週刊『前進』(1964号1面1)
国政初挑戦で22,799票獲得
森自公政権・ファシスト石原伸晃と全面対決
衆院選決戦の歴史的地平から沖縄サミット粉砕に総決起を
介護保険廃止の全国運動発展へ
東京八区(杉並区)における衆議院選挙決戦は、長谷川英憲候補が国政初挑戦で二二、七九九票を獲得した。他候補は、自民党・石原伸晃が一〇五、七七九票、民主党・片山光代が七七、一三二票、日本共産党・山崎和子が三六、五四六票であった。勝利を目指した全党全人民の総決起にもかかわらず当選にいたらなかったことはきわめて残念であり、この上なく悔しい。だがあらためてこの二二、七九九票が杉並区民、革共同と全国の闘う労働者人民の渾身(こんしん)の決起でかちとった得票であることを考えたとき、その意義は計り知れないほど大きい。長谷川候補に投じられた一票一票は本当に価値ある重いものである。わが革共同は、今回の衆院選決戦を戦後最大の政治決戦として闘いぬき、敢然と国政の場に挑戦して本格的な労働者人民の党への飛躍の突破口を開いた。われわれはこの点について確固たる確信を持ち、これからさらに開始した蜂起戦を断固として貫く。勝負はこれからである。森・自公政権打倒の闘いと介護保険廃止の住民運動を発展させ、民主党や日本共産党に代わる真の野党、真の労働者人民の党として飛躍する決意である。
第1章 民主と共産の屈服のりこえ闘う労働者党への地歩築く
わが革共同は、衆院選決戦、沖縄サミット粉砕決戦、戦闘的労働組合の総結集で新潮流運動の爆発的発展をかちとるという二〇〇〇年の三大決戦の中で、衆院選決戦を戦後最大の階級決戦、政治決戦として位置づけて闘い抜いてきた。昨年夏、衆議院選挙への挑戦を決定して以来、長谷川英憲候補を先頭に全党全人民の総力をあげて必勝を期して闘い抜いてきた。
日本帝国主義は、米帝の対日争闘戦と朝鮮・中国侵略戦争策動の本格的な激化の中で深刻な政治危機を爆発させてきた。日帝はその絶望的突破をかけて、自自公翼賛体制を形成し、周辺事態法(新ガイドライン関連法)の強行以来、国旗・国歌法の強行を始め、組織的犯罪対策三法、団体規制法=第二破防法、あるいは産業再生法や労働法制の改悪によって資本の救済のために労働者人民に一切の犠牲を転嫁する大反動攻撃を強行してきた。今回の衆議院選挙は、日帝がその政治危機を超反動的に突破し、沖縄サミットの強行からさらに有事立法・改憲、朝鮮・中国―アジア侵略戦争参戦へと突き進む巨大な反動攻撃そのものとしてかけられてきたものであった。
だが、労働法制の改悪や首切り・リストラ、福祉の切り捨て、社会保障の全面解体を始め、一切の犠牲を労働者階級に転嫁しようとする攻撃に対して、さらには侵略と戦争に突進しようとする攻撃に対して、労働者人民の怒りは極限的に高まっている。
革共同は、日本の政治が、階級闘争の現状が、確実に新しい局面に突入していることを肌身で感じ、党の総力をあげてこの政治決戦に決起した。われわれにはその中で労働者人民とともにこの反動攻撃をうち砕き、階級闘争の新たな段階を切り開くことが求められていた。この状況の中で、今回の総選挙では森・自公(保)政権にノーをたたきつけ、政権からたたき落とすことが求められていた。何よりも、自公のファシスト先兵である石原慎太郎と伸晃の打倒が求められていたのである。
だが、自公(保)与党三党に対して労働者人民の怒りがわき上がっているにもかかわらず、民主党や日本共産党の野党が総屈服し翼賛化し、真の野党が存在しないということに労働者人民の怒りと苦悩があった。
わが革共同は、ここで敢然と名乗りを上げ、国政選挙に初挑戦し、文字どおり全党全人民の総力をあげた蜂起戦として闘い抜いた。勝利を求めて持てる力をすべて出し切って闘い抜いたのである。
結果は確かに厳しいものであった。しかし、二二、七九九票という得票は、われわれが転向と総屈服の日共や民主党をのりこえて、あくまでも自公政権打倒、ファシスト石原伸晃打倒を真っ向から掲げ、闘って、闘って、闘い抜いてかちとった得票である。介護保険闘争を大衆闘争として爆発させ、住民の怒りを解き放つ中で獲得した、重く価値ある一票一票である。
とりわけ、小選挙区制という革命党や小政党にきわめて不利な選挙制度の中で、それと敢然と闘い抜いた。小選挙区制は、本質的にブルジョア独裁を貫き、革命党の登場を阻止する目的を持ったものであり、きわめて不公平で反民主主義的な選挙制度である。さらには警察権力の長谷川事務所や区民宅への度重なる家宅捜索攻撃などの弾圧と反動キャンペーンを打ち破って、この二二、七九九票という得票をかちとったのである。
そうした点からいえば、この二二、七九九票という得票には大きな重みと価値があり、長谷川候補と都政を革新する会と革共同が、「真の野党」として社会的登場をかちとったということにきわめて大きな意義があるのだ。革共同が、本格的な労働者住民に根ざした党としての第一歩をかちとったということが確信を持って言えるのである。
今回の総選挙の結果全体を見るならば、自公(保)与党三党への労働者人民の怒りは強く、かろうじて安定多数を確保したとはいえ、与党三党で六十五議席も減らし、自民党だけでも三十八議席減という大敗北であった。
しかし、改憲の党である民主党は、課税最低限の引き下げや福祉切り捨てなど自民党以上に労働者民衆からの収奪を強める政策を打ち出し、その反労働者性、反人民性をあらわにした。
さらに日共は、民主党を中心とした政権参加への願望のために転向と裏切りを重ねた。介護保険賛成に転向し、消費税率引き下げのスローガンをおろし、有事には日帝が自衛隊を使って戦争することを認めるという大裏切りを行った。
こうした中で自公政権に怒る労働者人民は、投票すべき野党が存在しないという状況を突きつけられ、これだけ森・自公政権への怒りが強いにもかかわらず、多くの労働者人民が今回も投票を棄権するという事態となって現れた。したがって、民主党は議席を伸ばしたとはいえ百二十七議席にとどまった。しかも民主党の一定の議席増は、自公政権に対するアンチとして選択された結果にすぎない。さらに転向と変質の日共は大きく議席を減らすという敗北を喫したのである。
この選挙結果は、自公(保)がかろうじて安定多数を得たことをもって、森・自公政権が信任され、有権者が「変化を望まなかった」というようなものではまったくない。
大都市を中心に自民党の大物がバタバタと落選し、比例区で民主党が自民党を上回ったことなどに示されるように、労働者人民は明白に自公政権にノーを突きつけたのである。
野党性すら喪失した民主党や日本共産党の総屈服と無力化、そして小選挙区制自体の反革命性に助けられて、「与野党逆転」がまぬがれたというにすぎないのだ。しかも総選挙の結果を経て、日帝の体制的危機、政治的危機はむしろ一層激化していく。
階級決戦、政治決戦の決着はまったくついていない。階級情勢は一九三〇年代的な内乱的激突を一層強めていく。「連帯し侵略を内乱へ」の旗のもとに、〈党の蜂起〉と〈大衆の蜂起〉を正しく結合し、反ファシストの統一戦線を発展させ、絶望的危機にのたうち凶暴化する帝国主義を打倒し、労働者人民の勝利を切り開くために、いよいよ奮闘し闘いぬく時である。
衆院選決戦への総決起から、森・自公政権打倒へ新たな進撃を開始しよう。
第2章 介護と福祉要求し始まった自主的な住民運動の感動性
今回の衆院選決戦で切り開いた地平はきわめて大きく歴史的なものである。われわれは圧倒的な確信を持ってこの点を確認することができる。
衆院選決戦においてわれわれは、介護保険制度絶対反対の闘いを大衆闘争、住民運動として全力で取り組んできた。日帝が、労働者人民を食べさせていくことができないと反革命的に宣言し、大失業と福祉切り捨てと社会保障の全面的解体の攻撃をかけてきている中で、われわれは、労働者人民、労働者家族の生きる権利、いのちの要求として介護保険の廃止を訴え、多くの住民の力強い共感を得て、短期間のうちに自主的で大衆的な住民の決起が開始されたのである。
九七年のアジア経済危機、日帝経済危機による二九年型世界大恐慌過程への突入は、バブル崩壊以降の経済危機に苦しむ日帝経済を深刻な恐慌状態の中にたたき込んだ。これに対して日帝・小渕政権は、膨大な国債の垂れ流しにより景気対策と称して大企業救済、金融危機突破のための財政資金をつぎ込んできた。それによって国家と地方財政の借金が合わせて六百四十五兆円を超えるにいたったのである。
日帝は今、朝鮮・中国侵略戦争への参戦のために、あるいは追加的な景気対策のために、労働者人民への収奪と大増税を強めようとしている。消費税率の大幅アップや社会保障の全面的な解体が策動されている。
介護保険制度の導入は、日帝が介護・福祉のための支出を大幅に削減し、保険料という形で労働者人民に大増税を強制し、他方で福祉は根本から切り捨てるものである。そして従来は公費負担で行われていた介護を民間ビジネスにゆだね、利用者から一割の利用料を徴収することによって金のないものからは介護を奪う攻撃としてかけられてきた。介護保険の導入は、医療や年金を始めとした社会保障全体を解体していく突破口として位置づけられたものである。それはまさに金のない高齢者、プロレタリア家族に対して“死ね”というに等しい攻撃である。
われわれは、本格的な労働者人民の党への飛躍をかけて衆院選決戦に断固として決起し、しかも絶対必勝を目指して闘うことを決断することによって、労働者人民のあらゆる生活の領域を対象化し、それを階級闘争・革命運動全体の関係の中で明らかにし、労働者住民の要求を革命的に貫く立場で闘った。その中から〈平和・くらし・福祉・教育・いのち〉として選挙綱領・公約をまとめた。とりわけ介護・福祉の問題を、労働者とその家族の生きる権利、いのちの問題として据えきり、プロレタリア革命の綱領的・戦略的課題として位置づけたのである。そして、介護保険廃止の闘いを全力で全面的に訴えることをとおして、高齢者を始めとした住民の力強い自己解放的決起がかちとられたのである。
今、日本の労働者人民によって強く求められているのは、日帝経済危機の深刻化と自民党を中心とした支配階級による労働者人民への戦争と大失業と福祉切り捨ての攻撃に対して、この時代を打ち破る新しい潮流、新しい政党、新しい労働者人民の党である。
長谷川候補と都革新を先頭に、今回の衆院選決戦においてわれわれは介護保険廃止の闘いを大衆闘争として組織し、自公政権とファシスト石原伸晃に真っ向から対決して闘う新しい理念、まったく新しい考え方、方法を持っている政治勢力として登場したのである。それは、一言でいえば、住民・労働者人民の怒りと要求を、民衆自身の自己解放的な決起、大衆闘争として組織し創造したということである。
今までのすべての野党が労働者民衆に失望しか生み出さず、民衆から見放されているのは、この原理を否定しているからだ。大衆闘争を真正面から組織し、そうした民衆の闘いと結合して日帝の反動攻撃を打ち破ろうとする政党が存在しないということに、労働者民衆にとって現在の時代の閉塞(へいそく)感がある。
長谷川候補と都革新、そして革共同は、今回の衆院選で、民衆が立ち上がって要求を主張し反動を粉砕する闘いと結合し、民衆自身の自己解放運動を原理とする政党、その先頭に立つ政党として登場したのである。この力こそ、時代を変え、歴史を切り開く力なのである。われわれは、今回の衆院選決戦を真の意味で
8面につづく〜1面からつづく
路線的・綱領的実践として闘ったのである。
介護保険制度絶対反対、福祉と介護を取り戻す闘いを、このような綱領的・路線的実践として闘い、その爆発をかちとったのであり、その意義は計り知れないほど大きい。短期間のうちに直接的に衆院選勝利に結びつくまでにはいたらなかったとはいえ、数カ月の苦闘の中で千人になんなんとする会員の“いのちの叫び”として「介護と福祉を要求する杉並住民の会」が結成され、長谷川候補の当選へ先頭に立って闘うという決起がかちとられたのである。
われわれは、今回の衆院選で党的力量や選挙闘争戦術などでの飛躍の必要性と同時に、労働者住民自身の大衆闘争の爆発をかちとり、それと結びついて選挙戦を闘うという、既成の党派をうち倒して勝利していく戦略的方向性をはっきりとつかんだのである。
われわれは、衆院選で掲げた“公約”を断固として果たすために、こうした住民決起と固く結びながら、介護保険制度廃止まで全力をあげて闘うこと、住民運動を全国的運動として発展させていくことを誓う。この介護保険制度廃止の闘いの中に、革命党が労働者住民と結びついていく巨大な水路があるのだ。またそこに革命的議会主義を豊かに発展させていく道が切り開かれているのである。
第3章 自公政権とファシスト石原の戦争政治うち破る決戦へ
われわれは今回の衆院選への挑戦で開始した蜂起を断固として貫き、次なる挑戦で必ず勝利する決意である。そして今回の衆院選でその勝利への確固とした歴史的地平を切り開いたのである。
今回の衆院選の結果、日帝の体制的危機、政治危機はますます深まった。何よりも、森・自公政権に対する労働者人民の怒りがますます高まっている現実が日帝に突きつけられている。今後さらなる経済危機・政治危機の激化、帝国主義間争闘戦の激化の中で日帝を根底から揺るがす階級的激動は不可避である。森・自公政権とファシスト石原都政による新ガイドライン発動のための有事立法・改憲攻撃、九・三治安出動演習、リストラ、福祉切捨て攻撃と闘い、石原親子を先頭とするファシストの台頭を粉砕する闘いに総決起しなければならない。
森・自公政権を絶対に打倒し、階級決戦をさらに貫き、一九三〇年代的な内乱的階級激突になんとしても勝利しなければならない。今こそ革命党=革共同の大飛躍の時である。
われわれは、今回の衆院選決戦で切り開いた労働者人民自身の自己解放性を原理とした運動の本格的形成、党と大衆の生きた交通関係・結合をさらに発展させていく。本格的な労働者人民の党の建設を断固として推進する。労働者階級の台頭と大衆的決起、これこそ帝国主義とファシストがもっとも恐怖し、ファシストとの闘いを勝利に導く大道である。
直接的には、〈平和・くらし・福祉・教育・いのち〉の公約を全面的に実行していく。何よりも、介護保険制度廃止の住民運動、大衆闘争の発展、社会保障制度解体攻撃との闘いの全面的発展をかちとることである。「労働者の中へ」をさらに推進し、階級的労働運動の前進のために全力で決起する。
さらにファシスト石原打倒をますます高く掲げて、労働運動、地域活動での実践を直ちに開始する。こうした闘いをとおして開始した蜂起戦を断固として貫き、次なる挑戦で絶対に勝利する決意である。
第4章 戦争と沖縄圧殺のサミット粉砕する戦闘的な大デモを
戦後世界体制は、ソ連スターリン主義の崩壊のもとで帝国主義の基本矛盾の全面的爆発の時代が到来し、帝国主義の分裂とブロック化、帝国主義間争闘戦の激化の時代が到来している。その中で九七年アジア経済危機、日帝経済危機によって二九年型世界大恐慌の過程へと完全に突入している。すでにアメリカ経済のバブルは確実に崩壊を開始しており、世界全体を覆い尽くす大恐慌が完全に不可避となっている。
帝国主義のもとで収奪、抑圧されてきた新植民地主義体制諸国がこの帝国主義世界経済危機に直撃されて塗炭の苦しみにたたき込まれ、その中で民族的決起が澎湃(ほうはい)とまき起こり、民族解放・革命戦争的決起として爆発しようとしている。
帝国主義世界支配体制の危機は、アジアを始めとして帝国主義間争闘戦が軍事的対立を含んだものとしてますます深まっていく情勢を進行させている。その最大の帝国主義間争闘戦として日米争闘戦が激しく進行し、それが朝鮮・中国―アジア侵略戦争を歴史的に切迫させているのである。
南北朝鮮首脳会談の本質は、双方の体制の延命、南北分断体制の延命のための政治的な協商である。だがそれは双方の思惑をも超えて、東アジアにおける戦後体制の崩壊と米日帝の朝鮮・中国侵略戦争の歴史的切迫を激しく促進せざるを得ない。そして同時に、それ自身が南北朝鮮人民の南北分断打破・革命的統一への決起の弁を開いた。統一を求める朝鮮人民の巨大なエネルギーは、南北の政権の抑圧と裏切りを打ち破り、巨大な奔流となって爆発することは不可避だ。
このような中で日帝は、沖縄圧殺の帝国主義の戦争会議=沖縄サミットに全力をあげようとしている。米日帝が朝鮮・中国―アジア侵略戦争へと突進しようとする歴史的攻撃を絶対に粉砕する必要がある。
われわれは、衆院選決戦の切り開いた歴史的な地平を引き継ぎ、七・一国労臨大をめぐる国鉄決戦への決起を引き継いで、直ちに沖縄サミット粉砕決戦に全力で決起しなければならない。サミット会場に向かう戦闘的大デモンストレーションを爆発させ、帝国主義の戦争会議を粉砕せよ!
衆院選決戦が切り開いた森・自公政権打倒の闘いを二〇〇〇年決戦の一層の爆発と勝利で前進させよう。
党建設の闘いとして、夏期一時金カンパ闘争と機関紙拡大闘争に全力をあげよう。七・三〇東京(千代田公会堂)―八・五関西革共同政治集会の大成功に向け闘い抜こう。
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