週刊『前進』夏季特別号 第2部(1969号7面1)
恐慌・戦争・大失業に進む帝国主義の打倒へ
革命的情勢の急接近に対応した闘う労働者党としての大登場を
革共同政治集会基調報告 革共同書記長 天田三紀夫
第1章 革命的大衆行動の組織化へ大前進した今年前半の闘い
革共同は、二〇〇〇年決戦の前半戦で、昨年のガイドライン決戦をひきつぎ七月沖縄サミット(帝国主義主要国首脳会議)粉砕闘争へ総決起した。この決戦は、名護東海岸住民を始めとする沖縄人民の懸命な、かつ自己解放性に満ちた怒りの決起を軸に、全学連を先頭とした本土労働者人民の闘う隊列の沖縄・名護現地への登場と、サミット=戦争会議粉砕の戦闘的大デモを実現するものとしてかちとられた。
また、階級的労働運動の不屈の前進をかちとる必死の闘いは、「四党合意」粉砕の七・一国労臨時大会をめぐる決戦に闘う国労の労働者とともに決起し、臨大を休会に追い込み、闘争団切り捨て絶対阻止の新たな戦闘的地平を切り開いた。
さらに六月衆議院選挙闘争は、自公的大政翼賛会政治の確立を許すのか否かという戦後史上でも最大最高の政治決戦として、かつ革命的議会主義を現代的に復権する闘いとして、長谷川英憲氏を押し立て国政選挙に初挑戦し二二、七九九の得票をかちとり、労働者人民の党への第一歩を確実に歩みだした。
これらの闘いは、日共スターリン主義とカクマル=JR総連の反革命的敵対を粉砕し、階級的激突情勢をさらにつくりだし、革命的情勢の急接近に対して革命的大衆行動を対置して闘う革共同の姿を全労働者階級に示すものとなった。二〇〇〇年三大決戦は、怒涛(どとう)の進撃を開始したのである。
今やわれわれは、戦闘的労働組合の総結集をもって労働運動の新潮流形成の闘いを大躍進させるために、二〇〇〇年十一月労働者集会をこれまでを画然と上回る大結集で実現させようという呼びかけにこたえ、総力を傾注してともに闘いぬかなければならない。
巨万人民の革命的大衆行動の組織化は始まったばかりであり、これからいよいよ躍動的発展をかちとる過程へと突入したのである。
第1節 戦争会議=沖縄サミットを完全粉砕した怒りの大デモ
まず、七月沖縄サミットが示したものは何か。
沖縄サミット決戦は、二万二千人の日帝・警察権力および自衛隊・海上保安庁の超厳戒体制と闘い、反戦共同行動委員会六百人を先頭とする本土人民の沖縄・名護現地への登場と、沖縄人民の壮大で鮮烈な怒りの諸行動(七・一五県民大会、七・二〇嘉手納包囲、サミット期間中の名護、普天間、那覇での連続的行動)をもって闘いぬかれた。
闘う全学連を先頭に反戦共同行動委に結集する闘う労働者人民は、百万人署名運動を始め現地に決起して闘う人民とともに、七月十五日の県民大会以降、九日間の闘いを総力をあげて闘った。二万七千百人が結集した二十日の嘉手納基地包囲行動に決起した沖縄人民と連帯して闘いぬき、二十一日のサミット会場への戦闘的デモを頂点に連日、街宣、集会、デモ、交流会、激励会を闘いとり、沖縄闘争−名護決戦の新たなうねりをともにつくりだした。
日帝の沖縄サミットへかけた狙いは、基地撤去を闘う沖縄闘争を圧殺し、名護新基地建設を図るための戦争会議として今次サミットを実現することであった。それは米帝が求めたものでもあった。しかし、この日帝と米帝の狙いは完全に破綻(はたん)し、沖縄闘争の新たなうねりが確実に始まったのである。
その第一は、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)政策が完全に行き詰まったことである。日帝と米帝は、ガイドライン攻撃と一体の攻撃として、普天間基地のペテン的返還=移設、名護への巨大な新基地建設を狙っている。しかし、沖縄サミットのペテン性が次々と暴露される中で逆に巨大な基地撤去闘争の大爆発へと転化することとなったのだ。
これは、クリントンの平和の礎(いしじ)での演説で露骨に示された。クリントンは七月三日の米兵による女子中学生暴行未遂事件にまったく言及せず謝罪の姿勢を示すことを拒否したばかりか、「過去五十年間、日米両政府は、礎の精神に基づいて、その責任を果たすために同盟関係を維持してきた。そしてそれによって、アジアの平和が守られてきた」「沖縄は同盟維持のため死活的な役割を担ってきた」として、基地の無期限永久使用を宣言したのだ。クリントン演説は、怒りの炎に油を注ぐだけであった。
加えて、稲嶺県知事・岸本名護市長らの「名護受け入れ」のペテン的前提条件であった「十五年期限問題」が門前払いで話題にもならないことであった。特に、南北朝鮮首脳会談の衝撃以降の情勢の中で、米帝は朝鮮・中国侵略戦争発動体制の強化のために全力をあげているのであり、普天間移設・名護新基地建設をめぐってペテンをもてあそんでいる余裕などない。日帝はSACO貫徹の強行突破しかないのである。
今回の沖縄サミットをもって安保問題を積極的にとりあげ、高良倉吉のように゛日本国民である限り安全保障のために沖縄基地の重要性を認識せよ゛という論調による攻撃に出てきたことに対して、サミット決戦が闘いぬかれ、そのことによって逆に、沖縄闘争が第三次安保・沖縄闘争として本格的に発展する展望が切り開かれたのであった。
第二は、日帝の体制的政治的危機をさらに促進したことである。日帝は沖縄サミットをとおして「アジアの盟主」として登場し、愛国主義と排外主義の大洪水で政治的危機をのりきり、戦争動員体制を構築し、警察権力の力で闘いを窒息させて、沖縄人民の闘いを根絶やしにしようとしてきた。だが八百億円というけた外れの費用をかけて行ったサミットは、日帝のもくろみがすべて破綻した上に、日米争闘戦のさらなる激化をもたらしただけであった。
実際に沖縄サミットは、一九二九年型世界大恐慌の本格的爆発過程への突入と、それと一体となったアジア情勢の激変、中東情勢の危機の進展の中で、クリントンが遅れて到着し早く帰国したことが示すように、米帝の求心力の後退と帝国主義間争闘戦の一層の激化をさらけ出した。米帝・クリントンは基地問題で日帝に対するいらだちを露骨に示し、日帝・森は何の提起もできず「IT革命」で逃げるのみであったのだ。米帝の推進するNMD(米本土ミサイル防衛)システムは、米ロ対立、帝国主義間対立の深さゆえに論議にさえもならなかった。
第三は、革共同が一年間にわたってサミット反革命との激突に必死で取り組み、革命的大衆行動をつくりだすために闘ってきたことが、沖縄人民自身の苦闘を支え、ともにサミット粉砕闘争の爆発をつくりだしたことである。
革共同は沖縄サミット決戦に際して、沖縄闘争、沖縄基地撤去の闘争、とりわけ名護新基地建設強行の攻撃との闘争が絶対に再びもりかえし、必ずや人民の主導権を取り戻せることを強力にアピールした。闘う沖縄人民を徹底的に信頼し、ねばりづよく、幅広い統一戦線の闘いを進めつつ、着々と革共同としての実力を蓄積してきた。革共同の沖縄闘争についての戦略の正しさと、その生命力の強さに確信をもち、その中で力と説得力、実績を積み重ねて、日共スターリン主義との接近戦をやりぬき、反革命カクマルとの接近戦をやりぬき、一歩一歩勝ちぬいていく道を進んできた。
こうした中で、五・一五闘争、六月県議選、六・二三闘争、衆議院選挙、そして七月サミット決戦の本番へとのぼりつめた闘いをとおして、沖縄闘争は確実に新たな段階に突入したのである。
第四は、この沖縄闘争の新たな段階を示すものとして、南朝鮮・韓国人民の在韓米軍撤退要求闘争との連帯が圧倒的に打ち固められたことである。
南朝鮮・韓国では在韓米軍撤退・移転、韓米地位協定(SOFA)全面改正を求めるデモが爆発している。昨年以来、朝鮮戦争時の米軍による避難民虐殺の真相究明、九二年在韓米軍による殺人事件での身柄引き渡しの地位協定問題、基地労働者の権利問題、米軍の土地使用権(米軍供与地問題)、そして今年五月の梅香里(メヒャンリ)海岸沖での爆弾投下事件に対する弾劾の闘いが激しく展開されている。
それは、沖縄の米軍基地撤去の営々たる闘いと深部で結合し、お互いに呼応し合う連帯闘争をつくりだしている。沖縄サミット粉砕決戦は、この連帯闘争をさらに強めてかちとられたのである。
沖縄サミット粉砕闘争は、沖縄人民と本土人民が連帯し、そして在韓米軍撤退要求を掲げて闘う朝鮮人民と連帯し、圧倒的な大衆的高揚をもって闘い抜かれた。このことは、名護の新基地闘争の再爆発、沖縄闘争の再爆発は不可避であることを告げ知らせた。二〇〇〇年後半には必ずその灯りがあかあかとともされていくことを確信できたのである。
勝利への道は、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の革共同の戦略的総路線の中にある。この〈二つの連帯戦略と一つの打倒戦略〉を今こそ真っ向から掲げ、その実現のために闘うときがきたことをはっきりと確認しよう。
第2節 国労再生への突破口開いた7・1臨大−13時間の死闘
七・一国労臨大をめぐる闘いは、戦後労働運動の頂点で、その歴史を塗り替える十三時間の死闘戦をぶち抜き、臨大を休会に追い込み、「四党合意」の機関決定強行を粉砕した。
八六年修善寺大会をものりこえて、八七年国鉄分割・民営化の強行以来最高の闘いが爆発した。この歴史的事態は、反スターリン主義・革命的共産主義運動の偉大な歴史的到達地平である。なんと言っても、六千万労働者が固唾(かたず)をのみ、戦後労働運動と階級闘争の中に身を置いてきたすべての労働者人民が見守る中で、戦後国鉄労働運動の精華である闘争団が、国労本部による首切り(三度目の首切り)は命に代えても認められないと決起したことの歴史的な大きさである。
この決起は、必ずや戦争・恐慌と大失業攻撃、そして連合の裏切りの中で苦闘する労働者階級の闘うエネルギーに点火し、その内乱的決起を不可避に爆発させるものになる。
この闘いの基底には、革共同の一九全総以来の国鉄決戦論の確立がある。党が内在化し、方針を提起し、革命的情勢をつくりだす中で、闘争団を先頭に闘う国労の部隊が蜂起的に決起したということである。一九全総以来の五年余の革共同の地をはうような必死の宣伝・扇動戦が結実した。さらに言えば、一九全総以来党がやりきれたこと、不十分なこと、そのすべての反映として七・一があった。
そして動労千葉が一〇四七人問題の当事者としてついに国労闘争団と合流し、国労の左派と合流して、七・一の一翼で決起したことの重大性である。七九年動労千葉の分離・独立以来二十年余の営々たる闘いの地平の上で、ついに革命的合流がかちとられたのだ。
七・一の歴史的決起の最大の牽引(けんいん)者であり、かつ血路を切り開いたのは闘争団である。北海道、九州、本州一体となった絶対反対派の闘争団の革命的団結と本部弾劾に踏み出した迫力が、七・一情勢をつくり出した。七・一は文字どおり、現場に結集した百五十人の闘争団全員が逮捕を覚悟し、命がけでのりこんで、「臨大開催を許さない」「四党合意は絶対反対」「闘争団の首切り、切り捨ては認めない」「十三年間の闘いは正義だ」を堂々と革命的行動をもって示した。
また七・一の全行動を根幹で支え、勝利的貫徹に導いたのは、国労内最左派としての国労共闘の存在と闘いである。国労共闘は、闘争団を先頭に押し立て、闘争団の決起を支えるものとして全力で決起した。他方で、闘争団も戦闘的国鉄労働者も、国労共闘の存在と決起を背景にもって思う存分やりきったとも言えるのである。
この力を背景にして、闘う国労の中核的戦闘的活動家集団が今こそ三万組合員の獲得戦で勝負して、チャレンジ一派と上村革同の組織的打倒、本部打倒の闘いに勝利しなければならない。
七・一が示したことは、本部の背後には日帝・権力、資本、既成の全政党が存在しており、またJR総連=カクマルによる国労解体の反革命策動が重圧を加えており、この反革命との倒すか倒されるかの決戦が始まったということである。一朝一夕にはいかない。しかし、七・一をもって開始した革命的蜂起に革共同が責任を取り切り、何としても闘争団を守りぬき、国鉄労働運動の精華を守りぬくことである。
七・一がつくり出した巨大な可能性と、その可能性を本当に革命的物質力に転化して、二〇〇〇年三大決戦がひとつになって六〇年、七〇年をこえる情勢をつくり出すことができるか否かの決定的正念場が到来しているのだ。
確かに戦後労働運動の歴史の中には、執行部の不正義と裏切りに対して、組合員の当然の権利行使として「演壇占拠」に訴えた闘いはいくらでもある。しかし七・一の大きさは、二〇〇〇年という戦後最大の階級決戦のど真ん中で、それも衆議院選挙の結果が生み出している日帝の体制的政治的危機の未曽有(みぞう)の深まりの中で、そごう倒産、ゼネコンの大破産の危機などによって一千万単位の労働者が生き地獄にたたき込まれようとしている中で、百万の国鉄労働運動支援労組勢力を率いてきた闘争団が命がけの実力決起をたたきつけたという点にある。
七・一の十三時間におよぶ決死の闘いは、何よりも日帝権力、連合、カクマル=JR総連に大打撃を与え、敵を震撼(しんかん)させたのだ。いみじくも七・一直後に運輸省幹部は、「形式的に組合が四党合意を認めても、過半数の闘争団が闘いを続けるようなら本当に解決したといえるのか」と言っている。まさに闘争団は七・一で、十四年にわたる労働者魂に貫かれた苦悩と栄光の闘いをすべて水泡に帰すことは命に代えても認められないということを、日帝権力や資本にたたきつけたのである。万一「四党合意」を強行しても、圧倒的多数の闘争団はそんな「ゼロ回答」は拒否することをはっきりさせたのだ。
日帝権力は、闘争団と国労を「四党合意」をもって完全に解体し、階級的労働運動の根絶に一気に突き進もうとする階級意思をむき出しにしてきた。しかし七・一は、この歴史的大攻撃を根幹において粉砕した。同時にこの決戦に、闘争団とともに、実に多くの闘う国労組合員が決然と決起した。
この闘争団と国労組合員の中に、日帝権力の国労解体攻撃を打ち破り、国労を革命的に再生していく力が厳然と存在することを示した。そして文字どおり、「学校政治」と呼ばれる国労内党派政治が崩壊し、大会運営のすべてが激突的状態に入り、この中から、誰が、どこの党・潮流が国労を再生するのかのスタートラインに立った。続開大会が強行されれば、七・一の事態では終わらない。
そうした白熱的決戦に突入したことを革共同は大歓迎し、名実ともに現下の大決戦の指導勢力として自らを変革し、鍛え上げ、飛躍をかちとる闘いにまい進しなければならない。
国鉄決戦が切り開いた闘いは今日、密集する大反動の渦中にある。七・一以降、実力決起した闘争団に対して兵糧攻めの攻撃、すなわち闘争団の物販活動を地本や支部から閉め出すというとんでもない事態が起きている。この反動の極致が七・三の国労本部見解だ。それは「大会破壊の暴力行為に対して、非難するとともに憤りをもって抗議する」「政党及び政府関係者に対して衷心からお詫びします」と言っている。何たることか。闘争団を「暴徒」呼ばわりして、一〇四七人を不当解雇した「政府関係者に対して」なぜ謝罪しなければならないのか。
四党合意とは、「JRに法的責任なし」とすることで、゛闘争団をいますぐ切り捨てろ、国労は自己の一切を清算して自己解体せよ”ということ以外の何ものでもない。まさにこの四党合意こそ最大の暴力である。国労の団結を破壊しているものだ。演壇に殺到して占拠した闘いは、この暴挙に対する闘争団・家族・組合員の当然の権利の行使である。
階級闘争の歴史をみても、不屈に貫かれてきた偉大な闘いを裏切る者への怒りの爆発はすさまじいものがあるのだ。このプロレタリアートの怒りの激しさを党は見誤ってはならない。国鉄決戦は、いまや完全にこの段階に達した。そしてそれは裏切り者を組織的に打倒する闘いである限り、ひとつの革命であり、革命的方法しかないということだ。
すでにこの密集する反動への大きな反撃の闘いが、闘争団・闘う国労組合員・国労共闘の不退転の闘いとして開始されている。続開大会を闘争団とともに完全に粉砕し、現執行部打倒、闘う執行部確立へ総力をあげて前進しよう。
第3節 党の飛躍をかけ国政選挙に初挑戦して切り開いた地平
さらに、衆議院選挙決戦は、長谷川英憲氏のすばらしい奮闘を先頭にして、革共同が杉並というひとつの地域とはいえそこで仁王立ちして、国政に少なからずの影響を与える地平をかちとった。
衆議院選挙が、結論的にはっきりさせたことは何か。
第一は、日帝の体制的危機・政治危機がますます激化していることである。森・自公保政権は、三党の選挙協力でなんとか過半数は維持したものの、きわめて脆弱(ぜいじゃく)な不安定さを増幅した政権として成立している。森政権は本質的に破産を宣告されているのだ。しかし、ほかにないからそれでいくしかないという代物でしかない。しかも公明党の変質と動揺は、体制的危機の激化の中で必ず自公連立の矛盾を激化させる。階級支配の危機をめぐって今後、自民党内は激しく揺れ動くことになる。
一方で有事立法・改憲攻撃の強行は不可避であり、日帝の政治危機は確実に爆発する。
第二に、労働者人民が既成野党の中には選択すべき真の野党をもてなくなったことは、階級闘争の危機と流動化をさらに鋭く進行させることになる。しかし現実には、日帝の体制的危機からする攻撃のかつてない激化と、労働者階級人民の根底からの地殻変動的抵抗と闘いの始まりという情勢に入っているのだ。大衆的鬱積(うっせき)と閉塞(へいそく)感は、革命的戦闘的大衆闘争を求めて活性化するか、ファシスト石原的な扇動に絶望的に吸引される方向を強めるか、そのどちらかしかない。この中で日本階級闘争は激動の情勢に入った。
第三に、総選挙をとおして、既成政党の中には、労働者性をもった党が存在しないに等しい事態がきわめて鮮明になったことである。
民主党の第二保守党化、改憲政党化は、今度の選挙でさらに決定的に強まった。内部の旧社会党系のペテン的存在はより矛盾を激化させる。連合の翼賛化の強まりの中で、さらに労働者性はなくなっていく。他方、連合の組合的空洞化と連合下の戦闘的闘いの激化が、確実に連合の危機を激化させる。
社民党の変質は、社会民主主義から市民主義への変質をはらんだものとして進行し、労働者性の希薄化、切り捨て、放棄とも言える事態へ入っている。
日本共産党は、ブルジョアジーの攻撃にさらされているが、労働者階級に背を向け、帝国主義に忠誠を誓うということになっていく。それは、党名を変えるところまで行きつくしかないような段階に突入している。したがって内部の分岐はますます進み、党的危機を深めることとなる。票の確保という点で全労連的なペテン的囲い込みは放棄できないが、しかし全労連の内部でも矛盾は激しく生起する。労働者の闘いの激発の中で、日共指導との矛盾は激化する以外にない。その場合に必ず日共は闘う労働者との対立を深めていく方向を選択するのである。
主体的実践的結論として、今次総選挙が示していることは、それがどんなに困難であろうと、労働者性・階級性を掲げる革命的労働者党の登場が決定的であり、今後ますます切迫したものとして求められるということである。これに尽きると総括してよい情勢なのである。
必要なことは、政府、自民党、森政権、日帝権力、石原ファシズムの反革命的攻撃に本当に対決して闘える、まったく新しい考え方、方法、理念をもっている政治勢力がひとつの政党として登場することである。それは一言で言って、労働者人民、市民、住民、大衆の怒りと要求を、大衆自身の決起による大衆運動として組織するということにある。これまでのすべての野党がダメなのはこのことができないこと、あるいはこのことを原理として否定しているところにある。
革共同が実現しようとしていることは、大衆が自ら立ち上がって要求を主張し、反動を粉砕することだ! われわれの衆院選決戦は、大衆自身の自己解放運動を原理とする政党、その先頭に立つ政党の台頭としてあった。
革共同はこの衆院選を、今日の日帝がその帝国主義的矛盾から生じた財政危機を口実として、戦後、人民が営々としてかちとってきた社会保障制度の全面的解体を狙ってきていること、そしてその突破口として介護保険制度の導入を強行していることに絶対に反対する闘争への、労働者住民の決起を心から訴えて闘った。
他方で、森の「天皇を中心とした神の国」発言に示された日帝の絶望的凶暴化と危機の爆発の中での、自公保体制との対決として闘った。それを同時に、日帝政治危機の中で台頭する石原ファシズムとの真っ向からの対決として貫いて闘った。まさに、アジア侵略戦争と対米対抗に突き進むための大政翼賛会的政治支配の確立をかけた攻撃と、真っ向から対決する政治決戦として闘いぬいたのだ。
そして介護保険制度廃止の大衆闘争化の実現に今次選挙闘争の成否をかけて突入した。それは、〈要求〉〈権利〉〈団結〉〈組織〉〈行動〉の革命的大衆行動の発展のプロセスを確立する闘いとして開始された。介護と福祉を要求する労働者人民の闘いを、同時に階級的自覚の発展として推進していく闘いを完全に路線化することであった。プロレタリア革命の主体としての労働者階級が階級闘争の主人公であるというプロレタリア自己解放闘争の核心を、介護保険闘争で実践するということであった。
それは、労働者自己解放闘争、自己決定権の行使、闘う一大統一戦線の形成、行動による扇動という、まさにソビエト思想とその実践とも言うべき闘いを開始したものであった。要するに、介護と福祉を求める人民の要求が人間的権利であり、人民的正義であることを確信し、介護保険を強制される労働者人民の怒りや苦悩と党が一体化して、現実の大衆運動を実現できるかどうかであった。労働者階級人民の階級的自己形成のプロセスと、党の組織的変革のための闘いとの統一の中で、介護保険闘争の大衆闘争としての爆発をかちとることが強く要求されたのである。
その闘いは、今次衆議院選挙闘争で開始された。革共同にとってひとつ越えるべき関門、その重い扉は開くことができた。この闘いにおいては、革共同が入管闘争へ決起した時と同じような決意と体制と質が要求されている。またそれは、日共スターリン主義を打倒する闘いと一体である。絶対にやりとげ、必ず勝利しなければならないのだ。そして来るべき次の解散・総選挙に際しては再度、長谷川英憲氏を押し立てて絶対に当選をかちとることを固く固く誓おうではないか。
三大決戦の一体性
革共同は、日帝の体制的危機の爆発と革命的情勢の急接近を前にして、党的途上性の止揚をかけて、とりわけ革命的大衆行動の組織化の決定的意義と課題を二〇〇〇年の三大決戦として明確にさせて闘いぬいてきた。この三大決戦を、文字どおり一つにして三つの闘いであり、三つにして一つの闘いとして整理して闘ってきたのである。それはすぐれて帝国主義打倒の問題なのである。
ここであらためて、この決戦を闘うことの党建設的意義をはっきりと確認したい。革共同の綱領と戦略的総路線で総決起すること自身が、党建設そのものだということである。そして、労働者階級に根を張った革共同の建設、その労働者性、階級性こそが最終的な根底的な力であることについても、しっかりと総括を深化させることが重要である。ここに一切の結論がある。さらに、〈二つの連帯戦略と一つの打倒戦略〉の勝利性に一層の確信をもって闘おう。
すべては、二〇〇〇年決戦の後半戦にかかったのである。十一月労働者集会の大成功へ、全党はまなじりを決してともに総決起していこう。
さらに、闘う学生戦線が不屈の前進を開始している。全国政治闘争の中軸として第三次安保・沖縄闘争を一貫して担い、他方で学生自治会解体攻撃と闘って逆に闘う自治会を確立していることは、学生運動の本格的爆発の時代が始まったことを告げ知らせている。
さらに、革共同の綱領的・理論的・路線的前進である。革共同は今年前半期、『倒せ、ファシスト石原』(四月刊)、『新訳ドイツ・イデオロギー』(七月刊)、『清水丈夫選集第四巻』(二重対峙・対カクマル戦論、七月刊)を発刊して、九九年に続くイデオロギー的闘いの圧倒的前進をかちとった。
この一切の結論は、『新訳ドイツ・イデオロギー』の「訳者あとがき」で提起しているように、反革命カクマルに対して、黒田哲学の本体を含めて断固として革命的批判を加え、イデオロギー的、政治的、組織的、軍事的に現代のナチス=ファシスト・カクマルを粉砕し解体していくことにある。二〇〇〇年において、この面での一大攻勢の闘いを開始しているのである。断固としてこの道を進もう。
第2章 北東アジア情勢の大激動と日米争闘戦の決定的深まり
国際・国内情勢及び階級情勢は巨大な規模で動き始めている。
その一切を規定するものとして、一九二九年型世界大恐慌の爆発過程の深まりと、米帝経済のバブル崩壊寸前情勢があることを、まず確認しておかなければならない。
米バブル崩壊の切迫
九七〜九八年のアジア通貨・金融危機の爆発に始まり、ロシア経済危機を経て日本発・アジア発の世界恐慌過程への突入に至った世界経済の危機は、果たして脱出できたのか。まったく否である。
米帝経済のバブル崩壊をくい止めることは可能であろうか。これもまた、まったく否である。この間の米経済の成長を支えてきたという「IT(情報技術)革命」の進展なるものも、バブルの上にバブルを生み出しているに過ぎない。
この「IT」とはそもそも、米帝が軍事技術として独占していた通信情報技術を経済安保戦略のもとで戦略的に放出し、米帝にとって相対的に有利な情報通信産業を国策的に育成してきたものである。それを武器に、企業の国際競争力においても他の帝国主義をたたきつぶして米帝の独占的支配を貫徹することを狙ったものである。だがその内実は、企業のリストラ・合理化の推進と一部サービス分野での技術革新にとどまり、産業全体の様相を一新するような新たな生産構造をつくりだすものではない。今日の帝国主義世界経済を覆う過剰資本・過剰生産力の重圧を根本的に解決するような、巨大な設備投資のブームを呼び起こすものとはなりえない。
むしろ、「IT」によるこの間の企業間電子商取引の拡大や外部調達の徹底化は、経済全体の投機化を促進する役割を果たしている。それは、新たな金融危機爆発の諸要因を全世界的にますます拡大し、他方で米帝の天文学的な貿易赤字・経常赤字を蓄積し、ドル暴落の危機をますます準備するものとなっている。
今や問題は、米経済のバブル崩壊が阻止できるか否かではなく、いつ崩壊するかでしかない。もはや時間の問題であることは誰にも明白である。われわれがなすべきことは、米のバブル崩壊がいつ来るのかという問題よりも、それを新たな引き金とする二九年型世界恐慌の本格的全面的爆発が、世界史に何をもたらすのかを徹底的に明らかにする作業である。
以下の情勢の激しい動きと今後の展望も、米帝経済の株価大暴落とドル暴落、戦後帝国主義世界経済の統一性の崩壊、世界経済の急速な収縮、各国帝国主義のブロック化・勢力圏化をめぐる激突、その政治的・軍事的激突へのものすごい勢いでの傾斜、世界各国の階級支配の破綻と崩壊、階級闘争の爆発、内戦・内乱の驚くべき発展−−という情勢の到来を前提にしつつ論じなければならない。
「中国大乱」情勢
この間の国際情勢の最大の激変は、@台湾総統選における陳水扁の勝利と中台関係の変動を含む中国情勢の激動、A金大中の北朝鮮訪問と南北朝鮮首脳会談、B「中東和平会談」の決裂である。歴史は確実に音をたてて巨大な規模で動き始めたと言わなければならない。総じて、帝国主義とスターリン主義による戦後支配体制の崩壊が北東アジアで激しく進行し、帝国主義の新植民地主義体制の崩壊の中で、今日の帝国主義世界において最も激烈に衝突している日米の争闘戦が、アジア勢力圏化をめぐってかつてない展開へと突き進むことは確実である。
われわれは、今日の激動を革命的時代精神をもってうけとめ、日本階級闘争の革命的前進が朝鮮・中国人民の闘いと密接不可分に結合していることに確信をもち、日・朝・中の労働者人民の国際主義的連帯の旗を高く掲げて、プロレタリア世界革命の実現のために闘わなければならない。
この中で、先の台湾総統選での陳水扁政権の成立は、中国本土でのチベットや新彊ウィグル地区での民族運動の激化ともからみ、あるいは香港情勢ともからんで、中国スターリン主義体制を激しく揺さぶるものとなっている。他方で江沢民−朱鎔基体制のもとでの中国の国内建設、経済建設の矛盾の激化、国営企業体制の根底的動揺と失業問題の深刻化は、いよいよ激しくなっている。地方都市などでの労働者のデモ隊と警官隊との激突も報道されている。
この中国情勢をいまひとつ決定的に揺さぶるものが、中国のWTO(世界貿易機関)加盟問題である。中国スターリン主義指導部は、スターリニスト政治支配下での外国資本(帝国主義的資本)の一層全面的な導入と、「資本主義化政策」や「市場経済」導入策の行きづまりをいまひとつ打開しようと必死になっているが、しかしこれは賭けである。膨大な失業者・潜在失業者の大海の中に中国経済そのものを沈めかねない危険をもっているのだ。「中国大乱」情勢は不可避に切迫しているのだ。
朝鮮半島の大激動
さらに、南北朝鮮首脳会談と六月十五日の南北共同声明は、朝鮮半島を始めとしたアジアにおける民族解放・革命戦争の新たな爆発を不可避とする情勢を呼び起こしている。
そこでは、分断国家打破と統一への全朝鮮人民の要求の巨大な高まりが歴史的根底にあって、事態がつき動かされている。端的に言えば、帝国主義とスターリン主義による南北分断やその一定の歴史的変形形態のような現状そのものを根底から吹き飛ばす、革命的人民的な民族解放・革命戦争としての本質をもつ南北統一への根底的な歴史的胎動ということである。
帝国主義とスターリン主義のもとで、または五〇年朝鮮戦争以降の長い歴史のもとで、超長期に続いてきた南北朝鮮の分断体制の根底的な崩壊のプロセスが、ついに一線を越えて、激動的に開始されたということである。しかもそれは、明白に、九一年のソ連崩壊によって決定的な分水嶺(ぶんすいれい)を越えたスターリン主義の全面的歴史的破産と、帝国主義間争闘戦のむきだしの基軸的激化という世界史的流れの中で、今ひとつ大きな堤防決壊が始まったということなのである。
もとより今日の現実は、帝国主義の主導下の帝国主義とスターリン主義(残存スターリン主義)の関係や、それを反映した金大中政権と金正日政権の存在やその危機的状況を離れては存在しない。この視点からみるとき、今次南北会談の実現と「共同声明」は、マスコミが言うような「平和」「統一」への歴史的第一歩として無条件に賛美するようなものとは断じて言えない。
すなわち、北朝鮮スターリン主義にとっては、この間の展開は、金日成の死による危機と食糧危機・エネルギー危機=工業の事実上の途絶といった、まさに体制のストレートな分解の危機からのぎりぎりの脱出と金正日体制確立へのプロセスを、「米朝合意」の枠組みのもとで事実上米帝に支えてもらうという関係であったと言える。この矛盾をのりこえるひとつの出口は、南朝鮮・韓国に対して政治的優位のかたちを取りつけながら、しかも一定の経済的協力を引き出す道しかない。
北朝鮮はこの意味で、自主的平和的統一論におけるヘゲモニーをとることで、統一を望む南北朝鮮人民の民族的なエネルギーを一定吸引しつつ、南朝鮮からの一定の経済援助への道をつけようとしている。もはやここにしか、北朝鮮にとっての道はなかったと言える。
では韓国・金大中政権側の狙いはどこにあるのか。リストラ・首切りを強行し、米帝経済の浮揚とアジア経済の若干の立ち直りの中でひと息ついてはいるものの、韓国経済は根本的、本質的に危機から脱出しているわけではない。逆に貧富の差と国内階級矛盾はかつてなく激化しており、政治支配の危機はじりじりと進行している。
この中で金大中は、南北関係の一定の展開によって統一へのナショナリズムを鼓吹することで、自らの政治支配を強化しようとしているのだ。さらには南北の経済交流による経済界の北への投資や輸出入について、幻想も含めてあおり立てている側面がある。
しかし、北朝鮮がとりつけようとする経済協力は徹頭徹尾、北朝鮮権力の統括下に組み敷いたものでしかなく、いわゆる自由な投資のようなことは大規模には絶対にやりきれない。なぜなら経済交流のルートから大量の資本主義的文物が流入し、政治意識の流動化が生ずることはたちまち政治体制の崩壊につながるからだ。その意味では現実に進行することは、政治的経済協力の一定の変種と民間レベルでの一定の動きということを、そう大きくは越えられないのである。
今ひとつの決定的な壁は、在韓米軍問題である。金大中は共同宣言に署名し、自主的平和的統一をうたいあげることに賛成し、在韓米軍問題も金正日との討議の議題にのせたが、これには直ちに米帝が激しい対抗行動を起こした。
このように、南北会談と共同宣言は、それ自体本質的には相互の方面から制約を受けており、一定の限界を越えるものではないのである。しかしながら、その上でなおかつわれわれは、今回の動きが南北分断体制の根底的動揺と崩壊の動きの突破口となることを決定的に重視しなければならない。
第一に、北朝鮮にとっては、南朝鮮・韓国の大統領と会談し統一を討議したことそれ自体が、すでに体制の強権的引き締めの上での危機をつくりだす。また、どんなにじわじわとしたものでも、南北の経済的人的交流が拡大していけば、それは確実に北朝鮮スターリニスト政権の動揺をつくりだすのだ。やはり、北朝鮮はかつて東ドイツが崩壊したコースと似たコースにのめり込みつつあるということだ。
第二に、韓国の側においても統一の火がこれだけつけられた以上、金大中がどんなにたじろいでも南北統一を要求する人民の大運動のうねりは避けられないということである。金大中はブルジョア的民族主義の立場から情勢をボナパルティックに操ったつもりでも、南北の革命的統一に向かって、在韓米軍の撤退要求を含む運動がこれから大爆発していくことは避けられない。すでにその闘いは巨大な勢いをもって始まっている。
「中東和平」の決裂
七月十一日からキャンプ・デービッドで開かれた「中東和平三首脳会談」は、クリントンのサミット出席の遅れに示されるように、「決裂したら戦争」という超緊張状態で進行していた。そして完全に決裂した。
なぜか。それは今回の会議の議題が、これまで棚上げされてきたパレスチナ・イスラエル問題の根幹にかかわる問題だからである。すなわち、@首都エルサレムの帰属問題、A入植地の統合問題を含む領土・境界の画定問題、Bパレスチナ難民の帰還問題である。そのすべてがイスラエルの国家的存立にかかわる問題であり、またパレスチナ人民の譲ることのできない民族自決権のかかった問題だ。
そもそも中東和平会談なるものは、九一年イラク・中東侵略戦争の圧力のもとで、パレスチナ人民の闘いに代表される中東の民族解放闘争をねじ伏せようとする米帝が、PLO=アラファトをイスラエルとの交渉に引き出し、戦後世界体制の枠内にパレスチナ問題をはめ込もうとする帝国主義的策動であった。この過程は、パレスチナ人民に分割・軍事基地国家=侵略国家であるイスラエルの存在を認めさせ、民族解放闘争の解体を要求する過程であった。その代償物としてパレスチナ人民に「与えられた」のは、パレスチナ自治国家という名のもとに、パレスチナ人民をイスラエル国家の支配の中に組み込もうとする策動であった。
この結果、今回の会談の議題となっているような基本的な諸問題は、ことごとく棚上げされて現在に至っているのである。今回の会談の決裂は、全問題を交渉のテーブルの上から、階級闘争、民族解放闘争の場に引き戻すものとなった。パレスチナ・イスラエル問題は、その原点に再び立ち返ることになった。すなわち、米帝とソ連スターリン主義の合意のもとでのイスラエル国家の中東における分割・軍事基地国家としての建設、パレスチナ人民の追い出し(パレスチナ難民問題の歴史的発生)という戦後史的原点である。突きつけられているのは、米帝の中東支配の歴史的破産である。
戦後世界体制における帝国主義の新植民地主義体制形成の要(かなめ)となった二つの分割・軍事基地国家−−朝鮮半島とパレスチナ・イスラエルにおいて、階級闘争、民族解放闘争が新たな爆発を開始した。反スターリン主義・革命的共産主義運動の歴史的台頭が今こそ、決定的に要請される時代を迎えたのである。
日米争闘戦の激化
こうした中で、帝国主義間争闘戦、とりわけアジア・太平洋の支配をめぐる日米争闘戦はいよいよ激化している。
四月十九日に発表された米国防長官の諮問機関・二十一世紀安保委員会の報告は、「将来の統一された朝鮮半島にも米軍は駐留を続ける」と明言し、「その主な理由は統一朝鮮の核武装化を阻止するためである」と述べている。米帝は朝鮮半島における軍事基地・軍事力をけっして引き揚げず、アジア・太平洋と中東など世界各地での侵略戦争遂行の基地として駆使すると傲然(ごうぜん)と言いきったのである。
米帝は今や、朝鮮・中国・アジアをめぐってその帝国主義的権益を守りぬくためには、帝国主義戦争を遂行するつもりであることをはっきりとさせている。しかもここで言う「核武装の阻止」は、朝鮮での核武装のみならず、日帝の核武装の阻止としてあることも明白だ。
今日米帝が総力をあげて追求しているNMDも、その最大の狙いは、米帝のみが核攻撃のできる唯一の帝国主義超大国であって、他の諸国の核戦力は無力化しなければならないという点にある。
さらに米帝はこの間、在韓米軍、在日(沖)米軍の堅持だけでなく、ASEAN諸国との二国間または多国間の軍事合同演習を系統的に追求し始めている。五月二十三日には「コブラ・ゴールド二〇〇〇演習」という米タイ合同軍事演習が行われた。
他方で、日帝のアジア勢力圏化の動きも、今や明らかに一線を越えて動き出している。
昨年シアトルでのWTO閣僚会議決裂以降、次期新ラウンドの立ち上げのめどが立たない中で、日本帝国主義は米帝やEUのブロック経済化への動きに対抗し、アジアに独自の「円ブロック」を形成する策動を猛然と強める方針にはっきりと転換した。具体的には、二国間自由貿易協定(FTA)の締結をめざして、当面、韓国・シンガポール・メキシコ・チリなどを対象として動き出している。
また、米帝抜きのASEANプラス日中韓三国関係の形成の急速な推進、九七年のアジア通貨基金(AMF)構想の形を変えた一定の具体化として、日帝のアジア経済圏確立への動きがせきを切ったように開始されているのである。
日米争闘戦の非和解的激化は、その政治的軍事的対立への転化を不可避とし、アジア情勢の大激動過程への突入と連動して、米日帝による朝鮮・中国侵略戦争の歴史的切迫情勢にますます拍車をかけているのだ。
日帝の体制的危機
こうした中で、日帝の対外的・国内的な体制的危機は今や恐るべきものとなっている。戦後日帝の五十年余にわたる国家・経済・社会の全体制が総破産の危機に直面し、帝国主義間争闘戦の激化と国内階級対立の非和解的激化を前に激しいきしみを発している。日帝の経済危機・財政危機の一層の深刻化と政治危機の鋭い爆発の中から、都知事・石原に代表されるファシスト勢力が本格的に台頭し、これと労働者階級人民との階級決戦的激突の情勢が、これからさらに深まっていくことは明らかである。
この間のそごうの倒産、民事再生法の申請は、そこに至る経過の不明瞭性もさることながら、バブルの崩壊によって抱えている日帝経済の不良債権問題の巨大さをあらためて突き出している。巨大な不良債権は、今なお日帝経済の根幹を揺るがし続けているのである。
日帝政治委員会は、「景気は回復に向かい始めている」などと政治的発表を繰り返しているが、何十兆円という税金を湯水のように投入しながら、実際には世界大恐慌爆発の新たな引き金となりかねない巨大銀行、金融機関の破綻という最悪の事態をなんとか繰り延べしている状態である。過剰資本・過剰生産力問題の解決は、遅々として進んでいないのである。そこにはゼネコン、地銀、保険各社、流通、商社など軒並み問題を抱えた部門が続いているのが現実である。日銀が「ゼロ金利解除見合わせ」を決定した背後には、このように日帝経済の無視できない現実があるのだ。
さらに、九八〜九九年をその転機とする、国家的リストラ法をも使った労働者階級へのすさまじい資本攻勢は、日帝の既存の階級支配を根底から揺るがすようなものをはらんで進展している。
これら一切が示すものは、資本主義がもはや体制として成立しえなくなっているということである。新たな階級=労働者階級の台頭で世界史を切り開くことこそが求められているのである。
第3章 三つの今秋決戦方針貫徹し闘う新潮流運動の大躍進を
第1節 8・26国労臨大続開阻止し国鉄決戦の勝利を切り開け
二〇〇〇年決戦後半戦の最大の課題は、十一月労働者集会への闘う労組、闘う全労働者の大結集をかちとり、階級的戦闘的労働運動の新潮流の鮮烈な登場を全社会に告げ知らせることにある。
一九二九年型世界恐慌の本格的全面的爆発による世界経済の統一性の最後的崩壊、急速な収縮とブロック化が、戦争的危機の激化、あるいは勃発をはらみながら、日本と世界の階級闘争を恐るべき激動時代に突入させることは確実である。九七〜八年以来の情勢は今や根底に、そういう様相をはらんで動いている。
日本の階級情勢をとってみただけでも、恐慌と戦争の勃発直前情勢への日帝の危機感と国家・社会の反革命的改造への突進、労働者人民へのすさまじい攻撃があり、それに対する労働者人民の怒りと危機感と不安・閉塞感の急速な高まりがある。この激動情勢の中で、労働者階級は新しい指導勢力を求めて動きだしており、既存の政党が地に落ち、党派再編・党派選択情勢が激しく進んでいる。
その存在からして革命的存在である労働者階級は、階級的自覚を燃やし、革命的労働者党をその手にもつならば、その力を爆発的に発揮する情勢が来ている。ここにおいて、二〇〇〇年十一月労働者集会への五千人結集実現の意義、その可能性の成熟情勢の進展、その死活性は非常に明白である。
その最初の、最大の決戦は、国労臨大の続開大会を絶対阻止する闘いを全国的に爆発させることである。闘う闘争団とともに、七・一をもはるかに上回る万余の労働者の大決起で続開大会の強行を阻止し、四党合意の息の根を絶つ闘いに総決起しよう。裏切り者をたたき出し、現執行部の総退陣と、闘う新執行部の確立=国労の再生をかちとろう。
そして、この国鉄決戦の勝利を基軸に「労働者の中へ」の実践を今こそ圧倒的に強めることである。全国のあらゆる職場と産別に渦巻く労働者の怒りと闘いのエネルギーを解き放つ闘いに、強力に全力で乗り出すことである。
何よりも、賃金闘争を主軸に、労働者性・階級性の自覚を高め、団結を強めつつ、賃下げや賃金体系の改悪攻撃との対決、雇用条件の改悪攻撃との対決をとおして、すでに開始されている不安定雇用労働者の闘いの組織化や、争議団闘争、失業労働者の闘いの組織化の前進などをもかちとりつつ、本格的な戦争と恐慌の時代の労働運動を創出していくのだ。今や、労働者の闘いが激化・拡大する情勢を迎えている。
他方では、「社会保障構造改革」と称して、戦後の医療・年金・福祉などの社会保障制度の全面的解体攻撃が大々的に開始されている。労働者人民にすさまじい新たな過負担を強制しながら、公的福祉は基本的に切り捨て、福祉は民間企業からお金で買えという、戦後社会福祉の根本的転換を図る攻撃である。介護保険制度導入を突破口に、年金改革、医療制度改革、雇用保険制度改革等々の攻撃が次々と全面的にしかけられている。
日帝支配階級は実にあくどいことに、年金支給年齢を引き上げるという残酷な攻撃をも口実にして、高齢者に対して、年金支給年齢までの定年延長問題をめぐって、実は定年延長とは無縁な「いったん退職・再雇用」の攻撃をかけてきている。現在横行している「解雇=再雇用」という形の賃下げ・不安定雇用化・雇用条件の劣悪化の攻撃を当たり前のものにしようとしているのだ。
また会社の分割(別会社化)の際に、労働者を事実上いったん解雇し、再雇用して無権利状態に放り出す攻撃を満展開している。
カクマル=JR総連の破廉恥な裏切りに基づく国鉄分割・民営化方式の首切り攻撃は、今や最も普遍的な攻撃の方法になろうとしている。これをずるずると認めていっては断じてならない。二〇〇〇年を国鉄決戦の決定的勝利の年に転じ、国労の階級的再生をかちとることを先頭に、このようなやりたい放題の攻撃に対する労働者的反撃の大々的な開始の年にしなければならない。
さらに、「総額人件費抑制」や「国家財政危機」を叫んで繰り広げられている戦後社会保障制度の解体攻撃に対しても、これとの対決を労働運動的闘いの課題に断固押し上げて闘わなければならない。
このような攻防の中で、二〇〇〇年は、連合の翼賛化=帝国主義労働運動のいまひとつの決定的変質と、カクマル=JR総連のファシスト的転向が決定的に深まる年となり、その存立基盤すらぐらぐらに揺さぶられる時代の到来となろうとしている。
連合は今日、日経連と同席し、企業の「国際競争力強化」のためには労働者の犠牲もやむをえないとし、侵略戦争にも積極加担する帝国主義労働運動にのめり込んでいる。JR資本と一体で、労働組合が労働者の首を切る運動を平然と遂行するカクマル=JR総連のファシスト労働運動は、その先頭に立つものだ。こんなものに従っていたら、労働者は地獄の底まで連れられていってしまうのだ。
だが、連合支配に対する労働者の反乱はすでに広範かつ根底的に開始されている。二〇〇〇年を、これら連合やJR総連と対決し、スターリン主義=全労連ときっぱりと決別した階級的労働運動の新潮流の決定的前進の年にするのだ。十一月労働者集会はその号砲である。
同時にこの決戦は、「日の丸・君が代」=教労決戦、石原都政と闘う都労連決戦、全逓決戦を始めとして、全産別にまたがる闘いの前進と一体でかちとられる決戦であることを断固確認しよう。
さらに今日、JR資本とJR総連との間には矛盾とあつれきが激化し、それが新たな段階を迎えている。これは根本的には国鉄決戦や動労千葉の闘いの前進によって、全労働者の怒りが高まっている中で発生していることである。
これは、革共同が一貫して言ってきたように、権力・資本とファシストおよびファシスト労働運動との間の矛盾・あつれきだ。これは労働者人民の闘いが継続し激化する限り単純にはなくならない。いま起こっていることは、JR総連の決定的反革命をさらにケタはずれに促すための葛藤であり、権力・資本と労働者人民、JR総連=カクマルと労働者人民の対立がいよいよ激化していくということだ。その中でJR総連=カクマルが危機にのたうちまわりつつ、反革命的ファシスト的正体をより決定的に自己暴露していく過程が激しく進行しているのだ。
労働運動におけるカクマル=JR総連の絶望的孤立化はいよいよはっきりしてきた。十一月労働者集会の大成功で、カクマル=JR総連打倒への決定的なくさびを打ち込まなければならない。
第2節 9・3治安出動演習粉砕し有事立法・改憲攻撃阻止へ
今秋決戦方針の第二の課題は、沖縄闘争、ガイドライン体制粉砕闘争のさらなる前進の上に、有事立法・改憲攻撃阻止の一大政治決戦へ断固として突き進むことである。
沖縄闘争の前進を
何よりもまず、沖縄闘争の戦略的前進である。
ここであらためて確認しておきたいことは、沖縄闘争とりわけ名護新基地建設阻止闘争は、今どんなに苦しくとも、絶対に日帝や稲嶺らの思惑どおりにはいかないということである。
秋の米大統領選の結果など、情勢がどう展開するにせよ、SACOは巨大な新しい基地建設の問題であり、ペテン的「十五年期限問題」も含めて、まだまだこれから一山も二山もある大闘争だということだ。沖縄サミットというアクロバット的な強圧的方法で、日帝・小渕−森は沖縄への矛盾の強要(沖縄差別の極致)を強行したが、サミット闘争が爆発し、沖縄サミットが終了した今日、闘いは完全に新しい高揚を開く局面へと向かったのだ。
闘う朝鮮人民の在韓米軍撤退要求の闘いと連帯し、沖縄米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いの先頭に立つことが激しく求められている。
ファシスト石原打倒
さらに、有事立法・改憲攻撃との対決を真っ向から宣言することだ。
五月に発表された「読売改憲第二次試案」は、九四年に発表された内容をさらに全面的にエスカレートしたものである。その核心は、九九年の新安保ガイドライン関連法の実行の観点からすべて問題を立てていることにある。@緊急事態条項の新設、A「自衛のための軍隊」の明記、B天皇の元首化、C衆院の法案可決権の強化、D「公共の福祉」ではなく「公共の利益」の概念への転換、E地方自治の原則の明記とは「住民の自立と自己責任を明記」する等々−−読売改憲第二次試案は、第一次試案の時もそうであったが、現憲法の全面的破棄、新憲法の制定を要求しているのである。
一つは、現憲法でうたわれている生命権、生存権、社会的公正の実現、団結権、平和主義等々の基本的人権の理念をすべてにわたって転覆しようとしていることだ。それは、国家への忠誠、国家への義務を一切に優先させるものである。
二つめは、「自衛のための軍隊」をもつことができるとして、憲法第九条の破棄を当然視していることだ。それは、「国際活動への参加」「周辺事態への対応」の名のもとに、帝国主義軍隊としての侵略戦争出動を百パーセント合法化するものである。
三めには、緊急事態法として制定しようとしていることである。これは、議会制民主主義や議院内閣制といった戦後の統治形態から、強権的ボナパルティズム的国家形態への全面的転換を狙う攻撃である。
要するに、ガイドライン法の制定こそがこのような帝国主義軍隊を全面的に復活させ、帝国主義戦争へ突入できる体制をつくりだすための本格的な改憲攻撃を不可避としているのだ。八・一五闘争を突破口に、有事立法・改憲阻止闘争の革命的展望を確立して、直ちに闘う体制を構築していかなくてはならない。
この有事立法・改憲攻撃との第一の決戦は、九月三日の自衛隊三軍の首都治安出動演習を粉砕する闘いである。石原都知事の四・九発言の意図的な排外主義的襲撃・虐殺の扇動、自衛隊の治安出動の公然たる扇動に対して、真っ向からの対決を組織して闘おう。
石原は、自衛隊を「国家の軍隊」として強烈に打ち出し、「三国人」なる差別暴言を吐き、在日朝鮮・中国・アジア人民に対して「不法入国」「凶悪犯罪」のレッテルを張ってむきだしの排外主義的扇動にのりだしている。だが日帝の言う入国の「不法」性とは、入管体制下の差別・抑圧、分断・同化・追放の政策のもとで、「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと勝手」という極悪の排外主義と恐るべき人権侵害を繰り広げてきた結果生み出されているものである。「不法入国=犯罪」と直結して描き出すこと自体が、断じて許すことのできないファシスト的デマゴギーだ。
また石原は、関東大震災(一九二三年)を引き合いに「三国人や外国人が大災害の時に大騒擾(そうじょう)事件を起こす」というデマを意識的に振りまいた。関東大震災はまったく逆に日帝の警察と軍隊がデマをふりまいて在日朝鮮人・中国人を虐殺した事件なのに、平気でそれをひっくり返し、意図的に当時の為政者が行ったのと同じデマの扇動を軍隊に対して行ったのである。軍隊は取り締まりのための組織ではなく、対外的な軍事的せん滅の組織である。この扇動はしたがって、一般的な治安対策的扇動にとどまるものではなく、虐殺の扇動そのものである。
自衛隊の治安出動とは、海外派兵−侵略戦争とともに、国内戦への出動=内乱鎮圧への踏み出しであり、まさにこの点で憲法をじゅうりんし解体する攻撃だ。国家主義・排外主義を扇動し、戦後憲法体制を粉砕しようとする、きわめて攻撃的なものとしてこの治安出動演習は設定されており、反戦反軍闘争、改憲阻止闘争、在日アジア人民防衛闘争を猛然と巻き起こさなければならない。
百万人民決起の運動をさらに強化し、闘う人民の一大統一戦線を形成して闘おう。
有事立法・改憲攻撃との対決は第二に国会における憲法調査会の動向である。この場で明文改憲の論議と策動がどしどし進められていることを許さず、五十五年目の八・一五闘争を出発点に、改憲阻止の中央政治闘争を断固として立ち上げることである。七−八月臨時国会、今秋臨時国会闘争を改憲阻止闘争として闘うことである。
さらに、教育改革攻撃−教育基本法改悪阻止の闘いを改憲阻止闘争として闘おう。「九条をひろめる」と称して、日帝の改憲・アジア侵略の先兵としてふるまうファシスト・カクマル=JR総連の反革命的エセ「憲法闘争」なるものを完ぷなきまでに粉砕しよう。
われわれは、改憲阻止闘争を朝鮮・中国侵略戦争阻止と一体のものとして闘い、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃との戦略的対決としてかちとり、そして改憲攻撃の激化を日本帝国主義打倒の戦略的好機として先制的に闘いぬいていかなければならない。今次第三次安保・沖縄闘争と固く結びつけた改憲阻止闘争に全力でうって出ようではないか。
「教育改革」の本質
日帝の教育改革・教育基本法改悪攻撃は、憲法改悪と一体のものである。それは、戦後的な階級関係の転覆と、社会全体の戦時体制への全面的な転換をかけた攻撃である。その中でも突出した攻撃が、都知事ファシスト石原による「心の東京革命」なるものである。
この教育基本法改悪を貫徹するうえで、日帝にとって最大の課題は日教組運動−教育労働者運動の解体だ。その最大の焦点が教育委員会の職務命令による「日の丸・君が代」の強制であり、東京都で導入されようとしている人事考課制度による愛国心教育の強制である。
しかし、教育労働者は激しく闘っている。その闘いの頂点が、昨年と今年の八・六広島−八・九長崎反戦反核闘争だ。日帝による組織破壊攻撃と不屈に闘う広教組・広高教組や、右翼・自民党・都教委との全面対決に発展している国立の闘いを、全人民の力で断固として守りぬき連帯して闘おう。
ガイドライン粉砕へ
今秋政治決戦のいまひとつの重要な柱は、ガイドライン体制の実体的確立との決戦である。九九年ガイドライン関連法の成立以降、日帝は、新ガイドラインのもとで自衛隊の海外出兵と武力行使に実際に道を開くための、侵略戦争体制の確立に全力を挙げてきた。「北朝鮮のゲリラ部隊による攻撃とミサイル攻撃に備える」という排外主義キャンペーンのもとに、臨検新法(船舶検査法)や領域警備法の制定を画策し、自治体や民間の戦争協力体制をつくりだすのに必死となっている。
この闘いは、第二次森内閣と対決する国会決戦でもある。臨検新法、PKF凍結解除=PKO法改悪、領域警備法の制定阻止を国会決戦として闘い、勝利しよう。一切の戦争協力強制を拒否し、粉砕する闘いを強めよう。
10・8三里塚集会へ
また、とりわけ三里塚暫定滑走路攻撃を粉砕し、三里塚闘争のさらなる勝利的前進をかちとることは、沖縄闘争と並んで、このガイドライン体制の実体的確立を粉砕する決定的な軸となる闘いだ。米日帝による朝鮮・中国侵略戦争遂行の最大の兵站(へいたん)基地である成田空港を廃港に追い込むために、闘う三里塚反対同盟とともに総決起しよう。暫定滑走路建設の破綻が次々と明らかになる中で、日帝・空港公団は農民殺しの正体をむきだしにしてますます絶望的な焦りと凶暴化を深めている。十月八日、全国の力で現地全国総結集闘争を闘い、軍事空港廃港の歴史的勝利への道を切り開こう。
さらに、北富士闘争、関西新空港闘争、日本原闘争へ総決起しよう。全国各地で基地闘争や、激化する米軍・自衛隊の軍事演習との闘いに立ち上がろう。
第3節 介護保険廃止の運動を貫き日帝の全反動攻勢打ち破れ
今秋決戦方針の第三の課題は、帝国主義の体制的危機の爆発と革命的情勢の接近の中で、日帝の全反動攻勢との全面対決を貫いて闘うことである。
大増税攻撃を許すな
その第一は、社会保障切り捨てと消費税の大幅アップ攻撃と対決して、介護保険絶対廃止闘争の大衆的爆発へさらなる前進を闘いとることにある。
政府税制調査会(会長・加藤寛)の中期答申「わが国税制の現状と課題−−二一世紀に向けた国民の参加と選択」は、「租税負担率は主要国で最も低く、消費税率も最も低い水準にある。経済成長に伴う税収入だけで歳入・歳出ギャップを改善させるのは困難」として、ますます深刻化する財政危機の一切のツケを大増税によって突破すべきであると答申した。二〇〇〇年度末の国債残高は三百六十四兆円、国と地方を合わせた長期債務残高は六百四十五兆円に達すると言われているが、その一切を労働者人民の負担に転嫁することを公然と宣言したのである。
そのために、消費税率の最低一五%への大幅アップ、全国一律の外形標準課税の早期導入、所得税の課税最低限の引き下げ、相続税の負担拡大などを打ち出している。大増税リスト一覧ともいうべき政府税調答申を、絶対に粉砕しなければならない。
しかも問題は、その前提として社会保障制度切り捨て、介護保険制度の導入があるということである。介護保険制度とは、介護・福祉の露骨な切り捨てであるとともに、労働者人民にとっては大増税なのである。すでに四十歳〜六十四歳の第二号被保険者の徴税が開始されたのに続いて、十月一日からは、六十五歳以上の第一号被保険者の徴税が開始されようとしている。
四月介護保険制度実施強行以来の全矛盾がいよいよ爆発し、自殺、介護殺人、家族破壊、生活苦などが労働者人民の頭上に襲いかかってこようとしているのだ。労働者人民の怒りとうめき声が聞こえてくるではないか。帝国主義者、日帝の大資本が生き延びるためには労働者人民は死んでもかまわないとするこの攻撃を、断じて許すことはできない。
介護は生きる権利、いのちの要求であることを再度明確にさせ、介護保険制度廃止を全労働者の課題として闘おう。杉並で始まった闘いを全国に広げ、闘う人民による「いのちのネットワーク」を一大大衆運動としてつくりだそう。さらに年金、医療を始めあらゆる社会保障制度解体の攻撃と全面対決して闘おう。
排外主義との対決
その第二は、帝国主義的な民族排外主義・差別主義の大洪水との真っ向からの対決を貫いて闘うことである。
二九年型世界大恐慌と新たな世界戦争の時代への突入の中で、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化し、反帝・反スターリン主義世界革命に向かって前進せよ」という革共同の綱領的路線は、ますますその階級的貫徹を死活をかけて求められている。帝国主義の危機が爆発し、帝国主義間争闘戦の激化とその戦争への転化情勢の中で、帝国主義的国益主義、民族主義、排外主義の攻撃はすさまじい勢いで進んでいる。それは、警察の治安弾圧の強化やファシストによる白色テロルの育成をも伴いながら、革命党派と全国の闘う労働運動、市民運動・住民運動に襲いかかるものとなっている。
この中で、闘うアジア人民との連帯を貫き、排外主義攻撃を真っ向から粉砕する闘いは、戦争攻撃との闘いにおいて決定的な位置をもっている。「難民対策」と称して激化する戦時入管体制強化の攻撃、入管法・外登法改悪の攻撃と対決して、在日アジア人民に対する連帯・支援・防衛の闘いを圧倒的に強めよう。
この闘いは同時に、天皇制イデオロギーとの対決であり、それらと一体となった国内階級支配のための部落差別攻撃を始めとするあらゆる差別分断支配との対決でもある。この闘いに勝利する道は、革命党が、プロレタリア革命と革命的祖国敗北主義の立場から、あらゆる帝国主義イデオロギーや排外主義・差別主義と粘り強く闘い、階級的原則の道を照らし出していく以外にはない。このことが革共同のすべての政治方針の中に貫徹されなければならないのである。
この具体的立場と死活性から、入管闘争、部落解放闘争(とりわけ最大の攻防としての狭山闘争)、在本土沖縄出身者の闘い、「障害者」解放闘争、被爆者解放闘争、女性解放闘争など諸戦線の闘いを全力で闘っていくことが必要である。
反軍戦線の独自的強化も、この現実の中で待ったなしの課題となっている。
今秋決戦こそ全戦線で、新たな闘いの地平を切り開こう。
「司法改革」粉砕を
その第三は、「司法改革」攻撃を始めとした司法反動や、昨年の組対法・新破防法(団体規制法)制定に始まる戦時治安弾圧体制づくりの攻撃と正面から対決して闘う人民の大運動をつくりだすことである。とりわけ、超長期獄中同志の奪還へ、一大政治闘争を爆発させよう。
「司法改革」とは、弁護士会の変質・翼賛化と、人権擁護から治安重視への司法の大転換を狙う攻撃である。それは人権を擁護する弁護士の闘いを”警察の捜査を妨害する違法な弁護活動”とするものであり、戦後民主主義的あり方を解体して警察国家による人民の暗黒支配への道を、この面からも開くものである。組対法・新破防法粉砕の闘いをさらに推し進めることと一体で、「司法改革」攻撃に断固反対し、打ち破る闘いに立ち上がらなければならない。
この闘いは同時に、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判を闘い、十三年の不当長期勾留と闘う須賀同志、十亀同志、板垣同志、同じく七年半を超える長期勾留と闘う福嶋同志の奪還を、全国的大衆闘争として爆発させて勝利する運動である。さらに、日帝権力の報復的な無期攻撃に対して獄中非転向を貫いて不屈に闘う星野文昭同志を絶対に防衛し、奪還しなければならない。そのための全国的闘いへ前進しよう。
富山再審闘争の勝利のために総決起しよう。党が先頭に立って、すべてのデッチあげ弾圧粉砕の勝利をかちとろう。
第四章 日共スターリン主義打倒し2001年都議選の必勝へ
二十一世紀の最初の国政選挙と二〇〇一年の都議選闘争は、革共同のさらなる飛躍を要求している。革共同は、都政を革新する会の人びととともに、杉並をこの決戦の戦場として、必勝を期して闘う決意である。
二〇〇一年の都議選闘争は、都知事ファシスト石原を打倒する政治決戦であ る。それは都労連十万労働者の命運がかかった闘いであり、国鉄決戦と日本労働運動の未来をかけた決戦である。まさに階級的労働運動の前進と一体でかちとられなければならない。日常的な「労働者の中へ」の実践が、これまでにもまして不断に求められる選挙決戦である。
そして何よりも、日帝と石原都政による介護保険制度強行に始まる社会保障制度切り捨て、生活破壊と大増税の攻撃に対して、真っ向から全面的に対決して闘う決戦である。介護と福祉を要求する杉並住民の大衆的闘いを、今こそ地域に根を張った強固な組織と運動として、大発展させなければならない。
闘いの核心は階級的原則をあくまで貫くことにあり、労働者住民の利害を徹底して守りぬく唯一の政治勢力として、その存在と力を示すところにある。この階級的立場に立ちきって闘うことが勝利につながるのだ。その観点から日常性と蜂起性を統一して闘うこと、圧倒的に日常活動を強化することである。
後援会づくり、居住細胞の建設、機関紙誌の定期的発刊と配布をもって、労働者人民、地域住民の中に深く入り、その怒りと要求と根底からの自己解放的決起を引き出し、それと固く結合して闘いぬこう。労働者人民の職場と地域における大衆的闘いと大衆的団結をつくりだし、その先頭に党が立って闘おう。
開始した蜂起を貫け
二〇〇一年都議選闘争はさらに、日本共産党スターリン主義を打倒してこそ勝利をもぎとれる決戦である。この点を、一点のあいまいさもなく明確にして闘いぬかなければならない。
日共スターリン主義は今日、帝国主義の危機の爆発をプロレタリア革命の勝利に転化することに敵対し、逆に日帝の救済者となって労働者人民の決起を圧殺する側に回るという、スターリン主義反革命の本質を露骨にさらけだしている。とりわけ今回の衆院選で日共は、「よりましな政府」を推進すると称して民主党にすり寄り、その立場から自衛隊の有事出動にも賛成すると言い切り、介護保険賛成に転換し、「消費税を三%に戻せ」のスローガンをも取り下げた。
だが日共がこのような形で修正資本主義路線への迎合に最後の一線を越えて突き進んだことは、今日の階級矛盾、階級対立の非和解的激化の中では必ず日共自身の内的危機に転化する。それは、闘う労働者人民への日共の敵対に一層の拍車をかけるものとなるのだ。
問題は、日本共産党のもつスターリニスト的な物質力、組織力、議会主義的枠内での政治力や政策形成能力の一定の大きさと正面から対決して闘い、粉砕・打倒してのりこえる力を本格的に身につけなければならないということである
革共同は二〇〇一年都議選を、現杉並区議の結柴誠一氏を先頭に党の総力を挙げて闘い、必ず当選をかちとるために総決起する。開始した蜂起は最後まで貫くという精神のもと、党として断崖(だんがい)絶壁に自らを立たせて、直ちに新たな闘いを開始することを確認したい。
第五章 改憲派に転向しJR総連の防衛叫ぶカクマル打倒せよ
さらに、今秋決戦の中でわれわれは、今こそカクマル=JR総連打倒の闘い、それを突破口とする反革命カクマル完全打倒の闘いの歴史的勝利に向かって攻めのぼらなければならない。
二〇〇〇年前半の反革命カクマルの特徴は、反革命通信『解放』で次のように、JR総連防衛を前後の見境もなくがなり立てていることである。
一六〇八号(二月二十八日付)−カクマル議長植田「『労組への介入』ではない」
一六一七号(五月一日付)六面論文−「JR東労組などによってけん引されてきた戦闘的鉄道労働者の運動」「連合傘下にありながらも、『護憲・人権・民主主義』とともに、『謀略反対』をかかげて闘っているJR総連・東労組」
一六一七号七面論文−「わが党員は労働組合の内部でいかに闘うべきか」
一六二五号(六月二十六日付)−「『動労型労働運動』の伝統を甦らせよ」
一六二八号(七月十七日付)−「『1047人』問題のドス黒い『政治解決』とJR労働運動の任務」−−などなど。
まさにこのように、JR総連防衛の絶叫のオンパレードである。カクマルがここまで激しくJR総連防衛を機関紙上で叫んでいるのはなぜなのか。カクマル=JR総連、JR総連=カクマルをカクマルが公然と認めたことから出てくる、いまひとつの決定的な事柄は何か。
それは、JR総連が国鉄分割・民営化の強行以来今日にいたるまでやってきた労働者の生活と権利を守るすべての闘いへの反革命的大裏切りを、カクマルが全面的に肯定し承認し推進する立場であることを、カクマルみずから表明したということである。
このことは、カクマルが国鉄分割・民営化攻撃に賛成し、反対する国労や動労千葉の労働者の仲間を集中的に首切ることで松崎らJR総連の組合勢力の温存を図るという、プロレタリアートの闘いの原則を裏切る行為を、党派としてのカクマルが推進したことを正式に承認したということである。
連合よりもっと圧倒的に反革命的な内容のこのような労資一体化を平然とやってのける松崎=JR総連を、カクマルは必死で「戦闘的労組」と言い、守れとわめいているのである。簡単に言えば、カクマルは、定年延長の諸権利など労働者に与える必要はないというJR総連の立場を、全労働者に強要しようとしているのである。分割・民営化の先頭に立ったのと同じように、権力・資本の攻撃の先兵となって、シニア協定や外注化などのリストラ・合理化攻撃の先頭に立って、JR総連およびJR会社の労働者全体の闘いを抑圧・圧殺していくことを宣言しているということだ。
さらに、今までのJR総連のやり方が完全に破産しつくしてしまっており、それをごまかそうとしていることである。すなわちカクマルは、カクマル黒田の本をJR総連の組合員全員に読めと強制しようとしているのだ。日帝の攻撃に抵抗しないで、黒田の本を読めと言っているのだ。なんたる破廉恥の極みか。
カクマルは今年の初めに「カクマルとJR総連の対立」なるものを自作自演で演じてみせた。だが、その本質はJR総連をより反革命化し、カクマル化するためのものであった。JR総連の「一部ダラ幹」がカクマルと黒田の本を学習せずに組合運動主義的に走ったことを「弾劾」している。もっとはっきり言えば、権力・資本の攻撃に対して「大衆集会」を開いたり、昨年のガイドライン闘争のように「動員」を展開したりすることで対応するのはナンセンスである、ということを強調しているのだ。
党と組合の区別だてうんぬんも、実はすべてここから言われている。党としてはいろいろ「左翼」ぶったことを言ったとしても、組合はそれをやってはダメだと言っているのだ。要するに、党としてのカクマルの利益のために、JR総連はとことんカクマルの利害中心で動け、それに反対したり疑問をもったりする者は粉砕しろと言っているのだ。
さらに言えば、権力・資本の大合理化攻撃の先兵になりきることで、権力・資本とのあつれきの中で生き残るために組合員大衆の怒りや反発を抑え込み、それを白色テロル的に圧殺するような、そういう党をJR総連内に建設していく、と言っているのである。
七・一臨大を報道した反革命通信『解放』一六二八号は、このことを露骨に語っている。七・一の闘争団の決起に驚愕(きょうがく)し消耗したカクマルの唯一の方針は、国労解体・動労千葉解体へJR総連は決起せよということなのだ。その解体闘争のために黒田の本を読めと言っているのだ。しかしこれは、カクマル=JR総連の危機をなお一層累乗的に激化させる以外にないのである。
本年一・一政治局アピールで全面的に論じたように、JR総連は昨年、改憲問題の核心に関わる自衛隊と自衛権について承認をし、改憲賛成の立場に公然と移行した。その上での大破産がさらに進行し、今日、労働者階級に敵対する正真正銘のファシスト労働運動として、ますます純化していこうとしているのだ。
改憲賛成派のカクマル=JR総連打倒へ、国鉄決戦を先頭に全戦線で大攻勢をかけ、ファシストとファシスト労働運動を粉砕しよう。
結語 日本革命の勝利かけ党建設の新段階へ突入を
最後に、大情勢、内外情勢の激動とそのテンポの激しさの中で、革共同は、どのようにして時代を切り開き、労働者人民に進むべき方向をくっきりと示せるのか。この回答を、率直にはっきりさせなければならない。
第一は、五月テーゼで確認した「革命的大衆行動」を労働戦線、学生戦線、選挙闘争を先頭に全戦線で圧倒的に切り開いていくことである。それは、今日の革命的情勢への急接近情勢にかみあった、労働者人民が自己の力に確信をもつ闘いの時代をかちとっていくことなのである。もちろん、これは粘り、根気、努力、努力の連続の中からしか生まれてこない。しかし、そのひとつひとつの粘りと根気と努力は、必ず大きく花開くことは明らかなのだ。
第二は、非合法・非公然体制の圧倒的強化である。日帝権力が沖縄サミットをテコに繰り広げてきた党と革命運動圧殺の体制=「七・二一体制」と、そのもとでの波状的家宅捜索攻撃、デッチあげ逮捕攻撃、超長期獄中攻撃の現実に、怒りを爆発させなければならない。文字どおり、帝国主義の危機の爆発、支配の危機の爆発をみすえ、前革命情勢に際して今やらなければならないのは、圧倒的な非合法・非公然体制の確立である。この闘いこそ日本革命勝利の根源的力なのである。
第三は、闘う労働者人民の革共同への総結集の組織化と、〈会議・機関紙・財政〉という党活動の三原則の今日的貫徹の闘いである。反スターリン主義・革命的共産主義運動は、労働者階級自身の事業である。この原点に立ちきって、二〇〇〇年決戦のすべてに断固勝利し、党建設の新しい段階へ突入しよう!
来たる十一月労働者集会の成功を、革共同の五月テーゼの実践の大飛躍をかけて、すべての闘う労働者とともに全力で闘いとろうではないか。それを同時に、党建設の躍動的前進に大きく結実させていくための一個の組織決戦として徹底的に闘い、必ず勝利を切り開こう。
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