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週刊『前進』(1988号6面1)
2001年の展望を語る労働者座談会
分裂カクマル打倒し闘う労働運動再生を
1・27国労続開大会絶対勝利へ 新潮流運動の爆発的発展期
出席者
国鉄労働者(国労) 松永鋭一
国鉄労働者(国労闘争団) 山鹿伸介
国鉄労働者(動労総連合) 野崎博昌
自治体労働者 藤田 茂
教育労働者 朝倉 良
電通労働者 沢木成実
電機労働者 吉村富男
二〇〇〇年の闘いは、「四党合意」を三度にわたって阻止した国労大会や、十一・五全国労働者総決起集会の成功を始めとして大きく前進した。この中で黒田カクマルとJR総連カクマルが分裂し、JR総連が丸ごとカクマルから離反する歴史的事態が起きた。分裂カクマルを打倒し、階級的労働運動の大前進をかちとる絶好機が到来している。こうして迎えた二〇〇一年―二十一世紀―の労働運動の展望と抱負を語り合ってもらった。(司会・本紙編集局)
「四党合意」を三度にわたり阻止
不当労働行為を許さぬ 松永 / 人間の尊厳かけて決起 山鹿
司会 まず国鉄労働者から二〇〇〇年の総括を出してください。
松永 二〇〇〇年は、直接には「四党合意」をめぐる攻防でした。敵権力、資本、連合にくみする反動勢力による国鉄労働運動への攻撃として「四党合意」があった。十三年かけても国鉄労働運動の息の根を止められなかった連中が、「四党合意」で国労をたたきつぶそうとした。「JRに法的責任がないことを認めろ」「臨時大会を開いて決めろ」という新たな不当労働行為です。しかし、それは不正義きわまりない攻撃だから、「少数派」が「多数派」を翻弄(ほんろう)して勝利するという痛快なできごとが起こった。三度の大会で阻止したのは、画期的だと思うんです。
もう一つの成果として、「四党合意」に対する労働委員会闘争を立ち上げた。向こうは顔面蒼白(そうはく)になって、「即座に却下しろ」と言ってきている。自民党の弁護士は「見るに見かねて助け船を出したのに、なんで不当労働行為だと訴えられるのか」というようなことを言っている。
「四党合意」とは、絶対に和解の余地がない。「四党合意」に賛成か反対かは、バリケードの向こう側とこっち側です。
ところが今、国労の中では「統一と団結のためには四度目の失敗はない。淡々と大会を成立させよう」と言う裏切り者が登場している。一月二十七日に続開大会が開かれますが、宮坂・チャレンジも上村革同も何の展望もなくなった時に、「私は反対派です」という顔をして「四党合意」受け入れの先頭に立とうとする。これが東京地本・酒田委員長です。
こういう裏切りを許さず「四党合意」を打ち破ることが、二〇〇一年以降の労働運動の展望を決める。全力を挙げて闘いたい。
絶好のチャンスだ
山鹿 闘争団は絶対に「四党合意」を認めることはできなかったわけです。十三年間の闘いを無にするものであるし、人間の尊厳を踏みにじられた闘争団の労働者が、自分を人間として復権するためにも、「四党合意」は絶対に受け入れることはできない。
本部執行部は、「七月一日の臨大の前に具体的な解決案を出す」と九州や北海道のオルグの時に明言したにもかかわらず一切出せなかった。「四党合意」は結局、闘争団を切り捨てるものだった。だから七・一臨大は、演壇占拠という決起で粉砕したわけです。八・二六続開大会に向かう過程では「暴力キャンペーン」が張られて非常に厳しかった。だけど「われわれの人生を勝手に決めるな」という怒りが、採決を断念させた。
「一票投票」は厳しかったけど、チャレンジや上村革同が機関を握り、「もうここで解決するしかない」と言う中で、「○」の票が五五%に過ぎなかったのは、よくやった方だと思っている。だけど、「×」が過半数を取れなかったのは、相当な重圧だった。しかし、十月の定期大会では、経過の採決が強行され、怒りが爆発する。ここで自分の人生が決められてしまうことに対して怒り、一票投票の重圧をのりこえて立ち上がった。そして定期大会でも決定させなかったということです。
戦後総評労働運動の柱だった国労をつぶすために分割・民営化が襲いかかり、闘争団は解雇された。しかし国労に三万人が残った。その柱となったのは闘争団です。闘争団は地労委闘争で勝っているから、自分は正しい、解雇は不当だという確信を持っている。闘争団は、どんな仕事をしても、お金を闘争団に上げて、それを平等に分配していく。何百人という単位で、それを勝つまでやるんだと。まったく新しい質をもった争議団として登場してきた。
JR完全民営化に向かう中で、あるいは大リストラの時代に、この闘争団が存在していることは、資本家にとってとんでもないことだ。だから資本家階級の総力を挙げて国労本部を籠絡(ろうらく)し、「四党合意」をのませようとする。「四党合意」の持つものすごい重圧は、そこから来ている。
敵の重圧はすごいから、チャレンジは「闘争団と一緒にやっていたら国労はジリ貧で壊滅してしまう」と言って、闘争団切り捨てを正当化していくわけです。
では実際にそうなのか。僕はまったくそうじゃないと思う。その典型的な例が、JR九州労問題ではないか。十三年間苦しい思いをしてきた、その対極にJR総連カクマルが存在している。国労組合員の首を切って自分たちは生き延びてきた、その彼らが今、危機になり、分裂状態に入っている。
他人の首を切って、自分たちさえよければいいという労働組合がいつまでも栄えるはずがない。仲間の首を切ることを承認した労働組合の末路がこれじゃないか。
国労をつぶして動労カクマルと一体になって分割・民営化をやり抜いた、その体制がぶち壊れて重しが取れるわけだから、もっと自由奔放に労働運動ができる時代に入っていく。僕ら闘争団が職場に戻るためには全体の力関係を変える以外にない。だから、僕らが職場に復帰できる絶好のチャンスじゃないか。
一月二十七日に続開大会がありますけれども、それに向かって、もう一回腹を据えて決起していきたいと考えています。
JR総連解体が焦点に 野崎 / 黒田哲学と松崎の破産 松永
分割・民営化の矛盾
司会 動労総連合から見て、いかがですか。
野崎 国鉄闘争の総括は、二つの大きな事件を総括することだと思うんです。一つは、千四十七名闘争にかけられた「四党合意」と、それを粉砕する闘いの高揚です。もう一つはJR総連カクマルの大崩壊という問題です。もともと国鉄分割・民営化攻撃の最大の矛盾がこの二つの問題だった。
分割・民営化攻撃ができたのは、動労カクマルを政府権力が取り込んだからです。この国鉄分割・民営化攻撃の一切の基盤であったところが、まさに今、大崩壊を始めた。
敵は八七年四月一日以降は闘う国鉄労働運動が存在しないと想定したにもかかわらず、十数年闘いが続いているのは、千四十七名の労働者が頑張り抜いたからです。ここで敵の国鉄分割・民営化攻撃は、破綻(はたん)に直面した。これを力ずくで一気にぶっつぶそうとしたのが「四党合意」だった。この一年間、この決着を許さずに、三回の国労大会ではね返して、熱い攻防のままに二十一世紀に入ったことは、きわめて大きいことだと思います。
この過程で、闘争団が一皮も二皮も向けて、本部の全面屈服路線にくらいついて抗議し、はね返したことが大きい。そして、これをめぐって日本の労働運動全体が二分する攻防になった。敵は、千四十七人を切り、国労をつぶすだけじゃなくて、大失業下の資本攻勢を貫徹するために日本の労働運動全体にローラーをかける意図を持っていた。ところが逆に、階級的労働運動が再生するかどうかという攻防の大争点になり、火点になり、敵の狙いが逆転した。
もう一方で、克服しなければいけない課題がある。国労という戦後の労働運動の中心を担ってきた伝統的な労働組合が、この一年間、方針も決まらずにいる。その国労をかろうじてもたせているのは、闘争団を始めとする現場の力です。僕らは国労が本当に階級的労働運動の中心的な勢力として再生してもらいたいと思う。ここに労働運動再生に向けた突破口がある。そのためには、本当に大失業と戦争の時代に立ち向かう路線を確立しなければならない。
何よりも求められているのは、闘争団がこの間の地平の上にもう一歩飛躍し、労働運動全体の階級的発展の中にこそ自分たちの解雇撤回があるんだというところに飛躍することだと思います。それは、闘争団にそう言えば済む問題ではなくて、まさに党の課題であり、われわれ動労総連合・動労千葉の課題でもある。勝利の展望を明確に示して、闘争団や国労の現場の組合員と本当にともに進むということです。そこが今年、冒頭から問われている課題だと思うんです。
一月二十七日の続開大会をめぐる攻防は、この大激動情勢の中で労働運動はどうあるべきかをめぐる大焦点になる。ここを突破した時に、勝利の展望は開けてくる。
そういう観点から見ると、まさに国鉄労働運動をめぐる状況は、絶好のチャンスを迎えている。それはカクマルの大崩壊という問題です。九州労の八割が一斉に脱退するという劇的なことが起きた。しかも、カクマルの中枢がからんでいた。カクマルが、JR総連OBカクマルの坂入を拉致するところまで行き着いて、JR総連がカクマルを警察に告訴するという異様な事態になっている。カクマル本体とJR総連カクマルのほとんどが分裂した。
こういう事態がいったいなぜ起きたのか。要するに黒田寛一の路線そのものから起こっている。分割・民営化の時に敵の攻撃にすくみ上がって、権力の懐に入って生き残るという方針をとったのは、黒田であり松崎です。カクマルの本体の側はJR総連カクマルのことを「自分たちはカクマルじゃないと言っている卑劣な連中だ」と言うけれども、一番最初にそれを言ったのは松崎なわけで、黒田の「組織現実論」でそういう道をとったわけです。まさに責任は黒田そのものにある。
もうすでに九一年の段階で箱根以西では資本から切り捨てられ、東でも大塚体制との矛盾・あつれきが非常に激化している。
カクマルの路線から出てくる結論は、「自分たちはカクマルじゃない」と言って、資本との結託体制を維持し、それによって労働者を支配することしか残されていないわけですよね。
奴隷となって生き延びようとした者の末路がこういうもので、カクマル本体の方もJR総連のカクマルも、より一層屈服して、資本と国家権力の手先になっていく以外に道はないだろう。そこのところをはっきり見据えなきゃいけない。
もう一つ、分割・民営化を強行した国家権力とJR資本にとっても、分割・民営化政策の根幹が崩壊したことで、甚大な影響を受ける、破綻に行き着いたということでもある。要するにカクマルを使って国鉄労働者の闘いを押しつぶすやり方をとった結果、自分たちがカクマルを抱え込んで、それが分割・民営化政策そのものをおかしくしている。こういう事態の中で、今年の通常国会で完全民営化法案が上程される。
マスコミで言われていることは、完全民営化は三つの問題があって、累積債務の問題、完全民営化したら赤字ローカル線切り捨てに資本が暴走するのじゃないかという問題と、労組問題だということです。労組問題とは、千四十七名闘争とカクマル問題です。
実際、この過程で、JR東日本の中でも、「平成採」の若い組合員がカクマルに嫌気がさして離反するという事態が起きている。だからここで、JR総連を闘う国鉄労働者の側から解体する闘いに一斉に立ち上がれるかどうかが大きな焦点だ。われわれは今年は、JR総連解体、組織拡大闘争が焦点だろうと思っています。
明らかにJR総連は自己崩壊の過程に足を突っ込んでいる。われわれが自らの闘いで、本当にチャンスを現実のものとしていけるかどうかが問われている。今年こそが勝負だと考えています。
国鉄闘争の成果だ
松永 資本の軍門に下り、階級の魂を売り渡して、国鉄分割・民営化の先兵になったJR総連カクマルが、ついに公然と崩壊し始めたということは、大変なできごとだと思う。この十年の資本との癒着・結託の結果、すでにその道を選んでいた時から破綻していたといえるけど、組織的な崩壊が始まったわけだ。
カクマル組織にとって、その「頭脳」は黒田哲学であり、「心臓」は松崎明でしょ。「松崎なくして黒田なし」「黒田なくして松崎なし」、こういうカクマルがついに、黒田カクマルとJR総連カクマルとに分裂した。黒田の哲学がいかにマルクス主義とは無関係で、労働者の解放とも無関係であったかということが明らかになった。松崎が労働運動とは似て非なるファシスト労働運動に転落したという証(あかし)が、二〇〇〇年の国鉄闘争の爆発の中で現れたということですね。黒田の哲学は松崎路線を生み出した。松崎路線は結局、黒田の「組織現実論」そのものだから、黒田カクマルとJR総連カクマルが公然と分裂を開始したということは、カクマルという組織が完全な崩壊に向かって後戻りのできない過程に突入した、ということだ。
それは二重対峙・対カクマル戦がついにかちとった地平であり、国鉄闘争がかちとった非常に大きな成果だ。二十一世紀、二〇〇一年の闘いの中で、これを階級全体の獲得物とする闘いをわれわれがやらなければいけない。階級闘争の最先端で、その責任をまっとうする年になることは間違いないと思います。
11・5労働者集会の成功に勇気
闘争団絶対支援を貫く 藤田 / 「日の丸・君が代」と闘う 朝倉 / 21世紀の勝利開く確信 沢木
司会 国鉄労働者からの提起を受けて、次に十一・五労働者集会の総括などについてどうですか。
池内 国鉄がJRに移行する過程で、二百人くらいの労働者が自殺したが、今、全逓はまさしくその過程に入って、次々と自殺者が出ている。郵政省は、四年前から年二回、「人事交流」と称した強制配転を強行している。望まない職種や通勤困難なところに、病気の人や、郵政省が「生産阻害者」と呼ぶ、全逓中央に反対して闘う人、権利を主張する人たちを飛ばしている。団結が崩され、ベテランが次々飛ばされる結果、業務運行もままならないのはともかく、飛ばされた先で誰にも相談することもできず、早期退職するか、最悪の場合は自殺に追い込まれる。
しかし全逓中央は、郵政省と一緒になってこれを推進する。二月の中央委員会では、ついに公然と中央委員から「中央執行委員は、現場で仕事をやってみろ」と、露骨に中央本部を批判する意見が続出した。現場では一触即発のような事態が始まっています。
国鉄の仲間は、闘争団の闘いが勝利するためには全体の力関係の転換が必要だと言われたが、職場の闘いとともに、全体の力関係を変える中に全逓運動の勝利の展望も見いだせると感じる。全逓労働者にとって四・二八被免職者の闘いがあり、国鉄の千四十七人の闘っている姿が、全逓運動の未来そのものと感じている。
十一・五集会が国鉄闘争を支える全国集会になることを全逓組合員も敏感に感じて参加した。千四十七人の闘いが、ものすごい勇気を与えていると思う。ますます国鉄闘争と一体となって闘いたい。
藤田 東京都の自治体の労働組合は国鉄闘争を支援してきたわけですけど、今回の「四党合意」に危機感を感じて、特に現業の組合が闘争団絶対支援にどこよりも早く踏み切り、活動家たちの奮起を促した。既成の自治体労働運動が迷いのある状況の中で、自分たちの勝利の展望をかけた決戦場として国鉄闘争をとらえた。闘争団を守り切れなければ、自分たちの労働運動もなくなるという危機感があったと思います。
職場の若い仲間に、七・一国労臨大のビデオを見たり、集会に参加した感想を聞くと、「労働運動というのが初めてわかった。対決するものなんだ。ちょっとこわいけれども、思っていたよりもかっこいいものですね」という声が返ってくる。労働運動とは当局が職場を管理するクッションじゃなくて、対決するものだ、労働運動の方針を守るためには資本に対しても権力に対しても、また労働運動の中の反動に対しても闘わなければいけないということが、分かりやすく伝えられた。
肝心の東京の自治体の闘いは、石原都知事に対する危機感はあるが、秋闘では闘いを構築できなかった。都労連本部は、人勧に依拠する賃金闘争が立ち行かなくなっているのに、そこから踏み出すことにちゅうちょしている状況で、それを、闘う新潮流がまだ踏み越えていない現状がある。九月三日の自衛隊治安出動演習をめぐる差別扇動的な発言に対して職場からも怒りの声が上がっている。石原辞めろという声を都民全体のものにする力が必要だし、それを担うのはわれわれだと思っています。
浅倉 以前から「国労の次は日教組だ」と言われた。それに震え上がった日教組中央は「国労のようになりたくない」と、九五年に路線転換して“文部省とのパートナーシップ゜を掲げた。しかし、いよいよ国家が戦争に向かって「日の丸・君が代」攻撃を全力でやってきた時に、パートナー路線では闘えないことが現場の闘争の中ではっきりしたと思います。
「日の丸・君が代」闘争では、三、四月に報復弾圧が来て、七、八月に国立、広島にあらためて弾圧がかかる。その弾圧に抗して秋に上りつめていく時に、八・六ヒロシマがすごい力を持った。教労が軸になった闘いだという自負があり、日教組運動における広島の位置の大きさもあらためてはっきりした。一年前よりも広がりと質をもって成功した。広島の教組つぶしに対して「広島を守れ」と支援・連帯する、こういう闘いの中に日教組運動の再生の道がある。
「日の丸・君が代」闘争は、職務命令とか処分の重圧の中での闘いだから、地域に出て支援を求めることが必要になる。国労闘争団が地域に出て、僕らがともに闘っているように、必ずこたえてくれる労働運動が地域の中にある。
今、教労への全面攻撃が始まっています。管理運営規則が改悪され、職員会議で民主的に物事を決めるのはダメだ、校長がリーダーシップをもって決める、時間内組合活動は許さない、勤務時間も適正化する、教育内容も校長が言うようにしなさいと。産経新聞が報道して、自民党や保守勢力が県議会、市議会や国会で問題にして攻撃する。その最たるものが広島、国立です。僕らは彼らがターゲットにしているところで新潮流のネットワークを具体的に生みだそうと意識して、この秋を闘った。それが成果であり、課題でもあると思っています。
労働者の心動かす
沢木 二〇〇〇年は、労働運動の分岐点になった年だと思います。「国鉄闘争を水路に」と言ってきたことが「実感をもってわかった」という発言をいろんなところで聞きました。闘争団家族の発言をコピーして職場で配ると、「労働者はどう闘うべきなのかが伝わってくる」と言ってくる。私自身も鼓舞激励されました。
全労協や全労連で、「四党合意」をめぐる流動、再編がドラスティックに起こるのを実感できたし、「四党合意」絶対反対派が十一・五に結集したことが、二十一世紀の闘いを勝利的に切り開く確信を持てたことに、二〇〇〇年の勝利があると思うんです。そして衆議院選挙、沖縄サミット、国鉄闘争・新潮流運動の三つの闘いをやりきった成果が十一・五に結集していると実感しました。
十一・五のオルグで一番感じたのは、「四党合意」絶対反対が労働者の心を動かすという実感でした。国鉄闘争の集会に参加した職場の人が、「国労が大会で決定せよ、とまで言ったことが許せない。それをのんだ国労本部は許せない」と言っている。NNTの春闘ベアゼロ、中期事業計画、新賃金制度と、生活破壊と団結破壊を率先してのんで、労働者に押しつけるNTT労組本部に対する怒りと、国労本部に対する怒りが一体になったのだと思います。
ある人は、職場の中で合理化とどう闘うのかという回答を求めて十一・五に参加したと言っていました。国鉄闘争の勝利が、自分たちの産別の勝利だということが、分かりやすくなったと思います。
吉村 電機としても拠点化をめざし、苦闘を経ながら、十一・五に参加しました。
九五年の日経連「新時代の『日本的経営』」で終身雇用・年功序列賃金の解体が打ち出され、国鉄分割・民営化による戦後労働運動の解体から労働者分断支配の総仕上げが始まったと思っている。それを電機連合が受けて、「第四次賃金政策」で平均賃金から「三十五歳ポイント賃金」に切り替えた。危機に立つ資本を支える役割を担っている。大リストラで多くの労働者が首を切られている。今、「第五次賃金政策」で成果・能力主義をベースにした賃金体系・処遇制度を出している。
ほとんど表面化していないが、個々分散的には怒りが上がっている。残念ながらそれを組織化できていない状況の中で、国労闘争団の闘いは、権力・資本、国労本部の十字砲火のもとで闘い続けている。多くの労働者に対して感動だけではなく、自らも闘わなければいけないということを指し示してくれたと思っています。彼らの闘いの地平を、われわれもともに強化するという立場を抜きに、国鉄の仲間と本気になって手を組むことはできないのではないか。
電機連合は、いまだに抵抗型の運動をとったり、要求型の運動をとっているのはナンセンスだ、今や参加型の運動だ、連合が規制できないようでは今後の運動はできないということを言ってきた。その結果、連合の今度の中央委員会の報告などでも電機連合の言っているのとまったく同じことを並べ立てる状況になっている。
だから、今かけられている攻撃の根は同じであり、全産別労働者が一体感をもった闘いを、国労の闘いを中心にしてやらなくてはいけないと総括しています。
一大資本攻勢と全産別で闘おう
シニア・外注化にストで 野崎 / 郵政民営化阻止の決戦 池内 / 「教育改革」−改憲阻止へ 朝倉
司会 二〇〇一年の各産別の課題ということではどうですか。
JR東1万人削減
野崎 国鉄分割・民営化から十四年たち、各産別で同じような攻撃が起きているという話を聞きましたが、帝国主義の危機の時代における資本の本質、労働者支配のやり方が表れている。JRでも分割・民営化攻撃で終わりではない。それを上回ることをやってきている。労働者が闘う以外に、攻撃は際限のないものだということを、僕ら感じますね。
今年、JRでの攻防は、敵の側の大攻撃との真正面からの攻防になる。シニア制度や外注化攻撃と、組織を挙げたストライキを構えて闘う。千四十七名闘争と、JR総連を解体して若い労働者を獲得する闘いをひとつのものとして、まさに組織を挙げた闘いを展開しようと思っています。
十一月二十九日に、JR東日本が「ニューフロンティア21」という二〇〇五年度までの中期経営構想を打ち出した。全面的な大合理化計画で、一万人減らすと言っている。その中心的な政策が、シニア制度と外注化であり、人事制度の見直し、雇用の多様化も書いてある。さらに地方ローカル線を切り捨てる。関連企業も含めた大再編を行う。完全民営化を目前に控え、まさに第二の分割・民営化攻撃をやるということです。
シニア制度は、徹底的に労働者の権利を奪い、賃金、雇用、権利を破壊する急先鋒(せんぽう)ですね。四月二日以降、年金の支給年齢が段階的に引き上げられることを悪用して、六〇歳以降、関連会社に再雇用する。本体の業務を外注化して、月額十三万から十四万円でベテランの高齢者を使う。人件費を三分の一に一気に減らす。さらに東労組と一緒になって、試験で再雇用する新規採用方式を盛り込んだ。要するに差別・選別する。実際に、車内のつり広告の会社で、二十八人受けて国労と鉄産労の四人が落とされた。五十七歳から同じ会社に出向していて、あと一年、同じ仕事をやるだけなのに。東労組も「ほぼ全員の雇用をかちとった」と、「ほぼ」と書いているから、落とされた組合員もいる。しかも、差別されたと不当労働行為を訴えても、「決めたのは関連会社でJRは関係ない」という仕組みだ。分割・民営化方式です。しかも、高齢者の雇用の場をつくると言って、車両検査、保線、構内入れ換え、電力、信号・通信の業務を全部外注化する。そういうあくどい攻撃です。
これと本当に組織の存亡をかけて闘った時に、JR総連を解体して組織を拡大する展望が出てくると思っています。
池内 二〇〇一年一月の中央省庁再編で、郵政事業は総務省の郵政事業庁となる。二〇〇三年郵政公社化−民営化に向けた攻撃がいよいよ本格化します。
政府は、郵政三事業を分割・民営化すると明確に決断している。行財政改革とワンセットで、郵貯、簡保をどうするのかという問題があり、今、米帝が「簡易保険を廃止しろ」と要求し、国営貯蓄銀行は資本主義ではないという話も出ている。民営化が日米争闘戦の中から不可避になる。郵便事業も、二〇〇三年に信書の配達業務を民間に部分開放することが打ち出された。これは郵便事業の切り捨てです。労働者への大リストラが強まるということです。
そういう中で、いつでも民営化できる態勢をつくる。それが先ほど言った「人事交流」です。人減らしもやっている。郵便内務では本務者を五千人減らし、アルバイトを五千人入れると言っているけれども、実際はアルバイトも削っている。徹底した団結破壊と人減らしを強行してきている。
労働組合がそれを積極的に支え、共同でやろうとしている。全逓中央は、「二十一世紀郵政事業への提言」を出し、郵便局を「公的コンビニ」にすると言う。そして「ニューユニオン」で全逓運動を自ら解体しようとしている。これに対して、闘う全逓をつくりだし、断固闘うことによって、必ず民営化攻撃を打ち破ることができると思っています。
現場は怒りを持っていて、分会や支部のレベルでは闘いがある。中央本部打倒をとおして全国的な闘いに発展しうる情勢に来ている。だから、郵政省は闘いを抑え込むために、より一層徹底した「人事交流」を予防弾圧的に位置づけ直して強行している。
こうまで激しく攻撃をかけてくるのは、日帝が行革攻撃を強行するために、労働者の反乱を未然に抑え込むための労働者支配の転換が迫られているからだね。その中心環に全逓労働運動の解体があるということです。二〇〇三年公社化に向けての三カ年決戦に突入して、全力で闘いたい。
省庁・自治体の再編
藤田 自治体の中でも、現業と行政職、あるいは各地方ごとに課題は非常に多岐にわたっているけれども、全体として闘わなければならない。日本の支配層が戦争を遂行するために推し進めているのは、一つはガイドラインの法律整備、自衛隊の整備。もう一つは、戦争が本格的にできる国づくりです。そのために自治体労働者や国家公務員を戦前のように官吏化する。それが自治体労働者に対する攻撃として来ている。
中央の省庁再編と同じように、各自治体の再編も推し進められている。行革リストラという形で出ている。例えば、東京都の事業が区に移ると、区の現業部分が民間に委託される。そういう形で現業を切り捨て、労働運動をつぶして、官吏化を進める。
それに対する反撃が課題になるけれど、自治労の既成の主流派は反撃するすべをもっていない。公務員連絡会が「国家公務員の能力・実績を重視した人事管理システムの見直しと新たな人事評価システムの考え方」を自分から提案した。これは自治体ではなくて国家公務員だけれども、組合側からの提案で、能力・実績主義を考えていこうという動きです。自治労大会では反対意見も多くて決定とはならなかったけれども、いずれ自治労本部から各県本やそれぞれの職場にも下りて来かねない。
これとストライキで闘うんだ、闘う新潮流をつくろう、と押し出せば、必ず産別の中でわれわれが大きな位置を占めるという確信を持って闘っていきます。
広島・国立を守れ
浅倉 戦争と大失業の時代の中で、戦争と教育、資本の危機と教育という関係を明確に意識して闘わなければいけない状況になってきました。
教育改革国民会議は、「道徳の強化」「奉仕活動の義務化」を打ち出し、また、徹底した競争原理を教育の中に打ち込んでいこうとしている。それは、子どもたちがそういう世の中に出て行くという構造と双方向性を持つ。労働者総体を能力主義、成果主義の賃金体系に移行させようとしている中で、子どもたちがそういうイデオロギーを持って社会に出て行かない限りは、それに対応しないということになるからです。
そういう方向性がはっきりと見える形で表れてきたのは、チャンスだと思っているんです。保護者たちは、自分の子どもの幸せのために教育を受けさせているのに、自分たちがそれに抗(あらが)わない限りは、子どもを弱肉強食の教育に突っ込ませることになってしまう。そういう意味では、「教育改革」の問題が全人民的課題になったと思っています。
森は今年の通常国会を「教育国会だ」と言っている。教育改革国民会議の首相補佐官をやっていた町村を文部科学相にすえて、教育基本法改悪を中教審にかける。有事立法−改憲のルートとならんで、「教育改革」・教育基本法改悪−改憲というイデオロギー形態をとった攻撃が動いてくる。
教育基本法というのは、憲法の理念を実現するためにつくられたという関係にあります。“民主憲法を守るためには、その社会を創造する子どもたちを民主的に育てる民主教育が必要だ゜と位置づけたわけです。そして今、“戦争はいやだ゜という子どもたちを育てる教育を破壊しない限り、憲法九条を改悪したとしても、それを担う人間ができないという危機感をもって、教育基本法を改悪しようとしている。
今春、こうした中での「日の丸・君が代」攻防になります。一つは、広島と国立の攻防が焦点だと思います。日教組本部は、広島や国立の闘いをもう守らない。国労闘争団の闘いを守りきることが階級的労働運動の防衛・強化・発展という問題と直結するように、教育労働運動では、広島や国立の闘いを僕らが守り、つなげていくことが、日教組運動の再生に直結する課題だと考えている。
それともう一つは、教育基本法改悪−改憲反対の闘いを全国闘争としてつくり出すことが課題になります。
電機連合許さず春闘へ 吉村 / NTTの首切りに反撃 沢木
吉村 電機連合の「第五次賃金政策」では、「早期立ち上げ型」にして四十歳から賃金カーブを寝かせる。管理職になるか能力給や職務給のランクを上げない限り賃金は上がらない。下がることもあり得る。松下の関連会社では四十歳以上の賃金を二〇%下げている。一方で、一時金のベースを今までの五カ月以上から四カ月に引き下げる。残りは業績配分だと。
電機連合は、これを確立して「隔年春闘」にする方針だが、中央委員会では、その条件が整わないとして先送りを発表した。
中小の場合、コストたたきがやられ、時間単位で納期を守らなくてはいけないから、時間短縮はできない。大手は目標管理で、できない場合はサービス残業になる。労働省から、電機の十三社にサービス残業のやり過ぎだと是正勧告が出ている。電機連合は、「健全な裁量労働制がなされれば、このようなくだらないことが起きないのだ」と逆に抗議をしている。
職場は、一人ひとりが仕切られ、隣の労働者との会話ができない。そういう状況で「うつ病」になる人が出る。IT(情報技術)化が進めば進むほど、労働者は徹底的に分断されていく。在宅労働であるとか、まったく職場にいない労働が増えていく。労働者的なコミュニケーションが破壊される。電機資本がその先兵になって動いている。目標管理の職場で、より効率的に人を殺せる兵器をどう開発するかを一生懸命考えている。それが電機労働者の仕事でもある。組合自身が戦争を容認し、安保体制、憲法改悪そのものを容認しながら進んでいく。それは、海外展開が最も多い企業である電機が、海外に展開したものをどう防衛するのか、国力をつけるのかということの中身だ。
電機は六十歳以降の「雇用延長」をやっているが、その雇用延長の原資は、五十五歳からの賃金カットした分をあてる。六十五歳まで延長するために四十歳から賃金カーブを寝かせていく。
電機連合は最低賃金を強調する。そして、時給にするべきだとも言っている。格差是正のためと言うが、低いところに合わせるためだ。大手がそうなると、中小はさらに厳しい状況になる。
こうした電機資本、電機連合の攻撃に対しては、既得権防衛を根底に据えた職場改革が必要です。それから資本主義社会にすばらしい賃金体系などあろうはずはないが、その中で等しくみんなが生きられるために、年功賃金を固守しなければならない。
やはり電機連合指導部を駆逐するためには、未組織の中小を含めた部隊を組織化することを、路線的に位置づけて、それを率先してやっていきたいと考えています。
団結破壊の新賃金
沢木 電機から賃金問題が出されたけれど、JR東の一万人の削減とか人事制度の見直し、不採算路線の切り捨てという内容を聞いて、これを先取りしているのがNTTの攻撃だと思いました。NTTは、電話をやめて、「マルチメディアと国際戦略」で勝負するということで四分割した。森内閣になって「IT革命」という言葉が登場して、米帝との通信競争の中で、すさまじい攻撃が始まっている。それが「新賃金制度」と「中期事業計画」です。
中期事業計画は、要するに電話業からの撤退です。例えば北海道では職場が二カ所になる。沖縄も離島の廃止で那覇へと、全国で職場を三分の一にしてしまう攻撃です。拠点を統合する中で、通いきれないことをもって辞めさせていく。これを自主退職、希望退職と言っている。家族で引っ越すか、辞めるか。組合は第三の選択として「代理店契約」を出した。賃金の三割を保障し、あとは売上高で六割ぐらいを保障することになると言っているけれど、いったん退職しての再雇用だから、売り上げがなかったら次の年に再雇用なんてありえない。二万一千人削減と言っているが、それどころではない。「IT革命」で米帝に五年間で勝つということで、国鉄の分割・民営化を超えるような首切り攻撃がかけられている。
新賃金制度については、四十歳以上はほぼ上がらない。五十歳以上の昇給はゼロ。四月一日から新しい賃金体系に移る。組合は、「過渡的経過措置をとって賃金を下げない」と言うけれども、逆に言えば一切上がらないということです。先ほども四十歳と言われたけれども、本当に四十歳で終わりという賃金体系です。しかも、生きていこうと思えば競争に勝たなければならない。基本給の基礎が低く抑えられるために、それが退職金にも年金にも反映する。組合は「努力したものが報われる賃金体系である」と言っているけれど、これは弱肉強食の論理であるし、団結権を権力に売り渡す賃金体系だということを、ビラに書きながら訴えています。私たちは闘う労働運動をつくろう、団結をもって勝利しようということを主張して、闘いをつくろうと思っているところです。
労働者に未来示す革命党に飛躍
続開大会に大結集する 山崎 / 職場細胞を構築する時 吉村
司会 二〇〇一年は、冒頭の一・二七国労続開大会から大決戦となります。改憲阻止が大テーマとなり、都議選がある。今年の課題についてどうですか。
山鹿 皆さんの意見を聞いて、闘争団の闘いの普遍性をものすごく感じました。こんなに日本の労働者に勇気を与えているんだと、私は非常に感動しました。
一・二七続開大会も真近に迫って、闘争団の総決起をつくり出すことが私の最大の課題だと思います。「四党合意を受け入れろ」というILO勧告や、九州・北海道採用差別事件で東京高裁の非常に反動的な判決が出た後の大会で、「四党合意」に向かう圧力は今まで以上に高まる。だけど、闘争団は人間の尊厳の問題として、絶対に許せないと立ち上がっている。根源的な人間の怒りで立ち上がっていると私は信じています。だからそう簡単に崩れることはない。続開大会には、必ず多くの闘争団の人たちが結集してくる。そこに勝利の展望を示すことがわれわれの任務であると思うんです。JR総連の大分裂の問題があり、勝利の展望は大きく見えている。
私は、勝利の展望を十一・五集会の中に見いだした。唯一、十一・五集会が「四党合意」粉砕を掲げた全国集会だった。そこでの闘争団の発言やメッセージが、闘争団みんなの気持ちです。闘争団の人たちの飛躍は絶対にできると私は感じます。そして最後に力になるのは国労共闘なんです。われわれ自身が飛躍しないとダメだと思います。国労共闘を飛躍させ、力をつけるのは、闘争団と国労の同志の課題です。
松永 一九全総と二〇全総で、われわれはやっとこの情勢に間に合ったということだよね。職場細胞を建設し、時代の先端を行かなければいけないと思うんです。
冒頭、一・二七続開大会で、この一年で向こうが決着をつけられなかったことに四度目の勝負をかけてくるけれど、一万人を超える結集をかちとり、これを渾身(こんしん)の力ではね返し、「四党合意」を打ち破る闘いをやる。二−三月は、「日の丸・君が代」や春闘も重要な攻防になる。改憲阻止の闘いが本格的に始まる。この数カ月のうちに二十一世紀を決めるような、党の渾身の決起、飛躍が求められていると思うんです。
JRの完全民営化については、JR会社法から本州三社を除く。これが一月末からの通常国会に出てくる。この中でカクマルをどうするかという問題になる。しかも、国鉄闘争があれば完全民営化は成立しない。次期国土交通相が、「これで国鉄改革の総まとめが完成する」と言っているけれど、貨物の問題や北海道、九州、四国の三島についての株上場断念がある。二〇〇一年度に七社が完全民営化することを前提にしてきた問題が何一つ解決していない。だから、一月二十七日に続開大会をやるということは、敵の側が背水の陣で勝負をかけてくるということだ。ここで国鉄闘争をつぶさなかったら、完全民営化もできないところに追いつめられている。
それと、国家的不当労働行為を国家が救済することはありえない、救済するのは違法だという判決が、一連の高裁判決で出されている。国が労働者の団結を侵害する、これに対する救済の道は、この資本主義社会にあるわけがないという判決なんだ。帝国主義が労働者の団結そのものを許さないということでしょう。
新潮流運動の中で、「全労働者の団結」「資本主義にノー」と言ってきたけれども、二十一世紀はマルクス主義が本当によみがえる世紀にしなければいけない。その先頭に立たなければと思います。
野崎 まさに資本主義体制の崩壊の過程に入っている時代に問われているのは革命党だと思うんですね。党は、こういう時代のために万全の準備をして帝国主義を打倒できる力をつくり、本当に力を発揮すべき時だと思う。日本共産党は、共産主義そのものを放棄している。方向性を見いだせなくなっている労働者が圧倒的に多い。けれども怒りは噴き出している。こういう時こそ、革命を目指す党の存在が問われる。何か傲慢(ごうまん)に労働者を指導するというのではなくて、少なくとも労働者に信頼されて、労働者が「ああ、これなら勝てる」という展望を示す。これができなかったら革命党でもなんでもない。
われわれは、大衆的に三労組共闘で、労働運動の展望を示していこうと全力を挙げてきた。この運動が一気に爆発する、その臨界点の一歩手前まで来たなというのが僕らの感覚です。今年は、本当に爆発的に発展させる時だと思う。党の課題として、それを据えてやりきることが、この時代に通用する党たりえるかどうかの試金石だと思っています。
それと、JR総連解体闘争の焦点になるのは、松崎だと思う。実質的にJR総連を支配してきたのは松崎で、カクマルの副議長だから、間違いなく松崎そのものがおかしくなっている。だけどカクマルは、黒田の体現者であり副議長である松崎については直接には言っていない。松崎も卑劣なことに、この問題について見解を公にしていない。しかしここまで事態が進行すると、何が起こるか分からない。僕らはそういうことも見据えながら、明らかに全面崩壊の過程に入っているカクマルと闘おうと考えています。
坂入拉致問題ではっきりしたことは、JR総連カクマルを牛耳っていた連中はああいう情けない連中だったということです。カクマルに拉致されて命ごいをして、カクマルの集会で自己批判する。それが中央労研事務局長の坂入。こんなのに負けたらわれわれの名折れだと思っています。
吉村 電機職場の闘いを、七〇年代に向けての電機の闘いのように再生していくためには、職場細胞抜きにはありえない。二〇〇一年の目標として電機で細胞を構築していく。その上に立って、闘いを産別から地域に広げていく。地域で新しい共闘関係が生まれていますが、そこで満足するのではなく、共闘をリードをしていく部隊へと自己を形成していくことが必要だろう。それで、何よりも自分たちの闘いの足場は職場だということを言いたい。
沢木 電通では、昨年の春闘ベアゼロの中で「ストライキやれ」という声が噴き出した。全国大会は、全電通時代からシャンシャン大会だったけれど、八月のNTT労組の大会では、労働組合とはどうあるべきか、ストライキを、職場の団結をつくる闘いをやるべきだという批判が代議員から出て、それへの答弁に対して、またヤジが激しく飛ぶというような大会になりました。
ただ、十一・五のオルグの時に感じたのは、まだ怒りを闘いに結び付けられない壁がある。職場の労働者は、合理化に次ぐ合理化の中で展望が見えない。ここをどうやって突破するのかというのが課題です。十一・五集会で、動労千葉の代表が「日本の労働者は、きのうまでおとなしかった、きょうもまだおとなしいかも知れない、しかし、あしたもおとなしいとは限らないことを示したい」と訴えたけれども、どこかで展望を持った瞬間に、電通の労働者の闘いは爆発すると思っているんです。全国で拠点政策をつくって頑張りたい。そのためにも『前進』で闘う労働者の党をつくろうということを基本にして闘いたい。
浅倉 革命党というのは、改憲が問題になるような時に、国論二分状況をつくって闘うことが重要だと思います。そして分岐を恐れないで党に獲得することが必要です。党を強化・拡大していく中でしか政策形成能力はできないと思う。それが党を鍛え直し、活性化すると思います。
反石原で都議選勝利を 藤田 / 党倍増の方針を実践し 池内
藤田 東京では都議選に絶対に勝つことです。東京都の職員にとって、ファシスト石原都知事と闘うためにも、反石原を明確にした議員が必要だということを訴えて、結柴さんの当選のために都の労働者の先頭に立って闘いたい。
それと、若い労働者を獲得していく。十一・五集会では、若い労働者が、さらに若い世代を連れてきている。展望は必ず開けると確信しています。
池内 NTT労組とか、全逓とか、国鉄とかバラバラにされている中で、新潮流運動が産別を超えた闘い、共同の闘いを端緒的に実現していることはものすごく大きな成果だと思っているんです。そういう闘いを党として集約することだと思っています。
全逓でも、職場の拠点を拠点として建設することと、細胞建設を課題として設定して闘ってきた。細胞が細胞として形成され、細胞の全員が決起したことでオルグも成功している。これをもっと徹底して、党の二倍化方針を強化し、実践していきたい。
司会 どうもありがとうございました。ともに二〇〇一年の勝利のために闘いましょう。
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