COMMUNE 2008/01/01(No.379 p48)

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01月号 (2008年01月01日発行)No.379号

定価 315円(本体価格300円+税)


〈特集〉  9・29沖縄県民大会の画期的地平

□11万6000人の文字通りの島ぐるみの決起
□階級的労働運動路線と沖縄奪還論の力を証明
□集団自決「軍命」削除の教科書検定の大破産

●翻訳資料 11・4労働者集会に参加して
アーリーン・イノウエ
グレゴリー・ソティア 

●国際労働運動 南朝鮮・韓国/非正規職撤廃へ全国労働者大会−−室田順子

    11・4全国労働者総決起集会

三里塚ドキュメント(10月) 政治・軍事月報(10月)

労働月報(10月)  闘争日誌(9月)

コミューン表紙

羅針盤 対テロ新法案粉砕を

▼資本主義、その最高の発展段階としての帝国主義の時代は完全に終わりを迎え、もはや死臭を放っている。労働者階級による革命はもう本当に待ったなしだ。資本家階級の危機と腐敗は今や、本当にとどまるところを知らない。アメリカのサブプライムローンの破綻(はたん)は、低所得者層への詐欺まがいの高利貸付によって、各国の金融機関がいかに暴利をむさぼってきたかを暴いた。それが巨額損失に転じた今、世界のブルジョアジーは労働者人民の困窮をしり目に、こぞってその穴埋めのための新たなマネーゲームに突っ走っている。膨大な投機資金の流入によって原油や穀物が高騰し、インフレの爆発が人民の生活を直撃し始めている。他方で株価の激しい乱高下と、ドルの急落が続いている。世界金融恐慌・大恐慌が現実化し、世界経済全体が破局へと転げ落ちようとしている。

▼起きているのは資本主義・帝国主義の矛盾の全面爆発であり、ブルジョアジーはこの危機を解決する力など持たない。彼らの唯一の関心事は、他の一切をけ落として自分だけが生き残ることだ。そのためにはどんな手段も、新たな侵略戦争・世界戦争への突入も辞さないということだ。そのすべては、労働者階級の頭上に恐るべき搾取と収奪と、さらには戦争で命まで奪う地獄となって襲いかかってくる。このまま黙っていたなら、労働者は本当に殺される。だが団結して闘えば絶対に勝てる。資本やその国家権力が一見どんなに強大に見えようが、階級的に団結して本気で立ち上がるならば、やつらの支配などぶっとばす力を労働者階級は本来もっているのだ。沖縄の闘う労働組合を先頭とした12万人の大決起は日帝を打倒する力をまざまざとみせつけた。それを受けつぐ首都東京での11・4労働者集会と戦闘的デモは、その一端を満天下に示したのだ。さらに韓国民主労総の闘う労働者は、ノムヒョン政権によるソウル封鎖の厳戒体制を打ち破り、機動隊と激突して街路を占拠し労働者大会を実力で闘いとった。この韓国労働者の闘いに学び、4大産別を先頭に、階級的労働運動の一層全面的で本格的な発展を闘いとっていこう。帝国主義打倒へ猛然と突き進もう。

▼日帝は今、国際帝国主義の中でも米帝と並んで体制的危機を最も深め、そこからの脱出を求めてあがきにあがいている。福田政権は11月13日には、インド洋からの撤退に追い込まれた海上自衛隊の派兵を再開するため、対テロ給油新法案の衆院通過を強行した。これらは小沢・民主党と、民主党を支える連合の協力によって初めて可能になったものだ。福田と小沢による自民・民主の大連立構想は労働者人民の弾劾を浴びて破産したが、民主党・連合はこれを期に全面的な裏切りの道へとかじを切った。民主が立案した給油新法の「対案」なるものは、「民生支援が軸」としながら実際には、現地での軍事制圧行動を前提に武器使用基準を大幅に緩和している。また海外派兵をいつでも、どこにでも行えるようにするための派兵恒久法の整備を「速やかに行う」と明記するなど、与党案以上に反動的な代物だ。福田政権も民主党・小沢も、ともに絶対に相いれない労働者階級の敵だ。完全打倒しよう。この12月、11・4で解き放たれた労働者階級の怒りをさらに徹底的に爆発させ、対テロ給油新法案と労働契約法案を絶対に廃案に追い込もう。  (U)

 

 

翻訳資料

 ●翻訳資料

  11・4労働者集会に参加して

  アーリーン・イノウエ グレゴリー・ソティア 07年11月15日

  11・4労働者総決起集会に参加して発言したロサンゼルス統一教組・CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)のアーリーン・イノウエさんとグレゴリー・ソティアさんの11・4集会に参加した感想がCAMSのホームページに掲載されたので、以下に訳出した。

  国境を越えた連帯 アーリン・イノウエ

 100年以上前に自分の祖先が旅立った島に、太平洋を渡って訪れることが出来ることを想像してほしい。そしてそこで、大きな個人的な犠牲(慣行遵守を当然のものとする社会の否定的な反応はもとより、停職、配転、解雇の脅しなどの)を覚悟して、東京都教育委員会の軍国主義的な命令に反対する道を選択した日本の教師たちを抱きしめ支持することが出来ることを想像してほしい。
  この勇気ある教師たちは、第2次世界大戦において差別・排外主義と大虐殺、大規模なリンチを扇動するために使われた象徴である日本の国旗に敬意を表することを拒否した。また、2千万のアジア人民を殺戮したあの侵略戦争に導いた「君が代」(天皇の治世)を歌うことを拒否しています。
  これらの教師たちは、「教え子を再び戦場に送るな」と宣言しているのです。 
  これらの兄弟姉妹たちと団結して集会に参加し、4万8000人のロサンゼルス統一教組とCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)を代表して彼らの闘いを支持する決議を発表できるということはなんと名誉ですばらしいことでしょうか。
  私たちはまた、日本の労働者と地域社会の、沖縄や全国の軍事基地を拡張することに反対する闘いや、「戦争の否定」と「すべての人民が受け入れることのできる社会」を誓約している憲法9条の堅持の闘い、そして、第2次世界大戦における日本軍による残虐な虐殺と大規模な性奴隷化の歴史的事実の記載を削除するという教科書の改変との闘いを支持することができました。
  また私たちは、非人間的状況に耐え、企業の利益のために犠牲にされている日本、韓国、アメリカなどの世界の労働者と合流しました。
  これらの人々の中には、土地を略奪された農民や、何の権利もなしに差別に直面している移民労働者や難民、奴隷のように扱われている労働者がいました。これらの人々とともに私たちは手を取り合い、スクラムを組んで、東京の繁華街の銀座をデモしました。私たちは「今日、アメリカの政治的・軍事的秩序とヘゲモニーは世界中で砕け散っている。われわれの希望は、戦争に反対し、貧困と差別に抵抗する労働者・人民の中にある。同志たちよ、固い連帯のもとに闘い続けよう」と叫ぶ韓国の労働組合の労働者とともに行進しました。
  これらの国や全世界における民営化や企業による支配、軍事力強化などに反対する闘いは、われわれの間の連帯を強化しています。私たちの闘いは全く同じです。権力の座につくものどもが、より多くの人民を貧困と無力に叩き込もうとしているが、私たちは惑わされることはないし、ばらばらにされることはありません。国際的連帯を!他人を思いやる人間的精神と愛と助け合いの精神は普遍的です。平和への希望、愛、公正と自由はどこにおいても人間的な切望です。ガンバロー(日本語で「闘おう」を意味する)。団結して闘いましよう。ガンバロー!

 誰が人類に対する戦争をしているか グレゴリー・ソティア

 意識するか否かに関わらず、旅行は自分の存在についての意識と思考を広げる。もともと旅行は新しいものを経験することだから、教育的な過程なのだ。私は、11月初旬に初めて日本に行って、いくつかのことを学んだ。一つ目は、闘争の共通性ということだ。企業の本能である戦争推進から良心を守り、表現の自由のために闘うことは、アメリカと日本、韓国の活動家、教師、労働者に共通のことだ。われわれはアメリカの中に隔離され、ウソと単純化を騒音のように垂れ流すメディアとガラクタ消費文化のオリに閉じ込められている。戦争とごう慢なアメリカに対する世界中の人民の闘いのほとんどが、われわれ自身の闘いより力強いものであることは忘れられがちだ。いうまでもなく、アメリカ主導の企業支配に対する全世界的な怒りと闘いは、CNNの報道で見るものとは全く違う。商業メディアは、われわれをそういう怒りと闘いから隔離することにたけている。
  私が学んだ二つ目のことは、民営化とグローバル化との闘いは、多くの所、多くの国で闘われていて、教師に影響を与えていることだ。NCLB法〔落ちこぼれゼロ法〕は、われわれを攻撃しているだけでなく、輸出されているのだ。テストを実施し、カリキュラムを統制し、公立学校を軍事化し、生徒を無思考化・従僕化し、そして教師を予め作られた無味乾燥な授業を伝達するだけのロボットにしたてることは、アメリカだけでなく、全世界的に行われている。これは、民営化勢力によるカリキュラム決定を許してしまった結果なのだ。「説明責任」というこん棒が、教師の自由で独立した思考を殴り倒すために使われている。もちろん、これは一方通行の説明責任だ。地球を破壊する者たちには、説明責任は決して適用されない。
  三つ目のことは、私には強力な組合(ロサンゼルス統一教組)があって良かったということだ。もしも強力な組合がなかったら、生徒に感動する感性と自由を教育しようとする私の努力は実らないであろう。そして権利章典〔基本的人権を規定した米国憲法修正第1条〜第10条〕、批判的思考、人種差別反対、良心的兵役拒否など――つまり平和と正義に関わること――を教えようとすれば、厳しく罰せられてしまうであろう。
  自由放任の資本主義は、収益によってのみ突き動かされるのであり、生態学的な破滅の深刻な予兆など意に介さない。自由放任資本主義の勢力は、「人類に対する戦争」の宣戦布告をしているに等しい。意識的か否かにかかわらず、今や多国籍企業は単なる人間よりも力を持ち、時代遅れになった共和国よりも力を持っている。平和を作り出そうとするわれわれの努力を非現実的だといってあざ笑い、ますます地球と全生物を消滅に追いやっている。代議制の政治家は、選挙民からかけ離れ、民主主義が人類の多数の生活改善のための機構として働かなくなることを止めようとしない。逆に、今や民主主義は結局、企業のメカニズムの中にいっそう多くの力を集中させるために存在しているのだ。企業と軍の億万長者にならって、わが代議制の「リーダーたち」は、公正で合理的な文明を犠牲にして、無知、奴隷労働と終わりなき戦争を基礎にした半封建制に移行しようとしている。
  われわれは、人類に対するわれわれの戦争を終わらせねばならない。「われわれの」と書いたが、これは、われわれが戦争を許しているからだ。われわれは破壊者のために働いている。若者が新たな破壊者となるように訓練している。NCLBは、将来の道を破壊者になる道のみに狭めている。
  だからわれわれは意識するか否かにかかわらず、人類に対する戦争で人間性を破壊する兵士となってしまうのだ。われわれがそれを拒否しない限りは。
  非人間化を拒否し、団体交渉権と世界平和のために闘う国際的な同胞たちに対して私は言う、「団結!不滅の団結を!」