COMMUNE 2002/8/01(No319 p48)

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8月号 (2002年8月1日発行)No319号

定価 315円(本体価格300円)


〈特集〉 3与党声明粉砕・国鉄決戦へ

□国労解散狙う与党声明阻んだ5・27国労臨大
□4党合意めぐり国労を二分した死活的攻防戦
□国鉄決戦の爆発で危機深め分裂したカクマル
□分割・民営化攻撃を跳ね返してきた国鉄闘争

●資料/3与党声明/5・27臨大高嶋委員長挨拶/鉄建公団訴訟声明/4党合意/00年12・9松崎講演/第4次労使共同宣言/国鉄闘争・年表

●翻訳資料/ 休載

● ニューズ&レビュー/ 南朝鮮・韓国/ワールドカップ中、長期スト続く 室田順子 

     5・26全国総決起闘争

三里塚ドキュメント(5月) 内外情勢(5月) 日誌(4月)

コミューン表紙

 有事立法を廃案へ

 福田官房長官の非核3原則見直し=核武装発言は、有事立法の結果もたらされる侵略戦争が核戦争に行き着くものであることを日帝支配階級が明白に意識していることを示した。もともとこれは安倍晋三官房副長官の「大陸間弾道弾を持つのは憲法上、問題ではない」とか「核兵器使用も違憲ではない」という超反動発言を受けた発言であり、首相官邸が一致して「非核3原則」の撤廃=核武装をめざしていることを自己暴露したものだ。「核武装も使用も違憲ではない」というのは究極の憲法じゅうりんだ。広島・長崎の被爆の意味を無にするものだ。また、朝鮮・中国人民に対するこれ以上の脅迫と敵対はない。衆院憲法調査会での自民党・石破茂議員の「徴兵制は憲法違反ではない」という発言とともに徹底弾劾しなければならない。

 また、防衛庁の情報公開請求者リスト作成と庁内でのその回覧は、やはり有事立法がもたらす軍隊と人民の関係を先取りする事件である。軍隊が人民の思想信条を調査し、動向を監視する、それが戦争国家である。憲兵が銃剣を持って人民を支配することに通じるものだ。しかも、日帝・防衛庁は、組織的に行われていたこの事件を覆い隠し、責任回避に終始した。山崎拓自民党幹事長が、「自衛隊が情報を集めるのは当然」と擁護したばかりか、調査報告を偽造させたのは、その底に゛軍隊が情報公開などする必要はない″、゛情報を知りたがる人間は危険分子だ″という考えがあるからだ。有事立法をつくるということは、こうした攻撃が一層強まるということである。これに対する怒りを有事立法粉砕の力に転化しなければならない。

 日帝のあらゆる攻撃が有事立法と一体のものとして一斉に襲いかかってきている。個人情報保護法案と人権擁護法案のいわゆるメディア規制法案は、戦争に向かっての言論弾圧法案だ。「精神病者」に対する予防拘禁と抹殺を狙う保安処分新設=医療観察法案の成立がもくろまれている。テロ資金禁止法=カンパ禁止法が日共も含む賛成多数で成立した。医療改悪法案も戦争国家の医療制度に変えようとするものだ。司法改革、そして教育基本法改悪の動きも同断である。都議会の迷惑防止条例改悪案は労働運動、学生運動などを弾圧する攻撃だ。また、国労つぶしの与党3党声明も有事立法攻撃である。すべてを有事立法と結びつけ、その一環として位置づけ、粉砕しよう。有事立法の強行採決も継続審議も許さず、廃案を絶対かちとろう。

 有事立法攻撃は、根本的には帝国主義の危機に突き動かされて出てきたものである。9・11反米ゲリラ戦を契機として始まった米帝の世界戦争計画の実行、これによって激しい争闘戦的現実に突き落とされた日帝の帝国主義的あがきとして、有事立法が今すぐに必要なものとして日帝の必須不可欠のテーマになったということである。米帝は、アフガニスタン侵略戦争を続行し、パレスチナ民族抹殺攻撃を推進し、次はイラク侵略戦争だと公然と宣言し、「核先制使用」さえ公言してはばからない。そしてイラクの次は北朝鮮を、さらには中国の体制転覆を狙う侵略戦争に踏み切ろうとしている。こうした米帝の戦争路線に、日帝は必死に対応し、積極的に共同的=競合的に北朝鮮・中国侵略戦争に参戦しようとしているのである。そうした切迫した攻撃に対する闘いであることを強烈に位置づけて闘うことが肝要である。(た)