を要求しているわけではない。
 反米排外主義者の石原は、首都に自衛隊や民間機が使えない巨大な米軍専用基地があることが気に入らないのだ。石原の横田返還要求は、対米対抗性をもつ日帝の独自の軍事力強化、戦争国家化、首都の軍事化のためのものだ。
 日共は、その反米愛国主義、国家主権至上主義、自衛権容認の立場から、石原の横田返還の主張に共鳴しているのだ。石原の恐るべき野望を意識的に隠蔽し、あたかも横田返還が平和をもたらす良い政策であるかのように映し出し、石原を擁護しているのだ。

 戦争国家化攻撃と改憲を不問に付す

 第二に日共は、「都民いじめの悪い政治」として、D水道料金値上げE中小企業融資削減F私立学校援助見直しGシルバーパス有料化H高齢者福祉手当・高齢者医療費助成廃止を挙げる。DEFは今のところ阻止されているが、GHは押し通された。
 確かにこれらは石原都政の悪政部分だが、悪政のほんの一部にすぎない。もっと根底から石原を徹底的に批判し、石原を打倒することが必要なのだ。
 日共には、戦争国家化策動、戦争挑発、憲法破棄論、超反動的教育改革、大資本育成・救済の大型公共事業、環境破壊、福祉・社会保障切り捨てなど、石原の反動的基本政策への根本的な批判は皆無だ。日共は、石原が「東京から日本を変える」と称して強引に進める戦争国家化・改憲の攻撃とは闘わず、「大型公共事業は無駄遣い」としか言わない。結局は石原を免罪しているのである。
 だが、石原が昨年来強めてきている攻撃はすさまじい。自衛隊三軍の首都治安出動訓練(今年も実施する)、ミサイル防衛開発・経済軍事化発言(三月十二日付ロサンゼルス・タイムズ紙)、教育改革=「心の東京革命」なるファシスト運動、十兆円の首都圏再生緊急プロジェクト提言(三月九日記者会見)、土地収用法改悪案推進、日の出町廃棄物処分場反対トラスト運動への強制代執行、「新大東亜会議」策動、靖国神社参拝(今年も参拝すると宣言)、朝鮮・中国侵略戦争挑発、反中国発言「中国分割せよ」、「新しい歴史教科書をつくる会」教科書の採択運動などなど。ナチス=ヒトラーの手法に学んで右から体制を転覆しようとしているのだ。石原は自民党よりも反動なのだ。
 ところが日共は、これらの超ど級の攻撃をまったく不問に付している。「三国人」発言についても、それが現に在日朝鮮・中国―アジア人民への襲撃を扇動するものであるにもかかわらず、「時代錯誤」などと的外れな指摘をするだけで容認したのである。
 石原は「タカ派」のひとことで批判できるような存在ではない。オーストリア自由党のハイダー以上のファシストである。こんな人物が首都を牛耳っていることは、アジア人民にとっても許しがたいことなのだ。
 この石原と平和的に仲良くやっていけると考える日共は、もはや「野党」でも「革新」でもない。「是々非々論」で石原都政を支持する日共を打ち破り石原を打倒しなければならない。

 反米民族排外主義思想を石原と共有

 そもそも日共は石原に綱領的に屈服している。だから石原と対決できないのだ。日共は、安保容認、天皇制容認、改憲賛成、反米愛国主義、排外主義、国益主義、祖国防衛主義で石原と一致している。
 日共は、すでに「資本主義の枠内での民主的改革」の路線で日本帝国主義擁護の立場に立っている。「安保廃棄」の凍結で安保を容認した。これは安保のエスカレーションとしての新ガイドライン―周辺事態法を容認したことに等しい。日本の国家主権、自衛権を積極的に主張し、「有事の自衛隊活用」論を唱えている。憲法調査会の審議に積極参加することで改憲容認の立場に立っている。「日の丸・君が代」法制化を促進した上、不破が皇太后の死に哀悼の意を表し、天皇制に屈服した。そして二二回党大会の規約改定で「日本国民の党」と規定し、愛国主義=排外主義を全面化させた。これでは石原の靖国神社参拝を批判できるわけがない。
 日共は、日帝の国益追求の立場、日本資本主義の危機救済の立場に立ち、日本資本主義の「立て直し」と国際競争力向上をブルジョアジーとともに追求する。財政再建論、景気回復論を唱え、「公共事業費を削って社会保障費を回せ」「賃下げをやめて消費を増やせ」と、闘って実現する気もない改良的要求を掲げている。しかし今や、日帝救済ではなく日帝打倒が現実の課題になっているのだ。プロレタリアート人民は、闘って自らの生活と生命を守る以外にないのだ。
 日本共産党は、日帝の最後の擁護者、最後の番兵としてプロレタリアートの日帝打倒への革命的決起を阻止する役割を果たそうとしている。実は日共は、ファシスト石原に対して労働者民衆が怒りを爆発させて大衆的に決起することを死ぬほど恐れているのだ。
 大衆的決起でけしば誠一候補の当選をかちとり、都議会に新風を巻き起こし、ファシスト石原を打倒しよう。

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週刊『前進』(2000号5面2)

2001年日誌 阻もう! 戦争への動き 3月21日〜27日
 海兵隊員がモデルガン発砲 自民党国防部会「集団的自衛権」を提言

●宜野湾市長が県内移設容認で再出馬を表明 沖縄県宜野湾市の比嘉盛光市長が、七月に予定されている同市長選について「市民党的な立場で立候補したい」「稲嶺県知事が決定した普天間飛行場の移設先については受け入れ先自治体の決定事項を尊重しこれを容認する」と述べ、四年前の市長選で掲げた「県内移設反対」を覆して立候補する意志を示した。(21日)
●「集落から1・1`以上に」と岸本市長 岸本建男名護市長が市議会で、米軍普天間飛行場代替施設の建設位置に関し、辺野古集落から一・一`の距離について「騒音は大きいと感じた。それ以上(の距離)が望ましい」と答えた。岸本市長が市議会で具体的な距離に言及したのは初めて。(21日)
●名護市で米軍機飛行騒音
 名護市内で米軍戦闘機が夕方から午後十時ごろにかけて民間地域の上空を飛行する状態が約一カ月にわたり続き、住民から苦情が出ていることが、市議会で指摘され明らかに。(21日)
●米海兵隊員がモデルガン発砲 具志川市の米軍キャンプ・コートニー内で三月十九日、ピザ配達中の日本人従業員二人に向け、モデルガンからプラスチック弾が発砲されていたことが分かった。従業員にけがはなかった。兵舎から海兵隊員が撃ち込んだもので、全駐労などから強い抗議の声が起きている。(22日)
●「県説明会実現したい」と岸本市長 岸本名護市長が市議会で、普天間飛行場代替施設の軍民共用空港について、「民がどれだけ現実性をもっているか検証していかなければならない」と述べ、県、国などへ周辺整備の確約を訴え、県による地元三地区への説明会を早急に実現させたいとの考えを示した。(22日)
●衆院で憲法調査会 衆院憲法調査会が開かれ、坂本多加雄・学習院大教授と姜尚中・東大教授を参考人に意見交換。(22日)
●自民党国防部会が「集団的自衛権の行使」を提言
自民党国防部会が「わが国の安全保障の確立と日米同盟」と題する提言をまとめた。集団的自衛権の行使が可能となるように政府に解釈変更を求めるとともに、新たに「国家安全保障基本法」を制定し「集団的自衛権の行使」「国連の集団安全保障への参加」の範囲を規定する方向で検討するとしている。周辺事態法や船舶検査法案も「協力強化に向けての一歩にすぎない」として、戦域ミサイル防衛(TMD)の共同技術研究の推進、有事法制研究を踏まえた緊急事態法制の立法化なども提言。(23日)
●防衛庁長官が改憲を示唆
 斉藤斗志二防衛庁長官が、「わが国は憲法上、集団的自衛権を行使できないとの考えに立っており、憲法改正議論のテーマになる」と述べ、集団的自衛権行使のために改憲が必要との認識を示した。(23日)
●レンジ5、移設後も使用へ 米軍キャンプ・ハンセン内の実弾射撃訓練用発射台レンジ4、5を民間地域から離れた地域に移すよう金武町などから要望が出されていた問題で、在沖米海兵隊は「施設内への移設場所を探しているが、レンジ5については移設先が見つかっても小火器類の訓練は続ける」との考えを示した。迫撃砲訓練による隣接民間地域への騒音や、度重なる火災、赤土流出などが問題となり、金武町などが訓練の中止や着弾地の移設を求めていた。(23日)
●「夜間飛行訓練は運用上必要」と普天間司令官 米軍普天間飛行場のジョン・メタリー司令官が午後十時以降の飛行訓練を明言した問題で、同司令官が「運用上必要なもの」「協定の内容は熟知している。努力したい」と述べた。(23日)
●米戦略、太平洋重視へ
ラムズフェルド米国防長官が、今後は米国の軍事作戦の主要舞台が欧州から太平洋に移るとの見解に基づき、国防戦略全体を見直す方針を固めたと、米ワシントン・ポスト紙が報じた。「二正面戦略」を事実上放棄する可能性もあるという。(23日)
●MOX燃料が陸揚げ 新潟県の東京電力柏崎刈羽原発で、東電が実施を目指しているプルサーマル計画で使うプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を積んだ英国の輸送船パシフィック・ピンテールが、同原発の専用港に到着、MOX燃料が陸揚げされた。(24日)
●百万署名実現へ集会 在沖米海兵隊削減を求め、百万人署名運動に取り組んでいる県民運動実行委員会が、沖縄県庁広場で集会を開き、街頭に出て署名を訴えた。実行委は「四月上旬までに、目標の県内五十万の半分は達成したい」としている。(26日)
●「個人情報保護法案」国会提出へ 政府は閣議で「個人情報の保護に関する法律案」の国会提出を決めた。適正な方法による取得などを求めた「基本原則」は個人情報を扱うすべての人や機関に適用される。報道や政治活動も制限を受けることになる。(27日)

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週刊『前進』(2000号5面3)

3・21狭山高裁行動 年度末棄却阻止へ
 急逝の亀井副委員長悼む

 ゛高橋省吾裁判長の異議審棄却攻撃を断じて許さない!″と、狭山差別裁判糾弾―東京高裁要請行動が三月二十一日に闘い抜かれた。三月初旬に第一〇回大会の画期的成功をかちとった部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘会議の約三十人が参加した。
 朝の出勤時に裁判所前でビラまき宣伝をした後、午前十時から集会を開いた。冒頭あいさつに立った中田潔書記長は、「一〇回大会は来年春『同対法』打ち切りという情勢のもとで、これからの部落解放運動をどうつくり出すのかをめぐって討論し、差別糾弾闘争を軸に部落民の団結をつくり出す画期的方針を確認し、エネルギーあふれる大会となった。石川一雄さんの部落差別への怒り、権力への怒りを封じ込める本部派のやり方では狭山闘争は勝利できない。国家権力の部落差別犯罪への怒りを爆発させ、狭山闘争の新たなうねりをつくり出そう」と訴えた。
 亀井広敏・全国連副委員長(山口・陶支部)がこの日未明、交通事故で急逝されたという悲しい知らせが入った。全国連の創成の時から闘いの先頭に立ち、全国の部落大衆を鼓舞し続けてきた亀井副委員長。先日の一〇回大会の時も団結がんばろうの音頭をとった姿が思い出される。亀井さんの突然の死を悼み、全員で黙祷(もくとう)した。
 基調報告を行った楠木吉秀事務局長は、「亀井さんが最も心を寄せていた狭山闘争の勝利を誓おう」と呼びかけ、要請行動を全力で闘うことを訴えた。
 決意表明では、卒業式で「日の丸・君が代」強制反対を闘った広島や、「人生の楽しい時期をつぶす部落差別を許さない」との九州の青年など、全国連の各地の闘いが伝えられ、団結が打ち固められた。
 昼休みの霞が関デモの後、午後一時過ぎから要請行動が約二時間行われた。狭山差別裁判取り消し要求の追加署名二千六百七十八筆を提出するとともに、十団体の要請文を提出した。そして、前回の要請行動で裁判所が「回答を求めることはご遠慮願いたい」などと反動的に対応したことを糾弾した。さらに、狭山弁護団が提出した脅迫状に関する齋藤第一次、第二次鑑定、小畠鑑定に基づき、石川さんのデッチあげられた「自白」と事実の決定的な食い違いを追及し、高木の第二次再審棄却決定のでたらめを暴き、事実調べ―再審を行うことを強く要求した。

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週刊『前進』(2000号5面4)

迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判
“長期勾留が健康破壊” 須賀同志医療鑑定で明らかに
 直ちに保釈決定を

 三月二十一日、須賀武敏同志に対する医療鑑定のための精密検査が終了した。これによって東京地裁が迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う四同志の釈放を直ちに決定すべきであることが一層明らかになった。
 須賀同志の医療鑑定は、三月一日、五日、十五日、二十一日の四回にわたり東京医科歯科大学病院で実施された。血液検査、尿検査に始まり、心臓疾患の有無を調べる検査や胃、小腸、大腸の検査など、須賀同志と弁護団が要求していた精密検査のすべてが完全実施された。これらの精密検査は、「警備」を口実とした警察権力の露骨な監視や、検察や東京拘置所当局の病院に対する不当な圧力をもはねのけてかちとられた。
 その結果、判明した事実はきわめて重大である。三月二十一日に鑑定医が須賀同志に行った説明によれば、須賀同志を苦しめてきた長期にわたる微熱やめまい、吐き気、胸の痛み、脱力感などの全身症状は、重度の自律神経失調によって引き起こされたものだ。十四年もの長期の拘禁がもたらす過剰なストレスの蓄積が、ホルモンバランスの崩れを始め、全身の機能障害を引き起こしている最大の原因であり、それ以外には考えられないと鑑定に当たった医師も明言している。
 実際に、鑑定の過程でも血圧の激しい乱高下などの症状が起き、医師を驚かせた。また、大腸内にポリープがあり、その周囲の肉が盛り上がっていることも発見された。ポリープは良性だが、悪性に転化する可能性もあり、今後の経過観察が必要とされている。このポリープは、東拘のでたらめな検査によってはまったく発見されなかった。
 さらに、須賀同志の足を触ってみた鑑定医は、筋力低下、筋委縮の状態のひどさに驚いている。三年前の腰椎間板(ようついかんばん)ヘルニア発症以来、必要な治療もないまま狭い独房に閉じ込められて自由に体を動かすこともできないでいることが、足腰を極度に弱らせているのだ。保釈と獄外でのリハビリテーションは絶対不可欠だ。
 今や、十四年というあまりにも長期の不当きわまる勾留と東京拘置所の劣悪な環境こそが、須賀同志の健康破壊の最大の原因であることが百パーセント明らかとなった。このままの状態が続けば、現在の諸症状がますます悪化することは明白だ。即時保釈による拘禁からの解放以外に、同志の健康を根本的に回復することはできない。もはや一刻の猶予も許されない。
 須賀同志だけではない。同じく獄中十四年の十亀弘史同志は十二指腸潰瘍(かいよう)や腰痛を、板垣宏同志は白内障と腸へルニアなどを患っている。獄中八年の福嶋昌男同志は前立腺(ぜんりつせん)肥大と腰痛を訴えている。長期の非人間的な拘禁生活こそがこれらの病気を誘発し、促進し、そのほかにもさまざまな原因不明の諸症状となって全獄中同志に襲いかかっているのだ。無実の四同志がなぜこんな苦しみを未決のうちから強制されなければならないのか!

 保釈却下策動を絶対許すな

 この超長期勾留を「不当に長いとは言えない」などと言い放ち、保釈を拒否し続けてきた東京地裁と検察当局の責任は実に重大だ。医療鑑定の結果は、裁判官と検察官が結託して行った前代未聞の長期未決勾留の犯罪性を真っ向から告発するものとなっている。
 このことに追いつめられた検察と裁判所は、卑劣にも一切を公然と暴力的に開き直ることで事態の社会問題化をのりきろうとしている。医療鑑定で進行性のガンなどの重大な病変が発見されなかったことを口実に、「勾留には耐えられる」とあくまで主張し、保釈却下を策動しているのだ。断じて許してはならない。直ちに怒りを爆発させて総決起しよう。東京地裁を包囲し、その責任をとことん追及し、四同志の即時保釈をかちとろう。

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週刊『前進』(2000号6面1)

12・9松崎講演を徹底追撃する
国鉄分割・民営化推進路線をとったカクマルの党的破産
 分裂カクマル打倒、JR総連打倒へ

 JR総連ダラ幹の頭目・松崎明(JR東労組会長)の二〇〇〇年十二月九日のJR東労組全支部委員長会議での講演は、この間のカクマル・JR総連情勢の展開の中で、最大級の意義を持つ反革命的な宣言である。この講演に到達することで、カクマルとJR総連の間の十年間の矛盾と対立、とりわけこの一年間の対立・抗争の激化がついに臨界点を超えたと言い切ることができる。われわれがこの十二・九松崎講演を暴露したことに大打撃を受けたカクマルは、反革命通信『解放』二月五日付で、松崎が「カクマルと手を切った」と言ったというのは「国家権力がねつ造したデマだ」と叫んだ。カクマルは、松崎がなおも黒田・カクマルの味方であるかのように言っているのだ。他方、JR総連の側もJR東労組機関紙『緑の風』二月十五日付で「松崎会長講演内容をでっち上げ『革マル疑惑』の一大キャンペーン!」と悲鳴を上げた。JR総連は、「やっぱり革マルと手が切れていない」「やっぱり革マルに資金が流れていたのだ」というキャンペーンがされていると言うのだ。ベクトルは逆であるが、カクマルとJR総連の双方が「デマだ」「でっち上げだ」と叫んでいるのである。このことは、大分裂した黒田・カクマルと松崎・JR総連(カクマル)の双方にとって、十二・九松崎講演がとてつもなく重大な内容を含んでおり、松崎問題が最大の弱点であることを示している。われわれは、あらためて十二・九松崎講演を徹底的に暴露・断罪し、分裂カクマル打倒、JR総連解体の闘いの強力な推進を全党・全労働者人民に呼びかけるものである。

 カクマルと手を切りJR資本と一層癒着

 まず、十二・九松崎講演の中心内容を引用する。
 「我々の闘いに真っ向から反対し、会社の社宅に『進撃』という機関紙を配っている革マル派は私のことをブルジョアに完全に染まった組織の裏切り者と言っている。そこで皆さんにハッキリと話しておきますが、私は、かつて革マルの活動をやっていたことがありますが、今は、完全に手を切っている。今の日本にあって、革命など起こせるわけがない。彼ら革マル派はいまだに革命を夢みている組織であります。そんな組織に一時期であってもかかわりをもったことを恥と思っています。彼らは、一度でも組織に入ったものは逃がさないという連中ですから、私が手を切ったことを認めたくないのでしょう」
 「それより私を組織に止めておけば、資金の提供も十分にしてもらえると思い、我々に対抗するような新聞など投げ込んで、私を苦しめて楽しんでいるんだと思う。しかし、私は彼らの考えているようなことは絶対にしないつもりです」
 「私は、皆さんが仕事をしている会社と家族を守っていくために、会社とどう闘っていったらよいか毎日考えている。そんな私が、彼ら革マル派と手を切るのは当たり前である。万が一にも、私が彼らの軍門に下るようなことがあれば、私は皆さんの前から消えます。そうでなければ、皆さんの家族の幸せなど守れない」
 この松崎の言辞は、これまで八〇年代以来くり返してきた〈かつてカクマルだったが、その後、縁を切った〉という松崎一流のペテン的ごまかし=開き直りと似ているが、実は違うものである。ここで松崎は、二〇〇〇年一年間のカクマルとJR総連(カクマル)の対立・抗争の過程をふまえて、かつて松崎がカクマルに対して用いたことのない価値的な否定の言葉をもって「カクマルと手を切った」とくり返している。
 カクマルが松崎のことを「ブルジョアに完全に染まった組織の裏切り者」と規定していることをあえて押し出して、カクマルとの対立性を公言している。そして「そんな組織(カクマルのこと)に一時期であってもかかわりをもったことを恥と思っています」と言っている。「恥」という言葉は、価値否定としてはかなり重度のある言葉である。
 さらに、十月のJR九州労の大量脱退以来、カクマルがJR総連OB・坂入を拉致し、JR総連がカクマルを告訴するところまでエスカレートしている現実の中で、松崎がはっきりとカクマルを「こきおろし」、この間のJR総連の立場(告訴の立場)に立つことをついに宣言したのだ。
 松崎は正式に、決定的にカクマルから決別したということだ。カクマルからの脱落・離反を不可逆的な形態・内容をもって宣言したということだ。「今の日本にあって、革命など起こせるわけがない」という言い方は、マルクス主義の根底的な放棄を思想的に表現するものである。「一時期」でもカクマルであったことを「恥」とするということは、〈マルクス主義の仮面をつけた反革命〉としてのカクマルを価値的に否定することを意味している。
 ではこれからどのような方向に松崎は向かうのか。
 「カクマルから会社と家族を守る」
 「カクマルと手を切っていなければ、会社や組合は私をこの場(会長の座)においておかないと思う」
 「カクマルの攻撃から会社を守っていく」
 「我々の敵はカクマルだけじゃない。他の会社の組合と一緒になって攻撃しようとしている弱小組合があります」
 これらの言辞から、松崎は、基本的にはJR総連という組合のダラ幹的実権派グループとしてカクマルと対抗しようと考えていることが明白となる。しかし、松崎がくり返し会社、会社と言っているように、会社・資本・権力へのすり寄り、依存を決定的に強める以外にない。そうしなければJR総連自体がもはやもたない。
 このことは歴史的スタンスで言えば、カクマル・黒田が松崎・動労を守るためと称して、会社・資本・権力と連合して、分割・民営化の反革命を主体勢力として実行するという路線の根本的裏切り性・反階級性が、ついにストレートに〈革命の仮面を捨て去った〉反革命そのものとして発現するに至ったということだ。
 すなわち、これからの松崎・JR総連は、JR会社(とりわけJR東会社)、権力との癒着(労使一体化)にますますのめり込み、資本・権力の手先としてJRにおける第二の分割・民営化的な大資本攻勢を労働者に押しつけることで延命しようとする道を徹底的に歩むしかないということだ。
 要するに松崎としてはJR総連という組合を盾にして、そのダラ幹的組合権力者(実権派)としてカクマルとの抗争に対応し、他方では他労組、とりわけ国労・動労千葉などに向かって敵対行動をさらに強めていくしかないということだ。

 「資金提供」問題など松崎徹底追及が必要

 しかし、松崎と松崎下のJR総連という存在は、資本・権力とカクマルの反革命的結託に依拠して存続してきた。カクマルとの分裂・対抗関係の不可逆的進行は、カクマルの組織力、イデオロギー、何よりも白色テロ的手段の行使(白テロ的脅迫)を失うことを意味している。
 JR総連の活動家層は、これからはダラ幹的利害や組織・統制の力によってしか結集しえない。これは明白に弱体化をきたす。また会社・資本・権力との力関係でもますます依存的になる。中長期的に見れば、JR総連はストレートな労働貴族的支配の力に頼ることになり、根本的には弱体化する。また組合員大衆へのファシスト的恫喝力の傾向的低下は明白となる。
 これはもちろん、権力・資本の指導力の強化として作用する。権力・資本はJR総連の解体または解体的再編、決定的変質化の攻撃を強めていくだろう。
 しかし、ここではっきりと確認しておくべきことは、松崎と松崎下のJR総連は、やはり長いカクマルとしての反革命の歴史の上に立った存在であり、そのカクマル系勢力の存在、その影響力を継承しているということだ。カクマルの反革命的路線がそれ自身の矛盾の爆発として、松崎・JR総連的な脱カクマル的勢力としての運動を生み出した。つまり、松崎・JR総連の存在と運動はカクマル自身の必然的産物として、カクマル自身の責任と問題性とを突き出すものとしてある。この意味で、カクマルの最大の矛盾点・弱点は松崎・JR総連そのものにあるのだ。
 この観点から、再び松崎講演の内容を見る時、きわめて重要な問題がはらまれていることは明白である。
 (1)第一に決定的なことは、松崎が「カクマルと手を切った」とくり返しているが、それはつい最近のこと、厳密に言えば二〇〇〇年十二・九の時点であるとさえ言えることを、自ら白状していることだ。
 「カクマルは、一度でも組織に入ったものは逃がさないという連中ですから、私が手を切ったことを認めたくないのでしょう」
 「それより私を組織に止めておけば、資金の提供も十分してもらえると思い……」
 これだと、松崎とカクマルは手を切ったことを認める、認めたくないといった関係に依然としてあるということになる。何十年も前に完全に手が切れている関係なら、こんなことは生じない。いやさらに、「私を組織に止めておけば」うんぬんと言っていることは、まだ組織内に基本的にいること、あるいはつい最近組織を出たが、まだ組織に取り戻すことができる状態にあることを示している。
 松崎が「今はカクマルと手を切っている」と言うことで、カクマル問題をすりぬけることを断じて許してはならない。松崎は実際には二〇〇〇年一月からカクマル・JR総連問題の公然たる爆発過程が進行し十二・九に至るまで、それまではカクマルに属していたということだ。
 さらに言えば、JR総連カクマルの松崎に次ぐ古参メンバーで、今でも自他ともにカクマルであると「称している」坂入はどうか。松崎が「JR総連と手を切った」と言うならば、JR総連カクマルの全体を全階級の前に明らかにしなければならない。JR総連カクマルの大きな細胞組織が松崎のもとで一体となって動いたのであるから、その問題を洗いざらい明らかにしなければならない。
 (2)第二に、断じて看過できないことがある。それは「カクマルへの資金提供」だ。それも「十分な資金提供」ということだ。これは松崎個人の資金ではない。JR総連の資金以外の何ものでもない。この発言は、これまですでに大きな資金の提供が行われていたということを意味する以外の何ものでもない。
 松崎・JR総連からのカクマルへの資金の提供は、カクマルの白色テロルのための資金なのだ。松崎・JR総連自身、カクマルのテロ部隊のさまざまなあこぎなインフ活動の成果を、これまでフルに使ってきた。「カクマルと手を切った」の一言で済ませる問題ではない。いつ、どのくらいの資金を誰から誰に手渡したのか、その用途は何かについて、松崎・JR総連に徹底的に問いただす権利が人民にはある。もともとはJR総連「組合」員大衆の「組合費」ではないか。
 (3)第三は、松崎は「カクマルと手を切った」と言うなら、松崎は国鉄分割・民営化をめぐる八〇年代のカクマルと〈松崎・動労|JR総連〉の関係とその内実、さらには八四年の「労働学校」ヘの松崎提起や「賃プロ」主義問題をめぐってのカクマル中央とJR総連カクマルの関係、やりとり、その一切合切を全労働者の前に明らかにしなければならない。

 JR総連解体の闘いが対カクマル戦の環

 松崎が「カクマルとの決別」をうんぬんしようと、それはカクマルとして行ってきた国鉄分割・民営化推進|JR総連路線推進を前提として、より権力・資本への傾斜を強め、自己のダラ幹的利害に沿って、労働者、国労、動労千葉などへの攻撃を展開して延命しようとするものである。そうである以上、松崎・JR総連を粉砕し一掃する闘いを今こそ徹底的に強化しなければならない。
 このことをとおしてJR総連の本格的な分解・崩壊を左からつくり出し、JR総連のもとで呻吟(しんぎん)するJR総連組合員大衆を、松崎・JR総連から革命的に決別させ、闘う労働組合(国労、動労千葉)のもとに大きく結集させるために闘わなければならない。あえて言えば、この闘いにこそ今日段階での対カクマル戦の最大の環があると言って過言ではない。
 松崎・JR総連の過去・現在・未来について、その反労働者性を今こそ徹底的・全面的に断罪し、その革命的解体闘争を展開しなければならない。今日、松崎・JR総連は、JR東の「ニューフロンティア21」の完全な共犯者として、権力・資本と一体化して反革命的に動いているのだ。
 カクマルそのものとの闘い自体においても、実はこの点が焦点をなしている。カクマルの十二・八「戦闘宣言」=「JR総連労働運動の終焉」「JR総連本部執行部打倒」宣言と、それに対する十二・九松崎講演の対カクマル決別宣言によって、明白にカクマル・JR総連情勢は新しい段階に突入した。
 しかし、カクマルも松崎・JR総連も、実はお互いを全面的にたたきつぶす方向で「闘いぬく」ことを展開しえていない。松崎・JR総連の側も十二・九松崎講演の核心的内容を堂々と明らかにすることをためらっている。坂入拉致問題についても松崎は断固たる発言をしえていない。松崎自身ぐらぐらなのだ。
 他方のカクマル中央も対松崎・JR総連の全面戦争、とりわけ松崎打倒の闘いへと真っ向から踏み切ることにビビっている。われわれが暴露するまで、カクマルは十二・九松崎講演に言及できなかった。しかも、その核心的内容をあいまいにしたJR東労組機関誌『セミナー』に採録された松崎講演を、JR総連ダラ幹に向かって「読め」などと言うのだ。
 カクマル自身も首魁(しゅかい)としての松崎を徹底的にたたくことを、そのあまりの大きさゆえにたじろいでいるのだ。
 しかし八〇年代〜九〇年代のカクマル内の内部対立・抗争において、一方の首魁は明らかに松崎そのものである。しかし松崎を真っ向からたたけば、いわば黒田・カクマルの過去の闘いのすべてを否定することになる。黒田は、松崎・JR総連の存在を自己の正しさの証明として常にふるまってきたし、その力に依存して内外に自己の権威づくりをしてきた。しかし、その黒田が手塩にかけて、生涯をかけてつくってきたはずのものが全面的にカクマル的意味で腐りはて、対カクマル決別宣言をするに至っているのだ。
 この間、黒田は何をしてきたのか? 黒田はなぜ松崎・JR総連指導で全面的に敗北したのか。破産したのか。このことに黒田は、またカクマルは答えなければならない。
 ところが、黒田・カクマルは実はこの総括ができないのだ。黒田・カクマルは今日、松崎・JR総連カクマルが黒田の「組織現実論」を正しく実践しなかったからだなどと言うことで、あたかも総括であるかのように見せかけている。しかしこれは実際は空論であり観念論でしかない。
 なぜなら今日の松崎・JR総連カクマルの現実は、黒田自身の指導のもとで行われた国鉄分割・民営化推進=JR総連路線そのものに規定されているからだ。左翼と自称するものが闘いの激化=内乱的死闘化を恐れて、こともあろうに敵階級の超反動的攻撃(国鉄分割・民営化)の先兵になりきることで、延命しようとするなどという方針をとったこと自体が、今日の松崎・JR総連を生み出しているのだ。
 さらに「労使協力」と「労使一体化」の違いをつかめなどという黒田の主張は、超ど級の空論、観念論だ。「労使協力」と言うが、それは半端なものではない。JR資本は搾取を強め、リストラを自由に展開し、労働組合の力をそぎとり、変質させることをその本質としている。資本の論理を自由に貫くことこそが「国鉄改革」の本質だとしているのが、権力・JR会社なのだ。これに全面協力することは労働者階級に反革命的大攻撃をかけることなのだ。こうした反革命の見返りにJR総連の存在が許容されてきたのだ。こんなことを二十年も続けていたら、その組合はどんなものになるか自明である。
 松崎そのものへの全面攻撃に踏み切ることなしに、松崎・JR総連カクマルの現状をカクマルは根底的に動かすことはできない。しかしそれが引き起こすドロ沼状態が黒田・カクマル自体に自己解体的な総括を迫るがゆえに、黒田・カクマルは松崎打倒をもろに展開するのをためらっているのである。

 「ニューフロンティア21」問題で裏取り引き

 こうした中で、カクマルは、『解放』一月二十二日付の吉田論文で打ち出している路線||すなわち、JR総連へのきわめてペテン的なエセ左翼的批判をして、JR総連内に少数派的反対派細胞をつくるという路線をとるつもりのようである。こうしたエセのJR総連批判ポーズを断じて許さないことが、カクマルに最大の打撃を与える。そして、何よりも松崎・JR総連への嵐のような真の階級的批判を爆発させ、松崎・JR総連を解体していくことである。その時に最も黒田・カクマルは打撃を受けるのだ。松崎・JR総連の崩壊・失陥こそ黒田カクマルを総括もできない危機にたたき込むからだ。
 ところで、吉田論文は、きわめて重要な核心的問題を反革命の亀裂としてはっきりと示している。吉田はさもさものスタイルで、JR東労組が結んだシニア協定が、実は「ニューフロンティア21」とそれによるリストラ計画をJR総連が丸のみすることを条件として結ばれていたことを暴露している。
 このことは二つの事態をカクマルが苦し紛れに自白したことを意味する。ひとつは、シニア協定と保守三部門の外注化などの大リストラとは取引されていたということ。今ひとつは、黒田・カクマルはこの裏取引を当然にも知っており、それどころか承認してきたということだ。八〇年代〜九〇年代に松崎・JR総連はすべてこうした裏取引で労働者を裏切り続けてきたし、それをすべて黒田・カクマルは支持・擁護し、促進してきたのだ。自らの黒々とした歴史を知らんぷりしてごまかし、左翼ぶったペテン的言辞をろうしているのである。こんなことは許されるはずもない。
 このように黒田・カクマルのとった分割・民営化推進||JR総連路線そのものの破産の現実化、すなわち徹底的な反革命の実行こそ革命の延命のための革命的任務などという超反革命路線の破産の現実化こそが、今日の松崎・JR総連の姿であり、対カクマル決別・脱走の原因である。
 松崎・JR総連の過去・現在・未来を徹底的に弾劾し、松崎・JR総連の解体・打倒を革共同のへゲモニーでやりぬき、ペテン的なカクマルのエセ左翼的JR総連批判を粉砕してしまうこと。革共同の対カクマル打倒闘争の戦略をこのようにすえることを、今、がっちりと確認し、勝利に向かってばく進しよう。

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週刊『前進』(2000号6面2)

資本攻勢&労働日誌 3月8日〜16日
 公益産業 ベアゼロ続出の春闘回答
 ●連合がメーデー期日変更
 ●都教委が「給与返還要求」
 ●自民など国労に屈服迫る

●8日 連合は中央執行委員会で今年の第72回中央メーデーを5月1日から4月28日に変更した(代々木公園)。労働者階級の怒りの声の中、「世直し!怒りのメーデー」と称して自公保政権交代を前面に出し、式典終了後にはデモを行う。なお、全労連はメーデー会場を今までの江東区・亀戸中央公園から代々木公園に変更する。
◇主に大企業の社員が加入する健康保険組合の89.9%が2001年度予算で赤字となる見通しであると、健保連が調査結果を発表した。
●9日 介護企業大手のコムスンは、九州事業部と東北事業部の社員を対象に、正社員の約1割にあたる230人強の人員削減を実施すると発表。
●10日 文科省と厚労省の調べでは、2月1日時点での今春卒業予定の大学生の就職内定率は82.3%で前年同期に比べ0.7%増加。
◇米国では製造業を中心にリストラが激化、週間レイオフは約4万人と昨夏の5倍に。(日経)
●14日 IMF・JC(金属労協)の集中回答日(表参照)
〈自動車〉午後2時時点で、大手12組合中、9組合が回答を引き出し、うち7組合が昨年実績を上回った。一時金は7組合が満額獲得した。業績不振の三菱自工、いすゞ、日野自動車は、回答が遅れ、ベアゼロで妥結した。
〈電機〉電機連合は35歳の標準労働者で、前年同額のベア500円。一時金では業績連動型でない6労組平均で約12万7000円の増額。
〈鉄鋼〉隔年春闘で一時金のみの交渉。大手5社は昨年同額か増額。業績連動型一時金導入は見送られた。
〈造船重機〉大手7社がベア600円(昨年ベアゼロ)で足並みをそろえ、一時金でも5労組が増額。
◇東京都教育委員会は、「手続き不備」のまま勤務中に組合活動を行っていたとして、この日までに都内の公立小中学校教職員3124人に給与1億3200万円の返還を請求した。
●15日 自民党など4党は国労と会談し、JRに法的責任がないとする「四党合意」を前提とした政治的解決の受け入れを迫った。
◇厚生労働大臣と労使代表による「緊急雇用問題連絡会議」が開かれた。連合からは鷲尾会長と草野副会長が出席、坂口厚労相や日経連の奥田会長らと会談した。
◇NTT労働組合は2年連続ベアゼロで決着。業績好調とされるドコモとデータは、それぞれ1000円、500円「成果賃金B」で引き上げることで合意。NTTグループ内で賃金格差がつく。
◇大手私鉄6社は30歳・勤続12年の標準労働者で4800円の賃上げを組合側に提示した。昨年実績を150円下回った。東急は2年連続でベアゼロだった。
●16日 電力大手9社は2年連続ベアゼロで妥結した。

 2001年春闘での大手産別の妥協額

回答・妥結額(カッコ内は昨年実績)
要求額
自動車総連 ベア相当額2000
 トヨタ自動車 ベア相当額600(500)  
 三菱自工 ベアゼロ(700)  
電機連合 ベア相当額500(500) ベア相当額2000
鉄鋼労連 隔年春闘で交渉なし  
造船重機労連 ベア600(ベアゼロ) ベア2000
NTT労組 ベアゼロ(ベアゼロ) ベア放棄
電力総連 ベアゼロ(ベアゼロ ベア1500

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週刊『前進』(2000号6面3)

3・23集会 “春闘再生へストを” 国労中央への批判噴出

 三月二十三日、「春闘再生『行政改革・規制緩和・労働法制改悪』に反対する全国実行委員会」主催の「首切り自由を許すな! 三・二三春闘総決起集会」が、東京・九段会館で開かれた。全港湾、全国一般全国協、金属機器労働組合協議会、国労、都労連、全労協などが呼びかけたもので、当日、春闘ストライキに決起した労働組合など千三百人が参加した。
 主催者代表であいさつした都労連の矢沢委員長を始め、春闘の再生、とりわけストライキの復権を訴える発言が相次いだ。多くの中小労組はこれからが春闘の山場だ。低額回答にはストを対置しようとの熱気にあふれた。また、反失業・雇用確保、公務員に対する首切りとの闘い、年金改悪に対する定年延長を求める闘いなどが重要課題として確認された。
 集会のもう一つの焦点は、国鉄闘争だった。国労の高嶋委員長は「苦渋の選択である四党合意を受諾した。ILO勧告の公正な補償を求める百万署名をお願いする」と発言したが、拍手はまばらだった。
 全国実行委の二瓶事務局長(オリジン電気労組)は、基調報告の中で、「全国実の大勢」の意見、また国鉄闘争支援中央共闘の多くの声として、「機動隊に守られた国労大会は支援を失望させた。四党合意を決めても闘うと表明している闘争団を支援共闘の多くは支援する」と発言した。
 また、東京清掃労組の星野委員長は「『JRに法的責任なし』では何のために闘ってきたのか。武装解除し、闘いを放棄するものだと高嶋委員長に言わざるを得ない。ILO勧告に基づく百万署名と言われたが、不当労働行為はなかったという二次勧告の是正を求めるべき」と訴えた。
 国労闘争団全国連絡会議の金児事務局長は、「三十六闘争団は、解雇撤回・JR復帰を基本とする闘争団要求を結集軸に闘うことを確認した。困難な状況だが、間違いない一歩を踏み出す」と決意表明した。

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週刊『前進』(2000号7面1)

3・25三里塚 暫定滑走路の完成阻め 1550人が怒りと決意
 東峰神社立木伐採許さぬ 4−5月現地攻防へ臨戦体制

 三月二十五日、三里塚芝山連合空港反対同盟主催の「成田空港暫定滑走路粉砕、土地収用法改悪阻止、軍事空港建設粉砕 三・二五全国総決起集会」が三里塚現地・市東孝雄さんの畑で行われた。空港公団が、団結街道わきの一坪共有地をフェンスで封鎖し、団結街道のルートも勝手に変更するという暴挙を働いた直後の全国集会である。すでに怒りの反撃を開始した反対同盟を先頭に、全国から千五百五十人が結集し、東峰神社立木伐採阻止−暫定滑走路建設阻止の大決戦に立つことをあらためて誓った。「二〇〇二年春暫定滑走路供用開始」粉砕へ総力で決起しよう。
 三里塚現地は、暫定滑走路建設をめぐり緊迫した攻防局面を迎えている。一坪共有地の封鎖−村を破壊する軒先工事の暴力に対し、反対同盟は実力闘争を宣言。反対同盟の闘いと檄(げき)にこたえ、断続的に降る雨の中、全国から参加者が続々と結集した。
 権力は、一坪共有地封鎖への怒りが爆発することに恐怖し、卑劣にも参加者の一人を免状不実記載でデッチあげ逮捕するという暴挙におよんだ。この不当弾圧に対する怒りが会場を包んだ。
 集会は、反対同盟の小林一夫さんの司会で始まり、まず伊藤信晴さんが主催者を代表して「自民党政治の破綻(はたん)の犠牲をすべて労働者人民に押しつけるような政府のやり方、飛行機を飛ばして、農民・住民を追い出そうとする政府・公団の暫定計画を徹底的に弾劾する集会として成功させたいと思います」と開会を宣言した。
 次に、北原鉱治事務局長が基調報告を行った。
 北原事務局長は「国家の方針に従わないものは、人権なしとばかりに工事を続けている」と暴力的な軒先工事を弾劾、反対同盟の所有地や物件がある限り、暫定滑走路は無用の長物になるだけだと喝破した。さらに土地収用法改悪や成田軍事使用を断罪、「新たな気持ちで闘っていく」と暫定滑走路粉砕を熱烈に呼びかけた。(反対同盟の発言要旨は別掲)

 動労千葉がスト宣言

 動労千葉の田中康宏書記長が特別報告に立った。「国鉄の分割・民営化以来の決戦の時が来た。動労千葉は、二波にわたるストライキを敢行する」「闘う労働運動の再生と国鉄闘争の勝利へ、われわれは満を持して闘争を開始する。こんな腐りきった世の中に対して、団結を固めて闘う」と力強く語り、動労千葉は春闘をストライキで闘うと高らかに宣言した。
 続いて反対同盟の決意表明だ。
 まず敷地内の市東孝雄さんが、一坪共有地の封鎖や生活破壊の軒先工事に対して「腹わたが煮えくり返る」と強い怒りを表明。「この半年間が勝負、春闘をストライキで闘う動労千葉や、沖縄・北富士・関西、全国の人たちとともに正念場の決戦に突入する」と闘魂を示した。
 本部役員の鈴木幸司さんは「当初から、軍事空港はつくらせないと闘ってきたことが、正しかったとハッキリ言える。空港反対闘争を超えて、政府打倒の闘いに立ち上がる時が来た。日本の将来は、戦争か、戦争を阻止するかだ」と三里塚闘争の意義を語った。
 婦人行動隊長の小林なつさんは、一坪共有地の封鎖は反対同盟の破壊が目的であると弾劾、「市東さん、萩原さんの畑を守り抜いて闘います。成田空港を絶対に軍事空港にさせない」と決意を明らかにした。
 鈴木謙太郎さんが、昨年の十月集会で反対同盟が全国に訴えた「暫定滑走路粉砕のための裁判闘争特別カンパ」に百二十四万九千四百五十円のカンパが寄せられたことを報告、「心から感謝を申し上げるとともに不屈の闘いをもって期待にこたえます」と述べた。
 顧問弁護団を代表して葉山岳夫弁護士が連帯のあいさつ。@東峰神社の立木を承知で滑走路を建設、立木を伐採しようとしている、A民家の四十b上空をジェット機が飛ぶことになる、B生活道路を破壊し、監獄のように鉄板で壁をつくり、耕作地への通行を著しく阻害している、C一坪共有地や現闘本部が存在しているため、誘導路がへの字型になり、滑走路と滑走路との距離が短くなり、大事故の可能性があることなどを指摘した。そしてD滑走路や誘導路を外れた航空機が市東さん宅に直撃する危険性、E排気ガス問題、F軍事使用の問題など、暫定滑走路が違法のかたまりであることを弾劾した。
 暫定滑走路粉砕決戦アピールを事務局次長の萩原進さんが行った。「座して死を待つのか、闘うのか、民衆一人ひとりが問われている時代です。支配する側はどうにもならない状況になっている。それが凝縮されて三里塚に現れている。四、五月を断固闘い抜き、三里塚闘争の勝利をかちとるなら、この炎を全国に燃え上がらすことができる」と四、五月の三里塚現地攻防の方向性を提起した。
 鈴木加代子さんのカンパアピールの後、司会を宮本麻子さんが引き継ぎ、各団体の決意表明が行われた。
 関西から東灘区住民の会代表の山本善偉さんと泉州住民の会代表の森田恒一さんが登壇(写真右)。山本さんは「天皇制軍国主義の教育の中で人間性を変えられ戦争に協力してしまった。三里塚で自分を改革することを教えてもらった」と語り、「再びの戦争の道を阻む闘いの実践をしているのが三里塚闘争」と発言した。森田さんは「なぜ必要がないのに新しい空港をつくろうとするのか。背景に新ガイドラインがある。日本を再び戦争の中にもっていってはならないという決意で参加しました」と熱烈に訴えた。
 続いて、北富士から忍草母の会の天野美恵事務局長が登壇した(写真右)。天野さんは「なぜ一坪共有地を無断で封鎖したのか。それは政府や空港公団が焦っているから。しかし、そんなことでは一歩も引かない。権力は力と金でやってくるが、私たちは実力で闘う」と怒りを込めて弾劾した。
 反戦被爆者の会の大槻泰生さんは「私は被爆したが故に、自分の問題として三里塚闘争を闘ってきた。われわれを死のどん底に陥れた帝国主義を打倒する。二十一世紀は私たちの双肩にかかっている」と語った。
 部落解放同盟全国連の金平通雄共闘部長は、不慮の事故で亡くなった亀井広敏副委員長が、三里塚こそ反権力の砦(とりで)であり、狭山を三里塚のように闘って勝利しようと身をもって示してきたと訴え、全国連十回大会の成功を報告、差別糾弾闘争を投げ捨てた本部派に代わり三百万部落大衆に責任をとると決意を明らかにした。
 続いて都政を革新する会の長谷川英憲代表が、「労働者人民を塗炭の苦しみに陥れ、反対同盟に攻撃を加える森政権を認めることはできない。腐りきった自民党と自民党以上に戦争政治を進めるファシスト石原を打倒するために、六月都議選にけしば誠一区議をおしたて勝利をかちとる」と、力強い決意を語った。
 婦人民主クラブ全国協の丹治孝子さんは「新憲法ができたとき、母親たちは『戦争に負けてよかった』と言っていた。強盗戦争にかり出されるくらいなら、敗北してしまえという祖国敗北主義だと思っている。その精神で闘い抜けば勝利できる」と訴えた。
 佐世保の海を守る会の松本栄二さんが「佐世保の現実は戦争が近いことを実感させる。実力闘争で闘おう」と訴え、闘う「障害者」の代表が「戦争攻撃の中で、『障害者』への差別・抹殺攻撃が激化している。アジアの民衆の糾弾と激励にこたえ、戦争国家化阻止、成田空港粉砕の闘いに立とう」と語った。
 三角忠・東京反戦共同行動委員会代表が「五月二十七日に全国総決起集会を開催します。闘えば勝てることを全国の労働者人民に示そう」と五・二七全国集会への参加を訴えた。

 全学連が力強く決意

 全学連の内山佳久書記長が決意を表明。内山書記長は「国家権力の一方的な暴力と脅迫に対して、人民の革命的反撃が必要だ。革命軍は一月二十三日、空港公団幹部に対して火炎攻撃を敢行した。農民殺しの暴虐、その罪にふさわしい革命的報復をたたきつけるのは人民の権利だ。あらゆる革命的手段を行使して暫定滑走路の今秋完成を阻止しよう。破綻しきった帝国主義の政治と社会を根本から転覆しようではないか。闘うアジア人民と連帯し、日帝打倒のプロレタリア革命に進撃しよう」と訴え、八五年十・二〇戦闘と十一・二九浅草橋戦闘を闘った鎌田雅志元全学連委員長が十六年の獄中闘争を闘い抜いて奪還されたと報告した。ここで鎌田元委員長が手をあげて会場にこたえ、大きな拍手が起こった。
 最後に郡司一治さんが集会宣言(別掲)を読みあげ、団結がんばろうを三唱後、デモに出発した。
 見慣れた東峰・天神峰の景色が鉄板フェンスで囲まれて一変し、小見川県道のう回道路の工事現場が所々に見える。参加者はデモをしながら、あらためて強い怒りと闘いの決意を固めた。
 まっすぐだった団結街道がズタズタにされ、曲げられている。一坪共有地が鉄板フェンスで囲まれているのを一人ひとりが確認。「御用の方は空港公団までご連絡ください」となどというふざけた看板(写真上)に怒りがさらに高まった。暫定滑走路粉砕へ長蛇のデモが戦闘的に貫徹された。

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週刊『前進』(2000号7面2)

●反対同盟の集会発言 収用法改悪は戦争への道

 ■基調報告 新たな気持で闘いの勝利へ 北原鉱治さん

 二十三年前、当時の福田内閣は“多少の犠牲やむなし゜と国家の威信にかけて三・三〇開港を宣言した。しかし全国から多くの労働者人民が現地に結集し、開港宣言は破産に追い込まれたという歴史があります。
 反対同盟は三十五年間、全国の労働者や学生・大衆とともに闘い続け、いまだに一本の滑走路だけしかできない。そこにはきちんとした抵抗の理由がある。
 一九九九年十二月三日、暫定滑走路の工事着工に対し、反対同盟は決戦に立ち上がった。それから一年有余。ワールドカップに間に合わせようと、工事が進んでいる。鉄板フェンスを張り巡らし、国家方針に従わないものは、人権なしとばかりに工事を続けている。
 暫定滑走路は、二千五百b計画を変更、北側に八百bずらして二千百八十bしかない。現在の航空産業にとってもまったくメリットのない状況である。しかも反対同盟の所有地・物件をそのまま放置して飛行機は飛べない。暫定滑走路を造ったところで、無用の長物に過ぎない。
 こういう中で、成田空港の軍事使用の問題が出てくる。不況で失業者が増え、福祉もどんどん後退している。日本は戦争の道へ入ろうとしている。これを誰が止めるのか。ここに集まった人が闘わない限り、戦争の道へと入っていく。
 三月二日に、国会に提出された土地収用法改悪案は、今でも悪法だが、さらに手続きを簡単にし、国が必要だと言えば、土地を奪えるようにしようとしている。収用法が改悪されれば、戦時中のように、日本列島は基地化する。
 四千bの滑走路があるのは嘉手納、横田と三里塚しかない。成田は軍事基地として絶対に必要なものとして存在している。成田空港の軍事使用は許さない。
 反対同盟は、新たな気持ちをもって、闘いの勝利を目指し、日本の未来、人民解放のために闘っていきたい。みなさんとともに闘い抜いていきます。

 ■決戦アピール いかなる反撃も許される! 萩原 進さん

 東峰・天神峰の風景が、ここ数カ月で破壊されてきている。フェンスが張られ、ダンプが走り、私服や機動隊が農作業までも監視し、検問や尾行を行っている。道路を勝手に遮断し、共有地を封鎖して、地権者の権利を剥奪(はくだつ)している。
 シンポや円卓会議で、空港づくりは地域の関係者と話し合って進めていくと言った中身がこれです。三十数年間変わらぬ姿でやっている。そうであるならば、いかなる反撃も許される。“目には目、歯には歯゜の反撃の体制をつくる。
 ワールドカップを妨害する反対派だという構図をつくって、住民をたたき出して、空港の完全化を図る攻撃であることが完全に明らかになった。またそういうやり方しかできないということでもある。
 東峰神社の立木の伐採策動、小見川県道を封鎖し、う回道路を開通させようとする策動、生活道路を封鎖して、誘導路の建設をもくろんでいます。これが四月過程で行われようとしています。住民を孤立させ、追い出そうとする策動です。
 現地的にはぎりぎりとした攻防だが、大きな見地から見て、民衆の怒りは頂点に達し、座して死を待つのか、闘うのか、民衆一人ひとりが問われている時代です。支配する側はどうにもならない状況になっている。それが凝縮されて三里塚に現れている。四、五月を断固として闘い抜き、三里塚闘争の勝利をかちとるならば、この炎を全国に燃え上がらすことができる。

 ■決意表明 脅迫に負けず正念場を闘う 市東 孝雄さん

 団結街道の変更が何の連絡もなく行われました。さらに一坪共有地をフェンスで封鎖しました。地権者に無断で勝手にやっていいのか。今は腹わたが煮えくり返る寸前の状態です。
 暫定滑走路の差し止め裁判で、公団は「着陸帯で事故が発生した場合、原告市東孝雄らに被害が及ぶ可能性を完全に否定することは困難」と言っている。事故の可能性が否定できなければ、やめるべきだ。追い出し以外の何ものでもない。しかし決して負けません。
 四月冒頭に、小見川県道のう回道路が開通する。天神峰の生活に大変な悪影響をもたらします。騒音がひどくなり、危険きわまりない。出ていけという脅迫には絶対に負けません。
 本当にこの半年が勝負です。春闘をストライキで闘う動労千葉や、沖縄、北富士、関西を始めとする人たちをともに、正念場の決戦に突入します。

 ■決意表明 戦争を阻んで日本を変える 鈴木 幸司さん

 反対同盟は当初から、軍事空港はつくらせないと闘ってきた。この三十五年の闘いが本当に正しかったことをハッキリと言える。
 三里塚闘争が空港反対闘争を超えて、政府打倒の闘いに立ち上がることが大きな使命だ。人民が立ち上がる時が来た。これからの日本の将来は、戦争か、戦争を阻止するかだ。
 私はかつて、侵略戦争に参加させられた。戦時中と現在を比べた時、「日の丸・君が代」は一片の変わりもない。天皇制を日本からなくすこと、「日の丸」なんてとんでもない話です。
 反対同盟の農民も三十五年の闘いで変わった。日本全体も変わっていかないとだめだ。革命の地・三里塚で、空港反対の闘いはすばらしい闘いだと確信しながら、みなさんとともに、自信をもって闘います。

 ■決意表明 敷地内の畑を守り抜き闘う 小林 なつさん

 政府・空港公団は危険な滑走路をつくるために、市東さんの畑と家の前まで、大きな穴を掘って、重機を動かしている。公団は勝手に一坪共有地を鉄板フェンスで囲ってしまいました。反対同盟破壊のためです。ここは反対同盟と皆さんの決戦の砦なんです。
 土地収用法を改悪しようとしています。土地を取り上げるために戦前とまったく同じような収用法にしようとしています。国で使うからといって土地を取り上げるような法律を絶対に許すことができません。
 東峰神社の立木伐採も絶対に許してはなりません。団結街道を元に戻すと言った市の約束がウソになることは断じて許さない。成田空港を絶対に軍事空港にさせない。市東さん、萩原さんの畑を守り抜いて最後の最後まで闘います。

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週刊『前進』(2000号7面3)

◇集会宣言◇ 敢然と迎え撃ち闘う

 本集会は暫定滑走路工事強行を徹底弾劾する。政府権力による農地強奪|追い出し攻撃に対して断固たる闘争宣言を発するものである。
 運輸省・公団は暫定滑走路の十一月完成のための突貫工事を強行している。三月八日には天神峰現闘本部北側でまたも団結街道のコースを無断変更し、これまでフェンスの外にあった一坪共有地を空港の敷地内に取り込んだ。四月冒頭に、小見川県道を封鎖し、東峰の生活区域に入り込む迂回道路の開通を強行しようとしている。東峰神社の立木伐採が切迫してきた。運輸省・公団、千葉県周辺自治体、航空・旅行会社に学者まで加わって「国内線需要喚起のための検討会」なるものが動き出した。
 徹底的に住民を敵視し、追い出そうとするこれらの嫌がらせは強制代執行となんら変わらぬ農民殺しである。敢然と迎え撃ち体を張って闘い抜く。
 扇国土交通相はサッカーワールドカップ期間中に羽田空港を国際線に開放することを発表した。これもまた住民を愚弄するものである。「ワールドカップのために暫定滑走路の完成を急ぐ」としたのは世間をあざむく嘘であり農民を追い出すための口実だった。怒りの火に油を注ぐものである。
 土地収用法の改悪案が閣議決定され国会に提出された。これは一坪強奪攻撃であり、住民運動つぶしの攻撃である。三里塚と沖縄闘争を一掃し、戦時土地徴発に向かう攻撃である。「被災者支援」に名を借りた軍用機の成田軍事使用と合わせ、断じて許してはならない。
 日本の長期不況、世界同時株安など解決不能の危機が到来している。農家切り捨て、労働者の首切りが激化するなかで、政府与党・官僚の腐敗が次々に明るみに出た。国会は反動化し土地収用法、教育関連六法など反動法案の成立強行が策動されている。反対同盟は農家追い出し工事に実力で立ち向かい、国会闘争も最先頭で闘う決意である。 
 春から夏の攻防に臨戦体制をもって臨み、今秋十・七全国集会に総決起することを訴える。
 二〇〇一年三月二十五日
 三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2000号7面4)

関実が三里塚公開講座 暫定滑走路粉砕誓う 現地報告に驚きと怒り

 三月十六日、第九回三里塚公開講座が、大阪市・森ノ宮のアピオ大阪で開かれた。この公開講座は、三里塚闘争を多くの人びとに広げるために、三里塚決戦勝利関西実行委員会が主催しているもので、五十五人が参加した(写真)。
 関実事務局次長の安藤眞一さんの司会で進められ、永井満関実代表が「関実も暫定滑走路阻止、そして土地収用法改悪阻止の闘いを取り組もう。三・二五に全力で参加しよう」と主催者あいさつを行った。
 続いて、三里塚現地闘争本部から「暫定滑走路をめぐる三里塚現地攻防」と題する講演が行われた。現在の暫定滑走路建設が、農民の権利・生活を踏みにじって、強制収用となんら変わらない敷地内農民の追い出しのために強行されていることを弾劾した。この現地の報告に参加者は驚きと激しい怒りをわきたたせた。また反対同盟の闘いが日帝の航空政策を破綻に追い込んでいること、土地収用法改悪との闘いが戦時徴発・徴用を許さない有事立法・改憲阻止の闘いであることも明らかとなった。
 会場からは、山本善偉関実世話人が、「二・二八土地収用法改悪阻止シンポジウム」に参加した感想を述べた。労組交流センターの二人の労働者は、関実が呼びかけている「三里塚現地激励・視察行動」を行ったことを報告した。永井代表は「休みを利用した援農への取り組み」を提案した。
 最後に森田恒一関実世話人が「今日参加した人は一人残らず三・二五三里塚闘争に行こう」とまとめた。
 関実公開講座は、暫定滑走路粉砕・収用法改悪阻止への総決起を誓うものとして大成功した。

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週刊『前進』(2000号8面1)

全国学生が文科省に抗議
「大学自治」破壊と国家統制の“国立大の独法化許すな”
 東北大自治会が呼びかけ 12大学110人の参加で

 三月八日、東北大学学生自治会の呼びかけで、衆議院第一議員会館に全国から十二大学、十六団体、百十人が結集し、さらに三十四人の教職員や人士の激励・賛同を得て、「国立大学の独立行政法人化に反対する三・八文部科学省行動」が行われました。昨年の東北大ストライキを始めとする十一月全国学生統一行動を引き継ぎ、いよいよ本格的に独法化と対決する闘いが広まっています。
 国立大の独立行政法人化は、これまでの「大学の自治」を奪い、国家が大学を直接に掌握・統制することを狙うものです。森や中曽根は今通常国会を「教育改革国会」と位置づけ、「奉仕活動の義務化」や教育改革六法案の成立を強行しようとしていますが、独法化はこの動きと完全に一体で進んでいます。戦後教育・戦後大学政策の一大転換をはかり、現在の大学をいったんつぶして、国策遂行大学−「お国のための大学」につくり変えようというものです。また、一月六日にスタートした中央省庁再編によって科学技術政策そのものを完全に政府中枢の統制下に置き、独法化によって大学にそれを問答無用に実践させることを狙っています。
 昨年の十一月全国学生統一行動をとおして、あらためて明らかになったことは、多くの学生、教職員、識者が独法化に強い危機感を持ち、何とかしなければならないと思っていることです。にもかかわらず一部の人間がそれを無視し、政府・文部科学省と一体となって独法化を進めているのです。今こそ独法化に対して各大学で反対運動を進めると同時に、直接、政府・文部科学省に全国の独法化反対の声を集中し、独法化阻止の行動を起こさなければならない。三・八文部科学省行動はこうした重大な位置にありました。
 集会では、衆議院議員の中川智子さん、植田至紀(むねのり)さん、作家の宮崎学さんからあいさつを受けました。各氏から今の世の中の動きへの危機感とともに、世の中を変えていく力をもった学生への期待が熱く語られました。
 さらに、集会の中心として豊島耕一・佐賀大教授が記念講演を行った。講演であらためて独法化の果たす役割の大きさと問題性が浮き彫りになり、張り詰めた空気の中で、参加者一同の独法化反対の思いは一つになりました。
 さらに教職員の連帯のあいさつの後、全国大学から、独法化に対する学生の危機感、全国大学で実際に進む学生自治破壊の動き、その動きをくい止め、学生自治を守り抜いていく決意が次々と述べられ、会場全体で独法化阻止に向け、大いに盛り上がりました。
 集会後、文部科学省ヘの申し入れとデモを打ち抜きました。デモに先立つ集会では、急きょかけつけてくれた宮城の全金本山労組の労働者の発言を受けました。彼は労働者の立場から独法化について述べ、戦争と権利破壊の動きの中で、「労働者も学生も同じ、みんなで支えあっていこう。敵は一つだ。団結を固めて、仲間を増やして闘おう」と呼びかけました。
 参加者は集会の勢い・熱気を帯びて東京の都心を貫くデモに打って出ました。途中、文部科学省の前でデモ隊の気勢は最高潮に達し、立ち止まって「文部科学省は学生・教職員の声を聞け!」「独法化を阻止するまで闘うぞ!」と怒りのシュプレヒコールをたたきつけました。
 デモの終着点で文部科学省申し入れ団からの報告を受けました。報告では、「中期目標は国が定めるべき」「独法化検討プロセスに学生を入れることはない」などと文部科学省の官僚が言い切ったことなどが暴露されました。大学の国家統制の宣言にほかならないこうした文部科学省の姿勢に対して、参加者全員が独法化への怒りと闘いの決意を新たにしました。
 そもそも、ついに大学自治そのものを問題にしなければならなくなったこと自体が、大学を含む社会体制全体が行き詰まっている証拠であり、ここにこそ、敵の弱点があります。大学の自治とは何かということが前面に押し出されている今こそ、闘いの絶好のチャンスだと全体で確認し、力のこもったシュプレヒコールで一日の行動を締めくくりました。
 今回の文部科学省行動は学生自治を守り抜き、全国学生運動の高揚に向けての大きな一歩となりました。全国の学生のみなさん。この行動を皮切りに、独法化絶対阻止から教育改革攻撃粉砕、そして改憲=戦争国家化攻撃阻止へ全国学生の怒りの決起を全力でかちとっていきましょう!
(投稿 学生 K・A)

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週刊『前進』(2000号8面2)

全学連 沖縄 自衛官の少女暴行 防衛庁を徹底弾劾

 三月二十二日、全学連は東京・市谷の防衛庁に対し、三月十二日に沖縄で起きた幹部@tz自衛官による女子中学生暴行事件を徹底弾劾する抗議の申し入れを行った。(抗議文別掲)
 「事件の全容が明らかになればなるほど、血の逆流するような怒りがわきあがってくる」「かつての沖縄戦における日本軍の沖縄人民虐殺と本質的に同じことが、引き起こされた」「日本政府の沖縄に対する差別・抑圧政策をもうこれ以上絶対に許しておくことができない」
 大山尚行全学連委員長が怒りをこめて申し入れ書を読みあげた。そして全員で怒りのシュプレヒコールを防衛庁にたたきつけた。全学連の登場とその怒りの訴えに、周辺の人びとからも激励の声が集まった。

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週刊『前進』(2000号8面3)

〈抗議文〉

 沖縄での自衛官による女子中学生暴行事件を徹底弾劾する
 われわれ全学連は、三月十二日、沖縄で起きた自衛官による女子中学生暴行事件を絶対に許すことはできない。腹の底からの怒りをこめて徹底弾劾し、防衛庁長官に対して以下申し入れる。
 (一)
 まず何よりも、防衛庁長官は、この卑劣きわまる事件が直接暴行を受けた少女の告発によって初めて明らかにされたという事実の重さをはっきりさせるべきだ。悲痛の決意で事件を訴えたであろう少女と家族の苦しみと怒り、百三十万沖縄人民の悲しみと怒りはどれほどのものか。その大きさ、深さを真剣に受けとめなければならない。航空自衛隊恩納分屯基地所属の二等空尉が容疑者として逮捕されたのは十六日。その四日間、この幹部自衛官は、沖縄の少女を襲撃し、彼女の人間性、尊厳をじゅうりんしておきながら、何食わぬ顔で「勤務」していたというのか。いま、百三十万の沖縄人民全員が、激しい怒りにうちふるえている。事件の全容が明らかになればなるほど、血の逆流するような怒りがわきあがってくる。絶討に許すことはできない。
 事件の発覚以降、防衛庁長官や自衛隊幹部は慌てふためき、口をそろえて「おわび」「厳重処罰」「再発防止に努めたい」と繰り返している。だが、防衛庁長官や自衛隊幹部の「弁明」は、米軍のそれとどこが違うというのか。米軍もまた事件・事故が発覚する度に同じようなことを表明してきているが、その結果、何が変わったというのか。米軍は沖縄に居座りつづけ、またぞろ開き直って凶悪な事件・事故を繰り返しているではないか。軍隊があるかぎり、基地があるかぎり、事件・事故はなくならない。もうこれ以上、沖縄人民を基地と軍隊の犠牲にしつづけることは絶対に許されない。もし「事件を繰り返さない」というなら、自衛隊も米軍も沖縄から一人残らず撤退すべきだ。
 (二)
 今回の事件は、一自衛官が起こした「不祥事」などというレベルの問題ではない。自衛隊もまた「民衆を決して守らない」ことが、今回の事件で衝撃的に突き出されているのだ。かつての沖縄戦における日本軍の沖縄人民虐殺と本質的に同じことが、引き起こされたのだ。日本帝国主義の沖縄差別・抑圧政策の極致だ。
 沖縄戦において日本帝国主義と日本軍は沖縄人民に対して何をしたのか。天皇の命令によって沖縄が丸ごと「本土防衛の捨て石」とされ、沖縄そのものが戦場とされ、そのなかで沖縄人民は、米軍だけでなく、日本軍によっても虐殺されたのだ。すべての食料を奪い、多くの沖縄人民に餓死を強制し、「スパイ」と決めつけて虐殺し、戦火を逃れて避難してきた人々を集団虐殺し、最後には「集団自決」を強制していった。戦後は、天皇ヒロヒトによって沖縄はアメリカ帝国主義に売り渡され、二十七年間の軍政が敷かれたのだ。
 米軍軍政下で、憲法九条−軍隊のない、基地のない平和な島を求めて復帰闘争に立ち上がった沖縄人民に対して、それを踏みにじり一九七二年ペテン的「返還」で自衛隊派兵を行い、沖縄差別支配をしてきた結果が、今回の事件なのだ。
 日本政府は、一貫して沖縄を差別し、自衛隊を日本帝国主義のアジア侵略のために駐留させている。現に今、自衛隊は、日米新安保ガイドラインのもとで、沖縄を出撃拠点にして、海上保安庁などとともに中国領・釣魚台を軍事的に略奪し、日々中国人民・アジア人民に侵略の牙(きば)を向けているではないか。自衛隊総体がそうした侵略軍隊に急速に変貌している。人民虐殺のための訓練を米軍とともに繰り返している。
 日本政府が、凶暴な朝鮮・中国|アジア侵略戦争に向かって、沖縄を「基地の島」として徹底的に犠牲にし、沖縄人民に「基地との共生」を暴力的に押しつけようとしていることこそ、一切の元凶なのだ。一九九五年十月二十一日の沖縄県民総決起大会において、沖縄人民は「基地のない、軍隊のない、平和な沖縄を返してください」という叫びを発し、基地全面撤去の新たな闘いに立ちあがり、日本政府の沖縄政策、日米安保政策を根底から揺るがしてきた。それに対して日本政府は、この沖縄人民の人間的根底的要求を真っ向から踏みにじり、九八年沖縄県知事選挙においては、官房機密費を大々的に投入して、国家総ぐるみで基地容認の立場をとる稲嶺知事を当選させた。そのもとで、名護への新基地建設、那覇軍港の浦添移設を強行しようとしている。それは、国家の暴力を振りかざした沖縄人民の圧殺以外の何ものでもない。
 このような日本政府の沖縄に対する差別・抑圧政策をもうこれ以上絶対に許しておくことはできない。
 (三)
 本土の労働者・学生は、沖縄人民の根底的怒りと要求、闘いに学び、沖縄人民と固く連帯して今回の自衛官による女子中学生暴行事件を徹底弾劾する。そして、アメリカと日本帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争を許さず、沖縄からすべての基地を撤去するまで闘いぬく。何よりも、現在の森自公保政権下で進められている憲法改悪と有事立法制定、「日の丸・君が代」強制、戦争賛美の教科書作成、教育基本法改悪による戦争国家化の大攻撃に対して、これらを巨大な大衆闘争の爆発で必ず粉砕する。全学連は、沖縄人民の闘いに連帯し、闘う在日朝鮮・中国人民、朝鮮・中国−アジア人民の闘いに連帯して最先頭で闘う決意である。
 今こそ、すべての自衛隊員は、朝鮮・中国|アジアヘの侵略出兵を拒否し、治安出動を拒否しよう。「国益」「国民の財産」とは、社会の一〇%にも満たない資本家どもの利益・財産ということにすぎない。そんなものを命がけで守る必要などまったくない。社会を実際に動かしている圧倒的多数の労働者人民は、まさにその資本家どもの利害のために首を切られ、生活を奪われ、犠牲にされようとしている。それで再びアジアに対する侵略戦争をやろうというのか。冗談ではない! こんな行きづまった社会体制は、根本から変革されてしかるべきだ。すべての自衛隊員は、労働者・農民・学生とともに、汚職と腐敗にまみれ、戦争に突き進む自国政府を打倒するために立ちあがろう。
 以上、申し入れる。
 二〇〇一年三月二十二日
防衛庁長官 斉藤斗志二殿
 全日本学生自治会総連合(委員長 大山尚行)

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週刊『前進』(2000号8面4)

「病者」先頭にデモ 移送制度の新設に反撃

 三月十八日、東京・千駄ケ谷区民会館で「処遇困難者病棟」新設阻止共闘会議主催の「なくせ強制移送制度、許すな保安処分への道」と題した「病者」を先頭とする保安処分反対集会が百二十人の結集で開催された。集会後、原宿・渋谷駅前を通り宮下公園に至る一時間半のデモが行われた。
 午後一時半から開催された集会は、テレビ放送された民間警備会社による「病者」の移送実態を暴いたビデオ上映から始まった。主治医や友人・家族らへの説得を欠いた、トキワ警備による精神病院への移送に怒りが集中した。続いて主催者から、保安処分反対闘争の新たな爆発にむけた熱烈なアピールが発せられた。二月国会で自民保守合同で代表質問に立った参議院議員星野朋市が「精神障害者から国民の命を守れ」と叫び、首相森も「合同検討会で審議中」と答弁した保安処分推進攻撃の実態が暴露され、参加者の怒りをかきたてた。
 続いて各地患者会・「病者」グループなどからアピールが寄せられた。八王子、練馬、足立、江東、大阪、兵庫、神奈川、世田谷等から決意が表明され、また埼玉・朝倉病院での患者殺傷と乱脈経営の精神医療の実態が暴露され、歌やギター演奏も行われた。
 さらに精神病院の労組の労働者は、強制治療につながる急性期病棟の推進の危険性をあばいた。また都内の精神医療を考える会のケースワーカーからも保安処分反対闘争へ決起の訴えがなされた。そして三多摩の医療労働者や仙台、九州、栃木などの「障害者」団体からも移送反対と「触法精神障害者対策」や「人格障害者」キャンペーンを張った保安処分新設攻撃への怒りが表明された。
 最後に移送制度反対の共同声明の確認と保安処分検討会や星野発言を弾劾する集会決議が採択された。
 日帝の福祉切り捨て・戦争体制構築攻撃のもと「精神障害者」の精神病院への強制入院を強める攻撃が激化している。昨年四月から施行された精神保健福祉法の改悪による「移送制度」の新設は、「家族の同意」を取り付けるとはいえ、都道府県知事が保健所職員や警察官の協力を得て「他に迷惑をかける」とみなした「病者」を強制的に車両搬送する条項(三四条「医療保護入院のための移送」)を継ぎ足した。都道府県知事権限で最も強制的と言われる措置入院とはまた別の方法で「病者」の隔離・収容を強めようとする攻撃だ。
 厚生労働省はこの移送業務を、医療とは関係ない民間警備会社へ委託することも容認しながら官民一体となって推進し、地域・家族間での「病者」発見のための通報と密告の奨励をはじめ、各地の「病者」の反対の声を押し切って強行しようとしてきた。しかし移送制度は全国でもまだ数例しか実施できていないという現状である。そして遂にこの日「病者」を先頭に怒りのデモが開始されたのだ。
 さらにこの日のデモは、今ひとつ許せない攻撃である法務省と厚生労働省が合同で画策する「重大な犯罪を犯した精神障害者対策」と称する保安処分制度新設検討会の一月二十九日開始に弾劾をたたきつけた。
 日帝の狙う保安処分新設とは、「再犯のおそれがなくなるまで」と称してさしあたっては「病者」への強制入院と拘禁を医療的判断をはぎとり、治安対策上からその刑罰適用という司法判断に移行させた反動立法である。「被害者の人権を守れ」「精神障害ゆえの減免刑は許されない」「医者の退院判断は許されない」とキャンペーンしながら、社会のあらゆる所で「病気」と苦闘している「病者」総体への差別・抹殺をあおり立てる攻撃だ。しかも欧米帝並みの長期拘禁施設の建設や刑法改悪・改憲、闘う労働者人民への適用拡大も狙われている。「病者」差別への加担と分断攻撃を粉砕して反戦・反改憲闘争と結合した保安処分反対闘争の大高揚をかちとろう!

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週刊『前進』(2000号8面5)

泉佐野 国賀市議が市政報告会  市民が次々意見

 三月十八日、泉佐野市で「国賀祥司と語ろう会」主催で市政報告会が行われました(写真)。短い準備期間でしたが五十人の市民が集まったのは「空港関連事業の地元負担で泉佐野市が赤字再建団体寸前」という危機的状況への市民の不安と関心の高さだと思います。
 国賀議員はまず、市の財政破たんの危機にどう立ち向かうか問われた三月議会前半の報告を行いました。
 「市長の施政方針を厳しく追及し、赤字の原因が公債費(空港関連事業の借金)の増大にあることを認めさせ、市長はグーの音も出なかった」「予算案を、他の会派の議員と協力して否決に追い込んだ。こんなことは泉佐野始まって以来」と報告しました。
 さらに、空港関連事業の地元負担の多さこそ市の財政危機をつくり出した原因であり、本来国や府がやるべき事業であることを詳しく提起しました。赤字再建団体になれば、財政は国に管理され、国保料や保育料、下水道料金などが府下最高額まで上げられ、市職員も減らされ、行政サービスが削られることは不可避であること、責任が取れないなら市長は辞任すべきだと鮮明に提起しました。
 国賀議員は最後に、「月に平均十五件の生活相談があり、ほとんど解決している」と報告しました。
 参加した市民から次々意見・質問が出されました。
 「財政破局寸前なのに市長や理事者は責任感のないごまかしに終始し、市政を任せておけないと感じた。国賀議員は市政になくてはならない存在」「国賀さんと知り合って十二年。国賀さんはただ一人空港に反対し、環境も財政も空港で荒らされると一貫して言ってきた」「国賀さんの底力、雄弁さ、勉強の仕方は、われわれ支持者以上に他の市会議員がよく知っているのではないか」などの意見が出されました。
 最後に、「語ろう会」副会長が「来年は市議選です。今後も国賀議員を泉佐野市になくてはならぬ議員として育てていくために、皆さんのご協力をお願いします」と訴えました。
 初めての市政報告会でしたが、非常にタイムリーで中味の濃い報告会でした。
(投稿 労働者 T)

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週刊『前進』(2000号8面6)

新刊紹介 コミューン 5月号
 介護保険の破たん

 今号の特集は、発足から一年を経過した介護保険制度の現状を分析した。
 第一章は、この一年間に明らかになった介護切り捨ての恐るべき現状について暴露した。保険料と利用料負担の増大によるサービス利用の減退、施設サービスの低下などが、高齢者の介護を奪い、高齢者にどれほど悲惨な現状を強制しているかを明らかにしている。
 第二章は、介護保険制度の軸をなす民間介護企業の破たん的現実を明らかにするとともに、介護保険制度解体の闘いに激しい怒りをもって決起し始めた高齢者と家族、介護労働者の闘いの現状を明らかにした。とりわけ主体的に決起し始めた高齢者を先頭に、家族・介護労働者とも連携する新たな大衆運動の爆発を目指して前進する杉並の闘いの地平を紹介する。
 第三章は、介護保険が、社会保障制度の全面的解体攻撃の突破口として位置づけられていることを明らかにした。主要には昨年十月に出された『二十一世紀に向けての社会保障』という報告書の検討を通じて、日帝の「社会保障構造改革」なるものを批判している。
 特集の他に今号では環境問題を取りあげ、地球温暖化をめぐる帝国主義間争闘戦について分析した。帝国主義者の主張する「二酸化炭素ガスの排出増加を原因とする地球温暖化」説なるものが、新植民地主義体制諸国への抑圧政治であり、帝国主義の国益優先の環境外交の武器となっている点を暴露している。

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