ZENSHIN 2001/01/22(No1989 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

 

週刊『前進』(1989号1面1)

四党合意絶対粉砕! 執行部総退陣かちとれ! 1・27国労大会に1万人大結集を
 改憲粉砕・教育基本法改悪阻止、6月都議選必勝へ総決起しよう
 分裂カクマル打倒へ大攻勢を

 二〇〇一年の闘いが開始された。本紙新年号が、政治局アピール、島崎論文、藤沢論文から労働者座談会、各界人士のアピールまで全体として打ち出していることは、帝国主義の未曽有(みぞう)の危機と絶望的な凶暴化、侵略戦争と戦争国家化の攻撃および一大資本攻勢に対して、労働者階級人民の決起によって帝国主義を打倒して共産主義社会への移行をかちとることを訴える力強いメッセージである。二〇〇〇年を総力を挙げて日帝と闘いぬいてきた勝利感の上に、二十一世紀への烈々たる決意を表明している。この新年号を百パーセント主体化して、勇躍闘いに突入しよう。改憲阻止決戦を最大の課題とし、六月都議選でのけしば誠一氏の当選を今年前半の最大の決戦として、必勝体制を築き上げよう。当面する最大の闘いである一・二七国労続開大会決戦に勝利しよう。

 第1章 没落帝国主義・日帝の超反動国会と対決へ

 二十一世紀突入早々、帝国主義の世界経済は激しい危機に見舞われている。ニューヨーク株式市場の大幅安で迎えた新年、一月三日、四日と連続で緊急利下げに踏み切ったが、依然として超不安定な状態にある。米帝経済はバブル崩壊、二九年型世界大恐慌の本格的爆発に向かってさらにのめり込みつつある。
 二十日に就任式を迎えるブッシュ新政権は、こうした米帝危機の中で、前政権との帝国主義的な本質的連続性をもちつつ、対日争闘戦を重視し、より強く戦争的打開に軸足を置いた政権となることは明白である。米帝の九一年イラク・中東侵略戦争(湾岸戦争)当時の国防長官だったチェイニーを副大統領に、同じく統合参謀本部議長だったパウエルを国務長官に任命し、フォード政権のラムズフェルド国防長官を二十五年ぶりに再登用するなど、争闘戦激化・対外侵略戦争体制の強化に向かう体制である。
 昨年十月に発表されたアーミテージ元国防次官補ら超党派の対日政策提言「米国と日本|成熟したパートナーシップに向けた前進」で、対中国の戦争体制はそれとして形成し、いざ戦争となっても、日本を同盟国として完全に引き付けておくという立場から、対日政策展開を図るということを表明している。中国をねじ伏せる力でアジア支配を貫き、日帝のアジア勢力圏化を絶対に阻止するということは不変なのだ。
 一方、日本帝国主義も年明けから株価の下落を続け(十一日に昨年来の最安値を更新)、きわめて危機的である。帝国主義間争闘戦での敗勢によって、日帝は没落帝国主義として刻印されてしまっているのだ。
 一月六日から一府十二省庁への中央省庁再編が施行された。行財政改革の先頭に橋本や野中が立って、公務員制度改革、特殊法人改革など行革大リストラを強行しようとしている。
 年末決定された二〇〇一年度政府予算案は、超放漫赤字財政を続けるもので、来年度末には六百六十六兆円の借金にさらに膨れる。
 十二月十四日に閣議決定された次期防(次期防衛力整備計画)は、空母型護衛艦、新イージス艦、空中給油機導入など独自軍事行動=侵略戦争を可能とする装備の強化をもって大軍拡を図ろうとするものである。SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)関連予算は一七・四%増となり、名護新基地建設を狙う攻撃の激化を示している。
 総じて、日帝の没落帝国主義化、その中での絶望的凶暴化として、改憲=戦争国家化、朝鮮・中国侵略戦争に向かっての攻撃が進められていることをがっちり押さえなければならない。
 その中で最大の攻防は改憲をめぐる闘いにあり、その核心は九条問題である。われわれは新年政治局声明において、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」と並ぶ三本目の戦略的スローガンとして「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒」を掲げ、この三本を改憲阻止闘争のスローガンとして闘うことを確認した。さらに、有事立法阻止や教育基本法改悪阻止など、あらゆる闘いの水路から改憲阻止闘争を切り開いていくことを確認した。
 戦争への道を許さない一大反戦闘争として改憲阻止闘争を位置付けて闘うという意味で、改憲決戦は安保・沖縄闘争とイコールであり、その発展である。一月三十一日召集の通常国会での有事立法、PKO法改悪、「教育改革国会」の超反動攻撃と対決し、今春闘争の爆発をかちとろう。

 第2章 国鉄決戦勝利へ絶好の情勢が到来した!

 当面の最大の決戦は一・二七国労続開大会をめぐる対決に勝ちぬき、それを軸に今春闘への労働者の決起をかちとることである。
 宮坂・チャレンジ、革同上村派は、今度こそ「四党合意」承認を何がなんでも強行するという体制で臨もうとしている。彼らは「四党合意」の受け入れを迫るILO第二次勧告や、十一月、十二月の高裁反動判決を弾劾するどころか、これをテコに総屈服の大会決定を強行しようとしている。
 さらに重大な事態は、国労東京地本の酒田委員長らが「四党合意」受け入れの裏切りに走っていることである。東京地本は十二月十四日付で「続開大会の成功にむけた見解」を発表した。この見解は「総団結」を掲げ仲介者を装って「四党合意」を推進するものである。三度の大会で紛糾した対立点をあいまいにし「総団結」の名で総屈服の道を開こうというのだ。
 とりわけ許せないことは、「続開大会成功のため妨害勢力に対して毅然たる態度をとる」ことを国労本部に要請していることである。これは三度の大会でかちとられた闘争団を始めとする「自分たちの人生を勝手に決めないでくれ」というやむにやまれぬ決起を、外部の「妨害勢力」によるものと言いなし、警察権力に動員要請をして排除しようとするものである。
 闘争団を先頭とする実力決起こそ、「直接民主主義」であり「自己決定権の行使」であり、国労を「自殺」から救ったものである。それを真っ向から抑圧する立場に立つことは、国労が闘争団を排除し、自らの首を絞め自己解体することを意味するのだ。
 この暴挙に対して、不屈の闘争団労働者の怒りの声と闘いが燃え上がっている。“これは十三年間の闘いの放棄であり、千四十七人の首切りを承認するものであり、闘争団の切り捨てである゜という批判が猛然と巻き起こっている。
 日帝政府は、今度の通常国会で「JR完全民営化法」の成立を狙い、第二の分割・民営化というべきJR東日本の中期経営計画「ニューフロンティア21」で一万人合理化攻撃を国鉄労働者に加えてきている。そのために、国労がこれまでのような闘う組合であってはならない、国労を解体せよと「四党合意」受け入れを迫ってきているのである。まさに国労が生きるか死ぬかの正念場なのだ。
 「四党合意」の張本人である国労現執行部の総退陣をかちとり、「四党合意」を粉砕して、闘う執行部を樹立することこそ、国労の戦闘的再生の道である。
 動労千葉は、JR東日本の攻撃に対してストライキをもって対決しようとしている。一九七九年分離独立以後、分割・民営化攻撃と闘って今日まで勝利的に闘いを貫いてきた動労千葉が再び国鉄労働者の闘う道を指し示している。
 さらに、今日ますます激化しているカクマルとJR総連の決定的分裂・対立という事態は、カクマルのファシスト党派としての破産であり、同時に、これと対決して闘ってきた国鉄労働者の正義性と勝利性を刻印する事態である。
 黒田・カクマルはJR総連指導部を「階級敵」「打倒する」と宣言し白色テロルを現に発動し、片やJR総連は警察権力にすがって告訴、告発に訴えている。両者は文字どおり敵対関係に突入したのである。
 ここに国鉄決戦の勝利の条件の圧倒的な成熟が示されている。国鉄労働者を白色テロによって制圧していたカクマルの重しが吹き飛んだということを意味しているのだ。今こそ党的解体的危機に突入した黒田・カクマルに対し、完全打倒の大攻勢をたたきつけよう。
 同時に、松崎・JR総連解体の闘いを強力に展開し、JR総連下の組合員の積極的・変革的な獲得をかちとろう。
 一・二七国労続開大会に一万人の大結集をかちとり、絶対に勝利しよう。
 ファシスト・カクマルは、革共同からの脱落・逃亡以来三十八年間で最悪の分裂と崩壊の中で世紀末を送り、何の展望もない真っ暗やみの「新世紀」を迎えた。『解放』新年号は、その記念碑である。

 黒田=松崎路線は大破産した

 「議長」植田琢磨の巻頭声明は、帝国主義の未曽有の危機についての分析も、ましてや革命に向かっての展望もまったく語れぬまま、「日本型ネオ・ファシズム体制の確立」のみを確認する、徹頭徹尾敗北感に満ちたものである。
 その中で植田は「JR総連労働運動の終焉(しゅうえん)」を宣言し、JR総連内の「反党陰謀分子」との闘いを呼びかけている。だが、植田はカクマル=JR総連の原罪である八〇年代の分割・民営化への屈服と先兵化についてまったく語ることができない。
 それどころか、「日本労働者階級は一九八〇年代の半ばに決定的な敗北を喫した」などと言っている。これは総評解散と連合結成のことを指すが、分割・民営化の先兵となり、「国労をつぶし、総評を解体する」と叫んで大反革命を行ったのは誰なのか。カクマル・黒田と松崎ではないか。
 さらに植田は最後に「わが党は、日本型ネオ・ファシズム支配体制下の暗黒の世界における゛地上の太陽″であることを片時も忘れるな」と叫んでいる。戦略も路線も闘争方針も提起できずに、こんな結論を提起するのは、まさにカクマルが黒田という「太陽」にひれ伏す反革命的カルト集団に転落していることを自己暴露するものだ。
 一方、JR総連カクマルの頭目・松崎(JR東労組会長)が、十二月九日にJR東労組全支部委員長会議に登場し、「私は、かつてカクマルの活動をやっていたことがありますが、今は完全に手を切っている」と言い、さらに、「皆さんには、カクマルからの嫌がらせが数多くあると思うが、自分がカクマルから会社と家族を守っていくんだという気構えで行動して欲しい。そうすれば、彼らだって自分たちの考えを否定する組合が存在することを知ると思うし、二度と皆さんに手を出してこないと思う」と発言している。これはこれまで態度表明をできなかった松崎が、ようやく登場して「カクマルと闘う」意思表示をしたという重大事態だ。松崎がJR総連の頭目であり、カクマルが「裏切り者」と名指しするJR総連委員長の小田以下の幹部の後ろ盾であることは明白となった。
 松崎は、ここでJR東日本という「日本中の鉄道の中枢を担っている会社」を「カクマルの攻撃から守るために頑張る」と宣言している。会社と一体化して労資結託体制を一層強めるということであり、そのために邪魔になる黒田・カクマルとは決別するということだ。これでカクマルとJR総連の対立構造の全体像が完全に明らかになった。
 重要なことは、カクマルが今日に至るまでこの「JR総連ダラ幹」の頭目である松崎にまともに言及できないことである。小田以下の幹部を「階級敵」と口を極めて罵倒(ばとう)するのに、なぜその親玉である松崎に触れられないのか。ここに、黒田・カクマルのJR総連政策の完全破産と危機が集中的に示されているのだ。
 要するに、松崎が日帝・中曽根の分割・民営化攻撃に屈服し、その最凶悪の先兵となって協力したことが今日のJR労資結託体制の原点であるが、これはほかならぬ黒田・カクマルの反革命的決断と支持のもとに行われたのだ。国労解体・総評解体の攻撃の先兵になることで延命を図り、松崎をつうじてJR総連という組合を牛耳るに至ったことを、カクマルは黒田「組織現実論」の最高の「精華」としてきたのである。
 ところが、日帝権力と資本の側が大塚体制を形成してより激しい合理化=完全民営化に進むにあたって、カクマルを使った労資関係の再編に乗り出す中で、黒田は追い詰められ、無責任で得手勝手なJR総連指導を強行し、それを貫徹するために毛沢東的文革的手法で「ダラ幹」攻撃をするに至った。それに耐えられず反発した松崎らJR総連カクマルは、大塚体制のもとで生き残るためになりふり構わずカクマルからの離反に踏み切ったのである。ところが黒田は、松崎をあたかも自分の分身のように位置づけてきたために、今に至るも名指しで攻撃することができないのである。
 カクマルとJR総連の分裂・対立は、黒田・カクマルのすべての路線・思想・運動の総破産である。それはJR総連にとどまらず、教労を始め他産別の労働者組織にも必ず波及し、カクマルの党的解体的危機はますます深まっていく。
 カクマルが急きょ発行した『日本労働運動に炎を』の巻頭の黒田「論文」では、「冬の時代」論を徹底的に強調し、革命への絶望をあおっている。今こそ、絶望的危機にたたき込まれた黒田とカクマルの打倒・一掃へ大攻勢をかけよ。

 第3章 都議選決戦に決起し党勢倍増へ大前進を

 今年の最重要の闘いは、党勢拡大の闘いに目的意識的に取り組み、党勢倍増をかちとることである。党勢拡大の闘いは、革命に勝利する党として自己変革をかちとる闘いでもあるのだ。
 そのためにも、六月都議選は絶対に負けられない闘いである。労働者人民の階級的利益を貫くまったく新しい政治勢力として、人民の革命的大衆行動の先頭に立つ党として、鮮やかに登場しなければならない。
 何よりも石原ファシスト都政との対決を真っ向から掲げて闘い、その排外主義・差別主義の攻撃、増税、賃下げ・リストラ、福祉解体攻撃、改憲と戦争動員の攻撃と対決し打ち砕く大衆闘争を巻き起こし、その先頭に立つけしば誠一氏を必ず都議会に押し出さなければならない。闘う労働者党として大登場をかちとろう。
 沖縄闘争は、橋本元首相の沖縄・北方対策担当大臣への就任で、名護新基地建設攻撃を加速させている。名護住民の闘いと連帯し、全国の力で闘おう。また、「象のオリ」などの反戦地主の土地を強制使用する攻撃に反撃しよう。
 三里塚闘争は、一・八旗開きで二〇〇一年のスタートを切った。建設省(現国土交通省)は、公共事業の用地取得を簡単にするために昨年十二月、土地収用法改悪案を打ち出した。これは直接に三里塚闘争つぶしであり、有事立法の先取りとして戦争への土地収用攻撃であり、人民の反撃を封殺する攻撃である。絶対に粉砕しよう。
 今年は、爆取デッチあげの超長期未決勾留を打ち砕き、獄中十五年の須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志、獄中八年の福嶋昌男同志を絶対に奪還する年にしなければならない。
 財政決戦、機関紙拡大闘争を全力で推進し、二〇〇一年の勝利へともに大躍進をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号1面2)

三里塚反対同盟新年旗開き 
 土地収用法改悪阻止へ ”国会に闘い挑む” 

 一月八日、三里塚芝山連合空港反対同盟は新年旗開きを成田市内のレストランで開き、全国から二百十人が参加した。この日をもって臨戦体制に突入することを宣言した反対同盟の不抜の決意にこたえ、参加者全員が二〇〇一年の決戦に総力で立つことを誓った。
 午後二時、伊藤信晴さんが開会を宣言して旗開きは始まった。冒頭、反対同盟の「二〇〇一年闘争宣言」を鈴木謙太郎さんが読み上げた。「闘争宣言」は「収用法改悪は、戦時土地徴発の先取りであり有事法制・改憲攻撃そのもの」と弾劾し、「反対同盟は土地収用法を改悪する通常国会に対して断固闘いを挑みます」と闘争方針を鮮明に示し、暫定滑走路粉砕に向かって「三・二五全国集会に総決起することを訴えます」と結んだ。
 反対同盟あいさつに立った北原鉱治事務局長は「反対同盟は健在。政府、公団よ、来るなら来い。土地収用法改悪、有事立法と憲法改悪に進む国政に対して立ち上がろう」と訴えた。
 敷地内・天神峰の市東孝雄さんが「天神峰に帰ってきて一年。公団、権力のいやがらせに腹立たしい思いをしてきた。負けずに頑張ろう」と乾杯の音頭をとり全員で新年の杯をあげた。さらに、小林なつ婦人行動隊長と郡司一治本部役員があいさつを行った。
 反対同盟の戦闘宣言にこたえて、天田三紀夫革共同書記長は「二十一世紀突入にあたり、あらためて反対同盟との血盟を誓い、暫定滑走路粉砕、有事立法阻止、改憲粉砕の先頭で闘う」と決意を表明。そして「二〇〇一年六月都議選に結柴誠一氏を候補に押し立てて闘う。すべての党派と運動体の皆さんの支持を訴える」とアピールした。
 支援共闘団体のあいさつでは、動労千葉から田中康宏書記長が「新年早々、JR東労組から動労千葉への組織拡大をかちとった」と報告、関西新空港反対闘争を代表して白石裕東灘区住民の会世話人、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長があいさつに立ち、会場を戦闘的な雰囲気で包んだ。全群馬実行委員会の小池正男さんはハーモニカを演奏して旗開きを盛り上げた。
 反対同盟弁護団からは、葉山岳夫弁護士、一瀬敬一郎弁護士が「反対同盟とともに、東峰神社の立ち木伐採と団結街道廃止攻撃を粉砕しよう」と呼びかけた。
 さらに、部落解放同盟全国連合会の代表が、都政を革新する会からは長谷川英憲元都議と新城節子杉並区議が、婦人民主クラブ全国協議会からは西村綾子相模原市議があいさつし、反対同盟との連帯を強めた。
 全学連は、大山尚行委員長と法政大学、京都大学の学生、九州大学の学友会委員長が決意表明を行った。大山委員長は「反対同盟との血盟を貫き、土地収用法改悪案の通常国会提出に対して、断固たる国会闘争に立つ。有事立法阻止・改憲粉砕闘争の本格的爆発を切り開く。大衆的実力闘争の爆発で暫定滑走路建設を実力で阻止する」と力説。
 最後に、萩原進反対同盟事務局次長が「二〇〇〇年の闘いに勝利した三里塚闘争は、さらに連帯を広げ、二〇〇一年の闘いの勝利へ前進しよう。三・二五全国集会への結集を」とまとめを提起した。木内秀次さんの音頭で団結ガンバローを三唱した。

 寒風をついて新年デモ貫徹

 旗開きに先立って、反対同盟が呼びかけた新年第一波デモが、みぞれまじりの寒風の中を敷地内で戦闘的にかちとられた。正午、敷地内・天神峰の市東孝雄さんの畑に全学連の旗、労組交流センターの旗が強風にたなびいた。北原事務局長の「暫定滑走路は必ず粉砕する。本日のデモを二〇〇一年の闘いの出発点としよう」との訴えを受けて、反戦共同行動委員会、全学連はデモにうって出た。
 小見川県道を進み、東峰神社から平行滑走路敷地内を周回して天神峰団結街道の市東さんの畑までを、軒先工事への怒りを込めて最後までデモを貫徹した。 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号1面3)

”実らせよう名護市民投票” 3周年で平和の集い 新基地絶対反対誓う

 「結果はノーと出た。市民があらゆる困難を乗り越えて、誇りと勇気を持って闘った結果、在日米軍基地の是非の判断を市民が下す金字塔を打ち立てたのだ」(十二・二三アピール)
 十二月二十三日、「名護市民投票三周年やんばる平和まつり」が、平和まつり実行委員会と基地の県内移設に反対する県民会議の共催で開かれた。メイン会場の名護市二十一世紀の森野外ステージには多くの模擬店、ワークショップが出店、国労闘争団支援の物販も行われた。
 雨雲が去り、太陽が照りつける午後一時、「実らせよう名護市民投票! 新基地いらないやんばる平和の集い」が海勢頭豊さんのジュゴンの歌で開幕した。県民会議の山内徳信さんとヘリ基地反対協の安次富浩共同代表が主催者あいさつ。安次富さんは、二十一日に三百六十人で市役所を人間の鎖で包囲し「市民投票を守れ」と訴えたと報告し、「十五年使用期限などに名護市民は絶対にごまかされない。ジュゴンが住む美(ちゅ)ら海を軍事基地につくり変えようという政策を体を張って阻止します」と力強く語った。
 東門美津子衆院議員を始め駆けつけた国会議員らも見守る中、新たな基地はいらないヤンバル女性ネットが寸劇を披露した。サミットが終わり、静まり返っている名護の街に残された「クリントンの玉手箱」。開けるととどろく爆音とともに迷彩服の米兵が「実弾落ちても山が燃えても通常訓練の範囲ネ。米軍は良き隣人」。怒った女性たちがほうきを突き上げ「こんな基地いらない。みんなで基地を放棄しよう」と呼びかけ、会場内は拍手かっさい。
 ヘリパッド建設に反対する東村高江区住民、P3C建設反対を闘う本部町豊原区住民、那覇軍港浦添移設に反対する浦添市民の会の当山全弘代表、ヘリ基地反対協の構成団体、さらに伊江島から駆けつけた謝花悦子さん、宜野湾市民の会の中村信嗣代表などが基地反対を口々に語った。
 最後に東海岸住民から二見以北十区の会の浦島悦子さん、命を守る会の金城祐治さんが発言。浦島さんは「新基地ができれば進入路の下になるのが十区です。地元は辺野古、豊原、久志の三区だけと言う岸本市長に、八月二十五日の代替施設協以降、対話集会を求めて“平和のプレゼント゜を続け、年明けの対話集会の約束を取りました。二十一世紀の初日の出を東海岸で拝み新たな一歩を踏み出しましょう」、金城さんは「(市民投票で示した)われわれの真意は歴史的に消えることはない。これを大きな自信として北部やんばるの水がめを守っていく。きれいな水源を守ることは、平和につながり、戦争につながらせない運動になる。二十一世紀へみんなで心をひとつに合わせて頑張りましょう」と訴えた。
 別会場で開かれた「徹底討論『普天間基地移設問題の現在を問う』」は、参加者が会場からあふれる盛況となった。パネラーの新崎盛暉さんが「三十年前にコザ暴動があった。ベトナム戦争で沖縄基地がどのような役割を果たしたか。われわれの被害が加害につながっているという連続性を認識し、基地反対の論理をつくっていかなければならない」と提起し、これに満場の拍手が応じた。
 メイン会場では、音楽祭が夕日が名護湾に沈むまで続けられた。最後にヘリ基地反対協の宮城幸共同代表が声を弾ませ、「名護市民はどうしても負けない、基地を造らせない。名護市民は最後まで闘います」と宣言した。
 感動的な勝利をかちとった市民投票から三年、SACO−名護新基地建設を決定した張本人・橋本を沖縄対策担当相に据えた第二次森改造内閣の沖縄圧殺=SACO貫徹の“戦略布石゜に対し、名護・沖縄の闘う勢力は決戦の二〇〇一年へ闘いの決意を新たにした。
 沖縄労組交流センターと反戦共同行動委員会は、新城節子杉並区議や相模原市議の西村綾子婦民全国協代表とともに「改憲攻撃のもとで強まる新基地建設を絶対阻止しよう」と訴え、共感をもって迎えられた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号2面1)

四党合意受諾を絶対に阻止しJR総連解体の攻勢に立とう
 労働運動の命運かけ1・27続開大会へ
 革共同中央労働者組織委員会

 二十一世紀は、プロレタリア世界革命への躍動、希望と、帝国主義への怒りが渦巻く中で幕を開けた。二十世紀は、ロシア革命を突破口にプロレタリア世界革命が開始された世紀であった。帝国主義とスターリン主義によって吹き荒れた戦争、反動、暴虐の攻撃にもかかわらず、労働者階級はプロレタリア自己解放の旗と階級的団結を守りぬき、共産主義への世界史的移行の偉大な事業を二十一世紀へと引き継いだ。二十一世紀、労働者階級は帝国主義、スターリン主義、ファシスト反革命などあらゆる反動、重圧を打ち破り、労働者自己解放を必ずかちとるであろう。労働者階級の決起への絶対的信頼と確信をもって、二十一世紀にこそプロレタリア日本革命−世界革命を完遂しようではないか。それは、革命的な労働者党の建設によって推進される。われわれは、労働者階級の怒りと苦しみ、自己解放への希求と決起に結びつき、融合し、そこでの生きた実践と闘いを凝縮して、自己を打ち鍛えなければならない。革共同は、二十一世紀の冒頭にあたって、反スターリン主義・革命的共産主義の偉大な発展をかちとる時代に突入したことを確認し、真の労働者党建設へと邁進(まいしん)することを宣言する。

 闘争団を切り捨てる東京地本「見解」弾劾

 日本階級闘争は、二〇〇一年一・二七国労続開大会を突破口に、新たな歴史的段階に突入しようとしている。
 一・二七は、日本労働運動の生死を分かつ一大階級決戦である。闘争団を先頭とする国鉄労働者と日本労働者階級は、三たび阻止した「四党合意」を今度こそ完全に葬り去らなければならない。
 四党合意を阻止することは、国労の階級的団結をよみがえらせ、闘争団・千四十七人闘争の不抜の強化に直結する。それは、JR総連カクマル=ファシスト労働運動の解体と国鉄労働運動の見違えるような発展、ひいては日本労働運動の洋々とした展望を絶対に切り開く。国鉄労働運動は、まったく新たな躍動と発展の時代に入ったのである。
 宮坂・チャレンジ一派、上村革同一派、四党合意への中間主義者、あるいはこれまで反対派であったが、誤った「統一と団結」論に動揺して四党合意を受け入れようとしている者たちはすべて、このあまりに自明な真実を絶対に見ようとしない。四党合意を拒否することは、原則的な労働組合であれば当然のことだ。しかし、この当然の選択こそが、恐慌と大失業のもとで苦闘する多くの労働者に勇気と闘う力、団結を与え、国労自らの力を無限に増大させていくのである。
 問題は、労働者の団結の力を信じ、階級的原則を守り、意気高く闘うかどうかなのである。

 機動隊の導入を策す酒田委員長を許すな

 まず、この四党合意をめぐって、国労内で今、驚くべき変節と裏切りが進んでいることを暴ききらなければならない。
 東京地本は、昨年十二月十二日の国労本部への「六項目の要請」に基づき、十二月十四日付で「続開大会の成功にむけた見解」を打ち出した。この「見解」は、一・二七続開大会で四党合意を強行するための断じて許しがたい反動的声明である。酒田(さけた)委員長を始めとする東京地本執行部のこの裏切りを、満身の怒りを込めて徹底的に弾劾する。
 酒田ら東京地本執行部は、今や宮坂・チャレンジ、上村革同の恥ずべきちょうちん持ちと化し、政府権力、JR資本の最悪の先兵に転落した。
 第一に、酒田らはこの「見解」で、一・二七続開大会を責任地本として受け入れ、四党合意を最先頭で推進する立場を表明した。
 彼らが本部に対して行った要請は、まず「@国労の全面解決要求の実現に全力をあげる。A大会の総意として闘争団を最後まで守ることを確認する」というペテン的言辞から始まっている。
 だが、この「見解」は「賛成派も反対派も納得できそうな……『見解』は、実に欺瞞(ぎまん)的で反動的なもの」(『貫徹』二二号)と闘争団が鋭く見抜いているように、闘争団の意向に反し、それを裏切るものである。そこには闘争団切り捨ての意図が明確に存在する。
 「見解」はさらに、「この時期に、ILO勧告が示した『当事者に満足のゆく、公正な補償』を勝ち取る闘いに全力を挙げる」「ILO勧告に基づく解決を求める方針を確立し」などと言いながら、「ILOが勧告した四党合意の受諾に従え」と組合員に迫っている。
 そもそも、四党合意を受け入れ、「JRに法的責任なし」を認めて、どうして「公正な補償」が成り立つのか!
 闘争団は、ILO第二次勧告の「四党合意受け入れ要求」を、「(十三年たって)『JRに採用されなかったのは勤務成績の悪い不良職員だったからだ』というレッテルを再度張られ」(『貫徹』二二号)たと、根底的怒りと悔しさで弾劾している。闘争団のこの耐えがたい屈辱に対して、「見解」は「CILO勧告の結論部分の『広域異動』などについて事実誤認があるので、国労の見解を内外に明らかにする」とペテン的に言い流し、「後は勧告に従え」としているのだ。
 闘争団が四党合意に絶対反対するのは、それが「ゼロ解決」だからだけではない。首を切られ踏みにじられた人間的誇りを奪還するために闘いぬいた十三年間を無に帰すことへの、命をかけた怒りと叫びがあるからなのだ。
 酒田らは、「闘争団を最後まで守る」と言いながら四党合意を推進し、実はチャレンジ一派と同様、闘争団のあからさまな切り捨てに走っている。酒田らが、裏に回ってはこの唾棄(だき)すべき「ILO第二次勧告」をかさに着て、反対派代議員や広域の組合員に「四党合意を受け入れよ」と恫喝オルグを行っているのは、その証拠だ。これこそ闘争団へのだまし討ち以外の何ものでもない。
 第二に、国労の死滅、闘争団の切り捨てにつながる四党合意の受諾を、何を根拠に強行しようとしているのか。
 酒田らは「大会破壊を意識的に策する外部からの動員者によって暴力行為が繰り返され、負傷者を出す事態は到底許されるものではない。これについて地方本部は、本部を含めた関係機関と協議し法的措置も含めて検討を進めているところである」と言い、「六項目の要請」では「D続開大会成功のため、妨害勢力に対して毅然(きぜん)たる態度をとり万全を期す。Eこの間の混乱を克服し、総団結・総決起の大会とする」としている。
 いったい、闘争団や多くの組合員が反対する「四党合意」を強行して「総団結・総決起」を破壊してきたのは誰なのか。その「混乱の責任」は中央本部にある。だから「総辞職」を明らかにしてきたのではないのか。
 国労の団結を回復する道はただ一つ、四党合意の撤回と本部の総辞職しかない。酒田らは、誰にも明らかなこの真実を、「四党合意が阻止された原因は外部勢力=中核派の暴力だ」という根も葉もないうそとデッチあげで覆そうとしているのだ。だが、四党合意受諾を阻止したものは、闘争団の怒り、正義の叫びである。団結を破壊してきたのは、傍聴制限のために組合員を警備に動員し、あわよくば官憲導入をも策動してきた本部・新井らと東京地本・酒田本人である。七・一の壇上のどこに「外部勢力」がいたというのか。十月大会の会場のどこに「外部の暴力」が存在したのか。
 四党合意の強行には何の正当性もない。明らかなのは、それが一層の団結破壊をもたらすということだけである。
 第三に、結局、酒田ら東京地本執行部の「見解」の反動的核心は、「毅然たる態度をとり万全を期す」という言葉で、三・一八臨大と同じくなりふり構わず官憲の導入を策しているということだ。
 機動隊の導入によって強行された「改革法承認」が何をもたらしたのか。国労本部は「人道上の解決」と称して国家的不当労働行為を不問に付し、屈服に次ぐ屈服を重ねてついに四党合意という全面降伏に至ったのだ。
 機動隊導入という国家暴力の発動は、その瞬間、国労を死に追いやる。今度こそ国労の団結はズタズタに引き裂かれ、労働組合としてもはや生きていくことはできなくなる。何よりも闘争団の十三年の闘いは、すべてが無に帰すのである。
 酒田らの官憲導入の策動こそ、四党合意が「巨悪の暴力」であることをさらけ出している。四党合意は、国鉄労働者とはまったく非和解的なのだ。
 四党合意の受諾とは、権力・資本への果てしない屈服である。そこには、底なしの敗北主義がある。この敗北主義はどこから来たのか。それは分割・民営化以来、国労指導部が資本とまともに闘ってこなかったからなのだ。闘わない者には展望など見いだせない。「ジリ貧」論に取りつかれるだけである。結局、JR連合との合流すなわち権力・資本への自滅的屈服にのめり込む以外にない。
 今日の大失業攻撃のただ中で、権力・資本とまともに闘う構えのない者が、いかにみじめな奴隷の道を強いられるのかは、チャレンジ一派どもが羨望(せんぼう)する連合幹部の姿を見れば明白だ。追い詰められ危機と破産に陥っているのは日帝権力であり、JR資本の側だ。四党合意を拒否すれば、権力・資本との階級的力関係は鮮やかに逆転するのだ。

 四党合意を拒否して完全民営化うち砕け

 一・二七は、宮坂・チャレンジ、上村革同の土壇場からの反動的巻き返しとしてだけではなく、権力・資本が瀕死(ひんし)の危機を絶望的に突破するための一大反革命として設定されている。
 今日、権力と資本は、日帝の歴史的没落と日米争闘戦の激化にあえぎながら、改憲=戦争国家化攻撃を強め、省庁再編を強行し、新たな質の大資本攻勢を仕掛けてきている。一月末に始まる通常国会でのJR法改定=「完全民営化」法制定こそ、その突破口をなしている。
 国鉄分割・民営化政策は、十三年を経て旧国鉄債務処理問題、三島・貨物会社の赤字問題、安全問題が噴出し、最大の課題である労組対策において千四十七人の闘いが貫かれ、JR総連カクマルとの結託体制が破産するという総破綻(はたん)状態を迎えている。「完全民営化」法案には、このどん詰まりの危機を突破する政治的意図が込められている。
 全産業にわたって激化する今日の大資本攻勢の根幹には、国鉄分割・民営化型の攻撃が据えられており、五・二八反動判決に始まる労働組合つぶしの攻撃が貫かれている。省庁再編に伴う公務員制度改革=行革リストラもまた、民営化と労組破壊が攻撃の核心に置かれている。
 だが、これらの攻撃の歴史的出発点であった肝心のJRで、「分割・民営化の失敗」が暴かれれば、これから本格化しようとする資本攻勢は根本から崩壊する。だから権力・資本は、国鉄分割・民営化の総破産を押し隠し、何がなんでも「分割・民営化は正しかった」「完全民営化は達成した」と強弁しなければならないのだ。それがJR法改定の反動的な意図である。
 だが、そもそもこんなごまかしは通用しない。「完全民営化」と言いながら、東北・北陸・鹿児島新幹線にまで膨大な予算を注ぎ込んで、結局は労働者に犠牲を転嫁する。これに対して闘争団・千四十七人の闘いが存在し、四党合意を拒否する国労が存続していては、「完全民営化」など問題にもならない。
 だから権力・資本は、通常国会前に四党合意を国労にのませようと躍起になっているのである。「四党合意はすでに死んでいる」との議論があるが、間違っている。日帝はあくまでも四党合意にすがり、分割・民営化の最後的破産をとりつくろい、全労働者へのリストラ・首切り攻撃を進めようとしているのだ。
 国鉄労働者は、自己と全労働者の命運をかけて四党合意を絶対に阻止しなければならない。その時、分割・民営化の破産は決定的に暴かれるのだ。

 「ニューフロンティア21」の核心は労組破壊

 こうした中で、JR東日本はJR「完全民営化」と一体をなす「ニューフロンティア21」を打ち出した。五年間で一万人を削減して六万五千人体制にするという大合理化計画である。この攻撃の柱には、シニア制度とメンテナンス外注化が据えられている。
 これは単なる合理化にはとどまらない。賃金制度、雇用形態などを全面的に転換し、分割・民営化で積み残したことの一切を全面的に貫徹しようというのである。JR東日本は、鉄道業務の体系を一変させてまで、企業の生き残りを策している。さらに、「グループ社員全員の意識改革の徹底」「国鉄改革の原点の再認識」を叫んで、労組つぶしの攻撃に乗り出している。その核心は、国労・動労千葉の解体にある。まさに、分割・民営化を上回る「第二の分割・民営化」と言うべき攻撃だ。
 だが、「第二の分割・民営化」は必ず破綻する。すでにJRは、鉄道会社として成り立たない状態にたたき込まれている。さらなる合理化などデタラメきわまりない。それは、分割・民営化と必死に闘ってきた国鉄労働者の誰もが実感することである。
 しかし、危機にかられたJRは、この攻撃を全面的に貫く以外にない。そのために千四十七人の闘いを解体し、国労・動労千葉の団結を破壊しようと必死なのだ。国労に四党合意を受諾させ、不当労働行為と闘わない組合、組合ならざる組合へと変質させようとしているのだ。
 昨年十二月の北海道・九州採用差別事件の東京高裁判決は、四党合意を先端とする労組解体、団結権破壊の一大資本攻勢の方向を決定的に浮き彫りにした。それは、不当労働行為の存在さえ完全に抹殺し、五・二八判決や本州高裁判決以上の反動性をむき出しにして、団結権を保障した憲法二八条と労組法、労働委員会制度を全面的に否定したのである。
 権力・資本は、四党合意を国労にのませることによって「完全民営化」を押し貫き、それを突破口に第二の分割・民営化に突き進もうとしているのである。
 だが、問題は敵の攻撃の激しさに敵の危機を見抜くことである。四党合意が三度も拒否されたことは、そこにこそ敵にとって最大の弱点があるということだ。

 JR総連打倒の好機今こそ組織戦勝利へ

 これらの攻撃を背景に、JR総連=カクマルの大分裂・大崩壊が劇的に進行した。分割・民営化以来十三年を経てついに訪れたこの情勢を、国鉄決戦最大の歴史的好機としてとらえ、一・二七続開大会の勝利を切り開かなければならない。
 JR総連カクマルと黒田カクマルとの分裂と対立は、もはや非和解的対立の段階に突入している。革共同は、この分裂・抗争に徹底的に介入し、促進させ、カクマル完全打倒を必ず実現する。
 ファシスト労働運動の崩壊の開始は、JR総連の解体とJR総連傘下の労働者の国労・動労千葉(動労総連合)への大量の結集という歴史的情勢を引き寄せている。新年早々、JR総連に見切りをつけた労働者が動労千葉に結集した。
 まさにこの情勢は、七〇年代からの動労千葉の闘いを先頭に、八〇年代からの労働戦線での対カクマル戦の勝利的前進、とりわけ革共同の九一年五月テーゼと九五年一九全総以来の国鉄決戦の圧倒的前進が切り開いたものである。
 さらに、この事態は、分割・民営化体制の破産によって引き起こされている。分割・民営化体制は、希代のファシスト反革命=動労カクマル・松崎を先兵とする異常な労務支配を基軸に成立した。分割・民営化は、国労・動労千葉を解体し、総評を解体することを目的に、国鉄労働者二十万人の首を切る戦後最大の反革命であった。それは、労働者の中から反革命的裏切り者が登場し、それとの結託体制が形成されることで初めて可能となった。だが、首を切られた国鉄労働者は千四十七人闘争として不屈に立ち上がり、国労・動労千葉は確固として生き残った。その闘いと存在こそが分割・民営化を弾劾し、JR労務支配を危機と瓦解(がかい)に追い込んだのだ。
 今日ついに分割・民営化体制は総破産にたたき込まれた。そこから完全民営化法案と「ニューフロンティア21」が打ち出された。それはJR東日本・大塚体制のもとで従来の結託体制を清算し、東労組カクマルすらも合理化の対象とするものであった。この中で、カクマル松崎は黒田カクマルと手を切ることを迫られ、これに全面的に従う道を選んだ。資本の危機がカクマルの存在を許容できないほどに進行し、JR総連カクマルはそこに全面降伏したのである。
 「左翼の仮面」をかぶる以外に生き延びられない黒田カクマルから、「左翼の仮面」をかなぐり捨てて生き延びようとする松崎カクマル=JR総連が集団脱党したということだ。松崎はそうすることで「完全民営化」の最凶悪の先兵となることを資本に誓った。
 松崎は、十二月九日のJR東労組全支部委員長会議で、ついに公式にカクマルからの離反、逃亡を宣言した。松崎はそこで「カクマルの攻撃から会社と家族を守っていこう」とわめいている。カクマルとの分裂を自白するとともに、第二の分割・民営化の先兵となる宣言である。
 松崎の言いぐさは、「ニューフロンティア21」が「戦後最大の改革といっても過言ではない国鉄改革を乗り越えるなかで、日々変革に挑戦し続けることこそ、将来にわたり、企業が生き残り、社員と家族の幸福を実現する唯一の手段であることを学んできた」と言っているのとまったく同じだ。
 そもそも、JR総連カクマルのファシスト労働運動は、カクマルの黒田哲学とその路線(組織現実論)が、松崎をとおして物質化されたものである。JR総連とは、カクマルがつくりだした最大の「成果」であり、組織実体そのものである。まさに「カクマル=JR総連」であり、黒田は松崎抜きにありえず、松崎は黒田抜きにありえなかった。今やこの全構造が崩壊したのである。本質的にカクマルという党派は死んだのだ。
 この情勢に対し国鉄労働者はいかに闘うべきか。JR総連を解体・打倒して、その傘下の労働者を大胆に変革的に獲得する組織戦に打って出ることである。日本労働運動の中心的実体である国鉄労働運動を支配してきたJR総連=ファシスト労働運動の崩壊は、国鉄労働運動と日本労働運動の深部から爆発的発展のエネルギーを噴出させずにはおかない。
 JR連合などは、このJR総連とカクマルの分裂・抗争を「パフォーマンス」と見る。カクマルがデマとペテン、偽装と陰謀をこととする謀略ファシスト党派であることから、こうした見解が生まれたともいえる。しかしそれは、カクマルがファシスト党派としての凶暴性の反面、本質的に権力や資本に屈服するどうしようもない脆弱(ぜいじゃく)性を持つことを見ない決定的誤りである。
 闘う立場から分割・民営化体制の総破綻を見抜いた時、JR総連とカクマルの分裂と崩壊の真実は、はっきりと浮き彫りになる。JR総連解体と組織拡大を圧倒的に展望できる。国労を自滅においやる「ジリ貧」論や「ラストチャンス」論など吹き飛ぶのだ。第二の分割・民営化攻撃にストライキで闘う立場と、JR総連を打倒し組織拡大闘争に打って出る立場は、完全に一体である。
 黒田カクマルから離反し、一層深々と権力・資本の懐に飛び込んで「完全民営化」の先兵となることを選択した松崎・JR総連カクマルにとっては、国労に四党合意をのませ、国労を解体することだけが唯一の延命の道なのである。四党合意を粉砕した時、松崎の最後の延命策は断ち切られ、JR総連の雪崩打つ崩壊が始まるのだ。
 今や、国鉄労働運動にとって最大・最高のチャンスが到来している。このチャンスをものにするためにこそ、一・二七国労続開大会で、どんなことがあっても四党合意の大会決定を阻止し、現執行部の総退陣、闘う執行部の樹立をかちとらなければならない。宮坂・新井・上村・鈴木らの卑劣な居座りを絶対に許すな。
 一・二七国労続開大会は、日本労働運動の命運を決する一大決戦となった。二十一世紀を労働者階級の勝利の時代とするための突撃路が、ここにあるのだ。闘争団を先頭とする国労組合員と支援共闘の労働者は、今こそすべてをかけて立ち上がろう。一・二七社会文化会館へ、一万労働者の総結集をかちとろう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号2面2)

動労千葉が団結旗開き
 ”2001年はチャンスの時代” 組織拡大の報告に沸く

 動労千葉は一月七日、二十一世紀の劈頭(へきとう)を飾るにふさわしい熱気あふれる「二〇〇一年団結旗開き」を、DC会館に百五十人の組合員・支援者を集めて開催した。
 司会の繁沢敬一副委員長が、一月一日付でJR東労組から動労千葉への加入、組織拡大を実現したことを報告すると、一斉に大きな拍手がわき起こった。
 これを受けて年頭のあいさつに立った中野洋委員長は、「今年は心から明けましておめでとうと言える。こういう形で動労千葉が二十一世紀を迎えることができたことにたいへんな勝利性がある」と切り出し、「二十一世紀は二十世紀以上の疾風怒濤(どとう)の時代、戦争と革命の時代だ。憲法を変えていくところまで来たことを認識し、今まで以上の激しい闘志をもって、この時代に立ち向かおう」と訴えた。
 国鉄・JR労働運動については、三度の大会で「四党合意」を阻止した国労闘争団の闘いを受け、千四十七人闘争の勝利へ闘う決意を明らかにした上で、JR総連をめぐる事態について次のように提起した。
 「JR総連のカクマルがカクマル本体と対立し、分裂・脱党するということが起こった。これはカクマルがJR資本・国家権力と結託して労働者を抑圧するという構造、JR体制が崩壊の兆しを示し始めたということだ。JR東労組の中で怨嗟(えんさ)の声を上げている仲間、特に平成採の若い仲間たちを大量に動労千葉の戦列に加えていく可能性がある。分割・民営化以来の最大のチャンス、二〇〇一年はチャンスの時代と認識している」
 また、JR完全民営化とJR東・大塚新体制の「ニューフロンティア21」、シニア協定、外注化との闘いを訴え、「組織拡大闘争はこの一、二月が勝負時だ。きょうは決起集会だ」と檄(げき)を飛ばした。
 君塚正治動労総連合新委員長(動労千葉副委員長)は、「労働組合が真の力を問われる時代だ。JR総連が九州から崩壊状態になった。動労総連合は団結を守ってきた。われわれの動き次第で受け皿になれる。動労の再生をめざして頑張る」と決意表明した。
 来賓のあいさつでは、三里塚芝山連合空港反対同盟の萩原進事務局次長が「三里塚も動労千葉も勝利の展望を切り開いたことをともに喜び合いたい。労働者の敵であり、三里塚闘争に敵対してきたカクマルが打倒される決定的情勢を迎えている。三里塚では暫定滑走路を破産状態に追い込んでいる。今年は、土地収用法改悪と闘い、勝利の決着を求める年にしたい。三月の三里塚現地の全国集会に決起してほしい」と訴えた。
 動労千葉顧問弁護団の葉山岳夫弁護士は、「十一・五労働者集会を成功させたことは大変な成果だ。労働運動のマグマは確実に上昇している。動労千葉の前進の年に」と述べ、「四党合意」に対する労働委員会闘争の勝利などを訴えた。また、千葉県内の労組、福祉団体、政党、動労千葉を支援する会の自治体労働者があいさつ。中野、君塚両委員長による鏡開きと乾杯の後、二人のプロの歌手によるアトラクションが大いに場を盛り上げた。
 都政を革新する会の結柴誠一杉並区議は「労働者の正義の闘いが報われる時代が来た。石原都政の打倒を目指して東京都議会選挙に挑戦する。働く皆さんのご支援をお願いする」と訴えた。さらに婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子相模原市議、動労水戸、動労連帯高崎、三一書房労組、動労千葉議員団の中江昌夫船橋市議、水野正美勝浦市議らがあいさつした。
 これにこたえ、動労千葉争議団の労働者が、「動労千葉はますます発展する。清算事業団解雇者は一人ひとりが頑張っている。ご支援・ご協力を」と力強く訴え、各支部代表からシニア・外注化阻止、貨物の賃金格差阻止への決意、家族会代表から「二〇〇一年に羽ばたく動労千葉を支え、引っ張る夢を持っている」との決意が表明された。
 組合歌に続き、田中康宏書記長の音頭で、二十一世紀最初の“団結ガンバロー゜の声をとどろかせた。カクマル打倒、JR総連解体へともに闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号3面1)

”侵略もでき核も持てる”
このまま石原政治を許せば増税・リストラと戦争の道だ
 6月都議選でけしば勝利を

 日帝の危機の深まりの中で、都知事ファシスト石原との対決は労働者階級の重要な課題である。石原は自民党的な政治の行きづまりを“右゜の側から打破しようと、反米国粋主義と反中国・反北朝鮮の排外主義をあおっている。こうして日本の労働者人民を対米対抗のアジア侵略戦争の泥沼に引きずり込もうとしているのだ。だが、同時にそのことは、この石原のデマとペテン的大衆操作に依拠しなければ、階級支配を維持できなくなっている日帝の危機の表れでもある。まさにファシズムの台頭は、革命的な情勢の到来でもあるのだ。ファシスト石原打倒の闘いを、日帝の改憲−戦争路線および一大資本攻勢との対決そのものとして闘おう。六月都議選決戦で石原打倒を真正面から掲げて闘う結柴誠一候補の当選をかちとろう。

 朝鮮・中国侵略を煽動 “やろうと思うなら先制攻撃もできる” 

 石原の反人民性の第一は、日帝の朝鮮・中国侵略戦争とそのための改憲の道を開こうと、都知事の立場を利用し、排外主義をあおり立てていることである。
 石原は、「ガイドラインが発動されるときは、羽田空港でもなんでも全面的に提供し協力する」と全国の知事の中で唯一全面協力を公言した人物だ。そして、昨年の九・三首都三軍大演習に続いて、今年も九・二に大演習を計画している。
 石原は最近出版した『「アメリカ信仰」を捨てよ』なる本で、「今、北朝鮮が日本全土を狙って実戦配備しているミサイル、ノドンは百発と言われる」とか、「日本の二十五都市を仮想標的にしている中国のミサイル」などと、デマゴギッシュに「日本の危機」をあおり立て、北朝鮮、中国を非難している。そして核武装を含む日帝の軍事力強化、戦争国家への飛躍を主張しているのだ。
 それは、中国と北朝鮮を「本物の敵」と言い放ち、徹底的な戦争挑発をしかけることで侵略戦争にうって出る主張である。「専守防衛=自国領土内でしか戦争をやらないということは、自国が火の海になって多数の国民が殺されることになるけれど、それでいいのか」「やろうと思えば先制攻撃もできるし、侵略もできる。それが軍隊というものだ」と言い放っている。
 さらに、「日本の危機を論じるならば、はっきり言えば核を持ち得る国であるという主張はあって然るべき」とも言っているのだ。
 こんな石原の政治を許したら、行き着く先は確実に侵略戦争しかない。

 改憲と有事立法推進 9条破棄と天皇の国家元首化を公言

 反人民性の第二は、改憲と有事立法を公然と主張していることである。
 石原の改憲論の核心は、現行憲法の最も基軸的な戦争放棄(平和主義)条項=第九条の全面的否定であり、いわゆる現憲法の三大基本理念(平和主義、主権在民、基本的人権)を全面的・抜本的に覆そうとするものである。
 「私は憲法改正よりも憲法廃棄論を言っている。……創造のために憲法を一度すべて否定して一からつくり直す。その際に国家元首は天皇であると明記し、そして総理大臣は公選で決める」(前掲本)
 このように言う石原は、昨年十一月三十日には衆院憲法調査会に出席して参考人として意見を述べ、「アメリカの見事な統治政策が成功して、日本人は意識どころか下意識から解体された」と反米国粋主義をあおり、憲法の廃棄を主張したのである。
 ところで石原は、一方では、戦後革命以来の労働者人民の反戦・反安保・反基地闘争が日帝の軍事大国化を大きく阻んできたことに打撃を受け、深い敵意を抱いている。また他方では、第二次世界大戦の戦勝国米帝に対して敗戦帝国主義としての帝国主義的な民族的屈辱感と報復の念にとらわれている。ここから石原は、現状のままでは再び日米争闘戦に敗北するとの危機感にかられて、憲法上の制約を一挙に突破しようとしているのだ。
 また石原は、有事立法推進論者だ。「有事法制ひとつにしてもなかなか日の目を見ないのは、有事、つまり危機になれば当然集団の利益を優先し、個々人は控えなければならないことにいまだ国民の理解が及んでいない」(同)
 石原のこの「危機」認識は、まったく反人民的なものだ。「今目前に迫ってきた国家衰亡の悲劇」などと言うが、その国家とは何か。天皇制を頂点とする日本帝国主義の国家体制ということでしかない。
 石原が振りかざすこの国家主義は、かつて日帝が、朝鮮・中国を始めアジア諸国を軍靴で踏みにじり、数千万人のアジア人民を虐殺し、日本人民にもまた塗炭の苦しみを強制したアジア侵略戦争の再来の道である。石原は、再び日本とアジアの労働者人民に戦争の道を強制しようとしているのだ。

 教育改革攻撃の先兵 「奉仕活動」強制と国立への処分弾圧

 反人民性の第三は、教育改革攻撃の先兵であることだ。
 石原は「体罰こそが子どもを強くする」というスパルタ教育を信条としている。しごきで子どもを殺した戸塚ヨットスクールの教育を称賛し、「支援する会」の会長となり、逮捕された戸塚を支援して事実上無罪放免させた人物である。
 この石原は戦後民主主義教育を「悪平等主義」として排撃し、弱肉強食の競争原理を肯定し、「戦争こそは社会の原理」として、侵略戦争−帝国主義間戦争をやれる思想を子どもたちに押しつけようとしているのだ(石原本『「父」なくして国立たず』)。
 この石原のもとで東京都は、国に先駆けて来年度からすべての小中高校で、「保育、職業体験、勤労生産体験、介護や地域美化などの奉仕活動」を取り入れる方針を固めた。戦争中の学徒動員そのものである。
 さらに国立市で「日の丸・君が代」押しつけに反対して闘う教育労働者に処分攻撃をかけ、「指導力不足教員」のレッテルを張って、教室から追放しようとしているのだ。石原は、「国立の教育は異常な状況で、子どもたちが犠牲になっている」「あそこを解決することで、一点突破じゃないけれど、日本の教育改革の大きなよすがにしようじゃないか」(十二月二十二日の記者会見)などと言っているのだ。
 「障害者」差別発言や民族差別発言に見られるような差別主義、排外主義、そして人間性の破壊の権化のような石原。帝国主義の最も腐敗した部分を代表するこの石原に、どうして今日の教育の危機を解決することができるだろうか。石原が掲げる「心の東京革命」とは、子どもたちがのびのびと学習し、個性を伸ばしていく教育を否定し、国家に対する忠誠・服従を強制しようとする天皇主義的なファシズム運動そのものである。この先には戦争動員があるのだ。絶対に許してはならない。

 大衆課税と生活破壊 環境保護はポーズで狙いは大増税だ

 反人民性の第四は、福祉切り捨てと大衆課税の攻撃だ。
 石原と東京都税制調査会(都税調)は昨年十一月、外形標準課税に続いて、@大型ディーゼル車高速道路利用税A産業廃棄物税Bホテル税Cパチンコ税D昼間流入人口への課税などを打ち出した。来年度から実施しようとしている(昼間流入人口課税は継続討議)。
 その本質は大衆課税そのものであり、すべて労働者人民への負担に転嫁される反人民的なものである。
 大増税を狙う石原は環境保護、公害規制に熱心であるかのごとく、ディーゼル車の排出ガス規制をことさらに宣伝している。だが、それはファシスト特有の、都民を欺くペテン、パフォーマンスでしかない。
 そもそも都民の健康と生活を破壊する自動車公害問題は自動車メーカーなどの資本の利益のために大型道路を建設し、公害を野放しにしてきた日帝と自治体そのものの責任だ。それを根元から変えようとせずに、末端のディーゼル車利用者に懲罰的に課税するなどということは、公害問題の根本的解決にはならず、逆に自動車資本などを一層利するものである。実際、大型ディーゼル車の高速道路利用税は、零細トラック業者を直撃する。石原は、こうした人びとの生活・生業問題は一顧だにしないのだ。
 そもそも石原の「環境保護」はポーズだけの実にペテン的なものだ。昨年九月には、東京湾の漁場破壊に反対する釣り船業者や都民の反対を押し切って旧有明貯木場の埋め立て工事を強行着工した。十月には日の出町のごみ処分場拡張工事で、地下水汚染の恐れから拡張に反対する住民のトラスト運動を暴力で踏みにじり強制代執行を強行した。
 また杉並区を貫通する外郭環状道路や、圏央道、中央環状道路など排気ガスをまき散らすだけの大型自動車道の建設をいくつも計画し、立ち退き強制、環境破壊の攻撃を次々とかけている。
 環境破壊の張本人が環境保護の旗手であるかのように振る舞うペテンを断じて許すな。

 賃金カットと労組破壊狙う

 反人民性の第五は、労組敵視、都労連解体攻撃である。石原は一月五日の都労連の旗開きに参加して、現在強行している賃金の四%カットを、「二年ではなく三年間に延長したい」と挑戦的に言い放った。
 二年間の賃金カット自体が労働者にとって身を削られるような思いである。都労連との約束を反故にしての削減期間延長など許されることではない。
 さらに石原は、政府の「公務員制度改革」に先駆けて、現業部門のリストラ攻撃や、能力・実績主義を人事・賃金制度に取り入れる攻撃を強めている。それは「総額人件費削減」「高コスト構造是正」を掲げる資本家階級の大資本攻勢の先頭に立つものである。そして、労働者を分断支配し労働運動を破壊する大攻撃だ。石原は、労働者の団結とその闘いの爆発を恐れて都労連解体の攻撃を強めているのだ。
 このように日帝・森政権の危機の中で、石原は、都知事の権力を利用して許すことのできないファシスト的な扇動と、反人民的な政治を行っている。失業・賃下げで生活の困難を抱える都民の苦境を顧みず、日帝・森政権と一体となって行革リストラと大衆課税・福祉破壊を強行し、しかも都政を戦争国家化の手段にしようとする石原のファシスト政治を粉砕せよ!
 石原に屈服する日共スターリン主義を打倒し、全労働者人民の力で石原打倒へ突き進もう。六月都議選に勝利しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号3面2)

狭山高裁行動 事実調べ強く迫る 「殺害現場」の虚偽追及

 十二月二十二日、部落解放同盟全国連合会と解放共闘は、東京高裁第五刑事部・高橋省吾裁判長の異議審棄却策動と対決し、三十人の参加で高裁要請行動を闘った。
 要請行動に先立ち、午前十時から決起集会が開かれ中田潔書記長は、「情勢は煮つまっている。高橋裁判長は九月の狭山弁護団との面会で『これは異議審だから時間をかけないで判断する』と述べ、事実調べ抜きの棄却を狙っている。今日の要請行動はきわめて重要だ。棄却策動を全力で跳ね返そう」と全員の奮起を訴えた。
 昼休みデモのあと、午後一時から要請行動に入った。各団体が要請文を読み上げ、事実調べと再審開始決定を強く求めた。全国連本部は「殺害現場」の問題を取り上げ、@石川一雄さんの本人尋問、A小名木さんの証人尋問、B現場検証を行うよう要請した。
 小名木証言とは、「殺害現場」からわずか二十bの畑で農作業をしていた小名木さんが、「事件当時から本当にそこで犯行があったのだろうかと疑問に思ってきた。被害者の悲鳴も聞いていないし、誰も見ていない」と証言したものだ。
 小名木証言は「殺害現場」に関する「自白」のデッチあげ性を明白に証明するものだ。小名木さんの証人尋問や現場検証を行えば、そのことは完全に明らかになる。「小名木証言は自白と相いれないものではない」などという高木決定のデタラメは、たちどころに崩壊するのだ。
 東京高裁はただの一度も現場検証も証人尋問も行っていない。そもそも石川さんの逮捕以来、いわゆる「引きあたり」と言われる本人立ち会いの現場検証すら、この狭山事件では一度も行われたことがないという異常事態なのだ。
 この一点でも東京高裁・高橋裁判長は、異議審において証人調べ、現場検証を行うべきなのである。
 要請団は、事実調べから逃げ回る東京高裁を徹底糾弾し、すみやかに事実調べを行うことを要求した。
 また要請団は、全国で上演運動が進んでいる狭山紙芝居「私は無実!」を裁判所に対しても突きつけ、憎むべき国家権力の部落差別犯罪、すなわち無実の石川一雄さんに対する「犯人」デッチあげがどのように行われていったのかをリアルに描き出した。
 こうして、東京高裁による要請行動圧殺策動を粉砕し、狭山事件の〈無実・差別〉の真実をぐいぐいと裁判所に突きつけ、事実調べを迫る要請行動が、二時間以上行われた。この闘いと並行して、裁判所前では狭山百万人署名の街頭宣伝が行われ、多くの労働者市民が署名とカンパを寄せた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号3面3)

東日本共闘が総会 部落解放へ新たな誓い 12・10東京 

 部落解放東日本共闘会議の第九回総会が十二月十日午後、東京・神田のカンダ・パンセに八十五人が結集して開かれた。
 集会は動労水戸の労働者の司会で進められた。主催者あいさつに立った石川辰衛東日本解放共闘副議長は、「混迷・混乱の世情だ。人権の確立をめざしてさらに強固な団結で闘っていこう。二十一世紀はわれわれの世紀だという自覚に立って、勝利に向かって前進しよう」と力強く呼びかけた。
 続いて解同全国連が制作した狭山紙芝居「私は無実!」が上演された。解放共闘の労働者・学生が石川さん役や刑事役になりきって権力の部落差別犯罪を暴き、石川さんの決起を熱演した。
 部落解放理論センターの宗像啓介さんが、「当面する部落解放闘争の課題と任務」と題して記念講演を行った。
 宗像さんは、ここ数年、日帝危機の深まりと解同本部派の日帝への屈服のもとで、悪質な部落差別事件が頻発していることを、東京の大学生の差別脅迫事件などを取り上げて、怒りを込めて糾弾した。
 そして差別糾弾闘争は部落差別撤廃の闘いの唯一で普遍的な闘争形態であり、差別糾弾闘争を三大闘争(差別糾弾、生活要求、階級的共同闘争)全体を貫くものとして発展させ、それを政治闘争、中央権力闘争に発展させていくことが、二十一世紀の部落解放闘争の勝利の道であることを鮮明に提起した。
 そして宗像さんは、何よりも戦前の高松差別裁判糾弾闘争の教訓を踏まえ、狭山再審闘争の歴史的勝利をかちとることが最大のかぎだと訴えて、講演を締めくくった。
 休憩後、東日本解放共闘の山川博康事務局長が二〇〇一年の闘いの方針を提案した。山川さんは狭山闘争を基軸として闘ってきた解
放共闘のこの一年の取り組みを総括した上で、激化する部落差別の攻撃に対して、労働者階級が真剣に部落差別との闘いを自己の階級的課題としてとらえ、部落大衆と団結して階級的共同闘争を発展させることの決定的な重要性を提起した。そして、何よりも新年はこれまで以上に狭山再審をかちとるために全力決起すること、解同全国連と連帯し狭山紙芝居運動、百万人署名、東京高裁糾弾・要請行動に全力で取り組むことを提起した。全参加者が満場の拍手で提案を確認した。
 続いて全国連の小林あや子婦人部事務局長が、全国で取り組まれている狭山紙芝居運動を報告した。長野や奈良や広島で、本部派の部落大衆の間にも大きな反響をつくり出していること、紙芝居のビデオをも活用して、百万人署名運動と紙芝居運動が一体で進んでいることなどが報告された。
 さらに動労千葉の田中康宏書記長が重要な決戦段階を迎えた国鉄闘争について特別報告した。
 以上の講演と報告を受けて、解放共闘を構成する各団体が力強く二〇〇一年の闘いに向けての決意を表明した。東京高裁による異議審棄却策動と対決し、狭山再審闘争の勝利に向けて総力で闘い抜く決意が各団体から表明された。
 最後に茨城県連の高橋昭一書記長がまとめを行い、「二十一世紀の新しい土俵に狭山闘争を持ち込んだ。問題は、石川さんの闘いにこたえて私たちが勝利の確信をもって狭山を闘うことだ」と述べ、十二・二二東京高裁要請行動への結集を呼びかけた。
 そして高橋書記長の音頭で団結ガンバローを行い、解放共闘の一層の飛躍を誓い合った。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号3面4)

資本攻勢&労働日誌 12月8日〜26日
  労組法再検討を要求 政府行革推進本部

●NTT労組が成果給要求
●労組組織率21.5%に低下
●派遣労働者100万人を突破
●8日 電気通信審議会(郵政省の諮問機関)は、NTT東西地域会社に対し人員削減などの合理化策の提出を求める方針を決めた。
●10日 労働省は、各種雇用助成金を廃止するが、緊急時に発動する助成金は必要と判断し、新設する方針を決めた。(日経)
●12日 行革推進本部の規制改革委員会が「見解」を提出。15分野286項目に及ぶ。「雇用・労働」分野では、解雇規制などの現行基準をさらに緩和するよう迫っている。「半世紀前の法律が現在なお必要か」と、労組法も敵視。
◇米ゼネラルモーターズは、欧米での10%の人員削減を柱とする大規模なリストラ計画を発表した。
●13日 NTT労組は中央委員会を開き、年功的要素を縮小、成果・業績反映部分にウエートを置く新たな人事・賃金制度を経営側に要求する方針を決定。(表参照)
◇JAMは「2001年春季生活闘争東日本討論集会」を開き、来春闘の取り組みを決定した。賃金構造維持分(定昇)を6000円とし、ベア1%・3000円で、平均賃上げ要求は9000円。
◇帝国データバンク発表の11月企業倒産状況では、倒産件数は前年同月比22.7%増の1683件、13カ月連続で前年同月を上回った。1月〜11月の合計はすでに前年の年間合計を大幅に上回っている。
●14日 国労の北海道・九州採用差別事件で東京高裁が反動判決。
●15日 中央最低賃金審議会は、地域別最賃の表示を日額をやめ、時間額だけにするよう提案。
●19日 労働省発表の2000年労働組合基礎調査によると、労組の推定組織率(6月30日現在)は調査開始以来最低だった昨年の記録をさらに0.7ポイント下回る21.5%。
●20日 経団連と日経連は、02年5月までに完全統合し、統合後の新団体の名称を「日本経済団体連合会」とすると発表した。
●21日 連合がまとめた2000年の年末一時金最終集計では、妥結額は加重平均で81万8888円となり昨年実績より461円のマイナス。
●22日 1999年度の派遣労働者数は前年度比19.3%増の107万人であることが労働省発表の「労働者派遣事業の平成11年度事業報告」で明らかに。100万人を超えるのは86年の集計開始以来初めて。
●25日 労働省の「個別的労使紛争処理問題検討会議」は、来年度から都道府県の労働局に設置する個別的労使紛争の処理体制について、調停より拘束力が弱い調整機能と調停機能の2つの機能を持たせることを決めた。
●26日 11月の完全失業率は4.8%で、前月比0.1ポイント上昇。完全失業者数は、前年同月比14万人増の309万人。
◇朝日新聞が50社に対して行った「給与・雇用アンケート」によると、給与中の能力給の割合は50%を超えていることがわかった。

NTTの「新たな人事・賃金制度」
●現行
・年齢賃金
 −退職金算定の基礎額となる基本給
 −年功的に定期昇給する
・職能賃金
 −組合員によて異なる
・資格手当て
 −同一等級で同額の基本分と評価によって異なる加算分
●新制度
・新たな年齢賃金
 −割合縮小
・資格賃金
 −成果業績に対応した等級別定額
・成果賃金A
 −毎年累積。「加算続けば実質的に定昇」と、上限(9万880円)設定
・成果賃金B
 −評価で大きな差がつく。
 −毎年ゼロクリア(累積なし)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号4面1)

教育改革国民会議 最終報告を弾劾する
  教育基本法改悪阻止を 教育労働運動を解体し改憲・戦争国家化狙う

 十二月二十二日、首相の私的諮問機関である教育改革国民会議(座長・江崎玲於奈)が最終報告を発表した。「教育を変える十七の提案」と題する報告は、「新しい時代にふさわしい教育基本法を」と打ち出し、教育基本法改悪−改憲攻撃への全面的踏み切りを宣言した。今春、教育改革粉砕・教育基本法改悪阻止の闘いの大衆的爆発をかちとろう。

 教育基本法改悪をめぐる決戦の急迫

 第一に、報告が打ち出した攻撃の最大の核心は、教育基本法改悪である。
 同会議は昨年九月の中間報告では、教育基本法改悪について「具体的にどのように直すべきかについては意見の集約はみられていない」と記さざるをえなかった。それを最終報告では一気にエスカレートさせ、「新しい時代にふさわしい教育基本法を」と宣言し、改悪の具体的な中身にまで言及したのである。
 森が第二次森内閣の文部大臣にすえた町村信孝は、就任冒頭から教育基本法改悪について「字句修正ではなく、新しい法律を書くんだという思いで取り組む」「国民会議の報告を受け、文部省で消化し、あらあらの法案か、それに近い姿で諮問し、あまり時間をかけることなく結論をいただきたい」と公言してきた。
 文部省は「教育基本法見直しのためのプロジェクトチーム」を設置、ただちに作業に着手し、改悪案を具体的に固めて、今春にも中央教育審議会に諮問しようとしている。森は「教育基本法改正を参院選の公約に」と言い、来年の通常国会に改悪案を提出することを狙っている。
 さらに小渕とともに国民会議設置を決めた張本人である中曽根康弘は、「一月からの通常国会は『教育改革国会』として、各党間で教育全体の論戦を国会で誘導し、五月のゴールデンウィークまでに、その論戦の結果として、各党に『教育基本法改正要綱』をまとめてもらう。そして、夏の参議院選挙は、その要綱の下に争い、国民審判を受けて、政府は秋に教育基本法の改正に前進すべきである」と森に助言したと言い、「教育改革元年/全国民運動展開を」と提唱している(一月八日付読売新聞)。
 攻撃は急ピッチである。二〇〇一年、教育基本法改悪との闘いが、最大の決戦テーマにすえられたのだ。

 教育の理念と目的の大転換

 最大の焦点は、現行の教育基本法の「教育の理念・教育の目的」の解体と、根本的な転換である。
 現行の教育基本法は、前文で「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」と規定し、第一条の(教育の目的)において「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と定めている。
 報告は、この理念に代える「新しい時代の教育基本法の三つの観点」を打ち出した。第一に「新しい時代を生きる日本人の育成」、第二に「自然、伝統、文化の尊重、そして家庭、郷土、国家などの視点」「宗教教育」、第三に「教育振興基本計画策定」である。
 キーワードは「日本人の育成」だ。「教育において社会性や人間性が重要であることは言うまでもない。しかし……伝統や文化の認識の強調は……日本人としてのアイデンティティーを持って人類に貢献することができる人間を育成するという観点から、基本的な事項である」「これからの時代の教育を考えるに当たっては、個人の尊厳や真理と平和の希求など人類普遍の原理を大切にするとともに、……新しい時代を生きる日本人をいかに育成するかを考える必要がある」。
 現行の教育基本法の「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」という言葉を実質的には棚上げし、それに代えて、「日本人の育成」を新教育基本法の核心にすえようとしているのだ。
 そして「人間性豊かな日本人を育成する教育」とは「個人の力を超えたものに対する畏敬の念を持ち、伝統文化や社会規範を尊重し、郷土や国を愛する心や態度を育てる」ことだと規定し、愛国心の育成、国家主義教育・天皇制教育への転換を露骨に表明した。
 また「教育は……国の将来を左右するもの」「教育への投資を国家戦略として真剣に考えなければならない」と、「国家のための教育」への原理的転換を打ち出した。あわせて「戦後の教育で大事にされた平等主義は、……新しい価値を創造し、社会を牽引するリーダーの輩出を妨げる傾向すら生んできた」と、能力主義の強化と、複線型教育制度の導入を打ち出した。
 総じて、報告が打ち出した「新しい教育基本法」とは、戦後教育の全面的な解体と戦時型教育への大転換であり、改憲攻撃と一体の大攻撃である。

 奉仕活動義務化は徴兵制狙った攻撃

 報告は第二に、「奉仕活動の義務化」について、「小・中学校では二週間、高校では一か月間、共同生活などによる奉仕活動を行う」「将来的には、満十八歳後の青年が一定期間、奉仕活動を行うことを検討する」と打ち出した。
 報告をまとめるにあたり「満十八歳の国民すべてに義務付ける」という表現を残すか否かが焦点になり、結局その表現はなくなったが、本質は何も変わっていない。町村は「奉仕であれ何であれ、強制しない教育なんてあるのだろうか。奉仕活動を学校のカリキュラムに位置付け、全員にやってもらうことにためらう必要はない」と言って、「強制」であることを隠そうともしない。十八歳の「奉仕活動」についても、委員の森隆夫は、青年海外協力隊などへの参加をあげ、「こういった活動をしないと大学に入れないとか、採用しない企業が出てきてもいい」と主張している。
 「教育の危機」の解決のためにとして「奉仕活動」を提唱しているが、まったくのペテンだ。彼らは子どもたち・少年たちをめぐる状況の解決など毛頭考えてはいない。「滅私奉公」の価値観を暴力的にたたきこむことこそ「奉仕活動義務化」の狙いであり、戦前型の勤労奉仕と徴兵制へ向けた大攻撃なのだ。

 教組解体が目的の「不適格教員」排除

 第三に、「不適格教員」排除を始めとする教育労働者に対する管理強化、教育労働運動つぶしである。
 報告は冒頭の「私たちの目指す教育改革」の中で、「これまで教育の世界にイデオロギーの対立が持ち込まれ、教育者としての誇りを自らおとしめる言動がみられた。教育関係者は、それぞれの立場で自らの在り方を厳しく問うことが必要である」と記した。
 その意図は、各委員の言葉に露骨に示されている。「彼らは『何者にも支配されない』という教育基本法一〇条を盾にとって、戦時中の関東軍が統帥権を振りかざしたのと同じような論拠に立っている。基本法が一番末端で独り歩きしている。間違った勢力の武器になるような解釈にならない文言に変えてほしい」(沈寿官)、「ある地域では君が代も教えず、国旗も掲揚しない。教育基本法一〇条が拡大解釈されてほしくない。是非改正してほしい」(今井佐知子)。
 結局、焦点は教育労働運動つぶしであり、教育基本法第一〇条の「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」という規定の解体なのである。
 具体的に提案された施策を見てみよう。「教師の意欲や努力が報われ評価される体制をつくる」という提案では、「効果を上げている教師には、金銭的処遇、準管理職扱いなどの人事上の措置、表彰など」「改善されないと判断された教師については、他職種への配置換えを命ずることを可能に。最終的には免職などの措置を講じる」「免許更新制の検討」などを列挙し、「教え子を再び戦場に送るな」を掲げて闘う教育労働者をあらゆるかたちで排除しようとしている。
 「地域の信頼に応える学校づくりを進める」という提案では、「外部評価を含む学校の評価制度」「学校評議員制度」「校長の裁量権の拡大」などで、学校現場の監視・管理体制の確立を狙っている。
 こうした報告の具体化を前にして、すでに教育現場をめぐる大攻防が激しく始まっているということを、しっかり確認しておきたい。各地で「指導力不足」とされた教育労働者を教育現場から引きはがして研修所に送る措置や、「新勤評」=人事考課制度導入がどんどん具体化されている。東京では「指導力不足教員」制度や人事考課制度をテコに、「日の丸・君が代」闘争の被処分者や組合役員に退職や異動を強要する攻撃が始まっている。教育労働者の団結そのものの破壊を狙う、時間内組合活動に対する賃金返還請求攻撃も各地で起きている。
 今まさに激突の渦中にある教育現場における具体的な攻防に勝ちぬくことこそ、闘いの爆発の土台である。激烈な日教組解体攻撃と対決して教育労働運動を防衛し、闘う日教組の再生をなんとしてもかちとろう。

 差別・選別教育エスカレート

 さらに報告は、エリート教育、差別・選別教育の画然たるエスカレートを宣言した。戦後教育を「一律主義、画一主義」とののしり、小・中・高校における習熟度別学習の推進、高校における学習達成度試験の実施、通学区域の弾力化などが提案された。
 また「問題を起こす子ども」の出席停止措置は、戦前の「義務としての教育」から「権利としての教育」に転換させた戦後教育の根本を否定するものだ。
 大学改革については、大学入学年齢の弾力化、暫定入学制度、成績評価制度の導入と水準に達しない学生の落第・退学、大学院改革など、資本の求める「人材育成」機関化を徹底して推し進めようとしている。

 「日の丸・君が代」闘争突破口に闘う

 ところが、日帝の教育基本法改悪−改憲攻撃の本格化に対して、既成勢力はことごとく全面屈服し、一切の闘いを放棄している。
 日教組本部の「教育改革国民会議報告に関する見解」は本当に許しがたい。唯一の批判めいた言葉と言えば「『教育を政争の具』にしてはならない」の一言だけで、「新しい中央教育審議会などで根本的な論議を行い、社会的な合意を形成しながら改革をすすめることを強く要請する。ならば日教組は提言も行い、改革の進展にも積極的に協力していく考えである」と、自らその協力者に成り下がると表明して、日帝に懸命にすがっている。「文部省とのパートナーシップ」路線の犯罪性は明らかだ。
 日共スターリン主義はどうか。日共第二二回大会決議の教育に関する提起は、「民主的な社会の形成者にふさわしい市民道徳を身につけるための教育はいよいよ重要な課題になっている」と、「道徳」教育の徹底を日帝に要請するという代物だ。教育改革国民会議への批判や弾劾は、言葉の上でも一言もない。
 ファシスト・カクマルは、日帝・中曽根や石原とまったく同じく「アメリカ式プラグマティズム教育が教育荒廃の原因」と叫び立て、日帝の教育基本法改悪攻撃、改憲攻撃の先兵となることを宣言している。
 教育基本法改悪攻撃とは、日米争闘戦における敗勢と没落帝国主義化を強め絶望的に凶暴化する日帝の、帝国主義的侵略戦争と侵略戦争国家化の大攻撃である。憲法九条の廃止(撤廃)を核心とする改憲攻撃の突破口なのだ。転向と裏切りにひた走る既成勢力を打倒して、教育基本法改悪阻止・改憲粉砕闘争の大衆的爆発をつくり出そう。
 第一に、今春「日の丸・君が代」闘争が最大の決戦だ。広島・国立を先頭に全国で、教育労働者、地域住民、全労働者階級人民の総決起をかちとり、子どもたちの自主的な決起もつくり出しながら闘おう。
 第二に、通常国会における教育改革関連法成立を阻止する闘いである。「不適格教員」の配置転換や免職のための地方教育行政組織法・教育公務員特例法の改悪、「奉仕活動」実施のための学校教育法などの改悪、「問題児」出席停止制度適用を徹底させる学校教育法改悪などを許さず、広範な統一戦線も形成して、国会闘争に立ち上がろう。
 第三に、教育労働運動つぶしの総攻撃と対決して、闘う日教組運動の再生をかちとろう。すでに激烈化している不当処分、時間内組合活動に対する攻撃などとの現場攻防の一つひとつが、教育基本法改悪をめぐる重大な決戦である。
 今春、教育基本法改悪阻止の闘いを、改憲阻止決戦と一体で断固闘いぬこう。
〔大西 晶〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号4面2)

資料 教育改革国民会議最終報告 教育を変える17の提案(抜粋)

◆人間性豊かな日本人を育成する
@教育の原点は家庭であることを自覚する
A学校は道徳を教えることをためらわない
B奉仕活動を全員が行うようにする
C問題を起こす子どもへの教育をあいまいにしない
D有害情報等から子どもを守る
◆一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む人間を育成する
E一律主義を改め、個性を伸ばす教育システムを導入する
F記憶力偏重を改め、大学入試を多様化する
Gリーダー養成のため、大学・大学院の教育・研究機能を強化する
H大学にふさわしい学習を促すシステムを導入する
I職業観、勤労観を育む教育を推進する
◆新しい時代に新しい学校づくりを
J教師の意欲や努力が報われ評価される体制をつくる
K地域の信頼に応える学校づくりを進める
L学校や教育委員会に組織マネジメントの発想を取り入れる
M授業を子どもの立場に立った、わかりやすく効果的なものにする
N新しいタイプの学校(゛コミュニティ・スクール″等)の設置を促進する
◆教育振興基本計画と教育基本法 
O教育施策の総合的推進のための教育振興基本計画を
P新しい時代にふさわしい教育基本法を
 これからの時代の教育を考えるに当たっては、新しい時代を生きる日本人をいかに育成するかを考える必要がある。日本人としての自覚、アイデンティティーを持ちつつ人類に貢献するということからも、我が国の伝統、文化など次代の日本人に継承すべきものを尊重し、発展させていく必要がある。新しい時代にふさわしい教育基本法には、次の三つの観点が求められるであろう。
 第一は、新しい時代を生きる日本人の育成である。
 第二は、自然、伝統、文化の尊重、そして家庭、郷土、国家などの視点が必要である。宗教教育に関しては、宗教的な情操を育むという視点から議論する必要がある。
 第三は、教育振興基本計画策定に関する規定を設けることが必要である。
 新しい時代にふさわしい教育基本法については、教育改革国民会議のみならず、広範な国民的論議と合意形成が必要である。政府においても本報告の趣旨を十分に尊重して、教育基本法の見直しに取り組むことが必要である。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号4面3)

「日の丸・君が代」処分反対国立集会
  ”処分許すな”の熱気 全国の連帯誓う

 十二月二十三日、「国立市教職員への不当処分を問う!」十二・二三全国集会が小金井市小金井公会堂で開かれ、多くの労働者・市民が続々と結集した。
 最初に集会実行委員長が発言に立ち、国立市の「日の丸・君が代」に反対した十七人の教職員への処分は「子どもたちの人権や教職員への権利侵害である」と不当処分を弾劾し、これは政治処分であり、問題は国立にとどまらない、全国の「日の丸・君が代」と闘っている人たちと連帯して処分撤回をかちとっていこうと力強くあいさつした。
 講演は「思想・良心の自由」を研究する憲法学者で早稲田大学教員の西原博史さん。西原さんは「十年前には『思想・良心の自由』という問題がこのような大きな問題になるとは思ってもいなかった。歴史の転換を感じる」と話した。そして「『思想・良心の自由』が基本的人権の核心である。子どもたちの人権を守るために先生が国歌斉唱に参加しなかったことが処分されても裁判を通じて白黒がついてくる。強制の道具として教員を使うことはできないということだ。当面処分されてしまうかもしれないけれども職務命令はおかしいという確認を忘れてはいけない」と述べた。
 被処分者が発言に立った。ピースリボンをつけたことが職務専念義務違反、校長に質問したことが信用失墜行為であると処分された国立第二小の教育労働者、卒業式当日にビラをまいたことが職務専念義務違反で処分された国立第五小の教育労働者が、処分の不当性を弾劾し、人事委員会への不服申し立てなどの処分撤回の取り組みや、きたる三月の卒業式に向かって激化する都教委、国立市教委、管理職などとの厳しく激しい攻防を報告し、闘いの決意を明らかにした。魂をこめた発言に聞き入っていた参加者は、共感をこめて被処分者に熱い支援連帯の拍手を送った。
 広島から駆けつけた広高教組の代表は、九七年に文部省から送り込まれた辰野教育長による千三百十一人の戒告処分や広域配転を始めとする広高教組つぶしの攻撃との組織攻防の様相をリアルに報告した。文部省の不正義、教育労働者の正義があますところなく明らかにされ、勝利の展望を示し、国立の被処分者や教育労働者を励ました。
 組織参加した千葉県高教組の代表、都高教の組合員、十一・一五神奈川「日の丸・君が代反対集会」実行委員会の教育労働者が闘争報告を行い、国立の闘いへの連帯を表明した。
 さらに弁護団の報告や市民、その他多くの支援者から不当処分弾劾と激励の発言が行われた。集会途中、右翼がデモし、街宣車で突撃ラッパを鳴らし会場間近まで突進するなどの妨害をしたが、これを完全にはねかえして集会は成功した。
 国立をめぐる「日の丸・君が代」攻防はさらに激化している。十二月十八日、国立市教委は来年三月の卒業式で必ず「国旗掲揚、国歌斉唱」をするようにとの通達を出した。それを実行するために指導主事二人、管理職候補四人が加配(増員)され、二つの学校に送り込まれた。集会前日の二十二日には石原が定例記者会見で「あそこを解決することで一点突破じゃないけれど、日本の教育の改革の大きなよすがにする」と、国立攻撃に全力をかけることを宣言した。
 すでに都教委は、「日の丸・君が代」の実施率の上昇から「実施態様」へと踏み込み、国旗掲揚の場所と時間帯の指定、国歌斉唱の式次第への明記と司会の発声まで指示する「実施指針」の画一的強制にまで踏み込んで来ている。この攻撃は教育基本法改悪−改憲と一体の大反動である。
 十二・二三集会はこうした大反動をはね返す決定的な集会になった。国立で続けられてきた子どもたちが自主的につくる卒業式を踏みにじる攻撃と対決し、「日の丸・君が代」強制反対を貫き、被処分者を守り抜き、処分撤回まで、私もともに闘いぬこうと決意した。 (投稿/那須 宏)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号4面4)

法大全学の怒りの爆発で学費値上げ撤回かちとれ
 マル学同中核派法政大学支部

 大幅値上げに学生の怒りの決起が始まる

 昨年末に発覚した二〇〇一年度からの大幅学費値上げに対して、法大生の怒りの闘いが爆発している。
 年末の一週間は、キャンパス中央にテント小屋が建てられ、「学費値上げ決定白紙撤回! 清成総長は団交に応じろ」を掲げた立て看板とステッカーでキャンパスが埋めつくされた。連日、キャンパス集会や学生部長追及行動が闘われ、「学費値上げ決定の白紙撤回と総長団交を要求する署名」が五日間で三千二百筆を超えた。キャンパスのいたるところに署名の輪ができ、一人で五百筆も集めた学生もいた。署名した学友が署名用紙を持って帰り、友人の署名を集めてくることが次々と生まれた。講義終了後に十人の学生が二時間も学費値上げについて議論することや講義中に学生が教員を追及することもいたるところで起きている。
 学費闘争に次々と学友が決起し、初めて「学費値上げ阻止実」の会議に参加した学友が、次の会議には友人を連れてきている。自治会やサークル団体などの学生諸団体による「学費値上げ決定の白紙撤回と総長団交要求書」も提出された。法大生の怒りの決起が始まったのだ。
 革命的大衆運動の大爆発で学費値上げ決定の白紙撤回をかちとろう!
 どのような学費値上げが行われるのか。

 大失業時代に4年間で72万円もの値上げ

 二〇〇一年度入学者は、一部文系学部の初年度納入金が十五万六千円も値上げされ百十二万六千円に、二部の場合は八万円も値上げされ六十二万円になる。四年間に納める学費の合計は、一部文系学部の場合、七十二万円も増え三百七十九万六千円に、二部生の場合は三十六万円も増え二百二万四千円になり、ほぼ現在の年間学費に匹敵する額が値上げされるのだ。
 しかも、年次ごとに学費が増額されるスライド制が導入されることによって、二〇〇四年度入学者の一部文系学部の学費は四年間で四百万三千円となるのだ(現在から九十三万三千円増)。これで四年間で百億円の増収となる。
 二部の学生は、「一部は学費が高くて無理だから、学費の安い二部にするという学生が増えている中で、さらに値上げをするというのは本当に許せない」と怒りの声をあげている。
 ある女子学生は、「浪人している友人は、学費が安いということで法政を受けることを考えていた。しかし彼女は、『こんなに学費が上がったら、弟を大学に行かせるために私は大学に行かせてもらえなくなるかもしれない』と言っていた」と語り、闘いの先頭に立っている。
 五%に迫る失業率と三百万人以上の失業者、四割近くの労働者が不安定雇用状態という大失業時代が到来し、労働者が自殺にまで追いつめられている。首切り・賃下げ、リストラの激化で、労働者家族の生活破壊が激しく進行している。
 現在の法大の学費でさえ、けっして安いとは言えない。子どもを大学に行かせるために親は苦労し、自分で学費や生活費を稼いでいる学生も多くなっている。「バイトを増やさなければやっていけない」「バイトが忙しくてサークルをやめる学生がいるのに、値上げされたらサークル活動が成り立たなくなるかもしれない」という学生の声が上がっている。学費が支払えなくて、高校や大学を中退せざるを得ない人が増えている中で、さらに学費が値上げされれば、大学に来られない人がこれまで以上に増えるのだ。

 学生踏みにじる法大当局に怒りの反撃を

 だが、このような労働者人民の苦闘や怒りに対して、清成総長は「わが国には、小さいながらも所得格差がありますから、平均値だけで考えてはいけません。一方では裕福な層があるのです。中流以上は、かなりの資産を持っていますから、教育投資は可能です」と言い放っているのだ。清成総長は、労働者人民の苦闘や怒りをまったく見ようともしないのだ。絶対に許すことができない。
 法大は清成総長の下で急速に日帝ブルジョアジーの国家政策を実現するための大学に転換しようとしている。法大当局は二〇〇〇年度、@新学部として情報科学部を設置、A年間授業料三百万円の法政大学ITプロフェッショナル・コースを開設、BIT専門技術者の教育やITの研究開発のために法政大学IT研究センターなどを発足させ、今年一月五日には、IT研究の海外拠点として法政大学アメリカ研究所を開設した。
 清成総長は「私立大学にとってはこれから国立の独立行政法人とも競争しなければなりません」と言い、日米争闘戦の激化の中で没落帝国主義化した日帝を救済する最先頭に立つことで、大学間の生き残り競争に勝ちぬこうとしている。
 清成総長は、IT革命や資本攻勢の下で引き起こされている労働者人民への首切りや賃下げ、リストラや所得格差の増大を当然とし、「生き残りたかったらエンプロイヤビリティ(雇用され得る能力)を身につけろ」と、学生間に競争と分断を持ち込み、そのための教育投資は自己投資であり当然だと主張しているのだ。まさに、労働者人民の現実の苦闘や怒り、社会矛盾と格闘するという法大のあり方の完全な放棄だ。
 だから法大当局は、@学生に一言の相談もなく十月に学費値上げを決定し、A値上げ決定を公表せず隠し続け、B学費値上げの理由を説明する必要もないと言っている。また、学生がステッカーを校舎にはることへの規制や自主法政祭への介入など、学生の自主的諸活動への規制・介入を強めている。学生の自己決定や主体性を踏みにじり、管理と規制を強化する法大当局に対して、学生の人間的な怒りは必ず大爆発する。
 改憲阻止決戦の大爆発と一体で、法大生の自己解放的決起は学費闘争の大爆発から開始される。法大支部は、国鉄労働者を始めとする労働者階級の闘いや苦闘、学生大衆の根底的な怒りや苦闘に学びながら、二〇〇一年決戦の中で党勢倍増を断固実現する。
 学友諸君! 国立大の独法化阻止の闘いと私立大を先頭とした学費闘争の結合の中で大学闘争の大爆発をかちとり、全国大学に闘う学生自治会を建設しよう! 転向日共=民青と分裂カクマルを学生戦線から一掃して、全国学生運動の圧倒的統一を実現しよう!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号5面1)

改憲はアジア侵略戦争の道だ
 日帝打倒の決意と戦略も鮮明に 改憲阻止闘争の大爆発へ

 革共同の改憲阻止闘争スローガン

 A 戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒
   闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!
   米軍基地撤去!=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!
 B 有事立法阻止・改憲粉砕!
   教育基本法改悪阻止・改憲粉砕!
   徴兵制・学徒動員への道=改憲粉砕!
   戦争への労働者人民の総動員体制づくり=改憲粉砕!
 C 改憲への地ならしをする憲法調査会を粉砕せよ!

 革共同は、二十一世紀への突入にあたり、二十世紀が実現しようとして実現しえなかった共産主義社会への世界史的移行という人類史的大事業をなんとしてもなしとげる不退転の決意と確信を全世界の労働者階級人民の前に明らかにした。そしてマルクス主義・レーニン主義を真に継承し、万国の労働者・被抑圧民族の団結した力で反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利を切り開く闘いの先頭に立つことを力強く宣言した。二〇〇一年に転向日共と分裂カクマルを打倒して、改憲阻止闘争の全人民的爆発、都議選の勝利、国鉄決戦の勝利および階級的労働運動の歴史的再生と大結集をかちとる闘いの大方針を提起した。二〇〇一年を期して改憲阻止闘争を戦後階級闘争史上最大最高の階級決戦として爆発させ、プロレタリア日本革命の突撃路として前進することを訴える。

 憲法第9条の破棄が日帝の核心的な狙い

 改憲阻止闘争の歴史的爆発をかちとるために、今こそ全人民に訴えなければならない点は何か。
 第一に、日本帝国主義の改憲攻撃が本格化し切迫してきている中で、改憲攻撃の最大最高の核心は、憲法第九条の廃止(撤廃)=〈戦争放棄〉〈交戦権の否認〉〈戦力の不保持〉の規定の破棄にあるということである。
 つまり日帝の改憲攻撃の核心的狙いは、自衛隊を国軍=帝国主義国家の軍隊として確立・確保(合法化)し、海外への派兵と武力行使を合法化し、再び朝鮮・中国−アジアへの侵略戦争の道を歩もうというところにある。日本の労働者階級人民と朝鮮・中国−アジア人民にとって改憲とは、すなわち日帝の戦争・侵略戦争のことなのだ。この事実を全人民の前に徹底的に明らかにして、警鐘を鳴らさなければならない。
 したがって日帝は、改憲をとおして戦争・侵略戦争を遂行するために、国家体制を侵略戦争国家として全面的に改造する必要に迫られているのである。労働者階級人民を侵略戦争に動員し、反対するものには徹底した治安弾圧を加えることのできる天皇制的国家主義的強権体制(天皇制的ボナパルティズム体制)の確立を狙っている。それは、軍国主義国家化であり、帝国主義的ナショナリズム=民族排外主義と愛国心で全社会を覆ってしまおうとするものだ。
 またそのために、有事立法制定をはかるとともに、教育基本法改悪を軸に戦後教育制度を反革命的に改悪し、戦後の労働(法)制度を反革命的に改悪し、戦後社会保障制度を反革命的に解体してしまおうとしている。さらに、「司法制度改革」と称して国家権力による治安弾圧体制の飛躍的強化をも果たそうとしている。さらに入管体制の戦時的再編、部落差別を始めとする差別主義の国家的扇動を強めているのである。
 日帝は一九九六年日米安保共同宣言−SACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終報告、九七年日米新安保ガイドラインの締結、九九年ガイドライン関連三法の成立を決定的転機として、日米安保条約−新ガイドラインの発動、すなわち日帝による朝鮮・中国−アジア侵略戦争参戦=遂行を決断した。それは新安保ガイドラインに基づき、自衛隊の海外出兵と治安出動、全土の出撃・兵站(へいたん)・補給基地化、労働者人民の戦争動員の攻撃に踏み込むものであった。これらの攻撃は、実質的に憲法第九条を破棄するものであり、改憲への決定的攻撃であった。
 こうした中で、日帝は新安保ガイドライン体制の構築に全力を挙げていったのである。一方で、米帝との間で朝鮮・中国−アジア侵略戦争の計画をきわめて具体的に練り、そこでの日帝・自衛隊の役割分担を定めていった。それに基づいて、日米共同統合演習を激しく繰り返したのだ。また、沖縄・名護新基地建設の攻撃を強め、三里塚暫定滑走路建設の着工を強行したのだ。ここで日帝は、すでに有事立法が存在しているものと想定して侵略戦争計画を立案し、その遂行のための演習を行い、それに必要な新基地の建設、空港の建設などのごり押しをしているのである。
 他方で、日帝は自衛隊を侵略戦争を遂行することのできる軍隊に転換しようとしている。次期中期防衛力整備計画で、大軍拡に踏みだそうとしている。ついに空中給油機を導入し、一万五千d級の軽空母の建造、TMD(戦域ミサイル防衛)導入のための新型イージス艦建造、長距離輸送機や哨戒(しょうかい)機の国産開発など戦後史を画する一大エスカレーションをもくろんでいるのである。
 日帝の戦争・侵略戦争への突進が、「公共の利益」概念の導入や天皇元首化などの攻撃と一体のものとして憲法第九条破棄の衝動となって噴き出しているのである。そのことは鳩山由紀夫・民主党代表の改憲案や自民党・橋本派の改憲案が、自衛隊の軍隊としての明記と集団的自衛権の行使の合法化として提唱されていることに示されている。日米安保を容認し、自衛隊を容認して、日帝の国益主義に屈服した日本共産党や社民党が、こうした改憲攻撃=日帝の戦争・侵略戦争への突進と対決できるはずはない。
 日帝の改憲攻撃が、戦後史と戦後階級闘争を根底から転覆しようとする戦争・侵略戦争攻撃であることを鮮明にすればするほど、これと対決し粉砕することのできる全人民の戦略的スローガンは、「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」なのである。

 没落帝国主義・日帝の絶望的な延命路線

 第二に、日帝はこのような反革命的決断に、なぜ、どうして踏み切ったのかを鮮明に訴えることである。
 それは、まずなによりも世界経済が二九年型世界大恐慌に突入しつつあることによって、帝国主義は争闘戦を激化させ、ブロック化を深め、勢力圏づくりをめぐって全世界で帝国主義間のつぶし合い戦に突入する情勢に突入したからだ。こうした情勢が日帝の存立の基盤を崩壊させるところに追いつめたからだ。とりわけ、アジア勢力圏化をめぐって米帝は激しく対日争闘戦をしかけ、日帝は敗勢を強いられたからだ。
 日帝はバブル崩壊後の長期大不況にあえぎ、九七−九八年恐慌過程への突入によって存亡の危機にたたき込まれた。これに日米争闘戦での敗勢が加重されたのである。日帝は歴史的な没落過程に突入し、延命と生き残りをアジア侵略と侵略戦争に訴える以外にない地点に立たされたのだ。だから日帝は、絶望的延命路線としての改憲攻撃に本格的にのめりこんでいるのである。
 日帝・政治委員会は、体制的危機の反動的突破を実現しなければ延命できないことを強烈に自覚し、改憲攻撃の正面突破に訴えている。しかし、それはますます労働者階級人民の怒りの決起を呼び起こしながら、日帝の進路をめぐって自民党の内部分裂を深め、自滅的な動揺と混迷を深め、絶望的な凶暴化の道へと進んでいるのである。その最先端にあるのが、ファシスト石原の言動である。
 そもそも戦後憲法とは、第二次世界大戦に敗北した日帝が、米帝を始めとする戦勝帝国主義による「日帝弱体化政策」を受け入れ、朝鮮・中国−アジア人民の嵐のような民族解放闘争と日帝に対する戦争責任・植民地支配責任の追及に追いつめられ、戦後革命に大打撃を受ける中で、日本共産党の裏切りに助けられ、沖縄人民を米帝に売り渡して日米安保体制をとることによって、かろうじて日帝が延命する道を選択したことの法制的表現であった。それは、米帝(とソ連スターリン主義の)体制としての戦後体制を世界史的条件として成立したものだ。
 だが、ソ連スターリン主義の崩壊と米帝体制としての戦後帝国主義世界支配体制の崩壊は、戦後日帝の延命と再建の世界史的条件をことごとく喪失させてしまったのである。日帝は再びアジア侵略と侵略戦争を強行しなければ生き残れないところに落ち込んだのだ。まさに日帝を改憲攻撃にかりたてているものは、帝国主義が解決しようとして、けっして解決できない矛盾なのである。
 一九二九年の世界大恐慌は、世界経済の長期大不況を招いた。その中で、帝国主義は延命と生き残りをかけて、自らの勢力圏を排他的に囲い込んでブロック化するために侵略戦争にのめり込んでいった。そして他帝国主義の勢力圏を軍事力で奪い取ろうとする帝国主義間の争闘戦がついに世界戦争として爆発したのである。現代史はいままた、この歴史を再現しようとしているのである。
 帝国主義が帝国主義である限り避けて通れないこの基本矛盾の爆発過程に突入したのだ。この帝国主義の基本矛盾の爆発の力が、日帝を改憲攻撃へと駆り立てている。
 長期大不況と深刻な恐慌過程への突入、帝国主義間争闘戦での敗勢が日帝を帝国主義としての存立の危機に立たせている。日帝の帝国主義としての全歴史がそうであったように、それが破滅への道であったとしても、今また体制的存亡をかけて対米対抗とアジア侵略戦争に死活をかけてのめりこもうとしているのだ。
 日帝の体制的存亡をかけたものとして改憲攻撃がある以上、改憲粉砕の闘いは全人民に体制選択を迫るものとならざるをえない。したがって、戦争国家化阻止=改憲粉砕の闘いは、「日本がつぶれてよいのか」という日帝の改憲攻撃に対して「再び戦争・侵略戦争をしなければ生きられない日本などつぶれてしまえ」と対置して闘う以外に勝利の道はないのである。
 日帝は帝国主義国家のあり方の転換をかけて、没落日帝をどのように再建するのかと迫り、結局労働者階級を戦争・侵略戦争に動員する改憲攻撃をしかけているのである。日共や社民党のように、帝国主義の延命を認め、それを前提にした「改憲反対」や「護憲」の主張は、日帝の戦争・侵略戦争の容認に行き着くしかない。
 日帝が自らの絶望的延命を改憲にかけ、体制選択を迫ってきている以上、戦争国家化阻止=改憲粉砕の全人民的闘いの爆発は、改憲=戦争・侵略戦争によってしか延命することのできない日本帝国主義を、闘うアジア人民と連帯して打倒し、労働者階級人民の国家を樹立するまで止むことのない闘いとして発展していくのである。
 そうしたものとして革共同は、改憲阻止闘争を導くスローガンとして、「戦争国家化阻止=改憲粉砕・日帝打倒!」「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」の三本の戦略的スローガンを打ち出したのである。ここに労働者階級人民の勝利の道がある。

 戦争国家化の粉砕へ労働者人民総決起を

 第三に、この改憲阻止闘争は勝利の条件に満ち満ちており、この勝利の条件を現実の勝利に必ず転化できることを全人民に訴えることである。
 戦後憲法は、大高揚した労働者階級の戦後革命の敗北の副産物である。そこに貫かれているものは日帝の戦争・侵略戦争(十五年戦争)を二度と繰り返さないという階級的決意であり、天皇制による暗黒支配の再来を絶対に許さないという全人民的誓約であった。
 それは、戦後日本階級闘争の根底に流れているのである。だから、一九五〇年代の朝鮮侵略戦争反対の闘いや六〇年安保闘争、六〇年代のベトナム反戦闘争、七〇年安保・沖縄闘争が巻き起こったのである。日帝の再建の度合いに応じて、エスカレートした安保政策=帝国主義的戦争政策に対する全人民的闘いが繰り返し爆発してきたし、日帝の沖縄政策に対して怒りの人民的決起が根強く闘い続けられてきたのだ。また、戦闘的労働運動がそうした闘いの中軸を担ってきた。
 そうした戦後日本階級闘争は、その公認指導部としての社会党や日共が、帝国主義の延命と再建の枠内に、労働者階級人民の闘いを押しとどめてきたこととの激しい格闘の連続でもあった。
 日帝がその体制的存亡をかけて改憲攻撃を本格的に開始した今、社会党が帝国主義社民にさらなる転落を続け、日共が二〇〇〇年の第二二回大会で「有事における自衛隊の活用」の積極的肯定によって、日帝の改憲攻撃=戦争・侵略戦争攻撃の先兵となるにいたったのも当然であった。
 だが戦後を貫いてきた労働者階級の階級意識こそ、「帝国主義の戦争・侵略戦争の絶対的否定」と「天皇制的国家主義的な暗黒支配の再来の拒否」の意思であった。改憲阻止闘争は、この意思を持つ数千万人の労働者人民を全面的に結集し、闘うアジア人民と固く連帯し、沖縄人民と連帯して闘うことが求められているのである。
 そうした壮大なスケールの労働者人民の決起を実現することは必ずできる。それは、九九年ガイドライン闘争の高揚、二〇〇〇年沖縄サミット決戦で端緒的ながらつかんだ革共同の確信である。
 今こそ、社・共による改憲阻止闘争への制動を許さず、これを粉砕して改憲阻止闘争の全人民的爆発に向かって前進しよう。二〇〇一年一月三十一日召集の超反動通常国会には、日帝・森政権が改憲攻撃の突破口と位置づけている「教育改革」関連法案の提出や、有事立法およびその先取りである土地収用法改悪案の提出が狙われている。
 二〇〇一年通常国会闘争を突破口に、有事立法阻止、教育基本法改悪阻止、徴兵制・学徒動員阻止、労働者人民の戦争動員阻止の闘いを巻き起こし、あらゆる水路から改憲阻止闘争の大衆的爆発をつくりだそう。それを六月都議選勝利への総決起と一体のものとして闘おう。二〇〇一年を期して、革共同が打ち出した改憲阻止闘争スローガンを全人民の共同のスローガンとするために闘おう。
 〔井場啓史〕

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号5面2)

12・19北富士 ”闘争つぶし許せぬ” 山梨県庁前でビラまき

 北富士忍草母の会は山梨県議会の最終日の十二月十九日、十二月六日から行っていた甲府市中央公園での座り込みの最終日に当たり、中央公園で集会を開き、山梨県庁前でビラまきの情宣活動を行った。
 決起集会では母の会の天野美恵事務局長があいさつし、十一月三日の演習場入り口での看板立てと座り込み、甲府での座り込みが防衛庁や山梨県に大打撃を与えていることを勝利感にあふれて報告した。続いて母の会を支えて闘い抜く全学連反戦北富士現闘の代表が、中央公園と演習場入り口の看板前で座り込みを闘い抜いていることを報告。「草一本、そだ一つ採っていない演習場賛成派に金をばらまいて北富士闘争をつぶそうとしている」と日帝・山梨県を弾劾した。
 婦人民主クラブ全国協の代表は、「十二月六日の街宣で甲府市民の反応がものすごく良かった。民衆から金を取っておいて演習場を確保するために金をばらまいていることに対し労働者市民は激しく怒っている」と報告した。全学連の大山尚行委員長は、「米軍実弾演習と闘い、桧丸尾強奪攻撃とも実力で闘い、自分たちの権利を奪い返すために闘ってきた母の会の闘いは本当にすばらしい闘い。学生もこれに学んで新しい学生運動の時代を切り開く」と表明、改憲攻撃と闘い、森政権をうち倒す闘いに決起すると語った。
 都留文科大学生協労組の労働者が決意を述べ、続いて部落解放同盟全国連合会からメッセージが寄せられていることが報告された。
 最後に天野事務局長が「国家権力と闘っても勝てないというが、そんなことはない。三里塚でも北富士でも沖縄でも勝っている。沖縄、三里塚、国鉄、みんなと団結して闘う」と決意を表明し、力強いシュプレヒコールをあげ早速県庁前でのビラまきに移った。
 二週間にわたる中央公園での座り込みで多くの人が母の会の闘いを知っている。その訴えを読もうと次々にビラが受け取られた。「介護保険の金を払って大変なのにこんなことに金を使っているのですか」「こんなの良くないわよね」「署名を集めて、みんなの声を県庁に届けてください」「おばあちゃん頑張って」とビラを受け取った市民が声をかけて行った。
 演習場前での座り込みは、年末年始を貫いて闘い抜かれている。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号5面3)

「脳死」−器移植弾劾! 京大学園祭で講演会

 十一月二十六日、京大の学園祭で「『脳死』−臓器移植反対! 京大講演会」を行いました。「脳死」−臓器移植法施行三カ年を弾劾し、次期通常国会での法改悪策動を許さず、法施行後、京大で「脳死」−臓器移植を繰り返し行っていることを弾劾する集会として行いました。
 この講演会は同時に、講演会直前の十一月二十一日に京大病院で起きた「脳死」−肝臓移植患者の死という事態に対する緊急抗議集会となりました。
 講師は講演の冒頭で「今回の京大での『脳死』−肝臓移植での移植患者の初の死者という事態は、そもそも『障害者』に対する差別・抹殺攻撃である『脳死』−臓器移植の問題から当然引き起こされた事態だ」と怒りをもって訴え、京大で推進している田中紘一のグループなどの「脳死」−臓器移植推進派が、医療の名を借りた人体実験を行っていることを暴露・弾劾しました。
 そして、「脳死」判定そのものがデタラメであり、「脳死」が、医学的に矛盾し、医療行為ではなく殺人行為だと提起しました。特に「脳死」−臓器移植を阻止し、法撤廃の闘いを次期通常国会での改悪阻止の闘いをとおしてつくっていくことを講師自身の強い決意とともに提起しました。
 さらにその後の質疑で、ドナーカードの問題性が提起されました。
 ニュースキャスターやルポライターなどの著名人が、ドナーカードを持っていることを宣伝し、街頭での配布やコンビニへの配置という形で、労働者民衆に対してキャンペーンが行われていることを弾劾しようという提起を参加者全体で確認しました。
 また法改悪について、その狙いが本人同意がなくても家族同意でよいとし、年齢制限を撤廃することで、子どもからの臓器摘出に道を開き、とりわけ「障害を持った胎児」を臓器資源にすることにあることを暴露し、「障害者」抹殺そのものの攻撃であると弾劾しました。
 続いて講演会実行委が、七三一部隊の担い手を輩出した京大・医学部が「脳死」−臓器移植を推進し、今回の患者の死を引き起こしたことを弾劾し、次期通常国会に迫った法改悪を「障害者」とともに阻止すると決意表明しました。最後に、司会の学生も、なぜ今の医療は救命に重きを置かないのかという強い疑問を持ったという感想を語り、講演会が終了しました。
 十一月の死亡事故にもかかわらず、田中紘一達のグループは、その後もドミノ肝臓移植を行い、「脳死」−臓器移植治療を推進しています。今回の講演会に続き今後も京大で、反対運動を強めていきたいと考えています。(京大 K・Y)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号5面4)

2000年日誌 阻もう! 戦争への動き 12月13日〜31日
 次期防で空中給油機や空母 建設省が土地収用法改悪案

●ブッシュが大統領に確定
 米大統領選民主党候補のゴア副大統領がホワイトハウスから全米へのテレビ演説で「敗北を認める」と語り、共和党候補のブッシュの当選が確定した。一月二十日、第四三代大統領に就任する。(13日)
●自由党、改憲指針を正式決定 自由党が改憲の指針となる「新しい憲法を創る基本指針」を正式決定した。主要政党の中で、具体的な改憲指針を作成したのは初めて。(13日)
●次期防で空中給油機四機導入 二〇〇一−〇五年度の中期防衛力整備計画(次期防)で防衛庁が導入をめざしている空中給油機について、公明党の容認を受けて、与党は防衛庁の要求通り四機を導入することを決めた。(14日)
●オスプレイ配備反対と名護市長 名護市の岸本建男市長が市議会での答弁で、米海兵隊の次期主力機とされるMV22オスプレイ垂直離発着機の配備について「今の段階の開発状況では危険なため、配備には反対する」と述べた。(14日)
●次期防を閣議決定 政府は二〇〇一年度から五年間の防衛力整備の指針となる中期防衛力整備計画を、安全保障会議と閣議で決定した。約一三、五〇〇dの軽空母の建造、新型戦車の開発、空中給油機の導入などを盛り込んだ。総額は二十五兆千六百億円。(15日)
●「基本計画合意前に」と岸本市長 岸本名護市長が市議会で「(米軍普天間飛行場代替施設の)基本計画に合意する以前には、十五年問題はきちっと整理しておくべきだと考えている」「実務者レベルの協議で、使用協定や現在ある基地の問題の話し合いが進まない限り、基本計画に合意しない」と述べた。(15日)
●普天間代替工法の作業依頼団体を発表 防衛施設庁が米軍普天間飛行場の代替施設の工法等の検討に用いる資料入手のために作業依頼した部外団体を発表した。作業依頼されたのは@ポンツーン工法・超大型浮体総合システム研究会、A杭打桟橋工法・沖縄海洋空間利用技術研究会、B埋め立て工法・日本海洋開発建設協会の三団体。(15日)
●横路が鳩山に辞任迫る
民主党の横路孝弘副代表が、鳩山由紀夫代表の一連の改憲発言について「こういう発言が続くなら代表を辞めてもらうしかない」「なんで戦争の話ばっかりするのか。このままでは参院選を戦えない」などと述べた。(16日)
●使用済み核燃料を六ケ所村に搬入 日本原電東海第二原発(茨城県)と東京電力福島第二原発(福島県)の使用済み核燃料計二四dを積み込んだ輸送船「六栄丸」が、日本原燃の核燃料サイクル施設がある青森県六ケ所村のむつ小川原港に入港した。使用済み核燃料の六ケ所村への本格搬入第一弾。(19日)
●鳩山「憲法論議、党内にとどめる」 民主党の代表・副代表連絡会議で、鳩山代表の一連の改憲発言について、鳩山は「私の発言でご心配をかけた。おわび申し上げる」「憲法に関わる安全保障の議論は党憲法調査会の推移を見守りたい」と述べた。(21日)
●ヘリ基地反対で名護市役所を包囲 名護市民投票三周年を迎え、同市東海岸の住民ら三百六十人が名護市役所を包囲し、「基地建設反対」を訴えた。(21日)
●国民会議「最終報告」を首相に提出 森喜朗首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」が、教育基本法の見直しや、学校教育での奉仕活動の実施など、「十七の提案」を盛り込んだ最終報告を首相に手渡した。森は次期通常国会を「教育改革国会」と位置づけたいとしている。(22日)
●自民・橋本派が改憲案
自民党橋本派が、改憲の基本方針をまとめた。@自衛のための軍隊の保持を明記する、A集団的自衛権の行使と、国連などの集団安全保障活動への軍隊の派遣を可能とする、B天皇を「元首」と明記するなどが特徴。(22日)
●やんばる平和まつり 普天間飛行場の名護市移設に反対する「市民投票三周年やんばる平和まつり」が同市内で行われた。(23日)
●土地収用法改悪案 建設省の土地収用制度調査研究会が国や地方自治体が道路や空港などの公共事業用地として民有地を強制収用する制度の見直し案をまとめた。事業認定後の手続きを簡素化して迅速な用地取得を可能とするなどとしている。(26日)
●江藤・亀井派も改憲指針作成へ 自民党の江藤・亀井派が改憲の具体的な内容を盛り込んだ指針を策定する方針を固めた。参院選前までに取りまとめる考え。(27日)
●米軍ヘリ民間地に不時着
 沖縄県与那城町の同町役場北側の造成地に、米軍普天間飛行場所属のCH46中型ヘリが不時着。現場は球技場を造成中で作業員二十人がいた。近くにはスーパーや公共施設もある。同機は一九六八年に製造され老朽化している。(28日)
※次週から「2001年日誌」となります。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号6面1)

東西で反核燃闘争が高揚

 六ヶ所 ”核燃料搬入許さぬ” 機動隊押し返し阻止行動

 十二月十九日、青森県六ケ所村で現地住民を先頭に労働者人民が核燃料廃棄物再処理工場への使用済み核燃料本格搬入を実力阻止する闘争を行った。昨年十月の青森市での安全協定調印阻止闘争に続く闘いだ。
 もんじゅ事故―運転停止|再開宣言、JCO臨界事故などによって、日帝の核政策に対する労働者人民の不信と怒りはますます激化している。しかも全国の原子力発電所で使用済み核燃料が貯蔵プールにあふれて通常の運転もままならない状態となっている。
 日帝は、こうした危機を突破しようとして六ケ所への使用済み核燃料本格搬入攻撃をかけてきたのだ。
 すでに六ケ所には、海外からの高レベル核廃棄物や低レベル核廃棄物、ウラン濃縮工場など、核燃料サイクルの名のもとに危険きわまりない核廃棄物や施設が存在している。ここにさらに全国の原発から、今回二十四d、二〇〇五年までに千六百dもの膨大な量の使用済み核燃料を運び込もうとしている。
 こんなむちゃくちゃなことがどうして許せようか!
 反戦共同行動委員会は十九日夜明け前から、激しい冷雨の中、むつ小川原港に結集した。政府―日本原燃は、輸送船の入港時間を大幅に繰り上げ、労働者人民が結集しないうちに入港してしまおうとしたのだ。怒りはさらに高まる。
 海上保安庁の巡視艇やボートに護衛された輸送船「六栄丸」がゆっくりと近づいてくる。反戦共同行動委員会の部隊は、直ちに輸送船に対して断固たるシュプレヒコールをたたきつけた。抗議集会を開き、東北大学の学生をはじめ東京、関東などの参加者が闘う決意を表明した。
 さらに、県内をはじめ全国から労働者人民が続々とむつ小川原港前空地に駆けつけてきた。午前九時三十分から核燃料搬入阻止実行委員会の主催による抗議集会が開催された。
 冒頭、あいさつに立った実行委員会の代表は、「われわれをだまして本格搬入を強行しようとしている。すでに原発で十分冷えているものを今さら冷却貯蔵する必要などない。明日、フランスを高レベル核廃棄物が出発し、来年二月にもここに来ようとしている。日本はプルトニウムを蓄積し、昨年三月の時点ですでに三十三dある。前に『核武装すべき』と言って首になった代議士がいたが、そういう可能性がある中で再処理が行われることはどうか」と、日本の核武装への強い危惧(きぐ)を表し、闘いの決意を述べた。
 社民党県議の発言の後、地元六ケ所村を代表して坂井留吉さんがあいさつに立った。坂井さんは、「六ケ所住民をなぜこんなに苦しめるのか! 村長ら行政よ、よく聞け。私たちは、あなたたちに命まで預けてはいない。搬入は絶対に許せない。警察や海上保安庁は罪のないものを逮捕している。私も海域調査の際、逮捕された。警察も海上保安庁もとっとと帰れ!」と徹底的に弾劾し、「皆さんと手を携えて頑張る」と固い決意を表明した。
 続いて相模原反核市民の会の代表が登壇し、「日本は今、アメリカに勝つために核武装政策を進めている。核武装こそ日本の最大の力になると考え、必死で進めている。六ケ所と青森の皆さんに連帯して神奈川でも闘っていきたい」と、闘う決意を明らかにした。
 さらに、「今日の搬入は将来に対して大いなる滅亡を準備するものでしかない」という反核燃闘争を闘う牧師の言葉や周辺地域の農民代表の発言を受け、集会アピールを採択した。
 その後、青森県平和労組会議などで構成される反核実行委員会の主催する集会が行われた。
 主催者代表の今村社民党県委員長は、日本の核武装に向けたこの搬入攻撃を許さないと述べた。次に、茨城県や福島県など、今回の使用済み核燃料の搬出原発のある県の代表がそれぞれ連帯のあいさつを行い、北海道からも発言を受けた。
 地元六ケ所住民を代表して坂井留吉さんが登壇し、「全国からの参加を力強く感じている。私たちは生きている限り、この運動を続けていかねばならない。寺下さんたちを亡くしたのは残念だが、彼らを受け継いで、反核燃運動を続けていかねばならない」と感動的なあいさつを行った。
 午後、国労青森など青森県内の労働者人民、全国の諸団体が搬入作業に対して波状的なシュプレヒコールをたたきつけた。
 午後二時三十分、いよいよ正面ゲートから輸送容器を積んだ四台の大型トレーラーを出発させようと動き出す。正面ゲート前で反戦共同行動委員会をはじめ市民グループや労組員など多くの人びとがこれを阻止しようと立ちはだかった。
 連続的にシュプレヒコールをたたきつけ、にらみあいが続く。業を煮やした警察は機動隊を投入し、強制排除の弾圧に打って出た。襲いかかる機動隊に対し、がっちりとスクラムを組み、数で三倍する機動隊をぐいぐい押し返す。周りで見守っている労働者市民からも、われわれへの激励と警察への抗議の声が次々に上がる。「搬入を許さないぞ」「弾圧を粉砕するぞ」の掛け声のもと、数ではまさっていた機動隊を完全に圧倒した。現地住民をはじめ周りの労働者人民とともに機動隊に断固たるシュプレヒコールをたたきつけた。最後に街頭デモンストレーションもやりぬいた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号6面2)

 敦賀 もんじゅ再開宣言に怒り 600人が現地抗議集会

 高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム火災事故から五年を迎えた十二月九日、「原発に反対する福井県民会議」などが呼びかけた「止めようもんじゅ全国集会」が地元敦賀市で行われ、六百人が結集した。
 原子力委員会が新「原子力研究開発利用長期計画(長計)」でもんじゅの「早期再開」を宣言したのを受け、核燃サイクル開発機構(核燃機構)が十二月八日、改造工事計画にかかる安全審査入りの事前了解願いを福井県と敦賀市に提出し、受理された。東海村JCO事故で虐殺された大内さん、篠原さんの無念、被曝(ひばく)した多くの住民の怒りの思いを踏みにじって、政府・科学技術庁と核燃機構は再び日本の核武装に突き進んでいる。
 もんじゅ運転再開への怒りと危機感を募らせて全国から労組、市民団体などが敦賀に駆けつけた。午前十時半、青空のもと、もんじゅを目の前にする白木海岸で集会が開かれた。
 最初に原発反対福井県民会議の宮崎勇雄代表があいさつした。「新しい長計はもんじゅのために作られた。地域振興と結びつけて運転再開に突き進もうとしている」と、原発立地振興特措法を弾劾し、蒸気発生器細管の探傷探査機器に致命的欠陥があると内部告発があったと報告、「何が安全か」と厳しく弾劾した。
 各地の原水禁などが発言し、事故時の風向きを調べる紙風船が飛ばされた。
 「もんじゅの運転再開を許さないぞ!」「二度と動かすな!」。参加者はシュプレヒコールを上げながら、約二百b離れたもんじゅゲート前までデモで詰め寄った。ゲート前には県警と核燃機構の警備員が配置されている。「高速増殖炉など建設に反対する敦賀市民の会」の吉村清代表委員が、核燃機構の都甲泰正理事長と町村信孝科学技術庁長官あての申入書を読み上げ、核燃機構の吉川管理課長に手渡した。
 富山大学学生自治会と北陸労組交流センター、関西反戦共同行動委員会の四十人は、さらにゲートに向かってシュプレヒコールをたたきつけた。
 全国被爆者青年同盟の友野幽委員長は前段の集会で、「日帝は、朝鮮・中国侵略戦争に身構え、改憲と核武装に突進している。被爆者・被爆二世は絶対にアジア侵略とヒロシマ・ナガサキを繰り返さない」と激しく訴えた。
 午後、敦賀市内のプラザ萬象で報告集会が行われた。昨年三月に不当判決が出されたもんじゅ差し止め訴訟について報告がなされた後、京大原子炉実験所の小林圭二助手が講演した。
 小林氏はまず、十二月十八日に第一回公判を迎えるもんじゅ控訴審の争点として、国の安全審査の問題点を指摘した。
 第一に、ナトリウム漏れ火災事故再現実験で床(ライナー)の鋼鉄に穴が開いたことについて、一審判決が「ライナーの厚さ」は安全審査対象の「基本設計」に該当しないとした点だ。「これは奇弁であり、詳細設計を加えた伊方原発判決からも後退している」と断罪した。
 第二に、大量のナトリウム熱を効率的に水に伝えることを必要条件とする高速増殖炉では、ナトリウム漏れ事故の次に蒸気発生器の細管破断事故が起こりやすいという点だ。熱伝導細管は百b細管のらせん状の束で、最も薄いところで厚さ一・二_。細管破断でナトリウムと水の化学反応爆発が起きる。さらに水酸化ナトリウムによる金属腐食や過熱で他の細管破断が起きる危険性がある。
 第三に、高速増殖炉の炉心は、ナトリウムの沸騰で出力が上昇し、燃料棒が曲がり、燃料間隔が狭いために溶融し、さらに出力を上昇させる危険炉であるという点だ。一審判決は「炉心溶融など起こるはずがない」というのみだ。
 第四に、地震問題があるという点だ。
 小林氏は次に、新「長計」について、高速増殖炉の実用化時期を「柔軟に」と不透明にしたのに、「もんじゅの運転再開だけを強調している」と批判した。
 実証炉のめどもまったく立っていないにもかかわらず、高速増殖炉原型炉もんじゅを強引に動かそうとする狙いは何か。明白に核兵器級プルトニウム製造にある。東海村ではもんじゅ用再処理工場(RETF)が建設中だ。
 小林講演を受け、集会は「もんじゅからの撤退」「粘り強い運動」をうたったアピールを採択した。
 敦賀駅前までの市内デモでは、自治労、教組などがそれぞれ旗とのぼり、横断幕を押し立てて進んだ。富山大学生自治会の「日本の核武装阻止・もんじゅ運転再開粉砕」の横断幕はひときわ目を引いた。かつてなく多くの市民が沿道で手を振り、ビラを受け取った。
 ところで、学生カクマルは動員も半減し、消耗しきっていた。反核運動そのものを罵倒(ばとう)するビラをまき、参加者の怒りを買った。もんじゅゲート前で闘う人民の前に立ちはだかる暴挙に出て、主催者らから「どっちに向いているのだ。前を見ろ」としかられるありさまだった。
 もんじゅナトリウム火災事故から五年、運転再開策動は重大だ。
 九四年のもんじゅ臨界は、米帝の朝鮮侵略戦争策動に対応した日帝の対米対抗的な核武装衝動の現れだった。だがこれは、日帝のガイドライン法体制の未確立、もんじゅ火災事故として大破産した。それから五年、日帝は、船舶検査法をもってガイドライン法体制を完成させ、朝鮮侵略戦争情勢が切迫する中、改憲への動きと核武装への衝動をかつてなく高めている。
 ファシスト石原都知事の「盟友」、西村眞悟の「核武装」暴言は日帝の本音だ。JCO臨界事故の何十倍何百倍何千倍の大惨事が起ころうが核武装のためにはプルトニウム政策をやめないと新「長計」は宣言したのだ。
 九九年十二月に成立した原子力災害対策特措法をもとに昨年三月に福井で、十月に島根で、「原発防災訓練」が行われた。大惨事だけでなく、「原発へのゲリラ工作」を想定した排外主義的な治安出動訓練だ。
 改憲阻止闘争の一環として反戦反核・核武装阻止闘争を巻き起こそう。六ケ所村、東海村、敦賀を結び核燃サイクルを粉砕しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号6面3)

福嶋昌男同志への東京地裁・服部の保釈却下を弾劾する
 8年間の不当勾留粉砕を

 昨年十二月二十五日、東京地裁刑事第三部服部悟裁判長は福嶋昌男同志の保釈請求を却下する決定を下した。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判を闘う四同志に対する不当な未決勾留は、一刻も容認できない恐るべき長さに達している。福嶋同志はすでに八年、須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志は十四年目に突入しているのだ。
 福嶋同志に対する今回の保釈請求却下決定は、弁護団が服部裁判長との保釈面接を行った十二月二十一日の直後、しかも十一月二十九日の保釈請求から一カ月もたたない年末ぎりぎりに強行された。激しい怒りを抑えることができない。
 十一月二十五日には、「自由人権協会」から「弁護人らから勾留の取消または保釈の請求があった場合には速やかに身柄を釈放する旨の決定をされるよう意見を述べます」という意見書が東京地裁に届けられていた。また多くの弁護士、法学者、キリスト者らによる福嶋同志の保釈を求める署名が提出されていた。
 服部裁判長は、これらの声を無視し、未決勾留八年という不当極まりない人権侵害を一顧だにせず、保釈却下決定を下したのだ。
 戦争国家体制構築のために治安体制の一層の強化が狙われ、人権擁護よりも治安強化を優先させる戦時型司法反動が吹き荒れている。服部裁判長はその先兵だ。断じて許せない。
 福嶋同志は無実である。一九八六年の迎賓館と横田基地へのロケット弾戦闘に関与したとしてデッチあげられ、八年もの長い間、不当にも拘禁されている。
 そもそも憲法でも、裁判を争っている間は「無罪が推定」され、基本的人権は絶対に保障されなければならないと明記され、長期勾留は禁じられている。
 「勾留」の目的は、被告人の裁判への出廷を確保することにあり、勾留しなければならない特別な場合以外は保釈されることが原則なのである。
 東京地裁が強制する理不尽な長期勾留は、憲法や法を無視・違反しており、予防拘禁であり、むきだしの国家暴力にほかならない。
 福嶋同志は、前立腺(ぜんりつせん)炎を長期間患っている上に、最近は血糖値が高く、東拘の医師すら「食事療法をするように」と言っている。拘禁されていて、どのように食事療法ができるというのか。こうした健康破壊は、すべて長期勾留が原因である。
 福嶋同志、さらに須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志を取り戻そう。「長期勾留弾劾!東京地裁は不当な人権侵害をやめろ!」という大きな声を東京地裁へたたきつけよう。
 五十人の呼びかけ人と百六十人の賛同人による「不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動」が呼びかけられている。すべての人びとに署名を呼びかけ、全国から圧倒的な署名を東京地裁へたたきつけよう。獄中の四同志と固く連帯し、四同志の保釈・奪還のために全力を挙げて闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(1989号6面4)

読者からの手紙 闘う中核派の活躍を願う 東京 T生

 三年ほど前から、都内の書店で時々『前進』を買っています。
 最近の紙面では、一九八四号5面の「治安出動演習許さぬ 11・14広島で実力阻止闘争に立つ」に共鳴しました。『前進』は、労働者の粘り強いたたかい、三里塚闘争、裁判闘争など、普通マスコミで取り上げることの少ない問題について知らせてくれるので、とてもありがたいと思います。
 自衛隊に対するたたかいは重要だと思います。そもそも憲法違反なのに、戦争準備と人民への弾圧策動をを着々と進め、災害出動などは本当はついでのことなのに、それを利用して国民の支持を得ようとしています。こうしたやり方は許せません。日本共産党もそのたくらみに巻き込まれ、自衛隊容認になってしまったようです。
 真に、労働者・人民の党としての中核派にますますのご活躍をお願いします。年末一時金(一万円)を同封します。たたかいに役立ててください。

------------------------TOPへ---------------------------

 

TOPへ