ZENSHIN 2000/02/21(No1945 p06)

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週刊『前進』(1945号1面1)

 高額保険料払えるか?! 福祉解体許せるか?!

 介護保険は中止以外ない

 自自公政権ノー。野党は無力だ沖縄と福祉を闘う国会議員を

 連合・JR総連打倒し春闘爆発へ

 小渕・自自公政権は、戦争と改憲、大失業と福祉解体の一大攻撃に突進している。国会はますます戦争翼賛国会と化し、大失業促進、福祉切り捨て・人民への犠牲転嫁の推進機関になり果てている。二十一世紀突入を前にした二〇〇〇年決戦は、国内階級闘争から見ても国際階級情勢から見ても歴史的大決戦となった。その当面する最大決戦は衆議院選挙決戦である。四月総選挙情勢を見据え、闘う労働者の党の登場をなんとしてもかちとらなければならない。革共同は、「介護保険四月実施中止、介護は全額公費負担で」を掲げて闘う長谷川英憲氏の勝利のためにすべてをかけて決起する。杉並と全国でストップ介護保険の大運動を巻き起こそう!

 第1章 翼賛国会解散せよ衆院選決戦必勝へ

 労働者人民の中には今、小渕・自自公政権の暴政に対する怒りがあふれ、逆巻いている。同時に、屈服と裏切りの野党への失望も一挙に高まりつつある。
 六日の大阪府知事選や京都市長選の結果はそのことを端的に示した。
 こうした中で、民主党を始めとする野党三党は二月八日、全面降伏の形で衆議院議長あっせんに応じ、九日から自自公主導の翼賛国会審議を再開させた。
 議長あっせんの内容は、@「国会改革」が今国会からスタートするので、国家基本政策委員会と憲法調査会で速やかに審議を始めたい、A施政方針演説と代表質問はすでに終わっているので、それに代わる本会議の議事を衆院議院運営委員会で工夫する、B衆院予算委員会における野党の質問時間は配慮する、というもので、憲政史上かつてない自自公の横暴を完全に居直り、改憲攻撃を推進する超反動的な中身である。
 ところが民主党も日本共産党も、これに全面屈服して、「審議再開」に応じ、戦争と大失業と福祉解体に突進する自自公の翼賛国会に協力、加担している。野党もまったく裏切り的であり、無力なのだ。
 今ほど、闘う労働者の党の登場が切実に求められている時はない。反動翼賛国会を変えることのできる、労働者人民の代表=闘う国会議員が今こそ絶対に必要なのだ。自自公翼賛国会は今すぐ解散せよ! 労働者人民が生きることのできる革命勝利の二十一世紀への展望をかけて、衆議院選挙での長谷川英憲氏の勝利をかちとろう。
 小渕は一月二十日の施政方針演説において、@「教育改革国民会議」を立ち上げて抜本的な教育改革を行う、A医療、年金、介護などを横断的に検討して総合的な制度構築をめざす、B景気回復を優先し「財政構造改革」はその後に取り組む、C九州・沖縄サミットを成功させる、D米軍普天間飛行場の代替施設の建設を進める、などの政府二〇〇〇年方針を打ち出した。さらに小渕は、与党側の代表質問に対して、憲法論議や有事法制の検討をどんどん進めると答えている。
 この施政方針演説に示されているように、日帝の二〇〇〇年攻撃の柱は四つだ。第一は沖縄サミットと普天間基地の名護移設=新基地建設の強行、第二は介護保険制度四月導入を始めとした社会保障制度の根本的解体、第三は教育改革、憲法改悪、有事法制など新ガイドライン関連法制定に続く戦争国家化の攻撃、第四は赤字国債乱発による大型赤字財政政策の継続と、「構造改革」と称する賃下げ・大量首切りの攻撃。このどれ一つとっても労働者人民とは相入れない、絶対に許せない大攻撃だ。
 この中で、普天間基地の名護移設に反対する岸本市長リコールの運動と並んで、当面する階級決戦の焦点となっているのが介護保険制度の四月実施問題であり、社会保障制度全面解体を許さない闘いである。

 第2章 戦後社会保障制度の全面解体の攻撃

 日帝・小渕政権は今、介護保険制度の四月導入を突破口にして戦後の社会保障制度を全面的に解体する攻撃に打って出ている。国家破産的財政危機に陥っている日帝は、小手先の政策では危機を打開することもできず、そのすべてを極限的な大衆収奪=大増税と労働者人民の生活破壊に転嫁しようとしている。
 小渕政権が開始している社会保障制度の解体は、@介護保険制度導入、A医療保険制度の改悪、B年金制度の改悪、C確定拠出型年金制度の導入、D雇用保険料の引き上げ、など全面的である。さらにとりわけファシスト石原都政が、大幅な福祉切り捨てを行おうとしている。すべて怒りなしには聞けない大攻撃であり、絶対阻止あるのみだ。
 まず何よりも、介護保険制度の導入だ。この間、厚生省はいくつかの手直し、制度的追加を行い、@介護保険制度で利用できる一カ月の限度額、A個々のサービスの単価、B「家事援助」の利用基準などを決めた。しかしどれも「保険あって介護なし」という介護保険制度の正体を一層明らかにするものでしかない。
 「家事援助」の利用基準について、これまで要介護者が家族と同居している場合は「家族の状況等により必要と認められる場合」としていたが、新たな基準では、同居者が「障害」や疾病などにより家事を行うことが困難なケースに限定した。同居者がいる場合はできるだけ介護保険制度から排除しようというのだ。
 さらに自民党は、要介護認定手続きについて、一次判定の訪問審査を特別養護老人ホームなどの介護施設に委託できる制度を見直すよう厚生省に求めることを決めた。「自分の施設の入所者を追い出さなくてもすむように、要介護度が高くなるよう調査を甘くしている」という指摘があったからだという。養護施設から高齢者を追い出す狙いが露骨である。
 この要介護認定は、介護保険制度の根本問題を突き出している。要介護認定で何万人もが介護サービスを使えなくなり、施設を出ざるをえなくなるのだ。
 具体的には現在、特養老人ホームに入所している人のうち約一万五千人が、要支援・自立と認定され経過措置後、施設を出ざるをえなくなる。現在の在宅サービス利用者で「自立」とされる約四万人は四月からサービスを使えない。病院や老人保健施設からも数万人が追い出される。国や自治体は高齢者を切り捨てても平然としている。
 だから施設を追い出されまいと、高齢者の体の悪化を願う家族すらある。特養ホームで「自立」になりそうな九十六歳の母親に「経過措置の五年以内に死んでほしい」と告げた七十六歳の娘もいた。従来の社会福祉では考えられない事態が起こっているのだ。
 五年前に介護保険を導入したドイツでは、重介護ほど施設の収入になるため、高齢者を虐待するに等しい事態が起こっている。ハンブルグでは一年間で推計百人余りが床ずれが原因で命を落としている。意図的な高齢者の放置がその原因だ。またミュンヘンでは、徘徊(はいかい)する高齢者を無理やり薬で動けなくする、何カ月も風呂に入れないなどの虐待が行われた。介護保険制度導入によって介護の必要度に応じて保険が給付されるため、ホームの実質収入が目減りし、ヘルパーを削減したためだという。現場のヘルパーは「がんばってリハビリすると要介護認定も収入も下がり、放置してより重度にすれば認定も収入も上がる」と、介護保険制度が虐待の温床となることを指摘している。
 福祉は労働者人民の生きる権利だ。しかし四月に介護保険が導入されれば福祉は根本からなくなってしまう。「第二の消費税」と言われる高額保険料を本当に払えるのか。介護保険制度の導入は絶対に中止以外にない。今からでも闘って情勢を変えられる。ストップ介護保険のものすごい怒りと運動をつくり出そう!
 次に、医療保険制度の改悪と年金制度の改悪の反人民性である。
 医療保険制度に関しては首相の諮問機関である社会保障制度審議会が七日、答申をまとめた。その内容は@七十歳以上の高齢者の医療費自己負担を原則定率一割とする、A七十歳未満の現役世代の医療負担上限を、かかった医療費に応じて設定する、B入院食事代を引き上げる、というもの。この答申をもとにして今国会に医療保険制度改悪案が出される。
 要は高齢者医療費の大幅引き上げであり、労働者人民への負担のしわ寄せである。患者の薬漬けがさらに強まり、医療機関のもうけ主義が一段と高まることは不可避だ。
 年金制度に関してはどうか。昨年十二月七日に衆議院を通過し継続審議となっている年金制度改悪関連三法案は、「四つの給付削減策」が柱となっているが、つまるところ、給付総額の約二割が削減されるということである。また、年金支給開始年齢が六十五歳になる。六十歳で定年解雇された労働者は賃金もなく、年金も受け取れなくなる。
 給付削減の目的は、企業の年金負担の軽減にある。厚生年金は、賃金からの天引き、企業負担、国庫負担がそれぞれ同額積み立てられるものだが、財界は「日本企業の国際競争力を弱める企業負担の増加」は一切認めないとしているため、給付削減によって企業負担を増やさないようにするのが狙いだ。だが、そもそも国庫負担の財源は税金であり、国庫負担率の高まる二〇〇四年以降、保険料の値上げや消費税の大幅税率アップが予定されている。つまり、年金制度改悪とは、「金のない労働者は長生きするな」ということだ。
 以上のように、戦後社会保障制度の解体という大攻撃がかけられている。介護保険制度の導入はその攻撃の中軸的、突破口的位置をもっている。戦争と大失業時代の階級決戦として、「介護保険四月実施中止、介護は全額公費負担で」の大運動を今こそ全力で巻き起こそう!

 第3章 名護=サミット決戦勝利へ今が正念場

 当面する第二の大決戦は、米軍普天間基地の名護移設と沖縄サミットをめぐる決戦である。二〇〇〇年の最大の決戦が沖縄サミット粉砕の闘いであることをはっきりととらえて突き進むと同時に、名護移設=新基地建設の阻止を名護―沖縄人民と固く連帯して闘いとることに全力をあげなければならない。
 八日夜、ヘリ基地反対協はリコール署名を集める受任者が同日までに八百人を超えたと発表した。また引き続き受任者の募集を続け、近くリコール署名の収集を始める時期を決め、名護市長選の候補者の人選も詰めていくと表明した。
 受任者八百人という数は、九七年十二月の名護市民投票より多い数である。
 だが他方で、岸本市長は、政府や県の意を受けて、いったん辞任し出直し市長選に再出馬する方針を当面見送ることを表明し、居直っている。小渕政権と岸本市長は、リコール運動つぶしに全力をあげてきている。「特別振興策」や雇用対策などと称して金をばらまき、岸本後援会拡大運動を反動的に組織しようとしている。絶対に負けるわけにはいかない。
 二月こそが決戦だ。名護のリコール運動に対する支援と連帯を全国から集中しよう。そして、名護に米海兵隊の新基地をつくろうとする小渕・自自公政権を許さない闘いを全国で巻き起こそう。
 6面につづく

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週刊『前進』(1945号1面2)

 厚生省に署名を提出

 ストップ介護保険 長谷川氏ら先頭に

 二月九日午前、ストップ介護保険杉並十万人署名運動は、厚生省に対し、介護保険制度の四月実施中止を求める緊急署名の第一次分、四千百三十九筆を提出した。
 署名運動よびかけ人の杉並区民、都政を革新する会代表の長谷川英憲氏、結柴誠一、新城節子両杉並区議、婦民全国協が参加し、「介護保険は福祉の切り捨てだ。直ちに白紙に戻せ」と要求した。
 「新制度の導入は介護・福祉に関する国の責任を投げ捨てるもの」という長谷川氏の追及に対し、応対に出た厚生省の介護保険制度準備室の役人は、「見解の相違」とむきになって反論。「大半の人が今受けている介護が切り下げられたり、打ち切られると悲鳴を上げている」との区民の切実な声に対し、「これまで濃密なサービスを受けていた人の場合はサービスが低下することもある」と暴言を吐き、労働者人民の現実の生活に対する恐るべき無知と傲慢(ごうまん)さを暴露した。
 この卑劣な居直りに怒りをたたきつけ、署名運動の一層の強化を宣言した。(写真)

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週刊『前進』(1945号1面3)

 名護&サミット 決戦レポート

 岸本リコール勝利へ攻勢を

 ヘリ基地反対協は二〇〇〇年冒頭から岸本リコールに猛然と突入している。闘いの主導権はヘリ基地反対協や命を守る会、二見以北十区の会を始めとした名護市民−沖縄人民の手に握られている。昨年の「年内決着」のシナリオ強行に対する新たな反転攻勢の局面に入っているのである。

 第1節 千人の署名提出

 二月一日、「リコールを成功させよう! ヘリ基地反対協学習集会」が名護市・大中公民館に二百人を集めて大成功した(前号既報)。
 続いて七日には二見以北十区の会が、市長への署名提出に先立って、集めた千人に及ぶ署名簿を掲げ持って名護市街地を道ジュネー(練り歩き、デモ)。「民意を表すただ一つの手段として市長をリコールしよう」と呼びかけた。
 移設受け入れの撤回を求めた署名は、地元人口の四三%にあたる八百三十二人と出身者二百八人の合計千四十人分が集まった。二見以北十区の会は、この署名と同時に要請文を提出し、「市長は、二見以北を含めた地元住民との対話の場を設けると約束しながら、いまだ実現していない」など、十項目の質問の回答を市長に求めた。
 また二月六日の一坪反戦地主会第一八回定期総会では、一坪の会員でありながらそれを裏切り、基地受け入れを表明した岸本に対し、「岸本建男名護市長弾劾決議」が採択された。決議文は、岸本市長が一坪反戦地主であることをもって「自らの政治的立場の幅広さを印象づけようとしている」と批判、「一坪反戦地主運動に参加したときの初心を振り返り、現在の政治的行動との著しい隔たりを自覚し、自らの責任において、その出処進退を明らかにすべきである」と、厳しく迫っている。

 第2節 受任者8百人に

 さらに決定的なのは、今年一月から開始されていた「岸本リコール」署名のための受任者が二月八日の時点で、すでに八百人を突破し、「岸本リコール」の声が広範に広がり始めていることだ。九七年名護市民投票の時の受任者は六百人であり、それをはるかに超える受任者が集まっているのである。
 「岸本を引きずり落とせ」「岸本をリコールしよう」の声は名護市民−沖縄人民の声となっている。

 第3節 動揺し問答無用

 岸本は今、明らかに動揺している。それは岸本の言動を見れば明らかだ。昨年のヘリ基地反対協の「リコール宣言」が発せられた時、岸本は「辞任−市長選」ということを明確に考えていた。それが一月下旬段階では、「自分から辞任はしない」と居直りに変わり、二月に入ってからは「辞任も選択肢としてある」などと、言うことが二転三転していることにはっきりと現れている。「リコール運動が失敗し、市長選などやらないで生き残りたい」と、実に虫のいいことを考えているのである。「リコール運動−市長選」を見据えることができないということだ。
 しかしその一方ではリコール運動への憎しみもあらわにして、「リコール運動をたたきつぶす」ことを公言している。まさに問答無用のやり方で移設を決定し、地元住民の声すら聞こうとしない。このような岸本のやり方が、一月二十九日の辺野古区長の自殺未遂という事態を引き起こしたのである。

 第4節 カクマルの敵対

 この決戦に勝利するためのいま一つの決戦がカクマルとの闘いである。去年一年間、カクマルは「『県内移設反対』に反対」を掲げ、学生カクマルを全国から動員し、あらん限りの闘争破壊へと踏み込んできた。しかしカクマルの正体は名護市民や沖縄人民の知るところであり、当然にもはじき返され、政治的孤立と危機を深めただけだ。
 ヘリ基地反対協の「岸本リコール」−市長選勝利に向けた必死の闘いに対し、カクマルはあろうことか「岸本リコールはナンセンス、それどころか犯罪的だ」などと憶面もなく言い放っている。これほどあからさまな敵対があるだろうか。カクマルの敵対・妨害を粉砕し、岸本リコール貫徹、市長選勝利の情勢を切り開こう。
 この二月−三月こそが決定的な決戦である。岸本は後援会を結成し、二月八日には「就任二周年激励会」を開くなど、リコール運動つぶしに躍起になっている。いよいよ正面突破、力勝負の段階に入った。一切は岸本リコール貫徹、名護市長選勝利へと絞り上げられた。
 岸本をリコールし、名護市長選の勝利を全力で闘いとろう。全学連現地行動隊を先頭に、名護新基地建設阻止、沖縄サミット粉砕へ渾身(こんしん)の決起を実現しよう。

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週刊『前進』(1945号2面1)

 戦後教育労働運動の解体狙う人事考課制度の導入を許すな

 都労連闘争引き継ぎ闘おう

 都知事・ファシスト石原のもとにある東京都教育委員会は、昨年十二月二日の「教員等人事考課に関する検討委員会」の最終報告に基づいて、十二月十六日、人事考課制度の「規則」制定を強行し、今年四月からの導入強行を目指している。この人事考課制度導入は、新ガイドライン下の「日の丸・君が代」攻撃、教育基本法改悪の攻撃、学校管理規則改悪と一体の、教育労働者を侵略教育に全面的に動員するための攻撃である。石原の大幅賃下げ・大量首切り・福祉切り捨てと並んで、戦後教育労働者運動の解体を狙う組合つぶしの大攻撃だ。昨秋の都労連闘争の高揚を引き継ぎ、絶対阻止のために闘い抜こう。都の教育労働者は全人民の支援を熱烈に求めている。全労働者階級人民は人事考課制度導入攻撃を自らの問題としてとらえ、この攻撃に全力で反撃しよう。

 第1章 給与と人事で教育労働者の分断図る

 この間、都高教の十割動員の昨年十一・一一集会、今年二・一日教組と東京四単組共催の中央総決起集会など人事考課制度への反対闘争が続いている。しかし石原と都教委は、組合を無視して強引に四月実施に向かおうとしている。
 人事考課制度の内容とはどういうものか。
 それは新勤務評定であり、教育労働者を自己申告制度と業績評価制度を用いて査定し、ランク付けして人事や給与で差別・分断しようというものだ。
 自己申告では、各自が年度当初(四月一日)に「一年間の目標を設定」し、途中(十月一日)で「目標の追加・変更の中間報告」をし、年度末(三月三十一日)に「自己評価」して、そのつど校長・教頭と面接をする。
 例えば四月一日の目標設定の時には、@「学習指導」A「生活指導・進路指導」B「学校運営」C「特別活動・その他」D「研究・研修」の各項目について、それぞれ「今年度の目標」、「目標達成のための具体的手だて||〔いつまでに〕〔どのように〕〔どの程度〕」や「成果と課題」を書き込む。
 校長・教頭は「教員と面接を行い、申告された目標の方向性や水準、達成度について指導助言する」とマンツーマンの指導・管理と査定が導入される。
 業績評価制度では、教頭・校長は四つの「評価項目」(@学習指導、A生活指導・進路指導、B学校運営、C特別活動・その他)について、三つの「評価要素」(@能力、A情意、B実績)で五段階に絶対評価し、さらにそれをもとに教育委員会が相対評価をする。
 第一次評定者は教頭、第二次評定者は校長になっている。「評価に当たっては、主任から参考意見を求めることができるようにする」としている。これは主任制闘争時に「主任は管理職ではない」とした確認を一方的に破棄するものだ。主任を管理職に取り込もうとする狙いがある。
 評価の方法については、「校長・教頭による授業参観は不可欠で、随時行われるべき」と、授業視察を積極的に導入しようとしている。さらに学年・学級経営案を活用するとしている。
 教頭・校長はS(特に優れている)、A(優れている)、B(普通)、C(やや劣る)、D(劣る)の五段階の絶対評価をつけ、教育委員会が五段階の相対評価をつけることになっている。
 しかしこのような評価が客観的にできるはずがないし、きわめて主観的で恣意(しい)的なものになることははっきりしている。

 第2章 50年代勤評闘争の歴史復権させよう

 評価の結果は、定期昇給・特別昇給、人事異動や校内人事・役割分担、研修、管理職選考に利用される。また一時金については現在労使で継続協議中の成績率が導入されれば、それを「活用」しようとしている。能力主義・成績主義で教育労働者をあらゆる側面から査定し、給与や人事などあらゆる形態で差別・分断を狙っているのだ。
 まさに人事考課制度は新勤務評定そのものである。勤務評定反対闘争は一九五六年−五九年に日教組が四年間にわたって組織の存亡をかけて闘い抜いた戦後労働運動の歴史に残る大闘争であった。
 五六年、最初に攻撃を受けた愛媛県を皮切りに全国で激烈に闘い抜かれた。東京都でも五八年に勤務評定制度導入に対して全一日の休暇闘争を全国に先駆けてうち抜いた。勤評闘争は日帝・文部省を震撼(しんかん)させたのだ。
 この闘争の結果として、勤務評定は実質的に形骸化されてきた。

 第3章 「日の丸・君が代」闘争と一体の闘い

 人事考課制度が導入されれば教育現場はどうなるのか。
 授業でも、職員会議でも、職員室でも教育労働者に対する校長・教頭の監視が強まる。年に三回は自己申告のためにマンツーマンの面接・指導を強制される。主任の評価が導入されることで、主任は管理職化され組合から切り離され分断される。「良い評価」を得るためには管理職に対して「良い教師」でなければならないことになる。教育労働者の自主性・主体性が奪われ、教員同士の協力が破壊されていく。
 そして人事考課制度の最大の狙いは、学校管理規則の改悪と一体となって、文部省−教育委員会−校長・教頭−主任−教員というピラミッド型に職場支配体制を強固につくりあげることにある。九八年七月に行われた東京都の学校管理規則改悪の内容は、@職員会議の補助機関化、A校長の権限強化、B教頭の権限強化、C主任の任命権を校長から教育委員会に移すことなどであった。
 これは日帝・文部省の「日の丸・君が代」の強制を中心とする国家主義・愛国心教育・天皇制教育などの侵略教育をストレートに学校教育に貫徹しようとするものだ。そのために教員一人ひとりを校長・教頭を通じて管理・掌握する。その手段として給与差別と人事権を駆使して「文部省の言うがままになる教師」と「言うがままにならない教師」を選別する。労働者を分断し、組合の団結を崩し、「言うがままにならない教師」を給与・人事で差別待遇し、最後には「不適格教員」として学校からの追放を狙うきわめて卑劣で反動的な攻撃である。
 「不適格教員への分限免職制度」は東京都では「指導力不足教員認定制度」として先取り実施されており、すでに三十人以上が認定され五人が退職を強要されている。
 問題は、この攻撃がガイドライン体制下においてファシスト石原都政によってしかけられているということである。石原は、「日の丸・君が代」に反対することはもとより、教育労働者が自由に考え、発言し、行動することができない、管理職にものも言えない職場支配体制を敷こうとしている。そのために組合破壊攻撃をしてきているのだ。
 人事考課制度反対闘争は組合の団結維持と存亡がかかった闘争である。都労連を先頭に全人民の総決起で石原都政を打倒していく闘争の一環であり「日の丸・君が代」闘争、教育基本法改悪阻止の闘いと一体である。朝鮮・中国−アジア侵略戦争阻止、沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の総路線のもとで、階級的労働運動の再生を目指す新潮流運動の飛躍をかけて、教育労働者を先頭に全人民の課題として闘い抜こう。

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週刊『前進』(1945号2面2)

 人事考課反対で集会

 ゛徹底抗戦で闘う″と宣言

 日教組(日本教職員組合)と東京四単組は、二月一日夕、日比谷野外音楽堂で、人事考課制度導入反対中央総決起集会を開催した。東京教組、都高教を先頭に、関東・全国の各教組から三千人の教育労働者が結集し、石原都政と都教育委員会が四月から導入しようとしている人事考課制度を阻止するため、二〜三月ストライキも含めて闘い抜く決意を固めた。
 冒頭、甲谷徹都高教委員長が「都の人事考課制度は、学校現場への管理の強化、権力による支配の強化を全国に先駆けて強行しようとしているものだ。組織の総力を挙げ、全国の闘いと連帯して、ストライキを含めて徹底抗戦で闘う」とあいさつした。
 日教組の川上委員長のあいさつに続き、来賓あいさつとして登壇した日教組退職者団体連合会会長の橋口和子さんは、「四十二年前に勤評闘争を闘った世代として、今こそ現場の人に、あの時のように頑張ってほしい。自自公政権は、戦後最悪のファシスト政権。『日の丸・君が代』、国民総背番号制、ガイドラインを押し通して、教育改革で総仕上げをしようとしている。職場全体の連帯を基盤に闘おう」と訴えた。
 決意表明に続いて、最後に『教職員への人事考課制度導入に反対する決議』として、「@都教委は人事考課制度の一方的な導入を行わず、さらに教職員団体と十分な協議を尽くすことを要求する、A東京都における強引かつ拙速な人事考課制度・新たな評価制度の導入が他県へ拡大することに反対し、全国的なとりくみの一層の強化に全力をあげる」ことを決議した。
 集会は、東京都における人事考課制度=新たな勤務評価制度導入に反対して、初めての全国総決起集会として実現され、現場組合員の怒りと熱気があふれる集会となった。アトラクションのバンド演奏や石原都政を痛烈に批判した寸劇なども行われた。
 ファシスト・カクマルは、人事考課制度反対の闘いが第二の勤評闘争へと発展することに心底恐怖して、日教組の団結破壊のみを目的とするビラをまいて妨害した。労組交流センター教育労働者部会は、カクマルの妨害を一蹴して数千枚のビラをまき、人事考課制度導入断固阻止、「日の丸・君が代」反対、新たな勤評闘争への決起を訴えて、ともに闘った。
 この地平をさらに押し広げ、ストライキを始めとする闘いで、人事考課制度導入を絶対阻止しよう。日教組中央のパートナー路線を打ち破って、人事考課制度導入阻止・「日の丸・君が代」絶対反対、教育基本法改悪阻止の闘いの全国闘争化をかちとっていこう。

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週刊『前進』(1945号2面3)

 郵便課5千人削減の2年目−郵政版ワークシェア粉砕を

 全逓113中央委に向け訴える

 第1章 連合の大転向路線の方針案

 二月十六〜十七日、全逓第一一三回中央委員会が伊豆長岡で行われる。
 今中央委の方針案は、@「連合の二〇〇〇春季生活闘争方針を踏まえつつ」、「『官』の突出を避ける」として賃下げに屈服し、A「行革対応」「ビジョン21の展開」「ニュー・ユニオンの推進」を、二〇〇一年郵政事業庁、二〇〇三年公社への移行に向けた「制度設計」の名のもとに民営化攻撃を推進し、Bとりわけ「地域区分局等内務事務への非常勤活用策」という郵便課五千人削減の二年目の強行を容認し、「高齢者再任用制度の確立」とともに、本務者の首切り、短時間・非常勤への置き換えを進める――などの点を打ち出している。
 連合全逓中央は、「世界的に生き残れる郵便事業体はいくつもないと言われている時代です。『公社』時代はそうした厳しい競争にさらされることは必然でしょう」(高頭委員長、『公益企業レポート』一月二十日付)などと言い、競争に勝ち抜いて郵政事業が生き残るために、郵政省と一体となって労働者への犠牲転嫁を強要する意志をむき出しにしている。
 連合全逓中央は、「連合新政治方針」や「二十一世紀のワークルール」などの連合の大転向路線の先頭に立ち、日経連の賃下げ・首切り・ワークシェアリング導入攻撃に屈服した連合方針を、今中央委で率先して推進しようとしている。今こそ連合―全逓中央を打倒し、現場から総反撃に立とう。郵便職場の実態を暴露し、怒りをもって立ち上がることを訴えたい。

 第2章 年賀100%持ち出しに失敗

 九八年と九九年の年末繁忙期において、東京のいくつかの郵便局で、年賀状の元旦の一〇〇%持ち出しに失敗するという異常な事態が発生した。
 全逓組合員の闘いの歴史において、年賀は常に年末闘争の前に立ちふさがる「聖域」だった。だからこそ、「年賀をとばそう」を合言葉にして闘い抜かれた七八反マル生越年闘争は、すべての全逓組合員の心をつかんだのである。年賀が「とんでしまった」のは、それほどに重大な事態だ。
 A局では、十二月二十九日から三十一日まで四時間の超勤が発令された。しかし、夜九時になっても年賀状の配達道順組立は終了せず、一月一日は組立分だけを配達し、一〇〇%持ち出しに失敗した。B局では二十九日から四時間の超勤が発令され、困難班には違法な六時間の超勤が発令された。それでも道順組立は終了しなかった。一月一日も前超勤が発令されたが、本務者は局内で道順組立の作業にかかり切りとなり一〇〇%持ち出しに失敗した。

 第3章 原因は郵政省の施策にある

 その原因は三つある。
 まず第一に、「新郵便処理システム」が破産していることである。九八年二月から実施された新郵便処理システムとは、集配課の労働者が手作業で行っていた配達道順組立を、新型区分機が機械組立をするというもので、「九〇%の組立能力がある」と郵政省が事前の説明では言っていた。全国で千百局に千七百台の新型区分機を導入し、一万一千人の減員を行うという大合理化攻撃である。
 しかし、この新型区分機は六〇%台の組立能力しかなく、一方、減員は九〇%稼働の減員率で強行しているために、集配課の労働者には、二割、三割の労働強化が日常的に強制されている。新処理システム導入以降、東京では千人の減員が強行された。年賀がパンクするのは当然である。
 第二の原因は、「人事交流」=強制配転の強行である。九六年九月から始まり、職場の労働者の実に三〇%が他局へ強制配転されているのである。郵政省は職場の団結のかなめをなす四十歳代の組合員に狙いをつけている。業務的に何でも知っているベテランの「職員」である。このベテランが配転辞令一枚で、何も知らない「素人」とされてしまい、どこの職場も三〇%の「素人」をかかえ込む事態となった。この労働者に最も業務知識を必要とする年賀作業が押しつけられているのだ。
 東京の各局の課長から「人事交流は春の一回にしてくれ。秋にやると年賀ができない」という悲鳴が、東京郵政局に上げられているという。このままでは労働者の怒りは抑えられないと、今年三月の人事交流は六月に延期されるといわれている。事態の深刻さは明らかである。
 第三の原因は、郵便課の五千人減員の強行である。九九年三月、郵便課の定員が百人を超える東京の十五局で三百三十五人の本務者の減員が強行され、二百十四人の非常勤職員が採用された。人事交流とあわせて、郵便課の職員はてんてこまいである。書留や料金の誤区分は当たり前のこととなり、新型区分機による年賀の道順組立も予定どおりには行われていない。
 「これ以上の減員は許さない。郵政省は業務運行の責任を放棄している」という職場の怒りが、全国大会でも代議員から次々と上げられる事態となっている。
 これらは、日帝・郵政省の民営化攻撃と、これを推進する連合全逓中央の大破産を示している。

 第4章 非常勤が7割占める職場も

 こうした現場労働者の怒りに真っ向から挑戦する形で、郵政省は九九年十一月末に「各種効率化計画の実施」を出してきた。連合全逓中央の容認のもとで、「地域区分局等における非常勤職員の活用等に関する具体的実施計画」の二年目として、東京で六百六十九人、全国で二千人の郵便課の減員を行うことを通告してきた。そして、あくまでも三年間で五千人の減員を行うと宣言したのである。この減員攻撃を許してしまうと、非常勤職員が六八%も占める郵便課すら出てくるのである。断じて許してはならない。
 このでたらめな減員攻撃を行うにあたって、郵政省は「九八年度の郵便事業の六百二十五億円の赤字に対する緊急措置である」と言っていた。あたかも三年間の五千人のみが減員であるかのように見せかけて、この減員計画を始めたのである。しかし、郵便課の本務者の減員と、非常勤職員への置き換えは、緊急措置ではなく、恒常的な減員・首切り攻撃なのである。
 その理由は何か。第一に、郵便事業の赤字を郵政省は解決することはできないからである。大資本のための料金体系に始まり、郵便局にかかわるすべての物品をめぐる資本との癒着構造などが、郵便事業を果てしなく赤字にしている。つまり、赤字が続く限り、緊急措置による減員も続いていくのである。次には、郵便課の定員が百人以下の全国の郵便課で数万人の減員攻撃が始まると見なければならない。

 第5章 日経連ワークシェアと同じ

 理由の第二は、このことこそが核心なのであるが、郵政省における雇用形態の変更の攻撃が、日経連の「二〇〇〇年版労問研報告」の具体的な実践としてあるからである。九四年から実施された郵政短時間職員は、二〇〇三年には一万五千人になる。労働時間は四時間、賃金は半分で、二年間という雇用期限すらつけられている。そして、五万人になろうとする非常勤職員は二カ月の雇用期限をつけられ、まったくの無権利状態で、低賃金で労働を強いられている。
 この郵政省による短時間・非常勤職員へのシフトの実状こそ、日経連のワークシェアリング論の具体化そのものである。「労働時間の縮減に応じて賃金を削減する」「正規従業員の仕事・価値を洗い直し、仕事の性格・内容によって時間給管理が可能なものは時間給賃金とする」との日経連の手法は、郵便局で今現在進行している減員・首切り攻撃そのものである。
 この郵政版ワークシェアリングともいうべき攻撃を郵政省との共同作業で推進する連合全逓中央は、日経連に全面屈服した連合路線の先頭を走るものである。さらに、連合全逓中央が創設するとしている「高齢者再任用制度」は、これと一体の攻撃だ。
 十四万人の本務者を半減させ、短時間・非常勤職員に置き換えるという大合理化攻撃は、帝国主義の延命をかけた、労働者階級にその矛盾の一切を押しつける攻撃である。これと対決し打ち破る理論と、現場での労働者の団結をつくらなければならない。マルクス主義で武装すること、職場細胞を建設すること、職場権力を握ること、この闘いに全力をあげよう。
 そして、全逓労働運動の新しい潮流を発展させ、連合全逓中央を打倒しよう。
 〔マル青労同 全逓委員会〕

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週刊『前進』(1945号2面4)

 経営者と共通意識 鈴木発言弾劾する

 ゛解雇のルール″さえ要求

 一月二十七、二十八日に鳥取県米子市で電機連合中央委員会が開かれた。鈴木勝利委員長はあいさつで、連合の現在のあり方さえ手ぬるいと批判し、帝国主義的労働運動の徹底化を主張した。この鈴木発言は、連合路線の反動的本質を自己暴露したものだ。
 ●セーフティネット提唱
 曖昧(あいまい)な『判例』に身を委ねるシステムから、ルールを明確にする時代を迎えつつあるのではないか。
 「こういう場合には解雇が認められる」「こういう場合には認められない」というルールをつくるべきではないか。
 鈴木は、「整理解雇四条件」すら否定し、「解雇のルール」を明確にしろと言っている。ルールを決めさえすれば、解雇もどしどし認めるというのだ。これが労組幹部の言うことか。
 ルールによって職を失った場合の失業保険の給
付保障、職業訓練の充実、優先再雇用制度などをルール化させ……法制化を図るように期待したい。
 しかも、解雇前提の救済策作りを提言している。これこそ、日経連や連合が提唱する「セーフティネット論」そのものであり、連合提唱の「二十一世紀のワークルール」の帰結なのだ。
 それは、解雇を前提に、解雇されても労働者が死なない程度に「救済」し、再度再々度、競争社会への「挑戦」を強制するとんでもない攻撃であり、「セーフティネット」さえあれば、労働者は首を切ってもかまわない、という反労働者思想そのものだ。日経連会長の奥田は、こうした社会のあり方を「人間の顔をした市場経済」と呼んでいる。とんでもないことだ。
●賃下げも積極的に容認
 マクロ経済論としての『賃上げで個人消費の回復』という理論は、今年
に限っていえば必ずしも有効な主張にはなり得ない。
 連合が『引き上げ額』を決めて、全部の産別が同額の引き上げを要求する賃金交渉は、今年で最後にしなければならない。
 鈴木は、なんと労組幹部として初めて賃下げを積極容認した。これは、連合の「可処分所得の増大を通じた景気回復論」をも踏み破り、日経連労問研報告とうり二つの資本の立場に階級移行した決定的な発言だ。しかも、春闘の廃止さえ提言している。
●ワークシェアと時間給
 鈴木は、「ワークシェアリング導入のための条件整備」と称して昨年夏の日経連セミナーでの発言に続いて、賃下げと一体で時間給導入を提唱した。戦後労働運動の高揚を背景に確立した月給制を解体し、戦前のような時間給で労働者階級全体を不安定雇用化し、労働条件の劣悪化を率先して進め、ワークシェアリングにともなう労働時間削減が賃金削減に直結するあり方を労働者にのませようという許せない発言だ。
●反対意見に危機感表明
 電機連合は時代の変化・予見・洞察を通して、的確な運動を進めている自負を持っていますが、それだけに、時としてグローバル化や構造改革を進める企業経営者と共通の問題意識をもつ場面が生まれることもある。
 鈴木は、労組幹部でありながら、経営者と共通の問題意識を持つと開き直って公言するにいたった。
 さらに、「そうした現象をとらえて」批判する勢力が存在すると、反対意見の増大に危機感を表明している。大失業と戦争攻撃の本格化に対して、連合傘下でも広範な労働者の怒りが充満し、爆発寸前になっている。連合の帝国主義的労働運動化の先兵・電機連合中央を打倒しよう。

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週刊『前進』(1945号2面5)

 沖縄サミット決戦へ

 反戦共同が全活開く

 一月二十九日午後、千葉市で反戦共同行動委員会の全国活動者会議が開かれ、二〇〇〇年前半の闘いの方針を論議し、確認した。
 基調報告に先立って、長谷川英憲元都議(東京反戦共同行動委員会代表)が、衆院選出馬のあいさつと協力要請を行った。
 滝口誠事務局長が「二〇〇〇年を、第三次安保・沖縄闘争の大高揚を切り開き、反戦共同行動委員会の大飛躍の年としよう!」と題して基調報告を行った。九九年の闘いを勝利的に総括し、本格的に始まった大恐慌と戦争の時代という情勢を明らかにし、戦争と反動の自自公体制と対決する衆院選挙決戦の重大性を説き明かした。その上で、普天間基地の名護移設阻止、沖縄サミット粉砕を軸とする今年前半の闘いの方針を提起した。
 これを受けて特別報告を沖縄労組交流センターの労働者が行い、名護現地の情勢を生々しく報告した。基地を受け入れた岸本市長のリコールの闘いが盛り上がっていること、しかしそれはなまやさしい闘いではないこと、サミットキャンペーンが始まり地域を動員する攻撃が強まっていることなどを報告して、本土の決起を訴えた。
 全学連の大山尚行委員長は、名護での現地行動隊の奮闘を報告し、日本の労働者人民が自分たちの課題として対決し、全国情勢にしていくことを訴えた。
 関西反戦共同行動委の国賀祥司事務局長(泉佐野市議)は、本土で沖縄闘争を全力でつくり出そうと訴え「沖縄」で活動家をつくることの大事さを指摘した。
 東京反戦共同行動委の三角忠代表が、九九年の闘いの成果を総括し、とりわけ組対法・団規法反対の戦線でJR総連=カクマルとの闘いに勝利してきたことを強調した。
 全国沖縄青年委員会の新城峯子委員長は、名護をめぐる決戦が緊迫していることを報告、ヘリ基地反対協への支援はまだまだ不十分と指摘し、奮闘を訴えた。
 反戦自衛官が二月の日米指揮所演習の重要性を指摘した。広島、福岡など地方からの発言が続いた。
 婦人民主クラブ全国協の代表は今年新たな気持ちで沖縄闘争を闘う決意を述べるとともに、今年の国際婦人デーを全国集会にすることを明らかにした。
 最後に中野洋代表がまとめの発言を行った。中野代表は、名護新基地建設−沖縄サミットに対する闘いを今年最大の闘いとして闘うことを訴えた。名護五万人の情勢が日本と世界を揺るがす意義をもっていること、ここにわれわれの未来がかかっていることをしっかりと見極めなければならないと述べた。
 参加者は、次の全活までに反戦共同行動委員会の闘いの質的量的な前進をかちとることを誓い合った。

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週刊『前進』(1945号3面1)

 血も涙もない介護保険制度

 相模原市の場合

 4月実施は中止しかない

 西村綾子市議に聞く

 福祉を根本から解体する介護保険制度の四月実施中止に向け、相模原市議で婦人民主クラブ全国協議会代表の西村綾子さんに話を聞いた。(編集局)

 第1章 高額の保険料を無理やり徴収へ 大増税への怒り

 −−相模原市の介護保険をめぐる具体的状況はどうですか。
 一月三十一日に相模原市議会の全員協議会があって、「介護保険事業の概要について」という行政側からの最終報告案が出されました。
 計画の中身について言えば、金の問題がすごく大きいですね。実際に何に一番みんな怒っているかというと、やっぱりお金なんですよ。今朝も駅前で街宣をやったけど、視覚「障害」のおじいさんが「許せない」と言って討論してきた。みんな憤懣(ふんまん)やるかたないという感じです。
 これは完全な増税で、保険と言ったって生命保険みたいな選択権もないし、保証もない。
 相模原の場合は、一つは、六十五歳以上の第一号被保険者の保険料は基準額が二千八百九十円で、一段階の人が千四百五十円、最高の五段階の人が四千三百四十円となっている。年金をもらっている人は年金からの差し引き、四十歳から六十四歳までの第二号被保険者の場合には医療保険と同時徴収になる。生活保護受給者でさえ千四百五十円ですよ。絶対多いですよ。
 第一号被保険者については保険料の徴収を半年間凍結、その後一年間半額としたけど、その後いったい全体払えるのかという質問には一言も答えない。払える保証はまったくないわけです。年金が月一万五千円以上あれば天引きするわけだから、市は八割は取りっぱぐれはないと言っている。後の二割だけが集金に行かなければならない人だというわけです。つまり無収入の人ですよね。ほとんど無理やりむしり取ることになるわけです。
 去年十月から申請受け付けが開始されて認定が進んでいるけど、五千人申請があって四千九百人認定したと言っている。細かくは出されていないからわからないけど、自立という認定もその中にはあると思う。
 ほぼ認定作業は完了したと言っていますが、相模原市の場合は六十五歳以上の高齢者人口は六万五千百四十人です。その中で、たぶん介護を必要とするであろう高齢者の数は、施設介護で千七百二十人、在宅介護で六千五百九十人と推定している。とすると、まだ申請されていない方がたくさんいるわけです。その申請してない人の状況はどうなのかと質問したけど、市としてはまったく考えていない。つまり申請しない限り介護サービスは提供しないということです。できる限り介護サービスを提供しようという立場を市はまったくもっていない。
 ――利用料という面でも実に過酷ですね。
 一月に国が介護報酬単価を発表しました。入浴が一万二千五百円だとか、ホームヘルプサービスが三十分から一時間だと四千二十円だとか、細かく規定されている。
 私のところにいろいろ相談にくる話で、「申請して認定されたとしても一割負担なんてとうてい払えない、申請したって意味がない」と言う人もいる。六十五歳のおばあさんが、元気なんだけどすごく太っちゃってて、足が悪くてうまく動けない。ほとんど無収入で、そのおばあさんが「介護保険の申請をしたって絶対払えない、申請なんかしない」と言っている。そういう悲惨な状況がいろいろ起こってくるでしょう。
 ――結局、介護が切り捨てられるわけですね。
 今まで入所しているお年寄りは、本来は無料で、財産がある人はそれを計算していくら払ってくださいということだったけど、それでも一銭もお金がなくても介護が必要で順番さえ来れば入れてくれたのに、これからはそうはいかなくなる。まず保険料を払っていて、申請がされて、認定されて、費用が払えなければ入れない。
 施設入所の関係から考えてみると、今までは国から補助金が来ていたんだけど、これからは施設の側からすればお金が少ししか取れない人はお荷物になるということで、収入の多い人を選ぼうとする。公的な福祉でなく民間だったらよけいそうなるわけです。認定がどうなのかということと、お金を払えるのかということが基準になるわけですよ。

 第2章 公的福祉を解体 介護は切り捨て 保険証取り上げ

−−市の高齢者保健福祉事業との関係はどうなるのでしょうか。
 相模原市の場合は認定漏れが多いだろうと言われてきたことに対して、今までやってきた水準は落としませんと公約した。どうしたかというと、在宅介護の場合でも今まで受けていた在宅介護の認定外の部分については市独自の高齢者保健福祉事業として、経過措置として保証するとした。だが、新たな人はだめだと言っている。
 その認定外部分の負担がいったいいくらになるかということが問題でしょ。きょうそれを追及したけど、結局答えませんでした。国の考え方では、認定漏れで自分がやってほしいと希望する場合は一〇〇%自己負担になる。「今までの水準は保証しますと言うんだったら、今までと同額なのか」と聞くんだけど、結局答えない。五〇%の自己負担になるという話もある。
 そうすると結局、保険料はむしり取られた上で、認定漏れで何ひとつやってもらえない。
 たとえば、デイケアセンターというのがあって、毎日通ってリハビリをしたり入浴をしたりというのが全国的につくられてきたけど、認定されない人は行けなくなる。行ける人の費用も介護保険制度によって一割負担で行くことになる。市は「一人六千円ですと、一割負担で料金は一人六百円になります」と答えている。
 ところが現実には認定されないかもしれない人もいっぱい行っていたんですよ。そういう人たちをどうするのかということについては、「市の高齢者福祉サービスとして受け入れます」と言うんだけど、ではその認定外の人はいったいいくらになるのか。わずか一日でですよ。五割だったら三千円でしょ、大変な負担になっていく。
――やはり介護が根本的に切り捨てられるという点では変わらない。
 きょう介護保険条例の骨子が出された。その中で「市民の責務」として「市民は、要介護状態となることを予防するため、常に健康の保持増進に努めるとともに、適切な保健医療福祉サービスを利用することで、有する能力の維持向上に努める」とある。
 なんということだと思います。誰が好きこのんで病気になったり、介護を必要とする人になるのか。そもそも市民が健康の維持向上に努められるように保障するのが福祉であって、国と行政の責任を放棄して、病気になったらおまえの責任ということですよ。中曽根が「老人福祉は枯れ木に水をやるようなものだ」と言ったそうした考え方が貫かれていると思う。
――保険料を払えないとどうなりますか。
 介護保険については、罰金のほかに次の年の一割負担が三割負担になるとか、一度滞納するといったんお金を十割渡さないとやってくれないようになるんです。いったん十割払った上で後から七割返ってくる。三割負担というのはそういうものなんです。ペナルティはものすごく厳しくなりますね。
 健康保険に関するところでは、国が健康保険の法律を変えて、これまでの「保険証を取り上げることができる」というのを「取り上げることを義務とする」と指示してきているので、すでに相模原市でも条例を変えています。それに沿って細かく規定を作った。すぐ取るとは言わないんだけど、介護保険制度が始まったら滞納すると保険証を取られることになりますね。
 さらに、ヘルパーさんだとか介護労働者の賃下げが予想されます。市内を歩いていたら、ホームヘルパー募集、時給五百円というのを見たんですよね。それこそ最低賃金制も無視したとんでもない低賃金ですよ。
 介護保険制度がいかに非人間的かということの一つに、高齢者自身の人間の尊厳を傷つけるものになっていくということがあると思うんです。要介護認定の八十五項目のチェック項目があって、その調査というのは全部身体チェックですよね。その方の介護の状況は一切関係ない。しかも本人に聞くわけですよ。本人に「あなたおむつをしてますか。あなた歩けますか」と聞くことの問題性はやっぱりある。プライドもある中で、そういうことを聞かれても本当のことが答えられないこともある。それでコンピューターで正しい判断ができるのか。
 特別養護老人ホームなどの施設から一万五千人ぐらいが出なければいけなくなるという問題について、国は経過措置をとったと言っているけど、五年間の猶予と言ったって、まじめなお年寄りは「あなたはここに居てはいけないんだけど温情で居させてあげます」なんて言われて喜んで毎日暮らせるか。ほんとに血も涙もない制度だと思います。
――財政危機だから仕方ないと宣伝していますが。
 相模原市は市の財政が四億円削減されると言った。全国的に言っても四兆いくらかが削減されるぐらい。四兆というのは防衛予算が四兆九千億ぐらいで、それを削減すれば出る。そういうことも言っていった方がいいんじゃないかと思っている。大企業に何十兆も投入するんだったら、何でこんなところをケチるのか。税金の使い道としていかにも不当じゃないかと。

 第3章 国政の場で論陣張る人の登場を 長谷川さんに期待

――これからの闘いという点ではどうですか。
 四月実施中止に向かってさらに闘っていくつもりです。怒りが爆発し運動になるまでには一定程度時間がかかるのかもしれないけど、必ず大衆の怒りが爆発すると思っています。
 相模原でも介護保険の実施中止を求める署名に取り組んでいますが、すでに百三十通、五百人ぐらいの署名が返ってきている。取り組みを強めてぜひ中止にもっていきたい。
 これほど切実な問題でありながら、政府が中身についてわからなくしてきたという問題がありますよね。それと共産党がそうですし、連合もそうですが、「こんな極悪な制度は中止しかないんだ」ということを、どこも言わなかったのが絶対大きいですよね。
 私は四月実施を前にして、まだ始まってもいない中で、真正面からおかしいんだと、良くなる保証はないんだということをはっきり言っていく、国政の場で論陣を張る、そういう人が登場してほしいと思います。長谷川さんに大いに期待するところなんです。
 そういう中で「介護の社会化」といううたい文句を掲げたことの犯罪性、まったくうまく乗せたなという感じですね。いつもこういうやり方でからめ取る。「男女雇用機会均等」とか、「男女共同参画」とか。そういうことに対して本質を見抜くものが必要ですね。階級的な立場から政治を見ることなしには見えないんだろうと思います。
 お金を払えなかったら介護を受けられないんだから、実際にどうするのかといえば、まず女性が職場を辞めたり、パート・アルバイトに変わったりして看るというふうにならざるをえない。さもなければ、より過酷な労働にかり出されて収入を多くすることによってカバーするしかない。どっちにしても女性は低賃金で家事育児は背負ったままということにならざるをえない。「プロレタリア女性への二重の抑圧」が一層激しくなるわけです。
 もう一つは、介護労働者、福祉労働者というのは多くが女性なんですね。大失業で今ほんとに生活が厳しくなっている。男性の仕事が厳しくなってくる中で、なお女性が働かなければならない。今のリストラ攻撃の中で無権利の、切り捨て御免の労働力になっている。まさに介護労働というのはそこなんですよ。
 婦人民主クラブ全国協主催で三月十九日に開催される二〇〇〇年国際婦人デー集会は「公的介護を求める女たちの会」の立ち上げの場にしたいと考えています。怒りや疑問をもっているすべての人びとに集まってほしいと思っています。

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週刊『前進』(1945号3面2)

 3大決戦方針で団結

 九州で革共同集会開く

 一月三十日、福岡市西新パレスホールで革共同九州政治集会が開催された。
 連帯のあいさつの最初に、反戦共同行動・福岡の代表が「二十一世紀は民衆が抑圧からの解放をかちとり労働者の世界を実現する時としたい。今年は沖縄の闘いにこたえる本土の闘いをつくる。悔いの残らない闘いを」とアピールした。
 破防法団体規制に反対する福岡連絡会議の代表は、オウムを口実とし活用した団体規制法の観察処分適用策動を弾劾し、革共同への熱い期待を表明した。
 不当解雇と闘う国鉄戦線の労働者が、「闘争団は十四年目を迎える。不当解雇撤回・原地原職奪還が闘争団の要求です。国労本部の裏切りを許せない。必ず権力を取る」と訴えた。女性解放を闘う戦線からのあいさつが続いた。
 次に、水谷保孝同志が「二〇〇〇年三大決戦を爆発させ、労働者階級人民の勝利の二十一世紀を切り開こう」と題した基調報告を提起した。
 水谷同志はまず、「九九年の闘いの地平をさらに発展させ、衆院選、沖縄サミット粉砕・名護新基地建設阻止、労働運動の新潮流形成の三大決戦を突破口に、階級情勢の大激動を牽引(けんいん)して闘おう。カクマル=JR総連打倒の闘いを強力に発展させ、革共同の党建設=党勢拡大をかちとろう」と二〇〇〇年決戦の核心を訴えた。
 そして、九九年の闘いを総括し、「きわめて強固な党的確信と、きわめて柔軟に労働者大衆・市民の中に溶け込み、そこで自己を表現し貫く能力、すなわち『真の闘う大衆』となれる力とが、党的に統一されなければならない。これができれば、階級総体が立ち上がる情勢を本当に主体的につくりだすことができる」と提起した。
 続いて、世界史的な恐慌情勢の深まりを強調し、朝鮮・中国侵略戦争の歴史的切迫について「巨大な残存スターリン主義・中国の体制的崩壊=大乱情勢が世界大戦として爆発することは不可避だ。中国の矛盾の爆発を契機として、帝国主義間争闘戦が朝鮮、中国、アジアで全世界に波及する形で相互絶滅的に展開されていく。日帝はこの米帝の朝鮮・中国侵略戦争のスケールの大きさと激しさにいまだバランスしえていない。そのことが日帝の危機を促進し、絶望的凶暴化を生み出している」と訴えた。
 さらに、二〇〇〇年の三大決戦方針を次のように提起した。@自自公連立政権を打倒し衆院選決戦勝利へ総決起する。長谷川英憲氏の当選は、介護保険反対の大衆闘争を爆発させた時に実現する。プロレタリア革命の立場から社会保障、社会福祉、介護の問題に接近することだ。A名護新基地阻止・沖縄サミット粉砕をかちとろう。日本階級闘争と沖縄闘争、反戦反安保闘争と沖縄闘争は日本革命をどう達成するのかにかかわる問題だ。日本・沖縄関係の革命的変革をかけて、総力で決起しよう。同時に三里塚決戦、部落解放闘争の新たな展開をともに闘いとろう。B闘う労組の新潮流運動を拡大しよう。十一月労働者集会を、さらに広範な戦闘的労働組合の結集と合流の運動に発展させることの中に、今日の日本階級闘争の危機を根底から突破していく道がある。
 水谷同志は最後に、「衆院選決戦をバネに党建設の新たな段階をかちとれ」と訴えて基調報告を結んだ。
 カンパアピールの後、革共同九州地方委員会の代表が、「戦争と大恐慌の時代に世界プロレタリア革命を実現しようとする革共同は、一切をかけて三大決戦を闘う」と決意を述べた。
 続いて、マルクス主義青年労働者同盟国鉄委員会、教育労働者委員会、自治体労働者委員会、医療、民間で闘う五人の労働者同志が決意を明らかにした。さらに、被爆者青年同盟とマルクス主義学生同盟中核派の決意表明が続いた。
 集会参加者は、二〇〇〇年決戦勝利への固い決意を固めた。

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週刊『前進』(1945号3面3)

 コソボに米軍が巨大基地

 名護の新基地と連動

 ■ユーゴ爆撃後
 米帝は、ロシア、中央アジア、中東をにらんで、ユーゴスラビア・コソボ自治州南部に巨大な軍事基地を建設した。
 米軍を主力としたNATO軍は九九年三月二十四日から六月九日まで、ユーゴへの凶悪な空爆を強行した。これに続いて、米軍・NATO軍は国際平和維持部隊(KFOR)と称してコソボ全土に展開した。米英独仏伊の帝国主義各国がコソボを軍事占領し、分割して制圧したのである。
 米軍は自ら占領した地域に、面積約三百fの巨大な基地を建設した。兵舎百六十戸、約四千人の米兵が駐留するこの基地は、ベトナム戦争で「米軍の英雄」と称されたジェームス・ボンドスチール軍曹の名をとってボンドスチール基地と命名され、ベトナム戦争時のダナン基地に匹敵する。
 国連コソボ暫定統治機構に派遣されている水野時朗国連職員は、米国がどうしてコソボに執着するのか疑問だったが、この米軍基地建設を知って疑問が氷解したという。「米国の狙いはコソボのアルバニア系支配グループと手を結ぶことによって、中東そしてロシアや中央アジアへも影響力を行使できる軍事基地を得ることにもあった」のだと。(東京新聞一月十五日付)
 「欧州は米国の安全保障に非常に大きな影響を与えてきた。米国は二つの世界大戦を闘い、ソ連との四十年間の冷戦を支え、米国の利益に敵対する強国によって欧州が支配されることを防いできた。その中で米国は、財政的・軍事的に膨大な支出を行い、自らの国家としての存亡をかけてきた」(二十一世紀の米国の安全保障)。ヨーロッパは、そもそも米帝の世界支配にとって戦略的な位置を占める地域だ。
 今日そのヨーロッパで、旧ソ連邦構成諸国や東欧の旧スターリン主義諸国への侵略、介入と支配、勢力圏化を巡ってドイツを始めとするヨーロッパ帝国主義諸国と米帝の激しい争闘戦が繰り広げられている。米帝・NATOによるユーゴスラビア侵略戦争は、そうした中東欧、バルト諸国やロシア、中央アジア諸国の帝国主義的勢力圏化を巡る陣取り合戦がバルカン半島で火を噴いたものである。
 米帝は、こうしたヨーロッパでの帝国主義間争闘戦に世界大的な軍事力をよりどころにして打ち勝とうとユーゴ侵略空爆の主力を担い、ボンドスチール基地を建設したのだ。
 ■東の侵略拠点
 このコソボでの巨大基地建設と並ぶ、米帝・米軍のアジアでの一大侵略基地建設の攻撃が、「普天間基地の移設のため」と称する名護新基地建設である。
 その目的は米国防総省がまとめた「海上施設−普天間飛行場建設に関する機能分析と運用構想」に鮮明に示されている。その中に、名護新基地は、沖縄の米海兵隊を朝鮮・中国−アジア侵略戦争に投入する主力輸送機となるMV22オスプレイの初めての海外展開基地になるという「新しい使命」を持つことがはっきり書かれている。だから「運用四十年、耐用二百年」の基地建設としているのだ。
 日米帝国主義間の対立と争闘が激化している中で、日帝は、帝国主義国家としての延命をかけて、朝鮮・中国−アジア侵略戦争を決断し、戦争国家への反動的飛躍を全力で追求しているのである。
 そのために、日帝は日帝として沖縄人民に名護新基地を押しつけ、米帝と共同して日米新安保ガイドライン体制を発動し、朝鮮・中国−アジア侵略戦争に乗り出そうとしているのだ。問われているのは、まさに戦争か平和かということである。アジア人民、沖縄人民と連帯して、岸本名護市長のリコールをかちとり、名護新基地建設を絶対に阻止しよう。

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週刊『前進』(1945号3面4)

 ゛不当逮捕と捜索は立候補への妨害だ″

 長谷川氏が記者会見

 警視庁は一月十六日、「建造物侵入」をデッチあげ、杉並区内で都政を革新する会の『新コスモス号外』を配布していた支援者Aさんを不当逮捕し、二十五日には都政を革新する会事務所への不当捜索を行った。
 この不当弾圧に抗議し、二月三日午後、都政を革新する会の長谷川英憲氏は、怒りの記者会見を行った。
 記者会見で長谷川氏はまず、憲政史上初めてといわれる全野党欠席のままの施政方針演説、民主主義を破壊する選挙制度改悪などの国会の現状を批判し、「国会を解散せよ」「小渕政権打倒」と怒りをもって自らの政治姿勢を明らかにした。そして、自自公が戦争国家化や憲法改悪、リストラと社会保障制度解体による労働者、住民への生活破壊の攻撃を強めていることに対し、「介護保険四月実施の中止」「介護は生きる権利」を掲げて衆院選に立候補することを表明した。
 さらにAさんの不当逮捕について、『新コスモス号外』を示し、これは政治団体として登録している都革新の「機関紙」であり、それを各戸に配布していたAさんの活動は通常の政治活動であってなんの違法性もないものであることを明らかにした。また住人の証言を具体的にあげて、「建造物侵入」という口実がまったく不当であることを全面的に明らかにした。何よりも、勾留理由開示公判が予定されていた二十六日の朝にAさんを釈放した事実こそ、警察・検察の逮捕・勾留が「違法であったことの証拠」であると弾劾した。
 都革新事務所への不当な家宅捜索については、捜索した警察官が「随分処分したようだが、書類がなくなると君たちの活動が打撃を受けるからいいんだ」と発言したことを示し、これが都革新の活動を妨害するためにのみ行われたものであると暴露した。さらに、警察官が区内全域を徘徊(はいかい)し、都革新のポスターを掲示している家を脅し回っていることを怒りを込めて暴いた。
 また、この不当捜索について「違法ビラをまいた事件」とまったく事実に反する報道がなされたことに対して、その報道機関が会見に来ていないことも含めて怒りを表明し、集まった記者に公平で公正な報道を行うように求めた。
 長谷川氏は、この弾圧が「衆院選に立候補することそのものを妨害し、出ても落とすために、今から通常の政治活動そのものを妨害しようとするもの」であると訴え、こうした弾圧が警察法や公職選挙法に違反する違法行為であり、警察による選挙干渉という民主主義の根幹を脅かすものであること、特にAさんへの不当逮捕が許すことのできない人権侵害であることを厳しく弾劾した。
 最後に、警察支配を復活させ、戦争へと突き進もうとする政治を許さないためにも、衆院選必勝へ全力で闘うことを宣言した。

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週刊『前進』(1945号4面1)

 全国連9回大会へ全力結集を

 差別の洪水と闘う糾弾闘争の爆発で部落完全解放を開こう

 全国連5万人建設の実現へ

 全国部落青年戦闘同志会

 三月五、六日、水平社発祥の地・奈良で開催される部落解放同盟全国連合会(全国連)の第九回全国大会は創立大会以来の画歴史的大会として闘いとられようとしている。日帝のどろ沼的危機と階級情勢の大流動化、恐慌と戦争の時代への突入は差別の洪水となって部落大衆に襲いかかっている。もはや我慢できない。命がけの差別糾弾闘争の嵐のような爆発だけが部落大衆の人間としての尊厳と命を守り、部落の完全解放を切り開く唯一の闘いだ。全国連は本大会で一切の制約をとりはらい、国家権力、ファシスト、右翼などの差別者を実力でなぎたおす「糾弾の全国連」として荒々しく登場する。全党の同志の全国連との血盟かけた全力の結集を訴える。

 第1章 激化する日帝権力の部落差別の扇動

 部落解放闘争をめぐって今起きていることは何か。
 第一に日帝が国家権力中枢の階級意思として公然たる部落差別の扇動を開始し、部落解放運動を根絶しようとする全面的攻撃をかけてきていることである。
 第二はそれに対して解同本部派が全面的に屈服し、帝国主義の完全な第五列、翼賛勢力として最後的に階級移行したことである。
 第三はこうした日帝の攻撃と解同本部派の全面的転向に対して、三百万の部落大衆がそのもっとも大衆的な深部から本部派のくびきを突き破り、生きんがために闘いを求めて根底的な流動をついに開始し、全国連との合流がいたるところで開始されたことである。
 第一の点について。日帝・東京高裁高木裁判長は昨年七月八日、狭山第二次再審請求を棄却した。日帝は三十二年もの獄中生活を石川さんに強制したあげくに、第二次再審請求以来十三年間ただの一度も事実調べを行わずに石川さんと三百万部落大衆の無実の血叫びを平然と踏みにじり、「殺人犯」の宣告を再び行った。天人とも許さざる差別犯罪であり、極悪の部落差別の扇動である。日帝は石川さんの無実を百も承知しながら一審死刑判決以来、実にこれで七回も「殺人犯」の汚名を着せたのだ。一体何度ふみにじったら気が済むのだ! 日帝は部落民は無実であっても絶対に無罪にはしない、生涯殺人犯としての屈辱を背負え、階級支配のイケニエになれ、というのだ! 「真昼の暗黒」そのものであり、「封建の圧制」とどこが違うというのだ。こんな日帝はこの狭山差別裁判の強行という一点だけでも人民の手で八つ裂きにして打倒しなければならない。
 そして、この棄却決定からわずか三ケ月後の十月、今度は京都地裁の山本裁判長がタクシー運転手を「雲助」よばわりするという露骨な差別判決を行った。運輸労働に多くの部落大衆や在日朝鮮人が就労していることを知った上で、裁判の判決文という公文書でそれを「犯罪集団」として決めつけるという前代未聞の差別事件を引き起したのである。この山本は罷免もされずに今もノウノウと裁判官を続けている! こんなことが許されるか!
 さらに棄却前の三月には宮沢大蔵大臣が広島県の世羅高校の校長の自殺に関して「今回、命をおとされた方があったが、これまでもたくさんの人が(糾弾をうけて)職を失い、あるいは失望して公職を辞めるということがあった」などという許しがたい暴言を国会の場ではいた。「クロをシロ」と言いくるめるとはこのことだ。校長を自殺に追い込んだのは日帝・小渕政権による「日の丸・君が代」の強制であり、宮沢もその下手人の一人だ。それを宮沢はあろうことか糾弾闘争によって校長が自殺したかのように言いなし、部落解放闘争は「人を殺すような恐ろしい運動である」と差別的扇動を現職の閣僚として公々然と行ったのだ!
 まさに容易ならざる事態である。差別の「防波堤」が国家権力によって次々と決壊させられているのだ。
 一昨年、大阪では実に千四百社にものぼる企業が部落民を排除する目的をもって差別身元調査を行っていたことが明らかになった。部落民の抹殺を扇動する差別落書きがいたる所で繰り返され、学校での差別事件もますます悪質化し、深刻な結婚差別事件がいくつも全国連に報告されている。日帝の同和対策事業の打ち切りは全社会的な差別の歯止めを最後的にとっぱらうものになろうとしている。そして、「日の丸・君が代」の法制化である。それはまぎれもなく、再び「上は天皇、下は部落」という身分的秩序を日帝が国策として法制度的強制をもって全社会的に強化・確立しようとするものにほかならない。
 差別はけっして自然発生的に激化するものではない。このように日帝・国家権力、資本によって全社会的に護持され、日々強化されているのだ。日帝は部落差別の扇動をもって、労働者階級人民を差別分断し、戦争と大失業の時代が不可避とする巨大な階級決戦を内側から解体しようとしているのだ。

 第2章 解同本部派は翼賛勢力へと全面転向

 第二の点について。狭山の再審の棄却に対して本部派の高橋書記長は「もう三十年余りたっているので、新たな証拠を発掘するのはむずかしい」(昨年七・一三狭山緊急抗議集会)などと、一カケラの怒りもなく全面屈服した。それだけではない。昨年十一月十二日の天皇即位十周年のその日に大阪の春日と富田の解放会館に「日の丸」があげられた。「天皇万歳」と叫んだのと同じである。まさに驚くべきことである。そして、大阪では「解放会館」が「いのち、愛、夢センター」なる名称に変更され、中央本部の機関紙のトップは「人権政策実現へ与党三党の大奮闘」などと自自公賛美で埋めつくされている。
 もはや、解放同盟本部派は名実ともに部落解放団体ではなくなったのだ。学校から差別事件の報告が行われても、いまや解同は事実確認さえしない。それどころか、大阪の寝屋川では家賃値上げ反対に立ち上がった地元の住民に対して、解同本部派幹部が「供託をやめなかったら医療券を支給しない」と脅した上に、住民の行政交渉の場に押しかけ、「住民から暴行をうけた」などとデッチあげて、権力の弾圧を引き出すことまで行っている。
 しかし、これは大阪の一部の支部の問題ではない。解同本部派は九七年の五四回大会で新綱領をうちだした。新綱領の核心は階級闘争史観を一掃し、部落差別の根源を「ケガレ観である」とする点にあった。そして、部落解放運動を「ケガレ観をなくする人権文化創造運動」とした。
 それからわずか二年。今では「部落差別は幻想」(辻本中執)、「部落民というと何か特別な感受性をもっているという幻想がうまれるから、部落民ではなく被差別市民とすべき」(野口・大阪市大教員)、「今の社会には部落に対する差別的意志はない」(奥田・近畿大学人権問題研究所)、「日本は今、金融ビッグバンをはじめとする大改革の時代。これに対応した部落解放運動が必要」「差別する企業は外国に巨額の賠償金を払わなければならない。人権教育に取り組む企業は繁栄し、取り組まない企業は没落する」(大賀・本部派顧問)などという腐臭芬々(ふんぷん)たる主張が解同内外から噴出している有様である。
 これら一切の主張の核心は部落差別が「帝国主義の階級支配の具体的あり方としての身分的差別である」ことを解体するという点にある。そのために本部派はまず部落差別の本質を階級支配とは縁もゆかりもない、「ケガレ観」や「幻想」にしてしまい、あるいはそもそも「今の社会には差別する意志はない」とし、そうすることによって、部落差別を廃絶する主体としての部落民の存在を否定し、実践的には差別糾弾闘争を解放運動から跡形もなく追放しようとしているのである。糾弾すべきものも、糾弾する主体も「幻想」でしかないのであるから当然の帰結である。
 だがしかし、部落差別は本部派がいうような「幻想」などという観念の亡霊でもなんでもない。狭山を見よ。石川さんは国家権力によって、殺されようとしたのだ。それだけではない。憲法では「法の下の平等」がうたわれ、結婚も居住・移転も職業の選択も自由であり、教育を受ける権利も「平等」であるかのように定められている。だが、結婚差別は後をたたない。必ず身元調査が行われ、親戚中が反対し、誘拐・監禁罪で逮捕するなどということまで引き起こされている。(一九五四年福山地裁差別判決、一九三三年高松結婚差別裁判)
 居住・移転の自由もない。山口ではつい数年前、地域の反動的住民が部落民の一般地区内の「通行を禁止する」などという、許しがたい「立て札」を立てている。あるいは全国の部落の所在地を網羅した「地名総鑑」が数十万円で販売されている。就職の際の身元調査も枚挙にいとまがない。そもそも興信所とは何か。部落民の「身分」を暴くことを営利目的とした企業である。この日本という国は、「差別的意志」が社会のすみずみまでドス黒くうずまき、身分的差別を社会の存立条件としたおぞましい腐敗しきった帝国主義社会そのものだ。
 部落差別はこのように日本帝国主義の階級支配の具体的あり方として、日本帝国主義とそれに屈服した労働者人民による身分的迫害として、あたかも身分制度があるのと同じように社会生活のあらゆる場面で部落大衆に襲いかかり、全人格を否定し、命を奪い、がんじがらめにしているのだ。そして、今まさにこうした部落差別が洪水となって三百万部落大衆に襲いかかっているのだ。
 そのただ中で、解同本部派は部落差別を「幻想」といい、「部落民など存在しない」とまで「理論化」し、本部派の綱領とした。日共・全解連の「国民融合論」への全面的屈服であり、それをさらに右翼的に改ざんして密輸入したのである。何のためか。一切の差別糾弾闘争を放棄するためである。ではなぜ糾弾闘争を放棄するのか。それは帝国主義に受け入れられる存在として自ら変質させることによって、階級移行し、帝国主義の陣営に加わるためである。
 大賀のいう「大変革時代に対応した部落解放運動」「資本に損をさせないための人権教育」とは戦争国家化に協力し、帝国主義間争闘戦にかちぬけるように資本を援助する運動そのものである。そして、その運動的結論が狭山解体であり、「部落解放」の追放であり、「日の丸・君が代」賛成であり、自自公翼賛であり、闘う部落大衆への敵対である。それは解同本部派の綱領にもとづくものであり、本部派全体の運動となることは不可避である。本部派は今や完全に戦前の大和報国運動、厚生皇民運動とまったく同じ侵略翼賛運動に転落した。

 第3章 大衆の怒りを解き放つ差別徹底糾弾

 この解同本部派が今日なお三百万部落大衆に最大の影響力をもっている。こんなことは断じて許されない。今こそ全国連五万人建設をなんとしてもなしとげなければならない。全国三百万部落大衆は解同本部派のこうした屈服と裏切り、敵対に歯がみしながら、決起を呼びかける号砲を待ちわびている。
 大阪で住宅闘争に立ち上がった部落大衆は、「矢でも鉄砲でももってこいや。絶対住宅組合をやめない。死ぬまでたたかう。年とって働けなくなったら、食べていけない」「会館(本部派)は敵や。わしら字読めないのにどうしたらいいのか。漢字で書かれたら『お前を殺す』と書いた紙みせられてもわからんのや」「会館を頼りにしていたら殺される。そういうことを考えないといかんようになってきた」と、怒りをぶちまけている。こうした激しい本部派に対する怒りが、全国の本部派の支部のもとで渦巻いているのだ。
 今や全国連がこうした本部派のもとにいる圧倒的多数の大衆と結びつき、その怒りを解き放たなければならない。その怒りの弁を解き放つものこそ狭山闘争を軸とした差別徹底糾弾の闘いである。

 第4章 狭山百万人運動を全力で推進しよう

 部落民の受ける苦しみのすべての根源は部落差別にある。国家権力や資本や行政や労働者市民の部落差別によって、部落民の生活は破壊され、愛するもの同士、家族が引き裂かれ、のけものにされ、犯罪者扱いされ、生きた心臓を毎日突き刺され、えぐられている。もうこれ以上、絶対に許されない。こんな身分的差別は根絶されなければならない。それは部落民の自己解放をかけた闘いであり、労働者階級人民の共同の責務である。
 差別糾弾闘争は部落民が人間として自らを回復する闘いであり、人間としての尊厳を奪い返し、人間でありながら、人間として認めない部落差別に対して、力づくで人間として認めさせる部落民自身の自己解放の闘いである。それはブルジョア法的・実践的には人間としての生きる権利を認めさせることである。
 全国連の三大闘争(差別糾弾闘争、要求闘争、階級的共同闘争)はその全体をこうした差別糾弾闘争の観点から位置づけ、差別糾弾闘争としての本質をつらぬいて要求闘争を闘い、差別糾弾闘争を基軸として階級的共同闘争を闘うものである。すなわち、三大闘争の全体が政治的、経済的、社会的、イデオロギー的なあらゆる領域で貫かれる部落差別との闘いであり、その全体がひとつとなって身分的差別撤廃の闘いをなすのである。
 またこうした糾弾闘争は「帝国主義の階級支配の具体的あり方としての身分的差別」との闘いである。すなわち、「部落解放闘争は、部落民の人間的尊厳を否定し、全人格を破壊する形で加えられる差別・迫害との闘いを出発点にしながら、さらに部落差別という日帝の階級支配の特殊的あり方に対する闘いをとおしてプロレタリア革命の一翼を形成しようとするもの」(仁村論文)なのである。ここに差別糾弾闘争の階級性がある。差別糾弾闘争は部落民の自己解放闘争であり、日帝の階級支配の根幹をぶちやぶる闘いなのである。
 このようなものとして差別糾弾闘争は人間としての一切を奪われ、踏みにじられた部落民が人間としてのすべてを奪い返す闘いであり、人間のもつ自己解放の力をもっとも奥深くから引き出し、解き放つ闘い、もっとも根源的でラジカルな闘いとして、激しい実力糾弾闘争として闘いとられなければならないし、そうならざるを得ない。そして、この「部落解放、差別撤廃」の叫びを全階級全人民の叫びとし、階級的共同闘争として闘いぬかなければならない。
 かつて狭山闘争の発展の中で数十万の部落大衆が糾合され、きょうだい的団結をうち固めた。そして数百万の労働者階級との戦闘的階級的団結をつくりだした。それはまさに来るべき社会をつくりだす豊かな力に満ちていた。差別糾弾闘争こそ差別の洪水を打ち砕き、部落民の団結を強化し、労働者階級を獲得し、日帝を打倒する解放運動を生み出すただ一つの根源的闘いなのだ。
 我々はいまこそ水平社が掲げてなしえず、今また解同本部派が投げ捨てた人間解放の運動としての差別糾弾闘争を全国連の闘いとして歴史的に復権し、プロレタリア革命運動と固く結合して、「人の世に、熱と光を」再びとりもどすのだ。
 日帝・国家権力とファシスト、天皇主義者どもを差別糾弾闘争の嵐でなぎたおせ。狭山異議審闘争に総決起し、要請行動を圧殺しようとする日帝・東京高裁高橋省吾裁判長を震え上がらせる実力糾弾をたたきつけよ。狭山百万人署名を圧倒的に推進しよう。住宅問題をはじめとして部落大衆のかかえる全生活領域に全国連が解同本部派にとって代わって責任をとらなければならない。一切の制約を解き放って差別糾弾闘争の嵐を全国で巻き起こせ。
 すべての党員同志と労働者階級人民は階級的労働運動の隊列を強化しつつ、全国連とともに差別糾弾闘争を自ら自身の闘いとして闘いぬこう。「日の丸・君が代」闘争に総決起しよう。職場に解放研を!
 長谷川英憲さんの当選をかちとる衆議院選挙決戦、二〇〇〇年三大決戦のただ中で党の階級的死活的課題として解同全国連大会に総結集しよう。

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週刊『前進』(1945号4面2)

 狭山闘争

 青年先頭に高裁糾弾

 ゛今年こそ勝利を″の気迫

 二月七日、部落解放同盟全国連合会と部落解放共闘会議は、六十人が参加して今年初の狭山再審・東京高裁要請行動を闘った。
 前日、全国青年活動者会議を開き、高木棄却決定徹底批判の内容で武装した全国連の青年たちが「きょうはがんがん闘うぞ」と固く意志一致して、闘いの先頭に立った。
 まず、朝の出勤時から裁判所周辺でビラまき宣伝を行い、その後決起集会をかちとり、正午から官庁街を力強くデモ行進した。「狭山差別裁判を徹底糾弾するぞ」「再審を開始せよ」の声が一帯にとどろいた。そして、午後一時から要請行動に臨んだ。
 まったく許せないことに東京高裁は前回までと同様に、この日も多数の警備職員を動員し弾圧体制を敷いた。機動隊と私服刑事も多数動員された。日帝権力はあまりのデタラメさゆえに怒りと批判が集中している高木決定を、むき出しの暴力によってしか守り抜けなくなっているのだ。
 ゲートを閉ざして入構を妨害する裁判所当局を徹底弾劾して、全員でシュプレヒコールをたたきつけた。そして要請団は、裁判所当局の「要請行動は二十人、三十分以内」という不当な「四条件」と入構規制を粉砕して四十人が入構、一時間半にわたって要請行動を断固かちとった。要請行動では青年たちの怒りが爆発、これまでに集めた七千二百余人の再審要求署名を提出し、高木棄却決定への怒りをたたきつけた。
 並行して裁判所前では、差別裁判取り消し要求の宣伝活動が闘われ、多くの署名・カンパが寄せられた。
 こうして石川一雄さんとの熱い連帯の気持ちに燃え三月全国連大会から二〇〇〇年異議審闘争勝利へ、闘いの火ぶたを切った。

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週刊『前進』(1945号4面3)

 2・7杉並

 東京で狭山集会

 中田書記長講演に確信

 東京高裁(四谷巌裁判長・当時)が狭山第一次再審請求を棄却した日から二十年目の二月七日、解同全国連杉並支部と江戸川支部の共催で狭山東京集会が五十人の参加で杉並区立産業商工会館で開かれた。
 冒頭、都政を革新する会の長谷川英憲元都議、区内の労働者が連帯のあいさつを行った。そして、杉並支部の代表が基調報告を行った。高裁・高木の棄却決定への怒りがたたきつけられ、新百万人署名運動を武器に狭山闘争の大衆的爆発をかちとり、無実の石川一雄さんの再審無罪をかちとろうとの訴えがなされた。
 続いて全国連の中田潔書記長が記念講演を行い、「全国連とは何か」「部落差別をなくすための部落解放闘争とは何か」という、核心をつく提起を行った。帝国主義の危機の中で部落差別攻撃が激化し、これに解同本部派が全面屈服を深めている中で、「三百万部落大衆の前衛として、全国連が真にぶっ立たなければならない」と訴えた。そして、部落差別を許さず、差別から部落大衆の生活と権利を守りぬくために、差別糾弾闘争を軸とする三大闘争の推進を訴えた。
 杉並、江戸川両支部と共闘団体が決意表明し、全国連第九回大会への大結集を誓い合った。

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週刊『前進』(1945号4面4)

 2000年日誌 阻もう! 戦争への動き

 2月1日〜7日

 自自公だけで比例定数削減

 那覇上空で米軍機ニアミス

●有事法制整備推進を表明
 与党単独で開いた衆院本会議の代表質問に対する答弁で、小渕首相が「有事法制はわが国への武力攻撃などに際し、平時においてこそ備えておくべきもの」と積極的な反動的姿勢をあらためて示した。(1日)
●リコールに向け集会 普天間飛行場の移設問題で、ヘリ基地反対協は、受け入れ表明した岸本建男市長に対するリコール運動の学習集会を開いた。(1日)
●サミットに向け警備訓練
 沖縄サミットに向け警視庁が「テロ対策」と称して治安弾圧訓練。(1日)
●政府沖縄問題担当室に3対策班 内閣内政審議室沖縄問題担当室に北部振興策、跡地利用など三対策班が新設された。(1日)
●防衛施設庁に普天間移設検討チーム 防衛施設庁が普天間飛行場の返還・移設作業に伴う跡地利用や基地従業員の雇用対策などに対応するためと「普天間飛行場移設検討チーム」を庁内の普天間飛行場全面返還等対策本部に設置。(1日)
●「北部振興チーム」発足
 沖縄県が米軍普天間飛行場移設に関連して、北部振興策と普天間飛行場移設に伴う移設先、周辺地域の振興策を検討する「北部振興プロジェクトチーム」を発足させた。(1日)
●ハンセンで山火事 金武町屋嘉のキャンプ・ハンセン演習場レンジ5付近で実弾訓練による山火事が発生した。焼失面積は三十五万平方bに及んだ。同演習場では一月二十八日にも実弾訓練による山火事があったばかり。(2日)
●定数削減法が成立 単純小選挙区制を狙う改悪公職選挙法(衆院比例区の定数を二十削減)が参院で、委員会審議ぬきに本会議で与党議員のみによって可決・成立した。(2日)
●米が臨界前核実験 米ネバダ州の地下核実験場で今年初の臨界前核実験。米帝の臨界前核実験は一九九七年七月に始まり、今回が九回目。(3日)
●JCO許可取り消しへ
 昨年九月三十日に起きた茨城県東海村のウラン加工施設JCO東海事業所の臨界事故で、科学技術庁がJCOの加工事業許可を取り消す行政処分の方針を決めた。原子炉等規制法に基づく最も重い処分で、初めての例になる。JCOの生産ラインがなくなると、国内の核燃料製造能力が大幅に低下するという。(3日)
●日出生台で米軍実弾演習
 在沖縄の米海兵隊による大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場での二回目の実弾砲撃演習が始まった。(3日)
●団体規制法で初の立ち入り検査 公安調査庁が団体規制法(第二破防法)の観察処分が発効したのを受けて、埼玉県越谷市など五県で計五カ所のオウム真理教(アレフに改称)施設に、各県警と合同で初の立ち入り検査をした。(4日)
●移設反対署名千人突破
 米軍普天間飛行場の移設に反対している名護市の二見以北十区の会が岸本市長の移設受け入れの撤回を求める署名が千人を超えたと発表。集まった署名は七日に、岸本市長あてに提出した。署名は@移設先の地元である久志地域、なかでも滑走路の延長線上にあり最大の騒音地域となる二見以北の住民の声をまったく無視しているA地元の住民意志は二年前の市民投票で明確な反対が示されておりそれは今も不変であると、市長に受け入れ表明の撤回を求めている。(4日)
●那覇上空で戦闘機60bまで接近 那覇市の北西七十`の空域で福岡空港から石垣空港に向かっていたエアーニッポン(ANK)のB737型機(乗員乗客百八人)の下を二度にわたり、空母ステニスの戦闘攻撃機FA18が急接近するニアミス(異常接近)があった。ニアミスがあった空域は米軍機と自衛隊機が訓練を行う沖縄訓練空域の西南空域で、訓練の標的にされたとの指摘も。(4日)
●陸海空自衛隊・情報システム一元化 防衛庁が今年五月に東京・市谷の陸上自衛隊駐屯地跡に移転するのに伴い、新庁舎地下の中央指揮所に導入する新中央指揮システム(NCCS)の整備計画が明らかになった。これまで陸海空三自衛隊が個別に運用してきた指揮通信システムをオンラインで統括。日本有事、周辺事態、災害派遣、国連平和維持活動(PKO)などの際の三自衛隊の部隊情報をリアルタイムで集約、統合する初のハイテク防衛ネットワークとなる。新システムは首相官邸と直結、自衛隊の最高指揮・監督権を持つ首相が重要情報をコンピューター画像で迅速に把握しながら指示を下すことも可能となる。(5日)
●舞鶴にヘリ基地部隊新設
 海上自衛隊が来年三月をめどに舞鶴市の基地周辺に護衛艦に搭載する哨戒ヘリ部隊を新設する方針。日経新聞が報じた。(6日)
●米国防予算大幅増額
 コーエン米国防長官が二〇〇一会計年度の国防予算案を発表。総額二千九百十一億jで、前年度比百三十五億j増、「冷戦」後最大の規模となる。(7日)

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週刊『前進』(1945号5面1)

 革命軍の2000年決戦アピール

 戦争協力のファシスト突撃隊カクマル=JR総連打倒せよ

 反ファッショ解放戦争の前進を

 今井 広伸

 はじめに

 一九九九年は、日帝の大反動攻撃が激化したが、これに対して闘う人民の側もまた総決起し、日帝の戦争政策攻撃を突き破る素晴らしい闘いを実現した年であった。五・二四反革命ともいうべき日米新安保ガイドライン関連法の国会通過という歴史的大反動と対決して、反戦共同行動委員会の闘いを軸としながら、日帝の大反動を許さない百万人民の決起を切り開く柔軟な統一戦線の形成をもって、大衆闘争の大爆発をかちとった。戦争へ突き進む日帝の攻撃に対してやむにやまれず決起して闘った人たちは、この闘いをつうじて全国あらゆるところに「ともに闘う同志がいる」「闘えば必ず勝利できる」との確信を打ち固めることができたのだ。
 革共同の九九年の闘いは、ガイドライン反対の連続した闘争の中で全国からの澎湃(ほうはい)たる人民の決起を生み出すことに成功したこと、沖縄・三里塚闘争での大衆闘争と実力決起の不屈の前進を実現したこと、また労働組合の階級的立場と原則を貫き、労働者の生活と権利を守り、帝国主義戦争に反対する労働運動の新たな潮流運動としての総結集をかちとったこと、そして四月地方選挙闘争での勝利と地域住民の自主的総決起を実現したこと、排外主義・差別主義との闘いの強化・発展をかちとったことなど、日帝の攻撃に屈服せずに闘う党と階級の確信を打ち固めるものとなった。その重要な核心として、党建設の闘いが公然面、非公然面において前進したことがあった。これらの闘いは、侵略戦争を遂行しようとする日帝・国家権力との闘いとしてのみあったのではない。民間反革命=ファシスト・カクマルとの激しい闘いに勝利して初めてかちとられたものである。カクマル=JR総連解体、ファシスト・カクマル完全打倒への闘いをさらに推し進め、日本帝国主義打倒へ突き進もう!

 第1章 偉大な前進実現した99年の闘い 革命軍の総括

 九九年の全党の闘いの前進と結合して革命軍の闘いも大きな前進をかちとった。それはまず第一に非公然党建設における防衛闘争での大勝利である。
 革命軍を含む非公然党組織は、昨年十一月、ついに四半世紀を超える闘いをとおして七四年一・二四カクマル反革命分子完全せん滅戦への指名手配攻撃に対して時効成立を日帝権力に強制し、大勝利した。日帝権力・警察庁による十一月指名手配強化月間の真っ最中にこの時効成立をかちとったことは決定的であった。
 この非公然党、革命軍の勝利は全党の組織的な勝利であるとともに、全人民の勝利でもある。
 防衛戦争の勝利は、何よりも当事者が日々薄氷を踏むような厳しい闘いの積み重ねの上にかちとったものであり、それを包み込む粘り強い地道で地味な非公然党の組織活動の支えによってもぎりとったものである。日帝権力との闘いは、二十四時間・三百六十五日の闘いであり、一瞬のすきと武装解除がそれまでのたゆみない闘いを無に帰させてしまうものである。われわれはこれまでの敗北の教訓を学び、科学し、絶対に闘って勝てるという地平を獲得し、確信をもって闘い抜いている。それは、全党・革命軍の非公然党防衛、党中枢・革命軍防衛の組織的闘いに支えられ、また人民の海に守られて初めて可能な闘いである。
 七四年一・二四戦闘弾圧の時効成立は八○年十・三〇カクマル五名完全せん滅戦闘デッチあげ指名手配の時効成立に続く大勝利である。これは、自らの指名手配攻撃と闘いつつ、獄中同志の闘いに連帯し、自らの完黙・非転向を固く誓って対権力・対カクマルとの闘いを貫く中でかちとったものである。まさに非公然党建設の輝かしい成果であり、防衛戦争におけるこの勝利を、革命軍は全党の勝利としてともに確認する。
 第二に、革命軍は五月テーゼ―一九全総(二〇全総)路線にのっとった革共同の新たな対カクマル戦を強力に推し進める牽引(けんいん)車となって闘い、対カクマル戦の偉大な前進をかちとった。
 昨年の大衆運動での大爆発はカクマルに大打撃を与えた。ガイドライン反対の大衆運動の大爆発がカクマルを運動的に追い詰め、ファシストとしての反人民的な姿を明らかに突き出した。同時に、そうした運動的高揚によって運動場裏に引きずり出されたカクマルやJR総連自体が、組織的内部矛盾を激成させながらますます反革命ファシスト行動へと駆り立てられていく構造にたたき込んだ。
 わが革命軍の赤色テロル戦の戦略的攻撃体制の堅持は、全党の革命的武装自衛体制と並ぶ新たな対カクマル戦の核心をなす柱であり、追い詰められたファシストの白色軍事行動に対して強烈な赤色テロル戦をもって報復していく闘いの体制である。全党の革命的武装自衛の闘いの強化を推し進めよう。
 第三に、革命軍はカクマルに対する索敵情報戦争の戦略的前進をかちとった。この闘いも、全党の闘いとその中での前進に固く結合してかちとられたものであり、また全党の対カクマル索敵情報戦争と有機的に結合してかちとられたものである。
 第四に、われわれはカクマルを運動的・路線的・理論的・イデオロギー的に追い詰める闘いを貫いた。カクマルの路線的動揺とジグザグ、反革命路線への踏み切りを徹底的に暴露していった。
 「新東西冷戦」論の破産を突き出し、JR総連の「戦時下の労働運動」論への踏み切りの反動性を暴露したこと、さらには「連合新政治方針への対案」をもってするカクマルの戦争協力路線への転向を暴いたことは決定的であった。
 カクマルの神戸謀略論デマ運動の破産はこうした闘いが強制したものである。
 カクマルは一昨年、組織を挙げて神戸謀略論デマ運動にのめり込んだが、その「CIA謀略」論運動は、今や関西組織がか細くつぶやくだけで完全にカクマル組織からは消えうせてしまっている。
 カクマルが神戸謀略論デマ運動に言及できなくなった原因は、何よりもそれが荒唐無稽(こうとうむけい)な自作自演の情報操作による捏造(ねつぞう)だったことにあるが、しかし直接的には党と革命軍がカクマルの捏造した神戸謀略論デマの一挙手一投足をとらえて放さないイデオロギー的闘いをもって完全に粉砕したことにある。カクマルは、人民をだませると思えばどこまでもうそ百遍で押し通すやからである。彼らのうそを絶対に見逃さず、暴くことが重要なのだ。
 ファシストのうそを暴くには、ファシストの非人間的な攻撃と闘う決意と戦闘性がなくてはならない。これまでも大衆運動に決起した人民は、必ずこのファシスト・カクマルの反革命白色暴力に見舞われ、しばしば屈服を強制されてきた。わが革共同と、闘う人民のみがファシストと闘ってきた。それが今日までの三十年を超える対カクマル戦下の運動だった。わが革命軍の赤色テロル戦とその歴史を「謀略」と言って鉄道謀略論デマや神戸謀略論デマ運動を展開したカクマルへの徹底した暴露が、カクマルに死の沈黙を強制した力なのである。
 第五に、革命的武装闘争の一年間をとおした戦略的で継続的な貫徹とその勝利である。三里塚反対同盟の不屈の闘いを守り、支え、運動を励ますものとして、革命的武装闘争は三里塚闘争の不屈性を示すもうひとつの柱であり、革命軍の三里塚闘争への血盟のあかしである。
 昨年の三里塚をめぐる日帝、運輸省、空港公団、千葉県との闘いは、平行滑走路の二〇〇〇年完成を阻止する闘いであった。また、二〇〇〇年完成を粉砕した直後に出されたペテン的な暫定滑走路建設案を阻止する闘いであった。
 革命軍は昨年、平行滑走路二〇〇〇年完成攻撃を打ち破るべく、一月二十五日の火炎戦闘を皮切りに革命的武装闘争に決起した。反対同盟の不屈の闘いと全国集会などの人民の決起の前に、運輸省はついに五月十日に二〇〇〇年完成断念を発表した。しかし一週間もたたないうちに暫定滑走路建設案を発表した。こうした農民無視の攻撃や度重なる現闘員への弾圧に対して、革命軍は七・七航空局国際航空課長宅火炎戦闘、七・三一飛行場部計画課長(前)宅爆破戦闘を連続してかちとり、さらに十一・九空港公団事業部次長宅火炎戦闘をかちとった。そして暫定滑走路着工に対する十二・一三の建設推進派千葉県議への巨弾をもって暫定滑走路建設を許さない戦いに入った。
 三里塚暫定滑走路建設=軍事空港拠点造りを絶対に許さない革命軍の戦いは、不屈に闘う反対同盟との血盟を果たすものである。この対権力戦争の勝利をともに確認しておきたい。

 第2章 反戦闘争の大高揚とカクマル打倒の前進

 昨年の闘いは、歴史的に切迫した米日帝の朝鮮・中国―アジア侵略戦争を阻止する決定的な一歩となった。ガイドライン関連法は通過したが、それと対決して決起した人民の側の闘う意志も激しく燃え上がっている。米軍基地撤去を求める沖縄人民の闘い、ガイドライン関連法と対決して戦争協力に反対する労働者人民の職場からの決起、国家による「日の丸・君が代」の強制と闘う教育労働者を始めとした人民の決起がある。いよいよ労働者人民一人ひとりが例外なく侵略戦争に反対して闘うときがきたのだ。
 陸・海・空・港湾労組二十団体は、さしせまる戦争協力要請に対して「協力しない」立場を明らかにした。動労千葉は歴史的な「戦争協力拒否宣言」を組合大会決議をもって発している。
 これに対してJR総連=カクマルは、日帝の自衛権を認め、自衛隊と日米安保を承認して戦争協力を明言した(昨年八月のJR総連「連合新政治方針への対案」)。これはカクマルの組織としての踏み切りである。これまで口先では戦争反対や憲法改悪反対を掲げていたやからが、侵略戦争が切迫していよいよ現実化するや、早々と大転向して戦争協力を公言し、逆に戦争に反対して闘う者への白色襲撃を行うことを決定したのである。
 そもそもカクマルは、階級情勢認識として“ガイドライン闘争は爆発することなく敗北する。そして人民の抵抗など無力な「戦時下」という時代に入る。だからこれからは日帝の方針に反対しない”ということで一致している組織である。JR総連定期大会(昨年六月)での役員答弁――「ガイドラインの問題も単なる乗り遅れの問題ではなく、むしろやらない方で考えていた」(五味政治政策局長=当時)、「三・二五〜二六の九条連の国会前座り込み集会を精いっぱい闘うことでよしとして、(陸・海・空・港湾労組二十団体の提起を)現実には断った。その後の闘いについて分析できなかった」(水沢書記長=当時)――は、その事情をはっきり物語っている。
 カクマル=JR総連は、労働者人民や組合員がこれから戦争協力して闘おうとしている時に、これに敵対し、組合として労働者に戦争協力を強制しようとしている。だからカクマルは、こうした自らの階級移行、裏切りと転向が労働者階級の中で問題にならないように必死で画策しているのだ。カクマルは日帝とまったく同じ戦争推進勢力なのである。
 カクマルは、反戦闘争の盛り上がりそのものが組織の死につながるという危機感をもっている。昨年、百万人民決起への敵対や十一・七労働者集会つぶしに動いたカクマルは、二〇〇〇年はさらに反革命組織の総力を挙げて人民の反戦闘争を解体するために動くであろう。人民の闘う現場への反革命的介入、闘う人士へのファシスト白色暴力による「ナーバス(神経戦)」、だまし、脅しが昨年をこえる規模で始まっている。
 かつてカクマルは、自らが戦闘任務として受け持った場所から決戦を前にして逃亡した右翼日和見主義者であった(六九年東大闘争)。そして二つの十一月決戦へのK=K(警察=カクマル)連合的襲撃(七一年十二・四)をもって反革命へと移行した。七五年三・一四革共同本多書記長虐殺をもってファシストに転落し、八○年代の国鉄分割・民営化推進をもってファシスト的純化を進めた。カクマルの反革命への転落以降、二十年間にわたる二重対峙・対カクマル戦と先制的内戦戦略のフェーズT、フェーズUでの内戦的激闘。九○年決戦の勝利的地平をもってする五月テーゼ路線の提起とその実践、新たな対カクマル戦の開始。われわれはこの三十年間、カクマルと戦い階級闘争を前進させてきた。
 われわれは今、いわば三全総的闘いの地平を対カクマル戦争で武装したものとして「労働者階級の中へ」の闘いの歩武を進めている。新たな対カクマル戦は、人民がカクマルのファシストとしての本質を見抜き、大衆運動を戦略的に爆発させることが、日帝への打撃としてあるだけでなく、対カクマル戦での戦略的勝利を意味することをはっきりさせて闘われてきた。こうした闘いの上で、ついにわれわれはカクマルを戦略的に追い詰める決定的な勝利を昨年の大衆運動の大爆発をもって実現したのだ。カクマルが受けた打撃は計り知れないものがある。
 二〇〇〇年の沖縄サミットと切迫する日帝の侵略戦争、有事立法・改憲攻撃に対する人民の闘いの爆発は不可避だ。この中でカクマルは、大衆闘争の高揚を絶対に粉砕することをそのファシスト的使命としている。
 日帝に対しては「戦争に反対したらつぶされる」と完全な奴隷根性丸出しのカクマルが、人民に対しては「戦争反対の闘いを粉砕する」ために白色暴力を背景に傲慢(ごうまん)で居丈高な態度で「批判」と称して、あるいはまたデマと情報操作で運動の解体に全力を挙げてくるのだ。それは新たなK=K連合修復への期待をこめたものである。ファシスト・カクマルは人民の闘いに心底恐怖し、人民の決起を破壊・抑圧する行動へとのめり込んでおり、それが一層、闘う人民の怒りを買っていくということだ。
 五月テーゼ―一九全総(二○全総)路線での対カクマル戦方針に基づいた闘いは今や、大衆運動の高揚の中にある労働者階級人民の必然的な要求としてのカクマル=ファシスト打倒、カクマルせん滅・打倒の反ファッショ解放戦争として爆発する時代を迎えている。
 われわれは「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ!」「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒!」を実現するために、ファシスト完全打倒へ総力で決起しなければならない。

 第3章 侵略戦争への協力に大転向したカクマル

 第1節 新東西冷戦論が破産

 カクマルは昨年の『解放』新年号で、アメリカの一超(一強)支配が崩壊した、アメリカは中国・ロシアとそれに指南されたイラク、北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国、ユーゴスラビアなどの包囲網に追い詰められた、という中・ロ起動力論を打ち出し、「新東西冷戦」の時代に入ったという情勢認識を展開した。
 「『アメリカ独覇』を打ち破り二十一世紀の初頭には『世界の超大国』にのしあがることをたくらむ江沢民の中国が、激烈に展開されているロシアの政治的抗争に介入するとともに、プリマコフ政権との同盟関係を基礎として『反米・反覇』外交をよりいっそう強力に展開しつつあるのだからである。 実際いまや、『アメリカに対する挑戦』をくりかえしくりかえし挑み続けているフセインのイラク……。そしてプリマコフのロシアと江沢民の中国に鼓舞されその指南を受けて、セルビアのミロシェヴィッチや北朝鮮の金正日もまた、フセインを真似た“チキン・ゲーム”をアメリカ帝国主義につぎつぎと挑んでいるわけなのだ」(『解放』一九九九年新年号)
 すでに昨年のうちに破産したこの新東西冷戦論を、カクマルは『解放』二〇〇〇年新年号でも何とかして維持しようと必死になっている。しかし同じ新東西冷戦という言葉を使ってはいるが、中・ロ起動力論は完全に吹き飛んでしまっている。昨年強調された「アメリカ一超支配の崩壊」はどこに行ったのか。
 実際、米英帝によるイラク空爆、米・欧帝国主義によるユーゴスラビア空爆―コソボ侵略の現実は、カクマルが優位者として描き出し、戦争原因者であるとした中・ロと帝国主義との力の差をはっきりさせてしまった。(中国は大使館を爆撃されてさえいる)
 困り果てたカクマルは、新東西冷戦論を「文明の衝突」論へ内容的に入れ替えて維持しようとしている。
 これは、アングロサクソン文明と中国、イスラム、スラブ文明との衝突として世界を描き、帝国主義の存在と帝国主義間争闘戦を否定し、帝国主義戦争を隠すものであり、マルクス主義的・レーニン主義的な世界分析とはまったく縁もゆかりもない反動的なブルジョア・イデオロギーである。特に帝国主義間争闘戦における対米対抗の論理をアングロサクソン文明との闘いとして反米愛国主義的に描き出している。
 カクマル新東西冷戦論の破産を完全に認め、グラグラになっているのが『解放』二〇〇〇年新年号での「議長・植田」のアピールである。この人間は、カクマル組織が必死に新東西冷戦論の破産を繕おうと努力しているのに、それを次のように言い切っている。
 「今や、中国とロシアが政治的・軍事的に同盟しつつアメリカに対抗しているかにみえる。この意味において、現代世界は『新東西冷戦』の様相を呈しているかのようであるけれども、だがしかし、この中国・ロシアとアメリカ帝国主義との軍事力およびその経済力の差は覆うべくもないのである。
 ……今二十世紀最後の『新東西冷戦』というべき情勢のもとで激発したところの、キリスト教・東方正教・イスラーム・ヒンズー教などの宗教的対立と結びついたかたちでの諸民族国家間の凄惨で悲劇的な戦争が、アメリカ帝国主義のしかける戦争放火・戦争挑発を導因としながらこれまでにもまして拡大再生産され、激化するにちがいない」(『解放』二〇〇〇年新年号)
 植田は「中・ロ同盟」も「新東西冷戦」も実際には存在しないと事実上否定し、「呈しているかのようである」と告白している。しかもアメリカ帝国主義は、宗教対立と結びついた民族国家間の戦争の「導因」でしかないとして、免罪されている。
 カクマルの世界認識は大混乱状態だ。しかしカクマルは、帝国主義間争闘戦、帝国主義対帝国主義の対峙・対決が現代世界の基本構造となっている点だけは、あくまで隠し通そうとしている。

 第2節 帝国主義的な世界観

 ソ連崩壊に打撃を受けたカクマルの世界観は、ソ連崩壊以降、帝国主義間対立を展開基軸とするものに転換した世界の現実を完全に隠蔽(いんぺい)し、商業新聞を孫引きして打ち出した「中・ロ同盟」や民族・宗教対立に戦争の原因があるとする論理で帝国主義の侵略戦争を合理化するものである。
 かつて帝国主義列強が生き残りと世界再分割をかけて争闘した第二次帝国主義世界戦争の時に、この戦争を合理化するために「大東亜解放のための戦争」とか「民主主義とファシズムの戦争」というブルジョア的世界観を掲げたが、実はこれは帝国主義の虚偽のイデオロギーでしかない。
 帝国主義世界戦争の階級的性格をマルクス主義的にレーニン帝国主義論の内容にのっとって分析する立場を放棄し、ブルジョア的世界観に立つことは帝国主義戦争に自らくみすることなのである。マルクス主義者の帝国主義戦争に対する立場は、労働者階級の国際主義的連帯に基づく革命的祖国敗北主義に立った「(侵略)戦争を内乱へ」であり、「自国政府打倒」の闘いの推進である。
 カクマルは今、日本帝国主義の侵略戦争への突入に当たって帝国主義者の世界観で世界情勢を描くことに必死になっている。破産しきった新東西冷戦論にしがみついているのもそのためである。
 カクマルは、中国・ロシアの軍事包囲がいけない、民族・宗教対立を中・ロが利用してアメリカや日本を包囲していることが米日帝が侵略戦争政策をとらざるをえない理由だとしている。米日帝の朝鮮・中国―アジア侵略戦争に賛成するための新東西冷戦論なのである。

 第3節 「対案」で連合の先兵に

 このファシスト的な世界情勢認識は、カクマルの戦争協力路線、自衛隊・安保容認、改憲承認という組織的踏み切りと一体のものである。
 JR総連=カクマルは、連合が昨年十月の定期大会で新政治方針(「『連合の政治方針』の改定」)なる戦争協力宣言を決定して労働者階級を戦争動員しようという時に、連合路線に活を入れファシスト的に支えるために「対案」(「連合政治方針見直しに対するJR総連の対案」)なるものを提出し、連合「新政治方針」のファシスト突撃隊となることを表明したのだ。
 「対案」は、日帝国家の自衛権を承認し、その立場から自衛隊、安保を認めている。侵略戦争を肯定し、有事立法に賛成し、米軍基地を容認して、沖縄闘争に敵対している。連合すらちゅうちょしている改憲の立場に積極的に立っている。
 JR総連が六月に出した「戦時下の労働運動論」なる労組としての戦争協力路線も、この立場からのものである。カクマルは完全に日帝の朝鮮・中国―アジア侵略戦争のファシスト推進者なのだ。

 第4章 全人民の怒りでカクマル包囲・せん滅へ

 二〇〇〇年はカクマルとの肉薄戦が国会闘争や大衆集会をめぐって日常的に闘われる年となるであろう。総選挙をめぐってむき出しの白色襲撃も不可避に激化する。ファシスト反革命の白色襲撃を打ち破り、流血を辞さずに闘い、戦闘的な大衆運動を守り爆発させることは、対カクマル戦にとってますます戦略的な闘いとなっている。われわれは二〇〇〇年の衆院選決戦、沖縄サミット決戦、新潮流運動への戦闘的労組の大結集という三大決戦の貫徹をもってこれを実現していく。五月テーゼ下の対カクマル戦争をもうひと回り大きく戦略的に前進させる。革命軍の任務も重大である。
 第一に、何よりも重要な確認は、二〇〇〇年の三大決戦を闘う革共同・革命軍の解体に全力を挙げている日帝・国家権力との闘いに勝利することである。
 沖縄サミットは、沖縄闘争の暴力的圧殺、沖縄人民への差別・抑圧をもって侵略戦争に突き進む大反動であり、日帝の帝国主義間争闘戦での生き残りをかけた攻撃として、人民との一大階級決戦となっている。だが、名護市民を先頭とした沖縄人民の反撃の前に日帝は決定的に追い詰められている。
 日帝は、こうした中で侵略戦争に反対する大衆闘争そのものを解体する目的をもって、七・二一体制ともいうべき沖縄サミット弾圧体制を構築しようとしている。階級闘争そのものの解体をかけた大攻撃である。そしてその軸を担う革共同の破壊に総力を挙げている。
 この敵の攻撃に対して全党が武装し、大衆運動の大爆発を実現するとともに、対権力での組織防衛をかちとることは革命党の第一の任務である。日帝の団体規制法(第二破防法)をも使った組織解体攻撃を粉砕し、運動と組織を防衛しよう! その核心的な闘いとして革命軍は防衛闘争の勝利をたゆみなく続けなければならない。公然・非公然組織の総力を挙げて指名手配者の防衛にさらに完璧(かんぺき)を期そう!
 第二に、全党総戦争化と革命的武装自衛体制の強化をかちとること、その闘いと結合した革命軍の対カクマル赤色テロル戦の戦略的攻撃体制を堅持することである。階級闘争の破壊に一切をかけるカクマルとの闘いは、すでに大衆運動をめぐって沖縄で、国会前で、都労連の闘いの中で、あるいはさまざまな大衆集会をめぐって接近戦として開始されている。ファシストへの全党総武装を軸に、全人民的総武装をもってカクマルとの闘いに突入しよう。革命的武装自衛体制を強化し、流血を恐れず運動を防衛し抜こう!
 革命軍は革命的正義をかけて待ちに待った血みどろの赤色テロルをカクマル中枢、JR総連、カクマル議員、学生カクマル、SKIそして産別カクマルに繰り出すであろう。黒田よ、そして全カクマルよ、心して赤色テロルの洗礼を待て!
 第三に、全党の索敵情報戦争への決起と、その闘いと結合した全人民の索敵情報戦争の戦略的前進をかちとることである。索敵情報戦争は、組織としてのカクマルを解明していく闘いであり、カクマル完全打倒を展望して闘っていくということだ。特に教労、自治労を始めとしたカクマル産別メンバーが百万人民決起の運動への破壊を先頭で担っている事実はけっして許されないことである。
 第四に、カクマルに対するイデオロギー的・理論的・綱領的な闘いである。カクマル完全打倒のためにはこのイデオロギー・理論闘争での暴露とその勝利が必要である。労働者人民を帝国主義戦争に動員しようとしている反革命カクマルの狙いを全人民の前に全力で暴露していこう。ファシスト黒田理論を粉砕し、カクマル完全打倒に向かって突撃しよう!
 第五に、対権力戦争の戦略的重視である。二〇〇〇年決戦は沖縄サミットをめぐる一大階級決戦としてまさに火を噴いている。また三里塚暫定滑走路建設をめぐる闘いが決戦になっている。日帝の侵略戦争体制づくりの反人民的エスカレーションに対して、革命の側も戦略的エスカレーションをもって闘うことが求められている。大衆闘争の大爆発と結合した革命軍の闘いのエスカレーションをかちとろう。あらゆる弾圧を突き抜け、断固たる戦闘を戦取しよう!
 第六に、こうした闘いの土台として、革命軍の組織建設をかちとることである。革命的共産主義の思想的・理論的強化をかちとっていこう。そして何よりも獄中同志に学び、連帯し、われわれ自身が権力の弾圧に対して完黙・非転向で闘い抜く決意を打ち固めよう! 革命軍の精鋭的強化をかちとろう!
 以上、すでに二〇〇〇年決戦の革命軍の課題は明らかだ。五月テーゼ路線をさらに推し進め、凶暴化し白色テロ行動に走るファシストを包囲し、人民の怒りの中でファシストへの制裁を実現しよう! 革命的武装自衛体制を強化し、反革命への赤色テロル戦を炸裂(さくれつ)させよう! 三・一四復讐戦貫徹・カクマル完全打倒へ突き進もう!
 武装し戦う革共同万歳!

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週刊『前進』(1945号5面2)

 機関紙活動

 実践の中から

 「この新聞、死ぬまで取るで」

 大阪 S・T

 この十年来つきあいのあった七十歳代の男性Kさんが、このたび『前進』の定期購読者になりました。
 昨年十一月下旬に訪問した時、Kさんは「昔の『荊冠』を引っぱり出して読んでたとこやけど、あんたらの言うてたとおりになってきてる」「オウム新法とかいうのは解放同盟も狙われる」という話をしていました。そこで十二月の下旬に『前進』新年号を持って再度オルグに行きました。Kさんは快く『前進』を買ってくれ、同時に部落解放闘争の資料も買ってくれました。
 Kさんは戦後革命期には在日の人びととともに闘い、また日共の活動にも参加していました。その後、波乱万丈の人生を送ってこられた人です。部落解放闘争にも深い関心をもち、私たちの良き理解者です。そのKさんが「こんな年やから体動かせへんけど、この新聞、死ぬまで取るで」と言ってくれたのです。私はとても感動しました。これを機に、さらに『前進』を広めていきたいと決意しています。
 全国の同志の皆さん!
「『前進』の一部拡大は、革命の一歩前進」(機関紙活動の手引き)です。
 『前進』をもっともっと広めていこうではありませんか。

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週刊『前進』(1945号6面1)

 1面からつづく

 日帝にとって沖縄サミットは帝国主義国としての生き死にのかかった大課題である。開催地をわざわざ沖縄名護市に設定したのは小渕政権であり、小渕はあらゆる意味で沖縄サミットに日帝の命運をかけている。
 日帝は、沖縄人民の闘いを放置しておいて、朝鮮・中国―アジアへの侵略戦争に打って出ることはできない。新ガイドライン法が成立しても、軍事拠点としての沖縄が揺れている状態では、新ガイドライン体制完成の展望が開かれない。だからこそ日帝は、「沖縄の側から要請された基地移設=新基地建設」という形をとって、沖縄闘争の圧殺と基地強化を推し進めたいのだ。その最大のテコとして沖縄サミット攻撃がある。
 沖縄サミット粉砕決戦とはまさに新ガイドライン粉砕決戦であり、日帝のアジア勢力圏化と侵略戦争への突進を許さない、戦争か平和かをかけた歴史的決戦となる。二−三月の岸本リコール運動−名護市長選の成功を闘いとり、七月サミット決戦へ突き進もう。
 闘う沖縄人民、そして闘うアジア人民と連帯し、三里塚闘争、北富士闘争を始めとする全国の反基地闘争の新たな発展を切り開こう。三・二六三里塚全国集会に総結集しよう。
 ロシア軍によるチェチェン人民虐殺の侵略戦争を絶対に許すな!
 二月十六日からの「周辺事態」を想定した日米共同統合指揮所演習を阻止せよ。

 第4章 資本攻勢と対決し新潮流の大前進を

 第三の決戦課題は、二〇〇〇年決戦の土台をなす課題として、労働運動における新潮流運動の大前進を切り開くことである。
 日帝の二〇〇〇年攻撃の基底には、帝国主義的労働運動を育成するということがある。その最大の手先が連合であり、またカクマル=JR総連である。つまり二〇〇〇年の階級攻防の本質として、帝国主義的労働運動と階級的労働運動のどちらが労働者人民を獲得するのかという問題が大きく横たわっているのだ。
 この視点から言っても、一・二八国労中央委員会闘争の勝利は重大な地平を切り開いた。国労闘争団を先頭とした闘う国労組合員の怒りの決起によって、日帝権力に屈した宮坂・チャレンジ一派と革同上村派が牛耳る国労本部の「年度末決着」路線を、その根底において打ち破る突撃路を開いたのだ。しかしチャレンジ一派と革同上村派は、国労解体路線を絶対にあきらめていない。
 また、日帝は国労をつぶさない限り、戦争と大失業攻撃を進められる国内階級支配に転換することができない。国鉄闘争はこの二−三月がさらに決戦だ。今こそILO勧告を武器にして五・二八反動判決と闘い抜き、政府・JRに勧告の順守を迫る闘いを推し進め、国労本部執行部を総退陣に追い込み、闘う執行部を確立しよう。闘争団の闘いを守り支えぬこう。カクマル=JR総連打倒を推進し、国労の再生・強化・発展をかちとろう。
 そしてこの決戦の中で、二〇〇〇年春闘を戦闘的に闘いぬこう。この春闘は賃下げを公言した日経連労問研報告との闘いであり、労問研報告路線に屈服しそれを推進する連合と、そのファシスト的先兵=JR総連を打倒していく闘いである。全産別での白熱した闘いを打ちぬこう。
 「日の丸・君が代」強制を許さない決戦に突入しよう。これは新ガイドライン体制づくりとの闘いであり、改憲と教育基本法改悪への道を阻む決定的な闘いである。闘う教育労働者はその先頭に立とう。教育労働者への処分攻撃を許さない闘い、職場と地域を結ぶ闘いの広がりをつくり出そう。
 二〇〇〇年決戦勝利の一切の土台は党建設だ。労働者学生人民から『前進』がいま求められている。学習会運動を強化し、党勢の拡大を断固として進めよう。

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週刊『前進』(1945号6面2)

 前進社の住所を「連絡先」にしたカクマルのデマ文書を弾劾する

 百万人署名運動の破壊が狙い

 昨年十一月以来、「百万人署名運動を発展させる会」を名乗った「百万人署名運動ニュース」なる怪文書が、わが革共同の本部である前進社の住所をかたって多方面に送り付けられている。これは自分の正体を明かさず他人の名前や住所を使って運動を破壊しようとするものの仕業であり、その手口と内容からファシスト・カクマルによるものであることは百パーセントも二百パーセントも明らかである。われわれはこの間の事実を明らかにし、カクマルの妨害と破壊の攻撃に対して断固たる弾劾と反撃をたたきつけるものである。

 第1章 架空の団体を名乗り品性下劣なデマ攻撃

 この「百万人署名運動ニュース」なるものは、「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の「百万人署名運動全国通信」の体裁をまね、運動の内部に反対する勢力があるかのような装いをこらして、昨年十月以来デッチあげられてきたものである。
 当初その「連絡先」は「東京都新宿区2−15−24ヒカリビル201白井気付」となっていた。これは、ファシスト・カクマルが、昨年七月に反党脱落分子=白井朗が行った反革命パンフ発行に乗じて、そのパンフ抜粋をマスプリしたり、さらには白井を名乗って自ら「白井第三パンフ」(青パンフ)をねつ造したりし、あたかも革共同の中に白井派なるものが存在するかのような工作を始めた際に、使った住所である。そこでカクマルは「『百万人署名運動』を発展させ白井政治局員を支持する会」なる架空の名称をデッチあげ、デマリーフやデマ手紙などを呼びかけ人、賛同人たちに送り付け始めた。
 ところがこのヒカリビルは白井が契約した貸し机会社で、この文書類がカクマルによるにせものであることがたちまち明らかになった。そこで、今度はなんと、「連絡先」を前進社に変えてきたのである。題字の下に郵便番号や電話番号まで付して、破廉恥にも前進社を僭称(せんしょう)したのだ。
 このため前進社には、「あて所不明」や「受け取り拒否」の多数の「返送」が届いている。それによって、カクマルがどの程度の範囲に、どういう名簿でこの発送を行っているかが、われわれに分かるようになっている。
 まったくカクマルならではの卑劣なやり口である。はっきりしていることは、これは百万人署名運動の関係者を装って内部に混乱を持ち込むことを目的にした犯罪的破壊工作であるということである。
 「百万人署名運動を発展させる会」を自称しながら、ニセ通信の「二八号」では、「いまこそ、わたしたちは『とめよう戦争への道!百万人署名運動』を自らの力で解散させなければなりません」(ゴシックは原文!)とあけすけに言って、その目的が「発展」ではなく解体・破壊にあることを自白している。また、同「三一号」では、座談会と称して品性下劣なデマ情報を並べ立てた上で、「どれも革マル派が聞いたら喜ぶようなことばかりだなあ」と言って、思わず正体を自己暴露している。
 また、このニセ通信の発行は、百万人署名運動の呼びかけ人、賛同人や、各地の連絡会に対して大がかりに行われているトリック電話、脅迫電話と軌を一にして続けられている。
 カクマルのニセ通信は現在、「一月一日付・三一号」まで八号にわたって続けられているが、その内容はことごとく書いている連中の品性の下劣さ、卑劣さをただただ繰り返し自己暴露しているだけのデマ宣伝でしかない。

 第2章 百万人署名運動の発展に脅威感じ妨害

 百万人署名運動は九七年秋以来、まったく新しい形の大衆運動として発展してきた闘いである。ガイドラインのガの字も叫ばれない中で、世代を超え党派を超え行き掛かりを超えて、「小異を残し大同する」を合言葉に、多くの民衆の力に支えられ、自律的に発展してきた運動である。「この運動の真の目的は、地域、職業、党派、宗派、世代の違いをこえた連帯の形成と拡大にあります」(九八年四・四全国集会アピール)。それが今日まで五十を超える全国各地の連絡会によって八十万余の署名を集めるところまで発展してきたのである。
 昨年の五・二一明治公園の五万人の集会に示される九九年春のガイドライン反対の闘いの発展の中で、百万人署名運動は重要な役割を果たしてきたのである。このことに「ガイドラインなどたいした闘争にならない」と高をくくってきたカクマルは、仰天し脅威を感じて、なりふり構わず妨害に出てきたのであった。
 このような百万人署名運動の意義を高く評価して、われわれが労組交流センターや反戦共同行動委員会の仲間とともに、この運動を成功させるためにその一翼を担って全力を挙げてきたのは当然のことである。
 この統一戦線の発展に驚き慌て、「百万人署名運動=中核派」というレッテルを張れば打撃を与えられるのではないかと錯覚して、カクマルがあらゆる卑劣な手段で妨害と敵対に走っているのである。
 カクマルは昨年のガイドライン闘争、第三次安保・沖縄闘争の発展に打撃を受け、春から夏の過程でそれに介入しようとして破産してしまった。JR総連=カクマルは、国会前の座り込みへの介入や、五・二一の陸海空港湾の二十労組の闘いへの介入に際し、きわめてジグザグした対応をしたうえ、六月に役員更迭までせざるをえないような混乱にたたき込まれた。
 さらに八月の国会過程まで混乱が続き、ついに介入策動を断念して撤退せざるを得なくなった。こうしたことが、カクマルを破壊策動に駆り立てているのである。

 第3章 デマとトリック、偽造の常習犯=カクマル

 カクマルがこのように他人の名や住所をかたり、運動を破壊するためにデマ宣伝を行うのは今に始まったことではない。
 一九七五年には、わが『前進』に似せてニセ『前進』を偽造し、革共同の主張をねじ曲げておとしめようとした。それ以来、実に四半世紀にわたり、そういうデマとトリックを繰り返してきたのがカクマルだ。
 カクマル松崎がJR東海副社長(当時)葛西と対立していた九二年四月には、「JR東海新聞」というタブロイド版カラー八ページの「新聞」を作り、葛西の「スキャンダル」を大々的に攻撃している。
 九五年八月には、「国労の現状を憂える会」なる幽霊団体を名乗って、「国鉄労働組合第六十回定期全国大会報告集」なる十四ページのデマパンフを作成し、配布した。ここでも国労の内部に存在しているかのような装いをとりながら、実際は「不正献金」デマなどを振りまいて国労を分裂させようとするもくろみが見え見えだった。
 国鉄分割・民営化の張本人であり、国労破壊攻撃の先兵であることが誰にも明白なJR総連=カクマルが、その正体を隠して、「一〇四七名の原地原職奪還をかちとろう」などという自分たちと相入れないスローガンを隠れみのに使ってまでして、国労「内部勢力」のふりをして国労を破壊しようとしたのである。
 この国労に対するデマパンフは、今回の百万人署名運動に対するニセ通信と同じ発想、同じ手口であり、カクマルの一貫したファシスト性を示すものだった。

 第4章 反戦運動破壊の背景にJR総連の大転向

 カクマルの百万人署名運動に対する破壊策動の背景には、昨年十月の連合大会におけるJR総連の「対案」という形をとった大転向路線、安保・自衛隊の容認の路線がある。カクマルは、このJR総連の新ガイドライン下での戦争協力路線を機関紙上でも公然と積極的に評価することによって、党派としての転向をも表明した。
 JR総連=カクマルの転向への踏み切り、その貫徹のために、ガイドライン闘争に一層徹底的に敵対する、あらゆる手段を使っても戦争絶対反対の闘いを押しつぶすという攻撃に突進してきているのである。常軌を逸した無茶苦茶なデマ宣伝攻撃ということの背景には、このようにカクマルにとってすべてであると言ってよいJR総連の大転向路線を何がなんでも貫徹するという絶対性がある。そこにカクマルの危機性と破産性も、その凶暴性もあるということである。
 しかしながら、ガイドラインに怒りと危機感をもって闘いに立ち上がった人びとは、カクマルの卑劣なデマ攻撃の前にけっして屈服していない。むしろ、ガイドライン法が成立し、日帝・政府が戦争国家体制をつくりあげようとしている時だからこそ人民に対する権力の弾圧が激化し、それに呼応して闘いを妨害する勢力がうごめくものだということがしっかりと確認されているのである。
 カクマルの反革命的本性が今や幾十百万人民の前にますます明らかになっているのだ。まさにカクマルは、こうした反革命策動によって自らの墓穴を掘ったというべきである。
 われわれは、カクマルのファシスト的策動を絶対に許さず、カクマル=JR総連の本性を暴きぬき、全人民の力でカクマルを包囲し、打倒・一掃するであろう。

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週刊『前進』(1945号6面3)

 関西新空港闘争

 ゛二期事業許さぬ″

 住民団体などが集会・デモ

 一月三十日、泉佐野市のりんくう公園で、大阪湾岸住民四団体、関西反戦共同行動委員会共催による「関西新空港二期事業・軍事使用阻止! 沖縄に連帯し新基地建設阻止・サミット粉砕!」関西新空港反対現地闘争が百八十人の結集で行われた。地元泉州からは小雨と寒風の悪天候をついて住民が大挙結集した。
 一月二十日からは伊丹で日米共同指揮所演習「ヤマサクラ37」が行われ、地元二市一町の「軍事使用禁止」の申し入れを踏みにじり、参加の米兵が関空から入国した。また、地元五市の度重なる抗議と禁止要求を無視し、大阪空港では八回も米軍機が発着した。参加者は、関空や大阪空港の軍事使用と対決する関空反対の闘いは、沖縄・三里塚と一体の侵略戦争反対の重要な闘いであることを確信して闘い抜いた。
 集会は、淡路町反対同盟の安藤真一さんの司会で、森田恒一泉州住民の会代表が主催者あいさつに立ち、「関空は黒字転換のはずの今年も赤字で、一日一億円以上の利息を払う末期症状。『倒産』しないのは周辺事態法で軍事空港として使うため」と弾劾し、「私たちの闘いあるかぎり戦争はできない」と訴えた。
 三里塚反対同盟と知花昌一さんからのメッセージ紹介に続いて、泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が基調報告に立った。
 国賀市議は、「反対運動で二年前のような部隊での入国は阻止したが、共同演習のたびに関空を軍事使用することが明らかになった」と弾劾し、地元自治体から軍事使用禁止要求、抗議が相次いだことを報告した。そして名護新基地建設阻止、沖縄サミット粉砕を沖縄の人びとと固く連帯して闘い、本土での第三次安保・沖縄闘争の爆発に全力をあげよう、三里塚暫定滑走路建設阻止へ反対同盟と固く連帯して三・二六に総決起しよう、衆院選決戦で長谷川英憲候補の必勝をかちとろう、部落解放同盟全国連合会第九回大会をともに成功させようと、二○○○年決戦前半戦への総決起を訴えた。
 仲宗根朝寿全国沖縄青年委員会副委員長が沖縄闘争特別アピールを行い、決戦の名護情勢を報告した。
 泉州住民の会の代表は、「沖縄の基地問題は全国の問題。沖縄・三里塚と連帯し関空の軍事使用を阻止する」と決意表明した。東灘区住民の会の代表は、神戸を軍事拠点にする神戸空港建設反対を訴えた。松原康彦東灘区住民の会事務局長が、関西実行委員会永井満代表のメッセージを紹介し、まとめを提起した。関西労組交流センター、部落解放同盟全国連、全学連が決意表明した。
 デモ隊は、「二期事業粉砕! 関空の軍事使用阻止!」のシュプレヒコールで市内を力強く行進した。
 日本共産党は、大阪府知事選でついに関空二期工事を公然と支持した。一・三○闘争は、この総翼賛状況を打ち破り、闘われた。

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週刊『前進』(1945号6面4)

 紹介

 共産主義者 123号

 衆院選決戦勝利へ

 ●本格的な石原思想批判 木村論文

 ●山村克の「自己批判書」を全面公開

 第1節 本号は装丁一新

 二〇〇〇年決戦の幕開けにふさわしく、本号から表紙デザインなど装丁が一新された。内容的にも、全体のテーマを〈自自公打倒・衆院選勝利を〉に据えたパンチ力ある二〇〇〇年階級決戦号である。
 本号には、企画上の大きな特徴が二つある。一つは、衆院選決戦・沖縄闘争・労働運動の新潮流形成の三大決戦方針の明確化と、その重要不可欠の一環としてファシスト石原批判を本格的に展開したこと。もう一つは、大幅な紙数を割いて、反党分子=山村克(白井朗)の「自己批判書」を全文掲載し、革共同としての全面的で徹底的な批判を行ったことである。

 第2節 3大決戦の方針

 巻頭の南条彰久論文は、二〇世紀最後の年の闘いがこれまでにも増して歴史の動向を決する重大な階級決戦であることをスケール大きく訴えた重要路線論文。
 まず冒頭の時代認識・情勢論の提起の上に、二〇〇〇年政治決戦の五つの柱として、@自自公体制打倒の衆院選決戦の勝利、A沖縄サミット粉砕・SACO粉砕=名護新基地建設阻止の闘い、B有事立法・改憲阻止の闘い、Cガイドライン体制の実体的確立をめぐる闘い、D三里塚暫定滑走路阻止決戦への党と階級の決起を掲げ、鮮明な方針を提起している。さらに後半で、労働者階級への大リストラ攻撃と連合の翼賛化、JR総連=カクマルの大転向を批判し、今春闘における労働者の根底からの反乱と新たな潮流運動の前進を力強く訴えている。
 本号の柱の一つ石原批判の木村進論文は、衆院選決戦の意義と勝利の展望を明らかにした包括的な二〇〇〇年決戦論であり、第二の巻頭論文とも言うべき重要論文である。
 前半でまず、二〇〇〇年決戦の攻防の重心が自自公体制打倒にあることを確認し、歴史的決戦としての衆院選決戦論を展開。そして後半では、ファシスト石原登場の歴史的意味を日帝危機の深まりとの関連でとらえ返し、石原思想・石原都政のファシスト的本質、その凶暴性と脆弱性をあますところなくえぐりだした。
 沖縄県委員会論文は、年末・年始にかけて急展開した沖縄情勢をめぐる現地=県党の渾身(こんしん)のアピールである。
 日帝・小渕政権と稲嶺―岸本の「年内決着」路線の欺瞞(ぎまん)性と破綻(はたん)性を怒りを込めて暴き出し、「米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の永続的闘いを沖縄―本土を貫く七月サミット粉砕・名護決戦として爆発させることを訴える。
 篠塚隆論文は、一〇四七人解雇の不当性を明記し、五・二八判決を事実上否定したILO勧告の決定的意義に焦点を当て、国労中央の「改革法承認」「早期解決」論路線を批判。宮坂・チャレンジ一派打倒、JR総連=カクマル打倒、国労の階級的再生をかちとる国鉄決戦の展望を明示する。
 三沢忠彦論文は、連合の「新政治方針」へのJR総連の「対案」を、カクマル=JR総連の画歴史的大転向のあかしとして具体的に暴露・批判。「戦時下の労働運動」論路線を徹底化し戦争翼賛勢力として一層反革命的に純化したカクマルの姿を浮き彫りにする。
 浜田茂夫論文は、奥田日経連の「経済戦略会議報告」への詳細な批判だ。「エンプロイヤビリティ」と「労使関係の個別化」を掲げ、生き残りをかけて大リストラ・賃下げ攻撃に打って出た資本攻勢の新段階に鋭いメスを入れる。
 秋月丈志論文は、崩壊前夜の米経済バブルを理論的に対象化。基軸通貨=ドルの地位と米への国際資金の流入を可能にした米帝世界支配の構造を分析し、バブル崩壊−大恐慌爆発の必然性と切迫性を解明する。
 西塚孝裕論文は、『資本論』第三巻の最終篇=第七篇「諸収入とそれらの源泉」を考察し、資本主義が歴史的に独特な形態を持つ最後の階級社会であることを総括。プロレタリア革命に向けて『資本論』の徹底的学習を呼びかける。

 第3節 山村を徹底断罪

 本号のもう一つの柱である山村自己批判書の全文公表は、脱落・転向者=山村克(白井朗)の反党破壊策動に対する革共同政治局の断固たる鉄の回答であり、山村を反革命的に利用しようとして馬脚をあらわしたカクマルへの満を持した追撃である。
 公表に際しての政治局声明では、山村の非実践的な「理論問題」の提起がいかに組織破壊的で自己破産的なものであったか、政治局の闘いがいかに原則的で粘り強いものであったかを、一点の曇りもなく明らかにしている。
 党の指導の下でいったんは自己批判しながら、たちまち権力に屈服し居直りと革共同破壊行為に転じた山村の卑劣極まりない本質・言動の一切がここに突き出されている。徹底的粉砕・打倒あるのみだ。
 全党の同志、『前進』読者は、本号を二〇〇〇年決戦勝利への実践的武器として活用してほしい。

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