ZENSHIN 2000/02/07(No1943 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

週刊『前進』(1943号1面1)

 自自公政権打倒、衆院選挙決戦へ

 福祉は権利だ! 介護保険4月実施中止を

 岸本名護市長リコール運動の爆発を

 「侵略基地の島」の強化許すな

 闘争団切り捨て許さず2000年春闘へ

 一月二十日の通常国会開会と衆参両院への憲法調査会の設置をもって、日帝は、新たな朝鮮・中国−アジア侵略戦争の道に突き進むための有事立法・改憲攻撃に公然とのりだした。二〇〇〇年はこの歴史的大攻撃と真っ向から対決する第一年となった。その最大の焦点は急迫する衆院選決戦であり、名護新基地建設・沖縄サミットをめぐる決戦であり、そして賃下げ・大失業と福祉切り捨てによる労働者階級圧殺の一大資本攻勢との対決である。小渕・自自公政権打倒、衆院選決戦勝利へ突き進もう。介護保険制度の四月実施中止へ、「ストップ介護保険!」の全国的大運動を今こそ猛然と巻き起こせ。二・一一「日の丸・君が代」粉砕闘争に立とう。

 第1章 改憲射程に入れた憲法調査会の設置

 一月二十日の通常国会開会と同時に強行された衆参両院への憲法調査会設置をもって、日帝はついに改憲に向かっての本格的な攻撃を開始した。今後三年間で各党の見解を出し合い、その後二年間で新憲法の試案を作成、五年目から改悪作業に着手、遅くとも二〇〇八年には改憲を実現することが、公然と掲げられた。
 調査会の会長には、衆院は中山太郎、参院は村上正邦という自民党内でも札付きの改憲派の頭目が就任。委員には中曽根や元法相の奥野など、かつての日帝の侵略戦争を「聖戦」と居直り賛美してきた極右天皇主義者が率先して加わっている。その最大の狙いは、憲法第九条の戦争放棄の規定を破棄し、日本を再び戦争のできる国につくり変えることにある
 「この国のかたちを変える」――これが今、日帝ブルジョアジーが一斉に叫び出しているスローガンだ。
 その意味は、“反戦平和や基本的人権などの戦後の価値観や諸制度をそのままにしていては、今始まった新たな世界恐慌・ブロック化と世界戦争の時代に日本は帝国主義として生き残れない。戦後民主主義的あり方を全面的に解体し、再び国のため、天皇のために全人民が一丸となって命までも差し出すような国家と社会に変えていかなければならない”ということだ。
 その最大目標として、改憲と有事立法の攻撃が、いよいよ階級闘争の正面テーマに浮上してきたのだ。
 今や自自公はもとより、民主党、日本共産党、社民党など全野党も加わって、「憲法見直し」の許しがたい大合唱が始まっている。民主党党首の鳩山は、「自衛隊を軍隊として憲法に明記せよ」と主張し、改憲作業には時間をかけず「二〜三年で結論を出すべきだ」と、自民党以上に攻撃の先頭を走っている。日共は「第九条を守る」と言いつつ調査会に積極参加しているが、それは実は帝国主義国家である日本の「自衛権の発動」(アジア人民にとっては侵略戦争の別名だ!)を認める立場からのものであり、改憲の推進役となるものでしかない。

 第1節 労問研報告に階級的反撃を

 この自自公を軸とする侵略と戦争への総翼賛的体制のもとで、日帝の大資本を始めとする帝国主義支配階級が生き延びるためには労働者人民は進んで犠牲になれという攻撃が、昨年に続いて一層すさまじい勢いで吹き荒れようとしている。
 一月十二日、日経連は労問研報告で賃金引き下げとワークシェアリング、春闘解体を公然と打ち出し、労働者階級への戦後史上かつてない全面的な攻撃に突き進むことを宣言した。
 続いて一月十八日、小渕首相の私的諮問機関である「二十一世紀日本の構想」懇談会が、安保・外交政策から教育や社会保障など国家と社会の全般にわたる大改造への提言を行った。そこでは「自己責任で行動する個人」「結果の平等から機会の平等へ」を合言葉に、“国はもはや労働者人民のいのちと暮らしに責任はもたない、人民は甘えを捨てよ”ということが真っ向から打ち出されている。
 さらに、小渕は二〇〇〇年の最重要課題として、@名護新基地建設・沖縄サミットの強行A教育改革B社会保障制度改革の三点を掲げ、新年の冒頭から全力をあげた攻撃を開始した。その手始めとして、野放図な赤字放漫財政による大資本救済・軍備増強と労働者人民への露骨な犠牲転嫁の予算案を人民にのませようとしている。介護保険制度の導入を突破口とする福祉切り捨ての大攻撃は、その最大の柱である。
 また、国労解体の攻撃を強め、労働者の団結破壊と戦闘的労働運動の解体に一層、全体重をかけて襲いかかっている。
 だが、これらすべては、日帝にとっても、のるかそるかの危機的で絶望的な攻撃だ。沖縄ではすでに、名護現地を始めとした沖縄人民の不屈の決起によって、基地と安保をぐらぐらに揺さぶる闘いが切り開かれようとしている。他方で、激化する大失業攻撃と一大資本攻勢への労働者階級の怒りは日に日に高まり、それは大爆発への抑えきれない臨界点に達しようとしている。
 戦争への怒りと生活破壊への怒り、この根底からの怒りに火がつき、両者が結びついたとき、日帝のかさにかかった攻撃は逆に、日帝を打ち倒す巨大な人民決起の引き金に転化するのだ。そのことに日帝は、実は心底からおびえている。
 既成野党の屈服と総翼賛こそが、日帝のこのようなあからさまな攻撃をまかり通らせている唯一、最大の元凶だ。一切は、この総翼賛的状況を突き破って、誰が人民に総反乱を呼びかけ、組織し、自らその先頭に立って闘い、勝利に責任をとりきるかというその一点にかかっている。
 わが革共同は、今こそそうした勢力として、全労働者階級人民の前に自らの飛躍をかけて断固として登場することを宣言する。六千万プロレタリアートの生き死にと未来をかけて、小渕・自自公政権を打倒し、帝国主義を打倒する新たな革命の道を、闘う全人民とともに総力をあげて切り開くことを宣言する。

 第2章 第2消費税強制し介護=福祉は奪う

 こうした中で、介護保険制度の四月実施をめぐる問題は、日帝と全人民との一大対決の焦点に決定的に浮上してきている。
 われわれは、この攻撃が今日の日帝にとって、沖縄決戦や国鉄決戦と並ぶ体制的な死活のかかった大攻撃であること、労働者人民にとっても生きるか死ぬかをかけた断じて退くことのできない決戦であることを、あらためてはっきりさせなければならない。
 介護保険制度の本質は、高齢者介護と福祉の全面的な切り捨てである。福祉を労働者人民の権利としてきた戦後の社会保障制度を根本から解体し、人民から「第二の消費税」ともいうべき高額保険料を強制徴収し、福祉は権利ではない、金で買えと迫るものである。さらに福祉を民間ビジネスによる営利事業に転化し、大資本の食いものにしていく断じて許せない攻撃だ。「保険あって介護なし」というその反人民的な正体は、四月実施が迫る中で今日、ますます明白となっている。
 一月二十四日、丹羽厚相は介護保険で在宅の高齢者が受けられるサービスの上限額を決定し、医療保険福祉審議会に諮問した。ホームヘルパーの利用などの在宅介護サービスについて、最も軽い「要支援」から最も重い「要介護5」まで六段階に分けてそれぞれの上限を金額で設定した。寝たきりなどで生活全般に二十四時間介護が必要な「要介護5」では月額三十五万八千三百円である。また施設への短期入所サービスについても、年間に利用できる日数の上限を決定した。
 この利用限度額を超える分については全額、自己負担となる。だが実際にはこの限度額以内では、今まで受けていたのと同じ介護サービスを継続することはとうていできない。保険料を支払い、利用料の一割を自己負担した上で、なおかつ不足する部分はすべて金を支払ってサービス業者から買うことになる。
 これがどれほどとんでもない話か、実例で見てみよう。一月二十五日付の朝日新聞によれば、東京・多摩の七十三歳の女性はアルツハイマー病で家族だけでは介護しきれず、デイケアとデイサービスの訪問介護をそれぞれ週三回ずつ、施設へのショートステイを月一回、一週間利用している。その費用は月額約十五万三千円である。これが介護保険になると、自己負担額は月に四十二万円と一気に三倍近くにアップする。
 しかも東京都の石原都知事は、この女性がこれまで受けていた都の老人福祉手当、月に五万五千円を介護保険導入に伴って打ち切ることを宣言している。さらに夫婦二人で月に六千四百円の介護保険料は、強制的に年金から差し引かれる。今までもぎりぎりの暮らしだったのに、これでどうして生きていけるのか!
 介護保険が「介護の社会化」だ、「介護を社会で支える制度」だなどというのは、まったくのペテンだ。実際には介護が福祉でなくなり、営利事業となり、金のない者は介護を受けられなくなる。これまで以上に高齢者とその家族、とりわけ女性に一切の矛盾がしわ寄せされる。
 日本がモデルとしたドイツでは、一九九五年の介護保険制度導入以来、介護サービスはどんどん劣悪化し、虐待や放置が相次いで、施設に入った高齢者が「これなら監獄の方がまし」と泣くほどの一大社会問題になっているというではないか。(昨年十二月十七日付読売新聞)
 こんな憎むべき制度の導入を絶対に許してはならない。「介護保険制度の四月実施中止・介護は全額公費負担で」を要求し、直ちに大運動を巻き起こそう。これまで受けられていた介護サービスの打ち切り攻撃に対してはこれを許さない闘いと要求を団結の力でつくりだし、必要な介護を人民の実力でもぎとろう。
 さらに、介護保険導入で一層劣悪な労働条件にたたき込まれる介護現場の労働者を始め、医療・福祉労働者、自治体労働者と連帯し、圧倒的な決起をつくりだして闘おう。介護保険推進の連合を打倒し、民主党や日共を弾劾し、社会福祉の確保を階級的労働運動の大テーマとしよう。
 福祉は労働者人民の切実な権利、いのちの要求である。福祉を始めとする社会保障は、労働者とその家族が資本の搾取に抗してその生命と生活を生涯にわたって守るための、譲ることのできないぎりぎりの権利であり、「生存権」として歴史的に闘いとってきたものである。日帝は今、この社会保障を、介護保険の導入をテコに全面的に解体し、労働者人民から暴力的に奪い去ろうとしているのだ。
 すでに介護保険の後には、年金制度の大改悪、医療費の大幅値上げ、雇用保険の改悪が続いている。
  6面につづく

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号1面2)

 北富士

 演習場使用中止訴え

 国会座り込み

 一月二十日、通常国会の初日から、天野重知忍草入会組合長を先頭に「北富士忍草村入会集団」の農民が、国による北富士演習場の不法使用の中止を小渕首相に訴えて国会で座り込みに入った。婦人民主クラブ全国協、反戦共同行動委など十五人がともに座り込んだ。衆院選必勝に向かって奮闘する長谷川英憲さんも激励にかけつけた。
 昨年十二月二日から十五日までの二週間の座り込みを引き継いだ決起だ。富士山の大カラー写真に「国立公園1014ヘクタ−ルを掠(かす)め取っている北富士演習場」と書かれた横断幕が注目を集めた。
 沖縄、三里塚とならぶ反戦・反基地闘争の拠点である北富士闘争。戦後の反基地闘争の草創を担い、以来六十年余の入会権闘争を貫く忍草農民の闘いは、第二組合や警察権力の破壊攻撃をはね返し闘いぬかれている。政府は、自ら自然公園法をも無視して侵略国家体制確立のために梨ケ原入会地を北富士演習場として奪い続けている。政府に抗議する連日の国会座り込みを全力で支援しよう。
 日帝・防衛庁による自然公園法違反の演習場使用を中止に追い込み、北富士演習場撤去=入会地奪還、今春、沖縄海兵隊北富士実弾演習阻止に向けて闘おう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号1面3)

 ゛ILO勧告に従え″

 東京と北海道で座り込み

 闘争団、JR復帰求め

 国労闘争団は、ILO勧告を受けて、解雇撤回・JR復帰へ闘い抜いている。
 東京では、一月十九日から二十一日まで、第二八次スポット上京団の五十人が決起した。
 十九日、中山和久早大名誉教授ら二十人の学者・文化人が呼びかけた「政府・JRはILO勧告に従え/千四十七人の復職を求めるアピール運動」の成功に向けた集会が、新橋の交通ビルで開かれ、闘争団を始め百五十人が参加した。

 第1章 ゛運輸省は責任とって解決を゛

 闘争団は、二十日午前、運輸省前座り込み(前号既報)を行い、午後から裁判所前での宣伝、北海道・九州採用差別事件の控訴審の傍聴を行った。
 運輸省前では、上京団長が、「ILO勧告は、団結権の侵害を認め、当事者の十三年間の苦しみを訴えている。勧告をJR、政府に認めさせ、十三年間を無駄にしない、納得のいく解決まで闘い抜く覚悟です」と訴えた。
 各闘争団が次々と運輸省に向けアピールした。
 「三月末には、政府に厳しい内容の立派なILO最終勧告をとる」
 「勧告を政府に守らせることが今後の労働運動を左右する。大変重要な運動を僕らは担っている」
 「土俵際で押し出される寸前のところから土俵の中央に戻りかけた。肩すかしを食らわないために、これで勝てるんだと意思統一しよう。本当に責任があるのは運輸省だ。運輸省に責任をとれ、と言いたい」
 「八九年一月二十日、北海道地労委から八七年四月一日にさかのぼって全員をJRに戻せという命令が出た。政府との交渉では後退に次ぐ後退だった。この状況を八九年の状況に戻した。『人道的解決』ではなく、勧告が光り輝く解決をかちとる決意だ」
 「運輸省が言う『JRに法的責任がないと認めろ』はとんでもない。運輸省は『人道的な解決』ではなく、公正な償いをしなさい。運輸省はわれわれの要求の受け取りを拒んでいる。このような不遜(ふそん)な態度は直ちに改めるべきだ」
 「ILO勧告を機に、日本の国が本当におかしいんだと声を大きくして訴えている。私たちを支援してくれる人を増やし、早期に解決させる決意だ」
 「勧告に確信を持っている。運輸省が慌てて『改革法に基づく新規採用を理解していない』と記者会見した。五・二八判決の時に、黒野事務次官が『改革法は百年も二百年も正義だ』と言った。黒野の言う正義はJR、運輸省の正義で、社会的な正義ではない。勧告を武器に徹底的に闘う」
 さらに全体で、「運輸省はILO勧告に従い、解決しろ! 運輸省は採用差別の責任を果たせ!」とシュプレヒコールを上げた。

 第2章 厳寒の札幌で徹夜闘争貫く

 一月二十二日から三日間、闘争団を先頭に、国労北海道本部が総行動を展開した。全道十三闘争団の約四十人が札幌に集結。JR本体の組合員、支援の労働者も加わって「おれたちをJRに戻せ」の声を札幌市街に響かせた。
 二十二日午後の突入集会では函館闘争団の代表が「首切りの時の憤りは一生忘れない。国鉄闘争が正しいというILO勧告を政府に履行させるために頑張ろう」と訴えた。
 夕方、連帯する会さっぽろの集会に百五十人が参加。三好宏一北海道教育大名誉教授が講演し、「ILO中間報告はJR各社を当事者と認め、五・二八判決をILO条約違反としている。高裁判決は楽観できないが、ILO報告を地域へ、特に連合の労働者へ訴え、ナショナルセンターとして声を出す大きな運動にしよう」と提起した。
 連帯する会北海道事務所から音威子府闘争団の代表が「政府が司法に対して『中立』という日本の『常識』は世界に通用しない。国労はILO勧告を武器に闘う」と発言した。
 闘争団は厳しい寒さの中、大通公園のテントで徹夜の座り込みを貫徹した。深夜には、普段はバイトで行動に参加するのは久しぶりという各地の闘争団員が交流し団結を固めた。
 翌二十三日、座り込みと札幌駅などで情宣を展開し、貫徹集会で稚内闘争団の代表が「JRに戻らなければ人生の空白は埋まらないし、納得のいく解決にならない。ILO勧告を糧に地域・職場で運動し、三月末勧告をかちとり、高裁で逆転勝利判決をかちとる」と発言した。二十四日もJR北海道本社前などで座り込みと情宣を続行した。
 ILO勧告で闘争団は意気上がっている。それがJR本体の組合員にも伝わり、職場ではJR総連との闘いにも力が入ってきている。「年度内」にこだわらず、三月最終勧告を武器にして大攻勢に出ようという声が大きくなっている。
 一・二八中央委員会の闘いを受け、日帝・政府と国労中央による反動的な年度末決着路線を粉砕し、闘争団とともに二〜三月の決戦を闘い抜こう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号2面1)

 戦争協力へ大転向のJR総連

 安保・自衛隊・改憲を容認し連合のファシスト的先兵に

 労働者階級の怒りで打倒せよ

 JR総連=カクマルのファシスト的正体はますますむき出しとなっている。JR体制の根底的な破産が突きつけられる中で、彼らはJR資本に一層おもねり、国労・動労千葉解体をもくろむ絶望的な攻撃にのりだしている。また、彼らは昨年十月の連合大会における「新政治方針」決定=「戦争協力宣言」の反革命的な先兵そのものだ。権力・資本との結託を維持し、噴出する内部矛盾を抑え込むために、全労働者階級人民を侵略戦争の泥沼に引きずり込もうというのである。JR総連=カクマル打倒へ、今こそ総決起しよう。

 第1章 連合「新政治方針」への「対案」の反動的な中身

 JR総連=カクマルは、昨年十月の連合大会での「新政治方針」決定を反動的に促進した。そのことで、さらに決定的な大転向へと踏み込んだ。今日カクマルは、その反革命暴力でガイドライン体制のもとに労働者人民を組み敷こうとたくらみ、国鉄闘争や沖縄闘争を始め人民の闘いへの敵対を強めている。そうすることで、権力の庇護(ひご)を求めているのだ。
 連合「新政治方針」は、
二九年型世界恐慌の現実化と帝国主義間争闘戦の激化、世界経済のブロック化が進展する中で、湾岸戦争やユーゴスラビア侵略戦争に示されるように帝国主義のむき出しの軍事力がものをいう時代になったのだから、労働組合も戦争に協力するのは当然だ、有事立法も推進すべきだという立場を露骨に打ち出している。
 労働組合のナショナルセンターが公然と戦争協力を宣言したことは、全労働者人民の命運を左右するただならぬ事態である。
 この「新政治方針」に反革命的に活を入れたものこそ、「連合政治方針見直しに対するJR総連の対案」だった。政治方針における連合の大転換は、JR総連=カクマルのファシスト的突出と完全に一体なのだ。
 以下、「対案」を引用し、あらためてその反革命性を弾劾したい。
 新しい世界秩序形成は日本国憲法の平和主義を基礎とし、国連をはじめとする国際機関を軸として構想すべきであり、わが国は国連等に今まで以上に積極的に協力する。国連決議によらない軍事行動に反対し、国連においては平和的な紛争処理を積極的に主張する。
 JR総連は、国連決議がありさえすれば帝国主義の軍事行動に賛成だと表明した。しかもそれは、「新しい世界秩序形成」のためのものとして、積極的に位置づけられている。帝国主義は、五〇年朝鮮戦争や九一年湾岸戦争に示されるように、国連の名において残虐な侵略戦争を繰り返してきた。そのすべてをJR総連は肯定したのだ。
 さらに連合「新政治方針」には直接言及されていない国連決議をJR総連はわざわざ持ち出し、その反動的エスカレーションさえ要求したのである。
 日米安保条約は……その性格を軍事的側面から経済・社会・文化的側面へと比重を移す努力を重ねる。
 ペテン的な言い回しだが、これは結局、現に軍事同盟として存在し機能している日米安保をそのまま認めたということだ。「比重を移す」などと言っても、現実にそれが意味するのは安保堅持ということだ。
 さらにJR総連は、在日米軍基地についても完全に承認した。基地撤去を求める沖縄人民の闘いに背を向け、日帝の沖縄差別政策に屈服し、沖縄を基地の島として固定化する普天間基地の県内移設攻撃の先兵となるということだ。この点で、JR総連は完全に連合と一致しているのだ。
 国際ルールとして、自衛権は独立国家の固有の権利であることを確認する。……自衛隊には、専守防衛、徹底したシビリアンコントロール、非核三原則の遵守を厳格に求め今後のあり方として、縮小の方向を指向する。
 JR総連は、自衛権と自衛隊を全面的に承認した。
 そもそも、「自衛権は独立国家の固有の権利」などという理屈は、日帝が、憲法九条に歴然と違反する自衛隊を合法化し、あわよくば改憲をも強行するために打ち出してきた極反動のイデオロギーである。
 自衛隊は、帝国主義国家としての日帝の軍隊として現に存在する。日本の労働者人民、アジア諸国人民が日帝・自衛隊とその増強に反対してきたのは、それがまぎれもなく帝国主義の軍隊であったからだ。そこには、祖国敗北主義の思想が脈々と流れている。JR総連は、それを真っ向から踏みにじり、日帝と完全に一体化して祖国防衛主義へと全面的に転向したのである。
 それは、戦争を遂行するための一切のもの、有事立法や国家総動員体制、さらには集団的自衛権にもことごとく賛成することに必ずなるのだ。
 わが国の政治の現状は、国の進路をめぐる重要問題が国民的な議論も尽くされないまま党利党略の次元で処理され、国会を次々に通過する状況にある。このような現状では、憲法改正を俎上(そじょう)に載せることは不適当であると判断する。
 JR総連は、「現状では不適当」と言うのみで、改憲反対とは絶対に言わない。それどころか、改憲論議は大いに尽くすべきだと言うのである。JR総連は、今や改憲派におおっぴらに転向したのだ。
 日帝は今や、こうして「戦争協力宣言」を公然と打ち出した連合=JR総連のもとに全労働者階級人民を組み敷き、戦争動員を企てている。

 第1節 階級的労働運動の発展こそ

 連合は、その内部にJR総連をファシスト突撃隊としてより深く組み入れた。だがそれは、階級的労働運動の発展があるならば、ファシスト労働運動の矛盾と破産が帝国主義的労働運動の大崩壊へと必ず連動していくことになるのである。
 一大資本攻勢とそれへの連合=JR総連の屈服は、労働者階級の怒りを極限にまで高めている。帝国主義的労働運動やファシスト労働運動による労働者階級の制圧を許さず、階級的労働運動の巨大な発展をかちとることが問われている。
 この攻防の最先端にあるものこそ国鉄闘争である。

 第2章 ILO勧告取り消しの要求にカクマルの正体

 国鉄闘争の不屈の展開は、JR体制とJR総連=カクマルをかつてない危機に追い込んでいる。
 五・二八反動判決と、それに屈服した国労中央の裏切りに抗して、闘争団は「不当労働行為弾劾、解雇撤回・地元JR復帰」を掲げて闘い続けている。闘争団のこのあくなき執念は、国労の主張を全面的に認めるILO勧告を闘いとった。これは、政府・JRとJR総連に大きな打撃を与えている。
 許しがたいことにJR総連は、ジュネーブのILO本部に押しかけ、「勧告を取り消せ」などとねじ込んだ。
 ILO勧告は、国労だけでなく、全世界の労働者階級の闘いがかちとったものである。JR総連は、全世界の労働者にファシスト性をむき出しにして敵対した。昨年彼らは、ガイドライン反対の労働者人民の闘いに介入を策し、粉砕され、全人民に反革命的正体を見抜かれて徹底的に弾劾された。今や「JR総連は労働者の敵だ」という声は、全世界の労働者のものになろうとしているのだ。
 JR総連は、資本との結託体制によってのみ、延命を続けてきた。だが、JR体制は根底的な破産を露呈し、このことがJR総連にすさまじい危機を強制しているのである。彼らは今、このどん詰まりの危機をなんとか突破しようと企て、資本とのより一層の反革命的結託を深める一方、帝国主義の侵略戦争に全面協力し、そのファシスト先兵となることを決断した。JR総連=カクマルにとっては、それが唯一の延命策であり、ファシスト的凶暴さをむき出しにして、そこに絶望的にのめり込む以外にないのである。

 第1節 松崎が反労働者的言辞吐く

 昨年十月に東労組会長の松崎がJR東日本横浜支社で行った講演は、このことをまざまざと示している。
 (1)そこで松崎は、「かつて列車を止め色々とご迷惑をおかけしたが……このJR東日本の労使関係においてはそのようなことをいささかも考えることはない」「十何年間ストライキもやらなかった。これからもやらない」と、スト絶滅への反革命的「使命感」をあらためて表明した。
 (2)そして、「この会社を本当によくするためにはワークシェアリングを考えなければだめである」「JRを発展させていくには……我慢しなければならないものは、我慢をする」「労働組合がわがまま勝手な要求をすればいいというものではない」などと発言した。日経連と同じ言いぐさで労働者の闘いをののしり、賃下げと大合理化の先兵となることを資本に誓ったのだ。
 (3)また、許しがたいことに、昨年二月の山手貨物線事故に触れ、「五人が亡くなった。現場責任者が逮捕され、起訴された。その人の問題は明らかにある」などと、一切の責任を下請け労働者になすりつけた。事故原因を徹底的に追及すれば、分割・民営化と資本・カクマル結託体制下での大合理化、差別的労務政策に必ず行き着く。だから松崎は、JRをどこまでも免罪するしかないのである。卑劣にも今やカクマルは、新幹線トンネルのコンクリートはく落事故やATOS(東京圏輸送管理システム)によるダイヤの混乱も、すべて「謀略」だと騒ぎ始めている。
 (4)さらに松崎は、「早ければ、三年間で憲法が変えられる」と言い放った。“ガイドライン法が成立し、いずれは改憲もされるのだから闘うことなど論外だ”と、戦争協力・軍事輸送協力をあらためて権力・資本に申し出たのである。
 (5)松崎の反革命講演の結論は、国労解体の絶叫だ。松崎は、「どの組合にいても仕事をすればいいという現場長がいると聞いているが、それでいいのか。株主総会では、住田辞めろ、松田辞めろ、大塚辞めろと国労の代表が言っている。そういう国労を支えている人が職場にいても仕事をやればいいということになるのか」と、国労組合員の首切りを資本に要求した。なんたるファシストか!
 これに対して、JR東資本の住田最高顧問は、「JR東日本の原点は労使協調体制の確立」などと述べて松崎に迎合した。
 東労組は昨年六月、結託体制の強化をうたった「安全宣言」を資本と結んだ。だが、これは安全をさらに解体するものでしかない。大事故の続発と安全の根底的な崩壊を引き起こしているものこそ、資本・カクマル結託体制だ。日々、事故の恐怖と向き合う労働者の怒りは、JR総連内部にも反乱の芽をつくり出し、危機にのたうつJR体制そのものを吹き飛ばさずにはおかないのだ。
 国鉄労働者を先頭に、全労働者階級の力で闘争団を守り抜き、国鉄闘争に勝利しよう。戦争と大失業攻撃のファシスト先兵、JR総連=カクマル解体へ、今こそ大進撃を開始しよう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号2面2)

 広高教組の組織破壊を狙う大量処分攻撃を弾劾する

 「日の丸・君が代」攻防勝利へ

 昨年十二月二十八日、広島県教育委員会は、いわゆる「組合年休」にかかわる調査に協力せよ、という職務命令に従わなかったということを口実に、広高教組の組合員千三百十一人を戒告処分にした。
 ついに、「日の丸・君が代」をめぐる階級的激突が始まった。
 昨年の卒業式・入学式をめぐる「日の丸・君が代」攻防では、世羅高校の石川校長が広島県教育長・辰野の暴力的締めつけのもとで自殺に追い込まれた。そして自民党や地域反動が総力で広教組・広高教組破壊のために襲いかかってくる中で、両教組は辰野の攻撃に真正面から反撃を加え、県内はもとより全国の教育労働者・労働者人民の圧倒的支援を受けてはねかえした。新ガイドライン反対闘争、「日の丸・君が代」強制・法制化への反撃の最先頭に立ってきたのだ。
 今春の卒業式・入学式を前に、全国に先駆けて再び広島から「日の丸・君が代」攻防が始まったのだ。全力で広高教組を支援しなければならない。
 戒告処分は、三カ月の昇給延伸を伴うものであり、生涯の賃金と年金にまで影響を与える非常に重い処分である。
 そもそも「組合年休」とは、一九七二年以来の労使の間で慣行になっていたものである。クラブ活動指導や家庭訪問など手当てのつかない時間外勤務の「回復措置」として、校長協会の方から申し出があって始まった慣行である。広高教組の組合員が、年次休暇(年休)届けを出して組合活動に参加し、後で校長らがその届けを破棄して出勤扱いにしていた。これが三十年近く定着してきていた。
 にもかかわらず、辰野は広高教組を破壊するために、この労使慣行を一方的に踏みにじり、広高教組の交渉申し入れを一切無視して、今回の暴力的処分を強行してきた。暴虐このうえない攻撃である。
 ところが、今回の処分は、「組合年休」が直接の理由ではない。理由は「職務命令に反し適正に自己申告をしなかった」というものだ。処分を受けたのは全教職員の二〇%で、調査票を未提出(五十三人)か「記憶にない」(千二百五十八人)と申告した組合員である。県教育委員会自身が、処分したうちの約千人は「組合年休」に関与していないと見ているのだ。
 このことからも、「組合年休」は組合つぶしの口実に使われており、できるだけ処分の範囲を広げるために「適正な自己申告をせよという職務命令」が使われた。実に悪質である。
 処分に対し広高教組は、断固として反撃に立ち上がっている。広教組などとともに辰野教育長の更迭を求める署名運動(第一次一万六千名)や、県知事への更迭要請行動を行っている。
 今春「日の丸・君が代」決戦を闘い、その当面の最大の攻防点となっている広高教組への大量処分攻撃を弾劾し、支援闘争に決起しよう。広教組への「広域人事異動」=強制配転の攻撃を粉砕しよう。階級的労働運動の再生、教育労働者運動の発展をかちとろう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号2面3)

 震災5周年

 神戸で集会とデモ

 全国に反失業のうねりを

 震災五周年を迎えた被災地神戸では、鎮魂キャンペーンの陰で被災者の生活再建政策の大半がうち切られようとしている。「震災五周年 一・一六反失業総行動」は唯一これと対決し反失業の闘いに結集する労働者の力で被災地から新たな共同闘争を宣言し、三百五十人の大結集で力強い一歩を踏み出す闘いだった。
 集会は、関西合同労組兵庫支部と全国金属機械港合同の司会で進められ、「神戸を基地の町にするな」と神戸空港に反対して闘う東灘区住民の会の松原康彦さんらのあいさつを受けて開始された。
 被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表は、「五年間命がけの闘いだった。支援連の応援があってここまでやれてきた。反失業行政闘争と被災者の自立事業を軸に被災者と失業者の受け皿をめざしている。この反失業の旗を担いで全国に反失業のうねりを広げるために全力で闘う」と自らの経験を交えて、「この五年間が苦闘の連続だった」と発言した。
 関西合同労組の宮武章治書記長は、「がれきの下から労働者のゼロからの原点決起と団結をつくり出した五年間の闘いは、逆に大失業時代の最先端の闘いとなった。中高手帳要求の敗北をのりこえて労働学校で学び、沖縄の闘いに学び闘い、そして反失業総行動に立ち上がった」と、苦闘に満ちた総括を提起し、「いよいよ失業労働者の組織化と職業安定所包囲デモを闘う地平を切り開き、反失業を闘う労働運動との新たな共同闘争へ前進しよう」と呼びかけた。
 「被災地と共に労働運動の発展を」と題して、ス労自主の入江史郎委員長は、ス労自主の闘いの報告を踏まえて、「被災労働者がなめた五年間の辛苦は、資本と権力の攻撃と本質そのものだ」「被災地とともに新たな潮流運動を大きくしていこう」と呼びかけた。
 最後に港合同の大和田幸治事務局長が、「がれきの下から歯を食いしばって必死に闘ってこられた被災地のみなさん、本当にご苦労さんでした」とねぎらった上で、「支援連として被災地を支えてきて」と題して提起した。
 「大企業労働組合の被災者への冷淡な態度は、差別支配に労組のだめさが加わったもので、これが被災地労働者の厳しい孤立と大変な苦労を加えた。被災労働者が味わった苦労は資本と権力の攻撃と本質そのものだ」「支援連の運動を呼びかけて被災地と一緒に闘ってきた。そごうの歴史に残る勝利。合同労組の闘いは労働運動の一環だが、被災労働者が仕事を自らの力で確保する闘い、自主的事業として被災地労働者企業組合が出来たことは、大きな成果、唯一の成果として残して支援していこう」と述べた。最後に被災労働者に向かって、「五年間この集会に参加してきた。みなさんが一年一年どう変わったのかを自分自身で見つめ直すことが大切なことです。人生観がどう変わったか見つめ直してみて下さい」と結んだ。
 共同闘争の決意に燃える四氏の提起を参加者全員は確信を込めて大きな拍手で確認した。
 港合同の四つの争議分会からの報告と決意表明があり、さらに被災地雇用と生活要求者組合から三人の労働者の発言があった。同和(改良)住宅の家賃値上げに反対して闘う芦原地区自治会連合、芦原地区住宅要求者組合、番町地区住宅要求者組合、暮らしを守る西宮市民の会の決意表明に続いて関西合同労組兵庫支部の二つの分会の発言が行われ、反失業総行動を闘う各団体の団結がいっそう固められた。
 最後に港合同の代表によってまとめと団結ガンバローが行われた。
 意気あがる三百五十人のデモ隊は、震災復興政策、被災者支援政策の打ち切り攻撃をはねかえし関西での新たな潮流運動の一環としてこの総行動を発展させていく宣言を発し、三宮市役所までの長蛇の迫力あるデモを闘いぬいた。
 (投稿・労働者 AS)

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号2面4)

 東京で支援連集会

 被災地の闘い学ぶ

 一月二十二日午後、都内で「阪神大震災から五年 一・二二今こそ生きる・働く権利を! 東京集会」が東日本被災支援連の主催で開かれ、五十人の労働者が結集し、成功した。
 最初に被災支援連呼びかけ人の宮島尚史元学習院大学教授から主催者あいさつがあった。
 「被災地の闘いの地平と今後の課題」と題して関西合同労組の宮武章治書記長が基調講演を行った。宮武さんは、五年間の闘いの総括を全面的に提起し、「今後、中高手帳申請却下に対しては、県への不服申立や裁判闘争で闘いを焦点化させていく」として、さらに本格的な反失業闘争を闘いぬくことを明らかにした。
 震災時の経験と要求者組合との出会いについて要求者組合員の報告があった。
 被災地雇用と生活要求者組合の長谷川正夫代表は、「要求者組合の三百人の組合員が、入れ替わり立ち替わり組合に来る。それは、組合と組合員との間に運動以外にも信頼関係が強く結ばれているからだ。生きるために要求者組合が出来て生きるために運動するということだ。本当の人間の生き方、労働者同士の生き方が少しずつながら私自身も見えてきた」と述べた。
 さらに、「長谷川英憲さんが来ておられる。全国の五百人という国会議員は誰ひとり私たちの味方にはならない。一緒に闘って、死のうという議員はいない。被災地からの熱い思いをと思い、被災地の一人ひとりが一生懸命集めてカンパを持ってきました。全国の働く、苦しむ失業者労働者の思いを長谷川さんにすべてかけたいと思いますので、どうか東京のみなさんが長谷川さんを必ず国会に送りだしていただきたい」と、熱烈に長谷川英憲さんを激励した。
 これを受けて長谷川英憲さんは、「今、長谷川代表から本当に貴重なお言葉をいただきました。現地の五年間の血のにじむような苦闘、新しい反失業の闘いを作り出し、守り今後の飛躍のための総括を感動で胸が詰まる思いで聞きました。なんとしても被災地のみなさんの気持ちを全身で受け止めて絶対に東京八区での闘いに勝利をかけて臨みたい」「被災地の生きるための闘いという提起に刺激を受けた。杉並で、『介護は生きる権利』という新しいスローガンを打ち出した。介護保険制度の中止だけでなく、介護を自分たちの手に取り戻す闘いをやろうという決断を行った。被災地の闘いを選挙闘争に生かして絶対に当選するためあらん限りの力を尽くして闘う」と熱く語った。
 さらに支援連からのカンパアピールと、三一書房労組、ス労自主、動労千葉の争議組合からの決意表明があった。
 活発な討論の後、支援連の代表が、「日本全体で神戸と同じ状況が生じている。労働組合の存在意義が問われている。国労への国家的不当労働行為に民間の労働者を含めてどう立ち向かうか。被災地の闘いは私たちの財産。これを全国に広げよう」とまとめを提起した。最後に団結ガンバローを行った。感動的な集会だった。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号2面5)

 三一闘争

 都労連で鈴木経営圧倒

 団交要求行動と一体で

 一月十九日午後、三一書房労働組合の東京都地方労働委員会への不当労働行為救済申立の第三回審問が行われ、当該と支援あわせて四十人近くが結集し、鈴木経営側を圧倒して有利にかちとられた。
 三一労組は、この都労委闘争に先立って一月四日に鈴木宅、十五日には林宅、小林宅への団交要求行動を連続して行い、都労委闘争と一体で鈴木経営を追い詰めている。小林は、なんと警察を呼び、三一労組と支援への弾圧を画策した。絶対に許せない。
 この日の審問は、組合側の古屋文人前委員長の証言に対する鈴木経営側の反対尋問の二回目であった。
 鈴木・林・小林の三人の経営者は、前回同様逃亡を決め込んで出席せず、さくら共同法律事務所の青木秀茂弁護士が、地上げ屋の岡部清や水沢渓、組合対策に雇った男たちを引き連れて出席した。
 古屋証人は、青木弁護士の挑発や誹謗(ひぼう)中傷に対し毅然として対峙し懲戒解雇そのものが不当なことを明らかにした。
 そもそも労働者に死を強制する懲戒解雇を行った当事者である鈴木らが姿を現して自己の主張を明らかにできないこと自体、解雇の不正義性、無法性を物語っているではないか。
 審問終了後、総括集会を開いた。代理人の鈴木達夫弁護士は、「鈴木たちは、唯一の経営者として正当性を主張できない。都労委にボディガードを連れてくるなどというのは、自信のなさを自ら認めるものだ」と総括を提起した。
 続いて、今回から代理人に加わった宮島尚史元学習院大学教授と、出版労連の向山征哉副委員長が感想と決意を語った。
 次回の都労委は二月十八日午後一時、次々回は三月二十三日午後一時に決定した。今回以上の結集を実現し、三一闘争勝利への支援をさらに強めよう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号3面1)

 賃下げ・リストラと福祉解体に反撃を

 賃下げ宣言した労問研報告

 「資本主義にノー」突きつけ春闘の戦闘的爆発かちとれ
 二〇〇〇年春闘に向けて、日経連(会長・奥田トヨタ自動車会長)は「二〇〇〇年版労働問題研究委員会報告」で、ついに「賃金引き下げ」の強行と「ワークシェアリング導入」、一層の大リストラ=首切りの推進を宣言した(前号2面参照)。労働者階級は今こそ生きるために団結して闘わなければならない。「資本主義にノー」と言い切り、「大幅一律賃上げ」を掲げ、ストライキで闘うべき時だ。闘う春闘を再構築しよう。今春闘を突破口に、戦闘的労働組合の総結集による新潮流運動の大躍進をかちとろう。

 第1章 日帝と資本の生き残りかけ労働者に歴史画す資本攻勢

 「二〇〇〇年版労働問題研究委員会報告――『人間の顔をした市場経済』をめざして」は、歴史を画する超反動攻撃である。
 それは、「わが国経済は……新たな世紀に向けて、いまだ明るい展望が描けない」(序文)というように、日帝経済の破産と恐慌・大不況への強烈な危機感から来ている。
 日帝は九九年、新ガイドライン法の成立強行をもって戦争国家化へ転換し、同時に、経済戦略会議答申や産業再生法などによる一大資本攻勢―国家的大リストラを強行してきた。その上で経済・社会の一層の構造改革を狙っている。
 そのために、いわば数少ない「勝ち組」としてのトヨタ自動車の奥田が「勝者の論理」を振りかざして登場したのである。奥田は、対米争闘戦に勝ち抜き、資本が生き残るために経営者=ブルジョアジー自身が変わるべきだ、労働者支配を全面的に転換すべきだとして、今年の労問研報告を攻撃的に提起してきたのだ。
 第一に、戦後史上で初めて公式に「賃金引き下げ」を宣言したことである。
 すでに九八年度に現金給与総額が一・七%マイナス(五人以上の企業、労働省調査)を記録し、九九年には三・八%の企業が賃下げを強行している(百人以上の企業、同)。
 その上で、日帝ブルジョアジーの総意として、賃金引き下げを打ち出したのだ。これはこれまでの「ベアゼロ」とは画然と違う。
 報告は「企業の競争力を強化するには、高コスト構造を是正しなければならない」として、「雇用を確保するためには……総額人件費を引き下げざるをえないことを、労使は客観的に認識すべき」「個別企業の支払能力は、さらに深刻な状況におかれ、やむをえず賃金の引き下げに迫られる企業も数多い」としている。
さらに、「もはや賃上げか雇用かという単純な選択では対応できない」として、賃金引き下げを今次労使交渉の課題にしろ、と言う。
 だが日経連の言う「雇用確保」などはまったくのペテンであり、「賃上げか雇用か」の選択ではなく、本質は“賃下げも首切りも”ということなのだ。しかも“賃下げをできないような企業は生き残ることができない”と経営者=資本家に迫っているのだ。これは曲がりなりにも賃上げによって維持してきた戦後的な労働者支配のあり方を最後的に転換する大攻撃である。

 第1節 ワークシェアとは賃金削減

 第二に、賃下げが狙いの「ワークシェアリング」を打ち出したことである。
 昨年の労問研報告で初めて「賃金分割をともなうワークシェアリングの考え方」が提唱されたが、今年の報告では、「柔軟なワークシェアリング」と称して、具体策を検討・実施すべきだと踏み込んでいる。
 @「労働時間の縮減に応じて賃金を削減することがひとつの選択肢」と言い、A具体的には、「正規従業員の仕事・価値を洗い直し、仕事の性格・内容によって時間給管理が可能なものは時間給賃金とする発想も必要」だとして、正規雇用の労働者を事実上のパート労働者にして賃金を削減すべきと主張している。
 Bまた、「企業内の特定部門の分社化、アウトソーシング、在宅勤務、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)」などによる「多様な就労形態」も「柔軟なワークシェアリング」だとしている。
 このように、日経連のワークシェアリングとは明確に賃金削減であり、パート化・不安定雇用化の促進以外の何ものでもない。
 第三に、このような賃下げ論に基づいて、春闘の解体を一層推し進めようとしていることである。
 「産業・企業間のいわゆる横並びの賃金・労働条件決定が実質的に崩壊しつつあることを背景に……労働組合自ら春闘改革を意図し、賃金決定の合理化を図ろうとする姿勢は評価できよう」として、連合主要単産の春闘解体方針をも利用して、労働組合が団結して賃金の底上げを図る統一闘争としての春闘を完全に葬り去ろうとしているのだ。
 この点で重大なのは、「年功的な人事・賃金制度からの脱却を徹底すべき」と、業績・成果主義の徹底を打ち出していることだ。
 「個々人の賃金・賞与・一時金は成果などの評価によって差異がつく」として、「ラッパ型」の賃金カーブを打ち出し、退職金も「企業への貢献度を反映する制度」にし、年金も確定拠出型年金(日本版401k)にするなど、あらゆる手段で総額人件費の引き下げを狙っているのだ。
 すでにトヨタ自動車、富士通、NEC、三洋電機などで定期昇給を廃止したり、成果主義を徹底する動きが進んでいる。三洋電機は「総合職」の定昇を廃止し業績反映型の昇給制度にし、退職金も業績に基づくポイント制にする。NECは、事務・研究などのホワイトカラーで昇給額に標準額の二・五倍からゼロの格差がつく制度にする。
 このような制度のもとでは、賃金は個々の労働者の業績・成果次第というのだから、個別企業においても、統一した賃金闘争など問題にもならなくなる。ましてや産別やナショナルセンターによる賃上げ要求など完全に無意味となる。
 労問研報告は、この追認と促進の攻撃なのだ。

 第2章 連合を取り込み労資協調で大リストラ=首切りを狙う

 第四に、一層のリストラ=首切りの推進宣言だということである。
 マスコミは、奥田が「安易な人員削減」を批判したかのように強調しているが、奥田が言っていることの核心は次の点だ。
 「もちろん、私は、会社も従業員も共倒れになるまで、とことん雇用を死守せよ、などと言っているわけではありません。大切なのは、人員整理に踏み切るのは、万策尽きた後の最後の手段であるべきであり……
万策尽きて、会社を守るためには、人員整理に踏み切らざるを得ないことも、当然あるだろうと思います」(一月十二日、日経連臨時総会でのあいさつ)
 つまり、労資協調で人員削減を含む大リストラを推進し、それでも駄目なら、人員整理=一挙的な大量首切りに踏み切るべきだということなのだ。
 そもそも、昨年十月二十二日に日経連と連合が結んだ「雇用安定宣言」では、「労働組合も……生産性の向上やコスト削減など経営基盤の強化について十分な協議を前提に協力していく」ことをうたっている。つまり、日経連は連合を取り込んで大リストラを推進し、その上で大量首切りもやると宣言しているのだ。

 第1節 「人間の顔をした市場経済」?!

 第五に、これらの攻撃全体に貫かれている「『人間の顔をした市場経済』をめざして」という表題の反労働者性、超反動性を弾劾しなければならない。
 「人間の顔をした市場経済」とは、奥田が昨年五月に日経連会長に就任して以来唱えているものだが、ここには、それまでの根本会長による「ダイナミックで徳のある国」(九九年)や「第三の道」(九八年)からのひとつの転換がある。
 「人間の顔をした市場経済」とは、「自由な市場経済での競争を前提に、かつ市場の暴走を抑制し、人間が主役になり、尊重される社会」ということだが、あくまでも「自由な市場経済での競争」が前提であり、そこで主役となり尊重される人間は、「競争」に勝つことのできる人間なのだ。
 そして、「人間の顔をした」とは、米帝クリントンの唱える「人間の顔をしたグローバル経済」の受け売りであり、奥田は米帝を意識しつつ、国際的競争=対米争闘戦にうちかつ日本帝国主義になるべきだと言っているのだ。「市場の暴走」「行き過ぎたマネーゲーム」という言葉も、米バブル経済の崩壊―大恐慌の本格的爆発に対する恐怖の表現であって、けっして市場経済そのものを抑制すべきというものではない。
 キーワードとなっている「賞賛の経済」について奥田は総会のあいさつで次のように言っている。
 「『賞賛の経済』とは、とりもなおさず、市場経済、自由競争を推進することであり、『結果の平等』ではなく、『機会の均等』を重視し、努力して成功を勝ち得た人に対しては、それにふさわしい十分な報酬が与えられることを、容認することである……不運にも成功できなかった人には、再挑戦の機会が与えられる、そのような社会を、われわれは目指すべきである」
 「決して、競争を勝ち抜く努力をしないものまでが保護されたり、『なれあい』や『もたれあい』の中で温存されたりする社会を意味するものではありません。それは、人間の能力や活力を遺憾なく発揮させないという点で、『人間尊重』とはかけはなれたものであります」
 ここで言っていることは、「自由競争」に勝ち抜いた者は賞賛され、業績・成果によっては賃金も上がるかも知れない、しかし競争に負けた者は賃金を下げられ、首を切られて当然だ、それがいやならエンプロイヤビリティ(雇用され得る能力)をつけろ、ということだ。社会が保護してくれるという考えは捨て去れ、ということだ。“弱肉強食”の資本の論理の中に労働者をたたき込み、“資本の役に立たない人間は死んでも構わない”ということなのだ。これこそ「人間の顔」の正体である。
 「再挑戦の機会」なるものがいわれているが、それもあくなき競争に労働者を駆り立てることである。
 これと基本的に同じ考え方を、奥田自身が委員の一人である経済戦略会議の答申で言っている。それは「『健全で創造的な競争社会』の構築とセーフティ・ネットの整備」というものである。セーフティ・ネットとは、綱渡りの綱の下に張られた安全ネットが語源で、「自由競争」という綱渡りのアクロバットに駆り立てるためのものである。
 奥田は、このセーフティ・ネット論を「エンプロイアビリティ(雇用され得る能力)」論として押し出している。しかも、エンプロイヤビリティを個々人が「自助努力」でつけろとし、そのための「教育の抜本改革」を提唱している。教育改革が資本攻勢の一環として位置づけられているのだ。

 第2節 公務員に一層の賃下げ強要

 さらに奥田は、日本の高コスト構造の根本に「行き過ぎた平等主義」があるとして、それは「『生産性は上がっていないかも知れないが、われわれだって一生懸命働いたのだから、《世間並みに》賃金を上げるべきだ』という考え方であり、まさに『嫉妬(しっと)の経済』以外の何ものでもない」と公言し、「こうした考え方」が「公共部門」などで通用してきたとして、公務員の賃上げをやり玉に挙げている。
 石原都知事が「結果の平等」を攻撃して、賃下げと福祉切り捨てを強行しているのと同じ論理である。
 労問研報告では「高コスト体質からの脱却のために」の項で、「行財政改革の徹底」がうたわれ、「国や一部の自治体では……賃金や賞与の削減に踏み切っている。こうした動きが、国・地方の公務員全体の適正な賃金水準の検討に結びついていくことを期待したい」と、公務員の一層の賃下げを強調している。
 また、「特に、社会保障の構造改革を」として、戦後社会保障制度の解体を特に強調している。介護保険については、事業主負担の撤廃や民間営利企業の参入の自由化を主張している。
 労問研報告は、賃金、雇用、年金、社会保障、教育などの全面での歴史を画する大攻撃なのである。

 第3章 「連合の基本認識と共通」と屈服する笹森らを断罪せよ

 これに対して連合は、笹森事務局長の談話で、「人間の顔をした市場経済」について、「これらの点は、連合の基本認識とも共通する部分が多く、春季生活闘争のスタートに当たって、こうした理念が鮮明に打ち出されたことは評価したい」と賛美している。連合の「ワークルール」方針や「セーフティネット」論とほとんど同じ理念だからだ。「一方、理念の具体化については従来の枠を脱し切れておらず……」と、賃下げなどには反発してみせているが、日経連の「理念」を評価した以上、賃下げ攻撃にもまったく闘えないということだ。
 事実、連合のわずか三%賃上げ要求(ベア一%)の要求すら「到底問題にならない」と奥田に一蹴されたのに、連合の鷲尾会長は、ワークシェアリングについて「時間あたり賃金を下げないのであれば、話し合いに応じてもいい」と、奥田にすり寄っている始末なのだ(一月十三日、日経連の人事・労務管理者大会)。

 第1節 日経連・連合の先兵カクマル

 さらに、JR総連=カクマル・松崎が唱えてきた「労働時間半減、賃金半減」のワークシェアリング論こそ、日経連や連合の先を行くものであるということを断罪しなければならない。
 松崎とJR東労組は、原則出向制度、高齢社員の賃金・昇進抑制、早期退職優遇制度、地域間異動など「雇用の多様な選択が可能なシステムを創出すること」なども幅広いワークシェアリングだなどと、今日の日経連とまったく同じ論理でワークシェアリング論を展開してきたのだ。
 連合とJR総連こそ、日経連の攻撃の先兵である。
 だが日経連の攻撃も、その超反動性と凶暴さとは裏腹に、「いまだ明るい展望が描けない」というように、断じて盤石ではない。だから、労問研報告の結論で、「労使は社会の安定帯」を強調し、「労使が協調していくことによって新たな二十一世紀の展望が描けるとわれわれは確信する」などと言うしかない。
 日帝ブルジョアジー自身が今や完全に破産し、体制的危機にあえいでいる。そして、労働者階級の反乱を心底恐れているのである。
 われわれは、ブルジョアジーが労働者の賃下げと生活破壊を宣言したのなら、そうした資本主義こそ倒れるべきだと、「資本主義にノー」を宣告し、大幅賃上げを掲げて戦闘的に闘わなければならない。あらゆる産別、大中小、組織・未組織の団結をつくり出し、闘う労組の結集を進めよう。
 衆院選決戦、沖縄決戦、国鉄、都労連―自治労、「日の丸・君が代」―教労、全逓などの労働運動における決戦の三大決戦を闘い抜き、連合=JR総連を打倒し、二〇〇〇年春闘の戦闘的爆発をかちとろう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号3面2)

 都職員2138人削減粉砕を

 東京都は、二〇〇〇年度に都職員を二千百三十八人削減する断じて許すことのできない大リストラ攻撃を打ち出した。これは、昨年七月に発表した「財政再建推進プラン」での「四年間で五千人削減」計画の具体化であり、計画初年度で一挙に四割を達成しようとする大攻撃である。
 しかも石原知事は、組合と協議・交渉すべき人員問題を、組合をまったく無視して一部マスコミにリークする形で明らかにした。そして、「組合の合意を必要としない管理運営事項である」として二月都議会に条例改定案を提出し、定数削減を一方的に強行しようとしているのだ。こうしたやり方自体が、賃金大幅削減攻撃に続く労働者無視、組合つぶしの大攻撃である。
 二〇〇〇年度から区に移管される清掃局関係七千九百九十四人を合わせると、都の職員定数は一挙に一万百三十二人減少し、十七万八千六百八十七人となる。都職員の削減率は、鈴木都政の七九年以来実に一五・三%にも達する。他の自治体と比べても、実に激しい削減攻撃である。日帝は、全国の自治体労働運動の解体・圧殺を狙い、その戦闘的牽引力である都労連に集中攻撃をかけているのだ。
 「コスト意識の徹底」「簡素で効率的な体制整備」などという行革=リストラの大キャンペーンを断じて許してはならない。多くの職場で労働が強化され、都民の生活・福祉の切り捨てが進行している。都立病院ではこの間、退職者不補充、民間委託などで医療体制や職員の労働安全が脅かされている。現場の労働者は、こうした攻撃と必死に闘っている。
 都当局・石原知事はさらに、今春から小・中・高教員への「人事考課」(新勤評)の導入、都職員の勤勉手当(一時金)への成績率導入策動など、労働者を競争させ分断する攻撃を矢継ぎ早にかけようとしている。今後さらに清掃、水道、都営交通の民営化、福祉の民間委託などの攻撃に出てくることは必至だ。都労連の戦闘主力をなしてきた現業部門を公務労働からはぎ取り、都労連を解体しようとしているのだ。労働者の実力決起で粉砕せよ。 
 二〇〇〇年は都労連の存亡をかけた勝負の年だ。分断攻撃を許さず、都労連六単組の団結をもって、大リストラ粉砕、ファシスト石原知事打倒へ闘おう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号3面3)

 福祉を切り捨てる石原

 高齢者・「障害者」を狙い撃ち

 石原都知事は一月二十一日、二〇〇〇年度の都予算原案を発表した。十二年ぶりに六兆円を割る超緊縮予算と言われるその内実は、「財政危機」を口実にして高齢者や「障害者」を切り捨てる実に反人民的な予算案である。
 さらに都職員への賃下げ・リストラの推進、自衛隊を大動員する九・三「防災訓練」の予算化などを強行しようとしている。
 日帝の介護保険強行に合わせて、石原は美濃部都政以来の福祉施策を抜本的に改悪しようとしているのである。
 具体的には石原は、昨年七月発表の「財政再建推進プラン」に基づき、高齢者医療費助成と高齢者福祉手当の廃止、シルバーパス(都営交通・民営バスの乗車証)の全面有料化など、国の水準を超える福祉十事業の廃止・切り下げに踏み出した。(表参照)
 また「障害者」に対しても、重度心身障害者手当への所得制限導入、心身障害者の医療費助成制度への所得制限強化など、「障害者」とその家族に多大な負担を負わせようとしている。さらに「ひとり親家庭医療費助成」には一部自己負担が導入され、「児童育成手当」では所得制限が強化される。
 また、都が特別養護老人ホームに独自に行ってきた都加算事業(九九年度二百三十五億円)を、介護保険制度の実施を口実に全面廃止する。「当面の対応」として経営支援のために百億円の予算をつけただけだ。
 石原知事は「投資的経費を削減した」などと宣伝しているが、大きく削減したのは、すべて都民生活に直接かかわる領域である。都営住宅の新築を都政史上初めてゼロにし、生活密着道路の整備費は前年度比三割カット、道路補修費は四割カットした。
 こうした攻撃を石原は、「身分相応の暮らしをみんなでしましょう」「貧乏な人は麦ご飯を食べて下さい」(一月六日付毎日新聞)と言って強行しようとしているのだ。
 その一方で莫大(ばくだい)な都債を新たに発行して、臨海副都心開発や大型幹線道路建設、都心部再開発事業を数千億円という規模で進めようとしている。
 国レベルでは七月から七十歳以上の高齢者には医療費の大幅値上げ(定額負担から一割定率負担へ)が画策されており、この上、介護保険制度が導入されれば、高齢者は生きていけなくなる。
 石原知事の福祉切り捨てを断じて許すな。介護保険制度の実施中止かちとれ。衆院選決戦に勝利しよう。

■ 表 許せない! 福祉切り捨ての都予算案
● 今はこうだが
* これからどうなる

■高齢者医療費助成
●(65〜69歳。本人負担1回530円。月4回まで。所得制限あり)

*対象年齢を毎年引き上げ、2006年に全廃。大半が3割負担に

■高齢者福祉手当
●(65歳以上の寝たきり高齢者に月3万〜5万5000円支給。70歳以上5万5000円)

*新規該当者に支給せず。現在の受給者も毎年25%ずつ減額し、2002年度末で全廃

■シルバーパス
●(70歳以上。所得が限度額以下の人は無料。それ以外は年2万510円)

*無料制度を廃止。所得制限強化で現在無料の8万人が2万510円に(経過措置あり)。70万人が1000円に

■心身障害者医療費助成
●(無料)

*所得制限強化。65歳以上の新規は対象外に。

■重度心身障害者手当
●(月6万円支給。所得制限なし)

*新たに所得制限を導入。対象外となる人は2001年度から毎年2万円ずつ減額

■心身障害者福祉手当
●(月1万5500円支給)

*所得制限を強化。65歳以上の新規は対象外に

■都営住宅家賃減免制度
●(0〜1万8000円)

*免除制度を廃止。所得に応じて家賃の25〜90%負担

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号3面4)

 ゛『平成採』獲得を″

 動労水戸定期大会 組織拡大方針を採択

 一月十六日、動労水戸は水戸市内で第一七回定期大会と二〇〇〇年団結旗開きを開催した。
 大会では、まず国分勝之委員長があいさつし、「昇進差別に対し、昨年九月に勝田電車区でストライキを闘い、団結を固めてきた」とこの一年を振り返った。
 そして、「政府は国労本部を屈服させ、国鉄闘争を片づけようとしている。闘いは大きな山場に来た」ととらえ、「JR総連の内部には不満があふれている。今こそ『平成採』を獲得しよう。そのために、われわれのあり方も変えていくことが必要だ」と訴えた。
 来賓のあいさつでは、動労連帯高崎の和田山繁委員長が、「組合結成の原点に立ち返り闘おう」と発言した。動労総連合の布施宇一書記長は、「職場にはカクマルへの怒りが満ちている。運転保安確立へ全力で闘い、組織拡大を実現しよう」と呼びかけた。
 部落解放同盟全国連合会茨城県連などからのメッセージが紹介された。
 執行部から運動方針案が提案され、活発な討論が交わされた。「『平成採』は、われわれが動労水戸を結成した時と同じ年齢になっている。彼らも人生を決める時期に来た。本気で彼らを獲得することが必要だ」という意見や、強制配転・運転士発令差別、昇進差別への怒り、安全破壊を許さない決意が語られた。
 その後、@JR体制を粉砕し労働条件向上をかちとろう、A日米ガイドライン発動を許さず、戦争を阻止しよう、B一切の基礎としての組織強化と拡大を――を柱とする運動方針を採択し、国分委員長を先頭とする新執行部を選出した。
 大会に続き、熱気あふれる団結旗開きが行われた。
 かけつけた三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長は、「動労水戸の若い力に期待する」と檄(げき)を飛ばした。茨城県内の労組などからのあいさつが続いた。
 乾杯の後、手作りの料理を前に歓談の花が咲いた。最後に国分委員長の音頭で団結ガンバローを行った。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号4面1)

 成田の軍事空港化阻止へ

 農民殺しの軒先工事許さず暫定滑走路の建設粉砕を

 3・26三里塚全国闘争の課題

 赤坂 潤

 日帝・運輸省、空港公団は昨年十二月三日、暫定滑走路着工(起工式)を強行した。年明けからは反対同盟農民・地権者宅周辺での軒先工事を開始し、一気に本格化させようとしている。暫定滑走路粉砕から空港廃港に向かって闘う三里塚反対同盟の呼びかけにこたえ、三・二六三里塚現地全国総決起闘争に大結集しよう。

 第1章 地上げ屋と同然の暴力的な追い立て

 日帝・運輸省が強行した暫定滑走路着工とは、暴力団の“地上げ”の手口と寸分たがわないものだ。農家の軒先まで滑走路を造り、生活条件を物理的に破壊して移転を強要する方策にすぎない。彼らはガイドライン攻撃と一体となって、三里塚農民への農地強奪を再び全面的に開始したのだ。
 初めに、日帝・運輸省の暫定滑走路の位置づけと、攻撃の手口を見ていこう。
 第一に、暫定滑走路は平行滑走路の当初計画(二千五百b)を短縮して北側に八百bずらした、公称「二千百八十b」の計画だが、これは造っても国際空港としてまったく意味のない欠陥滑走路である。運輸省・公団関係者は年頭から「あくまで当初計画の推進」が主眼だと強調している。つまり暫定滑走路攻撃の実態は、当初計画に北側延長部分(確定)をプラスした「三千三百b滑走路」の計画なのである。現に生活する反対同盟と地権者農民の追放を前提にした計画だ。
 理由は単純で、成田を発着する航空機の九五%を占める大型機(ジャンボ型など)が「二千百八十b」の暫定滑走路では飛べないのだ。暫定滑走路建設を決めた公式の理由は「日韓共催サッカーW杯」だが、開設予定の「日韓シャトル便」も大型機で、暫定滑走路では運航できない。暫定滑走路では国際空港として完全に失格なのだ。
 さらに暫定滑走路は、反対同盟の一坪共有地に阻まれて着陸帯の幅が国際基準(三百b=航空法で規定)の半分になってしまった。航空法を順守すれば「計器着陸のできない滑走路」である。しかも北側進入灯が規定の長さ(九百b)に四百bも足りず、その分が滑走路に食い込む。つまり北側着陸では「千七百八十b」滑走路となる。これは地方空港以下のレベルだ。
 第二に、したがって運輸省・公団は、暫定滑走路の殺人的騒音被害と営農環境破壊によって、反対同盟と地権者農民をたたき出すことに最大の力点をおいている。それこそが暫定滑走路建設の狙いなのだ。
 この点について運輸省・公団は、計画の認可直後に東峰地区の農家に押しかけた際の「説明文書」で、「暫定案が供用されると、東峰地区は、騒音区域内と同様の環境での生活となります」(運輸省航空局=十二月一日付)と脅迫している。ジェット機を農家の「頭上四十b」に飛ばす(公団総裁の言)殺人行為をやるぞ、と宣言しているのだ。滑走路が自宅の目の前(四百b)に迫り、頭上四十bを巨大なジェット機が轟音(ごうおん)と衝撃とともにかすめる恐怖は想像を絶する。暫定滑走路は、航空法三九条一項二で認可が禁止されている「他人の利益を著しく害する」滑走路そのものなのだ。
 そして運輸省は言う。「私どもは騒音で東峰地区の方々を追い立てるわけではありません。例えば…住居のみ移転して話し合いを…」と。「騒音被害」をたてに「住居のみ移転せよ」と、航空法違反を公に開き直っているのだ。
 空港公団も、東峰農民にあてた十二月二日付文書で「公団はあくまで本来計画(二千五百b→三千三百b)を念頭においている」とし「騒音対策とはすなわち移転だ」と開き直った。
 公団は、天神峰・東峰地区を機動隊で埋めつくし、農家の目の前で重機をうならせて造成工事を強行し、部落を誘導路で分断し、最高十三bもの高さの「防音フェンス」を張りめぐらし、畑と家屋を囲い込み、夜間常時点滅の空港灯火施設を部落のど真ん中に設置しようというのである。その手始めが、五月着工予定の県道迂回(うかい)道路(東峰地区)工事である。
 第三に、以上のような脅迫と軒先工事を背景に、公団は「話し合い」を迫っている。最近、公団は敷地内農民に「このままでは工事が進んでしまうぞ(用地交渉に応じろ)」と直接に脅し回っている。これに成田市や千葉県も関与している。堀越(脱落派の東峰農民)切り崩しの陣形である。成田市と千葉県は「滑走路はあくまで当初計画」と強硬に主張している。
 わが革共同は断固として要求する。暫定滑走路にかかわる一切の軒先工事をただちに中止せよ! この言語道断の農民殺しを続けるならば、わが革共同は等価以上の報復を必ずや貫徹する決意である。 

 第2章 暫定案に追い込み勝利の関門を開く

 三里塚二〇〇〇年決戦を闘いぬくために、昨年の三里塚攻防の基本的な総括点を明らかにしたい。

 第1節 反対同盟破壊の攻撃に打ち勝つ

 第一に、着工をめぐる激烈な反対同盟破壊攻撃に勝ちぬいたことである。
 昨年日帝は、「平行滑走路二〇〇〇年完成」計画の断念(五月十日)に対する反動的巻き返しとして、暫定滑走路計画の発表とその「年内着工」を至上命令として打ち出した(五月二十一日閣議決定)。これを運輸省は「成田二期『最後の』取り組みだ。これが無理なら平行滑走路は断念する」として、千葉県、成田市など地元自治体に反対同盟と東峰地権者切り崩しをけしかけ、競わせた。
 地元自治体は、暫定案の固定化が空港利権の崩壊をもたらすことに危機感を募らせ、「当初計画(二千五百b平行滑走路)復帰」をスローガンに、反対同盟・地権者切り崩し工作に全力をあげた。
 地元反動派も、敷地内農民に圧力をかけるための反動的「早期着工要求」署名運動(四月)や、推進派フォーラム(六月)を組織した。栗源町と円藤章議員らによる「過激派排除運動」の組織化(七月〜)も、暫定滑走路攻撃に乗じた悪らつな利権獲得運動だ。
 しかしこれらの攻撃は、反対同盟農民の闘う陣形を微動だにさせることができなかった。十二・三着工の直前、わずかに脱落派農民一軒(堀越)の切り崩しを発表するのが精一杯だったのである。
 十二月三日の暫定滑走路起工式は、運輸省・公団と自治体側の基本的敗北の結果とも言える内容だった。新聞各紙の報道も、「反対派、闘争続行へ」(千葉日報)、「反対派根強く、膠着(こうちゃく)の気配」「普通の空港まだ遠く」(朝日新聞)など、敵の敗北感がにじみ出ている。

 第2節 「羽田国際化」が浮上し危機深刻

 第二に、成田二期工事の三十年にもなる遅れが、ついに完全に限界を超えたことである。
 運輸省は十二月三日、現在原則として国内線専用空港となっている羽田空港について、夜間・早朝の国際線発着を「解禁」する方針を固めた(毎日新聞十二月四日付)。また経団連と自民党が、首都圏第三空港の新たな候補地として「羽田沖」へのメガフロート(超大型海洋浮体式構築物)設置を検討、政府への打診を始めた(東京新聞十二月三十日付)。東京都は、首都圏第三空港と同じ位置付けで「羽田沖再拡張=D滑走路増設」案の検討を正式に決定した。日帝ブルジョアジーは、成田の未決着を理由に、タブーとしてきた第三空港と羽田国際化問題の「解禁」に、ついに追い込まれたのだ。
 羽田空港は沖合展開完了後の離発着能力が年間四十万回(現在年間二十七万回)を超える大空港である。対して成田の暫定滑走路はせいぜい年間一万回(一日十四便二十八回)だ。再国際化が事実上決まった羽田の圧倒的有利さは歴然としている。公団では「暫定滑走路にアジアの近距離便を誘致する」としているが、飛行時間の短い近距離便ほど、アクセスの悪い成田を敬遠し、羽田への乗り入れ希望が殺到している。
 安全面でも、成田の暫定滑走路を希望する航空会社は皆無だ。パイロットの証言では、二千百八十b滑走路だと、中型機で「理論上は運航可能」だが、わずかのミスで大事故になる危険があるという(毎日新聞十二月六日付夕刊)。国際線滑走路として、暫定滑走路はまさに問題外なのだ。
 こうした理由で、千葉県や成田市の保守利権集団が一斉に「暫定案にとどめるな。平行滑走路の当初計画に復帰を」と悲鳴をあげているのである。
 成田二期を暫定案に追い込んだこと自体が決定的勝利なのである。暫定案の固定化は、それ自体が成田空港「廃港」への決定的な一里塚を闘いとることになるのだ。三里塚闘争永続化の道が断固として切り開かれつつある。
 第三に、航空政策における成田暫定案の危機性とは裏腹に、ガイドライン攻撃と一体の治安政策としての暫定滑走路攻撃の凶暴性がむき出しになっている。
 昨年五月二十一日の成田暫定滑走路建設方針の閣議決定は、五月二十四日の周辺事態法成立と完全に一体の攻撃であった。成田空港は朝鮮侵略戦争計画「5027作戦」のかなめをなす存在だが(後述)、日帝・権力は、三里塚闘争の存在自身がガイドライン体制と絶対的に相入れないと震撼(しんかん)している。
 三里塚闘争三十数年の勝利を支える最深の根拠は、三里塚農民と労働者階級の階級的正義に深く根差した人民的武装反撃力である。憎むべき強制収用機関=千葉県収用委員会は、人民の実力で解体されたまま実に十二年が経過した。この階級的正義と実力を、反対同盟農民と全国の三里塚陣形が共有していることこそ、成田空港の完成を今日なおも阻止している力だ。
 これは、日帝権力にとっては致命的な治安問題である。三里塚闘争のような闘いが存在するかぎり、帝国主義の侵略戦争は、たちどころに階級支配の土台を崩壊させるのだ。
 だからこそ日帝は二〇〇〇年前半に三里塚闘争や国鉄闘争を始めとする労働者人民の闘いを制圧し、沖縄サミットを強行しようとしている。革共同は、沖縄・名護新基地建設反対闘争と連帯し、反戦の砦(とりで)=三里塚闘争を断固守りぬく決意である。

 第3章 ガイドライン発動阻止する反戦の砦

 第1節 巨大軍事空港の戦略上の重大さ

 成田空港は、新安保ガイドライン体制において、米・日帝国主義の朝鮮侵略戦争計画(「5027」作戦型)のかなめをなす戦略的軍事インフラである。
 日本労働者人民は、「連帯し侵略を内乱へ」の旗のもと、成田空港暫定滑走路粉砕−廃港を断固として闘いとらなければならない。
 成田空港の軍事空港としての位置を規定しているものは第一に、湾岸戦争や朝鮮侵略戦争クラスの大規模侵略戦争において、戦略空輸体制が戦争全体のすう勢を左右するほどの位置を占めるに至ったことである。
 戦略空輸とは、米本土から海や大陸を越えた戦域に、大規模な軍隊を兵器・資材や補給物資とともに空から送り込むことをさす。九一年の湾岸戦争で米帝は、五十万人をこえる兵員を戦域に投入したが、航空機はその九九%を運んだ。また貨物(燃料を除くドライ貨物)も、湾岸戦域に運ばれた三百六十八万d(大型の二十dトラックで十八万台分)のドライ貨物の一五%、五十四万dが空からの戦略空輸だった。
 第二に、これらの戦略輸送が、成田空港クラスの四千b級滑走路を持つ大規模空港なくして成り立たないという問題である。
 湾岸の戦略空輸に投入されたC5ギャラクシー、C141スターリフターや民間の大型貨物機は、いずれも四千b級滑走路でなければ運航できない。日本国内の四千b(級)滑走路は、沖縄の嘉手納基地を除くと成田だけだ。
 湾岸戦争で戦略空輸の中心基地となったサウジアラビアのダーラン空港(軍民共用空港)は、第一級の近代的施設と四千b級滑走路をもつ国際空港だ。戦域における後方支援司令部も同空港に設置された。このダーラン空港ですら、空輸作戦開始後わずか二週間で給油能力が飽和し、輸送機の離陸が八時間も遅れる状態となった。要するに成田空港の米軍使用(占有的使用)は絶対的なのだ。
 政府は全国知事連絡会に対し、成田米軍使用問題は強制使用以外にないとの見解を再確認した(「知事連絡会よりの周辺事態法九条についての疑問への回答」内閣安全保障・危機管理室、昨年十二月十五日)。朝鮮侵略戦争計画は、成田空港を戦略空輸基地として確保できなければ成立しないのだ。
 三里塚闘争は、朝鮮侵略戦争の最大の軍事拠点を粉砕する闘いとして決定的な意義を持っているのだ。

 第2節 侵略戦争に立ちはだかる三里塚

 もう一点確認したいのは、新ガイドライン体制が、それにふさわしい階級支配を伴っていないことである。現代帝国主義の戦争は国家の総力戦として初めて成立するが、三里塚のような人民的闘争拠点の存在、そして国鉄労働運動を始めとする労働者の階級的闘いは、それ自体が侵略戦争に対する革命的内乱の現実そのものなのである。
 新安保ガイドラインとは、内容的には日米安保の根本的な改定である。ところが日帝は、この戦後最大の国家的大転換を、正式な条約改定でも国際協定でもなく、形式上は単なる「枠組み(ガイドライン)の改変」というかたちで強行せざるをえなかった。
 日帝にとって最大の問題はガイドラインの「実効性の確保」である。周辺事態法は、自治体や民間の労働者の強制的な戦争動員を定めたが、法文で強制と書けば人民を戦争に動員できるわけではない。
 確かに侵略戦争への突入は、洪水のような祖国防衛主義や排外主義の攻撃を伴う。しかし侵略戦争の非人間的本質は結局は隠せない。「戦場」となる被抑圧民族人民の民族解放の闘いと流血は、必ずや膨大な労働者人民の階級的魂を揺さぶらずにはおかない。
 ここにおいて三里塚闘争のような強靭(きょうじん)な反戦思想をもった闘いが決定的な意味を持つのである。それは必ず人民の革命的反乱の引き金を引くのだ。米帝足下においても、ベトナム侵略戦争の泥沼の中で国内は分裂し、巨大な反戦闘争のるつぼにたたきこまれ、かつてない政治危機が生まれ、階級支配は動揺の極に達したのだ。
 日帝権力は、労働者階級の根強い反戦イデオロギーに象徴される階級支配上の戦後的制約をいまだに突破しきれていない。新ガイドライン制定における日帝の綱渡りは、その危機の表現なのだ。その日帝が、朝鮮・中国−アジア侵略戦争に、他に選択の余地のない形で踏み切ろうとしているところに、帝国主義国としての決定的な危機がある。
 ガイドラインの具体化・物質化との闘いは、まさにこれからが本番である。巨大軍事空港と対決する三里塚闘争の革命的意義は明らかである。

 第4章 5月迂回道路阻止反対同盟守りぬけ

 二〇〇〇年決戦において、衆院選決戦、名護新基地建設阻止・沖縄サミット粉砕決戦、闘う労働組合の新潮流運動の三大決戦方針の勝利へ全力で闘おう。有事法制制定・改憲攻撃の開始を始めとするガイドラインの実体的確立をめぐる攻撃に対する全国的反撃を組織しよう。白色テロ策動を強める反革命カクマルに対する総反撃を闘いとろう。
 以上の決戦的取り組みの中で、三里塚闘争の具体的任務方針を確認したい。
 第一は、五月東峰迂回道路(小見川県道)着工を始めとする一切の軒先工事を阻止する大衆的反撃を、三・二六全国闘争を頂点に三里塚現地と全国を結んで爆発させることである。
 ガイドライン体制の実体をなす軍事空港・成田に対する大衆的包囲の闘いを、沖縄闘争と連帯して組織しよう。軍事空港=成田の実態を徹底的に暴露し、三里塚闘争への新たな大衆的参加を実現しよう。
 第二は、現地攻防戦の非妥協的推進である。ひとつは、暫定滑走路による生活・営農環境の脅威にさらされる反対同盟・地権者農民の生活を防衛し、総力をあげて支えぬくことだ。
 いまひとつは、農民切り崩しに奔走した公団と成田市、千葉県に対する政治的反撃と報復の闘いを徹底的に推進することである。また「過激派排除」などのファシスト運動を進める地元反動派の策動に、わが革共同は決定的な反撃をたたきつける決意である。
 第三に、革命的ゲリラ戦争の貫徹である。暫定滑走路建設攻撃は、三里塚農民へのあからさまな農民殺しであり、全国の三里塚闘争勢力に対する反革命的挑戦である。わが革共同は、農民殺しの手先は一人たりとも絶対に許さないことをあらためて宣言する。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号4面2)

 2・13に市東さん追悼式

 反対同盟が呼びかけ

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、昨年一月二十一日に逝去された市東東市さんの追悼式を二月十三日に行うことを決定し案内を発した。市東東市さんの不屈の闘いの継承を誓う追悼式に集まり、三・二六全国集会にむかって前進しよう。
 三里塚闘争は暫定滑走路阻止の激烈な決戦に突入した。この決戦は何よりも市東さんの不屈の闘いの地平の上に闘われる。二千五百b平行滑走路を寸断し、その「二〇〇〇年完成」を粉砕して暫定案に追いやったのは市東さんの闘いによる。しかも暫定滑走路の計画自体が、市東さんの耕作地によって誘導路が曲げられ、着陸帯を狭められ、およそ使い物にならない状態に陥っている。
 追い詰められた政府は、市東宅の軒先百bたらずの地点に誘導路を計画し、ジェット機を自走させて騒音と振動、排ガスで追い出そうとしている。民家上空四十bの飛行で生活を破壊し農地を強奪するこの凶悪な攻撃が、今や平行滑走路を完成させ三千七百b軍用滑走路建設に向かう最後の手段になっている。この攻撃に対して反対同盟は、市東孝雄さんとともに市東東市さんの遺志を引き継ぎ、暫定滑走路粉砕から空港廃港に向かって闘っている。
 追悼式に結集し、暫定滑走路粉砕の三・二六全国集会の大高揚へ闘いぬこう。

 ご案内
 三里塚芝山連合空港反対同盟
 天神峰反対同盟の市東東市さんが逝去してから一月二十一日で一年が過ぎました。逝去一周年にあたって市東さんを追悼し、故人の遺志を引き継いで不屈の闘いを誓い合う集いを左記の要項でおこないます。多くの皆様が集まられますようご案内申し上げます。
 三里塚闘争は、いま暫定滑走路を阻止する闘いのさなかにあります。昨年十二月三日に着工を強行した政府・空港公団は、敷地内の道路や畑を工事用フェンスで囲む作業を行い、年明け後の工事再開では、県道トンネル予定地で整地作業を始めています。
 しかし暫定案は、市東さんが遺(のこ)した闘いによって必ずや破産します。すでにその計画自体、故人が耕作し続けてきた畑によって誘導路が「へ」の字に曲げられ、着陸帯も規定の半分に縮小を余儀なくされて航空法にも違反するなど、無様な姿をさらしています。そして闘いは孝雄氏に引き継がれました。この後、故人の不屈の魂は新たな闘いの中でいきいきと甦(よみがえ)ってくるでしょう。
 反対同盟は、故人の闘いを継承する決意をあらためてうち固め、暫定滑走路粉砕の三・二六全国集会へと総決起します。故人ゆかりの人はもとより、三里塚闘争に連帯する皆様が多数お越しくださいますよう、重ねてお願い申し上げます。
 二○○○年一月二十四日
    記
 故市東東市さん追悼一周年の集い
【日時】二○○○年二月十三日(日)
午後一時開始|四時半終了
【会場】市東孝雄氏宅(成田市天神峰六十三)
【式次第】
■第1部 追悼式
  ・主催者代表挨拶
  ・追悼の言葉
  ・謝辞
■第2部 暫定滑走路阻止 連帯と決意
  ・住民団体代表
  ・共闘団体代表
■第3部 会食
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号4面3)

 自治寮破壊に反撃する

 東北大 ゛募集停止許すな″

 一月十一日昼、東北大学川内北キャンパスで、有朋寮と日就寮の主催の「『入寮募集停止』粉砕! 対学生協抗議集会&デモ」が戦闘的にかちとられました。
 寮連は昨年十月十九日、卑劣な自治寮つぶし攻撃を粉砕するために請求分電気料を全額支払い、即時の「入寮募集停止」撤回を大学当局に突き付けました。しかし大学当局=副学長・仁田は、恥知らずにも自らの出した昨年三月一日付『告示』(「二寮が不払いを撤回した場合には、入寮募集停止措置は速やかに解除される」)を翻し、「電気料が支払われても撤回しない」「入寮募集停止を継続するのはもっと包括的な理由だ」などと完全に開き直ってきました。大学当局は、ついに闘う自治寮つぶしの露骨な意図を明らかにしたのです。
 この攻撃は、日帝の推し進める「大学改革」−国立大学の独立行政法人化と完全に一体です。独立行政法人化とは、学生・寮生の声を上から押しつぶし、大学を国家・独占資本に従属する帝間争闘戦と侵略戦争の拠点としていく攻撃です。
 それは、大学当局が十二月二十一日に出した『入寮募集停止解除の条件について』を見ればはっきりします。大学当局はその中で、「入寮募集停止」の解除の条件として「一年生の寮からの退去」を要求したのです。度重なる当局の退寮強要−恫喝に屈せず四月以来在寮している一年生の退寮を、入寮募集停止の解除の条件とすることなど、絶対に許すことはできません。
 しかし、これが大学当局の追い詰められた危機の裏返しであることに、勝利の展望があります。大学当局が当初掲げた「電気料を支払えばすむ問題」という建て前の一切を寮生の闘いが粉砕した結果、ついに電気料問題の狙いが自治寮つぶしであることを自ら公言するに至ったのです。
 自らの公約を踏みにじってまでも自治寮をつぶそうとする大学当局に対し、「入寮募集停止」即時撤回を求める全学署名はすでに八百筆を超えており、教授の中からも「電気料が支払われた以上、入寮募集停止の法的根拠はなくなった」などの声があがっています。廃寮化攻撃を推し進める副学長・仁田を始めとした一部反動教官たちの姿がいよいよ浮き彫りになっています。
 帝国主義が大学の戦後的なあり方を粉砕して反動的に大転換しようとする動きと、われわれ学生は、絶対に相入れません。東北大学における電気料闘争が、日帝−大学当局の卑劣な寮つぶしの本質を暴露していく中で、大学そのもののあり方を問う全学的な闘いに発展していくことは不可避です。
 われわれはこの冬の闘いを全力で貫徹し、二年目の「入寮募集停止」を絶対に粉砕します。そして四月には大勢の一年生の入寮をかちとり、二〇〇〇年決戦の最前列に東北大生の荒々しい大隊列を登場させます。ともに闘いましょう!
 (東北大学・U)

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号4面4)

 カクマルに復讐誓う

 京大 福島同志虐殺14年で集会

 一九八六年にカクマル白色テロ部隊による京都大学武装襲撃で全学連副委員長代行、京大生福島慎一郎同志が虐殺されてから十四年目の一月二十日、「福島慎一郎君虐殺十四カ年糾弾/カクマル=JR総連打倒/名護新基地建設阻止・沖縄サミット粉砕/一・二〇集会」が京大・総合人間学部A号館でかちとられた。(写真)
  最初に連帯のあいさつとして、全国沖縄青年委員会が、岸本名護市長のリコールを宣言して闘う沖縄人民と連帯し、全学連が沖縄サミット粉砕・名護新基地建設阻止の闘いの先頭に立つことを訴えた。
 関西労組交流センターの労働者は、産業報国会へと変貌する連合を弾劾するとともに、JR総連=カクマルの打倒こそ新潮流運動の発展をかちとる道であると提起した。
 全学連沖縄行動隊として名護現地で闘った学生から報告が行われた。普天間問題の九九年内決着を画策した日帝の攻撃が沖縄人民の根底的な怒りによって粉砕されたこと、そして攻防の核心が「『県内移設反対』に反対」を唱え、沖縄人民の闘いに悪罵(あくば)を投げかけるカクマルを打倒することにあると提起し、沖縄現地で、そして本土で、沖縄闘争を爆発させていく決意を表明した。
 西本吉伸全学連副委員長が基調報告を提起した。まず冒頭、三里塚・国鉄決戦−中曽根政権打倒の闘いの先頭に立っていた福島君を虐殺したカクマルへの復讐を誓い、全人民の力でカクマルを打倒する絶好機が到来していることを提起した。そして米日帝の朝鮮・中国−アジア侵略戦争を最大の焦点として世界戦争危機が深まっていること、二〇〇〇年は二十一世紀の帰すうを決する歴史的分岐の年であることを提起した。
 改憲・有事立法に突き進む日帝・自自公政権を弾劾し、衆院選勝利の決意を固めるとともに、名護新基地建設阻止・沖縄サミット粉砕の闘いを、本土において爆発させることを提起した。そしてその最大の核心が、「自衛権容認」を公言するファシスト・カクマルを、ガイドライン・沖縄闘争を始めとするあらゆる戦線から放逐し、全人民の闘いで打倒することにあること、その先頭に全学連が立つことを宣言した。
 最後に、京大、大阪市大など関西の学生からカクマル打倒と二〇〇〇年決戦への鮮明な決意が表明された。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号5面1)

 憲法調査会設置弾劾! 改憲攻撃粉砕の大闘争へ

 敗戦帝の制約を破って戦争国家への転換狙う

 第一四七通常国会が開会した一月二十日、衆参両院に憲法調査会が設置された。日本帝国主義は、有事立法・改憲に向かって本格的に動き始めた。この改憲策動こそ、小渕・自自公政権が推し進める戦争国家化攻撃、ガイドライン体制づくりの攻撃そのものである。革共同は憲法調査会設置を腹の底からの怒りをもって弾劾する。有事立法・改憲策動を粉砕するために、労働者階級人民の先頭で闘うことを宣言する。

 第1章 中曽根ら改憲論者が総結集

 憲法調査会は、衆院五十人、参院四十五人で構成される。自民党、自由党、公明党、民主党、日本共産党、社民党など全政党が委員を出して参加した。衆院の調査会会長は、自民党の中山太郎、参院の会長は村上正邦だ。
 この憲法調査会設置は、憲法改悪への歴史的な第一歩である。絶対に認めるわけにはいかない。この暴挙を徹底的に弾劾する。
 「憲法はアンタッチャブルな感じがあったが、(憲法調査会設置によって)二〇〇〇年が与野党含めて検討しようという年になったことは大変意義深い」。これは、小渕の年頭記者会見での発言である。小渕は、憲法調査会設置を改憲、つまり日帝国家の戦争国家化と軍事大国化への突破口にするというどす黒い野望をむき出しにしたのである。
 一月二十日に発足した衆参両院の憲法調査会の委員には、改憲論者として反動的言辞をまき散らしてきた連中が名を連ねている。
 その筆頭の中曽根康弘は、憲法調査会の発足を受けて、「調査会で三年ぐらい『論憲』し、四年目に各党が改正案を出して徹底的に批判しあう。五年目から三年くらいで国民投票法の制定も含めて(改憲を)完成させればいい」と発言。憲法調査会をとおして、改憲を必ず実現するとその反革命的意図を公言した。
 参院の憲法調査会会長になった村上は、この中曽根発言に符丁を合わせるように「二〇〇八年という区切りが考えられる。向こう五年で議論を重ね、その後、三年間で一つのまとまりができれば新しい憲法を制定したい」と改憲策動の具体的日程を提唱した。
 また、調査会の委員には昨年の自民党総裁選で「集団的自衛権の行使を憲法上明確に決めるべきだ」と改憲を主張した山崎拓、「天皇を元首と明記」し「陸海空三軍その他の戦力を持つ」とする「平成憲法・私案」を出した愛知和夫、一九八〇年に「自民党歴代の総理大臣は『現憲法は、戦後日本に定着した』」と改憲を放棄していると「批判」し、「改憲を政治公約に掲げるべきだ」と言う平沼赳夫などの連中が、自民党から憲法調査会に委員として参加し、改憲を具体的な政治日程に上らせ始めた。
 こうした動きに完全に呼応し、民主党の鳩山由起夫は、憲法調査会の調査期間は五年だが、との質問に対して、「衆院の任期は四年だから、二、三年でやるべきだろう。憲法を変えるのは大きな仕事。のんべんだらりとやっていい話ではない」と答えた。そして「二、三年で党の憲法改正試案をつくりたい」と、自民党と競って早期改憲を唱えている。
 日帝支配階級は、二九年型世界大恐慌過程の深まりの中で、激化する相互絶滅的な帝国主義間争闘戦での生き残りをかけて、今や第二次世界大戦での敗戦帝国主義として課せられた戦後的制約を全面的に踏み破る階級的意思を確立した。そこから新安保ガイドライン体制をてことして世界大戦規模の朝鮮・中国−アジア侵略戦争への参戦体制構築の攻撃を繰り出している。その頂点に有事立法・改憲策動がある。

 第2章 最大の核心は第9条の破棄

 この憲法調査会には「調査会の設置は改憲に直結する」と言いつつ公明党も参加した。また、日本共産党と社民党も参加した。
 五〇年代改憲攻撃で、一九五七年に内閣に憲法調査会が設置された時、社会党(社民党の前身)は「調査会設置は改憲が目的だ」として参加をボイコットした。日共も参加しなかった。ところが、戦後初めて国会に露骨に改憲を目指して設置された今回の憲法調査会に日共も社民党も参加した。ついに両党は改憲の片棒をかつぐ勢力に成り下がったのである。徹底的に弾劾する。労働者人民はこの大転向をけっして許しはしないであろう。
 しかも、この改憲策動の最大の標的は憲法第九条である。調査会発足直後に「(調査会での)議論の核心は九条なのか」と質問され、村上参院調査会長が「そうだ。小学生でも分かる問題だ。自衛隊が今の憲法におさまっているのか」と傲然(ごうぜん)と言い放ったことからもそれは明らかである。
 そうであるにもかかわらず、公明党憲法調査会座長の太田昭宏は「今の憲法に加えたり、変えないといけない部分、あいまいだから明確にしないといけない個所がある」と称して、「国民のプライバシーの問題、環境権などの諸項目」「国会のあり方、衆参両院のあるべき姿、地方自治なども論議しなければいけない」などと言っている。その上で、「タブーなき議論という立場から、憲法九条についても論議はする。……その中には、九条の条文を変える必要があるという議論がある」という。
 「九条の条文を変える」ということは、憲法第九条の〈戦争放棄〉〈戦力不保持〉〈交戦権の否定〉を破棄して、帝国主義国家日本が再びあの十五年戦争に突入することなのだ。このことに、怒りも、危機感も一ミリもない。本心では、九条の条文を変えてもいいと思っているからだ。
 民主党の菅直人も、憲法制定時には想定されなかった問題があるとして、憲法調査会では「環境権、情報公開、私学助成も重要なテーマになる」と強調しているのだ。
 民主党や公明党、また自民党や自由党は、改憲の標的が憲法第九条の破棄−日本の戦争国家化と軍事大国化と朝鮮・中国−アジア侵略戦争突入にあることを偽装するために、「憲法が想定しなかった新しい事態への憲法的対応」の必要を叫んで、「環境権」「プライバシー権」を持ち出してきているのである。
 自民党や自由党、公明党や民主党が、いつ、どこで熱心に環境破壊と闘ったというのだ。戦後一貫して環境破壊の犠牲を労働者人民に押しつけてきたのは自民党政権ではなかったか。
 「環境権」や「プライバシー権」は、憲法第九条を破棄することに焦点を合わせた改憲の偽装と露払いのために出されている。
 今回の改憲攻撃は、世界大戦級の朝鮮・中国侵略戦争を遂行することのできる日帝国家体制の構築を目指そうとするものである。そのために、第九条の破棄と一対で非常事態=戒厳令規定、内閣の権限強化、国会の翼賛国会化、労働者人民の権利の制限と義務の強制、地方自治体への国家の支配力の強化、など現行憲法の規定のすべてを反動的に転覆する、全面的体系的な改憲攻撃なのだ。
 自自公政権は「人権侵害やプライバシー侵害」の極致である盗聴法を強行成立させた。さらに、団体規制法(第二破防法)を強行成立させた。そして、通常国会に有事立法提出を策動している。まさに、日帝の改憲策動は「戦争のできる国家体制の構築」に向かって、軍事国家、警察国家をめざすものである。
 自自公と民主党は、憲法調査会設置が必要な理由で完全に一致している。それは、体制的危機を深める帝国主義国家日本の生き残りのためには戦後的制約の法制的表現である現行憲法の破棄−新憲法制定が必要だとしている点である。それを「二十一世紀の国のかたち」はどうあるべきかなどと押し出して改憲を策動しているのである。
 帝国主義の基本矛盾が、恐慌と戦争として爆発しつつある今、日帝支配階級は生き残りをかけて、「新たな十五年戦争のできる国」への大転換を試みようとしている。それが、有事立法と憲法第九条の破棄−新憲法制定に突き進む衝動を生み出しているのである。

 第3章 侵略総翼賛を粉砕し反撃へ

 一方、連合とJR総連は日帝の新ガイドライン攻撃に屈服し、日帝の侵略戦争支持・協力の立場に移行した。日帝の「国家存亡の危機」の絶叫に唱和して、連合・新政治方針を打ち出した。JR総連はこれに「対案」を提出することで、連合・新政治方針の突撃隊として名乗りを上げた。
 連合=JR総連は、帝国主義国家日本の自衛権を全面的に承認することで、日帝支配階級の有事立法・改憲=憲法第九条の破棄、日本の戦争国家化と軍事大国化、朝鮮・中国侵略戦争参戦の攻撃に拍車をかけたのである。しかし、これで改憲攻撃はスムーズに進むのであろうか。絶対にそのようなことはありえない。
 帝国主義国家日本の自衛権行使と国難突破を掲げて、自自公体制が形成され、民主党・鳩山が早期改憲を唱え、日共、社民党、連合=JR総連という既成政治勢力がこれに屈服した。だが、労働者階級人民が屈服したわけではない。いやむしろ、帝国主義国家日本が再び侵略戦争の準備を開始したことに、真剣な怒りと危機感を持っているのだ。九九年ガイドライン闘争はそのことを満天下に明らかにした。
 「二度と日本の侵略戦争は許さない」と固く誓った労働者階級人民は、帝国主義国家日本の自衛権をけっして承認しない政治勢力の登場、戦争反対=改憲絶対阻止を非妥協的に貫く党を待ち望んでいる。既成の政治勢力がすべて日帝支配階級のふところに飛び込んだ今、わが革共同の階級的責任は実に重大である。
 憲法第九条を破棄して朝鮮・中国侵略戦争をしなければ生き延びられない帝国主義国家なら、労働者階級人民の力で打倒しよう。この労働者階級人民の要求を、一つの力にまとめ上げることができるのは、革共同しか存在しないのだ。闘うアジア人民、沖縄人民と連帯して、日本帝国主義を打倒しよう。
 二〇〇〇年決戦の三大決戦課題−衆院選決戦、沖縄サミット粉砕・名護新基地建設阻止決戦、労働運動の新潮流の躍進をかちとる決戦の勝利をもって、有事立法・改憲阻止の闘いの勝利を切り開こう。
〔井場啓史〕

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号5面2)

 ゛侵略演習中止せよ″

 日米指揮所演習に抗議

 第1章 朝鮮人民と連帯 兵庫・伊丹

 一月二十三日、降りしきる雨の中、伊丹市の緑ケ丘公園で「朝鮮・中国侵略戦争のための日米共同軍事演習阻止! 沖縄人民と連帯し名護新基地建設阻止・新ガイドライン粉砕! 一・二三伊丹現地闘争」が百七十六人の結集で行われた。
 まず入江史郎関西反戦共同行動委員会代表が「今日の演習は朝鮮侵略戦争のプランそのもの。自国の戦争を阻止する力をわれわれが持たないと、朝鮮人民とともに闘うと言っても絵空事だ」とあいさつ、東灘区住民の会代表の山本善偉さんも「国会の中には抵抗の力がなくなったが、人民の中には二度と戦争を許さない力がある。一人が百人集める力を発揮しなければならない」と訴えた。
 名護のヘリ基地反対協から岸本リコールに向け闘う決意の電話があったとの報告に大きな拍手がおきた。
 基調報告は、地元の兵庫労組交流センターが提起した。「この演習は、総計五万人規模の一大軍事行動を指揮する大演習だ。『図上演習だから安全』と言っているが、とんでもない」
 北摂労組交流センターから決意表明が始まり、部落解放同盟全国連は「部落大衆には生活破壊と差別の洪水が襲いかかっている。狭山百万人署名の推進と差別と闘う団結の復権かけた全国連第九回大会への参加を」と呼びかけた。
 東灘区住民の会は「関空を中心に大阪湾岸を基地の街にしようとしている。戦争への道を拒否しよう」と訴えた。婦人民主クラブ関西協議会の決意表明に続き全学連が「徹底的に沖縄決戦を闘う。全学連は現地行動隊を二倍に増やしがんばっている」と報告した。
 国賀祥司関西反戦共同行動委員会事務局長がまとめを行い、デモに移った。
 途中、中部方面総監部に演習の中止を強く申し入れた。

 第2章 駐屯地申し入れ 広島・海田

 一月二十日、広島反戦共同行動委員会は、日米共同指揮所演習(ヤマサクラ37)への断固たる抗議行動に決起した。
 ヤマサクラ37は、初めて陸自中部方面隊が中心となった日米共同の指揮所演習で、新ガイドラインに基づく朝鮮・中国への本格的侵略戦争の実戦演習そのものだ。
 広島・海田市駐屯地に駐屯する陸自第一三旅団は、より精鋭で機動的な侵略突撃部隊にするため昨年、「師団」から「旅団」に再編された部隊である。真っ先に「敵地」に突入・上陸することを主任務としており、今回の演習も、朝鮮半島や中国への本格的侵略出兵の実動体制づくりを目的としたものである。
 この日、雪が降りしきる中、海田市駐屯地の正門に結集した労働者・学生は、「侵略軍事演習を中止せよ!」「アジア人民、沖縄人民と連帯するぞ!」と激しいシュプレヒコールをたたきつけ、第一三旅団の小野寺旅団長に対し演習の中止を申し入れた。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号5面3)

 インタビュー

 反戦自衛官に聞く

 戦争が近づき矛盾が爆発する時、自衛官に肉薄する言葉が反軍闘争の課題
 二月十六日から始まる日米共同統合演習は、ガイドラインの法制化で、朝鮮侵略戦争をリアルに想定した演習となろうとしている。実戦化が進む自衛隊、自治体・民間の戦争動員、侵略の銃を持つことに直面する自衛官などの問題について、反戦自衛官の野間五郎さんに聞いた。(編集局)
||日米共同統合演習が始まります。
 防衛庁統幕会議が、朝鮮半島有事を具体的に想定した初めての日米共同統合演習を二月十六日から二十四日まで実施すると発表しました。この演習は八五年度から始まって、私も入隊して一度、指揮所演習に参加したことがあります。「ヤマサクラ」という名前がついていました。指揮所は体育館みたいなところで相当大きな規模で行われていましたね。同じ指揮所に米軍と自衛隊が混在してやってました。規模がものすごい大きさだなという感じがしました。
||今回は指揮所だけで千数百人ですよね。
 六本木だけでは入れないから、たぶん市ケ谷とか全国に会場が分散されていくと思います。横田など在日米軍基地も当然使うと思います。模擬訓練みたいなものだから実動部隊は別個のところで指揮される感じになります。それで、そういうのが全部オンラインで指揮所に集約されていくんですよ。防衛庁だけじゃなくて周辺の米軍基地とか自衛隊基地とかを網羅しているイメージですね。
||演習と実際に戦争を行うこととの関係はどうなんでしょうか? 有事法制がない場合、演習名目で実際上は戦闘に入ることが極秘のうちに決まっていると言われていますが。
 七六年に、ベレンコというソ連の空軍中尉が亡命するためにミグ25で、北海道の函館空港に強制着陸するという事件がありましたが、あのときも自衛隊は部隊を動かしていたんです。首相にはまったく知らされてなかったのですが。部隊移動とか演習とかの名目つけて、幕僚からの命令で部隊を動かした。そのときはソ連が侵攻してくるという前提で部隊を動かしてました。結果的には警戒しただけで終わったのですけど。
 ほかにも米軍が直接出撃すると事前協議の対象になるから、訓練とか日常の移動ということで出撃し、途中で命令をもらったんだというペテンを使って日本からの直接の出撃ではないと説明していましたね。湾岸戦争の時もそうでした。演習といっても別に平和的なものではないんです。
||今回の日米共同統合演習の特徴は何でしょうか?
 ガイドライン法が成立したということが今までと違います。朝鮮半島をはっきりとクローズアップした演習が行われるわけです。「防御」とか「攻撃」とか各パーツに細分化された演習だと戦争を想定するのは難しいですけど、指揮所演習はリアルな戦争状況を想定している。朝鮮有事ということで、ものすごく実戦的に国内の政治体制などもふまえて、こういう制約があるとかここまではできるとか考えてやっている。
||具体的には輸送・補給などの後方地域支援はどうなっていますか?
 一月二十日から始まった日米共同指揮所演習では、在日米軍が「自衛隊 戦争への道」というタイトルのホームページで計画を詳細に流したそうです。どこで水を補給してなど病院とか港湾とかも全部詳細に書いてあって、防衛庁の抗議であわてて削除したらしいですけど。
 こういうのを見ると、今回の演習の目的は、後方支援体制をつくるというのが大きいんじゃないかなと思います。自衛隊だけでなく民間・自治体も含めて計画をどう進めるのかということです。後方支援といっても、ACSA(日米兵站支援物品役務相互提供協定)締結後、自衛隊と米軍の直接的な補給はやっていて、実際の戦闘場面を想定したものがほぼ完成している。それをふまえて、もっと後方地域支援を自治体・民間も含めて広くやろうとしていますね。
||自治体や民間の病院への傷病兵の収容などもシミュレーションに入っているわけですか?
 そうです。自衛隊が統括してやっていくことになると思います。ベット数などかなり掌握しているらしいから、割り振りしたりするんじゃないですか。そのとき病院側に拒否されたらどうするなんてことも想定して、訓練すると思います。それで結局、拒否したら罰則を伴って強制するという結論を出してくるのではないでしょうか。今「災害」ということで全国で体制をつくろうとしています。それは戦争のときに使う想定で進められている。自衛隊の基準と災害医療の基準は共通なんじゃないですか。そうじゃないとコンピューターで割り振れない。
||今回の演習で自衛隊サイドでは対ゲリラ、対弾道ミサイル対処が出てます。
 イデオロギー攻撃的な側面があって、「北朝鮮の脅威があるからガイドラインが必要なんだ、ゲリラと弾道ミサイルが具体的な脅威だ」と言っています。人民の内乱的なものを意識しながら、それを北朝鮮のゲリラを口実にしている。
 またゲリラとかを考えたとき、内戦を想定しています。その場合の攻撃対象は、戦争能力の破壊に向けられます。自衛隊基地や米軍基地、原発、放送局、政府機関などです。治安出動宣言をすると国家存亡の危機を政府が認めることになるから、そういう宣言をしなくてどこまでできるかということで、「警備」ということを追求している。だから「警備」対象を原発だけに限るとは言ってないわけです。原発なんて言うとみんな守らなければと思うからね。ここで治安出動のハードルを低くしようとしているではないかと思います。
||自衛官も含めて、日本の労働者人民はこうした「戦争への道」とどう闘っていったらよいのでしょうか?
 反戦運動を、自衛隊をも包み込むぐらい発展させなければならない。最近、自衛隊は不況で応募が多いんです。昔みたいには簡単に入れなくなっています。少年自衛隊の倍率が三十倍を超えているんです。だから職場として考えたとき、プライドみたいのが出てきている。
 昔は免許とらしてやるとか言われて入隊した。それだと公務員だといわれても惨めな感じでしたね。今は高倍率突破して入隊し、「誇り」を植えつけられる。戦前の幼年学校とか士官学校とかそういう雰囲気になってきている。自由主義史観みたいなイデオロギー攻撃も背景になっていますけどね。自衛隊の「ステータス」、社会的な地位が上がってきている、評価されているという中で、「国民の負託にこたえろ」と戦争に追い込んでいくわけです。またボランティアに参加するようなまじめな人たちも入ってきています。そういう人がまじめであればあるほど戦争という問題が間近に近づいてくるとき矛盾が爆発します。彼らに肉薄する言葉を準備しておかなければならない。反軍闘争の課題です。
 昨年のガイドライン闘争は本当の始まりだし、隊内に矛盾は満ちている。これから朝鮮侵略戦争への自衛隊の参戦と言った場合、侵略の銃を取るというのは直接的には軍服を着た労働者である自衛官だけど全人民が問われる。自衛官が行くのは自分が行くのと同じだということを、朝鮮人民やアジア人民との連帯というテーマとならんで、反戦運動の大きな課題として考えていく必要があります。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号5面4)

 2000年日誌

 阻もう! 戦争への動き 1月18日〜25日

 衆参両院に憲法調査会発足

 岸本リコール受任者を公募

●米韓が新安保協議 米韓両国が中長期的な観点から米韓同盟の将来像を協議するための新たな安保対話を開始する。朝鮮半島統一後の同盟維持と在韓米軍の駐留継続を視野に入れ長期計画を策定する。(18日)
●21世紀懇が最終報告書
 小渕首相の私的諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会が「日本のフロンティアは日本の中にある」と題する最終報告書を提出。報告書では憲法や集団的自衛権行使について国民的議論が必要としている。(18日)
●通常国会始まる 第一四七国会が召集された。会期は六月十七日までの百五十日間。衆院比例区定数削減法案や二〇〇〇年度予算案の審議を始め、医療保険改革関連法案、年金関連法案、雇用保険法改悪案など医療や雇用にかかわる法案の審議が予定。(20日)
●憲法調査会が発足 憲法調査会が衆参両院に設置された。衆院で自民党の中山太郎元外相、参院で同党の村上正邦党参院議員会長を会長に選出した。委員は衆院五十人、参院四十五人。自民党からは中曽根康弘元首相、民主党からは横路孝弘副代表などがメンバーになった。日本共産党からは志位和夫書記局長、社民党からは伊藤茂副党首が参加する。(20日)
●観察処分へ意見聴取強行
 公安審査委員会はオウム真理教に対する団体規制法(第二破防法)第五条の観察処分の発動に向けた意見聴取を強行した。(20日)
●「北部振興関係者会議」開く 青木幹雄官房長官は北部振興と普天間基地の移設先および周辺地域振興策の具体化を図るため、三者(国・県・北部市町村)協議機関を二月上旬に立ち上げる考えを表明し、了承された。会議には青木官房長官ほか外務、防衛、沖縄開発など十三省庁の事務次官、稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長などが出席した。(20日)
●小渕と岸本が会談 小渕首相が名護市の岸本市長と首相官邸で会談した。岸本は米軍普天間飛行場の移設受け入れを報告。(20日)
●機能維持が基地移設の前提と米 日米両国政府は外交、防衛当局の審議官級会議を開き、米軍普天間飛行場の返還に伴う工法を含めた代替施設の基本計画を策定する方針を確認した。米側は「軍の運用要求にかなうことがきわめて大事」と現在の飛行場の機能維持を移転の前提とする立場を強調した。(21日)
●日米共同指揮所演習始まる 陸上自衛隊中部方面隊と在日米陸軍などの日米共同方面隊指揮所演習が陸自伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)などで始まった。中部方面隊での同演習は初めてで、二十九日まで。演習はコンピューターを使った図上演習で、自衛隊約二千二百人、米軍約千人が参加。大規模編成部隊による共同作戦行動の指揮訓練を行う。この演習は、敵軍が中国地方などに侵攻、陸自と米軍が共同で撃退するというシナリオを想定していることが、在日米陸軍が公開していたホームページからわかった。タイトルは「MIDDLE ARMY ROAD TO WAR(陸自中部方面隊 戦争への道)」で西日本の地図上に、敵軍の侵攻状況とそれを迎え撃つ陸自の師団や、救援にくる米陸軍部隊の配置状況の変化などを表示していた。(22日)
●吉野川可動堰に反対が9割 吉野川可動堰計画の賛否を問う徳島市の住民投票があった。投票率は条例で成立要件とされた五〇%を超え、約五五%に達した。反対は賛成を圧倒的に上回り総投票者数の九〇・一四
%を占め、全有権者のほぼ半数となった。(23日)
●嘉手納基地で艦載機訓練始まる 米海軍横須賀基地を母港とする空母キティホークの艦載機による訓練が始まった。嘉手納基地を拠点としており、周辺地域では爆音被害が激化するなどの影響が出ている。訓練ではF14戦闘機、F18戦闘攻撃機や嘉手納基地所属のF15戦闘機やハリヤー攻撃機などが次々と飛び立った。百デシベル近い騒音が測定されている。嘉手納町では「町民は常日ごろから騒音の被害に苦しめられており、これ以上の被害は認められない」と、訓練に反対する文書を嘉手納基地海軍報道部に送付。(24日)
●河野外相が訪沖 河野外相が沖縄を訪問、稲嶺県知事と会談した。十五年使用期限については、「閣議決定に沿い努力したい」と、具体的な対応策については言及を避けた。(24日)
●辺野古区が容認決議 名護市辺野古区の行政委員会が開かれ、米軍普天間飛行場の移設に関し、「今後、辺野古住民に不安がなく、辺野古住民に有利になるよう条件整備を行う必要がある」との決議を行った。ヘリ基地建設をめぐり同区では九六年と昨年九月に反対決議をしている。(25日)
●リコール受任者の公募開始 米軍基地普天間飛行場の移設問題でヘリ基地反対協は、岸本建男市長のリコール署名を集める受任者の一般公募を開始。(25日)

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号6面1)

 衆院選−3大決戦の勝利へ

 革共同各地方委員会 年頭の決意(下)

 第1章 2000年こそ5月テーゼの物質化を実現する年に

 革共同九州地方委員会
 二〇〇〇年は、三大決戦を推進し、五月テーゼの物質化・現実化をなんとしてもかちとる決戦の年である。二〇〇〇年は世界大恐慌への突入情勢が現実的に開始され、帝国主義の危機、現代世界の危機が帝国主義の侵略戦争となって爆発し始め、レーニンの言う革命的情勢への接近を肌身で感じる時代だ。
 今求められているのはあれこれを「解説」することではない。掛け値なしに三大決戦の勝利をもぎりとることである。そのかぎは九九年の闘いにある。われわれは、九九年の闘いをとおして五月テーゼの物質化・現実化の展望を完全に手にした。二〇〇〇年はこれを待ったなしに実現する年である。
 三大決戦の貫徹で五月テーゼをわがものにすることだ。衆院選決戦に長谷川候補の当選をかちとる、沖縄人民の渾身(こんしん)の決起と連帯し、全国(本土)の労働者階級人民が自らの死活をかけて沖縄闘争を大衆闘争として爆発させる。連合とJR総連を打倒し、十一月労働者集会に五千人の結集を実現することである。これが五月テーゼの現実化・物質化の中身なのだ。
 では、どうすれば三大決戦に勝利することができるのか。
 九九年の実践は、革命党が労働者階級人民の国際的=階級的決起の革命的爆発を確信し、その先頭に立ち、闘いの革命的階級的発展のために階級性をますます鮮明にして闘ったものである。そしてこの闘いをテコとし、労働者人民の自主的決起と結びつく必死の努力によって、巨万の人民の決起をつくりだした。二〇〇〇年はこの経験を全面的に発揮して、三大闘争の大衆的爆発をなんとしても切り開くのだ。
 二〇〇〇年決戦は、わが地方委員会の歴史的飛躍を求めている。
 九州地方委員会は衆院選決戦の先頭に立つ。九州での沖縄闘争の大衆的爆発をかちとる。国鉄決戦の勝利と新たな潮流運動の爆発で連合=JR総連を粉砕し、十一月労働者集会に総決起する。二〇〇〇年決戦の勝利の先頭に立つ。
 七・八福岡市での蔵相会議を皮切りに、外相会議(宮崎市)、首脳会議と続く沖縄・九州サミットを粉砕する闘いに猛然と決起する。八・九長崎反戦反核闘争は、原水禁運動の腐敗と崩壊をのりこえ、とって代わる新たな原水禁運動の歴史的一歩を踏み出す。
 新安保ガイドライン・沖縄・三里塚、有事立法・改憲阻止の闘いの先頭に立ちつつ、それと一体で佐世保、日生出台を始めとした日米軍事演習阻止闘争の爆発をかちとっていく。
 さらに部落解放運動を始めとした諸戦線における闘いの爆発的発展をかちとっていくであろう。
 これらの闘いに勝利し、党建設の圧倒的前進をかちとり、戦争と大恐慌・大失業=プロレタリア世界革命の接近に、革命的前衛党として勇躍登場していく。
 第二章 実践の中で綱領と路線に絶対的確信を固める
 革共同北陸地方委員会  
 「戦争と革命の世紀」である現代がスターリン主義によって歪曲され、三〇年代階級闘争の血の敗北の中から成立してきた戦後世界体制は崩れた。今や、帝国主義体制の本格的崩壊・二九年型世界大恐慌過程の始まりと帝国主義の侵略戦争情勢の到来に対して、国際的な階級闘争が爆発しつつある。二〇〇〇年は、世界戦争か、それとも革命の時代か、を決する党と革命運動の成否をかけた決戦の年である。この歴史的決戦に、わが党が勇躍して闘えることに身震いする喜びを感じずにはおれない。
 日帝の絶望的突進に対し労働者人民は、沖縄を先頭に安保・沖縄闘争に、資本攻勢への一大反撃に鋭く立ち上がっている。今こそ「国家が破綻(はたん)してもいいのか」という恫喝に対し、「そうだ滅ぶべきだ! 人民が生き、自分たちの社会を創(つく)るべきだ」と喝破した党が、全人民の前に登場する時だ。
 「有事立法・改憲の自自公体制打倒」を掲げ、衆院選・沖縄闘争を全力で切り開く党の飛躍は、喜びで迎えられている。九九年の実に豊かな闘いは、転向日共やファシスト・カクマルとの鮮明な対比として、党の綱領・路線・あり方への絶対的な確信を実践をとおして示した。二〇〇〇年は、革共同が、七〇年安保・沖縄闘争と二十年間の内戦を経て、五月テーゼ|一九全総、二〇全総路線の物質化を闘ってきた全歴史をかけて、ついに衆院選決戦に躍り出る年だ。必要な飛躍と自己変革を成し遂げよう。
 普天間基地の名護移設阻止のリコール運動で、日帝と非妥協的に対決する沖縄人民の不屈の闘いに全責任を取りきり、本土から連帯決起しよう。
 戦闘的労働組合の再生・総結集で、新潮流運動の大躍進をかちとろう。
 九九年の北陸地方委員会の闘いは、ガイドライン攻撃と闘う労働者人民と結合し、安保・沖縄闘争の陣形を形成した。そこにおける党の先進性・献身性への大衆的認知をかちとってきた。この前進は不可避的に警察権力やカクマルの激烈な弾圧と反革命的敵対策動を引き出したが、党および闘う人民の共同の力で粉砕し、闘いは一層力強く発展してきている。
 国会闘争と福井・金沢公聴会闘争、侵略最前線出撃基地・小松基地への波状的闘い、「もんじゅ」・プルサーマル阻止などの反原発・反核燃を、「核武装阻止の侵略・ガイドライン闘争」として新たな反核闘争の地平へと闘いぬいた。
 学生戦線は、これら階級闘争が要請する一切の任務を引き受け、ガイドライン闘争と自治解体・大学改造攻撃への大衆的反撃ののろしをあげ、若々しい息吹の運動を作り上げてきた。
 いよいよ大衆運動の爆発と本格的党建設を実らせる年だ。アジア人民、沖縄人民と固く連帯し、激闘の中で北陸における本格的決起と細胞建設を実現する。富山大をさらに打ち固める。労働者民衆の闘いの嵐のごとき大発展を切り開く。
 北陸は決戦方針を百パーセント貫徹し、新たな時代の扉を開く歴史的闘いの年の先頭に立つ決意である。

 第3章 「3大決戦と党建設」を合言葉に断固決起する

 革共同東海地方委員会  
 二〇〇〇年は、二十一世紀を未曽有(みぞう)の世界大戦の世紀にするのか、それとも輝かしい反帝国主義・反スターリン主義世界革命の世紀とするのかをかけた歴史的大決戦の年となる。
 九九年は、世界史が再び世界大戦へ向かって突き進み始めたことを明らかにした。
 世界経済が二九年型大恐慌の現実化の過程に突入し、ブロック化・分裂化が促進され、その中で、帝国主義間争闘戦は一気に激化した。それは、相互のつぶしあいを基底にしたすさまじい展開であり、米・欧帝国主義の対ユーゴ侵略戦争への突入をもたらした。まさに、第三次世界大戦の到来を告げ知らせるものとなったのである。
 そして、その最大の焦点こそ中国である。とりわけ、米帝の中国・朝鮮侵略戦争の戦略的確立は、アジア支配のヘゲモニーをめぐる対日争闘戦を基底にしており、日帝の帝国主義としての壊滅をはらんだものとしてある。したがって、日米新安保ガイドラインの締結は、米帝のアジア支配の確立をかけた決定的な踏み込みと同時に、日帝にとっては自らの存亡をかけた朝鮮・中国侵略戦争への絶望的飛躍としてあった。
 そしてこれは同時に、労働者階級人民への一大資本攻勢・生活破壊をもたらすものとしてあるのだ。
 この中で闘いぬかれた九九年の階級闘争は、実に偉大な地平を切り開いた。
 日帝の新ガイドライン攻撃に対して、朝鮮・中国−アジア人民と連帯する労働者階級人民の総決起が、第三次安保・沖縄闘争の全人民的発展として開始された。労働者階級人民の怒りの決起を基底にした、新ガイドライン下の反戦闘争と労働運動が力強く開始されたのである。
 それは、ガイドライン決戦への百万人民の決起、沖縄人民の先進的決起、労働戦線における新潮流運動の決起の一体的推進として二〇〇〇年決戦の勝利の展望を大きく切り開くものとなったのである。
 二〇〇〇年決戦勝利の方向性は明確である。
 日米帝の朝鮮・中国侵略戦争の切迫に対し、「闘うアジア人民と連帯し、日帝のアジア侵略を内乱に転化せよ」「沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒」の戦略的総路線を真っ向から掲げて闘うことである。そして、自自公体制とそれに屈服した社・共既成指導部、連合、JR総連=カクマルとの闘いに勝利することをもってこれを実現するのである。
 具体的には、衆院選決戦と名護新基地建設阻止・沖縄サミット粉砕闘争、さらに新潮流運動の発展をかちとる闘いの三大決戦に総決起していくことである。そして、この三大決戦に勝利するかぎは、党建設の決定的前進にかかっている。
 東海地方委員会は、二〇〇〇年決戦を「三大決戦の勝利と党建設」を合言葉にして、断固として総決起する。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号6面2)

 第二破防法

 意見聴取 強行やめろ

 共同行動 公安審に手続き中止要求

昨年十二月二十七日の公安調査庁長官の請求を受けて、公安審査委員会は一月二十日午前十時から、オウム真理教に対する団体規制法(第二破防法)第五条の観察処分の発動に向けた意見聴取を強行した。処分発動を既定方針とするためのアリバイ的な「聴取」である。絶対に許せない。破防法・組対法に反対する共同行動は、弾劾する闘いを朝から全力で闘いぬいた。
 共同行動は、午前八時三十分から地下鉄霞ケ関駅の入り口で、第二破防法発動を弾劾し、二月十三日の第二破防法・組対法反対集会(代々木八幡区民会館、午後一時)に集まろうと訴えるビラを通勤途中の労働者らに配布した。また、聴取開始直前の午前九時三十分に会場の法務省別館に肉薄し、腹の底からの怒りを込めた弾劾のシュプレヒコールをあげた。
 さらに、請求手続きの中止と棄却を求めて、公安審査委員会に断固とした申し入れを行った。法務省前で、職員を前に申し入れ書を力強く読み上げ、審査委員に必ず手渡すことを約束させた。
 続いて共同行動は、午後零時十五分から霞が関一周の戦闘的デモに立ち上がった。宣伝カーからは、第二破防法の反人民性を暴露し、発動粉砕を訴えるアピールが響きわたり、デモ隊の怒りと闘う熱気が周囲を圧倒した。
 第二破防法は、公安調査庁による危険性の証明ではなく、処分請求団体が自らの安全性を証明しない限り、処分を発動するという構造を持つ、刑事手続きの「無罪推定」原則を根底から破壊するとんでもない法律である。公安審は、公安調査庁が提出した証拠も公表せず、一回の「聴取」で問答無用の処分を強行し、団体規制法の乱発への突破口を開き、戦時治安弾圧体制の既成事実づくりを狙っているのだ。絶対に許してはならない。
 二月初めにも予定される処分決定の阻止へ、連続闘争に全力決起しよう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号6面3)

 福嶋裁判

 鈴木証言を粉砕

 「メモは計画書」はデマ

 一月十二日、東京地方裁判所(刑事第三部服部悟裁判長)で、無実の福嶋昌男同志に対する迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧の第一〇二回公判闘争が闘われた。福嶋同志は、「日帝の朝鮮・中国侵略戦争への踏み切りのもとでの治安弾圧の激化と真っ向から対決して本裁判闘争が闘われている」と、福嶋裁判の歴史的階級的位置を路線的に明らかにし、闘う決意を四十五分間にわたって表明した。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判は、須賀武敏同志ら三同志の裁判と福嶋同志の裁判が分割され、福嶋同志の裁判は、三同志の裁判に先行する形で本年中の検察側立証終了という重大な局面を迎えている。
 福嶋裁判は、昨年十月以来の四回の公判で、検察側デッチあげ証人・警視庁公安機動捜査隊の鈴村寿久に対する徹底した反対尋問で、デッチあげ粉砕への勝利の地平をかちとった。
 鈴村は、ゲリラ事件捜査のためにつくられた公安機動捜査隊で、初動捜査と事件に関連する物の組成や、構造・機能に関する捜査を専門に行う特別捜査班に所属する極悪反革命分子である。検察官は、この鈴村と次に予定している同じ公安機動捜査隊の安田敏夫の証人尋問で、八六年十月に岩手借家から押収したとするメモ類、八九年二月に奈良県橿原で押収したとするメモに、迎賓館・横田事件に関する事前実験とそのデータに基づいた新型砲弾の飛距離計算などが記載されていたとデッチあげようとしているのだ。こんなデタラメをどうして許せるか。このような根拠のないデッチあげを絶対に粉砕しなければならない。
 検察官は、鈴村の証言で、中核派革命軍の迎賓館・横田事件に至るロケット砲弾と信管の開発の経緯を明らかにするとしたが、反対尋問の結果、鈴村の証言は他の捜査員から聞いたり、捜査関係の資料を見たりした伝聞で、まったく証拠とはなりえないものであることが明らかになった。
 さらに、重要な事実が明らかになった。弁護人の質問に追い詰められ、鈴村は、橿原押収のメモに記載されている砲弾の発射実験の中には横田事件で実際に使われた発射方式のものはない事実を明らかにしたのだ。事態は鮮明になった。権力がメモを自己の都合に合わせて勝手に解釈し、メモを横田事件の計画書だとデッチあげたのだ。
 鈴村は、橿原押収のメモに書かれている四種類の砲弾の中の一種類(AV)が迎賓館・横田両事件に使用された砲弾であり、岩手押収のメモにその形式(AV)の砲弾の重量、断面積や発射方式の記載があるが、それらの値が両事件のものとほぼ一致していると証言した。ところが、実際には、それらの値はどれも一致しておらず、計測不能であることも明らかにされたのだ。このように検察官が組み立てた本件砲弾の開発の経緯、新型砲弾の発射実験と本件両事件に使用された新型砲弾の一致とは、なんら事実に基づかないことが明らかにされたのだ。
 切り開かれた勝利の地平をさらに推し進め、デッチあげ粉砕に突き進もう。
 現在、検察側予定の証人は残すところ安田ら四人だけである。次回、二月二日の裁判は安田に対する反対尋問である。安田を徹底的に粉砕し、迎賓館・横田爆取デッチあげを粉砕し、四同志の早期奪還を闘い取ろう。四同志の支援・防衛、傍聴闘争に決起しよう。

------------------------TOP---------------------------

週刊『前進』(1943号6面4)

 1面からつづく

 さらに消費税の引き上げ=大増税がたくらまれている。これらはすべて、バブルに踊った資本家階級が自らもたらした財政危機を始めとする今日の資本主義・帝国主義の末期的な危機と矛盾を、労働者階級に徹底的に犠牲転嫁しようとするものだ。
 ファシスト石原都政の福祉切り捨てと首切り・賃下げの相次ぐ攻撃はその最先端に位置するものである。
 東京・杉並で開始されたストップ介護保険十万人署名運動をあらゆる地域に押し広げ、介護保険粉砕の全人民的大闘争をつくりだそう。その最先頭で闘う長谷川英憲さんを衆院選決戦で労働者人民の真の代表として推し立て、自自公の推す石原伸晃(ファシスト石原都知事の息子)を打倒し、必ずや国会に送り出そう。

 第3章 サミットと基地の移設は戦争への道

 沖縄サミットとそれをテコとしたSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)報告の全面貫徹=米軍普天間基地の県内移設・名護新基地建設を阻止する闘いは、いよいよ重大段階に入った。一月二十五日、ヘリ基地反対協は岸本名護市長のリコール運動を開始、岸本ら基地誘致派を徹底的に追いつめる闘いに踏み込んだ。日帝は、先手を打って岸本を辞任させ、市長選に再出馬させることでのりきろうと策動しているが、基地反対の声が市民の過半数を占めている中で、その成算はないばかりか、逆に闘いの爆発がサミットを直撃する情勢を引き出すことは明白である。
 米帝はすでに、稲嶺が基地受け入れの条件とした「十五年期限」を拒否している。米国防総省の文書には、新基地は「耐用年数二百年、最低四十年間使用」と明記されている。

 第1節 コソボ・沖縄で米軍基地建設

 米帝は今日、ユーゴスラビア侵略戦争で軍事占領したコソボに東欧からロシア、中央アジア、中東をにらむ一大軍事基地を建設しているが、それと同じように沖縄を、米帝のアジア支配のための一大軍事拠点として半永久的に確保し強化しようとしているのだ。
 日帝もこれを容認し、安保の犠牲をこれまで以上に沖縄人民に押しつけつつ、それを日帝の朝鮮・中国侵略戦争参戦への突破口としようと動いている。まさに、ガイドライン攻撃の貫徹と沖縄圧殺は一体であり、日米争闘戦が激化すればするほど、日帝の国家的国策的な沖縄差別・抑圧政策がむきだしに沖縄人民に襲いかかるのである。
 「命にかけても基地建設を阻止する」と決意し、決起している現地住民を始めとした闘う沖縄人民と連帯し、日帝による沖縄と本土の分断を打ち破って、名護新基地建設阻止・沖縄サミット粉砕へ、本土人民の圧倒的な総決起を闘いとろう。とりわけ二−三月の名護現地での攻防を、七月サミット粉砕の成否をも決する重大決戦として闘おう。
 二月十六日から開始される日米共同統合演習は、「朝鮮有事」を想定し、ガイドラインを実際に発動するための演習だ。米日帝による朝鮮・中国−アジア侵略戦争阻止の闘いを強めよう。三里塚軍事空港の暫定滑走路建設を実力で粉砕し、反対同盟と敷地内農民を守りぬこう。国会前座り込みに決起した北富士忍草農民と連帯して闘おう。
 「日の丸・君が代」攻撃の激化と対決し、二・一一闘争を全国各地で取り組もう。広島県教委による広高教組への大量処分攻撃を弾劾し、広教組・広高教組を防衛する闘いに立とう。
 一・二八国労中央委員会をめぐる決戦を引き継ぎ、闘争団切り捨てを絶対に許さず、国労本部の「年度末決着」の裏切り路線の完全粉砕と執行部の総退陣を求めて、春闘と三月に向かってさらに激しい闘いを展開しよう。五・二八反動判決粉砕へ、ILO勧告を武器に今こそ攻めのぼる時だ。
 この国鉄決戦を先頭に、連合=JR総連を打倒し、日帝の春闘解体攻撃を粉砕して、闘う労働組合の総結集による新潮流運動の一層の前進をかちとろう。
 ファシスト・オウム真理教をコントロールし活用して仕掛けられている団体規制法(第二破防法)の発動を断じて許さず、日帝の治安弾圧攻撃を大衆的怒りで粉砕して進撃しよう。
 機関紙拡大闘争、学習活動を強化し、決戦のただ中でこそ党勢拡大闘争の飛躍的前進をかちとろう。

------------------------TOP---------------------------