ZENSHIN 2001/02/05(No1991
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週刊『前進』(1991号1面1)
教育改革粉砕・森政権打倒 KSD汚職・機密費疑惑追及を
石原都知事は自民党政治の先兵 けしば候補先頭に都議選勝利へ
米帝経済はバブル崩壊過程に突入した。二九年型世界大恐慌が切迫し、世界と日本は大激動情勢に入った。こうした中で登場した米帝ブッシュ政権は、一方で国内融和を唱えつつ、結局は争闘戦激化政策、大軍拡路線、戦争政策を繰り広げていく。日帝・森政権は経済恐慌に震撼(しんかん)しつつ、対米争闘戦に打ち勝つために教育改革攻撃、改憲=戦争国家化攻撃と一大資本攻勢を全面化させている。全力で反撃しなければならない。四党合意を絶対に粉砕し、国鉄決戦に勝利しよう。また米兵犯罪に対する沖縄人民の怒りの決起と連帯し、名護新基地建設阻止闘争に勝利しよう。今年前半の最大の決戦である都議選決戦の勝利へ全力で闘おう。
第1章 ブッシュ政権の登場で戦争政策が激化へ
一月十七日に米連邦準備制度理事会(FRB)は、昨年十二月の米鉱工業生産指数を発表した。一九九二年を一〇〇として前月比〇・六%低下の一四七・三。年率換算では前期比一・一%低下となり、九一年一−三月期以来約十年ぶりのマイナスに転じた。十二月の生産指数は耐久財も非耐久財も低下し、製造業は大幅に下落。設備稼働率も〇・八%低下し八〇・六%になった。また企業業績も悪化し、昨年末鉄鋼メーカーのLTVや大手小売りのモントゴメリー・ワードが破産を申請、昨年十二月の解雇者数は、十一月の三倍の約十三万四千人に上り、九三年以来の最高水準になった。いずれもバブル崩壊の経済指標である。
さらにネットバブルが崩壊した。ナスダック店頭市場の総合指数は九八年十月が一六〇〇ポイント、昨年三月には五〇〇〇ポイントの大台を突破、それが昨年四月の最大幅の暴落以来、今年一月にはほぼ半分の二六四〇ポイントに落ち込んだ。ITでハイテク業界主導の急成長が継続するという神話は崩壊した。
一月二十日に発足したブッシュ新政権は、深刻な国内の政治的分裂を背負い、米帝バブルの崩壊の中で成立した政権である。
「自由に敵対し、米国に敵対する勢力は誤解してはならない。米国は世界に関与し続ける」「侵略と悪意に対しては、断固として戦う」とクリントン外交政策を継承しつつさらに強硬な外交姿勢を明らかにした。
ラムズフェルド国防長官は「米本土だけではなく、同盟国や友好国を防衛する能力を達成する」と、ロシアや欧州の反対を無視して米本土ミサイル防衛網(NMD)と戦域ミサイル防衛網(TMD)構想の推進を打ち出し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約は今の国際環境にそぐわないと一方的に破棄しようとしている。そのために国防費を増やし、大軍拡に乗り出そうとしている。
そして対アジア、対日政策では「アジアにおける日本との関係は米国外交の基礎だ」と日米同盟の強化を明確に打ち出し、アジアの安定にとって肝要なのは日米関係であること、中国は戦略的な「競争相手」として対応すること、対北朝鮮政策を全面的に見直すことなどを掲げた。
一月十六日発表の米国防報告は、これまで明記していた東アジアにおける「米軍十万人の兵力維持」の記述を削除し、「高度な能力を持つかなりの軍事力を維持する」と将来の兵力構成の見直しを示唆した。
これらは国務副長官に就任したアーミテージらが昨年十月に発表した「米国家戦略研究所日米関係特別報告」(『コミューン』三月号に訳文掲載予定)の内容を具体化するものである。
この特別報告は、まず、「米国は日本及び尖閣列島(中国領釣魚台)を含むその施政下の地域を防衛する約束を再確認すべき」としている。これはきわめて重大な踏み切りである。そして、対日要求として集団的自衛権を認めること、PKO参加への制約(PKF凍結)撤廃、新安保ガイドラインで決められた水準を超える共同作戦への参加を主張している。さらに沖縄米軍基地の戦略的重要性を再確認している。
米帝の側からの日米同盟強化は、米帝のアジア支配に日帝を極限まで動員することを求めるものだ。それは同時に対日争闘戦である。つまり、米帝ブッシュは、前政権以来の対中政策との本質的連続性をもちつつも、中国スターリン主義の体制的転覆という基本線をより強く前面化させ、そこに日帝を同盟国として引きつけるとともに、その戦争重圧−中国・朝鮮侵略戦争発動の力をもって日帝のアジア勢力圏化を絶対阻止するとしているのである。
それは日帝の改憲を突破口とする対米対抗的な独自の軍事大国化、独自の侵略帝国主義化、核武装化−アジア勢力圏化への衝動を、米帝の思惑を超えて一挙に解き放つことにつながる。
改憲阻止闘争はいよいよ重大な決戦局面を迎えた。
第2章 KSD汚職は日帝の構造的な不正と腐敗
米帝のバブル崩壊は日帝経済を直撃している。金融危機、企業の倒産激発などが避けられず、日帝は年度末の決算期に向かって震撼している。
こうした中で森政権は、一月六日、一府十二省庁体制を発足させた。これは行革リストラ攻撃の本格的始動である。同時に日帝は一月三十一日召集の通常国会に向けて、@教育改革、A有事立法、B土地収用法改悪、CPKF凍結解除、D公務員制度改革、EJR完全民営化法、F沖縄名護新基地建設、G国籍法改定(簡易帰化制度の抜本的改変によって在日朝鮮人・中国人に日本国籍強要を狙う法案)の諸攻撃に全力で打って出ている。
特にわれわれは、改憲攻撃の環である教育改革攻撃を最大の決戦として位置づけて今国会闘争を闘い、森政権打倒に総決起する。
こうした中で「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)と自民党・政界との汚職事件が発覚した。昨年十一月のKSDの小関忠男前理事長の逮捕に始まり、今年一月十六日の小山孝雄参院議員の逮捕、前日十五日の村上正邦自民党参院議員会長の辞任、一月二十三日の額賀福志郎経済財政担当相の辞任にまで事態が進んでいる。
(1)KSDはもともと、労働省労働基準監督官だった古関が労災保険の対象にならない中小企業主たちをめぐる労災保険制度の矛盾を悪用して立ち上げた共済組合である。
古関は中小企業の人手不足を解消するために「外国人研修生受け入れ機関」の設立を提案し、実現のために政治的圧力が必要だとKSDの関連政治団体「豊明会中小企業政治連盟」を九〇年に設立した。九一年五月に五十人を超える国会議員を招いて総決起大会を開き関係省庁に陳情、同年十二月、申請からわずか一週間で財団法人「中小企業国際人材育成事業団」(アイム・ジャパン)が労働省から許可を受けた。
KSDは九二年の参院選挙では村上の自民党・名簿順位を上げるためにKSD関連組織をフル動員して百万人の署名を集めた。名簿三位で当選した村上は労働大臣に就任。九五年の参院選挙では村上の秘書だった小山を支援して三十万人の署名を集めた。自民党員名簿十二万人分四億八千万円の党費を肩代わりした。
(2)この見返りとして小山は「アイム・ジャパン」の外国人研修生の滞在期間を二年から三年への延長を求める国会質問を九五年十一月と九六年四月に行い、それまでの法務省の消極姿勢から積極姿勢を引き出した。古関はその直後に小山に二千万円を渡した。
九七年四月、法務・労働両省が外国人滞在技能実習生の滞在期間を二年から三年に延長することを告示した。この結果、アイムが受け入れた外国人実習生が激増し(九六年約三千人台から九七年約五千人台)、アイムの業績も好転した。
KSDは、小山に二千万円を渡した時期、村上に五千万円を渡した。村上は研修生の滞在期間延長問題についても働きかけると同時に、九六年六月、「ものつくり大学」設置を推進するための「国際技能工芸大学設立推進議員連盟」会長に就任。九九年十一月には村上、小山、亀井静香自民党政調会長、KSD側、労働省側の三者が朝食会を開き、「ものつくり大学」への国家財政からの補助金増額を要請し、約二十億円の補助金増額が認められた。
(3)他方で古関は九〇年代半ば以降、「これからは衆議院議員の時代」と、衆院への影響力の拡大を画策し、橋本派のホープとされる額賀に接近した。九九年十一月と昨年四月の二回、KSD側から五百万円と一千万円を額賀に渡した。昨年一月、当時官房副長官であった額賀は、小渕首相(当時)と示し合わせての施政方針演説に「ものつくり大学の推進」の文言を入れたと見られている。
九八年二月にKSDが開催した「中小企業総決起大会」(四万五千人)に当時の橋本首相が出席して「ものつくり大学推進」の演説を行い、これが構想具体化の決定的な契機になった。
KSDから「補助金」の名目で豊明会へ流された金は年間三十億円。そこから自民党側に渡った金の総額は十七億から二十億円。村上・小山に党費十四億円(九二年から九八年まで)余りを肩代わりしたほか、使途不明の巨額の賄賂が多数の政治家に渡った。
(4)日帝は、国家総ぐるみの資本救済・総額人件費削減の一環としてアジア侵略−アジア人労働者動員を推進し、特に中小企業対策としてアジア人労働者導入政策の強化を九〇年代初めから政策化しようとしてきていた。中小企業を食い物にしてきた古関がその先頭に立ち、村上・小山らを金で議員に当選させ、村上ら自民党がこれを外国人労働者の移入という方向で全面的に政策化した。
昨年三月に発表された第二次入管基本計画は、労働力の減少問題に対応して「外国人労働力の移入」を打ち出し、また一月十二日に発表された日経連労働問題研究委員会報告でも「雇用の多様化」として「外国人労働力の移入」を打ち出している。
(5)そうした政策の突破口を開いたのが小山の国会質問であり、この中軸に超反動人物である自民党の村上が存在したのである。村上は改憲派の柱であり、靖国神社護持を推進し、教育勅語を礼賛する教育改革論者であり、有事立法の先兵である。そしてまた村上は永住外国人に対する参政権法案に反対し、日本国籍強要の急先鋒として在日朝鮮人・中国人抹殺攻撃の先頭に立っている人物だ。これが日帝のアジア勢力圏化・アジア人労働者導入という゛現代の強制連行″の最先頭に立っているのである。
まさに自民党に流された巨額の金は零細中小企業から搾り取った金なのだ。しかも文字どおりアジア人民の血を吸い上げた金なのである。自民党そのものが、KSDという巨大な政治資金集金システムを中小企業を食い物にしてつくり上げたのだ。それは膨大な数の中小企業労働者、アジア人労働者の搾取と収奪の上に成り立っている。このKSD汚職=自民党政治を絶対に許すことはできない。
さらに官房機密費および外交機密費の横領問題が超重要である。外務省には年間五十五億七千万円の外交機密費があるが、その約三分の一の約二十億円が年間十六億円の官房機密費に「上納」されていることが明らかになった。官房機密費は官房長官の裁量で自由に使える。外務省元室長の機密費横領問題は「個人疑惑問題」ではなく、野中や村岡、福田などの歴代官房長官の機密費をめぐる責任問題である。この機密費そのものの疑惑の実態も徹底的に追及しよう。
第3章 杉並山田行革と学校給食の民間委託反対
一月三十一日から通常国会が始まる。改憲に向かった反動法案が続出してくる。それにKSD汚職、機密費疑惑などをめぐる政治的大激動が重なり、経済危機がさらに深まり、戦争と大失業時代が進み、六月都議選、七月参院選に向かって情勢はかつてなく激動化する。都議選は今年前半の最大の決戦だ。けしば誠一氏の当選をかちとることは絶対的な人民の要求になっている。「森政権打倒! 石原都政打倒! 改憲阻止! 教育改革攻撃粉砕!」を掲げて総決起しよう。
杉並区では学校給食の民間委託をめぐって区民の阻止運動が高揚している。昨年十一月、杉並区教育委員会は民間委託の「来年度四月実施」を打ち出した。これまでPTAを始め多くの区民と学校給食にかかわる労働者、教員からは民間委託への不安や反対の声が上がり、区議会でも父母・区民の「拙速に決めないで」という請願・陳情を採択し、区・教育委員会は「保護者の理解が得られなければ民間委託は実施しない」と表明していたのだ。これは教育委員会による区民や父母、給食労働者へのだまし討ちである。
山田区長は「利潤第一」の資本の論理を学校給食に導入し、「民間委託は安上がり」と不安定雇用を拡大しようとしている。労働者をパート化し劣悪な労働条件に置くことや、食材も参入企業に頼ることは給食の安全性を損なうことになる。これは山田の「スマート杉並計画」という一千人の大リストラ計画の中軸であり、学校給食や教育・福祉の現場から区職員をなくす攻撃であり、その切り捨てを狙うものである。
日帝は国家公務員、地方公務員の全面的な大リストラ攻撃をかけてきている。給食民間委託との闘いは自治体行革との決戦場だ。杉並の区民・区職労働者と連帯して闘い抜こう。
さらに介護保険絶対廃止へ闘いを強化しよう。
「石原都政にノー」を真正面から掲げて闘い抜こう。反米国粋主義と反中国・反北朝鮮の排外主義をあおり、「東京から日本を変える」と叫び、改憲=戦争国家化攻撃と教育改革攻撃を、都政の場で全面化している。排外主義をあおりたてた九・三自衛隊の治安出動訓練、都職員へのリストラ、賃下げの攻撃、戦前型道徳教育・愛国心教育を復活させる「心の東京革命」と国立市を始めとする教育労働者への攻撃、一連の福祉切り捨ての攻撃、外形標準課税を突破口とし環境対策などを口実にする大増税攻撃、三環状線の道路建設を柱とする「東京構想二〇〇〇」という東京の軍都づくり、ゼネコン行政、ディーゼル規制というペテンの環境破壊攻撃、環境保護の住民運動破壊の攻撃などの石原都政と全面的に対決し、「石原都政にノー」をたたきつけよう。
国労をめぐる闘いは今年の階級決戦の行方を決める最重要の決戦である。チャレンジ、上村革同、東京地本・酒田らの大裏切りと転向を粉砕し、あくまで四党合意撤回、闘争団防衛、国労の戦闘的再生に向けて闘って闘って闘いぬこう。
国労を破壊することで自分たちだけが生き延びようとした黒田=松崎=カクマルのJR総連路線が大破産して、黒田・カクマルと松崎・JR総連に分裂し、非和解的に対立が進行している。今こそ黒田・カクマルを打倒し、JR総連とファシスト労働運動を解体する絶好機が到来した。
日経連の春闘解体、賃金交渉圧殺の攻撃に対して「資本主義にノー」の立場に立ちきった原則的な賃金闘争を復権しよう。今春闘を闘い抜き、新潮流運動の飛躍をかちとろう。全国で「日の丸・君が代」反対の闘いを爆発させよう。
三里塚反対同盟は土地収用法改悪攻撃との対決の先頭に立って国会闘争を呼びかけている。これにこたえ国会闘争に立とう。
迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘い抜く四同志への超長期勾留と拷問的な獄中弾圧を粉砕し、保釈奪還のための十万人署名運動を推進しよう。
機関紙拡大闘争、財政闘争、党員倍増の闘いを意識的計画的に前進させよう。
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週刊『前進』(1991号1面2)
国労大会決戦へ闘いが前進 四党合意は断じて認めぬ
闘争団先頭に集会や座り込み
国労闘争団は、一・二七国労続開大会に向けて連日の行動を展開してきた。
北海道、九州闘争団は、一月半ばに「四党合意」の「棚上げ」を求める意見書を国労本部に提出した。二十三日、闘争団はこれへの回答を求めて国労本部に押しかけた。対応した鈴木、新井中執は、「闘争団の意見書は中執会議で議題にもなっていない」などという不誠実な答えに終始した。
“機動隊導入はやめろ!”
翌二十四日、二十六闘争団・有志は厚生労働省で記者会見し、「JRの不当労働行為責任を最後まで追及し、解雇撤回・地元JR復帰まで闘いぬく決意表明」を発表した。決意表明は、「続開大会は、機動隊まで導入する異常な警備体制のもと、傍聴者を制限し、共闘やマスコミ関係者もシャットアウトして開催される模様である。組合員はもとより支援者や世論に背を向けてまで、ごり押ししようとする本部の姿勢は許されない。私たちは、『四党合意』の承認は絶対に行わないよう、大会代議員とすべての国労組合員の良心に最後まで訴え続ける。また、続開大会がいかなる結果になろうとも、JRの不当労働行為責任の追及と解雇撤回・地元JR復帰の解決要求を決して放棄せず、最後の最後まで闘い抜く決意を表明する」と述べている。
さらにこの日、闘争団は社民党各議員に対して、機動隊に守られた大会に社会文化会館を貸すなという要請行動を行った。
同日、厚生労働省記者会は、マスコミ排除の非民主的大会運営を批判する要望書を国労本部に提出した。
二十五日には、二十六闘争団・有志が国労本部に赴き、「四党合意」を棚上げし、支援・マスコミの排除、機動隊の導入はやめるよう再度要求した。不誠実な対応を繰り返す宮坂書記長や寺内北海道エリア委員長、田口九州エリア書記長への追及が続いた。
また、闘争団全国連絡会議は二十二日から国土交通省前での座り込みに入った。昨年末、闘争団全国連絡会議は解雇撤回・不当労働行為是正を軸とする解決要求を運輸省、労働省に突き付けた。この絶対に譲れない要求を掲げての闘いが、寒風の中で連日貫かれてきた。
闘争団の解決要求実現へ
こうした中で、国鉄闘争の千四十七人闘争としての発展も切り開かれている。
一月二十四日、労働スクエア東京で「JRに法的責任あり! ILO二次勧告は誤りだ! 闘争団の解決要求実現をめざす集会」が、「4党合意NO! 働く者の人権は譲らない行動ネットワーク」の主催で開かれた。会場を埋めた闘争団を始めとする国労組合員や支援の労働者五百人は、一・二七国労続開大会での「四党合意」強行を絶対に阻止する決意と態勢を打ち固めた。
集会では、機動隊を導入し組合員を排除した大会の開催そのものを許してはならないという怒りの声が噴出した。
集会が熱気を帯びる中、二十一人の国労闘争団員と動労千葉争議団、全動労争議団の労働者が登壇した。闘争団員一人ひとりが紹介され、九州闘争団の労働者が発言した。
「本部は十月大会後、闘争団の理解を得られるように環境整備をすると言ったが、何もなされていない。この時期に立ち上がらないと、国労が国労でなくなってしまう」
「闘争団は、四党合意を棚上げするよう本部に文書で要求した。きのう回答を聞きに行ったが、対応した鈴木中執は『闘争団の意見書は十七日の中執会議では議題にも出なかった』と説明した。私たちの気持ちが机の上に放置されたままになっている。明日以降、本部と交渉し、四党合意は横に置くよう要求する」
この訴えに、参加者はともに闘う熱い決意を込めて拍手を送った。
動労千葉争議団の労働者は、「四党合意は千四十七人の闘い、国労と動労千葉をつぶす大陰謀だ。なんとしても四党合意をつぶさなければならない」と訴え、「闘いの最大の障害となっていたJRとJR総連の結託体制が崩れ始めた。JR総連カクマルとカクマル本体が醜い分裂・抗争をしている。JRに闘う労働組合を構築したい」と宣言した。東労組に見切りをつけた労働者が動労千葉に加入したことを報告すると、大きな拍手が送られた。
最後に、「闘争団の家族が『私たちの運命を勝手に決めないで下さい』と訴えた言葉が今も心に残っている。その立場で闘いたい」と、国労闘争団に熱い連帯の言葉を投げかけた。
さらに、全動労争議団の労働者が「千四十七人が納得できる解決を」と訴えた。この集会は、千四十七人の当該労組が初めて一堂に会する場ともなった。
闘ってこそ活路が開ける
集会主催者からは「闘争団を敵に差し出す四党合意は絶対許してはならない。続開大会をつぶしてしまおう」という訴えがなされた。
労働法学者の佐藤昭夫さんは「最も積極的に闘ったために首を切られたのは名誉なことだ。だが、ここで屈服すれば名誉は消え去る。闘うことで名誉と尊厳は守られる」と強調した。
JR東日本一株株主会の山口孝さんは「魂まで政府に売ってしまっていいのか」と四党合意を弾劾し、「新たな闘いの芽が出てきている。千四十七人の中には全動労や千葉動労もいる。千四十七人がぜひ団結してほしい」と訴えた。
ジャーナリストの立山学さんは「四党合意を大会で決めるのは、国労が自民党と心中することだ。四党合意を進める革同右派は、自民党の学校に変わってしまった」と舌鋒(ぜっぽう)鋭く弾劾した。
作家の宮崎学さんも「当事者は闘争団だ。本部は勝てる闘いを投げ捨てている。闘わなければ活路は開けない」と訴えた。
東京清掃労組の代表は「闘争団、組合員の声を無視して四党合意を決めるのは、支援として看過できない。本部は三回の大会を真摯(しんし)に総括し、一・二七続開大会は開催すべきではない」と発言した。
さらに、国労高崎地本の組合員が「本来、闘う地本として手を組むべき東京地本の執行部が闘争団や高崎地本を罵倒(ばとう)し、機動隊の制圧のもとで大会を強行しようとしている。高崎地本は全国の闘う組合員の先頭で闘う」と決意を述べた。
集会の最後に北海道闘争団の労働者の音頭で団結ガンバローを行った。
こうして、続開大会決戦勝利に向け、闘争団を先頭に連日、総力を挙げた闘いが展開されたのだ。
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週刊『前進』(1991号2面1)
「会社を守る」と誓うJR総連松崎打倒を
『解放』はなぜ「ダラ幹」の親玉松崎明を弾劾できないのか!?
黒田=松崎路線の破産と大分裂
黒田・カクマルとJR総連カクマルの対立・分裂・抗争が一層激化している。JR総連カクマルの頭目である松崎明(JR東労組会長)が、昨年十二月九日のJR東労組全支部委員長会議で、ついに「カクマルと完全に手を切った」と公言するに至った(前号2面に要旨掲載)。一方で、黒田カクマルは「JR総連本部執行部を階級敵と断罪し、打倒する」との「戦闘宣言」(十二月八日)を出した。黒田と松崎の全面的対立・抗争が不可逆的に進行していることはいよいよ明白だ。この醜悪な対立・抗争は、国鉄分割・民営化攻撃の先兵化という黒田=松崎路線が全面的に破綻(はたん)し、ファシストどもの大分裂が始まったことを示している。ファシスト・カクマルを打倒し、JR総連を解体し、国鉄戦線を先頭に日本階級闘争の大高揚を実現する決定的なチャンスが到来しているのである。
「カクマルと手を切った」と誓約し全面離反に走る
松崎は、九九年末からカクマルとJR総連の対立劇が表面化して以来ほぼ一年の“沈黙゜を破り、十二・九講演で「私は、かつてカクマルの活動をやっていたことがあるが、今は、完全に手を切っている」と公言し、「カクマルの攻撃から会社を守る」と宣言した。
松崎は、自分は「ブルジョアに染まった組織の裏切り者」「一時期であっても(カクマルに)関わりを持ったことを恥と思っている」と、権力と資本に宣誓している。そして、「万が一にも、私が彼ら(カクマル)の軍門に下るようなことがあれば、私は皆さんの前から消える」と、カクマルに戻ることは絶対にないと誓っている。
これは、松崎を先頭としたJR総連カクマルが党派としてのカクマルを足げにし、丸ごと集団離脱・脱党したということである。松崎が、権力と支配階級の恫喝によって追いつめられ、カクマルとの関係を完全に清算することに踏み切ったということである。
そのために松崎は、「JR東日本は、日本中の鉄道の中枢を担っている会社である。それを、カクマルにいいようにされないためにも頑張る必要がある」と誓っているのである。
カクマルの反革命通信『解放』一六五二号(一月二十二日付)で吉田某は、JR東労組の「ダラ幹」どもは、「権力の意を体したJR東日本経営陣から、『革マル派と絶縁し、対決』することを迫られ……会社当局の恫喝に縮み上がり・屈服して生き延びるという官僚的自己保身の道を選び取った」と言っている(吉田にそんなことを言う資格はない!)が、まさにJR総連カクマルは、権力・資本に全面屈服し、大資本攻勢の先頭を行くJR東・大塚体制の「ニューフロンティア21」をのんで延命しようとしているのだ。
こうした中で、松崎は、JR総連に反発して九一年前後からカクマル内で発生した「資本との対決」主義=「賃プロ」問題以後のカクマルとのねじれた関係を完全に明確にしなければやっていけないと決断したのだ。JR総連(松崎)が、九州労集団脱退・JR連合への「なだれ込み」という無責任な方針を強行したのは、カクマルとの対決を明確な形で提示すること、それによって権力・資本への全面的な忠誠を具体的な形で示すということだった。
カクマルが必死に「抵抗」
そうして松崎はJR会社法改定=「完全民営化法」を通常国会で成立させ、完全民間会社となったJR東日本の中で新たな癒着・結託関係を形成しようとあがいている。だがその先には何の展望もないのだ。
これに対してカクマルは、「党内闘争」と称してJR総連から切り捨てられることに必死に抵抗した。しかし、九州労問題があまりにも激烈で、カクマルにとっては寝耳に水であったことから、黒田が「テロ宣言」を発し、坂入拉致・監禁という前後の見境もない「作戦」に突入した。
他方で、JR総連は、権力への告発に突入し(だが権力はカクマルを追及しない方針!)、これ見よがしに「指名手配ビラ」をまき、「カクマルはオウムと同じ反社会的集団」とキャンペーンした。
追いつめられたカクマルは、十二・八「戦闘宣言」(『解放』一六四九号)を出さざるをえなくなった。カクマルは、JR総連側の三度の告発・告訴をもって「JR総連は階級敵」となったと規定し、「JR総連労働運動の終焉」「本部執行部打倒」を宣言した。にもかかわらずカクマルは、『解放』新年号(一六五〇号)以降も、依然として松崎を直接的に断罪・弾劾していないのだ。
また、JR東労組の『緑の風』新年号に登場したJR総連委員長・小田を、カクマルは『解放』一六五一号で、「小田は見る影もなくやつれている」として、もっぱら小田のみをやり玉に挙げている。一方、この『緑の風』は十二・八|九全支部委員長会議を報道しているが、そこでの松崎講演には一切触れていない。
カクマルは、松崎発言が公然と打ち出されていないことに内心、胸をなで下ろし、松崎問題に触れないままに、JR総連を「階級敵」と断罪しているのだ。
また、カクマルは、「反党陰謀分子による九州労組合員の養殖組合への“なだれ込み゜策動を、わが同盟は、最終的に打ち砕いた」(『解放』一六五一号)と、JR九州労組(JR連合)が加入申請を拒否したことを、カクマルの勝利のように確認している。その上で、JR総連に足場をなくしたカクマルのJR労働運動の方針らしきものを出そうとしている。カクマルを排除したJR総連の存在を(「階級敵」と言いながら!)認めて対応していくしかないということだ。
「JR東労組ダラ幹」とは松崎のことではないのか
カクマルはこの間、『主張』でも『進撃』でも、九九年までの松崎講演を持ち上げ、松崎がカクマルの側に立って「ダラ幹」を批判しているかのように装ってきた。『解放』の吉田論文では「JR東労組のダラ幹」を弾劾しているが、その「ダラ幹」のトップにいるのが会長の松崎ではないのか。委員長以下の「ダラ幹」どもが、会長に背いて裏切っているとでも言うのか。それなら、そうはっきり言えばいいのだ。
だが、このように松崎弾劾を避けているのはなぜか。黒田が二重の意味で卑劣だということである。
一つは、松崎を徹底的に弾劾する運動に突入してしまったら、再び「賃プロ」問題の時のように、カクマル組織全体の危機が爆発してしまうという恐怖が黒田にはあるということだ。
九一|九二年には、それを「カクマル組織にもぐりこんだ、カクマルではない賃プロ主義者という特異な人物のせいだ」ということを言ってのりきったが、今度はそうはいかない。「賃プロ」をあおったのも、それを克服する運動として「松崎こそがカクマルの労働者的本質」であることを確認せよと強制したのも黒田である。
したがって、黒田自身の責任問題に直結し、黒田神話が崩壊するという問題である。これがもう一つの問題だ。それは、カクマルの原点(存在理由)の崩壊に等しいのである。革共同からの脱落・逃亡とカクマル創成それ自体の完全な誤りと全面破産を認めることになるのだ。それは、黒田や松崎の中枢分裂にとどまらない、カクマル組織の全面破綻に直結する。すでにそうしたことが開始されているのだ。
だからこそ、松崎が率いるJR総連を弾劾しながら、松崎については一言も語らないのだ。松崎問題こそがカクマルの致命的な弱点なのである。
“最近までカクマルだった”
他方で、松崎・JR総連の側も『緑の風』などで松崎講演を打ち出せないのはなぜか。これもやはり、できないのである。あまりに露骨に松崎講演をキャンペーンすれば、つい昨日まで松崎がカクマルそのものとしてやってきた反革命的悪行の数々が生々しく突き出されるからだ。
松崎は、公式には“ずっと前にカクマルをやめた゜と内外に説明してきた。しかし、それが真っ赤なウソであったということを今回の松崎講演は自己暴露しているのだ。
松崎は、カクマルが「私を組織に止めておけば、資金の提供も十分にしてもらえると思っている」と言っている。つい最近まで松崎は、カクマルに対して「十分な資金の提供」を行ってきたということである。さらに、カクマルは「一度でも組織に入った者は逃がさない連中」だと証言している。これは、松崎が“平和的゜にカクマルをやめたという、これまでの説明がウソであったことの自認である。「今度は本当にやめた」とどんなに誓っても、それ自身が「まゆつば」となるような形で、これまでのウソを自分で暴いているのだ。
いずれにしても、松崎こそ、カクマルにとって「最大の裏切り者」なのだ。坂入などを拉致しても、何も打開できないことは分かり切ったことだ。弾劾すべきは松崎なのだ。しかし、それをやると、カクマル組織は手がつけられなくなる。カクマルは哀れにも、松崎は身方であるかのように装いながら、JR総連を弾劾し続けるしかない。
だが、こういう状態をいつまで続けられるのか。絶対に続けられないのだ。
“国鉄分割民営化の先兵”この原罪は断じて消えぬ
今や「左翼の仮面」の維持もままならぬ黒田カクマルと、権力・資本に最後的に屈服し、「左翼の仮面」も公然と捨てて、文字どおりの権力・資本の先兵として生き延びようとしている松崎・JR総連カクマルが、いずれも醜悪な延命策をめぐってのたうちまわっている。
カクマルは最近、松崎問題を隠ぺいしながら、インチキにも、JR総連が労資協調路線に転落したことを「左」から批判していく方向を出そうとしている。だが、そんなペテンは誰にも通用しない。労使結託で合理化の先兵になってきたのがカクマルだからだ。
「JR東日本の一万人要員削減攻撃に反撃せよ」と叫ぶカクマル吉田論文でも、「『シニア協定』によって一定程度の労働条件の改善をかちとった」というJR東労組の主張を容認している。JR東労組の「必要な効率化は進める」という方針も容認しているのだ。「シニア協定」こそ、鉄道業務の全面外注化を進め、鉄道業務の体系を一変させてでも資本の生き残りを策す攻撃の突破口ではないか! “「シニア協定」は労働条件の改善だが、「ニューフロンティア21」は問題だ゜などというのはペテンなのだ。
また、カクマルは、JR総連が突然、労働者の敵に転落したかのように言っているが、最初から労働者階級に敵対し、カクマルと権力の合作によってつくり出されたのがJR総連である。
国鉄分割・民営化は労働者のためだったのか。国労・動労千葉を攻撃し、総評を解体したのは、労働運動の戦闘的な展開のためだったのか。これらはすべて黒田の「組織現実論」を松崎が最も忠実に実践し、カクマル組織の保身と延命(反革命的目的)のために他労組への解体攻撃を推進し、労働者に犠牲を強要したものなのだ。
他方、JR総連がカクマルと決別したら、ファシスト労働運動ではなくなり、まともな労働組合になるのか。否、これもインチキである。松崎は、カクマルとしてやってきたことを何ら自己批判していない。カクマルとしてやってきた国鉄分割・民営化推進路線を、完全民営化=第二の分割・民営化攻撃の先兵となって貫こうとしているのだ。
松崎の「会社を守る」「日本の鉄道の中枢・JR東日本を守る」という宣言は、戦争協力・改憲にまで全面的に突き進むということの表明にほかならない。国家を守るために闘う、帝国主義の先兵として侵略でも何でもやるということなのだ。産業報国思想そのものである。この松崎のファシスト労働運動に対して今こそ断を下そう。
この間の革共同と、動労千葉や国労の戦闘的労働者の原則的闘いこそが、カクマルの全面的破綻・分裂情勢をつくり出したのだ。
松崎=JR総連カクマルは、カクマルを切り捨てて権力への忠誠を誓い、より凶悪な反労働者的な、権力・資本の手先として労働者に襲いかかろうとしている。だが、カクマルの白色テロを背後に持っていたことによって権力・当局とのこれまでの関係は成立していた。カクマルとの関係を「整理」したということは、結局、松崎は権力と資本のみじめな手先になるしかない。文字どおり「会長は過去の人」になるのだ。
今こそ、闘う国鉄労働者は、分裂・抗争を激化させるファシストどもの最後の延命策を断ち切り、カクマルを打倒し、JR総連を解体し、すべての組合員を松崎の支配から解放し、積極的・変革的に獲得しよう。
一・二七国労続開大会決戦から国労の階級的再生をかちとろう。そして千四十七人闘争勝利、JR総連解体、春闘勝利、全面外注化阻止へ、動労千葉の大ストライキを先頭に闘おう。
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週刊『前進』(1991号2面2)
資料 松崎の15年間の反革命的語録 ”スト絶滅が私の使命”
「カクマルと手を切った」と誓約した松崎明は、一九八七年の国鉄分割・民営化の直前から「カクマルをやめた」と公言し、JR資本との結託体制のもとで悪行の限りを尽くしてきた。その約十五年間の反革命的発言の数々を以下に暴く。
●自民党機関紙『自由新報』で“転向゜表明(86年4月)
「私自身、かつて革マルに属していたことを否定するつもりはない。しかし、いまは、そうではないということも、はっきりさせておきたい」
●元警視総監・秦野章とテレビ対談(87年2月)
「本来(列車を)走らせるのが本職なんですから、止めるのが仕事であってはいけない。……スト・順法はやりませんと宣言しましたら、あいつは変節漢だ、堕落している、走狗になったと、国労の皆さんや共産党からね、さんざんたたかれましたよ」(秦野からは「同志だ」「よく変節した」と言われる)
●勝共連合機関紙『世界日報』で「スト撲滅が使命」と宣言(87年2月)
「社会主義を目指すための労働運動……これは完全に間違っていた。これと決別する」
「核はだめだけれど自衛隊はいいという、そういう議論にはならない……自衛隊を認めるんだったら、核だって」
「ストライキをさせない、これは私の使命感ですね」
●JR東日本経営幹部に「妨害者を切れ」とけしかけ(87年6月)
「会社を黒字基調にするために、そのためにのみ闘う。こう決めているわけです。だから、妨害するものだったらだれとでも闘う」
●『世界日報』で「日の丸労働運動」提唱(87年7月)
「ヨーロッパとかアメリカに行くと、組合の委員長室に必ず国旗があるが、なぜ日本にはないんだ。おかしいじゃないか。……国旗(日の丸)を掲げないのが革新なのか……赤旗だけを掲げてきたのが革新だという錯覚から一早く脱却すべき時期に来ている」
●大東亜共栄圏を賛美(88年1月、東鉄労(JR東労組)『セミナー』)
「『大東亜共栄圏』という構想はそれ自身必要だった……円経済圏というのがたしかに法則的に必要だった」
●「78年にはカクマルだった」と証言(92年10月刊『鬼が撃つ』)
「一九七八年に『貨物安定輸送宣言を行ったとき、私は革マルだったと思う」「私は労組のリーダーとして生きようと思ったから、革マルと相いれなければ仕方ないという立場をそのとき明確にした」
●葛西攻撃はカクマルがやったと証言(94年8月、『宝島』)
「(葛西JR東海副社長〔当時〕の愛人スキャンダルを追跡取材したのはJR東海労組の有志かと問われ)ちがいますよ。あれはおそらく革マル系でしょう。私はそう思いますよ」「(葛西が)そういうことをやっておいてね、われわれが何らかの手段でその事実を明らかにしようと思うのは当たり前なんですよ」
「(何年に革マルをやめたのかと問われ)さあ、何年でしょうか。辞令が出ないのでよくわかりませんね。自分が勝手にやめただけのことですから」
●賃下げワークシェアリングなどの新たなファシスト労働運動を提唱(95年6月、仙台)
「自分の労働時間を半分にしてくれと要求をする。その代わり賃金は半分でいい……それは広い意味でのワークシェアリングだと思う」
「もっと失業者が登場していく時に、ナチズムが登場していく。好むと好まざるとにかかわらず、登場することになる」
●軍需生産も賛美、カクマルの「国労が亀井運輸大臣に秘密献金」デマ指示を自認(95年7月、水戸)
「資本主義を肯定する以上、その中でどうやって生きるか、みんなで労働を分配する。その代わり従来の賃上げはもう無理である」
「理想を食っていきていくわけにはいかない。だったら軍需生産でもなんでもやって、食っていくようにしなければしょうがないでしょう」
「運輸大臣が……金をもらっていろんなことをやらない方が良い。……あの人は私が元所属していたカクマルから、金をもらったのではないかと書かれているが、亀井さんは『松崎がそう言っているのでは』と言っているようだが、ふざけんじゃねえ」
●「山手線ガタガタに」と列車妨害を予告(95年12月、鹿児島)
「会社(JR東日本)が、よもや汚い金を受け取ったどこかの大明神(亀井)や葛西とつるんでわれわれを裏切るようなことがあれば、山手線はガタガタになるということを忘れてもらっては困る」
●反松崎の会社幹部を脅迫(96年3月、政経フォーラム)
「『松崎にいろんなところで牛耳られてなんだ。松崎なんていうのは過激派じゃないか、あいつは。あんな過激派と仲良くなって経営権の放棄ではないか』とこういうことを言わんばかりのことさんざん宣伝しているわけですな。あの人とあの人と。ほら、いるでしょう。我が社にもいるぜ。……あまり邪(よこしま)なことをいろいろなさると神様はお許しにならないんですよ」
●列車妨害で「国労が犯人」とデッチあげ(96年5月18日、我孫子)
「今の列車妨害、国労が絡んでいるとごく単純に思うでしょう。思いませんか。思わなかったら相当感性が悪いよ」
●列車妨害でカクマルの「謀略論」を支持(96年6月、JR総連大会)
「事件は権力の謀略部隊が引き起こしたとカクマルが書いている。誰も信じない謀略説を繰り返している。私は謀略説を採る」
●『JRの妖怪』の著者・小林峻一氏宅の窃盗をカクマルがやったと証言(96年7月、JR東労組東京地本大会)
「なんか小林某というフィクション作家の資料をカクマルが盗んだと言うんで、最近のうちにカクマルに五億ぐらいやって資料をもらおうかと思っている」
●「よその国より自分の国」と帝国主義を擁護(97年7月1日刊『まっつあんの寺子屋賃金ばなし』)
「資本は最大限の利潤を追及しなければならないといことになりますから、効率よく労働をやってくれ、ということになります。私たちはそれを是認します」
「資本が自分のところさえ儲(もう)かればいいというように、国も同じことが言えます。よその国よりも自分の国という法則があり、これは止められません」
●千四十七人闘争に敵対(99年9月、JR東労組工務職場大集会)
「(国労組合員は)三回、四回働く場を与えたのに拒否したんだから、それはそれなりにいろんな責任があるけれども、いつまでも迷っていてはいけないのではないですか」
「戦争を起こす準備はすべて完了しつつありますから、もう最後は三年先、憲法改悪です……今から先は真っ暗なわけです。真っ暗だということがよく見えている」
●骨身削る、ストはやらないと誓う(99年10月、横浜)
「私は命がけで国鉄改革をやってきた。十何年間ストライキもやらなかった。これからもやらない」
「日本経済が厳しい条件を迫られる時に、労使が骨身を削る時があってもいい。労働組合がわがまま勝手な要求をすればいいというものではない」
●労使関係の危機叫ぶ(99年11月、政策フォーラム)
「私たちはこの会社をつくってきた。だから、この会社の発展を妨害する連中とは徹底的にたたかう。当たり前のことでしょう」
「労使関係の危機です。大変な危機に陥っています。それは外部勢力からやられているわけです」
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週刊『前進』(1991号2面3)
資本攻勢&労働日誌 1月1日〜19日
●NTT労組ベア要求放棄
●JAM傘下で24時間スト
●中野、豊島など賃下げ提案
●1日 70歳以上に医療費1割自己負担させる改悪健保法が施行。
●5日 NTT労組は、今春闘でベア要求をしない方針を決めた。
◇連合が「連合21世紀宣言」を発表。「多様な働き方の保障を」と、不安定雇用攻撃に屈服。
●10日 政府・自民党は公務員制度改革で、身分保障を廃止する代わりにスト権など労働三権を回復させる改革原案をまとめた。
●11日 自動車総連は中央委員会を開き、「賃金カーブ維持分+ベア2000円中心」の要求案を確認した。昨年の「2%相当」を「賃金カーブ維持分」に変更した。
●12日 日経連は臨時総会を開いて春闘方針を決定、「労問研報告」を発表した。(表参照)
◇NTT労組のベア要求放棄について連合内でも批判が出ているが、連合の笹森事務局長は、「理解し、見守る」とこれを容認する発言を行った。
◇連合の職業紹介・人材派遣事業がスタート。全額出資の株式会社「ワークネット」が事業を運営。
●15日 JAM傘下のミツミユニオンの全組合員が、山形ミツミ鶴岡工場の閉鎖白紙撤回を要求し、全国9工場で24時間ストに突入。
◇JC(金属労協)は16日まで「2001年闘争中央討論集会」を開いた。電機連合は2002年から予定した隔年春闘について、賃金のみは当面毎年要求すると述べた。
●16日 中野区と豊島区は2001年度の職員賃金の削減をそれぞれの区職員労働組合に提案した。23区の職員賃金は、区長会と各区職労の委任を受けた特別区職員労働組合連合会(特区連)が統一交渉を行うのが慣例となっており、新年度の賃金も昨年末に妥結している。妥結後に区が独自に職員の賃金カットを提案するのはきわめて異例。両区職労、特区連は「ルール違反」と猛反発している。
◇鉄鋼労連は、一時金を企業業績によって自動的に決まる業績連動型で要求する方針を固めた。
◇内閣府の外郭団体である日本リサーチ総合研究所が発表した消費者心理調査によると、今後1年間に自分や家族が失業する不安を持っている人は66%で2カ月前から4ポイント悪化した。
●19日 NTT東日本とNTT西日本は全国の営業拠点の統廃合と人員削減の合理化案を前倒しして実施する。あわせて、人員削減数計画も6000人追加して当初の21000人から27000人とする。(日経)
◇墨田区も中野、豊島に次いで職員賃金の削減を区職労に提案。
◇東京商工リサーチが発表した2000年の全国企業倒産白書で、倒産企業の負債総額が前年比75.3%増の23兆8850億円に達し、戦後最悪の水準に。協栄生命保険、そごうなど大型倒産の連続が背景。
◇日本ビクターは現在20ある国内工場を13に統合して、従業員を1600人削減することになった。
2001年日経連「労問研報告」の反動的な特徴
●労働運動と団結破壊し、個別化攻撃
「労働条件一般について、それを横並びで決める時代は、20世紀で終わった」(奥田あいさつ)
●首切り・不安定雇用化の推進
「多様な雇用形態、あるいは就労形態を組み合わせる」(3章)
●年功賃金破壊し、成果主義賃金へ
「各人の成果にもとづく賃金・人事制度の構築・運用」(4章)
●教育、社会保障、税制改革を強調
「教育改革国民会議が提言する…一定期間の奉仕活動も意義がある」(5章)
「安易に公助に依存するのではなく…自助の徹底が重要」(6章)
●賃金闘争破壊し、賃下げ攻撃
「従来のような一律賃上げの水準を交渉することは意味がない」(7章)
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週刊『前進』(1991号3面1)
連合春闘方針 賃下げ攻撃に全面屈服
春闘解体の攻撃を打ち破り大幅一律賃上げ要求掲げストライキ武器に闘おう
一月十二日、日経連の労問研報告の発表と連合の中央闘争委員会開催により、二〇〇一年春闘は本番に突入した。日帝・資本の賃下げ=「賃金破壊」の攻撃に対して労働者階級の生きんがための死力を尽くした反撃が問われている。だが連合は、日帝に屈服し、危機の救済者として春闘解体・賃下げ攻撃の先兵となっている。連合路線を粉砕して「資本主義にノーと言える労働運動」の新しい潮流をつくり出し、大幅一律賃上げをかちとらなければならない。賃金闘争の革命的復権に向けて闘おう。
労働者階級を襲う「賃金破壊」の攻撃
日帝は、バブル崩壊と九七|九八年金融・経済恐慌以来、労働者階級に「賃金破壊」とも言うべき攻撃をしかけてきている。
労働省が実施している毎月勤労統計調査によると、九七年に物価上昇分を差し引いた実質賃金が対前年比マイナスに転落、その後九八年、九九年と二年連続で名目賃金(手取り額)までもがマイナスになった。
文字どおりの絶対的賃金の低下という戦後労働運動がかつて経験しなかった攻撃が吹き荒れているのだ。
しかも、中小私鉄のバス部門や松下電器系列の会社などのように、ベアゼロどころか、賃金を二割も三割もカットするような攻撃が始まっている。
この賃下げ攻撃は、労働者階級が戦後初めて直面する五%近い失業率と失業者三百万人以上という大失業攻撃を背景にしている。資本家は「賃下げがいやなら辞めろ。代わりはいくらでもいる」と言い、居丈高に賃下げ攻撃に出てきているのだ。(図1参照)
(調査対象が大企業なので実態以上の数字。「昇給」はベア以外の賃金増額を指し、定昇プラス昇格・昇進昇給からなる図は、問題はあるが賃下げ攻撃の現実を表す
労働力の商品化と賃金制度のもとでは、恐慌期には賃下げ圧力が働く。問題は、これに対して労働者階級が団結して闘えるかどうかである。労働者がばらばらに分断されていては、資本の意のままに賃下げ、生活破壊が行われる。恐慌期にこそ労働運動の原則的な闘いが問われるのだ。
「とくに、恐慌期、不況期には、露骨な賃下げ攻撃がしかけられてくるのですが、このときこそ、階級的団結を固めて抵抗しなければならないのです」(中山良介著『マルクス「賃金・価格・利潤」』一三五n)
ところが、連合はこの日帝・資本の賃下げ攻撃にぶざまに屈服している。一昨年春闘において連合は、賃上げ二・一四%で、定昇分二%をかろうじて上回ったとし、「実質賃金を確保した」と強弁した。しかし昨年春闘では、連合の統計でも賃上げ一・九七%となり、実質賃金を確保できなかったことを自認せざるをえない事態となった。
労働組合は「労働者の生活を少なくともまったくの奴隷状態以上に引き上げるような契約をかちとるために、このような競争をなくそうとして、またはできるかぎり制限しようとして自然発生的に生まれた」(マルクス「労働組合、その過去・現在・未来」)。現在の賃金さえ維持できない労組は組合員にとって意味がない。現に昨年夏の組合大会では下からの怒りと批判が噴出した。連合路線は今や危機に直面しているのだ。
連合の「定昇確保」は賃下げの容認だ
賃下げ攻撃に直面した連合は、昨年から「前段交渉で定昇確保した上で、ベア一%上積み」という二段階作戦で実質賃金を確保するとしているが、これは賃下げ容認路線である。
昨年の要求は、三十五歳の標準労働者の個別賃上げを主とし、平均賃上げ方式は例外としていたが、今年は要求の第一に純ベアの引き上げ率を据え、標労方式は二番目にし、「二段階作戦」をより鮮明にさせた。
では、この「二段階作戦」なるものに勝算はあるのか。まったく否だ。これこそが賃下げを率先して受け入れる裏切り路線そのものなのである。
戦後の労働運動は、敗戦直後の飢餓状態の中で「食える賃金をよこせ」という死活的な要求から出発し、「戦後革命期」と言われる激しい階級闘争のうねりをつくり出した。その後も日本の労働運動は、総評・民同の右翼的指導にもかかわらず、一貫して反戦・平和の闘いを担うと同時に「春闘」の形式をとって賃金闘争を激しく闘ってきた。
そもそもベア(ベースアップ)という言葉自体、戦後革命期における片山内閣の賃金・物価抑制策であった「千八百円ベース(水準)」を突破して大幅賃上げをかちとる闘いの中から生まれたものだ。
戦後の賃金闘争は、「電産型」と呼ばれる生活給要求を基礎に、平均賃金水準を意味するベースの引き上げをかちとる運動としてスタートした。春闘の開始以後、定期昇給と区別される各企業の平均賃金水準の引き上げもベースアップと呼ばれるようになった。
その特徴は、職種などに応じた個別賃金決定を先行させるのではなく、特定企業の平均賃金水準の引き上げを闘いでかちとり、のちに配分交渉によって個別賃金を決定する方式にある。
本来の賃金闘争は、組合員全員に対する賃金調査を基礎に要求を組織するところから始まる。仮に賃金制度が未確立であっても、横軸に年齢を取り、縦軸に金額を取ると、「賃金カーブ」と言われるグラフを描くことができる。一年たつと一人ひとりの労働者は一歳年をとるわけだから、一年先輩の賃金にアップしなければ、労働者階級総体としては賃下げになる(裏を返せば、資本にとって賃金原資の節約になる)。この一歳一年間差の是正を制度として確立したのが定期昇給である。制度として確立していなくても定昇相当分は存在する。その定昇分以外の賃上げがベアとなる。「ベアが本来の賃上げ」と言われるのはこのためだ。(図2参照)(2001年春闘における89年入社の労働者の賃上げ@は、2000年4月に勤続11年だったのが1年たって勤続12年となr、88年入社の1年先輩の1年前の賃金に追いつく部分A(定昇)と賃金カーブ引き上げ分B(ベア)からなる
連合は、資本に「定昇分を賃上げしてもあなたの懐は痛まないでしょう」などと哀訴すれば、実質賃金が確保できるとペテンを弄(ろう)しているのだ。
しかし、現在の日帝の攻撃の特徴は、日経連臨時総会での奥田会長あいさつ――「賃金など労働条件を横並びで決める時代は二十世紀で終わった」――に象徴される戦後賃金闘争・労働組合運動の全面解体宣言というところにある。
敵がこのように今までのあり方の全面的破壊に踏み込んできているときに、定昇確保をお願いすることほどぶざまなことはない。
「闘い抜きの定昇分確保」の方針は賃下げ容認方針そのものだ。しかも、定昇相当分を昨年は二%換算としていたが、今年は連合としては明示しない方針だ。賃金カーブは各組合で異なるので、定昇相当分を割り出すソフトを配布するから、各組合で勝手に決めろ、というのだ。
このことで、定昇制度のない中小や私鉄などの賃金闘争はますます困難になる。今までまがりなりにも三%というナショナルセンターの統一方針があったので、それをにらみながらの闘争が可能になっていた。統一方針がなくなると、力の弱い中小では賃金闘争が成り立たなくなるのだ。
今春闘での連合の「定昇相当分明示せず」の方針は、連合が実質賃金の確保すら最後的に放棄したことを意味する。こんなことを絶対に許してはならない。
連合傘下の各産別で要求方式を色々いじくって定昇相当分を確保しようというさまざまな試みがなされている。しかし、要求方式を工夫すれば賃下げを阻止できるのか。ましてやNTT労組のようにベアを要求しなければ賃下げを阻止できるのか。まったく否だ。その証拠にNTT資本は、労組のベア要求放棄を受けて追加のリストラ策を発表しているではないか。
定昇相当分の確保も必死になって闘わなければ絶対に不可能である。大幅賃上げ要求を掲げ、ストライキを含む実力闘争を闘ってこそ初めて実質賃金も確保できるし、賃上げをかちとることもできるのだ。
ところが反革命カクマルは、「『連合』労働貴族どもおよび『全労連』幹部どもは、一応『賃上げ』を主張してはいる」と、連合の賃下げ方針を全面賛美している。分裂カクマルを解体・打倒し、戦闘的労働運動の再生をかちとろう。
連合路線を粉砕し闘う春闘の再生へ
恐慌下の賃金闘争をいかに闘うのか。
労働者階級こそが社会の主人公である。「おれたちを食わせられないなら、この工場をおれたちに返せ」という闘いこそが問われているのだ。失業した労働者を含め労働者階級全体の団結の力で賃下げ攻撃を打ち破れ。
ところが今日、労働運動内部からさまざまな賃金闘争否定論が登場している。日帝・資本の成果主義・能力主義の攻撃に屈服した「労働側も、いわゆる生活給思想から脱して、賃金に差がつくことを合意し、その基準を模索しなければならない」というとんでもない考え方がそれだ。資本の差別・分断に対して団結し集団的に賃金決定を行う戦後賃金闘争のあり方とはまったく逆の個別的賃金決定の思想だ。あらゆる賃金闘争破壊論を許さず、今こそ賃金闘争の革命的復権をかちとろう。
対米争闘戦で敗勢に陥り、没落帝国主義の現実を突き付けられた日帝は、今次労問研報告のように、戦後的あり方を抜本的に破壊する以外に生き延びられなくなっている。賃下げ、首切り、戦後社会保障制度の解体など労働者階級を資本と国家の犠牲にする攻撃、教育改革=憲法改悪で戦争国家化の攻撃をしかけてきている。
しかし、労働者階級の団結と闘いがある限り、敵の攻撃は成功しない。だからこそ労働者階級の団結破壊、労組破壊に突破口を求めてきているのだ。労組法改悪=改憲攻撃を許すな。
国鉄決戦、教労決戦と一体のものとして、大幅一律賃上げを掲げて春闘をストライキで闘おう。賃下げを阻止し、大幅賃上げを実力でかちとろう。
日帝の危機は今や連合の存在すら許さないところにきている。帝国主義的労働運動に転落した連合を打倒し、マルクス主義、共産主義を復権させて、「資本主義にノーと言える」闘う労働運動の新しい潮流の登場をかちとろう。
〔湯村宏則〕
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週刊『前進』(1991号3面2)
福嶋裁判
筆跡鑑定はでたらめ 反対尋問で鑑定人を追及
東京地裁刑事第三部(服部悟裁判長)で八年もの長きにわたって迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘っている福嶋昌男同志の裁判は現在、「筆跡鑑定」をめぐる激しい攻防を繰り返している。
福嶋同志は無実である。福嶋同志は「メモ」を書いていない。ところが警視庁科学捜査研究所の小島直樹は、岩手借家から不当押収された「メモ」類が福嶋同志の筆跡であるという「筆跡鑑定」をデッチあげた。
この小島に対する弁護側の反対尋問は、一月十一日の裁判で八回に及び、毎回、小島筆跡鑑定が福嶋同志をデッチあげるために捏造(ねつぞう)された代物であることを暴いている。
小島の筆跡鑑定は、福嶋同志が友人あてに送った手紙など(筆者が明らかな基礎資料)と「メモ」類(筆者不明の対照資料)の筆跡の異同を「鑑定」するというものだ。
この「メモ」類が岩手借家のどこにどのように存在したものか、いつどこでだれによって書かれたものかは、まったく不明である。ところが小島は、バラバラの四十五枚もの「メモ」が同一人によって書かれたという前提に立ち、四十五枚から拾い出した十数文字を、それとは似ても似つかぬ福嶋同志の筆跡と比較し、四十五枚全体を福嶋同志が書いたとデッチあげている。
弁護人は、四十五枚のメモは同一人が書いたと小島が決めつけている根拠を追及した。小島は、警視庁公安一課が筆跡鑑定を依頼する時、「一体のメモだと言って持ち込んだ」と証言。一体のメモかどうか厳密には分からないが、同一人が記載したという前提で「鑑定」したと言ったのだ。
小島鑑定なるものは、警視庁公安一課=鑑定依頼者の意に沿う形でデッチあげられたものなのである。
それゆえ小島鑑定は、通常の筆跡鑑定が行う最も基本的で不可欠な諸手続きさえまったく行っていない。
例えば、一つの特徴ある文字が書かれていた場合に、それがその筆者がよく書く字体といえるのか、何らかの偶然によって書かれたにすぎないのかについて、最初に考察されなければならない。偶然に書かれたものでないと判断するためには、同じ特徴のある文字が繰り返し書かれていることが必要となる。それによって初めてその筆者固有の筆跡個性といえるのだ。
ところが、小島はこのようなきわめて当たり前の前提を一切無視し、特徴が複数回書かれた文字の一個にしか出現しておらず、偶然書かれた文字の可能性が大きい場合でも、他の資料に似たような特徴があれば平気で取り上げ、それで「同一筆跡だ」と強引に結論づけるのである。
さらに、小島は証言内容を平気でくるくる変える。
小島は当初、筆跡の比較は大多数の人が書かない特徴のある文字を選んで行うと言い、その選択の判断は自分の経験と勘によると公言していた。これに対して、科学性、客観性がないという批判がなされるや、警察庁科学警察研究所にある六十人分の筆跡を集めた「筆跡標本」で特徴の出現頻度を調べたとして追及をかわそうとした。
しかし、その「筆跡標本」はすべて楷書(かいしょ)体で記載されている。小島は当初、通常、日常的な自然な筆記には楷書体ではなく行書体か草書体が使われており、そうした筆記の異同識別には楷書体の筆跡標本は使えない、と証言していた。ところが、それでは、「筆跡標本」を調べた結果、鑑定で取り上げた九割の筆跡の特徴の出現頻度が一〇%以下であったとする、その後の証言内容の信用性を維持できなくなることから、慌てて「筆跡標本は行書体に近いものであった」などと、前言を翻すありさまであった。
弁護人は「証言をくるくる変えるな。自分の証言には責任を持て」と激しく弾劾した。小島の証言の信用性も完全に地に落ちた。
そもそも「筆跡鑑定」などというものは成立しない。同一人が書いても、二つとして同型の文字にはならない。筆記具や用紙や筆記する姿勢や感情などの記載条件しだいで筆跡は全部異なってくる。また、筆跡が似ているからそれが同一人によるものだと結論づけることは、同じような筆跡を書く人間がほかにはいないということが証明できない以上、不可能である。
このように、筆跡鑑定とは、科学性も客観性もまったくなく、鑑定人の恣意(しい)でいくらでもデッチあげ可能な代物なのだ。
このような小島筆跡鑑定で福嶋同志はデッチあげられているのである。さらに攻撃的に怒りの反対尋問をたたきつけ、小島筆跡鑑定を完全に粉砕し、福嶋同志の無罪をかちとろう。
次回二月二十一日(水)の裁判に結集しよう。
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週刊『前進』(1991号3面4)
神戸 震災6周年集会に285人 反失業のうねりを全国へ
阪神大震災六周年を前にした一月十四日、被災地雇用と生活要求者組合、全国金属機械港合同、関西合同労働組合の主催で「震災六周年・失業反対闘争のうねりを全国へ 一・一四倒産・解雇・失業と闘う集会」が神戸で開かれたので参加した。会場の葺合(ふきあい)文化センターには労働者や被災地住民など二百八十五人が結集した。
最初に主催者あいさつを雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表と全国金属機械港合同の大和田幸治事務局長が行った。
長谷川さんは、全国の支援にお礼を述べ、被災地の労働者は、失業という惨めさや悔しさをバネに団結という力ではねかえし、その中でついに闘う団結体をつくり出したことを報告した。全国に反失業の闘いのうねりを広げていくためにともに闘おうと訴えた。
大和田さんは、被災地の廃虚の中から、既成の労働運動の本工主義をのりこえ、ゼロから団結をつくり出した被災地の労働者の闘いが二十一世紀の労働者の針路だ、と提起した。
スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合の入江史郎委員長、関西合同労組、港合同の争議組合が解雇や倒産で運動は終わりではなく、そこから闘いが始まり、労働者の団結が固まり広がっていく争議下の労働運動のあり方を語った。
関西合同労組の宮武章治書記長は、被災地の昨年一年間の闘いの総括を格調高く提起した。
宮武さんは、実質的な失業対策事業である被災地しごと開発事業の打ち切りに反対し、その延長を要求して就労者が労働組合としてのしごと開発就労者組合を結成して闘っていることを取り上げた。就労者組合は昨年末に兵庫県庁へ三日間連続でおしかける実力抗議闘争に決起し、しごと対策課長との継続交渉を約束させる成果をかちとった。また、被災地労働者企業組合が自前の靴作り、ナースシューズの生産に着手したことなどをあげて、二〇〇〇年の成果として、自立した団結体が立ち上がったことを強調した。
被災地で始まった失業反対闘争を全国に拡大していこうという宮武さんの提起を参加者は大きな拍手で確認した。
また、被災地集会では初めての試みとして寸劇「被災地忠臣蔵」が各組合の組合員によって上演された。場内は爆笑に次ぐ爆笑。出演した組合員は「本番にいたる何回もの練習の過程で団結が深まった」と語っていた。集会を成功させようという組合員の姿勢が熱演となって現れた寸劇で、感動的だった。
その後、同和住宅の家賃値上げに反対して闘う神戸・番町と西宮・芦原地区の住民団体や、神戸空港に反対して闘う住民団体など被災地各団体からの力強い闘うアピールがあった。
何もないところから闘いによって労働者の団結がいかにかちとられていったのか、これから職場で団結をつくり出そうとする私たちに手本のように示された集会だったと思う。
(投稿 兵庫・労働者S)
東京 被災支援連が集会 労組結成の経験を共有
一月二十日午後、都内で「被災地から日本の労働運動を再生しよう! 一・二〇被災支援連東京集会」が開かれ、五十人が集まった。(下の写真)
司会の開会あいさつに続いて、一・二七続開大会を直前に緊迫した状況にある国労闘争団全国連絡会議から連帯のメッセージが寄せられたことが紹介された。さらに国鉄闘争をともに闘う動労千葉を代表して執行委員の滝口誠さんが被災地との連帯、JRをめぐる闘いの現局面について語り、JR総連解体の組織戦に着手したことを報告した。
続いて現地報告が行われた。最初に被災地雇用と生活要求者組合代表の長谷川正夫さんが訴えを行った。
長谷川さんは、「被災地の運動は七年目に入る。団結をどうつくり上げていくかが問題だ。一昨年から『反失業のうねりを全国へ』を合言葉に、生きる権利、働く権利を行政と国に訴えてきた」「きょう被災地労働者企業組合のナースシューズを持ってきた。働くところがない中で、自分たちの力で職場を確保してきた。春闘では職場を閉めて応援に行く。大きな団結体をつくる基盤にしていく。ナースシューズの販売に協力を」と熱く語った。
次に、資本の平均十万円もの賃下げと一日十二時間以上の長時間労働に対してやむにやまれず百人以上の組合を結成して闘いに立ち上がった関西合同労組兵庫支部の組合員二人が、「眠る時間が四―五時間になり、眠気・めまい・吐き気がするものが続出した。おれたちは人間だという闘いが開始された」と組合結成の苦闘を語った。
関西合同労組事務局からの提起の後、大失業時代に被災地から始まった労組結成の闘いに触発され、その経験を主体化しようと活発な質疑応答が行われた。
最後に、支援連の代表がまとめを提起し、団結ガンバローを行った。闘う労働運動の新しい潮流の息吹に触れられた素晴らしい集会だった。
(投稿 労働者T・S)
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週刊『前進』(1991号3面5)
反戦共同と関西実 合同で新年旗開き “歴史を刻む闘いを”
一月十四日、関西反戦共同行動委員会と三里塚決戦勝利全関西実行委員会との共催の新年団結旗開きが神戸で開催された。
冒頭、主催者あいさつに立った永井満関実代表世話人は「戦争と大失業の時代といわれる中で人民の闘いの一翼を担い、二十一世紀の歴史に刻まれる闘いをやっていく」と年頭の決意を表明。三里塚反対同盟の「二〇〇一年闘争宣言」を読み上げ、「これを共有し、関実二十五年のすべてをかけて三里塚の闘いに決起していく」と述べ、三・二五三里塚現地闘争への総結集と現地激励・視察への参加を訴えた。
また、入江史郎関西反戦共同代表は「今年のテーマは改憲。改憲の本質は日本を再び戦争のできる国にすること。労働者人民が強烈な危機感をもって臨む必要がある」と訴えた。そして労組交流センターが変革・飛躍し、労働運動の新しい潮流をつくり出しつつあることを明らかにし、「具体的にこれが勝利だということをもっと鮮やかに示そう」と呼びかけた。
続いて、三里塚から駆けつけた北原鉱治事務局長が「いま暫定滑走路粉砕の闘いの渦中にある。土地収用手続きの簡素化、土地取り上げの強行・乱発の策動と闘う。強制収容所のような状況、一坪共有地、建物、神社、現闘本部をめぐる実力闘争を闘う。代償を求めず、反戦・平和をかけて三里塚は勝ってみせる」と力強い決意を述べた。
部落解放同盟全国連の滝岡広治中央執行委員は「三月に十回目の大会を迎える。全国連は差別糾弾闘争を軸に部落解放運動の本流としてやっていける自信をつかんだ。解放運動の生死をかけた闘いとして改憲をめぐる共同闘争を闘う。二十一世紀を人間解放の世紀に」と熱く訴えた。
山本善偉関実世話人の音頭で乾杯を行い、交流会に移った。動労千葉、都政を革新する会、沖縄の知花昌一さんの各メッセージが紹介され、三里塚現地激励・視察の報告、被災地雇用と生活要求者組合の長谷川代表のあいさつが行われた。
次に、三線による沖縄民謡を皮切りに関西労組交流センター、学生、婦人民主クラブ関西協議会、関西「障害者」解放委員会、泉州住民の会などの歌と踊りが歓声と笑いの中で次々と披露された。
最後に参加者全員が輪になってインターナショナルを斉唱、加辺永吉関実事務局長がまとめを行い、団結ガンバローで飛躍と健闘を誓い合った。
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週刊『前進』(1991号4面1)
革共同各地方委員会 年頭の決意 都議選勝利・改憲阻止へ
新年号の沖縄県委員会の決意に続いて、二〇〇一年決戦の勝利に向けた革共同各地方委員会の年頭の決意を掲載します。決意にこたえてともに闘おう。(編集局)
21世紀に勝利する党への飛躍の絶好機が到来した 関西地方委員会
新年号の二十一世紀突入宣言を熱烈に受け止め、関西地方委員会は満身の決意を込め、共産主義社会への移行を今世紀になしとげることを宣言する。
日帝は、没落帝国主義として絶望的延命をかけて改憲攻撃に打って出ている。数年間に及ぶ革命的大衆行動によって、この戦争国家化への一大攻撃を粉砕することを宣言する。改憲の水路としての、教育基本法改悪・教育改革の粉砕の闘い、有事立法粉砕の闘い、「日の丸・君が代」強制との闘いに全力を挙げる。沖縄の名護新基地建設阻止の闘いは、沖縄人民に犠牲を強要する歴史的に新たな基地の再編・強化との闘いである。改憲体制の最大・最先端の実体となる基地建設を、本土・沖縄一体の闘いで阻止しよう。
二〇〇一年前半戦最大の決戦として、六月都議選でけしば氏当選をかちとらなければならない。参院選と併せ戦後最大の政治決戦の緒戦、二十一世紀最初の決戦に、われわれは森・自公政権打倒、ファシスト石原都政打倒を掲げて必ずや勝利をもぎ取る。
一切の闘いの基底は、大失業攻撃と闘い、労働運動の新潮流形成を切り開くことである。国労闘争団・千四十七人を守り抜き、「四党合意」を粉砕し、国労の闘う新執行部を打ち立てる闘いがその中軸である。嵐(あらし)のような資本攻勢と対決し、労働者階級の階級的団結のとりでとして、闘う労働組合を打ち立てよう。十一月労働者集会での三労組陣形をとおして、真のナショナルセンターをめざすうねりを起こそう。国益主義・企業防衛主義が吹き荒れる労働戦線に、闘う労働組合の旗を打ち立てよう。
これら一切の闘いとともに、介護保険制度廃止闘争を始めとする福祉、いのち、くらしをめぐる闘いを階級闘争の正面課題として闘う。階級性の鮮明化をかけて、排外主義・差別主義を粉砕する。在日アジア人民、朝鮮・中国−アジア人民の存在と闘いに学び、入管法・外登法|入管体制の戦時的再編を粉砕するために闘う。歴史的な部落解放同盟全国連合会第一〇回大会を焦点として、嵐のような差別糾弾に決起する部落大衆との階級的共同闘争として、狭山闘争の勝利をなんとしてもかちとろう。
日本共産党の改憲派への歴史的大転向と、黒田・カクマルとJR総連の大分裂は、階級配置の転換と党派関係の大再編をもたらした。階級闘争を長きにわたって閉塞(へいそく)させてきた反革命的重しがついに打ち砕かれたのだ。
革共同が二十一世紀に勝利する党として飛躍する絶好のチャンスが到来している。労働者党の建設に向け、階級の要求を掘り起こし、階級的団結をつくりだし、革命的大衆行動を組織しよう。党勢倍増の具体的計画を作成し、大胆に党への結集を訴えよう。先進的活動家を党に結集する闘いをつうじて、党自身の変革をかちとろう。非合法・非公然の党の建設、全人民的全階級的一斉武装蜂起を実現できる党建設を。
関西地方委員会は党勢拡大の先頭に立つ。
改憲阻止闘争の大爆発へ革命的大衆行動切り開く 中国・四国地方委員会
二十一世紀を迎え、中国・四国地方委員会より、熱い連帯と烈々たる闘いの決意を表明する。
すべてのみなさん。今こそ、二十世紀の唯一の勝利者としての確信に燃え、二十一世紀反帝国主義・反スターリン主義世界革命完遂への挑戦者としての躍動感と気概をもって二〇〇一年決戦に打って出よう。
二十世紀は、戦争と革命、革命と反革命のさかまく百年間であった。二十一世紀は、二九年型大恐慌の本格的到来と米日帝国主義の朝鮮・中国侵略戦争−第三次世界大戦に向かう情勢の急切迫の下で幕を開けた。死の苦悶(くもん)にのたうちまわりながら全世界を戦争と大失業にたたき込む帝国主義と、残存スターリン主義の破産と極限的反革命に対し、全世界の労働者階級人民の怒りの決起が爆発している。
今こそ、二十世紀が実現しえなかった共産主義社会への世界史的移行という人類史的大事業を達成するときである。
二十一世紀冒頭の課題は、プロレタリア世界革命の精神=マルクス主義・レーニン主義を引き継ぎ革命的に復権し、革命的情勢の急接近に対して革命的大衆行動の大爆発のために闘いつつ、強大な革命党を建設することにある。
中国・四国地方委員会は二十一世紀に勝利する党への飛躍をかけ、レーニン的オーソドキシーと先制的内戦戦略(五月テーゼ下の新たな展開)の党として自らを打ち鍛え、画然たる党勢力の量的拡大に挑戦する。
日米争闘戦の戦略的敗勢により没落帝国主義に転落した日帝は、絶望的飛躍をかけて改憲攻撃に打って出てきている。憲法九条の廃止を最大の核心とし、朝鮮・中国−アジアへの侵略戦争を遂行する戦争国家への大転換攻撃である。われわれは、二〇〇一年において、教育基本法改悪阻止、有事立法阻止の闘いを水路としつつ、「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒」を「連帯し侵略を内乱へ」「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の戦略的スローガンとともに掲げて、改憲阻止闘争の大爆発をかちとる決意である。
改憲阻止闘争は、国家のあり方を問う巨大な反戦・反安保闘争であり、第三次安保・沖縄闘争と一体の一大階級決戦である。また国鉄決戦を先頭とする一大資本攻勢と対決し、戦闘的労働運動の再生・防衛をかちとる闘いと一体である。
中国・四国地方委員会は二〇〇一年決戦の先頭に立ち、全党員の総決起と階級的原則を貫いた柔軟な統一戦線戦術をもって、改憲阻止決戦の爆発を牽引(けんいん)する決意である。
二・一一を突破口に「日の丸・君が代」攻防、八・六広島反戦反核闘争をとおして改憲阻止闘争の革命的大衆行動をつくり出す。この闘いと結合して、ファシスト石原都政打倒、改憲勢力に移行した転向日共、JR総連と分裂した黒田・カクマルを打倒し、都議選でのけしば氏の必勝に向け全党の最先頭で闘い抜く。
何よりも、この闘いの中心に労働者細胞建設をがっちりとすえ、学習会の体系としての党づくり、機関紙・誌の拡大とフラクション活動の原則的強化をとおした党建設の闘いをもって党勢力の量的拡大を飛躍的にかちとる決意である。
<労働運動の再生>へ闘い党勢拡大闘争に勝利する 東北・北海道地方委員会
二十一世紀を共産主義への移行をかちとる世紀とする、この決意を自らのものとして、東北・北海道地方委員会は党の変革と飛躍をかけて闘い抜きたい。
まず第一に、二〇〇一年決戦方針の〈改憲阻止、都議選必勝、階級的労働運動の再生と大結集をかちとる〉闘いの最先頭で闘い抜く。日帝・森の「日本新生改革国会」と全力で対決し、教育制度改悪を突破口とする改憲攻撃を粉砕する革命的大衆行動を組織するために闘い抜く。
また国鉄労働運動と官公労労働運動の壊滅を軸とした一大資本攻勢と全力で対決し、〈労働運動の再生〉というテーマを最大の課題として強力に確立し闘い抜いていく。とりわけ「四党合意」を粉砕し、国労の新たな闘う執行部をつくりだすため最先頭で闘う。革同の牙城(がじょう)、チャレンジ一派の牙城を突き崩す闘いは国鉄決戦勝利にとって決定的位置をもっている。分裂カクマルを打倒し、JR総連を解体して国鉄決戦勝利へ闘い抜く。
ファシスト石原都政打倒、新たな労働者党建設をかけて六月都議選必勝に向かって全力で闘い抜く。
第二に、革命的大衆行動の爆発の中で分裂カクマルをさらに危機のどん底に追いつめ、三・一四復讐戦貫徹=カクマル完全打倒へ闘い抜く。七〇年代、八〇年代の政治闘争、労働運動の闘いと赤色テロル戦闘の爆発、九〇年代の五月テーゼ路線の革命的貫徹の闘いによってついにファシストを分裂・崩壊の過程に追いつめた。国鉄決戦勝利に向けての進撃がカクマル本隊からJR総連をそぎ落とし、カクマル黒田を断末魔の危機へとたたき込んだ。分裂カクマルを打倒し、スターリン主義・日共を粉砕し、革命的共産主義運動が労働者階級本隊を獲得して大発展する条件を握りしめた。五月テーゼ路線を驀進(ばくしん)せよ、である。
第三に、この切り開いた地平に根底から確信をもって、党勢拡大闘争に断固突入する。革命的情勢の急速な接近という情勢の中で、カクマル・日共を打倒して、社共に代わる労働者党を建設し、世界革命−日本革命に勝利する党は革共同をおいてほかにない。
二〇〇〇年決戦と一九全総以来の闘いの全蓄積をとおして今や党建設の基本的方向は鮮明である。革命的大衆行動の組織化と結合して党を建設していくこと、とりわけ労働運動への取り組みを徹底的に強め、そこに党の生命をかける決意で労働者党としての革共同の建設、労働者細胞建設をかちとっていくことだ。目的意識的で計画的な党勢拡大闘争に打って出ることだ。変革し党を拡大する、拡大することで党を変革し前進させる、この闘いに勝利することが、冒頭の決意を真に実現していく道である。
第四に、一切はわが地方委員会の変革・飛躍にかかっている。これを断固闘い取る決意だ。中央と細胞という党の基本形態の中で地方委員会・地区委員会は労働者細胞との徹底的一致をかちとり、意欲的な組織的=階級的闘いを推進し、新たに党をつくる気構えで闘い抜くということである。以上がわが地方委員会の年頭にあたっての決意である。
国鉄決戦勝利をかちとり大破産のカクマル打倒を 九州地方委員会
わが九州地方委員会は、革共同政治局の二十一世紀の戦闘宣言の先頭に立って闘う。
二十一世紀突入の今、労働者階級自己解放の事業の遂行と勝利に確信をもち、万国の労働者・被抑圧民族は団結せよと呼びかけることができるのはわれわれのみだ。ロシア革命を裏切り、プロレタリア世界革命に敵対してきたスターリン主義は崩壊した。帝国主義は搾取と抑圧、侵略戦争と民族抑圧以外に延命はなく、三度訪れた戦争と革命の時代を前に震え上がっている。現代のファシスト・カクマルはわが革共同の闘いによってJR総連の完全な失陥と黒田哲学の大破産にたたき込まれ、完全打倒の縁に追い込まれている。帝国主義とその手先の命脈は完全に尽きているのだ。
帝国主義は二九年型世界大恐慌過程に突入し、いかなる政策をもってしてもそれを回避することはできない。危機にのたうつ帝国主義はブロック化と争闘戦の激烈な展開にのめり込んだ。その最大の激突であった日米争闘戦で敗勢にたたき込まれた日帝は激しい没落と危機を深めている。争闘戦に勝ち抜く国家体制を構築できずあえいでいる。
自公保・森政権は自滅的な動揺と危機を深め、現状打破を掲げて憲法九条改悪=改憲攻撃に踏み出した。改憲阻止決戦を「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」を始め三本の日本革命の戦略スローガンを掲げて闘う。
六月東京都議選に死力を尽くして勝利する。危機に立つ日帝の救済者・ファシスト石原都政を打倒する。二〇〇一年前半の最大の決戦に、絶対に勝利しよう。
同時に、日帝は米帝・レーガン型の資本攻勢を強めている。労働組合そのものをたたきつぶし、労働者を分断しようというのだ。国鉄闘争はその帰すうをかけた決戦だ。「四党合意」は絶対に粉砕あるのみだ。資本の懐に飛び込んだら労働者が生きていけるとでも言うのか。断じて否だ。ファシスト労働運動・JR総連を見よ。資本と闘わなければ骨までしゃぶられ、ほうり出され、殺されるだけではないか。動労千葉のように原則を守り、実力闘争で闘って初めて勝利できるのだ。国鉄決戦は国労共闘の強化・拡大にかかっている。九州の国鉄労働者はその先頭に立って闘う。
そしてすべての成果を十一月労働者集会に結実させる。八・九長崎反戦反核闘争の昨年を上回る大衆的爆発を実現する。佐世保、日出生台、築城を始め日米共同軍事演習に反対する闘いを沖縄・名護新基地建設阻止闘争と固く連帯し闘う。
JR九州労の脱退で一気に露呈したカクマルとJR総連の分裂は、全九州・全国の労働者に歓呼をもって迎えられている。破産した黒田哲学に逃げ込もうとあがいても無駄だ。五月テーゼのうなりを上げた進撃で、転向日共と分裂カクマルの打倒へ前進しよう。
党建設の核心中の核心である党勢拡大に全力で取り組む。ここで党はボルシェビキへと鍛えられる。わが九州地方委員会は党勢拡大闘争で必ずや画期的な地平を切り開く決意に満ちあふれている。ともに闘おう。
労働者の自己解放的決起の先頭で改憲攻撃と闘う 北陸地方委員会
帝国主義は、今日未曽有(みぞう)の危機を深める中、三度その基本矛盾を大恐慌と世界戦争として爆発させる新たな段階に突入している。北陸地方委員会は反帝・反スターリン主義世界革命に勝利し、二十一世紀において共産主義社会への移行を成し遂げるべく、二〇〇一年を決意と確信も新たに、飛躍と変革をかけて闘い抜く。
帝国主義の死活をかけた争闘戦の激化の中、没落帝国主義に転落しつつある日帝は、唯一かつ絶望的な延命路線としてアジア侵略戦争と戦争国家化にむけて戦後体制を右から現状打破しようと、改憲攻撃という一大階級決戦、正面突破攻撃に踏み込んで来た。他方で日帝・資本家階級は、対米争闘戦に勝ちぬくための国家的政策の観点から、労働者階級に対する資本攻勢を大失業攻撃、労組破壊、雇用関係の破壊として凶暴にかけてきている。
それに対する労働者階級人民の決起は不可避だ。われわれは、二〇〇〇年決戦を三大決戦を軸に総蜂起し、すばらしい勝利をかちとった。とりわけ国鉄決戦の爆発をとおして、労働者階級の自己解放的決起をつくりだし、それを基礎に革命的大衆行動の本格的発展が開始された。またわれわれはついに、反革命カクマルのJR総連完全失陥、黒田哲学の総破産というカクマル完全打倒への歴史的勝利をかちとった。
二〇〇一年改憲阻止闘争を、「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」を始め三本の戦略的スローガンを掲げ、プロレタリア革命勝利の突破口を切り開く革命的大衆行動の本格的爆発としてつくりだそう。
日本共産党の大転向と反革命カクマルの大分裂は、労働者階級の自己解放的決起がそれらの制動を打ち破り本格的に爆発する時代、反スターリン主義・革命的共産主義運動の本格的発展と闘う労働者党建設の大飛躍を成し遂げる時代の到来を告げ知らせている。
北陸地方委員会は昨年、三大決戦路線のもとにガイドライン反対闘争、沖縄闘争、もんじゅ闘争、小松基地闘争、戦後補償闘争などを戦争国家化攻撃と対決する労働者人民とともに闘う中で、革命的大衆行動を強化し拡大してきた。国鉄闘争をめぐって、一大資本攻勢にさらされている労働者階級の中に入って、労働者の階級的反撃への決起と、その前提としての団結を取り戻すことを訴え、共同行動をつくりだしてきた。
この二〇〇一年、五月テーゼ|一九全総・二〇全総路線の物質化にさらに突き進み、改憲阻止決戦の爆発、階級的労働運動の再生と新潮流運動への大結集をかちとるべく、労働者階級と本当に生きた関係をつくりだし、“闘う大衆゜として革命的大衆行動の先頭に立つ。とりわけ今年前半最大の決戦である六月都議選決戦に全力で決起する。
学生戦線はこれらの闘いの最先頭で闘い、また国立大学の独立行政法人化反対などの大学闘争の爆発を切り開き、富山大学の拠点化をさらに進めていく。
この階級闘争の実践の中で、また不断の学習と思想闘争の取り組みの中で、革命党としての細胞性を確立し、党勢拡大と真の労働者党建設を全国の同志とともになしとげる決意である。
分裂カクマル完全打倒し党勢二倍化をかちとろう 東海地方委員会
今、二十一世紀の劈頭(へきとう)に立ち、わき出る感動を抑えることはできない。それは、二十一世紀を「世界革命達成の時代」として迎えたことと、何よりもそれを実現する革共同が革命勝利の一切の準備を終えて登場したことにほかならない。
二〇〇〇年決戦は、まさに二十一世紀の勝利を切り開く闘いとしてかちとられた。決定的だったのは、カクマル完全打倒の展望を確定づけたことである。カクマルのJR総連失陥は、黒田「組織現実論」の破産であり、その組織的命脈は尽きたと断言できる。
さらには、闘う労働運動の再生が国鉄決戦の勝利をとおして開始されたことである。二〇〇〇年の国鉄決戦は、国鉄労働者の自己解放的決起を軸に徹底的に闘い抜かれた。七・一を突破口とする闘いは、マルクス主義の復権を核心にすえた階級的労働運動の勝利性を満天下に明らかにするものとなった。
労働者階級を蔑視(べっし)するカクマル=黒田が大破産し、マルクス主義の復権を掲げた革共同の闘いが決定的な前進をかちとった。ここに、二〇〇一年決戦の勝利の展望は圧倒的に切り開かれたのである。
いよいよ二十一世紀の扉を開く闘いの開始である。満を持して、勝利の雷鳴がとどろく二十一世紀−二〇〇一年決戦へ思い切って飛び出していこう。
第一は、改憲阻止闘争に総決起することである。世界は、米帝バブル崩壊から二九年型恐慌の到来、ブロック化から世界大戦へと突き進んでいる。この中で日帝は、米帝との争闘戦における敗勢の中で、没落帝国主義へと転落し始めた。もはや日帝にとって生き延びる道は、絶望的なアジア侵略以外にない。この体制の存亡をかけた攻撃こそが、今日の改憲攻撃なのである。
したがって改憲阻止決戦は、日帝打倒をめぐる一大階級決戦であり、〈日帝打倒の決意と戦略なしには絶対に最後まで闘い抜くことはできない〉ものとしてある。「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」を鮮明に掲げ、二つの連帯戦略と一つの打倒戦略一体化させ、大衆的爆発を全力で切り開こう。
第二は、前半最大の決戦としての六月都議選決戦へ断固として突入することである。けしば氏の当選をかちとり、「ファシスト石原都政打倒! 改憲阻止!」への決定的突破口を切り開こう。そして革共同の労働者党としての飛躍をかけて総決起しよう。
第三は、国鉄決戦の勝利を先頭に、十一月労働者集会の成功へ突き進もう。
そして、この二〇〇一年決戦の闘いをとおして“党勢二倍化゜を絶対にかちとろう。党勢の二倍化こそが二〇〇一年決戦勝利の一切の保証であり、二十一世紀を革命に勝利する世紀とする絶対的課題なのである。
東海地方委員会は、改憲阻止を核心とする二〇〇一年決戦に総決起する。この中で、カクマル完全打倒の闘いを断固として推進し、党勢二倍化をかちとる。
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週刊『前進』(1991号4面2)
新連載・教育労働者インタビュー 学校現場で何が起きているか(1)
「日の丸・君が代」、教育改悪を許すな!
国立の不当処分に反撃 戦時教育に走る「改善策」
東京 長坂 千春さん(小学校)
「日の丸・君が代」攻撃、「教育改革」−教育基本法改悪攻撃、日教組解体・教育労働運動根絶を狙う攻撃と対決して全国各地で闘う教育労働者のインタビューの連載を始めます。一回目は、東京の教育労働者に、国立をめぐる攻防について聞きました。(編集局)
全国の闘う教組が団結して集会
−−国立における昨年三月の「日の丸・君が代」闘争に対して、八月、十七人の教育労働者に処分が出されました。
処分の内容については、これまでと比べてもとても踏み込んだものです。子どもたちへの事前指導に校長に対する「不適切な発言」があったとして、「信用失墜行為」で処分されています。教育基本法一〇条で禁じている「不当な支配」そのものです。
また国立二小でピースリボンをつけたこと、五小でビラまきと掲示をしたことを、「職務専念義務違反」とした。教育労働者の思想や表現の自由を侵害するものです。「日の丸」が掲揚されてしまった経過を保護者に伝えるという憲法と教育基本法にのっとった行為を処分したわけです。
しかも意識的に組合つぶしを狙い、四組合それぞれの役員が処分されました。
−−不当処分に対する闘いは。
まず処分決定の直後に都庁で抗議集会を行いました。戒告処分を受けた全員が十月十日に、人事委員会に不服申し立てをしました。ピースリボン着用で文書訓告処分を受けた人は、都の公平委員会に訴えました。都から答弁書が来て、今反論を準備しています。
十二月二十三日には、処分を受けた三つの組合が呼びかけ、全国から五百十人が集まって処分撤回集会が開催されました。右翼の妨害を許さず、闘う宣言が発せられました。広島と国立が結び、さらに都高教、千葉、神奈川など、いずれも右翼の攻撃と対決し闘っているところが一堂に会しました。日教組本部の裏切りを打ち破り、全国の闘う教組・教育労働者が結集した意味は大きいと思います。
−−東京都はさらに「国立の教育」つぶしの総攻撃をかけていますね。
まず石原都知事が、攻撃の先頭に立っています。十二月には「国立を解決することで、一点突破じゃないけれど、日本の教育改革のよすがにしようじゃないか」と発言しました。
そして八月の処分発令と同日、東京都が「国立市立学校教育改善検討委員会」を設置しました。九月に検討委員会が出した報告書では「職員会議の適正な運営に向けた改善」による校長のリーダーシップの確立や「国旗・国歌の適正な実施と指導の充実」「主任の選任方法の改善と機能の充実」を打ち出しました。
さらに勤務時間内組合活動に対する賃金返還請求もあります。「まず一年前にさかのぼって賃金を返せ」と二百六十七万円を請求してきました。さらに「今後五年前にさかのぼって請求する」と言っています。
当局に不都合な職員の排除図る
組合役員や被処分者に対する強制異動攻撃も始まりました。「不適格教員」排除制度の先取りであり、露骨な政治弾圧です。
こんなことがまかり通ったら、「日の丸・君が代」反対はもちろん、職員会議で発言する、権利を主張する、休暇を取るなど、当局にとって不都合な教育労働者はすべて「不適格教員」として排除されてしまいます。絶対に許してはならないと思います。
こうした国立に対する激しい攻撃は、全都に波及しています。時間内組合活動に対する賃金返還請求も全都で始まっているし、「改善検討委員会報告書」も全都の校長に配られ、基本的にこのやり方で教組を攻撃しようとしています。
−−今年三〜四月の「日の丸・君が代」闘争に向けてはどうですか。
三学期が始まるや、絶句するほどのことが連日起こっています。
十二月二十六日、「国立市学校運営等に関する改善策」が都に報告されました。この「改善策」に沿って一月一日、校長決定で、各校の管理運営規定、職員会議細則が策定されました。管理運営規定は「校長は、学校運営に関する決定権限をもつ」「監督とは、……必要に応じ職務命令を発し、指示・命令等を行うことをいう」と明記しています。また職員会議細則では「校長は、職員会議において必要に応じて構成員の意見を聞く。ただし、校長の意志決定権を拘束するものではない」として、校長による記録の検閲、内容の加除・訂正など、職員会議の完全な補助機関化を強行してきました。
校内組織図の改訂を一月中旬までに行うことも、市教委が指示しています。「道徳の時間は土曜日はいけない」「授業参観は学期一回以上」など、学校の教育課程に介入しています。
いずれも教育基本法第一〇条が禁じている「不当な支配」そのものです。市教委の「改善策」は都教委の言いなりで、地方分権などかけらもありません。
「国旗は正面に、国歌は斉唱を」
卒・入学式の「日の丸・君が代」については、校長会の強い要望で、市教委は「学習指導要領に基づき適正に実施されるよう通達する」と、拘束性をもつ通達を出しました。反した場合は処分ということです。
国立では、昨年は卒業式の会場の中に「日の丸・君が代」を入れることは阻みましたが、今年は、屋上と式場の舞台正面に「日の丸」を掲揚し、さらに「式次第の中に『国歌斉唱』を入れる。ピアノ伴奏は音楽専科の教員が行う」と提案されています。子どもたちを主体とした国立の卒業式のあり方すべてを破壊しようとしています。そして市教委が定期的に各校を訪問し、状況を適切に把握して、「迅速な支援を実施する」というのです。
国立の教育労働者は「戦前の教育に戻ってしまう」と怒りの声を上げて、反論を開始しています。
国立で起こっていることは、これから国会で始まる「奉仕活動義務化」や「不適格教員」排除、教育基本法改悪の先取りです。戦前と同じ上命下服の教育への暴走に対して、全国から怒りの声を上げ、歯止めをかけていきましょう。
−−最後に、二〇〇一年の闘いへ一言。
広島の教育労働者の闘いを見ていると、激しい敵の攻撃に対して、一つひとつしっかり反撃していると感じます。広島の、あの突き抜けた明るさに学んでいきたいです。全国で闘いが一歩一歩着実に始まっていることに自信を持って闘っていこうと思います。
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週刊『前進』(1991号5面1)
改憲狙う憲法調査会の反動的論議を粉砕せよ−−核心は9条撤廃だ−−
「国会で憲法否決を」と叫ぶ石原
片瀬 涼
憲法調査会の設置から一年が経過した。日帝の改憲攻撃もいよいよ激しさとスピードを増している。各党ともに、六月都議選・七月参院選を前にして、きわめて挑戦的に改憲試案や改憲方針を次々と打ち出している。没落日帝の改憲攻撃は文字どおり戦争への道である。憲法調査会での超反動的な改憲論議を許さず、広範な労働者階級人民の怒りを組織し、壮大な大衆運動・反戦闘争を展開し闘おう。本稿では憲法調査会の改憲攻撃を弾劾し、併せて憲法制定過程の核心問題を明らかにする。
選挙を前に各政党が一斉に改憲方針
衆院の憲法調査会は昨年来、「日本国憲法制定経緯」や「二十一世紀の日本のあるべき姿」をテーマに、参考人からの意見聴取や討論と称する許しがたい改憲論のキャンペーンを展開してきた。今後は、「前文」「九条」「改正条項」「国民の権利義務」などの各論に移り、四月以降は地方公聴会も開催するという攻撃のエスカレーションを策している。
参院憲法調査会も「国民主権と国の統治機構」「基本的人権」「平和と安全保障」などの各論に移り、七月参院選前に中間報告を出すという。
一月三日付の産経新聞の衆参両院の憲法調査会会長の対談によれば、両院合同の調査や協議機関の創設も検討しているという。村上正邦・参院憲法調査会会長(KSD汚職で会長を辞任!)は「調査会に議案提出権を持たせるようにすべきだ」とも述べている。
日本帝国主義は、@新安保ガイドライン関連法制定や有事立法攻撃、教育改革・教育基本法改悪、司法改革などの諸攻撃をうちだし、Aファシスト石原や中曽根的な改憲扇動・国民運動の展開で改憲情勢をつくりだし、B憲法調査会での改憲論議の展開をベースに、各党の改憲試案をまとめ、調査会に議案提出権を持たせ、改憲案を国会に提出する。Cそして改憲問題を党派的分岐点に政界再編を進め、改憲派三分の二勢力を形成し、D国会の議決を経て改憲を完了しようとしている。憲法調査会は改憲攻撃の地ならしの役割を演じている。
改憲反対は都議選の焦点
憲法調査会での議論は、自民党から日共まで全政党が一体となった、許しがたい改憲論議として進行している。いわゆる「改憲」派と「論憲」派、「護憲」派の論争自体が悪質な改憲攻撃となっている。憲法調査会での議論は、労働者人民の戦後的な階級意識・反戦平和意識を解体する攻撃として展開されている。
憲法調査会の存在と動向は、日帝の改憲に向けての政治プログラムにとって、決定的な位置を占めている。憲法調査会粉砕は改憲阻止決戦の重要な柱だ。一切の改憲論議を許さず、労働者人民の怒りで国会を包囲しよう。
今日の日帝は、日米争闘戦での敗勢と没落化を背景に、きわめて早いテンポと激しさで改憲攻撃を展開している。今や対米対抗的な戦争国家化=改憲しか日帝の絶望的延命の道はないということなのだ。
六月都議選・七月参院選を前にして、各党派が一斉に改憲方針を出し始めた。
特に重大なことは、自民党橋本派が、参院選に向け党公約とは別に、改憲基本方針を掲げることである。
方針案では「天皇は『元首』であることを明記するべき」「自衛のため必要な軍隊の保持を明記」「集団的自衛権および国連などが行う集団安全保障のため軍隊の派遣(武力行使)を可能とする」「安全保障基本法を制定し、武力行使の要件、範囲などを定める」「三−五年以内に改正を実現することを目途として、衆参の憲法調査会において議論を深め、各党合意案を作るべき」などを列記している。日帝・政治委員会の中の主流派閥がストレートな九条改憲方針を打ち出すにいたったことは、改憲攻撃を激しく加速する。
山崎派は、五月三日の憲法記念日に独自の改憲試案を発表する。そこでは「日本国の平和と独立を守り、国の安全を保つとともに、国際平和に協力するため、内閣総理大臣の最高指揮権の下、陸・海・空軍を置く」(九条二項)「非常事態の宣言は、期限を定めて内閣総理大臣が行う。ただし、十日以内に国会の承認を得られなければ、効力を失う」(三項)としている。
江藤・亀井派も参院選前までに、「集団的自衛権の行使」「自衛のための軍隊の保持」などの改憲指針をまとめる。
民主党は、鳩山由紀夫代表が「集団的自衛権を行使できる場合を憲法に明記したらいい」「世界的には自衛隊は軍隊。矛盾をなくさなければならない」と党内外で改憲を扇動している。さらに「国家緊急事態基本法」制定を提唱し、自衛隊の武器使用の緩和や、緊急事態時の居住や移転の自由および財産権などの制限を主張している。改憲についても、参院選までに国のあり方についての総括的な考え方を示すという。
自由党は、改憲指針「新しい憲法を創る基本方針」を主要政党としては初めて正式決定。「現行九条の理念を継承する」「自衛の名の下に武力による威嚇またはその行使は行わないことを宣言する」などと言いながら、「国家の責務は国の名誉と国民の生命と財産を守ることであり、そのために必要な体制を整備する」「国連を中心としたあらゆる活動に積極的に参加する」「日本が率先し国連警察機構創設を提唱する」ことなどを主張し、現行九条を百八十度転換させようとしている。この小沢的「前文・九条維持」改憲指針で民主党や社民党を揺さぶっている。
社民党は、なんと土井たか子党首が自由党の改憲指針を「憲法九条や前文について変える必要なしという点については結構だ」などと評価する始末である。「自衛隊・安保容認」の基本方針の見直しの議論も若干なされたようだが結局、見直しはせず「縮小・再編をめざす」となった。
日本共産党は、昨年の二二回大会で、「違憲の存在である」自衛隊を「必要な場合には活用する」ことを決議した。これは日共が積極的に現憲法を踏みにじるということである。改憲派への決定的な転向だ。
以上のように、ほとんどの党派が改憲指針を六月都議選・七月参院選の選挙公約に掲げる。既成政党には真に改憲阻止を訴えて闘う政党はない。
都議選・参院選は重大な改憲阻止決戦の場となる。唯一、改憲絶対反対を重要政策の一つに掲げるけしば誠一氏(杉並区議)の都議選勝利を、二〇〇一年前半最大の決戦として闘わなければならない。
「近代史の政治原理は帝国主義」と石原
昨年六月総選挙後から、衆院の調査会では作家の曽野綾子や石原都知事、ジャーナリストの桜井よしこなど反動的な人物を参考人に呼び、「二十一世紀の日本のあるべき姿」と題して議論を行った。
特に、昨年十一月三十日に参考人として登場したファシスト石原は、「日本の憲法、とくにあの評判の高い前文というのは醜悪な日本語でありまして、私は文学者ですからあの醜悪な日本語というのを文章としても許すわけにいかない」とでたらめな手法で現憲法を非難しながら、「現憲法がつくられたときの歴史的な条件を規制してきた近代史というものを考え直す必要がある」と得手勝手なファシスト史観を展開した。
「日本が、強大な軍事国家として登場してこなかったならば、現実の世界の歴史は白人の植民地支配というものが続いていたに間違いない」「アメリカ人にとって、日本という国家は不気味で非常に危険な存在であり、これを徹底的に解体しようということで戦後の統治が始まった」「与えられた憲法の中で、国軍どころか一切の防衛力もない、日本人も自ら認めない、そういう誓約をさせられた。憲法九条はそのために講じられた」
ここで石原は〈焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くした〉日帝の朝鮮・中国−アジアへの侵略戦争と植民地支配の歴史をすべて隠ぺいし、アジアの解放のために日帝が戦って敗北したかのように言っている。そしてアジア太平洋戦争を、日帝を含めたアジア対欧米帝国主義の戦争であったかのように描きだしている。
だが、アジア・太平洋戦争とはなんだったのか。米帝と日帝という帝国主義国家がアジアをどちらが支配するかをかけて闘った帝国主義強盗同士の戦争だったのだ。日帝は朝鮮・台湾、中国東北部の植民地支配を拠点にして中国本土−東南アジアの勢力圏化を狙って、アジア人民大虐殺の侵略戦争を拡大した。そして日帝のアジア支配の野望の前に立ちはだかる米帝と帝国主義間戦争を繰り広げたのだ。アジア解放のための戦争だったなどというのは、日帝が帝国主義であったことを隠ぺいするものである。
ところが石原は一方で、「近代史の政治原理はなんだったのか。国際政治においては帝国主義しかなかった。是非の問題ではない。植民地にされるか植民地を持つかの競争原理しかなかった」と、日帝が帝国主義であったことを合理化し、日帝の侵略戦争と植民地支配を百パーセント正当化し開き直っているのである。だが帝国主義かどうかはまさに「是非の問題」だったのである。植民地にされるか植民地を持つかという問題だったのではない。帝国主義か、帝国主義の打倒かが問題だったのだ。
そして石原は、結論として、持論の゛憲法破棄″を唱えるのである。
「いま国会ですべきことは、そういった歴史を踏まえて、国家の宣言、国家の自立性というものを再確認しながら、この憲法を歴史的に否定することなんです」「国会で否決したらいいんじゃないですか。否定するには、過半数あったら通るのです。手続きじゃないんです」
こうした石原の主張は、ナチス・ヒトラーの「ドイツ民族の生存圏を確保するにはベルサイユ体制を打破して、侵略戦争に訴えるしかない」というクーデターと戦争の論理にまさにうり二つではないか!
石原は、真実の隠ぺいやねつ造、ウソで歴史を塗り固め、排外主義・差別主義と反米主義を扇動し、「国家の崩壊につながりかねない衰弱の要因は国家が自己決定権を欠くこと」などと言って、没落日帝の生きる道は、憲法を破棄し、戦争国家化し、対米対抗的に侵略戦争をしていくしかないと扇動しているのだ。石原が叫ぶ反米・反中国とはこういうことなのだ。
われわれは、このようなファシスト石原の登場と改憲と戦争の扇動をけっして許さない。そのためにも゛石原都政とまっこう勝負″のスローガンを掲げて闘うけしば誠一氏の都議選勝利をなんとしてもかちとろう。石原ファシスト打倒へ進撃しよう。
革命的祖国敗北主義貫き
革共同は、米日帝の朝鮮・中国侵略戦争、戦争国家化攻撃と全面対決する改憲阻止の立場から、南京大虐殺、強制連行・強制労働、軍隊慰安婦政策を始め、明治以来の日帝の侵略戦争の全歴史を全面的に暴露・断罪して闘う。さらに沖縄戦やヒロシマ・ナガサキ、労働者の戦争動員、徴兵制や学徒動員の歴史を暴露し、階級的に総括して闘う。七・七路線と革命的祖国敗北主義を改憲阻止決戦に貫いて闘うのだ。
「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」の革共同の改憲阻止闘争の三つのスローガンを高々と掲げ、改憲阻止決戦に躍り込もう。
《解説》 戦後革命敗北の副産物 憲法制定過程の核心問題
衆院憲法調査会では昨年前半、「日本国憲法の制定経緯について」をテーマに、憲法学者や政治学者など十人を参考人として招致、改憲論議を展開した。
「ハーグ陸戦法規などの当時の国際法規では、占領国は被占領国の法律を尊重するよう定めていた。それにもかかわらず占領軍は現憲法を押しつけた。だからこそ自主憲法を制定すべき」という従来型の「押しつけ憲法反対」という改憲論が展開された。
他方「現憲法は日本政府の自由意思で定めていないが、違法、無効ではない。日本政府は、天皇制存続と国家存立のために受け入れた。国民の支持も受け、その後定着した。『押しつけだから改憲』ではなく、国民の安全と繁栄のために必要な憲法にあらためる『正統としての改憲論』を展開して欲しい」(五百旗頭真・神戸大大学院教授)という、「単純に押しつけとは言えないが未来志向で改憲すべき」論もきわめてペテン的に展開された。
議論が集中した九条については、「マッカーサー三原則は侵略と自衛の双方の戦争を明確に否定していたが、草案作成過程でGHQ民政局のスタッフが修正した。さらに芦田修正(九条二項に『前項の目的を達するために』を追加)で、自衛権や自衛のための戦力の保持が可能になった。マッカーサーもそれを承認した」などの「押しつけか否かに関係なく、現憲法は〈自衛権〉〈自衛ための戦力〉を持つものとして制定された」論が展開された。
憲法を規定した三つの要因
では実際、日本国憲法はどのような経緯の中で制定され、どのような階級的性格を持っているのか。
結論的に言って第一に、戦後日本革命の爆発的な高揚とその敗北(スターリン主義反革命の裏切りによる敗北)と憲法の成立が表裏一体だったことである。戦後革命の敗北の副産物として憲法はあるのである。
第二に、戦勝帝国主義・米帝による敗戦帝国主義・日帝に対する対日政策の展開の一環として憲法制定があるということである。
第三に、アジアにおける反帝・民族解放闘争の全面的で激しい爆発が侵略帝国主義・日帝の戦後のあり方を決定的に規定していることである。
ここでは特に第一の点について押さえておきたい。
第二次世界大戦が終結した時点での帝国主義世界は、総力戦による破壊と疲弊の中から戦後革命の巨波が起こりグラグラになっていた。日本では、朝鮮人・中国人労働者を先頭に巨万の労働者階級人民が生きるための闘いに立ち上がり、戦後革命が発展していた。敗戦日帝は帝国主義として体を成さないほどの体制的危機に陥っていたのだ。
したがって憲法制定過程における日米帝の最大の階級的利害はこの高揚する労働者階級人民の闘いをいかに圧殺するかにあった。
一九四五年八月の敗戦直後(正確には敗戦前)から、炭坑などで強制連行・労働を強いられてきた朝鮮人・中国人労働者が日帝糾弾・民族解放の怒りを爆発させ、戦時中の労務管理の責任追及、待遇改善などをも掲げてストや蜂起に立った。十月から闘われた読売新聞争議は、新聞の戦争責任者として、警視庁警務部長から社長となり、大政翼賛会総務などを歴任した正力松太郎以下全局長の退陣を社員大会で決議し、従業員組合を結成、組合が自主的に新聞を発行する「生産管理」闘争を闘った。
軍需産業の崩壊による生産の縮小、インフレによる物価の急上昇で、失業と飢餓にたたき込まれていた労働者階級は、朝鮮人・中国人労働者とともに、全国各地で労働組合を結成し(四六年末で組合数一万七千余、組合員数四百九十二万人)、生きるために闘いに立ち上がっていった。
このように日本階級闘争が内乱的・革命的に発展し始めていた四六年二月、GHQは、日本政府が提出した明治憲法とほとんど同じ内容の憲法改正松本試案を拒否、いわゆるマッカーサー草案を作成し日本政府に手渡したのである。
一方「幣原内閣打倒人民大会」に結集した七万人の労働者人民は首相官邸に突入し、警官隊の発砲や米軍装甲車・MPと実力で対峙して闘った(写真)。憲法審議のために行われた四月十日の総選挙の結果、幣原内閣の与党進歩党は第二党に転落し、第一党となった自由党も単独過半数を確保できず、幣原内閣は二十二日、総辞職に追い込まれる。これ以降一カ月にわたって政権が存在しない「空白期」が出現した。五月一日の戦後初のメーデーには五十万の労働者が結集。さらには十九日の二十五万人の労働者人民が結集した食糧メーデーは、吉田茂の組閣をいったん断念させる。
この事態にマッカーサーは「暴民デモゆるさず」と声明を発表、占領軍のゲバルトを背景に恫喝した。これに社会党は震え上がり、「占領軍=解放軍」規定の日共の裏切りも決定的だった。日本政府とGHQの弾圧と恫喝、社・共の屈服と裏切りで闘いの波は一時的に後退に向かった。こうした内乱的事態の中で、五月二十二日に第一次吉田内閣が成立し、日本国憲法の審議が始まったのである。
日共「解放軍」規定の犯罪性
その後は、第二次読売争議、都労連の業務管理闘争などを経て、国鉄・海員ストからほとんどの産別でのスト突入−四七年二・一ゼネストへとのぼりつめていく過程でもあった。
ところが日本共産党は、「米占領軍は解放軍である」と強弁し、「民族民主革命」路線なるものによって、米帝の日本占領政策、特に民主化政策を賛美・支持し、そこに労働者階級を動員することによって、戦後革命運動の発展をねじ曲げ、抑えつけ、日帝打倒に敵対したのである。労働者階級は真の革命党を持ち得ず、日共をのりこえることができず、「平和と民主主義」の諸政策にからめ取られ、またとない戦後革命=日帝打倒の戦略的好機を逃してしまったのだ。
戦後革命の爆発、労働者階級の総決起に直面した日帝は、こうして米占領軍に支えられてかろうじて延命した。そこにおいて、日帝は、戦争放棄、戦力不保持・交戦権否認、主権在民、基本的人権、議会制民主主義、地方自治などを憲法に盛り込み、労働者階級にそれらを保障することとひきかえにようやく延命できたのである。同時に、天皇制を象徴天皇制として再編的に護持し、在日朝鮮人民・中国人民を排除・抑圧し、沖縄を米軍政のもとへ売り渡し、それへの日共の屈服・容認を媒介とする日本の労働者階級の屈服の上に、戦後日帝を再建していくものとなったのである。
一方での四六年十一月の憲法公布と他方での四七年二・一ゼネストの日共の裏切りによる中止という事態は、この階級的諸関係を象徴している。このように、憲法は嵐のように展開した戦後革命とその敗北の副産物であるのだ。これでやっと日帝は延命・再建の緒についたのだ。
こうして、憲法は、日帝と戦後革命にまで攻め上った労働者階級人民・沖縄人民との階級決戦の未決着という階級関係に規定され、かつ日帝と米帝との戦後的な帝国主義間争闘戦関係に規定され、さらに日帝とアジア人民・在日アジア人民との関係に規定されているのである。
最大の核心問題である九条は、そのような諸関係の中で、明白に、徹底的な戦争放棄、戦力不保持、交戦権否認の条項としてある。宣戦布告、非常事態宣言、軍事裁判所の規定条項がないことも、九条の性格を一層鮮明にさせている。
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週刊『前進』(1991号5面2)
軍報速報 空港公団幹部宅に火炎攻撃 1・23 千葉市
革命軍は以下の軍報を発表した。
革命軍は、一月二三日午前三時二五分、千葉県千葉市稲毛区六方町にある新東京国際空港公団情報業務課調査役の鈴木敏之の自宅に対して、断固たる火炎戦闘を叩きつけた。この戦闘によって、鈴木の自宅車庫に止めてあった乗用車二台を車庫もろとも完全に焼き落とした。
革命軍はこの戦闘を、二〇〇一年暫定滑走路建設実力阻止決戦の血路を切り開く戦闘として勝ち取った。
中村公団総裁は、一月三日には敷地内・東峰に侵入し、敷地内農家に対して暫定滑走路建設強行を通告した。さらに翌四日には記者会見の場で、二〇〇二年五月暫定滑走路供用開始の予定を繰り上げる方針を発表した。
本日の戦闘は、こうした年初以来の空港公団の激しい暫定滑走路建設攻撃に対する反撃の第一弾の戦闘である。われわれは三四年間に及ぶ農地強奪=農民殺しの悪行をさらにいっそうあくどい形で貫こうとする暫定滑走路建設を断じて認めるわけにはいかない。必ず実力で粉砕するのだ。
革命軍は、二〇〇一年突入にあたって、あらためて反対同盟との血盟をさらに強固に打ち固めることを誓う。二〇〇一年を暫定滑走路攻撃を完膚無きまでに粉砕するゲリラ・パルチザン戦争の大爆発の年とすることを宣言する。
二〇〇一年一月二三日
革命軍
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週刊『前進』(1991号5面3)
2001年日誌 阻もう! 改憲=戦争への動き 1月16日〜23日
アーミテージ「集団的自衛権行使を」
米兵犯罪に怒りの抗議続く
●01年米国防報告 米国のコーエン国防長官が二〇〇一年の国防報告を議会に提出し、公表した。報告では、昨年までの国防報告や各種戦略文書に必ず明記されていた「十万人」というアジア太平洋地域に前方展開している兵力水準を示す数字が初めて削除された。国防総省は「兵力構成の変化を示すものではない」としているが、在日米軍を始め増強も含めた今後の配備再検討に向け、柔軟性確保を狙ったものと見られる。(16日)
●「集団的自衛権行使を」とアーミテージ 自民党の山崎拓元政調会長が訪米し、アーミテージ元国防次官補と会談した。アーミテージは、日本の集団的自衛権の行使について、「日本自身が決めることだ」としながら、「行使できるようになることを望む」と述べ、日本政府の憲法解釈の変更を求める考えをを示した。(16日)
●公開審理始まる 沖縄の楚辺通信所(読谷村)や牧港補給基地(浦添市)の一部土地を対象とした米軍用地特措法に基づく、沖縄県収用委員会(当山尚幸会長)の第一回公開審理が那覇市で行われた。同法改悪後初の強制使用手続きで、継続使用を申請した那覇防衛施設局が理由説明をした。違憲共闘会議の有銘政夫議長は「私たちが闘いを放棄すれば二十一世紀の沖縄は『新たな戦前』を担わされる。一歩たりとも引かないことが問われている」と審理前の集会参加者に訴えた。(17日)
●「北朝鮮政策を包括見直し」とパウエル 米国のパウエル次期国務長官が、上院外交委員会公聴会で、ブッシュ政権の外交政策について証言し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策に関して、包括的に見直す方針を示し、基本姿勢として、@ミサイルの開発と輸出、戦力配備の問題が根本的に解決しない限り、人道的な食料支援以外の見返りは与えない。Aクリントン政権の関与政策は継続するが、性急な関係正常化には走らない。B日本や韓国との協議を重視し、現実的かつ非常に慎重に対応すると述べた。(17日)
●自衛隊協力を自治体に義務化の方針 防衛庁が、災害時に自衛隊を要請する都道府県など自治体に対し、自衛隊への「協力義務」を負わせる方向で検討する方針を固めた。(17日)
●民主党が改憲に向け会合
民主党の「憲法と集団的自衛権について考える会」が今年初の会合を開き、米外交問題評議会のマイケル・グリーン研究員と意見交換した。グリーンは「日本の政治家は軍事問題にもっと積極的にかかわるべきだ。自衛隊の文民統制を高め、日米首脳会談でも周辺事態などで戦略的な議論ができるようになる」と述べ、日本が改憲して集団的自衛権の行使を明記することについて「米国のどの政権も歓迎するだろう。情報、技術の共有が進み、国際的な信用も高まる」と語った。(17日)
●海兵隊削減を決議 沖縄県議会が臨時議会を開き、「在沖米海兵隊員による女子高校生強制わいせつ事件に関する意見書」と「同抗議決議」を全会一致で可決した。事件に厳重抗議し、海兵隊を含む兵力削減、綱紀粛正などを求めている。同県議会で与野党が一致して海兵隊の削減を求めるのは初めて。那覇市など他の市町村議会でも同様の抗議決議が可決されている。(19日)
●米軍が受け取りを一時拒否 沖縄県議会の米軍基地関係特別委員会の与野党議員が、米軍や那覇防衛施設局などを訪問し、事件への抗議と再発防止、綱紀粛正などを求めた。在日米軍沖縄調整事務所のジョン・R・フロインド所長が「非公式な文章や情報コピーは受け取る権限がない。政府を通してくれ」と抗議決議文の受け取りを拒否、県議らの抗議で決議文を受け取った。(19日)
●エストラダ政権崩壊 フィリピンで汚職や横領に問われているエストラダ大統領の辞任を求めて数十万人が集会。閣僚の辞表の提出や国軍の離反で政権が崩壊、エストラダ大統領は辞任を表明した。アロヨ副大統領が新大統領に就任した。(20日)
●オスプレイ記録改ざんで指揮官が解雇 米国防総省が、沖縄への配備も予定されている米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの管理記録を改ざんするように部下に命じたとし、同機のテスト飛行部隊指揮官を解雇したと発表した。(19日)
●ブッシュ大統領就任 ジョージ・W・ブッシュが第四三代大統領に就任した。就任パレードの行われた沿道では約二万人の激しい抗議が行われた。(20日)
●強制使用取り消し訴訟
米軍用地特別措置法に基づき、内閣総理大臣が行った土地の強制使用認定は無効だとして、沖縄の楚辺通信所と牧港補給地区に土地を所有する地主二人が取り消しを求めた訴訟の第一回口頭弁論が那覇地裁で開かれた。(23日)
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週刊『前進』(1991号6面1)
次期防(中期防衛力整備計画)を弾劾する
自衛隊を侵略軍隊に改編し9条改憲への突破策す日帝
昨年十二月十五日に二〇〇一−〇五年度の中期防衛力整備計画(次期防)が、閣議と安全保障会議で決定された。この次期防は、歴史を画する日本帝国主義の軍事大国化の意思を内外に宣言するとてつもない計画である。日帝は新安保ガイドライン体制を構築し、それを発動するために、超反動的な自衛隊の大改編に乗り出したのである。ひとことで言って「侵略戦争を遂行することのできる自衛隊」への反革命的な改編の攻撃である。それは、改憲・有事立法攻撃と一体のものである。日帝の朝鮮・中国−アジアへの侵略戦争への歴史的な踏み込みを示すものである。次期防の核心を暴露し徹底的に弾劾する。
ガイドライン体制構築 米軍と共同して戦争
次期防の第一の特徴は、新安保ガイドライン体制を構築することをとおして、日帝の歴史を画する軍事大国化=戦争国家化を実現しようとしている点である。
次期防の〔T〕計画の方針で、「アジア太平洋地域における平和と安定を維持するために引き続き重要な役割を果たしている日米安全保障体制の信頼性の向上を図るため、一層の努力を傾注し、平素から日米間の安全保障面での緊密な協力関係を増進する」ことを目的にすると明記した。
それを受け〔W〕日米安保体制の信頼性の向上を図るための施策で、「我が国に対する武力攻撃に際しての共同作戦計画についての検討及び周辺事態に際しての相互協力計画についての検討を含む日米共同作業を推進し、引き続き、運用面における効果的な協力態勢の構築に努める」とした。
これまでも暴露してきたように、新安保ガイドライン協定は直接的には「朝鮮侵略戦争遂行のための軍事協定」であり、ひいては日米帝による中国−アジア、世界に対する侵略戦争遂行のための軍事協定なのである。この軍事協定に基づいて、日帝は侵略戦争態勢づくりを進めてきた。
これを次期防で、日帝・自衛隊が日米安保体制の「信頼性の向上」を図り、「運用面における効果的な協力態勢の構築」にふさわしい自衛隊の改編、すなわち日米帝の侵略戦争を遂行することのできる自衛隊への改編を実現すると宣言したのである。日米安保の発動=侵略戦争に日帝・自衛隊が米軍とともに侵略軍となるという宣言だ。日帝・自衛隊が、朝鮮・中国−アジア人民の前に、あの凶暴な日本軍として再び登場することを宣言したのだ。
そのために、陸海空自衛隊を一個の統合した侵略軍隊として改編することを正面から打ち出したのだ。また他方では、「在日米軍駐留支援及び沖縄の施設・区域の整理・統合・縮小を含む在日米軍の駐留を円滑かつ効果的にするための施策を推進する」ことを侵略戦争遂行態勢の柱として打ち出した。自衛隊の侵略軍隊化と名護新基地建設と那覇軍港浦添移設は完全に一つのものと位置づけられているのである。
こんな反革命宣言を日本プロレタリアートは絶対に認めるわけにはいかない。
日帝は新安保ガイドライン協定締結、新ガイドライン関連法強行成立、臨検法の強行成立と矢継ぎ早に戦争国家化を進めてきた。その中で、日帝・自衛隊の侵略軍隊化を進めてきた。だが世界が二九年型世界大恐慌へと突入しつつある中で、朝鮮半島情勢が激動し始め、中国の激動情勢が強まり、日帝は没落帝国主義化している。日帝はここから、絶望的延命路線である改憲攻撃をついに本格化させた。日帝は、米帝との争闘戦での敗勢を覆し、勝ちぬくためにも、アジア勢力圏化に突進するしかないのだ。
つまり、これまでどおりでは日帝は延命できない地点に立たされているということだ。だから、日帝はそれが必ず破産することが明らかな道であろうと、改憲=侵略戦争の道に突き進んでいる。次期防での自衛隊の侵略軍隊化と沖縄闘争圧殺攻撃の凶暴化はそれを示している。
陸海空自に新兵器導入 軽空母などの大軍拡
第二の特徴は、次期防の「主要事業」のことごとくが戦後一貫して、米帝からも「禁止」され、アジア人民や日本の労働者人民の反対によって押しとどめられてきた、自衛隊の侵略軍隊化に焦点が合わされているということである。(次期防の別表を参照)
次期防の「主要事業」では、@空中給油機の導入、A一万三千五百d級ヘリコプター搭載護衛艦(これは軽空母だ!)建造(想像図参照)、B新イージス艦の建造、C現有のAH−1Sに代わる攻撃ヘリコプターの導入、D哨戒機P3Cの後継機の国産開発、E輸送機C1後継機の国産開発、F74式戦車に代わる新型戦車の開発、GTMD(戦域ミサイル防衛)の推進などが挙げられている。これとは別個に、すでに軍事偵察衛星の打ち上げ、運用が決定されている。
(1)まず空中給油機の導入について。航空自衛隊のF15戦闘機の行動半径は千二百七十`、米軍のF16対地攻撃機の行動半径は九百三十`。東京とピョンヤンの直線距離は約千三百`だ。現在の戦闘機や攻撃機の行動半径では、在日米軍基地や自衛隊基地からの作戦は不可能だ。
だが空中給油機を導入することによって、戦闘機や対地攻撃機の行動半径や滞空時間は飛躍的に伸びる。朝鮮半島への爆撃や朝鮮半島上空での制空権の確保のために在日米軍基地、自衛隊基地や日本の民間空港から飛び立った戦闘機や攻撃機を使用可能にしようとしているのだ。戦場を具体的に朝鮮半島や台湾海峡、中国大陸に定めた作戦計画から不可欠のものとして空中給油機導入を計画しているのである。
(2)つぎに軽空母の建造について。次期防やマスコミは「一万三千五百d級ヘリコプター搭載護衛艦」などと宣伝しているが、これはまぎれもなく軽空母だ。イギリス海軍の軽空母インビンシブルは二万d級、フランス海軍の空母クレマンソーは二万七千d級だ。これらの軽空母に比べて小型ではあるが、その機能と役割は空母に他ならない。
海上自衛隊は、輸送艦と打ち出した強襲揚陸艦「おおすみ」(八千九百d)に続いて、今度は護衛艦と打ち出して、ついに侵略戦争のために軽空母の建造に踏み切ったのである。今後、搭載ヘリコプターの攻撃力の強化や垂直離着陸(V/STOL)機の搭載、艦船そのものの大型化によって、本格的空母建造に向かうことは必至だ。
空母は第二次世界大戦で主力艦の地位を築いた。それは軍事的、攻撃的威力が大きいことを証明したからだ。戦後の米帝の侵略戦争での米海軍の空母の軍事的威力を振り返れば、それは明白だ。歴史的にみて空母と呼べる艦を自国で建造し、保有した国は米、英、仏、ロシア、日本(戦前)だけなのだ。これらの空母は侵略戦争の最大の武器となってきたのである。
したがって日帝・自衛隊の軽空母の建造は、日帝政府が「防衛白書」の中で、「憲法第九条の趣旨についての政府見解」として「攻撃的兵器を保有すること……例えば、ICBM、長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母を自衛隊が保有することは許されない」としてきた見解を完全に投げ捨てることなのである。
また戦後米帝が日帝の再軍備に際して、絶対に日帝が保持してはならないのは「独自の核武装、空母の保有、軍事衛星の保有」の三つだとして制限してきた項目を公然と打ち破ることを意味する。日帝にとって、「残るは核弾頭だけ」ということになる超重大な軍事大国化のエスカレーションなのである。
(3)C1輸送機の後継機の国産開発は、自衛隊の海外出兵のためのものだ。C1輸送機の航続距離は六・五d搭載時に約二千`だが、後継機(CX)では航続距離を七千`にまで伸ばそうとしている。東京−ジャカルタ間が約七千`だ。自衛隊がアジア全域に、途中での給油なしに進出することを目的としたCX開発であることはあまりにも明白である。
(4)新型イージス艦は、TMDの導入と一体である。新型イージス艦は、日本海においてミサイル発射を探知し、これに迎撃ミサイルを発射して撃ち落とすことを目的にしたものだ。ここで開発される迎撃ミサイルを攻撃ミサイルとして転用すれば、日帝・自衛隊が戦域ミサイル・戦略ミサイルを保有することにつながるものである。
(5)新型戦車の開発も侵略戦争を目的としたものだ。次期防で開発が盛り込まれた新型戦車は、小型軽量化するとしている。これは、朝鮮半島や中国大陸といった戦場での戦車の役割を想定しているものだ。
以上、簡単にみただけでも、次期防の狙いが陸海空自衛隊を朝鮮・中国−アジア侵略戦争を遂行することのできる攻撃型軍隊へと改編することを目指していることは明らかである。
改憲・有事立法と一体 徴発・徴用・権利制限
第三の特徴は、次期防をとおして自衛隊を侵略戦争遂行型の軍隊へと改編することで、有事立法攻撃、改憲攻撃を一気に推し進めようとしていることである。
日帝・自衛隊は新安保ガイドライン体制構築のために、「北朝鮮脅威論」で排外主義をあおり、「北朝鮮のゲリラの侵入に備えよ」「原発襲撃に備えよ」などと称して、一方で自衛隊を海外出兵し武力行使することを合理化し(臨検や海上警備行動など)、他方で治安出動のハードルを低めること(領域警備や警備出動)を追求してきた。
周辺事態=日本有事として、自衛隊が米軍とともに出動し、侵略戦争を遂行するためには、どうしても自衛隊と米軍の「作戦行動の自由」を確保しなければならない。また、労働者人民の権利を制限し、土地や物資の徴発、輸送手段の強制的確保などが必要となってくる。そのための法的根拠が必要となってくる。
そのために、日帝・自衛隊は@自衛隊有事法、A米軍有事法、B人民の強制動員法、C人民の権利制限法など有事立法を必要としている。そうした法制を野党の無力と屈服のうちに強行成立させてしまおうと策動しているのである。
安保を認め、自衛隊を認めた日共や社民党には、有事立法制定と闘う気力も論理も残ってはいない。今こそ、「二度と侵略戦争を繰り返させない」という戦後労働者階級人民の闘いの歴史的蓄積を解き放ち、有事立法制定絶対阻止の闘いの爆発をかちとらなくてはならない。
また次期防は、戦後日帝に対して゛禁じてきた″空母保有、長距離ミサイル保有、軍事偵察衛星保有の壁を一気に突き破ろうとしている。日帝の軍事大国化にとって、残る戦後的制約は゛核弾頭だけ″になろうとしているのだ。
こうした日帝の戦争国家化の歴史を画する大攻撃こそ、九条改憲攻撃の先取りであり、改憲攻撃の激化をもたらすものなのである。
そこから、日帝・自衛隊の海外出兵を合法化するために、日帝・政治委員会や民主党の鳩山などから、「集団的自衛権を承認するべきだ」との大合唱が生まれてきている。まさに、日帝の改憲攻撃は、自衛隊を国軍として認知し、海外出兵し武力行使できる軍隊にする九条改憲に照準を合わせているのだ。
また、自衛隊の幹部たちは、二〇〇一年こそ「働く自衛隊」に転換しようと唱えている。「働く自衛隊」とは、侵略戦争を遂行する軍隊、実際に血を流し、労働者階級と被抑圧民族人民を虐殺する軍隊のことだ。
次期防こそ帝国主義的侵略戦争を遂行するための改憲・有事立法攻撃の最先端の攻撃である。改憲阻止決戦の全人民的爆発で粉砕しよう。
〔井場啓史〕
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次期防の別表
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区分
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種類
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整備規模 |
陸上自衛隊 |
戦車 |
91両 |
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火砲(迫撃砲を除く) |
91両 |
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多連装ロケットシステム |
18両 |
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装甲車 |
129両 |
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戦闘ヘリコプター |
10機 |
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輸送ヘリコプター(CH47JA) |
7機 |
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地対空誘導弾(ホーク)改善用装備品 |
0.25個群 |
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新中距離地対空誘導弾 |
1.25個群 |
海上自衛隊 |
護送艦 |
5隻 |
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潜水艦 |
5隻 |
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その他 |
15隻 |
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自衛艦建造合計 |
25隻 |
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(トン数) |
(8.6万トン) |
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新掃海・輸送ヘリコプター |
2機 |
航空自衛隊 |
要撃戦闘機(F15)近代化改修 |
12機 |
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支援戦闘機(F2) |
47機 |
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輸送ヘリコプター(CH47J) |
12機 |
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空中給油機 |
4機 |
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週刊『前進』(1991号6面2)
“米軍用地強制使用許せぬ” 沖縄県収用委 第一回公開審理に怒り
読谷村の米軍楚辺通信所(象のオリ)と浦添市の牧港補給基地の一部土地が地主の契約拒否により今年三月末で使用期限切れを迎えるため、沖縄県収用委員会(当山尚幸会長)は改悪米軍用地特別措置法に基づく初めての土地の強制使用裁決申請を行い、一月十七日、第一回公開審理が那覇市の自治会館で開かれた。
審理に先立ち、会館前では百人近くの支援者が集まり違憲共闘会議主催の事前集会が開かれた。有銘政夫違憲共闘会議議長は「土地の強制使用を容認したら、二十一世紀は新たな戦前になる」「基地がある限り沖縄の戦後は終わらない」と激しい怒りと不屈の闘う決意を込めてあいさつ、反戦地主会の池原秀明さんが、国直轄で土地収用をする米軍用地特別措置法改悪を厳しく批判した。そして今回の強制使用の対象地−象のオリの地主の知花昌一さんは「沖縄県の収用委員会の裁決にかかわらず、すべての手続きを総理大臣が行う改悪米軍特措法は財産権の侵害。象のオリは米軍部隊の解隊式が一九九八年六月一日に行われ、今は民間会社が土地を管理している。そしてSACO合意で今年三月の返還の約束をしていながら、それ以降の継続使用を申請している」と国みずからがSACO合意を踏みにじっていることを厳しく糾弾した。
また、牧港基地の地主で浦添市職労委員長の古波蔵豊さんは「相次ぐ米軍による事件事故で人権が踏みにじられる今、自分の土地は小さいが、取り返して社会を変えていく足場にしたい」と心からの思いを語った。弁護団の伊志嶺弁護士はSACO合意を破る政府への批判と収用委員会が却下の裁決を出すよう期待すると語り、その後支援者は地主、弁護団を拍手で激励し、会場に送り出した。
今回の審理では、栗原精治・那覇防衛施設局施設部長が裁決申請理由を陳述した。地主側の意見陳述は次回からとなった。栗原は「日米安保体制は日本とアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠で、米軍駐留はわが国の平和維持に今後も寄与する。施設・区域の安定的供給は条約上の義務」などと述べ、傍聴席からは「でたらめだ」と怒声が飛んだ。そして知花昌一さんの土地を四年二カ月、古波蔵豊さんの土地は十年間の強制使用を申請した。長々と文書を読み上げる施設局に対し、地主と弁護団にはその申請書類が配付されていないことが弁護団から指摘された。
次回は二月二十三日午後一時三十五分から読谷村総合福祉センターで知花昌一さんが国の裁決申請理由に反論を予定。また、収用委員会は施設局を通じて米軍に現地への立ち入りを申請しており、同日午前に現況調査を予定しているが米軍からの回答はまだとのことであった。
米兵犯罪続発に怒りが充満
相次ぐ米軍による事件・事故は在沖米軍へのオフリミッツ解除の直後に続発した。キャンプ・ハンセンの元司令官は米兵の事件・事故の続発に対し、「反基地の政治家が宣伝しているだけ」と占領意識を丸出しにして居直った。沖縄人民は九五年九・四事件以来の怒りに打ち震えている。米兵犯罪の続発に対して、抗議行動や議会での抗議決議があいついでいる。七〇年コザ暴動前夜を彷彿(ほうふつ)とさせる、いつ何が起こっても不思議でない怒りが沖縄に充満している。こういう状況の中で収用委員会裁決を形骸化無力化し、最終的には国の思い通りに土地を奪う改悪特措法は有事立法そのものであり、行き着く先は憲法改悪、朝鮮・中国−アジア侵略戦争であり、沖縄の最前線基地化だ。沖縄は被害者にも加害者にもなりたくない。普天間基地と那覇軍港の県内移設を阻止し、必ず基地を撤去すると、参加者は決意を新たにした。
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週刊『前進』(1991号6面3)
読者からの手紙 知りたいこと大事に読んだ 東北 H・W
『前進』一九八七号(十二月二十五日付)6面の「遺伝子組み換え食品の脅威」と「『障害者』差別・抹殺強める人クローン規制法成立弾劾」と「女性国際戦犯法廷『天皇と日本は有罪』」の三つの記事は、非常に勉強になりました。全部読みたかった、知りたかったことです。
年が明けて、NHKや毎日新聞の特集で、遺伝子組み換えトウモロコシと、移植用臓器づくりと現実に死体の骨から何にでもバンクがあって、市場商品として流通している問題をみて、最先端技術の悪夢のような現実に大変危機感を持っていました。
そういうことについて、「障害者」抹殺につながる問題、帝国主義間争闘戦の問題、そして戦争犯罪、とりわけ女性たちへの戦争と性暴力の問題が詳しく書かれていました。
わが子も食物アレルギーがあり、自分も花粉症にいつも悩まされていて、より身近な問題と感じました。今後も、今回の記事のように、いのちと食と医療、福祉、そして戦争について、どんどんわかりやすく載せてください。
仕事と家事と育児に追われるわたしが、このページを「びりっ」と切り裂いて大事に読みました。日帝と大資本の悪宣伝に負けぬよう゛かしこい消費者″として学習を続けていきたいと思います。
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