航空燃料価格が大暴騰 ◎イラン情勢で欠航、減便、経営危機 ◎IEA事務局長「残りは6週間分」 ◎「強制収用」の理屈は前提から崩壊
航空燃料価格が大暴騰
◎イラン情勢で欠航、減便、経営危機
◎IEA事務局長「残りは6週間分」
◎「強制収用」の理屈は前提から崩壊


米帝国主義・トランプ政権とイスラエルによるイラン侵略戦争は、日本と世界の航空業界に壊滅的な打撃を与えている。石油由来のジェット燃料(ケロシン)の価格暴騰と供給不足が、航空各社の大幅な減便、欠航、さらには深刻な経営危機を全世界的規模で引き起こしているのだ。
「打つ手なし」!
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は4月16日、「欧州にはおそらく6週間分の航空燃料しか残っていない」と警告を発した。そして、これまで欧州が航空燃料輸入の約75%を中東に依存してきたことを認め、その半分を他地域からの輸入で代替できなければ「特定の空港で物理的な不足が生じる」とした。
だが、危機はすでに後戻りのきかない地点に至っている。航空燃料は米国、韓国、インド、中国などの施設において原油から精製され全世界に供給されるが、中東からの原油輸入が不安定化する中で、精製と流通のシステムが混乱をきたし、価格高騰に拍車をかけている。欧州の航空燃料の価格は、戦争開始以前の1㌧あたり831㌦から、4月初めには1838㌦(約29万円)と倍以上に跳ね上がっている。
日本における危機はさらに深刻である。日航、全日空など国内航空会社の業界団体である「定期航空協会」は4月3日に「イラン中東情勢を背景にした航空燃料価格の高騰について」と題する緊急声明を発した。だがその中身は、燃料暴騰を「未曽有の事態」とし、今後も「影響を懸念し」「みなさまのご理解を」と言うだけで、何の対策も見通しも示せない。
日航の鳥取光子社長は4月1日、「原油1バレル200㌦以上が続けば1カ月で300億円ほどの燃料費の負担が増加する」「燃料費は会社全体の支出の約25%を占める」と説明した。
結局は、燃料費上昇分を航空券価格に転嫁するしか手の打ちようがない。実際の値上がりは、長距離便となる日本―欧州・北米路線で最も影響が大きく、日航、全日空の航空券価格は現行2~3万円台から今夏には8~9万円台に跳ね上がる見込みだ。すでに赤字状態である国内線においては、一層の業績悪化が予想される。
エミレーツ航空、カタール航空などの中東の大手航空会社は、ドバイ、ドーハ、アブダビなどの巨大ハブ空港を経由して日本と欧州を比較的安価でつないできたが、空港がイランのドローン攻撃対象となったことで、運航停止や大幅減便を強いられている。アジアの各航空会社も次々と大幅な減便を行っている。
全世界の航空ネットワークは再編を迫られ、航空需要は劇的に縮小するただ中にあるのだ。
責任逃れの高市
この事態に顔面蒼白となっているのが、NAAであり、「第2の開港」プロジェクトの利権に群がる周辺自治体、関連企業、地元推進派だ。
第3滑走路の用地取得が行き詰まる中であせりに駆られて「収用法を適用して強制収用をやれ」とわめきだしたものの、「年間発着50万回化」どころか、航空需要激減の現実が悪夢のように襲いかかっている。「成田空港を中心に地域の繁栄を」「機能強化には公共性がある」「アジアとの国際競争に勝つ」と強弁し、だから土地の任意買収に応じない者からは国家暴力で強奪してよい、という彼らの理屈は、その前提から無残に崩れ落ちつつあるのだ。「それでも強制収用だ」と言うなら、それはむき出しの軍事空港としての「機能強化」へ向けた土地強奪を意味する。
航空燃料に限らず、ナフサを原料とする建築や医療関連の資材、プラスチック、樹脂製品などの品不足と価格高騰が今、労働者人民の生活を直撃している。高市政権はそれを流通段階での「目詰まり」と呼んで、責任逃れに躍起となっている(米価の時と同様)。労働者人民が「生きていけない」現実をもたらしているのは、米帝トランプの残虐なイラン侵略戦争を全面支持し、戦争国家化への道をひた走る日帝・高市政権である。倒すしかない。石油の大量消費で成り立ってきた帝国主義文明が今、歴史的危機をさらけ出した。イラン人民と連帯し、成田を廃港に追い込もう。