機能強化で被害拡大必至 「谷間地区」睡眠妨害の実情暴く 成田夜間飛行差し止め民事訴訟

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週刊『三里塚』02頁(1188号02面01)(2026/07/27)


機能強化で被害拡大必至
 「谷間地区」睡眠妨害の実情暴く
 成田夜間飛行差し止め民事訴訟

(写真 裁判報告集会【15日】)


 成田空港騒音被害訴訟団による民事訴訟第10回口頭弁論が7月15日、千葉地裁民事第1部(三上乃理子裁判長)で開かれた。この裁判は、成田空港の周辺住民(成田市、芝山町、多古町、横芝光町、茨城県稲敷市)が成田空港会社(NAA)に対し、午後9時から午前7時の飛行差し止めと損害賠償を求めているものだ。
 傍聴席を埋め、開廷。この日の原告の意見陳述は、芝山町の騒音地区の住民Aさん。Aさんは、航空機騒音による睡眠障害で、脳溢血を患い、連れ合いが陳述書を代読した(要旨別掲)。Aさんは、AB滑走路に挟まれた、「谷間地区」と呼ばれるところに住んでいる。両方からの騒音にさらされ、さらに各騒音が反響して重なる状況を陳述した。トラック運転手の時に脳溢血を発症したAさんは、「騒音による睡眠不足とストレスが脳溢血の原因ではないか」と述べるとともに、「家族の健康が損なわれることがないようにしてほしい」と訴えた。
 続けて弁護団は、裁判官交代による更新意見陳述を行った。前回の法廷で、突然、三上裁判官への交代が告げられた経緯がある。弁護団は、本裁判の核心点と意義を陳述した。
 事件の概要を「内陸空港の特性と被害」として「夜間・早朝の航空機騒音が住民の睡眠や健康を深刻に侵害している」と弾劾、さらに「機能強化計画」による被害拡大が必至であり、WHOガイドラインとの水準を超過することを指摘した。そして、本裁判の意義を「航空機騒音は現在、夜間においては睡眠妨害や睡眠障害による健康被害をもたらしている」として、「成田空港周辺に暮らす住民は、静謐(せいひつ)で平穏な夜間及び早朝の生活を取り戻すために飛行差し止めと損害賠償を求める」と述べた。
 閉廷後に報告集会が開かれた。記者から「強制収用」の動きについて質問があり、原告団は「4者協の合意は、住民総意ではない。反対の意思を踏みにじった出来レースで、納得いかない」と弾劾した。
 次回の裁判(民事訴訟)は、10月28日(水)午前11時開廷。行政訴訟は10月13日(火)午前11時開廷。
 ぜひ傍聴に駆けつけよう。
(大戸剛)
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切れ目ない騒音に襲われ
 芝山町Aさんの意見陳述

 今後、空港は今の倍ほどの大きさに拡張されることになっています。騒音下で苦しんでいる住民の意思を無視して、国と成田空港会社は次々とやりたい放題です。
 空港の拡張が進むにつれて芝山町の様子もだいぶ変化してきました。飛行回数が増えるつれ、移転する件数が増えて、しかも二度の移転を強いられている例もありますし、近い将来私の地区もそうなると思います。
 私が倒れて以降、二人の息子が実家に戻ってきてくれて今は一緒に暮らしています。空港が拡張され、人口が減っていく芝山町で、息子たちがこれからどのような人生を送ることになるのだろうと考えると不安があります。息子たちの部屋も2階にあるので飛行機騒音にさらされ続けることとなり、息子たちの健康も心配です。
 それでも私たち夫婦は、その裁判の原告となっています。もうこれ以上は耐えられないほど、私たちは、身も、心も、切れ目なく襲ってくる騒音によって傷つけられているからです。
 弁護士さんからの聴き取りを受ける過程で、私たちの息子が、永くこの騒音に悩まされていながら、私たちにすらその悩みを訴えていなかったことが分かりました。
 私たちの願いは素朴なものです。
 この地域の人々が元気に明るく暮らし続けていくことができるよう、眠れる夜と静かな朝を取り戻したい。ただそれだけです。
 私たちの健康と生活環境、そして未来を守っていただきたい。

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