COMMUNE
2005/8/01(No.352 p48)
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8月号 (2005年8月1日発行)No.352号 定価 315円(本体価格300円+税) |
〈特集〉 非正規職法案と激突する民主労総
□社会的交渉路線の執行部独走を現場の力阻む ●翻訳資料1 AFL−CIO既成指導部の分裂 ●国際労働運動 南朝鮮・韓国/凶暴な弾圧と闘う非正規職労−−室田順子 都議選必勝へ 三里塚ドキュメント(5月) 政治・軍事月報(5月) 労働月報(5月) 闘争日誌(4月) | |
靖国思想との激突「つくる会」教科書採択の情勢が緊迫している。「新しい歴史教科書をつくる会」が作成し文部科学省が検定合格させた中学校歴史・公民の教科書は、「万世一系の天皇」中心史観で日本史を描き上げ、日帝の侵略と戦争の歴史を全面的にねじ曲げ、賛美し、再び「お国のために命をささげる」国民をつくろうとし、明治憲法をたたえ、現憲法の改悪を推進する教科書だ。他の7社の教科書の内容と画然と違うものである。こんなものが教室に持ち込まれることは、教室から子どもを戦場に送るものとなる。横山教育長を副知事に起用した石原都政の新執行部は、「つくる会」教科書突破の陣容であり、これをもって杉並を突破口に東京で50%の採択率を狙い、全国を制圧しようとしているのだ。全力で最後まで粉砕の闘いを貫徹しよう。 第2次世界大戦の終結から60周年にあたる今年6・23「慰霊の日」を前に、沖縄戦の歴史を塗り替えようとする動きが表面化してきた。「自由主義史観研究会」代表の藤岡信勝らが、「集団自決せよという軍の命令はなかった」という話をデッチあげようとしているのだ。渡嘉敷島と座間味島において、大量の集団死が発生したが、それが直接軍幹部の命令によるものかどうかという話に沖縄戦全体を切り縮めようとするとんでもないトリックである。「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓や、皇民化教育によって、住民は軍とともに死ぬこと以外の選択肢はないところに追い込まれていた。沖縄全体が集団死を強制されていたのである。沖縄における集団死を「お国に命をささげた愛国美談」にすり替えることは許されない。 小泉は就任以来毎年靖国神社参拝を強行してきている。靖国神社参拝推進派は、今年こそ8月15日に小泉に参拝してほしいと訴えている。この問題は、敗戦60周年の8・15をめぐる解決されざる激突点である。なぜ、小泉は靖国参拝に固執するのか。それは新しい戦死者のためである。戦時に突入した中での靖国参拝だということだ。国に命をささげた「英霊」としてたたえることが不可欠なのだ。この点では、日本のプロレタリアーには、敗戦帝国主義(自国帝国主義)を打倒する戦後革命の敗北以来、未解決のまま残してきた問題が、今再び提起されているのである。靖国神社という帝国主義戦争の総括にかかわる問題で、帝国主義権力の側と、労働者階級と被抑圧民族・被侵略国民族人民との間に和解の余地はないのだ。 都議選後の情勢は、「つくる会」教科書採択阻止闘争の貫徹と、4大産別決戦の一層の強化、そして8・6広島、8・9長崎、8・15終戦の日の闘いが重大化する。靖国神社をめぐる闘いは、アジア人民の怒り、そして日本の労働者階級の戦争への怒りを爆発させ、激突的になっていく。そして、延長国会での郵政民営化法案粉砕の闘いが重大である。公務員身分の剥奪という形で、全逓労働運動にとどめを刺す攻撃を許すかどうかの決戦である。7月日教組、8月自治労大会での対決は、「自衛権を承認」して改憲勢力に転落していこうとしていることをめぐる日教組、自治労の戦闘的労働者と執行部との大決戦である。さらに、JR尼崎事故をめぐって、JR連合、JR総連、さらに国労西日本本部の裏切り的のりきりを粉砕し、動労千葉が展開している安全運転行動を守り、11月国際労働者連帯集会へ前進しよう。 (た) |
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翻訳資料-1 AFL-CIO既成指導部の分裂村上和幸訳 【解説】 先月号に続いて、アメリカのナショナルセンター、AFL−CIOの大流動情勢に関する資料を掲載する。 @AFL−CIOが分裂したらどうなる? 組合間戦争が勃発したら?2005年6月8日、ハリー・ケルバー 労働運動は、危機に直面している。それは、悲劇でもあり喜劇でもある。以下に述べることは、AFL−CIOの中で、いったい何が起こっているのかということである。 AAFL−CIOから脱退するか否か、 組合員が投票権すべきだ2005年6月15日、ハリー・ケルバー サービス従業員国際組合(SEIU)は、アンディー・スターンやSEIU本部執行委員会の67人のメンバーの私有財産ではない。それは、組合員のものだ。組合員が、SEIUを作り上げ、SEIUの組合がある職場で労働し、組合費を払ってSEIUを支え、SEIUの政策決定に最終的な権限を持っているのである。 Bもっと強力な労働運動を建設する05年6月15日発足した「チェインジ・トゥー・ウィン連合」のホームページより 労働者は、この数世代の中で、雇用・賃金・医療保険・退職後の保障について、最悪の攻撃をうけている。
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翻訳資料-2 ● ロサンゼルスのホテル労組が勝利05年6月11日 UNITE HERE本部ホームページ村上和幸訳 【解説】 6月11日、カルフォルニア州ロサンゼルスのホテル労働者の組合が、スト・ロックアウトを含む長期闘争のすえ、勝利した。 ……………………………………… 本日〔11日〕午前5時、ロサンゼルスの選挙されて間もないアントニオ・ビラライゴーサ次期市長は記者会見を開き、UNITE−HEREローカル11(全米縫製・繊維労組/ホテル・レストラン労組第11支部)とロサンゼルス・ホテル雇用者協議会が暫定合意に達したことを発表した。経営側は、ロサンゼルスのもっとも有名な7つのホテルから2500人の労働者をロックアウトするという期限を設けていたが、その期限ぎりぎりになって、この合意に達した。 |