COMMUNE 2001/6/01(No306 p48)

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No305号 2001年6月号 (2001年6月1日発行)

定価 315円(本体価格300円+税)

〈特集〉 「日の丸・君が代」闘争の地平

□「日の丸・君が代」強制と跳ね返してきた闘争史
□日帝・右翼反動の国立への総攻撃を弾劾する
□2001年卒業式における抵抗闘争の大爆発

ニューズ&レビュー  米中関係/EP3機の中国沿岸スパイ飛行 村上 和幸

    動労千葉ストに決起

三里塚ドキュメント(3月) 内外情勢(3月) 日誌(2月)


羅針盤 閉塞つき破るスト

 4月3日に「つくる会」(新しい歴史教科書をつくる会)の中学校歴史と公民の教科書が文部省の検定で合格したというニュースは、日本国内のみならず南北朝鮮、中国を始めアジアと世界に衝撃を与え、巨大な怒りと抗議の闘いを生み出している。全世界で5千万人以上の死者を出し、筆舌に尽くせぬ被害をもたらした第二次世界大戦を、この「つくる会」教科書は賛美しているのだ。新しい侵略戦争の担い手をつくるために、日帝の侵略戦争を開き直って美化し、「国のため、天皇のために死ね」と教える教科書を教育現場で使おうとしている。137カ所の修正したというが、主旨は変わっていない。会長の西尾幹二は「深い感慨に堪えない」と評価している。この「つくる会」教科書を葬り去ることは日本労働者人民の責務だ。

 石原都知事は「つくる会」の教科書を東京都の中学校で使わせるために、教育委員会の権限で採択させるように画策している。また、杉並区の山田区長は、「つくる会」教科書採択を企て、勝共連合系の教育委員への交替を強行した。まさに教科書問題は杉並決戦になっている。石原との対決点はますます鮮明になっている。石原は自民党よりも反動的な、戦争国家化を狙う極右ファシストだ。石原は反米・反中国の排外主義・愛国主義を公然と掲げ、現状破壊的な言動をもって日本を一気に戦争国家化に持っていこうとしているのだ。「ヒトラーになりたいね、なれたら」(『論座』5月号)とうそぶく石原は、かつてのヒトラーが「ベルサイユ体制の打破」を掲げて登場したことを明確に意識して、反革命的突破を図っているのだ。

 こうしたファシストの攻撃を打ち破るのは何と言っても労働者人民の革命的大衆運動である。動労千葉は、3月28日と3月31〜4月3日の計120時間に及ぶストライキに立ち上がり、運休800本を出す大打撃を政府・資本に与えた。ストは、大幅賃上げとともに、JR貨物の格差回答打破、シニア制度=全面外注化阻止、運転保安確立、1047人の解雇撤回などを掲げて闘われ、JR東日本に対して迫ったのだ。この闘いは、JR資本だけでなく、黒田・カクマルと分裂して一層のJR資本の先兵となって延命をはかるJR総連・松崎に大打撃を与えた。そして、「4党合意」に抗して闘う不屈の国鉄労働者に力強い激励のメッセージとなった。まさに労働運動の閉塞をつき破る素晴らしい労働者魂の発揮だった。

 けしば誠一氏の勝利をめざす都議選決戦は、まさに動労千葉のストライキのような労働者人民の不屈の決起、革命的大衆行動によって、今日の腐敗と反動の極にある自民党政治と石原都政を根本的に打倒する闘いである。アメリカ経済のバブル経済の崩壊から本格的な1929年型大恐慌に世界がたたき込まれつつある中で、没落帝国主義としての日帝の絶望的な延命策として改憲攻撃がいよいよ強まってきている時に、死すべきは国家だということを鮮明に突き付けて、闘いの先頭に立つけしば氏が都政に登場するならば、石原との対決においても、労働運動の前進にとっても、改憲決戦にとっても素晴らしい情勢が生まれることは明白である。石原都政に「是々非々」などと言っている日共は、闘いの抑圧者でしかない。いまこそ自民党への怒り、石原への怒りを総結集して、けしば氏当選を絶対にかちとろう。(た)