COMMUNE
2006/05/01(No.360 p48)
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5月号 (2006年5月1日発行)No.360号 定価 315円(本体価格300円+税) |
〈特集〉 圧制の米国内で階級反乱が噴出
口ハイテク技術大幅赤字、ドル暴落・大恐慌必至 ●翻訳資料1 英・国際婦人デーにおけるパレスチナ代表の講演 ●国際労働運動 南朝鮮・韓国/20万ゼネストで非正規悪法阻む−−室田順子 3・5沖縄県民大会 三里塚ドキュメント(2月) 政治・軍事月報(2月) 労働月報(2月) 闘争日誌(1月) | |
権力の恐怖と焦り法政大学当局と権力が結託した3・14弾圧は、今年の改憲阻止闘争において全学連が巨大な力を発揮することを恐怖した攻撃である。法政大学当局の一方的な「立て看板規制・ビラ規制」は、窮極の言論弾圧、学生運動弾圧であり、これを許していたら、大学は戦争国家体制づくりの砦となる。法大生を始め全国の学生がこのことに危機感をもってデモに立ち上がったのは当然である。大学周辺をデモし、学内で看板撤去に反対しただけで、200人の私服警官が一斉に襲いかかり、29人を連行・逮捕したのだ。戦後一貫して戦闘的学生運動の拠点であった法政大学から一挙に闘う学生を一掃しようとしている。この弾圧への怒りの総決起で、日帝・小泉の改憲攻撃、国民投票法案攻撃を粉砕する全国学生ゼネストをかちとろう。 動労千葉は、反合・運転保安春闘に立ち上がった。昨年来の尼崎事故、羽越線事故、伯備線事故を弾劾し、「闘いなくして安全なし」をスローガンに、安全運転行動と旅客全乗務員のストライキに突入したのだ。とりわけ3月10日からの安全運転行動は、成田エクスプレスを始め10`の減速闘争で、当局の監視が動労千葉の運転する全列車に2人ずつ張り付くという重圧を打ち破って勝ちとられた。そしてストライキの貫徹は、動労千葉の底力を示した。少数とは言え、動労千葉が組合の団結をもって不退転の決起を勝ちとっていることは、実に重大だ。この闘いを先頭にしてこそ国鉄1047名闘争の勝利も切り開くことができる。国労5・27臨大弾圧を粉砕する闘いと併せて、動労千葉を支援・防衛する闘いをかちぬこう。 今春の「日の丸・君が代」不起立決起は、03年10・23都教委通達以来3度目の卒業式・入学式闘争であったが、大量処分攻撃を恐れず、「戦争協力に向かう君が代斉唱はできない」という当然の良心の闘いが、一昨年、昨年の闘いを引き継いで、闘いとられた。石原・都教委の狙いは、「日の丸・君が代」強制通達をもって、一糸乱れぬ儀式を貫徹し、それを全国に広げようというものであったが、3年連続の不屈の決起は、この処分恫喝の10・23通達をまったく無力化させてしまった。処分は生活に直接打撃を与えるものであるから、そこには一人ひとりの苦悩や煩悶があるが、だからこそそれをのりこえての決起は実に巨大な力がある。少数の闘いでも、原則的に貫かれるならば、それは全労働者に広がる質をもっているのだ。 イラク侵略戦争開戦から3年、米帝のイラク占領はいよいよ行き詰まり、泥沼に突入している。しかし、米帝は帝国主義であるかぎり、どこまでも戦争にのめり込むほかない。そしてイランへ、中国・北朝鮮へと戦争を拡大しようとしている。日帝・小泉は、この米帝と日米枢軸を強め、イラク撤兵どころか、さらに派兵を継続しイラク占領支配の一翼を担い続けようとしている。米軍再編攻撃に対して、3・5沖縄県民大会への3万5千人の大結集、3・12岩国市の住民投票の9割の「移駐反対」票、座間・相模原・横須賀などの闘いの前進と、全国に闘いが渦巻いている。この力で、イラク撤兵・米軍再編粉砕、改憲阻止・国民投票法案粉砕、教育基本法改悪阻止へ、4大産別を先頭に労働者階級人民の闘いを巻き起こそう。共謀罪法案の成立を阻止しよう。1〜3月の前進は、闘いの展望を切り開いている。(た) |
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翻訳資料1 英・国際婦人デーにおけるパレスチナ代表の講演真の英雄は女性たちである丹沢 望訳 【解説】 この講演は06年3月7日に、英・シェフィールドでの国際婦人デーで、パレスチナの女性医師、モナ・エル・ファラ氏によって行われた講演である。パレスチナ解放運動において女性が直面している諸困難について詳細に論じられるとともに、パレスチナ女性がこの困難を乗り越えて闘っている姿について明らかにされている。 ------------------------------------------------- 親愛なる皆さん。 陣痛発作中に一晩中歩く 私は、ちょうど男の赤ちゃんを産んだばかりの女性に会いました。陣痛があり、強い子宮収縮があったのに、彼女は病院への最寄りの交通機関に到達するために厳寒の中を1時間も歩かなければなりませんでした。乗用車も救急車も午後8時以降はこの地域の道には入ってくることを禁止されていました。イスラエル軍はここを通る車には警告なしに発砲するのです。病院での出産は難産でした。赤ちゃんは大丈夫でしたが、母親はこの苦難で衰弱していました。 インティファーダ開始後の現実 この間、233人の女性を含む3856人が殺されました。暗殺された殉教者は330人です。129人の患者(ガン患者や腎臓透析を受けている患者を含む)がイスラエルの軍事検問所で殺されています。 結論 占領と社会的伝統、社会的・経済的喪失を原因として以上のようなあらゆるストレスを受けているにもかかわらず、彼女たちはパレスチナ人民の反占領闘争とわれわれの共同体の発展のための闘いにおいては真の英雄なのです。このことを確認したうえで私は一人の活動家として、われわれの共同体の内部で将来、女性たちが大きな役割を果たすことを強く信じています。占領と諸制約にもかかわらず、最近おこなわれたパレスチナ議会選挙への女性の参加は広範なものでした。 女性の投票動向 1月25日の国会議員選挙では、投票した人の53%が女性であり、うち73%がハマスに投票しました。過去5年間のインティファーダの期間、パレスチナ人民に対する攻撃は激烈でした。そして、ハマスを選ぶことによって、投票した人々は、占領を拒否し、抵抗闘争を支持し、パレスチナ自治政府の腐敗に対する拒否の意思を表明しました。人々は、ハマスは人民の利益を保護し、占領と対決して人民の生活を防衛できる党であると考えたのです。 |
翻訳資料-2 ドバイ・ポート・ワールド社騒動について港湾労働者の階級的見解06年3月10日 丹沢 望訳
【解説】原文は、ランク・アンド・ファイルの港湾労働者のために港湾をめぐる階級闘争について解説する『マリタイム・ワーカー・モニター』第8号に掲載された論文(米・レーバー・ネットに掲載)。このパンフレットは、ILWUローカル10のジャック・ヘイマン氏らが編集者となり、これまで港湾労働者の階級的労働運動を発展させるために論陣を張ってきた。今回の論文は、アラブ首長国連邦の構成国であるドバイの港湾関連企業のドバイ・ポート・ワールド社に米東海岸の諸港湾の貨物取り扱い施設を売却することを承認するという問題をめぐる、ブッシュ政権の思惑と、それに対する労働組合の既成指導部の反階級的対応を批判したものである。 ブッシュ政権はアラブ保守政権への米港湾利権の売却を通じて、アラブ保守諸国を取り込み、石油利権の確保とイラク侵略戦争へのさらなる協力を取り付けようとした(とりわけドバイは、米軍の船舶に軍需物資などの供給を行い、イラク侵略戦争に全面協力してきた)。 ブッシュのこうした策動に対し共和・民主両党からアラブへの米港湾施設の売り渡しは、米の国家安全保障を損なうとして、激しい反対運動が開始された。 問題は港湾関係の労組既成指導部がこうした反対運動の動きに呼応して、「国家の安全保障」が危機に陥るという論理を前面に掲げて、ブッシュの港湾施設売却に反対する運動に港湾労働者を組織する活動を開始したことである。 ブッシュが港湾施設のドバイの企業への売却を推進している真の目的を暴露し、それと闘うのではなく、港湾労働者を「テロとの闘い」「国家の安全保障」のために動員しながら、右からブッシュと対抗するという方法は完全に間違っている。 このパンフレットは、ブッシュの米港湾のドバイの企業への売却の真の目的が、イラク侵略戦争体制の再建と石油資源略奪戦略の強化であることを暴露するとともに、外資による港湾運営が、米の労働法の適用除外や組合潰しに結びつくこと、他方で、港湾の安全保障という論理が労働組合破壊をもたらすことを批判して闘わなければならないことを明らかにしている。とりわけ港湾関係の労働組合の既成指導部が民主党指導部と一体となって行っている排外主義的宣伝に反対し、階級的労働運動を対置し、港湾労働者が国際的に連帯して闘うことの重要性を鮮明にしているのである。 ……………………………………… イギリス所有のP&O社(半島・東洋汽船交通会社)から、アラブ所有のドバイ・ポート・ワールド社(DPワールド)への、アメリカ東海岸にある諸港湾の貨物取り扱いターミナルの売却に関してさまざまな騒ぎが起きている。この売却は港の安全を害するだろうか? 反組合的なドバイ・ポートの経営者は、1998年のオーストラリアの港湾労働者の協約をめぐる争議の際にスト破りを育成しているのだから、ILAの港湾労働者に対しては今日、何を仕掛けてくるであろうか? われわれの雇用は外国資本が所有する会社の経営者によって脅かされるであろうか? なぜブッシュ大統領はアメリカの港湾の売却を支持しているのだろうか? 船主の組合破壊の詐欺行為はどのように行われているか第2次世界大戦後、アメリカの船主は、船舶を外国籍に登録し始めた。これらの船舶は、籍をおいた国の港に寄港したことは決してなかった。主に第3世界諸国出身の船員は、登録した国の港から来たわけではないし、アメリカやヨーロッパに居住する金持ちの船主も、登録した国の出身ではなかった。ではなぜ、船主は船を外国籍に登録したのか? もちろん利益のためである! 船尾に「便宜置籍船」の旗である外国の国旗を掲げることによって、これらの船舶はアメリカの法律の適用を逃れた。つまり、課税もされず、非組合を認められ、環境規制からも除外されたのである。共和党政権、民主党政権のいずれにせよ大企業が支配しているアメリカ政府からのゴーサインが出たので、どん欲な船主にとっては順調な船出となった。外洋航海船に乗り組む船員を組織する組合は、船籍いかんにかかわらず船員を組織する有効な組織計画を立てていなかった。資本家たちが同様のことを行った北アメリカでもヨーロッパでも組合は打撃を受けた。資本家たちは、反撃するための組合もなく奴隷的条件で働いていた第3世界の船員達を徹底的に搾取して巨大な利益をあげたのである。 赤狩りが海運労組の首を切る 同時に政府と資本家は反共魔女狩りを行った。それは特に海運労組を対象にしたものであった。AFLとCIOの双方の海運労組を建設する際に活躍した多くの戦闘的な海運労働者がパージされた。全国海運労組の偉大な雄弁家であったフェルディナンド・スミスなどはジャマイカに追放された。船員・コック・客室係の組合の委員長であったヒュー・ブリゾンは、魔女狩りのための議会内委員会であったHUAC(非米活動委員会)に対する偽証罪で投獄された。海上消防士組合のビル・ベイリーと船員組合のシャウン・マロニーはパージされた。政府はILWU委員長のハリー・ブリッジズも4回にわたって追放しようとしたが失敗した。ジム・ハーマンを含む多くの者がILWUに新天地を見いだし、この組合内で指導的役割を果たした。 「便宜置籍船」から「便宜置籍港」へ 海運業の他の側面、つまり陸地業務あるいは船内荷役の面は、コンテナ化の出現によって革命的に変化した。この部門では港湾労組は弱体化されたが、船員労組のように破壊されはしなかった。常により多くの利益を求めていたレーガン−サッチャー時代の資本家の持論は規制緩和と民営化であった。それは容赦のない非組合企業の競争の拡大と資本主義的弱肉強食を認め、鉄道や港湾施設、炭鉱や森林などの公有財産を売り払うことを認めるものであった。鉱山労働者を徹底的にうち砕いた後、イギリスのサッチャー首相は、労働運動の側からの何らかの組織的反対もなしに、1989年に港湾労働者に雇用保証を与えていた全国港湾労働機構を廃止することができた。各地の港湾では、組合に組織された港湾労働者が臨時の労働者に取って代わられるにつれて、次々と組合が解体していった。リバプールの港湾労働者はイギリスの港湾で最後の決定的な闘いにうって出た。彼らは勇敢に闘ったが、裏切った組合指導部によって孤立させられ、ついには敗北した。しかし、彼らが世界中の港湾労働者に与えた教訓は資本主義の下では、労働者にとって雇用の保障などは存在しないということであった。 「良い」雇用者対「悪い」雇用者という神話 今回の事態は、アメリカの政府や市町村、州などが所有している港湾ではない港湾施設の売却の問題だ。外国籍の会社に対する港湾施設の売却はこれまでもずっと行われてきた。西海岸の港湾では、大部分の貨物が外国籍の会社によって操業されている荷揚げ施設で処理されている。マエスク(デンマーク)、コスコ(中国)、APL/NOL(シンガポール)、三井(日本)、ハンジン(韓国)などがそうである。このうちいくつかは、政府が部分的に所有しているものもある。 ハリー・ブリッジズの言葉 「国家の安全保障」とは労働者に対して振り下ろされる棍棒だ、と |