COMMUNE 2005/1/01(No.346 p48)

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1月号 (2005年1月1日発行)No.346号

定価 315円(本体価格300円+税)


〈特集〉 第3次安保・沖縄闘争の新局面

□はじめに
口辺野古攻防に勝ち抜き名護新基地建設阻止を
・普天間と名護めぐる8年間攻防
・5・15と5・16普天間基地包囲
口米軍再編で在日米軍がアジア全域の司会塔に
・米軍のトランスフォーメーション
・米軍再編下の在日米軍の圧倒的強化
・米軍再編と沖縄の軍事戦略的位置
□「復帰」後の労働運動の展開と革命的再生の道
・「復帰」運動の柱は教職員会と全軍労
・「復帰」後の沖縄の労働運動
・沖縄の「日の丸・君が代」闘争
・80年代の沖縄労働運動の総括

●翻訳資料 アメリカのホテル労働者の闘いの記録−丹沢 望

●国際労働運動 南朝鮮・韓国/11・14から11・26ゼネストへ−−室田順子

    11・7 全国労働者総決起集会

三里塚ドキュメント(10月) 政治・軍事月報(9月)10

労働月報(10月)  闘争日誌(9月)

コミューン表紙

   11・7集会の感動

 11・7全国労働者総決起集会は、3労組の主催、日米韓3国連帯の「戦争と民営化に反対する」集会として、歴史的な勝利をかちとった。昨年に続く日米韓3国連帯闘争は一段と強力なものとなった。とりわけ、10月の米MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)への動労千葉代表団の参加、直後の韓国民主労総ゼネストへの連帯行動などを通じて、連帯はより具体的実践的な共同闘争として打ち固められた。アメリカのランク・アンド・ファイル(現場の)労働者が参加したことは、インターナショナルの確かな手ごたえを感じさせる感動的な出会いをもたらした。7日の翌8日に、サンフランシスコのホテル労働者の組合つぶしの張本人である国際興業本社に対して来日した労働者と共同の闘いを行ったことで、その絆は一層固められた。

 この3カ国労働者の連帯は、ブッシュと小泉のイラク侵略戦争に反対する国際連帯行動である。ブッシュは大統領選の勝利が確定すると、直ちにファルージャへの総攻撃に踏み切った。この暴挙は、日帝・小泉の加担に支えられている。小泉は12月派兵延長を決定しようとしている。米英日の枢軸が世界戦争に向かって戦争を激化させているのだ。しかし、イラク人民は占領軍に対して不屈に戦い、各地で蜂起的に決起している。米帝はますます泥沼にはまり込んでいる。戦争当事国である日米韓の国内で、侵略戦争を国内階級戦争に転化することが求められている。11・7はイラク人民と連帯し、日米韓労働者の国際反戦闘争の前進を誓い合う場だった。それは安保粉砕・沖縄基地撤去に向かっての日米韓の連帯闘争の出発点でもある。

 11・7集会に04年春の「君が代」不起立闘争に決起し、処分攻撃と闘う教育労働者が大挙登壇し、集会の成功をともにかちとったことは、きわめて重大な意義がある。05年春の卒入学式闘争、そして教育基本法改悪阻止へ闘う第一歩が踏み出された。この動きに大打撃を受けたファシスト・カクマルが反処分闘争を「告訴・告発」運動にねじ曲げ、権力を呼び込もうとしている。自らは「不起立」の闘いに決起せずむしろ敵対してきたカクマルが、生み出された戦闘的決起をなんとか押しとどめようとしているのだ。だが、板橋高校の退職教員に対する警察の家宅捜索や書類送検を見ても明らかなように、権力は教育労働者の決起を弾圧しようと狙っているのだ。この国家権力を引き入れようとすることは絶対に許せない。

 このカクマルの反労働者的な介入策動は、カクマルの天皇観とも関係している。『解放』11月15日付には、園遊会での天皇と米長邦雄東京都教育委員とのやりとりが漫画入りで論評され、天皇が「強制にならないように」と言ったことが、石原都知事や米長らを「戒め」「批判」するものだと描き出している。「日の丸・君が代」攻撃の元凶である天皇にすがって石原との闘いをやるなどということはあり得るだろうか、絶対にあり得ない。また、デンマーク女王主催の夕食会に日本共産党の不破議長夫妻が喜々として参列し、日本側主賓の天皇夫妻と同席したことも重大事態だ。イラク侵略戦争に深々と参戦している中で、一見戦争と関係ない装いのもとに翼賛体制が強められている。日本共産党もカクマルも、自ら戦時下の翼賛体制の構成団体に成り下がっている。それは階級的・原則的に闘うことと対極的な裏切りである。(た)

 

 

翻訳資料

 翻訳資料

 アメリカのホテル労働者の闘いの記録

 丹沢 望 訳 

 【解説】

 サンフランシスコを始めとして、ワシントン、ロサンゼルスなどのホテル労働者は、ホテル経営者の激しい資本攻勢と全面的に対決する歴史的闘争に決起している。今回の翻訳資料は、サンフランシスコでのホテル労働者の闘いに焦点をあてて紹介する。
 全米縫製・繊維労組=ホテル・レストラン従業員組合(UNITE HERE 組合員約44万人、退職組合員40万人)は、ホテル側の健康保険剥奪攻撃に抗して、9月30日から2週間にわたって、サンフランシスコの4大ホテルでストライキを貫徹した。
 これに対してホテル側は、全米から2600人のスト破りを動員するとともに、全面的ロックアウト攻撃を仕掛けてきた。ストに突入した4つのホテル労働者のみでなく、それ以外の10の主要ホテルの労働者を職場からシャットアウトしたのである。
 これによってUNITE HEREのサンフランシスコ支部であるローカル2の組合員4300人が11月中旬時点で未だに職場復帰できない事態が生じている。
 だが労働者側はこの前代未聞の攻撃に屈せず、ホテルの外でのピケットライン闘争や集会・デモなどで激しく闘っている。
 さらに全国のホテル労働者の労働協約を同一時期に統一し、国際規模の大ホテル資本と対等に闘えるようにするために、2年の協約期限をあくまで要求し続ける闘いを展開している。他の地域のホテル労働者の協約が2年後に切れるのにあわせてサンフランシスコなどの労働協約の期限がくるようにし、ホテル労働者の協約交渉を全国レベルで展開するためである。
 ホテル側の最大の目的は、ホテル資本と全国的規模で対抗しようとする労働者の闘いを粉砕し、同時に健康保険の剥奪や労働条件の悪化を実現することだ。
 とりわけ健康保険に関しては、ホテル側は現在月額10jの健康保険負担を5年後に273・42jまでひきあげようとしている。サンフランシスコのホテル労働者の平均月収は2166・67jであり、ここから273・42jも引かれたら生活することはできない。生活を維持するために労働者は健康保険の支払いをすることができなくなることは自明だ。そうなれば、ホテル労働者は健康保険を剥奪されるのである。 
 これに加えホテル側は、被保険者の範囲を縮小し、現行の月40時間以上勤務の労働者を対象とするものから、週80時間以上勤務の労働者を対象とするものに切り替え、組合員1100人を健康保険の対象から外そうとしている。
 サンフランシスコのホテル労働者を組織しているUNITE HEREローカル2の組合員の3分の2はラテン系とアジア系の労働者であり、残り3分の1も大部分が移民で低賃金労働者であり、この攻撃はこうした労働者の生活を全面的に破壊する。
 そしてこの闘いを同じサンフランシスコに拠点をもつILWU(国際港湾倉庫労働組合)のローカル10が全面的に支援している。10月17日の百万人労働者行進に参加した動労千葉などの労働者が、10月14日にローカル10の労働者とともに支援行動に決起したのもこのサンフランシスコのホテル労働者のピケット闘争である。ILWUローカル10は11月8日にも、動労千葉などの労働者とともに、このホテル労働者の闘いを破壊するために、傘下のプラザホテルにハワイからスト破りを送った国際興業に対する弾劾行動を行った。
 国際連帯のさらなる発展のためにアメリカのホテル労働者との連帯に闘いをILWUとともにさらに発展させていこう。

 ホテル労働者のサンフランシスコでの闘い

▼8月13日 2400人以上のホテル労働者と支援がサンフランシスコの市内をデモ
▼8月20日 50人の夜勤ポーターが交渉に参加、彼らを雇用している下請け企業の権利侵害的行為について冷静な証言のなかで訴えた
▼8月31日 600人以上が代表団となり、数千人の労働者が署名した支持の訴えを総支配人に提示
▼9月6日 135人の労働者と支援が、ユニオン広場でのレーバー・デーの集会の際に非暴力的な不服従行動を行って逮捕された
▼9月7日 連邦政府の仲介者が初めて交渉に参加
▼9月14日 サンフランシスコのホテル労働者がストライキを承認(USAトゥデイ紙)
 サンフランシスコの14のホテルの組合労働者は、労働協約交渉が決裂した場合、指導部がストを呼びかけることを承認した、と組合のスポークスマンが声明。
 スト承認は9月14日に、ホテル・レストラン従業員組合のローカル2の組合員によって97・3%の投票率で可決された。4000人の投票権を持つ組合員のうち、約77%が賛成した。
 サンフランシスコはストを承認したロサンゼルスとワシントンDCの支部に合流した。労働協約交渉はそれぞれの都市において継続中であるにもかかわらず、組合役員はストライキは近いうちに行われると語った。
 労働者は雇用主が提示した以上の賃上げと年金増大、医療保障増大を望んでいる。しかし、全交渉のなかで最大の懸案事項は、北米の他の主要なホテル労働協約と同様に2006年に期限が切れる2年間労働協約への組合側の執着である。
 組合はホテルチェーンと全国的規模で交渉するために、2006年に全国的な統一交渉を望んでいる。
▼9月16日 ホテル側が協約期間の短縮を拒否(サンフランシスコ・クロニクル紙)
 サンフランシスコ市内の14のホテル経営者と4000人の労働者を代表する組合との間の交渉は、ホテル側が労働協約の期間を2年に短縮するという組合の要求を拒否したため、15日、暗礁に乗り上げた。
 交渉は、組合員が圧倒的多数でストを承認した翌日に再開された。労働者側は、他の6つの都市とハワイのホテル・レストラン労働者の労働協約の期限切れ日にあわせた期限をもつ協約にするために、5年間協約ではなく、2年間協約を要求している。
 しかし、14のホテルを代表する交渉団長のマーク・ハントリーは、15日に予め準備された声明で「組合が協約期間について交渉を望んでいる限り、サンフランシスコのホテル経営者団(MEG)は健康・福祉手当や賃金の領域に関する改善や報償を提示する立場にない」と述べている。
▼9月17日 ホテル従業員がカリフォルニアの諸都市でストを承認(ワシントンポスト)
 新労働協約の交渉が決裂した16日には、西海岸の大ホテルの6000人の清掃係、ウエイターなどの労働者のストライキの見通しが更に大きくなった。
 サンフランシスコとロサンゼルスのホテル労働組合の諸支部の組合員は、16日にいくつかの有名なホテルを含む諸ホテルでのストライキを圧倒的多数で承認した。
 ストの期日はまだ設定されていない。ストライキは2001年9月11日のテロリストの攻撃以後、多くのアメリカ人が旅行を恐れている状況から、ようやく最近立ち直ってきたこの地域の観光産業に大きな打撃を与えるであろう。
 サンフランシスコでは、経営側と組合はこの2ヶ月間は、賃上げや医療保障手当てや年金問題について争ってきたが、今週初めになって初めて労働協約の期限が討論されるようになり、その結果交渉は決裂した。
 サンフランシスコにおけるもう一つの難問は、移民の権利と下請け企業の従業員と社員の取り扱いの問題である。チップをもらえない従業員の平均賃金は、時給で15・79jであり、チップをもらえる従業員の場合は時給で11・65jである。ホテル会社は、協約期間中は、チップをもらえる従業員には時給を年間5k上げ、チップをもらえない従業員の場合には、20kあげることを提示している。この額については、UNITE HEREローカル2の委員長のマイク・ケーシーは「侮辱」だと非難している。彼はこれまでは35〜75kが毎年賃上げされたと述べている。
 UNITE HEREのローカル11がスターウッドホテル・アンド・リゾート・ワールドワイドに対して、労働者が休憩を取ることを許されていないとして訴訟を起こしたロサンゼルスでは交渉の進展がほとんどない。他方、ウイルシャー・グランドホテルは、別の労働争議で洗濯労働者が仕事にくるのを阻止している。
 洗濯労働者は、ストライキを行うとしている組合の成員ではないが、経営者側は彼らを標的にして脅していると組合側は主張している。ロサンゼルスのホテルは、組合が一つのホテルでもストを行えば、相互に連携して「攻勢的ロックアウト」(労働者が仕事をするのを阻止し、賃金を支払わない)を行うとしている。
▼9月18日 ホテルのストライキ回避の楽観的展望はない(ワシントンポスト)
 ホテル側は、全国労働関係局に対し、ローカル25が意味のある交渉に参加するのを拒否することによって、誠実に交渉を行っていないとして提訴した。
 これに対し、ローカル25の事務局長のジョン・A・ボードマンはこの非難は事実無根のものだと述べている。「彼らが交渉をやめて出ていったのだ。交渉予定をキャンセルしたのも彼らだ。われわれが交渉をしようとしていないなどと彼らがいうなんて驚いたものだ」と言っている。
▼9月20日 労働不安強まる 労働協約期限切れに伴い、3大都市のホテル従業員の間に緊張が燃え広がる(ミーティング・ニュース)
 UNITE HEREの組合員は、ロサンゼルスのホテルでは6月1日以降、9つのホテルで、サンフランシスコでは市内の14の主要なホテルで8月14日以降、協約切れのまま働いている。
 今月は、130人のホテル労働者とUNITE HEREローカル2の支援者が、サンフランシスコのユニオン・スクエアでのレーバー・デイ(9月6日)の大デモの際に逮捕されている。翌日には組合は、9月14日にストライキ承認投票を行う予定を決めた。ワシントンでは9月2日に、同じく大集会が行われた。
 スト承認投票が9月13日の記者会見前に設定されたロサンゼルスでは、8月12日に同様の抗議行動が行われ、45人のローカル11の労働者が逮捕された。
 ホテル側は、8月12日に翌日の朝6時から組合員をロックアウトする予定だとする声明を出した。UNITE HEREの接待業部門の委員長であるジョン・ウイリアムによれば、この声明は、ストライキの呼びかけがなされていない時に出されたものとしては前代未聞である。それに、ホテルの顧客や企業グループに対しても事前に何の知らせもされていないのである。
 だが、ホテル協議会のスポークスマンのフレッド・ミュイールは、組合側の示威行為を山猫ストと特徴づけた。
 彼は、労働者たちはホテルの交渉代表との医療保障の変更に関する交渉の会合から出ていったと述べている。「彼らはセンチュリー・プラザホテルに行った。それから横断幕と拡声器をつけたトラックがやってきて、その後、労働者たちはデモ行進を始めた。ローカル11の指導者が現れ、労働者に職場放棄するように促した。これは非公認のストライキだ。ホテルの側から見れば、次の交替労働者が来るかどうか、この労働者たちが明日職場に戻るかどうかもわからないし、他のホテルで同じことをするかもしれない。こうした観点から、ホテル側は相互援助の協定を結び、一つのホテルでストが行われれば、他の諸ホテルは防衛的ロックアウトをすると決めた」とミュイールは語った。
▼9月28日 ホテルと労働者の交渉決裂(ザ・イグザミナー)
 シティホテルのオーナーと組合指導部との間の交渉は、オーナー側がUNITE HEREのローカル2は「不誠実な交渉を行っている」として、不当労働行為で組合を提訴して以降、27日に再び決裂した。
 26日には、経営側は、ストライキが起きた際には投入できるように、代替労働者と200人以上の支配人を全国から、サンフランシスコに飛行機で来させたという広告を出した。1980年の前回のストライキの際には、フェアモントとマーク・ホプキンスの両ホテルを始めとするいくつかのホテルでは、支配人たちにストに備えて窓を釘付けにさせるために、自分のホテルの窓を割らせた。
 「もし彼らが、弁護士たちやプラスチック板やベニヤ板にもうちょっと少なく金を出し、労働者の要求に応えるために時間と注意と金をもう少しだけ使っていれば、もっと早く交渉が成立したのに」とローカル2の委員長のマイク・ケーシーは語っている。
▼9月29日 サンフランシスコのホテル労働者がスト突入(アソシエイテッド・プレス)
 サンフランシスコの組合に組織されたホテル労働者は、ホテル側の交渉団体であるサンフランシスコ経営者団体との15回の交渉で協約が締結できなかった今日の朝、アージェントホテル、ヒルトン・サンフランシスコ、クロウネ・プラザ・ユニオンスクエア、マーク・ホプキンスに対するストライキに突入した、と組合が発表した。
 組合側は、交渉では医療保障、年金、賃金、下請け問題、労働時間、協約期間、組合を結成する権利などでほとんど進展がなかったと報じている。
 組合によれば、ホテル労働者は10月13日には職場に復帰する予定である。
▼9月29日 NAACPの黒人ホテル労働者は闘う 組合はアフリカン・アメリカンとの新たな同盟を築くことを望んでいる(ミネソタ・スポークスマン・レコーダー)
 「NAACP(全国非白人振興協会)は、われわれのパートナーであるUNITE HEREと堂々と連帯する。われわれはあなたたちを敗北させないであろう。われわれはあなたたちとともに立ち上がり、勝利するであろう」と、NAACPの議長であるクウエシ・ムフュームは9月15日、ワシントンでの記者会見で語った。
 記者会見では、アメリカ合州国の2大公民権運動組織であるNAACPとLa Raza全国協議会(NCLR ヒスパニック・アメリカンのために貧困と差別をなくし、人生のチャンスを増やすために設立された組織)の支援を際だたせる機会ともなった。  
 「われわれが毎日公民権獲得のためにコミュニティーで闘っている平等のための闘いと、これらのホテル労働者の努力には大きな関係がある」と、NCLAの議長であるラウル・イザギーレは組合が出した声明で述べている。
 この記者会見で示された団結は、国際組合や全国のその支部の側から、非白人のコミュニティーとの連帯を勝ち取ろうとする真剣な努力の結果として実現した。
 ロサンゼルスでは、ローカル11の組合員は、どのコミュニティーにも接近しようとする重要なステップを踏み出している。こうした観点から、彼らは黒人コミュニティーの要求と関心事にこたえようとする特別の努力を行ってきた。この点に関して組合支部のもっとも重要な活動は、アファーマティブ・アクション(差別されてきた少数民族や女性の雇用・高等教育などを積極的に推進する)計画を、この地域のホテル会社に実施するように要求してきたことだ。
 「この要求は、穏やかな言い方をすれば、伝統的にアフリカン・アメリカンを雇いたがらないホテルを対象としたものだ」と、ローカル11の組合職員であるデービッド・コフは語っている。ドナルド・ウイルソンによれば、この地域の4000人のホテル労働者のうち、200人足らずが黒人だ。
 アファーマティブ・アクションの要求は、労働者の権利を防衛するためのより効果的な組織を建設するのに必要な団結をいかにして打ち鍛えるかという点についての組合員の側での討論から生まれてきたものである。
 多くの黒人やラティーノや移民たちが労働運動に引き寄せられていくにつれて、対決を強いられている特別な諸問題は、労働者の利益を守るためにより効果的に闘うのに必要とされる団結をつくりだすに当たって労働組合が対決しなければならない問題ともなっている。組合員の多数が移民で構成されていることも、この政策をさらに重要なものにしている。
 ランク・アンド・ファイルの間には、彼らの未来が未組織の労働者を組織し、労働許可証をもたない労働者を合法化し、職場で直面するあらゆる種類の人種主義と闘うことのなかにあることについて非常にしっかりした理解がある。
▼9月29日 サンフランシスコの4ホテルで労働者がストライキ(ミィーティング・ニュース)
 サンフランシスコでは、協約交渉が、ホテルのオーナーたちによって組合が不当労働行為で提訴された後に決裂し、4つのホテルの1200人近くの労働者が今日ストライキに突入した。
▼10月1日 サンフランシスコの10のホテルが労働者をロックアウト(KTVU)
 ロックアウトは午前5時から開始された。
 サンフランシスコのホテル経営者団体は、ホテルでのサービスはストライキによっては阻害されていないとしている。すべてのホテルで室内清掃とルームサービスをやめざるをえなくなっているが、こうした空隙も州外のホテルからの従業員によって埋められるだろうと期待している。また非組合員の臨時労働者も導入されている。
 ロックアウトは組合代表からの厳しい反応を引き起こしている。「これは経営者側としては賢くない動きだと考える。これは一種のエスカレーションだ」とUNITE HEREローカル2のスポークスマンのマイク・ケーシーは述べている。
▼10月2日 サンフランシスコの10のホテルで労働者をロックアウト 組合のピケットラインが直ちに引かれた(サンフランシスコ・ゲート)
 ロックアウトが宣言された午前5時、10のホテルでは、9月29日の4つのホテルストライキの際に引かれたピケットライン同様に、にぎやかなピケットラインが直ちに引かれた。
▼10月6日 ホテル経営陣がロックアウト拡大に合意(USAトゥデイ)
 厳しいストライキに直面している14の市内のホテルの経営者は10月5日、2週間のストライキが終わったにもかかわらず、4つのホテルで従業員をロックアウトする決定を行った。ホテル側は、代替労働者を雇い、ストライキ期間中も営業を続けた。
 サンフランシスコ・ホテル経営者団体のスポークスウーマンのバーバラ・フレンチは、組合委員長のマイク・ケーシーがホテルの経営者に対し、5日、交渉のテーブルに戻り、2週間のストライキを終えるという手紙を送ってきたことを明らかにした。しかし、ホテル側は直ちに交渉のテーブルに戻ることを拒否することで答えた。
 他方、警察はロサンゼルス市内での抗議行動の際に、解散命令に従わなかった疑いで44人のデモ隊を逮捕した。1000人以上の掃除係、バーテンダー、給仕係や支援がハイアット・リージェンシー前の抗議行動に参加したと警察のジェイソン・リーは述べている。
▼10月8日 ホテル問題での交渉が今日再開 組合とオーナーが主要な事項の交渉にあたって、連邦政府の仲介者が支援(サンフランシスコ・クロニクル)
 サンフランシスコのホテル争議における協約交渉が再開した今朝、年金、賃金、医療保障などの通常議題が論議される予定だ。協約期間の長さがクリアすべき一番高いハードルになる。
 組合側は、協約期間の一元化はグローバリゼーションに対処する闘いの一環だと主張している。
▼10月8日 スト労働者がモントレイで抗議 サンフランシスコのホテル労働者が医療保障を継続させるためにスト続行(モントレイ・ヘラルド)
 7日朝、労働者をロックアウトした20以上のホテルの従業員たちは、サンフランシスコの数千人の労働者のロックアウトに注意を引きつけるために、モントレイのハイアット・リージェンシーの前でピケットを張った。
 ホテルでのサービス提供は中断されなかったが、サンフランシスコの労働者支援の姿勢を示すために、出勤してこなかった従業員の代替要員として7日には支配人たちが仕事に動員された。
 「われわれは経営者にこの問題はサンフランシスコだけの問題ではなく、全国的な問題だということを明らかにしたいのだ」と、サンフランシスコのハイアット・リージェンシーの従業員でUNITE HEREの組合員であるラファエル・ラバは語った。
 7日には、モントレイのハイアット・リージェンシーは、非組合員の労働者と支配人たちをサンフランシスコのホテルで働かせるために送り込んだとしてサンフランシスコの26のホテルの労働者の攻撃対象とされた、と組合役員は語った。
▼10月14日 動労千葉などのMWM派遣団がサンフランシスコのホテル労働者のピケットに参加して連帯行動を行う
▼10月21日 連帯の座り込み
ロックアウトされたサンフランシスコのホテル労働者を支援する抗議闘争で6人逮捕(ザ・ボストン・グローブ)
 サンフランシスコの14のホテルの職場から4000人のホテル労働者がロックアウトされたことを知ったボストン市の約85人のホテルの見えない場所で働く労働者たちは、ダウンタウン・クロッシングのハイアット・リージェンシーホテルの静かなロビーに踏み込み、床に座り込んだ。彼らは警察官がやってきて、侵入罪で6人を逮捕するまで抗議行動を行った。
 ホテルの外では、「サンフランシスコには正義は存在しない、ボストンには平和がない」と叫びながらエレベーターからでてきたデモ隊が示威行動を続けた。
▼10月21日 組合がロサンゼルスのホテルのボイコットを開始
(ロサンゼルスタイムス)
 6カ月間の交渉が主要な問題である労働協約問題で労資双方が相手を譲歩させることができなかったため、ホテル労働者を代表する組合は、ロサンゼルス地域の9つの高級ホテルの公式のボイコット闘争を開始した。 
▼10月29日 ホテル争議長引く
ロックアウトされた労働者は失業手当て給付を通知される(サンフランシスコ・クロニクル
 サンフランシスコでロックアウトされた4000人以上の組合員のホテル労働者は、州がこの労働者たちが失業手当を受け取る資格があると決定したことによって、大きな精神的・財政的支援を得た。ロックアウトされた労働者の失業手当は、週250jから400jになりそうだ。
▼11月10日 国民がサンフランシスコの争議に注目(ジ・イグザミナー)
 20人以上のデモ隊が、9日、サンフランシスコ市で現在おこなわれているホテルのロックアウトに注意を引こうとして交通を妨害したという理由で逮捕された。
▼11月12日 組合の労働者は12月1日に期限が切れる医療保障の喪失問題に直面(サンフランシスコ・クロニクル)
 サンフランシスコでロックアウトされている4000人のホテル労働者の医療保障が12月1日に期限が切れ、それを2ヶ月間延長する問題をめぐる経営者と従業員の間の争いが、この厳しい労働争議をさらに複雑にしている。
 12日の記者会見で、組合代表は今週初めにホテル側がロックアウトされた労働者の医療保障延長を拒否しようとする動きしていることを非難した。

 NAACPの公民権運動議長とLa Raza全国評議会が支持を約束

(UNITE HEREの9月15日の声明)

(ワシントンDC) アメリカの3大都市のホテルとレストランの数千人の労働者は圧倒的な票差でストを承認した。サンフランシスコ、ロサンゼルスの労働協約はそれぞれ4月と9月に期限が切れ、ワシントンDCの労働協約は今日期限が切れた。集中的な交渉にもかかわらず、ホテル側の代表は、健康手当てと年金の削減と労働時間延長を労働者側が受け入れろという要求を取り下げることを拒否した。
UNITE HEREの接客業部門の委員長であるジョン・ウイルヘルムは「さまざまな職種と出身民族のホテル労働者は同じ夢を持っている。すなわち、勤勉と正当な賃金を得ることによって中産階級になることである」と述べている。彼は「わが国の歴史においては、移民や女性、非白人たちは、一貫して正当な処遇を求めて闘ってこなければならなかった。今日、わが組合員たちは彼らを雇用している大企業が彼らの権利を尊重するように要求することによって、平等を求める長い道のりで次の段階に進もうとしている。」とも述べている。
 ホテル労働者は、ホテルチェーンと交渉する際により対等な立場に立てるように、2006年に終結する2年間の労働協約を求めている。多くの他の大シティ・ホテルの労働協約は、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、トロントなどで2006年に期限が切れる。会社側はこの要求にこたえることを拒否している。
 「われわれの大部分が非白人で移民である。われわれはホテルの裏方で働いているかもしれないが、尊重されるに値する存在である。それを勝ち取るためには、われわれは交渉のテーブルではホテル会社と対等でなければならない。さもないと彼らはわれわれを都市ごとに分断するであろう」と、ロサンゼルスのセンチュリー・プラザホテルのコックで、
 UNITE HEREローカル11の組合員であるドナルド・ウイルソンは語っている。
 ホテル会社側は、統合によって巨大なバーゲニング・パワーを獲得している。実際、4つの大ホテル会社(マリオット、ヒルトン、スターウッド、ハイヤット)は、この産業の全売り上げの22%を得ている。上から15位までのホテル会社のうち、75%の客室が全国的、世界的に展開しているホテル会社に属している。
 ホテル会社は、「従業員は事実上、相互に分離・分割されるかもしれないが、平等である」と言っていると、NAACPの議長でCEOであるクウエイシ・ムフュームは述べている。彼は「われわれは分離・分割と平等は決してイコールではありえないということを歴史に照らして知っている。NAACPのメンバーは、この重要な平等のための闘いにおいて、ホテル労働者とともに立ち上がるであろう」と述べている。
 「アメリカ人は、全国のホテルで誰が一番良く働いているかを完全にわかっている。公民権運動においてわれわれが闘っている平等のための日々の闘いと、交渉のテーブルで対等な立場を獲得しようとするホテル労働者の努力とは相互に関連がある」と、アメリカ最大のラテン系アメリカ人のための公民権運動組織のLa Razaの全国評議会議長であるラウル・イザギーレは説明している。
 UNITE HEREは、接客業、ゲーム業、衣料、繊維、洗濯業労働者の統合された組合である。新たに統合されたこの組合は、アメリカ合州国、カナダ、プエルトリコの約50万人の労働者を代表する。

 MWM(百万人労働者行進)組織委員会のアピール

いまやホテル労働者の医療保障、適正な年金・賃金を得る権利を守る防衛線を引くべき時だ

 サンフランシスコの数千人のホテル労働者が、仕事をやめるか、ストライキに入るか、ロックアウトされるかしている。ロサンゼルスとワシントンDCのホテル労働者も敢然とストライキ行動を行っている。これらのホテル労働者は部屋の掃除人から、コック、フロント・スタッフなどにいたるまで、もっとも大変な仕事を担っている。彼らは医療保障や年金、賃金を守り、全国のホテルの労働協約が期限切れの時に自分たちのホテルの労働協約の期限が切れるようにする権利を守るために闘っている。
 彼らの多くは、ラティーノやアジア系や黒人である。彼らはやっとの思いで家計の帳尻を合わせて暮らしている。彼らはアメリカのすべての労働者階級の支援を必要としている。ホテル労働者が敗北すれば、労働組合に入っているいないにかかわらず、すべての労働者への医療費給付が脅かされることになる。
 ヒルトンやハイアット、ホリデイイン、シェラトン、その他のホテル・チェーンを代表するホテルの経営者たちは、サンフランシスコのストライキを破壊するために、数百人のスト破りを全国から飛行機で送り込んでいる。数10億jの利益を上げている全地球的規模の多国籍企業は、医療保障の危機のつけをホテル労働者に支払わせようとしている。そのうえ、一致団結してストライキが出来るように、ホテル労働者が労働協約の期限切れ日の統一をかちとることを阻止しようとしている。
 労働者が労働協約の期限がいつ切れるかを決定する権利への攻撃は、これらのホテル業界を所有し、牛耳っている億万長者どもの傲慢さのあらわれである。
 MWM(百万人労働者行進)組織委員会(www.millionworkermarch.org)は、この全国的な露骨な労働組合つぶしと、医療保障、賃金、年金への攻撃を阻止するための運動を組織してきた。われわれは、ピケを張っているロックアウトされた労働者を支援することをすべての労働者に訴える。あなた方の組合集会にストライキに入ったホテル労働者を呼ぼう。
 われわれはまた、これらの組合破壊者を閉め出すために、大ピケットを組織する必要がある。もしあなたが、ワシントンDCに行けないならば、あなたはこれらの組合破壊者を呼びつけ、彼らの手口についてあなたがどう思っているかを知らせてやることもできる。彼らには、ホテル労働者が医療保障、一定水準の賃金と諸手当てに関する権利があることを思いしらせよう。

 MWM委員会が米ホテル労働者を支援するデモを東京で呼びかけ

 日本の労働者4000人が連帯のデモ(米・『レーバー・ネット』)

 11月7日、日本の東京で国際的な労働者連帯集会に参加した4000人の労働組合員が日比谷からデモを行った。このデモは、戦闘的な日本の鉄道労働者の組合である動労千葉によって主催され、全国からの労働者と、韓国民主労総とアメリカ西海岸の国際港湾倉庫労働組合の組合員が参加した。
 集会は、イラクでの戦争と、日本の再軍備、失業を増大させる政府のWTO型の民営化政策、労働者の権利や雇用や組合を守る闘いを弾圧する政府の抑圧的な法制に抗議するために呼びかけられたものであった。
 東京駅への途中で、労働者たちは、労働協約をめぐる激しい争議中にロックアウトされたサンフランシスコのホテル労働者に対し、ハワイのホテル労働者をスト破りのために使った国際的なホテル所有者である「京や」の本部の前を通った。
 デモ隊が、「京や」の前で止まった時に、ILWUローカル10が主導する百万人労働者行進委員会のメンバーが次のようなシュプレヒコールをリードした。「京やはアメリカのホテル労働者のロックアウトをやめろ!」「組合破壊をやめろ!」「健康保険はすべての人の権利だ!ホテル労働者の組合の労働協約を支援しよう!」「サンフランシスコ、ロサンゼルス、ワシントン、ハワイのホテル労働者の勝利を!」
 翌日の11月8日、月曜日、MWMは京や本部とその所有するホテルの前で約50人の労組員のピケットを組織し、「チェック・アウトせよ!」と声をあげた。
 動労千葉の田中委員長は、びくびくしていた経営者たちに、ホテルオーナーが組合破壊的なスト破りの動員とロックアウトをやめ、ホテル労働者のために適正な協約交渉を行うか、それともさらなる連帯行動を受ける目にあうかどちかを選ぶことを要求する文書を手渡した。ジャック・ヘイマン
 ILWUローカル10代表

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 UNITE HEREとは

 UNITE(縫製・繊維労働組合)とHERE(ホテル・レストラン従業員国際組合)が、2004年7月8日に統合されて、UNITE HEREが結成された。組合は北米全体で44万人以上の現役労働者と40万人以上の退職労働者を代表している。
 構成員は、客室係、コック、ウエイター、バーテンダー、事務員など。組合員は、アメリカ合州国とカナダのホテル、モーテル、レストラン、カフェテリア、クラブ、病院、学校、鉄道の食堂車、バー、空港、バスターミナル、航空機内のキッチン、スタジアムの場内売り場、その他の接客業、食品産業、旅行業、観光施設、衣料、繊維、クリーニング業などの繊維関連産業、流通・小売り産業、自動車パーツや自動車サプライ用品業、ゼロックスや多くの産業で働いている。組合はまた、事務職、技術職、管理職労働者の一部を代表している。組合員は人種的に多様であるが、多くの都市で、アフリカン・アメリカ人とラテン系とアジア系移民労働者が高いパーセンテージを占める。
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