COMMUNE 2001/11/01(No311 p48)

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No311号 2001年11月号 (2001年11月1日発行)

定価 315円(本体価格300円+税)


9・1防災訓練阻止闘争(9月1日 東京)

〈特集〉 有事立法・改憲攻撃の切迫

1 非常事態法を核心とし国家総動員態勢を狙う
  ・9・11で日帝の有事立法攻撃激化
  ・平和・安保研の「国民非常事態法」
  ・米軍占領下で遂行された朝鮮戦争
  ・朝鮮侵略戦争計画=三矢研究
  ・94年朝鮮危機における有事立法
2 海外派兵態勢確立を目指す東ティモール派兵
  ・自衛隊侵略派兵に突進する日帝
  ・東ティモール情勢と独立運動


 

●討議資料/  弾道ミサイル防衛とは何か

 ニューズ&レビュー 南朝鮮・韓国/労働運動圧殺を狙う金大中政権 室田順子

     9・1防災訓練弾劾

三里塚ドキュメント(8月) 内外情勢(8月) 日誌(7月)

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羅針盤 米帝は戦争の元凶

 米帝は戦争の元凶 9月11日に起こった反米ゲリラ戦争は、米帝の被抑圧民族に対する侵略戦争と抑圧と収奪に対する被抑圧民族の怒りの爆発だ。事態の一切の責任は、アメリカ帝国主義にある。このゲリラは、アメリカを始めとする帝国主義の世界支配に対する徹底的な拒否の表現である。同時に、すべての帝国主義国の労働者階級人民に対して、帝国主義の支配に加担するのかという問いを投げ掛けるものだ。米帝が戦後50数年、いや1990年代以来の10年間をとっても、湾岸戦争、ユーゴスラビア侵略戦争を始め、どれほど多くの被抑圧民族人民を侵略戦争によって殺してきたか。中東、アジア、中南米で米帝が繰り返してきた悪行こそが、今回の事態をもたらした。9・11を非難する者は、民族抑圧と戦争の元凶である米帝を擁護するものである。

米帝ブッシュは、「テロに屈しない」と叫び、アフガニスタン、アラブ人民に対する軍事報復に突入しようとしている。NATOも条約第5条に基づいて集団的自衛権を発動するとしている。報復を口実にして、米帝は中東・アフガニスタン、アラブに対する新たな侵略戦争に突入しようとしているのだ。アメリカ国家を挙げての長期の侵略戦争を想定しているが、それはアラブ人民を敵とした泥沼の戦争、ベトナム侵略戦争を上回る展望のまったくない大戦争にならざるをえない。米帝の侵略と戦争の歴史と、新たな侵略戦争への突入は、パレスチナ・アラブ人民の怒りと憎しみをさらに増幅させるばかりである。21世紀を侵略戦争と第3次世界大戦の世紀にすることを許していいのかが、まさに全世界の労働者人民に問われている。

 日帝・小泉は、このアメリカを全面支持するとしている。米軍が行動を起こした際の集団的自衛権をとなえる声が一段と高まっている。有事立法の動きが加速されようとしている。小泉は、アメリカとNATO軍が行動を起こすことに乗り遅れまいと、必死で対応している。この戦争協力を有事立法、憲法改悪の水路としようとしているのだ。道路や橋や民家を戦争のために強制的に使うことができるような国をつくろうとするのが有事立法である。これをとおして、日本を戦争のできる国につくり変えようとしているのだ。あのアジア侵略戦争、太平洋戦争の悲惨な結末から、2度と戦争を繰り返さないと誓った日本の労働者人民の闘いの地平を一気に覆そうとしているのだ。日帝の対米軍事協力、侵略戦争加担を許してはならない。

 9・11に対する日本共産党の態度ほど反動的で許しがたいものはない。『赤旗』紙面を大々的に割いて、「テロ非難」のキャンペーンを張っている。志位委員長は、「史上例を見ない野蛮な大規模テロ」「絶対に許されない卑劣な犯罪行為」だと口をきわめて9・11ゲリラを「糾弾」している。そして、ブッシュの反革命声明を麗々しく掲載している。他の誰よりも激しくゲリラを非難することが自らの使命だと言わんばかりである。だが、彼らはなぜこのような事態が引き起こされたのか、米帝が被抑圧民族に何をしてきたのかを一切語ろうとしない。そもそも世界には帝国主義と被抑圧民族の矛盾と対立があり、それは非和解的なものであるという真理は、彼らの「科学的社会主義」にはまったく存在しない。こうして日共は、日米帝に完全に屈服して、その侵略戦争に翼賛する勢力として名乗りを挙げるに至ったのである。(た)