週刊『前進』(1982号2面1〜3面2)
21世紀を労働者が主人公の時代に 資本攻勢を打ち破る熱い息吹
11・5全国労働者集会 国鉄闘争勝利へ総決起
日比谷野音 闘争団と合流し勇気と感動
“団結”掲げ労働運動の再生へ
十一月五日、日比谷野外音楽堂で「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 十一・五全国労働者総決起集会」が集会実行委員会の主催により開かれた。全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同、国鉄千葉動力車労働組合の三労組の呼びかけによる十一月労働者集会は今年で三回目を迎えた。「四党合意」に対する国労闘争団の命がけの決起は、全国の労働者に限りない勇気を与えている。集会には、国鉄闘争勝利を軸に一大資本攻勢への総反撃を開始しようと結集した三千二百五十人の熱意にあふれた。すべての参加者が、二〇〇〇年の激闘を全力で闘いぬいてきたのである。新たな労組・労働者も多数集まり、今年の集会はさらに大きく厚みを増した。二十一世紀を労働者階級の勝利の時代とすることへの確信を与えたこの日の闘いについてレポートし、階級的労働運動の再生へ、さらなる闘いを訴えたい。(本紙・長沢典久。主な発言要旨は別掲)
陣形の新たな広がりを示す
この日、東京は闘いの勝利を切り開くにふさわしい、突き抜けるような青空が広がった。昼前には、日比谷野外音楽堂に全国から多くの労働者が組合旗を押し立てて詰めかけた。
開会に先立ち、沖電気被解雇者の田中哲朗さんのミニコンサートが行われ、早くも会場は熱を帯びた。
正午、司会を務める動労水戸の労働者が力強く開会を宣言した。港合同の労働者も、司会として「集会の第一のスローガンは国鉄闘争勝利、キーワードは全労働者の団結です。二十一世紀に向け資本の大攻勢と高まる戦争の足音に労働者の荒々しい反撃を」と集会の意義を訴えた。
主催者を代表して動労千葉の中野洋委員長があいさつし、三点の集会の獲得目標を提起した。
「一つは、四党合意が出され、千四十七名闘争は大変な決戦場裏に突入した。四党合意は国労の三回の大会でことごとく決定を阻まれた。これは、国鉄闘争を応援してきた労働者全体の勝利だ。三組合が全国の労働者に集会を呼びかけた契機も、九八年の五・二八反動判決だった。国鉄闘争勝利に全力を振り絞ろう」「二つ目に、多くの労働者が得手勝手にリストラされている。連合は資本の救済者に成り下がった。労働者・労働組合が団結して敵の攻撃への反撃を開始する。そのための組織基盤をつくり出そう」「三つ目に、ガイドライン法制定以降、状況は改憲に向けて進んでいる。労働者が団結して巨大な統一戦線を形成し反撃に立つ」
連帯のあいさつを佐藤昭夫早稲田大学名誉教授、宮島尚史元学習院大学教授、作家の宮崎学さん、日本基督教団靖国・天皇制問題情報センターの小田原紀雄さん、弁護士の鈴木達夫さんが行い、それぞれが新潮流運動への期待を表明して、参加者の奮起を促した。
続いて、呼びかけ三組合の代表が発言した。
港合同の代表は、連続する資本の自己破産攻撃との激闘を報告し、「断固たる反撃がなければ敵の横暴は野放しだ。われわれは断固として独占を相手取り闘う」と表明。また「中曽根は労働委員会に出てこい、という四党合意糾弾の闘いを全国でさらに強力に推し進めよう」と呼びかけた。
関西地区生コン支部の代表は、「私たちこそ新しい労働運動をつくりあげる確信に満ちた隊列だ」と宣言し、「仲間を見捨てず、団結を強固にして闘うことを外せば、労働組合の存在意義はあるのか」と問いかけて「四党合意」を批判。また、「中小零細企業労働者が生き延びるため、産別・業種別闘争を全国の仲間と共有したい」と訴えた。
動労千葉の田中康宏書記長は、「日本の労働者はきのうまではおとなしかったかもしれない、きょうもまだおとなしいかもしれない、しかし明日もおとなしいとは限らないことを絶対に示したい」「新たな闘いの胎動は確実に始まっている」と断言。「国鉄労働者こそ、矢面に立って全国の仲間たちの怒りの声を結集する」と決意を表明した。
会場を圧した闘争団の訴え
司会が、北海道の二つの闘争団から寄せられたメッセージを紹介した。
満場の拍手の中、闘争団員と労働委員会闘争に立った国労組合員が登壇した。会場には張り詰めた空気が流れた。「四党合意」以来の激闘を生死をかけて闘いぬいてきた闘争団の発言に、全参加者が真剣に耳を傾けた。
北海道の闘争団の労働者が熱を込めて訴えた。「国労は闘う労働組合として再生できる。皆さんは国鉄闘争支援の主役だ。四党合意は絶対に許さない」
九州の闘争団の労働者は、あふれる思いと決意を次のように語った。「本部は七・一を強行し、闘争団の壇上占拠という結果になった。宮坂の顔、上村の顔の裏に敵権力のせせら笑う顔が見えてどうしようもなかった」「一連の闘いの中で闘争団自身が一皮も二皮もむけた」「学校政治を打破して自らの意思で立ち上がった」「動労千葉、全動労の皆さんが、国労に対して『勝手なことをするな』と声を上げていただきたい。正義の闘いであり、負けるわけにいかない」
全参加者が、闘争団の闘いを心から支持し、闘争団の苦闘をわがこととして全力の闘いを貫いてきた。それが、勝利を求め、あらゆる妨害をのりこえて闘う闘争団との歴史的な大合流を生み出したのだ。
続いて、「四党合意」撤回地労委闘争に立った国労組合員が、「労働委員会闘争を国労組合員二万五千人の申立人闘争として切り開く」と決意を述べた。
沖縄行動団が登壇した。代表して電通労働者が発言し、「サミットで沖縄闘争を圧殺しようとした敵のもくろみは完全に粉砕された。名護新基地建設を実力で阻止する」と宣言した。また、NTTが宮古、八重山の営業所を廃止して強制配転・首切り攻撃を仕掛けていること、NTT労組がその先兵と化していることを弾劾し、「あらゆる闘いで断固粉砕する」と決意を表明した。
広島県教組の労働者は、教育改革国民会議を先頭とした教育基本法改悪攻撃、「日の丸・君が代」強制攻撃を弾劾し、「闘う日教組の再生に向けて、闘いの旗を掲げる」と訴えた。
決意表明では、東京の地域合同労組の代表が「四党合意には階級的労働運動をなくしたいという政府の浅はかな願望がある。階級的労働運動の原則を忘れず闘おう」と訴えた。都職労の労働者は、都のマイナス人勧とファシスト石原都知事を弾劾して「現場の労働者はストをやろうと言っている。都区職の労働者が都知事にノーと言えるのかが問われている」と発言した。
全金本山労組の代表は「解雇撤回を貫くという選択に対して、上部団体も闘争破壊の攻撃をかけてきた。だが、三十年の闘いでこの選択の正義性は明らかだ」と宣言した。関西合同労組の代表は、「被災地のがれきの中から団結が育っている。しごと開発事業打ち切りの攻撃に対し、就労者が新たな労組を立ち上げた」と報告した。
「人事交流」攻撃と闘う全逓労働者が、「職場は郵政公社化攻撃のただ中にある。連合全逓をひっくり返す闘いは国鉄闘争勝利と一体だ」と発言した。医療労働者が、闘いによって労働者の権利を獲得してきた歴史を振り返り、戦争への道を繰り返すなと訴えた。化学産別の労働者が、「職場では合理化と闘うためにも国鉄闘争を支援しようという声が広がっている。二十一世紀を働く仲間の時代に」と呼びかけた。
リストラ反対のかけ声高く
出版労働者が十一・五アピールを読み上げ、採択された。三一書房労組の三角忠委員長が行動提起を行い、戦闘的デモの貫徹を訴えた。関西生コンの代表が閉会のあいさつをし、「今こそ日本労働運動の階級的再生を。労働運動の原点に立ち返ろう。違いをのりこえ、大同団結を」と呼びかけた。港合同の代表が音頭を取り、全員でインターナショナルを歌い、団結ガンバローを行った。
集会後、参加者は八てい団に分かれて常盤橋公園までのデモに出た。「リストラ反対、団結勝利」の掛け声が響き、沿道の労働者・市民が注目した。手を引く子どもに「こうしてデモをすれば、首切りをやめさせることができるのよ」と説明する母親の姿もあった。
この日の闘いを貫いて、参加者は二〇〇〇年の闘いがつくりだした勝利の大きさを実感し、次の闘いへの熱意に燃え立った。
呼びかけ組合代表あいさつ
中曽根よ、出て来い! 全国金属機械・港合同
三回目を迎えました本日の集会、文字どおり新たな労働者の結集を含め、まさに全国の闘う労働者の集会として開催されたことを喜びたいと思います。
われわれが体験したこの一年間の敵の倒産・リストラ攻撃の現実は、今日の体制危機を反映しながら、直接、独占が労働の現場に踏み込んできて経営者を指揮して、労働組合を明確に意識しながら倒産させるという、自己破産攻撃の連続でありました。この一年間、必死になって闘いながら、工場を占拠し、連日の闘いを展開してまいりました。
この闘いの現実の中でわれわれが感じたことは、直接、独占が闘争の現場に乗り込んで、労働組合と対決をする、まさにそうした対決の構造です。
裁判所は一年以内に倒産処理をせよという訴訟指揮を行っている。そこには、破産法に言う「公正中立」などはどこにもなく、労働組合がかちとった協定に対するまともな評価はどこにもなく、労働債権確保に対する一定の配慮もどこにもない。これが今日の倒産攻撃の赤裸々な現実です。
この攻撃に対して断固たる反撃がない限り、敵の攻撃、敵の横暴はまさに野放しである。こうした現実に対してわれわれは、独占を相手取り、闘いぬこうとしています。
さて、「四党合意」問題ですが、自民党は今日、「国労自身が認めたから何が問題だ」と居直っております。労働委員会は「これは国労内部の問題ではないか」と、へっぴり腰です。しかし、これほどまでにあからさまな、露骨な不当労働行為はなかったのであります。自民党は労働委員会の答弁書で、「国労とJR各社との長年にわたる紛争から、国労所属職員を始め使用者としてのJR各社ばかりでなく、国民一般も多大の迷惑を受けている。四党合意は、紛争を閉塞(へいそく)することを条件に退職者の就職や紛争解決の和解金の額及びその交付方法についてあっせんを申し出たに過ぎない。訴訟の取り下げを要求しているのは、握手するには矛を収めるのは常識であろうという考えから出発したもので他意はない。訴訟を継続している者に対して解決案を出しても意味はないし、無駄でもある」と断言している。
これこそが自民党の不当労働行為の明白な自白であります。全国の労働委員会はへっぴり腰を改めよ。労働委員会の見識を取り戻せ。自民党・中曽根よ、労働委員会の審問廷に出て来いという、私たちの「四党合意」糾弾の闘いを全国にさらに強力に推し進めていきましょう。
資本の根幹食い破る 全日建運輸連帯・関生支部
困難な局面にあって、多くの妨害をはねのけて今年も新たに多くの労働組合が参加し、闘いの隊列に参加されたことを感謝します。
私たちこそが二十一世紀の新しい労働運動、新自由主義と呼ばれる帝国主義的な動向に対して真っ向から闘う労働運動とがっちり手をつないだ闘いをしている。まさに私たちこそが新しい労働運動をつくりあげる、確信に満ちた隊列であると思います。
国鉄闘争はまさに階級闘争の環ですから、ここに大きなくさびを打ち込もうとした敵権力に対して、真っ向から闘いを対置する。これは国労のみの問題ではなく、日本の労働者階級すべてが、ともに闘いぬかなければならないと思います。
私たちは、「他人の痛みはおのれの痛み」を団結のかなめにおいて三十五年間闘ってきました。労働者が仲間を見捨てることなく最後まで闘いぬく、団結を強固にして闘いぬくということを外せば、労働組合の存在意義はあるのでしょうか。労働組合にとっての原点、基本を守りぬき、国鉄闘争にも全面的な支援・共闘を行っていきたい。
関西地区生コン支部においても三十数分会が裁判闘争、地労委闘争を闘っています。不当労働行為を許さない、やられたらやり返す。「四党合意」を容認すれば公然と不当労働行為がまかり歩き、組合つぶしが容認されてしまう。こうした事態は断じて許せない。
私たちは産別運動、業種別運動において政策闘争を展開し、生コン業界の五つの関連労働組合と共闘し、労働組合主導の業界再編を形作ってきました。春闘でも、経営者会との集団交渉において統一要求、統一交渉、統一闘争、統一妥結を行ってきました。この中で賃上げをかちとり、業界で発生した失業に対しては雇用責任を負うという共同雇用責任体制を確立してきました。全国四千万を超える中小零細企業労働者がいかに生き延びていくのかという時に、全国で少ない産別・業種別闘争の闘いを全国の仲間と共有していきたいと考えています。
われわれがいかに闘いを構築し、ストライキを打ち抜き、団結権を基礎にした団体行動を全面展開するかが問われています。資本の根幹を食い破っていく労働組合の本来の闘い、本来の労働者魂をつくっていきたいと考えています。
ここに集まったすべての労働組合が共闘し、研鑽(けんさん)を積み、ともに闘っていくことを確認したいと思います。
世の中を変える力を 国鉄千葉動力者労働組合
私が何よりも訴えたいことは、労働運動の現状を変革するために、きょうこの場から立ち上がろうということです。日本の労働者はきのうまではおとなしかったかも知れない。きょうもまだ、おとなしいかも知れない。しかし、あしたもおとなしいとは限らないということを絶対に示したい。
連合の鷲尾会長は、惨たんたる結果の春闘を総括して、「今の労働組合指導部に批判が集中して、変わった運動が出る。これは経営者にとっても好ましくないはずだ」とを泣き言を並べた。「変わった運動」とは私たちのこの運動のことです。それが当たり前の労働運動になって大きく広がろうとしています。
国鉄闘争をめぐっても、闘争団や家族の奮闘によって、先の国労定期全国大会で「四党合意」が三度粉砕されました。この闘いは二十一世紀に向けた労働運動の展望を大きく切り開く可能性を持っています。「四党合意」は、日本の労働運動全体に決定的な一撃を食らわす大陰謀です。動労千葉も「四党合意」の謝罪と撤回を求める不当労働行為の申し立てを行いました。矢面に立って、全国の仲間たちの怒りの声を結集して闘いを展開したい。
しかも国鉄闘争をめぐる情勢は大きなチャンスを迎えています。千四十七名の解雇撤回闘争の最大の障害物は、JR当局とJR総連カクマルの結託体制です。これが崩壊を始めた。九州労の八割が一斉に脱退した。それもJR総連カクマルの仲間割れによって起きている。東日本でも西でも東海でも貨物でも、カクマルの内部分裂です。
私たちは、十月三十日、ストライキの事前通知を行いました。シニア制度、鉄道業務の全面的な外注化の大合理化攻撃に対して大闘争を準備をしています。
一方、日本の資本主義体制はにっちもさっちも行かない。選挙制度改悪は、自民党政治の崩壊を示している。国家的な大リストラ攻撃が襲いかかっている。世の中が根本的に間違っている。労働者を徹底的に痛めつけ、独占企業に湯水のように金をつぎ込んで救済する、こんな世の中は打ち倒す、私たちはその力を持っています。私たちは、敵の側が労働者を獲得するのか、闘う労働運動の新たなネットワークを求めるわれわれが労働者の気持ちを獲得するのか、という壮大な組織戦に挑みたい。
もっともっと腹の底から怒りの声を上げましょう。団結を広げましょう。自信と確信をもって立ち上がりましょう。二十一世紀は私たち労働者の世紀だと言える、そういう扉を開くことを訴えます。
「四党合意」は葬り去る
特別アピール 国労闘争団と連帯
国労は再生できる 国労北海道A闘争団
「四党合意」をめぐってご心配をおかけしています。結論から言います。国鉄労働組合、まだまだ闘う労働組合として再生できる、やせても枯れても国鉄労働組合だということを、今、ひしひしと感じています。「四党合意」は紛れもなく闘争団を切り捨てる攻撃です。「この機を逃せばラストチャンスがなくなる」と言うけれども、「四党合意」こそ国労にとって最大のピンチです。これをけることによってビッグチャンスが必ず来るという確信を持っています。
私たち闘争団は、この十四年間、怒りと闘う姿勢で頑張ってきました。こんな「四党合意」によって、われわれの闘いを抑えることはできない。
本集会の参加者の皆さんは、国鉄闘争の支援の主役なんです。もう脇役ではありません。ぜひ闘争支援の主役として、われわれと一体となって闘っていただきたい。そして闘う新潮流を築いていってほしい。
今、定期大会が休会中ですから、続開大会ではまた「四党合意」が繰り返される。これを私たちは絶対に許さないし、機関決定させない。あくまでも「四党合意」を撤回させる。「改革法承認」から今日まで、こんな無駄な時間を費やしてはいられない。本来の敵である政府・JRに対して激しい闘いを挑んでいきたいと思っています。ぜひ私たちとともに闘いましょう。
正義は絶対負けぬ 国労九州B闘争団
七・一臨大、八・二六続開大会、そして先日の定期大会、特に二日目の雨の中「闘争団頑張れ」のかけ声をかけてくれた皆様方に厚くお礼を申し上げます。
私どもは六月二十八日、二十闘争団・有志で本部に申し入れをしました。国労の悪しき体質、いわゆる学校政治を打破して、闘争団が初めて自らの意志で立ち上がりました。そういう中で本部は七・一を強行した。私も会場で宮坂、上村の顔を見た時、その裏に敵権力がせせら笑う顔が見えてどうしようもなかった。そういう思いで闘争団は壇上に駆け上がりました。
それ以降、国労本部、各機関は、闘争団を暴力集団扱いし、人間としてやってはならない卑怯な兵糧攻めをした。そういう中で八・二六続開大会が決定され、私どもは連日、本部と話し合いをしました。「四党合意」によって、私たち闘争団の望む解決は一切ないことが明らかになりました。
九月の一票投票も厳しい結果になりました。これを受けての定期大会は、圧倒的にこちら側の不利な状況でした。ただ二回の臨時大会と違ったのは、少数の反対派代議員が体を張って徹底的に闘った。そして「経過」を承認させないと頑張るだけ頑張って、休会に追い込みました。
私ども闘争団は、一連の闘いの中で、一皮も二皮もむけ、闘うことができたと考えています。
今、闘争団の中で反対している闘争団に対して徹底した糾弾行動と、専従から外すとか「アルバイトに出ろ」と、反対する声を消そうという動きがある。
私たちが踏ん張って闘いぬけば、今のリストラ攻撃の中で苦しみ、闘いぬいている多くの民間中小の仲間の心の支えになる。そのことが私たち国労の、闘争団の使命だと考えています。
今後の方向については、上村革同、チャレンジは「辞表を返せ」と言っているそうだが、委員長以下全員辞めていただき、闘う執行部をつくる。もう一点、敵権力の側も千四十七名問題と言っている。国労もそう言っている。私は、動労千葉の皆さん、全動労の皆さんに、国労に対して「勝手なことするな。お前ら何をやっているんだ」と声を上げていただきたい。
闘争団も弱さはあります。しかし、正義の闘いです。絶対に負けるわけにはいかない。人間として労働者として、間違ったことは間違い、正しいことは正しいと言える、そういう正しい労働運動をつくるためにも、全国の闘う仲間と固く連帯し、来る続開大会、なんとしても「四党合意」を葬り去るために全力を挙げて闘いぬきます。
国労全体に広げる 地労委闘争 申立人の国労組合員
「四党合意」について、文字どおりの階級的労働運動絶滅攻撃として、真っ向から闘わなければならないと思います。中曽根の臨調行革―国鉄分割・民営化攻撃は国鉄労働組合を解体・抹殺しようという攻撃でした。二〇〇〇年五月三十日に再び三度、国労をなきものにしようとする「四党合意」攻撃が現れてきました。むき出しの国家的不当労働行為である「四党合意」と闘うために、全国各地で地方労働委員会闘争に立ち上がっています。
これまで、数々の地労委での勝利命令を受けてきました。今なお効力をもっている地労委命令を国労自らが投げ出す、国労自ら労働委員会制度を否定する「四党合意」受け入れをどうして認めることができるでしょうか。
私たちは、国労の中で着々と地殻変動を起こしながら、闘う労働運動の全国ネットワークの一翼を担っていきたい。各地での労働委員会闘争を、国労組合員二万五千人の申立人闘争として切り開くために全力を挙げたい。こうした闘いこそが、来る続開大会を含めて、「四党合意」を最終的に葬り去る闘いの道筋になると思います。
国家的不当労働行為との闘いを、国家的不当労働行為によって幕を閉じるわけにはいきません。全力で取り組むことを決意します。
新基地建設を阻む 沖縄行動団
私たちは、沖縄と全国の人民の怒りで、沖縄サミットをズタズタにしました。七・二〇嘉手納包囲闘争には二万七千人が結集しました。さらに七・二一サミット粉砕名護現地闘争、七・二二那覇市内デモをたたきつけました。沖縄サミットをもって沖縄闘争を圧殺しようとした敵のもくろみは完全に粉砕されたのです。
名護新基地建設阻止闘争は第二、第三の島ぐるみ闘争として爆発しようとしています。われわれは何年かかろうが、名護新基地建設を実力で阻止します。「人柱になっても辺野古の海を守る」と宣言する地元のオジーやオバーと連帯して、勝利することを誓います。
私たちのNTTの職場でも、三人に一人が異動対象というすさまじい首切りの嵐が吹き荒れています。異動できない労働者には、現在の賃金の半分で代理店の契約社員として残るという道しか残されません。この攻撃を許すならば、次はさらに広島や福岡、大阪に出てくれというものです。何よりもNTT労組中央本部が先兵になっていることを徹底的に糾弾しなければなりません。必ずやこの首切り・合理化攻撃を粉砕することを宣言します。
このような状況だからこそ、国鉄闘争を労働者全体の力で守り抜かなければなりません。その立場で十月二十二日、沖縄において、国鉄闘争支援集会の成功をかちとりました。
国労大会をめぐる闘いは労働者が腹の底から怒りをもって決起すれば必ず勝利することを示しました。まさに本日の集会こそ、全国の労働者の闘う道しるべです。連合指導部もろとも資本主義を打倒する労働運動を築き上げましょう。
「教育改革」と闘う 広島県教組の労働者
中曽根康弘、町村信孝らが牛耳る教育改革国民会議は恐るべき会議です。首切り・倒産が相次ぎ、子どもたちが将来への展望をなくしているというのに、それを「戦後教育が危機の原因だ」と言い、労働者とその子どもたちを戦場に駆りたてようとしています。
国民会議の中間報告は、教育の目的を教育基本法の「人間の育成」から「日本人の育成」に変えようとしています。さらに「満十八歳の国民すべてに一年間の奉仕作業を義務づける」と打ち出しました。「日の丸・君が代」と奉仕作業によって、身も心も国家に捧げ尽くせというのです。
さらに「日の丸・君が代」に反対する教員を「不適格教員」として教壇から排除しようとしています。
ユーゴスラビア、フィリピン、南朝鮮、パレスチナ、そして「四党合意」をめぐる闘いと勝利を見てください。わが日本の労働者階級は、ついに怒濤(どとう)の進撃を開始しました。
広島でも国立でも反撃が開始されています。私たちは「日の丸・君が代」にあくまで反対し、教育改革国民会議の解散を求めます。
われわれの手で闘う労働運動の夜明けの戸をこじ開けよう。闘う日教組の再生へ、闘いの旗を高く掲げていくことを決意します。
連帯のあいさつ
不当労働行為に反撃始まる 早稲田大学名誉教授 弁護士 佐藤昭夫さん
国鉄の分割・民営化とは、当時の中曽根首相が言っているように「国労をつぶし、総評をつぶす」という狙いで行われた。しかしいまだ国労が闘っているという中で、「四党合意」で国家的不当労働行為の総仕上げを狙っている。これに対して、国労闘争団の人たちを中心とする反撃が始まり、さらに国労と動労千葉の人びとが不当労働行為に反撃する労働委員会闘争に立ち上がっています。
今、歴史に学ぶことが必要です。一九三七年七月に日本が中国への侵略戦争を開始した時、当時のナショナルセンターだった全国労働総同盟は、十月に争議絶滅宣言を出しています。翌年には国家総動員法がつくられ、労働組合は解散し、産業報国連盟がつくられ、国民徴用令で労働者が戦争に動員されていった。
戦争を担うのは労働者です。労働者が動員を拒否したら戦争はできない。そして最も被害を受けるのも労働者や民衆です。団結して反対したら、彼らの思惑を打ち砕くことは必ずできます。怒りをひとつにして、敵のたくらみを打ち砕くために団結しましょう。
リストラ促進法との対決を 元学習院大学教授 弁護士 宮島尚史さん
会社分割法、労働契約承継法が成立して、会社を分割し営業譲渡して生き延びるということが、面倒な手続きを省略して簡単にできるようになりました。労働者をどうするかは企業相互間の決定にゆだねられてしまう。労働者を無権利状態に追い込み、労働者のリストラを促進する法律です。
二〇〇〇年の夏は「四党合意」に対する熱い闘いの夏でした。三度の大会決定を粉砕し、国家的不当労働行為を許さない運動が進められています。国鉄労働者と多くの労働者の闘争の成果です。さらに全国で「四党合意は不当労働行為だ。自民党も運輸省も労働委員会に出てこい」という新しい運動を展開しています。
治安・軍事体制の強化、教育・司法制度改悪、失業、労災・職業病の増加、政府や単産の一部の中央幹部と大企業あげての不当労働行為、さらに憲法改悪作業の総仕上げという支配勢力の悪あがきに対し、強い抵抗を示しましょう。
連帯と統一は闘いの中から 作家 宮崎学さん
私はこの一年、盗聴法に反対する候補者を推し立てた選挙戦を闘い、また石原慎太郎のファッショ的な暴挙に反対し、治安出動反対集会に参加してきました。
国労定期大会における高橋委員長あいさつは「腐っても鯛だ」と言っているのだろうと思います。私も実は、国労は「腐っても鯛だ」と思い一生懸命応援してきたし、今もその立場は変わっていません。しかしもう一方で「腐ったら鯛ではないのではないか」とも考えています。腐った鯛よりも生きのいい鯵(あじ)の方がいいのではないか。
闘争団の労働者は何ゆえに解雇されたのか。国労組合員だから解雇されたのです。その国労が、国労組合員であったがゆえの解雇を容認することなど、断じて許せません。
そこに闘う人、不当な差別を受ける人がいるなら、どんな困難があろうと連帯し闘う姿勢を貫くべきだと思います。闘うことによってのみ連帯は生まれるし、闘うことによってのみ統一は保たれると思います。
来年また勝利を報告できるよう、ともに歩みます。
有事法制反対百万人署名を 日本基督教団靖国・天皇制問題情報センター 小田原紀雄さん
「四党合意」の問題ですが、組対法戦線の教訓は、闘いの最中に神経をとがらせて次の方針を求めることだと考えています。形式的にはわれわれは少数派であり、多数派に民主主義的な手続きでやられたのでは敗北は明らかです。現場に肉薄し、実力でわれわれの思想性を貫徹すべく闘うという方法しか残されていないということを、戦争が直前に迫ってきた中で、肝に銘じておきたい。
私も呼びかけている「とめよう戦争への道! 百万人署名運動」は、十月に、全国の連絡会代表者の交流会を行いました。来年に向け方針を討議し、「教育改革」を戦争に直結するものとして断固反対すること、有事法制に対して百万に達する署名運動を取り組むことの二つを確認しました。全国各地の連絡会も元気で、次の闘いに向かっていこうという熱意がひしひしと伝わってきました。
また来年十一月、次の年へ闘いの決意を固めるこの集会に参加したいと思います。元気でやりましょう。
戦時司法への大転換許さぬ 弁護士 鈴木達夫さん
今、弁護士と日弁連に、司法改革という大攻撃が押し寄せています。戦時司法への大転換の攻撃です。
攻撃の方向は二つです。一つは刑事弁護の国家管理と「迅速な裁判」です。証拠も証言もいいかげんに済ませ、およそ裁判とは言えない形で有罪にし、獄に放り込もうとしている。
二つに、弁護士と弁護士会の御用化です。戦時中、多くの弁護士が大政翼賛会の先頭に立ったことへの反省から、私たち弁護士には基本的人権の擁護を使命とすることが義務づけられています。このあり方を変えようとしているのです。
この攻撃の先頭に立つ中坊公平氏は「弁護士は意識を変え、公共の利益の担い手になれ」と言っています。とんでもない話です。
これに対して、十一月一日の日弁連大会において、三千五百人の弁護士が反対して決起しました。
司法改革は、憲法改悪に向けた攻撃です。労働者民衆と連帯し手を結び、司法改革を絶対につぶし、憲法改悪を許さない闘いに進みたい。勝利しましょう。
11・5アピール
全国の仲間のみなさん!
二一世紀を目前にして、労働運動はかってない激動と試練の時を迎えています。
十月の米日株価の暴落は、米経済のバブル崩壊がいよいよ近づいていることを示しました。日本経済は、銀行救済や公共事業に湯水のように血税をつぎこんでも景気回復は進まず、膨大な財政赤字だけが積み増しされています。
そごう、千代田生命など大手の倒産が相次ぎ、中小・下請けは再び倒産・首切りの嵐にさらされています。二年来の賃下げは、労働者家計を圧迫し、生活苦が労働者全体に広がっています。
経済再生の切り札のように言われている「IT革命」は、労働者への首切りと不安定雇用化の攻撃です。そして「競争社会への再編」を掲げた新自由主義改革は、市場競争万能主義で規制緩和を強行し、その一切の犠牲を労働者に転嫁するものです。また企業再編法制を強行し、労働者の雇用と権利は一顧だにされず、整理解雇・倒産解雇が大手をふってまかりとおろうとしています。これと果敢に対抗しようとする労働運動は、組対法弾圧や損賠攻撃など団結権破壊の攻撃にさらされています。
新安保ガイドライン法を転換点に政治反動が急ピッチで進み、教育基本法改悪、有事立法や徴兵制準備、沖縄の名護新基地建設、そして明文改憲が政治日程にのぼっています。排外主義暴言や治安出動演習など、石原都政はファシズムへの危険な徴候を示しています。
しかし、労働者人民の我慢も限度に達していることは、長野知事選や東京衆院補選にも示されたところです。経済危機の一切の犠牲を労働者におしつけ、果ては「神の国」「滅私奉公」思想までおしつける森政権への侮蔑と怒りは高まる一方です。
資本主義体制の危機は、社会と政治の根本的変革の条件を成熟させているのです。弱肉強食の競争社会、戦争する国づくりにNOを! いまこそ労働運動は、その中心部隊として登場しなければなりません。
政府・支配階級は、「JRに法的責任なし」を認めよとする「四党合意」によって国鉄闘争と国労運動を解体する大攻撃をかけてきました。分割民営化以来の不当労働行為の集大成というべきこの攻撃に対して、闘争団と現場組合員は、七・一臨時大会、八・二六続会大会、十・二八−二九定期大会と、三たび「四党合意」を阻止しました。
上部団体の違いを超えて、この闘いに熱い共感と支援が寄せられています。労働組合を現場組合員の手にとりもどし、たたかう労働運動を再生する道が示されたのです。
そして多くの労働組合がその本来の役割を忘れさり、企業の論理に取り込まれてきました。しかし、「会社あっての労働者」という合理化協力のいきつく先は、過労死であり容赦ない首切りです。JCOや雪印、山陽新幹線など「安全崩壊」が示すように、資本の効率性の論理にまきこまれて犠牲をおしつけられるのは労働者なのです。
いまや、多くの労働者がこのことに気づき始め、資本と闘う団結を、当たり前の労働組合をとりもどそうと必死でたたかいぬいています。
三年目を迎えた「たたかう労働組合の全国ネットワーク運動」は、今年、大きくその陣形を広げることができました。きょう日比谷野音に集まった私たちを結びつけたのは、労働者が社会の主人公となる社会変革をめざす思いであり、高まる戦争の足音への危機感です。なによりも「団結こそ命であり力である」という確信です。
私たちは、さらに多くの仲間に「全国ネットワーク運動」への結集を呼びかけます。
国鉄一〇四七名闘争に勝利し、大失業と戦争の攻撃をうちくだこう! 本集会を出発点に全産別、全職場で闘いにたちあがり、二一世紀を労働者が主人公となる時代、たたかう労働運動の輝かしい勝利の時代にしようではありませんか。
右、決議します。
二〇〇〇年十一月五日
十一・五たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう!全国労働者総決起集会参加者一同
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