基地撤去の奔流が日米帝を揺るがす
厳戒破りサミット粉砕とどろく
「帝国主義の戦争会議=沖縄サミット粉砕!」を掲げ、反戦共同行動委員会は結成以来最大の六百人の沖縄現地派遣団を組織して決起し、闘いの大爆発をかちとった。七・三少女暴行未遂事件や七・九ひき逃げ事件、サトウキビ畑での傍若無人の海兵隊演習など、たび重なる米軍犯罪と演習への沖縄人民の怒りと連帯し、七月二十日の嘉手納基地包囲「人間の鎖」大行動、二十一日の名護現地集会とサミット会場=部瀬名(ぶせな)への戦闘的デモ、二十二日の普天間基地撤去闘争と首里城晩餐(ばんさん)会粉砕闘争を連続的に闘った。全学連(大山尚行委員長)は、この闘いのために沖縄現地行動隊と決戦先遣隊がサミット戒厳令の重圧をはね飛ばして名護、那覇など各地で宣伝戦を行い、決戦本番を百八十人の部隊で牽引(けんいん)した。沖縄サミット粉砕闘争の大爆発は、日帝・森政権が狙った沖縄闘争解体、沖縄人民圧殺の策動を完全に打ち破り、普天間基地無条件全面撤去・名護新基地建設絶対阻止に向かって、沖縄闘争の永続的発展の展望を大きくこじ開けた。九州での外相会合と蔵相会合、沖縄での首脳会合という今回の一連のサミットは、帝国主義の危機と矛盾、とりわけ日米争闘戦の非和解的激化と戦争への動き、日帝の絶望的危機をはっきりと突き出した。米帝は危機的な「中東和平首脳会談」の合意に全力を注ぎつつ、クリントンの「平和の礎(いしじ)」演説で、「沖縄は日米同盟にとって死活的に重要」と宣言し、SACO(日米特別行動委)合意貫徹、沖縄基地強化の野望をあからさまにした。そして首脳会合では「朝鮮半島に関する特別声明」「中東和平など地域情勢に関する声明」を発表し、帝国主義各国が延命をかけて、朝鮮や中東やユーゴスラビアで侵略戦争を強行していく意図を露骨に表明した。闘う労働者人民は、これと真っ向から対決して闘いの大爆発をかちとった。
沖縄圧殺の戦争会議痛撃する大デモ
22日・宜野湾
侵略戦争出撃拠点普天間基地撤去へデモ
クリントン演説は許せぬ
サミット二日目の七月二十二日午後、反戦共同行動委員会は普天間基地のある宜野湾市のあすなろ公園で四百五十人「ガイドライン=戦争法を廃止せよ/普天間基地無条件全面撤去」の集会と普天間基地へのデモを行った。
集会では、前日の二十一日に糸満市の平和の礎で行われたクリントン米大統領演説に対し、各発言者から激しい怒りの表明が続いた。二十数万の沖縄戦の犠牲者の名前が刻んである平和の礎を前にして、ぬけぬけとSACO合意完全実施を宣言し、「礎の心」「命どぅ宝」などの言葉を使いながら、今後も沖縄に米軍が居座り続け、侵略戦争を繰り広げると言い放ったクリントン演説をどうして許せようか。
さらに基調報告に立った東京反戦共同行動委員会事務局長の結柴誠一杉並区議が、沖縄サミット警備特別派遣部隊の警官が交通事故を起こし、大学生の女性が重傷を負ったことを報告し、弾劾した。
連日沖縄現地で闘い抜いてきた反戦共同行動委員会は、ますます怒りに燃え、沖縄県民との連帯をかけ、集会と普天間基地へのデモを貫徹した。
集会は午後一時二十分から新城節子杉並区議の司会で始まった。新城さんは、クリントン演説は、SACO合意をスケジュールどおり行うという沖縄の闘いへの挑戦状だと弾劾した。
主催者を代表して反戦共同行動委員会共同代表の長谷川英憲さんが、沖縄の怒りと結んで、本土の闘いの決意と行動を一身に体現して闘おうとあいさつ。
続いて北富士の天野美恵さん、神戸の被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表が連帯のあいさつを行った。
天野さんは、前日の名護でのデモの時の警察権力の暴言に怒り心頭の弾劾を行い、反戦共同行動委員会の沖縄サミット粉砕決戦の闘いは勝利したと宣言した。
長谷川さんは、被災地も権力や行政の圧力の中で闘ってきたと話し、本土の人間として沖縄に応える闘いをしたいと決意を語った。
基調報告に立った結柴さんは、前日の名護現地闘争は、沖縄サミットの戦争会議としての本質を暴き出し、破産させたと総括した。またクリントン演説の中の「私たちはすべての約束を約束どおりのタイミングで果たします」というのは、二〇〇二年までに新基地を建設するということ、基地機能の強化を「整理縮小・統合」という日本政府のペテンを徹底的に暴き出す必要があると訴えた。さらにクリントンが「命どぅ宝」という言葉を使って、かつて琉球が薩摩に支配されたように、米軍支配を沖縄県民に強要しようとしていると弾劾した。
結柴さんの基調報告の後、連日の闘いへの水や氷のカンパ、救護活動に携わった医療労働者や監視弁護士のみなさんが紹介され、会場から大きな感謝の拍手が送られた。
最後に西村綾子相模原市議、沖縄労組交流センター、全学連沖縄現地行動隊から決意表明が行われた。
西村さんは、日本政府は沖縄を犠牲にしてアジア侵略戦争をやろうとしていると弾劾し、沖縄との連帯をさらに拡大し、責任を持って闘おうと呼びかけた。
沖縄労組交流センターを代表して青年労働者が、七・三米兵暴行未遂事件とクリントン演説は絶対に許せないと、激しい怒りを爆発させた。そして沖縄の未来をつくる闘いをやると力強く決意表明した。
沖縄現地での闘いを担ってきた全学連沖縄現地行動隊の学生は、安心して眠ることも、平和な暮らしも送れないのが沖縄の現実だと七・三米兵暴行未遂事件を弾劾し、基地撤去しかないと訴えた。そして沖縄は金にも暴力にも屈しないと力強く宣言し、全学連はいつでも沖縄にかけつけ、全力で闘うと宣言した。
沖縄派遣団団長の三角忠さんの行動提起の後、米海兵隊の航空基地である普天間基地へデモが出発した。
盾を並べて基地ゲート前を固める機動隊を弾劾しデモを貫徹。デモ隊の「普天間基地の無条件全面撤去」の声に、大勢の中高生が手を振って声援を送る姿が見られた。
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22日・那覇
首里城晩餐会を弾劾
デモに市民の熱い共感
二十二日午後六時、反戦共同行動委員会は、サミット歓迎晩餐(ばんさん)会が行われている那覇・首里城へのデモ(反サミット実行委員会主催)に参加した。
デモは那覇市の中心部、沖縄県庁前からの出発だ。県庁に向かって日帝に屈服し名護新基地建設を狙う稲嶺県政へ怒りのシュプレヒコールをあげた。
参加者が続々と結集してくる中、デモに先立ち、反戦共同行動委員会は独自の集会を行った。
まず北中城(なかぐすく)村議の宮城盛光さんと動労千葉の労働者があいさつを行った。
宮城さんは、クリントン演説は、沖縄に再度の屈辱を強要するものであり、サミットは基地を強化するためのものである、絶対に許せないと訴えた。
続いて大山全学連委員長は、沖縄県民との連帯をかちとり、首里城へ進撃しようと檄を飛ばした。
沖縄のたたかいに連帯する東京会議の狩野正幸さんは、韓国やフィリピン、世界の人民と連帯し、沖縄闘争に勝利しようと訴えた。
全国沖縄青年委員会委員長の新城峯子さんは、「子どもたちの未来を守るために、体を張って血を流してでも、基地を撤去しなければならない。名護では小学生のランドセルや墓の中まで調べている、祖先への冒涜(ぼうとく)だ」と怒りをこめて弾劾した。
沖縄労組交流センターの力強い決意表明の後、反サミット実行委の出発前集会に合流した。
主催者を代表して牧師の西尾市郎さんがあいさつした後、フォークシンガーのマヨナカシンヤさんの「G8サミットみんなで粉砕」などの歌声で気勢をあげ、県庁前を出発した。千人近い参加者で膨れ上がったデモ隊は、地元の商店や事務所の人や観光客などの圧倒的注目と共感を集めながら国際通りを抜け、沖縄サミットの歓迎夕食会が行われている首里城に向かって進んだ。
「サミット粉砕」や「名護新基地建設阻止」を訴えるデモの宣伝カーの声に、道行く人や家や商店からも人が出てきて鈴なりになってデモ隊に声援を送った。一緒にシュプレヒコールをする人や、海外から来た人たちが近づいてきて、エールを交換しあうシーンも見られた。
首里城まで後わずかとなった坂道の途中で「この先規制中」と表示した電光掲示板と共に機動隊が阻止線を張っている。この先が首里城だ。サミット粉砕の決意に燃えたデモ隊は、不当な規制をものともせず、首里城に向かって拳を突き上げ、戦争会議=サミットを弾劾し抜いた。
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