COMMUNE
2007/3/01(No.369 p48)
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3月号 (2007年3月1日発行)No.369号 定価 315円(本体価格300円+税) |
〈特集〉 崩壊が始まった米帝の中東支配 □焼石に水、イラクへの米軍2万1千人の増派 ●翻訳資料1 米イラク研究グループ(ISG)報告書 ●国際労働運動 南朝鮮・韓国/ロードマップ強行成立弾劾!−−室田順子 三里塚07年団結旗開き 三里塚ドキュメント(11-12月) 政治・軍事月報(11-12月) 労働月報(11-12月) 闘争日誌(10月) | |
安倍・御手洗路線▼安倍首相は、「美しい国」と言い、御手洗・日本経団連会長は、「希望の国」という。どちらも日本帝国主義がどんづまりの絶望的危機に陥っており、何一つ展望が見えないことの表明だ。いまや帝国主義はすさまじい帝国主義同士の争闘戦に入っている。日帝は国際帝国主義の最弱の環になっている。巨大独占企業の競争が国家ぐるみの生死をかけたものになっている。特にブラジル、ロシア、中国やインドなどで労働力、資源、市場を奪い合っている。石油資源・市場をめぐっては帝国主義の侵略戦争に発展している。それが米帝のアフガニスタン侵略戦争であり、イラク侵略戦争である。米帝はさらに対イラン、対北朝鮮の侵略戦争を構えている。日帝にはまったく対応する力がない。安倍も御手洗も唯一の突破口として改憲=戦争を叫んでいるが簡単にいくわけがない。労働者人民が絶対許さない。 ▼では侵略戦争を開始している米帝はどうか。米帝ブッシュもどうにもならない危機に陥っている。米中間選挙で米労働者人民は、はっきりとイラク侵略戦争にノーを突きつけた。世界の超大国である米のハイテク軍隊が、イラク人民の自爆戦闘や路肩爆弾などのゲリラ戦争に敗退してしまっている。米帝の軍事的権威は丸潰れだ。米帝の中東・中央アジア支配は崩壊しつつある。イラク侵略戦争における敗退情勢は、アフガニスタンに連動し、レバノン、パレスチナにも連動している。全世界の民族解放闘争に火をつける情勢にある。だから、米帝はイラクから撤退することができず、2万1千人を増派しイラクの武装勢力の掃討戦を強めると言っている。しかし、この勝負は決まっている。武装勢力はイラク人民であり、掃討作戦をする米軍は外からきた侵略軍隊だ。イラク侵略戦争が始まってすでに4年近く立つ。イラク人民は10年でも100年でも闘う。しかし米軍はイラクで10年も100年も闘えるわけがない。 ▼日帝は帝国主義として生き延びるためには、日米同盟を強化し、改憲し、自衛隊を米軍並の軍隊にしなければならない。もしそれが出来たとしても、現に世界最強の米軍はアフガニスタンやイラクの武装勢力に敗北しているのだ。かつての大日本帝国陸軍が中国の人民解放軍に敗北したように。日帝は中国侵略戦争で敗勢にたたきこまれていながら、米帝との第2次世界大戦に突入して敗北をした歴史を持っている。アジア人民2000万人、日本軍も300万人が死んだ。安倍や御手洗の「美しい国」と「希望の国」はこの歴史をくり返すものだ。 ▼御手洗ビジョンは、アメリカの「レーガンの再来」を絶叫している。80年代に米大統領レーガンが「強いアメリカ」を叫んでやったことは資本家のための大減税、労働組合潰し、軍事予算の増額だった。御手洗ビジョンも同じだ。経済も、対アジア政策も、政府も、自治体も、労働者も、教育もブルジョアジーが他の帝国主義と争闘戦に勝てるように作り替える。労働者は「工場法以前の状態」にたたき込む。しかしブルジョアジーが思うようには進まない。帝国主義の時代はもはや終わりつつある。帝国主義を打倒する労働運動は全世界で勢いよく登場している。11・5の日韓米3国連帯の労働運動の登場であり、そしてイラク人民を先頭とする帝国主義打倒の民族解放闘争の登場である。労働者人民の「希望」はここにしか存在しない。 |
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【解説】ここに掲載する翻訳資料の内容は、本号の特集で解説されている。したがってここでは、新方針が発表されるに至った経緯などの解説にとどめる。 資料@は、イラク研究グループ(ISG)報告書の最初に掲載されている「要旨」の翻訳である。 資料Aのブッシュ演説は、「ISG報告書を受けて新たな戦略を06年のうちに発表する」とされていたものが、年を越してようやく発表されたものだ。それだけでも、いかに米帝ブッシュが行き詰まっているかが分る。 |
翻訳資料-1@イラク研究グループ報告『前進への道――新たなアプローチ』06年12月6日 広田 功 訳第1節 本報告の要旨 イラクの状況は深刻であり、さらに悪化しつつある。どの道も成功は保証されていないが、見通しを改善することは可能である。 第2節 外へのアプローチ イラク近隣諸国の政策と行動はイラクの安定と繁栄に大きく影響する。この地域のどの国も混沌状態にあるイラクから長期化な利益を得ることはできない。しかし、イラクの近隣諸国はイラクの安定に十分に寄与していない。いくつかの国は安定を脅かしている。 第3節 内部でのアプローチ 現在、イラクの将来にとって最も重要な問題は、イラク人の責任である。合州国は、イラク人民が彼らの運命を自らコントロールするよう鼓舞することに、自らのイラクにおける役割を適応させなければならない。 第4節 結論 これらの提案は合州国のイラクとその地域における新しい道を提供するものであるというイラク研究グループの全体一致の見解である。それらは包括的であり統合的に実施される必要がある。それらは分離されたり個別に遂行されたりしてはならない。その地域の力学はイラク内部の出来事と同じ重要性がある。
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翻訳資料-2Aブッシュのイラク新政策演説07年1月10日 村上和幸訳 今もイラクでは、米軍部隊が戦いにたずさわっている。その戦いは、テロに対する世界的な戦争の行方、そしてわれわれの本国における安全を決するものなのである。今晩私が概括する新たな戦略は、米国のイラクにおける進路を変更し、テロに対するわれわれの戦いの成功を助けるものである。
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